説明

デポー薬物を神経付近に送達するための装置及び方法

1つ又はそれ以上のデポー薬物を患者の神経付近に極めて近接して送達するためのデポー薬物送達装置及び方法が提供されており、本装置及び方法にはカニューレの位置付け直しが伴う場合も伴わない場合もある。装置は、カニューレの先端の神経への近接を探知するための電子式モニターを含んでいる。幾つかの実施形態では、デポー薬物を送達する方法は、神経を探知する段階とデポー薬物を神経付近に送達する段階とによって提供されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デポー薬物を神経付近に送達するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物は、経口的、静脈内的、筋肉内的、吸入的、表面的、皮下的な送達、又は治療部位への直接的又は局所的な送達(例えば、髄腔内的、脊髄内的、関節内的など)を含む様々な方法によって患者へ送達される。選定される送達方法は、中でもとりわけ、治療される病態、患者体内で実現させるべき薬物の所望治療濃度、及び維持されなければならない薬物濃度の持続時間によって異なる。
【0003】
最近では、薬物が長期に亘ってゆっくりと放出されるように薬物を患者の皮膚の下層の部位へ導入又は投与できるようにするデポー薬物が開発されている。その様なデポー薬物は、薬物をデポーから比較的均一な用量で数週間又は数か月に亘って放出させることができ、放出は数年に及ぶことすらある。この薬物投与の方法は、関節リウマチ、変形性関節症、坐骨神経症、手根管症候群、下背痛、下肢痛、上肢痛、癌、組織痛、及び、頸椎、胸椎、及び/又は腰椎や椎間板、回旋腱板、関節、TMJ、腱、靭帯、筋肉などの傷害又は修復に関連付けられる疼痛を含む、慢性的な病態の治療における免疫応答、感染応答、及び/又は疼痛応答を和らげるのに特に重要になってきており、好評である。
【0004】
デポー薬物は、時に、例えば超音波、蛍光透視法、X線などの様な画像化処置を使って送達されることもある。不運にも、これらの画像化処置では臨床医が神経組織を探知できないことが往々にしてある。従って、デポー薬物が目標組織部位に植え込まれるときに、神経組織が画像化処置によって探知されず、その結果、デポー薬物が神経から遠く離れて植え込まれてしまいデポー薬物の有効性が薄れることになるか、或いはデポー薬物送達中に神経が損傷を受ける可能性がある。薬物送達による神経損傷は、重篤度が、軽い不快感から麻痺の様な重度の神経障害の病気に及ぶこともある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、デポー薬物の患者の神経付近への正確且つ精密な植え込みを簡単に行えるようにし、患者への肉体的及び精神的な外傷を最小限にすることのできる新しいデポー薬物方法及び装置が必要とされている。デポー薬物を神経付近に又は神経に極めて近接して植え込むことによって、デポー薬物の有効性は改善され、デポー薬物を植え込むための処置に起因する神経損傷のリスクは小さくなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
デポー薬物の患者の神経付近への正確且つ精密な植え込みを簡単に行えるようにし、ひいてはデポー薬物の有効性を改善することのできる新しいデポー薬物方法及び装置が提供されている。幾つかの実施形態では、神経探知及びデポー薬物の神経に極めて近接した植え込みを可能にし、なお且つ植え込みに際して神経を損傷させるリスクを小さくする、新しいデポー薬物方法及び装置が提供されている。幾つかの実施形態では、神経を探知する少なくとも1つの神経探知カニューレと、デポー薬物を神経付近に送達する少なくとも1つの薬物送達カニューレと、を備えている装置及び方法が提供されている。幾つかの実施形態では、神経を探知するとともにデポー薬物を神経付近に送達する少なくとも1つのカニューレ及び方法が提供されている。
【0007】
1つの実施形態では、デポー薬物を患者の神経付近の送達部位へ送達する方法が提供されており、本方法は、患者の神経を探知する段階と、患者の神経付近に、近位端と遠位端を有するカニューレを位置付ける段階であって、カニューレの近位端はデポー薬物を受け入れる開口部を有し、カニューレの遠位端はデポー薬物を当該カニューレの遠位端から患者の神経付近の送達部位へ向けて通過させるための開口部を有している、カニューレを位置付ける段階と、ハンドルとデポー薬物を小出しするよう適合させた先端とを有するプランジャを滑動させることによってデポー薬物を神経付近の送達部位へ送達する段階であって、プランジャの先端は、デポー薬物をカニューレの開口部から患者の神経付近の送達部位へ送り出すべくカニューレ内に滑動式に受け入れられることができる、プランジャを滑動させることによって送達する段階と、を含んでいる。
【0008】
別の実施形態では、デポー薬物を患者の神経付近の送達部位へ送達する方法が提供されており、本方法は、電気接点を備えた神経感知ユニットと神経感知ユニットに連結された警報器とを有する第1カニューレを位置付ける段階であって、当該カニューレが神経に接触するか又は神経に極めて近接すると警報器が起動されて神経の所在を指し示す、第1カニューレを位置付ける段階と、患者の神経付近に、近位端と遠位端を有する第2カニューレを位置付ける段階であって、当該第2カニューレの近位端はデポー薬物を受け入れる開口部を有し、当該第2カニューレの遠位端はデポー薬物を当該第2カニューレの遠位端から患者の神経付近の送達部位へ向けて通過させるための開口部を有している、第2カニューレを位置付ける段階と、ハンドルとデポー薬物を小出しするよう適合させた先端とを有するプランジャを滑動させることによってデポー薬物を神経付近の送達部位へ送達する段階であって、プランジャの先端はデポー薬物を第2カニューレの開口部から患者の神経付近の送達部位へ送り出すべく第2カニューレ内に滑動式に受け入れられることができる、プランジャを滑動させることによって送達する段階と、を備えている。
【0009】
更に別の実施形態では、デポー薬物を、患者の皮膚の下層の神経部位又はその付近に送達するための装置が提供されており、本装置は、近位端と遠位端を有するカニューレであって、カニューレの近位端はデポー薬物を受け入れる開口部を有し、カニューレの遠位端は患者の皮膚の下層の神経部位又はその付近に挿入させることができ、デポー薬物を通過させるための開口部を有している、カニューレと、カニューレの近位端の開口部内に滑動可能に受け入れられることのできるプランジャであって、第1端と第2端の先端とを有し、第1端はプランジャの先端を伸展位置へ動かすことができる、プランジャと、装置上又は装置内に配置されている神経感知ユニットであって、神経が探知されるように神経部位からの電気インパルスを受信するように構成された電気接点材料を備えている神経感知ユニットと、を備えている。
【0010】
1つの例示としての実施形態では、デポー薬物を患者の神経付近の送達部位へ送達するための装置が提供されており、本装置は、電気接点を備えた神経感知ユニットと神経感知ユニットに連結された警報器とを有する第1カニューレであって、当該カニューレが神経に接触するか又は神経に極めて近接すると警報器が起動されて神経の所在を指し示す、第1カニューレと、近位端と遠位端を有する第2カニューレであって、当該第2カニューレの近位端はデポー薬物を受け入れる開口部を有し、当該第2カニューレの遠位端はデポー薬物を当該第2カニューレの遠位端から患者の神経付近の送達部位へ向けて通過させるための開口部を有している、第2カニューレと、ハンドルとデポー薬物を小出しするよう適合させた先端とを有するプランジャであって、プランジャの先端は、デポー薬物を第2カニューレの開口部から患者の神経付近の送達部位へ送り出すべく第2カニューレ内に滑動式に受け入れられることができる、プランジャと、を備えている。
【0011】
様々な実施形態の更なる特徴及び利点は、次に続く説明の中に部分的に述べられており、部分的にはその説明から明らかにもなれば、様々な実施形態の実践により知られもしよう。様々な実施形態の目的及び他の利点は、説明及び付随の特許請求の範囲の中で詳しく指し示されている要素及び組合せを用いることによって実現、成就されることであろう。
【0012】
実施形態の他の態様、特徴、有益性、及び利点は、部分的には、以下の説明、付随の特許請求の範囲、及び添付図面を参照すれば明らかとなるであろう。
なお、図は縮尺を合わせて描かれているわけではないものと理解されたい。また、図中の物体間の関係は縮尺合わせされておらず、実際、大きさについては逆の関係を有していることがあるかもしれない。図は、示されているそれぞれの物体の構造が理解され明解になることを意図しており、よって、一部の特徴は、構造の具体的な特徴を示すために誇張されていることがあるかもしれない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】カニューレと、ハウジングと、神経を探知するセンサーと、デポー薬物を送達部位へ送達するためのプランジャと、を有する「オールインワン型」カニューレ薬物送達装置の或る例示としての実施形態を示している。この「オールインワン型」装置は、デポー薬物を神経に隣接して植え込む前に神経を探知できるようにしている。
【図2a】カニューレの遠位端の先端付近の側面ポートと神経への近接を探知するセンサーとを備えたカニューレを有する「オールインワン型」装置の或る例示としての実施形態を示している。
【図2b】神経への近接を探知するセンサーを有する神経探知カニューレの或る例示としての実施形態を示している。このカニューレは、2本組カニューレシステムの一部となるものである。一方のカニューレ(図示)は神経探知用であり、他方のカニューレ(図示せず)は薬物送達用となる。
【図3】薬物送達装置の或る例示としての実施形態を皮膚の下層の送達部位に挿入された薬物送達装置の側面断面図について示しており、装置は、デポー薬物を神経に隣接して植え込む前に神経を探知するべく神経組織に接触している。
【図4a】デポー薬物を送達部位へ送達するためにカニューレの遠位端に単一の側面ポートと鈍先端を有する薬物送達装置用の薬物送達カニューレの或る例示としての実施形態を示している。
【図4b】カニューレを通して送達部位へ送達されるデポー薬物を納めるための単一開口部又は室を有していて、開口部が更にデポー薬物の送達を容易にするプランジャを受け入れるように構成されている、薬物送達カニューレの近位端の或る例示としての実施形態をその上面図について示している。
【図4c】デポー薬物を送達部位に送達するための単一側面ポートを有する薬物送達カニューレの遠位端の或る例示としての実施形態を示している。
【図4d】デポー薬物を単一側面ポートを通して送達するために単一内室を有する薬物送達カニューレの或る例示としての実施形態をその断面図について示している。
【図5a】複数のデポー薬物を送達部位へ送達するためにカニューレの遠位端に二連ポートを有する薬物送達装置のカニューレの或る例示としての実施形態を示している。
【図5b】カニューレを通して送達部位へ送達される複数のデポー薬物を納めるための二連開口部又は室を有していて、開口部が更にデポー薬物の送達を容易にするように構成されたプランジャを受け入れるように構成されている、カニューレの近位端の或る例示としての実施形態をその上面図について示している。
【図5c】複数のデポー薬物を送達部位に送達するための二連側面ポートを有するカニューレの遠位端の或る例示としての実施形態を示している。
【図5d】複数のデポー薬物を2つの側面ポート開口部を通して送達するために2つの内室を有するカニューレの或る例示としての実施形態をその断面図について示している。
【図6a】複数のデポー薬物を送達部位へ送達するためにカニューレの遠位端の三連側面ポート開口部と鈍先端とを有する薬物送達装置のカニューレの或る例示としての実施形態を示している。
【図6b】カニューレを通して送達部位へ送達される複数のデポー薬物を納めるための三連開口部を有していて、開口部が更にデポー薬物の送達を容易にするように構成されたプランジャを受け入れるように構成されている、カニューレの近位端の或る例示としての実施形態をその上面図について示している。
