説明

タンパク質キナーゼC阻害剤としての置換ピロール−2,5−ジオン

式(I)
【化1】


〔式中、R、RおよびRは明細書で定義の通りである。〕
の化合物、それらの製造法、特に移植におけるそれらの使用、およびそれらを含む医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インドリルマレイミド誘導体、その製造法およびそれらを含む医薬組成物に関する。
【0002】
より特に、本発明は、式I
【化1】

〔式中、
はH;C1−4アルキル;またはOH、NH、NHC1−4アルキルもしくはN(C1−4アルキル)で置換されているC1−4アルキルであり;
はH;ハロゲン;C1−6アルキル;またはC1−6アルコキシであり、そして
Rは式(a)
【化2】

(式中、RおよびRの各々は、独立してHまたはメチルであり;
はF、Cl、アセトアミド、ニトロまたはアミノであり;
はH、CH、CF、F、またはClであり;
がClであるとき、RはH、CHまたはCF以外である)
のラジカルである。〕
の化合物を提供する。
【0003】
式Iの化合物において、下記の意味が個々にまたは任意のサブコンビネーションで好ましい:
1. RがHまたはメチルである;
2. RがH、メチルまたはエチルである;
3. Rがメチルである;
4. RがHである;
5. RがF、Clまたはニトロである;
6. Rが2位に結合している;
7. RがHまたはFであり、ここでRがClであるとき、RはH以外である;
8. Rが4位に結合している。
【0004】
式Iの化合物は遊離形または塩形で、例えば有機または無機酸、例えば、塩酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸との、例えば付加塩で存在できる。
【0005】
式Iの化合物は光学異性体、ラセミ体またはジアステレオ異性体の形で存在できることは認識されよう。例えば、ピペラジニル残基の3位に置換基を担持する環炭素原子は不斉であり、D−またはL−立体配置を有し得る。本発明は全てのエナンチオマーおよびそれらの混合物を含むことは理解されるべきである。同様の解釈が、記載の通りの不斉炭素原子を示す出発物質に関しても当てはまる。
【0006】
本発明はまた式Iの化合物の製造法であって、式II
【化3】

〔式中、RおよびRは上記で定義の通りである。〕
の化合物と、式III
R−CH−CO−NH (III)
〔式中、Rは上記で定義の通りである。〕
の化合物を反応させ;
そして、必要であれば、遊離形で得られた式Iの化合物を塩形に変換するか、またはその逆を適当に行うことを含む、方法を含む。
【0007】
この方法は、簡便には強塩基、例えばt−BuOKの存在下、例えばWO02/38561に記載の通り行い得る。
【0008】
式IIおよびIIIの化合物は、例えばWO02/38561およびWO03/082859に記載の通りの、既知の方法に従い製造できる。
【0009】
出発物質の製造法が特に記載されていない限り、該化合物は既知であるか、または当分野で既知の方法に準じてまたは後記の通りに製造できる。
【0010】
下記実施例は本発明の説明である。
【表1】

【0011】
実施例1:
3−(1H−インドル−3−イル)−4−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニル]−ピロール−2,5−ジオン
【化4】

