説明

ディスプレイ装置

【課題】 被写体像を多面的に表示することができるディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】 複数の画像を記憶することが可能な画像記憶手段(12)と、画像を表示する画像表示手段(4)と、前記画像表示手段を支持する複数のロッドまたはアームを回動自在とするための支点を有する複数の回動軸により回動自在に保持する回動機構(2,3,5)と、前記複数の回動軸についての回動角度から算出した前記画像表示手段の位置に対応して、画像を前記画像記憶手段に記憶した複数の画像から選択する画像選択手段(16)とを備え、前記画像表示手段は、前記画像選択手段で選択した画像を表示するディスプレイ装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体を多面的に表示することのできるディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
家族の写真や旅行の写真など、大切な写真あるいは思い出に残る写真を写真立てに入れて、家庭やオフィスの机上に飾ることが普通の習慣として行われるようになっている。
【0003】
そして、写真立てはインテリアとしての役割も担っているため、その形状、模様について意匠をこらしたものが種々発売されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の写真立ては撮影された写真を格納するだけの機能である。即ち、一定の大きさの静止画像を提供するだけの機能であり、所定範囲を越えた画像を提供できるものではない。
【0005】
例えば、山の頂上からの風景を撮影した写真の場合、全周360度の任意の方位角度からの眺望を表示することはできない。
【0006】
また、商品のデザイン開発の過程においては、そのデザインを多方向から観察して検討する。従って、検討は雛形あるいは見本等に基づいて行われることが多く、写真のみでは不十分な場合が多い。
【0007】
従って、1方向からの被写体像だけでなく、所望する方向から被写体を表示することができ、さらに可搬性をも兼ね備えた表示装置があれば、個人的に楽しめるだけでなく、訴求力を備えたプレゼンテーションを可能とする有効なツールとして活用することができるものと考えられる。
【0008】
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであって、被写体像を多面的に表示することができるディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解消するための本発明に係る請求項1に記載のディスプレイ装置は、複数の画像を記憶することが可能な画像記憶手段と、画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示手段を支持する複数のロッドまたはアームを回動自在とするための支点を有する複数の回動軸により回動自在に保持する回動機構と、前記複数の回動軸についての回動角度から算出した前記画像表示手段の位置に対応して、画像を前記画像記憶手段に記憶した複数の画像から選択する画像選択手段とを備え、前記画像表示手段は、前記画像選択手段で選択した画像を表示する。
【0010】
ここで、「(回動機構の)回動軸についての回動角度」とは、当該回動軸により画像表示手段を回動した場合の初期状態からの回動された角度のことを意味する。例えば、回動機構が画像表示手段の方位角又は俯仰角を変化させる場合は、回動操作後における初期状態からの方位角又は俯仰角の変化角度が、それぞれの回動軸についての回動角となる。
【0011】
「(平行移動可能な回動機構の)回動軸についての回動角度」とは、上述の「回動角度」を含み、更にリンク機構を構成する当該回動軸によって結合されたロッド相互のなす角度を含む。このリンク機構による「回動角度」は、当該回動軸の軸中心線に垂直な平面上に投影された両ロッドの像が交わる角度のことである。これは、両ロッドが重なる状態を初期状態とした場合の、回動動作により回動した角度に相当する。
【0012】
また本発明に係る請求項2に記載のディスプレイ装置は、上記記載の発明であるディスプレイ装置において、前記画像表示手段の位置に基づいて、前記画像選択手段で選択した画像の一部分の画像エリアを選択するエリア選択手段を更に備え、前記画像表示手段は、前記エリア選択手段で選択した一部分の画像を表示する。
【0013】
また本発明に係る請求項3に記載のディスプレイ装置は、上記記載の発明であるディスプレイ装置において、前記複数の回動軸についての回動角度から算出した前記画像表示手段の位置に基づいて、前記画像選択手段で選択した画像の一部分の画像エリアを選択するエリア選択手段を更に備え、前記画像表示手段は、前記エリア選択手段で選択した画像を表示する。
【0014】
また本発明に係る請求項4に記載のディスプレイ装置は、上記記載の発明であるディスプレイ装置において、前記画像選択手段は、前記複数の回動軸についての回動角度と所定の画像データとを対応付けるリセット手段をさらに有する。
【0015】
また本発明に係る請求項5に記載のディスプレイ装置は、上記記載の発明であるディスプレイ装置において、前記画像選択手段は、前記複数の回動軸についての回動角度が変化した場合でも現在表示している画像を変更しない表示固定手段をさらに有する。
【0016】
また本発明に係る請求項6に記載のディスプレイ装置は、上記記載の発明であるディスプレイ装置において、前記画像記憶手段は前記ディスプレイ装置に着脱可能である。
【0017】
また本発明に係る請求項7に記載のディスプレイ装置は、上記記載の発明であるディスプレイ装置において、前記画像記憶手段に記憶されている画像はパノラマ画像であり、前記複数の回動軸についての回動角度に対応して、前記画像選択手段は前記回動軸についての回動角度に対応した前記パノラマ画像を構成する画像を選択する。
【0018】
また本発明に係る請求項8に記載のディスプレイ装置は、上記記載の発明であるディスプレイ装置において、前記画像記憶手段に記憶されている画像はサラウンド画像であり、前記複数の回動軸についての回動角度に対応して、前記画像選択手段は前記サラウンド画像を構成する画像を選択する。
【0019】
また本発明に係る請求項9に記載のディスプレイ装置は、上記記載の発明であるディスプレイ装置において、前記画像記憶手段に記憶されている画像は複数の断層画像であり、前記画像選択手段は前記複数の回動軸についての回動角度から算出される位置に対応して、前記断層画像を構成する画像を選択する。
【0020】
また本発明に係る請求項10に記載のディスプレイ装置は、上記記載の発明であるディスプレイ装置において、前記画像記憶手段に記憶されている画像は3次元画像であり、前記画像選択手段は前記複数の回動軸についての回動角度から算出される位置に対応して、前記3次元画像を表示する視点を指定する。
【0021】
また本発明に係る請求項11に記載のディスプレイ装置は、上記記載の発明であるディスプレイ装置において、前記ディスプレイ装置は、所定時間周期ごとに画像を選択して表示する周期選択モードを有し、前記周期選択モードの下で前記画像表示手段を移動したときに、前記画像選択手段は、前記画像表示手段の位置に対応して、次の周期で表示する画像を順次選択する。
