センサ
【課題】開口、該開口を開閉する開閉部材のうちの一方に設けられ、導電性を有する外部電極と、該外部電極と離間し、前記外部電極に沿って設けられ、前記外部電極と電気的に絶縁された内部電極とを有したセンサに関し、省スペースのセンサを提供することを課題とする。
【解決手段】内部電極207とセンサ本体(外部電極)201との間が、熱可塑性を有し、液体状態での流し込みにより形成される電気抵抗を有する導電性樹脂部251によって、電気的に接続される。
【解決手段】内部電極207とセンサ本体(外部電極)201との間が、熱可塑性を有し、液体状態での流し込みにより形成される電気抵抗を有する導電性樹脂部251によって、電気的に接続される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口、該開口を開閉する開閉部材のうちの一方に設けられ、導電性を有する外部電極と、該外部電極と離間し、前記外部電極に沿って設けられ、前記外部電極と電気的に絶縁された内部電極とを有したセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
車体の側壁に沿って移動可能に設けられ、車体の側壁に形成された開口を開閉するスライドドア(開閉部材)には、閉方向での前側の上下方向に沿って、前記スライドドアの閉時に、前記スライドドアの前面部と前記開口の縁部との間に異物が存在することを検出するチューブ状のセンサが設けられる。
【0003】
このチューブ状のセンサは、弾性を有するチューブ内部に、間隔を介して複数の電極線が設けられ、異物によりチューブが押圧されて潰れると、電極線が接触して短絡することで、異物が検出される。
【0004】
図13、図14を用いて詳しく説明する。図13は従来のセンサの斜視図、図14は図13に示すセンサの電気回路図である。
【0005】
図13に示すように、チューブ状のセンサ30の内部には、銅線等の導電性細線を縒り合わせることにより可撓性を有する長尺紐状に形成され、且つ、導電性ゴムに被服された電極としての電極線36,38、40、42が設けられている。そして、センサ30が弾性変形すれば、電極線36又は電極線40が電極線38又は電極線42と接触して導通し、センサ30が復元すれば電極線36〜42もまた復元するようになっている。
【0006】
図14に示すように、電極線36と電極線40は長手方向一方の端部で導通しており、電極線38と電極線42もまた長手方向一方の端部で導通している。
【0007】
センサ30の長手方向他方の端部にはコネクタ46が挿入される。コネクタ46の内部には固定抵抗48が設けられている。固定抵抗48の一端には、電極線38の長手方向一端部に電気的に接触し、固定抵抗48の他端は電極線40の長手方向他端部と電気的接触し、電極線38と電極線40とが固定抵抗48を介して電気的に接続されている。
【0008】
また、コネクタ46には、電極線36の長手方向他方の端部と電気的に接触するリード線52と、電極線42の長手方向他方の端部と電気的に接触するリード線54とが設けられている。
【0009】
リード線52は、バッテリー56へ接続されており、また、リード線54は所定値以上の電流が流れると回路を遮断する電流検出素子58を介してバッテリー56へ接続されている。すなわち、電極線36から電極線40、電極線42を介して電極線44へ流れる電流は、通常、固定抵抗48を介して流れるが、仮に、センサ30が押し潰されて電極線36又は電極線40が電極線38又は電極線42と接触して導通して短絡すると、電流は固定抵抗48を介さずに流れるため、例えば、一定の電圧でこの回路に電流を流していれば電流値が変化する。したがって、このときの電流値の変化を検知すればセンサ30が押し潰されたか否か、すなわち、センサ30に外力が作用したか否かを検知できる。
【0010】
又、電極線が断線すると、電流が流れなくなるので、電極線の断線も検知できる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−241262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、上記構成において、固定抵抗48を有したコネクタ46をセンサ30に挿入しなければならないので、センサ30以外にコネクタ46のスペースが必要となる。
【0013】
又、センサ30にコネクタ46を挿入する際に、センサ30を傷つける恐れがある。
【0014】
