説明

デバイスドライバのインストール方法、情報処理装置および画像処理システム

【課題】画像処理装置に保存しておくデバイスドライバのデータ容量を少なくでき、パフォーマンスの低下を軽減できるデバイスドライバのインストール方法、情報処理装置および画像処理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】画像処理装置20に接続された情報処理装置10にデバイスドライバをインストールするインストール方法であって、情報処理装置10が画像処理装置20に保存されているデバイスドライバ固有部分を受信する受信ステップ(S1〜S2)と、情報処理装置10がデバイスドライバ共通部分に、受信したデバイスドライバ固有部分を組み込んで画像処理装置20用のデバイスドライバを生成する生成ステップ(S3)と、情報処理装置10が、生成したデバイスドライバを利用して画像処理装置20を制御する制御ステップとを有することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイスドライバのインストール方法、情報処理装置および画像処理システムに係り、特に画像処理装置に保存されているデバイスドライバを情報処理装置にインストールするデバイスドライバのインストール方法、情報処理装置および画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば情報処理装置の一例としてのパソコン(PC)等は、接続されている周辺装置の一例としての画像処理装置を制御する為に、デバイスドライバを利用している。デバイスドライバとはPC等に接続された画像処理装置等を制御する為のプログラムであり、ドライバソフトやドライバとも呼ばれる。
【0003】
デバイスドライバは、仕様がメーカや機種毎に異なる全ての周辺装置等をオペレーティングシステム(OS)本体で管理する効率の悪さを解消する為のものである。PC等では周辺装置等を制御するプログラムをOS本体から切り離し、それぞれのデバイスドライバを必要に応じてOS本体に組み込むようにしている。
【0004】
このようにPC等は、画像処理装置等を制御する為にデバイスドライバをインストールしておく必要がある。また、デバイスドライバは、しばしば変更(バージョンアップ)されるため、更新が必要である。したがって、デバイスドライバの更新を人手によって行なう場合は非常に手間が掛かっていた。また、デバイスドライバの更新を人手によって行なう場合はデバイスドライバの変更に気付かず、デバイスドライバの更新が遅れることもあった。
【0005】
そこで、特許文献1に記載されている技術では印刷装置を共有する複数のコンピュータに対するプリンタドライバの更新を、印刷装置に保存されているプリンタドライバを利用して行なうことで、人手を介入せずに行なっている。また、特許文献2に記載されている技術ではネットワークプリンタシステムにおいて、記録媒体を用いずにプリンタドライバをプリンタからクライアントへインストールできるようにしている。
【特許文献1】特開2001−51810号公報
【特許文献2】特開2001−296976号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のデバイスドライバは、画像処理装置等ごとに搭載されている機能が違うため、その画像処理装置等ごとに用意しておく必要がある。したがって、従来のデバイスドライバは、画像処理装置等ごとに用意しておく必要があるため、開発に工数がかかるという問題があった。
【0007】
また、ファームウェアのアップデート等により画像処理装置等に機能が追加された場合はデバイスドライバ全体をインストールし直す必要があり、負担が大きいという問題があった。
【0008】
なお、上記した特許文献1及び2のように、印刷装置やプリンタからプリンタドライバをインストールする場合であっても、開発に工数がかかるという問題は解消できない。さらに、印刷装置やプリンタからプリンタドライバをインストールする場合、インストールのタイミング(例えば印刷要求のあったとき)によってはパフォーマンスが低下してしまうという問題があった。