【0022】
また本発明に係る請求項12に記載のディスプレイ装置は、上記記載の発明であるディスプレイ装置において、前記画像記憶手段に記憶されている画像は2次元画像であり、前記周期選択モードの下で前記画像表示手段を移動したときに、前記画像選択手段は、前記画像表示手段が表示する被写体の移動速度が所定速度になるように、前記画像表示手段の位置に対応して、画像を前記所定周期で選択する。
【0023】
また本発明に係る請求項13に記載のディスプレイ装置は、上記記載の発明であるディスプレイ装置において、前記画像記憶手段に記憶されている画像は3次元画像であり、前記周期選択モードの下で前記画像表示手段を移動したときに、前記画像選択手段は、前記画像表示手段が表示する被写体の移動速度が所定速度になるように、前記画像表示手段の位置に対応した画像を前記所定周期で選択する。
【0024】
また本発明に係る請求項14に記載のディスプレイ装置は、上記記載の発明であるディスプレイ装置において、前記画像記憶手段に記憶されている画像は静止画像である。
【0025】
また本発明に係る請求項15に記載のディスプレイ装置は、上記記載の発明であるディスプレイ装置において、前記画像記憶手段に記憶されている画像は動画像である。
【0026】
また本発明に係る請求項16に記載のディスプレイ装置は、上記記載の発明であるディスプレイ装置において、前記画像選択手段で選択した画像に対応した音声情報に基づいて音声を再生する音声再生手段を更に有する。
【0027】
また本発明に係る請求項17に記載のディスプレイ装置は、上記記載の発明であるディスプレイ装置において、前記画像記憶手段は、複数の画像から構成される少なくとも1つコンテンツを記憶し、前記画像選択手段は、前記画像記憶手段に記憶されているコンテンツを選択するコンテンツ選択手段と、前記コンテンツ選択手段で選択したコンテンツから画像を特定する画像特定手段とをさらに有する。
【0028】
また本発明に係る請求項18に記載のディスプレイ装置は、少なくとも1つの画像を要求する第1の送信手段と、前記第1の送信手段が送信した前記要求に対応した少なくとも1つの画像を受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段で受信した前記画像を記憶する画像記憶手段と、画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示手段を前記複数の回動軸により回動自在に保持する回動機構と、前記複数の回動軸についての回動角度から算出した前記表示手段の位置に対応して、画像を前記画像記憶手段に記憶した少なくとも1の画像から選択する画像選択手段とを備え、前記画像表示手段は、前記画像選択手段で選択した画像、または前記第1の受信手段で受信した画像を表示する。
【発明の効果】
【0029】
本発明のディスプレイ装置によれば、被写体像を多面的に表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
[第1の実施の形態]
[構成]
図1は、本発明に係る第1の実施の形態のディスプレイ装置を示す外形図である。ディスプレイ装置は、装置全体を積載するベース1、そのベース1に立設されたロッド2を有するアーム3、画像を表示するディスプレイパネル4とで構成されている。
【0031】
ディスプレイパネル4は、支点5を介してアーム3と接続され、その支点5の中心軸を回動軸として任意の俯仰角で保持可能である。さらに、ロッド2はロッドの中心軸の回りに回動自在に構成され、これによってディスプレイパネル4を任意の方位角に保持することができる。
【0032】
図2は、ディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
【0033】
ディスプレイ装置には、ディスプレイパネル4、ディスプレイ処理部9、コントローラ10及び角度センサ14、15が設けられている。
【0034】
ディスプレイ処理部9は、ディスプレイ装置が種々の画像を表示するための動作を統括的に制御する。ディスプレイ処理部9は、例えばマイクロコンピュ−タ等を用いて構成し、ベース1内に収納することもできる。
【0035】
コントローラ10は、ディスプレイ装置の使用者が、ディスプレイ装置に対して種々の指示を操作するための入力手段である。コントローラ10はベース1に組み込んでも良く、また分離して設置しても良い。更に、コントローラ10をワイヤレスにしても良い。この場合、ディスプレイ処理部9にはコントローラ10から信号を受信する受信部を設置する。
【0036】
角度センサ14、15はディスプレイパネル4の俯仰角、方位角を測定する角度検出器であって、例えば、支点5、アーム2内に組み込んで構成しても良い。
【0037】
そして、ディスプレイ処理部9には、画像DB11、画像メモリ12、位置計算部13、画像選択部16、表示部17、エリア選択部18が設けられている。
【0038】
画像DB11は、ディスプレイ装置が表示する種々の画像を記憶する記憶媒体である。画像メモリ12は、画像DB11から選択された画像を格納するバッファメモリである。
【0039】
位置計算部13は、角度センサ14、15からの検知角度に基づいて、ディスプレイパネル4の所定位置からの回動角度を求めて回転位置情報を得る。画像選択部16は、回転位置情報から表示すべき画像を選択する。エリア選択部18は、画像選択部16が選択した画像の一部のエリアを画像として抽出する。そして、表示部17は、画像選択部16及びエリア選択部18が選択した画像をディスプレイパネル4に表示する。
【0040】
[動作]
図2を参照しつつ、ディスプレイ装置の動作について説明する。
【0041】
ディスプレイ装置の使用者が、コントローラ10を操作して、ディスプレイしたい画像を選択すると、その1組の画像セットを取り出すための情報である画像セットIDが特定される。
【0042】
画像DB11は、画像セットIDに基づいて、格納されている画像を検索して該当する1組の画像セットを抽出して、画像メモリ12に格納する。
【0043】
ここで、抽出される1組の画像セットとは、被写体を多方向から撮影した複数枚の画像であり、パノラマ撮影カメラあるいはサラウンド撮影カメラによって撮影される。
【0044】
図3、図4は、それぞれパノラマ撮影カメラ、サラウンド撮影カメラの構成を示す図である。パノラマ撮影は、撮影カメラA1〜A8をある中心より外に向け、カメラを囲む全周囲を被写体として撮影するものである。一方、サラウンド撮影は、撮影カメラB1〜B16をある中心に向け、被写体を全周囲から撮影するものである。
【0045】
このように、パノラマ撮影によってカメラを囲む全周囲を被写体として撮影された1組の画像セットをパノラマ画像といい、サラウンド撮影によって撮影された被写体を全周囲から撮影した1組の画像セットをサラウンド画像という。
【0046】
また、図3、4では、平面上において撮影が行われるとして表わしているが、この図に限られず、立体的に、即ち、種々の方位角、俯仰角の下で撮影が行われる。
【0047】
尚、カメラを移動可能とし、撮影位置を変えながら上述のパノラマ撮影、サラウンド撮影を行うように構成しても良い。
【0048】
