テープ印刷装置
【課題】複数種類のカートリッジが装着可能であり、当該カートリッジの被記録媒体にシンボルマーク等のオブジェクトを印刷可能なテープ印刷装置に関し、不適切な配色によるオブジェクトの印刷を防止可能なテープ印刷装置を提供する。
【解決手段】テープ印刷装置1は、複数種類のテープカセット30をカセット収納部20に装着可能であり、装着されたテープカセット30固有の色条件で、印刷テープTに印刷データを印刷する。シンボルオブジェクトが入力された場合、CPU51は、カセット収納部20に装着されたテープカセット30のカセット色情報と、入力されたシンボルオブジェクトに係る不適切色情報を比較する(S15、S16)。カセット色情報と不適切色情報の比較の結果、CPU51は、当該シンボルオブジェクトの印刷に、装着されているテープカセット30が不適切であると判断し、警告メッセージ画面を液晶ディスプレイ5に表示する。
【解決手段】テープ印刷装置1は、複数種類のテープカセット30をカセット収納部20に装着可能であり、装着されたテープカセット30固有の色条件で、印刷テープTに印刷データを印刷する。シンボルオブジェクトが入力された場合、CPU51は、カセット収納部20に装着されたテープカセット30のカセット色情報と、入力されたシンボルオブジェクトに係る不適切色情報を比較する(S15、S16)。カセット色情報と不適切色情報の比較の結果、CPU51は、当該シンボルオブジェクトの印刷に、装着されているテープカセット30が不適切であると判断し、警告メッセージ画面を液晶ディスプレイ5に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類のカートリッジが装着可能に構成され、当該カートリッジの被記録媒体に、シンボルマーク等のオブジェクトを印刷可能なテープ印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テープ印刷装置に関する発明として、特許文献1記載の発明が知られている。当該特許文献1に係るテープ印刷装置は、記号やシンボルマーク等のオブジェクトを、テキストと同様に、印刷データとして入力し、装着されたテープカセットに収納されたテープに対して、シンボルマーク等のオブジェクトを印刷可能に構成されている。
【0003】
又、このようなテープ印刷装置に関する発明として、特許文献2記載の発明も知られている。当該特許文献2に係るテープ印刷装置は、カセット収容部に装着されたカセットを用いて、テープに印刷を施すように構成されており、当該カセットの検出用穴群と、カセット収容部に配設されたリボン・テープ検出スイッチ群によって、カセット収容部に装着されたカセットの種類を判別可能に構成されている。そして、特許文献2においては、カセットの種類は、インクリボンのリボン色とリボン幅及び、印字テープの種類(ラミネートタイプ、レセプタタイプ)とテープ幅により分類されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−025710号公報
【特許文献2】特開平09−300719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1記載のテープ印刷装置で印刷されるような、シンボルマーク等のオブジェクトは、その表示態様により、或る特定の意味や概念を示すために用いられる。これらのオブジェクトにおいて、その配色は、当該オブジェクトの形態が示す意味や概念を伝達する上で重要な要素となる。例えば、或る配色によっては、当該オブジェクトの形態が示す意味や概念をより明確に伝達することが可能となる。一方、別の配色によっては、その配色が、当該オブジェクトの形態が示す意味や概念(即ち、ユーザが伝達したい意味や概念)と異なる意味や概念を示す場合があり、ユーザが伝達したい意味や概念が不明確になってしまう場合がある。
【0006】
この点、特許文献1、2のようなテープ印刷装置において、生成される印刷結果物の配色は、装着されているカセットの種類(即ち、当該カセットに収容されているインクリボンのリボン色、印字テープ自体の色(即ち、印刷結果物の背景色))により限定される。従って、印刷結果物の配色を変更する場合、別の種類のカセットに装着し直す必要がある。
【0007】
又、当該テープ印刷装置では、ユーザは、シンボルマーク等のオブジェクトを印刷する前の時点で、当該テープ印刷装置に装着されているカセットの種類を十分に把握していない場合がある。この場合において、当該オブジェクトの印刷を実行してしまうと、当該オブジェクトが示す意味や概念を伝達する上で不適切な配色で印刷出力されてしまうことがある。従って、適切な配色で当該オブジェクトが印刷された出力結果を得るためには、適切な配色に係るカセットに交換し、再度、当該オブジェクトを印刷しなければならない。更に、不適切な配色での印刷出力により、テープの無駄が生じてしまう。
【0008】
本発明は、複数種類のカートリッジが装着可能に構成され、当該カートリッジの被記録媒体に、シンボルマーク等のオブジェクトを印刷可能なテープ印刷装置に関し、不適切な配色によるオブジェクトの印刷出力を防止可能なテープ印刷装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係るテープ印刷装置は、テープを保持するカートリッジが着脱可能に装着される装着部と、前記装着部に装着されたカートリッジのテープに対して、当該カートリッジ固有の色条件に従って、印刷データを印刷する印刷手段と、を有するテープ印刷装置であって、前記装着部に装着されたカートリッジの色条件を示す色情報を検出する検出手段と、前記印刷データを構成可能なオブジェクト毎に、当該オブジェクトを印刷する上で不適切な色を示す不適切色情報を格納する記憶手段と、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と、前記印刷データに含まれるオブジェクトの不適切色情報とを比較する比較手段と、前記比較手段により、前記印刷データに含まれるオブジェクトの不適切色情報が、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と一致した場合に、前記装着部に装着されているカートリッジを用いると、当該オブジェクトが不適切な色で印刷される旨の警告を行う警告手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
当該テープ印刷装置は、印刷手段によって、装着部に装着されたカートリッジのテープに対して、当該カートリッジ固有の色条件に従って、印刷データを印刷する。そして、当該テープ印刷装置は、検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と、前記印刷データに含まれるオブジェクトの不適切色情報とを比較した結果、印刷データに含まれるオブジェクトの不適切色情報が、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と一致した場合に、前記装着部に装着されているカートリッジを用いると、当該オブジェクトが不適切な色で印刷される旨の警告を行う。従って、当該テープ印刷装置によれば、ユーザは、警告手段の警告によって、オブジェクトが不適切な色で印刷される状況にあることを把握することができ、カートリッジの交換等の適切な対応を行い得る。そして、当該テープ印刷装置は、不適切な色でのオブジェクトの印刷を防止することができ、テープの無駄な消費を抑えることもできる。
【0011】
そして、請求項2記載のテープ印刷装置は、請求項1記載のテープ印刷装置であって、前記カートリッジの色条件は、前記カートリッジに保持されているテープの背景色に基づく背景色条件と、前記カートリッジに保持されているテープに対する印刷に用いられる印刷色に基づく印刷色条件と、を含むことを特徴とする。
【0012】
当該テープ印刷装置において、カートリッジの色条件は、テープの背景色(地色)に基づく背景色条件と、テープに対する印刷に用いられる印刷色(例えば、感熱紙における感熱発色する色や、インクリボンのインク色)に基づく印刷色条件を含む。従って、当該テープ印刷装置は、色条件に含まれる背景色条件及び印刷色条件を用いて、比較手段による比較を行う為、背景色と印刷色の組合せによる配色や、背景色単独、印刷色単独など、より詳細な比較を行うことができる。
【0013】
又、請求項3記載のテープ印刷装置は、請求項1又は請求項2記載のテープ印刷装置であって、前記印刷手段によって、前記装着部に装着されたカートリッジのテープに対して、前記印刷データに基づく印刷を実行する際に操作される印刷実行操作手段と、を有し、前記記憶手段は、前記警告手段によって前記警告が行われた状態で、前記印刷実行操作手段に対する操作が行われ、前記印刷データの印刷が実行された場合に、当該印刷データに含まれ、前記警告手段による警告の対象となったオブジェクトに対して、除外情報を関連付けて記憶し、前記警告手段は、前記印刷データに含まれるオブジェクトの不適切色情報が、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と一致した場合であっても、当該オブジェクトに対して前記除外情報が関連付けられていれば、当該オブジェクトを警告対象から除外することを特徴とする。
【0014】
当該テープ印刷装置は、警告手段によって前記警告が行われた状態で、前記印刷実行操作手段に対する操作が行われ、前記印刷データの印刷が実行された場合に、当該印刷データに含まれ、前記警告手段による警告の対象となったオブジェクトに対して、除外情報を関連付けて記憶する。そして、当該テープ印刷装置は、印刷データに含まれるオブジェクトの不適切色情報が、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と一致した場合であっても、当該オブジェクトに対して前記除外情報が関連付けられていれば、当該オブジェクトを警告対象から除外する。ここで、警告手段によって前記警告が行われた状態で、前記印刷実行操作手段に対する操作が行われ、前記印刷データの印刷が実行されたことは、ユーザが、警告対象となったオブジェクトの配色に問題がないと判断したことを意味する。従って、当該テープ印刷装置は、ユーザが一度、配色に問題がないと判断したオブジェクトを、何度も警告することはなく、よりユーザの好みに適した仕様にすることができる。
【0015】
そして、請求項4記載のテープ印刷装置は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載のテープ印刷装置であって、前記印刷データを入力可能な入力手段を有し、前記警告手段は、前記入力手段によって前記印刷データが入力された時点で、前記警告を行うことを特徴とする。
【0016】
当該テープ印刷装置は、入力手段によって前記印刷データが入力された時点で、前記警告を行うので、印刷手段による印刷を実行する前に、不適切な色でオブジェクトが印刷されてしまう状態にあることを、確実に把握し得る。この結果、当該テープ印刷装置は、当該オブジェクトを印刷する前に、カートリッジの交換等の適切な対応を行うことができ、当該テープ印刷装置は、不適切な色でのオブジェクトの印刷を防止し得る。更に、テープの無駄な消費を抑えることもできる。
【0017】
又、請求項5記載のテープ印刷装置は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載のテープ印刷装置であって、印刷データを入力可能な入力手段と、前記印刷手段によって、前記装着部に装着されたカートリッジのテープに対して、前記印刷データに基づく印刷を実行する際に操作される印刷実行操作手段と、を有し、前記警告手段は、前記印刷実行操作手段に対する操作が行われた時点で、前記警告を行うことを特徴とする。
【0018】
当該テープ印刷装置は、前記印刷実行操作手段に対する操作が行われた時点で、前記警告手段による警告を行うので、印刷手段による印刷を実行する前に、不適切な色でオブジェクトが印刷されてしまう状態にあることを、確実に把握し得る。この結果、当該テープ印刷装置は、当該オブジェクトを印刷する前に、カートリッジの交換等の適切な対応を行うことができ、当該テープ印刷装置は、不適切な色でのオブジェクトの印刷を防止し得る。更に、テープの無駄な消費を抑えることもできる。
【0019】
そして、請求項6記載のテープ印刷装置は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載のテープ印刷装置であって、前記記憶手段は、前記印刷データを構成可能なオブジェクト毎に、当該オブジェクトを印刷する上で適切な色を示す適切色情報を格納し、前記警告手段は、装着部に装着されているカートリッジを用いると、前記印刷データに含まれるオブジェクトが不適切な色で印刷される旨の警告を行うと共に、当該警告の対象であるオブジェクトに関連付けられた適切色情報に基づいて、当該オブジェクトの印刷に適した色を報知することを特徴とする。
【0020】
当該テープ印刷装置は、装着部に装着されているカートリッジを用いると、前記印刷データに含まれるオブジェクトが不適切な色で印刷される旨の警告を行うと共に、当該警告の対象であるオブジェクトに関連付けられた適切色情報に基づいて、当該オブジェクトの印刷に適した色を報知する。従って、当該テープ印刷装置によれば、ユーザは、適切色情報に基づく報知に従って、警告対象に係るオブジェクトの印刷に適した色を把握することができ、より適切に、カートリッジの交換等の措置を行うことができる。
【0021】
又、請求項7記載のテープ印刷装置は、請求項1乃至請求項6の何れかに記載のテープ印刷装置であって、前記警告手段は、前記印刷データが、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と前記不適切色情報が一致するオブジェクトを含む場合に、当該オブジェクトを特定可能な態様で前記警告を行うことを特徴とする。
【0022】
当該テープ印刷装置は、前記印刷データが、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と前記不適切色情報が一致するオブジェクトを含む場合に、当該オブジェクトを特定可能な態様で前記警告を行う。従って、当該テープ印刷装置によれば、ユーザは、印刷データに含まれる警告対象たるオブジェクトを特定することができるので、オブジェクトの変更等の措置を、より確実に行い得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態に係るテープ印刷装置の上面図である。
【図2】テープ印刷装置の側面図である。
【図3】テープ印刷装置のカセット収納部周辺を示す説明図である。
【図4】テープ印刷装置の制御系を示すブロック図である。
【図5】カセット種類特定テーブルの一例を示す説明図である。
【図6】不適切色特定テーブルの一例を示す説明図である。
【図7】適切色特定テーブルの一例を示す説明図である。
【図8】メイン制御プログラムのフローチャートである。
【図9】シンボル入力処理プログラムのフローチャートである。
【図10】シンボル選択画面の一例を示す説明図である。
【図11】警告メッセージ画面の一例を示す説明図である。
【図12】推奨カセット報知画面の一例を示す説明図である。
【図13】印刷処理プログラムのフローチャートである。
【図14】印刷実行画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係るテープ印刷装置を、テープカセットから排出されるテープに対して印刷を行うテープ印刷装置1に具体化した実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0025】
