説明

ダンパ装置

【課題】オイルの漏出なくオイルダンパに自立保持機構を取り付ける。
【解決手段】
内部にオイルが充填される密閉空間Sを有するオイルダンパ2に、ロータ23の回動に節度感を与える自立保持機構3を着脱自在としたダンパ装置1であって、
自立保持機構3が、ロータ23と一体に回転して回転中心軸X周りの角度位置が変化する突出部54を備える自立ホルダ5と、回転中心軸X周りの所定角度で突出部54が当接する膨出部48を備える自立ケース4と、突出部54と膨出部48を当接させる方向に付勢するコイルスプリング6と、を備えて、便座が自立位置となる所定角度でロータ23の回動に節度感を与えるように構成し、オイルダンパ2の外周に、径方向外側に突出するリブ214を設けて、自立ケース4が、リブ収容部411を、密閉空間の形成に関与しない部品であるリブ214に係合させて、オイルダンパ2に回り止め固定されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腰掛便器の便座や便蓋の回動軸に取り付けられて、便座や便蓋の開閉速度を調整するダンパ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
腰掛便器の便座や便蓋などを起立状態で自立保持させる機能を備えたダンパ装置として、特許文献1に開示されたものがある。
【0003】
特許文献1には、ダンパ軸に一体回転可能に設けられた筒状の自立カラー(回動部材)と、自立カラーに外挿された状態でダンパ本体に固定されると共に自立カラーと相対回転可能な自立キャップ(固定部材)と、自立カラーの外周から径方向外側に突出する自立突起と、自立キャップの内周面から径方向内側に突出すると共に径方向外側に弾性変形可能な係止片と、からなる自立保持機構を備える回転ダンパ(ダンパ装置)が開示されている。
この回転ダンパでは、便座や便蓋の閉位置からの回動によりダンパ軸が回動して、自立突起が係止片に当接する角度位置に達すると、自立突起により係止片を径方向外側に変形させるトルクを作用させて、自立突起に係止片を乗り越えさせない限り、ダンパ軸がさらに回動できないようにされている。
そして、自立突起が係止片を乗り越えた位置を、便座や便蓋を自立状態にしたときの角度位置に設定することで、便座や便蓋を閉じる方向に所定の力が加わらない限りダンパ軸が回動できないようにして、便座や便蓋が自立状態で保持されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−24161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1の回転ダンパにおいて、自立カラーや自立キャップを流用することを考えた場合、回転ダンパの組み付けに関わる構成部品である組付ネジを、いったん取り外す必要がある。
そのため、組付ネジを外した際に、組付ネジでダンパ本体に組み付けられているキャップが外れてしまい、内部のオイルが漏れてしまうおそれがある。
【0006】
このように、回転ダンパの組み付けに関わる構成部品を流用して、自立保持機構の固定部材を取り付けるようにすると、回転ダンパ内に形成されているオイル密閉空間が一時的に損なわれて、オイルの漏出に繋がるおそれがある。
【0007】
そこで、このような問題を起こすことなく回転ダンパに自立保持機構を取り付けられるようにすることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、内部に流体が充填される密閉空間を有すると共に複数の部品を組み付けて構成される流体ダンパに、前記流体ダンパの回動軸の回動に節度感(クリック感)を与える節度機構(自立保持機構)を着脱自在とし、前記節度機構を、前記密閉空間の形成に関与しない部品を介して、前記流体ダンパに取り付けたことを特徴とするダンパ装置とした。
【0009】
このように構成すると、前記密閉空間の形成に関与する部品が、節度機構の取り付けに関わらないので、節度機構を取り付ける際に、流体が充填される密閉空間が損なわれることがない。よって、内部に充填された流体を漏出させることなく、節度機構を流体ダンパに取り付けることができる。
また、節度機構が流体ダンパに着脱自在となっており、節度機構と流体ダンパとが別体に構成されている。そのため、節度機構を備えるダンパ装置であっても、節度機構を備えていないダンパ装置であっても、流体ダンパの組み立て作業の部分は同じである。よって、節度機構の有無にかかわらず、流体ダンパの組み立て作業は共通であるので、共通の作業が多くなることによって、少なくとも流体ダンパの組み立て作業における作業ミスを低減できる。また、自立保持機構と流体ダンパが着脱自在の別体となっていることにより、ユーザのニーズにより選択使用や自立保持機構のみの交換が可能となる。
【0010】
前記密閉空間の形成に関与しない部品は、前記流体ダンパの外周に設けられた凸部であり、前記節度機構は、前記凸部に係合する凹部を有しており、前記凸部に前記凹部を係合させて前記流体ダンパに回り止めされた状態で取り付けられる構成とした。
