説明

センサ装置およびその製造方法

【課題】印刷回路基板を用いることなくモジュールを構成するとともに、複数のモジュールを組み合わせてセンサ装置を構成する。
【解決手段】近接センサ1は、電子部品7が実装されるとともに、回路パターンを構成するリードフレーム基板5,6を有するセンサモジュール3および出力モジュール4を備え、各モジュール3,4が、リードフレーム基板5,6によって電気的に接続されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近接センサや光電センサなどのセンサ装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
かかるセンサ装置、例えば、近接センサには、ケース内に、コイル及びコアを含む検知コイル組立体、コイルを共振回路要素とする発振回路及び当該発振回路の発振状態に基づく出力信号を生成する出力回路が組み込まれた回路組立体並びにプラグ対応コネクタが連結されて一体的に収容されてなるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−111116号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、かかる近接センサは、印刷回路基板によって、回路組み立て体が構成されており、かかる印刷回路基板では、高密度に実装されると、放熱性が不十分となったり、更に、外部との電気的接続のために、コネクタを設けて該コネクタを印刷回路基板と半田等で接続しなければならないといった難点がある。
【0004】
また、近接センサでは、その出力形式やサイズなどによって多種類の製品があり、モジュール化し、各モジュールを組み合わせることによって、多種類の製品に対応できるようにして、部品点数の削減、低コスト化を図ることが望まれる。
【0005】
本発明は、印刷回路基板を用いることなくモジュールを構成し、上記課題を解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明のセンサ装置は、部品が実装されるとともに、回路パターンを構成するリードフレーム基板を有する複数のモジュールを備え、各モジュールが、前記リードフレーム基板によって電気的に接続されるものである。
【0007】
ここで、リードフレーム基板とは、回路パターンを構成するとともに、部品が実装されるものをいい、複数の部品、例えば、IC、トランジスタ、ダイオード、抵抗体、コンデンサ等の電子部品が実装されるのが好ましい。
【0008】
モジュールとは、当該センサ装置を構成する部分をいい、検知、出力、あるいは、通信といった各機能を果たす部分であるのが好ましい。
【0009】
本発明のセンサ装置によると、リードフレーム基板を用いてモジュールを構成しているので、印刷回路基板に比べて放熱性が向上するとともに、外部との電気的接続を、例えば、出力機能を有するモジュールのリードフレーム基板の端部を用いて行なうことが可能となり、これによって、外部との電気的接続のためのコネクタを設けて該コネクタと印刷回路基板と半田付けするといった必要がない。更に、種類の異なるモジュールを組み合わせることによって、多種類のセンサ装置を構成することができる。
【0010】
(2)本発明のセンサ装置の好ましい実施形態では、前記複数のモジュールは、計測対象または検知対象の情報を検知するセンサモジュールと、検知結果に応じた出力を外部に与える出力モジュールとを含み、前記リードフレーム基板は、接続端子部を有し、前記センサモジュールの接続端子部と前記出力モジュールの接続端子部とが、電気的に接続されるものである。
【0011】
計測対象または検知対象の情報としては、磁界、電界、光、音、熱などがある。
【0012】
この実施形態によると、センサモジュールと出力モジュールとを備えているので、例えば、出力形式の異なる出力モジュールを、センサモジュールと組み合わせることにより、多種類のセンサ装置に対応できるとともに、部品点数の削減、低コスト化を図ることができる。
【0013】
(3)上記(2)の実施形態において、前記センサモジュールまたは前記出力モジュールの一方のモジュールのリードフレーム基板の接続端子部に、他方のモジュールのリードフレーム基板の接続端子部を差し込むことにより、両接続端子部が接続されるようにしてもよい。
【0014】
一方のモジュールのリードフレーム基板の接続端子部を雌型形状とし、他方のモジュールのリードフレーム基板の接続端子部を雄型形状としてもよい。
【0015】
