説明

デュアルシーティングクイック接続弁

弁は、弁棒(11)、キャップ(20)、及び変形可能リップ(22)を有する。弁棒は、第1の密封部(12)を有し、長手方向軸を備える。キャップは、弁棒に対して接続され、通路(30)を有する。変形可能リップは、キャップの周縁から延在し、第2の密封部(23)を有する。弁棒は、第1の密封部を開放し、第2の密封部を閉鎖するよう、弁棒の長手方向軸に沿って変形可能リップに沿って移動可能であり、流体がキャップにおける通路を通って動き得るようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量(fluid flow)の分野に係り、特には、エラストマ弁(弾性弁、elastomeric valves)に係る。
【背景技術】
【0002】
オリフィスを通る流量の調節が所望される用途は、数多く存在する。かかる用途は、なんらかの使用を意図されるまで流体をエンクロージャにおいて包含することのような比較的基本的なものがあり得る一方、数例あげると医療用、工業用、又は自動車用に使用される装置又は工程におけるように複雑なものもあり得る。流量を調節する構成要素の典型的な名称は弁(バルブ)であり、略全ての弁は、2つの主要機能を備える。第1の機能は、弁を通る漏れを引き起こさずにオリフィスを通る流量を止めることであり、第2の機能は、弁の作動時に液体がオリフィスを通って自由に流れるようにすることである。
【0003】
従来の流量の調節は、多種の弁設計を使用して達成されてきている。既知である複数の弁の設計には、ボール弁、ポペット弁、フラッパ弁、ダックビル弁、及びアンブレラ弁が含まれる。これらの種類の弁は、弁の一部を変形させるよう十分に高い値又は流体が流れる開口から離れるように弁を動かすよう十分に高い値に流体圧力が到達するまで、流量を制限する、という共通の特性を備える。アンブレラ弁又はフラッパ弁の場合には、流体は、アンブレラ又はフラッパ部のフラップを変形させるよう十部に高い圧力に達し、容器の壁における穴を通って流れる。ダックビル弁の場合には、弁の一部は、挟み合わされ、流体が挟み合わせ部を開放するよう十分に高い圧力に到達してから弁自体を取って流れるまで弁を閉鎖する。ボール弁又はポペット弁の場合には、弁の閉塞部(obstructing portion)は、流体圧力がボール又はバネ付きボールをオリフィスから移動させるよう十分に高くなるまで、オリフィスに対して位置する(seat)。
【0004】
流体が流れ得るよう液体圧力が弁を作動させる種類の弁は、漏れを防ぐようオリフィスを密封する弁の能力における限界にしばしば直面し、流体圧力のなんらかの限界レベル(critical level)を下回って流体の流れを意図的に停止させることが出来ない。既知である弁の設計の更なる制限は、流体が、流体が動いている1つの方向において弁を通過するかあるいは弁を通って流れ得るのみである、という点である。
【0005】
本願発明の弁が特に有用である1つの用途は、インクジェットプリンタ用のインクコンテナの場合である。インクコンテナは、たとえチャンバ内の流体が大きな圧力の変化を受けるときでも、格納中又は輸送中に漏れることなくコンテナ内においてインクを保持しなければならない。同時に、インクコンテナは、オリフィスを備えなければならず、該オリフィスを通ってインクが印刷作業中にプリントヘッドまで運ばれ得る。更に、インクコンテナは、その耐用年数中にプリンタに何度も取り付けられ且つプリンタから何度も取り外され得、コンテナの内容物又は機能を損じることなく迅速に容器から取り外し且つ容器に再接続するための手段は、有益である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
オリフィスを通る流量を調節することができる弁は必要とされ、該弁は、オリフィスに対して優れた密封を与え、流体がオリフィスから流れ得るよう弁が作動されるまで、液体が弁から又は弁の周囲において漏れないようにする。更に、単純な方途において反復的且つ迅速に作動され得、それによって流体が容易にオリフィスから流れ得るようにする弁は、必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述された現在既知である弁に関連付けられる1つ又はそれより多くの問題を克服するものである。要約すると、本発明の一実施例によれば、弁が閉鎖状態にあるときにオリフィスの向上された密封に対してデュアルシーティング(dual seating)特性を備えるエラストマ弁が与えられる。流体弁は、確実な密封(positive seal)を保持し、また、流体弁は、軸方向において弁の一部を移動させ、それによって弁を通るいずれかの方向における自由な流量を可能にする機械力等である手段によって作動されるまで、流量(流体の流れ)を防ぐ。弁は、弁を作動させる手段が取り外され次第しその本来の閉鎖状態に戻り、結果として、単純且つ効率的な方途において反復的に開閉され得るクイック接続弁(quick connecting valve)がもたらされる。
