説明

チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン型生成物の作製方法。

本発明は、チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン型化合物、特に2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピンの6,6−ジオキシドのメタンスルホン酸塩、および2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H.7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピンの(R,S)6−オキシドのメタンスルホン酸塩並びにこれらの鏡像異性体及び医薬的に許容される塩を調製するための新規方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン型の化合物、及び、特に、2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6,6−ジオキシドメタンスルホネート、および(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド、およびこれらの鏡像異性体の化合物並びに薬学的に許容されるそれらの塩を調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
これらの産物は、特許出願WO99/05147に記載されている。これらの産物は公知であり、グルタミン酸伝達に関連する痙攣及び疾病の治療及び/又は予防に特に有用である。これらの産物は、血栓塞栓性及び出血性の発作、心停止、低血圧症、心臓、血管若しくは肺の手術又は重篤な低血糖などの脳血管障害後の虚血(局所又は全身虚血など)を、酸素欠乏症(周産期、又は溺水後、高圧若しくは脳脊髄損傷であると否とを問わない。)によって引き起こされる効果の治療において治療及び/又は予防するのに極めて有用であり、神経変性疾患、ハンチントン舞踏病、アルツハイマー病及びその他の痴呆症、筋萎縮性側索硬化症またはその他の運動ニューロン疾患、オリーブ橋小脳萎縮症及びパーキンソン病の進行を治療又は予防するのに極めて有用であり、てんかん発症性(てんかん)及び/又は痙攣性兆候を抑えるのに極めて有用であり、脳若しくは脊髄の外傷の治療、内耳又は網膜の変性に関連する外傷、耳鳴り、不安、うつ病、統合失調症、トゥーレット症候群、肝性脳症、睡眠障害、注意力欠如症候群、ホルモン症状の疾患(GH又はLHの過剰な分泌、コルチコステロンの分泌)、鎮痛薬、抗炎症剤、抗食欲抑制剤、抗偏頭痛薬、制吐薬として極めて有用であり、並びに神経毒による中毒及び髄膜炎及びウイルス性脳炎、AIDS、狂犬病、はしか及び破傷風などのウイルス性疾患に伴う神経疾患を治療するのに極めて有用である。これらの化合物は、薬物及びアルコールの中止の症状の予防、薬物及びアルコールの中止の症状に対する耐性及び依存性、並びに鎮静剤、バルビツレート、アンフェタミン及びベンゾジアゼピンへの依存症及び依存性の阻害に有用である。これらの化合物はまた、ミトコンドリア筋症のようなミトコンドリア異常症、レーベル症候群(LEBER’s syndrome)、ウェルニッケ脳症、レット症候群、ホモシステイン血症(homocysteinemia)、高プロリン血症、ヒドロキシ酪酸アミノ酸尿、鉛脳症(慢性的鉛中毒症)、および亜硫酸酸化酵素欠乏症と関連した不全の治療にも使用され得る。
【0003】
本発明は、2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6,6−ジオキシドメタンスルホネートおよび(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド、および、大規模産生に適応可能な、これらの鏡像異性体(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドメタンスルホネートおよび(R)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドメタンスルネートの合成のための方法の開発に関する。
【0004】
特許出願WO99/05147は、多量の合成のために産業規模に置き換えることが困難である合成の一般的な方法を記述する。前記合成は特許出願WO99/05147の実施例10、11、および13に記載されており、最も一般的には前記記述の過程部分において記述されている。
【0005】
本発明は、段階および収率に関して前記合成を最適化でき、したがって、特許出願WO99/05147において開発されたデータおよび操作条件を使用して予想できなかった大規模産生が可能である。
【0006】
実際、前記新規合成過程は単離される中間体の数を減少することができ、シリカ上でのクロマトグラフィーによる精製を削除できる。
【0007】
特許出願WO99/05147において開発された合成の方法は、4−トリフルオロメチルアニリンからの9段階における2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6,6−オキシドメタンスルホネートを得る上で、および以下の反応スキーム(I)
【0008】
【化1】

にしたがって成り立つ。
【0009】
生成物1は、生成物2を得るために、THFに混合したジ−第三−ブチル二炭酸とともにBOC基を還流下で使用する既存の方法に従った保護される。生成物2は非常に不安定な第三−ブチルリチウムを使用して生成物3へ変換される。前記メチル官能基は、生成物4を得るために、N−ブロモコハク酸イミドでブロム化される。硫黄含有鎖が、中間体5を得るために、水素化ナトリウムの存在下でチオグリコール酸メチルを使用して導入される。この中間体5はトリフルオロ酢酸の存在下で環化する。中間体6すなわち7−トリフルオロメチル−1,5−ジヒドロ−3H−[4,1]ベンゾチアゼピン−2−オンのアミド官能基は、中間体7すなわち7−トリフルオロメチル−1,2,3−5−テトラヒドロ−[4,1]ベンゾチアゼピンを得るために、テトラヒドロアルミン酸リチウムの存在下でアミンへ還元される。前記第三環は、酢酸中のチオシアン酸カリウムおよび臭素の存在下で導入される。鍵となる中間体8すなわち2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピンがその後、段階7において得られる。
【0010】
