説明

ディスプレイモジュール

電子装置は、ディスプレイを有することができる。ディスプレイは、ディスプレイ基板層上に形成された表示ピクセルのような活性構成要素を有することができる。ディスプレイ基板層は、ガラス基板層から形成することができる。薄膜トランジスタ及び表示ピクセルのための他の構成要素は、ガラス基板上に形成することができる。封入ガラス層は、リング形状の結合構造体を使用してガラス基板に結合することができる。リング形状の結合構造体は、封入ガラス層及び基板ガラス層の周囲の周りに延びることができる。結合構造体は、ガラスフリット、中実ガラスリング、ガラス層の一体型隆起ガラス部分、溶融可能な金属合金、又は他の結合材料から形成することができる。化学的及び物理的処理作業を用いて、ガラス層を焼き戻し、焼きなまし作業を実行し、ガラス層を予熱し、かつ接着を促進することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年7月15日出願の米国特許仮出願第61/225,870号明細書及び2009年10月29日出願の米国特許出願第12/608,928号明細書に対する優先権を請求するものであり、これらの特許は、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている。
【0002】
本発明は、電子装置に関し、より具体的には、電子装置のためのディスプレイに関する。
【背景技術】
【0003】
携帯電話、手持ち式コンピュータ、及び携帯型音楽プレーヤのような電子装置は、ディスプレイを含むことが多い。ディスプレイは、一般的に、個々に制御可能なピクセルのアレイを含む。薄膜トランジスタのようなトランジスタは、ピクセルを制御する際に使用することができる。例えば、発光ダイオードを含むピクセルにおいて、トランジスタは、発光ダイオードを制御する際に使用することができ、液晶ベースのピクセルにおいては、トランジスタは、液晶材料の状態を制御する際に使用することができる。これらのような構成を使用して、ピクセルは、ユーザのための視覚情報を呈示するのに使用することができる。
【0004】
薄膜トランジスタ及び表示ピクセルを形成する他の材料は、一般的にガラス基板上に形成される。薄膜トランジスタのアレイが上に形成されたガラス基板は、時に薄膜トランジスタ(TFT)ガラス基板又はTFTガラスと呼ばれる。
【0005】
未密封TFTガラス基板は、湿度及び他の環境ファクタへの露出による損傷を受けやすい。その結果、封入ガラスの層を使用して、TFTガラス上の構成要素を封入する。
【0006】
従来の構成では、TFTガラスと封入ガラスの間の周囲シールは、ガラスフリット(すなわち、ガラスを形成するために溶融することができる小さい粒子)を使用して形成される。ガラスフリットは、TFTガラス上の電気的構造を取り囲むようにTFTガラスの周囲周りに置かれる。封入ガラスは、ガラスフリットの上に置かれる。ガラスフリットが、TFTガラス及び封入ガラス間に挟持された状態で、レーザを使用してガラスフリットを溶融する。得られる封入されたTFTガラスは、ディスプレイモジュールを形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
溶融フリットは、TFTガラスと封入ガラスの間の密封シールを形成する。シールは、ディスプレイモジュールの密封内部部分への環境侵入を防止するのに適している。しかし、このタイプの密封ディスプレイモジュールを形成する従来材料及び工程は、想定外の衝撃を受けた時に満足に損傷に耐えることができない場合がある。従って、ディスプレイモジュールを形成する改良型方法を提供することができれば望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ディスプレイモジュール及びディスプレイモジュールを形成する方法を提供する。ディスプレイモジュールは、薄膜トランジスタと他のディスプレイ構成要素とを含む薄膜トランジスタ(TFT)ガラス基板層を含むことができる。これらの構成要素は、環境露出に敏感である場合がある。封入ガラスの層は、敏感な構成要素を封入するのに使用することができる。TFTガラス及び封入ガラスは、ディスプレイモジュールを収容する電子装置が不注意に落ちた時に損傷の可能性を最小にするのを助ける結合構造体及び結合技術を使用して結合することができる。
【0009】
結合構造体は、TFTガラスと封入ガラスの間のシールを形成する際に使用することができる。結合構造体は、ガラス層の周囲を取り囲むリング形状の結合領域に形成することができる。結合構造体は、実質的に矩形のリング形状に形成することができる。
【0010】
結合構造体を形成するためにフリットとして公知である小さいガラス片を使用することができる。フリットは、研磨又は濾過され、ある一定のサイズの滑らかな研磨フリットを結合構造体に使用することを保証することができる。エポキシ及び他の接着剤も、結合構造体に使用することができる。吸光材料も結合構造体に含めて結合形成中のレーザ溶融を容易にすることができる。
【0011】
亀裂形成からの損傷のようなディスプレイモジュール損傷は、結合形成中に熱がガラス層の周囲に印加された時にガラス層内の過剰な応力から生じる場合がある。応力を低減するために、ガラス層が結合形成中に膨張した状態に置かれるように第2の熱源をガラス層に印加することができる。熱処理又は化学処理による焼戻しを用いることもできる。
【0012】
リング形状のガスケットのような結合材料の中実ガスケットも、結合構造体を形成するのに使用することができる。ガスケットは、ばらのフリット材料を使用することに加えて又はその代わりに、中実ガラスのリングから形成することができる。ガスケットは、実質的に矩形のリング形状を有することができる。
【0013】
隆起したリング形状面も、ソーダ石灰のような材料を使用してガラス層の周囲の周りに形成することができる。隆起リング形状面は、ばらのフリット材料を使用することに加えて又はその代わりに使用することができる。
【0014】
