説明

タービン制御装置

【課題】原子力発電プラントのタービン制御装置において、負荷要求信号の変動や、再循環流量制御自動信号のオン/オフ切り替えに伴う変動を抑制することで、系統に対する影響を抑制できる、圧力設定点変更回路を備えたタービン制御装置を提供する。
【解決手段】入力信号に一次遅れ要素を持つインパルス応答特性を与え、再循環流量制御自動信号が”オフ”の場合にはその出力を”0“に切り替えて出力する前段関数演算部2と、再循環流量制御自動信号が”オン“の場合は前段関数演算部2の出力に、”オフ“の場合は”0“に切り替えて出力する切替回路3と、入力信号に一次遅れ要素を持つインディシャル応答特性を与えて出力する後段関数演算部4とを直列に構成する圧力設定点変更回路1をタービン制御装置10に備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力発電プラントにおいて、タービン速度、及び負荷設定値から得られる負荷要求信号により、原子炉で発生した蒸気の圧力信号を自動的に調整するタービン制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電プラントにおける発電出力の調整は、主に原子炉出力を調整する再循環流量制御と、タービンに供給する蒸気量を制御することにより発電機の出力を制御するタービン制御とにより行っている。また、原子力発電プラントでは、通常運転中においては、原子炉圧力として所定の圧力を設定し、この所定圧力を保つように原子炉で発生した蒸気の圧力を制御する。
【0003】
図2は、原子力発電プラントにおける蒸気タービン制御系統を示す系統図である。図2を参照して蒸気タービン制御系統の動作を説明する。
【0004】
原子炉11で発生した蒸気は、主蒸気止め弁12を通り、蒸気加減弁13にて流量を制御され、高圧タービン17に流入する。そして、中間蒸気止め弁14、インターセプト弁15を通り、低圧タービン18にてタービンに作用した後、復水器20にて復水され、原子炉11に戻り、回収される。
【0005】
次に、タービン制御装置10の動作を説明する。タービン制御装置には、原子炉圧力を制御する圧力制御系と、タービン速度を制御する速度制御系の2つがある。圧力制御系6は、主蒸気圧力検出器21で検出した、原子炉11で発生する蒸気の圧力である圧力信号S6を入力し、入力した圧力信号S6を基に原子炉11で発生した蒸気流量である全蒸気流量信号S7を算出する。また、速度制御系7は、速度検出器22で検出したタービン速度S9を入力し、速度要求信号S10を算出する。更に、負荷設定8により設定された負荷設定信号S11と前記速度要求信号S10を加算し、負荷要求信号S5を生成する。
【0006】
前記全蒸気流量信号S7と前記負荷要求信号S5は、低値選択回路9で比較され、値の低い信号が開度要求指令S12として出力される。開度要求指令S12は、蒸気加減弁13の開度を調節し、タービンに流入する蒸気流量を制御する。
【0007】
一方、タービン制御装置10は、負荷要求信号S5と全蒸気流量信号S7との偏差である負荷要求偏差信号S8を、再循環流量制御装置23に出力する。
【0008】
次に、再循環流量制御装置23の動作を説明する。再循環流量制御装置23には、タービン制御装置10から出力される負荷要求偏差信号S8で再循環流量ポンプ24を制御する“自動”運転モードと、再循環流量制御装置23内に予め設定した値で再循環流量ポンプ24を制御する“手動”運転モードがある。再循環流量制御装置23は、“自動”運転モードの時、前記負荷要求偏差信号S8を取り込み、それに従って再循環流量ポンプ24を駆動してポンプの回転数を変更することで、原子炉再循環流量を増減させて原子炉11の出力を制御する。通常、“自動”運転モード時は、負荷要求偏差信号S8が“0”になるように再循環流量ポンプを制御している。従って、全蒸気流量信号S7又は負荷要求信号S5に何らかの変動が発生すると、結果として負荷要求偏差が生じ、再循環流量制御装置23では、その変動を抑える方向に再循環流量ポンプを駆動する。一方、“手動”運転モードの時は、前記負荷要求偏差信号S8は用いず、再循環流量制御装置23が単独で再循環流量ポンプ24の回転数を変更することで、原子炉11の出力を制御する。
【0009】
ここで、前記再循環流量制御装置23が“自動”運転モードの時は、系統周波数、及び負荷の変動に対してタービン出力、及び原子炉出力を高速に応答させるために、再循環流量制御自動信号S4の“オン”信号をタービン制御装置10に送り、圧力設定点変更回路1を機能させる。
【0010】
