説明

セロトニントランスポーター(SERT)阻害剤

本発明は、式(I)(ここで、Rは、水素、ハロゲンまたは低級アルキルであり;R/Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、CN、低級アルキル、ハロゲンにより置換された低級アルキル、低級アルコキシ、またはハロゲンにより置換された低級アルコキシであり;Xは、−O−、または−N(R)−であり;Rは、水素または低級アルキルである)のシス−誘導体、および薬学的に許容されるその酸付加塩に関する。式Iの化合物は、良好なセロトニントランスポーターの阻害剤(SERT阻害剤)である。SERT阻害剤としてのそれらの有効性によって、本発明における化合物は、特にCNS障害および精神性障害の治療、とりわけ抑うつ状態の治療もしくは予防、および/または不安神経症の治療に役立つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I:
【0002】
【化12】

【0003】
〔式中、
は、水素、ハロゲンまたは低級アルキルであり;
/Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、CN、低級アルキル、ハロゲンにより置換された低級アルキル、低級アルコキシ、またはハロゲンにより置換された低級アルコキシであり;
Xは、−O−または−N(R)−であり;
Rは、水素または低級アルキルである〕
のシス誘導体、およびその薬学的に許容される酸付加塩に関する。
【0004】
式IAおよびIB:
【0005】
【化13】

【0006】
の化合物が、本式Iにより網羅される。
【0007】
式Iの化合物は、セロトニントランスポーターの良好な阻害剤(SERT阻害剤)である。SERT阻害剤としてのそれらの有効性によって、本発明における化合物は、特にCNS障害および精神性障害の治療、とりわけ抑うつ状態の治療もしくは予防、および/または不安神経症の治療に役立つ。
【0008】
選択的セロトニントランスポーター阻害剤を包含し、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI’s)とも呼ばれているSERT阻害剤は、最も頻繁に処方される抗うつ薬になってきている。それらは、海馬および前頭葉皮質のようなセロトニン作動性末端領域における細胞外5−HTレベルを増加させることによりそれらの効果を示すと考えられている。しかしながら、患者のおおよそ30%は、SSRI治療に耐性を示すようである。加えて、SSRI治療で利益を得るこれらの患者は、しばしば全5−HTレセプターの(5−HTレベルの上昇を介した)それらの間接的活性化に起因する性機能障害、胃腸障害、不眠症、およびある場合には、情動行動(anxiogenesis)を包含するさまざまな副作用を示す。さらに、現在の抗うつ治療におけるよくある問題は、その作用の発現の遅さであり、通常は、約4週の遅延が、治療の開始から症状の緩和までの間で認められる。遅延は、細胞体樹状突起5HT1Aレセプターの進行性の脱感作に平行するように見え、セロトニン作動性機能を増大させ、こうして抑うつ症状の緩和を可能にする。
【0009】
したがって、本発明の目的は、作用の発現にさらなる有益な効果を伴うSERT阻害活性を有し、かつSSRI耐性患者(例えば、減少した不安惹起または同等の抗不安のプロファイルを伴う)に大幅な改善を可能にする化合物を見出すことであった。
【0010】
式Iの本化合物は、SERT阻害剤として良好な活性を有し、それらは同時にNK−1レセプター拮抗薬として活性があることが意外にも見出された。
【0011】
NK−1拮抗薬は、ノルアドレナリン作動性経路を介して間接的に5−HT機能を調節すると考えられ、シナプス前5HT1Aレセプター機能を弱めることが示されている(Bioorg. Med. Chem., Lett. 12, (2002), 261-264)。
【0012】
それ故に、NK−1拮抗作用とセロトニン再取り込み阻害剤との組み合わせは、改善された作用の発現、ならびに抑うつ状態/抗不安状態の治療期間のより良好な有効性を有する化合物をもたらすことができる。
【0013】
本発明の化合物は、セロトニントランスポーター阻害作用とNK−1拮抗作用を組み合わせる。
【0014】
最近の報告は、SSRIとNK−1拮抗薬の組み合わせが、比較的少ない用量で、モルモットの母子分離啼鳴反応のような不安神経症およびうつ病の動物モデルに有益な反応を引き起こすことが示されている(WO98/47514; Bioorg. Med. Chem. Lett. 12(2), 261-264 (2002)およびBioorg. Med. Chem. Lett. 12(21), 3195-3198 (2002))。
【0015】
これは、機構的に異なる二重のアプローチを採用することによって、応答を強化することを可能にする、2つの作用機序間の相乗効果が起こりうることを示唆する。これは、SSRI単独での治療に耐性がある患者だけでなく、治療作用の発現速度を改善することにおいても有益になるであろう。二重の作用機序を有する薬は、2つの薬剤の組み合わせと比較して、潜在的に投薬における減量と、したがって副作用の危険性の減少を可能にする。
特許文献において、組み合わせたNK−1/SSRIアプローチはまた、肥満の潜在的治療(WO98/47514)として提案されている。
【0016】
WO2005/032464には、タキキニンレセプター拮抗薬であるトランス−フェニルピロリジンエーテルが記載されている。この出願中に記載のすべての実施例は、選択的タキキニンレセプター拮抗活性に必要であるように思われるピロリジン環のN−原子上の置換を有する。今や、ピロリジン環のN−原子上で置換されていない、本式Iのピロリジン誘導体のシス−誘導体の小さい群は、SERT阻害剤であり、そして同時に、それらはNK−1レセプター拮抗薬として良好な活性を有することが意外にも見出された。二重の作用機序を有する薬剤は、両方のレセプター部位の利点を組み合わせて、したがって薬の用量は減少してもよく、こうして2つの薬剤の組み合わせと比較して副作用の危険性の減少をもたらす。
【0017】
トランス誘導体は、二重活性を有していないか、または非常に低い二重活性を有し、したがって、先に述べたような利点を共有することができないことが示されている。下記の表において、式Iの本シス誘導体の化合物におけるNK−1およびSERTの活性を示し、WO2005/032464により網羅される式II、IIIおよびIVの構造に関連するトランス誘導体と比較した:
【0018】
【表1】





