説明

ターボチャージャ

【課題】小型のアクチュエータで駆動が可能なターボチャージャを提供する。
【解決手段】ターボチャージャ1のタービンは、タービンハウジング42の内部でタービンホイール41が回転する。タービンハウジング42に固定される複数の固定ガイド56と、複数の固定ガイド56の径方向内側に環状に配置される複数の可動ガイド66とは、可変ノズル50を構成する。複数の可動ガイド66は、複数の固定ガイド56に対して周方向に回動することにより排気ガス通路83の開口面積を調節する。サイズおよび質量が比較的小さい内周側の可動ガイド66を回動させるため、アクチュエータの小型化が可能であり、アクチュエータの搭載スペースを縮小でき、また、製品重量を軽減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの過給システムに用いられるターボチャージャに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、エンジンの排気ガスの流れによってタービンホイールを回転させ、このタービンホイールにシャフトを介して連結されているコンプレッサホイールを回転させることにより、吸気通路内の空気を燃焼室に過給し、エンジン出力を向上させるターボチャージャが知られている。その中で、排気ガス通路の幅などを可変とする可変ノズルは、タービンホイールに吹き付けられる排気ガスの流速を調整する機構を有している。
【0003】
可変ノズルを開閉することにより、(1)タービンホイールの入口から流入する排気ガスの流速を調整し、(2)タービンホイールの回転速度を調整する。(3)タービンホイールとシャフトを介して連結されているコンプレッサホイールの回転速度が調整されることにより、(4)エンジンの燃焼室に送り込まれる空気の量が調整される。
この結果、エンジン出力の向上とコンプレッサの過剰回転による燃焼室内の過剰圧防止が図れるようになる。
【0004】
可変ノズルが付いたターボチャージャの例として、特許文献1のターボチャージャは、「固定ノズルを有する固定ノズルリング」と「可変ノズルを有する回転ノズルリング」とを備え、固定ノズルリングに対して回転ノズルリングが回転することで、固定ノズルと可変ノズルの間のスロート部の幅を調整して、タービンホイールへのガス流路を制御する。
【0005】
特許文献2では、可変ノズルは、「タービンホイールの外側に位置し、気体(排気ガス)をタービンホイールへ案内可能な環状の内周側部材」と、「内周側部材の外側に隣接して位置し、内周側部材に対して円周方向に相対的に回動可能な環状の外周側部材」とから構成される。内周側部材および外周側部材の各々に設けられる複数の案内部の各々の間には気体通路が設けられる。固定された内周側部材に対して外周側部材が回動することで、内周側部材の案内部が外周側部材の気体通路を塞ぎ、気体の流れを遮断する。さらに、内周側部材に対する外周側部材の回動位置により、気体通路を通過する気体の流量を連続的に変化させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−196453号公報
【特許文献2】特開2009−228479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の図4(a)、(b)によれば、回転ノズルリング2が回転することによって可変ノズル2aの時計回り方向に形成されるスロート部5の幅は確かに変化するものの、排気ガスは可変ノズル2aの反時計回り方向に形成される空間も通過すると考えられるため、この構成によっては排気ガスの流速を有効に調整することは容易でないと推認される。
【0008】
特許文献2では、固定された内周側部材に対して外周側部材が回動することで、排気ガスの流速を有効に調整することができる。しかし、内周側部材を固定し、内周側部材に比べてサイズおよび質量は少なくとも大きくなるが、動かすのに大きな駆動力が必要な外周側部材を回動している。したがって、大きな駆動力を得るためにアクチュエータは比較的大きいものを使わざるを得ず、アクチュエータの搭載スペースを要し、製品重量が増加する。
【0009】
本発明は上記の問題に鑑みなされたものであり、より小型のアクチュエータで駆動が可能となり、組立や修理等の作業性の良いターボチャージャを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載のターボチャージャは、吸気を圧縮するコンプレッサと、このコンプレッサに同軸に設けられて該コンプレッサと一体に回転するタービンホイールと、タービンホイールを収容するとともに該タービンホイール入口側に排気ガス入口通路を有するタービンハウジングと、複数の固定ガイドと、複数の可動ガイドと、ストッパ部とを備える。
