説明

ターニング微細構造を有する光導波路パネル及びその製造方法、並びにディスプレイ装置

照明装置は、光を受光するための第1端部を有すると共にその長さに沿って光の伝播をサポートするように構成された光導波路を備える。ターニング微細構造は、前記光導波路の第1側面に配置されていると共に前記第1側面上に入射する光の方向を変更させて前記光導波路 の対向する第2側面へ光を導くように構成され、且つ複数の凹部を備える。カバーは、物理的に光導波路に結合(coupling)すると共に前記ターニング微細構造上に配置されている。中間層は、前記カバーを前記光導波路に物理的に結合すると共に前記カバーと前記光導波路との間に位置する。いくつかの実施形態において、中間層は、省略され、カバーが、光導波路と直接に接触する。複数の開放領域が中間層又はカバーと複数の凹部との間に位置する。各種実施形態は、中間層の有無にかかわらず、カバーと複数の凹部との間に開放領域が保存される間に、カバーを光導波路に結合する方法を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2008年5月28日に出願した特許文献1の優先権を主張する。
【0002】
本発明はマイクロ電気機械システム(MEMS)に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロ電気機械システム(MEMS)は、マイクロ機械素子、アクチュエータ及び電子機器を含む。マイクロ機械素子は、基板の部分をエッチングして除去し及び/又は材料層を堆積させ、又は、層を追加して電気及び電気機械装置を形成する、堆積、エッチング及び/又は他のマイクロ機械加工プロセス(micromachining processes)を用いて形成され得る。一種類のMEMS装置は、干渉変調器(interferometric modulator)と呼ばれる。ここで用いられる干渉変調器又は干渉光変調器(interferometric light modulator)という用語は、干渉の原則を用いて、光を選択的に吸収し及び/又は選択的に反射する装置を指す。ある実施形態では、干渉変調器は一対の導電プレートを備え得る。一対の導電プレートの一方又は両方は適当な電気信号の適用に応じて、全部又は一部において、透明型及び/又は反射型でもよく、且つ相対運動ができる。特定の実施形態では、一対の導電プレートの一方は基板に置かれる静止層(stationary layer)を備えることができる。一対の導電プレートの他方はエアギャップによって、静止層から切り離される金属層(metallic membrane)を備えることができる。更に詳細に本願明細書において、記載されているように、別のプレートに対して一方のプレートの位置は干渉変調器に入射する光の干渉を変えることができる。この種の装置は広い用途を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許仮出願第61/056601号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それらの特徴が既存の製品を改善して、まだ開発されていない新製品を製作する際に利用できるように、この種の装置の特徴を利用し及び/又は修正することは従来技術において、有益である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、照明装置は、光を受光するための第1端部を有すると共にその長さに沿って光の伝播(propagation)をサポートするように構成された光導波路(light guide)を備える。ターニング微細構造(光方向変更微細構造:turning microstructure)が前記光導波路の第1側面上に配置されていると共に前記第1側面上に入射する光の方向を変更させて前記光導波路の第1側面に対向する第2側面へ該光を導くように構成され、且つ複数の凹部を備える。カバーは、前記光導波路に物理的に結合すると共に前記ターニング微細構造上に配置されている。中間層は、前記カバーを前記光導波路に物理的に結合すると共に前記カバーと前記光導波路との間に位置する。複数の開放領域(open regions)は、前記中間層と前記複数の凹部との間に位置する。前記光導波路は、第1の屈折率を有し、前記中間層は、第2の屈折率を有し、前記第2の屈折率は、前記第1の屈折率より低い。
【0007】
別の実施形態では、照明装置が、光を受光するための第1端部を有すると共にその長さに沿って光の伝播をサポートするように構成された光導波路を備える。ターニング微細構造は、前記光導波路の第1側面上に配置されていると共に前記第1側面上に入射する光の方向を変更させて前記光導波路の対向する第2側面へ該光を導くように構成され、且つ複数の凹部を備える。カバーは、光導波路に物理的に結合すると共に前記ターニング微細構造上に配置されている。中間層は、前記カバーを前記光導波路に物理的に結合すると共に前記カバーと前記光導波路との間に位置する。複数の領域は、前記中間層と、前記中間層と異なる材料を少なくとも部分的に含む前記複数の凹部との間に位置する。
【0008】
別の実施形態では、照明装置が光を受光するための第1端部を有すると共にその長さに沿って光の伝播をサポートするように構成された光導波路を備える。ターニング微細構造は、前記光導波路の第1側面上に配置されていると共に前記第1側面上に入射する光の方向を変更させて前記光導波路の第1側面に対向する第2側面へ該光を導くように構成され、且つ複数の凹部を備える。カバーは、前記光導波路に物理的に結合すると共に前記ターニング微細構造上に配置されている。複数の開放領域は、前記カバーと前記複数の凹部との間にある。前記光導波路は、第1の屈折率を有し、前記カバーは、第2の屈折率を有し、前記第2の屈折率は、前記第1の屈折率より低い。
【0009】
他の実施形態では、照明装置の製造方法は光を受光するための第1端部を有すると共にその長さに沿って光の伝播をサポートするように構成された光導波路であって、該光導波路の第1側面に配置されていると共に前記第1側面上に入射する光の方向を変更させて前記光導波路の第1側面に対向する第2側面へ該光を導くように構成され、且つ複数の凹部を備えるターニング微細構造を有する光導波路を形成する段階を備える。その方法は、また、前記ターニング微細構造上に配置されるカバーを形成する段階を備える。また、その方法は、中間層によって前記カバーを前記光導波路に物理的に結合して、複数の開放領域を前記中間層と前記複数の凹部の間に位置させる段階を備え、前記光導波路は、第1の屈折率を有し、前記中間層は、第2の屈折率を有し、前記第2の屈折率は、前記第1の屈折率より低い。
【0010】
別の実施形態では、照明装置を製造する方法が、光を受光するための第1端部を有すると共にその長さに沿って光の伝播をサポートするように構成された光導波路であって、該光導波路の第1側面に配置されていると共に前記第1側面上に入射する光の方向を変更させて前記光導波路の第1側面に対向する第2側面へ該光を導くように構成され、且つ複数の凹部を備えるターニング微細構造を有する光導波路を形成する。また、その方法は、前記ターニング微細構造上に配置されるカバーを形成する段階を備える。また、その方法は、中間層によって前記カバーを前記光導波路に物理的に結合して、前記中間層と前記複数の凹部の間に位置する複数の開放領域が前記中間層と異なる材料を備えるようにする段階とを備える。
【0011】
もう一つの実施形態では、照明装置を製造する方法は、光を受光するための第1端部を有すると共にその長さに沿って光の伝播をサポートするように構成された光導波路であって、該光導波路の第1側面上に配置されていると共に前記第1側面上に入射する光の方向を変更させて前記光導波路の第1側面に対向する第2側面へ光を導くように構成され、且つ複数の凹部を備えるターニング微細構造を有する光導波路を形成する段階を備える。また、その方法は、カバーを前記光導波路に物理的に結合する段階であって、前記カバーが前記ターニング微細構造上に配置される段階を備える。前記光導波路は、第1の屈折率を有し、前記カバーは、第2の屈折率を有し、前記第2の屈折率は、前記第1の屈折率より低い。
【0012】
別の実施形態では、照明装置は、光を受光するための第1端部を有すると共にその長さに沿って光の伝播をサポートするように構成された光導波手段を備える。光方向変更手段は、前記光導波手段の第1側面上に配置されていると共に前記第1側面上に入射する光の方向を変更させて前記光導波手段の第1側面に対向する第2側面へ該光を導くように構成され、且つ複数の光反射手段を備える。カバー手段は、前記光導波手段に物理的に結合されると共に、前記光方向変更手段上に配置されている。更に、装置は、前記カバー手段を前記光導波手段に物理的に結合させる結合手段を備える。複数の開放領域は、前記カバー手段と前記複数の光反射手段との間にある。前記光導波手段は、第1の屈折率を有し、前記結合手段は、第2の屈折率を有し、前記第2の屈折率は、前記第1の屈折率より低い。
【0013】
別の実施形態では、照明装置は、光を受光するための第1端部を有すると共にその長さに沿って光の伝播をサポートするように構成された光導波手段を備える。光方向変更手段は、前記光導波手段の第1側面上に配置されていると共に前記第1側面上に入射する光の方向を変更させて前記光導波手段の第1側面に対向する第2側面へ該光を導くように構成され、且つ複数の光反射手段を備える。カバー手段は、前記光導波手段に物理的に結合されていると共に、前記光方向変更手段上に配置されている。装置は、前記カバー手段を前記光導波手段に物理的に結合させる結合手段を備える。複数の開放領域は前記結合手段と異なる材料を少なくとも部分的に含み、前記結合手段と前記複数の光反射手段との間に位置する。
【0014】
他の実施形態では、照明装置は、光を受光するための第1端部を有すると共にその長さに沿って光の伝播をサポートするように構成された光導波手段を備える。光方向変更手段は、前記光導波手段の第1側面に配置されていると共に前記第1側面上に入射する光の方向を変更させて前記光導波手段の第1側面に対向する第2側面へ該光を導くように構成され、且つ複数の光反射手段を備える。カバー手段は前記光導波手段に物理的に結合すると共に前記光方向変更手段上に配置されている。複数の開放領域は、前記カバー手段と前記複数の光反射手段との間に位置する。前記光導波手段は、第1の屈折率を有し、前記カバー手段は、第2の屈折率を有し、前記第2の屈折率は、前記第1の屈折率より低い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の干渉変調器の移動可能な反射層が緩和位置にあると共に、第2の干渉変調器の移動可能な反射層が作動位置にある場合において、ある干渉変調器ディスプレイの一実施形態の一部を表す等角図である。
【図2】3×3干渉変調器ディスプレイを組み込んでいる電子装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図3】図1の干渉変調器の1つの例示的な実施形態における可動ミラーの位置に対する印加電圧の図である。
【図4】干渉変調器ディスプレイを駆動するために用いることができる一組の横列電圧及び縦列電圧の図である。
【図5A】図2の3×3干渉変調器ディスプレイのディスプレイデータのフレームの一例を示す図である。
【図5B】図5Aでフレームを記述するために用いることができる横列信号及び縦列信号のためのタイミング図の一例を示す図である。
【図6A】複数の干渉変調器を備える視覚的ディスプレイ装置の一実施形態を例示しているシステムブロック図である。
【図6B】複数の干渉変調器を備える視覚的ディスプレイ装置の一実施形態を例示しているシステムブロック図である。
【図7A】図1の装置の断面図である。
【図7B】干渉変調器の代替の実施形態の断面図である。
【図7C】干渉変調器の他の代替の実施形態の断面図である。
【図7D】干渉変調器の更なる代替の実施形態の断面図である。
【図7E】干渉変調器の付加的な代替の実施形態の断面図である。
【図8A】プリズムのようなターニング微細構造、光導波路パネル及びディスプレイパネルを備えるディスプレイ装置の実施形態の断面図である。
【図8B】回折ターニング微細構造、光導波路パネル及びディスプレイパネルを供えるディスプレイ装置の他の実施形態の一部の断面図である。
