説明

デジタル放送受信装置

【課題】 階層伝送により同一内容の番組が弱階層と強階層で放送されている場合において、放送電波の受信状態に応じて、弱階層と強階層を適切なタイミングで切り替えるデジタル放送受信装置を提供する。
【解決手段】 伝送路復調部3は、放送電波の受信状態を示す信号品質情報Aを制御部10に供給する。また、同期部7は、弱階層番組信号と強階層番組信号とのタイムラグを検出し、同期を取ると共に、タイムラグに関する同期情報Bを制御部10に供給する。制御部10は、信号品質情報Aと同期情報Bに基づき、切替信号Cで切替部8を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送受信装置に関し、特に、階層伝送により同一内容の番組が弱階層と強階層で放送されているデジタル放送を受信するデジタル放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日本の地上デジタル放送は、伝送方式としてISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial)方式を採用している(非特許文献1参照)。ISDB−T方式では、1チャンネルの伝送帯域を13個のセグメントに分割し、それぞれのセグメントを単位として伝送パラメータを変更することが可能であり、最大3階層までの階層伝送を行うことができる。現在、この階層伝送を利用して、固定受信端末向け放送(以下、弱階層という)と携帯受信端末向け放送(以下、強階層という)が行われており、弱階層と強階層は、同一内容の番組を放送するサイマル(同時)放送である。ここで、弱階層は、伝送容量が大きく高品質(高画質、高音質)であるが、ノイズ耐性に比較的弱く、一方、強階層は、伝送容量が小さく低品質(低画質、低音質)であるが、ノイズ耐性に比較的強いという特徴がある。
【0003】
ところで、地上デジタル放送を自動車などの移動体で受信する場合、走行環境の変化によって放送電波の受信電界強度は時々刻々と変化する。このため、階層伝送に対応した従来技術になるデジタル放送受信装置では、例えば、デジタル変調された信号を復調する際のエラーレートやS/N比などを監視し、受信状態が良好な時には高品質な弱階層を受信し、受信状態が悪化した時にはノイズ耐性に比較的強い強階層に切り替えて受信することが既に知られている(特許文献1参照)。
【0004】
また、放送局の送信設備では、弱階層と強階層のエンコード処理において、両者に数秒間のタイムラグが発生し、これにより、受信装置において、階層切り替え時に映像、音声が不連続となる場合がある。かかる問題点に対処した従来の受信装置では、弱階層の番組信号と強階層の番組信号とのタイムラグを検出し、再生時刻の進んでいる番組信号を遅延させて再生時刻の遅れている番組信号と同期を取ることで、スムーズな階層切り替えを実現している。具体的には、弱階層の番組信号と強階層の番組信号との同期を取るために、例えば、PCR(Program Clock Reference)を用いて同期を取る仕組みを強階層のデコーダに加えておき、この機能を用いて、予めデコードした強階層フレーム及び弱階層フレーム双方が保持するタイムスタンプのうち、現在表示しているフレームから最も近傍にあるフレームを選択して切り替え表示を行うことにより、切り替え表示時のタイムラグを抑える方法が提案されている(非特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2005−223549号公報
【非特許文献1】「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式 ARIB STD−B31 1.6版」,社団法人電波産業会,平成17年11月30日策定
【非特許文献2】友部,他4名:「階層伝送方式を応用した12セグ1セグ切替端末向けH.264デコーダの開発」,映像情報メディア学会年次大会,5−3,Aug.2005
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記構成から成る従来技術になるデジタル放送受信装置によれば、階層切り替え手段により、放送電波の受信状態に応じて弱階層と強階層を切り替えて受信することができ、かつ、弱階層と強階層のタイムラグを抑えるための同期手段により、階層切り替え時に映像や音声が不連続とならないデジタル放送受信装置を提供することができる。
【0007】
