説明

ソフトゲルカプセル化のためのナプロキセンの医薬処方およびその組合せ

NSAIDの増大した安定性、増加した濃度および向上したバイオアベイラビリティーを有する、ソフトゲルカプセル中へのカプセル化のためのNSAID処方。好ましいNSAIDSは、ナプロキセン、イブプロフェン、インドメタシンおよびジクロフェナクであり、これらは充填処方中に、酸性および塩基性の両方の形で提供される。充填処方のpH値は、追加の方法ステップを用いずに調整し得る。投与量単位用に、充填組成物中の活性NSAID医薬成分の、達成可能な濃度を増加させるための方法も提供される。高濃度のNSAID処方によって、充填体積もしくは投与量単位サイズを縮小することまたは各投与量単位中のNSAIDの濃度を増加させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、経口医薬処方に関する。より特には、本発明は、ソフトゲルカプセル剤形中へのカプセル化に適したナプロキセンの改良された医薬処方およびその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ソフトゲルカプセルは、広く知られており、長年、種々の目的に使用されている。ソフトゲルカプセルは、所望の機能特性を組み込んだ可塑化されたシェル材料および親水性、疎水性またはそれらの組合せであり得る広範囲の液体充填材料から、1ステップの方法で形成、充填および密閉されるという点において、ハードシェルカプセルとは全く異なる。ソフトゲルカプセル化用の液体媒体または担体中に特別に処方されている、ビタミン、栄養サプリメントおよび活性医薬成分などの経口摂取のための材料を収容するために、ソフトゲルカプセルを使用することは、当技術分野においてよく知られている。
【0003】
しかし、すべての液体が、ソフトゲルカプセル中の唯一の媒体または担体として使用できるというわけではない。当技術分野において充填処方として知られている、水、プロピレングリコール、グリセリン、低分子量アルコール、ケトン、酸、アミンおよびエステルなどの液体は、ソフトゲルカプセル中の媒体または担体を調製するための他の液体を併用する場合にのみ使用することができる。そのような液体は、ソフトゲル充填材料の機能構成成分として使用され得る。
【0004】
ソフトゲルカプセルを使用する際の1つの制限は、所望の投与量を送達し、経済的に適切であり、患者が摂取するのに快適なソフトゲルカプセルを生成するのに十分小さい溶媒の体積で、活性医薬成分を処方することが不可能であり得ることである。この制限は、医薬用剤の透明溶液または分散液が所望されている場合に、特に関係がある。そのような医薬用剤の1つがナプロキセンであり、これは、水に溶けにくく、ソフトゲルカプセル充填材料用に典型的に使用される成分の組合せ中での溶解度が限られている。
【0005】
ナプロキセンは、疼痛を緩和し、炎症状態を治療するために一般的に使用される非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)である。(+)-(S)-2-(6-メトキシナフタレン-2-イル)プロパン酸であるナプロキセンは、NSAIDの2-アリールプロピオン酸(プロフェン)ファミリーの一員である。ナプロキセンおよび他のNSAIDは、水にほとんど溶けない。ソフトゲルカプセル中で適当な媒体または担体である液体および液体の組合せ中での、ナプロキセンの溶解度は、合理的なサイズのカプセルをもたらすには不十分である。特に、親水性活性成分のための好ましい媒体または担体であるポリエチレングリコール中での、ナプロキセンの溶解度は、たいていの患者に快適に投与されるのに十分小さい、合理的なサイズのカプセルをもたらすには不十分である。
【0006】
ナプロキセンの溶解度を増加させ、よってバイオアベイラビリティーを向上する目的で、いくつかの方法が開発されている。そのような先行技術方法の1つが、Yuらによって、米国特許第5,071,643号および米国特許第5,360,615号に開示されており、いずれも、ナプロキセンなどの酸性医薬用剤の溶解度を高めるために水ベースの溶媒系を使用して、ソフトゲルカプセル中へのカプセル化に適した高濃度溶液を生成することを開示している。開示されている溶媒系は、10重量%から80重量%のポリエチレングリコール、1重量%から20重量%の水および水酸化物イオン種を含む。この溶媒系は、ソフトゲルカプセルなどの小さい器中へのカプセル化が可能な高濃度溶液をもたらし、これによって、容易に嚥下することが可能になり、薬学的に有効な用量のナプロキセンなどの医薬用剤を提供する。Yuに開示されている方法は、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウムまたは水酸化カリウムなどの溶解度を高める剤を利用して、ナプロキセンを部分中和によって可溶化する、水ベースの溶媒系中の医薬用剤(ナプロキセン)の溶液の形成に言及している。
【0007】
Tindalらは、米国特許第6,387,400号に、投与量単位のソフトゲルカプセル剤用に医薬活性成分の濃度を増加させるための別の先行技術方法を開示している。この開示は、イブプロフェンのための方法を記載しており、ナプロキセンなどの他の酸性化合物に言及している。Tindalらによって開示されている方法は、医薬用剤および水酸化物イオン源を漸増的に添加していくことに基づいた方法による、ポリエチレングリコールおよび水酸化物イオン源中の医薬用剤の溶液の調製に基づいている。