【0008】
本発明の他の態様によれば、弁は、弁棒(ステム)、キャップ、及び変形可能リップ(deformable lip)を有する。弁棒は、第1の密封部を有し、また長手方向軸を備える。キャップは、弁棒に対して接続され、通路(passageway)を有する。変形可能リップは、キャップの周縁から延在し、第2の密封部を有する。弁棒は、弁棒の長手方向軸に沿って変形可能リップに対して移動可能であり、流体がキャップにおける通路を通って動き得るよう、第1の密封部を開放し、第2の密封部を閉鎖する。
【0009】
本発明の他の態様によれば、流体を格納する為の装置は、コンテナ及び弁を有する。コンテナの一部は、オリフィスを画定する。弁は、オリフィスにおいて位置される。弁は、弁棒、キャップ、及び変形可能リップを有する。弁棒は、第1の密封部を有し、長手方向軸を備える。キャップは、弁棒に対して接続され、通路を有する。変形可能リップは、キャップの周縁から延在し、第2の密封部を有する。弁棒は、弁棒の長手方向軸に沿って変形可能リップに対して移動可能であり、流体がキャップにおける通路を通って動き得るよう第1の密封部を開放し、第2の密封部を閉鎖する。
【0010】
本発明の他の態様によれば、流量を制御する方法は、一部が穴を画定するコンテナを与える段階、弁棒、キャップ、及び変形可能リップを有する、穴において位置される弁を与える段階、及び弁棒を弁棒の長手方向軸に沿って変形可能リップに対して移動させる段階、を有する。弁棒は、第1の密封部を有し、長手方向軸を備える。キャップは、弁棒に対して接続され、通路を有する。変形可能リップは、キャップの周縁から延在し、第2の密封部を有する。弁棒は、弁棒の長手方向軸に沿って変形可能リップに対して移動可能であり、流体がキャップにおける通路を通って動き得るよう第1の密封部を開放し且つ第2の密封部を閉鎖する。弁棒を移動させる段階において弁棒は、第1の密封部を開放し且つ第2の密封部を閉鎖して、流体をキャップにおける通路を通って動かすよう、移動される。
【0011】
本発明の上述及び他の目的、特性、及び利点は、以下の説明及び図面と併せてより明らかとなる。同一の参照符号は、可能な場合、図面を通して共通する同一の特徴を示すよう使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の弁と共に使用される弁箱(ボディ)における開口の典型的な一実施例の上面斜視図である。
【図2】本発明の弁と共に使用される弁箱から延在する一部を備える、弁箱における開口の第2の典型的な実施例の下面斜視図である。
【図3】弁が閉鎖位置にある、本発明のエラストマ弁の典型的な一実施例の断面図である。
【図4】弁が開放位置にある、本発明のエラストマ弁の典型的な一実施例の断面図である。
【図5】弁が閉鎖位置にある、本発明のエラストマ弁の第2の典型的な実施例の断面図である。
【図6】弁が開放位置にある、本発明のエラストマ弁の第2の典型的な実施例の断面図である。
【図7】図1中の弁の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の弁は、エラストマ材料、特には熱可塑性エラストマポリマから作られる。本発明において有用であるエラストマポリマは、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソブティレン、ポリ(スチレン−ブタジエン−スチレン)、ポリウレタン、シリコン、ポリ(ビス(フルオロアルコキシ)ホスファゼン)(PNF,Eypel−F)、ポリ(カルボラン−シロキサン)(Dexsil)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)(ニトリルゴム)、ポリ(1−ブテン)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデン)コポリマ(Kel−F)、ポリ(エチルビニルエーテル)、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)コポリマ(Viton)、並びに、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスルフォン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリラート(PMMA)、及びポリテトラフルオロエチレン(Teflon)を有するエラストマ配合物、又はそれらの組み合わせ、を有する被包括的なリストから選択される。