この実施形態によると、一方のモジュールのリードフレーム基板の接続端子部を、他方のモジュールのリードフレーム基板の接続端子部に差し込んで両モジュールを電気的、機械的に簡単に接続することができ、両モジュールの接続に、フレキシブルケーブルなど接続用部材を必要とせず、半田付けや溶接の必要もない。
【0016】
(4)上記(2)の実施形態において、前記センサモジュールまたは前記出力モジュールの一方のモジュールのリードフレーム基板の接続端子部を、カシメによって他方のモジュールのリードフレーム基板の接続端子部に圧着してもよい。
【0017】
この実施形態によると、センサモジュールと出力モジュールとを、電気的、機械的に接続することができ、両モジュールの接続に、フレキシブルケーブルなど接続用部材を必要とせず、半田付けや溶接の必要もない。
【0018】
(5)上記(2)の実施形態において、前記センサモジュールのリードフレーム基板の接続端子部と前記出力モジュールのリードフレーム基板の接続端子部とを、半田付けまたは溶接してもよい。
【0019】
この実施形態によると、両モジュールのリードフレーム基板の接続端子部同士を、フレキシブルケーブルなどの接続用部材を用いることなく、直接接続することができる。
【0020】
(6)上記(2)の実施形態において、前記センサモジュールのリードフレーム基板の接続端子部と前記出力モジュールのリードフレーム基板の接続端子部とを、接続用部材を介して接続してもよい。
【0021】
各モジュールのリードフレーム基板の接続端子部と接続用部材とを、カシメ、半田付け、または、溶接によって接続してもよい。
【0022】
この実施形態によると、両モジュールのリードフレーム基板の接続端子部が、接続用部材を介して接続される。
【0023】
(7)上記(2)の実施形態において、各モジュールが収容される筒状のケースを備え、前記リードフレーム基板は、前記ケースの内周面に当接して該ケース内でリードフレーム基板を保持する樹脂製の保持部を有してもよい。
【0024】
この実施形態によると、リードフレーム基板が、ケース内で安定に保持されることになる。
【0025】
(8)上記(7)の実施形態において、前記センサモジュールの前記保持部および前記出力モジュールの前記保持部は、前記両モジュールのリードフレーム基板の前記接続端子部同士の位置合わせ用の係合部をそれぞれ有してもよい。
【0026】
この実施形態によると、センサモジュールのリードフレーム基板の接続端子部と出力モジュールのリードフレーム基板の接続端子部とを、容易に位置合わせして接続することができる。
【0027】
(9)上記(7)の実施形態において、前記リードフレーム基板は、前記ケースに収容された状態で、該ケースの開口を閉塞する樹脂製の栓体部を有し、該栓体部の外周には、前記ケースの内周面に圧接されるシール部材を装着してもよい。
【0028】
この実施形態によると、リードフレーム基板が収容されるケース内を密封することができ、ケース内に油水等が侵入して特性劣化を来すことを防止することができる。
【0029】
(10)上記(9)の実施形態において、前記ケースの前記開口側の周縁および前記栓体部の外周には、回転阻止用の係止部を備えるようにしてもよい。
【0030】
この係止部は、前記ケースの前記開口側の周縁または前記栓体部の外周の一方に、係止凹部を形成するとともに、他方に、前記係止凹部に係止される係止凸部を形成してもよい。
【0031】
この実施形態によると、ケース内の収容されたモジュールが、該ケース内で回転するのを阻止することができる。
【0032】
(11)上記(2)の実施形態において、前記出力モジュールの前記リードフレーム基板は、その一端側に、前記センサモジュールと接続するための前記接続用端子部を有するとともに、他端側に、電気コードが接続されるコード接続用端子部を有し、該コード接続用端子部に、前記電気コードが、カシメ、半田付け、または、溶接によって接続されるようにしてもよい。
【0033】
この実施形態によると、外部引き出し用の電気コードを、リードフレーム基板に直接接続することができ、コネクタなどを設ける必要がない。
【0034】
(12)上記(2)の実施形態において、前記センサモジュールは、コアを有する検知コイルを備えるとともに、前記検知コイルを共振要素とする発振回路を備え、該発振回路に発振状態に基づいて、前記物体を検知するようにしてもよい。
【0035】
この実施形態によると、近接センサとして物体の接近を検知できる。
【0036】
(13)上記(2)の実施形態において、前記センサモジュールは、検出対象領域に投光する発光素子および前記検出対象領域からの光を受光する受光素子とを備え、前記受光素子からの電気信号に基づいて、前記物体を検知するようにしてもよい。
【0037】
この実施形態によると、光電センサとして物体を検知できる。
