説明

センサシステム、制御ユニット及び検出センサ

【課題】検出センサの交換に関する作業を容易とすることができるセンサシステム、制御ユニット及び検出センサを提供する。
【解決手段】センサシステムは、自身が記憶した複数の設定情報に基づいて検出動作を行う第1〜第5の検出センサ1〜5と、それらと通信可能な制御ユニット11とを備える。制御ユニット11には、第1〜第5の検出センサ1〜5の設定情報をその検出センサのアドレス情報と共に記憶する記憶部32と、設定情報の書き換えが必要な検出センサを特定する書き換えセンサ特定手段と、書き換えセンサ特定手段で特定された検出センサに対して、記憶部32に記憶される設定情報を送信させ、当該検出センサに記憶させる書き換え指示手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の検出センサと通信可能な制御ユニットを備えたセンサシステム、その制御ユニット及び検出センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
光電センサ等の検出センサとしては、自身が記憶した複数の設定情報に基づいて検出動作を行うものがある。この設定情報の設定項目は、近年の検出センサの多機能化により多岐にわたっている。そのため、例えば、複数の機能(即ち設定項目)を階層構造に分類するとともに、表示手段に階層構造をなす機能を階層毎に1つずつ順番に表示させ、更に表示させた設定情報を変更可能としたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、上記したような検出センサは、一括制御を可能とすべく複数まとめて制御ユニットと通信可能に設けられてセンサシステムを構成する場合がある。このようなセンサシステムにおいては、例えば複数の内の1つの検出センサにおける投光素子等が劣化することなどにより、検出センサの1つを交換するといった場合が生じる。そして、このような場合には、例えば、まず交換対象となる検出センサの設定情報を制御ユニットに記憶(コピー)させ、交換後に交換された検出センサを指定(選択操作)して記憶(コピー)しておいた設定情報を記憶させる(書き込む)ことで、交換時における設定情報の変更の手間を省くことが可能とされたものがある。
【特許文献1】特開2005−208022号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したセンサシステムでは、交換された検出センサに複数の設定情報を一括して書き込み、容易にセンサシステムを復旧させることができるものの、記憶しておいた設定情報を複数の検出センサの内のどの検出センサに書き込む(記憶させる)かの指定(選択操作)が必要であるため、その指定するための操作が複雑で煩雑であった。尚、このことは、例えば、交換時間(交換からセンサシステム復旧までの時間)を長くしてしまう原因となる。又、上記したものでは、記憶させる検出センサの指定ミスが考えられ、そのようなミスを犯した場合、交換から復旧までの時間は大幅に長くなってしまう。よって、検出センサの交換に関する作業の更なる改善が望まれている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、検出センサの交換に関する作業を容易とすることができるセンサシステム、制御ユニット及び検出センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明では、自身が記憶した複数の設定情報に基づいて検出動作を行う複数の検出センサと、各前記検出センサと通信可能な制御ユニットとを備えたセンサシステムであって、前記制御ユニットには、各検出センサの設定情報をその検出センサのアドレス情報と共に記憶する記憶部と、設定情報の書き換えが必要な検出センサを特定する書き換えセンサ特定手段と、前記書き換えセンサ特定手段で特定された検出センサに対して、前記記憶部に記憶される設定情報を送信させ、当該検出センサに記憶させる書き換え指示手段とを備えること要旨としている。
【0007】