【0008】
ある特定の液体をソフトゲル用の媒体または担体として使用する際のさらなる制限は、Yuらによって、米国特許第5,360,615号に教示されているように、液体のpH値である。例えば、充填液体のpHは、2.5未満であるべきではなくまたは7.5を超えるべきではない。2.5未満のpH値では、ゼラチンが加水分解し、漏れを引き起こす可能性があり、一方、7.5を超えるpHでは、ゼラチンが褐色になり、ゼラチンシェルの溶解度が低下する。
【0009】
ナプロキセンおよびナプロキセンナトリウムは、活性医薬成分およびUSPにおけるモノグラフの対象として認識されている。ナプロキセンナトリウムは、広く認められているナトリウム塩型のナプロキセンである。ナプロキセンナトリウムは、ポリエチレングリコールに非常によく溶けるが、より溶けやすいナプロキセンナトリウムの使用は、他の問題を提起する。ナプロキセンナトリウムがポリエチレングリコール中に可溶化されると、得られた溶液はアルカリ性であり、これはソフトゲルシェルに対して腐食性である。したがって、ナプロキセンナトリウムは、ソフトゲルカプセル化には適さない。
【0010】
先行技術は、ナプロキセンおよびイブプロフェンなどの医薬用剤を可溶化するための、ポリエチレングリコールおよび水酸化物イオン源の使用を教示している。しかし、溶液を中和するために、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウムまたは水酸化カリウムなどの水酸化物イオン源を添加すると、結果として、充填材料の全体積が増加することになる。充填材料の全体積の増加(それによる剤形の全体的なサイズの増加)を必要とせずおよび/またはカプセルシェルの崩壊もしくは分散を増進させることなく、ソフトゲル剤形および/または投与量単位中の、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウムまたは他のNSAIDなどの活性成分の濃度を増加させることは、当技術分野において実現困難であることが分かっている。
【0011】
先行技術において示されているように、充填処方のpHを調整する能力は、追加の方法ステップがなければ問題となる。先行技術は、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウムまたは水酸化カリウムなどの水酸化物イオン源を使用する多数の添加ステップによって、活性成分を含有する溶液を中和することを教示している。充填処方のpH値を調整する能力は、他の活性成分の溶解度または安定性が充填処方のpH調整(または酸性/塩基性APIの中和)によって最適化され得る場合に、ナプロキセンなどのNSAIDとフェニレフリン塩酸塩、コハク酸ドキシラミンおよびデキストロメトルファン臭化水素酸塩などの他の活性医薬成分との組合せに特に関係がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第5,071,643号
【特許文献2】米国特許第5,360,615号
【特許文献3】米国特許第6,387,400号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
剤形の全体的なサイズを増加させることなく、以前に記載されているよりも高い濃度の活性成分を収容する溶液を生成する、ソフトゲル中へのカプセル化のための、ナプロキセンなどのNSAIDの医薬処方を提供することは有利であり望ましいであろう。そのような医薬処方によって、剤形の全体的なサイズを縮小することができる。ソフトカプセルシェルに対して腐食性ではない、合理的なサイズのカプセルをもたらすために、ポリエチレングリコールをベースとした、ナプロキセンなどのNSAIDの医薬処方を提供することも望ましい。
【0014】
多数の添加ステップによって活性成分を含有する溶液を中和する必要なしに、調整可能なpH値を有する、ナプロキセンおよび他のNSAIDの医薬処方を生成するための改良された方法が得られれば、有利であり、望ましいであろう。中和工程を排除することによって、より経済的で制御し易い製造方法が可能となる。同様に、水酸化ナトリウムなどの腐食性または苛性アルカリ補助剤を排除することは、作業場にはるかに安全な方法をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の態様によると、ナプロキセンの安定性を増大し、濃度を増加し、バイオアベイラビリティーを向上させるための、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポビドンおよび水を含むナプロキセン処方が提供される。NSAIDの安定性を増大し、濃度を増加し、バイオアベイラビリティーを向上させるための、酸性NSAID、塩基性NSAID、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポビドンおよび水を含む医薬処方も提供される。
【0016】
本発明の別の態様によると、薬物送達媒体ならびに薬物送達媒体内に配置されているナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポビドンおよび水を含む処方を含む、ナプロキセンの増大した安定性、増加した濃度および向上したバイオアベイラビリティーをもたらすナプロキセン剤形が提供される。薬物送達媒体ならびに酸性NSAID、塩基性NSAID、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポビドンおよび水を含む医薬処方を含む、NSAIDの増大した安定性、増加した濃度および向上したバイオアベイラビリティーをもたらす剤形も提供される。