中間体8は、最終生成物2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6,6−ジオキシドメタンスルホネートを得ることを可能にし、また(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドおよびその鏡像異性体も得ることを可能にする。
【0011】
本発明は、反応スキーム(II)にしたがったこれらの段階の各々を最適化でき、特にその合成段階の数を減少でき、他の合成中間体および産業試薬を使用でき、一段階で直接第二環の環化を実行でき、このことはクロマトグラフィーによる精製を排除することによる。
【0012】
【化2】

【0013】
生成物10すなわち2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6,6−ジオキシドメタンスルホン酸を合成するための方法は、
a)4−トリフルオロメチルアニリン(生成物1)がモノクロロベンゼン中のジ−第三−ブチル二炭酸の存在下で還流下で保護され、次いで、
b)前記先行段階において単離された第三−ブチル4−トリフルオロメチルフェニルカルバメート(生成物2)が2−ヒドロキシメチル−4−トリフルオロメチルフェニルカルバメート(生成物12)へ、中間体2−ホルミル−4−トリフルオロメチルフェニルカルバメート(生成物11)を単離せずに変換され、次いで、
c)前記先行段階において単離された2−ヒドロキシメチル−4−トリフルオロメチルフェニル−カルバメート(生成物12)が、チオグリコール酸および触媒量のp−トルエンスルホン酸の存在下で7−トリフルオロメチル−1,5−ジヒドロ−3H−[4,1]ベンゾチアゼピン−2−オン(生成物6)へ直接変換され、次いで、
d)前記先行段階において単離された7−トリフルオロメチル−1,5−ジヒドロ−3H−[4,1]ベンゾチアゼピン−2−オン(生成物6)が、7−トリフルオロメチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−[4,1]ベンゾチアゼピン(生成物7)を得るために還元され、次いで、
e)前記先行段階において単離された7−トリフルオロメチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−[4,1]−ベンゾチアゼピンが次に、酢酸中の臭素、チオシアン酸カリウムの存在下で、生成物8である2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン臭化水素酸へ変換され、次いで、
f)前記2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン臭化水素酸が、2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6,6−ジオキシド(生成物9)へ酸化され、および次に、メタンスルホン酸の存在下で2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6,6−ジオキシドメタンスルホン酸(生成物10)へ変換される、ことを特徴とする。
【0014】
第一段階は、4−トリフルオロメチルアニリン(生成物1)のアミン官能基をモノクロロベンゼン中のジ−第三−ブチルで、78〜82℃の間、および好ましくは80℃の還流下で7時間保護することで成り立つ。前記生成物はメチルシクロヘキサンから結晶化される。前記生成物2は88%の収率で得られる。
【0015】
第二段階は、中間体生成物11が単離されないため、第三段階と組み合わされる。生成物2は無水テトラヒドロフラン(THF)に溶解され、前記溶液は−32〜−28℃、および好ましくは−30℃へ冷却され、N,N,N’,N’−テトラメチルエチルジアミン(TMEDA)がn−ブチルリチウムと同様に添加される。−30℃で4時間30分後、DMF(ジメチルホルムアミド)を添加する。前記処理は6N塩酸を注入することによって実行され、その全体は20℃で30分間加熱される。前記水性相が除去され、前記有機相が水で洗浄される。生成物11はしたがって、THF中の冷却溶液中に保存され、および次の段階において直接使用される。5℃のTHF中の生成物11の溶液へ添加されるのは、5℃の0.1N水酸化ナトリウムおよびNaBHの混合物である。5℃で3時間後、6NHClが溶媒へ添加され、およびその全体が18〜22℃、および好ましくは20℃へ加熱される。デカンテーションおよび水による洗浄の後、前記溶媒を蒸発させ、前記生成物をメチルシクロヘキサンの存在下で沈殿する。生成物12は段階2において69%の収率で得られる。
【0016】
中間体12で開始する第四段階は、第二硫黄含有環を形成することおよび生成物6を得ることにおいて成り立つ。チオグリコール酸入りのトルエン中の溶液中にある中間体12は還流下で、トルエンおよびp−トルエンスルホン酸の溶液へ添加される。前記全体は還流下で維持される。前記水を反応中にDean−Starkを使用して除去する。反応終了時に、前記混合物を9〜11℃、および好ましくは10℃の温度へ冷却し、および水をアンモニア水溶液と同様に添加する。前記反応混合物を処理し、前記沈殿を水で洗浄し、次いで生成物6を84%の収率で得るために乾燥させる。
【0017】
中間体6で開始する第五段階は、アミド官能基をアミンへ還元することで成り立つ。生成物6をTHFに溶解し、およびNaBHを添加する。前記全体を28〜32℃、および好ましくは30℃の温度へ加熱し、クロロトリメチルシランを添加する。30℃で2時間後、前記溶媒を15℃へ冷却する。水/THF混合物を添加し、次いで水酸化ナトリウムを30%で、pH12へ30分かけて添加する。デカンテーションの後、前記有機相を水およびNaCl溶液で洗浄する。生成物7をメタノールの存在下で沈殿させ、単離し、乾燥させる。生成物7は92%の収率で得られる。
【0018】
中間体7で開始する第六段階は前記第三環を形成し、および生成物8を得ることで成り立つ。前記中間体7はチオシアン酸カリウムの存在下で酢酸中に溶解される。前記全体を29〜31℃、および好ましくは30℃の温度へ加熱し、および酢酸に混合した臭素の溶液を2時間かけて注入する。30℃で2時間後、前記溶媒を水の添加により加水分解し、次いで、19〜21℃および好ましくは20℃の温度へ冷却する。前記生成物をろ過し、酢酸で洗浄し、次いで排出する。前記ケーキを次に水とエタノールの混合物中に懸濁し、次いで還流下で2時間加熱する。L3S黒で処理した後、メタノールを除去するために、前記ろ液を真空下で濃縮する。前記媒体を次に4〜6℃、および好ましくは5℃へ冷却し、および30分間撹拌した後ろ過し、洗浄し、オーブンで乾燥させる。生成物8は57.1%の収率で得られる。
【0019】
