説明

センサ、センサアレイ、電流測定装置

【課題】コンパクトで大きな電流出力の得られるセンサを実現する。
【解決手段】誘電体による光起電力材料の多結晶焼成体、単結晶のバルク薄片又は薄膜若しくは厚膜による膜構造体26を用いた光起電力部と、この光起電力部を挟んで設けられた一対の電極とを設ける。一対の電極は、チタン(Ti)膜24と白金(Pt)膜25からなる下部電極、錫添加酸化インジウム(ITO)膜から成る上部電極27である。このような構成により、光起電力部である膜構造体26に照射される光のエネルギーに応じた電力を導出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセンサ、センサアレイ、電流測定装置に関し、特に紫外線領域の電磁波を入力エネルギーとするセンサ、センサアレイ、電流測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紫外線リソグラフィー等の普及に伴い、工業プロセスにおける紫外線センサの重要性は増している。また、環境モニタ用の紫外線センサも、照射紫外線量の多い地域、乳幼児・白人等の紫外線弱者向けにその必要性が増している。また、さらに携帯用電子機器の多機能化技術として小型高性能な紫外線センサの開発が期待されている。
【0003】
従来技術としての紫外線センサは次のようなものが知られている。
(1)シリコン半導体を用いた紫外線センサ(例えば、特許文献1、特許文献2参照)
シリコンのP型及びN型半導体によりPN接合界面を、接合や積層等により作成する。例えば、図6に示されているように、N型シリコン基板51上に、P+型不純物層52、N+型拡散層56を作成する。さらに、半導体界面に電圧を印加できるような1対の電極を形成する。ここでは、P+型不純物層52と接続されるアルミニウム電極54、N+型拡散層56と接続されるアルミニウム電極55が設けられている。これらの電極には、外部から電圧を印加しておく。なお、同図において、53はSi酸化膜である。
【0004】
このように作成された紫外線センサのPN接合界面に紫外線hνが入射すると、膜内で電子及びホール対が生成され、これが電極54、55を通じて検出される。この紫外線センサは、主として250[nm]以上の長波長紫外線をセンシング対象としている。この場合、半導体のバンドギャップエネルギーが可視光領域にあることが多く、可視光を遮断するためのUV透過フィルター57が必要となる。
【0005】
(2)ダイヤモンド薄膜を用いた紫外線センサ(例えば、特許文献3参照)
ダイヤモンドはアンドープ状態では絶縁体であるが、不純物元素をドープすることによって半導体化することができる。図7に示されているように、基板61上に、ドープされたダイヤモンド膜62を形成する。このダイヤモンド膜62に第1電極63、第2電極64を接続し、上記(1)と同様な方法によって、紫外線センシングを行う。この紫外線センサは、主として250[nm]以下の短波長紫外線をセンシング対象としている。
【0006】
(3)硫化亜鉛を用いた紫外線センサ(例えば、特許文献4参照)
紫外線に感光性のある誘電体物質として硫化亜鉛を用い、上部と下部の電極に挟まれた積層構造によりキャパシタを形成する。図8に示されているように、感光性誘電体73及び下層誘電体74を用い、これらの上側に透明な上部電極72及び透明材71を設ける。また、これらの下側に下層電極75及び保護材76を設ける。このように構成すれば、上部電極72と下層電極75との間にキャパシタCが形成される。そして、感光性誘電体73に光が進入すると、感光性誘電体73の誘電率が変化するため、その変化により光強度を検知できる。例えば、図9に示されているように、このキャパシタを有する光センサ81を、CR発振器82(又はLC発振器)のキャパシタとして利用し、その発振器の発振周波数を周波数カウンタ83で計数して容量変化を検知し、その変化をマイコン84で処理すれば、光強度を検知できる。
【0007】
(4)誘電体結晶の容量変化を用いた紫外線センサ(例えば、特許文献5参照)
図10(a)に示されているように、誘電体結晶92の上に金電極93を形成し、コンデンサ91を構成する。さらに、ストライプ状の間隔94を介して光照射手段97によって光を照射する。
そして、同図(b)に示されているように、金電極93には配線103、配線98によって容量96が接続されることで、コンデンサ91の容量変化を検出する。また、コンデンサ91を恒温槽95に入れることで、誘電体結晶92を相転移温度近傍に維持する。光照射手段97には、入力手段102への入力信号が配線101を介して制御手段100に入力され、配線99を介して光照射手段97を制御することで光を誘電体結晶92に照射する。電場又は磁場を印加して結晶の誘電率を制御することによってその容量変化を高感度に検知できる。また、結晶のバンドギャップエネルギーは可視光よりも大きいものを用いる。
【0008】
(5)ところで、紫外線に対する感光特性としては、上記以外にも誘電体の光起電力効果を利用することが考えられる。この特性は従来、以下のような応用が提案されてきている。
(ア)光スイッチ(例えば、非特許文献1参照)
