説明

チェックバルブ

【課題】正圧弁及び負圧弁を有するバルブにおいて、正圧弁に対する負圧弁の組付け作業性を向上させることができる、チェックバルブを提供する。
【解決手段】このチェックバルブ1は、正圧弁座15が形成されたケーシングと、正圧弁用バネS1に付勢されると共に、負圧弁座37が形成された正圧弁30と、この正圧弁30に組付けられ、負圧弁用バネS2により負圧弁座37に当接するように付勢された負圧弁50とを備え、負圧弁50は、軸部52を有する本体51と、軸部52が挿入されて係合する取付孔61が中心に形成されたキャップ60とを有し、キャップ60が、ケーシングの燃料タンク内に連通する通路14側に配置されると共に、負圧弁座37に接離し、本体51が負圧弁用バネS2の一端を支持するバネ座56を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の燃料タンク内の圧力を調整するチェックバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の燃料タンクには、燃料タンク内の圧力が所定値以上に上昇したときに、燃料蒸気を外部に流出させて燃料タンクの破裂等を防ぎ、燃料タンク内の圧力が外気圧よりも所定値以下に低下したときに、燃料タンク外から外気を流入させて、燃料タンクの潰れ等を防止するチェックバルブが取付けられている。
【0003】
従来のこの種のチェックバルブとして、下記特許文献1には、ケーシング本体と、サブケーシングと、弁室内にスライド可能に配置された正圧弁及び負圧弁とを備え、正圧弁は複数の透孔と負圧弁座とを有し、負圧弁は前記透孔に挿入される複数の脚部を有し、正圧弁内には前記脚部に係合するキャップが配置され、正圧弁及びサブケーシング間に正圧バネが配置され、正圧弁及びキャップ間に負圧バネが配置され、正圧弁外周とケーシング本体内周との間には、燃料蒸気を流出させる正圧流路が形成され、これが正圧バネよりも外側に配置され、正圧弁内周と、脚部及び前記キャップの外周との間、及び、透孔と脚部との間には、外気を流入させる負圧流路が形成され、これが負圧バネよりも外側に配置されたチェックバルブが開示されている。
【0004】
また、正圧弁に負圧弁を組付ける際には、負圧弁の複数の脚部を、正圧弁の複数の透孔にそれぞれ整合させて挿入した後、負圧バネを正圧弁内に挿入し、負圧弁の複数の脚部先端の各係合孔に、キャップの外周に形成された複数の係合突起をそれぞれ係合させることで、負圧弁にキャップが取付けられて、正圧弁に負圧弁がスライド可能に組付けられるようになっている。
【0005】
なお、燃料タンク内の圧力が上昇すると、正圧弁が燃料蒸気に押されてスライドして正圧弁座から離れて、燃料蒸気がタンク外へ排出され、一方、燃料タンク内の圧力が下降すると、負圧弁がスライドして負圧弁座から離れて、外気が燃料タンク内に導入されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開WO2010/064475号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1記載のチェックバルブにおいては、正圧弁に負圧弁を組付ける際に、負圧弁の複数の脚部を、正圧弁の複数の透孔にそれぞれ整合させて位置合わせしなければならず、また、複数の脚部先端に形成された係合孔に、キャップ外周の複数の係合突起をそれぞれ係合させなければならないので、煩雑で手間がかかり組付け作業性に問題があった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、正圧弁及び負圧弁を有するバルブにおいて、正圧弁に対する負圧弁の組付け作業性を向上させることができる、チェックバルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明のチェックバルブは、一端が燃料タンク内に連通され、他端が燃料タンク外に連通されて、内部が弁室をなすと共に、燃料タンク内に連通される通路に正圧弁座が形成されたケーシングと、前記弁室にスライド可能に配置されて、前記ケーシング内に配置された正圧弁用バネにより前記正圧弁座に当接するように付勢されると共に、内部を貫通する貫通路を有し、該貫通路の燃料タンクへの連通路側の開口部に負圧弁座が形成された正圧弁と、該正圧弁の前記負圧弁座を開閉するように前記正圧弁に組付けられ、前記正圧弁内に配置された負圧弁用バネにより前記負圧弁座に当接するように付勢された負圧弁とを備え、前記負圧弁は、一端の中心から突設された軸部を有する本体と、前記軸部が挿入されて係合する取付孔が中心に形成されたキャップとを有し、前記本体又は前記キャップの一方が、前記ケーシングの燃料タンク内に連通する通路側に配置されて前記負圧弁座に接離する部分を有しており、前記本体又は前記キャップの他方が、前記正圧弁の内部に配置されて前記負圧弁用バネの一端を支持するバネ座を有していることを特徴とする。
【0010】