【図6c】複数のデポー薬物を送達部位に送達するための三連側面ポート開口部を有するカニューレの遠位端の或る例示としての実施形態を示している。
【図7a】複数のデポー薬物を送達部位へ送達するためにカニューレの遠位端に四連側面ポート開口部と鈍先端とを有する薬物送達装置のカニューレの或る例示としての実施形態を示している。
【図7b】カニューレを通して送達部位へ送達される複数のデポー薬物を納めるための四連側面ポート開口部を有していて、開口部が更にデポー薬物の送達を容易にするように構成されたプランジャを受け入れるように構成されている、カニューレの近位端の或る例示となる実施形態をその上面図について示している。
【図7c】複数のデポー薬物を送達部位に送達するための四連側面ポート開口部を有するカニューレの遠位端の或る例示となる実施形態を示している。カニューレの遠位端は鈍先端を有している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書及び付随の特許請求の範囲の適用上、別途表記のない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用されている成分の量、材料の割合又は比率、反応条件、及び他の数値を表している全ての数は、どの場合も「約」という用語で丸められているものと理解されたい。従って、それとは反対の表記のない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に示されている数的パラメータは近似であって、本発明によって獲得が模索される所望の特性次第で変わり得る。最低限として、但し特許請求の範囲による範囲への均等論の適用に制限を課そうとの意図からではなく、それぞれの数的パラメータは、少なくとも、報告されている有効桁の数に照らし、そして普通の端数計算技法を適用することによって、解釈されるべきである。
【0015】
本発明の広範に亘る範囲を示している数的範囲及びパラメータは近似であるとはいえ、特定の実施例に示されている数値は可能な限り精密に報告されている。但し、何れの数値も、本質的に、それら各々の試験測定値に見られる標準偏差のせいで必然的に生じる一定の誤差を内包している。更に、ここに開示されている全ての値範囲は、そこに包含されているありとあらゆる部分範囲を網羅するものと理解されるべきである。例えば、「1から10」という範囲は、最小値である1と最大値である10の間の(それらも含めた)ありとあらゆる部分範囲、即ち1に等しいか又は1より大きい最小値と10に等しいか又は10より小さい最大値を有するありとあらゆる部分範囲、例えば5.5から10、を含む。
【0016】
英語の単数を表す冠詞「a」、「an」、及び「the」の対訳で「一」、「或る」、「当該」が、本明細書及び付随の特許請求の範囲に使用されている場合、それらは、明示的且つ明確に1個の指示対象に限定されていない限り、複数の指示対象を含むことを特記しておく。よって、例えば「(或る)デポー薬物」という言及があった場合、これは、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上のデポー薬物を含む。
【0017】
添付図面にその実施例が示されている本発明の特定の実施形態をこれより詳細に参照してゆく。本発明は、図示の実施形態に関連付けて説明されてはいるが、それら実施形態は本発明をそれらに限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。そうではなく、本発明は、付随の特許請求の範囲によって定義されている本発明の中に含まれ得る全ての代替、修正、及び等価物を対象範囲とすることを意図している。
【0018】
以下の表題は、開示を何ら制限しようとするものではなく、実施形態は、何れの表題の下に記載されていようとも、それ以外の表題の下に記載されている実施形態と関連付けて使用することができる。
【0019】
デポー薬物の患者の神経付近への正確且つ精密な植え込みを簡単に行えるようにし、ひいてはデポー薬物の有効性を改善することのできる新しいデポー薬物方法及び装置が提供されている。幾つかの実施形態では、神経探知及びデポー薬物の神経に極めて近接した植え込みを可能にし、なお且つ植え込みに際して神経を損傷させるリスクを小さくする、新しいデポー薬物方法及び装置が提供されている。幾つかの実施形態では、神経を探知する少なくとも1つの神経探知カニューレと、デポー薬物を神経付近に送達する少なくとも1つの薬物送達カニューレと、を備えている装置及び方法が提供されている。幾つかの実施形態では、神経を探知するとともにデポー薬物を神経付近に送達する少なくとも1つのカニューレ及び方法が提供されている。
【0020】
図1は、神経を探知するとともにデポー薬物を神経付近に送達する「オールインワン型」の組み立てられた薬物送達装置の或る実施形態を示している。薬物送達装置は、ハウジング125を介して接続されているカニューレ110とプランジャ130を備えている。様々な実施形態では、カニューレは、近位端115と、先端105(斜角先端)を有する遠位端を有している。カニューレの遠位端の先端は皮膚の下層の部位へ挿入させることができ、カニューレの近位端はハウジングに係合させることができる。カニューレの先端105から離間して、デポー薬物を送達部位へ向けて通過させるのに十分な大きさである側面ポート開口部106が配置されている。側面ポートと先端の間の間隔は知られている(例えば、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm離間している)ので、使用者は、例えば、先端を神経に接触させたとき、(単数又は複数の)側面ポートが神経から1mm、2mm、3mm、4mm、5mm離れていることが分かり、デポー薬物を神経から設定距離に植え込むことができる。このやり方では、鈍先端は、使用者がデポー薬物を植え込むために神経からの距離を手作業で測るためのプローブとして使用されている。様々な実施形態では、カニューレの近位端は、連結手段120を用いてハウジングに係合されており、当該連結手段は、ルアーロック、ねじ切り、摩擦嵌合などとすることができる。幾つかの実施形態では、ハウジングは、センサーユニット、例えば、神経に極めて近接していることを指し示すべくカニューレの遠位端の電気接点(図示せず)に電気的に連結されている神経感知ユニット116と、使用者に先端が神経に極めて近接していることを警報する警報器117を有している。様々な実施形態では、センサーユニットは、電気配線126を介して、例えば、電源、使用者制御スイッチ、刺激装置、及び/又は外部監視装置(図示されていない例示としての装置)に電気的に連結されている。先端が神経に近づくか又は神経組織に接触すると、警報器117が音を出す(例えば、ブザー、ベルなど)か又は視覚信号(例えば、光、LED、LCDなど)を示して、神経が探知されたことを使用者に警報する。
【0021】
幾つかの実施形態では、神経感知ユニットは、神経からの電気インパルス(例えば、40乃至90ミリボルト(mV))を音声及び/又は視覚装置へ伝導する配線又は他の電気伝導性材料(例えば、金属)をカニューレの先端又は遠位端から音声及び/又は視覚装置へ走らせて備えている。この実施形態では、使用者が、カニューレの鈍先端を神経に接触させたとき、神経インパルスがカニューレそして配線を通って音声及び/又は視覚装置へ伝導され、すると装置が使用者に先端が神経に接触したことを視覚及び/又は音声信号で警報する。神経が探知された後、デポー薬物を神経に極めて近接して設置することができる。このやり方では、デポー薬物を神経に極めて近接して納置することが保証される。この様にデポー薬物を神経に極めて近接して設置できるおかげで、治療剤を局所的に神経付近の目標部位で放出させることができる。神経に極めて近接とは、1cm又はそれ以下の距離を含む。例えば、神経から100mm、50mm、25mm、10mm、5mm、1mm、3mm、又は0.5mm。この神経付近でのデポー薬物の局所投与では、使用するべき治療剤の用量が、通常の経口的、静脈内的、又は筋肉内的用量よりも少なくて済む。例えば、デポー薬物の局所投与は、日用量として、通常の経口的、静脈内的、又は筋肉内的用量の20%、15%、10%、5%、1%、0.5%、0.1%、0.01%の日用量を用いて達成することができる。ひいては、全身性副作用、例えば、肝臓のトランスアミナーゼの上昇、肝炎、肝不全、筋障害、便秘などが、低減されるか又は排除されるであろう。
【0022】
様々な実施形態では、デポー薬物は、多くの場合、例えばX線画像化や蛍光透視法などの様な診断的画像化処置を使用して目標組織部位に設置される。しかしながら、処置中に神経根が映し出されないことも往々にしてある。提供されている装置及び方法は、使用者が、カニューレ又は針の先端で神経を探知し、デポー薬物を神経に隣接して植え込めるようにしており、そこでならデポー薬物はその局所的治療効果を発揮することができる。幾つかの実施形態では、本装置は、中実又は中空とすることのできる1本、2本、3本、4本、又は5本の神経探知カニューレ、及び/又は1本、2本、3本、4本、又は5本の薬物送達カニューレを備えている。
【0023】
様々な実施形態では、カニューレは中空で、デポー薬物及び当該デポー薬物を皮膚の下層の指定された部位へ送達するのを容易にするプランジャの通過を許容するのに十分な直径を有している。プランジャは、デポー薬物を送達するために、使用者がプランジャを動かせられるようにするノブ又は把持用の特徴を有することができる。ハウジングにも、使用者がハウジングを保持しカニューレをハウジングに接続するための握りがあってもよい。カニューレの大きさは、送達されるデポー薬物の型式と、遂行される処置によって決まる。
【0024】
図2Aは、神経を探知しデポー薬物を神経付近に送達する「オールインワン型」カニューレシステムの或る実施形態を示している。図2Aには、デポー薬物を送達部位に小出しするための側面ポート106を有する先端105を備えている、薬物送達装置のカニューレシャフト110の遠位端の拡大図が示されている。カニューレの遠位端は、更に、カニューレの先端105が神経に接触するか又は神経に極めて近接したら、神経によって生成される電気インパルスを検知する電気接点205を有している。電気接点は、信号を警報器へ送って使用者にカニューレの先端が神経に接触しているか又は神経付近にあることを知らせるために、配線111を介して電気的に連結されている。このやり方では、使用者は、先端を神経から離れさせ、デポー薬物を神経付近に植え込むことができる。
【0025】
図2Bは、薬物送達カニューレと共に使用することのできる神経探知カニューレの或る実施形態を示している。図2Bには、先端105を備えているカニューレシャフト110の遠位端の拡大図が示されており、カニューレの遠位端は、やはり、カニューレの先端105が神経に接触するか又は神経に極めて近接したら、神経によって生成される電気インパルスを検知する電気接点205を有している。電気接点は、信号を警報器へ送って使用者にカニューレの先端が神経に接触しているか又は神経付近にあることを知らせるために、配線111を介して電気的に連結されている。このやり方では、使用者は、先端を神経から離れさせ、デポー薬物を神経に隣接して植え込むことができる。このカニューレは、別体の薬物送達カニューレ(図示せず)と共に使用することができる。幾つかの実施形態では、探知カニューレが神経を探知すると、次いで薬物送達カニューレが神経に隣接して挿入され、デポー薬物が神経に隣接する目標部位へ送達される。当業者には、神経探知カニューレと薬物送達カニューレを、同じ位置(例えば、神経に隣接)に挿入することもできるし、互いに極めて近接に(例えば、5cm、4cm、3cm、2cm、1cm、0.5cm、10mm、5mm、1mm、又は0.5mm以内に)挿入することもできることが理解されるであろう。例えば、神経探知カニューレ又はプローブを神経又はその付近に設置し、神経を探知させる。次に、神経探知を引き揚げて、薬物送達カニューレをデポー薬物送達に向け神経付近に限定して神経探知カニューレと同じ位置に位置付けることができる。別の実施形態では、神経探知カニューレ又はプローブを神経又はその近くに設置し、神経を探知させる。次に、薬物送達カニューレを神経探知カニューレに極めて近接に(例えば、5cm、4cm、3cm、2cm、1cm、0.5cm、10mm、5mm、1mm、又は0.5mm以内に)位置付け、神経探知カニューレ又はプローブによって神経が探知された後にデポー薬物を当該神経付近に送達することができる。
