テレビ放送受信装置
【課題】チューナー装置と表示装置間の通信状態が悪化した場合でも、ユーザーが放送を視聴することが可能なテレビ放送受信装置の提供を目的とする。
【解決手段】デジタル放送信号を受け、前記デジタル放送信号を選局しデコードして、映像信号及び音声信号を含む映像データを生成し、映像データを無線送信に適した処理後映像データに変換するチューナー部100と、チューナー部から無線通信によって処理後映像データを受け、これに基づいて映像を表示する表示部200と、を備え、チューナー部100は、表示部200との通信状態の変化に応じて、映像データを所定のメモリ部107に録画することを特徴とする。
【解決手段】デジタル放送信号を受け、前記デジタル放送信号を選局しデコードして、映像信号及び音声信号を含む映像データを生成し、映像データを無線送信に適した処理後映像データに変換するチューナー部100と、チューナー部から無線通信によって処理後映像データを受け、これに基づいて映像を表示する表示部200と、を備え、チューナー部100は、表示部200との通信状態の変化に応じて、映像データを所定のメモリ部107に録画することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ放送を受信するチューナー装置と映像を表示する表示装置を分離し、チューナー装置から表示装置に向けてデジタル化された映像信号、音声信号及びその他の情報からなる映像データを無線伝送するよう構成された、テレビ放送受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のテレビ放送受信機は、表示画面が薄型化され、壁掛けテレビ等の商品が発売されている。このような薄型テレビでは、放送の受信・デコード等を行うチューナー部と、表示画面にて放送を表示する表示部をそれぞれ分離された装置とし、チューナー部から表示部への映像・音声信号の伝送は、HDMI等のインターフェースによりケーブルを通して行っている。この、チューナー部から表示部へのケーブル接続をなくすために、チューナー部から表示部への映像・音声信号の伝送に無線を使用した商品が発売され始めている。
【0003】
無線伝送の方式としては、非特許文献1ではWireless HD、WHDI(Wireless High Definition Interface)、UWB等が提案されている。ここで、チューナー部から表示部へ伝送する映像信号はベースバンドであり、HDTV信号の場合1.5Gbpsとなる。このため、高ビットレート映像信号を安定に伝送するために様々な工夫がなされている。特許文献1はその具体例の1つであり、画像データを粗部と精細部に分ける圧縮法とMIMO無線技術を使用して高ビットレートの映像データを、ノイズの多い環境下でも画面を途切れさせることなく表示できるシステムを構築している。
【0004】
【非特許文献1】Electronic Engineering Times, June 2, pp.10-11
【特許文献1】特表2007−507147(第6−10頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のようなチューナー部と表示部が分離されたテレビ放送受信装置においては、従来技術の課題として、チューナー部と表示部を互いに見通しがきくように設置していても、常に安定したデータの無線伝送を行えるとは限らないという問題がある。例えば、無線伝送路上に障害物を設置した場合には無線電波が障害物で遮蔽されるため、受信側での受信強度の低下または無線通信の遮断が発生する。また、無線伝送路上を人、動物、物が移動することにより、通信状態が変化する場合もある。さらに、設置した無線機(チューナー部及び表示部)以外からの妨害電波等、外来ノイズによる通信状態の変化がある。この点に関しては、部屋間にチューナー部と表示部を設置して無線通信を行った場合、無線LANと干渉することによって映像音声が安定して伝送できなくなる可能性が考えられる。
【0006】
このように、無線伝送路上を移動する人、動物、物の影響や、外来ノイズの到来によって、通信状態は常に変動することになる。通信状態が悪化すれば、正常に無線伝送している場合と比べてデータの転送レートが低下し、データの欠落を発生させる原因となる。映像データ及び音声データ等からなるAVデータの伝送において、通信状態の変化による転送レートの低下は画質、音質の低下を招き、伝送可能な転送レートが低下したり無線伝送の遮断が生じると、映像データの伝送が行えなくなる。この問題は、通信経路を再構築するか、外来ノイズ等の影響をなくすまで解決しない。通信状況が回復すると、映像データを伝送することが可能になる。すなわち、通信状態が悪化すると、その間の映像データを伝送することができないため、ユーザーが放送を視聴することができない部分が生じ、ユーザーは放送内容を十分に理解できないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は上記の諸問題に鑑み、チューナー装置と表示装置間の通信状態が悪化した場合でも、ユーザーが放送を視聴することが可能なテレビ放送受信装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のテレビ放送受信装置は、デジタル放送信号を受け、前記デジタル放送信号を選局しデコードして、映像信号及び音声信号を含む映像データを生成し、映像データを無線送信に適した処理後映像データに変換するチューナー部と、チューナー部から無線通信によって処理後映像データを受け、これに基づいて映像を表示する表示部と、を備え、チューナー部は、表示部との通信状態の変化に応じて、映像データを所定のメモリ部に録画することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のテレビ放送受信装置において、チューナー部は、表示部との通信状態の変化に応じて、映像データをメモリ部に録画することを特徴とする。チューナー部と表示部の通信状態の変化に応じて映像データを録画するため、通信状態が変化しても映像データを消失することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施の形態1)
<前提>
従来から普及しているテレビ放送受信装置の構成の概要を図2に示す。従来のテレビ放送受信装置は、チューナー部と表示部とが一体となっている。
【0011】
これに対し、実施の形態1に係るテレビ放送受信装置の構成の概要を図1に示す。当該テレビ放送受信装置は、放送局からデジタル放送受信を行うチューナー部100と、チューナー部100から映像信号及び音声信号等からなる映像データを受信して表示する表示部200と、を備えている。表示部200は、チューナー部100からの映像データを無線通信によって受信する受信装置203と、受信装置203で受信した映像データを表示する表示装置300と、を備えている。このようにチューナー部100と表示部200とが別体になっている。
【0012】
ここで、表示装置300は液晶パネルやプラズマパネル等である。又、受信装置203と表示装置300とで表示部200としているが、受信装置203と表示装置300は別々に設置しても良い。
【0013】
<構成>
図3に実施の形態1に係るテレビ放送受信装置の構成をさらに詳しく示す。以下、デジタル放送は地上デジタル放送であるとして説明するが、デジタル放送の受信は例えば衛星デジタル放送や、デジタルケーブル放送、又はインターネット網を利用したデジタル放送であっても良い。
【0014】
実施の形態1に係るテレビ放送受信装置は、チューナー部100と表示部200とを備える。チューナー部100はデジタル放送を受信し、MPEGにより圧縮された映像データを復号する。ここで、映像データとはTSストリームのことである。そして、復号された映像データを表示部200に無線伝送する。
【0015】
表示部200は、チューナー部100から映像データを受信し、これに基づいて映像を表示する。
【0016】
チューナー部100は、放送局からデジタル放送として映像データを受信する映像音声入力部101と、映像音声入力部101から映像データを受けて、これに所定の処理を施した処理後映像データを出力するチューナー部制御部108と、表示部200との通信状態に応じて映像データが録画されるメモリ部107と、チューナー部制御部108から処理後映像データを受けて表示部200に無線送信するチューナー部無線通信部102と、を備えている。
【0017】
映像音声入力部101は、デジタル放送を受信するための選局及びTSストリームの取得機能を有しており、チューナー部制御部108の制御によって選局を行いTSストリームからなる映像データの出力を行う。
【0018】
チューナー部無線通信部102は、チューナー部制御部108の制御を受けて、選局動作や無線通信方法で定められた変調を行う機能を有する。ここで無線通信方式は、例えば国際標準規格のIEEE802.11a、IEEE802.11g等や、UWB(Ultra Wide Band)等がある。あるいは、独自に開発した通信方式であっても良いが、チューナー部100と表示部200間で双方向通信を行うものである。
【0019】
又、チューナー部無線通信部102は、チューナー部制御部108から処理後映像データを取得して、無線通信により表示部200に送信する。さらに、チューナー部制御部108の制御を受けて、表示部200への送信出力の調整と、表示部200からの受信調整を行う。
【0020】
又、チューナー部無線通信部102は、無線通信方式によって定められた情報や、電源のON/OFF等の表示部200の動作を制御する情報や、表示部補助データの受信を行ったことを示すACK信号等からなるチューナー部補助データを送信する。ここで、表示部補助データとは、処理後映像データあるいはチューナー部補助データが表示部200で受信されたことを示すACK信号や表示部200を示す固有の情報等の制御信号とリモコンのようなユーザー入力等からなるその他の情報のどちらかまたは両方からなる。
【0021】
さらに、チューナー部無線通信部102は、表示部200と双方向通信を行っており、表示部200からのデータの受信をする。チューナー部無線通信部102で受信したデータは、チューナー部制御部108に出力する。
【0022】
メモリ部107には、チューナー部制御部108の制御により無線通信の状態に応じて映像音声入力部101からの映像データの記憶が行われる。ここで映像データは、映像音声入力部101から取得されたTSストリームでもよいし、デジタルベースバンド信号でもよい。図1では、メモリ部107はチューナー部100に内蔵されているが、チューナー部100の外部にあってもよい。また、メモリ部107は、半導体記憶素子あるいはHDDあるいはDVD等のいずれであってもよい。ここで半導体記憶素子は、フラッシュメモリを使用したUSBメモリやメモリカードを含む。
【0023】
チューナー部制御部108は、チューナー部100の全体の制御を行い、映像音声入力部101から映像データを受け、これに処理を施して無線通信に適した処理後映像データを出力する。
【0024】
すなわち、実施の形態1に係るテレビ放送受信装置は、デジタル放送信号を受け、前記デジタル放送信号を選局しデコードして、映像信号及び音声信号を含む映像データを生成し、当該映像データを無線送信に適した処理後映像データに変換するチューナー部100と、チューナー部100から無線通信によって処理後映像データを受け、これに基づいて映像を表示する表示部200と、を備え、チューナー部100は、表示部200との通信状態の変化に応じて、映像データを所定のメモリ部107に録画することを特徴とする。チューナー部100と表示部200の通信状態の変化に応じて映像データを録画するため、通信状態が変化しても映像データを消失することがない。
【0025】
又、チューナー部制御部108は、チューナー部通信状態検出部105、通信状態判定部103、録画再生部106、送信データ処理部104を備える。
【0026】
チューナー部通信状態検出部105は、チューナー部無線通信部102における表示部200との通信状態を検出する。通信状態の検出は、チューナー部無線通信部にて送受信する信号から、その通信状態を示す所定の情報を検出することにより行う。例えば、表示部200から受信する信号のエラーレートを検出する。あるいは、表示部200に送信している送信チャンネルのSN比あるいはCN比を検出しても良い。又は、表示部200からの受信チャンネルのSN比あるいはCN比の検出を行う。検出事項はこれらの一部または全部であってもよい。検出した内容はチューナー部通信状態データとして、通信状態判定部103に出力する。
【0027】
通信状態判定部103は、チューナー部通信状態検出部105からチューナー部通信状態データを受け、チューナー部100と表示部200の通信状態が良好であるか、不良であるかを判定する。例えばエラーレートの増加(つまりエラーが多くなる)に基づいて判定する。
【0028】
送信データ処理部104は、映像音声入力部101から映像データを受け、これを無線通信に適した形式の処理後映像データに変換し、チューナー部無線通信部102に出力する。詳しい動作について図4の説明で後述する。
【0029】
録画再生部106は、映像音声入力部101から映像データを受けてデータバッファリングを行い、メモリ部107に映像データの録画を行う。又、メモリ部107に録画されている映像データを、再生映像データとして読み出す。
【0030】
すなわち、実施の形態1に係るテレビ放送受信装置において、チューナー部100は、デジタル放送信号を受信し選局する映像音声入力部101と、チューナー部100の動作を制御するチューナー部制御部108と、処理後映像データを表示部200に無線伝送するチューナー部無線通信部102と、を備え、チューナー部制御部108は、映像音声入力部101から映像データを受けてデコードし、且つ処理後映像データに変換する送信データ処理部104と、チューナー部無線通信部102における表示部100との通信状態の検出を行い、検出結果をチューナー部通信状態データとして出力するチューナー部通信状態検出部105と、チューナー部通信状態データに基づいて通信状態の不良を判定する通信状態判定部103と、映像音声入力部101から映像データを受け、通信状態判定部103の判定結果に応じて、メモリ部107に映像データの録画を行い、又はメモリ部107に録画された映像データを再生映像データとして読み出す録画再生部106と、を備える。映像データを記憶するか否かの判断をチューナー部の通信状態判定部で判定するため、デジタル放送の受信中、常時録画をする必要がなくなり、メモリ部107の記憶容量を少なくすることが出来る。