【0038】
(14)本発明のセンサ装置は、物体を検知するセンサモジュールと、検知結果に応じた出力を外部に与える出力モジュールと、各モジュールが収容される筒状のケースとを備え、各モジュールは、回路パターンを構成する同一のリードフレーム基板に、部品が実装されて構成され、前記リードフレーム基板の一端側には、コアを有する検知コイルを接続する接続用端子部を有し、該接続用端子部に、前記検知コイルの端子が、カシメ、半田付け、または、溶接によって接続され、前記リードフレーム基板は、前記ケースに収容された状態で、前記ケースの内周面に当接して該ケース内でリードフレーム基板を保持する樹脂製の保持部を有するとともに、前記ケースの開口を閉塞する栓体部を有するものである。
【0039】
本発明のセンサ装置によると、リードフレーム基板を用いてモジュールを構成しているので、印刷回路基板に比べて放熱性が向上するとともに、外部との電気的接続を、リードフレーム基板の出力モジュール側の端部を用いて行なうことが可能となり、これによって、外部との電気的接続のためのコネクタを設けて該コネクタと印刷回路基板と半田付けするといった必要がない。
【0040】
(15)本発明のセンサ装置の製造方法は、複数のモジュールを備えるセンサ装置の製造方法であって、各モジュールに対応するリードフレームに部品を実装する工程と、前記リードフレームの一部を切断して回路パターンを形成する工程と、リードフレームの外枠を切断して各モジュールに対応するリードフレーム基板を分離する工程と、各モジュールの前記リードフレーム基板によって、各モジュールを電気的に接続する工程を含むものである。
【0041】
各モジュール基板を電気的に接続する工程は、各モジュールのリードフレーム基板の端部同士を、コネクタ方式、カシメ、半田付け、溶接などによって接続するのが好ましい。
【0042】
本発明のセンサ装置の製造方法によると、リードフレーム基板を用いてモジュールを構成しているので、印刷回路基板に比べて放熱性が向上するとともに、外部との電気的接続を、例えば、出力機能を有するモジュールのリードフレーム基板の端部を用いて行なうことが可能となり、これによって、外部との電気的接続のためのコネクタを設けて該コネクタと印刷回路基板と半田付けするといった必要がない。更に、モジュールを組み合わせることによって、多種類のセンサ装置を構成することができる。
【0043】
(16)本発明のセンサ装置の製造方法の一つの実施形態においては、前記複数のモジュールは、物体を検知するセンサモジュールと、検知結果に応じた出力を外部に与える出力モジュールとを含み、前記リードフレーム基板は、接続端子部を有し、前記電気的に接続する工程では、前記センサモジュールの接続端子部と前記出力モジュールの接続端子部とを電気的に接続するものである。
【0044】
この実施形態によると、センサモジュールと出力モジュールとを備えているので、例えば、出力形式の異なる出力モジュールを、センサモジュールと組み合わせることにより、多種類のセンサ装置に対応できるとともに、部品点数の削減、低コスト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、リードフレーム基板を用いてモジュールを構成しているので、印刷回路基板に比べて放熱性が向上するとともに、外部との電気的接続を、リードフレーム基板の端部を用いて行なうことが可能となり、これによって、外部との電気的接続のためのコネクタを設けて該コネクタと印刷回路基板と半田付けするといった必要がない。更に、モジュールを組み合わせることによって、多種類のセンサ装置を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、図面によって本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0047】
(実施形態1)
図1は、本発明の一つの実施形態のセンサ装置としての近接センサの斜視図である。
【0048】
この近接センサ1は、図2に示すように、金属製の円筒状の外殻ケース2内に、センサモジュール3および出力モジュール4を連結一体化したものを収容して構成される。
【0049】
この実施形態の近接センサ1では、各モジュール3,4は、印刷回路基板上に電子部品を実装するのではなく、回路パターンを構成するリードフレーム基板5,6上に、電子部品7を実装するとともに、リードフレーム基板5,6を介して各モジュール3,4を電気的に接続したものである。
【0050】
図3は、近接センサの構成の一例を示すブロック図であり、センサモジュール3は、