圧力設定点変更回路1は、前記負荷要求信号S5を入力して遅れ特性を持つ圧力設定点変更信号S3を算出し、圧力信号S6に加算して圧力制御系6へ入力する。また、圧力設定点変更信号S3は、フィードフォワード回路5を経て、負荷要求偏差信号S8に加算する。このように、圧力信号S6が変化することにより、前記蒸気加減弁13の開度要求指令S12が変化し、タービンに流入する蒸気流量が制御され、タービンは高速に応答する。また、負荷要求偏差信号S8が変化することにより、前記再循環流量制御装置23により原子炉再循環流量が制御され、原子炉11は高速に応答する。
【0011】
図9に従来の圧力設定点変更回路の構成を示す。圧力設定点変更回路1は、圧力設定点変更関数演算部31と切替回路3で構成する。圧力設定点変更関数演算部31で演算される圧力設定点変更関数は、図9のブロック内に示す伝達関数で表され、負荷要求信号S5を入力して演算し、圧力設定点変更関数出力信号S13を算出する。切替回路3は、再循環流量制御装置23が“自動”運転モードの時、すなわち再循環流量制御自動信号S4が“オン”の時は、圧力設定点変更信号S3として圧力設定点変更関数出力信号S13の値を出力し、再循環流量制御自動信号S4が“オフ”の時は圧力設定点変更信号S3として “0”を出力するように切り替える。
【0012】
特許文献1には、蒸気加減弁の開度を検出して得られる蒸気加減弁開度信号と、蒸気加減弁における蒸気流量を検出して得られる蒸気流量信号から、蒸気加減弁の開度と蒸気流量の関係の非線形性を補正する補正量を生成し、蒸気加減弁開度調整信号に加算することにより、安定した運転を行えるようにした原子炉の圧力制御装置の例についての開示がある。
【特許文献1】特開2005−189016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来の圧力設定点変更回路の構成では、圧力設定点変更関数演算部が負荷要求信号の変動に応じて常時演算を実行しているため、圧力設定点変更関数の演算途中に再循環流量制御自動信号が“オン”になると、圧力設定点変更関数演算部の後ろに設置してある切替回路は、演算途中である圧力設定点変更関数出力信号を圧力設定点変更信号として出力し、圧力信号及び負荷要求偏差信号に加算するため、系統に対して外乱となる可能性がある。
【0014】
また、圧力設定点変更関数の演算途中に再循環流量制御自動信号が”オフ“になると、切替回路は出力を”0“に切り替えるため、圧力信号及び負荷要求偏差信号はステップ的に負の方向に変化する。従って、そのステップ的な変化が系統に対して外乱となる可能性がある。
【0015】
本発明の目的は、原子力発電プラントのタービン制御装置において、負荷要求信号の急な変動や、再循環流量制御自動信号のオン/オフ切り替えに伴う圧力設定点変更信号の変動を抑制することで、系統に対する影響を抑制できる、圧力設定点変更回路を備えたタービン制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明による圧力設定点変更回路は、入力信号に一次遅れ要素を持つインパルス応答特性を与え、再循環流量制御自動信号が”オフ”の場合にはその出力を”0“に切り替えて出力する前段関数演算部と、再循環流量制御自動信号が”オン“の場合は前段関数演算部の出力に、”オフ“の場合は”0“に切り替えて出力する切替回路と、入力信号に一次遅れ要素を持つインディシャル応答特性を与えて出力する後段関数演算部とを直列に構成する。ここで、インパルス応答特性を表すグラフを図7に、インディシャル応答特性を表すグラフを図8に示す。
【0017】
このように構成することで、再循環流量制御装置の運転モードの変更時において、圧力設定点変更回路の出力信号の変動を抑制することができ、系統に対して外乱を与えることを避けることが可能になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、前段関数演算部は、再循環流量制御自動信号が“オン”となってから負荷要求信号の変動に応じて演算値を出力するため、圧力設定点変更信号は、“オン”となる前の負荷要求信号の変動による影響を受けない。従って、再循環流量制御自動信号が“オン”となる時の系統に対する外乱をなくすことができる。また、後段関数の特性により、圧力設定点変更信号は常に一次遅れ要素を持つため、再循環流量制御自動信号が“オフ”となる場合にも、圧力設定点変更信号は、ステップ的な変化をしない。従って、系統に対する外乱としての影響を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態を、図1〜図8を参照して説明する。この図1〜図8において、背景技術の欄で説明した図9に対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0020】