既知である架橋化学反応を使用してエラストマポリマを架橋させることは可能である。弁はまた、エラストマポリマと、弁の変形特性を調整するよう作用し得る希釈又はドーピング添加物との組み合わせを有し得る。該添加物は、例えば非エラストマポリマ又は可塑剤であり得る。
【0014】
本願発明の弁の(変形状態又は非変形状態のいずれにおいても)特有である構造は、弁が密封を要求される表面の形状に依存する。図1は、本発明の弁が使用され得る第1の典型的な弁箱(ボディ、body)100の上面斜視図である。弁箱100は、第1の平らな表面111、対向する第2の平らな表面112、及び弁箱100を貫通する穴104を備える。穴104は、オリフィス105において第1の表面111に交わり、オリフィス106において第2の表面112と交わる。この例において、弁箱100の下面斜視図は、図1の上面斜視図に類似して見える。
【0015】
図2は、本発明の弁が使用され得る第2の典型的な弁箱120の下面斜視図を示す。弁箱120は、第1の平らな表面111,対向する第2の平らな表面112、第2の平らな表面112から延在する管状部122、及び弁箱120の厚み及び管状部122を貫通する穴104を備える。管状部122は、リム124及びオリフィス126において終端する。オリフィス105は、穴104と第1の表面111とが交わるところであり、オリフィス126は、管状部122において穴104が終端するところである。
【0016】
図3乃至7中の典型的な実施例において示される本発明の弁10は、弁棒11及びキャップ20を有する。弁棒11は、第1の密封部12を有し、キャップ20は、変形可能リップ22を有する。弁10がオリフィス又は穴へと挿入されるとき、弁10の第1の密封部12は、弁が閉鎖状態にあるときに液体がオリフィスを通って漏れることを防ぐ。複数の実施例において、弁棒11は、実質的にまっすぐ(即ち、実質的に直円柱弁棒)であり、一端を第1の密封部12に対して取り付けられ,他端をキャップ20に対して取り付けられる。第1の密封部12は、弁棒11から半径方向に延在する。他の実施例においては、第1の密封部12は、弁棒11から半径方向に延在し、変形可能リップ22より剛性である。弁棒11から半径方向に延在する第1の密封部12は、弁10の夫々の部分におけるエラストマの特性を修正することによって変形可能リップ22より剛性にされ得る。第1の密封部12はまた、弁棒11に対して取り付けられ得、弁棒及び変形可能リップ22と比較されるとき比較的非変形可能である材料から形成され得る。
【0017】
弁棒から半径方向に延在する第1の密封部12は、該部材を変形可能リップ22より剛性にする形状を備え得る。第1の密封部12は、弁棒11を変形可能リップ22より剛性にする1つ又はそれより多くのリッジ、テイパ、スレッド、又は他の幾何学的形状を備え得る。例えば、図3において、第1の密封部12は、(テイパ表面を備えないバルブと比較して)剛性を高め且つ穴104を通る弁10の挿入を容易にするテイパ表面15を有する。第1の密封部12は、弁棒11の直径より大きい直径を備え、第1の密封部12の直径は、変形可能リップ22の直径よりは小さい。
【0018】
弁10の弁棒11は長手方向軸13を備え、弁棒は、弁を通る流量を作動させるよう該長手方向軸に沿って移動され得る。弁棒11は、弁棒の内部を通って延在する少なくとも1つの通路30を有し得、図3によって例示される通り弁棒の側部における第1の開口31、及びキャップ20における第2の開口32を備える。キャップ20における第2の開口32は、流体がキャップを通って流れるようにするキャップのいずれかの部分において位置決めされ得、また、キャップの下部又は側部上に位置決めされ得る。弁棒11の側部における第1の開口31は典型的には、第1の密封部12の下方においてある距離をおいて位置決めされ、弁棒が長手方向軸13に沿って移動されない限りオリフィスを通って流れ得ないようにする。これは、流体が第1の密封部12を通って漏れ得ないことを確実にするものである。弁棒11の側部における第1の開口31は典型的には、キャップ20の上方においてある距離をおいて位置決めされ、弁棒は、長手方向軸13に沿って移動されるときに弁棒の側部における第1の開口31がオリフィス又はオリフィスの上方における位置まで移動される。これは、少なくとも1つの通路30を通るいずれかの方向において弁10を通る閉塞されていない開放流体連通を可能にする。少なくとも1つの通路30は、弁棒11の周囲においていずれかの配置において離間され得、1つより多くの通路は各々、流体が弁10を通って流れ得るよう使用され得る第1及び第2の開口31及び32を備えるようにされ得る。
