テンショナ
ベルト張力を調整するための動力付テンショナ(100)。テンショナ(100)は、テンショナアーム(101)とスプリング(109)を備える。スプリング(109)の一端は、電動モータ(103)により駆動されるギヤボックス(104)に連結された可動部材に連結され、それによりスプリング位置が調整可能である。スプリング(109)の他端は、ダンピング機構(108)に連結され、テンショナアーム(101)に連結される。モータ(103)とギヤボックス(104)は、コントローラから受信される制御信号に基づいて可動部材を位置決めし、スプリング(109)の端部を位置決めする。スプリング(109)の端部の位置は、スプリング(109)の力を決定し、システムのベルト張力を決定する。ダンピング機構は、テンショナアーム(101)の始動運動を減衰するために、テンショナ本体(102)と摩擦による相互作用をする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テンショナに関し、より具体的には、ベルト伝導におけるベルト張力を調整するために電気的に制御される動力付テンショナに関する。
【背景技術】
【0002】
乗物のエンジンは、その他の多くのものの中にあって、エンジンにより駆動される補機を備える。補機には、例えばパワーステアリングポンプ、エアコン用コンプレサ、オルタネータなどが含まれる。これら各々の補機は、通常ベルトによりエンジンのクランクシャフトプーリに連結されるプーリを備える。各補機は、クランクシャフトが回転するとベルトにより駆動される。
【0003】
効率的に運転するには、ベルトは予め一定の負荷すなわち張力のもとに置かれている必要がある。これは従来知られた方法を用いて達成することもできる。1つの補機の移動可能なシャフトがベルトに張力を与えるために機械的に調整されてもよい。別の方法としては、ベルトテンショナの利用が挙げられる。
【0004】
ベルトテンショナは、レバーアームに力を与えるスプリングを備える。レバーアームは、一般的にプーリが枢着される。プーリは張力が掛けられるベルトと接触する。ベルトに張力荷重を与え維持するために、テンショナ内のスプリングなどのバイアス部材が用いられる。ベルト荷重は、テンショナスプリングのバネ係数の関数であるとともに、テンショナの幾何的構造の関数である。
【0005】
テンショナの位置を制御し、それによりベルト張力を制御するためにアクチュエータが利用されている。例えば、それらは原動プーリと従動プーリとの間の位相差を調整するために用いられる。制御信号は、従動プーリと比較された原動プーリの相対的な回転位相から得られる。
【0006】
この技術の代表は、シキ(Shiki)等の米国特許第5,733,214号(1998)であり、これは原動プーリと従動プーリとの間の位相角に基づいてテンショナから無端ベルトに掛けられるべき張力を調整する制御システムを備える内燃機関における無端伝動ベルトの張力を調整するためのシステムを開示する。
【0007】
2002年5月15日に出願された同時係属中の米国特許出願番号第10/147,032号も参照される。
【0008】
必要とされているのは、ベルト伝動装置のベルト張力を調整するために制御可能な動力付テンショナである。必要とされているのは、バイアス部材位置を調整可能な動力付テンショナである。必要とされているのは、非対称ダンピング機構を備えた動力付テンショナである。本発明はこれらの要求に合致する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の第1の目的は、ベルト伝動装置のベルト張力を調整するために制御可能な動力付テンショナを提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、バイアス部材位置が調整可能な動力付テンショナを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、非対称ダンピング機構を備えた動力付テンショナを提供することである。
【0012】
本発明のその他の目的は、本発明の以下の説明と添付された図面により指摘され明らかとされる。
【0013】
本発明は、ベルト張力を調整するための制御が可能な動力付テンショナに関する。テンショナは、テンショナアームとスプリングを備える。スプリングの一端は、電動モータにより駆動されるギヤボックスに連結された可動部材に連結され、それによりスプリング位置が調整可能である。スプリングの他端はダンピング機構に連結され、そしてダンピング機構はテンショナアームに係合される。モータとギヤボックスは、可動部材の位置決めを行ない、それによりスプリング端部の位置決めをコントローラから受け取る制御信号に基づいて行なう。スプリング端部の位置は、スプリング力を決定し、それによりシステムにおけるベルト張力を決定する。ダンピング機構は、テンショナアームの振動を減衰させるためにテンショナ本体と摩擦を伴う相互作用を行なう。
【0014】
この明細書に組み込まれその一部を構成する添付図面は、本発明の好ましい実施形態を示し、説明とともに本発明の原理を説明するために用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の1つのテンショナを備えるエンジンの正面斜視図である。テンショナ100は、エンジンEのフロントエンド補機伝動装置(FEAD)の一構成部品である。FEADは一般に、ベルトにより駆動される1以上の補機を備える。ベルトBは、幾つかのプーリ1、2、4、5、6の回りに掛け回される。各プーリは回転シャフトによりエンジン補機構成部に連結されている。例えば、図1では、1はクランクシャフトに連結され、2はオルタネータあるいはスタータ/ジェネレータに連結され、4はパワーステアリングポンプに連結され、5は蒸気冷却剤コンプレッサ(vaporous refrigerant compressor)に連結され、6はウオータポンプに連結されている。プーリ3は、本発明のテンショナ100のアームに連結されている。
【0016】
図2は、本発明のテンショナを備えるベルト伝動システムのレイアウトの模式図である。図1に示された各構成部は、図2では模式的に示されている。テンショナ100のアーム101は、ベルト張力を調整するために機構Mを備える。
【0017】
本発明のテンショナは、ベルトシステムのどのスパンに取り付けられてもよい。FEADシステムにおけるテンショナの位置は、個々のFEADシステムに含まれる補機の数や形式に依存する。例えば、スタータ/ジェネレータシステムなどのように、特に必要とするシステムでは、本発明のテンショナは、図2に示されるように、スタータ/ジェネレータ2に直接隣接する「下流」スパンに取り付けることができる。もちろん、本発明のテンショナは、FEADシステムのどのスパンに取り付けることも可能であり、その位置は構成部の数や形式に依存する。
【0018】
上述された位置に従来技術のテンショナが使用される場合には、最悪の負荷状態、すなわちジェネレータ/スタータの負荷が高いエンジン加速下に置かれている間、適正なシステムの運転を保証するために、極めて高いベルト張力が常に維持される必要がある。
【0019】
従来技術とは異なり、本発明のテンショナは、何時でも適正なシステムの運転に必要とされる張力のみを与えるために連続的にベルト張力を調整する。本発明のテンショナは、殆どの運転状態において、例えば350Nの低いベルト張力で作動することが可能であり、上述された、ジェネレータ/スタータの負荷が高いエンジン加速下にある間、あるいは全ての補機に負荷が掛けられているときなどにおいてのみ、適正な高いベルト張力を与える。これは、必要とされるときのみに高いベルト張力を与えることを可能にする。本発明のテンショナは、エンジンが停止しているときにも同様にベルト張力を低く維持する。このような方法で操作することは、ピーク張力が短時間必要とされるときのみ与えられることから、ベルトやベアリング、あるいは他の構成部の動作寿命を増大する。
