説明

テレビジョン受像機及び映像表示方法

【課題】 視聴する放送タイプに応じて、適切な画面輝度に制御することにより、ユーザにとってより見易い映像表示を実現するとともに、消費電力を低減することが可能なテレビジョン受像機を提供する。
【解決手段】 テレビ放送に係る番組映像を表示するモードと、データ放送に係る番組映像を表示するモードとを切換可能に構成されたテレビジョン受像機において、前記モードの切換指示に連動して、バックライト光源10の発光輝度を可変制御することにより、各モードで適切な画面輝度を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる複数のタイプの放送を受信して、該受信放送に係る番組映像を表示することが可能なテレビジョン受像機及び映像表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の技術進歩により、これまでのアナログ放送からデジタル放送への移行が進んでおり、日本でも1996年の通信衛星によるCS放送から放送のデジタル化が開始され、2000年のBS放送のデジタル化、2004年の地上波放送のデジタル化と、次々と放送のデジタル化が進んでいる。このデジタル放送には、テレビ放送の他に、ラジオ放送、データ放送などの異なる複数の放送タイプがあり、ユーザは、例えばリモートコントロール装置(以下、リモコンと称す)に設けられた放送タイプ切換キーを操作することによって、所望の放送タイプを選択して、放送番組コンテンツを視聴することが可能となっている。
【0003】
例えばラジオ放送には、画像や連動したデータを視聴することが可能なラジオ放送と、音声のみのラジオ放送とがあり、番組によってはCD(コンパクト・ディスク)並みの高音質で再生することが可能である。また、データ放送には、データのみを専門に放送する独立データ放送と、デジタル放送のテレビやラジオの番組に連動して視聴することができる連動データ放送とがあり、連動データ放送が行われている場合、ユーザは例えばリモコンに設けられた連動データ表示キーを操作することによって、視聴中のテレビ放送番組やラジオ放送番組に連動した情報を受信して、画面表示することができる。
【0004】
このような放送タイプの多様化に対応して、デジタル放送で送られてくる受信情報や受信機の動作状況などを分かり易く提示するデジタル放送受信機が、特許文献1に開示されている。特許文献1に記載のデジタル放送受信機を、図9に示す。このデジタル放送受信機は、本体前面中央に配置されている受信情報表示部100として、バックライト方式の液晶表示デバイスを採用し、デジタル放送受信時に、映像信号の解像度やフォーマット、テレビ放送かラジオ放送かデータ放送かの放送タイプの識別情報などを検出し、これらの情報を受信部および復号部よりマイクロプロセッサで吸い上げて、バックライトの発光色を可変制御する構成である。これによって、ユーザは視聴中(受信中)の放送タイプを、受信情報表示部100の発光色で確認することが可能となっている。
【0005】
一方、近年になって、冷陰極管(CRT)に代わり、受光型光変調手段として液晶パネルを用いて放送映像番組を表示する液晶表示装置が、テレビジョン受像機としても広く使用されるようになってきた。液晶表示装置は、電極の設けられた2枚の透明基板の間に液晶を封入し、マトリックス状に配置された駆動電極単位に電圧を制御することによって、液晶分子の集団や配向を制御し、透明基板の背面に設けられたバックライト光源からの照射光の透過率を変化させることによって、液晶パネルに画像を表示するものである。
【特許文献1】特開2001−275051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、一般的に、コンピュータ映像を表示するためのパソコン(PC)モニターにおいては250cd/m2前後の画面輝度で十分であるのに対し、テレビジョン受像機では450〜500cd/m2以上が必要であり、特に液晶表示装置を用いたテレビジョン受像機(液晶テレビジョン受像機)においては、バックライトなどの改良によって高輝度化が進められている。
【0007】
基本的に、バックライト光源の輝度レベル(発光強度)は、ユーザが手動操作調整(調光)する内容に固定的に設定されており、表示する入力映像信号の種別とは無関係に一定輝度である。従って、テレビジョン映像表示用に高輝度設定されたテレビジョン受像機で、文字情報が主体のどちらかというとコンピュータ映像に近いデータ放送の映像を表示した場合、画面輝度が高すぎてギラギラした表示となり、長時間これを視聴した場合、ユーザの目が疲れやすいという問題があった。