【0026】
神経探知カニューレと共に使用するための適したカニューレを備えた或る薬物送達装置が2007年11月20日に出願されUS20090131908として公開されている米国特許出願第11/942,820号に示され説明されている。その開示全体をここに参考文献として本開示に援用する。オールインワン型カニューレシステムの様に、神経探知カニューレと薬物送達カニューレが同一である場合は、デポー薬物はプランジャを使用してカニューレから送り出すことができるので、カニューレを引き出す必要がない。
【0027】
図3は、カニューレが神経探知と薬物送達の両方に使用されるオールインワン型カニューレの或る実施形態を示している。この実施形態では、カニューレ110は、デポー薬物を送達部位に送達するため皮膚305の下層に挿入されている。カニューレは、ハウジング125(デポー薬物を室に格納することのできるシリンジ筒体として示されている)に取り付けられている。ハウジングは、ねじ切り又はルアー嵌合120によってカニューレに接続させることができる。この図示の実施形態では、先端105は神経310に接触している。センサーがハウジング内にある実施形態では、センサーは、使用者に警報器(図示せず)を介して、鈍先端105が神経に接触したことを警報しようとする。幾つかの実施形態では、使用者は、鈍先端の深さを、例えばX線画像化や蛍光透視法などの様な診断的画像化処置を介して監視し、いつ神経に接触するか及び側面ポート開口部106の神経からの距離を知ることができる。こうして、使用者は、デポー薬物を神経に極めて近接して植え込むことができる。このやり方では、使用者は、デポー薬物を精度よく植え込むことができる。
【0028】
幾つかの実施形態では、デポー薬物を患者の神経付近の送達部位に送達するための装置が提供されており、本装置は、電気接点を備えた神経感知ユニットと神経感知ユニットに連結された警報器とを有する第1カニューレ(神経探知カニューレ又はプローブ)であって、当該カニューレが神経に接触するか又は神経に極めて近接すると警報器が起動されて神経の所在を指し示す、第1カニューレと、近位端と遠位端を有する第2カニューレ(デポー薬物送達カニューレ)であって、当該第2カニューレの近位端はデポー薬物を受け入れる開口部を有し、当該第2カニューレの遠位端はデポー薬物を当該第2カニューレの遠位端から患者の神経付近の送達部位へ向けて通過させるための開口部を有している、第2カニューレと、ハンドルとデポー薬物を小出しするよう適合させた先端とを有するプランジャであって、プランジャの先端はデポー薬物を第2カニューレの開口部から患者の神経付近の送達部位へ送り出すべく第2カニューレ内に滑動式に受け入れられることができる、プランジャと、を備えている。
【0029】
図4−図7は、薬物送達用のポート開口部とカニューレの先端の間にある空間に応じてデポー薬物を可能な限り神経に接近して設置させられる、鈍先端を有する薬物送達カニューレを示している。これらの型式のカニューレは、単独で使用することもできるし、デポー薬物を神経に極めて近接して送達するために神経探知カニューレ又はプローブと共に使用することもできる。
【0030】
図4aは、デポー薬物を単一の送達部位へ送達するための単筒式カニューレ(薬物送達カニューレ)組立体の或る実施形態を示している。これは、神経探知カニューレ(図2B)とは別体の薬物送達カニューレの一例である。様々な実施形態では、単筒式カニューレ組立体は、カニューレの遠位端の鈍先端405と、送達部位にデポー薬物を小出しするための側面ポート410と、カニューレシャフト415と、側面ポート410のカニューレシャフト上の位置及びその皮膚下層での相対位置を指し示す割出マーカー420を備えている。割出マーカーは、カニューレ組立体の近位端425に設けることができ、処置中、使用者に見えたままである。マーカー420を側面ポート開口部と整列及び/又は平行にしておけば、使用者は、割出マーカーの視覚表示を見れば、デポー薬物がどの方向に送達部位に植え込まれるかが分かるであろう。
【0031】
図4bは、薬物送達装置の中のカニューレ組立体の近位端425の或る実施形態をその上面図について示している。様々な実施形態では、近位端は、送達部位に送達されるデポー薬物を受け入れるように構成されている開口部又は室435を有している。様々な実施形態では、割出マーカー420は、処置の間中使用者に見えるように、カニューレから突き出ている。よって、435に「a」として示されているデポー薬物用の室又はチャネルを割出マーカーa’と平行にしておけば、使用者は、420の割出マーカーa’を見ることによって室の位置ひいてはデポー薬物の位置が分かる。カニューレの近位端の嵌め合いは、425として示されており、プランジャ及び/又は薬物カートリッジの様なハウジングを受け入れるように構成されている。
【0032】
図4cは、カニューレシャフト415の或る実施形態を示している。様々な実施形態では、カニューレの遠位端の側面ポート410は、カニューレの先端405から幾らかの距離だけ離れている。様々な実施形態では、側面ポートと先端の間の距離は、1−10mmの間であってもよい。様々な実施形態では、カニューレのシャフトは、中空であって、デポー薬物を送達部位へ向けて通過させるための室440を作り出している。様々な実施形態では、プランジャ445がカニューレ内を滑動し、プランジャ445は、デポー薬物をカニューレシャフトを通して側面ポートから薬物送達部位へ向けて滑動させる案内として使用することができる。ここでもやはり、側面ポート開口部の鈍先端からの間隔は知られているので、使用者にはデポー薬物の神経からの正確な植え込み距離が分かるであろう。よって、使用者は、デポー薬物を神経からの設定距離に植え込むことができ、そうすれば神経を傷つけることなく薬物を局所的に当該区域へ送達させることができるので患者にとっては有益であろう。図4cでは、プランジャは、伸展位置にあるところが示されている。
【0033】
図4dは、プランジャをその中に整列させてデポー薬物をカニューレの近位端からカニューレの遠位端へ通過させる内室又はチャネル440を有するカニューレシャフト415の或る実施形態の断面図を示している。デポー薬物用の通路は「a」と表示されており、デポー薬物の進入口は、図4bで「a」のマークが付いた室又はチャネルに起始している。よって、室又はチャネル「a」の進入口を、当該進入口から側面ポート開口部415(aとして図示)まで整列させ、デポー薬物をプランジャによって押し出させ送達部位に小出しさせるための通路を作り出す。使用者は、ここでもやはり割出マーカー(図4bの420a’)を目視すればデポー薬物の位置が分かる。
【0034】
図5aは、2つのデポー薬物を2つの送達部位へ送達するための2筒式カニューレ組立体の或る実施形態を示している。様々な実施形態では、2筒式カニューレ組立体は、カニューレの遠位端の鈍先端505と、デポー薬物を送達部位に吐き出すための2つの側面ポート510と、カニューレシャフト515と、皮膚の下層での側面ポートの位置を指し示す割出マーカー520を備えている。割出マーカーは、カニューレ組立体の近位端525に設けることができ、処置中、使用者に見えたままである。例えば、図5bでは、割出マーカー520を、535のa及びbとして表示されている薬物室又はチャネルと平行にそれらの中央の地点に合わせることができる。520b’として示されている割出マーカーを、薬物室又はチャネル535のa及びbと平行にそれらの中央に合わせておく。使用者は、割出マーカー520b’を見れば、薬物室又はチャネルa及びbの位置が分かる。更に、使用者は、割出マーカー520b’を目視すれば、側面ポート開口部a及びb(図5dに図示)の位置が分かり、ひいてはデポー薬物が小出しされる角度及び側面ポート開口部の位置が分かる。
【0035】
図5bは、更に、薬物送達装置の中のカニューレ組立体の近位端525の或る実施形態をその上面図について示している。様々な実施形態では、近位端は、2つの開口部又は室535a及びbを有しており、開口部は、それぞれ、皮膚の下層の送達部位に送達されるデポー薬物を受け入れるように構成されている。様々な実施形態では、割出マーカー520が、処置の間中使用者に見えるようにカニューレから突き出ている。カニューレの近位端は、ハウジングに接続するか又はプランジャを受け入れるために連結手段525(例えば、ルアー嵌合、摩擦嵌め嵌合、ねじ切りなど)を有している。
【0036】
図5cは、カニューレシャフト515の或る実施形態を示している。様々な実施形態では、カニューレの遠位端の側面ポート510は、カニューレの先端505から幾らかの距離だけ離離れている。様々な実施形態では、側面ポートと先端の間の距離は、1mmから、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、及び10mmであってもよい。様々な実施形態では、カニューレのシャフトは、中空であって、デポー薬物を送達部位へ向けて通過させるための2つの室又はチャネル540(a及びb)を作り出している。様々な例示としての実施形態では、デポー薬物は、開口部535の中へ挿入され、カニューレシャフトを通って室540経由で進んでゆき側面ポート510を通って第1薬物送達部位に吐き出されることになる。様々な実施形態では、デポー薬物をカニューレシャフトを通して側面ポートから薬物送達部位へ送り出すのを容易にするのにプランジャが使用されてもよい。2つのデポー薬物を小出しするために2つの室を有する様々な実施形態では、プランジャは2つのプランジング先端545を提供するように構成されていて、一度に1ずつ各室540で滑動させるか又は両室で同時に滑動させるようにしているのが適切であり、というのもプランジャがそれぞれの室に1つずつ2つの先端を有していれば側面ポートのそれぞれを通してデポー薬物を小出しすることになるからである。図5cでは、プランジャは、伸展位置にあるところが示されている。
【0037】
図5dは、2つの別々の内室540を有するカニューレシャフト515の或る実施形態の断面図を示しており、各室(a及びb)は、デポー薬物を挿入するための近位端の開口部(図5bのa及びb)並びにカニューレの遠位端の側面ポート510に対応している。それぞれのデポー薬物は、各々の室内に、隣接する室の隣接するデポー薬物との接触から絶縁されて収容されている。
【0038】
様々な実施形態では、カニューレ組立体は、薬物送達部位の位置が異なるようになっていてもよい。例えば、薬物送達部位は、(図5aに示されている様に)互いに隣接していてもよいし、互いに反対側(即ち180度離隔)にあってもよいし、互いに直交(即ち90度離隔)していてもよい。
【0039】
図6aは、3つのデポー薬物を3つの異なった送達部位へ送達するための3筒式カニューレ組立体の或る実施形態を示している。様々な実施形態では、3筒式カニューレ組立体は、カニューレの遠位端の鈍先端605と3つの側面ポート(2つを610として図示)を備えており、それぞれの側面ポートは、プランジャに当該カニューレを通り抜けさせ異なった送達部位まで滑動させると、1つ又はそれ以上のデポー薬物を小出しすることができる。カニューレシャフト615の割出マーカー620は、皮膚の下層での側面ポート610それぞれの位置を指し示すように室と整列していて、皮膚の下層での3つのポートそれぞれの場所が、使用者に見えるカニューレ組立体の近位端625に置かれている対応する割出マーカー620によって表されるようになっている。
【0040】
例えば、図6bでは、割出マーカー620を、635のa、b、及びcと表示されている薬物室又はチャネルと平行にすることができる。620のa’、b’、及びc’として示されている割出マーカーを、それぞれの薬物室又はチャネル(635のa、b、及びcとして示されている)に各々平行にしておく。使用者は、割出マーカー620a’、620b’、及び620c’を見れば、薬物室又はチャネル635a、635b、及び635cそれぞれの位置が分かる。使用者は、割出マーカー620を目視すれば、側面ポート開口部a及びb(図6cに示されている)の位置も分かり、ひいてはデポー薬物が小出しされる角度と側面ポート開口部の位置も分かる。