本発明のチェックバルブにおいては、前記負圧弁の本体が前記正圧弁の内部に配置されて前記負圧弁用バネの一端を受けるバネ座を有し、該本体の前記軸部が、前記正圧弁の内側から前記貫通路に挿入されて、前記燃料タンクへの連通路側の開口部から突出し、前記負圧弁のキャップが前記負圧弁座に接離する負圧弁本体を有していて、前記開口部から突出した前記軸部を、前記キャップに形成された取付孔に係合させることによって、前記負圧弁が前記正圧弁に組付けられていることが好ましい。
【0011】
本発明のチェックバルブにおいては、前記負圧弁には、前記負圧弁の負圧弁本体が前記負圧弁座から離れたとき、燃料タンク外と燃料タンク内とを連通させる負圧流路が形成されており、この負圧流路は、前記負圧弁用バネの内側を通るように構成されていることが好ましい。
【0012】
本発明のチェックバルブにおいては、前記ケーシングは、燃料タンク内に連通される通路及び該通路に形成された正圧弁座を有するケーシング本体と、該ケーシング本体に組付けられて前記弁室を形成すると共に、燃料タンク外に連通する通路を有するサブケーシングとで構成されており、前記サブケーシングには、前記正圧弁用バネの一端を支持するリブ状のバネ座が形成され、該リブ状のバネ座の中央部が前記ケーシングの燃料タンク内に連通する通路側に向けて突出して、前記正圧弁及び前記正圧弁用バネの内側に入り込んでいることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、正圧弁に形成された、燃料タンクへの連通路側の開口部に、負圧弁の本体に形成された軸部を挿入し、この軸部を負圧弁のキャップに形成された取付孔に挿入して係合させることにより、負圧弁を正圧弁に組付けることができる。このとき、本体の一端の中心から突設された軸部を、キャップ中心に形成された取付孔に挿入するだけの簡単な操作で、本体とキャップとを取付けることができるので、正圧弁に対する負圧弁の組付け作業性を向上させることができる。
【0014】
また、前記本体又は前記キャップの一方には、前記ケーシングの燃料タンク内に連通する通路側に配置されて前記負圧弁座に接離する部分が設けられ、前記本体又は前記キャップの他方には、前記正圧弁の内部に配置されて前記負圧弁用バネの一端を受けるバネ座が設けられているので、負圧弁用バネによって負圧弁本体が負圧弁座に当接するように付勢される。
【0015】
したがって、このチェックバルブでは、常時は、正圧弁用バネによって正圧弁が正圧弁座に当接し、また負圧弁用バネによって、負圧弁座に接離する部分が負圧弁座に当接して、燃料タンク内に連通される通路が閉じられているが、燃料タンク内の圧力が所定値以上になると、正圧弁が正圧弁用バネの付勢力に抗してスライドして正圧弁座から離れ、タンク内の燃料蒸気等がケーシング内の正圧弁座を通ってタンク外へ流出するので、燃料タンク内の圧力が所定値以上になることを抑制することができる。一方、燃料タンク内の圧力が所定値以下の負圧になると、負圧弁用バネの付勢力に抗して、負圧弁が負圧弁座から離れ、燃料タンク外の空気等が負圧弁座を通って燃料タンク内に流入するので、燃料タンク内の圧力が所定値以下になることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のチェックバルブの、一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】同チェックバルブの要部拡大断面図である。
【図3】同チェックバルブを構成する正圧弁の底面図である。
【図4】同チェックバルブにおいて、負圧弁を構成する本体を斜め上方から見た斜視図である。
【図5】同本体を示しており、(a)は斜め下方から見た斜視図、(b)は底面図である。
【図6】同チェックバルブにおいて、正圧弁に負圧弁を組付けるときの、第1工程を示す斜視図である。
【図7】同チェックバルブにおいて、正圧弁に負圧弁を組付けるときの、第2工程を示す斜視図である。
【図8】同チェックバルブにおいて、燃料タンク内の圧力が所定値以上となった状態を示す要部拡大断面図である。
【図9】同チェックバルブにおいて、燃料タンク内の圧力が外気圧に比べて所定値以下の負圧となった状態を示す要部拡大断面図である。
【図10】本発明のチェックバルブの、他の実施形態を示す分解斜視図である。
【図11】同チェックバルブの要部拡大断面図である。
【図12】同チェックバルブを構成する正圧弁の底面図である。
【図13】同チェックバルブにおいて、負圧弁を構成するキャップを示しており、(a)は斜め上方から見た斜視図、(b)は斜め下方から見た斜視図である。
【図14】同キャップの底面図である。
【図15】同チェックバルブにおいて、正圧弁に負圧弁を組付けるときの、第1工程を示す斜視図である。
【図16】同チェックバルブにおいて、正圧弁に負圧弁を組付けるときの、第2工程を示す斜視図である。
【図17】同チェックバルブにおいて、燃料タンク内の圧力が所定値以上となった状態を示す要部拡大断面図である。