(イ)光歩行ロボット(例えば、非特許文献2参照)
(ウ)光マイクログリッパ(例えば、非特許文献3参照)
(エ)光駆動機構(例えば、非特許文献4参照)
(オ)静電型モータ(例えば、特許文献6参照)
(カ)無索電力供給方法(例えば、特許文献7参照)
この光起電力効果を示す主な物質としてはチタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)が用いられている。PLZT素子自体の特性向上のための技術開発も行われてきている(例えば、特許文献8〜特許文献10参照)。
【0009】
さらに一般にはnAレベルである光起電流を向上させるための感光性構造体が、特願2003−111086の明細書に記載されている。同明細書では、膜状構造体の上下方向に電極を配置することによって縦型の積層構造体を形成することで出力電流の向上を実現している。
【特許文献1】特開平7−162024号公報
【特許文献2】特開平7−162025号公報
【特許文献3】特開平11−284531号公報
【特許文献4】特開2003−294527号公報
【特許文献5】特開2003−209266号公報
【特許文献6】特開2002−078360号公報
【特許文献7】特許3265479号公報
【特許文献8】特許2716083号公報
【特許文献9】特許3041409号公報
【特許文献10】特許3106187号公報
【非特許文献1】M.Tanimura and K.Uchino; Sensors and Materials 1(1988) 47-56
【非特許文献2】K.Uchino; J.Rob.Mech. 1(1989)124-127)
【非特許文献3】服部、福田、丸橋、松浦、永守 日本機械学会論文集C59(1993)799-806
【非特許文献4】H.Ishihara and T.Fukuda; J.Rob.Mech. 11(1999) 436-442
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記の技術には以下に示すような問題点が存在する。
半導体を用いる方法(特許文献1から特許文献3)では、異種材料の界面を接合または積層のパターニング等を用いて作成することが必要である。さらに、これらの材料と接触して作成した電極を通じて界面に電圧を印加できるようにすることが必要であり、これに伴って電圧印加回路、電源の装備が必要となる。
【0011】
容量変化を用いる方法(特許文献4、特許文献5)においては次のような問題点が存在する。特許文献4においては、外部にCR発振器またはLR発振器を配置することが必要になる。特許文献5においては、温度制御装置の配置が必要である。臨界状態にセンサ材料を維持することが必要である。また、素子へ電場または磁場を印加することが必要である。
【0012】
ここで、強誘電体の光起電力効果には特許文献1〜5において不可欠であった外部からの電圧印加は必要であるが、その応用を検討するにあたって、以下に示すような問題点が存在する。
まず、上記従来技術(非特許文献1から非特許文献4、特許文献6から特許文献10参照)で用いられているセラミックス多結晶体のPLZT素子の場合には光起電力効果により発生する電圧はkV以上で高いものの、発生電流がnAのレベルで小さい。電流が少なくとも3桁程度大きくなることによって既存の電子機器との整合性を向上させることが必要である。
【0013】
一方、電圧に関してはVレベルで十分応用可能である。特許文献10では単結晶材料が用いられているが、光起電力特性としては多結晶焼成体と同等の特性である。また従来は光起電力素子として多結晶焼結体(バルク体)や単結晶を用いてMEMS(Micro Electro Mechanical System)等の電子機器へ搭載する際に、接着剤等を使用する必要があり、品質保証やダンピングの観点から問題があった。
【0014】
さらに、上記特願2003−111086の明細書に記載されている機能性構造体は、紫外線に対する電気出力を出すことができるものの、極微小電流を計測することの可能な特殊な計測器に接続して始めてその性能評価を行うことができる、といった問題点がある。
また、センサとして利用するためには演算及び外部表示機能を付加させる必要がある。さらには、工業用として利用する際には蓄積線量の表示が必要となるが、そのような演算機能を持つ制御回路を付加する必要があった。
【0015】
そこで、MEMSプロセスや半導体製造プロセスと整合性の良い薄膜及び厚膜形成法による光起電力素子の積層構造体を用い、外部回路を組み込んだ紫外線センサの開発が期待されている。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、半導体センサにおいては不可欠であった外部電圧印加が不要であるコンパクトで大きな電流出力の得られるセンサ、センサアレイ、電流測定装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の請求項1によるセンサは、誘電体の膜構造体を用いた光起電力部と、前記光起電力部を挟んで設けられた一対の電極とを含み、前記光起電力部に照射される光のエネルギーに応じた電力を、バイアス電圧を印加することなく導出することを特徴とする。このようにすれば、半導体センサにおいては不可欠であった外部電圧印加が不要であるコンパクトで大きな電流出力の得られるセンサを構成できる。
