説明

ターボチャージャ

本発明は、ハウジング(3)が設けられた圧縮機(2)と、圧縮機ハウジング(3)に固定されるバルブハウジング(6)が設けられた余剰空気バルブ(4)と、ブースト圧調整バルブ(5)と、を備えるターボチャージャ(1)に関する。前記ターボチャージャは、ブースト圧調整バルブ(5)がバルブハウジング(6)に固定され、余剰空気バルブ(4)の内部圧力チャンバ(7)に加圧式に接続されるとことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文によるターボチャージャに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なターボチャージャは、米国特許第6,205,784B1号明細書から既知である。
【0003】
前記タイプのターボチャージャでは、従来、圧力調整バルブが、3つのホースを備えた保持板を介してバルブハウジングに接続されており、従来、電気式余剰(overrun)空気再循環バルブが、ねじによってそのバルブハウジングに別個にフランジ取付けされていた。前記配置には、複雑なホース配置が必要であるとともに、部品が多数であることにより必要な組立費用が増加する。さらに、これにより、装置全体、または調整回路が故障し易くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対照的に、本発明の目的は、請求項1の前文による内燃機関用のターボチャージャであって、簡略化された設計を有し、チャージ圧力調整バルブおよび電気式余剰空気再循環バルブのより経済的な製造を可能にする、ターボチャージャを作製することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、請求項1または請求項2の特徴によって達成される。
【0006】
したがって、本発明によるターボチャージャの設計では、チャージ圧力調整バルブが、電気式余剰空気再循環バルブの上に着座し、それにより、ホース接続なしに前記バルブ装置の直接的な作動接続をもたらすことが可能である。したがって、余剰空気再循環バルブとチャージ圧力調整バルブとを接続することによりより単純なバルブ装置(すなわち、結合された余剰空気再循環バルブおよびチャージ圧力調整バルブ)を作製し、以前の設計に対して必要な部品の数を低減することが可能である。
【0007】
従属請求項は、本発明の有利な改良形態に関する。
【0008】
請求項7は、本発明によるバルブ装置を独立して有用な(marketable)物品として定義している。
【0009】
請求項8は、請求項7によるバルブ装置の有利な改良形態に関する。
【0010】
本発明のさらなる詳細、利点および特徴は、例示的な実施形態の以下の説明からかつ図面から分かるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明によるターボチャージャ装置の概略図を示す。
【図2】余剰空気再循環バルブに接続されているチャージ圧力調整バルブの断面図を示す。
【図3】組み立てられた状態の本発明によるバルブ装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明によるターボチャージャ装置1を概略的に示す。
【0013】
ターボチャージャ1は、圧縮機ハウジング3を備えた圧縮機2を有している。
【0014】
圧縮機2の圧縮機ハウジング3に、バルブハウジング6を備えた余剰空気再循環バルブ4が固定されている。余剰空気再循環バルブ4のバルブハウジング6には、チャージ圧力調整バルブ5が固定されている。チャージ圧力調整バルブ5のアクチュエータ出力8は、ホース接続9によりアクチュエータ10に接続されている。
【0015】
ターボチャージャ装置1の他の従来の部品はすべて、本発明の説明には重要でないため、ここではこれ以上詳細には示していない。
【0016】
図2は、余剰空気再循環バルブ4に接続されているチャージ圧力調整バルブ5の概略図を示す。前記図2から分かるように、アクチュエータ出力8と、電気接続のための接続プラグ12と、出力P1と、を有するチャージ圧力調整バルブ5が、余剰空気再循環バルブ4のハウジング6上に配置されている。前記配置の結果、電気式余剰空気再循環バルブ4の内部圧力チャンバ7において優勢である補償圧力P2の、チャージ圧力バルブ5への作動接続が、追加の接続要素、たとえばホース接続なしに、前記部品間に直接もたらされる。バルブを換気する役割を果たす圧力ポートP1が、バルブハウジング内を通っており、別個のラインを使用することなく圧縮機ハウジング吸気側に直接接続されていることも可能である。
【0017】