【図18】同チェックバルブにおいて、燃料タンク内の圧力が外気圧に比べて所定値以下の負圧となった状態を示す要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1〜9を参照して、本発明のチェックバルブの一実施形態について説明する。
【0018】
図1及び図2に示すように、このチェックバルブ1は、ケーシング本体11及びサブケーシング20からなり、内部に弁室Vが形成されたケーシング10と、該ケーシング10の弁室V内にスライド可能に収容される正圧弁30と、この正圧弁30に組付けられる負圧弁50と、正圧弁30を後述する正圧弁座15に当接するように付勢する正圧弁用バネS1と、負圧弁50を後述する負圧弁座37に当接するように付勢する負圧弁用バネS2とを有している。
【0019】
図2に示すように、ケーシング本体11は、一端に接続管13が一体的に延設されると共に、他端開口部に前記サブケーシング20が組付けられる円筒状の筒体12を有している。前記接続管13の外周に燃料タンク内に連通する配管が接続され、この接続管13の内部が燃料タンクへの連通路14をなしている。また、前記接続管13の基端部内周が、正圧弁30が接離する正圧弁座15をなしている。更に前記筒体12の他端開口部の外周に、環状のフランジ部16が形成され、このフランジ部16のサブケーシング20側の端面には、環状凹部16aが設けられている。
【0020】
一方、サブケーシング20は、前記ケーシング本体11の筒体12の他端開口部に組付けられると共に、その中心に燃料タンク外に連通する開口部22が形成された円盤状の蓋体21と、前記開口部22の外面側周縁から延設された接続管23とを有している。この接続管23の外周に、燃料タンク外に配置されるキャニスタ等に接続された図示しない外部配管が接続されている。
【0021】
前記開口部22の内周面は、接続管23から弁室V側に向かって次第に広がるテーパ面22aとなっており、このテーパ面22aに、正圧弁用バネS1の一端を支持する、リブ状のバネ座24が設けられている。このバネ座24は、前記開口部22の中心から放射状に均等な間隔で、前記テーパ面22aから立設した複数のリブ25と、前記開口部22の中心に配置され、各リブ25の先端部どうしを連結する柱状の連結部26とから構成されている。
【0022】
各リブ25の外周には、正圧弁用バネS1の一端を支持するための、段部25aが形成されている。また、各リブ25の先端面25bは、開口部22の中心に向けて次第に高くなるように形成されている。その結果、リブ状のバネ座24の中央部が、ケーシング10の燃料タンクへの連通路14側に向けて突出した形状とされ、前記段部25aで正圧弁用バネS1の一端を支持したとき、正圧弁用バネS1の内側に入り込むようになっている。また、蓋体21の外周縁よりもやや内側からは、前記ケーシング本体11のフランジ部16の環状凹部16aに係合する、環状凸部27が突設されている。
【0023】
上記ケーシング10の弁室V内に配置される正圧弁30は、その内部に貫通路31を有する筒状をなしている。この正圧弁30の先端側外周は、先端に向けて次第に縮径する傾斜面35をなしており、この傾斜面35がケーシング10の正圧弁座15に接離する部分となっている。また、正圧弁30の先端側壁部の中央には、貫通路31の開口部31aが形成され、その周囲は外周方向に向けて次第に高くなるように傾斜しており、この部分が負圧弁50が接離する負圧弁座37となっている。
【0024】
また、図2及び図3に示すように、正圧弁30の開口部31aの裏側周縁からは、円筒状の軸保持部39が突設されており、この軸保持部39の基端部外周に、負圧弁用バネS2の他端を支持する段状の負圧バネ支持部41が形成されている。更に、正圧弁30の内周の軸方向途中には、正圧弁用バネS1の他端を支持する環状の正圧バネ支持部43が突設されている。この正圧バネ支持部43の端部内周縁からは、正圧弁用バネS1の内側に入り込むバネ支持リブ45が、周方向に均等な間隔を設けて複数立設されている。
【0025】
また、正圧弁30の基端側外周には、放射状に均等な間隔を設けて複数のガイドリブ47が軸方向に沿って延設されており、弁室V内で正圧弁30がスライド動作するときのガイドをなすと共に、ケーシング本体11の筒体12の内周と正圧弁30の外周との間に隙間を確保して、燃料蒸気等を流通させる流路を構成するようになっている。
【0026】
前記正圧弁用バネS1は、その一端が前記サブケーシング20のリブ状のバネ座24の段部25aに支持され、他端が前記正圧弁30の正圧バネ支持部43に支持されて、ケーシング10の内周と正圧弁30の内周との間に圧縮状態で配置され、正圧弁30がケーシング10の正圧弁座15に向けて付勢されて、その傾斜面35が正圧弁座15に常時当接するようになっている(図2参照)。そして、燃料タンク内の圧力が所定値以上に上昇したときに、燃料蒸気により正圧弁30が押圧されて、弁室V内をスライド動作して、正圧弁30の傾斜面35が正圧弁座15から離れるようになっている(図8参照)。
【0027】