【0020】
図3は、制御回路のブロック図である。ボックス(A)に示された入力は、例示的な制御パラメータを含み、ユーザにより設定されてもよいし、制御システムにより自動的に設定されてもよい。例えば、運転モードには、エンジンに追従してバイアス部材位置を制御するものが含まれていても良く、それにより、例えばエンジンのスピードや負荷などのエンジン動作パラメータに基づいてベルト荷重や張力が設定される。テンショナ荷重を設定するのに有益な別の入力は、各補機の負荷状況である。もちろん、外気温や、スロットル位置、エンジンスピード、ブレーキ位置、エアコンのオン/オフ信号などと結び付られた補機負荷の組み合わせなど、他のパラメータや変数が選択されてもよい。
【0021】
ベルト動作張力を直接測定する方法としてベルトスリップが測定されてもよい。「低い」張力はプーリにおけるベルトスリップを許す。適正なベルト張力は、プーリにおけるベルトスリップを防止する。ベルトスリップは、ノイズの放出、あるいは2以上の補機間における回転速度差により検出されてもよい。後述する実施形態では、各補機の回転シャフトに、各々のシャフトスピードを検出するために計器が設けられている。
【0022】
全ての補機を1つのベルトのみで駆動するFEADシステムでは、最大ベルト張力がシステムの全ての構成部に動力を伝達する必要があるのは1つの場合のみである。これは全ての補機構成部が最大負荷で運転され、エンジンが高い加速状態にある場合に起こる。これはまた、FEADシステムに求められる最大ベルト張力に対応する。この状況は、最大ベルト張力を要求し、テンショナはそれに応じて調整される。各構成部に負荷が掛けられると、ベルト張力はベルトスリップを防止し、適正なトルク伝達能力を維持するように漸次増大される。ベルト張力は、負荷が掛けられていない各補機構成部毎に、すなわち各々への負荷が掛けられなくなると漸次低減される。
【0023】
ボックス(B)では、入力変数はシステム制御回路により解析される。制御回路を提供するための制御モジュールの代表例は、MicroLYNX4(商標)プロセッサである。制御モジュールは、ユーザによりプログラム可能であり、プロセッサとメモリの機能を備える。システム設計に応じて、1回転当りのパルス数により大きな、あるいは小さな数を用いることも可能であるが、モータシャフトに設けられたエンコーダは、シャフトの回転毎に256個のパルスを発生し、これはベルト張力を設定するのに十分である。
【0024】
プロセッサ(B)は、目標ベルト張力を計算するために、(A)からの入力を用いる。ベルト張力が計算されると、プロセッサは、目標ベルト張力に対応するバイアス部材の一端の目標位置が計算される。一般に、ベルト張力は補機が始動されると増大され、補機の作動が停止されると低減され、かつ/または、エンジン加速と減速が発生するときに増大、低減される。
【0025】
そして制御回路は、テンショナアクチュエータ、本実施形態では電動モータ(C)、に信号を送る。電動モータは、ギヤボックス(D)に連結されたバイアス部材の端部を適正に位置決めするために作動される。電動モータは、例えばモータ電流計(E)やアームポジションセンサ(F)のセンサから適正なフィードバック変数が受信されると停止される。
【0026】
システムの制御は、モータ電流モニタ、すなわち電流計(E)からのフィードバック、そしてアームポジションモニタ、すなわちアームポジションモニタセンサ(F)からのフィードバックを利用して達成される。電流計とアームポジションセンサは、各々制御プロセッサに電気的に接続されている。アームポジションセンサは、この分野で知られている多くのポジションセンサの中の何れであってもよい。
【0027】
電流計はモータの電流量を検出する。それまでの、あるいは安定値を超えるモータ電流量の増大は、アーム荷重の増大を意味し、対応するベルト張力の増大を意味する。それまでの、あるいは安定値からのモータ電流量の減少は、テンショナアームにおける負荷の低減を意味し、ベルト張力の低減を意味する。これらの信号の各々は、コントローラ(B)に供給される。プロセッサは、目標値が受信されたときにモータの作動を停止するために、電流計とアームポジションセンサの値をプロセッサメモリに記録された上側/下側(over/under)ルックアップテーブルと比較する。値が超過しているならば、システムに損傷を与えないようにモータは停止できる。
【0028】
限定的ではなく例示的に、本発明のテンショナとシステムは、約300N〜700Nの範囲のベルト張力で作動される。これは、スプリング取付け部材106の角回転αに対応し(図9参照)、テンショナアーム長さ75mmとプーリ径76mmに基づいて約40°である。これらの値は、一例として挙げられたもので、限定的なものではない。部材106を移動して、ギヤボックスはスプリング109を「巻く」あるいは「巻き戻し」、それによりテンショナアームとベルトに作用するスプリング力を増大あるいは減少させる。より具体的には、300Nの位置はバネ係数の関数であり、約α=0°の位置に対応する。700Nの位置は約α=40°の位置に対応する。バネ係数は、部材106に求められる角回転αを変化させるために高低調整されてももちろんよい。
【0029】
作動中、テンショナは減衰力とともにベルト張力を提供する。テンショナは、システムで要求される減衰係数を備える。本システムでは、例示的な値として約23%が用いられ、それは非対称的である。もちろん、ダンピング機構面108a(図8参照)の摩擦係数を変更して、他の減衰係数を実現してもよい。非対称的とは、ダンピングFEADシステムの運転中、テンショナアーム荷重方向(loading direction)において、減衰係数が、テンショナアーム不荷重方向(unloading direction)に比べて大きいことに対応する。荷重方向は、スプリング力と逆の方向であり、テンショナアームの荷重を増大する効果を有する。不荷重方向は荷重方向の逆である。またシステムは、荷重方向および不荷重方向においてダンピングが略等しい、非対称的でないダンピングを用いて作動されてもよい。
【0030】
図4は、本発明のテンショナの正面斜視図である。テンショナ100は、テンショナ本体102とテンショナアーム101を備える。プーリ105は、テンショナアーム101の一端に枢着される。プーリ105は、図2に示されるように、ベルトBに係合する。電動モータ103は、ギヤボックス104の一端に取り付けられる。テンショナ本体102は、ギヤボックス104の他端に連結される。
【0031】
電動モータ103は、12〜15Vの電圧レンジを有するDCステップモータである。限定的ではなく例示的に、モータは0.6Nmの連続トルク(continuous torque)と、4.3Nmのピーク瞬間トルクをもつ。ギヤボックスは、100:1の減速比と75Nmのトルク容量を備える。電動モータの電力は、エンジンの電気システム、例えば、エンジンオルタネータ、ジェネレータ、あるいはバッテリにより供給される。
【0032】
図5は、本発明のテンショナの背面斜視図である。プーリ105は引っ込んだ状態で示されているが、FEADシステムのレイアウトに合わせてテンショナアーム101の反対側の面から突き出していてもよい。
【0033】
図6は、本発明のテンショナの部分切断図である。スプリング取付け部材106は、ギヤボックスの出力シャフト107に連結されている。ギヤボックスの出力シャフト107は、スプリング取付け部材106の位置を決定する。アーム101に設けられた支柱101aは、ダンピング機構108と係合する(図13および15参照)。スプリング力は、ダンピング部材108の支柱101aとの接触を介してアーム101に伝達される。アーム101は、シャフト107と同軸的に配列され、シャフト107の回りに回転軸を有する。しかし、アーム101は、シャフト107と同時に回転するように機械的に強制されない。