しかしながら、上記構成から成るデジタル放送受信装置では、階層切り替え手段と同期手段は独立に処理されるため、階層切り替えのタイミングが不適切となる課題を有している。例えば、弱階層の番組信号よりも強階層の番組信号の再生時刻がτ秒間遅れている場合、放送電波の受信状態が悪化して階層切り替え手段により受信階層が弱階層から強階層への切り替えが発生すると、この時点において同期手段で遅延されているτ秒間分の復号エラーのない弱階層の番組信号は出力されないため、強階層への切り替えの発生がτ秒間早すぎることになる。また、放送電波の受信状態が好転し、階層切り替え手段により受信階層が強階層から弱階層への切り替えが発生すると、この時点において同期手段で遅延されているτ秒間分の復号エラーを含む弱階層の番組信号が出力されてしまうため、弱階層への切り替えの発生がτ秒間早過ぎることになる。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、階層伝送により同一内容の番組が弱階層と強階層で放送されている場合において、放送電波の受信状態に応じて、適切なタイミングで弱階層と強階層を切り替えるデジタル放送受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明によれば、階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層と、ノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、デジタル放送信号を受信し、所望のチャンネルのデジタル放送信号を選局する選局手段と、前記選局手段で選局された前記所望のチャンネルのデジタル放送信号を復調処理し、かつ、前記所望のチャンネルのデジタル放送信号の信号品質に関する信号品質情報を検出する伝送路復調手段と、前記伝送路復調手段で復調処理された前記所望のチャンネルのデジタル放送信号を、弱階層のデジタルデータ信号と、強階層のデジタルデータ信号とに分離する多重分離手段と、前記多重分離手段で分離された前記弱階層のデジタルデータ信号を、弱階層の番組信号に復号する弱階層デコード手段と、前記多重分離手段で分離された前記強階層のデジタルデータ信号を、強階層の番組信号に復号する強階層デコード手段と、前記弱階層の番組信号と前記強階層の番組信号との再生時刻を一致させ、かつ、前記弱階層の番組信号と前記強階層の番組信号とのタイムラグに関する同期情報を出力する同期手段と、再生時刻が一致された前記弱階層の番組信号と前記強階層の番組信号のうちいずれか一方の番組信号を選択し、出力端子に供給する選択手段と、前記伝送路復調手段で検出された前記信号品質情報と、前記同期手段から供給された前記同期情報とに基づき、前記選択手段で選択すべき階層を制御する切替制御手段とを備えるデジタル放送受信装置が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、前記切替制御手段は、前記伝送路復調手段で検出された前記信号品質情報に基づいて選択すべき階層を判定し、判定結果に応じた切替信号を出力する切替判定手段と、前記同期手段から供給された前記同期情報に基づき、前記切替判定手段から供給された前記切替信号を所定の時間だけ遅延させてから前記選択手段に供給する遅延手段とを備えることが好ましい。
【0011】
また、本は罪によれば、階層伝送により同一内容の番組がノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層で放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、デジタル放送信号を受信し、所望のチャンネルのデジタル放送信号を選局する選局手段と、前記選局手段で選局された前記所望のチャンネルのデジタル放送信号を復調処理し、かつ、前記所望のチャンネルのデジタル放送信号の信号品質に関する信号品質情報を検出する伝送路復調手段と、前記伝送路復調手段で復調処理された前記所望のチャンネルのデジタル放送信号を弱階層のデジタルデータ信号と強階層のデジタルデータ信号に分離する多重分離手段と、前記多重分離手段で分離された前記弱階層のデジタルデータ信号を弱階層の番組信号に復号する弱階層デコード手段と、前記多重分離手段で分離された前記強階層のデジタルデータ信号を強階層の番組信号に復号する強階層デコード手段と、前記弱階層の番組信号と前記強階層の番組信号との再生時刻を一致させ、かつ、前記弱階層の番組信号と前記強階層の番組信号とのタイムラグに関する同期情報を出力する同期手段と、前記同期手段から出力された弱階層の番組信号を弱階層の映像信号と音声信号に分離する第1のAV分離手段と、前記同期手段から出力された強階層の番組信号を強階層の映像信号と音声信号に分離する第2のAV分離手段と、前記弱階層の映像信号と前記強階層の映像信号とのうち、いずれか一方の映像信号を選択し、映像出力端子に供給する第1の選択手段と、前記弱階層の音声信号と前記強階層の音声信号とのうち、いずれか一方の音声信号を選択し、音声出力端子に供給する第2の選択手段と、前記伝送路復調手段で検出された前記信号品質情報と、前記同期手段から供給された前記同期情報とに基づき、前記第1、第2の選択手段で選択すべき階層を制御する切替制御手段とを備えるデジタル放送受信装置が提供される。
【0012】
また、本発明では、前記切替制御手段は、前記伝送路復調手段で検出された前記信号品質情報に基づいて映像信号の選択すべき階層を判定し、判定結果に応じた第1の切替信号を出力する第1の切替判定手段と、前記伝送路復調手段で検出された前記信号品質情報に基づいて音声信号の選択すべき階層を判定し、判定結果に応じた第2の切替信号を出力する第2の切替判定手段と、前記同期手段から供給された前記同期情報に基づき、前記第1の切替判定手段から供給された前記第1の切替信号を所定の時間だけ遅延させてから前記第1の選択手段に供給する第1の遅延手段と、前記同期手段から供給された前記同期情報に基づき、前記第2の切替判定手段から供給された前記第2の切替信号を所定の時間だけ遅延させてから前記第2の選択手段に供給する第2の遅延手段とを備えることが好ましい。