【0009】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、画像処理装置に保存しておくデバイスドライバのデータ容量を少なくでき、パフォーマンスの低下を軽減することができるデバイスドライバのインストール方法、情報処理装置および画像処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、画像処理装置に接続されている情報処理装置にデバイスドライバをインストールするインストール方法であって、前記情報処理装置が、前記画像処理装置に対する処理要求に基づいて、前記画像処理装置に保存されている前記画像処理装置に固有のデバイスドライバ固有部分を受信する受信ステップと、前記情報処理装置が、全ての前記デバイスドライバに共通するインストール済みの前記デバイスドライバ共通部分に、受信した前記デバイスドライバ固有部分を組み込んで前記画像処理装置用のデバイスドライバを生成する生成ステップと、前記情報処理装置が、生成した前記デバイスドライバを利用して前記画像処理装置を制御する制御ステップとを有することを特徴とする。
【0011】
本発明では、情報処理装置が、画像処理装置に固有のデバイスドライバ固有部分を画像処理装置から受信し、全てのデバイスドライバに共通するインストール済みのデバイスドライバ共通部分に、受信したデバイスドライバ固有部分を組み込んで画像処理装置用のデバイスドライバを生成し、生成したデバイスドライバを利用して画像処理装置を制御している。
【0012】
したがって、本発明ではデバイスドライバ共通部分を画像処理装置に保存しておく必要がなく、画像処理装置に保存しておくデバイスドライバのデータ容量を少なくできる。さらに、本発明では画像処理装置から情報処理装置にデバイスドライバの一部を構成するデバイスドライバ固有部分をダウンロードすればよいので、デバイスドライバ全体をダウンロードするよりもパフォーマンスの低下を軽減できる。
【0013】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、データ構造などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画像処理装置に保存しておくデバイスドライバのデータ容量を少なくでき、パフォーマンスの低下を軽減することができるデバイスドライバのインストール方法、情報処理装置および画像処理システムを提供可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明していく。なお、本実施例では画像処理装置としての複合機(MFP)を例に説明するが、デバイスドライバによって制御される如何なる装置であってもよい。また、本実施例では情報処理装置としてのパソコン(PC)を例に説明するが、デバイスドライバを利用して画像処理装置を制御する如何なる装置であってもよい。さらに、本願発明はデバイスドライバとしてのプリンタドライバ(以下、単にドライバという)を例として説明するが、画像処理装置を制御する如何なるデバイスドライバであってもよい。
【0016】
図1は本発明による画像処理システムの一例の概略図である。図1の画像処理システム1はPC10,MFP20,サーバ30とが、LAN(ローカルエリアネットワーク)等のネットワーク40を介して接続されている。PC10は、MFP20が属する所定のグループ(例えばメーカなどの製造元)毎に、全てのドライバに共通するドライバ共通部分をインストール済みである。また、MFP20は自機に固有のドライバ固有部分を、PC10が使用しているOSの種類毎に保存している。さらに、サーバ30はMFP20に最新のドライバ固有部分をダウンロードさせる。
【0017】
本発明による画像処理システム1は、PC10に組み込まれているアプリケーションからMFP20に印刷要求を行なう場合、PC10に対するドライバのインストールを次のように行なう。
【0018】
まず、ユーザはPC10を操作して例えば印刷要求を行なう対象としてMFP20を選択する。ステップS1に進み、PC10はMFP20にドライバ取得要求を行なう。ステップS2に進み、MFP20は自機に固有のドライバ固有部分のうち、PC10が使用しているOSの種類に応じたドライバ固有部分をPC10に送信する。
【0019】
ステップS3に進み、PC10はインストール済みのドライバ共通部分に、MFP20から受信したドライバ固有部分を組み込んで、MFP20用のドライバを生成する。PC10は生成したMFP20用のドライバを利用してMFP20を制御し、MFP20で印刷を行なうことができる。