次に、ディスプレイ装置の使用者が、ディスプレイパネル4を支点5を軸として回動して俯仰角を変化させると、位置計算部13が俯仰角の角度センサ14の測定値に基づいて俯仰角を算出する。ディスプレイ装置の使用者が、ディスプレイパネル4をロッド2の中心軸の回りに回動して方位角を変化させると、位置計算部13が方位角の角度センサ15の測定値に基づいて方位角を算出する。
【0049】
そして、位置計算部13が、角度センサ14、15からの俯仰角と方位角に基づいて、被写体を見る方向を回転位置情報として求め、画像選択部16にその回転位置情報を出力する。
【0050】
画像選択部16は、画像メモリ12に記憶された1組の画像セットの内から回転位置情報に対応する画像を特定し、その画像を取り出すための情報である画像IDを決定する。そして、画像選択部16は、当該画像IDに基づいて画像を画像メモリ12から読出し、読出した画像を表示部17に出力する。
【0051】
表示部17は、読み出された画像をディスプレイパネル4に表示する。この際、表示部17は、位置計算13で求めた位置情報に基づいて、ディスプレイパネル4に表示される画像の中心位置を変更して表示しても良い。
【0052】
また、読み出した画像が大きい場合、その画像全体をディスプレイパネル4に表示するのではなく、その一部を表示する。この場合は、エリア選択部18が回転位置情報に基づいて、画像の一部分のエリアを選択して、そのエリアの画像を画像メモリ12から読出し、読出した画像を表示部17に出力する。
【0053】
〔効果〕
以上のように、使用者はディスプレイパネル4の角度を変更することで、種々の方向から見た被写体像を表示させ観察することができる。
【0054】
尚、このディスプレイ装置のコントローラ10には、表示される画像を初期状態にリセットするリセット手段が設けられている。使用者がリセット手段(不図示)を操作すると、ディスプレイパネル4の現在の位置が初期位置として扱われ、画像選択部16は、予め定めた初期位置の画像を取り出してディスプレイパネル4に表示させる。
【0055】
これにより使用者は、ディスプレイパネル4の任意の向きを初期位置とできるため、操作性を向上することができる。
【0056】
また、このディスプレイ装置のコントローラ10には、表示される画像を固定する画像固定手段が設けられている。使用者が固定手段(不図示)を操作すると、ディスプレイパネル4の位置が変化して角度センサ14、15の出力値が変化しても、画像選択部16は、現在選択している画像を変更しない。従って、ディスプレイパネル4に表示されている画像は固定される。
【0057】
これにより使用者は、一番見やすい位置にディスプレイパネル4の表示面を設定することができるため、視認性を向上することができる。
【0058】
尚、本実施の形態では、画像DB11はディスプレイ装置内に設けられているが、画像DB11はディスプレイ装置に内蔵されている必要はない。むしろ、着脱可能に構成すれば、画像DB11を入れ替えることによってディスプレイ装置は多種多様な画像を表示することができる。
【0059】
[第2の実施の形態]
[構成]
図5は、本発明に係る第2の実施の形態のディスプレイ装置を示す側面図であり、図6は、その上面図である。第2の実施の形態でも基本的に第1の実施の形態で用いた符号を援用するが、第2の実施の形態のディスプレイ装置は、ディスプレイパネル4が回動自在に設けられているだけでなく、ディスプレイパネル4が上下、左右、前後に移動自在に構成されている点で、第1の実施の形態のディスプレイ装置と異なっている。
【0060】
図5、図6を参照しつつディスプレイ装置の構成を説明する。
【0061】
ディスプレイ装置は、装置全体を積載するベース1、画像を表示するディスプレイパネル4、そのディスプレイパネル4を上下、左右、前後に移動自在とするためのロッド2a〜2e、及びそれぞれのロッド2a〜2eを回動自在とするための支点5a〜5fで構成されている。
【0062】
ロッド2aは、ベース1に垂直に立設されている。そして、ベース1とロッド2aの結合部に設けられた支点5aによって、ロッド2aはその中心軸の回りに回動可能である。
【0063】
ロッド2a〜2dは、同一平面上に配され、ロッド同士の結合部に設けられた支点5b〜5dを中心として回動自在に構成されている。この結果、ロッド2a〜2dは、同一平面内で回動可能である。
【0064】
ロッド2dとロッド2eとを結合する支点5eの回動軸は、支点5b〜5dの回動軸と垂直となっている。そして、ロッド2eは、ディスプレイパネル4の面に対して垂直に取り付けられ、ロッド2eとディスプレイパネル4の結合部には支点5fが設けられている。従って、ディスプレイパネル4は、ロッド2eの中心軸の回りに回動可能である。
【0065】
本構成のディスプレイ装置を用いれば、使用者はディスプレイパネル4の方位角、俯仰角を変更するだけでなく、ディスプレイパネル4を上下、左右、前後移動することができ、更にディスプレイパネル4をロッド2eの中心軸の回りに回動することもできる。
【0066】
図7は、ディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
【0067】
第2の実施の形態のディスプレイ装置の構成は、基本的に図2に示す第1の実施の形態のディスプレイ装置の構成と同様であるため同一部分には同一符号を付してその説明は省略するが、回動に加えて、平行移動を可能にする回動軸に関する角度センサ20a〜20fを備えている点で、第1の実施の形態のディスプレイ装置の構成と異なっている。
【0068】
[動作]
図7を参照しつつ、ディスプレイ装置の動作について説明する。
【0069】
ディスプレイ装置の使用者が、コントローラ10を操作して、ディスプレイしたい画像を選択すると、その1組の画像セットを取り出すための情報である画像セットIDが特定される。
【0070】
コントローラ10は、画像セットIDに基づいて、画像が格納されている画像DB11を検索して該当する1組の画像セットを抽出して、画像メモリ12に格納する。
【0071】
次に、ディスプレイ装置の使用者が、ディスプレイパネル4の位置又は向きを変化させる(以下、この動作を「パネルを移動する」という)と、位置計算部13が、それぞれの支点5a〜5fに設けられている角度センサ20a〜20fの回動角度測定値に基づいてディスプレイパネル4の位置を算出する。
【0072】
図8、図9は、パネル位置の計算方法を説明する図である。
【0073】
ベース1表面とロッド2eの中心軸との交点を座標原点(0,0)として、図9に示すように、ベース1表面に平面座標を定義する。
【0074】
ディスプレイパネル表面の中心の位置を平面座標で(X,Y)とし(図9参照)、パネル表面の中心位置とベース上面までの距離をHとする(図8参照)。そして、ロッド2a〜2eのそれぞれの長さをL1〜L5とする。また、ロッド2aの軸中心回りの回動角度をθ、ロッド2bの水平に対する角度をθ、ロッド2cとロッド2dの間の角度をθ、ロッド2cの長さ方向に対するロッド2dの角度をθ、ロッド2dの長さ方向に対するロッド2eの角度をθとする。パネルの厚さをDとすると、X、Y、Hはそれぞれ式(1)〜(3)で表わされる。
【0075】
W=Lcosθ−Lcos(θ−θ)−Lcos(θ+θ−θ