【0034】
図7は、本発明のテンショナの部分的に切断された正面斜視図である。スプリング109の一方の端部は、スプリング取付け部材106と係合される(図6および図12参照)。スプリング109の他端は、ダンピング機構108と係合される(図13および図14参照)。
【0035】
スプリング109は、所定のバネ係数を有する捩りスプリングを備える。バネ係数は、要求されるシステムのベルト張力に応じて選択されるであろう。ピボット110は、テンショナベース102に連結される。テンショナアーム101は、ベースにベルト荷重を伝達するためにピボット110と回転自在に係合される。
【0036】
図8は、本発明のテンショナの部分切断側面図である。スプリング取付け部材106に対するスプリング109の向きが示されている。スプリング端部109bが、部材106と係合される。またスプリング端部109aは、ダンピング機構108に係合される。ダンピング機構108は、支柱101aにおいてアーム101と係合される(図6参照)。ダンピング機構面108aは、テンショナ本体102の協動的な弧状内側面102aと摩擦係合する(図7参照)。
【0037】
図9は、可動的スプリング取付け部材の部分的正面図である。スプリング取付け部材106は、スプリング端部受容部106aを備える。受容部106aは、スプリング端部19bと係合するスロットまたは溝106bを備える。ギヤボックス出力シャフト107は、スプリング取付け部材106が連結される回転部材112に連結される。スプリング取付け部材106は、シャフト107の回転により回転動作(angular movement)αの範囲で回転可能である。シャフト107は、スプリングの巻回方向により、時計回り、反時計回りの何れの方向にも回転可能である。シャフトブッシング111は、テンショナ本体102内の対応する凹み部113内において回転する(図10参照)。部材106の回転動作は、スプリング109の位置を調整、すなわち変更する。第1方向への移動はアームに掛かる力を増大させ、それによりベルト聴力を増大させる。第1方向は、スプリング109の巻回方向により時計回り、反時計回りの何れであってもよい。回転動作αの範囲は360°以上であってもよい。
【0038】
図10は、テンショナベースと可動スプリング取付け部材の部分的斜視図である。スプリング受容部106aは、テンショナベース102の底面にある弧状スロット114を通してテンショナベース102内に突出する。したがって、スプリング受容部106aは、弧状スロット114内において、テンショナ本体102に対して相対的に移動可能である。このようなスプリング受容部106の可動性は、スプリング端部とスプリング力の設定を可能にする。これは、テンショナアームの位置を決定し、そしてベルト張力を決定する。テンショナ100は、取付けブラケット115を通して用いられるネジ付ファスナを利用してエンジン面に取り付けられる。
【0039】
図11は、スプリングとテンショナベースの部分正面斜視図である。スプリング109は、端部109bがスプリング受容部106aに係合された状態でテンショナ本体102に据え付けられた状態で示される。スプリング端部109aは、ダンピング機構108と係合する(図13および図15参照)。
【0040】
図12は、本発明の部分切断図である。スプリング109の端部109bは、スプリング受容部106aと係合されて示される。スプリング109の端部109aは、別のダンピング機構2000と係合される(図15、16参照)。スプリング受容部材106は、部材112に連結され、それによりギヤボックス出力シャフト107に連結される。この図12と図15と図16に示されたダンピング機構は、図7、図13、および図14に描かれた実施形態の変形実施形態である。
【0041】
図13は、ダンピング機構の詳細図である。ダンピング機構108は、ダンピングバンド1020を備える。ダンピングバンド1020は、ダンピングシュー1010の外側弧状面1040に連結される。スプリング(すなわちバイアス部材)受容部は、ダンピングシュー1010内にスロット1030を備える。受容部すなわちスロット1030は、スプリング109のスプリング端部109a(図11参照)を受容する。面1050は、作動中スプリングを支持するために、スプリグの巻き線部と係合する。ダンピングバンド1020は、ナイロン、PA、PPAなどのプラスチックや、それらの等価物からなる。図6に示された支柱101aは、スプリング巻回方向、あるいはアーム100の運動方向によって、1060または1070において、ダンピング機構108と接触する。ベルト張力を生成するスプリング力は、スプリング109からダンピング機構108と支柱101aの間の接触を介してアーム101へと伝達される。摩擦面108aは、テンショナベース102の内側協働面102aに係合する。この実施形態は、この明細書の別の場所で説明されるように、非対称ダンピング特性を備える。ここで説明されるダンピング機構は、2002年5月15日に出願された同時係属中の米国特許出願番号第10/147,183号にも説明されており、これはここで参照として組み入れられる。
【0042】
図14は、図13の線14−14における断面図である。リングカット1060は、外側弧状面1040の外周縁の周りに延在する。リムすなわち突出部1070は、ダンピングシュー1010の部分的な円周の周りに延在する。リングカット1060は、突出部1070と連携してダンピングバンド1020をダンピングシュー1010に機械的に取り付けるのに利用される。
【0043】
図15は、ダンピング機構の詳細図である。ダンピング機構2000は、第1弧状部材2100と第2弧状部材2200とを備える。第1弧状部材2100は、スプリング端部109aが嵌め入れられて係合されるスプリング端部受容部、すなわちスロット2110を有する。スプリング端部109aは、スロット2110と2つの点(すなわち2501と2502)で係合する。これは、ダンピング機構の弧状部材2100をベース内側面102aに対して押圧するために生成される法線力Nを生じる。この実施形態は、この明細書の別の場所で説明されるように非対称ダンピング特性を備える。
【0044】
スプリング端部109aに関して、図13を参照すると、スプリング端部109aは、この図15で示されたのと同様の方法でスロット1030と係合する。
【0045】
スプリング受容部の1つの壁は強度を高めるためにスプリング接触領域において最大厚2110aを有する。壁2110aは、接触領域から一方向あるいは両方向に、それが両方向に延出するとともに、テーパ状とされていてもよい。ここで説明されたダンピング機構は、2002年5月15日に出願された同時係属中の米国特許出願番号第10/147,183号にも説明されており、その説明はここで参照として組み入れられる。
【0046】
第1弧状部材2100は、ダンピングシュー2120に取り付けられたダンピングバンド2130を備える。第2弧状部材2200は、ダンピングシュー2140に取り付けられたダンピングバンド2150を備える。
【0047】
第1弧状部材2100は、接触点2160において、第2弧状部材2200とピボット状に接触している。接触点2160は、ダンピングシュー2120の端部2280とダンピングシュー2140の端部2190を含む。接触点2160は、ユーザの要求に応じて、最小半径(r)から最大半径まで各々のダンピングシューの幅Wに渡って変更され得る。
【0048】
弧状部材2200の端部2170は、アーム101に設けられた支柱101aと接触している(図12および図6参照)。この配置は、弧状部材2200が弧状部材2100よりも大きな荷重に晒されることをもたらす。