【0013】
また、本発明では、前記同期手段で検出される同期情報は、前記同期手段に供給された前記弱階層の番組信号と前記強階層の番組信号のうち、再生時刻が遅れている番組信号、または再生時刻が進んでいる番組信号の少なくともどちらか一方が判断できる情報と、前記強階層の番組信号の再生時刻が遅れている場合は、前記弱階層の番組信号に対する前記強階層の番組信号の遅延時間を示す情報とを少なくとも含んでいることが好ましい。
【0014】
また、本発明では、前記遅延手段は、前記同期手段に供給された前記弱階層の番組信号よりも、前記同期手段に供給された前記強階層の番組信号の再生時刻が遅れている場合は、前記強階層の番組信号の遅延時間だけ前記切替判定手段から供給された前記切替信号を遅延させ、前記同期手段に供給された前記強階層の番組信号よりも、前記同期手段に供給された前記弱階層の番組信号の再生時刻が遅れている場合は、前記切替判定手段から供給された前記切替信号を遅延させないことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、階層伝送により同一内容の番組が弱階層と強階層で放送されている場合において、放送電波の受信状態を示す信号品質情報と、弱階層の番組信号と強階層の番組信号とのタイムラグを短縮する同期手段から供給される同期情報とに基づいて階層切り替えを行うことにより、信号品質情報のみに基づいて階層切り替えを行う場合と比較し、より適切なタイミングで階層切り替えを行うことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する本発明の実施形態では、放送局から送信される放送電波はISDB−T方式に準拠しており、階層伝送により、1つのチャンネルで弱階層と強階層の2つの番組が放送され、それぞれの階層は同一内容の番組を放送するサイマル放送であるものとして説明する。ここで、弱階層は、伝送容量が大きく高品質(高画質、高音質)であるが、ノイズ耐性に比較的弱く、一方、強階層は、伝送容量が小さく低品質(低画質、低音質)であるが、ノイズ耐性に比較的強いという特徴がある。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の実施例1のデジタル放送受信機を示すブロック図であって、図中の参照符号1は、アンテナ部、2は選局部、3は伝送路復調部、4はTS分離部、5は弱階層デコーダ、6は強階層デコーダ、7は同期部、8は切替部、9は出力端子、10は制御部である。
【0018】
図1において、アンテナ部1は放送電波を受信し、選局部2に供給する。選局部2は、供給された放送電波から所望のチャンネルのデジタル放送信号を選局し、伝送路復調部3に供給する。伝送路復調部3は、供給された所望のチャンネルのデジタル放送信号を復調処理及び誤り訂正処理し、トランスポートストリーム(Transport Stream、以下、TSという)信号としてTS分離部4に供給し、かつ、所望チャンネルのデジタル放送信号の信号品質に関する情報(以下、信号品質情報という)Aを検出し、制御部10に供給する。ここで、信号品質情報Aは、例えば、搬送波電力対雑音電力比(CNR(Carrier to Noise Ratio))、誤り訂正処理でのビットエラーレート、AGC制御電圧、変調誤差比(MER(Modulation Error Ratio))などである。以下、信号品質情報Aが大きい場合は受信状態が良好、信号品質情報Aが小さい場合は受信状態が悪化しているものとする。
【0019】
TS分離部4は、伝送路復調部3から供給されたTS信号を弱階層のTS信号と強階層のTS信号に分離し、弱階層のTS信号は弱階層デコーダ5に、強階層のTS信号は強階層デコーダ6に供給する。弱階層デコーダ5は、供給された弱階層のTS信号を映像、音声信号に復号(以下、弱階層番組信号という)し、同期部7に供給する。また、強階層デコーダ6は、供給された強階層のTS信号を映像、音声信号に復号(以下、強階層番組信号という)し、同期部7に供給する。
【0020】
同期部7は、供給された弱階層番組信号と強階層番組信号とのタイムラグを検出し、再生時刻が進んでいる番組信号を遅延させて、再生時刻が遅れている番組信号との同期を取り、同期が取れた弱階層番組信号と強階層番組信号を切替部8に供給する。また、同期部7は、弱階層番組信号と強階層番組信号とのタイムラグに関する情報(以下、同期情報という)Bを制御部10に供給する。ここで、同期情報Bには、弱階層番組信号と強階層番組信号のうち、再生時刻が遅れている番組信号、または再生時刻が進んでいる番組信号の少なくともどちらか一方が判断できる情報と、強階層番組信号の再生時刻が遅れている場合は、弱階層番組信号に対する強階層番組信号の遅延時間を示す情報とが少なくとも含まれている。
【0021】