同構成によれば、制御ユニットにおいて、書き換え指示手段によって、書き換えセンサ特定手段で特定された設定情報の書き換えが必要な検出センサに対して、検出センサのアドレス情報と共に記憶部に記憶された設定情報が送信され、その設定情報が当該検出センサに記憶される。このようにすると、記憶部に記憶しておいた設定情報を複数の検出センサの内のどの検出センサに記憶させるかの指定(選択操作)が不要となる。よって、検出センサの交換に関する作業を容易とすることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、自身が記憶した複数の設定情報に基づいて検出動作を行う複数の検出センサと、各前記検出センサと通信可能な制御ユニットとを備えたセンサシステムであって、前記各検出センサには、他の検出センサの設定情報をその検出センサのアドレス情報と共に記憶する記憶部と、設定情報の書き換えが必要な検出センサを特定する書き換えセンサ特定手段と、前記書き換えセンサ特定手段で特定された検出センサに対して、前記記憶部に記憶される設定情報を送信させ、当該検出センサに記憶させる書き換え指示手段とを備えることを要旨としている。
【0009】
同構成によれば、検出センサにおいて、書き換え指示手段によって、書き換えセンサ特定手段で特定された設定情報の書き換えが必要な検出センサに対して、検出センサのアドレス情報と共に記憶部に記憶された設定情報が送信され、その設定情報が当該検出センサに記憶される。このようにすると、記憶部に記憶しておいた設定情報を複数の検出センサの内のどの検出センサに記憶させるかの指定(選択操作)が不要となる。よって、検出センサの交換に関する作業を容易とすることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載のセンサシステムにおいて、前記書き換えセンサ特定手段は、前記記憶部に記憶される設定情報と現在の設定情報との比較の結果、両設定情報が異なる検出センサを書き換えが必要な検出センサとして特定するよう構成されてなることを要旨としている。
【0011】
同構成によれば、書き換えセンサ特定手段によって、例えば、交換された検出センサにおける設定情報が例えば初期状態(出荷時の状態)である場合等、それが予め記憶部に記憶された設定情報と異なるとして書き換えが必要な検出センサとして特定される。このようにすると、例えば、交換した検出センサに対してのみ、検出センサのアドレス情報と共に記憶部に記憶された設定情報が送信され、その設定情報が当該センサに記憶されるため、(例えば、交換されていないものも含めて)全ての検出センサに記憶させる場合に比べて、交換していない検出センサでの無駄な処理がなくなる。
【0012】
請求項4に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載のセンサシステムにおいて、前記書き換えセンサ特定手段は、全ての検出センサを書き換えが必要な検出センサとして特定するよう構成されてなることを要旨としている。
【0013】
同構成によれば、書き換えセンサ特定手段によって、例えば、交換されていない検出センサも含めて全ての検出センサが、書き換えが必要な検出センサとして特定される。このようにすると、例えば、交換していない検出センサまで設定情報が再書き込みされることになるが、交換した検出センサを特定してから送信するといった処理を行わないため、処理が単純となる。
【0014】
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のセンサシステムにおいて、前記各検出センサは、電源投入時に電源投入信号を出力する電源投入信号出力手段を備え、前記書き換え指示手段は、前記電源投入信号が入力されたときに動作を行うことを要旨としている。
【0015】
同構成によれば、検出センサを交換して該検出センサに電源を投入するだけで交換された検出センサから自動的に(他のスイッチ等を押すことなく)電源投入信号が出力され、該電源投入信号が入力されたときに書き換えセンサ特定手段によって、検出センサに(記憶部に記憶しておいた)設定情報が記憶される。よって、検出センサの交換に関する作業を更に容易とすることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のセンサシステムにおいて、前記制御ユニットは、書き込み指示操作手段を備え、前記書き換え指示手段は、前記書き込み指示操作手段の操作時に動作を行うことを要旨としている。
【0017】
同構成によれば、制御ユニットが備える書き込み指示操作手段の操作時に書き換えセンサ特定手段によって、検出センサに(記憶部に記憶しておいた)設定情報が記憶される。よって、例えば、電源が投入されることで自動的に検出センサに設定情報が記憶されるものとした場合のように、意図しないタイミングで検出センサに設定情報が記憶されてしまうといったことがない。