上記構造の正圧弁30に組付けられる負圧弁50は、本体51と、この本体51に取付けられるキャップ60とから構成されている。この実施形態では、前記ケーシング10の燃料タンクへの連通路14側にキャップ60が配置され、前記正圧弁30の内部に本体51が配置されている。
【0028】
図4及び図5に示すように、本体51は、軸部52と、この軸部52の基端外周に所定隙間を設けて配置された筒状壁53と、前記軸部52の周方向に均等な間隔をあけて複数配設され、同軸部52と前記筒状壁53とを連結するリブ54とから主として構成されている。
【0029】
前記軸部52の先端側には、軸部先端に向かって次第に縮径する縮径部52aと、この縮径部52aの先端から一定径で伸びる挿入部52bと、この挿入部52bに連設され、挿入部52bよりもやや拡径した係合突部52cとが設けられている。前記係合突部52cの外周は、丸みを帯びた形状をなしている。また、軸部52の軸方向途中からは、軸部基端に向けて次第に縮径するテーパ面52dが形成されており、このテーパ面52dに各リブ54が連結されている。
【0030】
図2及び図5(a)に示すように、各リブ54の基部側内周面54aは、筒状壁53の基端開口部に向けて次第に高さが低くなるように傾斜した形状をなしている。また、前記筒状壁53の基端外周縁からは、負圧弁用バネS2の一端を支持する環状のバネ座56が突設されている。
【0031】
そして、軸部52の外周と筒状壁53の内周との間であって、リブ54,54の間の空隙が、燃料タンク内の圧力が外気圧よりも所定値以下に低下したときに、燃料タンク外から導入される外気を流通させる負圧流路58をなしている(図2参照)。なお、この実施形態では、筒状壁53の外周から突設したバネ座56に負圧弁用バネS2の一端が支持されているので、前記負圧流路58は負圧弁用バネS2の内側を通るように構成されている。
【0032】
一方、キャップ60は、その先端中央に取付孔61が形成されると共に、基端側に向けて次第に拡径した外周面65が形成された筒状をなしており、基端側には前記軸部52の先端側が挿入される開口部63が形成されている(図1、図2及び図7参照)。
【0033】
このキャップ60の内周面であって、前記取付孔61の裏側周縁からは、基端側に向けて次第に拡径する傾斜面61aが形成され、前記軸部52の縮径部52aに当接するようになっている。なお、前記取付孔61には、前記軸部52の挿入部52bが挿入され、その表側周縁に前記本体51の係合突部52cが係合するようになっている。
【0034】
また、前記外周面65は、前記正圧弁30の傾斜面35とほぼ同じ傾斜角度で形成されている(図2参照)。更に、キャップ60の基端側の外周面65aは、最も拡径した頂部65bから基端側に向けて縮径しており、前記正圧弁30の負圧弁座37に接離する部分となっている(図8及び図9参照)。
【0035】
前記負圧弁用バネS2は、その一端が前記負圧弁50の本体51のバネ座56に支持され、他端が前記正圧弁30の負圧バネ支持部41に支持されて、正圧弁30の内部に圧縮状態で配置され、負圧弁50が正圧弁30に向けて付勢されて、キャップ60の基端側の外周面65aが、正圧弁30の負圧弁座37に常時当接するようになっている(図2参照)。
【0036】
そして、燃料タンク内の圧力が外気圧よりも所定値以下に低下したときに、外気により負圧弁50が押圧されて、負圧弁用バネS2の付勢力に抗して正圧弁30に対してスライド動作して、負圧弁50の外周面65aが負圧弁座37から離れるようになっている(図9参照)。その結果、燃料タンク外からの外気が、筒状壁53の基端開口部から流入し、前記負圧流路58を通って、負圧弁50の外周面65aと負圧弁座37との間から、燃料タンクへの連通路14内に流出するようになっている(図9参照)。
【0037】
次に上記構成からなるチェックバルブ1の組付け工程について、その一例を説明する。まず、図6に示すように、負圧弁用バネS2の一端部内周に本体51の軸部52を挿入して、負圧弁50の本体51の外周に負圧弁用バネS2を配置すると共に、負圧弁用バネS2の一端を本体51のバネ座56で支持させる。
【0038】
その後、本体51を正圧弁30の貫通路31内に挿入し、軸部52を正圧弁30の軸保持部39を通して開口部31aから突出させ、その縮径部52a及び係合突部52cを開口部31aの上方に配置させると共に(図7参照)、負圧弁用バネS2の他端部内周に正圧弁30の軸保持部39を挿入して、同負圧弁用バネS2の他端を正圧弁30の負圧バネ支持部41で支持させる(図2参照)。
【0039】
上記状態を維持しながら、図7に示すように、軸部52に取付孔61を整合させて、キャップ60を本体51側に向けて押し付けて、軸部52の係合突部52cを取付孔61に圧入し、取付孔61の表側から突出させる。その結果、取付孔61内に軸部52の挿入部52bが挿入され、取付孔裏側の傾斜面61aに軸部52の縮径部52aが当接し、更に取付孔61の表側周縁に軸部52の係合突部52cが係合し、取付孔61の表裏両側が係合突部52c及び縮径部52aで挟み込まれた状態で、本体51にキャップ60が取付けられて、負圧弁用バネS2が圧縮状態で抜け止め保持された状態で、正圧弁30に負圧弁50をスライド可能に組付けることができる(図2参照)。