金属合金も結合構造体を形成するのに使用することができる。金属合金の堆積の前に、接着促進層をガラス面上に形成することができる。
【0015】
結合構造体のいずれかも、レーザ又は他の局所的熱源を使用して焼き鈍しすることができる。
【0016】
本発明の更に別の特徴、その性質、及び様々な利点は、添付図面及び好ましい実施形態の以下の詳細説明からより明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態によるディスプレイを有する例示的な携帯型電子装置の図である。
【図2】本発明の実施形態による例示的なディスプレイモジュールの斜視図である。
【図3】本発明の実施形態による例示的なディスプレイモジュールの断面側面図である。
【図4】本発明の実施形態によりディスプレイモジュールを形成する例示的な機器を示す流れ図である。
【図5】本発明の実施形態によりフリット粒子をどのように研磨することができるかを示す図である。
【図6】本発明の実施形態により結合形成中にガラス層を加熱するために熱源をどのように使用することができるかを示す図である。
【図7】本発明の実施形態によるガラス層の例示的な焼戻しを示す図である。
【図8A】本発明の実施形態により結合材料を形成するために結合材料の中実ガスケットをどのように使用することができるかを示す図である。
【図8B】本発明の実施形態により結合材料を形成するために結合材料の中実ガスケットをどのように使用することができるかを示す図である。
【図9A】本発明の実施形態により隆起面構成を使用してガラス層を結合する例示的な手法を示す図である。
【図9B】本発明の実施形態により隆起面構成を使用してガラス層を結合する例示的な手法を示す図である。
【図9C】本発明の実施形態により隆起面構成を使用してガラス層を結合する例示的な手法を示す図である。
【図9D】本発明の実施形態により隆起面構成を使用してガラス層を結合する例示的な手法を示す図である。
【図9E】本発明の実施形態により隆起面構成を使用してガラス層を結合する例示的な手法を示す図である。
【図9F】本発明の実施形態により隆起面構成を使用してガラス層を結合する例示的な手法を示す図である。
【図9G】本発明の実施形態により隆起面構成を使用してガラス層を結合する例示的な手法を示す図である。
【図10A】本発明の実施形態によりガラス層を結合するのにどのように金属合金を使用することができるかを示す図である。
【図10B】本発明の実施形態によりガラス層を結合するのにどのように金属合金を使用することができるかを示す図である。
【図10C】本発明の実施形態によりガラス層を結合するのにどのように金属合金を使用することができるかを示す図である。
【図10D】本発明の実施形態によりガラス層を結合するのにどのように金属合金を使用することができるかを示す図である。
【図10E】本発明の実施形態によりガラス層を結合するのにどのように金属合金を使用することができるかを示す図である。
【図11】本発明の実施形態により熱の局所的印加をどのように焼き鈍しに使用することができるかを示す図である。
【図12】本発明の実施形態により結合構造体を複数の隣接材料又は構造体からどのように形成することができるかを示す図である。
【図13】本発明の実施形態によりガラス層からディスプレイモジュールを形成する際の例示的な段階を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
コンピュータ、手持ち式装置、コンピュータモニタ、テレビ、携帯電話、メディアプレーヤ、及び他の機器のような電子装置は、ディスプレイを有することができる。例を図1に示している。図1の例において、装置10は、携帯型メディアプレーヤ、タブレット型コンピュータ、手持ち式電子装置、又は携帯電話のような携帯式装置である。これは、単に例示的なものである。装置10は、一般的に、あらゆる適切な電子装置とすることができる。図1の構成は、一例である。
【0019】
図1に示すように、携帯型電子装置10は、ハウジング12を有することができる。時にはケースと呼ぶハウジング12は、1つ又はそれよりも多くの個々の構造体から形成することができる。例えば、ハウジング12は、機械加工されたアルミニウム又は他の適切な金属の中実ブロックから形成された主な構造支持部材を有することができる。1つ又はそれよりも多くの付加的な構造体は、ハウジング12に接続することができる。これらの構造体は、例えば、内部フレーム部材、すなわち、金属シートなどのような外部覆いを含むことができる。ハウジング12及びその関連の構成要素は、一般的に、プラスチック、セラミック、金属、ガラスなどのようなあらゆる適切な材料から形成することができる。オーディオジャック及びデータポートのような入出力ポート、ボタンのようなユーザ入力インタフェース構成要素、及び他の入出力装置をハウジング12内に設けることができる。
【0020】
ディスプレイ14のようなディスプレイは、ハウジング12内に取り付けることができる。ディスプレイ14は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、又はプラズマディスプレイとすることができる(例として)。タッチセンサ電極は、ディスプレイ14にタッチ感知機能を与えるためにディスプレイ14内に含めることができる(例えば、タッチスクリーン)。ディスプレイ14は、材料のいくつかの層を含むことができる。これらの層は、例えば、光透過ガラスの層を含むことができる。プラスチック及び光学接着剤の層をディスプレイ14に組み込むことができる。液晶ディスプレイは、偏光子層、光拡散要素、背面光構造体のための導光体、及び液晶層を有することができる。有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイは、光を生成する際に使用される有機材料を有することができる。
【0021】
薄膜トランジスタ(TFT)アレイのような回路構成要素のアレイは、ディスプレイ内の画像ピクセルを駆動するのに使用することができる。回路のこのアレイは、一般的にガラスのような基板材料上に形成される。ディスプレイのための薄膜トランジスタ及び/又は他の回路が形成される基板ガラス層は、従って、時にはTFTガラス基板又はTFTガラスと呼ばれる。