第七段階は硫黄、鍵となる中間体8をスルホンへ酸化することで成り立つ。生成物8は水およびアセトニトリル(比12:88)の混合物中で懸濁される。次に、オキソンが少量で30分かけて添加され、その間、温度は23〜27℃、および好ましくは25℃の温度を下回るよう維持される。硫黄のスルホキシド中間体への酸化は添加終了10分後に完了し、3時間の撹拌の後、スルホキシド中間体は期待されるスルホンへと酸化される。余剰のオキソンは5%亜硫酸ナトリウム水溶液を添加することによって破壊され、次いで、前記酸性媒体がpH9へ、N水酸化ナトリウムを添加することによって中和される。前記スラリーを58〜62℃および好ましくは60℃の温度で、真空下でアセトニトリルを駆動するよう濃縮し、得られた前記水溶性懸濁液を43〜47℃、および好ましくは45℃の温度でろ過し、前記ケーキを水で洗浄し、次いで92%の収率のスルホン(生成物9)を得るために乾燥する。
【0020】
第八段階は生成物9を加塩し、次いで得られた前記塩を再結晶化することで成り立つ。前記スルホン(生成物9)を水およびアセトンの混合物中で懸濁し、前記懸濁液を55℃へ加熱し、メタンスルホン酸を次に10分かけて注入し、前記媒体が溶液中へ通過し、3S黒を添加し、得られた前記懸濁液をクラーセル(clarcel)上でろ過する。アセトンを添加することによって前記ろ液を希釈し、前記媒体が結晶化し、前記温度を25℃へ回復でき、次に前記媒体を10℃へ冷却し、前記スラリーをろ過し、前記ケーキをアセトンで洗浄し、および真空下で乾燥させる。前記粗生成物10は、アセトン0.2mol/molを含有する溶媒化合物の形式で、75%の収率で得られる。
【0021】
前記粗塩10をエタノールに混合した懸濁液を77℃へ加熱し、次いで水を迅速に添加し、前記媒体が溶液へと通過し、次いで再結晶化する。75℃で15分間維持した後、前記温度を25℃へ回復でき、次いで前記媒体を10℃へ冷却し、生成物10を単離および乾燥させる。生成物10は75%の再結晶化収率で、または56%の段階8の全体的な収率で得られる。
【0022】
(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドおよびその鏡像異性体は中間体(生成物8)から、スキーム(III)に記述された二つの手段にしたがって得られ得る。
【0023】
【化3】

【0024】
(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド(生成物16)を合成するための過程は、
(i)2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン臭化水素酸(生成物8)をラセミの形式で、(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド(生成物13)へ一酸化し、次いで、
(ii)前記(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドを、(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドメタンスルホン酸(生成物14)の塩へ変換し、次いで、
(iii)前記(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドメタンスルホン酸を、キラルクロマトグラフィーにより、(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド(生成物15)、および(R)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド(生成物16)へ分離し、次いで、
(iv)前記(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドを、(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドメタンスルホン酸(生成物17)へ変換し、
(v)段階(iii)から派生した前記(R)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド(生成物16)を、(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドおよび(R)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドへ再度分離されるラセミの(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドへ再利用する、ことを特徴とする。
【0025】
(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド(生成物13)の合成は、2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン臭化水素酸(生成物8)で開始することで実行される。
【0026】
生成物8を生成物13へ通過させるための酸化段階は、硫化物官能基をラセミスルホキシドへ化学的に酸化することで成り立つ。前記酸化は30℃で酢酸中の過酸化水素を使用して実行される。硫化ナトリウムによる還元処理の後、アンモニア水溶液へ注入し、それによりpHを8.5へ調整する。前記生成物を次にろ過し、水、エタノールで何回も洗浄し、次いで排出真空の下で40℃のオーブンの中で乾燥させる。ラセミの(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド(生成物13)は94.4%の収率で得られる。
【0027】
次の段階は、前記(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドをメタンスルホン酸塩(生成物14)である(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドへ変換することで成り立つ。エタノールに混合した(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド(生成物13)を、25℃でメタンスルホン酸へ添加する。この温度で1時間維持した後、前記生成物をろ過紙、無水エタノールで洗浄し、次いで40℃の真空オーブンで乾燥させる。前記(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドメタンスルホン酸(生成物14)は97.7%の収率で得られる。
【0028】