【0018】
請求項7に記載の発明では、制御ユニットと通信可能とされ、自身が記憶した複数の設定情報に基づいて検出動作を行う検出センサであって、電源投入時に電源投入信号を出力する電源投入信号出力手段を備えることを要旨としている。
【0019】
同構成によれば、例えば、請求項5に記載のセンサシステムの一部として用いることで、請求項5に記載の発明の効果を得ることができる。
請求項8に記載の発明では、複数の検出センサと制御ユニットからなるセンサシステムを構成する検出センサであって、制御ユニットと通信可能とされ、自身が記憶した複数の設定情報に基づいて検出動作を行う検出センサにおいて、他の検出センサの設定情報をその検出センサのアドレス情報と共に記憶する記憶部を備えることを要旨としている。
【0020】
同構成によれば、例えば、請求項2に記載のセンサシステムの一部として用いることで、請求項2に記載の発明の効果を得ることができる。
請求項9に記載の発明では、請求項8に記載の検出センサにおいて、設定情報の書き換えが必要な検出センサを特定する書き換えセンサ特定手段を備えることを要旨としている。
【0021】
同構成によれば、例えば、請求項2に記載のセンサシステムの一部として用いることで、請求項2に記載の発明の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、検出センサの交換に関する作業を容易とすることができるセンサシステム、制御ユニット及び検出センサを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図6に従って説明する。
図1に示すように、センサシステムは、自身が記憶した複数の設定情報に基づいて検出動作を行う第1〜第5の検出センサ1〜5と、第1〜第5の検出センサと通信可能に設けられる(図2参照)制御ユニット11とを備える。尚、第1〜第5の検出センサ1〜5は、それぞれが記憶している設定情報が異なっているものもあるが、品番(製品の型)は同じである。
【0024】
第1〜第5の検出センサ1〜5は、略直方体に形成され、その正面には、4つの7セグメントLEDからなり4桁のデジタル表示が可能な表示部6や自身の設定情報を変更するための各種の操作キー7等が設けられている。本実施の形態の第1〜第5の検出センサ1〜5は、光電センサであって、より具体的には(図1中、左側に)図示しない一対の光ファイバケーブルが取り付けられ、それら光ファイバケーブルの先端間の被検出物を検出するものである。
【0025】
制御ユニット11は、略直方体に形成され、その正面には、各種の操作キー等とともに、第1操作キー12及び書き込み指示操作手段としての第2操作キー13が設けられている。尚、本実施の形態の制御ユニット11は、更なる上位ユニット(パソコン等)や電源に接続されるものであって、第1〜第5の検出センサ1〜5の一括制御を可能とするとともに第1〜第5の検出センサ1〜5に電源を供給するものである。
【0026】
そして、本実施の形態では、制御ユニット11と第1〜第5の検出センサ1〜5は正面が一列に(図1中、上下方向に)並ぶように配置されている。詳しくは、本実施の形態では、設けられる検出センサの数に応じて増設される接続コネクタ21が制御ユニット11の一側面端部(図1中、右側端部)に順次積層接続され、その各接続コネクタ21にそれらの積層方向の直交方向(図1中、左側)から脱着可能(図6参照)とされた第1〜第5の検出センサ1〜5が電気的に接続されて配置されている。尚、制御ユニット11から第1〜第5の検出センサ1〜5には接続コネクタ21を介して電源等が供給されるが、制御ユニット11、第1〜第5の検出センサ1〜5間の通信は、各機器の相対向する側面(図1中、上下方向の面)に設けられた図示しない通信窓を介して光通信にて行われる。
【0027】
次に、本実施の形態の特徴に関わる電気的構成を説明する。
図3に示すように、制御ユニット11は、前記第1及び第2操作キー12,13と、それらの操作に基づく処理等の種々の処理を実行する書き換えセンサ特定手段及び書き換え指示手段としてのCPU31と、多数の設定情報を対応したそれぞれのアドレス情報とともに記憶可能な記憶部32と、外部機器(第1の検出センサ1)との通信(光通信)を可能とする送信手段33及び受信手段34とを備える。尚、アドレス情報とは、第1〜第5の検出センサ1〜5の位置を示す情報であって、制御ユニット11から何段目に接続されたものかを示す情報である。