【0008】
また、大画面の液晶表示装置における消費電力は、その大部分がバックライトユニットの消費電力で占められており、環境負荷軽減の面からも、このバックライトユニットでの不必要な消費電力を低減することが望まれている。
【0009】
ここで、上記特許文献1のものは、受信チャンネルなどの受信に関する情報を提示する受信情報提示部のバックライト色を、受信している放送タイプ種別に応じて可変しているが、受信した映像データを表示する映像表示部の画面輝度については全く考慮されておらず、ユーザの目の疲労を軽減したり、消費電力を削減することができないという問題を有している。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、視聴する放送タイプに応じて、適切な画面輝度に制御することにより、ユーザにとってより見易い映像表示を実現するとともに、消費電力を低減することが可能なテレビジョン受像機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願の第1の発明は、異なる複数のタイプの放送を受信することが可能な受信手段と、前記受信手段で受信した放送に係る番組映像を表示する表示手段とを備えたテレビジョン受像機において、前記番組映像の放送タイプに応じて、前記表示手段の画面輝度を可変制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
本願の第2の発明は、前記複数のタイプの放送が、少なくともテレビ放送とデータ放送とを含み、前記制御手段が、テレビ放送に係る番組映像を表示する際の画面輝度より、データ放送に係る番組映像を表示する際の画面輝度を低下させることを特徴とする。
【0013】
本願の第3の発明は、前記制御手段が、テレビ放送に係る番組映像を表示する際の画面輝度から、データ放送に係る番組映像を表示する際の画面輝度へ切り換えるときの、画面輝度の変化速度を遅くすることを特徴とする。
【0014】
本願の第4の発明は、前記複数のタイプの放送が、さらにラジオ放送を含み、前記制御手段が、データ放送に係る番組映像を表示する際の画面輝度より、ラジオ放送に係る番組映像を表示する際の画面輝度を低下させることを特徴とする。
【0015】
本願の第5の発明は、前記制御手段が、入力映像信号を表示する受光型光変調手段の背面から光を照射するバックライト光源の発光強度を可変するものであることを特徴とする。
【0016】
本願の第6の発明は、ユーザによる切換指示に基づいて、前記番組映像の放送タイプが切り換えられることを特徴とする。
【0017】
本願の第7の発明は、異なる複数のタイプの放送に係る番組映像を表示する映像表示方法であって、前記表示される番組映像の放送タイプを検出するステップと、前記検出された放送タイプに応じて、画面輝度を可変制御するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明のテレビジョン受像機によれば、視聴する放送タイプに応じて、画面輝度を適切に制御するので、例えば、データ放送に係る番組映像を表示する場合は、テレビ放送に係る番組映像を表示する場合に比べて、画面輝度を抑制することにより、見易く目が疲れない画面表示を行うとともに、消費電力の低減を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明のテレビジョン受像機の一実施形態を、デジタル放送受信機内蔵の液晶テレビジョン受像機(以下、液晶テレビと称す)について、図1乃至図8とともに詳細に説明する。
【0020】
ここで、図1は本実施形態の液晶テレビの概略構成を示すブロック図、図2は本実施形態の液晶テレビにおける放送タイプの切り換え動作例を示す説明図、図3は本実施形態の液晶テレビにおける動作制御を示すフローチャート、図4は本実施形態の液晶テレビにおけるラジオ放送受信時の表示画面例を示す説明図、図5は本実施形態の液晶テレビにおける動作制御を示す説明図、図6は本実施形態の液晶テレビにおける動作制御を示すフローチャート、図7は本実施形態の液晶テレビにおける他の動作制御を示す説明図、図8は連動データ放送受信時の表示画面例を示す説明図である。
【0021】