次の段階は、(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドメタンスルホン酸(生成物14)の二つの鏡像異性体を、生成物15すなわち(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド、および生成物16すなわち(R)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドへ、Whelk(R)のOI,SS型キラル固定相上でのクロマトグラフィーにより分離することで成り立つ。クロマトグラフィー用の溶離剤は、十分に定義された割合の水、エタノール、およびトリエチルアミンにおいて25℃で混合することによって調製される。洗浄用溶離剤は、十分に定義された割合の水、エタノール、ジメチルホルムアミド、およびトリエチルアミンにおいて25℃で混合することによって調製される。前記生成物(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドメタンスルホン酸を前記溶離剤へ可溶化し、およびカラムへと注入する。前記生成物を含有する画分を真空下で濃縮する。前記分離の終了時に、その他の鏡像異性体(生成物16)すなわち(R)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドを回収するために前記溶離剤を逆転させる。前記生成物15すなわち(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドは45%の収率で得られる。
【0029】
前記分離はまた、トリフルオロ酢酸を含有する溶離剤を使用するキラルパック(R)AD相上で中間体(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド遊離塩基により開始することで実行されてもよい。これらの条件下では、(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドが単離される。アンモニア水溶液で遊離塩基へ回復させた後、次に前記メタンスルホン酸塩を調製する。
【0030】
生成物15すなわち(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドで開始する次の段階は、メタンスルホン酸塩を調製することで成り立つ。エタノールに混合した(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドの溶液へ25℃で添加されるのはメタンスルホン酸である。この温度で1時間維持した後、生成物をろ過し、無水エタノールで洗浄し、次いで40℃の真空オーブンの中で乾燥させる。(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドメタンスルホン酸(生成物17)が80%の収率で得られる。
【0031】
中間体(生成物16)である(R)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドを、酸性媒体におけるラセミ化により生成物13すなわち(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド中で再利用される。前記生成物を25℃の硫酸の存在下で酢酸中に可溶化させる。処理後、生成物(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドが90%の収率で単離される。
【実施例】
【0032】
本発明は、以下にしたがう合成の実施例において示され、すなわち2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6,6−二酸化物メタンスルホン酸の合成である。
【0033】
(段階1)5lの反応器へ搭載されるのは、モノクロロベンゼン中に60.6%で混ぜた1.6kgの4−トリフルオロメチルアニリン(生成物1)、および1.625kgのジ−第三−ブチル二炭酸である。前記反応媒体を80±2℃へ1時間30分加熱し、次いでこの温度で6時間維持する。2.909lのメチルシクロヘキサンを30分かけて加え、次いで前記媒体を60℃へ30分かけて冷却する。この温度で、1gの開始剤(生成物2)を加え、次いで前記媒体を20±5℃へ2時間かけて冷却する。1時間当たり10℃の速度で−5±1℃へ冷却した後、前記媒体を1時間維持し、次いでろ過する。前記ケーキを970mlのメチルシクロヘキサンで洗浄し、次いで30〜35℃の真空オーブン(5mbar)の中で定常重量へと乾燥させる。
【0034】
白色結晶の形状の1.385kgの中間体(生成物2)がかくして88%の収率で得られる。
【0035】
(段階2)1.5lの反応器へ室温で連続して搭載されるのは、400mlのテトラヒドロフランおよび50gの中間体(生成物2)である。前記反応媒体を−30±2℃へ冷却する。前記温度が−20℃に到達すると、前記冷却を続行しながら、56.16gのN,N,N,N−テトラメチルエチレンジアミンを搭載する。前記温度が−30℃に到達すると、2.5M/lでn−へキサンに溶解した161.81gのn−ブチルリチウムを搭載する。前記媒体を−30±2℃で4時間30分撹拌し、次いで前記温度を−30±2℃で維持しながら、31.09gのジメチルホルムアミドをその後添加する。30分間反応させた後、295mlの予め冷却しておいた6N塩酸を−30℃で注入する。前記媒体を次に20℃へ1時間かけて加熱し、次いでこの温度で30分間撹拌した後、デカンテーションへ供する。前記水性相を除去した後、前記有機相を125mlの脱イオン水で二回洗浄する。前記有機相をその後0〜5℃で保存する。
【0036】
11.47%(w/w)での中間体(生成物11)の436.2gのテトラヒドロフラン溶液がかくして90.4%の収率で得られる。
【0037】
(段階3)100mlの三角フラスコへ室温で搭載されるのは、24.1mlの0.1N水酸化ナトリウムである。5±2℃へ冷却した後、4.43gの水素化ホウ素ナトリウムを添加する。この溶液を5±2℃で1時間30分かけて、11.47%(w/w)の中間体(生成物11)を含有する436.2gのテトラヒドロフラン溶液を含有する2Lの反応器へ注入する。前記媒体をその後この温度で3時間維持する。前記媒体のpHは、5℃で21.5mlの6N塩酸を注入することによってpH=4の状態にする。15分間撹拌した後、前記媒体を20±2℃へ加熱し、次いで、前記相をデカンテーションにより分離する。デカンテーションにより分離された前記有機相を次に70mlの水で洗浄する。前記有機相を次に80mbarのもとで35℃を超越せずに濃縮する。200mlのメチルシクロヘキサンを次に前記濃縮物へ添加し、および減圧下での蒸留を続行する。前記媒体を次に−5±2℃へ冷却し、次いでろ過する。前記ケーキを19mlのメチルシクロヘキサンで二回洗浄し、次いで排水し、30℃の真空オーブンで乾燥させる。