【0041】
図6bは、更に、薬物送達装置の中のカニューレ組立体の近位端625の或る実施形態をその上面図について示している。様々な実施形態では、近位端は、3つの開口部635a、b、及びcを有しており、開口部は、それぞれ、皮膚の下層の送達部位に送達されるデポー薬物を受け入れるように構成されている。様々な実施形態では、カニューレから突き出ている3つの割出マーカーa’、b’、及びc’は、処置の間中使用者に見えるようにそれぞれの室(635a、b、及びc)に実質的に平行である。
【0042】
図6cは、カニューレシャフト615の或る実施形態を示している。様々な実施形態では、カニューレの遠位端の側面ポート610(2つをa及びbとして図示、他は図示せず)は、カニューレの先端605から幾らかの距離だけ離れている。様々な実施形態では、側面ポートとカニューレの間の距離は、1−10mmの間であってもよい。様々な実施形態では、カニューレのシャフトは、中空であって、デポー薬物を送達部位へ向けて通過させるための3つの室又はチャネルを作り出している。様々な例示としての実施形態では、図6bの開口部635aの中へ挿入されたデポー薬物は、カニューレシャフトを通って室又はチャネル経由で進んでゆき図6cの側面ポート610を通って第1薬物送達部位に吐き出されることになる。様々な実施形態では、デポー薬物をカニューレシャフトを通して側面ポートから薬物送達部位へ送り出すのを容易にするのにプランジャが使用されてもよい。3つのデポー薬物を小出しするための3つの室又はチャネル(図6bのa、b、及びc)を有する様々な実施形態では、プランジャは、デポー薬物を側面ポートのそれぞれを通して小出しするべく3つのプランジング先端(見えない)を提供するように構成されているのが適切であろう。様々な実施形態では、それぞれの室用シャフトは、デポー薬物を挿入するための近位端の開口部並びにカニューレの遠位端の側面ポートに対応している。それぞれのデポー薬物は、各々の室内に、隣接する室の隣接するデポー薬物との接触から絶縁されて収納されている。
【0043】
図7aは、4つのデポー薬物を4つの送達部位へ送達するための4筒式カニューレ組立体の或る実施形態を示している。様々な実施形態では、4筒式カニューレ組立体は、カニューレの遠位端の先端705と、4つのデポー薬物を送達部位に吐き出すための4つの側面ポート710と、カニューレシャフト715と、皮膚の下層の側面ポートそれぞれの位置を指し示す割出マーカー720であって、皮膚の下層での4つのポートそれぞれの場所が、使用者に見えるカニューレ組立体の近位端725に置かれた対応する割出マーカーによって表されるようにした割出マーカー720を備えている。4筒式カニューレでは割出マーカーが4つあることに留意されたい。
【0044】
図7bは、薬物送達装置の中のカニューレ組立体の近位端725の或る実施形態をその上面図について示している。様々な実施形態では、近位端は、a、b、c、及びdとして示されている4つの開口部又は室735を有しており、開口部は、それぞれ、皮膚の下層の送達部位に送達されるデポー薬物を受け入れるように構成されている。様々な実施形態では、割出マーカー720は、処置の間中使用者に見えるようにカニューレから突き出ている(a’、b’、c’、及びd’として図示)。例えば、図7bでは、割出マーカー720は、735のa、b、c、及びdとして表示されている薬物室又はチャネルと平行にすることができる。720a’、b’、c’及びd’として示されている割出マーカーをそれぞれの薬物室又はチャネル(735a、b、c、及びd)と各々平行にしておく。使用者は、割出マーカー720a’、720b’、及び720c’を見れば、薬物室又はチャネル735a、735b、及び735cそれぞれの位置が分かる。使用者は、割出マーカー720を目視すれば、側面ポート開口部(図7cでは2つをa及びbとして図示)の位置も分かり、ひいてはデポー薬物が小出しされる角度と側面ポート開口部の位置も分かる。
【0045】
図7cは、カニューレシャフト715の或る実施形態を示している。様々な実施形態では、カニューレの遠位端の側面ポート(2つを710a及びbとして図示)は、カニューレの先端705から幾らかの距離だけ離れている。様々な実施形態では、側面ポートと先端の間の距離は、1−10mmの間であってもよい。様々な実施形態では、カニューレのシャフトは、中空であって、デポー薬物を送達部位へ向けて通過させるための4つの室を作り出している。様々な例示としての実施形態では、図7Bの開口部735aの中へ挿入されたデポー薬物は、カニューレシャフトを通って第1室(図7bの735)経由で進んでゆき図7cの側面ポート710aを通って第1薬物送達部位に吐き出されることになる。様々な実施形態では、デポー薬物をカニューレシャフトを通して側面ポートから薬物送達部位へ送り出すのを容易にするのにプランジャが使用されてもよい。4つのデポー薬物を小出しするために4つの室を有する様々な実施形態では、プランジャは、図7bの室a、b、c、及びdのデポー薬物を側面ポートのそれぞれを通して追い出すべく4つのプランジング先端(見えない)を提供するように構成されているのが適切であろう。様々な実施形態では、それぞれの室用シャフトは、デポー薬物を挿入するための近位端の開口部並びにカニューレの遠位端の側面ポートに対応している。それぞれのデポー薬物は、各々の室内に、隣接する室の隣接するデポー薬物との接触から絶縁されて収容されている。
【0046】
カニューレ組立体が1つ又はそれ以上のデポー薬物の送達のために複数の室を備えている様々な実施形態では、デポー薬物の送達は、同時であってもよいし、順次であってもよい。例示としての実施形態では、同時送達は、複数のプランジング先端に同時に係合するように構成されているプランジャを使って達成されてもよい。様々な実施形態では、それぞれのプランジング先端は、カニューレのシャフトの室に対応するカニューレ近位端の開口部並びにカニューレの遠位端の側面ポートと整列する。或る例示としての実施形態では、1つのプランジング先端を開口部の中へ挿入させると、プランジング先端のどれもが開口部の中へ挿入され、その結果、全てのプランジング先端が一斉同時に滑動式に各々の開口部を通ってカニューレのシャフトの各々の室の中へ受け入れられる。デポー薬物の送達は、神経が探知された後に遂行される。
【0047】
送達が順次に行われることになる様々な例示としての実施形態では、1つの室のデポー薬物を追い出すのに単一のプランジング先端を有する単一プランジャが使用されており、その結果、プランジング先端は、終わった室から滑動式に取り出されて、皮膚の下層の第2の場所に送達される第2のデポー薬物を収容している第2の室の中へ挿入し直されることになる。様々な実施形態では、デポー薬物の送達は、室に次のデポー薬物を装填し直すことによって、単一場所で繰り返されてもよい。様々な実施形態では、針の場所を位置付けし直す必要なしに、複数回分の薬物用量が1つ又はそれ以上の場所へ送達されることもある。幾つかの実施形態では、プランジャは、デポー薬物を吐き出すためにカニューレシャフトから外へ伸展する。他の実施形態では、プランジャは、カニューレシャフト内に留まるが、デポー薬物を押してカニューレから外へ出す。
【0048】
様々な実施形態は、カニューレの近位端に連結されていて、他の構成要素を送達装置に固着するのに適した、ハウジング構造を採用することができる。ハウジング構造を採用している様々な実施形態では、ハウジング構造は、ハウジングが存在していなかった場合と同じ方式で薬物送達を行えるように、ハウジングの上部を通して挿入されたプランジャをカニューレの室と正しく整列させるように構成されることになろう。ハウジング構造を利用している様々な実施形態は、更に、皮膚の下層の1つ又はそれ以上の送達部位への同時送達又は順次送達が実施可能となるように、ハウジングに接続するよう構成されている薬物カートリッジの使用を採用していてもよい。
【0049】
様々な実施形態では、1つ又はそれ以上の粘性薬物が同時又は順次にカニューレシャフトの室を通して皮膚の下層の1つ又はそれ以上の薬物送達部位へ送達されることもあろう。様々な実施形態では、プランジャが薬物の送達部位への送達を促す必要はない。カニューレシャフトは、複数の遠位側面ポートに続いていてもよい(単一室としてもよい)。様々な実施形態では、1つ又はそれ以上の粘性薬物が同時又は順次にカニューレシャフトの単一室を通して皮膚の下層の複数の部位へ送達されることもある。
【0050】
カニューレ又は針
1つ又はそれ以上の薬物送達カニューレのカニューレ又は針は、患者への肉体的及び精神的外傷を最小限にとどめるように設計されている。カニューレ又は針は管を含んでおり、その様な管は、例えば、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエーテル(アミド)、PEBA、熱可塑性エラストメリックオレフィン、コポリエステル、及びスチレン系熱可塑性エラストマー、鋼、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、非鉄金属の含有率が高く鉄の比率が相対的に低い合金、炭素繊維、ガラス繊維、プラスチック類、セラミックス、又はそれらの組合せ、の様な材料から作られていてもよい。カニューレ又は針は、随意的に、1つ又はそれ以上の先細領域を含んでいてもよい。様々な実施形態では、カニューレ又は針は、鈍、斜端、ダイヤモンドポイント、ボール先端、トロカール先端などであってもよい。カニューレ又は針は、更に、植え込み対象部位に応じて患者への的確な治療にとって欠かせない先端様式を有することができる。先端様式の例として、例えば、Trephine、Cournand、Veress、Huber、Seldinger、Choba、Francine、Bias、Crawford、曲がった先端、Hustead、Lancet、又はTuoheyが挙げられる。様々な実施形態では、カニューレ又は針は、芯なし式とし、望まれない針刺しを回避するために針を覆うシースを有していてもよい。様々な実施形態では、カニューレの遠位端は、デポー薬物を送達部位に小出しするための1つ又はそれ以上の側面ポートを有している。様々な実施形態では、1つ又はそれ以上の側面ポートは、先端から或る距離だけ離れて設けられている。様々な実施形態では、先端と側面ポートの最近縁との間の距離は、1mmから10mmの範囲であってもよい。
【0051】
デポー薬物装置のカニューレ又は針は、プランジャの少なくとも一部分(例えば、先端、中間など)をカニューレ又は針内に滑動可能に受け入れさせることができるように、プランジャの少なくとも一部分の直径より大きい直径を有している。様々な実施形態では、カニューレ又は針の直径は、全体を通して実質的に同じである。他の実施形態では、針又はカニューレの直径は、薬物送達のための遠位端に近くなるほど小さくなっている。
【0052】
中でも特に、中空のカニューレ又は針の寸法は、植え込み対象部位によって異なってくる。例えば、硬膜外空間の幅は、胸部領域では約3−5mm、また腰部領域では約5−7mmしかない。よって、針又はカニューレは、様々な実施形態では、これらの特定の区域用に設計することができる。カニューレ又は針の長さの幾つかの例として、限定するわけではないが、約50乃至150mmの長さで、例えば、硬膜外使用では小児用には約65mm、標準成人用には約85mm、肥満成人患者用には150mmが挙げられる。カニューレ又は針の厚さも、植え込み部位によって異なってくる。様々な実施形態では、厚さには、限定するわけではないが、約0.05乃至約1.655が含まれる。カニューレ又は針のゲージは、ヒト又は動物の身体へ挿入する場合の最大又は最小の直径でもよいし、それらの間の直径でもよい。最大直径は、典型的には約14ゲージであり、最小直径は約25ゲージである。様々な実施形態では、針又はカニューレのゲージは、約17乃至約25ゲージである。
【0053】
様々な実施形態では、カニューレの中空の本体は、カニューレ内部に2つ又はそれ以上の室を形成するように仕切られている。それぞれの室を形成している仕切り壁は、カニューレと同様の組成であってもよい。それぞれの室はデポー薬物を格納することができる。それぞれの室は、プランジャを受け入れるための近位端の開口部並びにデポー薬物を追い出すための遠位端の開口部を有している。カニューレの複数室は、1つ又はそれ以上のデポー薬物に、デポー薬物同士の相互作用なしに、1つ又はそれ以上の送達部位へ向けて同時にカニューレを通過させることができる。