【図9A】カバー層、ターニング微細構造、光導波路パネル及びディスプレイパネルを備えるディスプレイ装置の一実施形態の断面図である。
【図9B】カバー層、接着材層、ターニング微細構造、光導波路パネル及びディスプレイパネルを供えるディスプレイ装置の他の実施形態の断面図である。
【図9C】カバー層、接着材層、ターニング微細構造、複数の回折領域、光導波路パネル及びディスプレイパネルを備えるディスプレイ装置の他の実施形態の断面図である。
【図10A】カバー層、接着材層、ターニング微細構造、複数の充填された領域、光導波路パネル及びディスプレイパネルを備えるディスプレイ装置の他の実施形態の断面図である。
【図10B】カバー層、接着材層、ターニング微細構造、複数の開放領域、光導波路パネル及びディスプレイパネルを備えるディスプレイ装置の別の実施形態の断面図である。
【図10C】カバー層、接着材層、ターニング微細構造、複数の開放領域、光導波路パネル及びディスプレイパネルを備えるディスプレイ装置の別の実施形態の断面図である。
【図11】各種実施形態のディスプレイ装置のターニング微細構造を形成する方法の断面図の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の詳細な説明は、本発明のある特定実施形態に導く。しかし、本発明は、異なる様々な方法において、具体化され得る。この明細書において、全ての図面において、類似の部分には類似の番号が付されるよう参照番号が図面に付与されている。以下の説明から明らかであるように、実施形態は、動く画像(例えば、ビデオ)又は動かない画像(例えば、静止画像)であるかどうかに関係なく、また文字画像又は写真画像であるかどうかに関係なく、画像を表示するように構成されるいかなる装置においても実施されることができる。より詳しくは、実施形態は、様々な電子装置において、実施され得るか又は様々な電子装置に関係され得ることが意図されている。様々な電子装置は、限定されないが、例えば携帯電話、無線デバイス、個人データアシスタント(PDA)、ハンドヘルド型又は携帯型のコンピュータ、GPS受信受光機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、ビデオカメラ、ゲーム機、腕時計、クロック、計算機、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、自動ディスプレイ(例えば、走行距離計ディスプレイ、その他)、コックピット制御及び/又はディスプレイ)、カメラ用のディスプレイ(display of camera views)(例えば、車両の後部ビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電子ビルボード又は電子記号、プロジェクタ、建築構造物(architectural structures)、パッケージ、或いは美的構造物(例えば、宝石上の画像の表示)である。また、本願明細書において、記載されているものに類似する構造を有するMEMS装置は、例えば電子スイッチングデバイスのような非表示用途に用いられることもできる。
【0017】
本願明細書において含まれる特定の実施形態は、ディスプレイ用の照明装置を備える。ターニング微細構造(光方向変更微細構造)は、光導波路の第1側部上に配置されていると共に第1側面上に入射する光の方向を変更させて光導波路の対向する第2側面へ該光を導くように構成され、且つ複数の凹部を備える。カバーは、光導波路に物理的に結合すると共に前記ターニング微細構造上に配置されている。そして、ターニング微細構造を通じて配置した。複数の開放領域はカバー層と複数の凹部との間に開放領域を充填しない間に、各種実施形態は、光導波路にカバーを結合する方法を含む。
【0018】
干渉計MEMSディスプレイ素子を備える干渉変調器ディスプレイの一実施形態が、図1に図示されている。これらの装置において、ピクセルは、明るい状態又は暗い状態にある。明るい(「オン」又は「オープン」)状態において、ディスプレイ素子は、ユーザに入射可視光の大部分を反射する。暗い(「オフ」又は「クローズ」)状態にあるときにおいて、ディスプレイ素子はユーザに入射可視光を殆ど反射しない。実施形態に応じて、「オン」状態及び「オフ」状態の光反射率の特徴は逆でありえる。MEMSピクセルは選択された色を主に反射するように構成されることができ、白黒に加えてカラーディスプレイを可能にする。
【0019】
図1は、視覚ディスプレイ(visual display)における一連のピクセルのうち2つの隣接ピクセルを表す等角図である。各ピクセルはMEMS干渉変調器を備える。幾つかの実施形態において、干渉変調器ディスプレイは、その干渉変調器の横列アレイ(row array)/縦列アレイ(column array)を備える。各干渉変調器は、少なくとも一つの可変的な寸法を有する共振光ギャップ(resonant optical gap)を形成するために、各々から可変的且つ制御可能な距離に置かれる一対の反射層を含む。一実施形態において、一対の反射層のうちの一方は、2つの位置の間で移動できる。本明細書において、緩和位置(relaxed position)と記載する第一位置において、移動可能な反射層は、固定された部分的反射層(fixed partially reflective layer)から、比較的大きな距離をもって配置される。本明細書において、作動位置(actuated position)と記載する第二位置において、移動可能な反射層は、部分的反射層により接近して配置される。2枚の層から反射する入射光は移動可能な反射層の位置に応じて建設的に、又は破壊的に干渉し、各ピクセルに対して、全体的に反射する状態又は反射しない状態を生じる。
【0020】
図1のピクセルアレイの表示された部分は、2つの隣接する干渉変調器12a及び12bを含む。左側上の干渉変調器12aにおいて、移動可能な反射層14aは光学積層体16aから予め定められた距離での緩和位置において、例示される。光学積層体16aは部分的反射層を含む。右側上の干渉変調器12bにおいて、移動可能な反射層14bは、光学積層体16bに隣接する作動位置において、例示される。
【0021】
本願明細書において、参照されるように、光学積層体16a及び16b(あわせて光学積層体16と呼ばれる)は一般的に幾つかの融解層(fused layers)を備える。いくつかの融解層は、酸化インジウムスズ(ITO)層のような電極層、クロム層のような部分的反射層、及び透明な絶縁体層を含むことができる。光学積層体16は、このように電気伝導性を有すると共に、部分的に透明であり、且つ部分的に反射性を有する。光学積層体16は、例えば、透明基材20上に上記の層の一つ以上を堆積させることによって、作られ得る。部分的反射層は、部分的に反射する様々な材料、例えば様々な金属、半導体及び絶縁体からなることができる。部分的反射層は材料の一つ以上の層の形態で形成されることができ、層の各々は単一の材料又は材料の組合せの形態で形成されることができる。
【0022】
幾つかの実施形態では、光学積層体16の層は、平行した縞状(strips)にパターン化されて、更に後述するようにディスプレイ装置の横列電極(row electrodes)を形成できる。移動可能な反射層14a、14bは、ポスト18とポスト18の間に堆積された中間犠牲材料(intervening sacrificial material)層と、ポスト18の上面の上に堆積された金属層又は複数の金属層(横列電極16a、16bに対して垂直な)の一連の平行したストリップとして形成されることができる。犠牲材料がエッチングされてなくなるときに、移動可能な反射層14a、14bは画成されたギャップ19によって、光学積層体16a、16bから切り離される。アルミニウムのような高い伝導性及び高い反射性を有する材料が反射層14のために用いられることができ、これらの縞はディスプレイ装置の縦列電極を形成できる。
【0023】
電圧が印加されない場合、図1のピクセル12aで示すように、機械的に緩和状態(mechanically relaxed state)の移動可能な反射層14aによって、移動可能な反射層14aと光学積層体16aの間にギャップ19が残る。しかし、選択された「横列及び縦列」に電位差が印加されると、対応するピクセルの横列電極及び縦列電極の交差箇所で形成されるコンデンサが充電され、静電力(electrostatic forces)は電極を互いに引きつける。電圧が十分に高い場合、移動可能な反射層14は変形して、光学積層体16に押し付けられる。図1の右上のピクセル12bで示すように、光学積層体16内の誘電体層(この図に図示されていない)は、層14と16の間の短絡を防止できると共に、層14と16の間に分離距離が制御できる。印加電位差の極性に関係なく、動作(behavior)は同じことである。このように、反射ピクセル状態に対する無反射ピクセル状態を制御できる横列動作/縦列動作は、従来のLCD及び他の表示技術で使われている様々な方法に類似している。
【0024】
図2から図5Bは、表示用途に干渉変調器のアレイを用いるための1つの例示的なプロセス及びシステムを例示する。
【0025】
図2は、本発明の態様を組み込むことができる電子装置の一実施形態を例示しているシステムブロック図ある。例示の実施形態において、電子装置は、プロセッサ21を含む。プロセッサ21は、ARM、PentiumR(登録商標)、Pentium IIR(登録商標)、Pentium IIIR(登録商標)、Pentium IV(登録商標)、PentiumRプロ(登録商標)、8051、MIPSR、Power PCR又はALPHARのような任意の一般的な目的のシングルチップ・マイクロプロセッサ又はマルチチップ・マイクロプロセッサでもあってもよく、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ又はプログラム可能なゲートアレイのような特別な目的のマイクロプロセッサであってもよい。従来技術において、使用されているように、プロセッサ21は一つ以上のソフトウェア・モジュールを実行するように構成され得る。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサは一つ以上のソフトウェア用途を実行するように構成されることができる。一つ以上のソフトウェア用途は、ウェブブラウザ、電話用途、電子メールプログラム又は他のいかなるソフトウェア用途も含む。
【0026】
一実施形態において、プロセッサ21は、アレイドライバ(array driver)22と通信するようにも構成される。一実施形態において、アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ又は表示パネル30に信号を提供する横列ドライバ回路(row driver circuit)24及び縦列ドライバ回路(column driver circuit)26を含む。図1に図示されるアレイの断面図は、図2の線1―1により示される。MEMS干渉変調器のために、横列動作プロトコル/縦列動作プロトコルは、図3に図示される装置のヒステリシス特徴を利用できる。例えば、移動可能な層を緩和状態(relaxed state)から作用状態(actuated state)まで変形させるために10Vの電位差を必要とすることができる。しかし、電圧がその値から減らされるときに、電圧が10V以下に後退するにつれて、移動可能な層はその状態を維持する。図3の例示的実施形態において、電圧が2V以下に低下するまで、移動可能な層は完全に緩和しない。このように、印加電圧の窓が存在する。図3に図示される実施形態において、印加電圧の窓は約3〜7Vである。印加電圧の窓の中で、装置は緩和状態又は作用状態において、安定である。これは、本明細書において、「ヒステリシス窓」又は「安定性窓」と称される。図3のヒステリシス特徴を有するディスプレイアレイのために、横列/縦列動作のプロトコルは、横列ストロボ(row strobing)の際に、作用されることになっているデータ送受信受光が開始・制御された横列のピクセルが約10Vの電圧差にさらされると共に、緩和されることになっているピクセルは約0Vの電圧差にさらされるに設計され得る。ストロボの後で、ピクセルは約5Vの定常状態電圧差に晒され、ピクセルは横列ストロボが入った状態(put them in)か何れかの状態のままになる。書き込まれた後、各ピクセルは、この実施形態における3V〜7Vの「安定性窓」の中の電位差になる。この特徴は、既存の作用状態又は緩和状態との同じ印加電圧の条件の下で、図1に示すピクセル構造を安定させる。干渉変調器の各ピクセルは、作用状態であるか又は緩和状態であるかに関わらず、基本的に固定及び可動の反射層により形成されるコンデンサであるので、この安定した状態は殆どパワーの散逸なしにヒステリシス窓内の電圧で保たれ得る。基本的に、印加ポテンシャルが固定される場合、電流はピクセル内に流入しない。