【0028】
図4に示すように、第1〜第5の検出センサ1〜5は、前記一対の光ファイバケーブルと連結される投光手段41及び受光手段42と、受光手段42からの検出信号に基づいて被検出物の検出結果を判定する検出手段43とを備える。又、第1〜第5の検出センサ1〜5は、検出手段43の判定に関わる判定条件を設定する設定手段44と、前記判定条件となる設定情報や自身のアドレス情報を記憶した記憶部45と、設定手段44を介して前記設定情報(機能)を変更操作可能な前記操作キー7及び変更時の情報を表示可能な前記表示部6とを備える。又、第1〜第5の検出センサ1〜5は、外部機器(制御ユニット11や他の検出センサ)との通信(光通信)を可能とする2組の送信手段46,47及び受信手段48,49(図2参照)と、それらの通信を制御するとともに前記設定手段44と双方向に制御可能とされる送受信制御部50とを備える。
【0029】
尚、第1〜第5の検出センサ1〜5において、検出動作に関わる前記設定情報と対応した機能を含む多数の機能は、関連するもの同士がまとめられて上層(上位階層)、中層(中位階層)及び下層(下位階層)の3層の階層構造に分類されており、前記各種の操作キー7の操作(切替操作)に応じて各階層の機能(設定情報)が前記表示部6に切替表示され変更可能となっている。尚、汎用性の高い基本的な機能(設定情報)は、最上位の層である上層に分類されるとともに、高度な機能は、最下位の層である下層に分類されている。
【0030】
具体的には、図5(a)に示すように、上層には、「RUN(被検出物の検出動作を実行する通常検出状態)」、「TEACH(検出用閾値の設定)」、「ADJ(検出用閾値の微調整)」、「L/D ON(入光時ON/非入光時ONの設定)」、「TIMER(タイマ動作の設定)」、「PRO(詳細設定)」の各機能が分類されている。また、図5(b)に示すように、上層の一段下位の層である中層には、「Pro1」〜「Pro5」の各機能が分類されている。さらに、図5(b)に機能「Pro5」の場合を代表して示したように、中層の一段下位の層である下層には、「CodE」、「A Lc(通常検出状態における検出用閾値の微調整)」、「rSET(リセット)」、「InPr(干渉防止切替)」の各機能が分類されている。なお、機能「CodE」は、上層の機能も含めた複数の機能に関する動作内容等を、それらに対応するコードによって設定可能とする機能である。
【0031】
ここで、例えば、第3の検出センサ3における投光手段(素子)等が劣化することなどにより、第3の検出センサ3のみを交換する場合について、上記センサシステム(制御ユニット11及び第1〜第5の検出センサ1〜5)の特徴的な機能、動作、及び操作方法について説明する。
【0032】
まず、第3の検出センサ3を交換する前(前記接続コネクタ21から外す前)に、制御ユニット11の第1操作キー12を操作する(押す)。すると、第1操作キー12からCPU31、送信手段33を介して制御ユニット11の外部(第1〜第5の検出センサ1〜5)に読み出し指示信号が出力される。すると、第1〜第5の検出センサ1〜5は、読み出し指示信号に応じて、自身が記憶した設定情報を自身のアドレス情報と共に(制御ユニット11に)送信する。すると、制御ユニット11は、受信した設定情報を対応したアドレス情報と共に(即ち、検出センサ毎に区別して)自身の記憶部32に記憶する。
【0033】
次に、第3の検出センサ3を交換した後(図6参照)に、制御ユニット11の第2操作キー13を操作する(押す)。すると、第2操作キー13から制御ユニット11のCPU31に書き換え指示信号が出力される。すると、制御ユニット11(CPU31)は、書き換え指示信号に応じて、第1〜第5の検出センサ1〜5に自身が記憶した(現在の)設定情報を自身のアドレス情報と共に送信させ、そのアドレス情報に対応した設定情報が記憶部32に記憶したアドレス情報と対応した設定情報と異なる場合のみ、そのアドレス情報に対応した検出センサに記憶部32に記憶した設定情報を送信し、該検出センサに設定情報を記憶させる。即ち、この例では、交換された第3の検出センサ3における(現在の)設定情報が例えば初期状態(出荷時の状態)であり、制御ユニット11の記憶部32に記憶したアドレス情報と対応した設定情報との比較の結果、それらが異なるため、設定情報の変更(書き換え)を必要とする第3の検出センサ3が特定される。そして、特定された第3の検出センサ3に対して記憶部32に記憶した設定情報が送信され、その設定情報が第3の検出センサ3に記憶される。これにより、交換された第3の検出センサ3における設定情報が交換前と同じとされ、センサシステムの復旧が完了する。