【0054】
様々な実施形態では、プランジャ、カニューレ、及び/又はデポー薬物は、皮膚の下層の部位又はその付近での所在を示すマーキングを含んでいる。放射線撮影用マーカーをデポー薬物上に含めて、使用者がデポーを患者の当該部位の中へ正確に位置付けできるように図ってもよい。これらの放射線撮影用マーカーは、更に、使用者が、当該部位でのデポーの動きと分解を経時的に追跡できるようにもする。この実施形態では、使用者は、数々の診断的画像化処置の何れを使用してデポーを当該部位に正確に配置することもできる。その様な診断的画像化処置には、例えば、X線画像化又は蛍光透視法が含まれる。その様な放射線撮影用マーカーの例としては、限定するわけではないが、バリウム、リン酸カルシウム、及び/又は金属ビードが挙げられる。
【0055】
様々な実施形態では、針又はカニューレは、超音波、蛍光透視法、X線、又は他の画像化技法により視覚化でき得る透明又は半透明の部分を含んでいてもよい。その様な実施形態では、透明又は半透明の部分は、放射線不透過性材料又は超音波反応性トポグラフィーを含んでいてもよく、そうすれば、当該材料又はトポグラフィーなしと対比して針又はカニューレのコントラストが増す。
【0056】
様々な実施形態では、カニューレ又は針の近位端の開口部を、ハウジングに係合するための係合手段を有する略円筒形のハブが取り囲んでいる。係合手段には、限定するわけではないが、ハウジングとカニューレ近位端の間の確実な接続を可能にするねじ切り、軌道、クリップ、リブ、突起などが含まれる。例えば、様々な実施形態では、係合手段は、ルアーロック接続であってもよく、その場合、カニューレは、ハウジングの上又は中に設けられたねじ部と噛み合う噛合ねじ部を有している。
【0057】
ハウジング
ハウジングは、限定するわけではないが円筒形や丸形を含め、カニューレ並びにプランジャへの固着を可能にする様々な形状のものがあろう。ハウジングは、更に、例えば薬物カートリッジ及び電子式神経感知ユニットの様な他の構成要素へ固着するように構成されていてもよい。
【0058】
ハウジングは、例えば、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエーテル(アミド)、PEBA、熱可塑性エラストメリックオレフィン、コポリエステル、及びスチレン系熱可塑性エラストマー、鋼、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、非鉄金属含有量が高く鉄の比率が相対的に低い合金、炭素繊維、ガラス繊維、プラスチック類、セラミックス、又はそれらの組合せ、の様な各種材料を備えることができる。
【0059】
カニューレ又は針と同様に、様々な実施形態では、ハウジングは送達されたデポー薬物の数を指し示す用量表示マーキング(例えば、数字、線、文字、放射線不透過性マーカーなど)を有していてもよい。様々な実施形態では、プランジャは、皮膚の下層の部位又はその付近での所在を指し示すマーキングを含んでいる。
【0060】
ハウジングは、輪郭を有し、使用中に装置を簡単に把持できるようにしていてもよい。ハウジングは、右利きの使用者と左利きの使用者に合わせて角度が付けられていてもよいし、又は右利きと左利きのどちらも使える汎用型であってもよい。様々な実施形態では、ハウジングは、上開口部、中間開口部、及び下開口部を備えることができる。上、中間、及び下の開口部は、プランジャがそれらの開口部を通って滑動できるようにしている。ハウジングの中間開口部は、様々な実施形態では、薬物カートリッジ又はデポー薬物を受け入れることになる。様々な実施形態では、使用者は、プランジャを通過させてデポー薬物を送達できるように、デポー薬物又はデポー薬物を収容している薬物カートリッジの室を上、中間、及び下の開口部と整列させることができる。
【0061】
プランジャ
プランジャの上端は、ノブ、ダイヤル、キャップ、ハンドル、又は使用者がプランジャを利用できるようにする何らかの部材を採用していてもよいことが理解されるであろう。プランジャは、カニューレ内でデポー薬物を動かすことができる先端を含む第2端を有している。他の実施形態では、プランジャの先端は、患者の皮膚の下層の部位に挿入させることができる程度に先が尖っており、カニューレ又は針は鈍であって、デポー薬物を部位へ案内するのに使用される。
【0062】
プランジャは、複数の先端を採用するように構成されていてもよい。プランジャは、1つ又はそれ以上の先端が取り付けられている単一ハンドルを備えていてもよい。単一ハンドルは、使用者が複数の先端のそれぞれを同時に挿入してデポー薬物をカニューレを通して小出しできるようにすることであろう。複数の先端を有するプランジャは、デポー薬物の同時分配用に複数のプランジャ先端を受け入れるように設計されているハウジング及び/又はカニューレと関連付けて使用されるのが最適であろう。プランジャ先端の数は、カニューレの室設計はもとよりハウジング及び薬物カートリッジが使用されている場合にはそれらの室設計とも相関するであろう。それぞれのプランジャ先端は、デポー薬物の送達に関して採用されているハウジング、薬物カートリッジ、及びカニューレの室のそれぞれと整列させることができる。
【0063】
プランジャは、カニューレ又は針の中に滑動可能に受け入れられるように、カニューレ又は針より小さい直径を有している。プランジャは、長さが、カニューレ又は針より長くてもよいし、同寸であってもよいし、短くてもよい。幾つかの実施形態では、プランジャの先端は、鋭利であってもよいし、鈍であってもよい。
【0064】
プランジャは、例えば、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエーテル(アミド)、PEBA、熱可塑性エラストメリックオレフィン、コポリエステル、及びスチレン系熱可塑性エラストマー、鋼、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、非鉄金属含有量が高く鉄の比率が相対的に低い合金、炭素繊維、ガラス繊維、プラスチック類、セラミックス、又はそれらの組合せ、の様な材料から作られていてもよい。プランジャは、随意的に、1つ又はそれ以上の先細領域を含んでいてもよい。
【0065】
カニューレ又は針と同様に、様々な実施形態では、プランジャは送達されたデポー薬物の数を指し示す用量表示マーキング(例えば、数字、線、文字、放射線不透過性マーカーなど)を有していてもよい。様々な実施形態では、プランジャは、皮膚の下層の部位又はその付近での所在を指し示すマーキングを含んでいる。
【0066】
プランジャ先端は、薬物ペレットと相補の形状であってもよく、そうすると、プランジャ先端が薬物ペレットの端内にぴったり嵌って薬物送達が更にし易くなる。薬物ペレットは、所望の部位での挿入が更にし易くなるように丸みの付いた端を有していてもよい。幾つかの実施形態では、プランジャの先端は、カニューレから出て、デポー薬物を押してカニューレの外へ出す。
【0067】
神経探知カニューレ
神経探知カニューレ(又はプローブ)のカニューレ又は針は、患者への肉体的及び精神的外傷を最小限にとどめるように設計されている。カニューレ又は針は管を含んでおり、その様な管は、例えば、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエーテル(アミド)、PEBA、熱可塑性エラストメリックオレフィン、コポリエステル、及びスチレン系熱可塑性エラストマー、鋼、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、非鉄金属の含有率が高く鉄の比率が相対的に低い合金、炭素繊維、ガラス繊維、プラスチック類、セラミックス、又はそれらの組合せ、の様な材料から作られていてもよい。カニューレ又は針は、随意的に、1つ又はそれ以上の先細領域を含んでいてもよい。様々な実施形態では、カニューレ又は針は、鈍、斜端、ダイヤモンドポイント、ボール先端、トロカール先端などであってもよい。カニューレ又は針は、更に、植え込み対象部位に応じた患者への的確な治療にとって欠かせない先端様式を有することができる。先端様式の例として、例えば、Trephine、Cournand、Veress、Huber、Seldinger、Chiba、Francine、Bias、Crawford、曲がった先端、Hustead、Lancet、又はTuoheyが挙げられる。様々な実施形態では、カニューレ又は針は、芯なし式とし、望まれない針刺しを回避するために針を覆うシースを有していてもよい。
【0068】
中でも特に、神経探知カニューレ(又はプローブ)又は針の寸法は、神経探知対象部位によって異なってくる。例えば、硬膜外空間の幅は、胸部領域では約3−5mm、また腰部領域では約5−7mmしかない。よって、神経探知カニューレ(又はプローブ)は、様々な実施形態では、これらの特定の区域用に設計することができる。カニューレ又は針の長さの幾つかの例として、限定するわけではないが、約50乃至150mmの長さで、例えば、硬膜外使用では小児用には約65mm、標準成人用には約85mm、肥満成人患者用には150mmが挙げられる。カニューレ又は針の厚さも、神経探知の部位によって異なってくる。様々な実施形態では、厚さには、限定するわけではないが、約0.05乃至約1.655が含まれる。カニューレ又は針のゲージは、ヒト又は動物の身体へ挿入する場合の最大又は最小の直径でもよいし、それらの間の直径でもよい。最大直径は、典型的には約14ゲージであり、最小直径は約25ゲージである。様々な実施形態では、針又はカニューレのゲージは、約17乃至約25ゲージである。神経探知カニューレ又はプローブは、神経感知ユニットの一部又は全部を構成している。
【0069】
神経感知ユニット
様々な実施形態では、神経探知カニューレは、薬物送達装置(例えば、カニューレ又は針、ハウジングなど)の中へ組み入れられている電子式神経感知ユニットを備えている。電子式神経感知ユニットは、薬物送達場所に極めて近接して神経が存在していることを感知し、使用者に警報を発して、デポー薬物(例えば、ペレット)をできる限り神経に接近して植え込めるようにし、薬物溶出性デポーの有効性を改善することができる。様々な実施形態では、トゥイッチモニターと同様の電子式装置が薬物送達装置の中へ組み込まれていてもよい。適した神経感知ユニットは、米国特許第5,928,158号、同第5,131,401号、及び同第5,391,081号に記載されている。これらの特許の開示全体をここに参考文献として本開示に援用する。
【0070】
他の適した装置には、例えば、NIM-ECLIPSE(商標)脊椎システム及びNIM-SPINE(登録商標)システムの神経統合性モニター(NIM)や米国特許第5,196,015号「椎弓根ねじ挿入のための処理」、米国特許第5,474,558号「椎弓根ねじ挿入のための処置及びシステム」、及び米国特許第6,554,778号「再使用式ハンドルを備えたバイオプシー装置」に開示されている神経監視システムが含まれる。これらの特許開示もここに参考文献として本開示に援用する。
【0071】
様々な実施形態は、更に、刺激の型、刺激の範囲、カニューレ先端の感受性、振幅、時間などの様な、他の情報の測定値を追跡する電子式モニターを含んでいてもよい。
幾つかの実施形態では、神経感知ユニット(導電性材料、警報器、音声機器、配線などを含む)は、カニューレのハウジング内に配置されていてもよいし、或いは神経部位からの電気インパルスの伝導が可能である限りにおいてハウジングの外部に配置されていてもよい。
【0072】
様々な実施形態では、患者は、Medtronic NIM刺激器に接続されており、同じくNIM回路構成に接続されている装置が神経に触れると、装置は回路を閉じ、針の尖端が神経に接触したことを光及び/又は可聴信号で使用者に通知する。使用者はこの時点でデポー薬物を神経又はその付近に植え込むことができる。
【0073】