【0019】
式IIおよびIIIに関連する化合物は、NK−1レセプターに対して高い選択性を有して(本ケースでは望ましくない)、式IVの化合物は、予想外に低いレベルで両レセプターに活性を示す。
【0020】
さらに、ピロリジン環中のN−原子上の置換が、下記に示されるように、SERT活性の減少をもたらすことが見出された:
【0021】
【化14】

【0022】
データは、以下の分析にしたがって作成された:
hSERT SPA結合分析
組み換えヒトSERTを安定発現するHEK−293細胞を、10% FBS、300μg/ml G418および2mM L−グルタミンを含むDMEM高グルコースで維持し、5% COを用いて37℃で培養した。細胞を、1〜2分間、PBSを使用して培養フラスコから取り出した。その後、細胞を1000gで、5分間遠心分離にかけて、PBS中で再懸濁し、膜調製に使用した。
【0023】
細胞を、50mM トリス(pH7.4)中でポリトロンを使用して均質化した。48,000xgで、15分間遠心分離して、ペレットを未使用の緩衝液中で再懸濁した。二度目の遠心分離後、ペレットを再均質化して、未使用の緩衝液中で再懸濁した。一般的に、膜部分を3mg/ml(w:v)に等分して、−80℃で貯蔵した。
【0024】
50mM トリス−HCl、120mM NaCl、KCl 5mM(pH7.4)中の試験化合物の連続希釈を、白色Optiplate(Packard)(100μl/ウェル)中で行ない、放射性リガンド[H]シタロプラム(比活性:60−86Ci/mmol、最終濃度:1nM)を50μl/ウェルで加えた。膜およびビーズを、ウェル毎に加えられたPVT−WGAアマシャムビーズ(Cat#RPQ0282V)0.6mgを用いて、5μg:0.6mgの比率で調製した。膜/ビーズ混合物 50μlを分析プレートに加えて最終容量 200μlにした。混合物を、1時間、室温に放置し、次にPackard TopCountでカウントした。
【0025】
阻害%を、それぞれ試験された化合物について算出した(化合物なしでの緩衝液中の膜/ビーズおよび放射性リガンドのインキュベートから、10μM フルオキセチンの存在下で測定された非特異的結合を引くことにより得られた値である100%結合を用いた)。50%阻害(IC50)を生じる濃度を、相互非線形曲線フィット技術を使用して測定した。それぞれの化合物の阻害解離定数(Ki)をCheng−Prusoffの方法に従って測定した。
【0026】
hNK−1結合分析
NK−1レセプターに対する試験化合物の親和性を、セムリキウイルス発現系を使用してヒトNK−1レセプターでトランスフェクトしたCHO細胞中のヒトNK−1レセプターで評価して、[H]サブスタンスP(最終濃度 0.6nM)で放射性標識した。
結合分析を、BSA(0.04%)、ロイペプチン(8μg/ml)、MnCl(3mM)およびホスホラミドン(2μM)を含有するHEPES緩衝液(50mM、pH7.4)中で行った。結合分析は、膜懸濁液250μl(1.25×10セル/分析管)、置換剤の緩衝液125μlおよび[H]サブスタンスP 125μlで構成された。置換曲線を、化合物の少なくとも10種の濃度で決定した。分析管を60分間、室温でインキュベートし、その後、管内容物を、HEPES緩衝液(50mM、pH7.4)の2×2mlの洗浄を伴うPEI(0.3%)を用いて60分間、予備浸漬したGF/Cフィルターを通して減圧下で急速に濾過した。フィルター上に保持される放射能をシンチレーション計数により測定した。すべての分析を少なくとも2つの別々の試験において2回行った。
【0027】
NK−1に対するそれぞれの化合物の阻害解離定数(Ki)をhSERTに対して上述のように測定した。
【0028】
【表2】

【0029】
本発明の目的は、式Iの化合物自体、セロトニントランスポーター(SERT)の活性化に関する疾患の治療用の、例えばうつ病や不安神経症の治療用の薬剤の製造のための式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩の使用、それらの製造、本発明に従う化合物に基づく薬剤、そしてそれらの生産、ならびにうつ病や不安神経症のような病気の制御または予防における式Iの化合物の使用である。
【0030】
本発明は、全シス誘導体およびそれらの薬学的に活性の塩を包含する。
【0031】
本明細書で使用されている用語「低級アルキル」は、例えば、メチル、エチル,プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、2−ブチル、t−ブチルなどの1〜7個の炭素原子を含有する飽和の直鎖状または分岐鎖状の基を意味する。好ましいアルキル基は、1〜4個の炭素原子を有する基である。
【0032】
用語「ハロゲン」は、塩素、ヨウ素、フッ素および臭素を意味する。
【0033】
用語「ハロゲンにより置換された低級アルキル」は、「低級アルキル」に関して記載されたような1〜7個の炭素原子を含有し、そこで少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置き換えられている、飽和の直鎖状または分岐鎖状の基、例えば、CF、CHFまたはCHFを意味する。
【0034】
用語「低級アルコキシ」は、残基O−R(ここで、Rは、「低級アルキル」に関して記載されたような1〜7個の炭素原子を含有する飽和の直鎖状または分岐鎖状の基である)を意味する。
【0035】
用語「ハロゲンにより置換された低級アルコキシ」は、残基O−R〔ここで、Rは、低級アルキルに関して記載したような1〜7個の炭素原子を含有し、そこで少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置き換えられている、飽和の直鎖状または分岐鎖状の基である〕を意味し、例えば、OCF、OCHFまたはOCHFである。
【0036】
用語「薬学的に許容される酸付加塩」は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタン−スルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのような無機酸および有機酸との塩を包含する。
【0037】
式Iの好ましい化合物は、式I−Aの化合物、例えば以下の化合物:
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン、
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン、
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(2−フルオロ−フェニル)−ピロリジン、
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−クロロ−フェニル)−ピロリジン、
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(3−クロロ−フェニル)−ピロリジン、
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(2−クロロ−フェニル)−ピロリジン、
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−o−トリル−ピロリジン、
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン、
3−(3,5−ジブロモ−ベンジルオキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン、
(+)−3−(3,5−ジメチル−ベンジルオキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン、
(+)−3−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン、
(+)−3−フェニル−4−(3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−ピロリジン、
(+)−3−フェニル−4−(3−トリフルオロメトキシ−ベンジルオキシメチル)−ピロリジン、
(+)−3−(3,5−ジメトキシ−ベンジルオキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン、
(+)−3−フェニル−4−(2−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−ピロリジン
である。
【0038】
式Iの好ましい化合物は、さらに式I−Bの化合物、例えば以下の化合物:
(+)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−((3R,4R)−4−フェニル−ピロリジン−3−イルメチル)−アミン二塩酸塩、または
(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メチル−((3R,4R)−4−フェニル−ピロリジン−3−イルメチル)−アミン二塩酸塩
である。
【0039】
式Iの新規シス−誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩を、当技術分野で公知の方法により、例えば下記の方法により調製することができ、その方法は、
【0040】
a) 式II:
【0041】
【化15】