複数の固定ガイドは、タービンハウジング内部でタービンホイールの径方向外側に環状に配置され、排気ガス通路を形成する。排気ガス通路は、排気ガス入口通路から径方向内側のタービンホイールに排気ガスを案内する
複数の可動ガイドは、タービンハウジング内部で複数の固定ガイドの径方向内側に環状に配置され、前記複数の固定ガイドに対して回動することにより、タービンホイール入口側の排気ガス通路の開口面積を調節可能である。
【0011】
特許文献2の従来技術に対し、本発明では、外周側に位置する複数の固定ガイドを固定し、サイズおよび質量が比較的小さい、内周側の複数の可動ガイドを回動させる。したがって、アクチュエータの小型化が可能となり、製品重量を軽減することができる。
【0012】
請求項2に記載のターボチャージャは、請求項1に記載のターボチャージャにおいて、複数の固定ガイドは環状の固定板に支持される。
複数の固定ガイドは、タービンホイールを収容するタービンハウジングに直接設けることもできる。しかし、複数の固定ガイドを一体に支持する環状の固定板を設け、固定板をタービンハウジングに設置することにより、組立や修理等の作業性が向上する。
【0013】
さらに請求項3に記載のターボチャージャでは、複数の可動ガイドは環状の可動板に支持され、その可動板が複数の固定ガイドまたは固定板に対して回動することにより、複数の可動ガイドが排気ガス通路の開口面積を調節する。
複数の可動ガイドを一体に支持する環状の可動板を設け、可動板を回動させることにより、組立や修理等の作業性が向上することに加え、駆動機構を単純にできる。すなわち、可動板のいずれか一箇所を所定角度動かせば、全部の可動ガイドを同時に動かすことができるようになる。
【0014】
また、請求項4に記載のターボチャージャは、請求項1〜3のいずれか一項に記載のターボチャージャにおいて、複数の可動ガイドを複数の固定ガイドに対して回動させるためのアクチュエータが、タービンハウジングの外部に備えられ、そのアクチュエータの駆動力がリンク部材を介して複数の可動ガイドに伝達される。
複数の可動ガイドを回動させるための機構を、タービン内部に設けることもできる。しかし、その場合、ターボチャージャ本体が大型となり、組立や修理等の作業性が悪くなるおそれがある。そこで、駆動のためのアクチュエータが、タービンハウジングの外部に備えられ、そのアクチュエータの駆動力がリンク部材を介して複数の可動ガイドに伝達されることにより、ターボチャージャ全体としてコンパクトになる。また、請求項3に記載のターボチャージャに適用された場合は、組立や修理等の作業性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態によるターボチャージャの全体構成図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】(a):図1のB矢視によるタービン内部の模式図であり、可変ノズル可変ノズルおよびタービンホイール部分を示す。(b):(a)のC−P−C断面図である。
【図4】(a):図3(a)から可変ノズルだけを取り出した正面図である。(b):(a)のE−Q−E断面図である。
【図5】図3(b)のD−D断面図であり、(a):最大開度時、(b):最小開度時の要部拡大断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態によるターボチャージャの全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
最初に図1、図2を参照して、ターボチャージャの全体構成を説明する。ターボチャージャ1は、センターハウジング2の一方の側にコンプレッサ3を備え、他方の側にタービン4を備える。
【0017】
コンプレッサ3は、コンプレッサハウジング32に収容されるコンプレッサホイール31に複数枚のコンプレッサブレード31aが環状に配置される。コンプレッサホイール31は、後述するシャフト21と同軸に接続されて回転可能である。
コンプレッサハウジング32の内部には、コンプレッサホイール31に対しセンターハウジング2と軸方向反対側に吸気入口通路71が形成される。また、コンプレッサハウジング32の内部には、コンプレッサホイール31の径方向外側に送出通路72が形成され、この送出通路72に連通する渦巻き状のコンプレッサ通路73が形成される。吸気入口通路71からコンプレッサホイール31に取り込まれた吸気は、コンプレッサホイール31により過給され、圧縮空気となって送出通路72を経由しコンプレッサ通路73へ送り出される。