先ず、本実施形態に係るテープ印刷装置の概略構成について図1及び図2に基づき説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態に係るテープ印刷装置1は、本体筐体2を有しており、本体筐体2内部にテープ印刷装置1を構成する各種構成部品を格納している。本体筐体2上面の後方には、収納カバー3が開閉自在に軸支されている。当該収納カバー3は、本体筐体2内部に形成されたカセット収納部20の上方を覆う。
【0026】
カセット収納部20には、後述する複数種類のテープカセット30が着脱可能に装着される。そして、カセット収納部20には、プラテンローラ21と、テープサブローラ22と、テープ駆動ローラ軸23と、リボン巻取軸24と、サーマルヘッド25と、切断装置40が配設されている(図3参照)。カセット収納部20及びテープカセット30の構成については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0027】
そして、本実施形態に係るテープ印刷装置1において、本体筐体2には、テープ排出口6、アダプタ挿入口7、コネクタ8が形成されている。テープ排出口6は、カセット収納部20の左側面部に形成されている。印刷された印刷テープTは、当該テープ排出口6から本体筐体2外部へ排出される。アダプタ挿入口7及びコネクタ8は、本体筐体2の側面部に形成されている(図2参照)。アダプタ挿入口7には、テープ印刷装置1へ電源を供給する電源アダプタが取り付けられる。コネクタ8には、USBケーブルが取り付けられ、テープ印刷装置1と外部装置(例えば、パーソナルコンピュータ等)とを通信可能に接続する。
【0028】
テープ印刷装置1は、本体筐体2上面の前側部分に、キーボード10を有している。当該キーボード10は、文字入力キー11と、印刷キー12と、リターンキー13と、カーソルキー14と、機能キー15と、電源キー16と、シンボルキー17等の複数の入力キーを備える。文字入力キー11は、アルファベット、数字、記号等のキャラクタを示す複数のキーにより構成され、複数のキャラクタを含み得るテキストデータを作成する際に入力される。印刷キー12は、テキストデータや後述する印刷データ等を印刷テープTに印刷する際に入力される。リターンキー13は、改行指令や各種処理の実行、選択確定を指令する際に入力される。カーソルキー14は、液晶ディスプレイ5(図1参照)に表示されたカーソルを、上下、左右に移動させる際に入力される。機能キー15は、テープ印刷装置1における各種機能を選択する際に入力される。電源キー16は、テープ印刷装置1に対する電源投入を切り替える際に入力される。シンボルキー17は、印刷データとして、シンボルマーク等のシンボルオブジェクトを入力する際に操作される。又、キーボード10の下側には、後述する制御回路部50が形成された制御基板9が配設されている(図2参照)。
【0029】
そして、テープ印刷装置1は、本体筐体2上面のキーボード10後方部分に、液晶ディスプレイ5を有する。当該液晶ディスプレイ5は、2階調表示可能な表示装置であり、文字入力キー11やシンボルキー17により入力されたテキストやシンボルオブジェクト、後述するシンボル選択画面(図10参照)、警告メッセージ画面(図11参照)、推奨カセット報知画面(図12参照)等を表示する。
【0030】
次に、テープ印刷装置1のカセット収納部20及びテープカセット30の構成について、図3を参照しつつ詳細に説明する。先ず、カセット収納部20の構成について説明する。
【0031】
上述したように、カセット収納部20には、サーマルヘッド25が配設されている。当該サーマルヘッド25は、所定個数(本実施形態では、256個)の発熱素子と、放熱板25Aにより構成される。放熱板25Aは、正面視略縦長四角形の平板状で、メッキ鋼板やステンレス鋼板等により形成されている。そして、当該放熱板25Aには、所定個数の各発熱素子が、放熱板25Aの左端縁部の辺に平行に、一列に配設され、接着剤等によって固着されている。そして、放熱板25Aは、テープカセット30の開口部35(図3参照)に対応する位置に、ビス止め等によって、カセット収納部20底面に略垂直に立設されて固設されている。従って、各発熱素子の配列方向は、印刷テープTの搬送方向に略直交する。
【0032】
又、当該カセット収納部20には、プラテンローラ21と、テープサブローラ22と、テープ駆動ローラ軸23と、リボン巻取軸24等が配設されている。プラテンローラ21は、上述したサーマルヘッド25と対向する位置に配設されており、印刷テープTをサーマルヘッド25の各発熱素子へ押圧しつつ搬送する。
【0033】
テープサブローラ22、テープ駆動ローラ軸23は、プラテンローラ21よりも印刷テープTの搬送方向下流側に配設されている。テープ駆動ローラ軸23は、テープサブローラ22と対向する位置に配設されており、後述のステッピングモータ等により構成されるテープ搬送モータ62(図4参照)から適宜の伝達機構を介して回転駆動され、テープ搬送ローラ36(図3参照)を回転駆動する。リボン巻取軸24は、テープ搬送モータ62から適宜の駆動機構を介して回転駆動され、テープカセット30内の印刷テープTを搬送する。
【0034】
本実施形態に係るテープ印刷装置1においては、複数種類のテープカセット30を、カセット収納部20に装着可能に構成されている。テープカセット30の種類は、テープカセット30に収納されているテープの種類、背景色、印刷色、幅等により分類される。
【0035】
テープの種類としては、ラミネートテープ、レセプターテープ、布テープを挙げることができる。ラミネートテープは、印刷面側を透明フィルムで保護するように構成されたテープであり、インクリボンを用いて印刷されるように構成されているテープである。そして、レセプターテープは、テープ表面(印刷面)を露出した構成のテープであり、感熱発色性を有するテープ(例えば、感熱テープ等)により構成される。布テープは、アイロンを使用して、衣類等に張り付けることができる布製のテープである。
【0036】
また、テープ幅は、印刷テープTの幅を意味し、本実施形態においては、6mm、9mm、12mm、18mm、24mm、36mm等の種々の幅を含む。背景色は、印刷テープTの背景を構成する部分の色を意味し、印刷色は、印刷に用いられるインクリボンの色や、感熱発色した際に発色した色を意味する。
【0037】
次に、テープカセット30の構成について説明する。本実施形態においては、テープカセット30の一例として、印刷テープTとして、ラミネートテープを収容したテープカセット30について、図面を参照しつつ説明する。尚、レセプターテープを収容したテープカセット30、布テープを収容したテープカセット30の構成については、既に公知であるため、その説明は省略する。
【0038】
図3に示すように、ラミネートテープを収容したテープカセット30は、フィルムテープF、インクリボンI、両面粘着テープDを収容しており、リール31、リボン巻取リール32、テープスプール33、テープスプール34を備えている。
【0039】
フィルムテープFは、透明テープ等により構成され、回転可能に保持されたテープスプール34に巻回された状態でテープカセット30に収納されている。インクリボンIは、フィルムテープFに印刷を施す際に用いられ、回転可能に保持されたリール31に巻回された状態でテープカセット30に収納されている。従って、ラミネートタイプのテープカセット30においては、インクリボンIの色が印刷色となる。当該インクリボンIの一端部は、回転可能に保持されたリボン巻取リール32に接続されており、使用済みのインクリボンIは、当該リボン巻取リール32に巻回される。両面粘着テープDは、回転可能に保持されたテープスプール33に、片面に剥離紙を重ね合わされた状態で巻回されており、テープスプール33から引き出された両面粘着テープDは、フィルムテープFに裏貼りされる。従って、ラミネートタイプのテープカセット30においては、両面粘着テープDの地色が、背景色となる。
【0040】
続いて、当該テープ印刷装置1で印刷を行う際のテープカセット30の動作について説明する。印刷開始に伴い、インクリボンIは、リール31から引き出され、フィルムテープFと重ねあわされた状態で、開口部35へ搬送される。そして、フィルムテープF及びインクリボンIは、開口部35において、サーマルヘッド25及びプラテンローラ21の間を通過する。従って、テープ印刷装置1は、サーマルヘッド25の各発熱素子の発熱態様を制御することで、インクリボンIを用いて所望の感熱印刷を行い得る。開口部35を通過した後、インクリボンIは、フィルムテープFから引き離され、リボン巻取リール32により巻き取られる。
【0041】
一方、両面粘着テープDは、テープスプール33から引き出され、開口部35を通過したフィルムテープF(即ち、印刷が施されたフィルムテープF)と共に、テープ搬送モータ62の駆動を受けて回転するテープ搬送ローラ36と、テープ搬送ローラ36に対向配置されるテープサブローラ22との間へ搬送される。この時、両面粘着テープDは、粘着面がフィルムテープFに面する状態で、テープ搬送ローラ36とテープサブローラ22との間へ搬送される。従って、両面粘着テープDは、テープ搬送ローラ36とテープサブローラ22により挟持・搬送されることで、フィルムテープFに貼着される。フィルムテープFに両面粘着テープDが貼着されることで、印刷テープTを構成する。その後、印刷テープTは、テープ搬送ローラ36、テープサブローラ22の協働により、テープ排出口6から排出される。
【0042】
ここで、テープカセット30の底壁部には、突出片37が設けられている。突出片37は、4つの突出爪の有無の組合せにより、当該テープカセット30の種類(テープの種類、背景色、印刷色、幅の組合せ)を示す。又、カセット収納部20底面には、カセットセンサ58(図4参照)が、テープカセット30をカセット収納部20に装着した場合に、突出片37と対向する位置に配設されている。従って、カセットセンサ58は、突出片37を構成する突出爪の組合せに応じた検出信号により、カセット収納部20に装着されているテープカセット30の種類を検出し得る。
【0043】
カセット収納部20の左側面には、切断装置40が配設されている(図3参照)。当該切断装置40は、制御回路部50による制御に基づいて、印刷テープTを切断する。切断装置40は、補助フレーム41と、固定刃42と、枢支軸43と、操作レバー44と、可動刃45により構成されている。
【0044】
補助フレーム41は、テープ印刷装置1の本体フレームの直ぐ内側に立設固定された板状のフレームである。固定刃42は、当該補助フレーム41の上縁に沿って、上向きに固着されている。又、補助フレーム41には、枢支軸43が固着されており、当該枢支軸43は、前後方向に延びる操作レバー44の前端部を回動可能に枢支する。操作レバー44において、枢支軸43よりも前側部分には、可動刃45が、固定刃42と対向するように下向きに固着されている。そして、操作レバー44の後端部は、切断用モータ64(図4参照)に連結された揺動駆動機構(図示せず)に接続されている。従って、当該テープ印刷装置1は、制御回路部50の制御により、切断用モータ64を駆動することで、可動刃45を固定刃42に接近させ、固定刃42と可動刃45の間に位置する印刷テープTを剪断する。
【0045】
次に、テープ印刷装置1の制御系について図4を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、テープ印刷装置1の中枢を担う制御回路部50は、制御基板9上に形成されている。図4に示すように、制御回路部50は、CPU51と、CGROM52と、ROM53と、EEPROM54と、RAM55と、入出力I/F56と、通信用I/F57等を備えている。
【0046】
CPU51は、テープ印刷装置1の制御の中枢を担う中央演算装置であり、後述するROM53に記憶されている各種制御プログラム(例えば、図8、図9、図13参照)を実行する。CGROM52は、各キャラクタに対応するドットパターンデータを記憶しており、液晶ディスプレイ5上にキャラクタを表示する際には、CPU51は、当該ドットパターンデータに基づいて表示する。
【0047】
ROM53は、テープ印刷装置1の制御に必要な各種制御プログラムやデータを記憶している。上記制御プログラムは、メイン制御プログラム(図8参照)、シンボル入力処理プログラム(図9参照)、印刷処理プログラム(図13参照)を含む。
【0048】
又、ROM53は、印刷用ドットパターンデータを格納している。印刷ドットパターンデータは、キャラクタの各々に関して、書体(ゴシック系書体、明朝体書体等)毎に分類され、書体毎に6種類(16、24、32、48、56、64のドットサイズ)の印刷文字サイズ分、コードデータに対応させて格納されている。
【0049】
更に、ROM53は、カセット種類特定テーブルを記憶している。ここで、カセットカセット種類特定テーブルについて、図5を参照しつつ説明する。カセット種類特定テーブルは、カセットセンサ58からの検出信号パターンに対応するテープIDに対して、夫々のテープに係るテープ幅、テープ種類、背景色、印刷色を対応付けて構成されている。従って、カセット収納部20に装着されたテープカセット30の種類に基づいて、カセットセンサ58から検出信号が出力されると、CPU51は、カセットセンサ58からの検出信号パターンと、カセット種類特定テーブルに基づいて、カセット収納部20に装着されたテープカセット30内のテープのテープ幅、テープ種類、背景色、印刷色を特定し得る。
【0050】
EEPROM54は、コネクタ8を介して外部装置(コンピュータ装置)から受信した印刷データや各種図柄データのドットパターンデータ等に登録番号を付して格納する。当該EEPROM54は、テープ印刷装置1の電源をオフしてもこれらの記憶内容を保持する。
【0051】
又、EEPROM54は、不適切色特定テーブル(図6参照)、適切色特定テーブル(図7参照)を格納している。図6に示すように、不適切色特定テーブルは、当該テープ印刷装置1において入力可能なシンボルオブジェクト毎に、当該シンボルオブジェクトの印刷に対して、不適切背景色、不適切印刷色、警告表示の有無を示す情報を対応付けて構成されている。ここで、不適切背景色とは、当該シンボルオブジェクトが一般的に示す意味や概念が不明確となる背景色、又は、当該シンボルオブジェクトに係る印刷結果の視認性を妨げる背景色を意味する。そして、不適切印刷色とは、当該シンボルオブジェクトが一般的に示す意味や概念が不明確となる印刷色、又は、当該シンボルオブジェクトに係る印刷結果の視認性を妨げる印刷色を意味する。
【0052】
具体例を挙げて、不適切背景色、不適切印刷色に関して説明すると、例えば、図6に示すシンボルオブジェクト(2)は、牛を模したシンボルマークであり、不適切背景色として「黒」が対応付けられている。当該シンボルオブジェクト(2)を、黒の背景色のテープに対して印刷すると、当該シンボルオブジェクト(2)の視認性を低下させてしまう。又、一般的に、牛は、ホルスタイン種に代表されるように、白地に黒模様であると連想されるため、当該シンボルオブジェクト(2)を、黒の背景色に印刷した場合、シンボルオブジェクト(2)が牛を示すことが不明確となる。
【0053】
そして、図6に示すように、シンボルオブジェクト(1)は、人型を模したシンボルマークであり、不適切印刷色として「赤」及び「ピンク」が対応付けられている。そして、当該シンボルオブジェクト(1)は、男性用トイレ等で用いられるように、一般に男性を示す。従って、当該シンボルオブジェクト(1)を、女性用を意味する「赤」や「ピンク」で印刷した場合、当該シンボルオブジェクト(1)が「男性」を示しているのか、「女性」を示しているのか不明確となってしまう。
【0054】