【0034】
尚、本実施の形態の第1操作キー12は、上記した以外の他の動作を行わない(読み出し指示信号を出力するのみの)専用のスイッチとされ、第2操作キー13は、上記した以外の他の動作を行わない(書き換え指示信号を出力するのみの)専用のスイッチとされている。
【0035】
次に、上記実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。
(1)制御ユニット11の記憶部32には設定情報が対応したアドレス情報と共に記憶されることなどから、任意の検出センサの交換時に、記憶部32に記憶しておいた設定情報を複数の検出センサ(第1〜第5の検出センサ1〜5)の内のどの検出センサに送信して記憶させるかの指定(選択操作)が不要となる。よって、第1〜第5の検出センサ1〜5の交換に関する作業を容易とすることができる。その結果、例えば、交換時間(交換からセンサシステム復旧までの時間)を短くすることができる。
【0036】
(2)多数の設定情報を対応したそれぞれのアドレス情報とともに記憶可能な記憶部32を制御ユニット11に設けたため、例えば、全ての検出センサ(第1〜第5の検出センサ1〜5)を同時に交換する場合でも対応することができる。詳しくは、例えば、上記した機能を有する記憶部を、各検出センサ(第1〜第5の検出センサ1〜5)に設けた場合では、全ての検出センサ(第1〜第5の検出センサ1〜5)を同時に交換することに対応できないが、本実施の形態の構成では対応でき、容易にセンサシステムを復旧させることができる。
【0037】
(3)制御ユニット11の第2操作キー13の操作によって前記書き換え指示信号が出力される(記憶部に記憶しておいた設定情報が、検出センサに記憶される)ため、例えば、電源が投入されることで自動的に出力されるものとした場合のように、意図しないタイミングで書き換え指示信号が出力されてしまうといったことがない。
【0038】
(4)まず交換した検出センサ(第3の検出センサ3)が特定されて該検出センサのみに(記憶部32に記憶しておいた)設定情報が送信され記憶されるため、例えば、前記特定を行わず、記憶部32に記憶した全ての設定情報をアドレス情報に対応した全ての検出センサ(第1〜第5の検出センサ1〜5)に記憶させる場合に比べて、交換していない検出センサでの無駄な処理がなくなる。
【0039】
(5)第1操作キー12は、上記した以外の他の動作を行わない(読み出し指示信号を出力するのみの)専用のスイッチとされるため、読み出し指示信号を出力する際、複数のスイッチを駆使して操作するといった必要がなくなる。よって、簡単な操作で読み出し指示信号を出力することができ、ひいては、第1〜第5の検出センサ1〜5の交換に関する作業を更に容易とすることができる。
【0040】
(6)第2操作キー13は、上記した以外の他の動作を行わない(書き換え指示信号を出力するのみの)専用のスイッチとされるため、書き換え指示信号を出力する際、複数のスイッチを駆使して操作するといった必要がなくなる。よって、簡単な操作で書き換え指示信号を出力することができ、ひいては、第1〜第5の検出センサ1〜5の交換に関する作業を更に容易とすることができる。
【0041】
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、第1操作キー12を操作することで制御ユニット11の記憶部32に第1〜第5の検出センサ1〜5の各設定情報を各アドレス情報と共に記憶させたが、それら設定情報及びアドレス情報を、第1〜第5の検出センサ1〜5の記憶部45に記憶させるようにしてもよい。即ち、第1操作キー12を操作することで、記憶するアドレス情報と異なるアドレスの検出センサに設けられた記憶部45に設定情報を記憶させるようにしてもよい。例えば、第1〜第5の検出センサ1〜5の各記憶部45に、自身以外の全ての設定情報をアドレス情報と共に記憶させてもよい。又、例えば、第1〜第5の検出センサ1〜5の各記憶部45に、自身以外の設定情報を1つずつアドレス情報と共に記憶させてもよい。即ち、第1の検出センサ1には第2の検出センサ2の設定情報を、第2の検出センサ2には第3の検出センサ3の設定情報を、第3の検出センサ3には第4の検出センサ4の設定情報を、第4の検出センサ4には第5の検出センサ5の設定情報を、そして第5の検出センサ5には第1の検出センサ1の設定情報を記憶させてもよい。尚、このようにした場合、制御ユニット11に換わって各検出センサ(その書き換えセンサ特定手段及び書き換え指示手段としての設定手段44)が、書き換え指示信号に応じて、交換された検出センサに記憶部45に記憶した設定情報を送信して記憶させる必要がある。