【0042】
の化合物を、水素化ナトリウムおよび式III:
【0043】
【化16】

【0044】
の化合物と反応させ、続いてHClまたはトリフルオロ酢酸のような酸で処理をして、
式I−A:
【0045】
【化17】

【0046】
(式中、Xは、Cl、BrまたはIであり、そしてR〜Rは、上記のとおりである)
の化合物を得る工程、または
【0047】
b) 式XII:
【0048】
【化18】

【0049】
の化合物を、トルエン中でボランジメチルスルフィド錯体のTHF溶液と、そして次にHClまたはトリフルオロ酢酸のような酸と反応させて、式I−B1:
【0050】
【化19】

【0051】
(式中、置換基は、上記のとおりである)
の化合物とする工程、または
【0052】
c) 式XII:
【0053】
【化20】

【0054】
の化合物を、ヨウ化メチルのようなアルキル化剤でアルキル化して、式XIII:
【0055】
【化21】

【0056】
の化合物とし、これを、連続してトルエン中でボランジメチルスルフィド錯体のTHF溶液と、そして次にHClまたはトリフルオロ酢酸のような酸と反応させて、式I−B2:
【0057】
【化22】

【0058】
(式中、置換基は、上記のとおりである)
の化合物とする工程、あるいは
所望ならば、得られた化合物を薬学的に許容される酸付加塩に変換する工程、
を含む。
【0059】
スキーム1と2は、式Iの化合物の調製をさらに詳細に示す。スキーム1と2で使用されている出発物質は、公知の化合物であるか、または当技術分野で公知の方法により調製されてもよい。
【0060】
【化23】

【0061】
スキーム1に従って、式I−Aの化合物を、以下のように調製してもよい:
THF中のビス(2,2,2−トリフルオロエチル)(メトキシカルボニルメチル)ホスホナートと18−クラウン−6の溶液に、−78℃で、カリウムヘキサメチルジシラジド溶液を加えた。5分後、式Vの化合物を加えた。反応混合物を−78℃で約20分間撹拌して、次いで放置して、約1時間にわたって室温まで温めて、続けて塩化アンモニウムの飽和水溶液でクエンチして、従来の方式で抽出をした。得られた式VIの化合物をジクロロメタンで溶解して、引き続き、N−(メトキシメチル)−N−(トリメチルシリルメチル)ベンジルアミン(96%、Aldrich)で処理して、ジクロロメタンとトリフルオロ酢酸の溶液を0℃で加えた。N−(メトキシメチル)−N−(トリメチルシリルメチル)ベンジルアミン(96%、Aldrich)の追加分を、必要に応じて完了への変換を促進するために1時間後に加えた。反応混合物をジクロロメタンで希釈して、飽和炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。濃縮および精製後、式VIIの化合物を得た。1,2−ジクロロエタン中の式VIIの化合物とクロロギ酸1−クロロエチルの溶液を、約50℃で一晩加熱した。室温に冷却後、溶媒を蒸発した。残留物をMeOHに再溶解して、得られた溶液を30分間加熱還流した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留塩酸塩をTHFに再溶解した。混合物を0℃に冷却して、トリエチルアミンとTHF中の二炭酸ジ−tert−ブチルの溶液で処理した。約90分間撹拌後、反応混合物を従来の方式で処理して、式VIIIの化合物を得た。次に、式VIIIの化合物と塩酸溶液の混合物を、約4時間加熱還流した。反応混合物を0℃に冷却して、水酸化ナトリウムを加えて塩基性にした。ジオキサンで希釈して、続けて1,4−ジオキサン中の二炭酸ジ−tert−ブチルの溶液を加えた。反応混合物を濃縮し、従来の方式で精製して、式IXの化合物を得た。
【0062】
THF中の前記の酸(IX)の溶液に、0℃でTHF中のボランジメチルスルフィド錯体溶液を加えた。混合物を約15分間、0℃で、そして次に5時間、室温で撹拌した。0℃に冷却後、反応をメタノールの添加によりクエンチした。ガスの発生がもはや観察されなくなるまで撹拌を続けた。反応混合物を減圧下で濃縮し、精製して式IIの化合物を得た。
【0063】
さらに、DMF中の式IIの化合物の溶液に、水素化ナトリウムを0℃で加えた。反応混合物を放置して室温まで温めた。約1時間後、式IIIの化合物を加えた。室温で2.5時間撹拌して、続けて水でクエンチし、抽出および精製をした。次に、塩酸およびメタノール中の式IVの化合物の溶液を30分間、約50℃で撹拌した。反応混合物を濃縮乾固して式I−Aの化合物を得た。
【0064】
【化24】