図1に、本例による圧力設定点変更回路1の構成例を示す。本例では、前段関数演算部2と、切替回路3と、後段関数演算部4を直列に構成する。図1において、圧力設定点変更回路1へは、速度制御系7から出力される速度要求信号S10に、負荷設定8により設定された負荷設定信号S11を加算した負荷要求信号S5と、再循環流量制御装置23から出力される再循環流量制御自動信号S4の2つの信号を入力する。圧力設定点変更回路1は、これらの入力信号を基に圧力設定点変更信号S3を算出し、圧力信号S6に加算して圧力制御系6へ受け渡す。圧力制御系6では、入力された圧力信号S6を基に原子炉で発生した蒸気の流量である全蒸気流量信号S7を算出し、前記負荷要求信号S5と比較して値の低い信号が開度要求指令S12として蒸気加減弁13の開度を制御し、タービンに流入する蒸気量を調整する。また同時に、圧力設定点変更回路1にて算出した圧力設定点変更信号S3は、フィードフォワード回路5に渡されて演算された後、負荷要求偏差信号S8に加算し、再循環流量制御装置23へ受け渡す。再循環流量制御装置23が“自動”運転モードの時は、入力された負荷要求偏差信号S8に従って再循環流量ポンプ24を制御し、原子炉11の出力を制御する。フィードフォワード回路5は、図1に示すように、[K(1+T4S)]/(1+T3S)の演算を行う。
【0021】
次に、本例の圧力設定点変更回路1を構成する前段関数演算部2について説明する。前段関数演算部2で演算される前段関数は、図1のブロック内に示すように伝達関数1−[1/(1+T1S)]で表され、負荷要求信号S5を入力して一次遅れ要素を持つインパルス応答特性を与え、その演算結果を前段関数出力信号S1として出力する。また、前段関数演算部2は、再循環流量制御自動信号S4を取り込み、再循環流量制御自動信号S4が”オン”の時は、前段関数出力信号S1として前段関数演算部2の演算値を出力し、再循環流量制御自動信号S4が“オフ”の時は、前段関数出力信号S1として“0”を出力するよう切り替える。
【0022】
次に、切替回路3について説明する。切替回路3は、前段関数演算部2から前段関数出力信号S1を入力し、再循環流量制御自動信号S4のオン/オフに応じて出力を切り替える。再循環流量制御自動信号S4が”オン”の時は、切替回路出力信号S2として前段関数演算部2から入力した前段関数出力信号S1を出力し、再循環流量制御自動信号S4が“オフ”の時は、切替回路出力信号S2として“0”を出力するよう切り替える。
【0023】
次に、後段関数演算部4について説明する。後段関数演算部4で演算される後段関数は、図1のブロック内に示すように伝達関数K/(1+T2S)で表され、切替回路3から切替回路出力信号S2を入力し、一次遅れ要素を持つインディシャル応答特性を与え、その演算結果を圧力設定点変更信号S3として出力する。ここで、インパルス応答特性を表すグラフを図7に、インディシャル応答特性を表すグラフを図8に示す。
【0024】
図3に、再循環流量制御自動信号S4が“オフ”から“オン”になった場合の、本例の圧力設定点変更回路による信号出力例を示す。ここでは、ステップ状に増加する負荷要求信号S5が本例の圧力設定点変更回路1に入力された場合の、負荷要求偏差信号S8、圧力設定点変更信号S3、切替回路出力信号S2、前段関数出力信号S1の状態を示す。tは負荷要求信号S5がステップ状に変化した時点、tは再循環流量制御自動信号S4が“オフ”から“オン”となった時点、tは再び負荷要求信号S5がステップ状に変化した時点を表す。なお、負荷要求信号S5はアナログ値であり、再循環流量制御自動信号S4は、オン/オフを表す。
【0025】
本例では、前段関数演算部2は、tで再循環流量制御自動信号S4が“オン”となるまでは、前段関数出力信号S1として“0”を出力する。そのため、tにおける負荷要求信号S5の変化に関しては、演算処理をしない。前段関数演算部2は、tで再循環流量制御自動信号S4が“オン”となった後出力を切り替え、その後、tで負荷要求信号S5が変化すると、その変化に応じた値を取り込んで演算し、その演算結果を前段関数出力信号S1として出力する。
【0026】
切替回路3は、tで再循環流量制御自動信号S4が“オン”となるまでは、切替回路出力信号S2として“0”を出力し、tでその出力を前段関数演算部2の演算値に切り替える。そのため、t以降は、切替回路出力信号S2は、前段関数出力信号S1と同値となる。