【0038】
38.5℃の生成物12がかくして白色結晶の形状で、(2段階で計算される)69%の収率で得られる。
【0039】
(段階4)2lの反応器へ連続的に搭載されるのは400mlのトルエンおよび53.31gのp−トルエンスルホン酸である。前記媒体を還流下で加熱し、600mlのトルエン、200gの中間体(生成物12)、および96.82gのチオグリコール酸からなる溶液を2時間かけて注入する。前期反応で発生した水をDean−Starkにより除去する。前記反応実体をその後10±1℃へ冷却し、300mlの水を添加する。73mlの20%アンモニア水溶液を注入してpHが8に至るようにする。5℃へ冷却後、前記媒体をろ過し、320mlの水で洗浄し、次いで320mlのトルエンで洗浄する。前記生成物を40℃の真空オーブンの中で乾燥させる。
【0040】
143.03gの生成物6、すなわち7−トリフルオロメチル−1,5−ジヒドロ−3H−[4,1]ベンゾチアゼピン−2−オンを青みがかった黄色の粉末の形状で、84.2%の収率で単離する。
【0041】
(段階5)2lの反応器へ連続的に室温で搭載されるのは、997mlのテトラヒドロフラン、100gの中間体(生成物6)、および32.68gの水素化ホウ素ナトリウムである。前記混合物を30±2℃へ加熱し、および93.88gのクロロトリメチルシランを1時間30分かけて注入する。この温度で2時間維持した後、前記媒体を15℃へ冷却する。500mlの水−テトラヒドロフラン(65:35(v/v))の混合物を約2時間30分かけて、最高温度である20℃を超過せずに添加する。30%水酸化ナトリウム約60mlを20℃で注入することによって、前記pHを30分かけて12まで徐々に上昇させる。30分間維持した後、前記媒体をデカンテーションにより分離する。前記有機相を37mlの塩化ナトリウム水溶液および180mlの水で二回洗浄する。30℃という温度を超過せずに前記有機相を真空下で濃縮する。濃縮終了時に、220mlのメタノールを注入し、前記媒体を再度濃縮する。207mlの水を次に20℃で15分かけて注入し、および前記媒体を次に0℃へ冷却する。30分間維持した後、前記媒体をろ過し、前記ケーキを72mlの水で洗浄し、次いで40℃の真空オーブンで乾燥させる。
【0042】
87.67gの生成物7、すなわち7−トリフルオロメチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−[4,1]ベンゾチアゼピンが91.9%の収率で得られる。
【0043】
(段階6)2.5lの反応器へ連続的に搭載されるのは、600mlの酢酸、100gの中間体7−トリフルオロメチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−[4,1]ベンゾチアゼピン、および94.46gのチオシアン酸カリウムである。前記全体を2時間かけて30±1℃へ加熱する。184.8mlの酢酸中の77.28gの臭素からなる溶液を30±1℃で2時間かけて注入する。30℃で2時間維持した後、100mlの脱イオン水を添加し、前記媒体を20±1℃へ30分かけて冷却する。この温度で30分間維持した後、前記媒体をろ過する。前記ケーキを2×100mlの酢酸で二回洗浄する。排水後、253.6gの粗生成物8を2.6lの水−メタノール(20:8(v/v))混合物から再結晶化する。還流下で2時間加熱した後、10gのL38黒および50mlの水−メタノール(20:80(v/v))混合物を添加し、前記還流をさらに2時間続行する。前記媒体を温度自動調節フィルターでろ過し、および前記ケーキを2×200mlの前記水−メタノール混合物で二回洗浄する。前記ろ液を次に2.5lの反応器へ再搭載し、および45℃の温度で15mbarの下で濃縮する。前記メタノール含有量が5%(w/w)未満であるとき、前記媒体を1時間かけて5±1℃へ冷却する。5℃で30分間維持した後、前記媒体をろ過し、および前記ケーキを5℃で連続して100mlの水−メタノール(60:40(v/v))混合物で洗浄し、次いで2×100mlの酢酸で二回洗浄する。前記生成物を次に40度の真空オーブンの中で乾燥させる。88.8gの生成物2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピンは、白色固体の形状で、57.1%の収率で得られる。
【0044】
(段階7)撹拌された6lの三つ首フラスコへ搭載されるのは9.3gの(臭化水素酸の形状にある)2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン(生成物8)、164mlのアセトニトリル、および22mlの水(88:12)である。得られた懸濁液へ30分かけて少量で添加されるのは24.6gのオキサンであり、その間前記媒体の温度は25±2℃未満(10℃の水槽)に維持される。前記添加の間、前記懸濁液は密になり、および白色から黄色へと変化する。
【0045】
添加終了10分後に実行されるHPLCは、2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピンがすべて、スルホキシド中間体へ酸化されたことを示す。3時間撹拌した後、前記スルホキシド中間体は、期待されるスルホン2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6,6−ジオキシド(生成物9)へ酸化される。
【0046】
前記過酸化物検査が陰性になるまで、5%(w/v)水溶液中に50mlの亜硫酸ナトリウムを添加することによって過剰のオゾンを破壊する。過剰の酸化剤が破壊されるや否や、前記スラリーの呈色は黄色から白色へと通過する。前記酸性懸濁液は次に、150mlのN水酸化ナトリウムを添加することによってpH=9へと中和する。
【0047】
前記アセトニトリルを除去するために、前記懸濁液を40mmHgの下で60±2℃で濃縮する。得られた前記水溶性懸濁液を、焼結したガラス上で45±2℃でろ過し、前記ケーキをフィルター上で三回、100mlの蒸留水を用いて洗浄し、完全に排水し、および50mmHgの下で35±2℃で72時間乾燥させる。
【0048】
7.4gの2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6,6−ジオキシド(生成物9)が92%の収率で得られる。
【0049】