切替部8は、同期部7から供給された同期の取れた弱階層番組信号と強階層番組信号のうち、いずれか一方の番組信号を選択し、出力端子9から出力する。制御部10は、伝送路復調部3から供給される信号品質情報Aと、同期部7から供給される同期情報Bとを基にして、切替信号Cで切替部8を制御する。
【0022】
図2は、図1における制御部10の一具体例を示すブロック図であって、参照符号11は切替判定部、12は遅延回路である。
【0023】
図2において、切替判定部11は、伝送路復調部3から供給される信号品質情報Aを基にして選択すべき階層を判定し、その判定結果に応じた切替信号C’が生成されて遅延回路12に供給される。なお、切替判定部11は、選択すべき階層が弱階層と判定した場合は、Highレベル(以下、“H”レベルという)の切替信号C’を出力し、選択すべき階層が強階層と判定した場合は、Lowレベル(以下、“L”レベルという)の切替信号C’を出力するものとする。
【0024】
ここで、切替判定部11は、例えば、信号品質情報Aと予め定められた閾値とを比較し、信号品質情報Aが閾値よりも大きい場合は弱階層を選択する“H”レベルの切替信号C’を出力し、信号品質情報Aが閾値よりも小さい場合は強階層を選択する“L”レベルの切替信号C’を出力するように動作させれば良い。或いは、切替判定部11は、第1の閾値と、第1の閾値よりも大きい第2の閾値を設け、切替信号C’が“H”レベル(弱階層を選択)を出力している時は、信号品質情報Aと第1の閾値とを比較し、切替信号C’が“L”レベル(強階層を選択)を出力している時は、信号品質情報Aと第2の閾値とを比較することで、ヒステリシスを持たせた階層切り替えを行っても良い。
【0025】
また、切替判定部11は、信号品質情報Aとして、弱階層デコーダ5や強階層デコーダ6においてTS信号を復号する際に検出される復号エラー情報を利用しても良い。なお、上記した切替判定部11の動作は、一例として示すものであって、切替判定部11の動作が上記動作例に限定されるものではない。
【0026】
遅延回路12は、切替判定部11から供給される切替信号C’を所定の時間だけ遅延させ、切替信号C’が遅延された切替信号Cを切替部8に供給する。遅延回路12での遅延時間の制御は、同期部7から供給される同期情報Bにより制御される。なお、切替信号Cが“H”レベルの場合は切替部8で弱階層が選択され、“L”レベルの場合は切替部8で強階層が選択されるものとする。
【0027】
図3及び図4は、上記図2における遅延回路12の切替信号Cの生成処理を示すタイミング図であって、図2に対応する信号には同一符号をつけている。図3(a)、(b)、及び、図4(a)、(b)の時間軸はそれぞれ一致しているものとする。
【0028】
図3は、強階層番組信号が弱階層番組信号よりも再生時刻が遅れている場合の切替信号Cの生成処理を示すタイミング図である。図3(a)は、弱階層番組信号に対する強階層番組信号の再生時刻の遅れの時間変化を示すものであって、同期情報Bから供給される。図3(b)は、切替信号C’、Cのタイミングを示すものである。
【0029】
図3において、切替信号C’、Cが“H”レベル、即ち、切替部8で弱階層が選択されている場合は、切替判定部11により切替信号C’が“L”レベルに変化すると、切替信号Cは、強階層番組信号の再生時刻の遅れτ1だけ“H”レベルを保持し、その後“L”レベルに変化する。また、切替信号C’、Cが“L”レベル、即ち、切替部8で強階層が選択されている場合は、切替判定部11により切替信号C´が“H”レベルに変化すると、切替信号Cは、強階層番組信号の再生時刻の遅れτ2だけ“L”レベルを保持し、その後、“H”レベルに変化する。
【0030】
一方、図4は、弱階層番組信号が強階層番組信号よりも再生時刻が遅れている場合の切替信号Cの生成処理を示すタイミング図である。図4(a)は、強階層番組信号に対する弱階層番組信号の再生時刻の遅れの時間変化を示すものである。図4(b)は、切替信号C’、Cのタイミングを示すものである。
【0031】
図4において、切替信号C’、Cが“H”レベル、即ち、切替部8で弱階層が選択されている場合は、切替判定部11により切替信号C’が“L”レベルに変化すると、切替信号Cは、弱階層番組信号の再生時刻の遅れτ3に関係なく、切替信号C’が“L”レベルに変化すると同時に切替信号Cも“L”レベルに変化する。また、切替信号C’、Cが“L”レベル、即ち、切替部8で強階層が選択されている場合は、切替信号C’が“H”レベルに変化すると、切替信号Cは、弱階層番組信号の再生時刻の遅れτ4に関係なく、切替信号C’が“H”レベルに変化すると同時に切替信号Cも“H”レベルに変化する。
【0032】
以上の動作により、強階層番組信号が弱階層番組信号よりも再生時刻が遅れている場合、信号品質情報Aが良好な状態から悪化へ転じ、制御部10により、弱階層が受信不可と判定されると、受信不可と判定された時点において同期部7で遅延されている復号エラーのない弱階層番組信号を全て出力端子9に出力した後、切替部8が強階層を選択するように制御される。従って、復号エラーのない弱階層番組信号をできる限り長時間、出力端子9に出力することができる。また、信号品質情報Aが悪化状態から良好へ転じ、制御部10により、弱階層が受信可能と判定されると、受信可能と判定された時点において同期部7で遅延されている復号エラーを含む弱階層番組信号が全て復号エラーのない弱階層番組信号に入れ替わった後、切替部8が弱階層を選択するように制御される。従って、復号エラーを含む弱階層番組信号を出力端子9に出力することがない。