更に、センサ30にコネクタ46を挿入しても、組付け不良によりコネクタ46側の固定抵抗48と、センサ30側の電極線38、40との電気的接触、また、コネクタ46側のリード線52,54とセンサ30側の電極36、42との電気的接触が得られない場合がある。
【0015】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その第1の課題は、省スペースのセンサを提供することにある。
【0016】
第2の課題は、組付け時に傷がつかないセンサを提供することにある。
【0017】
第3の課題は、電気的接触不良が発生しないセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決する請求項1に係る発明は、開口、該開口を開閉する開閉部材のうちの一方に設けられ、導電性を有する外部電極と、該外部電極と離間し、前記外部電極に沿って設けられ、前記外部電極と電気的に絶縁された内部電極と、を有したセンサにおいて、前記内部電極と前記外部電極とは、両者の間に充填された熱可塑性、電気抵抗を有する導電性樹脂部によって、電気的に接続されたことを特徴とするセンサである。
【0019】
請求項2に係る発明は、前記導電性樹脂部は、液体状態で充填され固化されることを特徴とする請求項1記載のセンサである。
【0020】
請求項3に係る発明は、前記電気抵抗を有する導電性樹脂部は、センサの端部に設けたことを特徴とする請求項1または2記載のセンサである。
【0021】
請求項4に係る発明は、前記導電性樹脂部と、前記外部電極との間には隙間が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のセンサである。
【発明の効果】
【0022】
請求項1〜4に係る発明によれば、前記内部電極と前記外部電極とは、両者の間に充填された熱可塑性、電気抵抗を有する導電性樹脂部によって、電気的に接続されたことにより、固定抵抗を有するコネクタが不要となり、省スペースとなる。また、コネクタが不要となるので、コネクタによるセンサへの傷付けがなくなる。更に、コネクタ組付け不良による電気的接触不良も発生しない。
【0023】
請求項2に係る発明によれば、前記導電性樹脂部は、液体状態で充填され固化されることにより、製造が容易である。
【0024】
請求項3に係る発明によれば、前記電気抵抗を有する導電性樹脂部は、センサの端部に設けたことにより、検知範囲を広く確保できる。
【0025】
請求項4に係る発明によれば、前記導電性樹脂部と、前記外部電極との間には隙間が形成されていることにより、モールド成形時に、樹脂が前記隙間に入り込むことで、強固なモールド成形が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第2の工程を説明する斜視図である。
【図2】図1のE方向矢視図である
【図3】第1の工程を説明する斜視図である。
【図4】図3のD方向矢視図である。
【図5】第3の工程を説明する斜視図である。
【図6】は図5の切断線F−Fでの断面図である。
【図7】センサの斜視図である。
【図8】図7のB方向矢視図である。
【図9】図1に示すセンサの電気回路図である。
【図10】スライドドアを説明する図、
【図11】図10の切断線B−Bでの断面図である。
【図12】他の形態例を説明する図である。
【図13】従来のセンサの斜視図である。
【図14】図13に示すセンサの電気回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
最初に、図10、図11を用いて、本形態例のチューブ状のセンサが設けられたスライドドアの説明を行う。図10はスライドドアを説明する図、図11は図10の切断線B−Bでの断面図である。
【0028】
図10に示すように、スライドドア105は、車体101の開口103に開閉可能に設けられている。又、102はフロントドア本体である。図8に示すように、スライドドア105は、車体101の開口103を塞ぐスライドドア本体(開閉部材)107と、スライドドア本体107の閉方向側を前、開方向側を後とした場合、スライドドア本体107の後部に回転可能に設けられたスライダ109と、スライダ109が移動可能に係合したガイド111とからなっている。
【0029】
電動スライドドアの場合、スライドドア本体107にドラムに巻回されたワイヤが接続され、ドラムを回転し、ワイヤを引っ張ることにより、スライドドア本体107はガイド111に沿って移動するようになっている。
【0030】