【0018】
タービン4は、タービンホイール41とタービンハウジング42とを備える。タービンホイール41には、複数枚のタービンブレード41aが環状に配置される。タービンホイール41は、後述するシャフト21と同軸に接続されて回転可能である。
タービンハウジング42は、タービンホイール41を収容する。タービンハウジング42の内部には、タービンホイール41に対しセンターハウジング2と軸方向反対側に延びる排気ガス出口通路82が設けられる。また、タービンハウジング42の内部には渦巻き状の排気ガス入口通路81が設けられる。
【0019】
タービンハウジング42内部のタービンホイール41の径方向外側に可変ノズル50が設けられる。可変ノズル50は、タービンホイール41に流入する排気ガス通路の開口面積を調節し、排気ガス入口通路81からタービンホイール41に吹き付けられる排気ガスの流速を調整する。
【0020】
シャフト21は、コンプレッサホイール31とタービンホイール41とを同軸に連結する。シャフト21は、センターハウジング2の内部で回転可能に軸受け22、23により支持される。軸受け22、23には油路24、25から潤滑油が供給される。
【0021】
次に、図3〜図5を参照して、可変ノズル50の詳細な構成を説明する。
可変ノズル50は、環状の固定板51、52と、環状の可動板61、62とから構成される。固定板51、52は、複数の固定ガイド56を支持する。可動板61、62は、複数の可動ガイド66を支持する。
固定板51、52は、ドーナッツ状の円板形状である。
固定板51は、タービンハウジング42の内壁42aにシャフト21の軸方向と直交して固定されている。固定板52は、タービンハウジング42の内壁42bにシャフト21の軸方向と直交して固定されている。固定板51と固定板52とは平行に配置されている。
【0022】
固定ガイド56は、タービンホイール41の径方向外側で固定板51、52に支持されて環状に配置される。固定ガイド56は、固定板51から固定板52に延びる方向について断面形状が一定である。固定ガイド56の断面形状は、排気ガスが流入する径方向外側から径方向内側に向かって傾斜して広がる湾曲した三角形状、あるいは羽根形をしている。言い換えれば、固定ガイド56は、外傾斜面56a、内周面56b、内傾斜面56cから構成される。そして、互いに隣接する固定ガイドの外傾斜面56aと内傾斜面56cとの間に排気ガス通路83を形成し、排気ガスを、排気ガス入口通路81に通じる径方向外側から、タービンホイール41に通じる径方向内側へ案内する。内周面56bは、固定板51および固定板52の内周面にほぼ一致している。
12個の固定ガイド56が周方向に等間隔に配置される。
【0023】
可動板61は、固定板51の径方向内側に配置され、固定板51に対して回動可能である。可動板62は、固定板52の径方向内側に配置され、固定板52に対して周方向に回動可能である。
可動ガイド66は、可動板61、62に支持されて、かつ固定ガイド56に対応して、環状に配置される。可動ガイド66は、可動板61から可動板62に延びる方向について断面形状が一定である。可動ガイド56の断面形状は、径方向内側から径方向外側に向かって広がる高さの低い三角形状をしている。言い換えれば、可動ガイド66は、外傾斜面66a、外周面66b、内傾斜面66cから構成される。外周面66bは、可動板61および可動板62の外周面にほぼ一致している。
12個の固定ガイド56に対応して、12個の可動ガイド66が周方向に等間隔に配置されている。可動ガイド66が固定ガイド56に対して径方向内側で回動することで、排気ガス通路83の開口面積を調節する。
【0024】
排気ガス通路83の最大開度位置では、図5(a)に示すように、可動ガイド66は、固定ガイド56の内周側の辺に重複して位置する。このとき、排気ガス通路83の開口面積は最大となる。また、固定ガイド56の外傾斜面56aと可動ガイド66の外傾斜面66aとは、段差なく滑らかに連続する。
排気ガス通路83の最小開度位置では、図5(b)に示すように、可動ガイド66と固定ガイド56との重複部分が少なくなり、排気ガス通路83の開口面積は最小となる。また、固定ガイド56の外傾斜面56aと可動ガイド66の外周面66bおよび外傾斜面66aとは、滑らかに連続する。
【0025】
ここで、アクチュエータ91の構成について説明する。アクチュエータ91は、タービンハウジング42に対してセンターハウジング2側に、図示しない支持部材によって支持される。アクチュエータ91の回転軸91aが所定角度だけ正回転または逆回転することにより、リンク部材92を介して駆動ピン93が移動し、駆動ピン93に結合された可動板62がタービン4の軸を中心に回動する。アクチュエータ91としては、例えばステッピングモータ、空圧または油圧駆動のアクチュエータが用いられる。