【0033】
一方、弱階層番組信号が強階層番組信号よりも再生時刻が遅れている場合、信号品質情報Aが良好な状態から悪化へ転じ、制御部10により、弱階層が受信不可と判定されると、即座に切替部8が強階層を選択するように制御される。弱階層番組信号は、同期部7において遅延されることなく切替部8へ供給されるため、弱階層が受信不可と判定されると、出力端子9からは即座に復号エラーを含む弱階層番組信号が出力されることとなり、従って、弱階層が受信不可と判定された時点で弱階層から強階層へ切り替えることが適切な切り替えタイミングとなる。また、信号品質情報Aが悪化状態から良好へ転じ、制御部10により、弱階層が受信可能と判定されると、即座に、切替部8が弱階層を選択するように制御される。弱階層番組信号は、同期部7において遅延されることなく切替部8へ供給されるため、弱階層が受信可能と判定されると、出力端子9からは即座に復号エラーのない弱階層番組信号が出力されることとなり、従って、弱階層が受信可能と判定された時点で強階層から弱階層へ切り替えることが適切な切り替えタイミングとなる。
【0034】
以上のように、本発明の実施例1では、信号品質情報Aと、弱階層番組信号と強階層番組信号のタイムラグを短縮する同期部7における同期処理を考慮に入れた階層切り替えを行うことにより、信号品質情報Aのみに基づいて階層切り替えを行う場合と比較して、より適切なタイミングで弱階層と強階層を切り替えることが可能である。
【0035】
なお、本発明の実施例1では、放送電波の受信状態が悪化し、弱階層番組信号に復号エラーが発生している場合は、同期部7における弱階層番組信号と強階層番組信号とのタイムラグの検出が困難となる場合がある。例えば図3の時刻t1からt2間は、弱階層番組信号に復号エラーが発生しているため、強階層から弱階層に切り替える際の遅延時間τ2を検出できない場合がある。このような場合は、直前の弱階層から強階層に切り替えた時の遅延時間τ1を代用してもよい。
【0036】
また、強階層番組信号の再生時刻が遅れている場合に、同期情報Bに含まれる、弱階層番組信号に対する強階層番組信号の遅延時間を示す情報として、遅延している映像のフレーム数を用いても良い。この場合、遅延回路12は、予め取得した強階層番組信号のフレームレートと供給された遅延フレーム数から、強階層番組信号の遅延時間を算出する。
【0037】
更に、同期情報Bがチャンネルごとに一定値であれば、予めチャンネルごとに同期情報を図示しないメモリに格納しておき、ユーザにより選局操作がなされると、対応するチャンネルの同期情報をメモリから読み出し、遅延回路12に供給するような構成としても良い。
【0038】
また、遅延回路12がなくても、切替判定部11に同期情報Bを供給し、切り替え判定のアルゴリズムに同期情報Bも考慮することで、同様の動作を行うことができる。
【実施例2】
【0039】
図5は、本発明の実施例2のデジタル放送受信装置を示すブロック図であって、81は映像切替部、82は音声切替部、91は映像出力端子、92は音声出力端子、101は制御部、131、132はAV分離部であり、図1に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
【0040】
先に、図1で示した実施例1では、弱階層デコーダ5と強階層デコーダ6から出力される弱階層番組信号、強階層番組信号は、それぞれ映像信号と音声信号を含み、選択部8でどちらか一方の番組信号が選択され、出力端子9から映像、音声信号が出力されるものであったが、この実施例2では、映像信号と音声信号が別々の切替部で切り替えられ、映像出力端子91と音声出力端子92に供給されるようにしたものである。
【0041】
即ち、図5において、同期部7は、供給された弱階層番組信号と強階層番組信号との同期を取り、弱階層番組信号をAV分離部131に、強階層番組信号をAV分離部132に供給する。AV分離部131は、供給された弱階層番組信号を弱階層の映像信号Vwと音声信号Awに分離し、弱階層の映像信号Vwを映像切替部81に、弱階層の音声信号Awを音声切替部82に供給する。また、AV分離部132は、供給された強階層番組信号を強階層の映像信号Vsと音声信号Asに分離し、強階層の映像信号Vsを映像切替部81に、強階層の音声信号Asを音声切替部82に供給する。
【0042】
映像切替部81は、供給された弱階層の映像信号Vwと強階層の映像信号Vsのうち、いずれか一方の映像信号を選択し、映像出力端子91から出力する。また、音声切替部82は、供給された弱階層の音声信号Awと強階層の音声信号Asのうち、いずれか一方の音声信号を選択し、音声出力端子92から出力する。制御部101は、伝送路復調部3から供給される信号品質情報Aと、同期部7から供給される同期情報Bを元に、映像切替信号Dで映像切替部81を、音声切替信号Eで音声切替部82を制御する。