【0017】
本発明の請求項2によるセンサは、請求項1において、誘電体の膜構造体には、多結晶体及び単結晶体のいずれか一方による、薄膜、厚膜、バルク薄片のうち少なくとも1種類が用いられていることを特徴とする。このようにすれば、半導体センサにおいては不可欠であった外部電圧印加が不要であるコンパクトで大きな電流出力の得られるセンサを、容易に構成できる。
【0018】
本発明の請求項3によるセンサは、請求項1又は2において、前記光起電力部と前記一対の電極とが同一層に横に配列された構造になっていることを特徴とする。このように構成すれば、光の入射方向と分極方向とが垂直である場合に、金属電極を用いることができる。
本発明の請求項4によるセンサは、請求項1又は2において、前記光起電力部と前記一対の電極とが縦に積層された構造になっており、前記一対の電極の少なくとも一方が透光性を有する材料によって構成されていることを特徴とする。このように構成すれば、光の入射方向と分極方向とが平行である場合でも、光起電力部に光を照射できる。透光性を有する材料には、例えば、錫添加酸化インジウム、酸化ジルコニウム等を用いることができる。
【0019】
本発明の請求項5によるセンサは、請求項1から請求項4までのいずれか1項において、前記光起電力部は、鉛含有誘電体及び非鉛含有誘電体のいずれか一方によって構成されていることを特徴とする。このようにすれば、好適な特性を有するセンサが得られる。
本発明の請求項6によるセンサは、請求項5において、前記鉛含有誘電体及び非鉛含有誘電体には、多結晶体及び単結晶体のいずれか一方による少なくとも1種類の化合物からなる母材材料が、単独使用されていることを特徴とする。このようにすれば、好適な特性を有するセンサが得られる。
【0020】
本発明の請求項7によるセンサは、請求項5において、前記鉛含有誘電体及び非鉛含有誘電体には、多結晶体及び単結晶体のいずれか一方による少なくとも1種類の化合物からなる母材材料が、少なくとも1種類の微量添加物が加えられて使用されていることを特徴とする。このようにすれば、好適な特性を有するセンサが得られる。
【0021】
本発明の請求項8によるセンサは、請求項7において、前記微量添加物には、タングステン、タンタル、ニオブ、鉄、銅、マグネシウム、ビスマス、イットリウム、モリブデン、バナジウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、マンガン、ニッケル、亜鉛、カルシウム、ストロンチウム、ケイ素、錫、セレン、ネオジウム、エルベニウム、ツリウム、ハフニウム、プラセオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユウロビウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、イッテルビウム、リチウム、スカンジウム、バリウム、ランタン、アクチニウム、セリウム、ルテニウム、オスシウム、コバルト、パラジウム、銀、カドニウム、ホウ素、ガリウム、ゲルマニウム、リン、ヒ素、アンチモン、フッ素、テルル、ルテチウムのうち少なくとも1つが選択的に使用されることを特徴とする。このようにすれば、好適な特性を有するセンサが得られる。
【0022】
本発明の請求項9によるセンサは、請求項5から請求項8までのいずれか1項において、前記鉛含有誘電体は、PLZT、PZT、PMN、PbTiO3、PbTiO3-La(Zn2/3Nb1/3)O3 、PbTiO3-Pb(Mg1/2W1/2)O3、又は、0.91Pb(Zn1/3Nb2/3)O3-0.09PbTiO3が選択的に使用されてなることを特徴とする。このようにすれば、好適な特性を有するセンサが得られる。
【0023】
本発明の請求項10によるセンサは、請求項5から請求項8までのいずれか1項において、前記非鉛含有誘電体には、BaTiO3、LiNbO3、KNbO3、NaNbO3、(K,Na)NbO3、ZnO、SbSI、RbZnBr4、TGS、PVDF、P(VDF/TrFE), GaP、La2S3、Gd2S3、D2S3、CuPs5Br、Bi12SiO20、 Bi12GeO20、Bi12TiO20、Te、SiO2、HgS、(Ba、Ca)TiO3、CaBi4Ti4O15, Ba3TaGa3Si2O14, La3Ga5SiO14、 Ca3Ga2Ge4O14、 Sr3TaGa3Si2O14、BIT(Bi4-xPrxTi3O12)、BTZ(Ba(Ti1-xZrx)O3)、LNN((Li,Na)NbO3)が選択的に使用されてなることを特徴とする。このようにすれば、好適な特性を有するセンサが得られる。
【0024】
本発明の請求項11によるセンサは、請求項1から請求項10までのいずれか1項において、前記光起電力部の形成には、酸化物焼成法、ゾルゲル法、MOD法、スパッタリング、電子ビーム蒸着、レーザ蒸着法、真空蒸着法、MOCVD法、CVD法、電気泳動法、界面重合法、水熱合成法、ガスデポジション法、エアロゾルデポジション法、スプレーコーティング法、及び、スクリーン印刷法のうちの少なくとも1つの方法が用いられていることを特徴とする。このようにすれば、好適な特性を有するセンサが得られる。