検知コイル8およびコンデンサCからなる共振回路と、この共振回路に接続された発振回路9と、この発振回路9の発振出力が入力される積分回路10と、この積分回路10の出力と所定の閾値とを比較する比較回路11と、この比較回路11の出力に基づいて、閾値以下の信号が所定時間連続するときに検知出力を出力する信号処理回路12と、各ブロックに定電圧を供給する定電圧回路13とを備える一方、出力モジュール4は、信号処理回路12の出力に応じて、外部に物体検知信号を出力する出力回路14を備えている。
【0051】
以下、各モジュール3,4の構成を、製造手順に従って説明する。
【0052】
図4は、センサモジュール3の製造に用いられるリードフレーム15の平面図である。
【0053】
このリードフレーム15は、加工性および導電性に優れる黄銅や燐青銅などの銅系合金、あるいは、Niを含有させた鉄系合金などからなる。
【0054】
センサモジュール3のリードフレーム基板5を構成するリードフレーム15には、図2にも示すように、その幅方向に延びるとともに、その中央部から上下方向に延びる十字状の樹脂製の保持部16が一体に形成されている。
【0055】
この保持部16の十字状の各端部の外周が、外殻ケース2に収容されたときに、外殻ケース2の内周面に摺接してセンサモジュール3を安定に保持することができ、また、リードフレーム15に電子部品7を実装したり、各モジュール3,4のリードフレーム基板5,6を接続する際に、保持部16を用いて設備や治具などに安定に固定することができる。
【0056】
この実施形態では、図2に示すように、出力モジュール4のリードフレーム基板6にも同様の保持部25が形成されている。
【0057】
このリードフレーム15では、図4に示すように、基準穴(パイロット穴)17を有する外枠15aから延出するダミーフレーム(つりピン)15bによって、複数のセンサモジュール3に対応するリードフレーム基板部分が、等間隔で連結支持されている。
【0058】
このように基準穴17に対応して等間隔に配列されているので、電子部品の搭載や接続加工などの組立時に、ピッチ送りで正確に位置合わせすることができ、自動化が容易である。
【0059】
かかるリードフレーム15に、IC、トランジスタ、ダイオード、抵抗体、コンデンサなどの電子部品7を搭載し、金線などによるワイヤボンディグや半田などによって接続し、図5に示すように電子部品7を実装する。
【0060】
次に、図5のリードフレーム基板部分の一部のパターン15cを、工程内あるいは工程外で、図6に示すように切断して所要の回路パターンを形成し、また、図5のリードフレーム基板部分とダミーフレーム(つりピン)15bとの連結部分15dを、図6に示すように切断し、リードフレーム15の外枠15aから分離してリードフレーム基板5を得る。この例では、1個のリードフレーム基板5を得るために、2箇所のパターン15cを切断するとともに、4箇所の連結部分15dを切断している。パターン15cの切断および連結部分15dの切断は、同一の工程で行なうのが好ましい。
【0061】
分離されたリードフレーム基板5の一端側(図6の左端側)には、コイルアッシー(コイルアセンブリ)のピン端子との接続のための一対の接続端子部18が設けられており、この接続端子部18は、前記ピン端子を囲むように、U字状に形成されている。
【0062】
図7は、リードフレーム基板5のU字状の接続端子部18に、上述の検知コイル8を含むコイルアッシー19のピン端子20を挿入してカシメ固定した状態を示す斜視図である。コイルアッシー19は、コイル21が巻回されたスプール22と、フェライトコア23とを備えている。
【0063】
他の実施形態として、図8に示すように、リードフレーム基板5の接続端子部18に、コイルアッシー19のピン端子20を挿入して半田付け、あるいは、溶接してもよい。
【0064】
以上のようにして電子部品7が実装され、コイルアッシー19が取り付けられたリードフレーム基板5を、図9に示すように、樹脂製または金属製の有底円筒状のコイルケース24に収容し、性能を安定させるとともに、固定のために樹脂(図示せず)を注型して硬化させることにより、センサモジュール3が完成する。
【0065】
一方、センサモジュール3の場合と同様に、出力モジュール用のリードフレームに、電子部品を実装し、パターンの切断およびダミーフレームの切断を行なって、図10に示す出力モジュール4を得る。この出力モジュール4のリードフレーム基板6にも、十字状の樹脂製の保持部25が形成されているとともに、外殻ケース2に収納したときに、円筒状の外殻ケース2の一端側の開口を塞いで内部を密封するための樹脂製の栓体部26が形成されている。
【0066】