【0049】
所望の非対称減衰係数を得るために、弧状部材間の接触点2160は、レバーアームの回転軸R−Rから径方向へ所定の距離rに配置される。接触点2160のための最小半径位置(r)は、ダンピング機構にとっての最大の非対称減衰係数をもたらす。接触点2160は、最大外側半径(2880)に配置されてもよく、これは前述の最小半径位置(r)に比べて低い非対称ダンピングファクタを与える。
【0050】
別の実施形態では、第1弧状部材2100の端部2180は、第2弧状部材端部2170と接触している。そして、支柱101aは、弧状部材2200と点2160において接触している。この別の実施形態では、コイルの巻回方向が図12および図15に示された実施形態で使用されたものと反対のスプリングが使用される。したがって、第1弧状部材(2180)と第2弧状部材の一端から他端(2160)へと弧状部材間の接点を切り替えることで、反対向きに巻回された捩りスプリングを使用することができる。
【0051】
ダンピングバンド2130、2150は、プラスチックやフェノール樹脂、金属材料などの摩擦材料から作られる。ダンピングバンド2300、2150の作用面2300、2310は、それぞれ押圧力の下、テンショナベース面102aと摺動的に係合される(図12参照)。摩擦ダンピング力は、ダンピングバンドがテンショナベース面の上を摺動することにより発生される。
【0052】
ダンピングシュー2120、2130は、各々鋼や成形プラスチック、あるいはそれらと等価なものなどの材料(structural material)から作られる。各ダンピングシューは、粉末金属処理(powder metal process)、ダイカスト処理、射出成形、あるいは類似の処理を用いて製造可能である。使用可能な材料には、鋼、アルミニューム(低負荷部品に関して)、様々な充填剤を含む熱可塑性プラスチックや、これらの等価物が含まれる。
【0053】
第2弧状部材のダンピングバンド2150は、第1の部分のダンピングバンド2130よりも大きな材料厚さを有する。これは、2つの利点を有し、第1には、拡大されたスプリング組立寸法(spring hook-up size)(そしてスプリング太さ)を実現でき、したがって、より大きいバネ係数を有するスプリングを使用することができる。より大きなバネ係数のスプリングは、より大きなベルト張力を発生する能力をもたらす。第2に、ダンピング機構の第2の部分2200は、第1の部分2100よりも高い荷重を受けることから、第1ダンピングバンド2130の厚みの低減は、両部品の耐久性と摩耗寿命を等しくする。
【0054】
図16は、図15の線16−16における断面図である。リングカット2210は、ダンピングシュー2120の外周の周りに延在する。突出部2220は、ダンピングシュー2120の部分的な周縁の周りに延在する。リングカット2230は、ダンピングシュー2140の外周の周りに延在する。突出部2240は、ダンピングシュー2140の部分的な周縁の周りに延在する。各リングカット2210、2230は、各突出部2220、2240と連携して、各ダンピングバンド2130、2150を各ダンピングシュー2120、2140にそれぞれ機械的に取り付けるのに用いられる。
【0055】
ここでは、本発明の複数の形態について説明されたが、当業者にとっては、ここで説明された本発明の精神と範囲を逸脱することなく、その構成や構成部の関係を様々に変形することは容易である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明のテンショナを備えたエンジンの正面斜視図である。
【図2】本発明のテンショナを備えたベルト伝動システムのレイアウトの模式図である。
【図3】制御回路のブロック図である。
【図4】本発明のテンショナの正面斜視図である。
【図5】本発明のテンショナの背面斜視図である。
【図6】本発明のテンショナの部分切断図である。
【図7】本発明のテンショナの部分的に切断された正面斜視図である。
【図8】本発明のテンショナの部分的に切断された側面図である。
【図9】可動スプリング取付け部材の部分的な正面斜視図である。
【図10】テンショナベースと可動スプリング取付け部材の部分的な正面斜視図である。
【図11】スプリングとテンショナベースの部分的な正面斜視図である。
【図12】本発明のテンショナの部分的な切断図である。
【図13】ダンピング機構の詳細図である。
【図14】図13の線14−14における断面図である。
【図15】ダンピング機構の詳細図である。
【図16】図15の線16−16における断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、テンショナに関し、より具体的には、ベルト伝導におけるベルト張力を調整するために電気的に制御される動力付テンショナに関する。
【背景技術】
【0002】
乗物のエンジンは、その他の多くのものの中にあって、エンジンにより駆動される補機を備える。補機には、例えばパワーステアリングポンプ、エアコン用コンプレサ、オルタネータなどが含まれる。これら各々の補機は、通常ベルトによりエンジンのクランクシャフトプーリに連結されるプーリを備える。各補機は、クランクシャフトが回転するとベルトにより駆動される。
【0003】
効率的に運転するには、ベルトは予め一定の負荷すなわち張力のもとに置かれている必要がある。これは従来知られた方法を用いて達成することもできる。1つの補機の移動可能なシャフトがベルトに張力を与えるために機械的に調整されてもよい。別の方法としては、ベルトテンショナの利用が挙げられる。
【0004】
ベルトテンショナは、レバーアームに力を与えるスプリングを備える。レバーアームは、一般的にプーリが枢着される。プーリは張力が掛けられるベルトと接触する。ベルトに張力荷重を与え維持するために、テンショナ内のスプリングなどのバイアス部材が用いられる。ベルト荷重は、テンショナスプリングのバネ係数の関数であるとともに、テンショナの幾何的構造の関数である。
【0005】
テンショナの位置を制御し、それによりベルト張力を制御するためにアクチュエータが利用されている。例えば、それらは原動プーリと従動プーリとの間の位相差を調整するために用いられる。制御信号は、従動プーリと比較された原動プーリの相対的な回転位相から得られる。
【0006】
この技術の代表は、シキ(Shiki)等の米国特許第5,733,214号(1998)であり、これは原動プーリと従動プーリとの間の位相角に基づいてテンショナから無端ベルトに掛けられるべき張力を調整する制御システムを備える内燃機関における無端伝動ベルトの張力を調整するためのシステムを開示する。
【0007】
2002年5月15日に出願された同時係属中の米国特許出願番号第10/147,032号も参照される。
【0008】
必要とされているのは、ベルト伝動装置のベルト張力を調整するために制御可能な動力付テンショナである。必要とされているのは、バイアス部材位置を調整可能な動力付テンショナである。必要とされているのは、非対称ダンピング機構を備えた動力付テンショナである。本発明はこれらの要求に合致する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の第1の目的は、ベルト伝動装置のベルト張力を調整するために制御可能な動力付テンショナを提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、バイアス部材位置が調整可能な動力付テンショナを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、非対称ダンピング機構を備えた動力付テンショナを提供することである。
【0012】
本発明のその他の目的は、本発明の以下の説明と添付された図面により指摘され明らかとされる。