【0065】
式I−B1およびI−B2の化合物を、以下のように調製してもよい:
【0066】
ジクロロメタン中の式IIの化合物とトリエチルアミンの溶液に、0℃で塩化メタンスルホニルを滴下した。添加を完了後、反応混合物を、放置して、30分の間室温まで温めた。水でクエンチして、続いて抽出をした。得られた粗生成物を精製しないで次の工程で使用した。ジメチルスルホキシド中のこの生成物とアジ化ナトリウムの混合物を、約120℃で5時間加熱した。混合物を室温に冷却し、炭酸ナトリウムの水溶液で希釈して、メチルtert−ブチルエーテルで抽出した。合わせた有機層を洗浄し、乾燥して、対応する粗3−アジドメチル−4−フェニル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た。この化合物をTHFで溶解して、トリフェニルホスフィンと水で処理した。室温で約20時間撹拌後、反応混合物をメチルtert−ブチルエーテルで希釈し、洗浄し、精製して、式Xの化合物を得た。
【0067】
次に、ジクロロメタン中の式Xの化合物とトリエチルアミンの溶液に、式XIの化合物を0℃で加えた。添加を完了後、反応混合物を放置して室温まで温め、1時間撹拌した。水でクエンチして、続けて水酸化ナトリウム溶液で塩基性にし、抽出および精製をした。式XIIの化合物を得た。
【0068】
次に、トルエン中の式XIIの化合物およびボランジメチルスルフィド錯体のTHF溶液の混合物を、約20時間加熱還流した。ボランジメチルスルフィド錯体のTHF溶液の追加分を添加後、混合物をさらに1時間加熱還流した。室温に冷却後、メタノールを加えて、混合物を約30分間加熱還流して、式I−B1の化合物の遊離塩基を得た。
【0069】
式I−B2の化合物を、以下のように得てもよい:
DMF中の式XIIの化合物の溶液に、室温で水素化ナトリウムを加えた。30分後、ヨウ化メチルを加えて、撹拌を約2時間続けた。水でクエンチして、続けて抽出および精製をして、式XIIIの化合物を得た。
トルエン中の式XIIIの化合物およびボランジメチルスルフィド錯体のTHF溶液の混合物を、約20時間加熱還流した。室温に冷却後、塩酸水溶液を加えて、混合物を約30分間加熱還流させた。反応混合物を室温に冷却し、塩酸水溶液で希釈して、メチルtert−ブチルエーテルで洗浄した。合わせた有機層を塩酸水溶液で抽出した。合わせた水層を水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にして、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥して、減圧下で濃縮した。式I−B2の化合物を得た。
【0070】
以下の実施例は、さらに詳細に式Iの化合物の調製を記載する。
【0071】
中間体A
(+)−3−(4−フルオロ−フェニル)−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
a) (Z)−3−(4−フルオロ−フェニル)−アクリル酸メチルエステル
【0072】
【化25】

【0073】
THF 220ml中のビス(2,2,2−トリフルオロエチル)(メトキシカルボニルメチル)−ホスホナート 3.45g(10.9mmol)と18−クラウン−6 7.18g(27.2mmol)の溶液に、−78°で、カリウムヘキサメチルジシラジド溶液(THF中の0.91M) 11.9ml(10.9mmol)を加えた。5分後、4−フルオロベンズアルデヒド 1.5g(10.9mmol)を加えた。反応混合物を、−78℃で、20分間撹拌して、続いて放置して、1時間にわたって室温まで温めた。塩化アンモニウムの飽和水溶液でクエンチして、続けてメチルtert−ブチルエーテルで抽出をした。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して(シリカゲル、ヘプタン/酢酸エチル)、僅かに黄色の油状物として標記化合物1.56g(80%)を得た。
MS m/e(%):180(M、68)
【0074】
b) (3RS,4RS)−1−ベンジル−4−(2−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸メチルエステル
【0075】
【化26】

【0076】
ジクロロメタン 40ml中の(Z)−3−(4−フルオロ−フェニル)−アクリル酸メチルエステル 1.56g(8.66mmol)とN−(メトキシメチル)−N−(トリメチルシリルメチル)ベンジルアミン(96%、Aldrich) 2.26g(9.14mmol)の溶液に、ジクロロメタン 1ml中の溶液としてトリフルオロ酢酸 0.066ml(0.87mmol)を0℃で加えた。N−(メトキシメチル)−N−(トリメチルシリルメチル)ベンジルアミン(96%、Aldrich)の追加分を1時間後に加えた。(Z)−3−(4−フルオロ−フェニル)−アクリル酸メチルエステルの完全な消費後、反応混合物をジクロロメタンで希釈して、飽和炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。水層をジクロロメタンで2回に分けて抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して(シリカゲル、ヘプタン/酢酸エチル)、僅かに黄色の油状物として標記化合物2.36g(87%)を得た。
MS m/e(%):314(M+H、100)
【0077】
c) (+)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−l,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−メチルエステル
【0078】
【化27】

【0079】
1,2−ジクロロエタン 80ml中の(3RS,4RS)−1−ベンジル−4−(2−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸メチルエステル 7.65g(24.4mmol)とクロロギ酸1−クロロエチル3.2ml(29mmol)の溶液を50℃で一晩加熱した。室温に冷却後、溶媒を蒸発した。残留物をMeOH 80mlで再溶解して、得られた溶液を30分間加熱還流した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留塩酸塩をTHF 50mlで再溶解した。混合物を0℃に冷却して、トリエチルアミン3.4ml(24mmol)とTHF 30ml中の二炭酸ジ−tert−ブチル6.4g(29mmol)の溶液で処理した。90分間撹拌後、反応混合物をメチルtert−ブチルエーテルと水で希釈した。水層のpHを、2M塩酸水溶液を加えて2に調整した。層を分離して、水層をメチルtert−ブチルエーテルで2回以上に分けて抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、フラッシュ クロマトグラフィーにより精製して、僅かに黄色の油状物として(3RS,4RS)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−メチルエステル 5.82g(74%)を得た。
【0080】
光学異性体をキラルHPLC(Chiralpak AD;ヘプタン/EtOH 95:5)により分離して、僅かに黄色の油状物として標記化合物2.36gを得た。
MS m/e(%):324(M+H、11)、346(M+Na、29)
[α]=+54.98(c=0.422、CHCl
【0081】
d) (+)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル
【0082】
【化28】