【0022】
TFTガラス上の薄膜トランジスタ及び他の回路は、ガラス(時には封入ガラスと本明細書で呼ぶ)の層でディスプレイを密封することによって環境露出から保護することができる。インジウムスズ酸化物(ITO)トレースのような導電トレースは、ディスプレイ14のタッチセンサ部分のために容量性電極を形成するのに使用することができる。導電トレースは、ディスプレイのガラス層の1つ又はそれよりも多くの側面上に形成することができる。
【0023】
封入ガラスの層が取り付けられたTFTガラス層のようなディスプレイ構造体は、ディスプレイ14の一部を形成し、従って、時にはディスプレイ構造体又はディスプレイモジュールと本明細書で呼ぶ。
【0024】
図1に示すように、ディスプレイ14は、ベゼル16のような構造体を使用してケース12内に取り付けることができる。ベゼル16は、ケース12又は個別の構造体の一部から形成することができる。可視のベゼルがないディスプレイ取り付け構成を使用することもできる。
【0025】
TFTガラス層及び封入層は、それらの縁部で互いに結合することができる。一般的に、この結合領域に関連付けられた幅が存在する。装置10の美観を改善するために、確実に結合領域幅があまり大きくないようにすることが望ましいであろう。これは、ディスプレイ14が装置10内に(例えば、ベゼル16の背後に)取り付けられた時に、結合領域を見えないように隠すのを助けることができる。
【0026】
TFTガラス層の表面上へ封入ガラスを結合する時には薄い結合領域が望ましいが、薄いすぎる結合領域は、ディスプレイを損傷を受けやすくする場合がある。従って、ディスプレイ14に耐久性がありかつ耐衝撃性の結合部を設けることが望ましい。
【0027】
例示的なディスプレイモジュールの分解斜視図を図2に示している。図2に示すように、ディスプレイモジュール18は、層22(すなわち、TFTガラス基板層)及び層20(すなわち、封入ガラス層)を含むことができる。結合構造体24は、封入ガラス20とTFTガラス22の間にシールを形成する際に使用することができる。結合構造体24は、層22及び20の周囲を取り囲み、それによって薄膜トランジスタ及び他の表示ピクセル回路26のような電気構成要素26を取り囲むリング形状の結合領域に形成することができる。ガスケット構造体24は、実質的に矩形のリング形状を有することができる。ディスプレイモジュール18は、図1のディスプレイ14の全て又は一部を形成することができる。
【0028】
ディスプレイモジュール18の断面側面図を図3に示している。図3に示すように、結合構造体24は、電気構成要素26の周囲の周りに密封シールを形成するのに使用することができる。それによってディスプレイモジュール18の内部への環境侵入が防止される。
【0029】
結合構造体24は、ガラス層20と22の間に1つ又は複数の個別材料を設けることによって形成することができる。例えば、結合構造体24は、ガラスの小片を含むことができる。時にはガラスフリット又はフリットと呼ぶこれらのガラス片は、溶融してディスプレイモジュール18のためのガラスシールを形成するように熱に露出させることができる。フリットを形成する一般的な材料には、酸化物がある。フリット内の成分酸化物のアイデンティティ及び各酸化物の相対量は、フリットが望ましい熱膨張率を有するように選ぶことができる。例えば、フリットの構成は、結合構造体24の熱膨張率が層20及び22の熱膨張係数に適合するように選択することができる。
【0030】
必要に応じて、結合構造体24は、エポキシ接着剤及び他の接着剤、錫ベースの半田又は鉛ベースの半田のような溶融点が比較的低い金属合金、ろう接継手(時にはろう付又はろう付合金と呼ぶ)を形成する真鍮ベースの合金、バルクガラス、層20及び22の隆起部分、接着促進層、処理表面、及び他の処理構造体などを含むことができる。層20及び22は、硼珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、又は他の適切なガラスから形成することができる。
【0031】
図2及び図3のディスプレイモジュール18を形成する例示的な機器を図4に示している。図4に示すように、半導体及びガラス製造ツール28は、ガラス層20及び22のようなガラス層を形成するのに使用することができる。ツール28は、TFT層22上の薄膜トランジスタのような電気構成要素を形成するのに使用することができる。
【0032】
ツール30は、TFTガラス22に封入ガラス20を装着する際に使用することができる。ツール30は、物理層堆積ツールのようなガラス層上に材料の層を堆積させるツールを含むことができる。ツール30は、堆積材料をパターン化するフォトリソグラフィツール又は他のツールを含むことができる。
【0033】
ツール30内の物理層堆積ツールは、スパッタリングツール、堆積ツール、及び吹付け技術、スピンオン技術、及びスクリーン印刷により材料を堆積させるツールを含むことができる(例として)。これらのツールは、金属、金属合金、誘電体、ポリマー、ガラス、半導体(例えば、ITOのような導電半導体)、他の適切な材料、又はこれらの材料の組合せを付加するのに使用することができる。フリットのような材料は、ノズルから分注するか、又はスクリーン印刷を用いてガラス層に付加することができる。スクリーン印刷技術による付加を容易にするために、結合剤及び液体をフリットに組み込んでフリットがペーストの固さを有することを保証することができる。
【0034】
ツール30は、半田、ろう付け、及び他の溶融可能な金属合金のような他の結合構造体材料を付加するツール、ガラス層に接着剤を付加するツール、ガラス層のような表面特性を改質する(例えば、液体を使用する化学処理又は化学ペーストの付加により、摩砕、イオン衝撃などにより)ツールを含むことができる。
【0035】