【0011】
このように構成すると、流体ダンパに取り付けられた節度機構の回り止めのために、節度機構を流体ダンパにネジ等で直接取り付ける必要がないので、流体ダンパの強度を低下させることなく、節度機構を取り付けることができる。
また、流体ダンパの外周に設けた凸部に凹部を係合させて、節度機構を流体ダンパに取り付けるため、節度機構の取り付けに際して、流体ダンパのケースなどの一部に薄肉になるような加工などを施して節度機構を取り付けることが必要とならない。そのため、流体ダンパのケースの強度、すなわち、内部に充填されたオイル圧力に耐え得る強度が損なわれることがない。
【0012】
前記節度機構は、前記回動軸に取り付けられると共に、前記回動軸と一体に回転して前記回動軸周りの角度位置が変化する回動側突部と、前記流体ダンパのケースに固定されると共に、前記回動軸周りの所定角度で前記回動側突部が当接する固定側突部と、前記回動側突部と前記固定側突部とを互いに当接させる方向に付勢する付勢部材と、を備える構成とした。
【0013】
このように構成すると、固定側突部との摩擦が小さくかつ耐摩耗性が要求される回動側突部と、強度が要求される回動軸とが別部材となるので、これらの作製に使用する材料の自由度が向上する。すなわち、強度、低摩擦、耐摩耗の総てを備えた材料を選択しなくて済むので、作製コストの増大を防止できる。
【0014】
前記付勢部材は、基端側が前記ケースで方持ち支持されると共に、前記固定側突部が設けられた先端側が前記回動軸の径方向に弾性変形可能とされた樹脂製の付勢部材と、前記樹脂製の付勢部材を、前記回動側突部と前記固定側突部とを互いに当接させる方向に付勢する金属製の付勢部材とを備え、前記回動側突部と前記固定側突部を樹脂材料から構成した。
【0015】
このように構成すると、回動軸の角度位置が、回動側突部と固定側突部とを当接させる角度位置(所定角度)となり、付勢部材からの付勢力が常時作用して、回動側突部と固定側突部とが互いに当接させられる状態で保持されていても、樹脂製の付勢部材の場合に起こる付勢力の低下(高温化で荷重を加えることによるクリープ現象)が、金属製の付勢部材では起こらない。よって、付勢部材が付勢力を作用させている状態で長時間にわたって保持されても、樹脂製の付勢部材のみからなる場合と異なり、付勢力が損なわれることがない。また、金属製の付勢部材とすることで、付勢部材を小さくしても必要な付勢力を確保できるので、付勢部材を設けるためのスペースを小さくできる。
さらに、所定角度になると、樹脂製の回動側突部と樹脂製の固定側突部とが互いに当接するので、従来、突部を金属製としていた場合に発生していたノイズ、すなわち金属性の突部同士が衝突するときの衝突音が生じなくなる。また、樹脂製の付勢部材と金属製の付勢部材とを併用することで、高温下でのクリープ(付勢力のへたり)減少を回避できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、オイルの密閉空間を損なうことなく、オイルダンパに自立保持機構を取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態にかかる自立保持機構を備えるダンパ装置の分解斜視図である。
【図2】オイルダンパの平面図である。
【図3】オイルダンパの断面図である。
【図4】チェックバルブの動作を説明する図である。
【図5】オイルダンパの動作を説明する図である。
【図6】ダンパ装置の平面図である。
【図7】ダンパ装置の断面図である。
【図8】自立保持機構の自立ケースを説明する図である。
【図9】自立ケースの要部を説明する図である。
【図10】自立ホルダを説明する図である。
【図11】ダンパ装置における自立保持機構の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に本発明の実施形態を説明する。
図1は、実施形態にかかる着脱式の自立保持機構3を備えるダンパ装置1の分解斜視図である。
【0019】
実施の形態にかかるダンパ装置1は、自立保持機構を備えていないオイルダンパ2に、着脱式の自立保持機構3を取り付けて構成される。
このダンパ装置1は、腰掛便器の便座や便蓋の回動軸に取り付けられて使用される。このダンパ装置1は、便座や便蓋の回動軸周りの回動速度(便座や便蓋の開閉速度)を調整するものであり、便座や便蓋が自立位置に配置された際に、便座や便蓋を自立位置で保持する機能を有している。
【0020】
[オイルダンパ]
自立保持機構3が取り付けられるオイルダンパ2の構成を説明する。
図2は、オイルダンパ2の平面図であり、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は底面図である。
図3は、オイルダンパ2の断面図であり、(a)は、図2の(c)におけるA−A断面図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図である。