電子式神経感知ユニットを含んでいる様々な実施形態では、ユニットの主要な電子工学的構成要素は、薬物送達装置のハウジングの中へ組み込まれていてもよい。電子式感知ユニットは、カニューレの遠位端の先端付近に電気接点を組み込んでいてもよい。接点は、神経感知ユニットと電子通信する能力、及び神経場所に極めて近接していることを指し示す能力がある。更に、様々な実施形態では、神経感知ユニットは、警報装置に電子的に信号を送って神経に極めて近接していることを使用者に警報する能力がある。警報器は、使用者に、音声による通知、視覚的通知、又はそれらを組み合わせた通知を提供することができる。
【0074】
電子式神経感知ユニットを含んでいる様々な実施形態では、当該ユニットは、電源、使用者制御スイッチ、刺激装置、及び/又は、外部の監視装置を含む各種装置の何れかに電子的に連結されていてもよい。様々な実施形態では、電源は、例えば電力を警報器機構に供給していてもよい。様々な実施形態では、使用者は、1つ又はそれ以上の制御スイッチを使って、接点の感受性を制御していてもよい。更に、様々な実施形態では、接点は、神経を探知するべく或る場所へ刺激信号を提供する能力、神経からの応答信号を検知する能力、又は神経を刺激して応答を検知する能力がある。
【0075】
例えば、神経の電子刺激は、1mA、2mA、3mA、4mA、5mA、6mA、7mA、8mA、9mA、10mAの電流を神経の中へ送り、筋肉運動を注視することによって達成することができる。代わりに、電子刺激は、1mA、2mA、3mA、4mA、5mA、6mA、7mA、8mA、9mA、10mAの電流を神経又は神経を取り囲む領域の中へ送ることによって達成することができる。通電があれば、使用者は神経に近づいていることが分かる。
【0076】
幾つかの実施形態では、神経感知ユニットは、神経からの電気インパルス(例えば、40乃至90ミリボルト(mV))を音声及び/又は視覚装置へ伝導する配線又は電気伝導性材料をカニューレの先端又は遠位端から音声及び/又は視覚装置へ走らせて備えていてもよい。この実施形態では、使用者が、カニューレの先端を神経に接触させると、神経インパルスがカニューレそして配線を通って音声及び/又は視覚装置へ伝導され、すると装置が使用者に先端が神経に接触したことを視覚及び/又は音声信号で警報する。このやり方では、デポー薬物を神経に極めて近接して設置することができ、薬物溶出性デポーの有効性が改善される。この時点でプランジャはカニューレ内を滑動し、デポー薬物を遠位端から外へ送り出すことになる。このやり方では、デポー薬物を、神経に又は神経に接近して送達することができる。こうして、神経及び神経を取り囲む組織の直接的な局所治療を達成させることができる。
【0077】
神経には、例えば、脳神経、中枢神経、末梢神経、及び/又は自律神経を含めることができる。神経の幾つかの例として、例えば、脊髄神経、骨盤神経、陰部神経、仙骨神経、末梢神経、坐骨神経などが挙げられる。
【0078】
デポー薬物
様々な実施形態では、装置は、デポー薬物を備えている。デポー薬物は、所望の部位(例えば、患者の滑膜関節、円板空間、脊柱管、組織など)への植え込み又は保定を容易にする物理的構造を備えている。デポー薬物は更に薬物を備えている。ここで使用される「薬物」という用語は、一般に、患者の生理を改変する何らかの物質を指すものとする。「薬物」という用語は、ここでは、「治療剤」、「治療有効量」、及び「医薬品有効成分」の各用語と入れ替え可能に使用されることもある。「薬物」調合物は、2つ以上の治療剤を含んでいてもよいと理解するものとし、治療剤の例示となる組合せには、2つ又はそれ以上の薬物の組合せが含まれる。薬物は、部位への送達について治療剤の或る濃度勾配を提供している。様々な実施形態では、デポー薬物は、植え込み部位から約1mm乃至約5cmまでの距離において治療剤の最適薬物濃度勾配を提供する。幾つかの実施形態では、デポー薬物は、デポーからの薬物放出を可能にする細孔を有している。デポー薬物は、体液をデポーに入れて薬物を置き換えさせる。しかしながら、デポー内への細胞浸潤は、デポーの細孔の大きさによって阻止されることになる。このやり方だと、幾つかの実施形態では、デポーは組織の足場として機能し組織成長を許容することにはならないはずである。むしろ、デポー薬物は、専ら薬物送達のために活用されることになる。幾つかの実施形態では、デポー薬物の細孔は250乃至500ミクロンより小さいとされる。細孔がこの大きさであれば、細胞がデポー薬物に浸潤して足場用細胞を敷き込むことはできなくなる。こうして、この実施形態では、体液がデポー薬物に進入してゆくと、薬物がデポー薬物から溶出するが、細胞は浸入を阻止されることになる。細孔が殆ど或いは全くない一部の実施形態では、薬物は、酵素の作用、加水分解作用、及び/又はヒトの身体の他の類似の機序によって、デポー薬物から外へ溶出してゆくであろう。
【0079】
デポー薬物に使用するのに適した薬物の例としては、限定するわけではないが、抗炎症剤、鎮痛剤、骨誘導性成長因子、又はそれらの組合せが含まれる。抗炎症剤には、限定するわけではないが、サリチラート類、ジフルニサル、インドメタシン、イブプロフェン、ナプロキセン、トルメチン、ケトロラク、ジクロフェナク、ケトプロフェン、フェナメート類(メフェナム酸、メクロフェナム酸)、エノール酸類(ピロキシカム、メロキシカム)、ナブメトン、セレコキシブ、エトドラク、ニメスリド、アパゾン、金、スリンダク又はテポキサリン、抗酸化剤である、例えば、ジチオカルバマート、他の化合物である、例えば、スルファサラジン[2‐ヒドロキシ‐5‐[‐4‐[C2‐ピリジニルアミノ)スルホニル]アゾ]安息香酸]、ステロイド類である、例えば、フルオシノロン、コルチゾール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ベクロメサゾン、フルチカゾン、又はそれらの組合せ、TNFのタンパク質阻害剤である、例えば、エタネルセプト、レミケード、IL−1のタンパク質阻害剤である、例えば、Kineret(登録商標)、p38のタンパク質阻害剤、RANKのタンパク質阻害剤、RANKLのタンパク質阻害剤が含まれる。
【0080】
適した骨誘導因子には、限定するわけではないが、骨形成タンパク質、成長分化因子、LIM鉱化タンパク質、又はそれらの組合せが含まれる。
適した鎮痛剤には、限定するわけではないが、アセトアミノフェン、リドカイン、ブピビカイン、オピオイド系鎮痛剤である、例えば、ブプレノルフィン、ブトルファノール、デキストロモラミド、デゾシン、デキストロプロポキシフェン、ジアモルヒネ、フェンタニル、アルフェンタニル、スフェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ケトベミドン、レボメタジル、メペリジン、メタドン、モルヒネ、ナルブフィン、オピウム、オキシコドン、パパベレタム、ペンタゾシン、ペチジン、フェノペリジン、ピリトラミド、デキストロプロポキシフェン、レミフェンタニル、チリジン、トラマドール、コデイン、ジヒドロコデイン、メプタジノール、デゾシン、エプタゾシン、フルピルチン、又はそれらの組合せが含まれる。鎮痛剤には、更に、例えば、アミトリプチリン、カルバマゼピン、ガバペンチン、プレガバリン、クロニジン、又はそれらの組合せの様な、鎮痛性を備えた薬剤が含まれる。
【0081】
「デポー」には、限定するわけではないが、カプセル、ミクロスフィア、粒子、コーティング、マトリクス、ウェーハ、ピル、ペレット、又は他の薬学的送達組成物が含まれる。様々な実施形態では、デポーは、薬物の即時放出又は持続放出を提供することのできる生体侵食性、生体吸収性、及び/又は生体分解性のバイオポリマーを備えていてもよい。適した持続放出性バイオポリマーの例としては、限定するわけではないが、ポリ(アルファ‐ヒドロキシ酸)、ポリ(ラクチド‐コ‐グリコリド)(PLGA)、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PG)、ポリ(アルファ‐ヒドロキシ酸)のポリエチレングリコール(PEG)共役物類、ポリ(オルトエステル)類(POE)、ポリアスピリン類、ポリフォスファゲン類、コラーゲン、スターチ、プレゼラチン化スターチ、ヒアルロン酸、キトサン類、ゼラチン、アルギン酸塩類、アルブミン、フィブリン、ビタミンE類似物類である、例えば、酢酸アルファトコフェリル、コハク酸d‐アルファトコフェリル、D,L‐ラクチド、又はL‐ラクチド、‐カプロラクトン、デキストラン類、ビニルピロリドン、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA‐g‐PLGA、PEGT‐PBTコポリマー(ポリアクティブ)、メタクリレート類、ポリ(N‐イソプロピルアクリルアミド)、PEO‐PPO‐PEO(プルロニクス)、PEO‐PPO‐PAAコポリマー類、PLGA‐PEO‐PLGA、PEG‐PLG、PLA‐PLGA、ポロクサマー407、PEG‐PLGA‐PEGトリブロックコポリマー類、SAIB(スクロースアセタートイソブチラート)、又はそれらの組合せが含まれる。当業者には承知されている様に、mPEGは、PLGAの可塑剤として使用することができるが、同じ効果を実現するために他のポリマー類/賦形剤を使用してもよい。mPEGは、得られる調合物に展性を付与する。様々な実施形態では、デポー薬物は、ポリ(ラクチド‐コ‐グリコリド)(PLGA)、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、D‐ラクチド、D,L‐ラクチド、L‐ラクチド、D,L‐ラクチド‐ε‐カプロラクトン、D,L‐ラクチド‐グリコリド‐ε‐カプロラクトン、又はそれらの組合せを備えている。
【0082】
様々な実施形態では、デポー薬物は、治療剤の治療有効量が装填された薬物ペレットを備えており、その様なペレットは、滑膜関節、円板空間、脊柱管、又は脊柱管を取り囲む軟組織に注入される。様々な実施形態では、薬物ペレットは、粘性形態のゲル及び治療剤が装填されたミクロスフィアを備えており、その様なゲルとミクロスフィアの組合せは、被投薬者の滑膜関節、円板空間、脊柱管、又は脊柱管を取り囲む軟組織の中へ配置される。
【0083】
「治療有効量」とは、薬物が投与されると、その結果、例えば、炎症の阻害、疼痛の減少又は緩和、病態の改善などの様な、生物活性の改変がもたらされるような量である。患者に投与される用量は、薬物の動態学的特性、投与経路、患者の身体条件と特徴(性別、年齢、体重、健康、寸法など)、症状の程度、同時治療、治療頻度、及び所望される効果を含め、各種要因に応じて、単回用量であってもよいし多回用量であってもよい。
【0084】
1つの例示としての実施形態では、デポー薬物はペレットの形態をしている。ペレットは、如何なる形状とすることもでき、例えば、弾丸形、球状、略球状、フレーク状、棒形、方形、楕円形などとすることができる。薬物ペレットの近位端は、薬物送達が更にし易くなるように、プランジャの先端を薬物ペレットの近位端にぴったり嵌められるようになっていてもよい。薬物ペレットの遠位端は、更に部位に挿入し易くなるように丸みを付けられていてもよい。
【0085】
様々な実施形態では、薬物ペレットは、生体分解性材料から作られた弾丸形の本体を備えている。代わりの実施形態では、ペレットの本体は、非生体分解性材料から作られていてもよい。非生体分解性の本体なら、治療剤が単独か又は分解性ポリマーに組み込まれた状態で充填される多孔質の中空室とすることができよう。本体は、それが内容物を放出した後に回収できるようにするには非分解性とするのが望ましいかもしれない。ペレット本体に適した生体分解性材料の非限定的な例として、ポリオルトエステル類(POE)、ポリ乳酸グリコール酸(PLGA)多糖類(Saber technology)、ポリカプララクトン、ポリフマレート、チロシンポリカーボネートなどが挙げられる。本体は、中実であってもよく、治療剤は、本体を形成している材料全体に亘って分散させてもよい。治療剤の分散は、更に本体全体に亘っていてもよい。代わりに、治療剤の濃度を本体全体に亘って変えてもよい。本体の生体分解性材料が部位で分解してゆくと、治療剤が放出される。
【0086】