この実施形態では、図9のセンサモジュール3のリードフレーム基板5の一端側を接続端子部27とし、図10の出力モジュール4のリードフレーム基板6の一端側を接続端子部28とし、平板状の両接続端子部27,28を、図11に示すように重ね合わせて溶接して接続するようにしている。
【0067】
このように、各モジュール3,4のリードフレーム基板5,6の接続端子部27,28を直接接続するので、フレキシブル基板のような接続用部材を介して接続するのに比べて、接続工程が簡素化されるとともに、接続部分を小さくできる。
【0068】
なお、接続端子部27,28は、電気抵抗を低減するために、金メッキ、スズメッキ、半田メッキ等を施してもよい。
【0069】
この実施形態では、各モジュール3,4のリードフレーム基板5,6の平板状の端部をそのまま接続端子部27,28として溶接によって接続したけれども、本発明の他の実施形態として、次のようにして接続してもよい。
【0070】
図12は、本発明の他の実施形態の各モジュール3,4のリードフレーム基板5,6の接続端子部付近を示す斜視図であり、図13は、図12の下方から見た斜視図である。なお、以下に説明する接続端子部27,28は、センサモジュール3と出力モジュール4とでその構成を入れ替えてもよい。
【0071】
センサモジュール3のリードフレーム基板5の接続端子部27は、上方へ屈曲した側板部が両側に形成されており、出力モジュール4のリードフレーム基板6の接続端子部28は、両側板部の間に、円滑に挿入できるように先細状に形成されている。
【0072】
この先細状の接続端子部28が、図14に示すように、接続端子部27の両側板部の間で重なるように位置合わせし、図15に示すように、半田付けによって接続してもよい。あるいは、図16に示すように、センサモジュール3のリードフレーム基板5の接続端子部27の両側板部をかしめて出力モジュール4のリードフレーム基板6の先細状の接続端子部28に圧着してもよい。
【0073】
このようにカシメ方式による接続では、半田材料や加熱源などの設備も不要となり、安価で信頼性の高い接続が可能となる。
【0074】
更に、本発明の他の実施形態として、各モジュール3,4のリードフレーム基板5,6を、次のようにして接続してもよい。
【0075】
図17は、本発明の他の実施形態の各モジュール3,4の各リードフレーム基板5,6の接続端子部27−1,28−1付近を示す斜視図であり、図18は、その平面図であり、図19は、図17の一部拡大図である。
【0076】
センサモジュール3のリードフレーム基板5の接続端子部27−1は、図19に示すように、矩形の差込口31を有する箱形に形成されるとともに、差込口31を塞ぐように下面から屈曲して上面に当接する当接片32を有している。
【0077】
出力モジュール4のリードフレーム基板6の接続端子部28−1は、当接片32の付勢力に抗して差込口31に差し込めるように板状に形成されている。
【0078】
また、この実施形態では、左右方向の位置合わせのために、出力モジュール3の十字状の保持部16−1の中央には、上下方向に沿って係合溝33が形成される一方、出力モジュール4の十字状の保持部25−1の中央には、前記係合溝33に嵌まり込む係合突起34が上下方向に沿って形成されている。
【0079】
更に、各モジュール3,4の保持部16−1,25−1の左右には、上下方向の位置合わせのためのガイド部35,36が一対ずつ突設されている。
【0080】
各ガイド部35,36は、位置合わせの際に、互い摺接するガイド面を有しており、左右方向の一方側(図18の下側)では、センサモジュール3のガイド部35の下面がガイド面となるとともに、出力モジュール4のガイド部36の上面がガイド面36aとなり、左右方向の他方側(図18の上側)では、センサモジュール3のガイド部36の上面がガイド面となるとともに、出力モジュール4のガイド部35の下面がガイド面となる。
【0081】
かかる構成の接続端子部27−1,28−1では、出力のモジュール4のリードフレーム基板6の接続端子部28−1を、保持部16−1,25−1で位置合わせしながら、
センサモジュール3のリードフレーム基板5の接続端子部27−1の当接片32の付勢力に抗して差込口31に差し込むことにより、接続端子部27−1,28−1同士が嵌合連結されて接続される。
【0082】
このように一方のモジュール3のリードフレーム基板5の雌型の接続端子部27−1に、他方のモジュール4のリードフレーム基板6の雄型の接続端子部28−1を差し込むことによって、両モジュール3,4が、電気的、機械的に簡単に接続できることになる。
【0083】
かかる差込式による接続では、半田付け、溶接、カシメといった工程が不要となり、例えば、外殻ケース2に組み付けたセンサモジュール3に対して、出力モジュール4を外殻ケース2に挿入してセンサモジュール3との接続を行なうといったことも可能となり、近接センサの組み立てが容易となる。