2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニル]−アセトアミド(278mg、1.00mmol)および(1H−インドル−3−イル)−オキソ−酢酸メチルエステル(366mg、1.80mmol)の乾燥THF(8.0mL)溶液を、THF中のt−BuOKの1.0M溶液(4.0mL、4.0mmol)に0℃でアルゴン下添加する。30分、0℃および1時間、RTで撹拌後、TLCは、アセトアミドの完全な消費を示す。紫色反応混合物をEtOAc(50mL)および塩水(50mL)に分配し、層を分け、水性層をEtOAc(50mL)で抽出する。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下濃縮する。粗生成物をFCC(EtOAc/AcOH/HO 7:1:1)で精製し、表題化合物をその水溶性酢酸塩として得る。オレンジ色固体。1H NMR(DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.84(s, 6H, CH3COO-), 1.97-2.15(m, 4 H), 2.03(s, 3H), 2.95-3.21(m, 4H), 6.51(d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.54(d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.73(t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.01-7.07(m, 2H), 7.41(d, J = 8.1Hz, 1H), 8.00(s, 1H), 8.13(d, J = 9.4 Hz, 1H), 10.8-11.4(br, 1H), 11.95(bs, 1H)。ES+-MS: 431 [M + H]+
【0012】
2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニル]−アセトアミドの製造
[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニル]−酢酸エチルエステル(1.54g、5.01mmol)を33%水性NHOH溶液(400mL)に懸濁し、3日間、RTで撹拌する。容積を、表題化合物が黄色固体として残るまで注意深く真空下で減少させ、それをさらに高真空下で乾燥させる。ES+-MS: 279 [M + H]+
【0013】
[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニル]−酢酸エチルエステルの製造
アルゴン下、(5−ブロモ−2−ニトロ−フェニル)−酢酸エチルエステル(2.02g、7.00mmol)および1−メチル−ピペラジン(1.40g、14.0mmol)の混合物を65℃で24時間加熱する。反応混合物をCHCl(25mL)およびHO(25mL)に分配し、水性層をCHCl(2×25mL)で抽出する。合わせた有機層を塩水(25mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下濃縮する。粗生成物をFCC(CHCl/MeOH 97.5:2.5)で精製し、表題化合物を黄色油状物として得る。ES+-MS: 308 [M + H]+
【0014】
5−ブロモ−2−ニトロ−フェニル)−酢酸エチルエステルの製造
THF中のt−BuOKの1.0M溶液(60mL、60mmol)を、15分にわたり、4−ブロモ−ニトロベンゼン(5.05g、25.0mmol)およびクロロ−酢酸エチルエステル(3.68g、30.0mmol)のTHF(30mL)溶液に、−40℃でアルゴン下ゆっくり添加する。深青色反応混合物を1時間、−40℃で撹拌する。TLC分析は、この時点で幾分か出発物質が存在することを示す。しかしながら、長い撹拌でも出発物質のさらなる変換は観察されない。反応混合物を2M 水性HCl溶液(40mL)で注意深くクエンチし、MTBE(2×100mL)で抽出する。合わせた有機相をHO(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下濃縮する。粗生成物をFCC(シクロヘキサン/EtOAc 97:3)で精製して、表題化合物を無色油状物として得る。ES+-MS: 289 [M + H]+
【0015】
実施例2:
3−[2−アミノ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−4−(1H−インドル−3−イル)−ピロール−2,5−ジオン
【化5】

2−[2−アミノ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アセトアミド(124mg、0.50mmol)および(1H−インドル−3−イル)−オキソ−酢酸メチルエステル(183mg、0.90mmol)の乾燥THF(4.0mL)溶液に、THF中のt−BuOKの1.0M溶液(2.0mL、2.0mmol)を0℃でアルゴン下添加する。30分、0℃および30分、RTで撹拌後、TLCは、アセトアミドの完全な消費を示す。暗赤色反応混合物をEtOAc(25mL)および塩水(25mL)に分配し、層を分ける。水性層のpHを、飽和水性NHCl溶液で6に合わせる。水性層をEtOAc(2×25mL)で抽出し、合わせた有機層を塩水(25mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下濃縮する。粗生成物をFCC(EtOAc/AcOH/HO 5.5:1:1)で精製し、表題化合物をその水溶性酢酸塩として得る。赤色固体。1H NMR(DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.70(s, 9H, CH3COO-), 2.25(s, 3H), 2.22-2.38(m, 4H), 2.78-2.84(m, 4H), 6.51(d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.63(d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.64-6.68(m, 2H), 6.77(dd, J = 8.7 Hz, J = 2.8 Hz, 1H), 6.97-7.02(m, 1H), 7.35(d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.90(s, 1H), 11.91(bs, 1H)。ES+-MS: 402 [M + H]+
【0016】
2−[2−アミノ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アセトアミドの製造
2−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニル]−アセトアミド(468mg、1.68mmol)のMeOH(8.0mL)溶液に、10%Pd/炭(59mg)を添加する。反応混合物を18時間、水素雰囲気(1気圧)下撹拌し、マイクロフィルター(0.45μM)を通して濾過し、濾液を減圧下濃縮する。残った褐色油状物をMeOH(1mL)に溶解し、MTBE(5mL)を添加し、溶媒を減圧下注意深く除去し、表題化合物をベージュ色粉末として得る。ES+-MS: 249 [M + H]+
【0017】
実施例3:
N−[2−[4−(1H−インドル−3−イル)−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)フェニル]−アセトアミド
【化6】