結合部は、室温で硬化するエポキシのような自己硬化性材料を使用して形成することができる。満足に環境侵入を防止する高品質の結合部を保証するために、エポキシ結合部は、ガラス及び/又は金属から形成された結合部で補足するか、又はそれで置換することができる。これらの結合部は、熱及び/又は圧力を印加することによって形成することができる。例えば、フリット又は他のガラスベースの結合材料は、高圧の印加により溶融させることができる。一般的に、熱、又は熱及び圧力の組合せが用いられる。結合部形成後に、追加処理を適用することができる。例えば、ガラスフリットが、TFTガラス22に対して封入ガラス20を密封するために溶融した後に、焼き鈍し作業を溶融フリット層に対して行うことができる。
【0036】
圧力は、機械的に位置決めされた金属金型(例えば、ガラス層を特にそれらの縁部の周りで互いに押圧することができる型枠又は他のテンプレート)を使用することによって印加することができる。局所加熱は、ランプ(例えば、赤外線ランプ)、レーザ(例えば、赤外線レーザ)、炎源、誘導加熱、加熱金属チャック又は他の金属構造体(例えば、加熱プレス)、又は他の適切な熱源を使用して印加することができる。これらの局所熱源は、制御されるディスプレイモジュール18の構造体に対する熱源の移動速度及び位置を可能にするためにx−y移動ステージ上に取り付けることができる(又はディスプレイモジュール18をステージ上に取り付けることができる)。レーザ又は他の局所熱源の移動の速度及び電力を制御することにより、加熱速度、全体的な加熱量、及び加熱の後の冷却速度を制御することができる。局所加熱構成に加えて又は局所加熱構成の代替として、熱をガラス層及び結合中の構造体に全体的に印加することができる。熱は、炉、ランプ、加熱チャックなどを使用して全体的に印加することができる。
【0037】
結合構造体24によって形成された結合部の品質を改善する際に使用することができ、従って、ディスプレイモジュール18が不慮の機械的衝撃又は熱衝撃を受けた時に割れるか又はそうでなければ損傷する可能性を低減するのを補助することができる例示的な技術を図5〜図13に関連して説明する。図4のツール30のようなツールは、図5〜図13に関連して説明するタイプの結合部を形成する際に使用することができる。
【0038】
結合構造体24が溶融されたフリットから形成された時の結合構造体24の1つの潜在的な弱点の発生源は、フリット粒子の性質である。従来のフリットは、例えば、図5の左上コーナに示すように、多くの鋭い縁部及び広範囲にわたる粒子サイズを有する場合がある。結合構造体24が形成された時に、従来のフリットの不規則な形状及びサイズにより潜在的な応力点が発生する場合がある。例えば、従来のフリットは、無視することができない数の大径粒子を含む場合がある。これらの大径粒子は、ガラス層の特定の部分に当接する場合があり、従って、局所的応力を生成する場合がある。ガラス内のこの局所的応力は、その後の亀裂形成に向けて開始点として機能する場合がある。
【0039】
局所的応力形成の可能性を低減することができる1つの方法は、滑らかなフリット粒子の使用を伴うものである。図5に示すように、未処理フリット32は、処理済みフリット32及び42に変換することができる。未処理フリット32は、ギザギザの縁部及び広範囲にわたる粒度を有する場合がある。フリット32は、粒子32及び42のようなより小さくかつより丸くなった粒子に研削することができる(例えば、研削機械又は他の適切な研磨ツールを使用して)。濾過ツールを使用してサイズ別に処理済みフリットを選別することができる。例えば、濾過ツールを使用して、フリットがフリット直径に基づいて異なる群(ビン)に分離される種分け作業を行うことができる。望ましいサイズのフリットは、次に、結合構造体24を形成する際に使用するように選択することができる。このタイプの手法を使用して、濾過ツールを使用して比較的狭い範囲のフリット直径を有する処理済みフリットを生成するか、又は比較的広い範囲のフリット直径を有する処理済みフリットを生成することができる。
【0040】
図5の右上部に示すように、処理済みフリット32は、例えば、比較的狭い粒度分布(粒径分布グラフ34において狭い粒径分布曲線36により図示)を有する滑らかな(丸くなった)フリット粒子から形成することができる。図5の右下部の例に示すように、処理済みフリット42は、大きい粒子44のような大径粒子及び小さい粒子46のような小径粒子などを含む様々な直径の丸くなった粒子を有することができる。処理済みフリット42内の比較的広範囲のフリット粒径は、粒径分布グラフ38の比較的広い粒度分布曲線40により明らかである。
【0041】
粒子32及び42のような処理済みフリット粒子が未処理フリット粒子32よりも円形であり、従って、滑らかであるので、処理済みフリット32及び42は、未処理フリットよりもフリット結合部に局所的応力を生成する可能性が小さいと考えられる。フリット32の均一なサイズは、ガラス層を押し付ける可能性があるより大きい粒子を除去することによって応力を低減するのを補助することができる。比較的広範囲の粒度を有する処理済みフリットは、粒子間の空隙から生じる可能性がある応力を低減する際に有利であると考えられる。これは、フリット42内のより小さい粒子が、フリット42内のより大きい粒子間の裂け目間隙を埋めることができるからである。必要に応じて、他の材料(例えば、溶融金属合金、非酸化物誘電体充填剤など)を使用して、空隙を埋める助けをして応力形成を低減することができる。
【0042】
処理済みフリット32及び42のようなフリット及び結合構造体24を形成するのに使用される他の材料は、吸光材料を含むことができる。これらの吸光材料は、結合部形成中にレーザ溶融を容易にすることができる。
【0043】