【0025】
本発明の請求項12によるセンサは、請求項11において、前記光起電力部の形成には、基板加熱、マイクロ波照射、レーザアニール等の熱アシスト、プラズマやレーザ照射による表面活性化、及び、減増圧やガス置換等の雰囲気制御のうちの少なくとも1つの方法が、補助プロセスとして、更に、用いられていることを特徴とする。このようにすれば、センサを好適に作成することができる。
【0026】
本発明の請求項13によるセンサアレイは、請求項1から請求項12のいずれか1項のセンサを構成する光起電力部及び一対の電極が少なくとも1方向に連続して配置されてなることを特徴とする。このように、光起電力材料が複数層縦方向に積層又は少なくとも一方向に複数個平面状に配置された構成を採用すれば、出力電力を増幅することが可能であり、大面積での検出が可能である。
【0027】
本発明の請求項14によるセンサアレイは、所定方向に配列された第1の電極群と、前記第1の電極群の配列方向と交差する方向に配列された第2の電極群とを含み、前記第1の電極群と前記第2の電極群との交差点に前記誘電体を用いた光起電力部が設けられることにより、請求項4から請求項12のいずれか1項のセンサが前記交差点に形成され、形成されたセンサそれぞれの出力を導出するようにしたことを特徴とする。このように構成すれば、センサそれぞれの出力によって光照射位置を特定することができる。
【0028】
本発明の請求項15による電流測定装置は、請求項1から請求項12のいずれか1項のセンサ又は請求項13もしくは請求項14のセンサアレイを含み、その出力電流を演算する演算部を含むことを特徴とする。このように構成すれば、光照射によって導出される出力電流を測定できる。
本発明の請求項16による電流測定装置は、請求項15において、前記演算部の演算結果を表示する表示部を更に含むことを特徴とする。このように構成すれば、出力電流の測定値を視覚的に確認できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、誘電体を用いた光起電力部と、この光起電力部を挟んで設けられた一対の電極とを含み、光起電力部に照射される光のエネルギーに応じた電力を導出する構成を採用することにより、半導体センサにおいては不可欠であった外部電圧印加が不要であるコンパクトで大きな電流出力の得られるセンサを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等部分は同一符号によって示されている。
(センサの構成)
図1は、本発明によるセンサの実施形態の構成を示すブロック図である。同図に示されているセンサは、紫外線感光部1を含んで構成されており、紫外線の照射量および蓄積電荷量を測定する機能を有する。
また、同図に示されているセンサは、演算回路2と、出力回路3と、表示部7とを含んで構成されている。
【0031】
演算回路2は、電流電圧変換部5と、マイコン6によって実現されるA/D変換器8とから構成されている。この演算回路2では、紫外線感光部1で発生した電流140を演算増幅器による電流電圧変換部5で電圧に変換する。さらに、変換後の電圧であるアナログ信号150を、A/D変換部8によってデジタル信号に変換する。この変換後のデジタル信号を電流値に換算する演算を電流換算演算部9において行い、紫外線光量に比例した電流値データを算出する。さらに、電流値積算演算部10において、電流値データを時間毎に積算し蓄積電荷量すなわち総電力量を算出する。電流換算演算部9の出力、及び電流値積算演算部10の出力は、出力回路3として機能する、表示駆動信号変換部11に入力される。この表示駆動信号変換部11は、電流値データを、表示器4を駆動するための駆動信号に変換する。この変換後の駆動信号は、表示器4を有する表示部7に送出される。この表示駆動信号変換部11は、マイコン6によって実現される。
【0032】
表示器4は、電流表示部12と、電荷表示部13と、照射光量表示部14と、蓄積線量表示部15と、を含んで構成されており、出力回路3から送出される信号を受け文字に変換し表示を行う。これにより、センサの出力電流、及びこの出力電流を演算して算出した蓄積電荷量を表示することができる。
なお、マイコン6の動作させるために必要な電源は、電池により供給してもよいし、太陽電池により供給してもよい。
【0033】
(紫外線感光部の構造)
図2は、膜構造体を使用した紫外線感光部1の積層構造例を示す図である。この紫外線感光部は、下から順に酸化シリコン(SiO2)膜21、シリコン(Si)基板22、酸化シリコン膜23、チタン(Ti)膜24と白金(Pt)膜25からなる下部電極、光起電力部となる膜構造体26、錫添加酸化インジウム(ITO)膜からなる上部電極27から構成されている。つまり、この紫外線感光部は、光起電力部と、この光起電力部を挟んで設けられた一対の電極とを含み、光起電力部に照射される光のエネルギーに応じた電力を導出する機能を有している。
【0034】