続いて、図7を参照しつつ、適切色特定テーブルについて説明する。適切色特定テーブルは、当該テープ印刷装置1において入力可能なシンボルオブジェクト毎に、当該シンボルオブジェクトの印刷に対して、適切背景色、適切印刷色を示す情報を対応付けて構成されている。ここで、適切背景色とは、当該シンボルオブジェクトが一般的に示す意味や概念が明確となる背景色、又は、当該シンボルオブジェクトに係る印刷結果の視認性を高める背景色を意味する。そして、適切印刷色とは、当該シンボルオブジェクトが一般的に示す意味や概念が明確となる印刷色、又は、当該シンボルオブジェクトに係る印刷結果の視認性を高める印刷色を意味する。
【0055】
上述したシンボルオブジェクト(1)、シンボルオブジェクト(2)の具体例に基づいて、適切印刷色、適切背景色について説明する。図7に示すように、シンボルオブジェクト(1)は、一般に男性を示すシンボルマークであり、適切印刷色として「黒」「青」が対応付けられている。一般に、「黒」や「青」は、男性用を示す色として用いられる色であるため、当該シンボルオブジェクト(1)を、適切印刷色である「黒」や「青」で印刷すれば、シンボルオブジェクト(1)が示す「男性用」という意味を、より明確に伝達可能な態様で印刷し得る。
【0056】
そして、シンボルオブジェクト(2)は、牛を示すシンボルマークであり、適切背景色として「白」、適切印刷色として「黒」が対応付けられている。そして、一般に「牛」といえば、ホルスタイン種のように「白地に黒模様」を想起するので、当該シンボルオブジェクト(2)を、適切背景色「白」のテープに、適切印刷色「黒」で印刷することで、より明確に、シンボルオブジェクト(2)が示す「牛」という意味を伝達可能な態様で印刷し得る。
【0057】
再び、図4に戻り、テープ印刷装置1の制御系について説明する。RAM55は、CPU51による各種演算結果を一時的に記憶する。当該RAM55には、印刷バッファ55A、編集入力領域55B、表示画像バッファ55C、ワーク領域55D等の各種のメモリ領域が設けられている。印刷バッファ55Aには、複数の文字や記号等の印刷用ドットパターンを格納する。サーマルヘッド25は、当該印刷バッファ55Aに記憶されているドットパターンにより、印刷データに基づくドット印刷を行う。編集入力領域55Bは、印刷データを編集する際に印刷データを格納する。又、表示画像バッファ55Cは、液晶ディスプレイ5に表示される印刷イメージデータ等を格納する。
【0058】
入出力I/F56には、キーボード10と、カセットセンサ58と、液晶ディスプレイコントローラ60と、ヘッド駆動回路61と、搬送駆動回路63と、切断駆動回路65とが夫々接続されている。カセットセンサ58は、上述したように、カセット収納部20に装着されたテープカセット30の種類を検出する。液晶ディスプレイコントローラ60は、液晶ディスプレイ5に表示データを出力する為のビデオRAMを有し、液晶ディスプレイ5の表示態様を制御する。ヘッド駆動回路61は、サーマルヘッド25の駆動制御を行う際に用いられ、サーマルヘッド25を構成する各発熱素子の発熱態様を制御する。搬送駆動回路63は、印刷データの印刷に際し、テープ搬送モータ62の駆動制御を行い、印刷テープTの搬送制御を行う。切断駆動回路65は、印刷テープTを切断する際に、切断用モータ64の駆動制御を行う。
【0059】
通信用I/F57は、例えば、USB(Universal Serial Bus)等から構成され、外部装置(コンピュータ装置)とUSBケーブル等によって接続され、当該外部装置との間で双方向データ通信を行う際に用いられる。
【0060】
次に、テープ印刷装置1のメイン制御プログラムについて、図8を参照しつつ詳細に説明する。メイン制御プログラムは、電源キー16によりテープ印刷装置1に電源が投入された時点で実行される。メイン制御プログラムの実行を開始すると、先ず、CPU51は、初期化処理を実行する(S1)。初期化処理(S1)では、CPU51は、カセット収納部20の状態に関する確認処理や、RAM55等の初期化を実行する。初期化処理(S1)を終了すると、CPU51は、S2に処理を移行する。
【0061】
S2においては、CPU51は、入力受付処理を実行する。入力受付処理(S2)では、CPU51は、キーボード10を構成する各種キーの入力操作を受け付ける。入力受付処理(S2)を終了すると、CPU51は、S3に処理を移行する。
【0062】
S3では、CPU51は、入力受付処理(S2)における入力操作が電源キー16の入力操作であるか否かを判断する。電源キー16の入力操作である場合(S3:YES)、CPU51は、メイン制御プログラムの実行を終了すると共に、テープ印刷装置1に対する電力供給を遮断する。電源キー16の入力操作でない場合(S3:NO)、CPU51は、S4に処理を移行する。
【0063】
S4に移行すると、CPU51は、入力受付処理(S2)における入力操作が文字入力操作であるか否かを判断する。具体的には、CPU51は、文字入力キー11からの入力信号に基づいて、S4の判断を行う。文字入力操作である場合(S4:YES)、CPU51は、S5に処理を移行する。文字入力操作ではない場合(S4:NO)、CPU51は、S6に処理を移行する。
【0064】
S5においては、CPU51は、文字入力操作に基づいて、文字入力処理を実行する。当該文字入力処理(S5)では、CPU51は、文字入力操作で操作された文字入力キー11に基づいて、印刷データの作成・編集を行う。その後、CPU51は、S2に処理を戻す。
【0065】
S6では、CPU51は、入力受付処理(S2)における入力操作がシンボル入力操作であるか否かを判断する。具体的には、CPU51は、シンボルキー17からの入力信号の有無に基づいて、S6の判断を行う。シンボル入力操作である場合(S6:YES)、CPU51は、S7に処理を移行する。シンボル入力操作でない場合(S6:NO)、CPU51は、S8に処理を移行する。
【0066】
S7に移行すると、CPU51は、シンボル入力処理を実行する。当該シンボル入力処理(S7)では、CPU51は、シンボル入力処理プログラム(図9参照)を実行することで、所望のシンボルオブジェクトの選択・入力を行う。シンボル入力処理(S7)の内容については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。シンボル入力処理(S7)を終了すると、CPU51は、S2に処理を戻す。
【0067】
S8においては、CPU51は、入力受付処理(S2)における入力操作が印刷キー12による印刷操作であるか否かを判断する。印刷操作である場合(S8:YES)、CPU51は、S9に処理を移行する。印刷操作でない場合(S8:NO)、CPU51は、S10に処理を移行する。
【0068】
S9では、CPU51は、印刷操作が行われたことに基づいて、印刷処理を実行する。印刷処理(S9)に移行すると、CPU51は、印刷処理プログラム(図13参照)を実行することにより、カセット収納部20に装着されているテープカセット30の印刷テープTに対して、現在入力されている印刷データを印刷する。印刷処理(S7)を終了すると、CPU51は、S2に処理を戻す。
【0069】
S10に移行すると、CPU51は、その他処理を実行する。当該その他処理では、CPU51は、入力受付処理(S2)で受け付けた入力操作に応じて、種々の処理を行う。例えば、CPU51は、その他処理(S10)において、印刷条件の設定や、切断装置40による印刷テープTの切断処理等を行う。その他処理(S10)終了後、CPU51は、S2に処理を戻す。
【0070】
続いて、シンボル入力処理(S7)で実行されるシンボル入力処理プログラムについて、図9を参照しつつ詳細に説明する。シンボル入力処理(S7)に移行すると、CPU51は、先ず、シンボル選択画面を液晶ディスプレイ5に表示することで、シンボル一覧表示する(S11)。図10に示すように、シンボル選択画面は、テープ印刷装置1で入力可能なシンボルオブジェクトを一覧表示すると共に、現在選択しているシンボルオブジェクトを示すカーソルCを表示する。シンボル一覧表示を行った後、CPU51は、S12に処理を移行する。
【0071】
S12に移行すると、CPU51は、カーソルキー14、リターンキー13の操作に基づいて、シンボル選択受付処理を実行する。ユーザは、カーソルキー14を用いてカーソルCを移動させることにより、シンボル選択画面(図10参照)に表示されているテープ印刷装置1で入力可能なシンボルオブジェクトから、所望のシンボルオブジェクトを選択する。そして、ユーザは、所望のシンボルオブジェクト上にカーソルCが位置する状態で、リターンキー13を入力することによって、当該シンボルオブジェクトの選択を確定する。リターンキー13の入力により、所望のシンボルオブジェクトの選択を確定すると、CPU51は、シンボル選択受付処理(S12)を終了し、S13に処理を移行する。
【0072】
S13においては、CPU51は、カセットセンサ58からの検出信号パターンに基づいて、カセット収納部20に装着されているテープカセット30に係るテープIDを特定し、カセット種類特定テーブル(図5参照)を参照することで、カセット色情報を取得する。当該カセット色情報は、カセット種類特定テーブルにおいて、テープIDに対応付けられた背景色と印刷色を示す情報を含んでいる。尚、以下の説明において、S13で取得したカセット色情報に係る背景色を「カセット背景色」といい、印刷色を「カセット印刷色」という。カセット収納部20に装着されているテープカセット30のカセット色情報を取得した後、CPU51は、S14に処理を移行する。
【0073】
S14に移行すると、CPU51は、シンボル選択受付処理(S12)で選択されたシンボルオブジェクト(以下、対象シンボルという)と、不適切色特定テーブル(図6参照)に基づいて、対象シンボルに対応付けられた一の不適切色情報を取得する。当該不適切色情報は、不適切色特定テーブルに規定されており、不適切背景色と、不適切印刷色と、警告表示の有無を示す情報を含んでいる。対象シンボルに係る不適切色情報を取得した後、CPU51は、S15に処理を移行する。
【0074】
S15においては、CPU51は、S13で取得したカセット色情報と、S14で取得した不適切色情報に基づいて、カセット印刷色が不適切印刷色であるか否かを判断する。カセット印刷色が不適切印刷色である場合(S15:YES)、CPU51は、S16に処理を移行する。一方、カセット印刷色が不適切印刷色でない場合(S15:NO)、CPU51は、S19に処理を移行する。
【0075】
S16では、CPU51は、S13で取得したカセット色情報と、S14で取得した不適切色情報に基づいて、カセット背景色が不適切背景色であるか否かを判断する。カセット背景色が不適切背景色である場合(S16:YES)、CPU51は、S17に処理を移行する。カセット背景色が不適切背景色でない場合(S16:NO)、CPU51は、S19に処理を移行する。
【0076】
S17に移行すると、CPU51は、S14で取得した不適切色情報に含まれる警告表示の有無を示す情報に基づいて、対象シンボルに係る警告表示が「あり」であるか否かを判断する。対象シンボルに係る警告表示が「あり」(図6中「○」)である場合(S17:YES)、CPU51は、S18に処理を移行する。一方、対象シンボルに係る警告表示が「なし」(図6中「×」)である場合(S17:NO)、CPU51は、S19に処理を移行する。
【0077】
S18では、CPU51は、警告メッセージ画面(図11参照)等を液晶ディスプレイ5に表示する。図11に示すように、警告メッセージ画面は、対象シンボルの印刷に適していないことを示す警告メッセージと、対象シンボルの画像と、「YES」「NO」「推奨カセット」の選択肢を含んでいる。選択肢「YES」は、現在装着されているテープカセット30に係る条件(背景色、印刷色)で、対象シンボルを印刷することを許容する際に選択される。選択肢「NO」は、現在装着されているテープカセット30に係る条件(背景色、印刷色)で、対象シンボルを印刷することを中止する際に選択される。選択肢「推奨カセット」は、対象シンボルの印刷に関して、推奨されるカセットに関する情報を、液晶ディスプレイ5に表示する際に操作される。
【0078】
キーボード10の操作により選択肢「推奨カセット」が選択された場合、CPU51は、推奨カセット報知画面(図12参照)を液晶ディスプレイ5に表示する。この時、CPU51は、選択肢「推奨カセット」の選択に伴い、適切色特定テーブル(図7参照)にアクセスし、対象シンボルに係る適切色情報を取得する。適切色情報は、適切色特定テーブルにおいて、対象シンボルに対して対応付けられた適切背景色と適切印刷色を含んで構成される。適切色情報を取得した後、CPU51は、当該適切色情報に係る適切背景色と適切印刷色に基づいて、対象シンボルの印刷に適したカセットを示すメッセージを生成し、当該メッセージと共に、対象シンボルに係る画像を表示する(図12参照)。
【0079】
そして、警告メッセージ画面(図11参照)において、選択肢「YES」又は「NO」の何れかが選択された場合、CPU51は、警告メッセージの表示(S18)を終了し、S20に処理を移行する。
【0080】
S19においては、CPU51は、不適切色特定テーブルにおいて、対象シンボルに係る不適切色情報の全てについて、対象シンボルに関する色判定(S14〜S17)を完了したか否かを判断する。対象シンボルに関する色判定を完了している場合(S19:YES)、CPU51は、S22に処理を移行する。一方、不適切色特定テーブルにおいて、未だ色判定に用いていない対象シンボルに係る不適切色情報が存在する場合(S19:NO)、CPU51は、S14に処理を戻し、未だ色判定に用いていない対象シンボルに係る不適切色情報を取得し、新たに取得した不適切色情報に基づく色判定を行う。
【0081】
S20では、CPU51は、警告メッセージ表示に関わらず、対象シンボルの入力を続行するか否かを判断する。具体的には、CPU51は、警告メッセージ画面(図11参照)において、選択肢「YES」が選択されたか、選択肢「NO」が選択されたかに基づいて、S20の判断を行う。警告メッセージ画面において、選択肢「YES」が選択された場合(S20:YES)、CPU51は、S21に処理を移行する。一方、警告メッセージ画面において、選択肢「NO」が選択された場合(S20:NO)、CPU51は、対象シンボルの選択を解除して、S11に処理を戻す。
【0082】
S21に移行すると、CPU51は、当該対象シンボルを警告対象から除外する警告対象除外設定を行う。具体的には、CPU51は、不適切色特定テーブルにアクセスし、対象シンボルの不適切色情報における警告表示に関する情報を、「警告表示:なし」に変更する。これにより、当該不適切色情報に係る条件の下で、対象シンボルを印刷する際に、S17の判断処理でS18に移行することなく、S19に移行するので、当該条件の下での対象シンボルの印刷時に警告メッセージ画面が表示されることはなくなる。警告対象除外設定を終了した後、CPU51は、S22に処理を移行する。
【0083】
S22においては、CPU51は、対象シンボルの入力を確定し、当該対象シンボルを印刷データに追加する。対象シンボルを印刷データに追加した後、CPU51は、シンボル入力処理プログラムを終了する。
【0084】
次に、印刷処理(S9)で実行される印刷処理プログラムについて、図13を参照しつつ詳細に説明する。印刷処理プログラムの実行を開始すると、CPU51は、先ず、印刷実行画面を液晶ディスプレイ5に表示する。図14に示すように、印刷実行画面は、印刷処理(S9)移行時における印刷データの内容を示すプレビュー画面として機能し、印刷データを構成するテキスト及びシンボルオブジェクトの内容を表示する。
【0085】