【0020】
図2は本発明による画像処理システムの一実施例のシステム構成図である。図2の画像処理システム1も図1と同様に、PC10,MFP20,サーバ30とが、LAN等のネットワークを介して接続されている。
【0021】
PC10は、操作部11,アプリケーション(以下、単にアプリという)12,ドライバ共通部13,OS14,通信処理部15及び機器固有ドライバ16を備える。MFP20は、通信処理部21,ドライバ管理部22,記憶装置23,操作部24,印刷処理部25及び外部記憶装置26を備える。また、サーバ30は通信処理部31,データ管理部32及び記憶装置33を備える。
【0022】
図2のシステム構成図について、PC10に組み込まれているアプリ12からMFP20に印刷要求を行なう場合の処理手順を図3に示す。図3はPCからMFPに印刷要求を行なう場合の処理手順を表した一例のシーケンス図である。また、図4はユーザインタフェース(UI)の一例のイメージ図である。
【0023】
まず、ユーザはUI100がPC10のディスプレイ等の表示部(図示せず)に表示されている状態で、PC10の操作部11を操作して印刷要求を行なう。ステップS11に進み、操作部11はアプリ12に対して印刷要求を行なう。ステップS12に進み、アプリ12は印刷要求に基づき、ドライバ共通部分を指定する為のUI101を表示部に表示する。
【0024】
ユーザが操作部11を操作してUI101からドライバ共通部分を指定すると、操作部11はステップS13に進み、指定されたドライバ共通部分をアプリ12に通知する。ステップS14に進み、アプリ12は指定されたドライバ共通部分に基づき、ドライバ共通部13を起動する。アプリ12は指定されたドライバ共通部分に基づき、MFP20を指定する為のUI102を表示部に表示する。
【0025】
ユーザが操作部11を操作してUI102からMFP20を指定すると、操作部11はステップS15に進み、ユーザにより指定されたMFP20のIDをドライバ共通部13に通知する。ステップS16〜S18に進み、ドライバ共通部13はユーザにより指定されたMFP20のIDを利用して、MFP20のドライバ管理部22にドライバ取得要求を行なう。
【0026】
ステップS19〜S20に進み、ドライバ管理部22は自機に固有のドライバ固有部分のファイルを記憶装置23から取得する。ここで記憶装置23から取得されるドライバ固有部分のファイルはPC10が使用しているOSの種類に応じたものとなる。ステップS21〜S23に進み、ドライバ管理部22は取得したドライバ固有部分のファイルをPC10のドライバ共通部13に送信する。
【0027】
ステップS24に進み、ドライバ共通部13は受信したドライバ固有部分のファイルを利用してドライバ固有部分をドライバ共通部分に組み込む(プラグインする)。ステップS25に進み、ドライバ共通部13はMFP20用の機器固有ドライバ16を生成する。アプリ12は、印刷条件を指定する為のUI103を表示部に表示する。
【0028】
ユーザが操作部11を操作してUI103から印刷条件(原稿サイズ,部数など)を指定し、印刷開始を要求すると、操作部11はステップS26に進み、指定された印刷条件を含む印刷開始要求をアプリ12に対して行なう。ステップS27に進み、アプリ12は指定された印刷条件および印刷データを含む印刷開始要求をドライバ共通部13に対して行なう。
【0029】
ステップS28に進み、ドライバ共通部13は印刷条件に応じて印刷データのデータ変換を行う。ステップS28で行なうデータ変換は、例えばメーカ等の所定のグループに属するMFP20の全てのドライバに共通する処理である。
【0030】
ステップS29に進み、ドライバ共通部13は印刷条件およびステップS28でデータ変換した印刷データを含む固有処理実行依頼を機器固有ドライバ16に対して行なう。ステップS30に進み、機器固有ドライバ16は印刷データに、MFP20の固有処理を実行する。ステップS31に進み、機器固有ドライバ16はステップS30で固有処理を実行された印刷データを含む実行結果を、ドライバ共通部13に通知する。
【0031】