【0031】
<送信データ処理部104>
図4は、送信データ処理部104周辺の構成を示した図である。送信データ処理部104は、入力データ選択部111とMPEG復号部112と送信データ変換部113と、を備える。
【0032】
入力データ選択部111は、映像音声入力部101から映像データ121を受け、録画再生部106から再生映像データを受け、いずれか一方を入力として選択してMPEG復号部112に出力する。
【0033】
MPEG復号部112は、入力データ選択手段で選択された映像データ又は再生映像データを、映像信号、音声信号、付随信号に分離し、付随信号を参照して映像信号、音声信号の復号を行い、送信データ変換部113に出力する。
【0034】
送信データ変換部113では、MPEG復号部112から復号された映像信号及び音声信号を受け、無線通信方式によって定められたデータ変換や、誤り訂正のためのデータ付加等、映像データを表示部200に送信するための処理を行う。処理後の映像データを処理後映像データ122としてチューナー部無線通信部102に出力する。チューナー部無線通信部102は処理後映像データを表示部200に無線送信する。
【0035】
<表示部の構成>
次に、図3を用いて表示部200の構成を説明する。表示部200は、表示部無線通信部202、表示部制御部208、映像音声出力部201、表示装置300を備えている。
【0036】
表示部無線通信部202は、チューナー部100のチューナー部無線通信部102から無線通信によって処理後映像データ及びチューナー部補助データを受信し、表示部制御部208に出力する。さらに、無線通信方式によって定められた情報や電源のON/OFF等の表示部200の状態を示す情報やチューナー部補助データの受信を行ったことを示すACK信号等からなる表示部補助データをチューナー部100に伝送する。
【0037】
又、表示部無線通信部202は、表示部制御部208の制御によって選局動作や無線通信方法で定められた復調を行う機能を有する。無線通信方式はチューナー部100と同じ無線通信方式が使用される。又、表示部制御部208の制御によって表示部無線通信部202での送信出力調整と、チューナー部100からの通信を受信するための受信調整を行う。
【0038】
表示部200全体の制御を行う表示部制御部208は、受信データ処理部204を備える。受信データ処理部204は、表示部無線通信部202から処理後映像データを受け、これを元の映像データに戻して映像音声出力部201に出力する。
【0039】
映像音声出力部201は、表示部制御部208から映像データを受け、これを表示装置300の仕様に合わせたフォーマットに変換した後、表示装置300に出力する。
【0040】
表示装置300は、映像音声出力部201から映像データを受けて、画面に表示する。ここで、表示装置300はLCDやプラズマディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。
【0041】
<動作>
図4に基づいて、受信したデジタル放送のチューナー部100における経路を説明する。放送局からデジタル放送として映像データ121が映像音声入力部101で受信されると、映像データ121はチューナー部制御部108において送信データ処理部104と録画再生部106に入力される。
【0042】
チューナー制御部108は、通信状態判定部103で通信状態が良好と判定された場合、映像データ121が表示部200に伝送されるよう送信データ処理部104に指示を行う。すなわち、入力データ選択部111が映像データ121を選択し、MPEG復号112に出力する。
【0043】
一方、通信状態が不良と判定されると、録画再生部106は映像データ121をメモリ部107に録画する。
【0044】
そして、通信状態判定部103の判定結果が不良から良好に転ずると、録画再生部106はメモリ部107に録画した映像データを再生映像データ123として読み出し、再生映像データ123を入力データ選択部111に出力する。入力データ選択部111は入力として録画再生部106からの再生映像データ123を選択し、MPEG復号手段112に出力する。MPEG復号手段112及び送信データ変換手段113では、前述の通りMPEG復号と変換処理によって再生映像データ123が処理後映像データ122に変換され、処理後映像データ122はチューナー部無線通信部102を介して表示部200に送信される。又、録画再生部106は再生映像データ123をメモリ107から読み出す一方で、映像データ121をメモリ部107に録画する。録画再生部106による録画と再生は、通信状態が良好に転じた後所定時間続けられて終了する。
【0045】
すなわち、実施の形態1のテレビ放送受信装置において、送信データ処理部104は、映像データ121と再生映像データ123の一方を選択する入力データ選択部111と、入力データ選択部111において選択したデータをMPEG復号処理するMPEG復号部112と、MPEG復号部でデコードしたデータを、処理後映像データに変換し、チューナー部無線通信部102に出力する送信データ変換部104と、を備え、通信状態判定部103で通信状態が良好と判定された場合には、入力データ選択部111は映像データ121を選択し、通信状態が不良と判定された場合には、録画再生部106はメモリ部107に映像データ121の録画を行い、且つ通信状態が不良から良好に転じるとメモリ部107から再生映像データ123を読み出し、当該読み出された再生映像データ123は入力データ選択部111で選択される。通信状態が不良である際の映像データ121を録画しておき、通信状態が不良から良好に転じた際にこれを再生映像データ123として再生して表示部100に無線伝送することにより、ユーザーは通信不良の際の放送内容を見逃すことなく理解することが出来る。
【0046】
図5に、上述のチューナー部100の動作をフローチャートで示す。チューナー部100はユーザーの選局要求を受けて、デジタル放送受信を始める(ステップS1)。
【0047】
次に、チューナー部100と表示部200が無線通信を開始し、チューナー部100はチューナー部無線通信部102における通信状態の判定を通信状態判定部103で行う(ステップS2)。
【0048】
通信状態の判定結果が良好であれば、チューナー部制御部108は、送信データ処理部104の入力データ選択部111が映像音声入力部101で受信した映像データ121を選択するように指示する。送信データ処理部104では、MPEG復号部112で映像データ121がMPEG復号され、さらに送信データ変換部113で無線送信用の処理後映像データ122に変換される。そして、チューナー部無線通信部102から表示部200へ、処理後映像データ122の伝送が開始される(ステップS3)。
【0049】
もしステップS2において、通信状態判定部103による通信状態の判定が不良であれば、録画再生部106はチューナー部制御部108の制御によりメモリ部107に対して映像データ121の録画を開始する(ステップS5)。
【0050】
ステップS3で映像データ121の伝送を開始すると、チューナー部100は通信状態の監視を再開する(ステップS4)。
【0051】
ステップS4で、通信状態判定部103において通信状態が不良であると判定されると、録画再生部106はチューナー部制御部108の指示によって、選局している番組の映像データ121をメモリ部107に録画する(ステップS5)。
【0052】
次に、チューナー部100は通信状態の判定を行い(ステップS6)、良好に転ずるまでメモリ部107に録画を続ける。
【0053】
ステップS6で、通信状態判定部103が通信状態が良好と判定すると、録画再生部106はチューナー部制御部の指示によって、映像データ102の録画を行いながら、録画済みの映像データ102を再生映像データ123として再生する(ステップS7)。
【0054】
次に、送信データ処理部104では、入力データ選択部111が再生映像データ123を選択し、MPEG復号112でMPEG復号を行い、送信データ変換部113で無線通信に適した変換処理を施し、無線機無線通信部102から表示部200に伝送する(ステップS8)。
【0055】
<効果>
実施の形態1に係るテレビ放送受信装置は、デジタル放送信号を受け、前記デジタル放送信号を選局しデコードして、映像信号及び音声信号を含む映像データを生成し、当該映像データを無線送信に適した処理後映像データに変換するチューナー部100と、チューナー部100から無線通信によって処理後映像データを受け、これに基づいて映像を表示する表示部200と、を備え、チューナー部100は、表示部200との通信状態の変化に応じて、映像データをメモリ部107に録画することを特徴とする。チューナー部100と表示部200の通信状態の変化に応じて映像データを録画するため、通信状態が変化しても映像データを消失することがない。
【0056】
又、実施の形態1に係るテレビ放送受信装置において、チューナー部100は、デジタル放送信号を受信し選局する映像音声入力部101と、チューナー部100の動作を制御するチューナー部制御部108と、処理後映像データを表示部200に無線伝送するチューナー部無線通信部102と、を備え、チューナー部制御部108は、映像音声入力部101から映像データを受けてデコードし、且つ処理後映像データに変換する送信データ処理部104と、チューナー部無線通信部102における表示部100との通信状態の検出を行い、検出結果をチューナー部通信状態データとして出力するチューナー部通信状態検出部105と、チューナー部通信状態データに基づいて通信状態の不良を判定する通信状態判定部103と、映像音声入力部101から映像データを受け、通信状態判定部103の判定結果に応じて、メモリ部107に映像データの録画を行い、又はメモリ部107に録画された映像データを再生映像データとして読み出す録画再生部106と、を備える。映像データを記憶するか否かの判断をチューナー部の通信状態判定部で判定するため、デジタル放送の受信中、常時録画をする必要がなくなり、メモリ部107の記憶容量を少なくすることが出来る。
【0057】
さらに、実施の形態1のテレビ放送受信装置において、送信データ処理部104は、映像データ121と再生映像データ123の一方を選択する入力データ選択部111と、入力データ選択部111において選択したデータをMPEG復号処理するMPEG復号部112と、MPEG復号部でデコードしたデータを、処理後映像データに変換し、チューナー部無線通信部102に出力する送信データ変換部104と、を備え、通信状態判定部103で通信状態が良好と判定された場合には、入力データ選択部111は映像データ121を選択し、通信状態が不良と判定された場合には、録画再生部106はメモリ部107に映像データ121の録画を行い、且つ通信状態が不良から良好に転じるとメモリ部107から再生映像データ123を読み出し、当該読み出された再生映像データ123は入力データ選択部111で選択される。通信状態が不良である際の映像データ121を録画しておき、通信状態が不良から良好に転じた際にこれを再生映像データ123として再生して表示部100に無線伝送することにより、ユーザーは通信不良の際の放送内容を見逃すことなく理解することが出来る。
【0058】
(実施の形態2)
実施の形態2のテレビ放送受信装置の構成は、実施の形態1のテレビ放送受信装置と同様であるため、記載を省略する。
【0059】
実施の形態2のテレビ放送受信装置は、チューナー部100と表示部200の通信状態が不良になると、映像音声入力部101からの映像データ121をメモリ部107に録画するが、メモリ部107の記憶容量141のうち決められた範囲内の録画可能領域で録画を行う。この概念を示した図が図6である。メモリ部107の記憶容量141のうち、その一部分に割り当てられた録画可能領域142でループ録画を行う。
【0060】
ループ録画について、図7及び図8を用いて説明する。図7では、録画可能領域142にアドレス0x100から0x200までを割り当てている。始めの録画はアドレス0x100から始まり録画とともにアドレスが0x101、0x102と増加していく。アドレス0x200に録画データの書き込みがされると次のアドレスは0x201であるが、録画可能領域142はアドレス0x200までであるためアドレス0x201に録画データを記録することは出来ない。このため、次の録画データはアドレス0x100に戻って元に記録されている記録データを破棄し、新しい記録データを記録する。
【0061】
この様子を図8を用いて説明する。図8の下図において、横軸は時刻であり、縦軸はメモリ部107の録画可能領域142のアドレスである。図8の上図は、下図の時刻における録画可能領域142の中の録画位置を示す。
【0062】
t0で通信状態が不良になり録画を始めたとすると、アドレス0x100から録画データを記録する。録画とともにアドレスが増加していき、t1でアドレス0x150に記録される。さらに録画を続けてt2でアドレス0x200に達すると、アドレス0x100に戻る。すなわち、アドレス0x200の次の記録はアドレス0x100に行われる。この際に、t0でアドレス0x100に記録された録画データは破棄され、t2の録画データが0x100に記録させる。さらに録画を続けてt3ではアドレス0x150に記録される。同様にt2からt3までの記録は、t0からt1までに記録されたデータを破棄して行われる。録画が停止されるまでこの動作が繰り返される。
【0063】
再生時は、ループ再生を行う。図7を用いてループ再生について説明する。始めの再生は録画時と同様0x100から再生する。再生が進むにつれアドレスが0x101、0x102と増加していく。再生アドレスが0x200になりアドレス0x200の記録データが読み出されると、次の再生アドレスは0x100となる。アドレスに記録されたデータに変化がなければ、同じデータを繰り返し再生しているだけであるが、ループ録画によって同一アドレスには時間の経過とともに新たなデータが記録されているため、新たなデータを再生することになる。
【0064】