【0040】
このように、このチェックバルブ1においては、上記特許文献1のチェックバルブのように、負圧弁の複数の脚部を正圧弁の複数の透孔にそれぞれ位置合わせした後挿入して、脚部の係合孔にキャップ外周の係合突起をそれぞれ係合させる必要がなく、本体51に設けた軸部52を、キャップ60の中心に形成された一つの取付孔61に挿入するだけの簡単な操作で、本体51とキャップ60とを取付けることができるので、正圧弁30に対する負圧弁50の組付け作業性を向上させることができる。
【0041】
特に本実施形態では、図7に示すように、負圧弁50を構成する本体51の軸部52を、正圧弁30の内側から貫通路31に挿入して、その開口部31aから突出させ、この突出した軸部52にキャップ60の取付孔61を係合させるようにしたので、開口部31aから軸部52が突出した状態を確認しながら、本体51とキャップ60との取付作業を行うことができ、この取付作業をより確実に行うことができる。
【0042】
また、この実施形態では、キャップ60の取付孔61に、軸部52の係合突部52cを圧入することで、取付孔61の裏側周縁に縮径部52aで当接すると共に、取付孔61の表側周縁に係合突部52cが係合するので、接着剤等を用いることなく、ワンタッチで簡単に本体51にキャップ60を取付けることができ、その取付作業性をより向上させることができる。
【0043】
上記のように2つの弁を組付けて一体化した後、負圧弁50側をケーシング本体11の燃料タンクへの連通路14側に向けて収容配置する。
【0044】
それと共に、正圧弁用バネS1の一端部内周に、サブケーシング20のバネ座24を挿入して、正圧弁用バネS1の一端を、バネ座24を構成する各リブ25の外周の段部25aに支持させる。このとき、この実施形態においては、リブ状のバネ座24を構成する各リブ25の先端面25bが、サブケーシング20の開口部22の中心に向けて次第に高く形成され、リブ状のバネ座24の中央部が、ケーシング10の燃料タンクへの連通路14側に向けて突出しているので、バネ座24の各リブ25が、正圧弁用バネS1の線材間の隙間に引っ掛かることを防止することができ、正圧弁用バネS1の配置作業をスムーズに行うことができる。
【0045】
更に、正圧弁用バネS1の他端内周に、正圧弁30のバネ支持リブ45を挿入して、同正圧弁用バネS1の他端を正圧バネ支持部43に支持させる。この状態で、正圧弁用バネS1の付勢力に抗して、サブケーシング20をケーシング本体11に押し付けて、ケーシング本体11の環状凹部16aに、サブケーシング20の環状凸部27を係合させ、係合部分周縁を超音波溶着や接着剤等の手段で互いに接合することで、ケーシング本体11にサブケーシング20を組付けることができる。
【0046】
なお、この実施形態においては、本体51の軸部52を開口部31aから突出した後、キャップ60を取付けているが、正圧弁30の負圧弁座37に、キャップ60の外周面65aを当接させて、正圧弁30の外側にキャップ60を配置しておき、その後、正圧弁30内に負圧弁用バネS2を外装させた本体51を挿入して、その軸部52をキャップ60の取付孔61に係合させて、本体51とキャップ60とを取付けてもよい。また、この実施形態では、軸部52の係合突部52cを取付孔61に圧入させることで、本体51とキャップ60とを取付けているが、接着剤や溶着等の手段により両者を取付けてもよい。
【0047】
次に上記構成からなるチェックバルブ1の作用効果について説明する。
【0048】
このチェックバルブ1は、ケーシング本体11の接続管13に、燃料タンク内に配設されカットバルブ等と連結した配管が接続され、サブケーシング20の接続管23に、燃料タンク外に配設されたキャニスタ等に連結した配管が接続された状態で、図示しないクリップやブラケット等によって、燃料タンク内又は燃料タンク外に配設される。
【0049】
そして、燃料タンク内の圧力が所定値以下の場合は、図2に示すように、正圧弁用バネS1の付勢力により付勢された正圧弁30の傾斜面35が正圧弁座15に当接して、燃料タンクへの連通路14が閉塞されると共に、負圧弁用バネS2の付勢力により付勢された本体51及びこれに一体的に連結されたキャップ60の外周面65aが負圧弁座37に当接して、貫通路31の開口部31aが閉塞された状態となっている。
【0050】
上記状態で燃料タンク内の圧力が所定値以上に上昇すると、燃料蒸気等が燃料タンクへの連通路14を通り、正圧弁30が押圧されて、図8に示すように、正圧弁用バネS1の付勢力に抗して正圧弁30がサブケーシング20側へスライドし、正圧弁30の傾斜面35が正圧弁座15から離れる。すると、図8の矢印に示すように、燃料蒸気が、ケーシング本体11の内周と正圧弁30の外周との間を流動すると共に、サブケーシング20のバネ座24のリブ25,25の間を通って、テーパ面22aに沿って流動して開口部22内に流入し、接続管23及び図示しない配管を介してキャニスタ等に送られて燃料タンク外に排出され、燃料タンク内の圧力を低下させることができる。