【0027】
後段関数演算部4は、切替回路出力信号S2に応じて演算を実行し、圧力設定点変更信号S3として出力する。図3に示すように、切替回路出力信号S2がtで発生した負荷要求信号S5のステップ状の変化に対して垂直に立ち上がっているのに対し、後段関数演算部4での演算により、一次遅れ要素を持つインディシャル応答特性を与えて出力する圧力設定点変更信号S3は、なだらかに増加している。
【0028】
また、負荷要求偏差信号S8は、負荷要求信号S5と圧力信号から算出された全蒸気流量信号S7との偏差であるが、ここに圧力設定点変更信号S3をフィードフォワード回路5に入力して演算した値を加算する。tで再循環流量制御自動信号S4が“オン”になる、つまり、再循環流量制御装置23が“自動”運転モードになると、この負荷要求偏差信号S8を基に再循環流量ポンプ24を制御する。
【0029】
図4は、図3と同じ条件下での従来の圧力設定点変更回路の構成による、再循環流量制御自動信号S4が“オフ”から“オン”になった場合の信号出力例を示す。ここでは、負荷要求偏差信号S8、圧力設定点変更信号S3、圧力設定点変更関数出力信号S13の状態を示す。
【0030】
従来は、圧力設定点変更関数演算部31(図9)が負荷要求信号S5の変動に応じて常時演算を実行しているため、tにおける負荷要求信号S5の変動に対しても演算を実行し、圧力設定点変更関数出力信号S13の値も変化する。
【0031】
切替回路3は、tで再循環流量制御自動信号S4が“オン”になると、出力を“0”から圧力設定点変更関数出力信号S13に切り替える。そのため、切替回路3の出力である圧力設定点変更信号S3は、tで圧力設定点変更関数演算部31が演算途中であると、“0”から演算中の値にステップ的に変化した値となって出力される。その結果、圧力設定点変更信号S3の影響を受けて、負荷要求偏差信号S8も変化する。
【0032】
また、従来の圧力設定点変更関数演算部31は、tにおける負荷要求信号S5の変動に対しても演算を行うため、圧力設定点変更信号S3として、tにおける演算結果の影響も含み、更に大きく変動して出力する。結果として、圧力設定点変更信号S3の影響を受けた負荷要求偏差信号S8の値が増減する、不安定な制御となる。従って、これが系統に対する外乱となる場合が生じていた。
【0033】
図5は、本例の圧力設定点変更回路による他の信号出力例を示す。ここでは、ステップ状に増加する負荷要求信号S5が本例の圧力設定点変更回路1に入力された後、再循環流量制御自動信号S4が“オン”から“オフ”になった場合の負荷要求偏差信号S8、圧力設定点変更信号S3、切替回路出力信号S2、前段関数出力信号S1の状態を示す。tは負荷要求信号S5がステップ状に変化した時点、tは再循環流量制御自動信号S4が“オン”から“オフ”となった時点を表す。
【0034】
で負荷要求信号S5がステップ状に変化したのを受け、前段関数演算部2がその変化に応じた値を取り込んで演算を行い、その演算結果である前段関数出力信号S1が切替回路出力信号S2となる。その切替回路出力信号S2を基に後段関数演算部4が演算を行い、一次遅れ特性を表す圧力設定点変更信号S3が出力される。
【0035】
で再循環流量制御自動信号S4が“オフ”となると、前段関数出力信号S1と切替回路出力信号S2は”0“となる。この切替回路出力信号S2のステップ的な変化に対して、後段関数演算部4は一次遅れ特性を持つ圧力設定点変更信号S3を演算し出力するため、信号のステップ的な変化は抑制される。更に、圧力設定点変更信号S3が作用する負荷要求偏差信号S8も一時遅れ特性を表すため、系統に対する影響も抑制される。
【0036】
図6は、図5と同じ条件下での従来の圧力設定点変更回路の構成による、再循環流量制御自動信号S4が“オン”から“オフ”になった場合の信号出力例を示す。ここでは、負荷要求偏差信号S8、圧力設定点変更信号S3、圧力設定点変更関数出力信号S13の状態を示す。
【0037】
で再循環流量制御自動信号S4が“オフ”となると、切替回路3が出力を切り替え、圧力設定点変更信号S3は“0”となる。このため、圧力設定点変更信号S3の影響を受けて、圧力信号S6、負荷要求偏差信号S8もステップ的に変化するため、結果的に原子炉出力を急峻に変化させることになり、系統にも影響を与えることとなる。
【0038】