図13に示すように、CPU51は、先ず、カセット収納部20に装着されているテープカセット30に係るカセット色情報を取得する(S31)。S31の処理内容は、上述したS13と同様であるため、詳細な説明は省略する。カセット収納部20に装着されているテープカセット30のカセット色情報を取得した後、CPU51は、S32に処理を移行する。
【0086】
S32に移行すると、CPU51は、印刷処理(S9)移行時の印刷データの内容に基づいて、シンボル抽出処理を実行する。シンボル抽出処理(S32)においては、CPU51は、印刷処理(S9)移行時の印刷データの構成を参照し、当該印刷データからシンボルオブジェクトを抽出する。例えば、図14に示す印刷データの構成の場合、CPU51は、当該印刷データから、「シンボルオブジェクト(2)」及び「シンボルオブジェクト(3)」を抽出する。シンボル抽出処理(S32)を終了した後、CPU51は、S33に処理を移行する。
【0087】
S33においては、CPU51は、シンボル抽出処理(S32)の抽出結果に基づいて、対象シンボル特定処理を実行する。具体的には、CPU51は、シンボル抽出処理(S32)によって、印刷データから抽出されたシンボルオブジェクトの内、一のシンボルオブジェクトを、対象シンボルに特定する。対象シンボル特定処理(S33)を終了すると、CPU51は、S34に処理を移行する。
【0088】
S34では、CPU51は、対象シンボル特定処理(S33)で特定された対象シンボルと、不適切色特定テーブル(図6参照)に基づいて、対象シンボルに対応付けられた一の不適切色情報を取得する。対象シンボルに係る不適切色情報を取得すると、CPU51は、S35に処理を移行する。
【0089】
S35に移行すると、CPU51は、S31で取得したカセット色情報と、S34で取得した不適切色情報に基づいて、カセット印刷色が不適切印刷色であるか否かを判断する。カセット印刷色が不適切印刷色である場合(S35:YES)、CPU51は、S36に処理を移行する。一方、カセット印刷色が不適切印刷色でない場合(S35:NO)、CPU51は、S39に処理を移行する。
【0090】
S36では、CPU51は、S31で取得したカセット色情報と、S34で取得した不適切色情報に基づいて、カセット背景色が不適切背景色であるか否かを判断する。カセット背景色が不適切背景色である場合(S36:YES)、CPU51は、S37に処理を移行する。カセット背景色が不適切背景色である。一方、カセット背景色が不適切背景色でない場合(S36:NO)、CPU51は、S39に処理を移行する。
【0091】
S37に移行すると、CPU51は、S34で取得した不適切色情報に含まれる警告表示の有無を示す情報に基づいて、対象シンボルに係る警告表示が「あり」であるか否かを判断する。対象シンボルに係る警告表示が「あり」である場合(S37:YES)、CPU51は、S38に処理を移行する。一方、対象シンボルに係る警告表示が「なし」である場合(S37:NO)、CPU51は、S39に処理を移行する。
【0092】
S38では、CPU51は、S33で特定した対象シンボルと、S34で取得した不適切色情報に基づいて、警告メッセージを生成する。当該警告メッセージは、図11と同様に、S33で特定した対象シンボルの印刷に適していないことを示す警告メッセージと、当該対象シンボルの画像を含む。生成した警告メッセージをRAM55に格納した後、CPU51は、S40に処理を移行する。
【0093】
S39においては、CPU51は、S33で特定した対象シンボルに係る不適切色情報の全てについて、対象シンボルに関する色判定(S34〜S37)を完了したか否かを判断する。S33で特定した対象シンボルに関する色判定を完了している場合(S39:YES)、CPU51は、S40に処理を移行する。一方、S33で特定した対象シンボルに関する色判定を完了していない場合(S39:NO)、CPU51は、S34に処理を戻して、新たに不適切色情報を取得し、当該不適切色情報に基づく色判定を行う。
【0094】
S40に移行すると、CPU51は、印刷データに含まれる全てのシンボルオブジェクトに対する色判定(S34〜S37)を完了したか否かを判断する。印刷データに含まれる全てのシンボルオブジェクトに対する色判定を完了している場合(S40:YES)、CPU51は、S41に処理を移行する。一方、印刷データに含まれる全てのシンボルオブジェクトに対する色判定を完了していない場合(S40:NO)、CPU51は、S33に処理を戻す。
【0095】
S41では、CPU51は、RAM55の記憶内容を参照し、S38で生成された警告メッセージが存在するか否かを判断する。警告メッセージが存在する場合(S41:YES)、CPU51は、S42に処理を移行する。一方、警告メッセージがRAM55に存在しない場合(S41:NO)、CPU51は、S45に処理を移行する。
【0096】
S42においては、CPU51は、警告メッセージ画面(図11参照)等を液晶ディスプレイ5に表示する。警告メッセージ画面(図11参照)に関する処理、及び、推奨カセット報知画面(図12参照)に関する処理については、既にS18の処理内容として説明している為、再度の説明は省略する。尚、S42においては、CPU51は、キーボード10に対する操作に基づいて、警告メッセージ画面、推奨カセット報知画面の対象となる対象シンボルを変更する。そして、警告メッセージ画面(図11参照)において、選択肢「YES」又は「NO」の何れかが選択された場合、CPU51は、S43に処理を移行する。
【0097】
S43に移行すると、CPU51は、警告メッセージ表示に関わらず、警告対象に係るシンボルを含む印刷データの印刷を続行するか否かを判断する。即ち、警告メッセージ画面において、選択肢「YES」が選択された場合(S43:YES)、CPU51は、S44に処理を移行する。一方、警告メッセージ画面において、選択肢「NO」が選択された場合(S43:NO)、CPU51は、当該印刷データを印刷することなく、印刷処理プログラムを終了する。
【0098】
S44に移行すると、CPU51は、当該印刷データに含まれるシンボルを警告対象から除外する警告対象除外設定を行う。具体的には、CPU51は、不適切色特定テーブルにアクセスし、当該印刷データに含まれるシンボルオブジェクトの不適切色情報における警告表示に関する情報を、「警告表示:なし」に変更する。警告対象除外設定を終了した後、CPU51は、S45に処理を移行する。
【0099】
S45においては、CPU51は、印刷処理(S9)移行時の印刷データに基づいて、印刷実行処理を実行する。印刷実行処理(S45)の処理内容については、既に公知である為、その詳細な説明は省略する。印刷実行処理(S45)の終了後、CPU51は、印刷処理プログラムを終了する。
【0100】
以上説明したように、本実施形態に係るテープ印刷装置1は、サーマルヘッド25によって、カセット収納部20に装着されたテープカセット30のテープに対して、当該テープカセット30固有の色条件(カセット背景色、カセット印刷色)に従って、印刷データを印刷する。そして、当該テープ印刷装置1は、カセットセンサ58により検出されたカセット色情報と、前記印刷データに含まれるシンボルオブジェクトの不適切色情報とを比較し(S35〜S36)、当該シンボルオブジェクトの不適切色情報が、カセット色情報と一致した場合(S35:YES、S36:YES)に、警告メッセージ画面(図11参照)を液晶ディスプレイ5に表示する(S18、S42)。従って、当該テープ印刷装置1によれば、ユーザは、警告メッセージ画面を表示することにより、シンボルオブジェクトが不適切な色で印刷される状況にあることを把握することができ、テープカセット30の交換等の適切な対応を行い得る。そして、当該テープ印刷装置1は、不適切な色でのシンボルオブジェクトの印刷を防止することができ、テープの無駄な消費を抑えることもできる。
【0101】
又、当該テープ印刷装置1は、カセット色情報、不適切色情報の何れにおいても、背景色、印刷色を含んでいる為(図5、図6参照)、カセット収納部20に装着されているテープカセット30では、シンボルオブジェクトが不適切な色で印刷される状況を検出することができ、もって、適切に警告メッセージ画面による報知を行い得る。
【0102】
そして、当該テープ印刷装置1は、警告メッセージ画面において選択肢「NO」が選択された場合、対象シンボルに係る不適切色情報において、「警告表示:なし」を設定する。そして、当該不適切情報に「警告表示:なし」が設定されている場合(S17:NO、S37:NO)、当該テープ印刷装置1は、同一条件の下で警告メッセージ画面を表示することはない。従って、当該テープ印刷装置1は、ユーザが一度、配色に問題がないと判断したシンボルオブジェクトを、同一条件の下で何度も警告することはなく、よりユーザの好みに適した仕様にすることができる。
【0103】
更に、当該テープ印刷装置1は、シンボルオブジェクトの入力時、及び、当該印刷データの印刷実行直前において、カセット色情報と不適切色情報の比較を行い、カセット色情報が不適切色情報と一致した場合に、警告メッセージ画面を表示する。従って、警告メッセージ画面の表示によって、ユーザは、印刷実行前に、シンボルオブジェクトが不適切な色で印刷される状況を把握することができ、より適切に、カートリッジの交換や、シンボルオブジェクトの変更等の措置を行うことができる。
【0104】
又、警告メッセージ画面が表示されている状態で、選択肢「推奨カセット」が選択された場合、テープ印刷装置1は、適切色特定テーブルの内容に基づいて、推奨カセット報知画面(図12参照)を表示する。従って、ユーザは、推奨カセット報知画面の表示により、警告対象に係るシンボルオブジェクトの印刷に適した色を把握することができ、より適切に、テープカセット30の交換等の措置を行うことができる。
【0105】
そして、当該テープ印刷装置1において、警告メッセージ画面(図11参照)は、一の対象シンボル毎に表示される為、ユーザは、警告の対象であるシンボルオブジェクトを確実に特定することができ、シンボルオブジェクトの変更等の措置を、より確実に行い得る。
【0106】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、本実施形態においては、図11に示すように、警告メッセージ画面において、「対象シンボルの印刷に際し、カセット収納部20に装着されているテープカセット30では不適切である旨」のみを報知していたが、この態様に限定されるものではない。例えば、不適切色情報又はカセット色情報に基づいて、当該テープカセット30における背景色、印刷色を報知してもよい。
【0107】
又、本実施形態においては、推奨カセット報知画面(図12参照)で、適切印刷色及び適切背景色を報知する構成であったが、この態様に限定されるものではない。例えば、適切印刷色及び適切背景色に該当するテープカセット30(推奨カセット)に関する詳細情報を報知してもよい。具体的には、推奨カセットに該当するテープカセット30の製品番号や、推奨カセットに該当するテープカセット30の詳細情報が掲載されたホームページのURLを報知してもよい。
【0108】
又、本実施形態においては、テープカセット30の印刷色が不適切印刷色に該当し、且つ、テープカセット30の背景色が不適切背景色に該当する場合、対象シンボルに係る警告表示の有無に関する判断処理(S17、S37)を実行するように構成していたが、この態様に限定されるものではない。例えば、印刷色及び背景色の何れか一方が不適切であると判断した時点で、対象シンボルに係る警告表示の有無に関する判断処理(S17、S37)を実行するように構成することも可能である。
【符号の説明】
【0109】
1 テープ印刷装置
5 液晶ディスプレイ
10 キーボード
20 カセット収納部
25 サーマルヘッド
30 テープカセット
50 制御回路部
51 CPU
53 ROM
54 EEPROM
55 RAM
58 カセットセンサ
T 印刷テープ
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類のカートリッジが装着可能に構成され、当該カートリッジの被記録媒体に、シンボルマーク等のオブジェクトを印刷可能なテープ印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テープ印刷装置に関する発明として、特許文献1記載の発明が知られている。当該特許文献1に係るテープ印刷装置は、記号やシンボルマーク等のオブジェクトを、テキストと同様に、印刷データとして入力し、装着されたテープカセットに収納されたテープに対して、シンボルマーク等のオブジェクトを印刷可能に構成されている。
【0003】
又、このようなテープ印刷装置に関する発明として、特許文献2記載の発明も知られている。当該特許文献2に係るテープ印刷装置は、カセット収容部に装着されたカセットを用いて、テープに印刷を施すように構成されており、当該カセットの検出用穴群と、カセット収容部に配設されたリボン・テープ検出スイッチ群によって、カセット収容部に装着されたカセットの種類を判別可能に構成されている。そして、特許文献2においては、カセットの種類は、インクリボンのリボン色とリボン幅及び、印字テープの種類(ラミネートタイプ、レセプタタイプ)とテープ幅により分類されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−025710号公報
【特許文献2】特開平09−300719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1記載のテープ印刷装置で印刷されるような、シンボルマーク等のオブジェクトは、その表示態様により、或る特定の意味や概念を示すために用いられる。これらのオブジェクトにおいて、その配色は、当該オブジェクトの形態が示す意味や概念を伝達する上で重要な要素となる。例えば、或る配色によっては、当該オブジェクトの形態が示す意味や概念をより明確に伝達することが可能となる。一方、別の配色によっては、その配色が、当該オブジェクトの形態が示す意味や概念(即ち、ユーザが伝達したい意味や概念)と異なる意味や概念を示す場合があり、ユーザが伝達したい意味や概念が不明確になってしまう場合がある。
【0006】
この点、特許文献1、2のようなテープ印刷装置において、生成される印刷結果物の配色は、装着されているカセットの種類(即ち、当該カセットに収容されているインクリボンのリボン色、印字テープ自体の色(即ち、印刷結果物の背景色))により限定される。従って、印刷結果物の配色を変更する場合、別の種類のカセットに装着し直す必要がある。
【0007】
又、当該テープ印刷装置では、ユーザは、シンボルマーク等のオブジェクトを印刷する前の時点で、当該テープ印刷装置に装着されているカセットの種類を十分に把握していない場合がある。この場合において、当該オブジェクトの印刷を実行してしまうと、当該オブジェクトが示す意味や概念を伝達する上で不適切な配色で印刷出力されてしまうことがある。従って、適切な配色で当該オブジェクトが印刷された出力結果を得るためには、適切な配色に係るカセットに交換し、再度、当該オブジェクトを印刷しなければならない。更に、不適切な配色での印刷出力により、テープの無駄が生じてしまう。
【0008】