【0051】
このとき、燃料蒸気等は正圧弁用バネS1の外側を通り、正圧弁用バネS1を避けて流動するので、正圧弁用バネS1が燃料蒸気等の通過時の障害となることが防止され、燃料蒸気等を燃料タンク外にスムーズに排出することができると共に、正圧弁用バネS1に付勢される正圧弁30の振動や揺動を押えることができ、弁室V内でのスライド動作時の作動音を低減することができる。
【0052】
一方、燃料タンク内の圧力が、外気圧に対して所定値以下に低下すると、サブケーシング20側の接続管23を介し、開口部22及びバネ座24のリブ25,25の間を通って、ケーシング10の弁室V内に外気が導入される。そして、この外気圧によって負圧弁50が押圧されて、図9に示すように、負圧弁用バネS2の付勢力に抗して負圧弁50がケーシング本体11の燃料タンクへの連通路14側へスライドし、負圧弁50のキャップ60の基端側の外周面65aが、正圧弁30の負圧弁座37から離れる。すると、図9の矢印に示すように、外気が、本体51の筒状壁53の基端開口から流入し、軸部52外周と筒状壁53内周との間であって、リブ54,54の間に画成された、前記負圧流路58を通りながら、軸部52のテーパ面52d(図5及び図9参照)に沿って流動して、正圧弁30の軸保持部39内に流入し、更にキャップ60の外周面65aと負圧弁座37との隙間から、燃料タンクへの連通路14を通って、図示しない配管を介して燃料タンク内に流入し、燃料タンク内の圧力を上昇させることができる。
【0053】
この実施形態では、負圧弁50に上記のような負圧流路58が形成され、この負圧流路58が、負圧弁用バネS2の内側を通るように構成されていることにより、燃料タンク外からの外気が、負圧弁用バネS2の内側を通って流入するため、外気の流入抵抗を少なくして燃料タンク内にスムーズに導入することができ、燃料タンク内の負圧状態を速やかに解消することができる。また、負圧弁用バネS2に付勢される負圧弁50の振動や揺動を押えることができ、スライド動作時の作動音を低減することができる。更に、負圧弁用バネS2が、負圧流路58の外周に配置されることになるので、負圧弁用バネS2のバネ径を大きくとることができ、安定したバネ荷重を付与することができる。
【0054】
図10〜18には、本発明のチェックバルブの他の実施形態が示されている。前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0055】
図10に示すように、この実施形態のチェックバルブ1aは、ケーシング本体11a及びサブケーシング20aからなるケーシング10aと、正圧弁30aと、本体70及びキャップ80からなる負圧弁50aとを有している。
【0056】
図11に示すように、前記ケーシング本体11aは、接続管13の基端部内周から、環状の正圧弁座15aが突設されている。また、サブケーシング20aに設けられたバネ座24の、複数のリブ25どうしを連結する連結部26aが円筒状をなしている。
【0057】
また、正圧弁30aは、先端側に配置された小径筒部32と、この小径筒部32の基端に傾斜面35を有する壁部を介して連結された、小径筒部32よりも拡径した大径筒部33とからなる筒状をなしている(図15参照)。なお、小径筒部32及び大径筒部33の外周には、ガイドリブ47がそれぞれ設けられている。
【0058】
更に、正圧弁30aの内部に形成された貫通路31の、開口部31aの周囲は、正圧弁30aの軸心に直交する壁部となっており、この壁部の表側周縁から環状の負圧弁座37aが突設されている。また、図11に示すように、正圧弁30aの開口部31aの裏側周縁からは、環状突起形の軸保持部39aが突設されており、その外周が負圧バネ支持部41をなしている。
【0059】
更に、図11及び図12に示すように、正圧弁30aの内部であって、前記負圧バネ支持部41の外周には、周方向に均等な間隔で複数のバネ支持リブ45aが垂設されている。各バネ支持リブ45aは、正圧弁30aの先端壁部の裏側から、正圧弁内周の正圧バネ支持部43を超えて延設されており(図11参照)、正圧弁用バネS1の内側に入り込んで同正圧弁用バネS1を支持すると共に、負圧弁用バネS2の外側及びキャップ80の外周に配置されて、負圧弁50aのスライド動作をガイドするようになっている。
【0060】
上記正圧弁30aに組付けられる負圧弁50aは、ケーシング10aの燃料タンクへの連通路14側に配置される本体70と、前記正圧弁30aの内部に配置されるキャップ80とから構成されている。
【0061】
図11及び図16に示すように、本体70は、前記正圧弁30aの負圧弁座37aに接離する頭部71と、この頭部71から延出された軸部73と、この軸部73の先端に形成された係合突部75とを有している。