【0042】
・上記実施の形態では、書き換え指示信号は、制御ユニット11の第2操作キー13の操作によって出力されるものであるとしたが、書き換え指示信号は、検出センサが交換されて電源が投入されることで該検出センサから出力されるアドレス情報を含んだ電源投入信号としてもよい。即ち、この例の第1〜第5の検出センサ1〜5における設定手段44は、電源投入時に電源投入信号を出力する電源投入信号出力手段をも構成している。そして、第3の検出センサ3が交換され(図6参照)、接続コネクタ21に接続されると、第3の検出センサ3に電源が投入される。すると、第3の検出センサ3は、電源の投入に応じてアドレス情報を含んだ電源投入信号を外部(制御ユニット11)に出力する。すると、制御ユニット11は(CPU31)は、電源投入信号(書き換え指示信号)に応じて、該電源投入信号に含まれるアドレス情報にて交換された第3の検出センサ3を特定し、その第3の検出センサ3に記憶部32に記憶した設定情報を送信し、該第3の検出センサ3に設定情報を記憶させる。このようにすると、検出センサを交換して該検出センサに電源を供給するだけで自動的に検出センサに(記憶部に記憶しておいた)設定情報が記憶される。よって、第1〜第5の検出センサ1〜5の交換に関する作業を更に容易とすることができる。又、交換した検出センサ(第3の検出センサ3)が特定されて該検出センサのみに(記憶部32に記憶しておいた)設定情報が送信され記憶されるため、例えば、前記特定を行わず、記憶部32に記憶した全ての設定情報をアドレス情報に対応した全ての検出センサ(第1〜第5の検出センサ1〜5)に記憶させる場合に比べて、交換していない検出センサでの無駄な処理がなくなる。又、上記実施の形態の第2操作キー13が不要となる。尚、勿論、この別例に上記別例(制御ユニット11の記憶部32に換えて第1〜第5の検出センサ1〜5の記憶部45に設定情報及びアドレス情報を記憶させるもの)を組み合わせて実施してもよい。又、この場合、制御ユニット11のCPU31と同様の動作(処理)を第1〜第5の検出センサ1〜5の設定手段44(書き換えセンサ特定手段及び書き換え指示手段)に行わせることになる。
【0043】
・上記実施の形態では、まず交換した検出センサ(第3の検出センサ3)が特定されてその第3の検出センサ3のみに(記憶部32に記憶しておいた)設定情報が送信され記憶されるとしたが、これに限定されず、交換した検出センサを特定する処理を行わず、交換されていない検出センサも含めて全ての検出センサを書き換えが必要な検出センサとして特定し、記憶部32に記憶した全ての設定情報をアドレス情報に対応した全ての第1〜第5の検出センサ1〜5に送信させ記憶させてもよい。このようにすると、交換していない検出センサまで設定情報が再書き込みされることになるが、交換した検出センサ(第3の検出センサ3)を特定してから送信するといった処理を行わないため、処理が単純となる。
【0044】
・上記実施の形態では、第1操作キー12は、読み出し指示信号を出力するのみの専用のスイッチとされ、第2操作キー13は、書き換え指示信号を出力するのみの専用のスイッチとされるとしたが、これに限定されず、例えば、第1及び第2操作キー12,13を1つのスイッチにまとめてもよい。例えば、スイッチを通常に(例えば2秒未満)押すと読み出し指示信号を出力し、スイッチを長押しすると(例えば2秒以上押すと)書き換え指示信号を出力するようにしてもよい。又、例えば、スイッチを押すたびに読み出し指示信号と書き換え指示信号を交互に出力するものとしてもよい。
【0045】
・上記実施の形態では、センサシステムは、第1〜第5の検出センサ1〜5を備えるとしたが、勿論、検出センサの数が異なる他のセンサシステムに変更して具体化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本実施の形態におけるセンサシステムの正面図。