本実施形態の液晶テレビは、図1に示すように、図示しない伝送路より入力されたデジタル変調信号をIQ信号に変換するチューナ部1と、このIQ信号に対してデジタル復調するとともに誤り訂正処理を行うデジタル復調および誤り訂正部2と、この誤り訂正後のデジタル信号に対して、暗号化されている場合は暗号を復号するデスクランブル部3と、暗号が復号されたデジタル信号の多重化を解いて、MPEG符号化された映像・音声信号データなどを分離するとともに、分離された映像・音声信号データを映像・音声信号のデジタル信号に復号するデマルチプレクサ・AVデコーダ部4とを備えている。
【0022】
また、デマルチプレクサ・AVデコーダ部4から出力された音声信号に所定の処理を施してスピーカへ出力する音声処理部5と、映像信号に所定の処理(例えば、色空間変換処理、IP(Interlace To Progressive)変換処理、スケーリング処理、FRC(Frame Rate Conversion)処理、γ補正処理、色補正処理及び同期検出処理など)を施す映像処理部6と、映像処理が施されたR、G、B信号(画像表示信号)に基づいて、液晶表示パネル8のソースライン及びゲートラインを駆動制御するLCD駆動部7とを備えている。
【0023】
さらに、液晶表示パネル8の背後に配設され、液晶表示パネル8を照射するバックライト光源10と、該バックライト光源10を発光駆動するインバータ回路等の光源駆動部9とを備えている。ここで、本実施形態の液晶テレビにおいては、直下型バックライト方式、サイドエッジ型バックライト方式のいずれでも良く、また、光源10としては、現在一般的に用いられている冷陰極管(CCFL)の他、発光ダイオード(LED)などを用いることができる。また、光源10の輝度制御方式は、電圧(もしくは電流)制御に限らず、デューティ制御を採用しても良いことは言うまでもない。
【0024】
そしてまた、図示しないリモートコントロール装置(リモコン)を用いてユーザが指示入力した指示信号を受信するリモコン受信部11と、該リモコン受信部11で受信した指示信号を検出・解析し、チューナ部1、デジタル復調および誤り訂正部2、デスクランブル部3、デマルチプレクサ・AVデコーダ部4、映像処理部5などの各部に対して所定の制御信号を出力するシステム制御部12を備えている。また、このシステム制御部12は、光源駆動部9へ出力するバックライト制御信号を生成し、バックライト光源10の発光駆動制御を行う。
【0025】
すなわち、システム制御部12は、テレビ放送、ラジオ放送およびデータ放送などの放送タイプに関するユーザ指示に応じて、チューナ部1による番組選局を行ったり、デマルチプレクサ・AVデコーダ部4で分離した受信に関する情報から放送タイプを識別することによって、バックライト光源10の明るさ(発光輝度)の制御などを行う。
【0026】
ここで、本実施形態の液晶テレビにおいては、図示しないリモコンに設けられた放送タイプ切換キーを操作することによって、所望の放送タイプを選択した上で、チューナ部1によるチャンネル選局を行うことが可能となっており、例えば図2に示すように、放送タイプ切換キーを押下するたびにテレビ放送、ラジオ放送、独立データ放送を順次切り換えて、それぞれのタイプの放送に係る番組映像を受信して視聴することができる。
【0027】
従って、本実施形態の液晶テレビにおいては、ユーザの指示に基づいて、受信する放送タイプを切り換えることができ、この放送タイプの切り換え指示に連動して、光源駆動部9を制御することにより、バックライト光源10の発光強度すなわち画面輝度を可変制御することが可能に構成されている。尚、上述のとおり、デマルチプレクサ・AVデコーダ部4からの情報に基づいて、受信放送タイプを判定し、これに基づいてバックライト光源10の発光強度すなわち画面輝度を可変制御する構成としてもよい。
【0028】
次に、本実施形態の液晶テレビにおける画面輝度の制御動作を、図3のフローチャートとともに説明する。まず、図示しないリモコンの放送タイプ切換キーが押圧されて、放送タイプの切換指示が検出される(ステップ1)と、切換指示された放送タイプがテレビ放送であるか否かを解析する(ステップ2)。テレビ放送への切換が指示された場合、テレビ放送に係る番組映像が表示されると判定して、バックライト光源10の発光輝度レベルがA(Aは予め設定された値)になるように、光源駆動部9に制御信号を出力する(ステップ3)。
【0029】