ステップS32〜S34に進み、ドライバ共通部13はMFP20の印刷処理部25に対して、データ変換および固有処理を実行された印刷データと、UI103から指定された印刷条件とを含む印刷依頼を行う。ステップS35に進み、印刷処理部25は印刷依頼に含まれている印刷データと印刷条件とに基づいて印刷処理を行う。
【0032】
図3のシーケンス図に示すように、PC10は予めドライバ共通部分をインストールしておき、印刷要求を行なうときに、ドライバ固有部分をMFP20からダウンロードしてMFP20用のドライバを生成している。
【0033】
したがって、本発明による画像処理システム1では、ドライバ全体を保存しておくよりもMFP20に保存しておくドライバのデータ量を少なくできる。また、本発明による画像処理システム1では、印刷要求を行なうタイミングでドライバ固有部分をMFP20からPC10にダウンロードするので、ドライバ全体をダウンロードするよりもパフォーマンスの低下を軽減できる。
【0034】
ところで、図3のシーケンス図に示すように、印刷要求を行なうタイミングでドライバ固有部分をダウンロードすると、ドライバ全体をダウンロードするよりもパフォーマンスの低下を軽減できるが、ネットワークの状態等に応じて画像処理システム1のパフォーマンスが低下する可能性もある。
【0035】
そこで、本発明による画像処理システム1では図5のシーケンス図に示すように、PC10が起動したとき、ドライバ固有部分をMFP20からPC10にダウンロードしてMFP20用のドライバを生成し、そのドライバをPC10のシャフトダウンまで利用することにより、パフォーマンスの低下を更に軽減できる。
【0036】
図5は、PCが起動したとき、ドライバ固有部分をMFPからPCにダウンロードしてMFP用のドライバを生成する処理手順を表した他の一例のシーケンス図である。電源が投入されると、PC10はステップS41に進み、OS14を起動する。ステップS42に進み、OS14はインストール済みのドライバ共通部分に基づいてドライバ共通部13を起動する。
【0037】
ステップS43〜S45に進み、ドライバ共通部13はMFP20のIDを利用してMFP20のドライバ管理部22にドライバ取得要求を行なう。ステップS46〜S47に進み、ドライバ管理部22は自機に固有のドライバ固有部分のファイルを記憶装置23から取得する。ここで記憶装置23から取得されるドライバ固有部分のファイルはPC10が使用しているOSの種類に応じたものとなる。ステップS48〜S50に進み、ドライバ管理部22は取得したドライバ固有部分のファイルをPC10のドライバ共通部13に送信する。
【0038】
ステップS51に進み、ドライバ共通部13は受信したドライバ固有部分のファイルを利用してドライバ固有部分をドライバ共通部分に組み込む(プラグインする)。ステップS52に進み、ドライバ共通部13はMFP20用の機器固有ドライバ16を生成する。
【0039】
ネットワークに接続されているMFP20以外のMFPについてもステップS43〜S52を繰り返すことにより、PC10は起動したときにドライバ固有部分をダウンロードすることができる。
【0040】
次に、インストール済みのドライバ共通部分に、MFP20から受信したドライバ固有部分を組み込んで(プラグインして)、MFP20用のドライバを生成する処理について説明する。
【0041】
図6は、インストール済みのドライバ共通部分,ドライバ固有部分及びMFP用のドライバの関係を表した模式図である。PC10は、インストール済みのドライバ共通部分200に、MFP20から受信したドライバ固有部分201をプラグインして、MFP20用のドライバ202を生成できる。
【0042】
図6のような特徴を実現するため、ドライバは図7に示すような構造とする。図7はドライバの構造を表した一例の模式図である。図7に示すように、ドライバはドライバ共通部13,機器固有ドライバ16から構成される。例えばプリンタドライバを例として説明すると、ドライバ共通部13はプリンタ言語への変換,色空間の変換又は画像処理などの全てのプリンタドライバに共通する処理を行う。ドライバ共通部13はドライバ共通部分により実現される。
【0043】
また、機器固有ドライバ14は各MFPに固有の設定値を保有していたり、各MFPに追加されている機能を利用する為の処理等を行なう。機器固有ドライバ14は、各MFPからダウンロードされる各MFPに固有のドライバ固有部分をドライバ共通部分にプラグインして実現される。