【0083】
(+)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−メチルエステル 1.79g(5.54mmol)と2M塩酸水溶液 15mlの混合物を4時間加熱還流した。反応混合物を0℃に冷却して、水酸化ナトリウムの32%水溶液 3.6mlを加えて塩基性にした。1,4−ジオキサン 10mlで希釈して、続けて1,4−ジオキサン 5ml中の二炭酸ジ−tert−ブチル 2.42g(11.1mmol)の溶液を加えた。添加を完了した後、反応混合物を、放置して一晩室温までゆっくり温めた。混合物を、pH8で、メチルtert−ブチルエーテルで抽出した。有機層を1M水酸化ナトリウム水溶液で抽出した。合わせた水層を、0℃で、氷冷2M塩酸水溶液を加えてpH1に酸性化して、酢酸エチルを3回に分けて抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、オフホワイトの固体として標記化合物1.55g(91%)を得た。
MS m/e(%):308([M−H、100)
[α]=+31.32(c=0.3768、CHCl
【0084】
e) (+)−3−(4−フルオロ−フェニル)−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0085】
【化29】

【0086】
THF 12ml中の(+)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル 0.75g(2.4mmol)の溶液に、THF中の2Mボランジメチルスルフィド錯体溶液 2.42ml(4.84mmol)を0℃で加えた。混合物を15分間、0℃で、そして次に5時間、室温で撹拌した。0℃に冷却後、反応をメタノールを加えてクエンチした。ガスの発生がもはや認められなくなるまで、撹拌を続けた。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、無色の無定形固体として標記化合物0.61g(85%)を得た。
MS m/e(%):296(M+H、24)
[α]=+62.40(c=0.423、CHCl
【0087】
中間体B
(+)−3−(3−フルオロ−フェニル)−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0088】
【化30】

【0089】
標記化合物を、工程a)中の4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに3−フルオロベンズアルデヒドを使用して、(+)−3−(4−フルオロ−フェニル)−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製についての上述の手順に従って、フラッシュクロマトグラフィー後、同等の収率で明黄色の粘性油状物として得た。
MS m/e(%):296(M+H、7)
[α]=+61.86(c=0.892、CHCl
【0090】
中間体C
(+)−3−(2−フルオロ−フェニル)−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−l−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0091】
【化31】

【0092】
標記化合物を、工程a)中の4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに2−フルオロベンズアルデヒドを使用して、(+)−3−(4−フルオロ−フェニル)−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製についての上述の手順に従って、フラッシュクロマトグラフィー後、同等の収率でオフホワイトの無定形固体として得た。工程c)中で、光学異性体的に純粋な(+)−1−ベンジル−4−(2−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸メチルエステルを、工程b)中で得られたラセミ混合物の分取HPLC(Chiralcel OD、ヘプタン/EtOH 99:1)による分離後に使用した。
MS m/e(%):295(M、7)
[α]=+72.54(c=0.531、CHCl
【0093】
中間体D
(+)−3−(4−クロロ−フェニル)−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0094】
【化32】

【0095】
標記化合物を、工程a)中の4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに4−クロロベンズアルデヒドを使用して、(+)−3−(4−フルオロ−フェニル)−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製についての上述の手順に従って、フラッシュクロマトグラフィー後、同等の収率で無色の無定形固体として得た。
MS m/e(%):312(M+H、75)
[α]=+63.80(c=0.635、CHCl
【0096】
中間体E
(+)−3−(3−クロロ−フェニル)−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0097】
【化33】

【0098】
標記化合物を、工程a)中の4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに3−クロロベンズアルデヒドを使用して、(+)−3−(4−フルオロ−フェニル)−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製についての上述の手順に従って、フラッシュクロマトグラフィー後、同等の収率で無色の無定形固体として得た。工程c)中で、光学異性体的に純粋な(+)−1−ベンジル−4−(3−クロロ−フェニル)−ピロリジン−3−カルボン酸メチルエステルを、工程b)中で得られたラセミ混合物の分取HPLC(Chiralcel OD、ヘプタン/EtOH 98:2)による分離後に使用した。
MS m/e(%):312(M+H、18)
[α]=+69.19(c=0.597、CHCl
【0099】
中間体F
(+)−3−(2−クロロ−フェニル)−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0100】
【化34】

【0101】
標記化合物を、工程a)中の4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに2−クロロベンズアルデヒドを使用して、(+)−3−(4−フルオロ−フェニル)−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製についての上述の手順に従って、フラッシュクロマトグラフィー後、同等の収率で明黄色の無定形固体として得た。
MS m/e(%):312(M+H、100)
[α]=+90.85(c=0.790、CHCl
【0102】
中間体G
(+)−3−ヒドロキシメチル−4−o−トリル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0103】
【化35】

【0104】
標記化合物を、工程a)中の4−フルオロベンズアルデヒドの代わりにo−トリルベンズアルデヒドを使用して、(+)−3−(4−フルオロ−フェニル)−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製についての上述の手順に従って、フラッシュクロマトグラフィー後、同等の収率で明黄色の無定形固体として得た。
MS m/e(%):292(M+H、100)
[α]=+77.97(c=1.049、CHCl
【0105】
中間体H
(+)−3−ヒドロキシメチル−4−フェニル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0106】
【化36】