【0084】
この実施形態では、図11に示すように、センサモジュール3および出力モジュール4を接続して一体化したものを、上述の図2に示すように、外殻ケース2に圧入して近接センサ1を構成する。
【0085】
なお、出力モジュール4の栓体部26の外周には、外殻ケース2内を密封するためのOリング37が装着される。
【0086】
これによって、外殻ケース2内に油水等が侵入して特性劣化を来すことを防止することができる。
【0087】
また、外殻ケース2に内周面には、図2に示すように、一体化されたモジュールが外殻ケース2内部で回転するのを阻止するための段差38が形成されている。
【0088】
なお、本発明の他の実施形態として、図23に示すように、出力モジュール4の栓体部26−1の外周に突起26−1aを設け、外殻ケース2−1の端部に、前記突起が係止する切欠2−1aを形成し、図24に示すように、外殻ケース2−1内にモジュールを収容したときに、外殻ケース内部で、一体化されモジュールが回転するのを阻止するように構成してもよい。
【0089】
この実施形態では、図2に示すように、出力モジュール4のリードフレーム基板6の栓体部側の端部には、電気コードと接続するための一対の接続端子部39が設けられており、各接続端子部39は、U字状に形成されている。
【0090】
この出力モジュール4の接続端子部39に、図25に示すように、電気コード40の絶縁被覆部40aおよび銅線部40bをカシメによって接続する。
【0091】
このように出力モジュール4のリードフレーム基板6の端部の接続端子部39を用いて電気コード40を直接接続できるので、印刷回路基板に、外部との電気的接続のために、コネクタを設けて該コネクタを印刷回路基板と半田等で接続するといった必要がなく、接続部の構成および接続工程が簡素化される。
【0092】
本発明の他の実施形態として、図26に示すように、一方の接続端子部39には、電気コード40の外皮部分40cを支持するU字状の支持部39aを連設し、図27に示すように、電気コード40の外皮部分を支持するようにしてもよい。
【0093】
また、本発明の他の実施形態として、図28に示す出力モジュール4の接続端子部39に、電気コード40の銅線部40bを半田付け、あるいは、溶接によって接続するようにしてもよい。
【0094】
なお、コード接続部分は、図29に示すように、コードプロテクタ41で保護する。
【0095】
(実施形態2)
上述の各実施形態では、センサモジュール3と出力モジュール4の接続端子部27,27−1;28,28−1同士を直接接続したけれども、本発明の他の実施形態として、フラットケーブルやリード線などの接続部材を介して間接的に接続するようにしてもよい。
【0096】
図30は、各モジュール3,4のリードフレーム基板5,6の接続端子部27,28付近およびフラットケーブル42の斜視図である。
【0097】
各モジュール3,4の接続端子部27,28に、フラットケーブル42を組み合わせて図31に示すように、半田付け、あるいは、溶接によって接続する。
【0098】
また、図32に示すように、各モジュール3,4の出力端子部27,28を、フラットケーブル42の銅線を包むようにU字状に形成し、各モジュールの接続端子部に、フラットケーブルを組み合わせ、図33に示すように圧着して接続してもよい。
【0099】
また、フラットケーブル42を代えて、複数のリード線43によって、図34に示すように、半田付けや溶接によって各モジュールの接続用端子27,28を接続し、あるいは、図35に示すように、圧着して接続してもよい。
【0100】
なお、リード線43に代えて、図36,37に示すように、被覆のない裸線44を用いてもよい。
【0101】
(他の実施形態)
上述の各実施形態では、各モジュールを個別のリードフレーム基板5,6で構成したけれども、本発明の他の実施形態として、例えば、図38に示すように、一枚のリードフレーム基板45で構成してもよい。
【0102】
上述の実施形態では、近接センサに適用して説明したけれども、本発明の他の実施形態として、センサモジュールを、例えば、検出対象領域に投光する発光素子、検出対象領域からの光を受光する受光素子、および、受光素子からの電気信号に基づいて、物体を検知する検知回路を備える構成として光電センサに適用してもよく、あるいは、超音波センサ、エンコーダ等の他のセンサ装置にも適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、近接センサなどに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の一つの実施形態の近接センサの斜視図である。