【0044】
なお、インストール済みのドライバ共通部分に、MFP20から受信したドライバ固有部分を階層的に組み込んで(プラグインして)、MFP20用のドライバを生成するようにしてもよい。
【0045】
図8は、インストール済みのドライバ共通部分にドライバ固有部分を階層的に組み込んだMFP用のドライバを表した模式図である。PC10は、インストール済みのドライバ共通部分300に、MFP20から受信したドライバ固有部分301〜304をプラグインして、MFP20用のドライバ305を生成できる。
【0046】
図8のような特徴を実現するため、ドライバは図9に示すような構造とする。図9はドライバの構造を表した他の一例の模式図である。図9に示すように、ドライバはドライバ共通部13,階層化された機器固有ドライバ14a,14bから構成される。図9に示すドライバは、ドライバ共通部13にプラグインされたドライバ固有部分301,302上に、更にドライバ固有部分303,304がプラグインされている。図9に示すような構成とすることで、ドライバは様々なレベルの変動部分(例えば機能の変動部分)を切り出せるようになる。
【0047】
例えばプリンタドライバを例として説明すると、機能固有ドライバ14bは変倍,スタンプ等の機能毎に異なる処理を行う。変倍固有ドライバやスタンプ固有ドライバ等を機器固有ドライバ14aにプラグインすることで、プリンタドライバは変倍,スタンプ等の新たな機能を拡張できる。
【0048】
次に、MFP20に保存されているドライバ固有部分を最新のものに更新する処理について説明する。本発明による画像処理システム1では、印刷要求やPC10の起動の度にドライバ固有部分をMFP20からPC10にダウンロードするため、MFP20に保存されているドライバ固有部分を最新のものにしておけば、そのMFP20を利用する全てのPC10が最新のドライバでMFP20を利用できる。
【0049】
例えばMFP20に保存されているドライバ固有部分を最新のものに更新しておく方法としては、サーバ30からMFP20に最新のドライバ固有部分を自動的にダウンロードする方法が考えられる。
【0050】
図10は、サーバからMFPに最新のドライバ固有部分を自動的にダウンロードさせる処理手順を表した一例のシーケンス図である。ステップS61に進み、MFP20のドライバ管理部22は一定周期を計るタイマを起動する。
【0051】
ドライバ管理部22は一定周期毎にステップS62〜S64に進み、MFP20の機種名,サーバ30のIDを利用して、サーバ30のデータ管理部32にドライババージョン確認要求を行なう。ステップS65〜S67に進み、データ管理部32はMFP20の機種名に応じたドライバの最新のドライババージョンを判定し、MFP20のドライバ管理部22に送信する。
【0052】
ステップS68に進み、ドライバ管理部22はサーバ30から受信したドライババージョンと、自機が保存しているドライバのドライババージョンとを比較する。もし、サーバ30から受信したドライババージョンと、自機が保存しているドライバのドライババージョンとが異なっていれば、ドライバ管理部22はステップS69〜S71に進み、MFP20の機種名,サーバ30のIDを利用して、サーバ30のデータ管理部32にドライバ要求を行なう。
【0053】
ステップS72〜S73に進み、データ管理部32はMFP20の機種名に応じた最新のドライバ固有部分のファイルを記憶装置33から取得する。ステップS74〜S76に進み、データ管理部32はMFP20の機種名に応じた最新のドライバ固有部分のファイルをMFP20のドライバ管理部22に送信する。
【0054】
そして、ステップS77に進み、ドライバ管理部22は記憶装置23に保存されているドライバ固有部分のファイルをステップS76で受信した最新のドライバ固有部分のファイルに更新する。
【0055】
また、MFP20に保存されているドライバ固有部分を最新のものに更新しておく別の方法としては、MFP20の外部記憶装置26を使って最新のドライバ固有部分に更新する方法が考えられる。例えばサーバ30にアクセスする環境が構築できない場合は、SDカードやUSBメモリ等の外部記憶装置26を使用して、MFP20に保存されているドライバ固有部分を最新のドライバ固有部分に更新する。
【0056】