本発明は、複数種類のカートリッジが装着可能に構成され、当該カートリッジの被記録媒体に、シンボルマーク等のオブジェクトを印刷可能なテープ印刷装置に関し、不適切な配色によるオブジェクトの印刷出力を防止可能なテープ印刷装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係るテープ印刷装置は、テープを保持するカートリッジが着脱可能に装着される装着部と、前記装着部に装着されたカートリッジのテープに対して、当該カートリッジ固有の色条件に従って、印刷データを印刷する印刷手段と、を有するテープ印刷装置であって、前記装着部に装着されたカートリッジの色条件を示す色情報を検出する検出手段と、前記印刷データを構成可能なオブジェクト毎に、当該オブジェクトを印刷する上で不適切な色を示す不適切色情報を格納する記憶手段と、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と、前記印刷データに含まれるオブジェクトの不適切色情報とを比較する比較手段と、前記比較手段により、前記印刷データに含まれるオブジェクトの不適切色情報が、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と一致した場合に、前記装着部に装着されているカートリッジを用いると、当該オブジェクトが不適切な色で印刷される旨の警告を行う警告手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
当該テープ印刷装置は、印刷手段によって、装着部に装着されたカートリッジのテープに対して、当該カートリッジ固有の色条件に従って、印刷データを印刷する。そして、当該テープ印刷装置は、検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と、前記印刷データに含まれるオブジェクトの不適切色情報とを比較した結果、印刷データに含まれるオブジェクトの不適切色情報が、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と一致した場合に、前記装着部に装着されているカートリッジを用いると、当該オブジェクトが不適切な色で印刷される旨の警告を行う。従って、当該テープ印刷装置によれば、ユーザは、警告手段の警告によって、オブジェクトが不適切な色で印刷される状況にあることを把握することができ、カートリッジの交換等の適切な対応を行い得る。そして、当該テープ印刷装置は、不適切な色でのオブジェクトの印刷を防止することができ、テープの無駄な消費を抑えることもできる。
【0011】
そして、請求項2記載のテープ印刷装置は、請求項1記載のテープ印刷装置であって、前記カートリッジの色条件は、前記カートリッジに保持されているテープの背景色に基づく背景色条件と、前記カートリッジに保持されているテープに対する印刷に用いられる印刷色に基づく印刷色条件と、を含むことを特徴とする。
【0012】
当該テープ印刷装置において、カートリッジの色条件は、テープの背景色(地色)に基づく背景色条件と、テープに対する印刷に用いられる印刷色(例えば、感熱紙における感熱発色する色や、インクリボンのインク色)に基づく印刷色条件を含む。従って、当該テープ印刷装置は、色条件に含まれる背景色条件及び印刷色条件を用いて、比較手段による比較を行う為、背景色と印刷色の組合せによる配色や、背景色単独、印刷色単独など、より詳細な比較を行うことができる。
【0013】
又、請求項3記載のテープ印刷装置は、請求項1又は請求項2記載のテープ印刷装置であって、前記印刷手段によって、前記装着部に装着されたカートリッジのテープに対して、前記印刷データに基づく印刷を実行する際に操作される印刷実行操作手段と、を有し、前記記憶手段は、前記警告手段によって前記警告が行われた状態で、前記印刷実行操作手段に対する操作が行われ、前記印刷データの印刷が実行された場合に、当該印刷データに含まれ、前記警告手段による警告の対象となったオブジェクトに対して、除外情報を関連付けて記憶し、前記警告手段は、前記印刷データに含まれるオブジェクトの不適切色情報が、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と一致した場合であっても、当該オブジェクトに対して前記除外情報が関連付けられていれば、当該オブジェクトを警告対象から除外することを特徴とする。
【0014】
当該テープ印刷装置は、警告手段によって前記警告が行われた状態で、前記印刷実行操作手段に対する操作が行われ、前記印刷データの印刷が実行された場合に、当該印刷データに含まれ、前記警告手段による警告の対象となったオブジェクトに対して、除外情報を関連付けて記憶する。そして、当該テープ印刷装置は、印刷データに含まれるオブジェクトの不適切色情報が、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と一致した場合であっても、当該オブジェクトに対して前記除外情報が関連付けられていれば、当該オブジェクトを警告対象から除外する。ここで、警告手段によって前記警告が行われた状態で、前記印刷実行操作手段に対する操作が行われ、前記印刷データの印刷が実行されたことは、ユーザが、警告対象となったオブジェクトの配色に問題がないと判断したことを意味する。従って、当該テープ印刷装置は、ユーザが一度、配色に問題がないと判断したオブジェクトを、何度も警告することはなく、よりユーザの好みに適した仕様にすることができる。
【0015】
そして、請求項4記載のテープ印刷装置は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載のテープ印刷装置であって、前記印刷データを入力可能な入力手段を有し、前記警告手段は、前記入力手段によって前記印刷データが入力された時点で、前記警告を行うことを特徴とする。
【0016】
当該テープ印刷装置は、入力手段によって前記印刷データが入力された時点で、前記警告を行うので、印刷手段による印刷を実行する前に、不適切な色でオブジェクトが印刷されてしまう状態にあることを、確実に把握し得る。この結果、当該テープ印刷装置は、当該オブジェクトを印刷する前に、カートリッジの交換等の適切な対応を行うことができ、当該テープ印刷装置は、不適切な色でのオブジェクトの印刷を防止し得る。更に、テープの無駄な消費を抑えることもできる。
【0017】
又、請求項5記載のテープ印刷装置は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載のテープ印刷装置であって、印刷データを入力可能な入力手段と、前記印刷手段によって、前記装着部に装着されたカートリッジのテープに対して、前記印刷データに基づく印刷を実行する際に操作される印刷実行操作手段と、を有し、前記警告手段は、前記印刷実行操作手段に対する操作が行われた時点で、前記警告を行うことを特徴とする。
【0018】
当該テープ印刷装置は、前記印刷実行操作手段に対する操作が行われた時点で、前記警告手段による警告を行うので、印刷手段による印刷を実行する前に、不適切な色でオブジェクトが印刷されてしまう状態にあることを、確実に把握し得る。この結果、当該テープ印刷装置は、当該オブジェクトを印刷する前に、カートリッジの交換等の適切な対応を行うことができ、当該テープ印刷装置は、不適切な色でのオブジェクトの印刷を防止し得る。更に、テープの無駄な消費を抑えることもできる。
【0019】
そして、請求項6記載のテープ印刷装置は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載のテープ印刷装置であって、前記記憶手段は、前記印刷データを構成可能なオブジェクト毎に、当該オブジェクトを印刷する上で適切な色を示す適切色情報を格納し、前記警告手段は、装着部に装着されているカートリッジを用いると、前記印刷データに含まれるオブジェクトが不適切な色で印刷される旨の警告を行うと共に、当該警告の対象であるオブジェクトに関連付けられた適切色情報に基づいて、当該オブジェクトの印刷に適した色を報知することを特徴とする。
【0020】
当該テープ印刷装置は、装着部に装着されているカートリッジを用いると、前記印刷データに含まれるオブジェクトが不適切な色で印刷される旨の警告を行うと共に、当該警告の対象であるオブジェクトに関連付けられた適切色情報に基づいて、当該オブジェクトの印刷に適した色を報知する。従って、当該テープ印刷装置によれば、ユーザは、適切色情報に基づく報知に従って、警告対象に係るオブジェクトの印刷に適した色を把握することができ、より適切に、カートリッジの交換等の措置を行うことができる。
【0021】
又、請求項7記載のテープ印刷装置は、請求項1乃至請求項6の何れかに記載のテープ印刷装置であって、前記警告手段は、前記印刷データが、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と前記不適切色情報が一致するオブジェクトを含む場合に、当該オブジェクトを特定可能な態様で前記警告を行うことを特徴とする。
【0022】
当該テープ印刷装置は、前記印刷データが、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と前記不適切色情報が一致するオブジェクトを含む場合に、当該オブジェクトを特定可能な態様で前記警告を行う。従って、当該テープ印刷装置によれば、ユーザは、印刷データに含まれる警告対象たるオブジェクトを特定することができるので、オブジェクトの変更等の措置を、より確実に行い得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態に係るテープ印刷装置の上面図である。
【図2】テープ印刷装置の側面図である。
【図3】テープ印刷装置のカセット収納部周辺を示す説明図である。
【図4】テープ印刷装置の制御系を示すブロック図である。
【図5】カセット種類特定テーブルの一例を示す説明図である。
【図6】不適切色特定テーブルの一例を示す説明図である。
【図7】適切色特定テーブルの一例を示す説明図である。
【図8】メイン制御プログラムのフローチャートである。
【図9】シンボル入力処理プログラムのフローチャートである。
【図10】シンボル選択画面の一例を示す説明図である。
【図11】警告メッセージ画面の一例を示す説明図である。
【図12】推奨カセット報知画面の一例を示す説明図である。
【図13】印刷処理プログラムのフローチャートである。
【図14】印刷実行画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係るテープ印刷装置を、テープカセットから排出されるテープに対して印刷を行うテープ印刷装置1に具体化した実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0025】
先ず、本実施形態に係るテープ印刷装置の概略構成について図1及び図2に基づき説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態に係るテープ印刷装置1は、本体筐体2を有しており、本体筐体2内部にテープ印刷装置1を構成する各種構成部品を格納している。本体筐体2上面の後方には、収納カバー3が開閉自在に軸支されている。当該収納カバー3は、本体筐体2内部に形成されたカセット収納部20の上方を覆う。
【0026】
カセット収納部20には、後述する複数種類のテープカセット30が着脱可能に装着される。そして、カセット収納部20には、プラテンローラ21と、テープサブローラ22と、テープ駆動ローラ軸23と、リボン巻取軸24と、サーマルヘッド25と、切断装置40が配設されている(図3参照)。カセット収納部20及びテープカセット30の構成については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0027】
そして、本実施形態に係るテープ印刷装置1において、本体筐体2には、テープ排出口6、アダプタ挿入口7、コネクタ8が形成されている。テープ排出口6は、カセット収納部20の左側面部に形成されている。印刷された印刷テープTは、当該テープ排出口6から本体筐体2外部へ排出される。アダプタ挿入口7及びコネクタ8は、本体筐体2の側面部に形成されている(図2参照)。アダプタ挿入口7には、テープ印刷装置1へ電源を供給する電源アダプタが取り付けられる。コネクタ8には、USBケーブルが取り付けられ、テープ印刷装置1と外部装置(例えば、パーソナルコンピュータ等)とを通信可能に接続する。
【0028】
テープ印刷装置1は、本体筐体2上面の前側部分に、キーボード10を有している。当該キーボード10は、文字入力キー11と、印刷キー12と、リターンキー13と、カーソルキー14と、機能キー15と、電源キー16と、シンボルキー17等の複数の入力キーを備える。文字入力キー11は、アルファベット、数字、記号等のキャラクタを示す複数のキーにより構成され、複数のキャラクタを含み得るテキストデータを作成する際に入力される。印刷キー12は、テキストデータや後述する印刷データ等を印刷テープTに印刷する際に入力される。リターンキー13は、改行指令や各種処理の実行、選択確定を指令する際に入力される。カーソルキー14は、液晶ディスプレイ5(図1参照)に表示されたカーソルを、上下、左右に移動させる際に入力される。機能キー15は、テープ印刷装置1における各種機能を選択する際に入力される。電源キー16は、テープ印刷装置1に対する電源投入を切り替える際に入力される。シンボルキー17は、印刷データとして、シンボルマーク等のシンボルオブジェクトを入力する際に操作される。又、キーボード10の下側には、後述する制御回路部50が形成された制御基板9が配設されている(図2参照)。
【0029】
そして、テープ印刷装置1は、本体筐体2上面のキーボード10後方部分に、液晶ディスプレイ5を有する。当該液晶ディスプレイ5は、2階調表示可能な表示装置であり、文字入力キー11やシンボルキー17により入力されたテキストやシンボルオブジェクト、後述するシンボル選択画面(図10参照)、警告メッセージ画面(図11参照)、推奨カセット報知画面(図12参照)等を表示する。
【0030】
次に、テープ印刷装置1のカセット収納部20及びテープカセット30の構成について、図3を参照しつつ詳細に説明する。先ず、カセット収納部20の構成について説明する。
【0031】
上述したように、カセット収納部20には、サーマルヘッド25が配設されている。当該サーマルヘッド25は、所定個数(本実施形態では、256個)の発熱素子と、放熱板25Aにより構成される。放熱板25Aは、正面視略縦長四角形の平板状で、メッキ鋼板やステンレス鋼板等により形成されている。そして、当該放熱板25Aには、所定個数の各発熱素子が、放熱板25Aの左端縁部の辺に平行に、一列に配設され、接着剤等によって固着されている。そして、放熱板25Aは、テープカセット30の開口部35(図3参照)に対応する位置に、ビス止め等によって、カセット収納部20底面に略垂直に立設されて固設されている。従って、各発熱素子の配列方向は、印刷テープTの搬送方向に略直交する。
【0032】
又、当該カセット収納部20には、プラテンローラ21と、テープサブローラ22と、テープ駆動ローラ軸23と、リボン巻取軸24等が配設されている。プラテンローラ21は、上述したサーマルヘッド25と対向する位置に配設されており、印刷テープTをサーマルヘッド25の各発熱素子へ押圧しつつ搬送する。
【0033】
テープサブローラ22、テープ駆動ローラ軸23は、プラテンローラ21よりも印刷テープTの搬送方向下流側に配設されている。テープ駆動ローラ軸23は、テープサブローラ22と対向する位置に配設されており、後述のステッピングモータ等により構成されるテープ搬送モータ62(図4参照)から適宜の伝達機構を介して回転駆動され、テープ搬送ローラ36(図3参照)を回転駆動する。リボン巻取軸24は、テープ搬送モータ62から適宜の駆動機構を介して回転駆動され、テープカセット30内の印刷テープTを搬送する。
【0034】
本実施形態に係るテープ印刷装置1においては、複数種類のテープカセット30を、カセット収納部20に装着可能に構成されている。テープカセット30の種類は、テープカセット30に収納されているテープの種類、背景色、印刷色、幅等により分類される。
【0035】