【0013】
本発明は、ベルト張力を調整するための制御が可能な動力付テンショナに関する。テンショナは、テンショナアームとスプリングを備える。スプリングの一端は、電動モータにより駆動されるギヤボックスに連結された可動部材に連結され、それによりスプリング位置が調整可能である。スプリングの他端はダンピング機構に連結され、そしてダンピング機構はテンショナアームに係合される。モータとギヤボックスは、可動部材の位置決めを行ない、それによりスプリング端部の位置決めをコントローラから受け取る制御信号に基づいて行なう。スプリング端部の位置は、スプリング力を決定し、それによりシステムにおけるベルト張力を決定する。ダンピング機構は、テンショナアームの振動を減衰させるためにテンショナ本体と摩擦を伴う相互作用を行なう。
【0014】
この明細書に組み込まれその一部を構成する添付図面は、本発明の好ましい実施形態を示し、説明とともに本発明の原理を説明するために用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の1つのテンショナを備えるエンジンの正面斜視図である。テンショナ100は、エンジンEのフロントエンド補機伝動装置(FEAD)の一構成部品である。FEADは一般に、ベルトにより駆動される1以上の補機を備える。ベルトBは、幾つかのプーリ1、2、4、5、6の回りに掛け回される。各プーリは回転シャフトによりエンジン補機構成部に連結されている。例えば、図1では、1はクランクシャフトに連結され、2はオルタネータあるいはスタータ/ジェネレータに連結され、4はパワーステアリングポンプに連結され、5は蒸気冷却剤コンプレッサ(vaporous refrigerant compressor)に連結され、6はウオータポンプに連結されている。プーリ3は、本発明のテンショナ100のアームに連結されている。
【0016】
図2は、本発明のテンショナを備えるベルト伝動システムのレイアウトの模式図である。図1に示された各構成部は、図2では模式的に示されている。テンショナ100のアーム101は、ベルト張力を調整するために機構Mを備える。
【0017】
本発明のテンショナは、ベルトシステムのどのスパンに取り付けられてもよい。FEADシステムにおけるテンショナの位置は、個々のFEADシステムに含まれる補機の数や形式に依存する。例えば、スタータ/ジェネレータシステムなどのように、特に必要とするシステムでは、本発明のテンショナは、図2に示されるように、スタータ/ジェネレータ2に直接隣接する「下流」スパンに取り付けることができる。もちろん、本発明のテンショナは、FEADシステムのどのスパンに取り付けることも可能であり、その位置は構成部の数や形式に依存する。
【0018】
上述された位置に従来技術のテンショナが使用される場合には、最悪の負荷状態、すなわちジェネレータ/スタータの負荷が高いエンジン加速下に置かれている間、適正なシステムの運転を保証するために、極めて高いベルト張力が常に維持される必要がある。
【0019】
従来技術とは異なり、本発明のテンショナは、何時でも適正なシステムの運転に必要とされる張力のみを与えるために連続的にベルト張力を調整する。本発明のテンショナは、殆どの運転状態において、例えば350Nの低いベルト張力で作動することが可能であり、上述された、ジェネレータ/スタータの負荷が高いエンジン加速下にある間、あるいは全ての補機に負荷が掛けられているときなどにおいてのみ、適正な高いベルト張力を与える。これは、必要とされるときのみに高いベルト張力を与えることを可能にする。本発明のテンショナは、エンジンが停止しているときにも同様にベルト張力を低く維持する。このような方法で操作することは、ピーク張力が短時間必要とされるときのみ与えられることから、ベルトやベアリング、あるいは他の構成部の動作寿命を増大する。
【0020】
図3は、制御回路のブロック図である。ボックス(A)に示された入力は、例示的な制御パラメータを含み、ユーザにより設定されてもよいし、制御システムにより自動的に設定されてもよい。例えば、運転モードには、エンジンに追従してバイアス部材位置を制御するものが含まれていても良く、それにより、例えばエンジンのスピードや負荷などのエンジン動作パラメータに基づいてベルト荷重や張力が設定される。テンショナ荷重を設定するのに有益な別の入力は、各補機の負荷状況である。もちろん、外気温や、スロットル位置、エンジンスピード、ブレーキ位置、エアコンのオン/オフ信号などと結び付られた補機負荷の組み合わせなど、他のパラメータや変数が選択されてもよい。
【0021】
ベルト動作張力を直接測定する方法としてベルトスリップが測定されてもよい。「低い」張力はプーリにおけるベルトスリップを許す。適正なベルト張力は、プーリにおけるベルトスリップを防止する。ベルトスリップは、ノイズの放出、あるいは2以上の補機間における回転速度差により検出されてもよい。後述する実施形態では、各補機の回転シャフトに、各々のシャフトスピードを検出するために計器が設けられている。
【0022】
全ての補機を1つのベルトのみで駆動するFEADシステムでは、最大ベルト張力がシステムの全ての構成部に動力を伝達する必要があるのは1つの場合のみである。これは全ての補機構成部が最大負荷で運転され、エンジンが高い加速状態にある場合に起こる。これはまた、FEADシステムに求められる最大ベルト張力に対応する。この状況は、最大ベルト張力を要求し、テンショナはそれに応じて調整される。各構成部に負荷が掛けられると、ベルト張力はベルトスリップを防止し、適正なトルク伝達能力を維持するように漸次増大される。ベルト張力は、負荷が掛けられていない各補機構成部毎に、すなわち各々への負荷が掛けられなくなると漸次低減される。
【0023】
ボックス(B)では、入力変数はシステム制御回路により解析される。制御回路を提供するための制御モジュールの代表例は、MicroLYNX4(商標)プロセッサである。制御モジュールは、ユーザによりプログラム可能であり、プロセッサとメモリの機能を備える。システム設計に応じて、1回転当りのパルス数により大きな、あるいは小さな数を用いることも可能であるが、モータシャフトに設けられたエンコーダは、シャフトの回転毎に256個のパルスを発生し、これはベルト張力を設定するのに十分である。
【0024】
プロセッサ(B)は、目標ベルト張力を計算するために、(A)からの入力を用いる。ベルト張力が計算されると、プロセッサは、目標ベルト張力に対応するバイアス部材の一端の目標位置が計算される。一般に、ベルト張力は補機が始動されると増大され、補機の作動が停止されると低減され、かつ/または、エンジン加速と減速が発生するときに増大、低減される。
【0025】
そして制御回路は、テンショナアクチュエータ、本実施形態では電動モータ(C)、に信号を送る。電動モータは、ギヤボックス(D)に連結されたバイアス部材の端部を適正に位置決めするために作動される。電動モータは、例えばモータ電流計(E)やアームポジションセンサ(F)のセンサから適正なフィードバック変数が受信されると停止される。
【0026】
システムの制御は、モータ電流モニタ、すなわち電流計(E)からのフィードバック、そしてアームポジションモニタ、すなわちアームポジションモニタセンサ(F)からのフィードバックを利用して達成される。電流計とアームポジションセンサは、各々制御プロセッサに電気的に接続されている。アームポジションセンサは、この分野で知られている多くのポジションセンサの中の何れであってもよい。
【0027】