2−[2−アセチルアミノ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アセトアミド(145mg、0.50mmol)および(1H−インドル−3−イル)−オキソ−酢酸メチルエステル(183mg、0.90mmol)の乾燥THF(6.0mL)中の懸濁液に、THF中のt−BuOKの1.0M溶液(2.0mL、2.0mmol)を0℃でアルゴン下添加する。得られる黄色懸濁液を18時間、RTで撹拌する。ここで、暗赤色反応混合物をEtOAc(25mL)および塩水(25mL)に分配し、層を分ける。水性層のpHを、飽和水性NHCl溶液で6に合わせる。水性層をEtOAc(2×25mL)で抽出し、合わせた有機層を塩水(25mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下濃縮する。粗生成物をFCC(EtOAc/AcOH/HO 5.5:1:1)で精製して、表題化合物をその水溶性酢酸塩として得る。オレンジ色固体。1H NMR(DMSO-d6, 400 MHz): δ 1.75(s, 12H, C3COO-), 2.16(s, 3H), 2.31-2.38(m, 4H), 2.92-2.99(m, 4H), 6.61(d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.66(t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.75(d, J = 2.5 Hz, 1H), 6.92(dd, J = 9.0 Hz, J = 2.7 Hz, 1H), 6.99(t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.32(d, J = 8.1Hz, 1H), 7.47(d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.75(s, 1H), 8.69(s, 1H), 11.86(bs, 1H)。ES+-MS: 444 [M + H]+
【0018】
2−[2−アセチルアミノ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アセトアミドの製造
[2−アセチルアミノ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−酢酸エチルエステル(450mg、1.41mmol)を33%水性NHOH溶液(200mL)に懸濁し、16時間、RTで撹拌する。容積を、表題化合物が褐色固体として残るまで注意深く真空下で減少させ、それをさらに高真空下で乾燥させる。ES+-MS: 291 [M + H]+
【0019】
[2−アセチルアミノ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−酢酸エチルエステルの製造
[2−アミノ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−酢酸エチルエステル(438mg、1.58mmol)のCHCl(8.0mL)溶液に、酢酸無水物(322mg、3.16mmol)およびトリエチルアミン(240mg、2.37mmol)をアルゴン下添加する。得られる反応混合物を1時間、RTおよび1時間、還流温度で撹拌する。反応混合物をCHCl(25mL)および水(20mL)に分配し、層を分ける。水性相をCHCl(2×25mL)で抽出し、合わせた有機層を水(2×25mL)、塩水(25mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下濃縮し、淡赤色固体を得る。ES+-MS: 320 [M + H]+
【0020】
[2−アミノ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−酢酸エチルエステルの製造
[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニル]−酢酸エチルエステル(1.10g、3.58mmol)のMeOH(25.0mL)溶液に、10%Pd/炭(114mg)を添加する。反応混合物を、4時間、水素雰囲気(1気圧)下撹拌し、マイクロフィルター(0.45μM)を通して濾過し、濾液を減圧下濃縮し、表題化合物を赤色油状物として得る。ES+-MS: 278 [M + H]+
【0021】
適当な出発物質を使用する以外、実施例1、2、および3の方法に従うかまたはWO02/38561に記載の通り、R、R、RおよびRが下記表1の通りである式Aの化合物を得ることができる。
【化7】