また、切換指示された放送タイプがデータ放送であるか否かを解析し(ステップ4)。データ放送への切換が指示された場合、データ放送に係る番組映像が表示されると判定して、バックライト光源10の発光輝度レベルがB(Bは予め設定された値であり、B<A)になるように、光源駆動部9に制御信号を出力する(ステップ5)。
【0030】
これによって、データ放送に係る番組映像を表示する場合は、テレビ放送に係る番組映像を表示する場合に比べて、画面輝度を抑制することができ、従って、主に番組説明やニュースなどのテキスト情報を表示する画面輝度を低下させて、見易く目が疲れない画面表示を行うとともに、消費電力の低減を実現することが可能となる。
【0031】
一方、上記ステップ4における解析の結果、切換指示された放送タイプがデータ放送でない場合、ラジオ放送に係る番組映像が表示されると判定して、バックライト光源10の発光輝度レベルがC(Cは予め設定された値であり、C<B)になるように、光源駆動部9に制御信号を出力する(ステップ6)。
【0032】
これによって、相対的に視覚情報の重要性が低いラジオ放送に係る番組映像を表示する場合は、テレビ放送やデータ放送に係る番組映像を表示する場合に比べて、さらに画面輝度を抑制することにより、より一層の消費電力の低減を実現することが可能である。
【0033】
ここで、ラジオ放送には、画像や連動したデータを視聴することができるラジオ放送と、音声のみのラジオ放送とがあるが、画像や連動したデータを表示することが可能なラジオ放送番組が選択受信された場合は、例えばデータ放送が選択受信された場合と同様、バックライト光源10の発光輝度レベルがBになるように、光源駆動部9を制御しても良い。
【0034】
また、音声のみのラジオ放送が選択受信された場合は、バックライト光源10を完全に消灯して、消費電力を削減するようにしても良いが、ユーザが当該装置の故障と勘違いするのを防ぐため、バックライト光源10の発光輝度レベルを十分に低下させて、図4に示すように、音声のみのラジオ放送を受信中であることを示すOSD(ON Screen Display)表示によってユーザに提示するのが望ましい。この場合、OSD表示している画面の一部領域(図4の場合、画面右下の領域)に対応する光源のみを点灯させて、他の画面領域に対応する光源を消灯させることにより、無駄な電力の消費を防止することが可能である。
【0035】
以上のように、本実施形態においては、ユーザが選択指示を行った放送タイプに応じて、適切な画面輝度で受信番組映像の表示がなされるように、バックライト輝度を制御するので、ユーザにとって見易く目が疲れない画面表示を行うとともに、消費電力の低減を実現することが可能となる。特に、テレビ放送に係る番組映像を表示するモードと、データ放送に係る番組映像を表示するモードとの切換指示に連動して、バックライト光源の発光輝度を可変制御することにより、各モードで適切な画面輝度を得ることができる。
【0036】
ところで、視聴する放送タイプの切り換えと同時に、急激に画面輝度を変化させた場合、特にテレビ放送に係る番組映像を表示するモードからデータ放送に係る番組映像を表示するモードへ切り換えた際に、急激に画面輝度が低下すると、ユーザに違和感を与えることとなる。
【0037】
従って、本実施形態においては、図5に示すように、テレビ放送に係る番組映像を表示するモードからデータ放送に係る番組映像を表示するモードへの切換指示がなされた時点T1から、実際に画面輝度レベルがBに到達するまで十分な時間tを掛けて、画面輝度の変化速度を遅くする(時定数を大きくし、ゆっくりと画面輝度を変化させる)ことにより、画面輝度の変化がユーザに与える違和感を緩和している。
【0038】
尚、データ放送に係る番組映像を表示するモードからテレビ放送に係る番組映像を表示するモードへ切り換わる際に画面輝度が増大しても、それほどユーザに違和感を与えることはないので、データ放送に係る番組映像を表示するモードからテレビ放送に係る番組映像を表示するモードへの切換指示がなされた時点T2から、実際に画面輝度レベルがAに到達するまでの時間は短くして、即座に高輝度のテレビ映像を提示するのが望ましい。
【0039】
また、本実施形態においては、受信選択された放送タイプに連動した画面輝度の自動制御に加えて、ユーザによる画面輝度の調整制御も可能としている。これについて、図6のフローチャートとともに説明する。図示しないリモコンの調光キーが押圧されて、ユーザによる調光の指示が検出される(ステップ1)と、画面端部へ調光設定用OSD(ON Screen Display)表示が行われ、この状態において、ユーザは調光設定用OSD画面を見ながらリモコンの上下方向キーを押圧することにより、画面輝度の増大或いは減少のいずれかを指示することが可能である。