電流計はモータの電流量を検出する。それまでの、あるいは安定値を超えるモータ電流量の増大は、アーム荷重の増大を意味し、対応するベルト張力の増大を意味する。それまでの、あるいは安定値からのモータ電流量の減少は、テンショナアームにおける負荷の低減を意味し、ベルト張力の低減を意味する。これらの信号の各々は、コントローラ(B)に供給される。プロセッサは、目標値が受信されたときにモータの作動を停止するために、電流計とアームポジションセンサの値をプロセッサメモリに記録された上側/下側(over/under)ルックアップテーブルと比較する。値が超過しているならば、システムに損傷を与えないようにモータは停止できる。
【0028】
限定的ではなく例示的に、本発明のテンショナとシステムは、約300N〜700Nの範囲のベルト張力で作動される。これは、スプリング取付け部材106の角回転αに対応し(図9参照)、テンショナアーム長さ75mmとプーリ径76mmに基づいて約40°である。これらの値は、一例として挙げられたもので、限定的なものではない。部材106を移動して、ギヤボックスはスプリング109を「巻く」あるいは「巻き戻し」、それによりテンショナアームとベルトに作用するスプリング力を増大あるいは減少させる。より具体的には、300Nの位置はバネ係数の関数であり、約α=0°の位置に対応する。700Nの位置は約α=40°の位置に対応する。バネ係数は、部材106に求められる角回転αを変化させるために高低調整されてももちろんよい。
【0029】
作動中、テンショナは減衰力とともにベルト張力を提供する。テンショナは、システムで要求される減衰係数を備える。本システムでは、例示的な値として約23%が用いられ、それは非対称的である。もちろん、ダンピング機構面108a(図8参照)の摩擦係数を変更して、他の減衰係数を実現してもよい。非対称的とは、ダンピングFEADシステムの運転中、テンショナアーム荷重方向(loading direction)において、減衰係数が、テンショナアーム不荷重方向(unloading direction)に比べて大きいことに対応する。荷重方向は、スプリング力と逆の方向であり、テンショナアームの荷重を増大する効果を有する。不荷重方向は荷重方向の逆である。またシステムは、荷重方向および不荷重方向においてダンピングが略等しい、非対称的でないダンピングを用いて作動されてもよい。
【0030】
図4は、本発明のテンショナの正面斜視図である。テンショナ100は、テンショナ本体102とテンショナアーム101を備える。プーリ105は、テンショナアーム101の一端に枢着される。プーリ105は、図2に示されるように、ベルトBに係合する。電動モータ103は、ギヤボックス104の一端に取り付けられる。テンショナ本体102は、ギヤボックス104の他端に連結される。
【0031】
電動モータ103は、12〜15Vの電圧レンジを有するDCステップモータである。限定的ではなく例示的に、モータは0.6Nmの連続トルク(continuous torque)と、4.3Nmのピーク瞬間トルクをもつ。ギヤボックスは、100:1の減速比と75Nmのトルク容量を備える。電動モータの電力は、エンジンの電気システム、例えば、エンジンオルタネータ、ジェネレータ、あるいはバッテリにより供給される。
【0032】
図5は、本発明のテンショナの背面斜視図である。プーリ105は引っ込んだ状態で示されているが、FEADシステムのレイアウトに合わせてテンショナアーム101の反対側の面から突き出していてもよい。
【0033】
図6は、本発明のテンショナの部分切断図である。スプリング取付け部材106は、ギヤボックスの出力シャフト107に連結されている。ギヤボックスの出力シャフト107は、スプリング取付け部材106の位置を決定する。アーム101に設けられた支柱101aは、ダンピング機構108と係合する(図13および15参照)。スプリング力は、ダンピング部材108の支柱101aとの接触を介してアーム101に伝達される。アーム101は、シャフト107と同軸的に配列され、シャフト107の回りに回転軸を有する。しかし、アーム101は、シャフト107と同時に回転するように機械的に強制されない。
【0034】
図7は、本発明のテンショナの部分的に切断された正面斜視図である。スプリング109の一方の端部は、スプリング取付け部材106と係合される(図6および図12参照)。スプリング109の他端は、ダンピング機構108と係合される(図13および図14参照)。
【0035】
スプリング109は、所定のバネ係数を有する捩りスプリングを備える。バネ係数は、要求されるシステムのベルト張力に応じて選択されるであろう。ピボット110は、テンショナベース102に連結される。テンショナアーム101は、ベースにベルト荷重を伝達するためにピボット110と回転自在に係合される。
【0036】
図8は、本発明のテンショナの部分切断側面図である。スプリング取付け部材106に対するスプリング109の向きが示されている。スプリング端部109bが、部材106と係合される。またスプリング端部109aは、ダンピング機構108に係合される。ダンピング機構108は、支柱101aにおいてアーム101と係合される(図6参照)。ダンピング機構面108aは、テンショナ本体102の協動的な弧状内側面102aと摩擦係合する(図7参照)。
【0037】
図9は、可動的スプリング取付け部材の部分的正面図である。スプリング取付け部材106は、スプリング端部受容部106aを備える。受容部106aは、スプリング端部19bと係合するスロットまたは溝106bを備える。ギヤボックス出力シャフト107は、スプリング取付け部材106が連結される回転部材112に連結される。スプリング取付け部材106は、シャフト107の回転により回転動作(angular movement)αの範囲で回転可能である。シャフト107は、スプリングの巻回方向により、時計回り、反時計回りの何れの方向にも回転可能である。シャフトブッシング111は、テンショナ本体102内の対応する凹み部113内において回転する(図10参照)。部材106の回転動作は、スプリング109の位置を調整、すなわち変更する。第1方向への移動はアームに掛かる力を増大させ、それによりベルト聴力を増大させる。第1方向は、スプリング109の巻回方向により時計回り、反時計回りの何れであってもよい。回転動作αの範囲は360°以上であってもよい。
【0038】
図10は、テンショナベースと可動スプリング取付け部材の部分的斜視図である。スプリング受容部106aは、テンショナベース102の底面にある弧状スロット114を通してテンショナベース102内に突出する。したがって、スプリング受容部106aは、弧状スロット114内において、テンショナ本体102に対して相対的に移動可能である。このようなスプリング受容部106の可動性は、スプリング端部とスプリング力の設定を可能にする。これは、テンショナアームの位置を決定し、そしてベルト張力を決定する。テンショナ100は、取付けブラケット115を通して用いられるネジ付ファスナを利用してエンジン面に取り付けられる。
【0039】
図11は、スプリングとテンショナベースの部分正面斜視図である。スプリング109は、端部109bがスプリング受容部106aに係合された状態でテンショナ本体102に据え付けられた状態で示される。スプリング端部109aは、ダンピング機構108と係合する(図13および図15参照)。
【0040】
図12は、本発明の部分切断図である。スプリング109の端部109bは、スプリング受容部106aと係合されて示される。スプリング109の端部109aは、別のダンピング機構2000と係合される(図15、16参照)。スプリング受容部材106は、部材112に連結され、それによりギヤボックス出力シャフト107に連結される。この図12と図15と図16に示されたダンピング機構は、図7、図13、および図14に描かれた実施形態の変形実施形態である。
【0041】