テープの種類としては、ラミネートテープ、レセプターテープ、布テープを挙げることができる。ラミネートテープは、印刷面側を透明フィルムで保護するように構成されたテープであり、インクリボンを用いて印刷されるように構成されているテープである。そして、レセプターテープは、テープ表面(印刷面)を露出した構成のテープであり、感熱発色性を有するテープ(例えば、感熱テープ等)により構成される。布テープは、アイロンを使用して、衣類等に張り付けることができる布製のテープである。
【0036】
また、テープ幅は、印刷テープTの幅を意味し、本実施形態においては、6mm、9mm、12mm、18mm、24mm、36mm等の種々の幅を含む。背景色は、印刷テープTの背景を構成する部分の色を意味し、印刷色は、印刷に用いられるインクリボンの色や、感熱発色した際に発色した色を意味する。
【0037】
次に、テープカセット30の構成について説明する。本実施形態においては、テープカセット30の一例として、印刷テープTとして、ラミネートテープを収容したテープカセット30について、図面を参照しつつ説明する。尚、レセプターテープを収容したテープカセット30、布テープを収容したテープカセット30の構成については、既に公知であるため、その説明は省略する。
【0038】
図3に示すように、ラミネートテープを収容したテープカセット30は、フィルムテープF、インクリボンI、両面粘着テープDを収容しており、リール31、リボン巻取リール32、テープスプール33、テープスプール34を備えている。
【0039】
フィルムテープFは、透明テープ等により構成され、回転可能に保持されたテープスプール34に巻回された状態でテープカセット30に収納されている。インクリボンIは、フィルムテープFに印刷を施す際に用いられ、回転可能に保持されたリール31に巻回された状態でテープカセット30に収納されている。従って、ラミネートタイプのテープカセット30においては、インクリボンIの色が印刷色となる。当該インクリボンIの一端部は、回転可能に保持されたリボン巻取リール32に接続されており、使用済みのインクリボンIは、当該リボン巻取リール32に巻回される。両面粘着テープDは、回転可能に保持されたテープスプール33に、片面に剥離紙を重ね合わされた状態で巻回されており、テープスプール33から引き出された両面粘着テープDは、フィルムテープFに裏貼りされる。従って、ラミネートタイプのテープカセット30においては、両面粘着テープDの地色が、背景色となる。
【0040】
続いて、当該テープ印刷装置1で印刷を行う際のテープカセット30の動作について説明する。印刷開始に伴い、インクリボンIは、リール31から引き出され、フィルムテープFと重ねあわされた状態で、開口部35へ搬送される。そして、フィルムテープF及びインクリボンIは、開口部35において、サーマルヘッド25及びプラテンローラ21の間を通過する。従って、テープ印刷装置1は、サーマルヘッド25の各発熱素子の発熱態様を制御することで、インクリボンIを用いて所望の感熱印刷を行い得る。開口部35を通過した後、インクリボンIは、フィルムテープFから引き離され、リボン巻取リール32により巻き取られる。
【0041】
一方、両面粘着テープDは、テープスプール33から引き出され、開口部35を通過したフィルムテープF(即ち、印刷が施されたフィルムテープF)と共に、テープ搬送モータ62の駆動を受けて回転するテープ搬送ローラ36と、テープ搬送ローラ36に対向配置されるテープサブローラ22との間へ搬送される。この時、両面粘着テープDは、粘着面がフィルムテープFに面する状態で、テープ搬送ローラ36とテープサブローラ22との間へ搬送される。従って、両面粘着テープDは、テープ搬送ローラ36とテープサブローラ22により挟持・搬送されることで、フィルムテープFに貼着される。フィルムテープFに両面粘着テープDが貼着されることで、印刷テープTを構成する。その後、印刷テープTは、テープ搬送ローラ36、テープサブローラ22の協働により、テープ排出口6から排出される。
【0042】
ここで、テープカセット30の底壁部には、突出片37が設けられている。突出片37は、4つの突出爪の有無の組合せにより、当該テープカセット30の種類(テープの種類、背景色、印刷色、幅の組合せ)を示す。又、カセット収納部20底面には、カセットセンサ58(図4参照)が、テープカセット30をカセット収納部20に装着した場合に、突出片37と対向する位置に配設されている。従って、カセットセンサ58は、突出片37を構成する突出爪の組合せに応じた検出信号により、カセット収納部20に装着されているテープカセット30の種類を検出し得る。
【0043】
カセット収納部20の左側面には、切断装置40が配設されている(図3参照)。当該切断装置40は、制御回路部50による制御に基づいて、印刷テープTを切断する。切断装置40は、補助フレーム41と、固定刃42と、枢支軸43と、操作レバー44と、可動刃45により構成されている。
【0044】
補助フレーム41は、テープ印刷装置1の本体フレームの直ぐ内側に立設固定された板状のフレームである。固定刃42は、当該補助フレーム41の上縁に沿って、上向きに固着されている。又、補助フレーム41には、枢支軸43が固着されており、当該枢支軸43は、前後方向に延びる操作レバー44の前端部を回動可能に枢支する。操作レバー44において、枢支軸43よりも前側部分には、可動刃45が、固定刃42と対向するように下向きに固着されている。そして、操作レバー44の後端部は、切断用モータ64(図4参照)に連結された揺動駆動機構(図示せず)に接続されている。従って、当該テープ印刷装置1は、制御回路部50の制御により、切断用モータ64を駆動することで、可動刃45を固定刃42に接近させ、固定刃42と可動刃45の間に位置する印刷テープTを剪断する。
【0045】
次に、テープ印刷装置1の制御系について図4を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、テープ印刷装置1の中枢を担う制御回路部50は、制御基板9上に形成されている。図4に示すように、制御回路部50は、CPU51と、CGROM52と、ROM53と、EEPROM54と、RAM55と、入出力I/F56と、通信用I/F57等を備えている。
【0046】
CPU51は、テープ印刷装置1の制御の中枢を担う中央演算装置であり、後述するROM53に記憶されている各種制御プログラム(例えば、図8、図9、図13参照)を実行する。CGROM52は、各キャラクタに対応するドットパターンデータを記憶しており、液晶ディスプレイ5上にキャラクタを表示する際には、CPU51は、当該ドットパターンデータに基づいて表示する。
【0047】
ROM53は、テープ印刷装置1の制御に必要な各種制御プログラムやデータを記憶している。上記制御プログラムは、メイン制御プログラム(図8参照)、シンボル入力処理プログラム(図9参照)、印刷処理プログラム(図13参照)を含む。
【0048】
又、ROM53は、印刷用ドットパターンデータを格納している。印刷ドットパターンデータは、キャラクタの各々に関して、書体(ゴシック系書体、明朝体書体等)毎に分類され、書体毎に6種類(16、24、32、48、56、64のドットサイズ)の印刷文字サイズ分、コードデータに対応させて格納されている。
【0049】
更に、ROM53は、カセット種類特定テーブルを記憶している。ここで、カセットカセット種類特定テーブルについて、図5を参照しつつ説明する。カセット種類特定テーブルは、カセットセンサ58からの検出信号パターンに対応するテープIDに対して、夫々のテープに係るテープ幅、テープ種類、背景色、印刷色を対応付けて構成されている。従って、カセット収納部20に装着されたテープカセット30の種類に基づいて、カセットセンサ58から検出信号が出力されると、CPU51は、カセットセンサ58からの検出信号パターンと、カセット種類特定テーブルに基づいて、カセット収納部20に装着されたテープカセット30内のテープのテープ幅、テープ種類、背景色、印刷色を特定し得る。
【0050】
EEPROM54は、コネクタ8を介して外部装置(コンピュータ装置)から受信した印刷データや各種図柄データのドットパターンデータ等に登録番号を付して格納する。当該EEPROM54は、テープ印刷装置1の電源をオフしてもこれらの記憶内容を保持する。
【0051】
又、EEPROM54は、不適切色特定テーブル(図6参照)、適切色特定テーブル(図7参照)を格納している。図6に示すように、不適切色特定テーブルは、当該テープ印刷装置1において入力可能なシンボルオブジェクト毎に、当該シンボルオブジェクトの印刷に対して、不適切背景色、不適切印刷色、警告表示の有無を示す情報を対応付けて構成されている。ここで、不適切背景色とは、当該シンボルオブジェクトが一般的に示す意味や概念が不明確となる背景色、又は、当該シンボルオブジェクトに係る印刷結果の視認性を妨げる背景色を意味する。そして、不適切印刷色とは、当該シンボルオブジェクトが一般的に示す意味や概念が不明確となる印刷色、又は、当該シンボルオブジェクトに係る印刷結果の視認性を妨げる印刷色を意味する。
【0052】
具体例を挙げて、不適切背景色、不適切印刷色に関して説明すると、例えば、図6に示すシンボルオブジェクト(2)は、牛を模したシンボルマークであり、不適切背景色として「黒」が対応付けられている。当該シンボルオブジェクト(2)を、黒の背景色のテープに対して印刷すると、当該シンボルオブジェクト(2)の視認性を低下させてしまう。又、一般的に、牛は、ホルスタイン種に代表されるように、白地に黒模様であると連想されるため、当該シンボルオブジェクト(2)を、黒の背景色に印刷した場合、シンボルオブジェクト(2)が牛を示すことが不明確となる。
【0053】
そして、図6に示すように、シンボルオブジェクト(1)は、人型を模したシンボルマークであり、不適切印刷色として「赤」及び「ピンク」が対応付けられている。そして、当該シンボルオブジェクト(1)は、男性用トイレ等で用いられるように、一般に男性を示す。従って、当該シンボルオブジェクト(1)を、女性用を意味する「赤」や「ピンク」で印刷した場合、当該シンボルオブジェクト(1)が「男性」を示しているのか、「女性」を示しているのか不明確となってしまう。
【0054】
続いて、図7を参照しつつ、適切色特定テーブルについて説明する。適切色特定テーブルは、当該テープ印刷装置1において入力可能なシンボルオブジェクト毎に、当該シンボルオブジェクトの印刷に対して、適切背景色、適切印刷色を示す情報を対応付けて構成されている。ここで、適切背景色とは、当該シンボルオブジェクトが一般的に示す意味や概念が明確となる背景色、又は、当該シンボルオブジェクトに係る印刷結果の視認性を高める背景色を意味する。そして、適切印刷色とは、当該シンボルオブジェクトが一般的に示す意味や概念が明確となる印刷色、又は、当該シンボルオブジェクトに係る印刷結果の視認性を高める印刷色を意味する。
【0055】
上述したシンボルオブジェクト(1)、シンボルオブジェクト(2)の具体例に基づいて、適切印刷色、適切背景色について説明する。図7に示すように、シンボルオブジェクト(1)は、一般に男性を示すシンボルマークであり、適切印刷色として「黒」「青」が対応付けられている。一般に、「黒」や「青」は、男性用を示す色として用いられる色であるため、当該シンボルオブジェクト(1)を、適切印刷色である「黒」や「青」で印刷すれば、シンボルオブジェクト(1)が示す「男性用」という意味を、より明確に伝達可能な態様で印刷し得る。
【0056】
そして、シンボルオブジェクト(2)は、牛を示すシンボルマークであり、適切背景色として「白」、適切印刷色として「黒」が対応付けられている。そして、一般に「牛」といえば、ホルスタイン種のように「白地に黒模様」を想起するので、当該シンボルオブジェクト(2)を、適切背景色「白」のテープに、適切印刷色「黒」で印刷することで、より明確に、シンボルオブジェクト(2)が示す「牛」という意味を伝達可能な態様で印刷し得る。
【0057】
再び、図4に戻り、テープ印刷装置1の制御系について説明する。RAM55は、CPU51による各種演算結果を一時的に記憶する。当該RAM55には、印刷バッファ55A、編集入力領域55B、表示画像バッファ55C、ワーク領域55D等の各種のメモリ領域が設けられている。印刷バッファ55Aには、複数の文字や記号等の印刷用ドットパターンを格納する。サーマルヘッド25は、当該印刷バッファ55Aに記憶されているドットパターンにより、印刷データに基づくドット印刷を行う。編集入力領域55Bは、印刷データを編集する際に印刷データを格納する。又、表示画像バッファ55Cは、液晶ディスプレイ5に表示される印刷イメージデータ等を格納する。
【0058】
入出力I/F56には、キーボード10と、カセットセンサ58と、液晶ディスプレイコントローラ60と、ヘッド駆動回路61と、搬送駆動回路63と、切断駆動回路65とが夫々接続されている。カセットセンサ58は、上述したように、カセット収納部20に装着されたテープカセット30の種類を検出する。液晶ディスプレイコントローラ60は、液晶ディスプレイ5に表示データを出力する為のビデオRAMを有し、液晶ディスプレイ5の表示態様を制御する。ヘッド駆動回路61は、サーマルヘッド25の駆動制御を行う際に用いられ、サーマルヘッド25を構成する各発熱素子の発熱態様を制御する。搬送駆動回路63は、印刷データの印刷に際し、テープ搬送モータ62の駆動制御を行い、印刷テープTの搬送制御を行う。切断駆動回路65は、印刷テープTを切断する際に、切断用モータ64の駆動制御を行う。
【0059】
通信用I/F57は、例えば、USB(Universal Serial Bus)等から構成され、外部装置(コンピュータ装置)とUSBケーブル等によって接続され、当該外部装置との間で双方向データ通信を行う際に用いられる。
【0060】
次に、テープ印刷装置1のメイン制御プログラムについて、図8を参照しつつ詳細に説明する。メイン制御プログラムは、電源キー16によりテープ印刷装置1に電源が投入された時点で実行される。メイン制御プログラムの実行を開始すると、先ず、CPU51は、初期化処理を実行する(S1)。初期化処理(S1)では、CPU51は、カセット収納部20の状態に関する確認処理や、RAM55等の初期化を実行する。初期化処理(S1)を終了すると、CPU51は、S2に処理を移行する。
【0061】
S2においては、CPU51は、入力受付処理を実行する。入力受付処理(S2)では、CPU51は、キーボード10を構成する各種キーの入力操作を受け付ける。入力受付処理(S2)を終了すると、CPU51は、S3に処理を移行する。
【0062】
S3では、CPU51は、入力受付処理(S2)における入力操作が電源キー16の入力操作であるか否かを判断する。電源キー16の入力操作である場合(S3:YES)、CPU51は、メイン制御プログラムの実行を終了すると共に、テープ印刷装置1に対する電力供給を遮断する。電源キー16の入力操作でない場合(S3:NO)、CPU51は、S4に処理を移行する。
【0063】
S4に移行すると、CPU51は、入力受付処理(S2)における入力操作が文字入力操作であるか否かを判断する。具体的には、CPU51は、文字入力キー11からの入力信号に基づいて、S4の判断を行う。文字入力操作である場合(S4:YES)、CPU51は、S5に処理を移行する。文字入力操作ではない場合(S4:NO)、CPU51は、S6に処理を移行する。
【0064】
S5においては、CPU51は、文字入力操作に基づいて、文字入力処理を実行する。当該文字入力処理(S5)では、CPU51は、文字入力操作で操作された文字入力キー11に基づいて、印刷データの作成・編集を行う。その後、CPU51は、S2に処理を戻す。
【0065】