図9に録画アドレスと再生アドレスの関係、すなわちループ録画とループ再生の関係を示す。t0で通信状態が不良になりアドレス0x100から録画を開始するものとする。表示部200では通信状態が不良になる前の画像か、通信不良であることを示す画像を表示装置300に出力する。t1で通信状態が良好に転ずると、録画再生部106はメモリ部107からの再生を開始する。このときアドレス0x100から再生を開始する。t1における録画アドレスは0x140である。t2になると録画アドレスは0x100に戻り、t0から記録されたデータを記録アドレスごとに破棄しながら記録を続ける。t2での再生アドレスは0x160であり記録アドレスとは同じにならない。録画アドレスが一周して新たなデータが書き込まれる前に再生を行うため、再生すべきデータが記録によって破棄されることはない。t3になると再生アドレスが0x200に達し次の再生アドレスが0x100になる。この時点でt2以前のデータは破棄され、t2以降のデータが新たに記録されているので、チューナー部100は連続した記録データを読み出すことができる。この動作を繰り返すことによって録画と再生を行う。t4でユーザーが受信チャンネルの変更又は電源OFFにすると、録画と再生を停止する。
【0065】
すなわち、実施の形態2におけるテレビ放送受信装置において、録画画再生部106は、メモリ部107に対する映像データ121の録画をループ録画により行い、メモリ部107からの映像データ121の再生をループ再生により行う。これにより、再生の連続性を確保するとともに、メモリ部の記憶容量を節約することが可能になる。
【0066】
又、ループ録画及びループ再生はメモリ部107の有する記憶容量の一部分で行われる。これにより、メモリ部の記憶容量を節約することが可能になる。
【0067】
<効果>
実施の形態2におけるテレビ放送受信装置において、録画画再生部106は、メモリ部107に対する映像データ121の録画をループ録画により行い、メモリ部107からの映像データ121の再生をループ再生により行う。これにより、再生の連続性を確保するとともに、メモリ部の記憶容量を節約することが可能になる。
【0068】
さらに、実施の形態2におけるテレビ放送受信装置において、ループ録画及びループ再生はメモリ部107の有する記憶容量の一部分で行われる。これにより、メモリ部の記憶容量を節約することが可能になる。
【0069】
(実施の形態3)
実施の形態1,2では、ユーザーはチューナー部100と表示部200の通信状態が不良になってから再び良好になるまでに要した時間分、本来のデジタル放送よりも遅れた放送内容を視聴することになる。これに対し、実施の形態3では、メモリ部107から読み出すデータを時間短縮再生(高速再生)することにより、ユーザーが本来のデジタル放送の視聴を行えるようにするものである。
【0070】
実施の形態3に係るテレビ放送受信装置の構成を図10に示す。実施の形態1の構成図である図3と比較すると、録画再生部106に時間短縮再生部151が追加された点が異なる。その他の構成及び動作は、実施の形態1及び実施の形態2と同様であるため、記載を省略する。
【0071】
時間短縮再生部151は、録画再生部106は、メモリ部107から再生映像データ123を再生するが、録画再生部106に備えられた時間短縮部は、再生映像データ123の再生時間を短縮する。時間を短縮する手段としては、再生映像を間引きする間引き再生方法がある。以下、間引き再生について図11を用いて説明する。
【0072】
図11の上図は通常再生を示し、下図は間引き再生を示す。例えば、間引き再生では、メモリ部107から再生映像データ123を通常再生するよりも高速に再生し、再生映像データ123を解析することによりIピクチャを抽出する。例えば、日本における地上波デジタル放送では、0.5秒毎に1度はシーケンスヘッダが挿入されることになっている。このため、少なくとも0.5秒毎に1度はIピクチャが存在する。ここでは、説明を簡単にするため、Iピクチャが0.5秒毎にあると仮定する。図11において、塗り潰すか斜線で示したピクチャがIピクチャを表している。Iピクチャを2回抽出するごとに復号し、これを0.5秒ごとに表示する。このようにして、通常再生では1秒ごとに表示されるべき映像が0.5秒おきに表示されるようになるので、2倍の速度で再生することになり、再生時間の短縮が行われる。ここでは、Iピクチャのみを間引きして0.5秒ごとに表示する方法について述べたが、Iピクチャ又はBピクチャ又はPピクチャ、あるいは何れかの組み合わせによって表示装置のフレームレートに合わせた画像を表示し、より滑らかな画像を表示してもよい。
【0073】
一般的にMPEG復号部112(図4参照)では映像データ121を復号するためにTSデータをバッファで保持する。したがって、映像音声入力部101からの映像データ121がMPEG復号112で復号されるまでタイムラグが発生する。一方、メモリ部107への録画は、映像音声入力部101から映像データ121が録画再生部106に入力されると同時に開始される。又、メモリ部107からの再生及び再生映像データのデコードが行われる。この映像データ121の録画から再生までに要する時間から計算されるデータ量よりも大きいバッファを、MPEG復号部112のバッファに設ける。
【0074】
さらに時間短縮再生部151は、映像データ121に含まれる時刻をチューナー部100の現在時刻とし、これと再生映像データ123中に含まれる時刻とを比較する。この比較により、再生映像データ123と映像音声入力部101で受信した映像データ121との同期を検出する。同期を検出すると、入力データ選択部111は入力を再生映像データ123から映像データ121に切り替え、録画再生部106はメモリ部107への録画及びメモリ部107からの再生を停止する。
【0075】
図12は、高速再生により再生映像データ123と映像データ121が同期する様子を示した図である。横軸は経過時刻を表し、縦軸は再生映像データの再生位置と、受信状態が良好であった場合の再生位置(放送の位置)との時間差を示している。チューナー部100と表示部200との通信が良好である間(時刻0からt1)は、録画を行わず映像データ121を表示部200に伝送するため、時間差はない。t1で通信が不良となり、チューナー部100はメモリ部107に映像データ121の録画を開始する。通信が不良である間は表示部200に処理後映像データ122の送信を行えないため、チューナー部100は一時停止状態となっている。よって、放送との時間差は通信不良の間、増え続ける。t2は通信不良から良好になることを示している。チューナー部100は、メモリ部107から再生を行う。このとき録画は引き続き行う。前述のようにメモリ部107から録画データを高速再生(2倍速)する。2倍速再生によって、放送との時間差は縮まっていく(t2〜t3)。t3で時間短縮再生部151は映像データ121と再生映像データ123が同期したことを検出する。すなわち、再生映像データ123と放送(映像データ121)の時間差が0になる。このとき、入力データ選択部111は再生映像データ123から映像データ121へ入力を切り替え、録画再生部106はメモリ部107への録画及びメモリ部107からの再生の停止を行う。
【0076】
すなわち、実施の形態3のテレビ放送受信装置において、録画再生部106は、再生映像データ123を時間的に圧縮して読み出しを行い、録画再生部106で読み出される再生映像データ123が映像データ121に追いついた時点で、メモリ部107への録画及びメモリ部107からの読み出しを停止する。録画再生部106に時間短縮再生部151を設け、時間短縮再生部151によって、録画した映像データ121を時間圧縮して高速再生することによって、通信不良が生じた間の遅延を回復することが可能になり、ユーザーは放送に対する遅延なく視聴することができるようになる。このため、ユーザーはユーザー参加が可能な番組であっても遅延回復することにより番組に時間遅延なく参加が可能となる。また、メモリ部107に録画可能な領域を増やすことが可能になるので、メモリを追加することなく、新たに通信不良があっても放送を欠落なく視聴できる時間を長くすることが可能になる。
【0077】
<効果>
実施の形態3のテレビ放送受信装置において、録画再生部106は、再生映像データ123を時間的に圧縮して読み出しを行い、録画再生部106で読み出される再生映像データ123が映像データ121に追いついた時点で、メモリ部107への録画及びメモリ部107からの読み出しを停止する。録画再生部106に時間短縮再生部151を設け、時間短縮再生部151によって、録画した映像データ121を時間圧縮して高速再生することによって、通信不良が生じた間の遅延を回復することが可能になり、ユーザーは放送に対する遅延なく視聴することができるようになる。このため、ユーザーはユーザー参加が可能な番組であっても遅延回復することにより番組に時間遅延なく参加が可能となる。また、メモリ部107に録画可能な領域を増やすことが可能になるので、メモリを追加することなく、新たに通信不良があっても放送を欠落なく視聴できる時間を長くすることが可能になる。
【0078】
(実施の形態4)
実施の形態4のテレビ放送受信装置の構成を図13に示す。実施の形態4は実施の形態3とほぼ同様であり、時間短縮再生部151にCM検出部152を備える点のみが異なる。その他の構成及び動作については実施の形態1と同様であるため、記載を省略する。
【0079】
実施の形態4のテレビ放送受信装置は、CM検出部152によって放送の本編からCM部分を検出し、CMのみ高速再生するものである。高速再生の原理については実施の形態3で説明したとおりである。
【0080】
例えば、地上デジタル放送は、1つの番組に対して本編にCMが挿入されて放送されている。図14では、ta時間の番組のうちCMが2回挿入されている。CM検出部152は、メモリ部107からの再生映像データ123を解析してCMを検出すると、CMの部分のみ高速再生する。図14ではCM部分を2倍速で再生する様子を例示している。通常再生では再生にta時間必要であったが、高速再生ではt1時間に短縮される。
【0081】
図15は、通信状態が不良になる前から、通信状態が良好になり再生映像データ123がデジタル放送に同期するまでの動作を示したものである。横軸は経過時刻を表し、縦軸は再生位置と受信状態が良好である場合の再生位置との時間差を示している。表示部200との通信が良好である間(時刻0からt1)は、録画を行わず映像データ121を処理後映像データ122に変換して表示部200に伝送するため、放送との時間差はない。デジタル放送を受信中、t1で通信状態が不良と判定されると、映像データ121をメモリ部107に録画する。このときの放送内容はCMでなく本編であるものとする。通信状態が不良である間は、時間経過に比例して受信状態が良好である場合(放送)との時間差が増加する。そして、t2で通信状態が良好と判定されるとメモリ部107から再生映像データ123の読み出しが開始される。受信状態が不良になったt1の時点では本編が放送されていたため、t2では本編の通常再生が行われる。なお録画は継続して行われる。t3でCM検出部152はCMを検出し、例えば2倍速でCMを高速再生する。2倍速再生によって放送と再生映像データ123との時間差は減少していく。t4でCM検出部152はCMでなくなったことを検出し、本編がメモリ部107から読み出されていることを認識すると、2倍速再生を終えて通常再生に戻る。その後通常再生を続け、t5でCM検出部152がCMを検出するとCMに対し2倍速再生を行う。時間短縮再生部151はt6で映像データ121と再生映像データ123が同期したことを検出する。すなわち、再生映像データ123と放送(映像データ121)の時間差が0になる。このとき入力データ選択部111は入力として映像データ121を選択し、録画再生部106はメモリ部107への録画及びメモリ部107からの再生の停止を行う。
【0082】
なお、実施の形態4では、CM部分を高速再生する例を示したが、より早期に本来受信しているデジタル放送に同期するためには、図16に示すようにCM検出部152でCMを検出すると、次の本編までCMの部分を飛び越して再生するようにしてもよい。
【0083】
すなわち、実施の形態4に係るテレビ放送受信装置において、録画再生部106は、再生映像データ123からコマーシャルを検出し、コマーシャルのみ時間的に圧縮して高速に読み出しを行い、録画再生部106で読み出される再生映像データ123が映像データ121に追いついた時点で、メモリ部107への録画及びメモリ部107からの読み出しを停止する。録画再生部106の時間短縮再生部151にCM検出部152を有することにより、CM検出部152によってメモリ部107からの再生映像データ123からCMを検出し、CM部分のみ高速再生することが可能になったので、通信不良が生じた間の遅れを回復することが可能になるとともに、本編とCMの全てを高速再生した場合に比して、ユーザーは本編部分を理解しやすくなる。
【0084】
<効果>
実施の形態4に係るテレビ放送受信装置において、録画再生部106は、再生映像データ123からコマーシャルを検出し、コマーシャルのみ時間的に圧縮して高速に読み出しを行い、録画再生部106で読み出される再生映像データ123が映像データ121に追いついた時点で、メモリ部107への録画及びメモリ部107からの読み出しを停止する。録画再生部106の時間短縮再生部151にCM検出部152を有することにより、CM検出部152によってメモリ部107からの再生映像データ123からCMを検出し、CM部分のみ高速再生することが可能になったので、通信不良が生じた間の遅れを回復することが可能になるとともに、本編とCMの全てを高速再生した場合に比して、ユーザーは本編部分を理解しやすくなる。
【0085】
(実施の形態5)
実施の形態5に係るテレビ放送受信装置の構成を図17に示す。実施の形態1の構成図である図3と比較すると、録画再生部106にハイライト再生検出部171が追加されている点が異なる。これ以外の構成及び動作は実施の形態1と同様であるため、記載を省略する。
【0086】