【図2】図1の外殻ケースおよびモジュールを示す斜視図である。
【図3】近接センサの構成の一例を示すブロック図である。
【図4】センサモジュールのリードフレームの平面図である。
【図5】電子部品を実装した状態のリードフレームの平面図である。
【図6】リードフレーム基板を分離した状態のリードフレームの平面図である。
【図7】リードフレーム基板にコイルアッシーを接続した状態を示す斜視図である。
【図8】リードフレーム基板にコイルアッシーを接続した状態の他の例を示す斜視図である。
【図9】センサモジュールの斜視図である。
【図10】出力モジュールの斜視図である。
【図11】両モジュールの接続状態を示す斜視図である。
【図12】各モジュールの接続端子部付近を示す斜視図である。
【図13】図12の下方側から見た斜視図である。
【図14】各モジュールの接続端子部を重ねた状態の斜視図である。
【図15】図14の接続端子部を半田付けした状態の斜視図である。
【図16】接続端子部をかしめて接続した状態の斜視図である。
【図17】他の実施形態の各モジュールの接続端子部付近を示す斜視図である。
【図18】図17の平面図である。
【図19】図17の一部拡大図である。
【図20】各モジュールの接続端子部の接続状態を示す斜視図である。
【図21】図20の平面図である。
【図22】図20の一部拡大図である。
【図23】他の実施形態の各モジュールおよび外殻ケースの斜視図である。
【図24】モジュールを外殻ケースに収容した状態の斜視図である。
【図25】出力モジュールと電気コードとの接続状態を示す斜視図である。
【図26】出力モジュールの電気コードとの接続端子部の他の例を示す斜視図である。
【図27】図26の出力モジュールと電気コードとの接続状態を示す斜視図である。
【図28】出力モジュールと電気コードとの他の接続例を示す斜視図である。
【図29】コードプロテクタで電気コードを保護した状態を示す斜視図である。
【図30】各モジュールの接続端子部付近およびフラットケーブルの斜視図である。
【図31】各モジュールの接続端子部を、フラットケーブルを介して接続した状態の斜視図である。
【図32】各モジュールの接続端子部付近およびフラットケーブルの他の例を示す斜視図である。
【図33】図32の接続端子部を、フラットケーブルを介して接続した状態を示す斜視図である。
【図34】各モジュールの接続端子部をリード線を介して接続した状態の斜視図である。
【図35】各モジュールの接続端子部をリード線を介して接続した状態の他の例を示す斜視図である。
【図36】各モジュールの接続端子部を裸線を介して接続した状態の斜視図である。
【図37】各モジュールの接続端子部を裸線を介して接続した状態の他の例を示す斜視図である。
【図38】他の実施形態のモジュール構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0105】
1 近接センサ
2 外殻ケース
3 センサモジュール
4 出力モジュール
5,6 リードフレーム基板
7 電子部品
27,28,27−1,28−1 接続端子部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品が実装されるとともに、回路パターンを構成するリードフレーム基板を有する複数のモジュールを備え、各モジュールが、前記リードフレーム基板によって電気的に接続されることを特徴とするセンサ装置。
【請求項2】
前記複数のモジュールは、計測対象または検知対象の情報を検知するセンサモジュールと、検知結果に応じた出力を外部に与える出力モジュールとを含み、
前記リードフレーム基板は、接続端子部を有し、
前記センサモジュールの接続端子部と前記出力モジュールの接続端子部とが、電気的に接続される請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記センサモジュールまたは前記出力モジュールの一方のモジュールのリードフレーム基板の接続端子部に、他方のモジュールのリードフレーム基板の接続端子部を差し込むことにより、両接続端子部が接続される請求項2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記センサモジュールまたは前記出力モジュールの一方のモジュールのリードフレーム基板の接続端子部が、カシメによって他方のモジュールのリードフレーム基板の接続端子部に圧着される請求項2に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記センサモジュールのリードフレーム基板の接続端子部と前記出力モジュールのリードフレーム基板の接続端子部とが、半田付けまたは溶接される請求項2に記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記センサモジュールのリードフレーム基板の接続端子部と前記出力モジュールのリードフレーム基板の接続端子部とが、接続用部材を介して接続される請求項2に記載のセンサ装置。