【0027】
典型的用途において、表示フレームは、第1の横列の作動ピクセルの所望のセットに従って、縦列電極の一組を断定することにより作成されることができる。横列パルスはそれから横列1電極に適用され、断定された縦列ラインに対応するピクセルを作動させる。その後、縦列電極の断定されたセットは、2本目の横列の作動ピクセルの所望のセットに対応するために変えられる。その後、パルスは横列2の電極に適用され、断定された縦列電極に従って横列2の適当なピクセルを作動させる。横列1のピクセルは、横列2のパルスに影響を受けず、横列1のパルスの間に設定された状態が維持される。これは、順次的に一連の全て横列に対して繰り返され、フレームが生成される。通常、1秒につき幾つかの所望の数のフレームでこのプロセスを継続的に繰り返すことによって、フレームは、新しいディスプレイデータでリフレッシュされ及び/又はアップデートされる。ピクセルアレイの横列電極及び縦列電極を駆動させて表示フレームを生成する多様なプロトコルは、周知でもあり、且つ本発明と連動して使われることもできる。
【0028】
図4、図5A及び図5Bは、図2の3×3アレイ上に表示フレームを作成するための1つの可能な作動プロトコルを例示する。図4は、図3のヒステリシス曲線を示しているピクセルのために用いられ得る縦列電圧レベル及び横列電圧レベルの可能な一組を例示する。図4の実施形態において、ピクセルを起動させることには、適当な縦列を−Vbiasに、適当な横列を+ΔVにセットすることが含まれる。−Vbias及び+ΔVはそれぞれ、−5V及び5Vに対応し得る。ピクセルを緩和させることには適当な縦列をVbiasに、適当な横列を同じ+ΔVにセットして、ピクセルを横切る0Vの電位差を生成するで達成できる。横列電圧が0Vで保たれるそれらの横列において、縦列が+Vbiasであるか−Vbiasであるかに関係なく、ピクセルはそれらの第一の状態で安定になる。また、図4に図示されているように、上記の電圧と反対極性の電圧が用いられ得ることは言うまでもなく、例えば、ピクセルを起動させることには、適当な縦列をVbiasに、適当な横列を−ΔVにセットすることができる。この実施形態では、ピクセルを緩和させることには適当な縦列を−Vbiasに、適当な横列を同じ−ΔVにセットして、ピクセルを横切る0Vの電位差を生成することが達成できる。
【0029】
図5Bは、図5Aに図示されるディスプレイ装置に結果としてなる図2の3×3アレイに適用される一連の横列信号及び縦列信号を示しているタイミング図である。ここで、作動ピクセルは無反射である。図5Aに図示されるフレームを書き込む前に、ピクセルは、いかなる状態にあることができる。この例では、すべての横列が0Vであり、すべての縦列が、+5Vである。これらの印加電圧で、すべてのピクセルは、それらの既存の作用状態又は緩和状態において、安定である。
【0030】
図5Aのフレームにおいて、ピクセル(1,1)(1,2)(2,2)、(3,2)及び(3,3)が、作動する。これを達成するために、横列1のための「線時間」の間、縦列1及び縦列2は−5Vにセットされる。そして、縦列3は+5Vにセットされる。これはいかなるピクセルの状態も変えない。その理由は、すべてのピクセルは3V〜7Vの安定性窓のままであるからである。その後、横列1は、0Vから5Vまでに至り、またゼロへ戻るパルスによって、データ送受信受光が開始・制御される。これは、ピクセル(1,1)及び(1,2)を作動させて、ピクセル(1,3)を緩和させる。アレイにおける他のいかなるピクセルも、影響を受けない。要望通り、横列2をセットするために、縦列2を−5Vに、縦列1及び3を+5Vにセットする。その後、横列2に適用される同じストロボは、ピクセル(2,2)を作動させて、ピクセル(2,1)及び(2,3)を緩和させる。また、アレイの他のいかなるピクセルも、影響を受けない。横列3は、縦列2及び縦列3を−5Vにセットし、縦列1を+5Vにセットすることでセットされる。横列3のストロボは、図5Aに示すように横列3ピクセルをセットする。フレームを書き込んだ後に、横列電位はゼロである。縦列電位は+5又は−5Vに維持されることができ、その後、表示は図5Aのアレイにおいて、安定となる。同じ手順が多数又は何百の横列又は縦列のアレイのために使用されることができることはいうまでもない。横列動作又は縦列動作を実行するために用いる電圧のタイミング、シーケンス及びレベルが上で概説された一般的な原則内で広く変化できることを理解されたい。上記の例は一般的な例に過ぎず、そして、いかなる駆動電圧方法が、本願明細書において、説明されるシステム及び方法と共に用いられることが可能である。
【0031】
図6A及び図6Bは、ディスプレイ装置40の一実施形態を例示しているシステムブロック図である。ディスプレイ装置40は、例えば、携帯電話又は移動電話でありえる。しかし、ディスプレイ装置40又はそれの僅かな変形例の同じ構成要素は、例えばテレビ及び携帯用のメディアプレーヤの様々な形のディスプレイ装置も図示する。
【0032】
ディスプレイ装置40は、ハウジング41、ディスプレイ30、アンテナ43、スピーカ45、入力装置48及びマイクロホン46を含む。ハウジング41は通常、当業者にとって周知である様々な製造プロセスのいずれかから形成され、注入成形(injection molding)及び真空成形(vacuum forming)を含む。更に、ハウジング41は、限定的ではないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム及びセラミック、又はそれらの組み合わせを含む様々な材料の何れかから作られることが可能である。一実施形態において、ハウジング41は、異なる色の他の着脱可能な部分又は異なるロゴ、画像又はシンボルを含む他の着脱可能な部分と交換され得る着脱可能な部分(図示せず)を含む。
【0033】
本願明細書において、記載されているように、一般的なディスプレイ装置40のディスプレイ30は、双安定型ディスプレイ(bi-stable display)を含む様々なディスプレイのいずれかであってもよい。他の実施態様において、ディスプレイ30は、当業者にとって周知の、上記の通りの例えばプラズマ、EL、OLED、STN LCD又はTFT LCDのフラットパネルディスプレイ又は例えばCRT又は他の管装置の非フラットパネルディスプレイを含む。しかし、本実施形態を記載するために、本願明細書において、記載されているように、ディスプレイ30は、干渉変調器ディスプレイを含む。
【0034】
一般的なディスプレイ装置40の一実施形態の構成要素は、図6Bにおいて、略図で例示される。図示の一般的なディスプレイ装置40は、ハウジング41を含んで、ハウジング41内に少なくとも部分的に囲まれた追加部品を含むことができる。例えば、一実施形態において、一般的なディスプレイ装置40は、アンテナ43を有するネットワークインターフェース27を含む。アンテナ43はトランシーバ47に結合する。トランシーバ47はプロセッサ21に接続している。プロセッサ21はコンディショニングハードウェア52に接続している。コンディショニングハードウェア52は、信号を条件づける(例えば、信号をフィルタに通す)ように構成されることができる。コンディショニングハードウェア52は、スピーカ45及びマイクロホン46に接続している。プロセッサ21は、入力装置48及びドライバコントローラ29にも接続している。ドライバコントローラ29は、フレームのバッファ28及びアレイドライバ22に結合する。アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ30に結合する。電源50は、特定の一般的なディスプレイ装置40の設計によって、必要とされるすべての構成要素へ電力を供給する。
【0035】
一般的なディスプレイ装置40がネットワーク上の一つ以上の装置と通信できるように、ネットワークインターフェース27はアンテナ43及びトランシーバ47を含む。一実施形態において、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21の必須要件を軽減するために若干の処理能力を有することもできる。アンテナ43は、信号を送信及び受信受光するためのものであって、当業者に知られている任意のアンテナである。一実施形態において、アンテナはIEEE 802.11の(a)、(b)又は(g)を含むIEEE 802.11の標準によって、RF信号を送信及び受信受光する。他の実施形態では、アンテナは、ブルートゥース(BLUETOOTH)標準に従ってRF信号を送信及び受信受光する。携帯電話の場合、アンテナは、無線携帯電話ネットワーク内での通信に用いられるCDMA、GSM、AMPS又は他の周知の信号を受信受光するように設計される。それらはプロセッサ21によって、受け取られることができて、更に操作されることができるように、トランシーバ47はアンテナ43から受け取られる信号を前処理する。それらがアンテナ43を介して一般的なディスプレイ装置40から送信されることができるように、トランシーバ47もプロセッサ21から受け取られる信号を処理する。
【0036】
代替的な実施形態では、トランシーバ47は、受信受光機と置き換えられることが可能である。更に、また別の実施形態においては、ネットワークインターフェース27は画像ソースと置き換えられることが可能である。画像ソースはプロセッサ21に送信される画像データを格納できるか又は生成できる。例えば、画像ソースは、画像データ又は画像データを生成するソフトウェア・モジュールを含むデジタルビデオディスク(DVD)又はハードディスクでありえる。
【0037】
プロセッサ21は一般に、一般的なディスプレイ装置40の全作動を制御する。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27又は画像ソースからの圧縮イメージデータのようなデータを受信受光して、生の画像データに、又は、生の画像データに直ちに処理されるフォーマットにデータを処理する。その後、プロセッサ21は、ドライバコントローラ29に、又は、記憶のためのフレームバッファ28に処理されたデータを送る。一般的に生データとは、画像内の各位置における画像特徴を特定する情報をいう。例えば、そのような画像特徴は、色、彩度及びグレイスケール・レベルを含むことができる。
【0038】
一実施形態において、プロセッサ21は、マイクロコントローラ、CPU又は一般的なディスプレイ装置40の動作を制御する論理回路装置を含む。コンディショニングハードウェア52は、一般に、スピーカ45に信号を送ると共にマイクロホン46から信号を受け取るためのアンプ及びフィルタを含む。コンディショニングハードウェア52は、一般的なディスプレイ装置40内の分離された構成要素でもよいか、又はプロセッサ21又は他の構成要素内に組み込まれることができる。
【0039】
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって、発生する生の画像データをプロセッサ21又はフレームバッファ28から直接に受け取り、アレイドライバ22への高速伝送のために、適切に生の画像データを再フォーマットする。具体的には、ドライバコントローラ29はラスタのようなフォーマットを有するデータフローに生の画像データを再フォーマットする。そうすると、生の画像データはディスプレイアレイ30全体のスキャンに適している時間順序を有する。そしてドライバコントローラ29は、アレイドライバ22にフォーマット化された情報を送る。例えばLCDコントローラのドライバコントローラ29は、しばしば独立型集積回路(IC)としてシステム・プロセッサ21と関係しているにもかかわらず、この種のコントローラは様々な方法で行うことができる。それらは、ハードウェアとしてプロセッサ21に埋められることができて、ソフトウェアとしてプロセッサ21に埋められることができ、又は、アレイドライバ22を有するハードウェアにおいて、完全に集積されることができる。