ハイライト再生検出部171は、通信状態判定部103がチューナー部無線通信部102における通信状態を良好と判定すると、メモリ部107から高速に再生映像データ123を読み出す。読み出された再生映像データ123を解析し、特徴的なパターン(ハイライトシーン)を検出する。特徴的なパターンを検出する従来例としては、音声信号の音量が所定値以上である部分を検出し、音量が所定値以上である部分を特徴的なパターンとしている。この方法以外によって特徴的なパターンを検出してもよい。検出したパターンの前後を再生することによってハイライト再生とする。この特徴的なパターンの検出をメモリ部107から読み出した再生映像データ123全体に対して行う。そして、それぞれの検出した特徴的なパターンに対してハイライト再生を行う。
【0087】
図18にハイライト再生の様子を示す。通信状態が不良である時間ta分の映像データ121がメモリ部107に録画されている。録画再生部106はこれを再生映像データ123としてハイライト再生検出部171に読み出す。ハイライト再生検出部171は読み出された再生映像データ123を解析し特徴的なパターンを検出する。図18の例では、t1、t2、t3の時刻において特徴的なパターンが検出されている。これらハイライト再生検出部171で検出された3つの特徴的なパターンに対し、これらを含めて前後の所定部分の再生を行う。これにより、通常再生ではta時間必要であった再生時間が、t4にまで時間短縮することが可能になる。ハイライト再生中にも録画再生部106はメモリ部107に映像データ121の録画を行っており、当該映像データ121を読み出してさらにこれに対しハイライト再生を行う。ハイライト再生による再生映像データ123の時刻が映像データ121の時刻に追いついた時点で、ハイライト再生を終了する。ハイライト再生を終了すると、入力データ選択111は入力データとして映像データ121を選択し、録画再生部106はメモリ部107への録画及びメモリ部107からの再生の停止を行う。
【0088】
すなわち、実施の形態5に係るテレビ放送受信装置において、録画再生部106は、再生映像データ123から放送のハイライトシーンを検出し、ハイライトシーンの前後所定時間分の読み出しを行い、録画再生部106で読み出される再生映像データ123が映像データ121に追いついた時点で、メモリ部107への録画及びメモリ部107からの読み出しを停止する。録画再生部106にハイライト再生検出部171を設け、ハイライト再生検出部171がハイライトシーンを検出してハイライト再生することにより、本編あるいはCMを高速再生する手法に比して、通信不良が生じた間の遅延をより早く回復することが可能になる。又、ユーザーは通信不良が生じた間の番組内容を大まかに理解することが可能であるため、ハイライト再生の後、本来のデジタル放送の視聴に移行しても番組の内容を理解しやすい。
【0089】
<効果>
実施の形態5に係るテレビ放送受信装置において、録画再生部106は、再生映像データ123から放送のハイライトシーンを検出し、ハイライトシーンの前後所定時間分の読み出しを行い、録画再生部106で読み出される再生映像データ123が映像データ121に追いついた時点で、メモリ部107への録画及びメモリ部107からの読み出しを停止する。録画再生部106にハイライト再生検出部171を設け、ハイライト再生検出部171がハイライトシーンを検出してハイライト再生することにより、本編あるいはCMを高速再生する手法に比して、通信不良が生じた間の遅延をより早く回復することが可能になる。又、ユーザーは通信不良が生じた間の番組内容を大まかに理解することが可能であるため、ハイライト再生の後、本来のデジタル放送の視聴に移行しても番組の内容を理解しやすい。
【0090】
(実施の形態6)
実施の形態6に係るテレビ放送受信装置の構成を図19に示す。実施の形態1の構成図である図3と比較すると、チューナー部制御部108に表示部通信状態抽出部161が追加され、表示部制御部208には表示部通信状態検出部205が追加された点が異なる。これ以外の構成及び動作は実施の形態1と同様であるため、記載を省略する。
【0091】
表示部通信状態検出部205は、表示部無線通信部202におけるチューナー部100との通信状態を検出する。通信状態の検出は、表示部無線通信部202にて送受信する信号から、その通信状態を示す所定の情報を検出することにより行う。例えば、伝送データのエラーレートを検出する。あるいは、チューナー部100に送信している送信チャンネルのSN比あるいはCN比の検出しても良い。又は、チューナー部100からの送信チャンネルのSN比あるいはCN比の検出の検出を行う。検出事項はこれらの一部または全部であってもよい。検出した内容は表示部通信状態データとして、表示部無線通信部202に表示部制御部208によって送られる。表示部無線通信部202では、チューナー部100に伝送する表示部補助データに表示部通信状態データを付加し、チューナー部100に伝送する。
【0092】
チューナー部100では、表示部200から伝送された表示部補助データはチューナー部無線通信部102を通してチューナー部制御部108に送られる。表示部通信状態抽出部161は、表示部補助データに付加された表示部通信状態データの抽出を行い、通信状態判定部103に出力する。
【0093】
通信状態判定部103では、チューナー部通信状態検出部105で検出されたチューナー部通信状態データ及び表示部通信状態抽出部161で検出された表示部通信状態データによって通信状態の判定を行う。例えば、チューナー部通信状態データと表示部通信状態データのうち、一方のエラーレートの増加(エラーが多くなる)に基づいて判定される。他の方法では、チューナー部通信状態データと表示部通信状態データのうち、一方のSN比が所定値以下(ノイズが大きくなる)になることに基づいて判定しても良い。
【0094】
すなわち、実施の形態6のテレビ放送受信装置において、表示部200は、チューナー部無線通信部102との間で無線通信を行う表示部無線通信部202と、表示部無線通信部202における通信状態を検出し、検出結果を表示部通信状態データとして出力する表示部通信状態検出部205と、を備え、表示部無線通信部202は、表示部通信状態検出部205から表示部通信状態データを受け、これをチューナー部無線通信部202に送信し、通信状態判定部103は、チューナー部無線通信部105から表示部通信状態データを受け、表示部通信状態データ及びチューナー部通信状態データに基づいて、通信状態の不良を判定する。例えばチューナー部100から表示部200への送信と、表示部200からチューナー部100への送信において無線通信方式が異なる場合は、チューナー部通信状態検出部105での検出結果では通信状態は良好であるものの、表示部通信状態検出部205の検出結果では通信状態が不良である場合がある。このような場合に、実施の形態6では、チューナー部側の通信状態検出に加えて表示部側でも通信状態の検出を行い、双方の検出結果に基づいて通信状態の判定を行うことにより、正確な通信状態の判定を行う事が出来る。その結果ユーザーは、放送内容を欠落なく視聴できることが可能になる。
【0095】
<効果>
すなわち、実施の形態6のテレビ放送受信装置において、表示部200は、チューナー部無線通信部102との間で無線通信を行う表示部無線通信部202と、表示部無線通信部202における通信状態を検出し、検出結果を表示部通信状態データとして出力する表示部通信状態検出部205と、を備え、表示部無線通信部202は、表示部通信状態検出部205から表示部通信状態データを受け、これをチューナー部無線通信部202に送信し、通信状態判定部103は、チューナー部無線通信部105から表示部通信状態データを受け、表示部通信状態データ及びチューナー部通信状態データに基づいて、通信状態の不良を判定する。例えばチューナー部100から表示部200への送信と、表示部200からチューナー部100への送信において無線通信方式が異なる場合は、チューナー部通信状態検出部105での検出結果では通信状態は良好であるものの、表示部通信状態検出部205の検出結果では通信状態が不良である場合がある。このような場合に、実施の形態6では、チューナー部側の通信状態検出に加えて表示部側でも通信状態の検出を行い、双方の検出結果に基づいて通信状態の判定を行うことにより、正確な通信状態の判定を行う事が出来る。その結果ユーザーは、放送内容を欠落なく視聴できることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】実施の形態1に係るテレビ放送受信装置の構成の概要を示した図である。
【図2】チューナー部と表示部が一体となった従来のテレビ放送受信装置の構成図である。
【図3】実施の形態1に係るテレビ放送受信装置の構成図である。
【図4】実施の形態1におけるチューナー部の構成図である。
【図5】実施の形態1におけるチューナー部の動作を示したフローチャートである。
【図6】メモリ部の録画可能領域について説明した概念図である。
【図7】ループ録画について説明した図である。
【図8】ループ録画について説明した図である。
【図9】ループ録画とループ再生について説明した図である。
【図10】実施の形態3に係るテレビ放送受信装置の構成図である。
【図11】間引き再生の原理について説明した図である。
【図12】再生映像データと放送との時間差について説明した図である。
【図13】実施の形態4に係るテレビ放送受信装置の構成図である。
【図14】実施の形態4に係るテレビ放送受信装置の動作を説明する図である。
【図15】再生映像データと放送との時間差について説明した図である。
【図16】実施の形態4に係るテレビ放送受信装置の動作を説明する図である。
【図17】実施の形態5に係るテレビ放送受信装置の構成図である。
【図18】実施の形態5に係るテレビ放送受信装置の動作を説明する図である。
【図19】実施の形態6に係るテレビ放送受信装置の構成図である。
【符号の説明】
【0097】
100 チューナー部、101 映像音声入力部、102 チューナー部無線通信部、103 通信状態判定部、104 送信データ処理部、105 チューナー部通信状態検出部、106 録画再生部、107 メモリ部、108 チューナー部制御部、111 入力データ選択部、112 MPEG復号部、113 送信データ変換部、121 映像データ、122 処理後映像データ、123 再生映像データ、200 表示部、202 表示部無線通信部、205 表示部通信状態検出部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ放送を受信するチューナー装置と映像を表示する表示装置を分離し、チューナー装置から表示装置に向けてデジタル化された映像信号、音声信号及びその他の情報からなる映像データを無線伝送するよう構成された、テレビ放送受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のテレビ放送受信機は、表示画面が薄型化され、壁掛けテレビ等の商品が発売されている。このような薄型テレビでは、放送の受信・デコード等を行うチューナー部と、表示画面にて放送を表示する表示部をそれぞれ分離された装置とし、チューナー部から表示部への映像・音声信号の伝送は、HDMI等のインターフェースによりケーブルを通して行っている。この、チューナー部から表示部へのケーブル接続をなくすために、チューナー部から表示部への映像・音声信号の伝送に無線を使用した商品が発売され始めている。
【0003】
無線伝送の方式としては、非特許文献1ではWireless HD、WHDI(Wireless High Definition Interface)、UWB等が提案されている。ここで、チューナー部から表示部へ伝送する映像信号はベースバンドであり、HDTV信号の場合1.5Gbpsとなる。このため、高ビットレート映像信号を安定に伝送するために様々な工夫がなされている。特許文献1はその具体例の1つであり、画像データを粗部と精細部に分ける圧縮法とMIMO無線技術を使用して高ビットレートの映像データを、ノイズの多い環境下でも画面を途切れさせることなく表示できるシステムを構築している。
【0004】
【非特許文献1】Electronic Engineering Times, June 2, pp.10-11
【特許文献1】特表2007−507147(第6−10頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のようなチューナー部と表示部が分離されたテレビ放送受信装置においては、従来技術の課題として、チューナー部と表示部を互いに見通しがきくように設置していても、常に安定したデータの無線伝送を行えるとは限らないという問題がある。例えば、無線伝送路上に障害物を設置した場合には無線電波が障害物で遮蔽されるため、受信側での受信強度の低下または無線通信の遮断が発生する。また、無線伝送路上を人、動物、物が移動することにより、通信状態が変化する場合もある。さらに、設置した無線機(チューナー部及び表示部)以外からの妨害電波等、外来ノイズによる通信状態の変化がある。この点に関しては、部屋間にチューナー部と表示部を設置して無線通信を行った場合、無線LANと干渉することによって映像音声が安定して伝送できなくなる可能性が考えられる。
【0006】
このように、無線伝送路上を移動する人、動物、物の影響や、外来ノイズの到来によって、通信状態は常に変動することになる。通信状態が悪化すれば、正常に無線伝送している場合と比べてデータの転送レートが低下し、データの欠落を発生させる原因となる。映像データ及び音声データ等からなるAVデータの伝送において、通信状態の変化による転送レートの低下は画質、音質の低下を招き、伝送可能な転送レートが低下したり無線伝送の遮断が生じると、映像データの伝送が行えなくなる。この問題は、通信経路を再構築するか、外来ノイズ等の影響をなくすまで解決しない。通信状況が回復すると、映像データを伝送することが可能になる。すなわち、通信状態が悪化すると、その間の映像データを伝送することができないため、ユーザーが放送を視聴することができない部分が生じ、ユーザーは放送内容を十分に理解できないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は上記の諸問題に鑑み、チューナー装置と表示装置間の通信状態が悪化した場合でも、ユーザーが放送を視聴することが可能なテレビ放送受信装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のテレビ放送受信装置は、デジタル放送信号を受け、前記デジタル放送信号を選局しデコードして、映像信号及び音声信号を含む映像データを生成し、映像データを無線送信に適した処理後映像データに変換するチューナー部と、チューナー部から無線通信によって処理後映像データを受け、これに基づいて映像を表示する表示部と、を備え、チューナー部は、表示部との通信状態の変化に応じて、映像データを所定のメモリ部に録画することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のテレビ放送受信装置において、チューナー部は、表示部との通信状態の変化に応じて、映像データをメモリ部に録画することを特徴とする。チューナー部と表示部の通信状態の変化に応じて映像データを録画するため、通信状態が変化しても映像データを消失することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施の形態1)