図4の(a)は、図3の(b)におけるB−B断面でオイルダンパ2を切断した部分断面図であり、(b)は、チェックバルブ24の動作を説明する図である。
図5は、オイルダンパ2の動作を説明する図である。
【0021】
図2および図3に示すように、オイルダンパ2は、有底筒形状のダンパケース21と、ダンパケース21の一端側開口21aを塞ぐカバー22と、カバー22の中央貫通口221を貫通して設けられて、一端側の連結部231をダンパケース21の外部に位置させたロータ23と、を備える。
【0022】
ロータ23は、便座や便蓋の回動軸(図示せず)に連結される連結部231と、ダンパケース21内でダンパケース21の大径部212aに内嵌する拡径部232と、先端部233aがダンパケース21の凹部211aで回転可能に支持された軸部233と、を備える。
【0023】
図2の(b)、(c)に示すように、連結部231の先端側には、二面幅部231aが設けられている。二面幅部231aは、ロータ23の回転中心軸Xを挟んで対称となる位置に、互いに平行となるように形成されている。
連結部231は、この二面幅部231aにより、便座や便蓋の回動軸(図示せず)に回り止め嵌合される。
【0024】
また、連結部231の外周には、後記する自立ホルダ5の係合部53が係合する凹溝231bが設けられている。凹溝231bは、連結部231の二面幅部231aが設けられた部分でカバー22寄りの位置に設けられている。連結部231において凹溝231bは、ロータ23をその回転中心軸Xの軸方向から見て、二面幅部231aが設けられていない曲面状の外周面231cに設けられている。
【0025】
図3に示すように、ロータ23において拡径部232は、ロータ23とカバー22とダンパケース21とが組み付けられた際に、カバー22に隣接する位置に設けられている。
拡径部232は、ダンパケース21の大径部212aの内径と略整合する外径を有している。拡径部232の外周面には、Oリング26が外嵌して取り付けられる凹溝232aが、ロータ23の回転中心軸X周りの周方向で全周に亘って形成されている。
【0026】
ロータ23の拡径部232をダンパケース21に内嵌させて、ロータ23とダンパケース21とを組み付けると、ダンパケース21と拡径部232により、オイル(シリコーンオイル)が充填される密閉空間Sが、ダンパケース21内に区画形成される(図3の(a)の場合には、拡径部232の左側)。
この状態で、拡径部232との間にステンレス製のワッシャ25を介在させて、カバー22をダンパケース21に内嵌固定すると、オイルダンパ2が形成される。
【0027】
ロータ23の軸部233は、ロータ23がダンパケース21に組み付けられた状態において、先端部233aとの境の段部233bを、ダンパケース21の底部212に当接させている(図3の(a)参照)。
【0028】
図3の(a)、(b)に示すように、軸部233の外周面には、径方向外側に突出する翼部234が設けられている。翼部234は、回転中心軸Xに沿って軸部233の長手方向の全長に亘って設けられており、回転中心軸X周りの周方向で180°間隔で2つ設けられている。
軸方向から見て、翼部234は、先端側(小径部212b)に向かうにつれて、回転中心軸X周りの周方向の幅が小さくなるように形成されている。
翼部234の高さは、ロータ23が便蓋を閉じる角度位置(閉位置:図5の(a))にある場合に、その先端が小径部212bに当接する高さで形成されている。
【0029】
図3の(b)に示すように、ダンパケース21の小径部212bには、径方向内側に突出する隔壁213、213が設けられている。隔壁213、213は、回転中心軸X周りの周方向で180°間隔で2つ設けられている。
隔壁213は、回転中心軸Xに沿って、小径部212bの長手方向の全長に亘って設けられている。
隔壁213は、その先端部が、ロータ23の軸部233の外周面に当接する高さで形成されており、ロータ23の軸部233をダンパケース21に挿入する際に、軸部233が、隔壁213、213の間に軽圧入されるようになっている。
【0030】
図5の(b)に示すように、ダンパケース21内に形成される密閉空間Sは、隔壁213、213により、2つの密閉空間S1、S2に区画され、これらの密閉空間S1、S2は、それぞれ、翼部234によりさらに2つの空間S1a、S1b、S2a、S2bに区画されている。
実施の形態のオイルダンパ2では、ロータ23(軸部233)の回転により翼部234の回転中心軸X周りの角度位置が変化して、空間S1aおよびS1bと、空間S2aおよびS2bの容積が変化するようになっている。
【0031】
図3の(a)に示すように、回転中心軸Xに沿って設けられた翼部234には、凹形状のオリフィス235が、所定間隔で2カ所形成されている。このオリフィス235の両側は、チェックバルブ24の腕部242(図4参照)が係合する係合突部236、236となっている。
【0032】
図4および図5に示すように、チェックバルブ24は、オリフィス235を通って隣接する2つの空間S1aおよびS1b、S2aおよびS2bの間を移動するオイルの移動速度を調整するものである。