亀裂形成による損傷のようなディスプレイモジュール損傷は、ガラス層20及び22内の及び結合構造体24付近の過度の応力(すなわち、引張応力)から生じる場合がある。これは、結合部形成中にガラス層の1つ又はそれよりも多くを加熱することによって対処することができる。例えば、図6の加熱器30Aのような熱源を使用して、光48がレーザ30Bから結合構造体24のフリットに印加される前に封入ガラス20を加熱することができる。このタイプの構成を使用して、室温を大幅に超えるが(例えば、50℃、100℃、200℃、400℃よりも上又はそれよりも高く)、TFTガラス22上の薄膜トランジスタ及び他の回路26のようなディスプレイモジュール18内の構成要素の損傷を回避するのに十分に低い温度に封入ガラス20を加熱することができる。このように封入ガラス20(及び/又はTFTガラス22)を予熱することにより、加熱されたガラスは、結合部形成中に膨張状態になる。結合部形成の後に、加熱されたガラス層(例えば、封入層20)は冷却される。封入ガラスは冷却する時に収縮するので、封入ガラス及びフリットを溶融することによって形成されたガラスは、実質的に同時に収縮する。封入ガラス及びフリットは共に収縮するので、フリットが封入ガラスよりも収縮し、それによって封入ガラス内に不要な引張応力を生成する状況を回避することができる。
【0044】
一部の場合には、表面全体を加熱する代わりに、ガラス層は、例えば、シールの領域内の周囲周りのような表面の一部で選択的に加熱することができる。追加的又は代替的に、ガラス層の側縁部を加熱することができる。
【0045】
温度は、この工程を通じて制御することができることは認められるものとする。例えば、温度は、熱の問題を制御しやすいように工程中に異なる時点で調節することができる。
【0046】
必要に応じて、ディスプレイモジュール18内のガラス層の全て又は一部を焼き戻しすることができる。焼戻し中に、ガラス層の表面は、圧縮応力の下に置かれる。これは、その後の衝撃イベント中の亀裂形成を防止するのを補助することができる。
【0047】
焼戻しは、局所加熱により(例えば、レーザを使用して)又は化学処理により行うことができる。一例示的化学処理構成に対して、ガラス層は、カリウムベースのペーストで被覆され、かつ高温を受ける。この化学的焼戻し工程中に、ガラス内の比較的小さいナトリウムイオンは、カリウム材料からの比較的大きいカリウムイオンで置換される。それによってカリウムを含むガラス面は、圧縮応力状態になり、従って、ガラスは、化学的に焼き戻しされる。
【0048】
このタイプの手法を図7に示している。最初に、ガラス層50は、図7の上側部分に示すように未処理である。図7内のガラス層50は、ガラス封入ガラス20及び/又はTFTガラス22を表している。図7の中心部分に示すように、未処理ガラス50は、焼戻し材料52(例えば、カリウムペースト)で被覆することができる。材料52は、例えば、ガラス50の周囲周りにリング形状に置くことができる。高温での熱処理の後に、カリウム又は他の化学的焼戻し材料は、焼き戻しされた領域54を形成するためにガラス50の表面に拡散することができる。焼戻しされた領域54は、圧縮応力下にあるので、焼戻しされた領域54は、ガラス50が不意の衝撃を受けた時に損傷が発生する可能性が少なくなる。結合構造体24の近くの局所的化学的焼戻しは、これらの他の結合部形成工程の前に及び/又はその最中に他の結合部形成工程(例えば、フリット処理、封入層予熱など)に関連して用いることができる。例えば、焼戻しがフリット溶融工程中に行われるように、カリウムベースの材料をフリットペーストに組み込むことができる。片側のみが示されているが、両方のガラス片は、組み付けの必要性に基づいて、選択的に又は全体的に焼き戻しすることができることを認めるべきである。
【0049】
図8A及び図8Bに示すように、リング形状のガスケット24のような結合材料の中実ガスケットは、結合構造体24を形成するのに使用することができる。ガスケット24は、中実ガラスの輪(リング)から形成することができる(ばらのフリット材料を使用することに加えて又はその代わりに)。ガスケット24は、実質的に矩形のリング形状を有することができる。リング構造体内のガラスは、例えば、ガラス20及び/又はガラス22と同じ種類の材料から形成することができる。図8Aに示すように、ガラスリング24は、ガラス層20及び22の周囲周りにシールを形成するように構成することができる。ツール30を使用した圧力及び/又は熱の印加後に、リング24のガラスは、層20及び22のガラスと融合して結合部(図8Bの断面図では結合部24と図示)を形成する。ガラスリングは、化学剤及び/又は熱を使用して焼き戻しすることができる。
【0050】
必要に応じて、層20及び/又は22のようなガラス層には、隆起リング形状面を設けることができる。隆起リング形状面は、結合構造体24を形成するのを補助するように使用することができる。隆起したガラス面の構成を使用してガラス層20及び22を結合する例示的な手法を図9A〜図9Gに示している。
【0051】
未処理ガラス層50(すなわち、TFTガラス22及び/又は封入ガラス20)を図9Aに示している。図9Bに示すように、ガラス層50は、ソーダ石灰のようなガラス形成材料56の層で周囲周りを被覆することができる。熱処理後に、材料56は、図9Cに示すように、層50上に隆起したガラス部分58を形成する。
【0052】
図9Dは、層50及びその隆起部分58をどのようにして結合層50’上に設けることができるかを示している。層50がTFT層である場合、層50’は封入層とすることができる。層50が封入層である場合、層50’はTFT層とすることができる。
【0053】
熱及び/又は圧力の印加により、隆起部分58は、層50’を有する拡散結合を形成する(すなわち、層50及び50’は共に融合して図9Eの結合構造体24を形成する)。
【0054】
図9F及び図9Gに示す構成において、上層50及び嵌合する下層50’の両方は、ガラス形成材料から形成された隆起部分を有する。図9Fに示す結合部形成工程中に、領域58及び58’は、圧力及び/又は熱を受ける。それによって層50及び50’間に拡散結合部(図9Gでは結合構造体24と図示)を形成する。
【0055】
別の実施形態(図示せず)において、フリット材料及び/又は中実ガラスリングは、適切なシールの形成を容易にするように一方又は両方の隆起区域の間に配置することができる。
【0056】