【0107】
標記化合物を、工程a)中の4−フルオロベンズアルデヒドの代わりにベンズアルデヒドを使用して、(+)−3−(4−フルオロ−フェニル)−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製についての上述の手順に従って、フラッシュクロマトグラフィー後、同等の収率で無色の無定形固体として得た。
MS m/e(%):278(M+H、10)
[α]=+71.84(c=0.877、CHCl
【0108】
実施例1
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩
a) (+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0109】
【化37】

【0110】
DMF 6ml中の(+)−3−(4−フルオロ−フェニル)−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(中間体A) 0.17g(0.58mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中50%) 0.029g(0.60mmol)を0℃で加えた。反応混合物を、放置して室温まで温めた。1時間後、臭化3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル 0.11ml(0.60mmol)を加えた。室温で2.5時間、撹拌して、続けて水10mlでクエンチし、メチルtert−ブチルエーテルで3回に分けて抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して(シリカゲル、ヘプタン/酢酸エチル)、無定形固体として標記化合物0.183g(61%)を得た。
MS m/e(%):522(M+H、100)
[α]=+20.20(c=1.129、CHCl
【0111】
b) (+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩
【0112】
【化38】

【0113】
メタノール中の1.25M塩酸溶液2.65ml(3.3mmol)中の(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル 0.17g(0.33mmol)の溶液を、30分間、50℃で撹拌した。反応混合物を、濃縮乾固して、無色の固体として標記化合物0.14g(92%)を得た。
MS m/e(%):422(M+H、100)
[α]=+29.36(c=0.504、CHCl
【0114】
実施例2
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩
【0115】
【化39】

【0116】
標記化合物を、工程a)中の中間体Aの代わりに中間体Bを使用して、(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩の調製についての上述の手順に従って、同等の収率で明黄色の固体として得た。
MS m/e(%):422(M+H、100)
[α]=+31.60(c=0.446、CHCl
【0117】
実施例3
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(2−フルオロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩
【0118】
【化40】

【0119】
標記化合物を、工程a)中の中間体Aの代わりに中間体Cを使用して、(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩についての上述の手順に従って、同等の収率で明黄色の固体として得た。
MS m/e(%):422(M+H、100)
[α]=+40.56(c=0.385、CHCl
【0120】
実施例4
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−クロロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩
【0121】
【化41】

【0122】
標記化合物を、工程a)中の中間体Aの代わりに中間体Dを使用して、(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩の調製についての上述の手順に従って、同等の収率で明黄色の固体として得た。
MS m/e(%):438(M+H、100)
[α]=+29.97(c=0.394、CHCl
【0123】
実施例5
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(3−クロロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩
【0124】
【化42】

【0125】
標記化合物を、工程a)中の中間体Aの代わりに中間体Eを使用して、(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩の調製についての上述の手順に従って、同等の収率で明黄色の固体として得た。
MS m/e(%):438(M+H、100)
[α]=+35.06(c=0.685、CHCl
【0126】
実施例6
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(2−クロロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩
【0127】
【化43】

【0128】
標記化合物を、工程a)中の中間体Aの代わりに中間体Fを使用して、(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩の調製についての上述の手順に従って、同等の収率で明黄色の固体として得た。
MS m/e(%):438(M+H、100)
[α]=+53.72(c=0.672、CHCl
【0129】
実施例7
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−o−トリル−ピロリジン塩酸塩
【0130】
【化44】

【0131】
標記化合物を、工程a)中の中間体Aの代わりに中間体Gを使用して、(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩の調製についての上述の手順に従って、同等の収率で明黄色の固体として得た。
MS m/e(%):418(M+H、100)
[α]=+47.53(c=0.962、CHCl
【0132】
実施例8
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン塩酸塩
【0133】
【化45】

【0134】
標記化合物を、工程a)中の中間体Aの代わりに中間体Hを使用して、(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩の調製についての上述の手順に従って、同等の収率で明黄色の固体として得た。
MS m/e(%):404(M+H、100)
[α]=+22.79(c=0.592、CHCl
【0135】
実施例9
(+)−3−(3,5−ジブロモ−ベンジルオキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン塩酸塩
【0136】
【化46】

【0137】
標記化合物を、工程a)中の中間体Aの代わりに中間体Hを使用して、(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩の調製についての上述の手順に従って、同等の収率でオフホワイトの固体として得た。
MS m/e(%):426(M+H、100)
[α]=+39.42(c=0.416、CHCl
【0138】
実施例10
(+)−3−(3,5−ジメチル−ベンジルオキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン塩酸塩
【0139】
【化47】

【0140】
標記化合物を、工程a)中の、中間体Aの代わりに中間体H、および臭化3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジルの代わりに臭化3,5−ジメチルベンジルを使用して、(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩の調製についての上述の手順に従って、同等の収率でオフホワイトの固体として得た。
MS m/e(%):296(M+H、100)
[α]=+58.67(c=0.375、CHCl
【0141】
実施例11
(+)−3−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン塩酸塩
【0142】
【化48】

【0143】
標記化合物を、工程a)中の、中間体Aの代わりに中間体H、および臭化3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジルの代わりに臭化3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジルを使用して、(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩の調製についての上述の手順に従って、同等の収率でオフホワイトの固体として得た。
MS m/e(%):354(M+H、100)
[α]=+41.40(c=0.722、CHCl
【0144】
実施例12
(+)−3−フェニル−4−(3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−ピロリジン塩酸塩
【0145】
【化49】

【0146】
標記化合物を、工程a)中の、中間体Aの代わりに中間体H、および臭化3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジルの代わりに臭化3−(トリフルオロメチル)ベンジルを使用して、(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩の調製についての上述の手順に従って、同等の収率でオフホワイトの固体として得た。
MS m/e(%):336(M+H、100)
[α]=+41.84(c=0.619、CHCl
【0147】
実施例13
(+)−3−フェニル−4−(3−トリフルオロメトキシ−ベンジルオキシメチル)−ピロリジン塩酸塩
【0148】
【化50】