V=L+Lsinθ+Lsin(θ−θ)+Lsin(θ+θ−θ
として、
X=Wcosθ+(L+D)cos(θ+θ−θ)cos(θ)・・・式(1)
Y=Wsinθ+(L+D)sin(θ+θ−θ)sin(θ)・・・式(2)
H=V+(L+D)sin(θ+θ−θ)cosθ ・・・・・式(3)
画像選択部16は、画像メモリ12に記憶された1組の画像セットの内からパネルの位置に対応する画像を特定し、その画像を取り出すための情報である画像IDを決定する。そして、画像選択部16は、画像IDに基づいて画像を画像メモリ12から読出し、読出した画像を表示部17に出力する。
【0076】
表示部17は、読み出された画像をディスプレイパネル4に表示する。この際、表示部17は、位置計算部13で求めた位置情報に基づいて、ディスプレイパネル4に表示される画像の中心位置を変更して表示しても良い。
【0077】
また、ディスプレイパネル4を前後に移動したときは、読み出した画像の拡大(ズーム)または縮小(広角)画像をディスプレイパネル4に表示する。この場合は、エリア選択部18がパネル位置に基づいて、画像の内の該当するエリアを選択して、そのエリアの画像を画像メモリ12から読出し、読出した画像を表示部17に出力する。
【0078】
尚、本実施の形態では、回動可能な支点の数を6個としているが、7個以上でも良い。またロッド2eの軸の回りにパネルを回動しないのであれば支点の数は5個でも良い。また、回動可能な支点によりパネルの位置を上下、左右、前後に移動可能としているが、伸縮はロッドを使用しても良い。
【0079】
〔効果〕
以上のように、第2の実施の形態のディスプレイ装置によれば、使用者はディスプレイパネル4の向きを変化させる回動動作だけでなく、ディスプレイパネル4の位置を上下、左右、前後に平行移動することができるので、被写体像を更に多方向から表示させ観察することができる。また、第1の実施の形態と同様の効果も得ることができる。
【0080】
[第3の実施の形態]
〔構成〕
本発明に係る第3の実施の形態のディスプレイ装置は、図5、6に示す第2の実施の形態のディスプレイ装置を用いるため、その図示及び説明は省略する。
【0081】
また、本発明に係る第3の実施の形態のディスプレイ装置の構成は、基本的に図7に示す第2の実施の形態のディスプレイ装置の構成と同様であるため同一部分には同一符号を付してその図示及び説明は省略する。
【0082】
〔動作〕
第3の実施の形態では、ディスプレイパネル4の移動に合わせて、被写体像の断層画像を表示する。ここで、断層画像とは、被写体像を任意の深さの面で切断した状態を表わす画像のことで、医療分野で用いられているCT装置やMRI装置で得られる画像のことである。
【0083】
画像DB11には、複数の断層画像を記憶する。使用者がディスプレイパネル4を例えば、前後に移動すると、角度センサ20a〜20fからの回動角度情報に基づいて位置計算部13が、パネルの前後の位置を算出する。そして、画像選択部16が、パネル位置に応じて、断層画像を構成する画像データを選択して表示部17に出力する。
【0084】
〔効果〕
第3の実施の形態のディスプレイ装置によれば、使用者はディスプレイパネル4を前後に移動するだけの操作で断層像を表示させることができる。
【0085】
[第4の実施の形態]
〔構成〕
本発明に係る第4の実施の形態のディスプレイ装置は、図5、6に示す第2の実施の形態のディスプレイ装置を用いるため、その図示及び説明は省略する。
【0086】
尚、図1に示す第1の実施の形態のディスプレイ装置を用いて構成することもできる。
【0087】
また、図15に示す本発明に係る第4の実施の形態のディスプレイ装置の構成は、基本的に図7に示す第2の実施の形態のディスプレイ装置の構成と同様であるため同一部分には同一符号を付してその図示及び説明は省略する。
【0088】
3D再生部70は、CG等で制作された3次元画像データを2次元画面上に表示可能な形式に変換する部分である。視点設定部71は、位置計算部13で算出されたパネルの位置情報をもとに、3D再生部70で再生するために必要な視点の位置を設定する。
【0089】
〔動作〕
第4の実施の形態では、ディスプレイ装置は3次元画像を再生表示する。3次元画像とは、CG等で制作された画像であり、視点を変化させることにより被写体の遠近感を再現できるように表わされた画像のことである。
【0090】
画像DB11には、3次元画像が複数記憶されている。コントローラ10によって選択し、画像DB11より読み出された3D画像データは3D再生部7に記憶される。使用者がディスプレイパネル4を回動あるいは平行移動すると、角度センサ20a〜20fからの回動角度情報に基づいて位置計算部13が、パネル位置を算出する。そして、画像選択部16が、パネル位置に応じて3次元画像を選択し、視点設定部71が表示する視点を決定する。そして、3次元画像データを2次元表示可能な画像として表示部17に出力する。
【0091】
〔効果〕
第4の実施の形態のディスプレイ装置によれば、使用者はディスプレイパネル4を操作して3次元画像を所望の角度から観察することができる。
【0092】
[第5の実施の形態]
〔構成〕
本発明に係る第5の実施の形態のディスプレイ装置は、図5、6に示す第2の実施の形態のディスプレイ装置を用いるため、その図示及び説明は省略する。
【0093】
尚、図1に示す第1の実施の形態のディスプレイ装置を用いて構成することもできる。
【0094】
また、本発明に係る第5の実施の形態のディスプレイ装置の構成は、基本的に図15に示す第4の実施の形態のディスプレイ装置の構成と同様であるため同一部分には同一符号を付してその図示及び説明は省略する。
【0095】
〔動作〕
第5の実施の形態では、ディスプレイ装置は3次元画像内のナビゲーションを行う。ここで、ナビゲーションとは、使用者がディスプレイパネル4を操縦桿のように使用して、3次元画像内を順次視点を移動して表示する動作のことである。
【0096】
第5の実施の形態では、ディスプレイ装置は、所定時間周期で視点を設定して表示する周期選択モードを備えている。この周期選択モードの下では、表示画像選択部16あるいは視点設定部71は所定時間周期毎にディスプレイパネル4の状態(向き、位置)を入力し、その状態に対応した画像データの選択と視点の設定を行う。
【0097】
画像DB11には、複数の3次元画像を記憶する。使用者がディスプレイパネル4を回動あるいは平行移動すると、角度センサ20a〜20fからの回動角度情報に基づいて位置計算部13が、パネル位置を算出する。この角度情報の取り込みと移動位置の算出は、所定時間周期よりも短い時間周期で実行される。
【0098】
一方、画像選択部16または視点設定部71が、所定時間周期毎にパネル位置より3次元画像内の視点の位置の移動方向と速度を決定し、次の周期で表示する画像と視点を設定する。そして、次の周期で、表示部17が、設定された視点からの画像をディスプレイパネル17に表示する。この動作を繰り返し実行することでナビゲーション表示が行われる。
【0099】
尚、ナビゲーション表示の対象となる画像はCGで制作した3次元画像でなくとも、多数の視点から撮影した2次元画像や、ビデオ画像であっても良い。また、大きな2次元画像を上下、左右に移動するナビゲーションであっても良い。