【0040】
一般的に、アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマット化された情報を受け取って、ピクセルの表示のx‐yマトリックスから来ている何百又は時々何千の導線に1秒につき複数回適用される波形の平行したセットにビデオデータを再フォーマットする。
【0041】
一実施形態において、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22及びディスプレイアレイ30は、本願明細書において、記載されているディスプレイのタイプのいずれかに適切である。例えば、一実施形態において、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラ又は双安定型ディスプレイコントローラ(bi-stable display controller)(例えば、干渉変調器コントローラ)である。別の実施形態では、アレイドライバ22は、従来のドライバ又は双安定型ディスプレイドライバ(例えば、干渉変調器ディスプレイ)である。一実施形態において、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と一体化される。この種の実施形態は、携帯電話、腕時計及び他のファセット積型ディスプレイのような高度に集積されたシステムで一般的である。更なる別の実施形態では、ディスプレイアレイ30は、典型的なディスプレイアレイ又は双安定型ディスプレイアレイ(例えば、干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0042】
入力装置48によって、ユーザが一般的なディスプレイ装置40の動作を制御できる。一実施形態において、入力装置48は、QWERTYキーボード又は電話キーパッドのようなキーパッド、ボタン、スイッチ、タッチスクリーン、又は、感圧性(pressure-sensitive)又は感熱性(heat-sensitive)の膜を含む。一実施形態において、マイクロホン46は、一般的なディスプレイ装置40用の入力装置である。マイクロホン46がデータを装置に入力するために用いるときに、音声コマンドが一般的なディスプレイ装置40の制御動作のためにユーザにより提供され得る。
【0043】
電源50は、公知技術である様々なエネルギー貯蔵装置を含むことができる。例えば、一実施形態において、電源50は、ニッケルカドミウム電池又はリチウムイオン電池のような再充電可能電池である。他の実施形態では、電源50は、更新可能なエネルギー源、コンデンサ、又はプラスチック太陽電池及び太陽電池塗料を含む太陽電池である。他の実施形態では、電源50は、壁面コンセント(wall outlet)から電力を受け取るように構成される。
【0044】
いくつかの実施形態では、制御プログラム化の可能性は、上記の通り、電子ディスプレイシステムのいくつかの場所に位置することが可能なドライバコントローラに帰する。いくつかの実施形態では、制御プログラム化の可能性は、アレイドライバ22に帰する。当業者は、上記の最適化(optimizations)が任意の数のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素、及び様々な構成において、行うことができることが理解できる。
【0045】
上で記載される原理に従って作動する干渉変調器の構造の詳細は、広く変更されてもよい。例えば、図7A〜図7Eは移動可能な反射層14及びそれの支持構造物の5つの異なる実施形態を例示する。図7Aは図1の実施形態の断面図である。ここで、金属材14の縞は、直交して延在する支持体18上に堆積されている。図7Bにおいて、綱32に、移動可能な反射層14は、角においてのみ支持体に取り付けられる。図7Cにおいて、移動可能な反射層14は変形可能な層34からぶらさがっている。変形可能な層34は可撓性金属を備えることができる。変形可能な層34は、変形可能な層34の周辺部周辺で直接又は間接的に基板20に結合される。本願明細書において、これらの結合部は、支持柱と呼ぶこととする。図7Dに図示される実施形態は、変形可能な層34が静止する支持柱プラグ42を有する。図7A〜図7Cのような、移動可能な反射層14はギャップの上側に浮いたままである。しかし、変形可能な層34は変形可能な層34と光学積層体16の間に穴を埋めることによって、支持柱を形成しない。むしろ、支持柱は平坦化材料層の形態で形成される。平坦化材料層は支持柱プラグ42を形成するために用いる。図7Eに図示される実施形態は、図7Dの図示した実施形態に基づくが、図7A〜図7Cに図示される実施形態のいずれかと及び示されない付加的な実施形態と共に働くのに適していてもよい。図7Eに示す実施形態では、金属又は他の導電材料の追加層は、バス構造44を形成するために用いた。これは干渉変調器の後ろに沿って信号の経路取りを可能とする。そして、さもなければ基板20の上に形成されなければならなかった多くの電極を除去する。
【0046】
図7に示されるそれらのような実施形態において、干渉変調器は直視型装置(direct-view devices)として機能する。直視型装置において、画像は干渉変調器が配置される側とは反対側の透明基材20の前側から見られる。これらの実施形態では、反射層14は基板20とは反対側の変形可能な層34を含む反射層側上の干渉変調器の部分を光学的に保護する。これによって、遮蔽領域が画質に悪い影響を及ぼすことなく、構成されると共に作用され得る。この種の遮蔽は図7Eのバス構造44を可能とし、干渉変調器の光学特徴を、そのアドレス指定から生じるアドレス指定及び動作のような干渉変調器の電気機械プロパティから切り離す能力を提供する。この分離可能な変調器の構造(architecture)によって、変調器の電気機械側面及び変調器の光学的な側面のために用いられる構造設計及び材料が互いに独立に選択されて、互いに独立に機能することが可能となる。更に、図7C〜図7Eの図示した実施形態は反射層14の光学特徴をその機械的特徴から切り離すことに由来している付加的な利点を有する。そして、付加的な利点は変形可能な層34により実現される。これは、反射層14のために用いられる構造設計及び材料が光学特徴に関して最適化されることを可能にすると共に、変形可能な層34のために用いられる構造設計及び材料が所望の機械的特徴に関して最適化されることを可能にする。
【0047】
上記の通りに、干渉変調器上に入射された光は、1つの反射面の作動状態(actuation state)によって、建設的であるか破壊的な干渉を経て、反射されるか又は吸収される。照明装置は、干渉変調器又はそれの配列(array)を備えるディスプレイ装置に人為的な照明装置を提供できる。
【0048】
幾つかの実施形態において、装置システムは、光源、光注入システム(light injection system)及び光ターニングフィルム(a light "turning" film)を含む光導波路パネルを備える。光注入システムは、光を点光源(例えば、発光ダイオード(LED))から線光源に変える。ターニング特徴(turning features )を有するライトバーが(light bar)、このために用いられることが可能である。ライトバーに注入された光はライトバーに沿って伝播し、ライトバーの端部において、ライトバーから出力される。その後、この光は、広域全体に広げられ、ディスプレイ素子のアレイ上へ導かれる。ターニング特徴を有している光導波路パネルも、その目的のために使うことができる。ライトバーから出力される光は光導波路パネルの端にカップリングされて、光導波路パネル内で伝播される。ターニング特徴は、光をパネルから複数のディスプレイ素子に対応する領域の上に出力する。
【0049】
図8Aは、ディスプレイ81に対して配置された光導波路パネル80を備えるディスプレイ装置の断面図である。ディスプレイ81は、干渉変調器のような複数のディスプレイ素子を備えることができる。光導波路80は、図8Aに示すように、第1側面80a上にターニング微細構造82を含むことができる。ターニング微細構造82は、光導波路80の第1側面80a上に入射する光の一部の方向を変更させ、光導波路80(例えば、第2側面80bから)から出る光の部分を複数のディスプレイ素子81に導くように構成される。幾つかの実施形態によれば、ターニング微細構造82の特徴の一部もしくは全部は、光導波路80の一部を形成するターニングフィルム内に形成され得る。このターニングィルムは、光導波路80の一部を形成する基板上に配置され得る。これらの実施形態では、ターニングフィルムは、基板と同じ屈折率を有する。代替的に、光導波路80は、直接的にターニング特徴を有する基板の表面を鋳造するか又はエッチングすることにより形成され得る。
【0050】
光導波路80のターニング微細構造82は、ファセット又は傾斜面を有すると共に光を光導波路80の第2側面80bの外側へ導くように構成された複数のターニング特徴又は凹部82aを備える。ある種の実施形態では、ターニング特徴は、複数の表面特徴又は体積特徴を備えることができる。幾つかの実施形態において、ターニング微細構造82aは回折光学素子(diffractive optical element)を備える。回折光学素子は、ターニング微細構造82の長さ全体に延在している体積特徴(volume feature)又は表面特徴(surface feature)を備えることができる。ある実施形態では、ターニング微細構造82は、ホログラムを備え、ターニング特徴は、ホログラム特徴を備える。ホログラムは、ターニング微細構造82の長さ全体に延在するホログラム体積又はホログラム表面特徴を備えることができる。ターニング特徴のサイズ、形状及び間隔は、変更できる。様々な他のタイプのターニング特徴、回折特徴、ホログラム特徴、プリズム特徴等が可能である。したがって、異なるサイズ、形状、構成及び配置が用いられ得る。
【0051】
図8Aに示されている特徴82aは、模式的であり、サイズ及びその間における間隔は誇張されている。光は、例えば、光導波路80の長さと平行している光導波路80の部分82bから傾斜面82aのうちの1つに全反射によって、反射できる。光は傾斜面82aにより方向が変更されて、光導波路80の第2面部80bの方へ、そして、ディスプレイ81の方へ導かれる。また、光が傾斜面82aにより方向が変更されて、方向が変更された光の伝播方向は、ディスプレイ素子の表面の法線に対して45度未満の角度を形成する。したがって、ターニング特徴により方向が変更された後に、光100は光導波路80の厚さを通過しながら、光導波路80及び表示81に実質的に直交する方向において、ターニングされ、垂直入射によって、又は実質的な垂直入射によって、干渉変調器へおそらく透過される。干渉変調器で、光は、変調されることができて、ディスプレイ装置上の画像を提供するために光導波路80によって、後方にディスプレイ装置の前で配置されたビューアの方へ反射されることができる。
【0052】
図8Aに図示される実施形態において、ターニング微細構造82は、複数の溝、具体的には、実質的に三角形断面を有する複数の三角形溝を備えている。溝は他の角度及び他の形状を有する溝も可能であるが、図8Aにおいては、溝が、二等辺三角形の形状の断面を有する。具体例は、対称形又は非対称の台形(trapezoidal)のような、2つ以上の側面からなる断面プロフィールを有する溝を含む。側面82aの方向及び形状は、例えば、光導波路80の側面80bから出る、又はディスプレイ81に入る光の配布に影響を及ぼす。
【0053】