【0149】
標記化合物を、工程a)中の、中間体Aの代わりに中間体H、および臭化3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジルの代わりに臭化3−(トリフルオロメトキシ)ベンジルを使用して、(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩の調製についての上述の手順に従って、同等の収率でオフホワイトの固体として得た。
MS m/e(%):352(M+H、100)
[α]=+42.31(c=0.643、CHCl
【0150】
実施例14
(+)−3−(3,5−ジメトキシ−ベンジルオキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン塩酸塩
【0151】
【化51】

【0152】
標記化合物を、工程a)中の、中間体Aの代わりに中間体H、および臭化3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジルの代わりに臭化3,5−(ジメトキシ)ベンジルを使用して、(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩の調製についての上述の手順に従って、同等の収率でオフホワイトの固体として得た。
MS m/e(%):328(M+H、100)
[α]=+43.53(c=0.611、CHCl
【0153】
実施例15
(+)−3−フェニル−4−(2−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−ピロリジン塩酸塩
【0154】
【化52】

【0155】
標記化合物を、工程a)中の、中間体Aの代わりに中間体H、および臭化3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジルの代わりに臭化2−(トリフルオロメチル)ベンジルを使用して、(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン塩酸塩の調製についての上述の手順に従って、同等の収率でオフホワイトの固体として得た。
MS m/e(%):336(M+H、100)
[α]=+40.40(c=0.654、CHCl
【0156】
実施例16
(+)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−((3R,4R)−4−フェニル−ピロリジン−3−イルメチル)−アミン二塩酸塩
a) (+)−(3R,4R)−3−アミノメチル−4−フェニル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0157】
【化53】

【0158】
ジクロロメタン 35ml中の(+)−(3R,4R)−3−ヒドロキシメチル−4−フェニル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(中間体H) 2.00g(7.21mmol)とトリエチルアミン 1.11ml(7.94mmol)の溶液に、0℃で、塩化メタンスルホニル 0.59ml(7.6mmol)を滴下した。添加を完了した後、反応混合物を放置して30分の間に室温まで温めた。水でクエンチし、続けてメチルtert−ブチルエーテルで2回に分けて抽出した。合わせた有機層を水とブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、粗(3R,4R)−3−メタンスルホニルオキシメチル−4−フェニル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル 2.57g(100%)を得て、これを、精製せずに次の工程で使用した。
【0159】
ジメチルスルホキシド 8ml中の粗(3R,4R)−3−メタンスルホニルオキシメチル−4−フェニル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル 1.30g(3.66mmol)とアジ化ナトリウム 357mg(5.49mmol)の混合物を、120℃で5時間加熱した。混合物を室温に冷却し、0.2M炭酸ナトリウム水溶液で希釈して、メチルtert−ブチルエーテルで2回に分けて抽出した。合わせた有機層を水とブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、粗(3R,4R)−3−アジドメチル−4−フェニル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル 1.07g(97%)を得た。この物質をTHF 17.5mlで溶解して、トリフェニルホスフィン 975mg(3.71mmol)と水 1.2mlで処理した。室温で20時間撹拌後、反応混合物をメチルtert−ブチルエーテルで希釈して、塩化アンモニウムの半飽和水溶液を3回に分けて洗浄した。合わせた水層を、2M水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性にして、メチルtert−ブチルエーテルを3回に分けて抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、無色の無定形固体として粗標記化合物0.74g(75%)を得た。
MS m/e(%):277(M+H、21)
[α]=+52.30(c=0.579、CHCl
【0160】
b) (3S,4R)−3−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−4−フェニル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0161】
【化54】

【0162】
ジクロロメタン 6.5ml中の(+)−(3R,4R)−3−アミノメチル−4−フェニル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル 0.36g(1.3mmol)とトリエチルアミン 0.22ml(1.6mmol)の溶液に、塩化3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル 0.26ml(1.4mmol)を0℃で加えた。添加を完了した後、反応混合物を放置して室温まで温めて、1時間撹拌した。水でクエンチし、続けて1M水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にして、メチルtert−ブチルエーテルを3回に分けて抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーで白色の固体として標記化合物0.62g(92%)を得た。
MS m/e(%):517(M+H、21)
【0163】
c) (+)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−((3R,4R)−4−フェニル−ピロリジン−3−イルメチル)−アミン二塩酸塩
【0164】
【化55】

【0165】
トルエン 6ml中の(3S,4R)−3−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−4−フェニル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル 0.29g(0.57mmol)とボランジメチルスルフィド錯体の2M THF溶液 0.28ml(0.56mmol)の混合物を、20時間加熱還流した。ボランジメチルスルフィド錯体の2M THF溶液 0.28ml(0.56mmol)の追加分の添加後、混合物をさらに1時間加熱還流した。室温に冷却後、メタノール 1mlを加えて、混合物を30分間加熱還流した。減圧下で濃縮し、続けてフラッシュカラムクロマトグラフィーを行い、標記化合物の遊離塩基を得た。1.25M塩酸溶液に溶解し、そして減圧下で濃縮して明黄色の固体として標記化合物91mg(34%)を得た。
MS m/e(%):403(M+H、100)
[α]=+12.60(c=0.500、MeOH)
【0166】
実施例17
(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メチル−((3R,4R)−4−フェニル−ピロリジン−3−イルメチル)−アミン二塩酸塩
a) (3S,4R)−3−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−メチル}−4−フェニル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0167】
【化56】

【0168】
DMF 4ml中の(3S,4R)−3−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−メチル]−4−フェニル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(実施例20のIb)) 0.20g(0.39mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中50%) 20mg(0.42mmol)を室温で加えた。30分後、ヨウ化メチル0.027ml(0.42mmol)を加えて、撹拌を2時間続けた。水でクエンチし、続けてメチルtert−ブチルエーテルで2回に分けて抽出した。合わせた有機層を水とブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーで白色の固体として標記化合物0.19g(93%)を得た。
MS m/e(%):531(M+H、22)
【0169】
b) (3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メチル−((3R,4R)−4−フェニル−ピロリジン−3−イルメチル)−アミン二塩酸塩
【0170】
【化57】