(段階8)撹拌された6lの三つ首フラスコへ搭載されるのは308.5gの2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6,6−ジオキシド(生成物9)、926mlのアセトン、および926mlの蒸留水であり、得られた前記懸濁液を55±2℃へ加熱し、この温度で65.9mlのメタンスルホン酸を10分かけて注入し、前記媒体を溶液へ通過させ、3gのL3S黒を次に添加し、および前記媒体を熱い状態で、焼結されたガラス上でろ過する。熱い状態に維持された前記ろ液へ迅速に添加されるのは、2778mlのアセトンである。前記媒体は前記添加が開始するとすぐに結晶化し、前記媒体の温度は25±2℃へ回復でき、次いで氷槽の補助で10±2℃へ冷却される。前記媒体を焼結されたガラス上でろ過紙、前記排水されたケーキをフィルター上で400mlのアセトンで三回洗浄し、完全に排水し、および湿度の高い水大気において20mmHgの下で40℃で56時間乾燥させる。
【0050】
0.2mol/molのアセトンで溶解された302gの粗生成物である2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6,6−ジオキシドメタンスルホン酸が75%の収率で得られる。
【0051】
撹拌された500mlの三つ首フラスコへ搭載されるのは、(0.2mol/0.2molのアセトンで溶解された)16gの2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6,6−ジオキシドメタンスルホン酸、および160mlのエタノールである。前記懸濁液を(沸騰領域において)77±2℃へ加熱し、および24mlの蒸留水を一度に全部添加する。前記媒体は溶液を通過し、次いですぐに再結晶化し、それが75±2℃で15分間撹拌したままにされ、次いでそれを撹拌しながら室温へ戻させる。前記スラリーを10±2℃へ冷却し、それを焼結されたガラス上でろ過し、前記完全に排水したケーキを20mmHgの下で35±2℃で20時間乾燥させる。
【0052】
12gの2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6,6−ジオキシドメタンスルホン酸(生成物10)が75%の再結晶化収率で、いわば段階8についての全体は56%の収率で得られる。
【0053】
(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド(生成物13)およびその鏡像異性体の合成は、以下に記述される条件にしたがって実行される。
【0054】
8lの反応器へ連続的に搭載されるのは、2.8lの酢酸、282.27gの中間体(生成物8)である。前記媒体を30±1℃へ加熱し、および126.7gの過酸化水素を1時間かけて添加する。この温度で3時間維持した後、前記温度を20±1℃に至るようにする。14.67gの亜硫酸ナトリウムをゆっくりと添加し、および30分間維持した後、4.55lのアンモニア水溶液を注入する。1時間維持した後、前記媒体をろ過する。前記ケーキを282.3mlの水で、次いで5.5mlの無水エタノールで連続して洗浄する。前記生成物を40℃の真空オーブンの中で乾燥させる。
【0055】
224.37gの生成物13である(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6-オキシド(生成物13)は白色粉末の形状で、94.4%の収率で得られる。
【0056】
2.5lの反応器へ25℃で搭載されるのは、1012mlの無水エタノールおよび101.17gの中間体(生成物13)である(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドである。34.01gのメタンスルホン酸を次に30分かけて注入し、その間、温度を25±1℃に維持する。1時間撹拌した後、前記pHをチェックし、前記媒体をろ過する。前記ケーキを50.6mlの無水エタノールで洗浄し、次いで40℃の真空オーブンの中で乾燥させる。129.64gの生成物14である白色粉末の形状の(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドメタンスルホン酸が97.7%の収率で単離される。
【0057】
90gの中間体(生成物14)であるラセミの(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6-オキシドメタンスルホン酸を、1.2lの水および1.2lのエタノールの混合物からなる溶離剤野中に溶解する。前記溶液をろ過した後、カラムへ注入して分画する。LC80カラムに25℃で、1.8lの無水エタノールにおける1.2kgのWhelk(R)−01の固定相を充填する。あるいは、前記溶出は20:80:0.1の比の水、無水エタノール、およびトリエチルアミンからなる混合物を使用して実行されてもよい。期待される生成物である(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド(生成物15)を含有する画分を統合し、真空下で濃縮する。前記沈殿物をろ過し、水で洗浄した後、30℃の真空オーブンの中で乾燥させる。30.1gの生成物である(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド(生成物15)は白色結晶の形状で約45%の収率で単離される。
【0058】
その他の鏡像異性体である(R)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドは、溶出の方向を逆転させ、および0.47lの水、7.9lのエタノール、0.94lのジメチルホルムアミド、および18.7mlのトリエチルアミンからなる混合物で溶出することによって回収されてもよい。
【0059】
2.5lの反応器へ25℃で搭載されるのは2494mlの無水エタノールおよび83.13gの中間体である(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドである。28.98gのメタンスルホン酸を次に30分かけて注入し、その間、前記温度を25±1℃に維持する。30分間撹拌した後、前記溶液をミリポアでろ過し、次いで前記純粋な中間体である(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドとともに播く。前記撹拌を25℃で1時間維持し、次いで撹拌できる最小値に到達するまで前記媒体を真空下で部分的に濃縮する。1時間で5℃へ冷却した後、前記沈殿物をろ過する。前記ケーキを90mlの無水エタノールで洗浄し、次いで40℃の真空オーブンの中で乾燥させる。前記生成物を0.630mmのスクリーンでふるいにかける。