【0100】
〔効果〕
第5の実施の形態のディスプレイ装置によれば、使用者はディスプレイパネル4の移動に対応した視点から被写体を観察することができる。また、3次元空間内を移動するようなナビゲーションが簡単な操作で可能になる。
【0101】
[第6の実施の形態]
〔構成〕
本発明に係る第6の実施の形態のディスプレイ装置は、図5、6に示す第2の実施の形態のディスプレイ装置を用いるため、その図示及び説明は省略する。
【0102】
尚、図1に示す第1の実施の形態のディスプレイ装置を用いて構成することもできる。
【0103】
また、本発明に係る第6の実施の形態のディスプレイ装置の構成は、基本的に図7に示す第2の実施の形態のディスプレイ装置の構成と同様であるため同一部分には同一符号を付してその図示及び説明は省略する。
【0104】
〔動作〕
第6の実施の形態では、画像データに動画像を使用する。
【0105】
画像DB11には、被写体を撮影した動画像が記憶されている。そして、表示部17は、予め選択された動画像データを用いてディスプレイパネル4に動画を表示する。
【0106】
使用者がディスプレイパネル4を回動あるいは平行移動すると、角度センサ20a〜20eからの回動角度情報に基づいて位置計算部13が、移動位置を算出する。
【0107】
そして、画像選択部16が、移動位置に応じて動画像の再生速度と再生方向を決定する。表示部17は、決定された再生速度に基づいて動画像をディスプレイパネル4に表示する。
【0108】
〔効果〕
第6の実施の形態のディスプレイ装置によれば、簡単な操作で動画像の再生速度と方向を調節することができる。
【0109】
[第7の実施の形態]
〔構成〕
本発明に係る第7の実施の形態のディスプレイ装置は、図5、6に示す第2の実施の形態のディスプレイ装置を用いるため、その図示及び説明は省略する。
【0110】
尚、図1に示す第1の実施の形態のディスプレイ装置を用いて構成することもできる。
【0111】
また、本発明に係る第7の実施の形態のディスプレイ装置の構成は、基本的に図7に示す第2の実施の形態のディスプレイ装置の構成と同様であるため同一部分には同一符号を付してその図示及び説明は省略する。
【0112】
〔動作〕
第7の実施の形態では、ディスプレイ装置は画像の表示のみでなく、音声の再生も行う。
【0113】
画像DB11には、被写体を撮影した複数の画像とともにその画像に対応した音声データが記憶されている。使用者がディスプレイパネル4を回動あるいは平行移動すると、角度センサ20a〜20fからの角度情報に基づいて位置計算部13が、パネル位置を算出する。
【0114】
そして、画像選択部16が、パネル位置に対応する画像データとともに音声データを選択する。表示部17は、画像をディスプレイパネル4に表示し、音声再生手段(不図示)は、音声を再生する。
【0115】
〔効果〕
第7の実施の形態のディスプレイ装置によれば、画像表示に加えて音声も出力されるため、より臨場感を得ることができるとともに、より豊富に情報を提示することができる。例えば、パノラマ画像を表示した時、表示している方向からの音を大きく再生するようなこともできる。
【0116】
[第8の実施の形態]
〔構成〕
本発明に係る第8の実施の形態のディスプレイ装置は、図5、6に示す第2の実施の形態のディスプレイ装置を用いるため、その図示及び説明は省略する。
【0117】
尚、図1に示す第1の実施の形態のディスプレイ装置を用いて構成することもできる。
【0118】
また、本発明に係る第8の実施の形態のディスプレイ装置の構成は、基本的に図7に示す第2の実施の形態のディスプレイ装置の構成と同様であるため同一部分には同一符号を付してその図示及び説明は省略するが、画像のコンテンツを選択し、特定する手段を備えている点で、第2の実施の形態のディスプレイ装置の構成と異なる。
【0119】
〔動作〕
第8の実施の形態では、コンテンツを選択することができる。
【0120】
画像DB11には、複数画像から構成されるコンテンツが複数種類記憶されている。
【0121】
ディスプレイ装置の使用者が、コントローラ10を操作して、コンテンツを選択すると、画像選択部16に設けられたコンテンツ選択手段(不図示)が、画像DB11を検索して該当するコンテンツに属する複数の画像を抽出して、画像メモリ12にセットする。
【0122】
使用者がディスプレイパネル4を移動すると、角度センサ20a〜20fからの回動角度情報に基づいて位置計算部13が、パネル位置を算出する。そして、画像選択部16に設けられた画像特定手段(不図示)が、コンテンツ選択手段で選択したコンテンツからパネル位置に対応した画像データを選択して表示部17に出力する。
【0123】
〔効果〕
第8の実施の形態のディスプレイ装置によれば、使用者は簡単な操作で所望のコンテンツに属する画像を選択して見ることができる。
【0124】
[第9の実施の形態]
〔構成〕
本発明に係る第10の実施の形態のディスプレイ装置は、図5、6に示す第2の実施の形態のディスプレイ装置を用いるため、その図示及び説明は省略する。
【0125】
尚、図1に示す第1の実施の形態のディスプレイ装置を用いて構成することもできる。
【0126】
図10は、本発明に係る第9の実施の形態のディスプレイ装置を用いたディスプレイシステムを示す図である。本実施の形態のディスプレイ装置の構成は、基本的に図7に示す第2の実施の形態のディスプレイ装置の構成と同様であるため同一部分には同一符号を付して説明は省略するが、外部装置と情報の通信を行う通信部26、外部装置に対するコマンドを作成するコマンドエンコード部25、外部装置からの画像データを伸張処理する画像伸張部32を備えている一方、画像DB11を設けていない点で、第2の実施の形態のディスプレイ装置の構成と異なっている。
【0127】
〔動作〕
第9の実施の形態では、ディスプレイ装置が表示する1組の画像セットを画像サーバ24から通信によって受信する。
【0128】
ディスプレイ装置の使用者が、コントローラ10を操作して、ディスプレイしたい画像を選択すると、その1組の画像セットを取り出すための情報である画像セットIDが特定される。そして、画像セットIDは、コマンドエンコード部25に送られる。
【0129】
コマンドエンコード部25は、画像セットIDによって画像要求コマンドを作成し、通信部26を介して画像サーバ24に送信する。
【0130】
画像サーバ24では通信部27が画像要求コマンドを受け取り、コマンドデコード部28が画像セットIDを取り出して、画像選択部29に出力する。
【0131】
画像選択部29は、画像DB30に記憶された画像の内から画像セットIDに対応する1つまたは複数画像を読出し、読出した画像を画像圧縮部31に出力する。読出された画像は画像圧縮部31で圧縮され、通信部27を介してディスプレイ装置に送信される。
【0132】
ディスプレイ装置では、通信部26を介して受信した圧縮画像を画像伸張部32が伸張して画像セットデータとして、画像メモリ12に保存する。また、このとき画像セット内の所定の画像は表示部17を介してディスプレイパネル4に表示される。
【0133】