【0043】
図6は、図5における制御部101の一具体例を示すブロック図であって、111は映像切替判定部、112は音声切替判定部、121、122は遅延回路である。
【0044】
図6において、映像切替判定部111は、伝送路復調部3から供給される信号品質情報Aを元に選択すべき階層を判定し、その判定結果に応じた映像切替信号D’が生成されて遅延回路121に供給される。また、音声切替判定部112は、伝送路復調部3から供給される信号品質情報Aを元に選択すべき階層を判定し、その判定結果に応じた音声切替信号E’が生成されて遅延回路122に供給される。ここで、映像切替判定部111、音声切替判定部112は、それぞれ独立して切り替え判定のアルゴリズムを有しており、従って、映像切替信号D’と音声切替信号E’の切り替えの発生タイミングは異なる。
【0045】
遅延回路121は、映像切替判定部111から供給される映像切替信号D’を所定の時間だけ遅延させた、映像切替信号D’が遅延された映像切替信号Dを映像切替部81に供給する。また、遅延回路122は、音声切替判定部112から供給される音声切替信号E’を所定の時間だけ遅延させ、音声切替信号E’が遅延された音声切替信号Eを音声切替部82に供給する。遅延回路121、122での遅延時間の制御は、同期部7から供給される同期情報Bにより制御される。
【0046】
図7及び図8は、図6における遅延回路121の映像切替信号D、及び遅延回路122の音声切替信号Eの生成処理を示すタイミング図であって、図6に対応する信号には同一符号をつけている。図7(a)、(b)、(c)及び図8(a)、(b)、(c)の時間軸はそれぞれ一致しているものとする。
【0047】
図7は、強階層番組信号が弱階層番組信号よりも再生時刻が遅れている場合の映像切替信号D、音声切替信号Eの生成処理を示すタイミング図である。図7(a)は、弱階層番組信号に対する強階層番組信号の再生時刻の遅れの時間変化を示すものであって、同期情報Bから供給される。図7(b)は、映像切替信号D’、Dのタイミングを示すものである。図7(c)は、音声切替信号E’、Eのタイミングを示すものである。
【0048】
図7において、映像切替信号D’、Dが“H”レベル、即ち、映像切替部81で弱階層が選択されている場合は、映像切替判定部111により映像切替信号D’が“L”レベルに変化すると、映像切替信号Dは、強階層番組信号の再生時刻の遅れτ5だけ“H”レベルを保持し、その後“L”レベルに変化する。また、映像判定情報D’、Dが“L”レベル、即ち、映像切替部81で強階層が選択されている場合は、映像切替判定部111により映像切替信号D’が“H”レベルに変化すると、映像切替信号Dは、強階層番組信号の再生時刻の遅れτ7だけ“L”レベルを保持し、その後“H”レベルに変化する。
【0049】
音声切替信号E’、Eが“H”レベル、即ち、音声切替部82で弱階層が選択されている場合は、音声切替判定部112により音声切替信号E’が“L”レベルに変化すると、音声切替信号Eは、強階層番組信号の再生時刻の遅れτ6だけ“H”レベルを保持し、その後“L”レベルに変化する。また、音声判定情報E’、Eが“L”レベル、即ち、音声切替部82で強階層が選択されている場合は、音声切替判定部112により音声切替信号E’が“H”レベルに変化すると、音声切替信号Eは、強階層番組信号の再生時刻の遅れτ8だけ“L”レベルを保持し、その後“H”レベルに変化する。
【0050】
一方、図8は、弱階層番組信号が強階層番組信号よりも再生時刻が遅れている場合の映像切替信号D、音声切替信号Eの生成処理を示すタイミング図である。図8(a)は、強階層番組信号に対する弱階層番組信号の再生時刻の遅れの時間変化を示すものである。図8(b)は、映像切替信号D’、Dのタイミングを示すものである。図8(c)は、音声切替信号E’、Eのタイミングを示すものである。
【0051】
図8において、映像切替信号D’、Dが“H”レベル、即ち、切替部8で弱階層が選択されている場合は、映像切替判定部111により映像切替信号D’が“L”レベルに変化すると、映像切替信号Dは、弱階層番組信号の再生時刻の遅れτ9に関係なく、映像切替信号D’が“L”レベルに変化すると同時に映像切替信号Dも“L”レベルに変化する。また、映像切替信号D’、Dが“L”レベル、即ち、切替部8で強階層が選択されている場合は、映像切替判定部111により映像切替信号D’が“H”レベルに変化すると、映像切替信号Dは、弱階層番組信号の再生時刻の遅れτ11に関係なく、映像切替信号D’が“H”レベルに変化すると同時に映像切替信号Dも“H”レベルに変化する。
【0052】
音声切替信号E’、Eが“H”レベル、即ち、切替部8で弱階層が選択されている場合は、音声切替判定部112により音声切替信号E’が“L”レベルに変化すると、音声切替信号Eは、弱階層番組信号の再生時刻の遅れτ10に関係なく、音声切替信号E’が“L”レベルに変化すると同時に音声切替信号Eも“L”レベルに変化する。また、音声切替信号E’、Eが“L”レベル、即ち、切替部8で強階層が選択されている場合は、音声切替判定部112により音声切替信号E’が“H”レベルに変化すると、音声切替信号Eは、弱階層番組信号の再生時刻の遅れτ12に関係なく、音声切替信号E’が“H”レベルに変化すると同時に音声切替信号Eも“H”レベルに変化する。