【0062】
前記頭部71は、先端の頭頂部が丸みを帯びた形状をなすと共に、外周が斜め外方に向けて傘型に広がる形状をなしており、その基端部裏側の当接部71aが前記正圧弁30aの負圧弁座37に接離するようになっている(図17及び図18参照)。また、軸部73は、前記頭部71の裏側中心から所定長さで垂設されると共に、その先端が縮径して窪み部73aが形成され、この窪み部73aの端部に半球状の係合突部75が連設されている。
【0063】
更に軸部73の外周には、放射状に均等な間隔を設けて、複数のガイドリブ77が軸方向に沿って所定長さで延設されており、負圧弁50のスライド動作のガイドをなすと共に、軸部73の外周と、正圧弁30の開口部31aの内周との間に隙間を確保して、外気を流通させる流路78が構成されるようになっている(図18参照)。
【0064】
図13及び図14に示すように、上記本体70に取付けられるキャップ80は、環状部81と、この環状部81よりも拡径した円環状をなし、環状部81から所定間隔を設けて同心状に配置されて、負圧弁用バネS2の一端を支持する環状のバネ座82と、一端が前記環状部81に連結され、他端が前記バネ座82に連結されて、環状部81及びバネ座82どうしを連結すると共に、周方向に均等な間隔を設けて配置された複数の連結壁83とを有している。
【0065】
また、図13(a)に示すように、環状部81とバネ座82との間であって、連結壁83,83の間には、複数の空隙84が形成されており、これらの空隙84を介してキャップ80の内側に複数の係合爪85が形成されている。
【0066】
各係合爪85は、その基端側が前記環状部81の内周に連結され、先端側がキャップ80の軸中心に向かって伸びており、複数の係合爪85の先端部85aで囲まれた部分が、本発明における取付孔86をなしている(図14参照)。図14に示すように、各係合爪85の両側辺は、キャップ80の内周方向に向けて次第に幅狭とされ、先端部85aの先端面は円弧状となっている。そして、各係合爪85の先端部85aが、前記本体70の軸部73の窪み部73aに入り込んで、円弧状の先端面が窪み部73aの外周に当接すると共に、前記係合突部75に係合するようになっている(図11参照)。
【0067】
また、係合爪85,85の間の空隙が、本体70とキャップ80とを取付けたときに、本体70の外周とキャップ80の内周との間に隙間を確保して、外気を流通させる流路88をなしている(図18参照)。この流路88と、上述のガイドリブ77,77間の流路78とで、本発明における負圧流路が構成され、この負圧流路は負圧弁用バネS2の内側を通るように配設されている(図18参照)。
【0068】
上記構造のチェックバルブ1aは、例えば、次のようにして取付けることができる。すなわち、図15に示すように、負圧弁用バネS2の一端部内周にキャップ80を挿入して、負圧弁用バネS2の一端をバネ座82で支持させた後、キャップ80を正圧弁30aの複数のバネ支持リブ45aの内部に配置して、負圧弁用バネS2の他端を負圧バネ支持部41で支持させる(図11参照)。
【0069】
この状態で、図16に示すように、正圧弁30aの開口部31aから本体70の軸部73を挿入して押し込んでいく。すると、本体70の係合突部75により、キャップ80の係合爪85の先端部85aが押し広げられていき、先端部85aが軸部73の窪み部73aに至ると、係合爪85が弾性復帰して、先端部85aが窪み部73a内に入り込むと共に、係合突部75に係合し、複数の係合爪85の先端部85aで囲まれた取付孔86に、軸部73が係合する。その結果、本体70とキャップ80とが取付けられて、負圧弁用バネS2が圧縮状態で抜け止め保持され、正圧弁30aに負圧弁50aをスライド可能に組付けることができる。
【0070】
この実施形態でも、前記実施形態と同様に、本体70の軸部73を、キャップ80の取付孔86に挿入するだけの簡単な操作で、本体70とキャップ80とを取付けることができるので、正圧弁30aに対する負圧弁50aの組付け作業性を向上させることができる。なお、上記組立方法に限らず、正圧弁30aの開口部31aから本体70の軸部73を挿入して、正圧弁30a内に軸部73を突出させた後、負圧弁用バネS2を外装したキャップ80を挿入して、その取付孔86に軸部73を係合させて、本体70とキャップ80とを取付けてもよい。
【0071】
そして、正圧弁30aの傾斜面35が正圧弁座15aに当接し、燃料タンクへの連通路14が閉塞されると共に、本体70の当接部71aが、正圧弁30aの負圧弁座37aに当接して、貫通路31の開口部31aが閉塞された状態で(図11参照)、燃料タンク内の圧力が所定値以上に上昇すると、燃料蒸気等が燃料タンクへの連通路14を通り、正圧弁30aが押圧されて、図17に示すように、正圧弁用バネS1の付勢力に抗して正圧弁30aがサブケーシング20a側へスライドし、正圧弁30aの傾斜面35が正圧弁座15から離れる。すると、図17の矢印に示すように、燃料蒸気等が、ケーシング本体11aの内周と正圧弁30aの外周との間を流動すると共に、サブケーシング20aのバネ座24のリブ25,25の間を通って、テーパ面22aに沿って流動して開口部22内に流入し、接続管23及び図示しない配管を介してキャニスタ等に送られて燃料タンク外に排出され、燃料タンク内の圧力を低下させることができる。