図8Bは、ターニング微細構造83を有する他の実施形態を例示しており、ターニング特徴は、プリズム特徴(prismatic features)(例えば、図8Aに示される)よりはむしろ回折特徴83aを備える。様々な好ましい実施形態において、回折特徴83aは、光導波路80内で伝播されると共に所定の角度で回折特徴83a上に入射する光をターニングさせ、光導波路80の第2側面80bがら出射し且つディスプレイ81内に入射するように構成されている。光は、光導波路80の長さに沿って、例えば、例えば40°(光導波路80の側面の法線から測定されるとき)以上の入射余角(grazing angles)での全反射を経ながら、伝播できる。いくつかの実施形態では、この角度は、スネルの法則によって、決められる臨界角以上でありえる。回折された光線100は、光導波路80の長さに対する法線の近くで方向が変更される。回折特徴83aは、表面回折特徴又は体積回折特徴を備えることができる。回折特徴83aは、光導波路80の第1側面80a上の回折ターニングフィルム上に含まれることができる。回折特徴は、ホログラム特徴を備えることができ、同様に、幾つかの実施形態においてはホログラム又はホログラム・フィルムを含む。加えて、回折特徴は、光導波路80の長さに沿って連続的に延在できる。
【0054】
例えば、一以上の発光ダイオード(LED)を有する光源84は、光導波路80に対して配置されて、光導波路80へ光を注入する。図8Aに示されている実施形態では、例えば、光源84からの光は、光導波路80の端に注入される。幾つかの実施形態において、光注入システムは、光を点光源エミッタ(例えば、発光ダイオード)から線光源に変える。この光注入システムは、例えば、ライトバーを備えることができる。他のタイプの光源が、使われることもできる。
【0055】
ターニング微細構造82及び/又は光導波路領域80は、典型的に、例えばガラス、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル、ポリ(スチレン―メチル・メタクリル酸塩)ポリマー(PS―PMMA、Zylarという名前で販売される)等のアクリル酸塩共重合体、UV―硬化性樹脂のような材料、又は他の光学的に透明な材料を含む。可視スペクトル内の波長において、ポリカーボネートの屈折率は、ほぼ1.59で、Zylarの屈折率は、ほぼ1.54である。幾つかの実施形態によれば、光導波路80は、プラスチック又はガラス等の上面の上に形成されるファセットを有する単一層でもよい。ファセットは、プラスチック又はガラス基板において、直接なされるエンボシング法又はエッチング法で形成されることができる。他の実施形態において、光導波路80は、ガラス又はポリカーボネート、PETなどのプラスチックからなる基板上の複数の層を含むことができる。これらの実施形態では、ターニング微細構造は、この種のUVエンボス加工されている樹脂又はさまざまな形状にエッチングされる無機コーティングのような基板の上のターニングフィルム上に形成されることができる。ターニングフィルムは、基板と同じ屈折率を有するように選択されることができ、光導波路80に対して1つの光学体(one optical body)を形成する。
【0056】
他の実施形態においては、ディスプレイの光学性能を高めるために、例えば光絶縁層のような一つ以上の付加的な光学層がディスプレイパネル81の基板又はディスプレイ素子或いは干渉変調器上に配置されていてもよい。例えば、光絶縁層85は、ディスプレイの光導波部80と干渉変調器81の間に設けられていることができ、干渉変調器が光導波部を通って伝播する光を吸収するのを防止する。
【0057】
例えば、干渉変調器は、典型的にディスプレイ素子の法線から測定して45−90°の角度で導かれる光線を吸収する構造である。このように、光導波路80によって伝播すると共に傾斜角での干渉変調器81上に入射する光の一部は、充分な数の反射の後に、干渉変調器81によって、実質的に吸収されることができる。吸収による光損失を減らし、最小化し又は、防止するために、光絶縁層85は、光導波路80と干渉変調器の間に配置されることができる。幾つかの実施形態において、有利には、光絶縁層85が実質的に光導波路80の屈折率より低い屈折率を有する。その結果、光は、光導波路80を介して移動すると共に、臨界角(例えば、50°又は60°より大きい)より大きい傾斜角(oblique angle)又は入射余角(grazing angle)で光絶縁層の境界に当たる光は、光導波部(light guiding region)80の中へ戻って、全反射されることになる。各種実施形態において、光絶縁層85は、二酸化ケイ素又はフッ化二酸化ケイ素を備える。他の材料も使用され得る。本願明細書において、記載されているように、ターニング微細構造82の幾何学的配置と、干渉変調器と関連する基板上の付加された光学的薄膜とが、ディスプレイの光導波部の効率を強化するように、更に全体のディスプレイの光学性能を強化するように、又は、他の効果を提供するように選択され得る。
【0058】
複数のディスプレイ素子81は、当業者に公知の様々な製造プロセスのいずれかを用いて形成されることができ、本願明細書において、記載されている一以上の光学層をディスプレイ素子の配列を支持するガラス又はプラスチック基板上に付着できる。ガラス又はプラスチック基板は、支持体層を備える。支持体層上に、例えば干渉変調器のアレイのようなディスプレイ素子が作られる。本願明細書において開示されるように、基板は、ディスプレイ装置の一つ以上の光学層を支持するために更に用いられてもよい。
【0059】
ある種の実施形態では、光導波路80は、複数の層を備えることができる。この種の実施形態のために、光導波部80を備える複数の光学層の屈折率は、幾つかの実施形態において、有利には、互いに近い。その結果、光が実質的に反映又は屈折されずに複数の光学層により伝播され得る。光導波路80は、例えば1.52の屈折率を有することができる。上述の通り、光導波路80は、特定の実施形態において、ガラス又はポリマー材料を含むことができる。
【0060】
図9Aは、図8Aで示すディスプレイ装置の断面図である。図9Aのディスプレイ装置は、光導波路80上にわたって配置されていると共に光導波路80に取り付けられているカバー層90を有しており、ターニング微細構造82がカバー層90の下に位置している。カバー層90は、光透過材料(optically transmissive material)を含み、光導波路80に付着されている。その結果、複数の領域91がカバーとターニング特徴82aからの複数の凹部との間に保持される。図9Aの図示した実施形態によれば、領域91は、開放領域であるか、又は実質的に空気で充填されている。カバー層90は、ターニング微細構造82を外部(ambient)から保護し、摩耗性(wear)を減らすことによって、装置の寿命を増加させる。ある種の実施形態では、カバー層90は、反射よけ、反射防止、反かき傷、反汚れ、拡散、カラーフィルタのための付加的な層、又は表示コントラスト比を低下させるために環境照明装置の表面反射(例えば、フレネル反射)を導く付加的な層等の他の機能を含むフィルム積層体を備えることができる。また、カバー層90は、典型的に上記の層を積層するために用いられる従来の接着剤はターニング微細構造82を汚染させて最適性能を損なわせるため、付加的な層が簡単に堆積されることを可能にする。
【0061】
カバー層90の材料は、全反射を介して光を光導波路領域80内で導波させることを容易にする。特に、様々な実施形態において、光導波部に直ぐ隣接しているカバー層90の一部分は、光導波路80の屈折率より小さな屈折率を有する。光導波路80の屈折率がカバー層90の屈折率より大きいので、光導波路80とカバー層90との境界に臨界角より大きい角度で入射する光は、光導波路80の中へと戻るように反射され、光導波路80に沿って伝播し続ける。このように、光導波路80の端に注入される光は、光導波路80とカバー層90との間の屈折率の違いによって、全反射によって、その長さの少なくとも一部に沿って伝播される。
【0062】
各種実施形態において、カバー層90が光導波路80に付着され、ターニング微細構造82がカバー層90と光導波路80との間に位置される。カバー層90は、光導波路80上に又はカバー層90と光導波路80との間の他の層上に様々な方法で、取り付けられる、積層される、押圧される、又は溶融される等となる。本発明の特定の実施形態において、カバー層90が光導波路80に付着され、複数の開放領域91が保存される。幾つかの実施形態によれば、開放領域91は、空気で実質的に充填されると共に、光導波路80から屈折率の違いを提供し、ターニング特徴82a上に入射される光の多くが方向転換されると共に、複数のディスプレイ素子85の方へ方向転換される。光線ガイド材料と空気の間の境界によって、その境界上に入射する光が臨界角より大きい角度で全反射する。
【0063】
幾つかの実施形態において、カバー層90は、光導波路80と直接接触できる。具体的な実施形態において、カバー層90は、例えば、光導波路80の第1側面80aの表面積の約90%以上に対して、ファセット82aの間の光導波路80の持ち上げられた表面82b上に接触できる。他の実施態様において、カバー層90は、光導波路80と直接接触しないが、介在接着層(intervening adhesive layer)によって、取り付けられる。
【0064】
カバー層90が直接光導波路80と接触する幾つかの実施形態において、接着(adhesion)は、カバー層90の表面と光導波路80の持ち上げられた表面82bの間における超音波ボンディング又は熱ボンディングにより実行されることができる。2つの表面を一緒に接着するために、熱の使用を含む熱ボンディングの場合、光導波路80の表面及び/又はターニング微細構造82は、架橋ポリマーを含むことができ、最初に紫外線によって、硬化させ得る。ターニング微細構造82は、UV―エンボシング法によって、最初に形成されることができ、UV―エンボシング法には、典型的に基板上のモールドUV硬化エポキシからの複製ステップが含まれる。微細構造82の高い表面82bにカバー層90を付着する前に、ターニング微細構造82をUV―エンボシングプロセスを行うことによって、熱ボンディングの間に、光導波路80の表面及び/又は、微細構造82が溶解される可能性を防止できるか又は減らすことができ、従って、光ターニング光学機能及びそれらの形状を維持するのを助けることができる。
【0065】
他の実施形態によれば、カバー層90は、準備プロセスによって、光導波路80に直接付着され得る。準備プロセスは、カバー・フィルム90の表面又は光導波路80(例えば、ターニング微細構造82)の表面又は両方の表面を、プラズマによって、接着力を高めた後に、紫外線を装置して活性化することを含む。例えば、酸素プラズマは、ポリマーの一番上の原子層を酸化すると共に、最も低い分子量を有する表面脆弱層(weak surface layers)をまず取り除くことで、ポリマー面を準備するために用いることができる。紫外線放射は、酸素ラジカル(oxygen radicals)の形成を促進するために適用されることができ、結合を壊して、表層分子の架橋(cross linking)を促進するのを助けることができる。ポリマーの結果として生じる酸化は、ポーラーグループ(polar groups)の増加を引き起し、実際の結合の間、2つのポリマー面の接着力特性を強化する。
【0066】
図9Bは、ディスプレイ装置の実施形態を示す。図9Bは、カバー層90とターニング微細構造82の間の接着剤層又は中間層94によって、光導波路80に取り付けられるカバー層90を含む。幾つかの実施形態によれば、中間層94は、光導波路80の屈折率より小さい屈折率を有し、したがって、光導波路80内で光を全反射させることができる。このように、この種の中間層94の使用は、カバー層90のための屈折率に対する制限を除去することによって、材料選択を有効に増加させることができる。したがって、中間層94の直上の層は、その屈折率に関係なく、グレア防止(for anti-glare)、反射防止(anti-reflection)、カラーろ過(color filtering)等の所望の機能のために柔軟に選択されることができる。いくつかの実施形態では、例えば、中間層は、非常に薄く、例えば、特徴の深さ又はターニング微細構造82の凹部の1/10のサイズより少ない。これらの範囲の外側の値も、可能である。図9Cは、中間層94による光導波路80に取り付けられるカバー層90を含み、微細構造83が、バイナリの格子(binary grating)92を備えるディスプレイ装置の実施形態を示す。バイナリの格子92は、光導波路80の外側で導かれた光を回折できるように、概して広域をカバーする。いくつかの実施形態では、バイナリの格子は、開放領域を提供する。