【表2】

【0022】
遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物は、例えば、インビトロおよびインビボ試験で示される通り、価値ある薬理学的特性を示し、例えばタンパク質キナーゼC(PKC)、例えばα、β、δ、ε、ηまたはθのようなPKCイソ型活性を阻害し、例えばT細胞またはサイトカイン、例えばIL−2の増殖性応答を阻害することによるT細胞またはサイトカイン、例えばIL−2の産生を阻害することにより、T細胞活性化および増殖を阻害し、故に治療に適応される。
【0023】
A. インビトロ
1. タンパク質キナーゼCアッセイ
本発明の化合物を、下記の方法に従い、異なるPKCイソ型に対するそれらの活性を試験する。アッセイは、非結合性表面の、白色の透明底384ウェルマイクロタイタープレートで行う。反応混合物(25μl)は、PKCαの模擬基質配列をAla→Serを伴い摸倣する1.5μMのトリデカペプチドアクセプター基質、10μM 33P−ATP、10mM Mg(NO)、0.2mM CaCl、25から400ng/mlで変化するタンパク質濃度のPKC(使用するイソ型に依存)、0.5mMの最終脂質濃度の脂質小胞(30mol%ホスファチジルセリン、5mol%DAGおよび65mol%ホスファチジルコリン含有)を、20mM Tris−HCl緩衝液pH7.4+0.1%BSA中に含む。60分、室温でインキュベートする。反応を50μlの停止混合物(Ca、Mgなしのリン酸緩衝食塩水中に100mM EDTA、200μM ATP、0.1%Triton X-100、0.375mg/ウェル ストレプトアビジン被覆SPAビーズを含む)の添加により停止させる。10分、室温でインキュベート後、懸濁液を10分、300gで遠心分離する。取り込まれた放射活性を、Triluxカウンターで1分測定する。IC50測定を、1−1000μMの範囲の濃度で連続希釈した阻害剤をインキュベートすることを基本とする従来法で行う。IC50値を、XL fit(登録商標)ソフトウェアで曲線適合させることによりグラフから計算する。
【0024】
2. タンパク質キナーゼCθアッセイ
ヒト組み換えPKCθを、上記の通りのアッセイ条件下で使用する。このアッセイにおいて、式Iの化合物はPKCθを、IC501μMで阻害する。例えば、実施例1の化合物は、PKCθを8.9nMのIC50で阻害し、実施例4の化合物はPKCθを10.2nMのIC50で阻害する。
【0025】
3. タンパク質キナーゼCαアッセイ
ヒト組み換えPKCαをOxford Biomedical Researchから得て、上記のセクションA.1に記載の通りのアッセイ条件下で使用する。このアッセイにおいて、式Iの化合物は、PKCαをIC501μMで阻害する。例えば、実施例1の化合物はPKCαを2.6nMのIC50で阻害し、実施例4の化合物はPKCαを2.9nMのIC50で阻害する。
【0026】
4. タンパク質キナーゼCβ1アッセイ
ヒト組み換えPKCβ1をOxford Biomedical Researchから得て、上記のセクションA.1に記載の通りのアッセイ条件下で使用する。このアッセイにおいて、式Iの化合物は、PKCβ1をIC501μMで阻害する。
【0027】
5. タンパク質キナーゼCδアッセイ
ヒト組み換えPKCδをOxford Biomedical Researchから得て、上記のセクションA.1に記載の通りのアッセイ条件下で使用する。このアッセイにおいて、式Iの化合物はPKCδをIC501μMで阻害する。
【0028】
6. タンパク質キナーゼCεアッセイ
ヒト組み換えPKCεをOxford Biomedical Researchから得て、上記のセクションA.1に記載の通りのアッセイ条件下で使用する。このアッセイにおいて、式Iの化合物はPKCεをIC501μMで阻害する。
【0029】
7. タンパク質キナーゼCηアッセイ
ヒト組み換えPKCηをPanVeraから得て、上記のセクションA.1に記載の通りのアッセイ条件下で使用する。このアッセイにおいて、式Iの化合物はPKCηをIC501μMで阻害する。
【0030】
8. CD28共刺激アッセイ
本アッセイは、Baumann G et al. in Transplant. Proc. 1992; 24: 43-8に記載の通りのヒトインターロイキン−2プロモーター/レポーター遺伝子構築物でトランスフェクトしたJurkat細胞を使用して行い、β−ガラクトシダーゼレポーター遺伝子はルシフェラーゼ遺伝子に置き換える(de Wet J., et al., Mol. Cell Biol. 1987, 7(2), 725-737)。細胞を固相結合抗体または酢酸ミリスチン酸ホルボール(PMA)およびCa++イオノフォアイオノマイシンにより下記の通り刺激する。抗体介在刺激のために、Microlite TM1マイクロタイタープレート(Dynatech)を、ウェルあたり55μl リン酸緩衝食塩水(PBS)中の3μg/ml ヤギ抗マウスIgG Fc抗体(Jackson)で3時間、RTでコートする。