【図2】本実施の形態におけるセンサシステムの概略構成図。
【図3】本実施の形態における制御ユニットのブロック回路図。
【図4】本実施の形態における検出センサのブロック回路図。
【図5】(a)(b)本実施の形態における機能の階層構造を示す説明図。
【図6】本実施の形態における検出センサの交換を説明するための説明図。
【符号の説明】
【0047】
1〜5…第1〜第5の検出センサ、11…制御ユニット、13…第2操作キー(書き込み指示操作手段)、31…CPU(書き換えセンサ特定手段及び書き換え指示手段)、32(45)…記憶部、44…設定手段(別例において電源投入信号出力手段、書き換えセンサ特定手段及び書き換え指示手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身が記憶した複数の設定情報に基づいて検出動作を行う複数の検出センサと、
各前記検出センサと通信可能な制御ユニットと
を備えたセンサシステムであって、
前記制御ユニットには、
各検出センサの設定情報をその検出センサのアドレス情報と共に記憶する記憶部と、
設定情報の書き換えが必要な検出センサを特定する書き換えセンサ特定手段と、
前記書き換えセンサ特定手段で特定された検出センサに対して、前記記憶部に記憶される設定情報を送信させ、当該検出センサに記憶させる書き換え指示手段とを備えることを特徴とするセンサシステム。
【請求項2】
自身が記憶した複数の設定情報に基づいて検出動作を行う複数の検出センサと、
各前記検出センサと通信可能な制御ユニットと
を備えたセンサシステムであって、
前記各検出センサには、
他の検出センサの設定情報をその検出センサのアドレス情報と共に記憶する記憶部と、
設定情報の書き換えが必要な検出センサを特定する書き換えセンサ特定手段と、
前記書き換えセンサ特定手段で特定された検出センサに対して、前記記憶部に記憶される設定情報を送信させ、当該検出センサに記憶させる書き換え指示手段とを備えることを特徴とするセンサシステム。
【請求項3】
前記書き換えセンサ特定手段は、
前記記憶部に記憶される設定情報と現在の設定情報との比較の結果、両設定情報が異なる検出センサを書き換えが必要な検出センサとして特定するよう構成されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセンサシステム。
【請求項4】
前記書き換えセンサ特定手段は、
全ての検出センサを書き換えが必要な検出センサとして特定するよう構成されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセンサシステム。
【請求項5】
前記各検出センサは、電源投入時に電源投入信号を出力する電源投入信号出力手段を備え、
前記書き換え指示手段は、前記電源投入信号が入力されたときに動作を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のセンサシステム。
【請求項6】
前記制御ユニットは、書き込み指示操作手段を備え、
前記書き換え指示手段は、前記書き込み指示操作手段の操作時に動作を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のセンサシステム。
【請求項7】
制御ユニットと通信可能とされ、自身が記憶した複数の設定情報に基づいて検出動作を行う検出センサであって、
電源投入時に電源投入信号を出力する電源投入信号出力手段を備えることを特徴とする検出センサ。
【請求項8】
複数の検出センサと制御ユニットからなるセンサシステムを構成する検出センサであって、
制御ユニットと通信可能とされ、自身が記憶した複数の設定情報に基づいて検出動作を行う検出センサにおいて、
他の検出センサの設定情報をその検出センサのアドレス情報と共に記憶する記憶部を備えることを特徴とする検出センサ。
【請求項9】
設定情報の書き換えが必要な検出センサを特定する書き換えセンサ特定手段を備えることを特徴とする請求項8に記載の検出センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−77253(P2009−77253A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−245553(P2007−245553)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】