次に、使用者がディスプレイパネル4を移動すると、角度センサ20a〜20fからの回動角度情報に基づいて位置計算部13が、パネル位置を算出する。そして、画像選択部16は、画像メモリ12に記憶された1組の画像セットの内からパネル位置に対応する画像を特定して画像メモリ12から読出し、読出した画像を表示部17に出力する。表示部17は、読み出された画像をディスプレイパネル4に表示する。
【0134】
尚、画像の一部を選択するエリア選択部18の動作は、第2の実施の形態と同様であるため、その詳細の説明は省略する。
【0135】
〔効果〕
第9の実施の形態のディスプレイ装置によれば、画像DBを設けなくてもよいためディスプレイ装置の構成が簡単になる。
【0136】
[第10の実施の形態]
〔構成〕
本発明に係る第10の実施の形態のディスプレイ装置は、図5、6に示す第2の実施の形態のディスプレイ装置を用いるため、その図示及び説明は省略する。
【0137】
尚、図1に示す第1の実施の形態のディスプレイ装置を用いて構成することもできる。
【0138】
図11は、本発明に係る第10の実施の形態のディスプレイ装置を用いたディスプレイシステムを示す図である。本実施の形態のディスプレイ装置の構成は、基本的に図10に示す第9の実施の形態のディスプレイ装置の構成と同様であるため同一部分には同一符号を付してその説明は省略するが、画像メモリ12、画像選択部16及びエリア選択部18を備えていない点で、第10の実施の形態のディスプレイ装置の構成と異なっている。
【0139】
〔動作〕
第10の実施の形態では、第9の実施の形態と同様にディスプレイ装置が、表示する画像を画像サーバ24から通信によって受信するが、ディスプレイ装置に画像メモリを設けていない点で第9の実施の形態と異なる。
【0140】
ディスプレイ装置の使用者が、コントローラ10を操作して、ディスプレイしたい画像を選択すると、その1組の画像セットを取り出すための情報である画像セットIDが特定される。そして、画像セットIDは、コマンドエンコード部25に送られる。
【0141】
使用者がディスプレイパネル4を移動すると、角度センサ20a〜20fからの回動角度情報に基づいて位置計算部13が、パネル位置を算出する。そして、算出した移動位置をコマンドエンコード部25に送る。
【0142】
コマンドエンコード部25は、画像セットIDとパネル位置を組合せて画像要求コマンドを作成し、通信部26を介して画像サーバ24に送信する。
【0143】
画像サーバ24では通信部27が画像要求コマンドを受け取り、コマンドデコード部28が画像セットIDとパネル位置を取り出して、画像選択部29に出力する。
【0144】
画像選択部29またはエリア選択部33は、画像DB30に記憶された画像の内から画像セットIDと移動位置に対応する画像を読出し、読出した画像を画像圧縮部31に出力する。読出された画像は画像圧縮部31で圧縮され、通信部27を介してディスプレイ装置に送信される。
【0145】
ディスプレイ装置では、通信部26を介して受信した圧縮画像を画像伸張部32が伸張して、表示部17に出力する。そして、表示部17がディスプレイパネル4に表示する。
【0146】
〔効果〕
第10の実施の形態のディスプレイ装置によれば、画像DB及び画像メモリを設けなくてもよいため構成が簡単になる。また、画像選択あるいはエリア選択のような高速な画像処理動作が必要としなくなるため、安価に構成することができる。
【0147】
[第11の実施の形態]
〔構成〕
本発明に係る第11の実施の形態のディスプレイ装置は、図5、6に示す第2の実施の形態のディスプレイ装置を用いるため、その図示及び説明は省略する。
【0148】
尚、図1に示す第1の実施の形態のディスプレイ装置を用いて構成することもできる。
【0149】
図12は、本発明に係る第11の実施の形態のディスプレイ装置を用いたディスプレイシステムを示す図である。本実施の形態のディスプレイ装置の構成は、基本的に図11に示す第10の実施の形態のディスプレイ装置の構成と同様であるため同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0150】
〔動作〕
第11の実施の形態では、ディスプレイ装置は表示する画像を画像撮像装置40から通信によって受信する。
【0151】
ディスプレイ装置の使用者が、コントローラ10を操作して、撮影開始を指示すると、コマンドコントロール部25で撮影開始コマンドを生成し、通信部26より画像撮像装置40へそのコマンドを送信する。画像撮像装置40では、コマンドを通信部27が受信し、コマンドデコード部41で撮影開始命令であることが判断され、カメラ43a〜43nによる撮影が開始する。併せて、各カメラを特定するカメラIDとカメラの撮影範囲情報を含むカメラ情報を通信部27より送信する。ディスプレイ装置8では、画像撮像装置40から送信されたカメラ情報を通信部26が受信し、カメラIDとカメラの撮影範囲情報がカメラエンコード部25に送られる。
【0152】
使用者がディスプレイパネル4を移動すると、角度センサ20a〜20fからの回動角度情報に基づいて位置計算部13が、パネル位置を算出する。そして、算出した移動位置をコマンドエンコード部25に送る。
【0153】
コマンドエンコード部25は、各カメラの撮影範囲情報とパネル位置情報より、ディスプレイパネル4の位置に対応する方向を撮影するカメラのIDを決定し、ディスプレイパネル4が表示する画像の画角を算出してそれらの情報を含む画像要求コマンドを作成し、通信部26を介して画像撮像装置40に送信する。
【0154】
画像撮像装置40では通信部27が画像要求コマンドを受け取り、コマンドデコード部41がカメラセットIDと画角情報を取り出して、カメラ選択部42に出力する。
【0155】
カメラ選択部42は、カメラセットIDに基づいて、要求された画像を撮影するカメラをカメラ43a〜43nの中から選択する。そして、選択したカメラに対して画角を含めた撮影要求コマンドを送信する。
【0156】
図13は、カメラ43a(〜43n)の構成を示すブロック図である。図13を参照しつつカメラの動作を説明する。
【0157】
入出力インターフェース50は、カメラ選択部42から送信された撮影要求コマンドをコマンドデコード部51に出力する。コマンドデコード部51は、撮影要求コマンドに含まれる画角に基づいて、カメラの撮影方向とズーム量を決定する。そして、ズーム量をレンズコントロール部53に指示する。
【0158】
レンズコントロール部53は、指示されたズーム量になるように光学系54を制御する。撮影された画像は画像処理部56によって処理された後、入出力インターフェース50を介して出力される。
【0159】
カメラによって撮影された画像は、画像圧縮部44に送られる。ここで、カメラによって撮影された画像の一部が要求されている場合は、画角情報に基づいてエリア選択部45が算出した範囲の画像を選択する。そして、画像圧縮部44は、選択したエリアの画像を圧縮する。そして、圧縮された画像は通信部27を介してディスプレイ装置に送信される。
【0160】
尚、カメラ43a〜43nから出力された画像を画像圧縮部44で合成処理して1枚の画像とし、この合成画像から所望のエリアを抽出して圧縮し、ディスプレイ装置に送信するようにしても良い。
【0161】
ディスプレイ装置では、通信部26を介して受信した圧縮画像を画像伸張部32が伸張して表示部17に出力する。そして、表示部17がディスプレイパネル4に表示する。