【0017】
本発明は、これまでに記載されたものに勝る利点をもたらす、薬物送達媒体内に配置されているソフトゲル充填処方のための製造方法を開示する。
【0018】
本発明のさらなる態様は、使用者が受け入れ易いように可能な限り小さいカプセルを製造するために、高濃度溶液を生成することである。
【0019】
本発明はさらに、最適な安定性を有し、ソフトゲルカプセルなどの薬物送達媒体中に組み込まれ得る他の活性成分と相容性の充填組成物を担持するのに適した調整可能なpH値を有する処方を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
高められたバイオアベイラビリティーを有し、pH値の改良された調整能力を有する、より高濃度のナプロキセンを担持することが可能なナプロキセン処方を開示する。ナプロキセン処方は、一般に、ナプロキセンおよびナプロキセンナトリウムの組合せを含む。この処方はまた、ナプロキセンおよびナプロキセンナトリウムを、他の活性医薬成分と組み合わせて含み得る。本発明は、特にナプロキセンに関して開示するが、酸および塩の形を有し得る他のNSAIDにも適用可能である。中和工程および水酸化物イオン種の多数の添加ステップを利用する必要性を回避する、本発明の処方を調製するための簡素化された方法も開示する。
【0021】
改良されたナプロキセン処方は、一般に、ポリエチレングリコール(PEG)、プロピレングリコール、ポビドン、水、ナプロキセンおよびナプロキセンナトリウムを含む。PEG、好ましくはPEG 400(これに限定するものではない)が、乳化剤および可溶化剤として一般的に使用される。ポビドンは、分散剤および懸濁化剤として一般的に使用される。本発明において、ポビドンは、適した粘度グレード、例えば、K12(これに限定するものではない)を有するものである。処方中のナプロキセンの量は約2重量%から約25重量%までの範囲であり、処方中のナプロキセンナトリウムの対応する量は約25重量%から約2重量%までの範囲である。処方中の重量によるナプロキセンおよびナプロキセンナトリウムの総量は、所望のカプセルサイズによって決まり得るが、好ましくは、約22重量%から約30重量%までの範囲である。処方中のPEGの量は約40重量%から約70重量%までの範囲である。処方中のプロピレングリコールの量は約1重量%から約5重量%までの範囲である。処方中のポビドンの量は約1重量%から約6重量%までの範囲である。処方中の水の量は約1重量%から約10重量%までの範囲である。
【0022】
本発明の処方の賦形剤は、他のNSAIDの酸および塩基の形の組合せとともに使用され得ることが企図される。本発明に従って使用するのに適した他の酸性NSAIDの例には、インドメタシン(インドメタシンナトリウム三水和物)、イブプロフェン(イブプロフェンナトリウム二水和物)およびジクロフェナク(ジクロフェナクカリウム)が含まれるが、これらに限定されない。処方中のインドメタシンの量は約2重量%から約30重量%までの範囲であり、インドメタシンナトリウム三水和物の対応する量は約30重量%から約2重量%までの範囲である。処方中のインドメタシンおよびインドメタシンナトリウム三水和物の総量は、所望のカプセルサイズによって決まり得るが、好ましくは約22重量%から約35重量%までの範囲である。処方中のイブプロフェンの量は約2重量%から約25重量%までの範囲であり、イブプロフェンナトリウム二水和物の対応する量は約25重量%から約2重量%までの範囲である。処方中のイブプロフェンおよびイブプロフェンナトリウム二水和物の総量は、所望のカプセルサイズによって決まり得るが、好ましくは約22重量%から約30重量%までの範囲である。処方中のジクロフェナクの量は約2重量%から約30重量%までの範囲であり、ジクロフェナクカリウムの対応する量は約30重量%から約2重量%までの範囲である。処方中のジクロフェナクおよびジクロフェナクカリウムの総量は、所望のカプセルサイズによって決まり得るが、好ましくは約22重量%から約35重量%までの範囲である。
【0023】
本発明の処方は、他の活性医薬成分との論理的な組合せにおいて、1種の活性医薬成分の酸および塩基の形の処方を包含することが企図される。本発明のナプロキセン処方の、1種または複数種の他の活性医薬成分との論理的な組合せは、軽症の痛みおよび疼痛、咳、風邪またはアレルギーを伴う症状の治療に有用であり得る。例えば、うっ血除去剤として使用されるフェニレフリン塩酸塩と組み合わせたナプロキセンの鎮痛効果は、風邪およびインフルエンザ症状の緩和をもたらすのに有用であり得る。処方中のフェニレフリン塩酸塩の量は約0.01重量%から約1重量%までの範囲であり得る。本発明のナプロキセン処方との論理的な組合せにおける、他の活性医薬成分には、コハク酸ドキシラミンおよびデキストロメトルファン臭化水素酸塩が含まれる。処方中のコハク酸ドキシラミンの量は約0.01重量%から約1重量%までの範囲であり得る。処方中のデキストロメトルファン臭化水素酸塩の量は約1重量%から約2重量%までの範囲であり得る。
【0024】