図13は、ダンピング機構の詳細図である。ダンピング機構108は、ダンピングバンド1020を備える。ダンピングバンド1020は、ダンピングシュー1010の外側弧状面1040に連結される。スプリング(すなわちバイアス部材)受容部は、ダンピングシュー1010内にスロット1030を備える。受容部すなわちスロット1030は、スプリング109のスプリング端部109a(図11参照)を受容する。面1050は、作動中スプリングを支持するために、スプリグの巻き線部と係合する。ダンピングバンド1020は、ナイロン、PA、PPAなどのプラスチックや、それらの等価物からなる。図6に示された支柱101aは、スプリング巻回方向、あるいはアーム100の運動方向によって、1060または1070において、ダンピング機構108と接触する。ベルト張力を生成するスプリング力は、スプリング109からダンピング機構108と支柱101aの間の接触を介してアーム101へと伝達される。摩擦面108aは、テンショナベース102の内側協働面102aに係合する。この実施形態は、この明細書の別の場所で説明されるように、非対称ダンピング特性を備える。ここで説明されるダンピング機構は、2002年5月15日に出願された同時係属中の米国特許出願番号第10/147,183号にも説明されており、これはここで参照として組み入れられる。
【0042】
図14は、図13の線14−14における断面図である。リングカット1060は、外側弧状面1040の外周縁の周りに延在する。リムすなわち突出部1070は、ダンピングシュー1010の部分的な円周の周りに延在する。リングカット1060は、突出部1070と連携してダンピングバンド1020をダンピングシュー1010に機械的に取り付けるのに利用される。
【0043】
図15は、ダンピング機構の詳細図である。ダンピング機構2000は、第1弧状部材2100と第2弧状部材2200とを備える。第1弧状部材2100は、スプリング端部109aが嵌め入れられて係合されるスプリング端部受容部、すなわちスロット2110を有する。スプリング端部109aは、スロット2110と2つの点(すなわち2501と2502)で係合する。これは、ダンピング機構の弧状部材2100をベース内側面102aに対して押圧するために生成される法線力Nを生じる。この実施形態は、この明細書の別の場所で説明されるように非対称ダンピング特性を備える。
【0044】
スプリング端部109aに関して、図13を参照すると、スプリング端部109aは、この図15で示されたのと同様の方法でスロット1030と係合する。
【0045】
スプリング受容部の1つの壁は強度を高めるためにスプリング接触領域において最大厚2110aを有する。壁2110aは、接触領域から一方向あるいは両方向に、それが両方向に延出するとともに、テーパ状とされていてもよい。ここで説明されたダンピング機構は、2002年5月15日に出願された同時係属中の米国特許出願番号第10/147,183号にも説明されており、その説明はここで参照として組み入れられる。
【0046】
第1弧状部材2100は、ダンピングシュー2120に取り付けられたダンピングバンド2130を備える。第2弧状部材2200は、ダンピングシュー2140に取り付けられたダンピングバンド2150を備える。
【0047】
第1弧状部材2100は、接触点2160において、第2弧状部材2200とピボット状に接触している。接触点2160は、ダンピングシュー2120の端部2280とダンピングシュー2140の端部2190を含む。接触点2160は、ユーザの要求に応じて、最小半径(r)から最大半径まで各々のダンピングシューの幅Wに渡って変更され得る。
【0048】
弧状部材2200の端部2170は、アーム101に設けられた支柱101aと接触している(図12および図6参照)。この配置は、弧状部材2200が弧状部材2100よりも大きな荷重に晒されることをもたらす。
【0049】
所望の非対称減衰係数を得るために、弧状部材間の接触点2160は、レバーアームの回転軸R−Rから径方向へ所定の距離rに配置される。接触点2160のための最小半径位置(r)は、ダンピング機構にとっての最大の非対称減衰係数をもたらす。接触点2160は、最大外側半径(2880)に配置されてもよく、これは前述の最小半径位置(r)に比べて低い非対称ダンピングファクタを与える。
【0050】
別の実施形態では、第1弧状部材2100の端部2180は、第2弧状部材端部2170と接触している。そして、支柱101aは、弧状部材2200と点2160において接触している。この別の実施形態では、コイルの巻回方向が図12および図15に示された実施形態で使用されたものと反対のスプリングが使用される。したがって、第1弧状部材(2180)と第2弧状部材の一端から他端(2160)へと弧状部材間の接点を切り替えることで、反対向きに巻回された捩りスプリングを使用することができる。
【0051】
ダンピングバンド2130、2150は、プラスチックやフェノール樹脂、金属材料などの摩擦材料から作られる。ダンピングバンド2300、2150の作用面2300、2310は、それぞれ押圧力の下、テンショナベース面102aと摺動的に係合される(図12参照)。摩擦ダンピング力は、ダンピングバンドがテンショナベース面の上を摺動することにより発生される。
【0052】
ダンピングシュー2120、2130は、各々鋼や成形プラスチック、あるいはそれらと等価なものなどの材料(structural material)から作られる。各ダンピングシューは、粉末金属処理(powder metal process)、ダイカスト処理、射出成形、あるいは類似の処理を用いて製造可能である。使用可能な材料には、鋼、アルミニューム(低負荷部品に関して)、様々な充填剤を含む熱可塑性プラスチックや、これらの等価物が含まれる。
【0053】
第2弧状部材のダンピングバンド2150は、第1の部分のダンピングバンド2130よりも大きな材料厚さを有する。これは、2つの利点を有し、第1には、拡大されたスプリング組立寸法(spring hook-up size)(そしてスプリング太さ)を実現でき、したがって、より大きいバネ係数を有するスプリングを使用することができる。より大きなバネ係数のスプリングは、より大きなベルト張力を発生する能力をもたらす。第2に、ダンピング機構の第2の部分2200は、第1の部分2100よりも高い荷重を受けることから、第1ダンピングバンド2130の厚みの低減は、両部品の耐久性と摩耗寿命を等しくする。
【0054】
図16は、図15の線16−16における断面図である。リングカット2210は、ダンピングシュー2120の外周の周りに延在する。突出部2220は、ダンピングシュー2120の部分的な周縁の周りに延在する。リングカット2230は、ダンピングシュー2140の外周の周りに延在する。突出部2240は、ダンピングシュー2140の部分的な周縁の周りに延在する。各リングカット2210、2230は、各突出部2220、2240と連携して、各ダンピングバンド2130、2150を各ダンピングシュー2120、2140にそれぞれ機械的に取り付けるのに用いられる。
【0055】
ここでは、本発明の複数の形態について説明されたが、当業者にとっては、ここで説明された本発明の精神と範囲を逸脱することなく、その構成や構成部の関係を様々に変形することは容易である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明のテンショナを備えたエンジンの正面斜視図である。
【図2】本発明のテンショナを備えたベルト伝動システムのレイアウトの模式図である。
【図3】制御回路のブロック図である。
【図4】本発明のテンショナの正面斜視図である。
【図5】本発明のテンショナの背面斜視図である。
【図6】本発明のテンショナの部分切断図である。
【図7】本発明のテンショナの部分的に切断された正面斜視図である。
【図8】本発明のテンショナの部分的に切断された側面図である。
【図9】可動スプリング取付け部材の部分的な正面斜視図である。