<前提>
従来から普及しているテレビ放送受信装置の構成の概要を図2に示す。従来のテレビ放送受信装置は、チューナー部と表示部とが一体となっている。
【0011】
これに対し、実施の形態1に係るテレビ放送受信装置の構成の概要を図1に示す。当該テレビ放送受信装置は、放送局からデジタル放送受信を行うチューナー部100と、チューナー部100から映像信号及び音声信号等からなる映像データを受信して表示する表示部200と、を備えている。表示部200は、チューナー部100からの映像データを無線通信によって受信する受信装置203と、受信装置203で受信した映像データを表示する表示装置300と、を備えている。このようにチューナー部100と表示部200とが別体になっている。
【0012】
ここで、表示装置300は液晶パネルやプラズマパネル等である。又、受信装置203と表示装置300とで表示部200としているが、受信装置203と表示装置300は別々に設置しても良い。
【0013】
<構成>
図3に実施の形態1に係るテレビ放送受信装置の構成をさらに詳しく示す。以下、デジタル放送は地上デジタル放送であるとして説明するが、デジタル放送の受信は例えば衛星デジタル放送や、デジタルケーブル放送、又はインターネット網を利用したデジタル放送であっても良い。
【0014】
実施の形態1に係るテレビ放送受信装置は、チューナー部100と表示部200とを備える。チューナー部100はデジタル放送を受信し、MPEGにより圧縮された映像データを復号する。ここで、映像データとはTSストリームのことである。そして、復号された映像データを表示部200に無線伝送する。
【0015】
表示部200は、チューナー部100から映像データを受信し、これに基づいて映像を表示する。
【0016】
チューナー部100は、放送局からデジタル放送として映像データを受信する映像音声入力部101と、映像音声入力部101から映像データを受けて、これに所定の処理を施した処理後映像データを出力するチューナー部制御部108と、表示部200との通信状態に応じて映像データが録画されるメモリ部107と、チューナー部制御部108から処理後映像データを受けて表示部200に無線送信するチューナー部無線通信部102と、を備えている。
【0017】
映像音声入力部101は、デジタル放送を受信するための選局及びTSストリームの取得機能を有しており、チューナー部制御部108の制御によって選局を行いTSストリームからなる映像データの出力を行う。
【0018】
チューナー部無線通信部102は、チューナー部制御部108の制御を受けて、選局動作や無線通信方法で定められた変調を行う機能を有する。ここで無線通信方式は、例えば国際標準規格のIEEE802.11a、IEEE802.11g等や、UWB(Ultra Wide Band)等がある。あるいは、独自に開発した通信方式であっても良いが、チューナー部100と表示部200間で双方向通信を行うものである。
【0019】
又、チューナー部無線通信部102は、チューナー部制御部108から処理後映像データを取得して、無線通信により表示部200に送信する。さらに、チューナー部制御部108の制御を受けて、表示部200への送信出力の調整と、表示部200からの受信調整を行う。
【0020】
又、チューナー部無線通信部102は、無線通信方式によって定められた情報や、電源のON/OFF等の表示部200の動作を制御する情報や、表示部補助データの受信を行ったことを示すACK信号等からなるチューナー部補助データを送信する。ここで、表示部補助データとは、処理後映像データあるいはチューナー部補助データが表示部200で受信されたことを示すACK信号や表示部200を示す固有の情報等の制御信号とリモコンのようなユーザー入力等からなるその他の情報のどちらかまたは両方からなる。
【0021】
さらに、チューナー部無線通信部102は、表示部200と双方向通信を行っており、表示部200からのデータの受信をする。チューナー部無線通信部102で受信したデータは、チューナー部制御部108に出力する。
【0022】
メモリ部107には、チューナー部制御部108の制御により無線通信の状態に応じて映像音声入力部101からの映像データの記憶が行われる。ここで映像データは、映像音声入力部101から取得されたTSストリームでもよいし、デジタルベースバンド信号でもよい。図1では、メモリ部107はチューナー部100に内蔵されているが、チューナー部100の外部にあってもよい。また、メモリ部107は、半導体記憶素子あるいはHDDあるいはDVD等のいずれであってもよい。ここで半導体記憶素子は、フラッシュメモリを使用したUSBメモリやメモリカードを含む。
【0023】
チューナー部制御部108は、チューナー部100の全体の制御を行い、映像音声入力部101から映像データを受け、これに処理を施して無線通信に適した処理後映像データを出力する。
【0024】
すなわち、実施の形態1に係るテレビ放送受信装置は、デジタル放送信号を受け、前記デジタル放送信号を選局しデコードして、映像信号及び音声信号を含む映像データを生成し、当該映像データを無線送信に適した処理後映像データに変換するチューナー部100と、チューナー部100から無線通信によって処理後映像データを受け、これに基づいて映像を表示する表示部200と、を備え、チューナー部100は、表示部200との通信状態の変化に応じて、映像データを所定のメモリ部107に録画することを特徴とする。チューナー部100と表示部200の通信状態の変化に応じて映像データを録画するため、通信状態が変化しても映像データを消失することがない。
【0025】
又、チューナー部制御部108は、チューナー部通信状態検出部105、通信状態判定部103、録画再生部106、送信データ処理部104を備える。
【0026】
チューナー部通信状態検出部105は、チューナー部無線通信部102における表示部200との通信状態を検出する。通信状態の検出は、チューナー部無線通信部にて送受信する信号から、その通信状態を示す所定の情報を検出することにより行う。例えば、表示部200から受信する信号のエラーレートを検出する。あるいは、表示部200に送信している送信チャンネルのSN比あるいはCN比を検出しても良い。又は、表示部200からの受信チャンネルのSN比あるいはCN比の検出を行う。検出事項はこれらの一部または全部であってもよい。検出した内容はチューナー部通信状態データとして、通信状態判定部103に出力する。
【0027】
通信状態判定部103は、チューナー部通信状態検出部105からチューナー部通信状態データを受け、チューナー部100と表示部200の通信状態が良好であるか、不良であるかを判定する。例えばエラーレートの増加(つまりエラーが多くなる)に基づいて判定する。
【0028】
送信データ処理部104は、映像音声入力部101から映像データを受け、これを無線通信に適した形式の処理後映像データに変換し、チューナー部無線通信部102に出力する。詳しい動作について図4の説明で後述する。
【0029】
録画再生部106は、映像音声入力部101から映像データを受けてデータバッファリングを行い、メモリ部107に映像データの録画を行う。又、メモリ部107に録画されている映像データを、再生映像データとして読み出す。
【0030】
すなわち、実施の形態1に係るテレビ放送受信装置において、チューナー部100は、デジタル放送信号を受信し選局する映像音声入力部101と、チューナー部100の動作を制御するチューナー部制御部108と、処理後映像データを表示部200に無線伝送するチューナー部無線通信部102と、を備え、チューナー部制御部108は、映像音声入力部101から映像データを受けてデコードし、且つ処理後映像データに変換する送信データ処理部104と、チューナー部無線通信部102における表示部100との通信状態の検出を行い、検出結果をチューナー部通信状態データとして出力するチューナー部通信状態検出部105と、チューナー部通信状態データに基づいて通信状態の不良を判定する通信状態判定部103と、映像音声入力部101から映像データを受け、通信状態判定部103の判定結果に応じて、メモリ部107に映像データの録画を行い、又はメモリ部107に録画された映像データを再生映像データとして読み出す録画再生部106と、を備える。映像データを記憶するか否かの判断をチューナー部の通信状態判定部で判定するため、デジタル放送の受信中、常時録画をする必要がなくなり、メモリ部107の記憶容量を少なくすることが出来る。
【0031】
<送信データ処理部104>
図4は、送信データ処理部104周辺の構成を示した図である。送信データ処理部104は、入力データ選択部111とMPEG復号部112と送信データ変換部113と、を備える。
【0032】
入力データ選択部111は、映像音声入力部101から映像データ121を受け、録画再生部106から再生映像データを受け、いずれか一方を入力として選択してMPEG復号部112に出力する。
【0033】
MPEG復号部112は、入力データ選択手段で選択された映像データ又は再生映像データを、映像信号、音声信号、付随信号に分離し、付随信号を参照して映像信号、音声信号の復号を行い、送信データ変換部113に出力する。
【0034】
送信データ変換部113では、MPEG復号部112から復号された映像信号及び音声信号を受け、無線通信方式によって定められたデータ変換や、誤り訂正のためのデータ付加等、映像データを表示部200に送信するための処理を行う。処理後の映像データを処理後映像データ122としてチューナー部無線通信部102に出力する。チューナー部無線通信部102は処理後映像データを表示部200に無線送信する。
【0035】
<表示部の構成>
次に、図3を用いて表示部200の構成を説明する。表示部200は、表示部無線通信部202、表示部制御部208、映像音声出力部201、表示装置300を備えている。
【0036】
表示部無線通信部202は、チューナー部100のチューナー部無線通信部102から無線通信によって処理後映像データ及びチューナー部補助データを受信し、表示部制御部208に出力する。さらに、無線通信方式によって定められた情報や電源のON/OFF等の表示部200の状態を示す情報やチューナー部補助データの受信を行ったことを示すACK信号等からなる表示部補助データをチューナー部100に伝送する。
【0037】
又、表示部無線通信部202は、表示部制御部208の制御によって選局動作や無線通信方法で定められた復調を行う機能を有する。無線通信方式はチューナー部100と同じ無線通信方式が使用される。又、表示部制御部208の制御によって表示部無線通信部202での送信出力調整と、チューナー部100からの通信を受信するための受信調整を行う。
【0038】
表示部200全体の制御を行う表示部制御部208は、受信データ処理部204を備える。受信データ処理部204は、表示部無線通信部202から処理後映像データを受け、これを元の映像データに戻して映像音声出力部201に出力する。
【0039】
映像音声出力部201は、表示部制御部208から映像データを受け、これを表示装置300の仕様に合わせたフォーマットに変換した後、表示装置300に出力する。
【0040】
表示装置300は、映像音声出力部201から映像データを受けて、画面に表示する。ここで、表示装置300はLCDやプラズマディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。
【0041】
<動作>
図4に基づいて、受信したデジタル放送のチューナー部100における経路を説明する。放送局からデジタル放送として映像データ121が映像音声入力部101で受信されると、映像データ121はチューナー部制御部108において送信データ処理部104と録画再生部106に入力される。
【0042】
チューナー制御部108は、通信状態判定部103で通信状態が良好と判定された場合、映像データ121が表示部200に伝送されるよう送信データ処理部104に指示を行う。すなわち、入力データ選択部111が映像データ121を選択し、MPEG復号112に出力する。
【0043】
一方、通信状態が不良と判定されると、録画再生部106は映像データ121をメモリ部107に録画する。
【0044】
そして、通信状態判定部103の判定結果が不良から良好に転ずると、録画再生部106はメモリ部107に録画した映像データを再生映像データ123として読み出し、再生映像データ123を入力データ選択部111に出力する。入力データ選択部111は入力として録画再生部106からの再生映像データ123を選択し、MPEG復号手段112に出力する。MPEG復号手段112及び送信データ変換手段113では、前述の通りMPEG復号と変換処理によって再生映像データ123が処理後映像データ122に変換され、処理後映像データ122はチューナー部無線通信部102を介して表示部200に送信される。又、録画再生部106は再生映像データ123をメモリ107から読み出す一方で、映像データ121をメモリ部107に録画する。録画再生部106による録画と再生は、通信状態が良好に転じた後所定時間続けられて終了する。
【0045】