本処方のさらなる固有の特徴は、カプセル内のナプロキセンとナプロキセンナトリウムとの相対比率を変化させることによって、充填処方のpHを調整することができることである。それ故に、充填処方のpHは、ナプロキセンの酸および塩の形の比を調整することによって、制御または選択することができる。ナプロキセンの、ナプロキセンナトリウムに対する比は、約9:1から約3:7までの範囲、好ましくは、約3:2から2:3までの比、最も好ましくは約1:1の比であり得る。本処方は、充填処方のpH値を調整するための追加の方法ステップの必要性を排除する。ナプロキセン充填処方のpHは約2から約8までの範囲である。ナプロキセン処方のpHを調整する能力は、充填材料と、ナプロキセン処方をカプセル化するゲルシェルとの相容性を保証するために重要である。同様に、他の活性成分の安定性を最適化するための、充填処方のpHを調整する能力は、ナプロキセンを他の活性成分と組み合わせて含有する処方には決定的に重要であり得る。
【0025】
風邪およびインフルエンザ症状の治療に使用されるソフトゲルカプセルは、ナプロキセンを1種または複数種の他の活性成分と組み合わせて含有し得る。組合せの典型的な例は、フェニレフリン塩酸塩との組合せであり;ソフトゲル充填処方中のフェニレフリンの最適安定性に対する好ましい充填処方のpHは、約4から約6までの範囲である。
【0026】
本発明は、例えば、ソフトゲルカプセル中に使用するためのナプロキセン処方の改良された製造方法を記載する。ナプロキセンおよびナプロキセンナトリウムの組合せを、PEG、好ましくはポリエチレングリコール400(PEG 400)、プロピレングリコール、ポビドン、水および任意選択で、ソフトゲルカプセル化の技術分野において知られている他の補助剤中に可溶化して、ソフトゲルカプセルなどの薬物送達媒体中へのカプセル化に適した高濃度溶液を生成する。
【0027】
ナプロキセンおよびナプロキセンナトリウムを含むナプロキセン処方は、ポリエチレングリコールをベースとした親水性充填処方に十分溶けて、ソフトカプセルシェルに対して腐食性ではない、合理的なサイズのカプセルをもたらす。さらに、ナプロキセンおよびナプロキセンナトリウムの組合せは、先行技術に教示されているような多数の添加ステップによって活性成分を含有する溶液を中和する必要なしに、ソフトゲルカプセル剤中のカプセル化に適していると以前に記載されているよりも高い濃度の活性成分を収容する溶液を生成する。先行技術の中和工程を排除することによって、より経済的で制御し易い製造方法が可能となる。同様に、水酸化ナトリウムなどの、先行技術に教示されている腐食性または苛性アルカリ補助剤を排除することは、作業場にはるかに安全な方法をもたらす。
【0028】
開示されている方法は、潜在的なプロセス変数およびそれに伴う制御手順を排除することによって、より簡素で、より迅速であり、ひいては医薬品製造により適しており、先行技術に記載されているよりも高濃度の活性成分溶液をもたらす。よって、製薬方法のカギとなる必要条件である一貫性または再現性について、より大きな潜在能力を達成することができる。開示されている方法はまた、他のNSAIDの酸および塩基の形を含む処方に適している。
【0029】
ナプロキセン処方は、最初に、PEG 400などの選択されたPEGをプロピレングリコールと組み合わせることによって調製する。混合物を撹拌し、高温、好ましくは少なくとも60℃に、より好ましくは約60℃から約75℃の間に、最も好ましくは約70℃に加熱する。次いで、所望の量のナプロキセンおよびナプロキセンナトリウムを、上述の比で混合物に添加する。得られた混合物を高温で維持し、典型的には少なくとも約45分間、継続的に撹拌して、完全な溶解を確実にする。次いで、精製水およびポビドンを混合物に添加する。得られた混合物を高温で維持し、典型的には少なくとも約10分間、継続的に撹拌して、完全な溶解を確実にする。溶液を脱気し、次いで室温に冷却する。
【0030】
本発明によるナプロキセン剤形は、薬物送達媒体および薬物送達媒体内に溶解されたナプロキセン処方を含む。薬物送達媒体は、当業者に知られている技術によって作製することができるソフトゲルカプセルである。このソフトゲルカプセルは、液体が充填されているツーピース型のカプセルであれば必要とされるような、カプセル半分の追加の密閉を全く必要とせず、相応して、物理的な分解および故意の異物混入または汚染がされにくいため、従来のツーピース型のカプセルよりも好ましい。ソフトゲル単位の単位用量は、ナプロキセン10から1000mg/カプセルまでの範囲であり、好ましくは、200、250、300、350および400mg/カプセルである。患者が受け入れ易いように、最終的なカプセルのサイズは、長楕円型14番(約900mgの充填材料)以下であることが好ましい。
【0031】
本発明によるソフトゲルカプセルのナプロキセン剤形を開発する際に、ナプロキセン処方は、ソフトゲルシェルと相容性でなければならないことを認識すべきである。ソフトゲルシェル処方は、本発明の処方を収容するために、当業者によって調整され得る。一般に、ソフトゲルシェルカプセル処方は、設計によってまたは好みによって必要とされるような適した特性を有するカプセルを生成するために、ゲル化剤または適したゲル化剤の組合せとソフトゲルシェル処方を可塑化するために添加される1種または複数種の成分とからなる。
【0032】