【0040】
リモコンの上方向キーが押圧されて、輝度増加の指示がなされる(ステップ2)と、バックライト光源10の発光輝度レベルが、その時点での光源輝度レベルに1ステップだけ加算した値となるように、光源駆動部9に制御信号を出力する(ステップ3)。一方、リモコンの下方向キーが押圧されて、輝度減少の指示がなされる(ステップ4)と、バックライト光源10の発光輝度レベルが、その時点での光源輝度レベルから1ステップだけ減算した値となるように、光源駆動部9に制御信号を出力する(ステップ5)。
【0041】
これにより、各放送タイプに応じて自動設定された画面輝度に対し、使用環境や表示映像内容などに応じてユーザが任意に調整を加えることができ、より商品性を高めることが可能となる。
【0042】
さらに、当該装置の周囲環境の明るさを検出する照度センサーを設け、該照度センサーの検出結果と受信放送タイプとから、画面輝度を決定するように構成しても良い。例えば、図7に示すように、テレビ放送に係る番組映像を表示するモードにおいて、周囲照度が明るい場合は光源10の発光輝度レベルをA1、周囲照度が標準範囲内の場合は光源10の発光輝度レベルをA2、周囲照度が暗い場合は光源10の発光輝度レベルをA3とし(A1>A2>A3)、また、データ放送に係る番組映像を表示するモードにおいて、周囲照度が明るい場合は光源10の発光輝度レベルをB1、周囲照度が標準範囲内の場合は光源10の発光輝度レベルをB2、周囲照度が暗い場合は光源10の発光輝度レベルをB3とする(B1>B2>B3)。
【0043】
さらに、ラジオ放送が選択されている場合の表示モードにおいては、周囲照度が明るい場合は光源10の発光輝度レベルをC1、周囲照度が標準範囲内の場合は光源10の発光輝度レベルをC2、周囲照度が暗い場合は光源10の発光輝度レベルをC3とする(C1>C2>C3)。
【0044】
これにより、視聴環境の明るさに応じて、各放送タイプに連動した表示モードにおける最適な画面輝度に自動制御することが可能となるので、より商品性を高めることが可能となる。
【0045】
尚、上述のデータ放送としては、データのみを専門に放送する独立データ放送と、デジタル放送のテレビやラジオの番組に連動して視聴することができる連動データ放送とがあり、連動データ放送が行われている場合、ユーザは例えばリモコンに設けられた連動データ表示キーを操作することによって、視聴中のテレビ放送番組やラジオ放送番組に連動した情報を受信して、画面表示することができる。
【0046】
例えばテレビ放送番組を視聴中に、連動データ表示キーを押下することで、データ取得中である旨のOSD(ON Screen Display)表示がされた後、図8に示すように、子画面として視聴中のテレビ放送番組映像を有するデータ放送番組の表示画面に切り換えることができる。この場合も、画面輝度レベルがBとなるように、バックライト光源10の発光輝度を制御すればよい。
【0047】
また、画面領域毎に発光輝度を変えることができるバックライト光源を用いている場合は、視聴中のテレビ放送番組映像を表示する子画面領域に対応する光源の発光輝度を高くして、データ放送番組映像を表示するその他の画面領域に対応する光源の発光輝度を低くするようにしてもよい。
【0048】
さらに、上述した本発明の一実施形態において、動画像表示時のメリハリ感を実現するために、各フレームのAPL(平均輝度レベル)などの画面特徴量に応じて、バックライト光源10の発光輝度をダイナミックに可変制御するようにしてもよい。この場合、表示すべき番組映像の放送タイプによって、バックライト光源10の最大発光輝度を設定するようにすればよい。
【0049】
そしてまた、上記本発明の一実施形態においては、直視型の液晶表示装置について説明したが、本発明は投射型の液晶表示装置に適用しても良く、受光型光変調手段とバックライト光源とを用いて画像表示を行う映像表示装置、或いはその他の映像表示装置に適用しても良いことは明らかである。さらに、ユーザによる入力切換設定は、リモコンの操作によって行う構成に限らず、装置本体に設けられた操作部材(図示せず)の操作によってこれを行う構成としても良いことは言うまでもない。
【0050】