【0171】
トルエン 2ml中の(3S,4R)−3−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−メチル−アミノ]−メチル}−4−フェニル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル 0.12g(0.23mmol)とボランジメチルスルフィド錯体の2M THF溶液 0.11ml(0.22mmol)の混合物を、20時間加熱還流した。室温に冷却後、2M塩酸水溶液を加えて、混合物を30分間加熱還流させた。反応混合物を室温に冷却し、1M塩酸水溶液で希釈し、メチルtert−ブチルエーテルで2回に分けて洗浄した。合わせた有機層を1M塩酸水溶液で抽出した。合わせた水層を、2M水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にして、ジクロロメタンを3回に分けて抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーで標記化合物の遊離塩基を得た。この物質をさらに温メチルtert−ブチルエーテルで粉砕により精製し、続けて濾過し、減圧下で濾液の濃縮を行った。1.25M塩酸溶液で溶解し、減圧下で濃縮して、白色の固体として標記化合物55mg(50%)を得た。
MS m/e(%):417(M+H、100)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】


〔式中、
は、水素、ハロゲンまたは低級アルキルであり;
/Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、CN、ハロゲンにより置換された低級アルキル、またはハロゲンにより置換された低級アルコキシであり;
Xは、−O−または−N(R)−であり;
Rは、水素または低級アルキルである〕
のシス誘導体、およびその薬学的に許容される酸付加塩。
【請求項2】
式I−A:
【化2】


〔式中、
は、水素、ハロゲンまたは低級アルキルであり;
/Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、CN、ハロゲンにより置換された低級アルキル、またはハロゲンにより置換された低級アルコキシである〕
の請求項1記載の化合物、およびその薬学的に許容される酸付加塩。
【請求項3】
式I−B:
【化3】


〔式中、
は、水素、ハロゲンまたは低級アルキルであり;
/Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、CN、ハロゲンにより置換された低級アルキル、またはハロゲンにより置換された低級アルコキシであり;
Rは、水素または低級アルキルである〕
の請求項1記載の化合物、およびその薬学的に許容される酸付加塩。
【請求項4】
化合物が
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン、
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(3−フルオロ−フェニル)−ピロリジン、
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(2−フルオロ−フェニル)−ピロリジン、
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(4−クロロ−フェニル)−ピロリジン、
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(3−クロロ−フェニル)−ピロリジン、
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−(2−クロロ−フェニル)−ピロリジン、
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−o−トリル−ピロリジン、
(+)−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン、
3−(3,5−ジブロモ−ベンジルオキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン、
(+)−3−(3,5−ジメチル−ベンジルオキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン、
(+)−3−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン、
(+)−3−フェニル−4−(3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−ピロリジン、
(+)−3−(3,5−ジフルオロ−ベンジルオキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン、
(+)−3−フェニル−4−(3−トリフルオロメトキシ−ベンジルオキシメチル)−ピロリジン、
(+)−3−(3−ジフルオロメトキシ−ベンジルオキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン、
(+)−3−(3,5−ジメトキシ−ベンジルオキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン、
(+)−3−(4−フェニル−ピロリジン−3−イルメトキシメチル)−ベンゾニトリル、
フェニル−4−(4−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−ピロリジン、または
(+)−3−フェニル−4−(2−トリフルオロメチル−ベンジルオキシメチル)−ピロリジン
である、請求項2記載の式I−Aの化合物。
【請求項5】
化合物が、
(+)−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−((3R,4R)−4−フェニル−ピロリジン−3−イルメチル)−アミン二塩酸塩、または
(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メチル−((3R,4R)−4−フェニル−ピロリジン−3−イルメチル)−アミン二塩酸塩
である、請求項3記載の式I−Bの化合物。
【請求項6】
a) 式II:
【化4】


の化合物を、水素化ナトリウムおよび式III:
【化5】


の化合物と反応させ、続いてHClまたはトリフルオロ酢酸のような酸で処理をして、
式I−A:
【化6】


(式中、Xは、Cl、BrまたはIであり、そしてR〜Rは、請求項1に記載のとおりである)
の化合物を得る工程、または、
b) 式XII:
【化7】


の化合物を、トルエン中でボランジメチルスルフィド錯体のTHF溶液と、次にHClまたはトリフルオロ酢酸のような酸と反応させて、式I−B1:
【化8】


(式中、置換基は、請求項1に記載のとおりである)
の化合物とする工程、または、
c) 式XII:
【化9】


の化合物を、ヨウ化メチルのようなアルキル化剤でアルキル化して、式XIII:
【化10】


の化合物とし、これを、引き続きトルエン中でボランジメチルスルフィド錯体のTHF溶液と、次にHClまたはトリフルオロ酢酸のような酸と反応させて、式I−B2:
【化11】


(式中、置換基は、請求項1に記載のとおりである)
の化合物とする工程、あるいは
所望ならば、得られた化合物を薬学的に許容される酸付加塩に変換する工程、
を含む、式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩の製造方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法、または同等の方法により製造される、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
請求項1記載の1つ以上の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含有する薬剤。
【請求項9】
セロトニントランスポーター(SERT)阻害剤に基づく病気の治療のための請求項8記載の薬剤。
【請求項10】
病気が、不安神経症およびうつ病である、請求項8および9記載の薬剤。
【請求項11】
不安神経症およびうつ病の治療用の薬剤の製造のための請求項1記載の化合物の使用。
【請求項12】
本願明細書に記載されている発明。

【公表番号】特表2009−517435(P2009−517435A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−542719(P2008−542719)
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/068740
【国際公開番号】WO2007/063009
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】