ソフトゲルシェル処方は、ソフトゲルカプセル化に適した、ゼラチンもしくは他のゲル化剤またはそれらの組合せをベースとし得る。本発明は、ゼラチンをベースとしたソフトゲルシェル処方に基づいているが、これに限定されない。本発明のナプロキセン処方とともに使用するためのソフトゲルカプセル剤の製造において、処方は、哺乳動物または魚類などの他の種の皮もしくは骨であり得る医薬品グレードのゼラチンをベースとし得る。一般的なゼラチン処方は、ブルーム強度が150から250までの範囲であり、好ましいブルームが175である、石灰骨または皮のゼラチンである。本発明のナプロキセン処方のソフトゲルカプセル化に使用されるゼラチン処方は、約35%から48%までの範囲のゼラチンと4%から34%までの量の範囲の可塑剤とを含むが、これらに限定されない。本発明の処方とともに使用するのに適した可塑剤には、グリセリン、ソルビトール、非結晶化ソルビトール溶液、ソルビトール-ソルビタン溶液、ソルビタン無水物、マンニトール、プロピレングリコールおよびPEG 200が含まれるが、これらに限定されない。可塑剤としてソルビトールが単独で利用される場合、その量は18%から24%までの範囲であり得るが、その範囲に限定されない。適した可塑剤は、ソルビトール約10%から65%まで、1,4-ソルビタン約10%から65%までおよびマンニトール約1%から15%までの組成の非結晶化ソルビトール-ソルビタン溶液であり、すべての百分率は、重量によるものである。
【0033】
カプセル処方は、カプセルを安定化するためにおよび/またはカプセルに色もしくは外観などの特定の特性を付与するために利用される、保存剤および/または着色剤などの他の適した添加剤も含むことができる。薬学的に許容される保存剤は、例えば、メチルパラベンおよびプロピルパラベンを含むことができる。色は、FD&Cおよび/またはD&C色素を使用して、ゼラチンシェルに付与され得る。二酸化チタンおよび/または酸化鉄などの乳白剤は、カプセルを着色するためおよび/または不透明にするために用いられ得る。
【0034】
以下は、本発明に従って作製されたナプロキセン処方のいくつかの実施例と一緒に、いくつかのソフトゲルカプセル処方を説明する実施例である。以下に提示されている実施例は、本発明の特定の実施形態を説明することを目的としたものであり、特許請求の範囲を含む本明細書の範囲を限定することを決して意図したものではない。
【0035】
(実施例)
(実施例1)
ナプロキセン処方を調製する方法
PEG 400とプロピレングリコールを組み合わせた。混合物を撹拌し、70℃に加熱した。所望の量のナプロキセンおよびナプロキセンナトリウムを、混合物に添加した。ナプロキセンおよびナプロキセンナトリウムが完全に溶解されるまで、得られた混合物を、70℃で45分間、継続的に撹拌した。次いで、精製水およびポビドンを混合物に添加した。混合物を、70℃で10分間、継続的に撹拌した。溶液を脱気し、次いで室温に冷却した。目に見える懸濁粒子が存在しない透明な溶液を形成した。
【0036】
(実施例2)
ナプロキセンソフトゲルカプセル充填処方-1ソフトゲルカプセル当たり
【0037】
【表1】

【0038】
(実施例3)
【0039】
【表2】

【0040】
(実施例4)
ナプロキセンの、ナプロキセンナトリウムに対する比および充填材料のpH
充填材料のpHをどのようにして調整することができるかを説明するために、ナプロキセンとナプロキセンナトリウムとの種々の比を有する処方を、以下の表に実例で示す。
【0041】
【表3】

【0042】
追加の活性医薬成分を有するナプロキセン処方
以下の実施例は、追加の活性医薬成分と組み合わせた本発明のナプロキセン処方を説明するために示す。
【0043】
(実施例5)
【0044】
【表4】

【0045】
(実施例6)
【0046】
【表5】

【0047】
(実施例7)
比較データ
本発明の処方がどのようにして充填重量を減じるかを説明するために、ナプロキセンの市販の処方(Aleve)と本発明の生成物との比較を以下に示す。以下の表は、1カプセル当たり同量のナプロキセンに関して、本発明の生成物は、賦形剤の充填重量が減じられていることを示している。したがって、本発明によるナプロキセンは、市販の製品よりも小さいカプセルサイズで投与することができる。加えて、より多い量のナプロキセンを、市販の製品のカプセルサイズを増加させずに投与できる。
【0048】
【表6】

【0049】
ナプロキセンソフトゲルカプセルの安定性プロフィール
実施例3に記載されている処方を含有するナプロキセンソフトゲルカプセルの安定性を、USPの回転パドル溶出装置を使用して決定した。ナプロキセンソフトゲルカプセルのサンプルを、以下の表に記載されているような時間間隔および包装形状に関して、室温および促進条件下で貯蔵後に試験した。すべての試験サンプルは、APIの急速で、本質的に完全な溶出を実証した。以下の実施例は、本発明の処方が9か月間にわたって安定であることを実証している。
【0050】
(実施例8)
ロットPDS-1719 安定性データ-規格 45分以内に75%(Q)以上
【0051】
【表7】

【0052】
(実施例9)
ロットPDS-1720 安定性データ-規格 45分以内に75%(Q)以上
【0053】
【表8】

【0054】
本明細書において提示されている教示を考慮すれば、本発明の他の変更形態および変形形態は当業者には容易に明らかであろう。前述の記述および説明は、本発明のいくつかの実施形態を例証するものであるが、その実施に限定するつもりはない。それ故に、すべての適した変更形態、変形形態および均等形態が取ることができ、そのような変更形態、改変形態および均等形態が、記載されている本発明の範囲内におよび特許請求の範囲内に含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナプロキセン;