プレートを、抗体を除去した後、PBS(300μl/ウェル)中の2%ウシ血清アルブミン(BSA)と2時間、RTでインキュベートすることによりブロックする。300μl PBS/ウェルで3回洗浄後、50μl 2%BSA/PBS中の10ng/ml 抗T細胞受容体抗体(WT31、Becton & Dickinson)および300ng/ml 抗CD28抗体(15E8)を、抗体の刺激のために添加し、一晩、4℃でインキュベートする。最後にプレートを300μl PBS/ウェルで3回洗浄する。試験化合物の7個のアッセイ培地(50μM 2−メルカプトエタノール、100単位/ml ペニシリンおよび100μg/ml ストレプトマイシン含有RPMI 1640/10%ウシ胎児血清(FCS))中の3倍希釈シリーズをデュプリケートで別々のプレートに調製し、トランスフェクトしたJurkat細胞(クローンK22290_H23)と混合し、30分、37℃で5%CO中インキュベートする。1×10細胞を含む100μlのこの混合物を、次いで抗体被覆アッセイプレートに移す。並行して、100μlを40ng/ml PMAおよび2μM イオノマイシンとインキュベートする。5.5時間、37℃で5%CO中インキュベートした後、ルシフェラーゼのレベルを、生物発光により決定する。プレートを10分、500gで遠心分離し、上清を軽打により除去する。25mM Tris−ホスフェート、pH7.8、2mM DTT、2mM 1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N−テトラ酢酸、10%(v/v)グリセロールおよび1%(v/v)Triton X-100を含む溶解緩衝液を添加する(20μl/ウェル)。プレートをRTで10分、一定に振盪させながらインキュベートする。
【0031】
ルシフェラーゼ活性を、20mM トリシン、1.07mM (MgCO)Mg(OH)×5HO、2.67mM MgSO、0.1mM EDTA、33.3mM DTT、270μM コエンザイムA、470μM ルシフェリン(Chemie Brunschwig AG)、530μM ATP含有50μl/ウェル ルシフェラーゼ反応緩衝液、pH7.8の自動添加後、生物発光リーダー(Labsystem, Helsinki, Finland)で読み取る。遅延時間は0.5秒であり、合計測定時間は1または2秒である。低コントロール値は、抗T細胞受容体−またはPMA−刺激細胞からの、高コントロール値は、いかなる試験サンプルも存在しない抗T細胞受容体/抗CD28−またはPMA/イオノマイシン−刺激細胞からの光単位である。低コントロール値を全値から引く。試験化合物存在下で得られた阻害を、高コントロールの阻害%として計算する。50%阻害(IC50)をもたらす試験化合物の濃度を用量応答曲線から計算する。このアッセイにおいて、式Iの化合物は抗T細胞受容体/抗CD28およびPMA/イオノマイシン刺激Jurkat細胞をIC501μMで阻害する。
例えば、実施例1の化合物は、25.5nMのIC50を有し、実施例4の化合物は17.0nMのIC50を有する。
【0032】
9. 異種混合リンパ球反応(MLR)
2方向MLRを標準法に従い行う(J. Immunol. Methods, 1973, 2, 279 and Meo T. et al., Immunological Methods, New York, Academic Press, 1979, 227-39)。簡単に言うと、CBAおよびBALB/cマウスからの脾臓細胞(各系統から、平底組織培養マイクロタイタープレートのウェルあたり、1.6×10細胞、合計3.2×10)を、10%FCS、100U/ml ペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシン(Gibco BRL, Basel, Switzerland)、50μM 2−メルカプトエタノール(Fluka, Buchs, Switzerland)および連続希釈した化合物を含むRPMI培地中でインキュベートする。試験化合物あたり、7回の3倍希釈工程をデュプリケートで行う。4日間インキュベーション後、1μCi H−チミジンを添加する。細胞をさらに5時間のインキュベーション時間後に回収し、取り込まれたH−チミジンを標準法に従い決定する。MLRの背景値(低コントロール)は、BALB/c細胞単独の増殖である。低コントロールを全ての値から引く。いかなるサンプルも存在しない高コントロールを100%増殖と取る。サンプルによる阻害パーセントを計算し、50%阻害に必要な濃度(IC50値)を決定する。例えば、実施例1の化合物は17.5nMのIC50を有し、実施例4の化合物は24.0nMのIC50を有する。
【0033】
B. インビボ
ラット心臓移植