【請求項7】
各モジュールが収容される筒状のケースを備え、
前記リードフレーム基板は、前記ケースの内周面に当接して該ケース内でリードフレーム基板を保持する樹脂製の保持部を有する請求項2〜6のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項8】
前記センサモジュールの前記保持部および前記出力モジュールの前記保持部は、前記両モジュールのリードフレーム基板の前記接続端子部同士の位置合わせ用の係合部をそれぞれ有する請求項7に記載のセンサ装置。
【請求項9】
前記リードフレーム基板は、前記ケースに収容された状態で、該ケースの開口を閉塞する樹脂製の栓体部を有し、該栓体部の外周には、前記ケースの内周面に圧接されるシール部材が装着される請求項7または8に記載のセンサ装置。
【請求項10】
前記ケースの前記開口側の周縁および前記栓体部の外周には、回転阻止用の係止部を備える請求項9に記載のセンサ装置。
【請求項11】
前記出力モジュールの前記リードフレーム基板は、その一端側に、前記センサモジュールと接続するための前記接続用端子部を有するとともに、他端側に、電気コードが接続されるコード接続用端子部を有し、該コード接続用端子部に、前記電気コードが、カシメ、半田付け、または、溶接によって接続される請求項2〜10のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項12】
前記センサモジュールは、コアを有する検知コイルを備えるとともに、前記検知コイルを共振要素とする発振回路を備え、該発振回路に発振状態に基づいて、前記物体を検知する請求項2〜11のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項13】
前記センサモジュールは、検出対象領域に投光する発光素子および前記検出対象領域からの光を受光する受光素子とを備え、前記受光素子からの電気信号に基づいて、前記物体を検知する請求項2〜11のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項14】
物体を検知するセンサモジュールと、検知結果に応じた出力を外部に与える出力モジュールと、各モジュールが収容される筒状のケースとを備え、
各モジュールは、回路パターンを構成する同一のリードフレーム基板に、部品が実装されて構成され、
前記リードフレーム基板の一端側には、コアを有する検知コイルを接続する接続用端子部を有し、該接続用端子部に、前記検知コイルの端子が、カシメ、半田付け、または、溶接によって接続され、
前記リードフレーム基板は、前記ケースに収容された状態で、前記ケースの内周面に当接して該ケース内でリードフレーム基板を保持する樹脂製の保持部を有するとともに、前記ケースの開口を閉塞する栓体部を有することを特徴とするセンサ装置。
【請求項15】
複数のモジュールを備えるセンサ装置の製造方法であって、
各モジュールに対応するリードフレームに部品を実装する工程と、
前記リードフレームの一部を切断して回路パターンを形成する工程と、
リードフレームの外枠を切断して各モジュールに対応するリードフレーム基板を分離する工程と、
各モジュールの前記リードフレーム基板によって、各モジュールを電気的に接続する工程を含むことを特徴とするセンサ装置の製造方法。
【請求項16】
前記複数のモジュールは、物体を検知するセンサモジュールと、検知結果に応じた出力を外部に与える出力モジュールとを含み、
前記リードフレーム基板は、接続端子部を有し、
前記電気的に接続する工程では、前記センサモジュールの接続端子部と前記出力モジュールの接続端子部とを電気的に接続する請求項15に記載のセンサ装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate


【公開番号】特開2007−323974(P2007−323974A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−153238(P2006−153238)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】