【0026】
アクチュエータ91による駆動は、図示しない制御装置により、(1)最大開度位置と最小開度位置の2ポジション制御、(2)最度開度位置と最小開度位置の他に1つ以上の有限の中間位置を選択可能なマルチポジション制御、(3)最度開度位置と最小開度位置の間の任意の位置を選択可能な無段階制御、等のバリエーションでの制御が可能である。
【0027】
(作用)
次にターボチャージャ1の作用を説明する。
排気ガス入口通路81から流入した排気ガスは、タービンホイール41に吹き付けられてタービンホイール41を回転させ、排気ガス出口通路82から排出される。排気ガスの流れによりタービンホイール41が回転すると、シャフト21とともにコンプレッサホイール31が回転し、吸気入口通路71から吸入した空気を加圧圧縮して、送出通路72、コンプレッサ通路73を経由してエンジンの燃焼室に送り込む。
【0028】
ここで、可変ノズル50を利用し、排気ガス通路83を最小開度位置と最大開度位置との間で段階または無段階に変更することで、排気ガスの流速を調整することができる。
最大開度位置では、図5(a)に破線矢印で示すように排気ガス通路83の開口面積は最大であり、流れが絞られないため流速が抑えられる。これにより、エンジンの高速回転域において、コンプレッサの過剰回転による燃焼室内の過剰圧を防止することができる。また、固定ガイド56の外傾斜面56aと可動ガイド66の外傾斜面66aとは、段差なく滑らかに連続するため、排気ガスの流入抵抗を小さくすることができる。
最小開度位置では、図5(b)に破線矢印で示すように排気ガス通路83の幅は最小となり、排気ガスの流速が速められる。よって、流速の速い排気ガスがタービンホイール41に吹き付けられて、タービンホイール41が速く回転する。よって、低速回転域で過給効率を上げてエンジン出力を向上させることができる。また、固定ガイド56の外傾斜面56aと可動ガイド66の外周面66bおよび外傾斜面66aとは、滑らかに連続するため、排気ガスの流入抵抗を小さくすることができる。
【0029】
(効果)
本実施形態では、外周側の固定板51、52、及び、固定ガイド56を固定し、サイズおよび質量が比較的小さい、内周側の可動板61、62、及び、可動ガイド66を回動させている。したがって、アクチュエータの小型化が可能であり、アクチュエータの搭載スペースを縮小でき、製品重量を軽減することができる。
【0030】
また、固定ガイド56を支持した固定板51、52がタービンハウジング42に設置されているため、固定ガイド56を直接タービンハウジング42に設ける構成に比べて、組立や修理等の作業性が向上する。
同様に、可動ガイド66を支持した可動板61、62を回動させることにより、組立や修理等の作業性が向上することに加え、駆動機構を単純にできる。すなわち、可動板61、62のいずれか一箇所を所定角度動かせば、全部の可動ガイド66を同時に動かすことができるようになる。
【0031】
さらにまた、アクチュエータ91がタービンハウジング42の外部に備えられ、アクチュエータ91の駆動力がリンク部材92および駆動ピン93を介して可動板62に伝達されることにより、ターボチャージャ全体としてコンパクトになる。ここで、駆動ピン93は、可動板62の一箇所に作用して、全部の可動ガイド66を同時に動かすことができるため、組立や修理等の作業性がさらに向上する。
【0032】
加えて、アクチュエータ91を、マルチポジション制御または無段階制御で駆動する場合には、排気ガスの流速を連続的に変化させることができる。したがって、エンジン回転数などの条件に応じてきめ細かに可変ノズルの開度を調整することが可能である。
【0033】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態のターボチャージャを図6に基づいて説明する。第2実施形態は、アクチュエータ91の設置位置を除く構成については第1実施形態と同様である。
図6に示すように、アクチュエータ91は、タービンハウジング42の側方に、図示しない支持部材によって支持される。アクチュエータ91の回転軸91aが所定角度だけ正回転または逆回転することにより、リンク部材92を介して駆動ピン93を動かし、駆動ピン93に結合された可動板6をタービン4の軸を中心に回動させる。例えば、アクチュエータ91の回転軸にピニオンギアが設けられ、リンク部材92はラックである。