ペレットを作るための手法としては、限定するわけではないが、球状ペレットの場合は押出球状化が挙げられ、当該手法では、医薬品有効成分(API)及び何らかの非有効成分(賦形剤、結合剤など)を、高剪断ミキサーの中で予混合して水で湿らせ湿潤塊にする。次に湿潤塊は押出機の中へ移され、そこで湿潤塊は強制的にスクリーン又は型板を通されて、基本的に、形状と大きさの均一な固形円柱押出物が形成される。スクリーン又は型板の開口の大きさによって、得られるペレットの大きさが決まる。押出物は、滑らかであってもよいし格子(ワッフル型又は溝型)を含んでいてもよいとされる回転盤の上へ送給され、押出物が小円柱物に割れると、今度はそれらが球状の形状をした固形物へと丸められる。その後、ペレットは、典型的には流動床乾燥機の中で、所望の残留水分含量まで乾燥される。大きすぎる製品又は小さすぎる製品はどれも篩掛けによって取り除かれるので、得られるペレットでは大きさの分布は狭くなる。
【0087】
様々な実施形態では、APIは、溶液又は懸濁液層化技法又は粉末層化技法によってペレットの固形の核の上に積層される。溶液又は懸濁液層化では、API及び何らかの非有効成分(賦形剤、結合剤など)を水又は有機溶媒中に懸濁又は溶解させる。得られた液を、例えば非パレイル糖種(糖球)や微結晶性セルロースペレットなどを含んでいてもよいとされる核粒子の外側に吹き付けて、ペレットに所望の効能を持たせる。溶液又は懸濁液層化は、広範に様々なプロセス技法を使用して、例えば流動化床やウースターボトムスプレー技法などによって、実施することができる。所望の効能が実現されたら、ペレットは所望の残留水分含量まで乾燥される。大きすぎる製品又は小さすぎる製品はどれも篩掛けによって取り除かれるので、得られるペレットでは大きさの分布は狭くなる。
【0088】
薬物ペレットを作るのに粉末層化を使用することもできる。粉末状層化は、乾燥粉末をペレットの核材料に塗布することを伴う。粉末は薬物を含有しているか、又は結合剤、流動促進剤、不活性充填剤などの賦形剤を含んでいてもよい。粉末層化技法では、水や有機溶媒であってもよいとされ且つ結合剤及び/又は賦形剤を含んでいる場合も含んでいない場合もある薬学的に許容され得る液体を核材料に塗布しながら、その間、所望の効能が実現されるまで乾燥粉末を塗布してゆく。所望の効能が実現されたら、ペレットは、強度が改善されるように密閉被覆されてもよく、次いで所望の水分含量まで乾かされる。大きすぎる製品又は小さすぎる製品はどれも篩掛けによって取り除かれるので、得られるペレットでは大きさの分布は狭くなる。
【0089】
1つの実施形態では、ペレットは、生体分解性材料、例えば、ポリグラクチン、ポリラクトン、ポリラクチドなどの核を使って作られている。次いで、核は、溶液層化、懸濁液層化、又は粉末状層化によって、抗炎症剤や鎮痛剤などの様なAPIの薄層で所望の効能が実現されるまで被覆されてゆく。
【0090】
様々な実施形態では、薬物ペレットは異なった大きさとすることができ、例えば、長さ約1mm乃至5mmで、約0.01乃至約2mmまでの直径を有することができる。単一又は複数の層は、それぞれ、約0.005乃至1.0mmの層厚さ、例えば、0.005乃至0.75mmの層厚さを有することになろう。デポー薬物室は、多くの場合、デポー薬物を薬物室内に維持するためにデポー薬物の寸法よりも大きくされている。
【0091】
カニューレ、針、又はプランジャと同様に、様々な実施形態では、デポー薬物(例えば、ペレット、カートリッジなど)は送達されたデポー薬物の数を指し示す用量表示マーキング(例えば、数字、線、文字、放射線不透過性マーカーなど)を有していてもよい。様々な実施形態では、放射線不透過性マークが、治療部位に対するデポーの位置を確定するのを支援するべく、デポーの互いに反対側の端に配置されている。例えば、放射線不透過性マーカーは、球状の形状又はデポーを取り巻くリングとすることもできるであろう。
【0092】
薬物カートリッジ
様々な実施形態では、デポー薬物は、薬物カートリッジの中に格納されている。薬物カートリッジは、1つ又はそれ以上の室を備えており、それぞれの室が薬物ペレットを格納できる。室それぞれは、薬物ペレットをカートリッジ内に収容されている他の薬物ペレットとの接触から絶縁する。このやり方では、薬物カートリッジの室の過密即ち1室に複数ペレットという事態が回避される。更に、カートリッジの中の空間が制限されているおかげで、薬物ペレットが薬物カートリッジから外へ抜け出ることも回避される。
【0093】
様々な実施形態では、薬物カートリッジはハウジングの中へ、プランジャの薬物カートリッジとカニューレがデポー薬物送達のために整列するようにして、挿入されることになる。複数のデポー薬物のカニューレを通した同時送達を伴う様々な実施形態では、薬物カートリッジは、デポー薬物が送達部位へ送達されるように、デポー薬物を収容する薬物カートリッジの室をカニューレの室と整列させられる如何なる形状又は大きさであってもよい。様々な実施形態では、薬物カートリッジは、丸又は直線状であり、カートリッジがハウジング並びにプランジャに直交するように、ハウジングの開口部を通して滑動可能に受け入れられることができる。デポー薬物を送達するには、カートリッジをハウジングの中へ挿入してカニューレ及びプランジャと整列させる。次いで、プランジャがハウジング及びカートリッジを通って滑動し、デポー薬物をカートリッジからカニューレを通して押し進め、デポー薬物を目標部位へ送達する。様々な実施形態では、カートリッジは、ペレットがカートリッジから滑るのを回避するため薬物ペレットを室内に収容するための上蓋と下蓋を備えている。
【0094】
様々な実施形態では、薬物カートリッジは、例えば、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエーテル(アミド)、PEBA、熱可塑性エラストメリックオレフィン、コポリエステル、及びスチレン系熱可塑性エラストマー、鋼、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、非鉄金属の含有率が高く鉄の比率が相対的に低い合金、炭素繊維、ガラス繊維、プラスチック類、セラミックス、又はそれらの組合せ、の様な材料から作られていてもよい。様々な実施形態では、薬物カートリッジは、生体分解性ではない。
【0095】
幾つかの実施形態では、薬物カートリッジは、複数の薬物室を備えており、それぞれの室がデポー薬物を1つ備えている。様々な実施形態では、室の数は、カニューレの室の数及び同時送達用に選択されるデポー薬物の数と整合されることになろう。
【0096】
様々な実施形態では、デポー薬物は、薬物カートリッジの頂部を覆う上面と、薬物カートリッジの底部を覆う下面によって室内に保持されている。上蓋と下蓋はデポー薬物を所定の場所に引き留め、デポー薬物がカートリッジから滑るのを防止する。様々な実施形態では、上蓋及び下蓋は、デポー薬物を放出するためにプランジャ及び/又はデポーによって穿通又は刳り貫ける材料の薄層で作られている。様々な実施形態では、穿通できる材料は、例えば、生体侵食性、生体吸収性、及び/又は生体分解性のバイオポリマーを備えていてもよい。適した材料の例としては、限定するわけではないが、ポリ(アルファ‐ヒドロキシ酸)、ポリ(ラクチド‐コ‐グリコリド)(PLGA)、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PG)、ポリ(アルファ‐ヒドロキシ酸)のポリエチレングリコール(PEG)共役物類、mPEG、ポリ(オルトエステル)類(POE)、ポリアスピリン類、ポリフォスファゲン類、コラーゲン、スターチ、プレゼラチン化スターチ、ヒアルロン酸、キトサン類、ゼラチン、アルギン酸塩類、アルブミン、フィブリン、ビタミンE類似物類である、例えば、酢酸アルファトコフェリル、コハク酸d‐アルファトコフェリル、D,L‐ラクチド、又はL‐ラクチド、ε−カプロラクトン、デキストラン類、ビニルピロリドン、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA‐g‐PLGA、PEGT‐PBTコポリマー(ポリアクティブ)、メタクリレート類、ポリ(N‐イソプロピルアクリルアミド)、PEO‐PPO‐PEO(プルロニクス)、PEO‐PPO‐PAAコポリマー類、PLGA‐PEO‐PLGA、PEG‐PLG、PLA‐PLGA、ポロクサマー407、PEG‐PLGA‐PEGトリブロックコポリマー類、SAIB(スクロースアセタートイソブチラート)、蝋、寒天、アガロース、ゲル‐ビタミン、又はそれらの組合せが挙げられる。様々な実施形態では、上蓋及び/又は下蓋は、ポリ(ラクチド‐コ‐グリコリド)(PLGA)、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、D‐ラクチド、D,L‐ラクチド、L‐ラクチド、D,L‐ラクチド‐ε‐カプロラクトン、D,L‐ラクチド‐グリコリド‐ε‐カプロラクトン、又はそれらの組合せを備えている。
【0097】
薬物装置の構成要素(例えば、カニューレ又は針、プランジャ、ハウジング、係合手段など)は、軽量、使い捨て、且つ滅菌可能であってもよく、そうすれば、装置が組み立てられたとき(例えば、薬物カートリッジがハウジングに取り付けられたとき)、装置の重量は実質的に増加しない。様々な実施形態では、装置の1つ又はそれ以上の構成要素は、最終的に包装される段階での最終滅菌工程において放射線によって滅菌される。製品に最終滅菌処置を施すことで、滅菌性は、個々の製品構成要素を別々に滅菌して最終的包装物を滅菌環境で組み立てることが求められる無菌プロセスの様なプロセスによる場合よりも更に確実なものとなる。
【0098】
典型的に、様々な実施形態では、最終滅菌工程でガンマ放射線が使用されており、これには装置に深く浸透するガンマ線からのイオン化エネルギーを活用することが係わる。ガンマ線は、微生物類の殺傷に高い効果を発揮し、また残存量が残ることもなければ、装置に放射活性を付与するほどのエネルギーも持たない。ガンマ線は、装置を包装する際に採用することができ、ガンマ滅菌は高圧又は減圧条件を要しないので、包装物のシールや他の構成要素は応力を受けない。加えて、ガンマ放射線では、透過性包装材料の必要性がない。
【0099】
様々な実施形態では、カニューレ又は薬物カートリッジには、デポー薬物が事前装填されている。このことは、多回用量の薬物ペレットであって、それらが比較的小さく(例えば、1mm乃至5mm)、使用者が典型的にはこれらの小さいペレットを把持してそれらを装置の中へ装填することが無理な薬物ペレットに対処する場合に有利である。それらがカニューレ又は薬物カートリッジの中に事前提供されていれば、使用者は実質的に個々の薬物ペレットを扱う必要がなく、ペレットを汚染するリスク、具体的には滅菌済みのペレットに係る汚染のリスクが小さくなる。
【0100】
様々な実施形態では、装置の1つ又はそれ以上の構成要素を滅菌するのに電子ビーム(e−ビーム)放射を使用してもよい。e−ビーム放射は、浸透度が低く線量率が高いことを特徴とするイオン化エネルギーの一形態を備えている。e−ビーム照射は、微生物類の生殖細胞を含め、それに触れた各種化学結合及び分子結合を改変するという点でガンマ処理に似ている。e−ビーム滅菌用に作り出されるビームは、電気の加速と変換とによって生成される集中高電荷電子流である。e−ビーム滅菌は、例えば、デポー薬物がゼラチンカプセルを含んでいる場合に使用することができる。
【0101】
装置の1つ又はそれ以上の構成要素を滅菌するのに、限定するわけではないが、例えばエチレンオキシドを使ったガス滅菌又は蒸気滅菌の様な他の方法を使用することもできる。
【0102】
幾つかの実施形態では、ハウジング、薬物カートリッジ、及び/又はカニューレは、使用者が、薬物カートリッジの室の中のプランジャ及び/又はデポー薬物の位置を視認することができるように透明である。よって、表示マーキングはこの実施形態では必要でない。
【0103】
様々な実施形態では、デポー薬物を植え込むのにデポー薬物装置と一体に組み合わせて使用される追加の部品を一緒に含むことのできるキットが提供されている。キットは、第1の区画にデポー薬物を含んでいてもよい。第2の区画には、薬物カートリッジ及び神経感知ユニット用の接点リード線の様な植え込みに必要なその他の器具が含まれていてもよい。第3の区画には、手袋、ドレープ、創傷包帯類、及び植え込みプロセスの滅菌性を維持するための他の処置用必需品、並びに手引書が含まれていてもよい。第4の区画には、追加のカニューレ及び/又は針が含まれていてもよい。それぞれの道具は、別々に、放射線滅菌処理されたプラスチックポーチに包装されていてもよい。キットの蓋には、植え込み手順のイラストが含まれていてもよく、各区画には滅菌性を維持するために透明なプラスチックの蓋が被せられていてもよい。