【0019】
本発明の弁10は、弁棒11に対して接続されるキャップ20を有する。キャップ20は、上述されたエラストマ材料のリスト又は他の適切な材料から作られ、典型的には、材料選択又は形状によって弁棒11の第1の密封部12より更に変形可能である。キャップ20はまた、比較的非変形可能である材料から作られ得、剛性な第1の密封部12と同一の材料から作られ得る。キャップ20は、キャップの周縁から延在する変形可能リップ22を有する。一実施例において、変形可能リップ22は、キャップ20の周縁から半径方向に延在する。変形可能なリップ22は、弁箱100又は120の表面111又は112に対して位置付けられ得、弁が閉鎖状態にある間、弁10を適所において維持するよう作用し得る。典型的には、変形可能リップ22の直径は、第1の密封部12の直径より大きい。
【0020】
変形可能リップ22は、第2の密封部23を有する。第2の密封部23は、変形可能リップ22の上方部又は下方部であり得、弁によって密封されるオリフィスの形状に依存する。
【0021】
図1に示される種類の弁箱(例えばコンテナの壁であり得る)に相当する図3に示される一実施例において、第1の密封部12の密封表面14は、弁箱100におけるオリフィス105の周囲の上部表面111に対して密封する。第2の密封部23は、リップ22の上部表面に沿って位置決めされ、図3では密封係合されていない。図4に示される通り弁棒11が長手方向軸13に沿って変形可能リップ22に対して強制的に移動されるとき、第1の密封部12の密封表面14は、弁箱100の表面111から離れて動くため既に密封されていない一方、第2の密封23は、変形可能リップ22の内側表面とオリフィス106の周囲における弁箱100の表面112との間においてしっかりとした密封を形成する。弁棒11の変形可能リップ22に対する移動は同時に、第1の密封部12を開放し、第2の密封部23を閉鎖し、それによって少なくとも1つの通路30及びオリフィスを通る開放流体流を可能にする。弁棒11の変形可能リップ22に対する移動は、弁棒の軸方向移動に対して復元力を作り、移動応力が取り除かれるときに該復元力は、第1の密封部12を閉鎖して第2の密封部23を開放するよう作用し、それによって弁を元の閉鎖位置に戻す。
【0022】
変形可能リップ22はまた、図5に示される通り変形可能リップの下部において位置決めされる第2の密封部23を有し得る。図6に示される通り、弁棒11が長手方向軸13に沿って変形可能リップ22まで強制的に移動されるとき、第2の密封部23は、変形可能リップの外側表面と管状部122の内側との間においてしっかりとした密封を形成する。図6において、管状部122は、弁箱120の表面112から外方向に延在する。ここでも、変形可能リップ22に対する弁棒11の移動は同時に、表面11から密封表面14を移動させることによって第1の密封部12を開放し、第2の密封部23を閉鎖し、弁が反復的に開放及び閉鎖され得る復元力を作り出す。
【0023】
図5に示される本発明の一実施例において、キャップ20は、キャップの内側を通って延在する少なくとも1つの通路30を有し得、また、キャップの上部における第1の開口31及びキャップの下部又は側部における第2の開口32を備える。少なくとも1つの通路30は、弁棒11の中心から第1の密封部12の最外距離までの距離より小さいキャップ20の中心からの距離において位置決めされる。この配置は、弁棒11が長手方向軸13に沿って移動され次第通路30を通る最善の流量を可能にする。しかしながら、他の配置は、予期される特定の用途に依存して可能にされ得る。
【0024】
キャップ20は、第3の密封部40を有し得る。第3の密封部40は、第2の密封部23とは離間され、変形可能リップ22に対する弁棒11の軸方向移動中に係合可能である。一実施例において、第3の密封部40は、キャップ20の下部上に形成される(図3及び4に示される通り)。あるいは、第3の密封部40は、キャップ20の下部から突出し得、弁10からあるいは弁10まで流体を運ぶことができる管(チューブ)又はパイプ(図示せず)の外周に対して密封し得る表面(図5及び6に示される通り)を形成する。キャップ20へと機械加工される1つ又はそれより多くの溝、スレッド、又は凹部等である他の密封部は、軸方向移動に対する手段と係合する役割を有し得る。