【0053】
以上のように、発明の実施例2では、弱階層と強階層の切り替えを映像信号と音声信号とで独立に行うことができる。従って、例えば、映像信号は弱階層を優先的に受信し、音声信号は強階層を優先的に受信したい場合など、映像信号と音声信号とで切り替え条件を変更したい場合に、本発明の実施例2は有効である。
【0054】
なお、本発明の実施例2では、放送電波の受信状態が悪化し、弱階層番組信号に復号エラーが発生している場合は、同期部7における弱階層番組信号と強階層番組信号とのタイムラグの検出が困難となる場合がある。例えば、映像信号を強階層から弱階層に切り替える際の遅延時間τ7を検出できない場合は、直前の弱階層から強階層に切り替えた時の遅延時間τ5を代用してもよい。
【0055】
また、強階層番組信号の再生時刻が遅れている場合に、同期情報Bに含まれている弱階層番組信号に対する強階層番組信号の遅延時間を示す情報として、遅延している映像のフレーム数を用いても良い。この場合、遅延回路12は、予め取得した強階層番組信号のフレームレートと供給された遅延フレーム数から、強階層番組信号の遅延時間を算出する。
【0056】
更に、同期情報Bがチャンネルごとに一定値であれば、予めチャンネルごとに同期情報を図示しないメモリに格納しておき、ユーザにより選局操作がなされると、対応するチャンネルの同期情報をメモリから読み出し、遅延回路12に供給するような構成としても良い。
【0057】
また、遅延回路121、122がなくても、映像切替判定部111、音声切替判定部112に同期情報Bを供給し、切り替えアルゴリズムに同期情報Bを考慮することで、同様の動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施例1になるデジタル放送受信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】上記図1における制御部10の一具体例を示すブロック図である。
【図3】上記図2における遅延回路12の動作例を示すタイミング図である。
【図4】上記図2における遅延回路12の動作例を示すタイミング図である。
【図5】本発明の実施例2になるデジタル放送受信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】上記図5における制御部101の一具体例を示すブロック図である。
【図7】上記図6における遅延回路121、122の動作例を示すタイミング図である。
【図8】上記図6における遅延回路121、122の動作例を示すタイミング図である。
【符号の説明】
【0059】
1…アンテナ部
2…選局部
3…伝送路復調部
4…TS分離部
5…弱階層デコーダ
6…強階層デコーダ
7…同期部
8、81、82…切替部
9、91、92…出力端子
10、101…制御部
11、111、112…切替判定部
12、121、122…遅延回路
131、132…AV分離部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
階層伝送により同一内容の番組が、ノイズ耐性に弱い弱階層と、ノイズ耐性に強い強階層とで放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
デジタル放送信号を受信し、所望のチャンネルのデジタル放送信号を選局する選局手段と、
前記選局手段で選局された前記所望のチャンネルのデジタル放送信号を復調処理し、かつ、前記所望のチャンネルのデジタル放送信号の信号品質に関する信号品質情報を検出する伝送路復調手段と、
前記伝送路復調手段で復調処理された前記所望のチャンネルのデジタル放送信号を、弱階層のデジタルデータ信号と、強階層のデジタルデータ信号とに分離する多重分離手段と、
前記多重分離手段で分離された前記弱階層のデジタルデータ信号を、弱階層の番組信号に復号する弱階層デコード手段と、
前記多重分離手段で分離された前記強階層のデジタルデータ信号を、強階層の番組信号に復号する強階層デコード手段と、
前記弱階層の番組信号と前記強階層の番組信号との再生時刻を一致させ、かつ、前記弱階層の番組信号と前記強階層の番組信号とのタイムラグに関する同期情報を出力する同期手段と、
再生時刻が一致された前記弱階層の番組信号と前記強階層の番組信号のうちいずれか一方の番組信号を選択し、出力端子に供給する選択手段と、
前記伝送路復調手段で検出された前記信号品質情報と、前記同期手段から供給された前記同期情報とに基づき、前記選択手段で選択すべき階層を制御する切替制御手段と
を備えることを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタル放送受信装置において、
前記切替制御手段は、
前記伝送路復調手段で検出された前記信号品質情報に基づいて選択すべき階層を判定し、判定結果に応じた切替信号を出力する切替判定手段と、