系統の組合せを使用する:雄Lewis(RTハプロタイプ)およびBN(RTハプロタイプ)。動物を吸入イソフランを使用して麻酔する。ドナーラットを大動脈を介して同時に放血しながら、腹部下大静脈を通してヘパリン処理し、その後開胸し、心臓を急速に冷凍する。大動脈をライゲートし、最初の分枝の遠位で分割し、腕頭動脈を最初の分岐点で分ける。左肺動脈をライゲートし、右側は分けるが、左は開放したままにする。全ての他の血管を自由に切断し、ライゲートし、分け、ドナー心臓を氷冷食塩水中に摘出する。
【0034】
レシピエントを、腎臓下腹部大動脈および大静脈の切開およびクロス・クランピングにより準備する。移植片を、10/0単一繊維縫合を使用した端−側吻合で、ドナー腕頭動脈とレシピエント大動脈およびドナー右肺動脈とレシピエント大静脈の間でインプラントする。クランプを外し、移植片を後腹部に繋ぎ、腹部内容部を温食塩水で洗浄し、動物を閉じ、加温ランプ下で回復させる。拒絶は、心拍が停止したときに完了したと見なす。移植片生存の増大は、式Iの化合物を1日量1から30mg/kg bidの経口投与で処置した動物において得られる。
【0035】
移植片対宿主モデル
Wistar/Fラットからの脾臓細胞(2×10)を、(Wistar/F×Fischer 344)Fハイブリッドラットの右後足蹠に注射する。左足蹠は未処置のままにする。動物を試験化合物で、連続4日間(0−3)処置する。膝窩リンパ節を7日目に除き、2個の対応するリンパ節の間の重量差を決定する。結果は、実験群のリンパ節の重量差と、試験化合物で未処置の動物の群由来の対応するリンパ節との重量差で比較したリンパ節肥大の阻害(パーセントで表す)として示す。
【0036】
式Iの化合物は、故にTリンパ球および/またはPKCが介在する疾患または障害、例えば、臓器または組織同種または異種移植片の急性または慢性拒絶、移植片対宿主病、アテローム性動脈硬化症、血管形成術のような血管傷害が原因の血管閉塞、再狭窄、肥満、シンドロームX、耐糖能障害、多嚢胞性卵巣症候群、高血圧、心不全、慢性閉塞性肺疾患、アルツハイマー病または筋萎縮性側索硬化症のようなCNS疾患、癌、AIDSのような感染症、敗血症性ショックまたは成人呼吸窮迫症候群、虚血/再潅流傷害、例えば心筋梗塞、卒中、腸虚血、腎不全または出血性ショック、または外傷性ショック、例えば外傷性脳傷害の処置および/または予防に有用である。式Iの化合物はまたT細胞介在急性または慢性炎症性疾患または障害、または自己免疫疾患、例えばリウマチ性関節炎、骨関節症、全身性エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、I型またはII型糖尿病およびその合併症、喘息または炎症性肺傷害のような呼吸器疾患、炎症性肝臓傷害、炎症性糸球体傷害、免疫介在疾患もしくは病気の皮膚顕在化、炎症性および過増殖性皮膚疾患(例えば乾癬、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎、刺激性接触性皮膚炎およびさらなる湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎)、炎症性眼疾患、例えばシェーグレン症候群、角結膜炎またはブドウ膜炎、炎症性腸疾患、クローン病または潰瘍性大腸炎の処置および/または予防にも有用である。上記使用のために、必要な投与量は、もちろん投与の形態、処置すべき特定の状態および所望の効果に依存して変化する。一般に、満足な結果が、約0.1から約100mg/体重kgの1日量で全身的に得られることが示される。大型哺乳類、例えばヒトにおける指示される1日投与量は、約0.5mgから約2000mgであり、簡便には1日4回までに分けてまたは徐放性形態で投与する。
【0037】
式Iの化合物は、任意の通常の経路で、特に経腸的に、例えば経口で、例えば錠剤またはカプセルの形で、または非経腸的に、例えば注射用溶液または懸濁液の形で、局所的に、例えばローション、ゲル、軟膏またはクリームの形で、または鼻腔内にまたは坐薬形態で投与できる。遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物は、薬学的に許容される担体または希釈剤との混合による慣用法で製造できる。経口投与用単位投与形態は、例えば、約0.1mgから約500mgの活性物質を含む。
【0038】
局所投与は、例えば皮膚にである。投与形態のさらなる形態は、眼にである。
式Iの化合物は、遊離形または例えば上記の通りの薬学的に許容される塩形で投与できる。このような塩は常套法で製造でき、遊離化合物と同程度の活性を示す。
【0039】
前記によって、本発明はさらに下記を提供する:
1.1 処置を必要とする対象における、例えば上記のような、Tリンパ球および/またはPKCまたはGSK−3βが介在する障害または疾患の予防または処置法であって、該対象に有効量の式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、方法;
【0040】