アクチュエータ91による駆動は、第1実施形態と同様に、図示しない制御装置により、(1)2ポジション制御、(2)マルチポジション制御、(3)無段階制御、等のバリエーションでの制御が可能である。
【0034】
第2実施形態では、内周側の可動板61、62、及び、可動ガイド66を回動させるため、アクチュエータの小型化が可能であり、アクチュエータの搭載スペースを縮小でき、製品重量を軽減することができる。
【0035】
また、第1実施形態と同様に、固定ガイド56が固定板51、52に支持され、可動ガイド66が可動板61、62に支持される構成であること、アクチュエータ91がタービンハウジング42の外部に備えられる構成であることから、組立や修理等の作業性が向上する。
【0036】
さらに、アクチュエータ91をマルチポジション制御または無段階制御で駆動する場合には、排気ガスの流速を連続的に変化させることができ、エンジン回転数などの条件に応じて調整することが可能である。
【0037】
(その他の実施形態)
(ア)上記の実施形態において、固定ガイド56および可動ガイド66の数は、それぞれ12個であった。本発明では、固定ガイドおよび可動ガイドの個数は、これに限定されない。
【0038】
(イ)上記の実施形態では、固定ガイド56および可動ガイド66は、それぞれ、平行に配置される2枚の固定板51と52との間、及び、可動板61と62との間に支持された。しかし、それらの少なくとも一方について、板は片側1枚だけであってもかまわない。例えば、可動ガイドは、駆動ピンに結合される可動板だけに支持されてもよい。それにより、可動部分はさらに軽くなり、アクチュエータの駆動力低減による小型化および軽量化が図れる。
【0039】
(ウ)あるいは、固定ガイドおよび可動ガイドは、板に支持されなくてもよい。具体的には、固定ガイドは、タービンハウジングに直接固定されてもよい。可動ガイドは、回動可能にタービンハウジングに個別に設けられてもよい。
【0040】
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0041】
1:ターボチャージャ、2:センターハウジング、21:シャフト、3:コンプレッサ、31:コンプレッサホイール、32:コンプレッサハウジング、4:タービン、41:タービンホイール、42:タービンハウジング、50:可変ノズル、51、52:固定板、56:固定ガイド、61、62:可動板、66:可動ガイド、
81:排気ガス入口通路、82:排気ガス出口通路、83:排気ガス通路、91:アクチュエータ、92:リンク部材、93:駆動ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気を圧縮するコンプレッサと、
前記コンプレッサに同軸に設けられて一体に回転するタービンホイールと、
前記タービンホイールを収容するとともに、該タービンホイール入口側に排気ガス入口通路を有するタービンハウジングと、
前記タービンハウジング内部で前記タービンホイールの径方向外側に環状に配置され、前記排気ガス入口通路から径方向内側の前記タービンホイールに排気ガスを案内する排気ガス通路を形成する複数の固定ガイドと、
前記タービンハウジング内部で前記複数の固定ガイドの径方向内側に環状に配置され、前記複数の固定ガイドに対して回動することで前記排気ガス通路の開口面積を調節可能な複数の可動ガイドと、
を備えることを特徴とするターボチャージャ。
【請求項2】
前記複数の固定ガイドは、環状の固定板に支持されることを特徴とする請求項1に記載のターボチャージャ。
【請求項3】
前記複数の可動ガイドは、環状の可動板に支持され、当該可動板が前記複数の固定ガイドまたは前記固定板に対して回動することにより、前記複数の可動ガイドが前記排気ガス通路の開口面積を調節することを特徴とする請求項1または2に記載のターボチャージャ。
【請求項4】
前記複数の可動ガイドを前記複数の固定ガイドに対して回動させるためのアクチュエータが、タービンハウジングの外部に備えられ、そのアクチュエータの駆動力がリンク部材を介して前記複数の可動ガイドに伝達されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のターボチャージャ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−149307(P2011−149307A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−10111(P2010−10111)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】