【0072】
一方、燃料タンク内の圧力が、外気圧に対して所定値以下に低下すると、サブケーシング20a側の接続管23を介し、開口部22及びバネ座24中央の円筒状の連結部26aを通って、ケーシング10aの弁室V内に外気が導入される。そして、この外気圧によって負圧弁50aが押圧されて、図18に示すように、負圧弁用バネS2の付勢力に抗して負圧弁50aがケーシング本体11aの燃料タンクへの連通路14側へスライドし、本体70の当接部71aが負圧弁座37aから離れる。すると、図18の矢印に示すように、外気が、キャップ80の環状のバネ座82の内周に流入し、係合爪85,85の間の流路88及びガイドリブ77,77間の流路78からなる負圧流路を流動して、正圧弁30aの開口部31aから流出し、本体70の当接部71aと負圧弁座37aとの隙間から、燃料タンクへの連通路14を通って、図示しない配管を介して燃料タンク内に流入し、燃料タンク内の圧力を上昇させることができる。
【符号の説明】
【0073】
1 チェックバルブ
1,1a チェックバルブ
10,10a ケーシング
11,11a ケーシング本体
14 燃料タンクへの連通路
15,15a 正圧弁座
20,20a サブケーシング
24 バネ座
30,30a 正圧弁
31 貫通路
31a 開口部
37,37a 負圧弁座
50,50a 負圧弁
51 本体
52 軸部
56 バネ座
58 負圧流路
60 キャップ
61 取付孔
70 本体
73 軸部
80 キャップ
82 バネ座
86 取付孔
S1 正圧弁用バネ
S2 負圧弁用バネ
V 弁室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が燃料タンク内に連通され、他端が燃料タンク外に連通されて、内部が弁室をなすと共に、燃料タンク内に連通される通路に正圧弁座が形成されたケーシングと、
前記弁室にスライド可能に配置されて、前記ケーシング内に配置された正圧弁用バネにより前記正圧弁座に当接するように付勢されると共に、内部を貫通する貫通路を有し、該貫通路の燃料タンクへの連通路側の開口部に負圧弁座が形成された正圧弁と、
該正圧弁の前記負圧弁座を開閉するように前記正圧弁に組付けられ、前記正圧弁内に配置された負圧弁用バネにより前記負圧弁座に当接するように付勢された負圧弁とを備え、
前記負圧弁は、一端の中心から突設された軸部を有する本体と、前記軸部が挿入されて係合する取付孔が中心に形成されたキャップとを有し、
前記本体又は前記キャップの一方が、前記ケーシングの燃料タンク内に連通する通路側に配置されて前記負圧弁座に接離する部分を有しており、前記本体又は前記キャップの他方が、前記正圧弁の内部に配置されて前記負圧弁用バネの一端を支持するバネ座を有していることを特徴とするチェックバルブ。
【請求項2】
前記負圧弁の本体が前記正圧弁の内部に配置されて前記負圧弁用バネの一端を受けるバネ座を有し、該本体の前記軸部が、前記正圧弁の内側から前記貫通路に挿入されて、前記燃料タンクへの連通路側の開口部から突出し、前記負圧弁のキャップが前記負圧弁座に接離する負圧弁本体を有していて、前記開口部から突出した前記軸部を、前記キャップに形成された取付孔に係合させることによって、前記負圧弁が前記正圧弁に組付けられている請求項1記載のチェックバルブ。
【請求項3】
前記負圧弁には、前記負圧弁の負圧弁本体が前記負圧弁座から離れたとき、燃料タンク外と燃料タンク内とを連通させる負圧流路が形成されており、この負圧流路は、前記負圧弁用バネの内側を通るように構成されている請求項1又は2記載のチェックバルブ。
【請求項4】
前記ケーシングは、燃料タンク内に連通される通路及び該通路に形成された正圧弁座を有するケーシング本体と、該ケーシング本体に組付けられて前記弁室を形成すると共に、燃料タンク外に連通する通路を有するサブケーシングとで構成されており、前記サブケーシングには、前記正圧弁用バネの一端を支持するリブ状のバネ座が形成され、該リブ状のバネ座の中央部が前記ケーシングの燃料タンク内に連通する通路側に向けて突出して、前記正圧弁及び前記正圧弁用バネの内側に入り込んでいる請求項1〜3のいずれか1つに記載のチェックバルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−57341(P2013−57341A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194977(P2011−194977)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000124096)株式会社パイオラックス (331)
【Fターム(参考)】