図10A〜図10Eに示すように、TFTガラス22及び封入ガラス20は、金属合金64のような溶融金属合金を使用して結合することができる。金属合金64は、鉛ベースの半田、錫ベースの半田、又は他の非鉛ベースの半田(真鍮ベースの溶融金属合金又は他の適切な溶融可能な金属合金)とすることができる。
【0057】
図10Aに示すように、層20及び22は、最初は結合されていない。金属合金64と層20及び22のガラスとの間の満足な接着を保証するために、接着促進面を生成することができる。
【0058】
図10Bの例において、接着促進面は、結合領域の近くのガラス層20及び22の表面上に接着促進層60を堆積させることによって生成されたものである。接着促進層60は、ガラスと良好に結合し、かつ金属合金64のその後の堆積に向けて高接着プラットフォームをもたらす材料から形成することができる。一例として、接着促進層60は、インジウムスズ酸化物(ITO)トレース又は接着促進金属トレースから形成することができる。金属合金64は、次に、層60間に配置して結合構造体24(図10C)を形成するために溶融させることができる。
【0059】
図10Dの例において、接着促進面62は、化学剤及び/又はイオン衝撃のような物理的処理を用いてガラス層20及び22の表面の領域62を処理することによって生成されたものである。それによって金属合金64は、溶融後に層60間に適切に接着して結合構造体24を形成することができる(図10E)。
【0060】
形成される結合構造体のいずれも、レーザ又は他の局所加熱を使用するか又はより全体加熱源を使用して焼き鈍しすることができる。焼き鈍し作業中に、亀裂をもたらすことがある応力は、ガラス層及び結合構造体から緩和することができる。全体的焼き鈍し作業は、炉、誘導加熱器、加熱チャック又は他の付属品、ランプ又はレーザなどを使用して行うことができる。局所的な焼き鈍し作業は、レーザ、ランプ、誘導加熱機器、加熱付属品(例えば、それぞれの加熱された金属部分の間にディスプレイモジュールを固定することによってディスプレイモジュールの周囲に熱を印加する付属品)などを使用して行うことができる。
【0061】
結合構造体24形成中の圧力及び/又は熱の局所的印加は、薄膜トランジスタのような敏感な構成要素の損傷を防止するのを補助することができる。図11に示すように、焼き鈍し及び/又は結合部形成のための熱は、レーザ30Bを使用して局所的に印加することができる(すなわち、結合構造体24付近で)。レーザ30Bは、方向66に移動することができる。光ビーム48は、赤外線のレーザ光ビームとすることができ、図11に示すように結合構造体24上へ集束させることができる。ガラス層20及び22は、赤外線光を透過することができ、それによってレーザ30Bからパワーの殆どは、結合構造体24を形成する際に使用されるフリット又は他の材料(例えば、中実ガラスガスケット)で吸収することができる。結合構造体24の材料は、赤外線レーザ光吸収を容易にするために吸光成分を含むことができる。
【0062】
図12は、結合構造体24がどのように複数の隣接材料又は構造体から形成することができるかを示している。例えば、結合構造体24は、フリット又は金属合金結合材料24Aによって形成することができる。隣接構造体24Bは、異なる材料(例えば、異なる金属、異なる誘電体、接着剤、ポリマーなど)で構成することができる。
【0063】
ディスプレイモジュール18を形成することに関わる例示的な段階を図13に示している。
【0064】
段階67で、ディスプレイモジュール18のための構成要素を製造することができる。これらの構成要素は、TFTガラス22及び封入ガラス20を含むことができる。薄膜トランジスタ及び他の回路26をTFTガラス22上に形成することができる。有機物層をOLEDディスプレイモジュール18に使用される回路26に形成することができる。フリットを結合構造体24を形成する際に使用すべきである場合、図5に関連して説明する要領でフリットを処理することができる。
【0065】
段階68で、段階67の作業中に形成された構成要素を前処理することができる。行うことができる前処理作業の例には、ITOトレース又は接着促進面を形成する作業、封入ガラス20(及び/又はガラス22)を予熱する作業、及び図9A〜図9Gに関連して説明するように結合領域の近くで選択的にガラス層20及び/又は22の厚みを増大させる作業のような接着促進作業がある。
【0066】
段階68で望ましい前処理作業が行われた後に、封入ガラス20をTFT基板ガラス22に結合することができる。結合形成作業は、局所加熱を伴う場合がある(例えば、結合領域上へレーザ光又は他の光を誘導するか又はそれ以外に結合部を加熱するために局所加熱を使用することにより)。結合形成作業は、圧力の印加を伴う場合がある。例えば、ガラス層20及び22の周囲は、金属プレスを使用して互いに押圧することができる。熱及び圧力の組合せを用いることができる。
【0067】
結合構造体24を形成する際に使用される材料は、ガラスフリット、リング形状のガラスのガスケット、ガラス層20及び22の一体型部分を形成する隆起したガラスの領域、溶融可能な金属合金、他の適切な結合材料、又はこれらの結合構造体材料のあらゆる適切な組合せとすることができる。結合部の加熱速度及び冷却速度は、制御することができる。例えば、冷却速度は、同時の結合部形成及び焼き鈍しを可能にするように十分に遅くすることができる。
【0068】
焼き鈍し及び他の後処理作業は、1つ又はそれよりも多くの別々の作業中に行うこともできる。これらの任意的な作業は、後処理作業72として示されている。焼き鈍しは、緩和しなければモジュール18を損傷を受けやすくする場合がある蓄積応力(例えば、ガラス層20及び22内の蓄積引張応力)を緩和するために使用することができる。
【0069】
実施形態により、電気構成要素がその上に形成されたガラスの第1の層と、電気構成要素を覆うガラスの第2の層と、ガラスの第2の層にガラスの第1の層を結合するガラスの第1及び第2の層の間の中実ガスケットとを含み、中実ガスケットが、実質的に矩形のリング形状を有し、かつガラスの第1の層の周囲部分を取り囲む電子装置のためのディスプレイモジュールを提供する。