【0067】
特定の実施形態によれば、中間層94は、非常に低い表面エネルギーを有する。例えば、中間層94は、自己浸濡性接着剤層(self-wetting adhesive)でありえる。幾つかの実施形態によれば、中間層94が35dynes/cm未満の表面張力を有することができる。他の実施形態によれば、中間層94が25dynes/cm未満の表面張力を有することができる。自己浸濡性中間層(self-wetting interlayer)94が、カバー層90の表面上に形成又はコートされることができる。自己浸濡性中間層94と共にカバー層90、光導波路80及びターニング微細構造82上に配置されることができる。中間層が低い表面エネルギーを有するため、単純な圧力が、中間層94の表面及び光導波路80の表面を接着するためにカバー層90上に印加され得る。場合によっては、光導波路80及びカバー層90上に配置された支持は、自己浸濡性が発生するように圧力を提供するが有効である。
【0068】
特定の実施形態によれば、中間層94は、低いガラス転移点(glass transition point:Tg)を有するポリマー材料である。中間層94は、例えばゴム又はエラストメリック・ゲル(elastomeric gel)のような材料のように、弾性的に変形可能である。最初の変形を生じさせる外部の力が除去される時、エラストマー特性は、溝82aに任意の材料の進入の反転を提供することによって、ターニング微細構造82の溝82aの中で領域を保存できる。換言すれば、中間層94は、十分に弾性力をもって変形可能であり、全反射を妨げる、装置動作の間の偶然の衝撃等の外圧が働くとき、溝82aにプラスチックが流れ込むことを防止する。架橋の量は、必要に応じて、ポリマーを強化するか又は固定するために増加することができ、温度変化により影響されない。特定の実施形態によれば、ポリマー材料には、シリコーン(silicone)、ポリプロピレン(polypropylene)、ポリイソブチレン(poly-isobutylene)等のエラストマー材料(elastomeric material)が含まれる。特定の実施形態によれば、中間層には、シロキサン・バックボーンが含まれる。中間層の材料としては、ポリジメチル・シロキサン(polydimethyl siloxane)、ポリ・ジエチル・シロキサン(polydiethyl siloxane)、ポリ・メチルフェニル・シロキサン(polymethylphenyl siloxane)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。幾つかの実施形態によれば、中間層には、シリコーンエラストマ(silicone elastomer)が含まれる。幾つかの実施形態によれば、中間層は、光導波路 との光学結合と、残りの光導波路 の屈折率より低い屈折率とを提供するように、フルオロポリマー(fluoropolymers)と、ポリプロピレン(polypropylene)と、低い表面エネルギーを有する他のアモルファス炭化水素ポリマー(amorphous hydrocarbon polymers)とを備えている。
【0069】
特定の実施形態において、中間層は、大部分の動作温度より低いTgを有するポリマー材料を含むことができ、大部分の環境条件(most environmental conditions)でその接着剤又はエラストマー特性を維持する。例えば、低Tg材料は、例えば25℃、0℃、-20℃、-40℃未満のTgを有することができる。特定の実施形態によれば、ポリマー材料は、約300℃以下のガラス転移点を有する。他の実施形態によれば、ポリマー材料(polymer material)は、約200℃以下でガラス転移点を有する。他の実施形態によれば、ポリマー材料は、0℃について下記のガラス転移点を有する。
【0070】
幾つかの実施形態によれば、中間層は、光導波路の屈折率より十分に低い屈折率を有し、全反射を提供する。幾つかの実施形態によれば、中間層は、十分に低い表面エネルギーを有し、溝の間において、カバー層をターニング微細構造の領域に物理的に結合する。幾つかの実施形態によれば、中間層は、十分にエラストメリック特性を有し、ターニング微細構造内の開放領域を保存し、全反射を保存する。いくつかの実施形態では、中間層は、光導波路にわたって配置された、溝(grooves)、凹部(indentations)、ターニング微細構造(turning microstructure)の少なくとも50%、60%、70%、80%又は90%を満たさない。加えて、幾つかの実施形態によれば、中間層が、ターニング微細構造の溝の中で、その領域の実質的に全てを満たすというわけではない。幾つかの実施形態によれば、例えば、平均して、中間層は、溝又はターニング微細構造の中で、その領域の少なくとも50%、60%、70%、80%又は90%を満たさない。幾つかの実施形態によれば、中間層は、全反射を提供するための光導波路の屈折率より低い屈折率と、溝の間において、カバー層をターニング微細構造の領域に物理的に結合させるに十分に低い表面エネルギーと、ターニング微細構造の開放領域、及び全反射を保存するために十分なエラストメリック特性とを有する。
【0071】
特定の実施形態によれば、中間層94の厚さは、ターニング微細構造の凹部の高さより少ない。特定の実施形態によって、中間層94の厚さは、凹部の高さの1/2、1/4、1/8、1/10、その他の未満である。例えば、ターニング微細構造の凹部の高さが約2ミクロンである場合、中間層の厚さは、約200ナノメートルでありえる。幾つかの実施形態によれば、中間層94の厚さは、10ミクロン以上、20ミクロン以上、50ミクロン以上又は100ミクロン以上でありえる。
【0072】
この種の接着材層は、典型的にコーティング材料の希薄溶液を使用することによって、非常に薄いフィルムを形成できる、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、インクジェットコート等の従来の湿式被覆プロセスにより形成されることができる。非常に薄い接着材層をカバー層90の上に形成した後、圧力及び温度を印加して、薄い接着剤を有するカバー層90を光導波路80上に配置させて、ターニング微細構造82の表面82bと接触させる。それから、薄い接着剤は、紫外線又は熱により硬化され、カバー層90の表面がターニング微細構造82の表面に結合される。
【0073】
各種実施形態において、層は、非常に薄く形成され、カバー層90上に接着材を積層した後、ターニング微細構造82の溝を充填する接着材の過剰の恐れを低下させるか又は最小化する。接着材の厚さを減らすか又は最小化することによって、溝又は凹部82aの中の領域91を開いている状態におくことができ、ディスプレイ装置の光学性能を最適化させる。1.0の屈折率を有する空気が凹部の中にある場合、より広い範囲の角度にわたって、光が全反射する。さらに、ターニング微細構造82の溝82aに若干の接着材を充填が発生しても、溝のサイズ及び接着材の量は、溝82aに落ちる接着材の量が、その領域を完全に充填することなく、開放領域91のサイズを減らすことができるように構成され得る。溝82aの部分的な充填は、溝がビューアの目に見える可能性を減少させることができる、及び/又は照明装置系の設計の考慮に入れられることが可能である(例えば、溝幅の選択において)。
【0074】
非常に薄い接着フィルムの実施形態において、接着材が充分な機械のコンプライアンスを示すのが有利であることができ、その結果、光学接触が、増加できるか又は最大にされることができる。幾つかの実施形態によれば、接着材には、低いガラス転移点を有するポリマー材料が具備されており、そのため、ゲルのようであることができ且つ変形可能であるが、高い粘度又は非常に架橋ネットワークを有する。好ましくは、接着材は、他の表面、特に、UVで処理されており且つより適合していない表面に容易に適合できる柔らかなポリマー材料から成る。従って、接着材は、様々な実施形態において、低分子量を有する。実施形態は、高い粘度を有するアクリルプレポリマー混合物(acrylic pre-polymer mixtures)を含む。アクリルプレポリマー混合物は、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)及びポリエステル繊維(スチレン―メチル・メタクリル酸塩)(PS―PMMA)及び他のアクリル系ポリマーを含む。他の実施形態は、感圧接着剤(pressure sensitive adhesives)として典型的に使われるポリマー製剤(polymer formulations)を含む。
【0075】
幾つかの実施形態によれば、全反射は、光導波路80の範囲内で発生できるように、直接ターニング微細構造83の上に横たわる接着材層94の屈折率は、光導波路80の屈折率より低い屈折率を有する。
【0076】
より厚い接着剤の特定の実施形態によれば、その厚さは、ターニング微細構造82の特徴82aのサイズの以上であることができ、例えば約0.5ミクロンから厚さ約50ミクロンまで変動できる。この場合ターニング微細構造の溝を満たす十分な接着材があるので、接着材は、硬化され、積層の間、接着材を有する溝82aの充填を回避するように、カバー90を光導波路80に取り付けるときにそれが流れないか又は可塑的に変形しない。より厚い接着剤を形成する方法は、前述のように薄い接着剤を形成する方法に類似している。しかし、より厚い接着剤の実施形態における接着性混合物は、更に厚い接着材の流動性を減らすか又は最小化するために、追加的に硬化され得る。幾つかの実施形態によれば、ポリマー材料等の厚い接着材は、最初にカバー層90上へ被覆されているか又は堆積する。厚い接着材は、ポリマー鎖を部分的に架橋して、接着剤の流れを止めるために前処理(pre-cure)され得る。厚い接着剤を有するカバー層は、圧力及び温度を適用して、光導波路 パネル80上に配置され光学接触を提供する。厚い接着剤は、紫外線又は熱で第2回目に硬化されることができ、部分的な架橋を完了し、カバー層90の表面を光導波路80の表面と封止する。前硬化工程(pre-curing step)は、厚い接着材でターニング微細構造82の溝82aの充填又は部分的な充填を回避することを補助する。
【0077】
いくつかの実施形態によれば、接着材は、低いガラス転移点のポリマー材料、非常に架橋ネットワーク化された材料(cross-linked networked materials)、ゲルのような構造から成る。幾つかの実施形態によれば、接着材は、シリコン類から成る。シリコン類は、例えばポリジメチル・シロキサン(polydimethyl siloxanes)、ポリ・ジエチル・シロキサン(polydiethyl siloxanes)、ポリ・メチルフェニル・シロキサン(polymethylphenyl siloxanes)、又はt―アクリル酸ブチルのような炭化水素側鎖を有するアクリル酸塩、或いはポリテトラメチレンエーテルグリコール(polytetramethylene ether glycol)のようなポリエステル材料である。幾つかの実施形態は、例えば、付加的な架橋密度(cross-linking density)を含むことによって、架橋を進めて、接着剤を強化する工程を備える。上記のように、より熱い接着材層iの屈折率は、幾つかの実施形態の光導波路80の屈折率より低い。さらに、より厚い接着剤は、光学拡散、色ろ過、機械的ショック吸収、などの更なる機能性を提供できる。
【0078】
他の実施形態によれば、カバー層90は、溶剤‐溶接されることができる。溶剤‐溶接は、カバー層90の表面をカバー層90及び光導波路80の表面に対して化学的に可溶性を有する溶媒にさらす工程を含む。表面上に塗布される溶媒を有するカバー層90が、光導波路80上に配置されることができる。幾つかの実施形態において、圧力及び温度の適用は、光学接触を増加させることができ、カバー層90の表面と溝間の領域82b内の表面のとの間に相互拡散(inter-diffusion)を提供する。ある種の実施形態では、光導波路80が架橋及びUVで処理された材料を備えることができ、溶媒はターニング微細構造82の特徴82aを溶解しない。