膜構造体26は、光起電力材料の多結晶焼成体、単結晶のバルク薄片又は薄膜若しくは厚膜により構成することができる。バルク薄片は、バルク体を100μm以下に研磨や切断することで得られる。
光起電力材料としては、鉛含有誘電体又は非鉛含有誘電体を使用することが好ましい。鉛含有誘電体又は非鉛含有誘電体は、多結晶体もしくは単結晶体の単独もしくは複数の化合物からなる母材材料を、単独で使用するか、又は、それに微量添加物を単独もしくは複数加えて使用することが好ましい。
【0035】
上記鉛含有誘電体としては、PLZT、PZT、PMN、PbTiO3、PbTiO3-La(Zn2/3Nb1/3)O3 、PbTiO3-Pb(Mg1/2W1/2)O3又は0.91Pb(Zn1/3Nb2/3)O3-0.09PbTiO3を使用することが好ましい。
上記非鉛含有誘電体としては、BaTiO3、LiNbO3、KNbO3、NaNbO3、(K,Na)NbO3, ZnO、SbSI、RbZnBr4、TGS、PVDF、P(VDF/TrFE), GaP、La2S3、Gd2S3、D2S3、CuPs5Br、Bi12SiO20、 Bi12GeO20、Bi12TiO20、Te、SiO2、HgS又は(Ba、Ca)TiO3、CaBi4Ti4O15, Ba3TaGa3Si2O14, La3Ga5SiO14, Ca3Ga2Ge4O14, Sr3TaGa3Si2O14, BIT(Bi4-xPrxTi3O12), BTZ(Ba(Ti1-xZrx)O3),LNN((Li,Na)NbO3)を使用することが好ましい。
【0036】
上記微量添加物としては、タングステン、タンタル、ニオブ、鉄、銅、マグネシウム、ビスマス、イットリウム、モリブデン、バナジウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、マンガン、ニッケル、亜鉛、カルシウム、ストロンチウム、ケイ素、錫、セレン、ネオジウム、エルベニウム、ツリウム、ハフニウム、プラセオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユウロビウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、イッテルビウム、リチウム、スカンジウム、バリウム、ランタン、アクチニウム、セリウム、ルテニウム、オスシウム、コバルト、パラジウム、銀、カドニウム、ホウ素、ガリウム、ゲルマニウム、リン、ヒ素、アンチモン、フッ素、テルル及びルテチウムからなる群から選択された1又は2以上を使用することが好ましい。
【0037】
(膜構造体の作成)
本例では、PLZT膜を膜構造体26とした。このPLZT膜による膜構造体26は、複数の薄膜からなる膜構造体とした。
紫外線感光部1では、光の入射方向と分極方向は平行な状態で用いる。このために、上部電極27には、一般的な金属電極ではなく、透光性のある材料を用いる必要がある。ここでは、ITO膜を用いている。
なお、図2に示されているように光起電力部と一対の電極とが縦に積層された構造を採用する場合には電極の少なくとも一方は透光性のある電極材料を用いて作成する必要がある。これに対し、電極が側面に配置されるなど、光起電力部と一対の電極とが同一層に横に配列された構造である場合には、一般的な不透明な金属電極を用いて作成すれば良い。
【0038】
次に紫外線感光部1の作成工程を説明する。シリコン基板22の表面に形成した酸化シリコン膜23は、熱拡散炉で1100度、20時間の熱処理をして作成したものであり、膜厚は約1.5[μm]である。
この酸化シリコン膜23の上に下部電極として、チタン膜24と白金膜25を順次スパッタリング法により形成した。ここで、チタン膜24は50[nm]、白金膜25は100[nm]に形成した。
【0039】
膜構造体26であるPLZT膜は、アルコラート等の化合物を主原料としたMOD溶液材料を原料として、これをスピンコーター上においた仕掛中の紫外線感光部1の白金膜25に表面上に滴下した。そして、スピンコーターを500[rpm]から4000[rpm]で回転させることで、遠心力を利用し一層当たり約100[nm]の均一なPLZTの層を塗布する。
【0040】
こうしてPLZT層の塗布を行ったものを、酸化焼成炉中で熱処理してPLZTを合成した。熱処理温度は、120[℃]で2分の乾燥、470[℃]で5分の仮焼成、650[℃]で5分の焼成を行う。これにより、ペロブスカイト構造を有するPLZTの層を作成することができる。このようなPLZTの層の作成工程を20回繰り返し、複数の層からなる厚さ2[μm]の膜構造体26であるPLZT膜を形成する。
【0041】
次に、上部電極27として、ITO膜をスパッタリング法により、膜構造体26であるPLZT膜の上に約50[nm]の膜厚で成膜する。なお、この際にマスキングを行い、上部電極27の面積が10[mm]角になるようにする。
以上の方法に限らず、上記膜構造体は、酸化物焼成法、ゾルゲル法、MOD法、スパッタリング、電子ビーム蒸着、レーザ蒸着法、真空蒸着法、MOCVD法、CVD法、電気泳動法、界面重合法、水熱合成法、ガスデポジション法、エアロゾルデポジション法、スプレーコーティング法又はスクリーン印刷法を単独もしくは複数用いて形成すれば良い。