スライドドア本体107の前面には、凸状のストッパ107aが設けられ、開口103を形成するピラー100には、凸状のストッパ107aが当接可能な凹状のストッパ103aが設けられている。
【0031】
ガイド111は、開口103の後側の車体101に設けられた本体部113と、本体部113に連設され、開口103を介して車体101の内側に向かって湾曲した湾曲部115とからなっている。ガイド111の湾曲部115は、スライドドア本体107の全閉時に、スライドドア本体107のストッパ107aが開口103のストッパ103aに当接した状態で、スライドドア本体107の後部を開口103内に引き込む方向に案内するようになっている。
【0032】
そして、スライドドア本体107の内側前部には、上下方向に沿ってチューブ状のセンサ200が設けられている。
【0033】
次に、図7−図8を用いて、センサ200を説明する。図7はセンサの斜視図、図8は図7のB方向矢視図である。
【0034】
センサ200は、外部電極となるチューブ状のセンサ本体201と、前述したスライドドア本体107に形成された被取付部(例えば、ヘミング部)を挟持可能な取付部203とを有している。センサ本体201は、スチレン系の軟質導電樹脂でなっている。センサ本体201の内部の取付部203側には、長手方向にスチレン系の軟質絶縁樹脂でなる接合部206が形成されている。接合部206上には、スチレン系の軟質導電樹脂でなる内部電極207と形成されている。よって、外部電極となるセンサ本体201と内部電極207とは、接合部206により、電気的に絶縁されている。
【0035】
更に、センサ本体201と内部電極207には、それぞれ、金属線でなる電極線209,211が長手方向に沿って埋設されている。
【0036】
次に、図1−図6を用いて、センサ200の端部構造及び製造方法を説明する。
(第1の工程)
図3及び図4を用いて説明する、図3は第1の工程を説明する斜視図、図4は図3のD方向矢視図である。
【0037】
これらの図に示すように、センサ200の端部を切除し、電極線209,211が外部に露出させる。更に、チューブ状のセンサ本体201の端部を取付部203側を残して、半割円筒状に切り欠く。
(第2の工程)
図1及び図2を用いて説明する、図1は第2の工程を説明する斜視図、図2は図1のE方向矢視図である。
【0038】
これらの図に示すように、センサ本体201の半割円筒状に切り欠かれた箇所に、加熱して液体状態になった導電性及び熱可塑性を有するオレフィン系エラストマーを充填し、型を用いて電気抵抗を有する導電性樹脂部251を固化させ形成する。これにより、センサ本体201の端部で、外部電極であるセンサ本体201と内部電極207とは、電気抵抗を有する導電性樹脂部251を介して電気的に接続されることとなる。
【0039】
尚、本実施の形態例では、電気抵抗を有する導電性樹脂部251の上面と、センサ本体201の内壁との間には隙間Sが形成されている。
(第3の工程)
図5及び図6を用いて説明する。図5は第3の工程を説明する斜視図、図6は図5の切断線F−Fでの断面図である。
【0040】
これらの図に示すように、センサ本体201の端部を絶縁樹脂でモールド成形し、モールド成形部253を形成する。
【0041】
次に、図9を用いて、センサ200の作動を説明する。図に示すように電極線209はバッテリー255に接続されている。電極線211は電流検出素子257を介してバッテリー255へ接続されている。
【0042】
よって、通常、電極線209、電気抵抗を有する導電性樹脂部251、電極線211を介して電流が流れる。
【0043】
センサ本体201が押し潰されて、外部電極であるセンサ本体201と、内部電極207とが接触して導通すると、電流は電気抵抗を有する導電性樹脂部251を介さずに流れるため、電流値が変化する。したがって、このときの電流値の変化を検知すればセンサ200が押し潰されたか否か、すなわち、センサ200に外力が作用したか否かを検知できる。
【0044】
上記構成によれば、以下の様な効果が得られる。
(1)内部電極207と外部電極であるセンサ本体201との間に、両者に電気的に接続し、電気抵抗を有する導電性樹脂部251を設けたことにより、固定抵抗を有するコネクタが不要となり、省スペースとなる。
【0045】
また、コネクタが不要となるので、コネクタによるセンサへの傷付けがなくなる。
【0046】
更に、コネクタ組付け不良による電気的接触不良も発生しない。
(2)電気抵抗を有する導電性樹脂部251は、熱可塑性を有し、液体状態で充填され、固化されることにより、製造が容易である。