前記同期手段から供給された前記同期情報に基づき、前記切替判定手段から供給された前記切替信号を所定の時間だけ遅延させてから前記選択手段に供給する遅延手段と
を備えることを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項3】
階層伝送により同一内容の番組がノイズ耐性に弱い弱階層とノイズ耐性に強い強階層で放送されているデジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
デジタル放送信号を受信し、所望のチャンネルのデジタル放送信号を選局する選局手段と、
前記選局手段で選局された前記所望のチャンネルのデジタル放送信号を復調処理し、かつ、前記所望のチャンネルのデジタル放送信号の信号品質に関する信号品質情報を検出する伝送路復調手段と、
前記伝送路復調手段で復調処理された前記所望のチャンネルのデジタル放送信号を弱階層のデジタルデータ信号と強階層のデジタルデータ信号に分離する多重分離手段と、
前記多重分離手段で分離された前記弱階層のデジタルデータ信号を弱階層の番組信号に復号する弱階層デコード手段と、
前記多重分離手段で分離された前記強階層のデジタルデータ信号を強階層の番組信号に復号する強階層デコード手段と、
前記弱階層の番組信号と前記強階層の番組信号との再生時刻を一致させ、かつ、前記弱階層の番組信号と前記強階層の番組信号とのタイムラグに関する同期情報を出力する同期手段と、
前記同期手段から出力された弱階層の番組信号を弱階層の映像信号と音声信号に分離する第1のAV分離手段と、
前記同期手段から出力された強階層の番組信号を強階層の映像信号と音声信号に分離する第2のAV分離手段と、
前記弱階層の映像信号と前記強階層の映像信号とのうち、いずれか一方の映像信号を選択し、映像出力端子に供給する第1の選択手段と、
前記弱階層の音声信号と前記強階層の音声信号とのうち、いずれか一方の音声信号を選択し、音声出力端子に供給する第2の選択手段と、
前記伝送路復調手段で検出された前記信号品質情報と、前記同期手段から供給された前記同期情報とに基づき、前記第1、第2の選択手段で選択すべき階層を制御する切替制御手段と、
を備えることを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項4】
請求項3に記載のデジタル放送受信装置において、
前記切替制御手段は、
前記伝送路復調手段で検出された前記信号品質情報に基づいて映像信号の選択すべき階層を判定し、判定結果に応じた第1の切替信号を出力する第1の切替判定手段と、
前記伝送路復調手段で検出された前記信号品質情報に基づいて音声信号の選択すべき階層を判定し、判定結果に応じた第2の切替信号を出力する第2の切替判定手段と、
前記同期手段から供給された前記同期情報に基づき、前記第1の切替判定手段から供給された前記第1の切替信号を所定の時間だけ遅延させてから前記第1の選択手段に供給する第1の遅延手段と、
前記同期手段から供給された前記同期情報に基づき、前記第2の切替判定手段から供給された前記第2の切替信号を所定の時間だけ遅延させてから前記第2の選択手段に供給する第2の遅延手段と
を備えることを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項5】
請求項1乃至4に記載のデジタル放送受信装置において、
前記同期手段で検出される同期情報は、
前記同期手段に供給された前記弱階層の番組信号と前記強階層の番組信号のうち、再生時刻が遅れている番組信号、または再生時刻が進んでいる番組信号の少なくともどちらか一方が判断できる情報と、
前記強階層の番組信号の再生時刻が遅れている場合は、前記弱階層の番組信号に対する前記強階層の番組信号の遅延時間を示す情報と
を少なくとも含んでいることを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項6】
請求項1乃至4に記載のデジタル放送受信装置において、
前記遅延手段は、
前記同期手段に供給された前記弱階層の番組信号よりも、前記同期手段に供給された前記強階層の番組信号の再生時刻が遅れている場合は、前記強階層の番組信号の遅延時間だけ前記切替判定手段から供給された前記切替信号を遅延させ、
前記同期手段に供給された前記強階層の番組信号よりも、前記同期手段に供給された前記弱階層の番組信号の再生時刻が遅れている場合は、前記切替判定手段から供給された前記切替信号を遅延させないことを特徴とするデジタル放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−166933(P2008−166933A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−351794(P2006−351794)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(501348139)株式会社 エイチ・シー・エックス (86)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】