さらに、上記本発明の一実施形態においては、デジタル放送受信手段を内蔵したテレビジョン受像機について説明したが、これに限らず、外部のデジタル放送受信手段で受信した映像を表示する場合であっても、外部デジタル放送受信手段に対するユーザの指示内容や、外部デジタル放送受信手段からの受信に関する情報から、表示すべき番組映像の放送タイプを検出し、この検出結果に基づいて、画面輝度を可変制御するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態における概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態における放送タイプの切り換え動作例を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態における制御動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態におけるラジオ放送受信時の表示画面例を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態における動作制御を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態における制御動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態における他の制御動作を示す説明図である。
【図8】連動データ放送受信時の表示画面例を示す説明図である。
【図9】従来のデジタル放送受信機を示す(a)外観図、(b)要部拡大図である。
【符号の説明】
【0052】
1 チューナ部
2デジタル復調および誤り訂正部
3デスクランブル部
4 デマルチプレクサ・AVデコーダ部
5 音声処理部
6 映像処理部
7 LCD駆動部
8 液晶表示パネル
9 光源駆動部
10 バックライト光源
11 リモコン受信部
12 システム制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる複数のタイプの放送を受信することが可能な受信手段と、
前記受信手段で受信した放送に係る番組映像を表示する表示手段とを備えたテレビジョン受像機において、
前記番組映像の放送タイプに応じて、前記表示手段の画面輝度を可変制御する制御手段を設けたことを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項2】
前記複数のタイプの放送は、少なくともテレビ放送とデータ放送とを含み、
前記制御手段は、テレビ放送に係る番組映像を表示する際の画面輝度より、データ放送に係る番組映像を表示する際の画面輝度を低下させることを特徴とする前記請求項1に記載のテレビジョン受像機。
【請求項3】
前記制御手段は、テレビ放送に係る番組映像を表示する際の画面輝度から、データ放送に係る番組映像を表示する際の画面輝度へ切り換えるときの、画面輝度の変化速度を遅くすることを特徴とする前記請求項1または2に記載のテレビジョン受像機。
【請求項4】
前記複数のタイプの放送は、さらにラジオ放送を含み、
前記制御手段は、データ放送に係る番組映像を表示する際の画面輝度より、ラジオ放送に係る番組映像を表示する際の画面輝度を低下させることを特徴とする前記請求項2または3に記載のテレビジョン受像機。
【請求項5】
前記制御手段は、入力映像信号を表示する受光型光変調手段の背面から光を照射するバックライト光源の発光強度を可変するものであることを特徴とする前記請求項1乃至4のいずれかに記載のテレビジョン受像機。
【請求項6】
ユーザによる切換指示に基づいて、前記番組映像の放送タイプが切り換えられることを特徴とする前記請求項1乃至5のいずれかに記載のテレビジョン受像機。
【請求項7】
異なる複数のタイプの放送に係る番組映像を表示する映像表示方法であって、
前記表示される番組映像の放送タイプを検出するステップと、
前記検出された放送タイプに応じて、画面輝度を可変制御するステップとを有することを特徴とする映像表示方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−210969(P2006−210969A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−16218(P2005−16218)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】