【0070】
別の実施形形態により、電気構成要素は、薄膜トランジスタを含み、ガラスの第1の層は、薄膜トランジスタガラスを含み、ガラスの第2の層は、封入ガラスを含む。
【0071】
別の実施形形態により、中実ガスケットは、ガラスから形成される。
【0072】
実施形態により、周囲を有し、かつ周囲周りに一体型隆起部分を有するガラスの第1の層と、ガラスの第1の層の一体型隆起部分に結合されるガラスの第2の層と、ガラスの第1及び第2の層の間に封入される電気構成要素とを含む電子装置のためのディスプレイモジュールを提供する。
【0073】
別の実施形形態により、ガラスの第2の層は、ガラスの第1の層の一体型隆起部分と結合する一体型隆起部分を含む。
【0074】
別の実施形形態により、ガラスの第1の層は、薄膜トランジスタガラスを含み、電気構成要素は、薄膜トランジスタを含む。
【0075】
別の実施形形態により、ガラスの第1の層の一体型隆起部分は、矩形リング形状を有する。
【0076】
実施形態により、電気構成要素がその上に形成されたガラスの第1の層と、電気構成要素を覆うガラスの第2の層と、電気構成要素を封入するためにガラスの第1及び第2の層を互いに結合するガラスの第1及び第2の層の間の少なくとも1つの結合構造体とを含み、少なくとも1つの結合構造体が、金属合金から形成され、かつガラスの第1の層の周囲部分を取り囲む電子装置のためのディスプレイモジュールを提供する。
【0077】
別の実施形形態により、少なくとも1つの結合構造体は、実質的に矩形のリング形状を有する。
【0078】
別の実施形形態により、少なくとも1つの結合構造体は、第1及び第2の隣接結合構造体を含み、第1及び第2の隣接結合構造体の各々は、実質的に矩形のリング形状を有し、第1の結合構造体は、第2の結合構造体を取り囲む。
【0079】
別の実施形形態により、ディスプレイモジュールはまた、ガラスの第1の層と少なくとも1つの結合構造体との間に接着促進層を含み、接着促進層は、インジウムスズ酸化物から形成される。
【0080】
実施形態により、電気構成要素がその上に形成されたガラスの第1の層の周囲部分周りに一体型リング形状の隆起尾根部を形成する段階と、電気構成要素を封入するためにガラスの第1の層上の一体型隆起尾根部にガラスの第2の層を結合する段階とを含むディスプレイモジュールを形成する方法を提供する。
【0081】
別の実施形形態により、ガラスの第2の層に直接にガラスの第1の層上の一体型隆起尾根部を結合する段階は、第1の熱源からの局所加熱をガラスの第1の層の一体型隆起尾根部に適用する段階と、ガラスの第1の層の全てに第2の熱源からの全体加熱を適用する段階を更に含む。
【0082】
別の実施形形態により、一体型リング形状の隆起尾根部を形成する段階は、ソーダ石灰を使用して一体型リング形状の隆起尾根部を形成する段階を含む。
【0083】
別の実施形形態により、本方法はまた、ガラスの第1の層上の一体型リング形状の隆起尾根部に嵌合する一体型リング形状の隆起尾根部をガラスの第2の層の周囲部分の周りに形成する段階を含む。
【0084】
別の実施形形態により、本方法はまた、ガラスの第1の層を焼き戻しする段階を含む。
【0085】
別の実施形形態により、本方法はまた、ガラスの第1及び第2の層を焼き鈍しする段階を含む。
【0086】
実施形態により、縁部を有するフリット粒子で形成されたガラスフリットを縁部を平滑化するように処理する段階と、薄膜トランジスタガラス層の周囲周りにガラスフリットを堆積させる段階と、ガラスフリットを用いて薄膜トランジスタガラス層に封入ガラス層を結合する段階とを含む周囲を有する薄膜トランジスタガラス層をディスプレイの封入ガラス層に結合する方法を提供する。
【0087】
別の実施形形態により、本方法はまた、薄膜トランジスタ層と封入ガラス層の間に中実リング形状のガスケットを結合する段階を含む。
【0088】
別の実施形形態により、本方法はまた、ガラスフリットを堆積させる前にフリット直径によってガラスフリットを濾過する段階を含む。
【0089】
別の実施形形態により、本方法はまた、薄膜トランジスタガラス層をカリウムベースのペーストで被覆し、薄膜トランジスタガラス層に熱を印加することによって薄膜トランジスタガラス層を焼き戻しする段階を含む。
【0090】
以上は、本発明の原理を単に例示するものであり、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく当業者により様々な修正を行うことができる。以上の実施形態は、個々に又はあらゆる組合せで実施することができる。
【符号の説明】
【0091】
18 ディスプレイモジュール
20、22 ガラス層
24 結合構造体
26 電気構成要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置のためのディスプレイモジュールであって、
電気構成要素がその上に形成されたガラスの第1の層と、
前記電気構成要素を覆うガラスの第2の層と、
ガラスの前記第2の層にガラスの前記第1の層を結合するガラスの該第1及び第2の層の間の中実ガスケットであって、実質的に矩形のリング形状を有し、かつガラスの該第1の層の周囲部分を取り囲む前記中実ガスケットと、
を含むことを特徴とするディスプレイモジュール。
【請求項2】
前記電気構成要素は、薄膜トランジスタを含み、
ガラスの前記第1の層は、薄膜トランジスタガラスを含み、
ガラスの前記第2の層は、封入ガラスを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイモジュール。
【請求項3】
前記中実ガスケットは、ガラスから形成されることを特徴とする請求項2に記載のディスプレイモジュール。
【請求項4】
前記中実ガスケットは、ガラスから形成されることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイモジュール。
【請求項5】
電子装置のためのディスプレイモジュールであって、
周囲を有し、かつ該周囲の周りに一体的隆起部を有するガラスの第1の層と、