【0060】
87.43gの生成物である(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドメタンスルホン酸が、白色粉末の形状で80%の収率で単離される。
【0061】
その他の鏡像異性体である(R)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド(生成物16)は、25℃での硫酸存在下でそれを酢酸中に可溶化することによって、(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドへと再利用される。前記媒体の酸性度を中和するために処理した後、前記生成物である(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドが90%の収率で単離され、それは再度(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド、および(R)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドへと分離されてもよい。
【0062】
前記二つの鏡像異性体を分離するための別の方法は、以下に例証される。
【0063】
前記分離はまた、トリフルオロ酢酸を含有する溶離剤を使用するキラルパック(R)AD固定相において、前記中間体(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド(生成物13)で開始する異なるクロマトグラフィーシステムを使用して実行されてもよい。前記期待される生成物を含有する画分を統合し、および真空下で濃縮する。前記生成物をそのトリフルオロ酢酸塩の形状で単離する。
【0064】
前記分離はまた、トリフルオロ酢酸を含有する溶離剤を使用するキラルパック(R)AD固定相において、中間体(生成物13)である(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド遊離塩基で開始する異なるクロマトグラフィーシステムを使用して実行されてもよい。前記期待される生成物である(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドを含有する画分を組み合わせ、および真空下で濃縮する。前記生成物(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドを、そのトリフルオロ酢酸塩の形状で単離する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)4−トリフルオロメチルアニリンが還流下でモノクロロベンゼン中のジ−tert−ブチルジカルボナートの存在下で保護され、次いで
b)先行する工程で単離されたtert−ブチル 4−トリフルオロメチルフェニルカルバメートが、中間体2−ホルミル−4−トリフルオロメチルフェニルカルバメートを単離せずに、2−ヒドロキシメチル−4−トリフルオロメチルフェニルカルバメートへ変換され、次いで、
c)先行する工程で単離された2−ヒドロキシメチル−4−トリフルオロメチルフェニルカルバメートが、チオグリコール酸およびp−トルエンスルホン酸の触媒量の存在下で、7−トリフルオロメチル−1,5−ジヒドロ−3H−[4,1]ベンゾチアゼピン−2−オンへ、直接変換され、次いで、
d)先行する工程で単離された7−トリフルオロメチル−1,5−ジヒドロ−3H−[4,1]ベンゾチアゼピン−2−オンが、7−トリフルオロメチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−[4,1]ベンゾチアゼピンを与えるために還元され、次いで、
e)先行する工程で単離された7−トリフルオロメチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−[4,1]−ベンゾチアゼピンが、酢酸中の臭素、チオシアン酸カリウムの存在下で、2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン臭化水素酸塩へ変換され、次いで、
(f)2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン臭化水素酸塩が、2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7Hチアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6,6−ジオキシドへ酸化された後、メタンスルホン酸の存在下で、2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6,6−ジオキシドメタンスルホネートへ変換される、ことを特徴とする2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6,6−ジオキシドメタンスルホネートを調製する方法。
【請求項2】
tert−ブチル 4−トリフルオロメチルフェニルカルバメートがメチルシクロヘキサンからの結晶化によって得られることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
2−ヒドロキシメチル−4−トリフルオロメチルフェニルカルバメートが、tert−ブチル 4−トリフルオロメチルフェニルカルバメート上のn−ブチルリチウムのジメチルホルムアミドとの反応によって得られた2−ホルミル−4−トリフルオロメチルフェニルカルバメートから得られ、反応媒体から単離されないことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
還流下でのトルエン中の、2−ヒドロキシメチル−4−トリフルオロメチルフェニルカルバメート、チオグリコール酸およびp−トルエンスルホン酸の触媒量から得られることを特徴とする、7−トリフルオロメチル−1,5−ジヒドロ−3H−[4,1]ベンゾチアゼピン−2−オンの合成方法。
【請求項5】
7−トリフルオロメチル−1,5−ジヒドロ−3H−[4,1]ベンゾチアゼピン−2−オンが、NaBHおよびクロロトリメチルシランの存在下で還元されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6,6−ジオキシドが、アセトニトリルおよび水の中のオキソンの存在下で、2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン臭化水素酸塩から得られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