【0033】
チェックバルブ24は、翼部234に回転中心軸X周りの周方向から当接してオリフィス235を閉鎖可能な板状の弁部241と、回転中心軸Xの軸方向で、弁部241から弁部241に対して直交する方向に突出する腕部242とを有する。腕部242の先端には、互いに対向する方向に突出する係合部242aが設けられている。
【0034】
回転中心軸Xの径方向から見て、チェックバルブ24は、回転中心軸X周りの周方向に移動可能となっている。
ロータ23が図5の(a)に示す角度位置から時計回り方向に移動する場合(便座や便蓋を開く方向に回動させる場合)には、係合部242aが係合突部236に当接する位置まで移動して、翼部234と弁部241との間に隙間CLを形成する(図4の(b)、図5の(d)参照)。これにより、オリフィス235を通過したオイルが、空間S1b、S2b側から空間S1a、S2a側に容易に移動できるようになり、ダンパ装置1が取り付けられた便蓋または便座は、大きな負荷を受けることなく開くことができる。
【0035】
また、ロータ23が図5の(c)に示す角度位置から反時計回り方向に移動する場合(便座や便蓋を閉じる方向に回動させる場合)には、弁部241が翼部234に当接してオリフィス235が塞がれる(図4の(a)参照)。かかる場合、空間S1a、S2a側から空間S1b、S2b側に向かうオイルの流れが妨げられるので、ロータ23の反時計回り方向の回動に負荷が作用する。
これにより、ダンパ装置1が取り付けられた便蓋または便座は、大きな負荷を受けて閉じる方向に回動することになり、ダンパ装置1が取り付けられた便蓋や便座が勢いよく倒れることが防止される。
【0036】
[自立保持機構]
図6は、ダンパ装置1の平面図であり、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は下面図である。図7は、ダンパ装置1の断面図であり、(a)は、図4の(c)におけるA−A断面図、(b)は、図6の(d)におけるB−B断面図である。図8は、自立ケースを説明する図であり、図9は、自立ケースの要部を説明する拡大図である。図10は、自立ホルダ5を説明する図である。
【0037】
図1に示すように、自立保持機構3は、自立ケース4と、自立ホルダ5と、コイルスプリング6とを備えて構成される。
【0038】
[自立ケース]
図7および図8に示すように、自立ケース4は、ダンパケース21に固定される固定側部材であり、ダンパケース21に外挿して取り付けられる取付部41と、自立ホルダ5を内側に収容する収容部42と、を有する。
取付部41は、ダンパケース21の外形に整合する断面形状で筒状に形成されていると共に、回転中心軸Xの軸方向から見て一方側に、外側に突出してリブ収容部411が形成されている(図8参照)。リブ収容部411は、ダンパケース21の外周面から突出するリブ214(図2参照)の外形に整合する断面形状を有している。
【0039】
実施の形態のオイルダンパ2では、当該オイルダンパ2を便座または便蓋の回動軸に取り付ける際に、腰掛便器を正面側から見て左側と右側の何れの回動軸に取り付けるためのオイルダンパ2であるのかを外観から把握できるようにするために、リブ214が設けられている。
例えば図2に示したオイルダンパ2は、ロータ23の連結部231側から見て左側にリブ214が設けられており、このオイルダンパ2が腰掛便器を正面側から見て左側の回動軸に取り付けられるオイルダンパ2である。なお、腰掛便器を正面側から見て右側の回動軸に取り付けられるオイルダンパは、ロータ23側から見て右側にリブが取り付けられている。
【0040】
そのため、実施の形態の自立ケース4では、どちらのオイルダンパにも取り付け可能とするために、リブ収容部411は、回転中心軸Xを通る直線Lnを挟んで対称に設けられている。これにより、自立ケース4がオイルダンパに取り付けられると、何れか一方のリブ収容部411にリブ214が収容される。
【0041】
図6の(b)、(d)に示すように、リブ収容部411は、回転中心軸Xに沿って、取付部41の長手方向の全長に亘って形成されている。
図7の(b)に示すように、リブ収容部411の軸方向長さL1は、リブ214の軸方向長さL2よりも長くなっており、自立ケース4がオイルダンパ2に取り付けられた状態で、リブ214がリブ収容部411の内側に完全に収容されるようになっている。
【0042】
リブ収容部411では、開口411a側の端部近傍にネジ穴411bが設けられている。
このネジ穴411bには、自立ケース4をオイルダンパ2に取り付けた際に、ネジ7が螺入されて、オイルダンパ2から自立ケース4が外れないようにされる。
なお、ネジ7は、その先端部がリブ収容部411内に位置して、オイルダンパ2のダンパケース21に螺入されない長さで形成されている。ダンパケース21にネジ7が螺入されるとダンパケース21の強度が低下してしまうからである。
【0043】
実施の形態では、ネジ7により、オイルダンパ2と自立ケース4との軸方向の位置決めがされ、リブ収容部411により、オイルダンパ2と自立ケース4との相対回転が防止されている。