ナプロキセンナトリウム;
ポリエチレングリコール;
プロピレングリコール;
ポビドン;および

を含む、ソフトゲル中へのカプセル化に適したナプロキセンの医薬処方。
【請求項2】
ナプロキセンの量が約2重量%から約25重量%までの範囲であり、ナプロキセンナトリウムの量が約25重量%から約2重量%までの範囲であり、ポリエチレングリコールの量が約40重量%から約70重量%までの範囲であり、プロピレングリコールの量が約1重量%から約5重量%までの範囲であり、ポビドンの量が約1重量%から約6重量%までの範囲であり、水の量が約1重量%から約10重量%までの範囲である、請求項1に記載の処方。
【請求項3】
ナプロキセンおよびナプロキセンナトリウムの総量が、約22重量%から約30重量%までの範囲である、請求項2に記載の処方。
【請求項4】
ポリエチレングリコールがPEG 400を含む、請求項1に記載の処方。
【請求項5】
ポビドンがポビドンK12を含む、請求項1に記載の処方。
【請求項6】
pHが約2から約8までの範囲である、請求項1から5のいずれか一項に記載の処方。
【請求項7】
フェニレフリン塩酸塩をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の処方。
【請求項8】
フェニレフリン塩酸塩の量が約0.01重量%から約1重量%までの範囲である、請求項7に記載の処方。
【請求項9】
pHが約4から約6までの範囲である、請求項7または8に記載の処方。
【請求項10】
デキストロメトルファン臭化水素酸塩をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の処方。
【請求項11】
デキストロメトルファン臭化水素酸塩の量が約1重量%から約2重量%までの範囲である、請求項10に記載の処方。
【請求項12】
コハク酸ドキシラミンをさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の処方。
【請求項13】
コハク酸ドキシラミンの量が約0.01重量%から約1重量%までの範囲である、請求項12に記載の処方。
【請求項14】
ナプロキセンの、ナプロキセンナトリウムに対する比が約9:1から約3:7までの範囲である、請求項1から13のいずれか一項に記載の処方。
【請求項15】
ナプロキセンの、ナプロキセンナトリウムに対する比が約3:2から約2:3までの範囲である、請求項14に記載の処方。
【請求項16】
ナプロキセンの、ナプロキセンナトリウムに対する比が約1:1である、請求項15に記載の処方。
【請求項17】
薬物送達媒体;ならびに
薬物送達媒体内に配置されているナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポビドンおよび水を含む充填処方
を含む、ナプロキセンの経口投与のための剤形。
【請求項18】
ナプロキセンの量が約2重量%から約25重量%までの範囲であり、ナプロキセンナトリウムの量が約25重量%から約2重量%までの範囲であり、ポリエチレングリコールの量が約40重量%から約70重量%までの範囲であり、プロピレングリコールの量が約1重量%から約5重量%までの範囲であり、ポビドンの量が約1重量%から約6重量%までの範囲であり、水の量が約1重量%から約10重量%までの範囲である、請求項17に記載の剤形。
【請求項19】
ナプロキセンおよびナプロキセンナトリウムの総量が、約22重量%から約30重量%までの範囲である、請求項18に記載の剤形。
【請求項20】
ポリエチレングリコールがPEG 400を含む、請求項17に記載の剤形。
【請求項21】
ポビドンがポビドンK12を含む、請求項17に記載の剤形。
【請求項22】
充填処方のpHが約2から約8までの範囲である、請求項17から21のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項23】
充填処方がフェニレフリン塩酸塩をさらに含む、請求項17から22のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項24】
フェニレフリン塩酸塩の量が約0.01重量%から約1重量%までの範囲である、請求項23に記載の剤形。
【請求項25】
充填処方が約4.5から約5.5までのpHを有する、請求項23または24に記載の剤形。
【請求項26】
デキストロメトルファン臭化水素酸塩をさらに含む、請求項17から25のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項27】
デキストロメトルファン臭化水素酸塩の量が約1重量%から約2重量%までの範囲である、請求項26に記載の剤形。
【請求項28】
コハク酸ドキシラミンをさらに含む、請求項17から27のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項29】
コハク酸ドキシラミンの量が約0.01重量%から約1重量%までの範囲である、請求項28に記載の剤形。
【請求項30】
ナプロキセンの、ナプロキセンナトリウムに対する比が約9:1から約3:7までの範囲である、請求項17から29のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項31】