【0079】
各種実施形態によれば、溶媒は、液体溶媒から成る。特定の実施形態によれば、溶媒には、重合可能な混合物(polymerizable mixture)が具備されている。重合可能な混合物は、モノマー自体がみずから開始(self-initiate)することができない限り、モノマー及び開始剤(initiator)を備えることができる。幾つかの実施形態によれば、溶媒は、3つの機能を持つ(tri-functional)アミノ・シラン(例えば、アミノ・プロピル・トリ・エトキシ・シラン)を含む分子カップリング剤から更に備えることができる。分子カップリング剤は、光導波路80に対するカバー層90の積層の間、接着するために表面を活性化して、表面間の封止を改良する。カバー層に塗布される溶媒に、特定のアミノ・シランのような分子カップリング剤を加えることの効果は、NHグループのような分子カップリング剤のアミングループが、光導波路80の材料と、より容易に反応できることである。例えば、シラン・ベースのカップリング剤は、光導波路80の表面水酸基(surface hydroxyl groups)と結合することができ、光導波路80の表面がカバー層90との結合の方へより活性化される。様々なケイ酸塩(silicates)及びチタン酸塩(titanates)を含む周知の他のカップリング剤は、カバーの表面と光導波路80の間の界面結合を増加させるために、使うことができる。
【0080】
特定の実施形態によれば、開放領域82aは、空気で充填され得る。しかしながら、図10Aに示すように他の実施形態によれば、領域82aは、充填された領域95を形成するために、ある材料で充填されることができる。いくつかの実施形態では、材料は、実質的に多孔性材料を備えることができ、又は、光が同様に全反射によって導波されるように、空気の屈折率に、実質的に近い屈折率を有する材料を備えることができる。他の実施形態によれば、材料は、金属性材料を備えることができる。金属性材料は、鏡反射器(mirror reflector)として作用して、光導波路80とカバー層90の間でエア・ポケットを捕獲する必要性を減らすか又は最小化する。金属性材料のための適切な堆積方法は、微細加工分野(例えば、過剰な金属層のエッチング又はリフトオフ技術が続くフォトリソグラフィ)で知られている技術又は例えばインクジェットプリンティングによる局所的な堆積を用いて、パターニングが続く直接真空コーティングが含まれる。一方、インクジェットプリンティングは、約15ミクロンと同程度の小さな線幅を達成することができ、他の印刷又は堆積技術が、用いられることが可能である。
【0081】
図1OBに示すように、幾つかの実施形態によれば、溝82aは、材料で充填されておらず、接着材層94は、例えばインクジェットプリンティングによって、特定の所望の空間装置を生成するように被覆され、カバー層90及び光導波路80が結合されるように、接着剤94は、溝内に流入されず、開放領域91が保存される。図1OCの他の図示した実施形態によれば、突出している構造98は、溝82aに直ぐに隣接していると共に溝82aと離間しているUVエンボス加工されている領域であることができ、積層工程の間に接着材が溝に入るのを防止し、開放領域91を保存する。図1OB及び図1OCで示されている特定の実施形態によれば、開放領域91は、溝82aからカバー層90の下面にまでに延在している。
【0082】
他の実施形態(図示せず)によれば、ターニング微細構造は、図9Cに示すようにバイナリの格子から成ることができるが、バイナリの格子が充填されている。フッ素樹脂(fluoroplastic)、エアロゲル(aerogel)、ゾル‐ゲル(sol-gel)等の低屈折率材料を回折する領域にインクジェットプリンティングによって、そして、光導波路と低屈折率コーティング材料との間の屈折率の違いを一定に保つことによって、回折効率は、増加できるか又は、最適化できる。
【0083】
幾つかの実施形態によるターニング微細構造は、図11に示される方法により形成されることができる。最初に、例えばフォトレジストの溶解性層97を、光導波路80の第1側面上に形成できる。その後、複数の溝又は凹部82aは、溶解性層97によって、光導波路80の第1側面内に形成されることができる。材料が凹部82aを充填すると共に溝82a間の領域82bにおける溶解性層97の上に位置するように、反射材料99が、溶解性層97及び光導波路80上に形成されることができる。幾つかの実施形態によれば、反射材料99は、アルミニウム、銀又は他の金属の層でありえる。幾つかの実施形態によれば、反射材料99の厚さは、少なくとも50ナノメートルである。他の実施形態によれば、反射材料99の厚さは、少なくとも100ナノメートルである。次に、溶解性層97は除去されて、その上にわたって位置する金属も溝82a間の領域82bにおいてリフトオフされる。幾つかの実施形態によれば、溝82aは、反射材料99で覆われ又は部分的にだけ充填される。すなわち、反射材料99は、反射を提供するために、溝82aを完全に充填する必要はない。従って、上に横たわっている接着材は、エラストメリックであるか弾性力をもって変形可能な材料である必要はない。図11の最後のブロックに示すように、反射材料99の輪郭上の溝の中の空間は、上に横たわっている中間層94からある材料で充填され得る。例示の実施形態によれば、反射材料99上の空間は、反射が溝の反射材料輪郭から保護されるので、開いている必要はない。このために、他の実施形態によれば、溝の中の空間は、反射材料99で完全に充填され得る。他の実施形態によれば、溝82aは、反射材料99で覆われるか、又は部分的に充填されることができる。その後、追加的な平坦化行程が、微細構造を形成するために、行われることができ、溝82aが反射材料99(図示せず)で完全に充填される。
【0084】
様々なバリエーションは、可能である。フィルム、層、構成要素及び/又は要素は、加えられることができて、取り外されることができるか、またを、再配置できる。加えて、処理ステップは、加えられること、削除されること、又は、再び整理されることができる。また。用語「フィルム」及び「層」が、本願明細書において、用いられているが、本明細書で用いられるこのような用語は、フィルム積層体及び多層フィルムを含むことができる。この種のフィルム・スタック及び多層フィルムは、接着剤を使用することで、他の構造に付着されることができ、堆積、又は、他の方法で他の構造の上に形成されることができる。
【0085】
さらに、本発明は、特定の好ましい実施形態及び実施形態の文脈において、開示されているが、本発明は、特に開示された実施形態を越えて他の別の実施形態及び/又は本発明の明らかな変更態様及び等価物の使用にまで広がることが、当業者により理解される。加えて、本発明のいくつかのバリエーションは、詳細に図と共に記載された。本発明の範囲内である他の変更態様は、この開示に基づく当業者にとって、直ちに明らかである。特性のさまざまな組合せ又は特定特徴の下位組合せ、そして、実施形態の態様は、本発明の範囲内になることができる。開示発明の様々なモードを形成するために、開示された実施形態のそのさまざまな特徴及び態様が互いと結合されることができるか又は、置換できることを理解されたい。本願明細書において、開示される本発明の範囲は、上記の特定の開示された実施形態によって、制限されてはならず、特許請求の範囲のみにより決定されることが意図されている。
【符号の説明】
【0086】
80・・・光導波路
80a・・・第1側面
80b・・・第2側面
81・・・ディスプレイ素子
82・・・ターニング微細構造
90・・・カバー層
94・・・中間層
99・・・反射材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を受光するための第1端部を有すると共にその長さに沿って光の伝播をサポートするように構成された光導波路と、
前記光導波路の第1側面上に配置されていると共に前記第1側面上に入射する光の方向を変更させて前記光導波路の前記第1側面に対向する第2側面へ該光を導くように構成され、且つ複数の凹部を備えるターニング微細構造と、
前記光導波路に物理的に結合すると共に前記ターニング微細構造上に配置されたカバーと、
前記カバーを前記光導波路に物理的に結合すると共に前記カバーと前記光導波路との間に位置する中間層と、
前記中間層と前記複数の凹部との間の複数の開放領域と、
を備え、
前記光導波路は、第1の屈折率を有し、
前記中間層は、第2の屈折率を有し、
前記第2の屈折率は、前記第1の屈折率より低い、照明装置。
【請求項2】
前記複数の凹部は、複数のV形溝を備え、
前記開放領域は、実質的に三角形断面を備える、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記複数の凹部は、複数の溝を備え、
前記開放領域は、実質的に台形の断面を備える、請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記ターニング微細構造は、回折格子を備える、請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記カバーの厚さは、約10ミクロン〜約300ミクロンの範囲内である、請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記中間層は、前記光導波路の前記第1側面の約90%以上の表面積と接触する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
前記複数の開放領域は、前記中間層と前記ターニング微細構造との間に保持されている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
前記光導波路は、基板を備え、
前記ターニング微細構造は、前記基板上に直接形成されている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項9】
前記光導波路は、基板とターニングフィルムとを備え、
前記ターニング微細構造は、前記ターニングフィルムの上に形成されている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項10】
前記中間層の厚さは、前記ターニング微細構造の凹部の高さより少ない、請求項1に記載の照明装置。
【請求項11】
前記中間層は、約200℃未満のガラス転移点を有する硬化ポリマー材料を含む、請求項1に記載の照明装置。
【請求項12】
前記中間層は、約0℃未満のガラス転移点を有する硬化ポリマー材料料を含む、請求項1に記載の照明装置。
【請求項13】
前記中間層は、約35dynes/cm未満の表面エネルギーを有する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項14】
前記中間層は、エラストマー材料を含む、請求項1に記載の照明装置。
【請求項15】
前記中間層は、シロキサン・バックボーンを含む、請求項14に記載の照明装置。
【請求項16】
前記中間層は、架橋剤を含む、請求項14に記載の照明装置。
【請求項17】
前記カバーは、グレア防止膜、静電気防止フィルム、防汚フィルム、カラーフィルタ又はタッチパネルを更に備える、請求項1に記載の照明装置。
【請求項18】
前記光導波路の前記第2側面と前記複数のディスプレイ素子との間に低い屈折率を有する光学層を更に備える、請求項1に記載の照明装置。
【請求項19】
前記開放領域は、空気で充填されている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項20】
光を受光するための第1端部を有すると共にその長さに沿って光の伝播をサポートするように構成された光導波路と、
前記光導波路の第1側面上に配置されていると共に前記第1側面上に入射する光の方向を変更させて前記光導波路の前記第1側面に対向する第2側面へ該光を導くように構成され、且つ複数の凹部を備えるターニング微細構造と、
光導波路に物理的に結合すると共に前記ターニング微細構造上に配置されているカバーと、
前記カバーを前記光導波路に物理的に結合すると共に前記カバーと前記光導波路との間に位置する中間層と、