【0044】
図7に示すように、自立ケース4の収容部42は、周壁部43と仕切壁部44とを備える。仕切壁部44は、オイルダンパ2の回転中心軸Xに直交する円盤形状を有している。
周壁部43は、仕切壁部44の外周縁から、前記した取付部41とは反対方向に延びており、仕切壁部44の外周縁の全周に亘って設けられている。
周壁部43と前記した取付部41は、オイルダンパ2の回転中心軸Xを中心として互いに同心に配置されている。
周壁部43の内径は、取付部41の外径と略整合する径を有しており、周壁部43は、その径方向の厚みの分だけ、取付部41よりも径方向外側に位置している。
【0045】
周壁部43の内側には、仕切壁部44から延びる腕部47が2つ位置している。
収容部42を軸方向から見て、腕部47は、周壁部43の内周面に沿って回転中心軸X周りに時計回り方向に延びている(図8の(c)参照)。
腕部47は、その基端部47a側の端が、回転中心軸Xを通る直線Lm上に位置しており、回転中心軸X周りに対象に設けられている。
【0046】
図9の(b)に示すように、腕部47の内周面47bと外周面47cは、それぞれ回転中心軸Xを中心とする仮想円Im1、Im2上に位置している。腕部47は、先端の膨出部48を除き、その全長に亘って同じ幅Wで形成されている。
膨出部48は、腕部47の先端側の内周面から、径方向内側(回転中心軸X方向)に膨出している。膨出部48は、回転中心軸Xの軸方向から見て、円弧状に形成されており、この膨出部48の最も径方向内側の位置Pは、回転中心軸Xを中心とする仮想円Im3上に位置している。
【0047】
図9の(c)に示すように、腕部47は、基端部47a側のみが仕切壁部44に接続されており、仕切壁部44により片持ち支持されている。
そのため、腕部47の膨出部48が形成された先端側は、基端部47a側を支点として、回転中心軸Xの径方向に弾性変形可能となっている(図9の(a)矢印参照)。
【0048】
回転中心軸Xの軸方向から見て、仕切壁部44には、弾性変形する腕部47との干渉を避けるための開口部46が設けられている。
開口部46は、腕部47と仕切壁部44との接続部となる基端部47aを残すように形成されており、仕切壁部44を厚み方向に貫通している(図8の(b)参照)。
【0049】
図9の(c)に示すように、開口部46上に位置する腕部47では、仕切壁部44側の面47dと、仕切壁部44の周壁部43側の面44aとが、仕切壁部44の厚み方向で同じ位置にある。
腕部47の開口部46上に位置する部分は、その長手方向の全長に亘って同じ高さ(厚み)hで形成されている。
【0050】
図8および図9に示すように、開口部46は、回転中心軸X周りの周方向で腕部47に沿って形成されている。開口部46の外径側の周縁46bは、回転中心軸Xを中心とする仮想円Im5上に位置している(図9の(a)参照)。ここで、仮想円Im5は、腕部47の外周面47cが位置する仮想円Im2よりも大きい径を有している。
【0051】
開口部46の内径側の周縁46aは、腕部47の基端部47aから膨出部48の近傍までの範囲が仮想円Im4上に位置し、膨出部48の近傍の先端側46a1が、仕切壁部44の貫通穴45の二面幅部45aに対して平行な仮想線Loに沿って延びている。
ここで、仮想円Im4は、腕部47の内周面47bが位置する仮想円Im1(図9の(b)参照)よりも小さい径を有している。
【0052】
すなわち、開口部46は、腕部47の基端部47a側から所定の範囲までが、所定幅W1で形成され、腕部47の膨出部48が位置する側が広くなるように形成されている。
これにより、腕部47の膨出部48側が回転中心軸Xの径方向に変位(図9の(a)参照)しても、腕部47と仕切壁部44とが干渉しないようにされている。
【0053】
仕切壁部44の中央には、ロータ23の連結部231を貫通させる貫通穴45が設けられている。この貫通穴45は、ロータ23の連結部231の回動を阻害しないようにするために、連結部231よりも大きい径で形成されている(図8の(a)参照)。
なお、貫通穴45には、連結部231の二面幅部231aとの位置関係を明確にするための二面幅部45a形成されている。
【0054】
[自立ホルダ]
図10に示すように、自立ホルダ5は、ロータ23の連結部231に外挿される筒状の本体部51と、本体部51の一端から径方向外側に延びるフランジ部55とを有する。
【0055】
図7に示すように、本体部51の回転中心軸Xの軸方向の長さL3は、前記した腕部47の回転中心軸X方向の長さhよりも長く、自立ケース4の周壁部43の軸方向長さL4よりも、フランジ部55の軸方向厚みL5の分だけ短くなっている。
【0056】
図10に示すように、自立ホルダ5の中央部には、ロータ23の連結部231(図7参照)が貫通する貫通穴52が軸方向に貫通して形成されている。回転中心軸Xの軸方向から見て、貫通穴52は、回転中心軸Xを挟んで対称となる互いに平行な二面幅部52aを有している。