すなわち、実施の形態1のテレビ放送受信装置において、送信データ処理部104は、映像データ121と再生映像データ123の一方を選択する入力データ選択部111と、入力データ選択部111において選択したデータをMPEG復号処理するMPEG復号部112と、MPEG復号部でデコードしたデータを、処理後映像データに変換し、チューナー部無線通信部102に出力する送信データ変換部104と、を備え、通信状態判定部103で通信状態が良好と判定された場合には、入力データ選択部111は映像データ121を選択し、通信状態が不良と判定された場合には、録画再生部106はメモリ部107に映像データ121の録画を行い、且つ通信状態が不良から良好に転じるとメモリ部107から再生映像データ123を読み出し、当該読み出された再生映像データ123は入力データ選択部111で選択される。通信状態が不良である際の映像データ121を録画しておき、通信状態が不良から良好に転じた際にこれを再生映像データ123として再生して表示部100に無線伝送することにより、ユーザーは通信不良の際の放送内容を見逃すことなく理解することが出来る。
【0046】
図5に、上述のチューナー部100の動作をフローチャートで示す。チューナー部100はユーザーの選局要求を受けて、デジタル放送受信を始める(ステップS1)。
【0047】
次に、チューナー部100と表示部200が無線通信を開始し、チューナー部100はチューナー部無線通信部102における通信状態の判定を通信状態判定部103で行う(ステップS2)。
【0048】
通信状態の判定結果が良好であれば、チューナー部制御部108は、送信データ処理部104の入力データ選択部111が映像音声入力部101で受信した映像データ121を選択するように指示する。送信データ処理部104では、MPEG復号部112で映像データ121がMPEG復号され、さらに送信データ変換部113で無線送信用の処理後映像データ122に変換される。そして、チューナー部無線通信部102から表示部200へ、処理後映像データ122の伝送が開始される(ステップS3)。
【0049】
もしステップS2において、通信状態判定部103による通信状態の判定が不良であれば、録画再生部106はチューナー部制御部108の制御によりメモリ部107に対して映像データ121の録画を開始する(ステップS5)。
【0050】
ステップS3で映像データ121の伝送を開始すると、チューナー部100は通信状態の監視を再開する(ステップS4)。
【0051】
ステップS4で、通信状態判定部103において通信状態が不良であると判定されると、録画再生部106はチューナー部制御部108の指示によって、選局している番組の映像データ121をメモリ部107に録画する(ステップS5)。
【0052】
次に、チューナー部100は通信状態の判定を行い(ステップS6)、良好に転ずるまでメモリ部107に録画を続ける。
【0053】
ステップS6で、通信状態判定部103が通信状態が良好と判定すると、録画再生部106はチューナー部制御部の指示によって、映像データ102の録画を行いながら、録画済みの映像データ102を再生映像データ123として再生する(ステップS7)。
【0054】
次に、送信データ処理部104では、入力データ選択部111が再生映像データ123を選択し、MPEG復号112でMPEG復号を行い、送信データ変換部113で無線通信に適した変換処理を施し、無線機無線通信部102から表示部200に伝送する(ステップS8)。
【0055】
<効果>
実施の形態1に係るテレビ放送受信装置は、デジタル放送信号を受け、前記デジタル放送信号を選局しデコードして、映像信号及び音声信号を含む映像データを生成し、当該映像データを無線送信に適した処理後映像データに変換するチューナー部100と、チューナー部100から無線通信によって処理後映像データを受け、これに基づいて映像を表示する表示部200と、を備え、チューナー部100は、表示部200との通信状態の変化に応じて、映像データをメモリ部107に録画することを特徴とする。チューナー部100と表示部200の通信状態の変化に応じて映像データを録画するため、通信状態が変化しても映像データを消失することがない。
【0056】
又、実施の形態1に係るテレビ放送受信装置において、チューナー部100は、デジタル放送信号を受信し選局する映像音声入力部101と、チューナー部100の動作を制御するチューナー部制御部108と、処理後映像データを表示部200に無線伝送するチューナー部無線通信部102と、を備え、チューナー部制御部108は、映像音声入力部101から映像データを受けてデコードし、且つ処理後映像データに変換する送信データ処理部104と、チューナー部無線通信部102における表示部100との通信状態の検出を行い、検出結果をチューナー部通信状態データとして出力するチューナー部通信状態検出部105と、チューナー部通信状態データに基づいて通信状態の不良を判定する通信状態判定部103と、映像音声入力部101から映像データを受け、通信状態判定部103の判定結果に応じて、メモリ部107に映像データの録画を行い、又はメモリ部107に録画された映像データを再生映像データとして読み出す録画再生部106と、を備える。映像データを記憶するか否かの判断をチューナー部の通信状態判定部で判定するため、デジタル放送の受信中、常時録画をする必要がなくなり、メモリ部107の記憶容量を少なくすることが出来る。
【0057】
さらに、実施の形態1のテレビ放送受信装置において、送信データ処理部104は、映像データ121と再生映像データ123の一方を選択する入力データ選択部111と、入力データ選択部111において選択したデータをMPEG復号処理するMPEG復号部112と、MPEG復号部でデコードしたデータを、処理後映像データに変換し、チューナー部無線通信部102に出力する送信データ変換部104と、を備え、通信状態判定部103で通信状態が良好と判定された場合には、入力データ選択部111は映像データ121を選択し、通信状態が不良と判定された場合には、録画再生部106はメモリ部107に映像データ121の録画を行い、且つ通信状態が不良から良好に転じるとメモリ部107から再生映像データ123を読み出し、当該読み出された再生映像データ123は入力データ選択部111で選択される。通信状態が不良である際の映像データ121を録画しておき、通信状態が不良から良好に転じた際にこれを再生映像データ123として再生して表示部100に無線伝送することにより、ユーザーは通信不良の際の放送内容を見逃すことなく理解することが出来る。
【0058】
(実施の形態2)
実施の形態2のテレビ放送受信装置の構成は、実施の形態1のテレビ放送受信装置と同様であるため、記載を省略する。
【0059】
実施の形態2のテレビ放送受信装置は、チューナー部100と表示部200の通信状態が不良になると、映像音声入力部101からの映像データ121をメモリ部107に録画するが、メモリ部107の記憶容量141のうち決められた範囲内の録画可能領域で録画を行う。この概念を示した図が図6である。メモリ部107の記憶容量141のうち、その一部分に割り当てられた録画可能領域142でループ録画を行う。
【0060】
ループ録画について、図7及び図8を用いて説明する。図7では、録画可能領域142にアドレス0x100から0x200までを割り当てている。始めの録画はアドレス0x100から始まり録画とともにアドレスが0x101、0x102と増加していく。アドレス0x200に録画データの書き込みがされると次のアドレスは0x201であるが、録画可能領域142はアドレス0x200までであるためアドレス0x201に録画データを記録することは出来ない。このため、次の録画データはアドレス0x100に戻って元に記録されている記録データを破棄し、新しい記録データを記録する。
【0061】
この様子を図8を用いて説明する。図8の下図において、横軸は時刻であり、縦軸はメモリ部107の録画可能領域142のアドレスである。図8の上図は、下図の時刻における録画可能領域142の中の録画位置を示す。
【0062】
t0で通信状態が不良になり録画を始めたとすると、アドレス0x100から録画データを記録する。録画とともにアドレスが増加していき、t1でアドレス0x150に記録される。さらに録画を続けてt2でアドレス0x200に達すると、アドレス0x100に戻る。すなわち、アドレス0x200の次の記録はアドレス0x100に行われる。この際に、t0でアドレス0x100に記録された録画データは破棄され、t2の録画データが0x100に記録させる。さらに録画を続けてt3ではアドレス0x150に記録される。同様にt2からt3までの記録は、t0からt1までに記録されたデータを破棄して行われる。録画が停止されるまでこの動作が繰り返される。
【0063】
再生時は、ループ再生を行う。図7を用いてループ再生について説明する。始めの再生は録画時と同様0x100から再生する。再生が進むにつれアドレスが0x101、0x102と増加していく。再生アドレスが0x200になりアドレス0x200の記録データが読み出されると、次の再生アドレスは0x100となる。アドレスに記録されたデータに変化がなければ、同じデータを繰り返し再生しているだけであるが、ループ録画によって同一アドレスには時間の経過とともに新たなデータが記録されているため、新たなデータを再生することになる。
【0064】
図9に録画アドレスと再生アドレスの関係、すなわちループ録画とループ再生の関係を示す。t0で通信状態が不良になりアドレス0x100から録画を開始するものとする。表示部200では通信状態が不良になる前の画像か、通信不良であることを示す画像を表示装置300に出力する。t1で通信状態が良好に転ずると、録画再生部106はメモリ部107からの再生を開始する。このときアドレス0x100から再生を開始する。t1における録画アドレスは0x140である。t2になると録画アドレスは0x100に戻り、t0から記録されたデータを記録アドレスごとに破棄しながら記録を続ける。t2での再生アドレスは0x160であり記録アドレスとは同じにならない。録画アドレスが一周して新たなデータが書き込まれる前に再生を行うため、再生すべきデータが記録によって破棄されることはない。t3になると再生アドレスが0x200に達し次の再生アドレスが0x100になる。この時点でt2以前のデータは破棄され、t2以降のデータが新たに記録されているので、チューナー部100は連続した記録データを読み出すことができる。この動作を繰り返すことによって録画と再生を行う。t4でユーザーが受信チャンネルの変更又は電源OFFにすると、録画と再生を停止する。
【0065】
すなわち、実施の形態2におけるテレビ放送受信装置において、録画画再生部106は、メモリ部107に対する映像データ121の録画をループ録画により行い、メモリ部107からの映像データ121の再生をループ再生により行う。これにより、再生の連続性を確保するとともに、メモリ部の記憶容量を節約することが可能になる。
【0066】
又、ループ録画及びループ再生はメモリ部107の有する記憶容量の一部分で行われる。これにより、メモリ部の記憶容量を節約することが可能になる。
【0067】
<効果>
実施の形態2におけるテレビ放送受信装置において、録画画再生部106は、メモリ部107に対する映像データ121の録画をループ録画により行い、メモリ部107からの映像データ121の再生をループ再生により行う。これにより、再生の連続性を確保するとともに、メモリ部の記憶容量を節約することが可能になる。
【0068】
さらに、実施の形態2におけるテレビ放送受信装置において、ループ録画及びループ再生はメモリ部107の有する記憶容量の一部分で行われる。これにより、メモリ部の記憶容量を節約することが可能になる。
【0069】
(実施の形態3)
実施の形態1,2では、ユーザーはチューナー部100と表示部200の通信状態が不良になってから再び良好になるまでに要した時間分、本来のデジタル放送よりも遅れた放送内容を視聴することになる。これに対し、実施の形態3では、メモリ部107から読み出すデータを時間短縮再生(高速再生)することにより、ユーザーが本来のデジタル放送の視聴を行えるようにするものである。
【0070】
実施の形態3に係るテレビ放送受信装置の構成を図10に示す。実施の形態1の構成図である図3と比較すると、録画再生部106に時間短縮再生部151が追加された点が異なる。その他の構成及び動作は、実施の形態1及び実施の形態2と同様であるため、記載を省略する。
【0071】
時間短縮再生部151は、録画再生部106は、メモリ部107から再生映像データ123を再生するが、録画再生部106に備えられた時間短縮部は、再生映像データ123の再生時間を短縮する。時間を短縮する手段としては、再生映像を間引きする間引き再生方法がある。以下、間引き再生について図11を用いて説明する。
【0072】
図11の上図は通常再生を示し、下図は間引き再生を示す。例えば、間引き再生では、メモリ部107から再生映像データ123を通常再生するよりも高速に再生し、再生映像データ123を解析することによりIピクチャを抽出する。例えば、日本における地上波デジタル放送では、0.5秒毎に1度はシーケンスヘッダが挿入されることになっている。このため、少なくとも0.5秒毎に1度はIピクチャが存在する。ここでは、説明を簡単にするため、Iピクチャが0.5秒毎にあると仮定する。図11において、塗り潰すか斜線で示したピクチャがIピクチャを表している。Iピクチャを2回抽出するごとに復号し、これを0.5秒ごとに表示する。このようにして、通常再生では1秒ごとに表示されるべき映像が0.5秒おきに表示されるようになるので、2倍の速度で再生することになり、再生時間の短縮が行われる。ここでは、Iピクチャのみを間引きして0.5秒ごとに表示する方法について述べたが、Iピクチャ又はBピクチャ又はPピクチャ、あるいは何れかの組み合わせによって表示装置のフレームレートに合わせた画像を表示し、より滑らかな画像を表示してもよい。
【0073】
一般的にMPEG復号部112(図4参照)では映像データ121を復号するためにTSデータをバッファで保持する。したがって、映像音声入力部101からの映像データ121がMPEG復号112で復号されるまでタイムラグが発生する。一方、メモリ部107への録画は、映像音声入力部101から映像データ121が録画再生部106に入力されると同時に開始される。又、メモリ部107からの再生及び再生映像データのデコードが行われる。この映像データ121の録画から再生までに要する時間から計算されるデータ量よりも大きいバッファを、MPEG復号部112のバッファに設ける。
【0074】