【0162】
〔効果〕
第11の実施の形態のディスプレイ装置によれば、画像撮像装置40によってリアルタイムに撮影した画像(ライブ画像)を得ることができ、また、複数のカメラで撮影した画像間をシームレスに視野移動しながらディスプレイ表示することができる。
【0163】
[第12の実施の形態]
〔構成〕
本発明に係る第12の実施の形態のディスプレイ装置は、図5、6に示す第2の実施の形態のディスプレイ装置を用いるため、その図示及び説明は省略する。
【0164】
尚、図1に示す第1の実施の形態のディスプレイ装置を用いて構成することもできる。
【0165】
図14は、本発明に係る第12の実施の形態のディスプレイ装置を用いたディスプレイシステムを示す図である。本実施の形態のディスプレイ装置の構成は、基本的に図11に示す第10の実施の形態のディスプレイ装置の構成と同様であるため同一部分には同一符号を付してその説明は省略するが、サーバアドレスメモリ63を備え画像伸張部32が省略されている点で第10の実施の形態のディスプレイ装置の構成と異なっている。
【0166】
サーバアドレスメモリ63には、ディスプレイ装置9とネットワーク接続された複数の情報サーバ65、65a〜65mのアドレスと各情報サーバが提供しているコンテンツのインデックス情報が記憶されている。
【0167】
〔動作〕
第12の実施の形態では、ディスプレイ装置が表示する画像をネットワーク64を介して複数の画像サーバ65a〜65mから通信によって受信する。
【0168】
ディスプレイ装置の使用者が、コントローラ10を操作して、ディスプレイパネル4に表示されたコンテンツのインデックスを選択すると、そのコンテンツが存在するサーバのアドレスとコンテンツIDが特定される。そして、コンテンツIDは、コマンドエンコード部25に送られる。
【0169】
使用者がディスプレイパネル4を移動すると、角度センサ20a〜20fからの回動角度情報に基づいて位置計算部13が、パネル位置を算出する。そして、算出したパネル位置をコマンドエンコード部25に送る。
【0170】
コマンドエンコード部25は、コンテンツIDとパネル位置を含んだ画像要求コマンドを作成し、通信部26を介して特定したサーバアドレスの画像サーバ65に送信する。
【0171】
画像サーバ65では通信部27が画像要求コマンドを受け取り、コマンドデコード部66がパネル位置を取り出して、画像/エリア選択部69に出力する。尚、この際、コンテンツIDを基に、コンテンツ選択部67が、コンテンツデータベース68から該当する1組の画像セットを特定する。
【0172】
画像/エリア選択部69は、コンテンツデータベース68に記憶された画像の内からパネル位置に対応する画像を読出し、読出した画像を通信部27を介してディスプレイ装置に送信する。
【0173】
ディスプレイ装置では、通信部26を介して受信した画像を表示部17に出力する。そして、表示部17がディスプレイパネル4に表示する。
【0174】
〔効果〕
第12の実施の形態のディスプレイ装置によれば、インターネット等のネットワークを介して複数の画像サーバが所有する多種類の画像を表示することができるため、豊富な画像を利用することが可能となる。
【0175】
尚、画像サーバの構成は図14に示された構成に限定されず、図10、図11に示した構成であっても良い。また画像サーバに代えて、図12に示す画像撮像装置を用いても良い。さらに、これらを適宜組合わせて構成するものであっても良い。
【0176】
なお、上述の各実施の形態で説明した機能は、ハードウエアを用いて構成するに留まらず、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
【0177】
更に、各機能は図示しない記憶媒体に格納したプログラムをコンピュータに読み込ませることで実現させることもできる。ここで本実施の形態における記憶媒体は、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。
【0178】
尚、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態のディスプレイ装置を示す外形図。
【図2】ディスプレイ装置の構成を示すブロック図。
【図3】パノラマ撮影カメラの構成を示す図。
【図4】サラウンド撮影カメラの構成を示す図。
【図5】本発明に係る他の実施の形態のディスプレイ装置を示す側面図。
【図6】本発明に係る他の実施の形態のディスプレイ装置を示す上面図。
【図7】ディスプレイ装置の構成を示すブロック図。
【図8】移動距離の計算方法を説明する図。
【図9】移動距離の計算方法を説明する図。
【図10】本発明に係る他の実施の形態のディスプレイ装置を用いたディスプレイシステムを示す図。
【図11】本発明に係る他の形態のディスプレイ装置を用いたディスプレイシステムを示す図。
【図12】本発明に係る他の形態のディスプレイ装置を用いたディスプレイシステムを示す図。
【図13】カメラの構成を示すブロック図。
【図14】本発明に係る他の形態のディスプレイ装置を用いたディスプレイシステムを示す図。
【図15】本発明に係る他の形態のディスプレイ装置を用いたディスプレイシステムを示す図。
【符号の説明】
【0180】
1…ベース、2…ロッド、3…アーム、4…ディスプレイ画面、5…支点、6…記号処理部、8…ディスプレイ装置、9…ディスプレイ処理部、10…コントローラ、11…画像DB、12…画像メモリ、13…位置計算部、14…角度センサ、15…角度センサ、16…画像選択部、17…表示部、18…エリア選択部、20…角度センサ、24…画像サーバ、25…コマンドエンコード部、26…通信部、27…通信部、28…コマンドデコード部、29…画像選択部、30…画像DB、31…画像圧縮部、32…画像伸張部、33…エリア選択部、40…画像撮像装置、42…カメラ選択部、43…カメラ、45…エリア選択部、52…画像調節部、53…レンズコントロール部、54…光学系、55…撮像部、60…カメラ切り替え装置、63…サーバアドレスメモリ、65…画像サーバ、67…コンテンツ選択部、69…画像/エリア選択部、70…3D再生部、71…視点設定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を記憶することが可能な画像記憶手段と、
画像を表示する画像表示手段と、
前記画像表示手段を支持する複数のロッドまたはアームを回動自在とするための支点を有する複数の回動軸により回動自在に保持する回動機構と、
前記複数の回動軸についての回動角度から算出した前記画像表示手段の位置に対応して、画像を前記画像記憶手段に記憶した複数の画像から選択する画像選択手段とを備え、
前記画像表示手段は、前記画像選択手段で選択した画像を表示すること
を特徴とするディスプレイ装置。
【請求項2】
前記画像表示手段の位置に基づいて、前記画像選択手段で選択した画像の一部分の画像エリアを選択するエリア選択手段を更に備え、
前記画像表示手段は、前記エリア選択手段で選択した一部分の画像を表示すること
を特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記複数の回動軸についての回動角度から算出した前記画像表示手段の位置に基づいて、前記画像選択手段で選択した画像の一部分の画像エリアを選択するエリア選択手段を更に備え、