i)2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン臭化水素酸塩が、ラセミの形で、(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドへ一酸化され、次いで、
ii)(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドが(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドメタンスルホネートの塩へ変換され、次いで、
iii)(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドメタンスルホネートが、キラルクロマトグラフィーにより、(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドおよび(R)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドへ分離され、次いで、
iv)(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドが(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドメタンスルホネートへと変換され、
v)工程iii)に由来する(R)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドが、(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドおよび(R)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドへ再度分離されるラセミの(R,S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドへ再利用される、
ことを特徴とする(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドを調製する方法。
【請求項8】
期待される生成物である(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド15が、39/59/2の比の水、無水エタノールおよびトリエチルアミンからなる混合物を用いるキラルクロマトグラフィーの間に溶出されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
期待される生成物である(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシド15が、20/80/0.1の比で水、無水エタノールおよびトリエチルアミンからなる混合物を用いて、工程iii)においてキラルクロマトグラフィーの間に溶出されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
工程(v)の再利用が、硫酸の存在下で酢酸中に(R)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドを可溶化することで実行されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
工程(i)の酸化が酢酸中の過酸化水素を用いて実行されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
a)4−トリフルオロメチルアニリンが還流下でモノクロロベンゼン中のジ−tert−ブチルジカーボネートの存在下で保護され、次いで、
b)先行する工程において単離されたtert−ブチル 4−トリフルオロメチルフェニルカーバメートが、中間体である2−ホルミル−4−トリフルオロメチルフェニルカーバメートを単離せずに、2−ヒドロキシメチル−4−トリフルオロメチルフェニルカーバメートへと変換され、次いで、
c)先行する工程において単離された2−ヒドロキシメチル−4−トリフルオロメチルフェニルカーバメートが、チオグリコール酸およびp−トルエンスルホン酸の触媒量の存在下で、7−トリフルオロメチル−1,5−ジヒドロ−3H−[4,1]ベンゾチアゼピン−2−オンへと直接変換され、次いで、
d)7−トリフルオロメチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−[4,1]ベンゾチアゼピンを与えるために、先行する工程において単離された7−トリフルオロメチル−1,5−ジヒドロ−3H−[4,1]ベンゾチアゼピン−2−オンが還元され、次いで、
e)先行する工程において単離された7−トリフルオロメチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−[4,1]−ベンゾチアゼピンが酢酸中の臭素、チオシアン酸カリウムの存在下で2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン臭化水素酸塩へ変換される、
ことを特徴とする、2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン臭化水素酸塩の合成方法。
【請求項13】
中間体生成物としての、tert−ブチル 2−ヒドロキシメチル−4−トリフルオロメチルフェニルカルバメート。
【請求項14】
中間体生成物としての、2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン臭化水素酸塩。
【請求項15】
中間体生成物としての、(S)−2−イミノ−9−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−2H,7H−チアゾロ[3,4,5−デ][4,1]ベンゾチアゼピン6−オキシドのトリフルオロ酢酸塩。

【公表番号】特表2007−519621(P2007−519621A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543580(P2006−543580)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【国際出願番号】PCT/FR2004/003138
【国際公開番号】WO2005/066146
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(500152119)アバンテイス・フアルマ・エス・アー (65)
【Fターム(参考)】