さらに時間短縮再生部151は、映像データ121に含まれる時刻をチューナー部100の現在時刻とし、これと再生映像データ123中に含まれる時刻とを比較する。この比較により、再生映像データ123と映像音声入力部101で受信した映像データ121との同期を検出する。同期を検出すると、入力データ選択部111は入力を再生映像データ123から映像データ121に切り替え、録画再生部106はメモリ部107への録画及びメモリ部107からの再生を停止する。
【0075】
図12は、高速再生により再生映像データ123と映像データ121が同期する様子を示した図である。横軸は経過時刻を表し、縦軸は再生映像データの再生位置と、受信状態が良好であった場合の再生位置(放送の位置)との時間差を示している。チューナー部100と表示部200との通信が良好である間(時刻0からt1)は、録画を行わず映像データ121を表示部200に伝送するため、時間差はない。t1で通信が不良となり、チューナー部100はメモリ部107に映像データ121の録画を開始する。通信が不良である間は表示部200に処理後映像データ122の送信を行えないため、チューナー部100は一時停止状態となっている。よって、放送との時間差は通信不良の間、増え続ける。t2は通信不良から良好になることを示している。チューナー部100は、メモリ部107から再生を行う。このとき録画は引き続き行う。前述のようにメモリ部107から録画データを高速再生(2倍速)する。2倍速再生によって、放送との時間差は縮まっていく(t2〜t3)。t3で時間短縮再生部151は映像データ121と再生映像データ123が同期したことを検出する。すなわち、再生映像データ123と放送(映像データ121)の時間差が0になる。このとき、入力データ選択部111は再生映像データ123から映像データ121へ入力を切り替え、録画再生部106はメモリ部107への録画及びメモリ部107からの再生の停止を行う。
【0076】
すなわち、実施の形態3のテレビ放送受信装置において、録画再生部106は、再生映像データ123を時間的に圧縮して読み出しを行い、録画再生部106で読み出される再生映像データ123が映像データ121に追いついた時点で、メモリ部107への録画及びメモリ部107からの読み出しを停止する。録画再生部106に時間短縮再生部151を設け、時間短縮再生部151によって、録画した映像データ121を時間圧縮して高速再生することによって、通信不良が生じた間の遅延を回復することが可能になり、ユーザーは放送に対する遅延なく視聴することができるようになる。このため、ユーザーはユーザー参加が可能な番組であっても遅延回復することにより番組に時間遅延なく参加が可能となる。また、メモリ部107に録画可能な領域を増やすことが可能になるので、メモリを追加することなく、新たに通信不良があっても放送を欠落なく視聴できる時間を長くすることが可能になる。
【0077】
<効果>
実施の形態3のテレビ放送受信装置において、録画再生部106は、再生映像データ123を時間的に圧縮して読み出しを行い、録画再生部106で読み出される再生映像データ123が映像データ121に追いついた時点で、メモリ部107への録画及びメモリ部107からの読み出しを停止する。録画再生部106に時間短縮再生部151を設け、時間短縮再生部151によって、録画した映像データ121を時間圧縮して高速再生することによって、通信不良が生じた間の遅延を回復することが可能になり、ユーザーは放送に対する遅延なく視聴することができるようになる。このため、ユーザーはユーザー参加が可能な番組であっても遅延回復することにより番組に時間遅延なく参加が可能となる。また、メモリ部107に録画可能な領域を増やすことが可能になるので、メモリを追加することなく、新たに通信不良があっても放送を欠落なく視聴できる時間を長くすることが可能になる。
【0078】
(実施の形態4)
実施の形態4のテレビ放送受信装置の構成を図13に示す。実施の形態4は実施の形態3とほぼ同様であり、時間短縮再生部151にCM検出部152を備える点のみが異なる。その他の構成及び動作については実施の形態1と同様であるため、記載を省略する。
【0079】
実施の形態4のテレビ放送受信装置は、CM検出部152によって放送の本編からCM部分を検出し、CMのみ高速再生するものである。高速再生の原理については実施の形態3で説明したとおりである。
【0080】
例えば、地上デジタル放送は、1つの番組に対して本編にCMが挿入されて放送されている。図14では、ta時間の番組のうちCMが2回挿入されている。CM検出部152は、メモリ部107からの再生映像データ123を解析してCMを検出すると、CMの部分のみ高速再生する。図14ではCM部分を2倍速で再生する様子を例示している。通常再生では再生にta時間必要であったが、高速再生ではt1時間に短縮される。
【0081】
図15は、通信状態が不良になる前から、通信状態が良好になり再生映像データ123がデジタル放送に同期するまでの動作を示したものである。横軸は経過時刻を表し、縦軸は再生位置と受信状態が良好である場合の再生位置との時間差を示している。表示部200との通信が良好である間(時刻0からt1)は、録画を行わず映像データ121を処理後映像データ122に変換して表示部200に伝送するため、放送との時間差はない。デジタル放送を受信中、t1で通信状態が不良と判定されると、映像データ121をメモリ部107に録画する。このときの放送内容はCMでなく本編であるものとする。通信状態が不良である間は、時間経過に比例して受信状態が良好である場合(放送)との時間差が増加する。そして、t2で通信状態が良好と判定されるとメモリ部107から再生映像データ123の読み出しが開始される。受信状態が不良になったt1の時点では本編が放送されていたため、t2では本編の通常再生が行われる。なお録画は継続して行われる。t3でCM検出部152はCMを検出し、例えば2倍速でCMを高速再生する。2倍速再生によって放送と再生映像データ123との時間差は減少していく。t4でCM検出部152はCMでなくなったことを検出し、本編がメモリ部107から読み出されていることを認識すると、2倍速再生を終えて通常再生に戻る。その後通常再生を続け、t5でCM検出部152がCMを検出するとCMに対し2倍速再生を行う。時間短縮再生部151はt6で映像データ121と再生映像データ123が同期したことを検出する。すなわち、再生映像データ123と放送(映像データ121)の時間差が0になる。このとき入力データ選択部111は入力として映像データ121を選択し、録画再生部106はメモリ部107への録画及びメモリ部107からの再生の停止を行う。
【0082】
なお、実施の形態4では、CM部分を高速再生する例を示したが、より早期に本来受信しているデジタル放送に同期するためには、図16に示すようにCM検出部152でCMを検出すると、次の本編までCMの部分を飛び越して再生するようにしてもよい。
【0083】
すなわち、実施の形態4に係るテレビ放送受信装置において、録画再生部106は、再生映像データ123からコマーシャルを検出し、コマーシャルのみ時間的に圧縮して高速に読み出しを行い、録画再生部106で読み出される再生映像データ123が映像データ121に追いついた時点で、メモリ部107への録画及びメモリ部107からの読み出しを停止する。録画再生部106の時間短縮再生部151にCM検出部152を有することにより、CM検出部152によってメモリ部107からの再生映像データ123からCMを検出し、CM部分のみ高速再生することが可能になったので、通信不良が生じた間の遅れを回復することが可能になるとともに、本編とCMの全てを高速再生した場合に比して、ユーザーは本編部分を理解しやすくなる。
【0084】
<効果>
実施の形態4に係るテレビ放送受信装置において、録画再生部106は、再生映像データ123からコマーシャルを検出し、コマーシャルのみ時間的に圧縮して高速に読み出しを行い、録画再生部106で読み出される再生映像データ123が映像データ121に追いついた時点で、メモリ部107への録画及びメモリ部107からの読み出しを停止する。録画再生部106の時間短縮再生部151にCM検出部152を有することにより、CM検出部152によってメモリ部107からの再生映像データ123からCMを検出し、CM部分のみ高速再生することが可能になったので、通信不良が生じた間の遅れを回復することが可能になるとともに、本編とCMの全てを高速再生した場合に比して、ユーザーは本編部分を理解しやすくなる。
【0085】
(実施の形態5)
実施の形態5に係るテレビ放送受信装置の構成を図17に示す。実施の形態1の構成図である図3と比較すると、録画再生部106にハイライト再生検出部171が追加されている点が異なる。これ以外の構成及び動作は実施の形態1と同様であるため、記載を省略する。
【0086】
ハイライト再生検出部171は、通信状態判定部103がチューナー部無線通信部102における通信状態を良好と判定すると、メモリ部107から高速に再生映像データ123を読み出す。読み出された再生映像データ123を解析し、特徴的なパターン(ハイライトシーン)を検出する。特徴的なパターンを検出する従来例としては、音声信号の音量が所定値以上である部分を検出し、音量が所定値以上である部分を特徴的なパターンとしている。この方法以外によって特徴的なパターンを検出してもよい。検出したパターンの前後を再生することによってハイライト再生とする。この特徴的なパターンの検出をメモリ部107から読み出した再生映像データ123全体に対して行う。そして、それぞれの検出した特徴的なパターンに対してハイライト再生を行う。
【0087】
図18にハイライト再生の様子を示す。通信状態が不良である時間ta分の映像データ121がメモリ部107に録画されている。録画再生部106はこれを再生映像データ123としてハイライト再生検出部171に読み出す。ハイライト再生検出部171は読み出された再生映像データ123を解析し特徴的なパターンを検出する。図18の例では、t1、t2、t3の時刻において特徴的なパターンが検出されている。これらハイライト再生検出部171で検出された3つの特徴的なパターンに対し、これらを含めて前後の所定部分の再生を行う。これにより、通常再生ではta時間必要であった再生時間が、t4にまで時間短縮することが可能になる。ハイライト再生中にも録画再生部106はメモリ部107に映像データ121の録画を行っており、当該映像データ121を読み出してさらにこれに対しハイライト再生を行う。ハイライト再生による再生映像データ123の時刻が映像データ121の時刻に追いついた時点で、ハイライト再生を終了する。ハイライト再生を終了すると、入力データ選択111は入力データとして映像データ121を選択し、録画再生部106はメモリ部107への録画及びメモリ部107からの再生の停止を行う。
【0088】
すなわち、実施の形態5に係るテレビ放送受信装置において、録画再生部106は、再生映像データ123から放送のハイライトシーンを検出し、ハイライトシーンの前後所定時間分の読み出しを行い、録画再生部106で読み出される再生映像データ123が映像データ121に追いついた時点で、メモリ部107への録画及びメモリ部107からの読み出しを停止する。録画再生部106にハイライト再生検出部171を設け、ハイライト再生検出部171がハイライトシーンを検出してハイライト再生することにより、本編あるいはCMを高速再生する手法に比して、通信不良が生じた間の遅延をより早く回復することが可能になる。又、ユーザーは通信不良が生じた間の番組内容を大まかに理解することが可能であるため、ハイライト再生の後、本来のデジタル放送の視聴に移行しても番組の内容を理解しやすい。
【0089】
<効果>
実施の形態5に係るテレビ放送受信装置において、録画再生部106は、再生映像データ123から放送のハイライトシーンを検出し、ハイライトシーンの前後所定時間分の読み出しを行い、録画再生部106で読み出される再生映像データ123が映像データ121に追いついた時点で、メモリ部107への録画及びメモリ部107からの読み出しを停止する。録画再生部106にハイライト再生検出部171を設け、ハイライト再生検出部171がハイライトシーンを検出してハイライト再生することにより、本編あるいはCMを高速再生する手法に比して、通信不良が生じた間の遅延をより早く回復することが可能になる。又、ユーザーは通信不良が生じた間の番組内容を大まかに理解することが可能であるため、ハイライト再生の後、本来のデジタル放送の視聴に移行しても番組の内容を理解しやすい。
【0090】
(実施の形態6)
実施の形態6に係るテレビ放送受信装置の構成を図19に示す。実施の形態1の構成図である図3と比較すると、チューナー部制御部108に表示部通信状態抽出部161が追加され、表示部制御部208には表示部通信状態検出部205が追加された点が異なる。これ以外の構成及び動作は実施の形態1と同様であるため、記載を省略する。
【0091】
表示部通信状態検出部205は、表示部無線通信部202におけるチューナー部100との通信状態を検出する。通信状態の検出は、表示部無線通信部202にて送受信する信号から、その通信状態を示す所定の情報を検出することにより行う。例えば、伝送データのエラーレートを検出する。あるいは、チューナー部100に送信している送信チャンネルのSN比あるいはCN比の検出しても良い。又は、チューナー部100からの送信チャンネルのSN比あるいはCN比の検出の検出を行う。検出事項はこれらの一部または全部であってもよい。検出した内容は表示部通信状態データとして、表示部無線通信部202に表示部制御部208によって送られる。表示部無線通信部202では、チューナー部100に伝送する表示部補助データに表示部通信状態データを付加し、チューナー部100に伝送する。
【0092】
チューナー部100では、表示部200から伝送された表示部補助データはチューナー部無線通信部102を通してチューナー部制御部108に送られる。表示部通信状態抽出部161は、表示部補助データに付加された表示部通信状態データの抽出を行い、通信状態判定部103に出力する。
【0093】
通信状態判定部103では、チューナー部通信状態検出部105で検出されたチューナー部通信状態データ及び表示部通信状態抽出部161で検出された表示部通信状態データによって通信状態の判定を行う。例えば、チューナー部通信状態データと表示部通信状態データのうち、一方のエラーレートの増加(エラーが多くなる)に基づいて判定される。他の方法では、チューナー部通信状態データと表示部通信状態データのうち、一方のSN比が所定値以下(ノイズが大きくなる)になることに基づいて判定しても良い。