上記説明したように、本例の圧力設定点変更回路では、負荷要求信号のステップ的な変化や、再循環流量制御自動信号のオン/オフ切り替えに伴う圧力設定点変更信号の変動を抑制し、安定した運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施の形態による圧力設定点変更回路の構成例を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態によるタービン制御系統例を示す系統図である。
【図3】本発明の一実施の形態による信号出力例(1)を示す説明図である。
【図4】従来の一実施の形態による信号出力例(2)を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態による信号出力例(3)を示す説明図である。
【図6】従来の一実施の形態による信号出力例(4)を示す説明図である。
【図7】インパルス応答特性を説明するための特性図である。
【図8】インディシャル応答特性を説明するための特性図である。
【図9】従来の圧力設定点変更回路の構成例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0040】
1…圧力設定点変更回路、2…前段関数演算部、3…切替回路、4…後段関数演算部、5…フィードフォワード回路、6…圧力制御系、7…速度制御系、8…負荷設定、9…低値選択回路、10…タービン制御装置、11…原子炉、12…主蒸気止め弁、13…蒸気加減弁、14…中間蒸気止め弁、15…インターセプト弁、16…タービンバイパス弁、17…高圧タービン、18…低圧タービン、19…発電機、20…復水器、21…主蒸気圧力検出器、22…速度検出器、23…再循環流量制御装置、24…再循環流量ポンプ、31…圧力設定点変更関数演算部、S1…前段関数出力信号、S2…切替回路出力信号、S3…圧力設定点変更信号、S4…再循環流量制御自動信号、S5…負荷要求信号、S6…圧力信号、S7…全蒸気流量信号、S8…負荷要求偏差信号、S9…タービン速度、S10…速度要求信号、S11…負荷設定信号、S12…開度要求指令、S13…圧力設定点変更関数出力信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主蒸気圧力、タービン速度及び負荷設定値から負荷要求信号を求め、タービンへの流入蒸気流量を調節してタービン出力を制御するタービン制御装置において、
前記タービン速度及び前記負荷設定値より算出される負荷要求信号を入力し、一次遅れ要素を持つインパルス応答特性を与えて出力する前段関数演算部と、
前記前段関数演算部の出力を入力し、原子炉の再循環流量を制御する再循環流量制御装置の運転モードに応じて出力を切り替える切替回路と、
前記切替回路の出力を入力し、一次遅れ要素を持つインディシャル応答特性を与えて出力する後段関数演算部を有する、
圧力設定点変更回路を備えるタービン制御装置。
【請求項2】
請求項1記載のタービン制御装置において、
前記前段関数演算部は、前記再循環流量制御装置の運転モードに応じて出力を切り替えることを特徴とするタービン制御装置。
【請求項3】
タービン速度及び負荷設定値に基づいて関数演算部により原子炉の再循環流量を制御するタービン制御装置において、
前記原子炉の再循環流量を制御する再循環流量制御装置の自動運転モードがオフの場合は、一次遅れ要素を持つ応答特性で演算する関数演算部への入力信号を0とし、前記原子炉の再循環流量を制御する再循環流量制御装置の自動運転モードがオンに切り替わった場合は、前記タービン速度及び前記負荷設定値から算出した負荷要求信号を前記関数演算部により一次遅れ要素を持つ応答特性で演算し、圧力制御系へ出力する圧力設定点変更回路を有することを特徴とするタービン制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載のタービン制御装置において、
前記圧力設定点変更回路は、前記原子炉の再循環流量を制御する再循環流量制御装置の自動運転モードがオンからオフに切り替わった場合は、一次遅れ要素を持つ応答特性で演算する関数演算部への入力信号を前記負荷要求信号から0へ切り替え、前記入力信号に基づいて前記関数演算部により一次遅れ要素を持つ応答特性で演算し、圧力制御系へ出力することを特徴とするタービン制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−170359(P2007−170359A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−373011(P2005−373011)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】