図11は、MFPの外部記憶装置を使って最新のドライバ固有部分に更新する処理手順を表した一例のシーケンス図である。まず、ユーザはMFP20の操作部24を操作してドライバ更新要求を行なう。ステップS81に進み、MFP20の操作部24はドライバ管理部22に対してドライバ要求を行なう。
【0057】
ステップS82〜S83に進み、ドライバ管理部22は外部記憶装置26から最新のドライバ固有部分のファイルを読み出す。ステップS84に進み、ドライバ管理部22は記憶装置23に保存されているドライバ固有部分のファイルをステップS83で読み出した最新のドライバ固有部分のファイルに更新する。
【0058】
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明による画像処理システムの一例の概略図である。
【図2】本発明による画像処理システムの一実施例のシステム構成図である。
【図3】PCからMFPに印刷要求を行なう場合の処理手順を表した一例のシーケンス図である。
【図4】ユーザインタフェース(UI)の一例のイメージ図である。
【図5】PCからMFPに印刷要求を行なう場合の処理手順を表した他の一例のシーケンス図である。
【図6】インストール済みのドライバ共通部分,ドライバ固有部分及びMFP用のドライバの関係を表した模式図である。
【図7】ドライバの構造を表した一例の模式図である。
【図8】インストール済みのドライバ共通部分にドライバ固有部分を階層的に組み込んだMFP用のドライバを表した模式図である。
【図9】ドライバの構造を表した他の一例の模式図である。
【図10】サーバからMFPに最新のドライバ固有部分を自動的にダウンロードさせる処理手順を表した一例のシーケンス図である。
【図11】MFPの外部記憶装置を使って最新のドライバ固有部分に更新する処理手順を表した一例のシーケンス図である。
【符号の説明】
【0060】
1 画像処理システム
10 PC
11 操作部
12 アプリ
13 ドライバ共通部
14 OS
15 通信処理部
16 機器固有ドライバ
20 MFP
21 通信処理部
22 ドライバ管理部
23 記憶装置
24 操作部
25 印刷処理部
26 外部記憶装置
30 サーバ
31 通信処理部
32 データ管理部
33 記憶装置
40 ネットワーク
200,300 ドライバ共通部分
201,301〜304 ドライバ固有部分
202,305 ドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置に接続されている情報処理装置にデバイスドライバをインストールするインストール方法であって、
前記情報処理装置が、前記画像処理装置に対する処理要求に基づいて、前記画像処理装置に保存されている前記画像処理装置に固有のデバイスドライバ固有部分を受信する受信ステップと、
前記情報処理装置が、全ての前記デバイスドライバに共通するインストール済みの前記デバイスドライバ共通部分に、受信した前記デバイスドライバ固有部分を組み込んで前記画像処理装置用のデバイスドライバを生成する生成ステップと、
前記情報処理装置が、生成した前記デバイスドライバを利用して前記画像処理装置を制御する制御ステップと
を有するデバイスドライバのインストール方法。
【請求項2】
前記生成ステップは、前記デバイスドライバ共通部分に、前記デバイスドライバ固有部分を階層的に組み込んで前記画像処理装置用のデバイスドライバを生成することを特徴とする請求項1記載のデバイスドライバのインストール方法。
【請求項3】
前記デバイスドライバ共通部分は、前記画像処理装置の製造元ごとにインストールされていることを特徴とする請求項1又は2記載のデバイスドライバのインストール方法。
【請求項4】
前記デバイスドライバ固有部分は、前記画像処理装置が有している機能毎に異なることを特徴とする請求項1乃至3何れか一項記載のデバイスドライバのインストール方法。
【請求項5】
前記受信ステップは、前記情報処理装置を起動したときに、接続されている前記画像処理装置から前記情報処理装置に固有の前記デバイスドライバ固有部分を受信することを特徴とする請求項1乃至4何れか一項記載のデバイスドライバのインストール方法。
【請求項6】
前記画像処理装置は、接続されているサーバ装置から、自機に保存されている前記デバイスドライバ固有部分を更新する更新ステップを更に有することを特徴とする請求項1乃至5何れか一項記載のデバイスドライバのインストール方法。