ガラスの前記第1の層の前記一体型隆起部分に結合されたガラスの第2の層と、
ガラスの前記第1及び第2の層の間に封入された電気構成要素と、
を含むことを特徴とするディスプレイモジュール。
【請求項6】
ガラスの前記第2の層は、ガラスの前記第1の層の前記一体型隆起部分に嵌合する一体型隆起部分を含むことを特徴とする請求項5に記載のディスプレイモジュール。
【請求項7】
ガラスの前記第1の層は、薄膜トランジスタガラスを含み、
前記電気構成要素は、薄膜トランジスタを含む、
ことを特徴とする請求項6に記載のディスプレイモジュール。
【請求項8】
ガラスの前記第1の層は、薄膜トランジスタガラスを含み、
前記電気構成要素は、薄膜トランジスタを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載のディスプレイモジュール。
【請求項9】
ガラスの前記第1の層の前記一体型隆起部分は、矩形リング形状を有することを特徴とする請求項5に記載のディスプレイモジュール。
【請求項10】
電子装置のためのディスプレイモジュールであって、
電気構成要素がその上に形成されたガラスの第1の層と、
前記電気構成要素を覆うガラスの第2の層と、
前記電気構成要素を封入するためにガラスの前記第1及び第2の層を互いに結合するガラスの該第1及び第2の層の間の少なくとも1つの結合構造体であって、金属合金から形成され、かつガラスの該第1の層の周囲部分を取り囲む前記少なくとも1つの結合構造体と、
を含むことを特徴とするディスプレイモジュール。
【請求項11】
前記少なくとも1つの結合構造体は、実質的に矩形のリング形状を有することを特徴とする請求項10に記載のディスプレイモジュール。
【請求項12】
前記少なくとも1つの結合構造体は、第1及び第2の隣接結合構造体を含み、
前記第1及び第2の隣接結合構造体の各々が、実質的に矩形のリング形状を有し、
前記第1の結合構造体は、前記第2の結合構造体を取り囲む、
ことを特徴とする請求項11に記載のディスプレイモジュール。
【請求項13】
ガラスの前記第1の層と前記少なくとも1つの結合構造体の間にインジウムスズ酸化物から形成された接着促進層、
を更に含むことを特徴とする請求項11に記載のディスプレイモジュール。
【請求項14】
ディスプレイモジュールを形成する方法であって、
電気構成要素がその上に形成されたガラスの第1の層の周囲部分の周りに一体型リング形状の隆起尾根部を形成する段階と、
前記電気構成要素を封入するためにガラスの前記第1の層上の前記一体型隆起尾根部にガラスの第2の層を結合する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
ガラスの前記第1の層上の前記一体型隆起尾根部をガラスの第2の層に直接に結合する段階は、
第1の熱源からの局所加熱をガラスの前記第1の層の前記一体型隆起尾根部に適用する段階と、
第2の熱源からの全体加熱をガラスの前記第1の層の全てに適用する段階と、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記一体型リング形状の隆起尾根部を形成する段階は、ソーダ石灰を使用して該一体型リング形状の隆起尾根部を形成する段階を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
ガラスの前記第1の層上の前記一体型リング形状の隆起尾根部に嵌合する一体型リング形状の隆起尾根部をガラスの前記第2の層の周囲部分の周りに形成する段階を更に含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
ガラスの前記第1の層を焼き戻しする段階を更に含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
ガラスの前記第1及び第2の層を焼き鈍しする段階を更に含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項20】
周囲を有する薄膜トランジスタガラス層をディスプレイの封入ガラス層に結合する方法であって、
縁部を有するフリット粒子で形成されたガラスフリットを処理して該縁部を平滑化する段階と、
薄膜トランジスタガラス層の周囲周りに前記ガラスフリットを堆積させる段階と、
前記ガラスフリットを用いて前記薄膜トランジスタガラス層に封入ガラス層を結合する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
前記薄膜トランジスタ層と前記封入ガラス層の間に中実リング形状ガスケットを結合する段階を更に含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ガラスフリットを堆積させる前にフリット直径によって該ガラスフリットを濾過する段階を更に含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記薄膜トランジスタガラス層をカリウムベースのペーストで被覆し、かつ該薄膜トランジスタガラス層に熱を印加することにより、該薄膜トランジスタガラス層を焼き戻しする段階を更に含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A−9G】
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【図10A−10E】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−533770(P2012−533770A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520650(P2012−520650)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/039491
【国際公開番号】WO2011/008433
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】