【0104】
様々な実施形態では、プランジャ先端とカニューレ又は針の間のシールは、カニューレ又はプランジャが皮膚を穿通したら、時々に、体液(例えば、血液、脊髄液、滑液など)がカニューレ又は針の中へ引き上げられるように気密とすることができる。この体液は、プランジャがカニューレ又は針の中へ再び挿入され、デポー薬物が放出されると、吐き出される。
【0105】
装置は、例えば、関節リウマチ、変形性関節症、坐骨神経症、手根管症候群、下背痛、下肢痛、上肢痛、癌、組織痛、及び、頸椎、胸椎、及び/又は腰椎や椎間板、回旋腱板、関節、TMJ、腱、靭帯、筋肉などの損傷又は修復に伴う疼痛、の様な疾患又は病態を治療するための患者への局所化及び/又は標的化薬物送達のために使用することができる。
【0106】
様々な実施形態では、デポー薬物装置は、患者の疼痛又は他の疾患や病態を治療するのに使用されている。疼痛には、急性疼痛及び神経因性疼痛が含まれる。急性疼痛は、組織が損傷を受けつつあるとき又は受けたとき(例えば、傷害、感染など)に経験する疼痛を指す。急性疼痛とは対照的に、神経因性疼痛は何ら有益な意味を持たない。神経因性疼痛は、傷害又は感染と関連付けられる疼痛が、その様な傷害又は感染が一度は解消した区域に継続する場合に起こる。坐骨神経痛は、急性疼痛から神経因性疼痛へ移行し得る疼痛の一例である。坐骨神経痛は、脊髄の下部(腰部領域)から脚背を下り足まで走っている坐骨神経と関連付けられる疼痛を指す。坐骨神経痛は、一般的に、脱出した円板が原因で発症する。脱出した円板そのものは局所免疫系活動を引き起こす。脱出した円板は、更に、神経根を挟みつけるか又は圧迫することによって神経根を損傷させ、当該区域の免疫系活動の増加を引き起こすこともある。
【0107】
患者は、治療が施行され得る生体系を含んでいる。生体系には、例えば、個々の細胞、細胞のセット(例えば、細胞培養)、器官、又は組織を含めることができる。また、「患者」という用語は、限定するわけではないがヒトを含めた動物を指している。
【0108】
疾患を治療する又は疾患の治療とは、プロトコルを実行することを指し、そこには疾患の兆候又は症状を緩和しようとの取り組みで患者(ヒト又はそれ以外)に1つ又はそれ以上の薬物を投与することを含めることができる。緩和は、疾患又は病態の兆候又は症状が現れた後はもとより、それらの出現より前に起こることもあり得る。よって、「治療する」又は「治療」には、疾患を「予防する」又は疾患の「予防」が含まれる。更に、「治療する」又は「治療」は、兆候又は症状の完全緩和を必須としているわけでも、或いは治癒を必須としているわけでもなく、それは、厳密には、患者への限界効果しかないプロトコルを含んでいる。
【0109】
「局所化」送達は、1つ又はそれ以上の薬物が、組織内、例えば神経系の神経根又は脳の領域内又はそれらに極めて近接して(例えば、約10cm以内、又は望ましくは約5cm又は約1cm以内に)納置される送達を含んでいる。「標的化送達システム」は、薬学的組成物の或る量としての1つ又はそれ以上のデポー薬物の送達において、炎症又は他の疾患や病態の治療にとって必要に応じた目標部位に納置することができる送達を提供する。
【0110】
ここに記載されている様々な実施形態に対し、ここでの教示の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更が加えられ得ることは、当業者には自明であろう。よって、様々な実施形態は、本教示の範囲内での様々な実施形態の他の修正及び変更を適用対象に含むものとする。
【符号の説明】
【0111】
105 カニューレの先端
106 側面ポート開口部
110 カニューレ
111 配線
115 カニューレの近位端
116 神経感知ユニット
117 警報器
120 連結手段
125 ハウジング
126 配線
130 プランジャ
205 電気接点
305 皮膚
310 神経
405 単筒式カニューレ組立体のカニューレ先端
410 側面ポート
415 カニューレシャフト
420 割出マーカー
425 カニューレ組立体の近位端
435 開口部又は室
440 室
445 プランジャ
505 2筒式カニューレ組立体のカニューレ先端
510 側面ポート
515 カニューレシャフト
520 割出マーカー
525 カニューレ組立体の近位端
535 開口部又は室
540 室
545 プランジャ
605 3筒式カニューレ組立体のカニューレ先端
610 側面ポート
615 カニューレシャフト
620 割出マーカー
625 カニューレ組立体の近位端
635 開口部又は室
640 室
705 4筒式カニューレ組立体のカニューレ先端
710 側面ポート
715 カニューレシャフト
720 割出マーカー
725 カニューレ組立体の近位端
735 開口部又は室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デポー薬物を患者の神経付近の送達部位へ送達する方法において、
前記患者の前記神経を探知する段階と、
前記患者の前記神経付近に、近位端と遠位端を有するカニューレを位置付ける段階であって、前記カニューレの前記近位端は前記デポー薬物を受け入れる開口部を有し、前記カニューレの前記遠位端は前記デポー薬物を当該カニューレの当該遠位端から前記患者の前記神経付近の前記送達部位へ向けて通過させるための開口部を有している、カニューレを位置付ける段階と、
ハンドルと前記デポー薬物を小出しするよう適合させた先端とを有するプランジャを滑動させることによって前記デポー薬物を前記神経付近の前記送達部位に送達する段階であって、前記プランジャの前記先端は、前記デポー薬物を前記カニューレの前記開口部から前記患者の前記神経付近の前記送達部位へ送り出すべく前記カニューレ内に滑動式に受け入れられることができる、プランジャを滑動させることによって送達する段階と、を備えている方法。
【請求項2】
前記警報器は、可聴、又は可視、又は可聴可視である、請求項1に記載のデポー薬物を送達する方法。
【請求項3】
前記患者の前記神経の探知と前記デポー薬物の送達は、同じカニューレによって遂行される、請求項1に記載のデポー薬物を送達する方法。
【請求項4】
前記神経は坐骨神経を備えている、請求項1に記載のデポー薬物を送達する方法。
【請求項5】
前記カニューレの前記遠位端は鈍先端を備えている、請求項1に記載のデポー薬物を送達する方法。
【請求項6】
前記デポー薬物は前記神経部位の1cm以内に送達される、請求項1に記載のデポー薬物を送達する方法。
【請求項7】
デポー薬物を患者の神経付近の送達部位へ送達する方法において、
電気接点を備えた神経感知ユニットと前記神経感知ユニットに連結された警報器とを有する第1カニューレを位置付ける段階であって、前記カニューレが前記神経に接触するか又は前記神経に極めて近接すると前記警報器が起動されて前記神経の所在を指し示す、第1カニューレを位置付ける段階と、
前記患者の前記神経付近に、近位端と遠位端を有する第2カニューレを位置付ける段階であって、当該第2カニューレの前記近位端は前記デポー薬物を受け入れる開口部を有し、当該第2カニューレの前記遠位端は前記デポー薬物を当該第2カニューレの当該遠位端から前記患者の前記神経付近の前記送達部位へ向けて通過させるための開口部を有している、第2カニューレを位置付ける段階と、
ハンドルと前記デポー薬物を小出しするよう適合させた先端とを有するプランジャを滑動させることによって前記デポー薬物を前記神経付近の前記送達部位に送達する段階であって、前記プランジャの前記先端は、前記デポー薬物を前記第2カニューレの前記開口部から前記患者の前記神経付近の前記送達部位へ送り出すべく前記第2カニューレ内に滑動式に受け入れられることができる、プランジャを滑動させることによって送達する段階と、を備えている方法。
【請求項8】
前記第1カニューレと前記第2カニューレは、それぞれ、鈍先端を備えている、請求項7に記載のデポー薬物を送達する方法。
【請求項9】
デポー薬物を、患者の皮膚の下層の神経部位又はその付近に送達するための装置において、近位端と遠位端を有するカニューレであって、前記カニューレの前記近位端は前記デポー薬物を受け入れる開口部を有し、前記カニューレの前記遠位端は前記患者の皮膚の下層の前記神経部位又はその付近に挿入させることができ、前記デポー薬物を通過させるための開口部を有している、カニューレと、前記カニューレの前記近位端の前記開口部内に滑動可能に受け入れられることのできるプランジャであって、第1端と第2端の先端とを有し、前記第1端はプランジャの前記先端を伸展位置へ動かすことができる、プランジャと、前記装置上又は前記装置内に配置されている神経感知ユニットであって、前記神経が探知されるように前記神経部位からの電気インパルスを受信するように構成された電気接点材料を備えている神経感知ユニットと、を備えている装置。
【請求項10】
前記電気接点材料は、前記カニューレの前記遠位端の前記先端に又は前記先端の中に配置されている、請求項9に記載のデポー薬物を送達するための装置。
【請求項11】
前記神経部位は坐骨神経を備えている、請求項9に記載のデポー薬物を送達するための装置。
【請求項12】
前記神経部位が、少なくとも1つの筋肉、靭帯、腱、軟骨、滑膜関節、脊椎円板、椎孔空間、脊髄神経根付近、椎間関節、又は脊柱管を備えている、請求項9に記載のデポー薬物を送達するための装置。
【請求項13】
デポー薬物を患者の神経付近の送達部位へ送達するための装置において、
電気接点を備えた神経感知ユニットと前記神経感知ユニットに連結された警報器とを有する第1カニューレであって、前記カニューレが前記神経に接触するか又は前記神経に極めて近接すると前記警報器が起動されて前記神経の所在を指し示す、第1カニューレと、
近位端と遠位端を有する第2カニューレであって、当該第2カニューレの前記近位端は前記デポー薬物を受け入れる開口部を有し、当該第2カニューレの前記遠位端は前記デポー薬物を当該第2カニューレの当該遠位端から前記患者の前記神経付近の前記送達部位へ向けて通過させるための開口部を有している、第2カニューレと、
ハンドルと前記デポー薬物を小出しするよう適合させた先端とを有するプランジャであって、前記プランジャの前記先端は、前記デポー薬物を前記第2カニューレの前記開口部から前記患者の前記神経付近の前記送達部位へ送り出すべく前記第2カニューレ内に滑動式に受け入れられることができる、プランジャと、を備えている装置。
【請求項14】
前記電気接点材料は、前記第1カニューレの遠位端の先端に又は先端の中に配置されており、前記第2カニューレは、前記神経の所在が確認された後に、前記デポー薬物を前記患者の前記神経付近に送達するべく前記第1カニューレ付近に位置付けられる、請求項13に記載のデポー薬物を送達するための装置。
【請求項15】
前記警報器は、可聴、又は可視、又は可聴可視である、請求項13に記載のデポー薬物を送達するための装置。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図4c】
image rotate

【図4d】
image rotate

【図5a】
image rotate

【図5b】
image rotate

【図5c】
image rotate

【図5d】
image rotate

【図6a】
image rotate

【図6b】
image rotate

【図6c】
image rotate

【図7a】
image rotate

【図7b】
image rotate

【図7c】
image rotate


【公表番号】特表2012−533402(P2012−533402A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521632(P2012−521632)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/030699
【国際公開番号】WO2011/011100
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】