【請求項7】
前記画像処理装置が、外部記憶装置から読み出した前記デバイスドライバ固有部分を利用して、前記画像処理装置に保存されている前記画像処理装置に固有のデバイスドライバ固有部分を更新する更新ステップを更に有することを特徴とする請求項1乃至5何れか一項記載のデバイスドライバのインストール方法。
【請求項8】
デバイスドライバを利用して画像処理装置を制御する情報処理装置であって、
前記画像処理装置との間で通信を行なう通信処理部と、
前記画像処理装置に対する処理要求に基づいて、前記画像処理装置に保存されている前記画像処理装置に固有のデバイスドライバ固有部分を取得し、全ての前記デバイスドライバに共通するインストール済みの前記デバイスドライバ共通部分に、取得した前記デバイスドライバ固有部分を組み込んで前記画像処理装置用のデバイスドライバを生成するドライバ共通部と、
生成した前記デバイスドライバを利用して前記画像処理装置を制御するアプリケーションと
を備えた情報処理装置。
【請求項9】
前記ドライバ共通部は、前記デバイスドライバ共通部分に、前記デバイスドライバ固有部分を階層的に組み込んで前記画像処理装置用のデバイスドライバを生成することを特徴とする請求項8記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記デバイスドライバ共通部分は、前記画像処理装置の製造元ごとにインストールされていることを特徴とする請求項8又は9記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記デバイスドライバ固有部分は、前記画像処理装置が有している機能毎に異なることを特徴とする請求項8乃至10何れか一項記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記ドライバ共通部は、前記情報処理装置を起動したときに、接続されている前記画像処理装置から前記情報処理装置に固有の前記デバイスドライバ固有部分を受信することを特徴とする請求項8乃至11何れか一項記載の情報処理装置。
【請求項13】
デバイスドライバを利用して情報処理装置が画像処理装置を制御する画像処理システムであって、
前記画像処理装置は、自機に固有のデバイスドライバ固有部分を保存している記憶手段を備え、
前記情報処理装置は、前記画像処理装置との間で通信を行なう通信処理部と、
前記画像処理装置に対する処理要求に基づいて、前記記憶手段に保存されている前記画像処理装置に固有のデバイスドライバ固有部分を取得し、全ての前記デバイスドライバに共通するインストール済みの前記デバイスドライバ共通部分に、取得した前記デバイスドライバ固有部分を組み込んで前記画像処理装置用のデバイスドライバを生成するドライバ共通部と、
生成した前記デバイスドライバを利用して前記画像処理装置を制御するアプリケーションとを備えた画像処理システム。
【請求項14】
前記ドライバ共通部は、前記デバイスドライバ共通部分に、前記デバイスドライバ固有部分を階層的に組み込んで前記画像処理装置用のデバイスドライバを生成することを特徴とする請求項13記載の画像処理システム。
【請求項15】
前記デバイスドライバ共通部分は、前記画像処理装置の製造元ごとにインストールされていることを特徴とする請求項13又は14記載の画像処理システム。
【請求項16】
前記デバイスドライバ固有部分は、前記画像処理装置が有している機能毎に異なることを特徴とする請求項13乃至15何れか一項記載の画像処理システム。
【請求項17】
前記ドライバ共通部は、前記情報処理装置を起動したときに、接続されている前記画像処理装置から前記情報処理装置に固有の前記デバイスドライバ固有部分を受信することを特徴とする請求項13乃至16何れか一項記載の画像処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−200247(P2007−200247A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−21142(P2006−21142)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】