ナプロキセンの、ナプロキセンナトリウムに対する比が約3:2から約2:3までの範囲である、請求項30に記載の剤形。
【請求項32】
ナプロキセンの、ナプロキセンナトリウムに対する比が約1:1である、請求項31に記載の剤形。
【請求項33】
薬物送達媒体がカプセルを含む、請求項17に記載の剤形。
【請求項34】
カプセルがソフトゼラチンカプセルを含む、請求項33に記載の剤形。
【請求項35】
カプセルがゼラチンから本質的になる、請求項33に記載の剤形。
【請求項36】
a)ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールからなる成分を混合して、溶液を形成するステップと、
b)ナプロキセンおよびナプロキセンナトリウムからなる成分を溶液に添加し、溶液を撹拌するステップと、
c)ポビドンおよび水からなる成分を溶液に添加し、溶液を撹拌するステップと、
d)溶液を薬物送達デバイス中に配置するステップと
を含む、ナプロキセンソフトゲル剤形を作製する方法。
【請求項37】
薬物送達デバイスがカプセルを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
カプセルがソフトゲルカプセルを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
ステップa)が加熱ステップを含み、加熱ステップが、高温へのポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールの加熱を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
ステップb)を高温で実施する、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
ステップc)を高温で実施する、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
高温が少なくとも60℃である、請求項39から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
高温が約65℃から約75℃までの範囲である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
高温が約70℃である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
ステップb)の撹拌ステップを、成分が完全に溶解されるまで実施する、請求項36に記載の方法。
【請求項46】
ステップb)の撹拌ステップを少なくとも約45分間実施する、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
ステップc)の撹拌ステップを、成分が完全に溶解されるまで実施する、請求項36に記載の方法。
【請求項48】
ステップc)の撹拌ステップを、少なくとも約10分間実施する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
酸性NSAID;
塩基性NSAID;
ポリエチレングリコール;
プロピレングリコール;
ポビドン;および

を含む、ソフトゲル中へのカプセル化に適した非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の医薬処方。
【請求項50】
酸性NSAIDがナプロキセンを含み、塩基性NSAIDがナプロキセンナトリウムを含む、請求項49に記載の処方。
【請求項51】
ナプロキセンの量が約2重量%から約25重量%までの範囲であり、ナプロキセンナトリウムの量が約25重量%から約2重量%までの範囲である、請求項50に記載の処方。
【請求項52】
ナプロキセンおよびナプロキセンナトリウムの総量が、約22重量%から約30重量%までの範囲である、請求項51に記載の処方。
【請求項53】
酸性NSAIDがインドメタシンを含み、塩基性NSAIDがインドメタシンナトリウム三水和物を含む、請求項49に記載の処方。
【請求項54】
インドメタシンの量が約2重量%から約30重量%までの範囲であり、インドメタシンナトリウム三水和物の量が約30重量%から約2重量%までの範囲である、請求項53に記載の処方。
【請求項55】
インドメタシンおよびインドメタシンナトリウム三水和物の総量が、約22重量%から約35重量%までの範囲である、請求項54に記載の処方。
【請求項56】
酸性NSAIDがイブプロフェンを含み、塩基性NSAIDがイブプロフェンナトリウム二水和物を含む、請求項49に記載の処方。
【請求項57】
イブプロフェンの量が約2重量%から約25重量%までの範囲であり、イブプロフェンナトリウム二水和物の量が約25重量%から約2重量%までの範囲である、請求項56に記載の処方。
【請求項58】
イブプロフェンおよびイブプロフェンナトリウム二水和物の総量が、約22重量%から約30重量%までの範囲である、請求項57に記載の処方。
【請求項59】
酸性NSAIDがジクロフェナクを含み、塩基性NSAIDがジクロフェナクカリウムを含む、請求項49に記載の処方。
【請求項60】
ジクロフェナクの量が約2重量%から約30重量%までの範囲であり、ジクロフェナクカリウムの量が約30重量%から約2重量%までの範囲である、請求項59に記載の処方。
【請求項61】