(3)電気抵抗を有する導電性樹脂部251は、センサ本体201の端部に設けたことにより、センサ本体201が潰れることによる検知範囲を広く確保できる。
(4)電気抵抗を有する導電性樹脂部251と、センサ本体201の内壁との間には隙間Sが形成されていることにより、モールド成形部253を成形する時に、樹脂が隙間Sに入り込むことで、強固なモールド成形が得られる。
【0047】
尚、本発明は、上記実施の形態に限定するものではない。上記実施の形態では、センサ200をスライドドア本体107に設けたが、開口103側に設けてもよい。
【0048】
又、上記実施の形態では、センサを車両のスライドドアに適用した例で説明を行ったが、車両のスライドドアに限定するものではない。例えば、建物の自動ドア等にもに適用可能である。
【0049】
更に、図12に示すように、角筒形で弾性,絶縁性を有するチューブ301の対向する一方の内面に第1電極(外部電極)303を設け、他方の内面に第2電極(内部電極)305を設け、チューブ301が押されて潰れると第1電極303と、第2電極305とが接触して短絡するセンサ307にも、本発明は適用できる。
【符号の説明】
【0050】
201 センサ本体(外部電極)
207 内部電極
251 電気抵抗を有する導電性樹脂部
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口、該開口を開閉する開閉部材のうちの一方に設けられ、導電性を有する外部電極と、該外部電極と離間し、前記外部電極に沿って設けられ、前記外部電極と電気的に絶縁された内部電極とを有したセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
車体の側壁に沿って移動可能に設けられ、車体の側壁に形成された開口を開閉するスライドドア(開閉部材)には、閉方向での前側の上下方向に沿って、前記スライドドアの閉時に、前記スライドドアの前面部と前記開口の縁部との間に異物が存在することを検出するチューブ状のセンサが設けられる。
【0003】
このチューブ状のセンサは、弾性を有するチューブ内部に、間隔を介して複数の電極線が設けられ、異物によりチューブが押圧されて潰れると、電極線が接触して短絡することで、異物が検出される。
【0004】
図13、図14を用いて詳しく説明する。図13は従来のセンサの斜視図、図14は図13に示すセンサの電気回路図である。
【0005】
図13に示すように、チューブ状のセンサ30の内部には、銅線等の導電性細線を縒り合わせることにより可撓性を有する長尺紐状に形成され、且つ、導電性ゴムに被服された電極としての電極線36,38、40、42が設けられている。そして、センサ30が弾性変形すれば、電極線36又は電極線40が電極線38又は電極線42と接触して導通し、センサ30が復元すれば電極線36〜42もまた復元するようになっている。
【0006】
図14に示すように、電極線36と電極線40は長手方向一方の端部で導通しており、電極線38と電極線42もまた長手方向一方の端部で導通している。
【0007】
センサ30の長手方向他方の端部にはコネクタ46が挿入される。コネクタ46の内部には固定抵抗48が設けられている。固定抵抗48の一端には、電極線38の長手方向一端部に電気的に接触し、固定抵抗48の他端は電極線40の長手方向他端部と電気的接触し、電極線38と電極線40とが固定抵抗48を介して電気的に接続されている。
【0008】
また、コネクタ46には、電極線36の長手方向他方の端部と電気的に接触するリード線52と、電極線42の長手方向他方の端部と電気的に接触するリード線54とが設けられている。
【0009】
リード線52は、バッテリー56へ接続されており、また、リード線54は所定値以上の電流が流れると回路を遮断する電流検出素子58を介してバッテリー56へ接続されている。すなわち、電極線36から電極線40、電極線42を介して電極線44へ流れる電流は、通常、固定抵抗48を介して流れるが、仮に、センサ30が押し潰されて電極線36又は電極線40が電極線38又は電極線42と接触して導通して短絡すると、電流は固定抵抗48を介さずに流れるため、例えば、一定の電圧でこの回路に電流を流していれば電流値が変化する。したがって、このときの電流値の変化を検知すればセンサ30が押し潰されたか否か、すなわち、センサ30に外力が作用したか否かを検知できる。
【0010】