前記画像表示手段は、前記エリア選択手段で選択した画像を表示すること
を特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記画像選択手段は、前記複数の回動軸についての回動角度と所定の画像データとを対応付けるリセット手段をさらに有すること、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1の請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記画像選択手段は、前記複数の回動軸についての回動角度が変化した場合でも現在表示している画像を変更しない表示固定手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1の請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記画像記憶手段は前記ディスプレイ装置に着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1の請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記画像記憶手段に記憶されている画像はパノラマ画像であり、
前記複数の回動軸についての回動角度に対応して、前記画像選択手段は前記回動軸についての回動角度に対応した前記パノラマ画像を構成する画像を選択すること
を特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1の請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記画像記憶手段に記憶されている画像はサラウンド画像であり、
前記複数の回動軸についての回動角度に対応して、前記画像選択手段は前記サラウンド画像を構成する画像を選択すること
を特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1の請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記画像記憶手段に記憶されている画像は複数の断層画像であり、
前記画像選択手段は前記複数の回動軸についての回動角度から算出される位置に対応して、前記断層画像を構成する画像を選択すること
を特徴とする請求項3乃至7の内いずれか1の請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
前記画像記憶手段に記憶されている画像は3次元画像であり、
前記画像選択手段は前記複数の回動軸についての回動角度から算出される位置に対応して、前記3次元画像を表示する視点を指定すること
を特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1の請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
前記ディスプレイ装置は、所定時間周期ごとに画像を選択して表示する周期選択モードを有し、
前記周期選択モードの下で前記画像表示手段を移動したときに、前記画像選択手段は、前記画像表示手段の位置に対応して、次の周期で表示する画像を順次選択すること
を特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1の請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項12】
前記画像記憶手段に記憶されている画像は2次元画像であり、
前記周期選択モードの下で前記画像表示手段を移動したときに、前記画像選択手段は、前記画像表示手段が表示する被写体の移動速度が所定速度になるように、前記画像表示手段の位置に対応して、画像を前記所定周期で選択すること
を特徴とする請求項11に記載のディスプレイ装置。
【請求項13】
前記画像記憶手段に記憶されている画像は3次元画像であり、
前記周期選択モードの下で前記画像表示手段を移動したときに、前記画像選択手段は、前記画像表示手段が表示する被写体の移動速度が所定速度になるように、前記画像表示手段の位置に対応した画像を前記所定周期で選択すること
を特徴とする請求項11に記載のディスプレイ装置。
【請求項14】
前記画像記憶手段に記憶されている画像は静止画像であることを特徴とする請求項1乃至12の内いずれか1の請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項15】
前記画像記憶手段に記憶されている画像は動画像であることを特徴とする請求項1乃至12の内いずれか1の請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項16】
前記画像選択手段で選択した画像に対応した音声情報に基づいて音声を再生する音声再生手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至15の内いずれか1の請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項17】
前記画像記憶手段は、複数の画像から構成される少なくとも1つコンテンツを記憶し、
前記画像選択手段は、前記画像記憶手段に記憶されているコンテンツを選択するコンテンツ選択手段と、前記コンテンツ選択手段で選択したコンテンツから画像を特定する画像特定手段と
をさらに有することを特徴とする請求項1乃至16の内いずれか1の請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項18】
少なくとも1つの画像を要求する第1の送信手段と、
前記第1の送信手段が送信した前記要求に対応した少なくとも1つの画像を受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段で受信した前記画像を記憶する画像記憶手段と、
画像を表示する画像表示手段と、
前記画像表示手段を前記複数の回動軸により回動自在に保持する回動機構と、
前記複数の回動軸についての回動角度から算出した前記表示手段の位置に対応して、画像を前記画像記憶手段に記憶した少なくとも1の画像から選択する画像選択手段とを備え、
前記画像表示手段は、前記画像選択手段で選択した画像、または前記第1の受信手段で受信した画像を表示すること
を特徴とするディスプレイ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2009−64014(P2009−64014A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220062(P2008−220062)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【分割の表示】特願2003−122449(P2003−122449)の分割
【原出願日】平成15年4月25日(2003.4.25)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】