1.2 処置を必要とする対象における、例えば上記のような、急性または慢性移植片拒絶反応またはT細胞介在炎症性のもしくは自己免疫性の疾患の予防または処置法であって、該対象に有効量の式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、方法;
【0041】
2. 医薬として、例えば、上記1.1および1.2に示した通りの方法のいずれかにおいて、医薬として使用するための、遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物。
【0042】
3. 遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物を、薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、例えば、上記1.1および1.2のいずれかの方法において使用するための、医薬組成物。
4. 上記1.1および1.2のいずれかの方法において使用するための医薬組成物の製造において使用するための、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩。
【0043】
式Iの化合物の化合物は、唯一の活性成分として、または、免疫調節レジメンにおける他の薬剤と、または、他の抗炎症剤と一緒に、例えば、同種または異種移植片急性または慢性拒絶反応または炎症性または自己免疫性障害の処置または予防のために、投与できる。例えば、それらは、シクロスポリン、または、アスコマイシンまたはそれらの免疫抑制性類似体または誘導体、例えばシクロスポリンA、ISA Tx247、FK−506、ABT−281、ASM981;mTOR阻害剤、例えばラパマイシン、40−0−(2ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン、CC1779、ABT578またはラパログ、例えばAP23573など;コルチコステロイド;シクロホスファミド;アザチオプレン;メトトレキサート;S1P受容体アゴニスト、例えばFTY720またはその類似体;レフルノミドまたはその類似体;ミゾリビン;ミコフェノール酸またはその塩、例えばナトリウム塩;ミコフェノール酸モフェチル;15−デオキシスペルグアリンまたはその類似体;免疫抑制性モノクローナル抗体、例えば、白血球受容体、例えば、MHC、CD2、CD3、CD4、CD11a/CD18、CD7、CD25、CD27、B7、CD40、CD45、CD58、CD137、ICOS、CD150(SLAM)、OX40、4−1BBまたはそれらのリガンド、例えばCD154に対するモノクローナル抗体;または他の免疫調節化合物、例えばCTLA4またはその変異体の少なくとも細胞外ドメインの一部を有する、例えば、非CTLA4タンパク質配列に結合したCTLA4またはその変異体の少なくとも細胞外部分を有する、組み換え結合分子、例えばCTLA4Ig(例えば、命名ATCC68629)またはその変異体、例えばLEA29Y、または他の接着分子阻害剤、例えばmAbsまたはLFA−1アンタゴニスト、セレクチンアンタゴニストおよびVLA−4アンタゴニストを含む、低分子量阻害剤と組み合わせて使用できる。式Iの化合物はまた、例えば癌処置において、抗増殖剤、例えば化学療法剤と、または糖尿病治療において、抗糖尿病剤、インスリン分泌促進物質、インスリン分泌エンハンサーまたはインスリン増感剤と共に投与できる。
【0044】
前記によって、本発明はなおさらに下記の局面を提供する:
5. 治療的有効量のGSK−3β、PKCまたはT細胞活性化および増殖の阻害剤、例えば遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物および、例えば、上記の通りの免疫抑制剤、免疫調節剤、抗炎症剤、抗増殖剤または抗糖尿病剤である第2医薬物質を、例えば、同時にまたは連続して併用投与することを含む、上記で定義の方法。
【0045】
6. a)GSK−3β、PKCまたはT細胞活性化および増殖の阻害剤、例えば遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物、およびb)免疫抑制剤、免疫調節剤、抗炎症剤、抗増殖剤および抗糖尿病剤から選択される少なくとも1種の第2剤を含む、治療的組合せ、例えばキット。成分a)および成分b)は、同時にまたは連続して使用できる。本キットはその投与のための指示書を含み得る。
【0046】
GSK−3β、PKCまたはT細胞活性化および増殖の阻害剤、例えば式Iの化合物を、例えば、上記で明記した通りの急性または慢性移植片拒絶反応または炎症性または自己免疫性障害の予防または処置のために、他の免疫抑制剤/免疫調節剤、抗炎症剤、抗増殖剤または抗糖尿病剤と共に投与するとき、併用投与する免疫抑制剤、免疫調節剤、抗炎症剤、抗増殖剤または抗糖尿病化合物の量は、用いる併用剤のタイプ、例えばそれがステロイドかシクロスポリンか、用いる具体的薬剤、処置すべき状態などに依存してもちろん変化する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