又、電極線が断線すると、電流が流れなくなるので、電極線の断線も検知できる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−241262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、上記構成において、固定抵抗48を有したコネクタ46をセンサ30に挿入しなければならないので、センサ30以外にコネクタ46のスペースが必要となる。
【0013】
又、センサ30にコネクタ46を挿入する際に、センサ30を傷つける恐れがある。
【0014】
更に、センサ30にコネクタ46を挿入しても、組付け不良によりコネクタ46側の固定抵抗48と、センサ30側の電極線38、40との電気的接触、また、コネクタ46側のリード線52,54とセンサ30側の電極36、42との電気的接触が得られない場合がある。
【0015】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その第1の課題は、省スペースのセンサを提供することにある。
【0016】
第2の課題は、組付け時に傷がつかないセンサを提供することにある。
【0017】
第3の課題は、電気的接触不良が発生しないセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決する請求項1に係る発明は、開口、該開口を開閉する開閉部材のうちの一方に設けられ、導電性を有する外部電極と、該外部電極と離間し、前記外部電極に沿って設けられ、前記外部電極と電気的に絶縁された内部電極と、を有したセンサにおいて、前記内部電極と前記外部電極とは、両者の間に充填された熱可塑性、電気抵抗を有する導電性樹脂部によって、電気的に接続されたことを特徴とするセンサである。
【0019】
請求項2に係る発明は、前記導電性樹脂部は、液体状態で充填され固化されることを特徴とする請求項1記載のセンサである。
【0020】
請求項3に係る発明は、前記電気抵抗を有する導電性樹脂部は、センサの端部に設けたことを特徴とする請求項1または2記載のセンサである。
【0021】
請求項4に係る発明は、前記導電性樹脂部と、前記外部電極との間には隙間が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のセンサである。
【発明の効果】
【0022】
請求項1〜4に係る発明によれば、前記内部電極と前記外部電極とは、両者の間に充填された熱可塑性、電気抵抗を有する導電性樹脂部によって、電気的に接続されたことにより、固定抵抗を有するコネクタが不要となり、省スペースとなる。また、コネクタが不要となるので、コネクタによるセンサへの傷付けがなくなる。更に、コネクタ組付け不良による電気的接触不良も発生しない。
【0023】
請求項2に係る発明によれば、前記導電性樹脂部は、液体状態で充填され固化されることにより、製造が容易である。
【0024】
請求項3に係る発明によれば、前記電気抵抗を有する導電性樹脂部は、センサの端部に設けたことにより、検知範囲を広く確保できる。
【0025】
請求項4に係る発明によれば、前記導電性樹脂部と、前記外部電極との間には隙間が形成されていることにより、モールド成形時に、樹脂が前記隙間に入り込むことで、強固なモールド成形が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第2の工程を説明する斜視図である。
【図2】図1のE方向矢視図である
【図3】第1の工程を説明する斜視図である。
【図4】図3のD方向矢視図である。
【図5】第3の工程を説明する斜視図である。
【図6】は図5の切断線F−Fでの断面図である。
【図7】センサの斜視図である。
【図8】図7のB方向矢視図である。
【図9】図1に示すセンサの電気回路図である。
【図10】スライドドアを説明する図、
【図11】図10の切断線B−Bでの断面図である。
【図12】他の形態例を説明する図である。
【図13】従来のセンサの斜視図である。
【図14】図13に示すセンサの電気回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
最初に、図10、図11を用いて、本形態例のチューブ状のセンサが設けられたスライドドアの説明を行う。図10はスライドドアを説明する図、図11は図10の切断線B−Bでの断面図である。
【0028】
図10に示すように、スライドドア105は、車体101の開口103に開閉可能に設けられている。又、102はフロントドア本体である。図8に示すように、スライドドア105は、車体101の開口103を塞ぐスライドドア本体(開閉部材)107と、スライドドア本体107の閉方向側を前、開方向側を後とした場合、スライドドア本体107の後部に回転可能に設けられたスライダ109と、スライダ109が移動可能に係合したガイド111とからなっている。