ジクロフェナクおよびジクロフェナクカリウムの総量が、約22重量%から約35重量%までの範囲である、請求項60に記載の処方。
【請求項62】
ポリエチレングリコールの量が約40重量%から約70重量%までの範囲であり、プロピレングリコールの量が約1重量%から約5重量%までの範囲であり、ポビドンの量が約1重量%から約6重量%までの範囲であり、水の量が約1重量%から約10重量%までの範囲である、請求項49から61のいずれか一項に記載の処方。
【請求項63】
ポリエチレングリコールがPEG 400を含む、請求項49に記載の処方。
【請求項64】
ポビドンがポビドンK12を含む、請求項49に記載の処方。
【請求項65】
pHが約2から約8までの範囲である、請求項49から64のいずれか一項に記載の処方。
【請求項66】
フェニレフリン塩酸塩をさらに含む、請求項49から65のいずれか一項に記載の処方。
【請求項67】
フェニレフリン塩酸塩の量が約0.01重量%から約1重量%までの範囲である、請求項66に記載の処方。
【請求項68】
pHが約4から約6までの範囲である、請求項66または67に記載の処方。
【請求項69】
デキストロメトルファン臭化水素酸塩をさらに含む、請求項49から68のいずれか一項に記載の処方。
【請求項70】
デキストロメトルファン臭化水素酸塩の量が約1重量%から約2重量%までの範囲である、請求項69に記載の処方。
【請求項71】
コハク酸ドキシラミンをさらに含む、請求項49から70のいずれか一項に記載の処方。
【請求項72】
コハク酸ドキシラミンの量が約0.01重量%から約1重量%までの範囲である、請求項71に記載の処方。
【請求項73】
酸性NSAIDの、塩基性NSAIDに対する比が約9:1から約3:7までの範囲である、請求項49から72のいずれか一項に記載の処方。
【請求項74】
酸性NSAIDの、塩基性NSAIDに対する比が約3:2から約2:3までの範囲である、請求項73に記載の処方。
【請求項75】
酸性NSAIDの、塩基性NSAIDに対する比が約1:1である、請求項74に記載の処方。
【請求項76】
薬物送達媒体;および
薬物送達媒体内に配置されている請求項49から75のいずれか一項に記載の充填処方
を含む、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の経口投与のための剤形。
【請求項77】
a)ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールからなる成分を混合して、溶液を形成するステップと、
b)酸性NSAID、塩基性NSAIDからなる成分を溶液に添加し、溶液を撹拌するステップと、
c)ポビドンおよび水からなる成分を溶液に添加し、溶液を撹拌するステップと、
d)溶液を薬物送達デバイスの中に配置するステップと、
を含む、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)のためのソフトゲル剤形を作製する方法。
【請求項78】
薬物送達デバイスがカプセルを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
カプセルがソフトゼラチンカプセルを含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
ステップa)が加熱ステップを含み、加熱ステップが、高温へのポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールの加熱を含む、請求項77に記載の方法。
【請求項81】
ステップb)を高温で実施する、請求項77に記載の方法。
【請求項82】
ステップc)を高温で実施する、請求項77に記載の方法。
【請求項83】
高温が少なくとも60℃である、請求項80から82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
高温が約65℃から約75℃までの範囲である、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
高温が約70℃である、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
ステップb)の撹拌ステップを、成分が完全に溶解されるまで実施する、請求項77に記載の方法。
【請求項87】
ステップb)の撹拌ステップを少なくとも約45分間実施する、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
ステップc)の撹拌ステップを、成分が完全に溶解されるまで実施する、請求項77に記載の方法。
【請求項89】
ステップc)の撹拌ステップを少なくとも約10分間実施する、請求項88に記載の方法。

【公表番号】特表2013−517304(P2013−517304A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549215(P2012−549215)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【国際出願番号】PCT/CA2011/000059
【国際公開番号】WO2011/088553
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(512188030)アキュキャップス・インダストリーズ・リミテッド (2)
【Fターム(参考)】