【0094】
すなわち、実施の形態6のテレビ放送受信装置において、表示部200は、チューナー部無線通信部102との間で無線通信を行う表示部無線通信部202と、表示部無線通信部202における通信状態を検出し、検出結果を表示部通信状態データとして出力する表示部通信状態検出部205と、を備え、表示部無線通信部202は、表示部通信状態検出部205から表示部通信状態データを受け、これをチューナー部無線通信部202に送信し、通信状態判定部103は、チューナー部無線通信部105から表示部通信状態データを受け、表示部通信状態データ及びチューナー部通信状態データに基づいて、通信状態の不良を判定する。例えばチューナー部100から表示部200への送信と、表示部200からチューナー部100への送信において無線通信方式が異なる場合は、チューナー部通信状態検出部105での検出結果では通信状態は良好であるものの、表示部通信状態検出部205の検出結果では通信状態が不良である場合がある。このような場合に、実施の形態6では、チューナー部側の通信状態検出に加えて表示部側でも通信状態の検出を行い、双方の検出結果に基づいて通信状態の判定を行うことにより、正確な通信状態の判定を行う事が出来る。その結果ユーザーは、放送内容を欠落なく視聴できることが可能になる。
【0095】
<効果>
すなわち、実施の形態6のテレビ放送受信装置において、表示部200は、チューナー部無線通信部102との間で無線通信を行う表示部無線通信部202と、表示部無線通信部202における通信状態を検出し、検出結果を表示部通信状態データとして出力する表示部通信状態検出部205と、を備え、表示部無線通信部202は、表示部通信状態検出部205から表示部通信状態データを受け、これをチューナー部無線通信部202に送信し、通信状態判定部103は、チューナー部無線通信部105から表示部通信状態データを受け、表示部通信状態データ及びチューナー部通信状態データに基づいて、通信状態の不良を判定する。例えばチューナー部100から表示部200への送信と、表示部200からチューナー部100への送信において無線通信方式が異なる場合は、チューナー部通信状態検出部105での検出結果では通信状態は良好であるものの、表示部通信状態検出部205の検出結果では通信状態が不良である場合がある。このような場合に、実施の形態6では、チューナー部側の通信状態検出に加えて表示部側でも通信状態の検出を行い、双方の検出結果に基づいて通信状態の判定を行うことにより、正確な通信状態の判定を行う事が出来る。その結果ユーザーは、放送内容を欠落なく視聴できることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】実施の形態1に係るテレビ放送受信装置の構成の概要を示した図である。
【図2】チューナー部と表示部が一体となった従来のテレビ放送受信装置の構成図である。
【図3】実施の形態1に係るテレビ放送受信装置の構成図である。
【図4】実施の形態1におけるチューナー部の構成図である。
【図5】実施の形態1におけるチューナー部の動作を示したフローチャートである。
【図6】メモリ部の録画可能領域について説明した概念図である。
【図7】ループ録画について説明した図である。
【図8】ループ録画について説明した図である。
【図9】ループ録画とループ再生について説明した図である。
【図10】実施の形態3に係るテレビ放送受信装置の構成図である。
【図11】間引き再生の原理について説明した図である。
【図12】再生映像データと放送との時間差について説明した図である。
【図13】実施の形態4に係るテレビ放送受信装置の構成図である。
【図14】実施の形態4に係るテレビ放送受信装置の動作を説明する図である。
【図15】再生映像データと放送との時間差について説明した図である。
【図16】実施の形態4に係るテレビ放送受信装置の動作を説明する図である。
【図17】実施の形態5に係るテレビ放送受信装置の構成図である。
【図18】実施の形態5に係るテレビ放送受信装置の動作を説明する図である。
【図19】実施の形態6に係るテレビ放送受信装置の構成図である。
【符号の説明】
【0097】
100 チューナー部、101 映像音声入力部、102 チューナー部無線通信部、103 通信状態判定部、104 送信データ処理部、105 チューナー部通信状態検出部、106 録画再生部、107 メモリ部、108 チューナー部制御部、111 入力データ選択部、112 MPEG復号部、113 送信データ変換部、121 映像データ、122 処理後映像データ、123 再生映像データ、200 表示部、202 表示部無線通信部、205 表示部通信状態検出部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送信号を受け、前記デジタル放送信号を選局しデコードして、映像信号及び音声信号を含む映像データを生成し、前記映像データを無線送信に適した処理後映像データに変換するチューナー部と、
前記チューナー部から無線通信によって前記処理後映像データを受け、これに基づいて映像を表示する表示部と、を備え、
前記チューナー部は、前記表示部との通信状態の変化に応じて、前記映像データを所定のメモリ部に録画することを特徴とするテレビ放送受信装置。
【請求項2】
前記チューナー部は、
前記デジタル放送信号を受信し選局する映像音声入力部と、
前記チューナー部の動作を制御するチューナー部制御部と、
前記処理後映像データを前記表示部に無線伝送するチューナー部無線通信部と、を備え、
前記チューナー部制御部は、
前記映像音声入力部から映像データを受けてデコードし、且つ前記処理後映像データに変換する送信データ処理部と、
前記チューナー部無線通信部における前記表示部との通信状態の検出を行い、検出結果をチューナー部通信状態データとして出力するチューナー部通信状態検出部と、
前記チューナー部通信状態データに基づいて通信状態の不良を判定する通信状態判定部と、
前記映像音声入力部から前記映像データを受け、前記通信状態判定部の判定結果に応じて、前記メモリ部に前記映像データの録画を行い、又は前記メモリ部に録画された前記映像データを再生映像データとして読み出す録画再生部と、を備えた請求項1に記載のテレビ放送受信装置。
【請求項3】
前記送信データ処理部は、
前記映像データと前記再生映像データの一方を選択する入力データ選択部と、
前記入力データ選択部において選択したデータをデコードするMPEG復号部と、
MPEG復号部でデコードしたデータを、前記処理後映像データに変換し、前記チューナー部無線通信部に出力する送信データ変換部と、を備え、
前記通信状態判定部で通信状態が良好と判定された場合には、前記入力データ選択部は前記映像データを選択し、
通信状態が不良と判定された場合には、前記録画再生部は前記メモリ部に前記映像データの録画を行い、且つ通信状態が不良から良好に転じると前記メモリ部から前記再生映像データを読み出し、
当該読み出された前記再生映像データは前記入力データ選択部で選択される、請求項2に記載のテレビ放送受信装置。
【請求項4】
前記録画再生部は、前記メモリ部に対する前記映像データの録画をループ録画により行い、前記メモリ部からの前記映像データの再生をループ再生により行う、請求項3に記載のテレビ放送受信装置。
【請求項5】
前記ループ録画及び前記ループ再生は前記メモリ部の有する記憶容量の一部分で行われる、請求項4に記載のテレビ放送受信装置。
【請求項6】
前記録画再生部は、前記再生映像データを時間的に圧縮して読み出しを行い、
前記録画再生部で読み出される前記再生映像データが前記映像データに追いついた時点で、前記メモリ部への録画及び前記メモリ部からの読み出しを停止する、請求項3〜5のいずれかに記載のテレビ放送受信装置。
【請求項7】
前記録画再生部は、前記再生映像データからコマーシャルを検出し、コマーシャルのみ時間的に圧縮して高速に読み出しを行い、
前記録画再生部で読み出される前記再生映像データが前記映像データに追いついた時点で、前記メモリ部への録画及び前記メモリ部からの読み出しを停止する、請求項3〜5のいずれかに記載のテレビ放送受信装置。
【請求項8】
前記録画再生部は、前記再生映像データから放送のハイライトシーンを検出し、ハイライトシーンの前後所定時間分の読み出しを行い、
前記録画再生部で読み出される前記再生映像データが前記映像データに追いついた時点で、前記メモリ部への録画及び前記メモリ部からの読み出しを停止する、請求項3〜6のいずれかに記載のテレビ放送受信装置。
【請求項9】
前記表示部は、
前記チューナー部無線通信部との間で無線通信を行う表示部無線通信部と、
前記表示部無線通信部における通信状態を検出し、検出結果を表示部通信状態データとして出力する表示部通信状態検出部と、を備え、
前記表示部無線通信部は、前記表示部通信状態検出部から表示部通信状態データを受け、これを前記チューナー部無線通信部に送信し、
前記通信状態判定部は、前記チューナー部無線通信部から前記表示部通信状態データを受け、前記表示部通信状態データ及び前記チューナー部通信状態データに基づいて、通信状態の不良を判定する、請求項3〜8のいずれかに記載のテレビ放送受信装置。
【請求項1】
デジタル放送信号を受け、前記デジタル放送信号を選局しデコードして、映像信号及び音声信号を含む映像データを生成し、前記映像データを無線送信に適した処理後映像データに変換するチューナー部と、
前記チューナー部から無線通信によって前記処理後映像データを受け、これに基づいて映像を表示する表示部と、を備え、
前記チューナー部は、前記表示部との通信状態の変化に応じて、前記映像データを所定のメモリ部に録画することを特徴とするテレビ放送受信装置。
【請求項2】
前記チューナー部は、
前記デジタル放送信号を受信し選局する映像音声入力部と、
前記チューナー部の動作を制御するチューナー部制御部と、
前記処理後映像データを前記表示部に無線伝送するチューナー部無線通信部と、を備え、
前記チューナー部制御部は、
前記映像音声入力部から映像データを受けてデコードし、且つ前記処理後映像データに変換する送信データ処理部と、
前記チューナー部無線通信部における前記表示部との通信状態の検出を行い、検出結果をチューナー部通信状態データとして出力するチューナー部通信状態検出部と、
前記チューナー部通信状態データに基づいて通信状態の不良を判定する通信状態判定部と、
前記映像音声入力部から前記映像データを受け、前記通信状態判定部の判定結果に応じて、前記メモリ部に前記映像データの録画を行い、又は前記メモリ部に録画された前記映像データを再生映像データとして読み出す録画再生部と、を備えた請求項1に記載のテレビ放送受信装置。
【請求項3】
前記送信データ処理部は、
前記映像データと前記再生映像データの一方を選択する入力データ選択部と、
前記入力データ選択部において選択したデータをデコードするMPEG復号部と、
MPEG復号部でデコードしたデータを、前記処理後映像データに変換し、前記チューナー部無線通信部に出力する送信データ変換部と、を備え、
前記通信状態判定部で通信状態が良好と判定された場合には、前記入力データ選択部は前記映像データを選択し、
通信状態が不良と判定された場合には、前記録画再生部は前記メモリ部に前記映像データの録画を行い、且つ通信状態が不良から良好に転じると前記メモリ部から前記再生映像データを読み出し、
当該読み出された前記再生映像データは前記入力データ選択部で選択される、請求項2に記載のテレビ放送受信装置。
【請求項4】
前記録画再生部は、前記メモリ部に対する前記映像データの録画をループ録画により行い、前記メモリ部からの前記映像データの再生をループ再生により行う、請求項3に記載のテレビ放送受信装置。
【請求項5】
前記ループ録画及び前記ループ再生は前記メモリ部の有する記憶容量の一部分で行われる、請求項4に記載のテレビ放送受信装置。
【請求項6】
前記録画再生部は、前記再生映像データを時間的に圧縮して読み出しを行い、
前記録画再生部で読み出される前記再生映像データが前記映像データに追いついた時点で、前記メモリ部への録画及び前記メモリ部からの読み出しを停止する、請求項3〜5のいずれかに記載のテレビ放送受信装置。
【請求項7】
前記録画再生部は、前記再生映像データからコマーシャルを検出し、コマーシャルのみ時間的に圧縮して高速に読み出しを行い、
前記録画再生部で読み出される前記再生映像データが前記映像データに追いついた時点で、前記メモリ部への録画及び前記メモリ部からの読み出しを停止する、請求項3〜5のいずれかに記載のテレビ放送受信装置。
【請求項8】
前記録画再生部は、前記再生映像データから放送のハイライトシーンを検出し、ハイライトシーンの前後所定時間分の読み出しを行い、
前記録画再生部で読み出される前記再生映像データが前記映像データに追いついた時点で、前記メモリ部への録画及び前記メモリ部からの読み出しを停止する、請求項3〜6のいずれかに記載のテレビ放送受信装置。
【請求項9】
前記表示部は、
前記チューナー部無線通信部との間で無線通信を行う表示部無線通信部と、
前記表示部無線通信部における通信状態を検出し、検出結果を表示部通信状態データとして出力する表示部通信状態検出部と、を備え、
前記表示部無線通信部は、前記表示部通信状態検出部から表示部通信状態データを受け、これを前記チューナー部無線通信部に送信し、
前記通信状態判定部は、前記チューナー部無線通信部から前記表示部通信状態データを受け、前記表示部通信状態データ及び前記チューナー部通信状態データに基づいて、通信状態の不良を判定する、請求項3〜8のいずれかに記載のテレビ放送受信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−124341(P2010−124341A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297433(P2008−297433)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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