図3は、本発明によるバルブ装置11を備えた圧縮機2の図である。前記図から、チャージ圧力バルブ5に直接接続されている余剰空気再循環バルブ4と、アクチュエータ10に通じるホース接続9と、を見ることができる。
【0018】
バルブ装置11の結果、必要な部品の数が、少なくとも、関連するホースクランプを含むホースと、関連する固定ねじとともに、従来は圧縮機ハウジング3に別個に固定されていたチャージ圧力調整バルブ5用のブラケットと、の分だけ低減する。これにより、製造中の組立費用および消費時間が低減し、関連してコストが低減することになる。さらに、チャージ圧力調整バルブおよび余剰空気再循環バルブの電気接続が結合されることにより、1つの接続が形成されるという点で、さらなる節約が可能である。
【0019】
本開示を補完するために、図1〜図3の本発明の概略図を明示的に参照する。
【符号の説明】
【0020】
1 ターボチャージャ/排気ガスターボチャージャ
2 圧縮機
3 圧縮機ハウジング
4 余剰空気再循環バルブ
5 チャージ圧力調整バルブ
6 バルブハウジング
7 内部圧力チャンバ
8 アクチュエータ出力
9 ホース接続
10 アクチュエータ
11 バルブ装置
P1 圧力ポート
P2 内部圧力、余剰空気再循環バルブ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機ハウジング(3)を有する圧縮機(2)を有し、
前記圧縮機ハウジング(3)に固定されるバルブハウジング(6)を有する余剰空気再循環バルブ(4)を有し、かつ
チャージ圧力調整バルブ(5)を有する、ターボチャージャ(1)であって、
前記チャージ圧力調整バルブ(5)が、前記バルブハウジング(6)に固定され、前記余剰空気再循環バルブ(4)の前記バルブハウジング(6)の内部圧力チャンバ(7)に、圧力的に接続されることを特徴とする、ターボチャージャ。
【請求項2】
圧縮機ハウジング(3)を有する圧縮機(2)を有し、
前記圧縮機ハウジング(3)に固定されるバルブハウジング(6)を有する余剰空気再循環バルブ(4)を有し、かつ
チャージ圧力調整バルブ(5)を有する、ターボチャージャ(1)であって、
前記チャージ圧力調整バルブ(5)が、前記余剰空気再循環バルブ(4)の前記バルブハウジング(6)の内部チャンバ(7)に圧力接続されるように、前記余剰空気再循環バルブ(4)の前記バルブハウジング(6)に組み込まれることを特徴とする、ターボチャージャ。
【請求項3】
前記チャージ圧力調整バルブ(5)にアクチュエータ出力(8)が設けられることを特徴とする、請求項1または2に記載のターボチャージャ。
【請求項4】
前記アクチュエータ出力(8)が、ホース接続(9)によりアクチュエータ(10)に動作可能に接続されることを特徴とする、請求項3に記載のターボチャージャ。
【請求項5】
前記アクチュエータ出力(8)に圧力ポート(P1)が設けられることを特徴とする、請求項3または4に記載のターボチャージャ。
【請求項6】
前記圧力ポート(P1)が、前記余剰空気再循環バルブ(4)の前記バルブハウジング(6)に位置する開口により、前記圧縮機ハウジング(3)の開口に圧力的に接続されることを特徴とする、請求項5に記載のターボチャージャ。
【請求項7】
ターボチャージャ(1)のバルブ装置(11)であって、
前記ターボチャージャ(1)の圧縮機ハウジング(3)に固定されることが可能なバルブハウジング(6)を有する余剰空気再循環バルブ(4)を有し、
チャージ圧力調整バルブ(5)を有する、バルブ装置(11)において、
前記チャージ圧力調整バルブ(5)が、前記バルブハウジング(6)に固定され、前記余剰空気再循環バルブ(4)の前記バルブハウジング(6)の内部圧力チャンバ(7)に圧力的に接続されることを特徴とする、バルブ装置。
【請求項8】
前記余剰空気再循環バルブ(4)及び前記チャージ圧力調整バルブ(5)はバルブユニットとして設計されることを特徴とする、請求項7に記載のバルブ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−512480(P2010−512480A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−539621(P2009−539621)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【国際出願番号】PCT/EP2007/009191
【国際公開番号】WO2008/071252
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(500124378)ボーグワーナー・インコーポレーテッド (302)
【Fターム(参考)】