【0042】
(分極処理)
以上のようにして作成した紫外線感光部1に光起電力性を持たせるためには、電力の発生させたい方向にあらかじめ電圧を印加することによって分極処理する必要がある。本実施例では、下部電極と上部電極27との間に1[V]の電圧を印加し、分極処理を行った。
【0043】
(紫外線感光部の光起電力特性)
紫外線感光部1の光起電力特性の光強度依存性が図3に示されている。同図において、横軸は光強度(Light intensity)[mW/cm2]、縦軸は光起電流(Photovoltaic current)[μA]である。
同図を参照すると、光強度は最大で60[mW/cm2]であり、そのときに素子には1.0[μA]の光起電が発生していた。
【0044】
(センサアレイの構成)
図4には、本発明によるセンサアレイの構成例が示されている。
同図を参照すると、本例のセンサアレイは、図中の縦方向に配列された複数の電極M1〜M6からなる第1の電極群と、この第1の電極群の配列方向と交差する方向である横方向に配列された複数の電極N1〜N6からなる第2の電極群と、これら第1の電極群と第2の電極群との間に設けられた光起電力部となる膜構造体26とを含んで構成されている。このようにセンサアレイを構成すれば、第1の電極群に属する電極M1〜M6と第2の電極群に属する電極N1〜N6との交差点それぞれに、誘電体を用いた光起電力部が設けられることになる。つまり、積層構造のセンサが上記交差点それぞれに形成されることになる。そして、このように形成されたセンサそれぞれの出力は、引き出し端子32、33から導出される。
【0045】
(センサアレイのその他の構成)
センサを構成する光起電力部及び一対の電極を、少なくとも一方向に連続して配置することによってセンサアレイを構成しても良い。すなわち、光起電力部が複数層縦方向に積層された構成や、光起電力部が少なくとも一方向に複数個平面状に配置された構成を採用すれば、出力電力を増幅することが可能であり、大面積での検出が可能である。
【0046】
(電流測定装置の構成)
図5には、図4に示されているセンサアレイを利用した電流測定装置の構成が示されている。
同図に示されている電流測定装置は、紫外線感光部31と、この紫外線感光部1から電気信号を導出するための引き出し端子32及び33と、演算回路34と、表示部35とから構成されている。
同図に示されている紫外線感光部31は、上記実施例1と同様なプロセスにより作成することができる。
このような構成において、紫外線感光部31に紫外線が入射すると、光起電力効果により光起電流が発生する。発生した電流は、紫外線照射部の上下の電極を通じて引き出し端子32、33から出力される。引き出し端子32、33は、演算回路34に接続されている。
【0047】
全ての引き出し端子32、33からの情報を走査することによって、紫外線感光部1を構成するセンサのうち、単一または複数のセンサに紫外線が照射されているかを表示することができる。複数のセンサに照射されている際には、その出力電流から光照射位置の2次元的な情報を導出できる。これにより、紫外線の照射位置を明らかにすることができる。このため、このセンサアレイは位置センサとして機能することになる。
【0048】
(応用)
以上、本発明に係るセンサ、センサアレイ、電流測定装置の実施の形態をについて説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内でいろいろな実施の形態があることは言うまでもない。例えば、積算電荷量を測定し、表示する場合、センサやセンサアレイと、表示演算部とを別体として分け、測定する場所にはセンサおよびセンサアレイのみを設置することで、表示演算部が紫外線に影響されることを防ぐことができる。また、このような構成をとることで、測定する場所が狭い場合などでも、本発明のセンサ、センサアレイ、電流測定装置を用いて紫外線量の測定を行うことができる。
【0049】
(まとめ)
(1)本発明では、紫外線のセンシング技術に、誘電体の光起電力効果を用いた。これは従来提案されていない技術的手法である。とくに、出力電流の発生については、材料の物性に起因するものであるために、外部から電圧を印加する必要なく出力を取り出すことが可能である。また、界面の作成も不要となるために、構造が簡素化・低コスト化することができる。
【0050】
(2)本発明によれば、従来のものに比べて、構成要素が簡素化できる。とくに、外部回路は演算機能のついた制御回路と表示部とがあれば十分であり、これまでのCR回路またはLC回路や温度調整機等は不要となり、簡素化及び低コスト化を図ることができる。また、従来のセンシング材料はいずれも素子膜厚が数10マイクロメートル以上必要であったが、本発明のセンシング材料は数マイクロメートルの膜厚にて十分に出力を取り出すことができる。
【0051】
(3)本発明の薄膜からなる膜構造体は、薄膜形成技術を用いて作成可能であるためにMEMSへ適用が容易である。特に、高アスペクト比構造体、小型高速回転体、真空・水中での駆動機構等、電気配線の引き込みが困難な箇所へ電力を無線で供給するための手段として用いることができる。膜構造体を複数積層すれば電圧を増加することも可能である。