この二面幅部52aは、連結部231の二面幅部231aと整合するように形成されており、自立ホルダ5をロータ23に取り付けた際に、自立ホルダ5がこれらの二面幅部52a、231aにより連結部231に回り止め嵌合される。
【0057】
本体部51の自立ケース4とは反対側の端部には、径方向外側に延びるフランジ部55が全周に亘って設けられている。フランジ部55の外径は、自立ケース4の周壁部43の内径r1よりも僅かに小さい径r2で形成されている(図7参照)。
【0058】
図10に示すように、本体部51では、貫通穴52の内周面におけるフランジ部55とは反対側の端部近傍に、径方向内側に膨出して係合部53が形成されている。
係合部53は、自立ホルダ5をロータ23の連結部231に取り付けた際に、連結部231の外周の凹溝231bに係合する位置に設けられている。
自立ホルダ5は、凹溝231bに係合させた係合部53により、オイルダンパ2のロータ23における軸方向の位置決めがされる。
【0059】
本体部51の外周には、周方向180度位置に径方向外側に突出する突出部54が設けられている。突出部54は断面視において、半円形状を有している。
突出部54は、二面幅部52aと平行で回転中心軸Xを通る直線Lp上に位置している。
突出部54の先端P2は、回転中心軸X都中心とする仮想円Im6上に位置している。仮想円Im6は、腕部47の膨出部48の先端が位置する仮想円Im3よりも大きい径を有している。このため、自立ホルダ5がロータ23と一体に回転して、突出部54が回転中心軸X周りの所定角度に達すると、腕部47の膨出部48に当接するようになっている。
【0060】
フランジ部55の外径r2は、自立ケース4の周壁部43の内径よりも僅かに小さくなっている。図7に示すように、フランジ部55は、周壁部43の内側に形成される空間Spを、回転中心軸Xの軸方向からカバーして、周壁部43(自立ケース4)とフランジ部(自立ホルダ5)との相対回転を許容しつつ、空間Sp内への異物の侵入を防止する。
【0061】
自立ケース4と自立ホルダ5とが組み付けられた状態において、腕部47の外周には、コイルスプリング6が外嵌して取り付けられている。
コイルスプリング6は、腕部47の回転中心軸X方向の外周の略全周に亘って嵌合する幅W3(図7の(b)参照)を有しており、腕部47の膨出部48の先端側を、前記した本体部の突出部54の外周が描く仮想円Im6(図10参照)よりも内側に位置させるように、腕部47を径方向内側(回転中心軸X側)に付勢している。
なお、コイルスプリングの変わりに、断面C形状の板バネを用いても良い。
【0062】
[組み付け]
このような構成の自立保持機構3のオイルダンパ2への取り付けを説明する。
始めに、オイルダンパ2のリブ214が自立ケース4のリブ収容部411に挿入される位置関係で、自立ケース4の取付部41を、回転中心軸Xの軸方向からオイルダンパ2に外挿する。
自立ケース4の仕切壁部44がオイルダンパ2のカバー22に当接するまで、取付部41にオイルダンパ2を収容させたのち、リブ収容部411のネジ穴411bにネジ7を螺入する(図7の(a)、(b)参照)。
これにより、自立ケース4とオイルダンパ2と回転中心軸Xの軸方向への移動がネジにより規制される。さらに、リブ収容部411に挿入されたリブ214により、自立ケース4とオイルダンパ2との回転中心軸X周りの相対回転が規制される。
【0063】
自立ケース4の周壁部43の内側に位置する腕部47の外周に、コイルスプリング(金属バネ)6を外挿して取り付ける。
この状態で、自立ホルダ5の本体部51を、回転中心軸Xの軸方向からオイルダンパ2の連結部231に外挿して、本体部51の内側の係合部53を、連結部231の凹溝231bに係合させる。
この際、本体部51は、コイルスプリング6より径方向内側に付勢された腕部47を径方向外側に押し広げながら、腕部47の連結部231との間に挿入される。
よって、自立保持機構3の腕部47は、径方向内側(回転中心軸側)に常時付勢された状態とされる。
【0064】
実施の形態にかかるダンパ装置1における自立保持機構3の動作を、ダンパ装置1が、腰掛便器の便座の回動軸に連結させて設けられている場合を例に挙げて説明する。
図11は、ダンパ装置1における自立保持機構3の動作を説明する図であり、(a)は、便座が閉位置にある場合を、(b)は、便座を開く方向に回動させて、自立ホルダ5の突出部54が、自立ケース4の腕部47の膨出部48に当接する角度位置に達した状態を、(c)は、(b)の位置から便座を開く方向にさらに回動させた場合を、(d)は、便座が自立位置に達した場合を、(e)は、便座が全開位置に達した場合を、それぞれ示す図である。
【0065】
便座を、便座で便座の開口を閉じている位置(閉位置)から開く方向に回動させると、自立ホルダ5の突出部54が、図11の(a)に示す角度位置から時計回り方向に回動する。
閉位置での便座の角度位置を0°(開度θ=0°)とすると、便座の角度位置が77°(開度θ=+77°)になった時点で、自立ホルダ5の突出部54が、腕部47の膨出部48に当接する。ここで、腕部47は、コイルスプリング6より径方向内側(回転中心軸X)側に付勢されているので、図11の(b)に示す位置からさらに便座を回動させるには、コイルスプリング6による付勢力に抗して腕部47の膨出部48を径方向外側に変位させるだけの力を加える必要がある。