S6では、CPU51は、入力受付処理(S2)における入力操作がシンボル入力操作であるか否かを判断する。具体的には、CPU51は、シンボルキー17からの入力信号の有無に基づいて、S6の判断を行う。シンボル入力操作である場合(S6:YES)、CPU51は、S7に処理を移行する。シンボル入力操作でない場合(S6:NO)、CPU51は、S8に処理を移行する。
【0066】
S7に移行すると、CPU51は、シンボル入力処理を実行する。当該シンボル入力処理(S7)では、CPU51は、シンボル入力処理プログラム(図9参照)を実行することで、所望のシンボルオブジェクトの選択・入力を行う。シンボル入力処理(S7)の内容については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。シンボル入力処理(S7)を終了すると、CPU51は、S2に処理を戻す。
【0067】
S8においては、CPU51は、入力受付処理(S2)における入力操作が印刷キー12による印刷操作であるか否かを判断する。印刷操作である場合(S8:YES)、CPU51は、S9に処理を移行する。印刷操作でない場合(S8:NO)、CPU51は、S10に処理を移行する。
【0068】
S9では、CPU51は、印刷操作が行われたことに基づいて、印刷処理を実行する。印刷処理(S9)に移行すると、CPU51は、印刷処理プログラム(図13参照)を実行することにより、カセット収納部20に装着されているテープカセット30の印刷テープTに対して、現在入力されている印刷データを印刷する。印刷処理(S7)を終了すると、CPU51は、S2に処理を戻す。
【0069】
S10に移行すると、CPU51は、その他処理を実行する。当該その他処理では、CPU51は、入力受付処理(S2)で受け付けた入力操作に応じて、種々の処理を行う。例えば、CPU51は、その他処理(S10)において、印刷条件の設定や、切断装置40による印刷テープTの切断処理等を行う。その他処理(S10)終了後、CPU51は、S2に処理を戻す。
【0070】
続いて、シンボル入力処理(S7)で実行されるシンボル入力処理プログラムについて、図9を参照しつつ詳細に説明する。シンボル入力処理(S7)に移行すると、CPU51は、先ず、シンボル選択画面を液晶ディスプレイ5に表示することで、シンボル一覧表示する(S11)。図10に示すように、シンボル選択画面は、テープ印刷装置1で入力可能なシンボルオブジェクトを一覧表示すると共に、現在選択しているシンボルオブジェクトを示すカーソルCを表示する。シンボル一覧表示を行った後、CPU51は、S12に処理を移行する。
【0071】
S12に移行すると、CPU51は、カーソルキー14、リターンキー13の操作に基づいて、シンボル選択受付処理を実行する。ユーザは、カーソルキー14を用いてカーソルCを移動させることにより、シンボル選択画面(図10参照)に表示されているテープ印刷装置1で入力可能なシンボルオブジェクトから、所望のシンボルオブジェクトを選択する。そして、ユーザは、所望のシンボルオブジェクト上にカーソルCが位置する状態で、リターンキー13を入力することによって、当該シンボルオブジェクトの選択を確定する。リターンキー13の入力により、所望のシンボルオブジェクトの選択を確定すると、CPU51は、シンボル選択受付処理(S12)を終了し、S13に処理を移行する。
【0072】
S13においては、CPU51は、カセットセンサ58からの検出信号パターンに基づいて、カセット収納部20に装着されているテープカセット30に係るテープIDを特定し、カセット種類特定テーブル(図5参照)を参照することで、カセット色情報を取得する。当該カセット色情報は、カセット種類特定テーブルにおいて、テープIDに対応付けられた背景色と印刷色を示す情報を含んでいる。尚、以下の説明において、S13で取得したカセット色情報に係る背景色を「カセット背景色」といい、印刷色を「カセット印刷色」という。カセット収納部20に装着されているテープカセット30のカセット色情報を取得した後、CPU51は、S14に処理を移行する。
【0073】
S14に移行すると、CPU51は、シンボル選択受付処理(S12)で選択されたシンボルオブジェクト(以下、対象シンボルという)と、不適切色特定テーブル(図6参照)に基づいて、対象シンボルに対応付けられた一の不適切色情報を取得する。当該不適切色情報は、不適切色特定テーブルに規定されており、不適切背景色と、不適切印刷色と、警告表示の有無を示す情報を含んでいる。対象シンボルに係る不適切色情報を取得した後、CPU51は、S15に処理を移行する。
【0074】
S15においては、CPU51は、S13で取得したカセット色情報と、S14で取得した不適切色情報に基づいて、カセット印刷色が不適切印刷色であるか否かを判断する。カセット印刷色が不適切印刷色である場合(S15:YES)、CPU51は、S16に処理を移行する。一方、カセット印刷色が不適切印刷色でない場合(S15:NO)、CPU51は、S19に処理を移行する。
【0075】
S16では、CPU51は、S13で取得したカセット色情報と、S14で取得した不適切色情報に基づいて、カセット背景色が不適切背景色であるか否かを判断する。カセット背景色が不適切背景色である場合(S16:YES)、CPU51は、S17に処理を移行する。カセット背景色が不適切背景色でない場合(S16:NO)、CPU51は、S19に処理を移行する。
【0076】
S17に移行すると、CPU51は、S14で取得した不適切色情報に含まれる警告表示の有無を示す情報に基づいて、対象シンボルに係る警告表示が「あり」であるか否かを判断する。対象シンボルに係る警告表示が「あり」(図6中「○」)である場合(S17:YES)、CPU51は、S18に処理を移行する。一方、対象シンボルに係る警告表示が「なし」(図6中「×」)である場合(S17:NO)、CPU51は、S19に処理を移行する。
【0077】
S18では、CPU51は、警告メッセージ画面(図11参照)等を液晶ディスプレイ5に表示する。図11に示すように、警告メッセージ画面は、対象シンボルの印刷に適していないことを示す警告メッセージと、対象シンボルの画像と、「YES」「NO」「推奨カセット」の選択肢を含んでいる。選択肢「YES」は、現在装着されているテープカセット30に係る条件(背景色、印刷色)で、対象シンボルを印刷することを許容する際に選択される。選択肢「NO」は、現在装着されているテープカセット30に係る条件(背景色、印刷色)で、対象シンボルを印刷することを中止する際に選択される。選択肢「推奨カセット」は、対象シンボルの印刷に関して、推奨されるカセットに関する情報を、液晶ディスプレイ5に表示する際に操作される。
【0078】
キーボード10の操作により選択肢「推奨カセット」が選択された場合、CPU51は、推奨カセット報知画面(図12参照)を液晶ディスプレイ5に表示する。この時、CPU51は、選択肢「推奨カセット」の選択に伴い、適切色特定テーブル(図7参照)にアクセスし、対象シンボルに係る適切色情報を取得する。適切色情報は、適切色特定テーブルにおいて、対象シンボルに対して対応付けられた適切背景色と適切印刷色を含んで構成される。適切色情報を取得した後、CPU51は、当該適切色情報に係る適切背景色と適切印刷色に基づいて、対象シンボルの印刷に適したカセットを示すメッセージを生成し、当該メッセージと共に、対象シンボルに係る画像を表示する(図12参照)。
【0079】
そして、警告メッセージ画面(図11参照)において、選択肢「YES」又は「NO」の何れかが選択された場合、CPU51は、警告メッセージの表示(S18)を終了し、S20に処理を移行する。
【0080】
S19においては、CPU51は、不適切色特定テーブルにおいて、対象シンボルに係る不適切色情報の全てについて、対象シンボルに関する色判定(S14〜S17)を完了したか否かを判断する。対象シンボルに関する色判定を完了している場合(S19:YES)、CPU51は、S22に処理を移行する。一方、不適切色特定テーブルにおいて、未だ色判定に用いていない対象シンボルに係る不適切色情報が存在する場合(S19:NO)、CPU51は、S14に処理を戻し、未だ色判定に用いていない対象シンボルに係る不適切色情報を取得し、新たに取得した不適切色情報に基づく色判定を行う。
【0081】
S20では、CPU51は、警告メッセージ表示に関わらず、対象シンボルの入力を続行するか否かを判断する。具体的には、CPU51は、警告メッセージ画面(図11参照)において、選択肢「YES」が選択されたか、選択肢「NO」が選択されたかに基づいて、S20の判断を行う。警告メッセージ画面において、選択肢「YES」が選択された場合(S20:YES)、CPU51は、S21に処理を移行する。一方、警告メッセージ画面において、選択肢「NO」が選択された場合(S20:NO)、CPU51は、対象シンボルの選択を解除して、S11に処理を戻す。
【0082】
S21に移行すると、CPU51は、当該対象シンボルを警告対象から除外する警告対象除外設定を行う。具体的には、CPU51は、不適切色特定テーブルにアクセスし、対象シンボルの不適切色情報における警告表示に関する情報を、「警告表示:なし」に変更する。これにより、当該不適切色情報に係る条件の下で、対象シンボルを印刷する際に、S17の判断処理でS18に移行することなく、S19に移行するので、当該条件の下での対象シンボルの印刷時に警告メッセージ画面が表示されることはなくなる。警告対象除外設定を終了した後、CPU51は、S22に処理を移行する。
【0083】
S22においては、CPU51は、対象シンボルの入力を確定し、当該対象シンボルを印刷データに追加する。対象シンボルを印刷データに追加した後、CPU51は、シンボル入力処理プログラムを終了する。
【0084】
次に、印刷処理(S9)で実行される印刷処理プログラムについて、図13を参照しつつ詳細に説明する。印刷処理プログラムの実行を開始すると、CPU51は、先ず、印刷実行画面を液晶ディスプレイ5に表示する。図14に示すように、印刷実行画面は、印刷処理(S9)移行時における印刷データの内容を示すプレビュー画面として機能し、印刷データを構成するテキスト及びシンボルオブジェクトの内容を表示する。
【0085】
図13に示すように、CPU51は、先ず、カセット収納部20に装着されているテープカセット30に係るカセット色情報を取得する(S31)。S31の処理内容は、上述したS13と同様であるため、詳細な説明は省略する。カセット収納部20に装着されているテープカセット30のカセット色情報を取得した後、CPU51は、S32に処理を移行する。
【0086】
S32に移行すると、CPU51は、印刷処理(S9)移行時の印刷データの内容に基づいて、シンボル抽出処理を実行する。シンボル抽出処理(S32)においては、CPU51は、印刷処理(S9)移行時の印刷データの構成を参照し、当該印刷データからシンボルオブジェクトを抽出する。例えば、図14に示す印刷データの構成の場合、CPU51は、当該印刷データから、「シンボルオブジェクト(2)」及び「シンボルオブジェクト(3)」を抽出する。シンボル抽出処理(S32)を終了した後、CPU51は、S33に処理を移行する。
【0087】
S33においては、CPU51は、シンボル抽出処理(S32)の抽出結果に基づいて、対象シンボル特定処理を実行する。具体的には、CPU51は、シンボル抽出処理(S32)によって、印刷データから抽出されたシンボルオブジェクトの内、一のシンボルオブジェクトを、対象シンボルに特定する。対象シンボル特定処理(S33)を終了すると、CPU51は、S34に処理を移行する。
【0088】
S34では、CPU51は、対象シンボル特定処理(S33)で特定された対象シンボルと、不適切色特定テーブル(図6参照)に基づいて、対象シンボルに対応付けられた一の不適切色情報を取得する。対象シンボルに係る不適切色情報を取得すると、CPU51は、S35に処理を移行する。
【0089】
S35に移行すると、CPU51は、S31で取得したカセット色情報と、S34で取得した不適切色情報に基づいて、カセット印刷色が不適切印刷色であるか否かを判断する。カセット印刷色が不適切印刷色である場合(S35:YES)、CPU51は、S36に処理を移行する。一方、カセット印刷色が不適切印刷色でない場合(S35:NO)、CPU51は、S39に処理を移行する。
【0090】
S36では、CPU51は、S31で取得したカセット色情報と、S34で取得した不適切色情報に基づいて、カセット背景色が不適切背景色であるか否かを判断する。カセット背景色が不適切背景色である場合(S36:YES)、CPU51は、S37に処理を移行する。カセット背景色が不適切背景色である。一方、カセット背景色が不適切背景色でない場合(S36:NO)、CPU51は、S39に処理を移行する。
【0091】
S37に移行すると、CPU51は、S34で取得した不適切色情報に含まれる警告表示の有無を示す情報に基づいて、対象シンボルに係る警告表示が「あり」であるか否かを判断する。対象シンボルに係る警告表示が「あり」である場合(S37:YES)、CPU51は、S38に処理を移行する。一方、対象シンボルに係る警告表示が「なし」である場合(S37:NO)、CPU51は、S39に処理を移行する。
【0092】
S38では、CPU51は、S33で特定した対象シンボルと、S34で取得した不適切色情報に基づいて、警告メッセージを生成する。当該警告メッセージは、図11と同様に、S33で特定した対象シンボルの印刷に適していないことを示す警告メッセージと、当該対象シンボルの画像を含む。生成した警告メッセージをRAM55に格納した後、CPU51は、S40に処理を移行する。
【0093】
S39においては、CPU51は、S33で特定した対象シンボルに係る不適切色情報の全てについて、対象シンボルに関する色判定(S34〜S37)を完了したか否かを判断する。S33で特定した対象シンボルに関する色判定を完了している場合(S39:YES)、CPU51は、S40に処理を移行する。一方、S33で特定した対象シンボルに関する色判定を完了していない場合(S39:NO)、CPU51は、S34に処理を戻して、新たに不適切色情報を取得し、当該不適切色情報に基づく色判定を行う。
【0094】
S40に移行すると、CPU51は、印刷データに含まれる全てのシンボルオブジェクトに対する色判定(S34〜S37)を完了したか否かを判断する。印刷データに含まれる全てのシンボルオブジェクトに対する色判定を完了している場合(S40:YES)、CPU51は、S41に処理を移行する。一方、印刷データに含まれる全てのシンボルオブジェクトに対する色判定を完了していない場合(S40:NO)、CPU51は、S33に処理を戻す。
【0095】
S41では、CPU51は、RAM55の記憶内容を参照し、S38で生成された警告メッセージが存在するか否かを判断する。警告メッセージが存在する場合(S41:YES)、CPU51は、S42に処理を移行する。一方、警告メッセージがRAM55に存在しない場合(S41:NO)、CPU51は、S45に処理を移行する。
【0096】
S42においては、CPU51は、警告メッセージ画面(図11参照)等を液晶ディスプレイ5に表示する。警告メッセージ画面(図11参照)に関する処理、及び、推奨カセット報知画面(図12参照)に関する処理については、既にS18の処理内容として説明している為、再度の説明は省略する。尚、S42においては、CPU51は、キーボード10に対する操作に基づいて、警告メッセージ画面、推奨カセット報知画面の対象となる対象シンボルを変更する。そして、警告メッセージ画面(図11参照)において、選択肢「YES」又は「NO」の何れかが選択された場合、CPU51は、S43に処理を移行する。
【0097】