【0029】
電動スライドドアの場合、スライドドア本体107にドラムに巻回されたワイヤが接続され、ドラムを回転し、ワイヤを引っ張ることにより、スライドドア本体107はガイド111に沿って移動するようになっている。
【0030】
スライドドア本体107の前面には、凸状のストッパ107aが設けられ、開口103を形成するピラー100には、凸状のストッパ107aが当接可能な凹状のストッパ103aが設けられている。
【0031】
ガイド111は、開口103の後側の車体101に設けられた本体部113と、本体部113に連設され、開口103を介して車体101の内側に向かって湾曲した湾曲部115とからなっている。ガイド111の湾曲部115は、スライドドア本体107の全閉時に、スライドドア本体107のストッパ107aが開口103のストッパ103aに当接した状態で、スライドドア本体107の後部を開口103内に引き込む方向に案内するようになっている。
【0032】
そして、スライドドア本体107の内側前部には、上下方向に沿ってチューブ状のセンサ200が設けられている。
【0033】
次に、図7−図8を用いて、センサ200を説明する。図7はセンサの斜視図、図8は図7のB方向矢視図である。
【0034】
センサ200は、外部電極となるチューブ状のセンサ本体201と、前述したスライドドア本体107に形成された被取付部(例えば、ヘミング部)を挟持可能な取付部203とを有している。センサ本体201は、スチレン系の軟質導電樹脂でなっている。センサ本体201の内部の取付部203側には、長手方向にスチレン系の軟質絶縁樹脂でなる接合部206が形成されている。接合部206上には、スチレン系の軟質導電樹脂でなる内部電極207と形成されている。よって、外部電極となるセンサ本体201と内部電極207とは、接合部206により、電気的に絶縁されている。
【0035】
更に、センサ本体201と内部電極207には、それぞれ、金属線でなる電極線209,211が長手方向に沿って埋設されている。
【0036】
次に、図1−図6を用いて、センサ200の端部構造及び製造方法を説明する。
(第1の工程)
図3及び図4を用いて説明する、図3は第1の工程を説明する斜視図、図4は図3のD方向矢視図である。
【0037】
これらの図に示すように、センサ200の端部を切除し、電極線209,211が外部に露出させる。更に、チューブ状のセンサ本体201の端部を取付部203側を残して、半割円筒状に切り欠く。
(第2の工程)
図1及び図2を用いて説明する、図1は第2の工程を説明する斜視図、図2は図1のE方向矢視図である。
【0038】
これらの図に示すように、センサ本体201の半割円筒状に切り欠かれた箇所に、加熱して液体状態になった導電性及び熱可塑性を有するオレフィン系エラストマーを充填し、型を用いて電気抵抗を有する導電性樹脂部251を固化させ形成する。これにより、センサ本体201の端部で、外部電極であるセンサ本体201と内部電極207とは、電気抵抗を有する導電性樹脂部251を介して電気的に接続されることとなる。
【0039】
尚、本実施の形態例では、電気抵抗を有する導電性樹脂部251の上面と、センサ本体201の内壁との間には隙間Sが形成されている。
(第3の工程)
図5及び図6を用いて説明する。図5は第3の工程を説明する斜視図、図6は図5の切断線F−Fでの断面図である。
【0040】
これらの図に示すように、センサ本体201の端部を絶縁樹脂でモールド成形し、モールド成形部253を形成する。
【0041】
次に、図9を用いて、センサ200の作動を説明する。図に示すように電極線209はバッテリー255に接続されている。電極線211は電流検出素子257を介してバッテリー255へ接続されている。
【0042】
よって、通常、電極線209、電気抵抗を有する導電性樹脂部251、電極線211を介して電流が流れる。
【0043】
センサ本体201が押し潰されて、外部電極であるセンサ本体201と、内部電極207とが接触して導通すると、電流は電気抵抗を有する導電性樹脂部251を介さずに流れるため、電流値が変化する。したがって、このときの電流値の変化を検知すればセンサ200が押し潰されたか否か、すなわち、センサ200に外力が作用したか否かを検知できる。
【0044】
上記構成によれば、以下の様な効果が得られる。