【0066】
図11の(b)に示す状態から、便座をさらに回動させる力を加えて、便座を開く方向に回動させると、便座の角度位置が90°(開度θ=+90°)になった時点で、腕部47の膨出部48が突出部54に乗り上げた状態となる(図11の(c)参照)。
そして、便座の角度位置が103°(開度θ=+103°)になった時点で、腕部47の膨出部48が突出部54を乗り超えた状態となる(図11の(d)参照)。
【0067】
この角度位置以降は、大きな抵抗力を受けることなく、便座を全開位置(開度θ=+115°)まで回動させることができる。
【0068】
これにより、便座が自立開始角度以上になったのちは、便座が自重により閉じる方向に移動しようとしても、角度位置103°よりも先は、膨出部48が突出部54を乗り越えるだけの力が便座に作用しない限り、便座は閉じる方向に回動できないことになる。
よって、便座が自重により閉じる方向に移動しようとしても、膨出部48が突出部54を乗り越えることができないので、便座が自立状態で保持されることになる。
【0069】
以上の通り、実施形態では、内部にオイルが充填される密閉空間Sを有すると共に複数の部品(ダンパケース21、カバー22、ロータ23)を組み付けて構成される流体ダンパ(オイルダンパ2)に、回動軸(ロータ23)の回動に節度感を与える節度機構(自立保持機構3)を着脱自在とし、回動軸(ロータ23)が、腰掛便器の便座および/または便蓋の回動軸に連結されて使用されるダンパ装置1であって、
自立保持機構3が、
ロータ23に取り付けられて、ロータ23と一体に回転して回動軸(回転中心軸X)周りの角度位置が変化する回動側突部(突出部54)を備える自立ホルダ5と、
ダンパケース21に固定されると共に、回転中心軸X周りの所定角度で回動側突部(突出部54)が当接する固定側突部(膨出部48)を備える自立ケース4と、
回動側突部(突出部54)と固定側突部(膨出部48)とを互いに当接させる方向に付勢する付勢部材(コイルスプリング6)と、を備えて、便座および/または便蓋が自立位置となる所定角度でロータ23の回動に節度感を与えるように構成し、
オイルダンパ2のダンパケース21の外周に、径方向外側に突出するリブ214を設けて、自立ケース4が、当該自立ケース4のリブ収容部411を、密閉空間の形成に関与しない部品であるリブ214に係合させて、オイルダンパ2に回り止め固定されるようにした。
【0070】
これにより、密閉空間Sの形成に関与する部品が、自立保持機構3の取り付けに関わらないので、自立保持機構3を取り付ける際に、オイルが充填される密閉空間Sが損なわれることがない。よって、内部に充填されたオイルを漏出させることなく、自立保持機構3を取り付けることができる。
【0071】
また、リブ214は、ダンパケース21の外周面において回転中心軸Xに沿って所定長さL2で設けられた凸部であり、リブ収容部411は、自立ケース4の筒状の取付部41外周を径方向外側に膨出させて、回転中心軸X側が開口する断面凹形状に形成されており、自立ケース4は、リブ収容部411を、回転中心軸Xの軸方向からリブ214に係合させて、オイルダンパ2に回り止め固定される構成とした。
【0072】
このように構成すると、リブ214とリブ収容部411とを係合させるだけで、自立ケース4のオイルダンパ2への回り止め固定を簡単に行うことができる。
自立保持機構3の自立ケース4をネジ止め等によりダンパケース21に取り付ける必要がないので、オイルダンパ2の強度を低下させることなく、自立ケース4を取り付けることができる。
また、ダンパケース21の外周に設けたリブ214に凹形状のリブ収容部411を係合させて、自立保持機構3の自立ケース4をオイルダンパ2に取り付けるため、自立保持機構3の取り付けに際して、ダンパケース21などの一部に薄肉になるような加工などを施して自立保持機構3を取り付けることが必要とならない。そのため、オイルダンパ2のダンパケース21の強度、すなわち、内部に充填されたオイル圧力に耐える強度が損なわれることがない。
【0073】
リブ収容部411にはネジ穴411bが設けられており、自立ケース4をオイルダンパ2に取り付けた際に、ネジ7の先端側をリブ収容部411内に突出させ、突出させたネジ7の先端側がリブ214に軸方向から当接して、リブ214の軸方向の移動を阻止する構成とし、特に、ネジ穴411bが、カバー22とは反対側に位置する端部側に設けられている構成とした。
【0074】
このように構成すると、リブ214とリブ収容部411との係合部分で、回り止めと、軸方向の位置決めを簡単に行うことができる。
【0075】
ネジ7は、オイルダンパ2側の部品に螺入されない長さで形成されている構成とした。
【0076】
オイルダンパ2側の部品にネジ7が螺入されると、オイルダンパ2の下穴への螺入であっても変形を生じるので、例えばオイルダンパ2側の部品がダンパケース21である場合には、変形によりダンパケースの強度が低下する。