前記中間層と、前記中間層と異なる材料を少なくとも部分的に含む前記複数の凹部との間の複数の領域と、を備える、照明装置。
【請求項21】
前記光導波路は、第1の屈折率を有し、
前記中間層は、第2の屈折率を有し、
前記第2の屈折率は、前記第1の屈折率より低い、請求項20に記載の照明装置。
【請求項22】
前記複数の領域は、前記複数の凹部の表面に沿って並ぶ反射性材料を備える、請求項20に記載の照明装置。
【請求項23】
前記反射性材料の厚さは、少なくとも50ナノメートルである、請求項22に記載の照明装置。
【請求項24】
前記反射性材料の厚さは、少なくとも100ナノメートルである、請求項22に記載の照明装置。
【請求項25】
前記中間層は、前記複数の凹部内の前記反射性材料と接触する、請求項20に記載の照明装置。
【請求項26】
前記反射性材料は、前記複数の領域を充填する、請求項20に記載の照明装置。
【請求項27】
前記複数の領域は、空気に実質的に近い屈折率を有する材料を含む、請求項20に記載の照明装置。
【請求項28】
前記複数の領域は、実質的に多孔性材料を含む、請求項27に記載の照明装置。
【請求項29】
前記中間層は、前記複数の領域上には延在しておらず、
前記複数の領域の前記材料は、前記カバーと接触する、請求項20に記載の照明装置。
【請求項30】
前記複数の領域を前記中間層から切り離す複数のバリアを更に備える、請求項20に記載の照明装置。
【請求項31】
光を受光するための第1端部を有すると共にその長さ方向に沿って光の伝播をサポートするように構成された光導波路と、
前記光導波路の第1側面上に配置されていると共に前記第1側面上に入射する光の方向を変更させて前記光導波路の前記第1側面に対向する第2側面へ該光を導くように構成され、且つ複数の凹部を備えるターニング微細構造と、
前記光導波路に物理的に結合すると共に前記ターニング微細構造上に配置されているカバーと、
前記カバーと前記複数の凹部との間の複数の開放領域と、
を備え、
前記光導波路は、第1の屈折率を有し、
前記カバーは、第2の屈折率を有し、
前記第2の屈折率は、前記第1の屈折率より低い、照明装置。
【請求項32】
前記複数の凹部は、複数のV形溝を備え、
前記開放領域は、実質的に三角形断面を備える、請求項31に記載の照明装置。
【請求項33】
前記複数の凹部は、複数の溝を備え、
前記開放領域は、実質的に台形の断面を備える、請求項31に記載の照明装置。
【請求項34】
前記ターニング微細構造は、回折格子を備える、請求項31に記載の照明装置。
【請求項35】
前記カバーは、前記光導波路の前記第1側面の約90%以上の表面積と接触する、請求項31に記載の照明装置。
【請求項36】
光を受光するための第1端部を有すると共にその長さ方向に沿って光の伝播をサポートするように構成された光導波路であって、該光導波路の第1側面に配置されていると共に前記第1側面上に入射する光の方向を変更させて前記光導波路の前記第1側面に対向する第2側面へ該光を導くように構成され、且つ複数の凹部を備えるターニング微細構造を有する光導波路を形成する段階と、
前記ターニング微細構造上に配置されるカバーを形成する段階と、
中間層によって前記カバーを前記光導波路に物理的に結合して、複数の開放領域を前記中間層と前記複数の凹部の間に位置させる段階と、
を備え、
前記光導波路は、第1の屈折率を有し、
前記中間層は、第2の屈折率を有し、
前記第2の屈折率は、前記第1の屈折率より低い、照明装置の製造方法。
【請求項37】
前記中間層が約35dynes/cm未満の表面エネルギーを有する、請求項36に記載の照明装置の製造方法。
【請求項38】
前記中間層がエラストマー材料を含む、請求項36に記載の照明装置の製造方法。
【請求項39】
前記中間層の厚さは、前記ターニング微細構造内の凹部の高さの約1/10である、請求項36に記載の照明装置の製造方法。
【請求項40】
前記中間層は、約200℃未満のガラス転移点を有する硬化ポリマー材料を含む、請求項36に記載の照明装置の製造方法。
【請求項41】
前記中間層は、約0℃未満のガラス転移点を有する硬化ポリマー材料を含む、請求項36に記載の照明装置の製造方法。
【請求項42】
前記複数の凹部を形成する段階は、複数の三角形溝を形成する工程を備える、請求項36に記載の照明装置の製造方法。
【請求項43】
前記複数の凹部を形成する段階は、複数の台形の溝を形成する工程を備える、請求項36に記載の照明装置の製造方法。
【請求項44】
前記複数の凹部を形成する段階は、回折格子を形成する工程を備える、請求項36に記載の照明装置の製造方法。
【請求項45】
光を受光するための第1端部を有すると共にその長さに沿って光の伝播をサポートするように構成された光導波路であって、該光導波路の第1側面に配置されていると共に前記第1側面上に入射する光の方向を変更させて前記光導波路の前記第1側面に対向する第2側面へ該光を導くように構成され、且つ複数の凹部を備えるターニング微細構造を有する光導波路を形成する段階と、
前記ターニング微細構造上に配置されるカバーを形成する段階と、
中間層によって前記カバーを前記光導波路に物理的に結合して、前記中間層と前記複数の凹部の間に位置する複数の開放領域が前記中間層と異なる材料を備えるようにする段階と、を備える、照明装置の製造方法。
【請求項46】
前記ターニング微細構造が、
前記光導波路の前記第1側面上に溶解性層を形成する段階と、
前記溶解性層及び前記光導波路を通る前記複数の凹部を形成する段階と、
前記光導波路上に所定の材料を堆積させて、前記複数の凹部に少なくとも部分的に前記材料を充填させる段階と、
前記溶解性層を除去する段階と、
を備える方法によって形成される、請求項45に記載の照明装置の製造方法。
【請求項47】
前記溶解性層がフォトレジストを含む、請求項46に記載の照明装置の製造方法。
【請求項48】
前記光導波路は、第1の屈折率を有し、
前記中間層は、第2の屈折率を有し、
前記第2の屈折率は、前記第1の屈折率より低い、請求項45に記載の照明装置の製造方法。
【請求項49】
前記材料が金属性材料を含む、請求項45に記載の照明装置の製造方法。
【請求項50】
前記領域にフッ素樹脂材を充填する段階をさらに備える、請求項45に記載の照明装置の製造方法。
【請求項51】
前記領域にエアロゲル前駆体材料を充填する、請求項45に記載の照明装置の製造方法。
【請求項52】
前記領域にゾル‐ゲル材料を充填する、請求項45に記載の照明装置の製造方法。
【請求項53】
光を受光するための第1端部を有すると共にその長さ方向に沿って光の伝播をサポートするように構成された光導波路であって、該光導波路の第1側面上に配置されていると共に前記第1側面上に入射する光の方向を変更させて前記光導波路の前記第1側面に対向する第2側面へ光を導くように構成され、且つ複数の凹部を備えるターニング微細構造を有する光導波路を形成する段階と、
カバーを前記光導波路に物理的に結合する段階であって、前記カバーが前記ターニング微細構造上に配置される段階と、
を備え、
前記光導波路は、第1の屈折率を有し、
前記カバーは、第2の屈折率を有し、
前記第2の屈折率は、前記第1の屈折率より低い、照明装置の製造方法。
【請求項54】
前記ターニング微細構造が、架橋ポリマーを含む光導波路の上に形成されており、
前記カバーは、ポリマー材料を含み、
前記光導波路に物理的に結合するカバーを形成する段階が、
前記カバーの一部分を前記凹部間の領域における前記光導波路に拡散させる工程を備える、請求項53に記載の照明装置の製造方法。
【請求項55】
前記カバーを前記光導波路に物理的に結合する段階が、
前記光導波路と対向する前記カバーの表面を溶媒でコーティングする工程であって、前記カバー及び前記光導波路は、前記溶媒に溶解可能である工程と、
前記光導波路上に前記溶媒を有する前記カバーを配置させる工程と、
を備える、請求項53に記載の照明装置の製造方法。
【請求項56】
前記複数の凹部の間の領域において、前記カバーと前記光導波路との間の交互拡散を得るために前記カバーに圧力及び熱を印加する段階を更に備える、請求項53に記載の照明装置の製造方法。
【請求項57】
前記光導波路に物理的に結合するカバーを形成する段階が、
前記光導波路と対向する前記カバーの表面を酸化させる工程を備える、請求項53に記載の照明装置の製造方法。
【請求項58】
光を受光するための第1端部を有すると共にその長さに沿って光の伝播をサポートするように構成された光導波手段と、
前記光導波手段の第1側面上に配置されていると共に前記第1側面上に入射する光の方向を変更させて前記光導波手段の前記第1側面に対向する第2側面へ該光を導くように構成され、且つ複数の光反射手段を備える光方向変更手段と、
前記光導波手段に物理的に結合されると共に、前記光方向変更手段上に配置された、カバー手段と、
前記カバー手段を前記光導波手段に物理的に結合させて、前記カバー手段と前記光導波手段とを物理的に結合させる結合手段と、
前記結合手段と前記複数の光反射手段との間の複数の開放領域と、
を備え、
前記光導波手段は、第1の屈折率を有し、
前記結合手段は、第2の屈折率を有し、
前記第2の屈折率は、前記第1の屈折率より低い、照明装置。
【請求項59】
前記光導波手段は、光導波路を備え、又は
前記光方向変更手段はターニング微細構造を備え、又は
前記カバー手段は、カバーを備え、又は
前記結合手段は、中間層を備え、又は
前記光反射手段は、凹部を備える、請求項58に記載の照明装置。
【請求項60】
光を受光するための第1端部を有すると共にその長さに沿って光の伝播をサポートするように構成された光導波手段と、
前記光導波手段の第1側面上に配置されていると共に前記第1側面上に入射する光の方向を変更させて前記光導波手段の前記第1側面に対向する第2側面へ該光を導くように構成され、且つ複数の光反射手段を備える、光方向変更手段と、
前記光導波手段に物理的に結合されていると共に、前記光方向変更手段上に配置された、カバー手段と、
前記カバー手段を前記光導波手段に物理的に結合させて、前記カバー手段と前記光導波手段とを物理的に結合させる結合手段と、
前記結合手段と前記結合手段と異なる材料を少なくとも部分的に含む前記複数の光反射手段との間の複数の開放領域と、を備える、照明装置。
【請求項61】
前記光導波手段は、光導波路を備え、又は
前記光方向変更手段は、ターニング微細構造を備え、又は
前記カバー手段は、カバーを備え、又は
前記結合手段は、中間層を備え、又は
前記光反射手段は、凹部を備える、請求項60に記載の照明装置。
【請求項62】
光を受光するための第1端部を有すると共にその長さ方向に沿って光の伝播をサポートするように構成された光導波手段と、
前記光導波手段の第1側面に配置されていると共に前記第1側面上に入射する光の方向を変更させて前記光導波手段の前記第1側面に対向する第2側面へ該光を導くように構成され、且つ複数の光反射手段を備える光方向変更手段と、
前記光導波手段に物理的に結合すると共に前記光方向変更手段上に配置されているカバー手段と、
前記カバー手段と前記複数の光反射手段との間の複数の開放領域と、
を備え、
前記光導波手段は、第1の屈折率を有し、
前記カバー手段は、第2の屈折率を有し、
前記第2の屈折率は、前記第1の屈折率より低い、照明装置。
【請求項63】
前記光導波手段は、光導波路を備え、又は
前記光方向変更手段は、ターニング微細構造を備え、又は
前記カバー手段は、カバーを備え、又は
前記光反射手段は、凹部を備える、請求項62に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【公表番号】特表2011−526050(P2011−526050A)
【公表日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511757(P2011−511757)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/045186
【国際公開番号】WO2009/154957
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(508095337)クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (133)
【Fターム(参考)】