【図10】テンショナベースと可動スプリング取付け部材の部分的な正面斜視図である。
【図11】スプリングとテンショナベースの部分的な正面斜視図である。
【図12】本発明のテンショナの部分的な切断図である。
【図13】ダンピング機構の詳細図である。
【図14】図13の線14−14における断面図である。
【図15】ダンピング機構の詳細図である。
【図16】図15の線16−16における断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベースと枢軸的に係合されたアームと、
前記アームに枢着されたプーリと、
バイアス部材と、
前記バイアス部材に連結され、それによりバイアス部材の一が調整可能とする駆動部材とを備え、
前記バイアス部材がダンピング部材に連結され、
前記ダンピング部材が、前記ベースと摩擦係合されるとともに、アームの運動を減衰するために前記アームに係合される
ことを特徴とするテンショナ。
【請求項2】
前記駆動部材が更にアクチュエータを備えることを特徴とする請求項1に記載のテンショナ。
【請求項3】
前記駆動部材が電動モータを備えることを特徴とする請求項1に記載のテンショナ。
【請求項4】
前記ダンピング部材が、ベースの弧状面と摩擦接触している弧状面を有することを特徴とする請求項3に記載のテンショナ。
【請求項5】
前記ダンピング部材が減衰係数を有することを特徴とする請求項4に記載のテンショナ。
【請求項6】
アームの位置を制御するために、センサからの入力信号を処理し、制御信号を生成し電動モータに伝達するコントローラを更に備えることを特徴とする請求項3に記載のテンショナ。
【請求項7】
更にアームの位置を検出するためのセンサを備え、前期センサが前記コントローラに接続されていることを特徴とする請求項6に記載のテンショナ。
【請求項8】
電動モータの電流を検出するセンサを更に備え、前期センサが前記コントローラに接続されていることを特徴とする請求項7に記載のテンショナ。
【請求項9】
ベースと、
前記ベースに枢軸的に係合されたアームと、
前記アームに枢着されたプーリと、
ダンピング部材に係合された1つの端部を備えるバイアス部材と、
バイアス部材の他端に連結された駆動部材とを備え、バイアス部材の位置が駆動部材の回転動作により調整可能であり、
前記ダンピング部材が前記アームと係合され、アームの運動を減衰するために前記ベースと摩擦係合される
ことを特徴とするテンショナ。
【請求項10】
前記駆動部材が、バイアス部材の位置を調整するための信号を生成するコントローラを備えることを特徴とする請求項9に記載のテンショナ。
【請求項11】
前記駆動部材が、
変速機と、
前記変速機に連結された電動モータと
を備えることを特徴とした請求項10に記載のテンショナ。
【請求項12】
更にモータ電流検出装置を備え、
前記モータ電流検出装置がコントローラに接続され、それにより前記モータの動作が制御されることを特徴とする請求項11に記載のテンショナ。
【請求項13】
更にアームの位置を検出するためのアーム位置検出装置を備え、
前記アーム位置検出装置が前記コントローラに接続され、それによりアーム位置が制御される
ことを特徴とする請求項11に記載のテンショナ。
【請求項14】
前記ダンピング部材が非対称減衰係数を有することを特徴とする請求項10に記載のテンショナ。
【請求項15】
前記非対称減衰係数が、アーム不荷重方向に比べてアーム荷重方向において、より大きな減衰係数を有することを特徴とする請求項14に記載のテンショナ。
【請求項1】
ベースと、
前記ベースと枢軸的に係合されたアームと、
前記アームに枢着されたプーリと、
バイアス部材と、
前記バイアス部材に連結され、それによりバイアス部材の一が調整可能とする駆動部材とを備え、
前記バイアス部材がダンピング部材に連結され、
前記ダンピング部材が、前記ベースと摩擦係合されるとともに、アームの運動を減衰するために前記アームに係合される
ことを特徴とするテンショナ。
【請求項2】
前記駆動部材が更にアクチュエータを備えることを特徴とする請求項1に記載のテンショナ。
【請求項3】
前記駆動部材が電動モータを備えることを特徴とする請求項1に記載のテンショナ。
【請求項4】
前記ダンピング部材が、ベースの弧状面と摩擦接触している弧状面を有することを特徴とする請求項3に記載のテンショナ。
【請求項5】
前記ダンピング部材が減衰係数を有することを特徴とする請求項4に記載のテンショナ。
【請求項6】
アームの位置を制御するために、センサからの入力信号を処理し、制御信号を生成し電動モータに伝達するコントローラを更に備えることを特徴とする請求項3に記載のテンショナ。
【請求項7】
更にアームの位置を検出するためのセンサを備え、前期センサが前記コントローラに接続されていることを特徴とする請求項6に記載のテンショナ。
【請求項8】
電動モータの電流を検出するセンサを更に備え、前期センサが前記コントローラに接続されていることを特徴とする請求項7に記載のテンショナ。
【請求項9】
ベースと、
前記ベースに枢軸的に係合されたアームと、
前記アームに枢着されたプーリと、
ダンピング部材に係合された1つの端部を備えるバイアス部材と、
バイアス部材の他端に連結された駆動部材とを備え、バイアス部材の位置が駆動部材の回転動作により調整可能であり、
前記ダンピング部材が前記アームと係合され、アームの運動を減衰するために前記ベースと摩擦係合される
ことを特徴とするテンショナ。
【請求項10】
前記駆動部材が、バイアス部材の位置を調整するための信号を生成するコントローラを備えることを特徴とする請求項9に記載のテンショナ。
【請求項11】
前記駆動部材が、
変速機と、
前記変速機に連結された電動モータと
を備えることを特徴とした請求項10に記載のテンショナ。
【請求項12】
更にモータ電流検出装置を備え、
前記モータ電流検出装置がコントローラに接続され、それにより前記モータの動作が制御されることを特徴とする請求項11に記載のテンショナ。
【請求項13】
更にアームの位置を検出するためのアーム位置検出装置を備え、
前記アーム位置検出装置が前記コントローラに接続され、それによりアーム位置が制御される
ことを特徴とする請求項11に記載のテンショナ。
【請求項14】
前記ダンピング部材が非対称減衰係数を有することを特徴とする請求項10に記載のテンショナ。
【請求項15】
前記非対称減衰係数が、アーム不荷重方向に比べてアーム荷重方向において、より大きな減衰係数を有することを特徴とする請求項14に記載のテンショナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2006−502357(P2006−502357A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−543077(P2004−543077)
【出願日】平成15年10月1日(2003.10.1)
【国際出願番号】PCT/US2003/031191
【国際公開番号】WO2004/033933
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(504005091)ザ ゲイツ コーポレイション (103)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年10月1日(2003.10.1)
【国際出願番号】PCT/US2003/031191
【国際公開番号】WO2004/033933
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(504005091)ザ ゲイツ コーポレイション (103)
【Fターム(参考)】
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