ネジ7が、オイルダンパ2側の部品に螺入されないようにすると、螺入に起因する強度低下、例えばダンパケースの強度低下を好適に防止できる。
【0077】
自立ケース4は、回転中心軸X周りの周方向に伸びる所定幅の樹脂製の腕部47を備え、腕部47は、その基端部47a側が自立ケース4側で片持ち支持されて、樹脂製の膨出部48が設けられた先端側が、回転中心軸Xの径方向に弾性変形可能とされており、
自立ホルダ5は、ロータ23の連結部231に回り止め嵌合される筒状の本体部51を備え、樹脂製の突出部54は、本体部51の外周から径方向外側に突出するように設けられており、金属製のコイルスプリング6は、腕部47に外嵌して取り付けられて、腕部を47を自立ホルダ5の本体部51側に付勢する構成とした。
【0078】
このように構成すると、腕部47の径方向の厚みを厚くしても、膨出部48側を径方向に弾性的に変位させることができる。よって、ダンパ装置1の使用により繰り返し弾性的に変位することになる腕部47の強度を高めることができる。これによりダンパ装置1の耐久性を向上させることができる。
【0079】
自立ケース4は、腕部47の径方向外側を覆う筒状の周壁部43と、周壁部43の一端側に設けられて、周壁部43と取付部41とを仕切る仕切壁部44を備え、
自立ホルダ5の筒状の本体部51は、周壁部43の他端側の開口を塞ぐフランジ部55を備え、腕部47と、膨出部48と、突出部54と、コイルスプリング6は、周壁部43の内側で仕切壁部44とフランジ部55との間に形成される空間Sp内に、位置している構成とした。
【0080】
ロータ23の回動に節度感を与える節度機構(自立保持機構)主要部が、ほぼ閉じられた空間Sp内に位置するので、異物の侵入などにより節度感が発揮されなくなることを、好適に防止できる。
【0081】
実施の形態では、リブ収容部411の内側にリブ214を完全に収容した状態で、リブ収容部411のネジ穴411bにネジ7を螺入することで、オイルダンパ2から自立ケース4が脱落しないようにした。
オイルダンパ2からの自立ケース4の脱落を防止する方法は、この態様に限定されるものではなく、例えば、自立ケース4の取付部41に、オイルダンパ2が軽圧入されるように構成しても良い。
【符号の説明】
【0082】
1 ダンパ装置
2 オイルダンパ
3 自立保持機構
4 自立ケース
5 自立ホルダ
6 コイルスプリング
7 ネジ
21 ダンパケース
22 カバー
23 ロータ
41 取付部
42 収容部
43 周壁部
44 仕切壁部
45 貫通穴
46 開口部
47 腕部
48 膨出部
51 本体部
52 貫通穴
53 係合部
54 突出部
55 フランジ部
411 リブ収容部
411b ネジ穴
X 回転中心軸


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に流体が充填される密閉空間を有すると共に複数の部品を組み付けて構成される流体ダンパに、前記流体ダンパの回動軸の回動に節度感を与える節度機構を着脱自在とし、前記節度機構を、前記密閉空間の形成に関与しない部品を介して、前記流体ダンパに取り付けたことを特徴とするダンパ装置。
【請求項2】
前記密閉空間の形成に関与しない部品は、前記流体ダンパの外周に設けられた凸部であり、前記節度機構は、前記凸部に係合する凹部を有しており、前記凸部に前記凹部を係合させて前記流体ダンパに回り止めされた状態で取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のダンパ装置。
【請求項3】
前記節度機構は、
前記回動軸に取り付けられると共に、前記回動軸と一体に回転して前記回動軸周りの角度位置が変化する回動側突部と、
前記流体ダンパのケースに固定されると共に、前記回動軸周りの所定角度で前記回動側突部が当接する固定側突部と、
前記回動側突部と前記固定側突部とを互いに当接させる方向に付勢する付勢部材と、を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のダンパ装置。
【請求項4】
前記付勢部材は、
基端側が前記ケースで方持ち支持されると共に、前記固定側突部が設けられた先端側が前記回動軸の径方向に弾性変形可能とされた樹脂製の付勢部材と、
前記樹脂製の付勢部材を、前記回動側突部と前記固定側突部とを互いに当接させる方向に付勢する金属製の付勢部材とを備え、
前記回動側突部と前記固定側突部を樹脂材料から構成したことを特徴とする請求項3に記載のダンパ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−202498(P2012−202498A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68431(P2011−68431)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】