S43に移行すると、CPU51は、警告メッセージ表示に関わらず、警告対象に係るシンボルを含む印刷データの印刷を続行するか否かを判断する。即ち、警告メッセージ画面において、選択肢「YES」が選択された場合(S43:YES)、CPU51は、S44に処理を移行する。一方、警告メッセージ画面において、選択肢「NO」が選択された場合(S43:NO)、CPU51は、当該印刷データを印刷することなく、印刷処理プログラムを終了する。
【0098】
S44に移行すると、CPU51は、当該印刷データに含まれるシンボルを警告対象から除外する警告対象除外設定を行う。具体的には、CPU51は、不適切色特定テーブルにアクセスし、当該印刷データに含まれるシンボルオブジェクトの不適切色情報における警告表示に関する情報を、「警告表示:なし」に変更する。警告対象除外設定を終了した後、CPU51は、S45に処理を移行する。
【0099】
S45においては、CPU51は、印刷処理(S9)移行時の印刷データに基づいて、印刷実行処理を実行する。印刷実行処理(S45)の処理内容については、既に公知である為、その詳細な説明は省略する。印刷実行処理(S45)の終了後、CPU51は、印刷処理プログラムを終了する。
【0100】
以上説明したように、本実施形態に係るテープ印刷装置1は、サーマルヘッド25によって、カセット収納部20に装着されたテープカセット30のテープに対して、当該テープカセット30固有の色条件(カセット背景色、カセット印刷色)に従って、印刷データを印刷する。そして、当該テープ印刷装置1は、カセットセンサ58により検出されたカセット色情報と、前記印刷データに含まれるシンボルオブジェクトの不適切色情報とを比較し(S35〜S36)、当該シンボルオブジェクトの不適切色情報が、カセット色情報と一致した場合(S35:YES、S36:YES)に、警告メッセージ画面(図11参照)を液晶ディスプレイ5に表示する(S18、S42)。従って、当該テープ印刷装置1によれば、ユーザは、警告メッセージ画面を表示することにより、シンボルオブジェクトが不適切な色で印刷される状況にあることを把握することができ、テープカセット30の交換等の適切な対応を行い得る。そして、当該テープ印刷装置1は、不適切な色でのシンボルオブジェクトの印刷を防止することができ、テープの無駄な消費を抑えることもできる。
【0101】
又、当該テープ印刷装置1は、カセット色情報、不適切色情報の何れにおいても、背景色、印刷色を含んでいる為(図5、図6参照)、カセット収納部20に装着されているテープカセット30では、シンボルオブジェクトが不適切な色で印刷される状況を検出することができ、もって、適切に警告メッセージ画面による報知を行い得る。
【0102】
そして、当該テープ印刷装置1は、警告メッセージ画面において選択肢「NO」が選択された場合、対象シンボルに係る不適切色情報において、「警告表示:なし」を設定する。そして、当該不適切情報に「警告表示:なし」が設定されている場合(S17:NO、S37:NO)、当該テープ印刷装置1は、同一条件の下で警告メッセージ画面を表示することはない。従って、当該テープ印刷装置1は、ユーザが一度、配色に問題がないと判断したシンボルオブジェクトを、同一条件の下で何度も警告することはなく、よりユーザの好みに適した仕様にすることができる。
【0103】
更に、当該テープ印刷装置1は、シンボルオブジェクトの入力時、及び、当該印刷データの印刷実行直前において、カセット色情報と不適切色情報の比較を行い、カセット色情報が不適切色情報と一致した場合に、警告メッセージ画面を表示する。従って、警告メッセージ画面の表示によって、ユーザは、印刷実行前に、シンボルオブジェクトが不適切な色で印刷される状況を把握することができ、より適切に、カートリッジの交換や、シンボルオブジェクトの変更等の措置を行うことができる。
【0104】
又、警告メッセージ画面が表示されている状態で、選択肢「推奨カセット」が選択された場合、テープ印刷装置1は、適切色特定テーブルの内容に基づいて、推奨カセット報知画面(図12参照)を表示する。従って、ユーザは、推奨カセット報知画面の表示により、警告対象に係るシンボルオブジェクトの印刷に適した色を把握することができ、より適切に、テープカセット30の交換等の措置を行うことができる。
【0105】
そして、当該テープ印刷装置1において、警告メッセージ画面(図11参照)は、一の対象シンボル毎に表示される為、ユーザは、警告の対象であるシンボルオブジェクトを確実に特定することができ、シンボルオブジェクトの変更等の措置を、より確実に行い得る。
【0106】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、本実施形態においては、図11に示すように、警告メッセージ画面において、「対象シンボルの印刷に際し、カセット収納部20に装着されているテープカセット30では不適切である旨」のみを報知していたが、この態様に限定されるものではない。例えば、不適切色情報又はカセット色情報に基づいて、当該テープカセット30における背景色、印刷色を報知してもよい。
【0107】
又、本実施形態においては、推奨カセット報知画面(図12参照)で、適切印刷色及び適切背景色を報知する構成であったが、この態様に限定されるものではない。例えば、適切印刷色及び適切背景色に該当するテープカセット30(推奨カセット)に関する詳細情報を報知してもよい。具体的には、推奨カセットに該当するテープカセット30の製品番号や、推奨カセットに該当するテープカセット30の詳細情報が掲載されたホームページのURLを報知してもよい。
【0108】
又、本実施形態においては、テープカセット30の印刷色が不適切印刷色に該当し、且つ、テープカセット30の背景色が不適切背景色に該当する場合、対象シンボルに係る警告表示の有無に関する判断処理(S17、S37)を実行するように構成していたが、この態様に限定されるものではない。例えば、印刷色及び背景色の何れか一方が不適切であると判断した時点で、対象シンボルに係る警告表示の有無に関する判断処理(S17、S37)を実行するように構成することも可能である。
【符号の説明】
【0109】
1 テープ印刷装置
5 液晶ディスプレイ
10 キーボード
20 カセット収納部
25 サーマルヘッド
30 テープカセット
50 制御回路部
51 CPU
53 ROM
54 EEPROM
55 RAM
58 カセットセンサ
T 印刷テープ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープを保持するカートリッジが着脱可能に装着される装着部と、
前記装着部に装着されたカートリッジのテープに対して、当該カートリッジ固有の色条件に従って、印刷データを印刷する印刷手段と、
を有するテープ印刷装置であって、
前記装着部に装着されたカートリッジの色条件を示す色情報を検出する検出手段と、
前記印刷データを構成可能なオブジェクト毎に、当該オブジェクトを印刷する上で不適切な色を示す不適切色情報を格納する記憶手段と、
前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と、前記印刷データに含まれるオブジェクトの不適切色情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段により、前記印刷データに含まれるオブジェクトの不適切色情報が、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と一致した場合に、
前記装着部に装着されているカートリッジを用いると、当該オブジェクトが不適切な色で印刷される旨の警告を行う警告手段と、を有する
ことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項2】
請求項1記載のテープ印刷装置であって、
前記カートリッジの色条件は、
前記カートリッジに保持されているテープの背景色に基づく背景色条件と、
前記カートリッジに保持されているテープに対する印刷に用いられる印刷色に基づく印刷色条件と、を含む
ことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のテープ印刷装置であって、
前記印刷手段によって、前記装着部に装着されたカートリッジのテープに対して、前記印刷データに基づく印刷を実行する際に操作される印刷実行操作手段と、を有し、
前記記憶手段は、
前記警告手段によって前記警告が行われた状態で、前記印刷実行操作手段に対する操作が行われ、前記印刷データの印刷が実行された場合に、
当該印刷データに含まれ、前記警告手段による警告の対象となったオブジェクトに対して、除外情報を関連付けて記憶し、
前記警告手段は、
前記印刷データに含まれるオブジェクトの不適切色情報が、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と一致した場合であっても、当該オブジェクトに対して前記除外情報が関連付けられていれば、当該オブジェクトを警告対象から除外する
ことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載のテープ印刷装置であって、
前記印刷データを入力可能な入力手段を有し、
前記警告手段は、
前記入力手段によって前記印刷データが入力された時点で、前記警告を行う
ことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載のテープ印刷装置であって、
印刷データを入力可能な入力手段と、
前記印刷手段によって、前記装着部に装着されたカートリッジのテープに対して、前記印刷データに基づく印刷を実行する際に操作される印刷実行操作手段と、を有し、
前記警告手段は、
前記印刷実行操作手段に対する操作が行われた時点で、前記警告を行う
ことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載のテープ印刷装置であって、
前記記憶手段は、
前記印刷データを構成可能なオブジェクト毎に、当該オブジェクトを印刷する上で適切な色を示す適切色情報を格納し、
前記警告手段は、
装着部に装着されているカートリッジを用いると、前記印刷データに含まれるオブジェクトが不適切な色で印刷される旨の警告を行うと共に、
当該警告の対象であるオブジェクトに関連付けられた適切色情報に基づいて、当該オブジェクトの印刷に適した色を報知する
ことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れかに記載のテープ印刷装置であって、
前記警告手段は、
前記印刷データが、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と前記不適切色情報が一致するオブジェクトを含む場合に、当該オブジェクトを特定可能な態様で前記警告を行う
ことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項1】
テープを保持するカートリッジが着脱可能に装着される装着部と、
前記装着部に装着されたカートリッジのテープに対して、当該カートリッジ固有の色条件に従って、印刷データを印刷する印刷手段と、
を有するテープ印刷装置であって、
前記装着部に装着されたカートリッジの色条件を示す色情報を検出する検出手段と、
前記印刷データを構成可能なオブジェクト毎に、当該オブジェクトを印刷する上で不適切な色を示す不適切色情報を格納する記憶手段と、
前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と、前記印刷データに含まれるオブジェクトの不適切色情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段により、前記印刷データに含まれるオブジェクトの不適切色情報が、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と一致した場合に、
前記装着部に装着されているカートリッジを用いると、当該オブジェクトが不適切な色で印刷される旨の警告を行う警告手段と、を有する
ことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項2】
請求項1記載のテープ印刷装置であって、
前記カートリッジの色条件は、
前記カートリッジに保持されているテープの背景色に基づく背景色条件と、
前記カートリッジに保持されているテープに対する印刷に用いられる印刷色に基づく印刷色条件と、を含む
ことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のテープ印刷装置であって、
前記印刷手段によって、前記装着部に装着されたカートリッジのテープに対して、前記印刷データに基づく印刷を実行する際に操作される印刷実行操作手段と、を有し、
前記記憶手段は、
前記警告手段によって前記警告が行われた状態で、前記印刷実行操作手段に対する操作が行われ、前記印刷データの印刷が実行された場合に、
当該印刷データに含まれ、前記警告手段による警告の対象となったオブジェクトに対して、除外情報を関連付けて記憶し、
前記警告手段は、
前記印刷データに含まれるオブジェクトの不適切色情報が、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と一致した場合であっても、当該オブジェクトに対して前記除外情報が関連付けられていれば、当該オブジェクトを警告対象から除外する
ことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載のテープ印刷装置であって、
前記印刷データを入力可能な入力手段を有し、
前記警告手段は、
前記入力手段によって前記印刷データが入力された時点で、前記警告を行う
ことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載のテープ印刷装置であって、
印刷データを入力可能な入力手段と、
前記印刷手段によって、前記装着部に装着されたカートリッジのテープに対して、前記印刷データに基づく印刷を実行する際に操作される印刷実行操作手段と、を有し、
前記警告手段は、
前記印刷実行操作手段に対する操作が行われた時点で、前記警告を行う
ことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載のテープ印刷装置であって、
前記記憶手段は、
前記印刷データを構成可能なオブジェクト毎に、当該オブジェクトを印刷する上で適切な色を示す適切色情報を格納し、
前記警告手段は、
装着部に装着されているカートリッジを用いると、前記印刷データに含まれるオブジェクトが不適切な色で印刷される旨の警告を行うと共に、
当該警告の対象であるオブジェクトに関連付けられた適切色情報に基づいて、当該オブジェクトの印刷に適した色を報知する
ことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れかに記載のテープ印刷装置であって、
前記警告手段は、
前記印刷データが、前記検出手段により検出された前記カートリッジの色条件と前記不適切色情報が一致するオブジェクトを含む場合に、当該オブジェクトを特定可能な態様で前記警告を行う
ことを特徴とするテープ印刷装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−43300(P2013−43300A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180695(P2011−180695)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]