【0052】
(4)本発明に係る光電変換構造体は、光エネルギー変換素子として薄膜からなる膜構造体を利用しているから、照射した光がほぼ膜全体に当たることになる。このため、従来の焼結体の時のようなデッドボリュームは無くなり、素子の利用効率が向上する。すなわち、従来技術で用いられていた焼結体は厚みが500[μm]程度以上あるために、照射された光で照射された反対面まで達していなかった。そのために光の到達していない部分の電気伝導率は暗導電率値のままであり、光導電率の寄与を受けることができなかった。一方、膜構造体の場合には、素子全体に光が到達しているために、全体の電気伝導率が大きくなることで、流れる電流が迅速かつ多くなる。
【0053】
(5)構成、構成要素が簡素化できること、ダイヤモンド膜、シリコンの使用量が格段に減少することにより、低コストが図れる。また、特殊なプロセスを用いることなく製作されているので、技術の普及が円滑に行われることが予想される。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は誘電体の光電力効果を用いているので、出力電流を取り出す際に、接合界面の作成が不要であること、電圧の印加が不要であること、数ミクロンの膜厚で十分に出力を取り出すことができる点に特徴がある。これによって、構造の簡素化及び低コスト化を図ることが可能になる。また、上記のセンサ及びセンサアレイは、MEMSやナノテクノロジーによる比較的小型のセンサデバイスに適したものである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明によるセンサの実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】膜構造体を使用した紫外線感光部の積層構造を示す図である。
【図3】紫外線感光部の光起電力特性の光強度依存性を示す図である。
【図4】本発明によるセンサアレイの構成例を示す図である。
【図5】本発明によるセンサアレイを利用した電流測定装置の構成例を示す図である。
【図6】シリコン半導体を用いた従来の紫外線センサの構成例を示す図である。
【図7】ダイヤモンド薄膜を用いた従来の紫外線センサの構成例を示す図である。
【図8】硫化亜鉛を用いた従来の紫外線センサの構成例を示す図である。
【図9】図8の紫外線センサを利用して光強度を検知するための構成を示す図である。
【図10】(a)は誘電体結晶の容量変化を用いた従来の紫外線センサに用いるコンデンサの構成を示す図、(b)は(a)のコンデンサを用いた紫外線センサの構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1 紫外線感光部
2 演算回路
3 出力回路
4 表示器
5 電流電圧変換部
6 マイコン
7 表示部
8 A/D変換部
9 電流換算演算部
10 電流値積算演算部
11 表示駆動信号変換部
12 電流表示部
13 電荷表示部
14 照射光量表示部
15 蓄積線量表示部
21、23 酸化シリコン膜
22 シリコン基板
24 チタン膜
25 白金膜
26 膜構造体
27 上部電極
31 紫外線感光部
32、33 引き出し端子
34 演算回路
35 表示部
51 N型シリコン基板
52 P+型不純物層
53 Si酸化膜
54、55 アルミニウム電極
56 型拡散層
57 透過フィルター
61 基板
62 ダイヤモンド膜
63 第1電極
64 第2電極
71 透明材
72 上部電極
73 感光性誘電体
74 下層誘電体
75 下層電極
76 保護材
81 光センサ
82 発振器
83 周波数カウンタ
84 マイコン
91 コンデンサ
92 誘電体結晶
93 金電極
95 恒温槽
96 容量
97 光照射手段
98、99、101、103 配線
100 制御手段
102 入力手段
140 電流
150 アナログ信号
M1〜M6、N1〜N6 電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体の膜構造体を用いた光起電力部と、前記光起電力部を挟んで設けられた一対の電極とを含み、前記光起電力部に照射される光のエネルギーに応じた電力を、バイアス電圧を印加することなく導出することを特徴とするセンサ。
【請求項2】
誘電体の膜構造体には、多結晶体及び単結晶体のいずれか一方による、薄膜、厚膜、バルク薄片のうち少なくとも1種類が用いられていることを特徴とする請求項1記載のセンサ。
【請求項3】
前記光起電力部と前記一対の電極とが同一層に横に配列された構造になっていることを特徴とする請求項1又は2記載のセンサ。
【請求項4】
前記光起電力部と前記一対の電極とが縦に積層された構造になっており、前記一対の電極の少なくとも一方が透光性を有する材料によって構成されていることを特徴とする請求項請求項1又は2記載のセンサ。
【請求項5】
前記光起電力部は、鉛含有誘電体及び非鉛含有誘電体のいずれか一方によって構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項6】