〔式中、
はH;C1−4アルキル;またはOH、NH、NHC1−4アルキルまたはN(C1−4アルキル)で置換されているC1−4アルキルであり;
はH;ハロゲン;C1−6アルキル;またはC1−6アルコキシであり、そして
Rは式(a)
【化2】

(式中、RおよびRの各々は、独立してHまたはメチルであり;
はF、Cl、アセトアミド、ニトロまたはアミノであり;
はH、CH、CF、F、またはClであり;
がClであるとき、RはH、CHまたはCF以外である)
のラジカルである。〕
の化合物またはその塩。
【請求項2】
がHまたはメチルであり;RがH、エチルまたはメチルであり;Rがメチルであり;RがHであり;RがF、Clまたはニトロであり;Rが2位で結合しており;RがHまたはFであり、ここで、RがClであり、かつRが4位に結合しているとき、RはH以外である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
3−(1H−インドル−3−イル)−4−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニル]−ピロール−2,5−ジオン;
3−[2−アミノ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−4−(1H−インドル−3−イル)−ピロール−2,5−ジオン;
N−[2−[4−(1H−インドル−3−イル)−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)フェニル]−アセトアミド;
3−(7−メチル−1H−インドル−3−イル)−4−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロ−フェニル]−ピロール−2,5−ジオン;
3−[2−アミノ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−4−(7−メチル−1H−インドル−3−イル)−ピロール−2,5−ジオン;
N−[2−[4−(7−メチル−1H−インドル−3−イル)−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アセトアミド;
3−[2−フルオロ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−4−(1H−インドル−3−イル)−ピロール−2,5−ジオン;
3−[2−フルオロ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−4−(1−メチル−1H−インドル−3−イル)−ピロール−2,5−ジオン;
3−[2−フルオロ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−4−(7−メチル−1H−インドル−3−イル)−ピロール−2,5−ジオン;
3−[2,4−ジフルオロ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−4−(1H−インドル−3−イル)−ピロール−2,5−ジオン;
3−[2,4−ジフルオロ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−4−(1−メチル−1H−インドル−3−イル)−ピロール−2,5−ジオン;
3−[2,4−ジフルオロ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−4−(1,7−ジメチル−1H−インドル−3−イル)−ピロール−2,5−ジオン;
3−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−4−(1H−インドル−3−イル)−ピロール−2,5−ジオン;
3−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−4−(7−メチル−1H−インドル−3−イル)−ピロール−2,5−ジオン
から選択される、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
医薬として使用するための、遊離形または薬学的に許容される塩形の、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
遊離形または薬学的に許容される塩形の、請求項1から3のいずれかに記載の化合物を、薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、医薬組成物。
【請求項6】
Tリンパ球および/またはPKCが介在する疾患または障害の処置または予防用医薬の製造における、遊離形または薬学的に許容される塩形の、請求項1から3のいずれかに記載の化合物、または請求項5記載の医薬組成物の使用。
【請求項7】
T細胞介在急性または慢性炎症性疾患または障害、自己免疫疾患、移植片拒絶反応、癌または感染症の処置および/または予防用医薬の製造における、遊離形または薬学的に許容される塩形の、請求項1から3のいずれかに記載の化合物、または請求項5記載の医薬組成物の使用。
【請求項8】
遊離形または薬学的に許容される塩形の、請求項1から3のいずれかに記載の化合物ならびに免疫抑制剤、免疫調節剤、抗炎症剤、化学療法剤、抗増殖剤および抗糖尿病剤から選択されるさらなる薬剤を含む、医薬組合せ剤。
【請求項9】
請求項1記載の式Iの化合物の製造法であって、式II
【化3】

〔式中、RおよびRは請求項1および2で定義の通りである。〕
の化合物と、式III
R−CH−CO−NH (III)
〔式中、Rは請求項1および2で定義の通りである。〕
の化合物を反応させ;
そして、必要であれば、遊離形で得られた式Iの化合物を塩形に変換するか、またはその逆を適当に行うことを含む、方法。
【請求項10】
処置を必要とする対象においてリンパ球および/またはPKCが介在する障害または疾患の処置または予防法であって、該対象に有効量の請求項1から3のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、方法。

【公表番号】特表2007−536330(P2007−536330A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512107(P2007−512107)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005183
【国際公開番号】WO2005/113545
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】