(1)内部電極207と外部電極であるセンサ本体201との間に、両者に電気的に接続し、電気抵抗を有する導電性樹脂部251を設けたことにより、固定抵抗を有するコネクタが不要となり、省スペースとなる。
【0045】
また、コネクタが不要となるので、コネクタによるセンサへの傷付けがなくなる。
【0046】
更に、コネクタ組付け不良による電気的接触不良も発生しない。
(2)電気抵抗を有する導電性樹脂部251は、熱可塑性を有し、液体状態で充填され、固化されることにより、製造が容易である。
(3)電気抵抗を有する導電性樹脂部251は、センサ本体201の端部に設けたことにより、センサ本体201が潰れることによる検知範囲を広く確保できる。
(4)電気抵抗を有する導電性樹脂部251と、センサ本体201の内壁との間には隙間Sが形成されていることにより、モールド成形部253を成形する時に、樹脂が隙間Sに入り込むことで、強固なモールド成形が得られる。
【0047】
尚、本発明は、上記実施の形態に限定するものではない。上記実施の形態では、センサ200をスライドドア本体107に設けたが、開口103側に設けてもよい。
【0048】
又、上記実施の形態では、センサを車両のスライドドアに適用した例で説明を行ったが、車両のスライドドアに限定するものではない。例えば、建物の自動ドア等にもに適用可能である。
【0049】
更に、図12に示すように、角筒形で弾性,絶縁性を有するチューブ301の対向する一方の内面に第1電極(外部電極)303を設け、他方の内面に第2電極(内部電極)305を設け、チューブ301が押されて潰れると第1電極303と、第2電極305とが接触して短絡するセンサ307にも、本発明は適用できる。
【符号の説明】
【0050】
201 センサ本体(外部電極)
207 内部電極
251 電気抵抗を有する導電性樹脂部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口、該開口を開閉する開閉部材のうちの一方に設けられ、
導電性を有する外部電極と、
該外部電極と離間し、前記外部電極に沿って設けられ、前記外部電極と電気的に絶縁された内部電極と、
を有したセンサにおいて、
前記内部電極と前記外部電極とは、両者の間に充填された熱可塑性、電気抵抗を有する導電性樹脂部によって、電気的に接続されたことを特徴とするセンサ。
【請求項2】
前記導電性樹脂部は、液体状態で充填され固化されることを特徴とする請求項1記載のセンサ。
【請求項3】
前記電気抵抗を有する導電性樹脂部は、センサの端部に設けたことを特徴とする請求項1または2記載のセンサ。
【請求項4】
前記導電性樹脂部と、前記外部電極との間には隙間が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のセンサ。
【請求項1】
開口、該開口を開閉する開閉部材のうちの一方に設けられ、
導電性を有する外部電極と、
該外部電極と離間し、前記外部電極に沿って設けられ、前記外部電極と電気的に絶縁された内部電極と、
を有したセンサにおいて、
前記内部電極と前記外部電極とは、両者の間に充填された熱可塑性、電気抵抗を有する導電性樹脂部によって、電気的に接続されたことを特徴とするセンサ。
【請求項2】
前記導電性樹脂部は、液体状態で充填され固化されることを特徴とする請求項1記載のセンサ。
【請求項3】
前記電気抵抗を有する導電性樹脂部は、センサの端部に設けたことを特徴とする請求項1または2記載のセンサ。
【請求項4】
前記導電性樹脂部と、前記外部電極との間には隙間が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のセンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−58021(P2012−58021A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200022(P2010−200022)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【出願人】(590001164)シロキ工業株式会社 (610)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【出願人】(590001164)シロキ工業株式会社 (610)
【Fターム(参考)】
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