前記鉛含有誘電体及び非鉛含有誘電体には、多結晶体及び単結晶体のいずれか一方による少なくとも1種類の化合物からなる母材材料が、単独使用されていることを特徴とする請求項5記載のセンサ。
【請求項7】
前記鉛含有誘電体及び非鉛含有誘電体には、多結晶体及び単結晶体のいずれか一方による少なくとも1種類の化合物からなる母材材料が、少なくとも1種類の微量添加物が加えられて使用されていることを特徴とする請求項5記載のセンサ。
【請求項8】
前記微量添加物には、タングステン、タンタル、ニオブ、鉄、銅、マグネシウム、ビスマス、イットリウム、モリブデン、バナジウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、マンガン、ニッケル、亜鉛、カルシウム、ストロンチウム、ケイ素、錫、セレン、ネオジウム、エルベニウム、ツリウム、ハフニウム、プラセオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユウロビウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、イッテルビウム、リチウム、スカンジウム、バリウム、ランタン、アクチニウム、セリウム、ルテニウム、オスシウム、コバルト、パラジウム、銀、カドニウム、ホウ素、ガリウム、ゲルマニウム、リン、ヒ素、アンチモン、フッ素、テルル、ルテチウムのうち少なくとも1つが選択的に使用されることを特徴とする請求項7記載のセンサ。
【請求項9】
前記鉛含有誘電体は、PLZT、PZT、PMN、PbTiO3、PbTiO3-La(Zn2/3Nb1/3)O3 、PbTiO3-Pb(Mg1/2W1/2)O3、又は、0.91Pb(Zn1/3Nb2/3)O3-0.09PbTiO3が選択的に使用されてなることを特徴とする請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項10】
前記非鉛含有誘電体には、BaTiO3、LiNbO3、KNbO3、NaNbO3、(K,Na)NbO3、ZnO、SbSI、RbZnBr4、TGS、PVDF、P(VDF/TrFE), GaP、La2S3、Gd2S3、D2S3、CuPs5Br、Bi12SiO20、 Bi12GeO20、Bi12TiO20、Te、SiO2、HgS、(Ba、Ca)TiO3、CaBi4Ti4O15, Ba3TaGa3Si2O14, La3Ga5SiO14、 Ca3Ga2Ge4O14、 Sr3TaGa3Si2O14、BIT(Bi4-xPrxTi3O12)、BTZ(Ba(Ti1-xZrx)O3)、LNN((Li,Na)NbO3)が選択的に使用されてなることを特徴とする請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項11】
前記光起電力部の形成には、酸化物焼成法、ゾルゲル法、MOD法、スパッタリング、電子ビーム蒸着、レーザ蒸着法、真空蒸着法、MOCVD法、CVD法、電気泳動法、界面重合法、水熱合成法、ガスデポジション法、エアロゾルデポジション法、スプレーコーティング法、及び、スクリーン印刷法のうちの少なくとも1つの方法が用いられていることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項12】
前記光起電力部の形成には、基板加熱、マイクロ波照射、レーザアニール等の熱アシスト、プラズマやレーザ照射による表面活性化、及び、減増圧やガス置換等の雰囲気制御のうちの少なくとも1つの方法が、補助プロセスとして、更に、用いられていることを特徴とする請求項11記載のセンサ。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか1項のセンサを構成する光起電力部及び一対の電極が少なくとも1方向に連続して配置されてなることを特徴とするセンサアレイ。
【請求項14】
所定方向に配列された第1の電極群と、前記第1の電極群の配列方向と交差する方向に配列された第2の電極群とを含み、前記第1の電極群と前記第2の電極群との交差点に前記誘電体を用いた光起電力部が設けられることにより、請求項4から請求項12のいずれか1項のセンサが前記交差点に形成され、形成されたセンサそれぞれの出力を導出するようにしたことを特徴とするセンサアレイ。
【請求項15】
請求項1から請求項12のいずれか1項のセンサ又は請求項13もしくは請求項14のセンサアレイを含み、その出力電流を演算する演算部を含むことを特徴とする電流測定装置。
【請求項16】
前記演算部の演算結果を表示する表示部を更に含むことを特徴とする請求項15記載の電流測定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−73669(P2006−73669A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−253410(P2004−253410)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(593174870)高島産業株式会社 (24)
【Fターム(参考)】