【0025】
キャップ20の変形可能リップ22に対する長手方向軸13に沿った弁棒11の軸方向移動は、弁10の基本機能を妨げないなんらかの手段によって達成され得る。弁棒11の軸方向移動は、弁棒の上部における引張力(pulling force)によって達成され得る。これは、弁棒11自体の一部又はその一部に対して接続が取り付けられる配置を可能にする。あるいは、弁棒11の軸方向移動は、キャップ20の下部から押すことによって達成され得る。管、パイプ、又は他の導管は、第3の密封部40に対して直接連結し得るか、あるいは、スプリング又は機械的アクチュエータ等である中間構成要素は、キャップ20の下部において連結し得る。特定の環境において、弁棒11の軸方向移動はまた、弁棒の方向でのキャップ20の下部における大きな(substantial)流体圧力によって達成され得る。
【0026】
図3及び5は、弁10がインクジェットプリンタにおけるインクカートリッジとして有用であるコンテナを画定するオリフィスにおいて位置される、本発明の一実施例を示す。穴104は、カートリッジからプリンタのプリントヘッド構成要素までインクを提供するよう有用であるインクジェットカートリッジの壁における供給ポートの例である。図3及び5は、インクカートリッジがプリンタに対して接続されない状態を示す。この状態において、弁10は、閉鎖位置にあり、格納及び輸送中にカートリッジからインクが漏れることを防ぐ。図4及び6は、弁10を有するインクカートリッジがプリンタの構成要素に対して接続される本発明の一実施例を示す。該プリンタの構成要素は、インクジェットプリントヘッドに対する供給導管等であり、長手方向軸13に沿って変形可能リップ22に対して弁棒11を軸方向に移動させる。これは、インクカートリッジに格納されるインクが弁10の少なくとも1つの通路30及びオリフィスを通って容易に流れ得る状態を与え、それによってカートリッジからプリントヘッドまでインクを運搬する効率的な手段を与える。供給導管からのインクカートリッジの取外しは、変形可能リップ22に対する弁棒11の軸方向移動によって作動される復元力に弁10を閉鎖させる。
【符号の説明】
【0027】
10 弁
11 弁棒
12 第1の密封部
13 長手方向軸
14 密封表面
15 テイパ表面
20 キャップ
22 変形可能リップ
23 第2の密封部
30 通路
31 第1の開口
32 第2の開口
40 第3の密封部
100 弁箱
104 穴
105 オリフィス
106 オリフィス
111 第1の表面
112 第2の表面
120 弁箱
122 管状部
124 リム
126 オリフィス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁であって、
長手方向軸を備える、第1の密封部を有する弁棒と、
通路を有する、前記弁棒に対して接続されるキャップと、
第2の密封部を有する、前記キャップの周縁から延在する変形可能リップと、
を有し、
前記弁棒は、前記第1の密封を開放し且つ前記第2の密封部を閉鎖するよう前記弁棒の前記長手方向軸に沿って前記変形可能リップに対して移動可能であり、流体が前記キャップにおける前記通路を通って動き得るようにする、
弁。
【請求項2】
前記変形可能リップに対する前記弁棒の軸方向移動によって引き起こされる前記変形可能リップの変形は、前記第1の密封部を閉鎖し且つ前記第2の密封部を開放するよう前記弁棒の前記軸方向移動に対する復元力を与える、
請求項1記載の弁。
【請求項3】
前記弁棒の前記第1の密封部は、前記弁棒から半径方向に延在し、前記変形可能リップより剛性である、
請求項1記載の弁。
【請求項4】
前記弁棒から半径方向に延在する前記第1の密封部は、該第1の密封部を前記変形可能リップより剛性にする形状を備える、
請求項3記載の弁。
【請求項5】
前記第1の密封部は直径を備え、前記変形可能リップは直径を備え、前記第1の密封部の前記直径は、前記変形可能リップの前記直径より小さい、
請求項1記載の弁。
【請求項6】
前記キャップは更に、第3の密封部を有し、
該第3の密封部は、前記第2の密封部から離間され、前記変形可能リップに対する前記弁棒の軸方向移動中に係合可能である、
請求項1記載の弁。
【請求項7】
前記キャップは、変形可能な材料から作られる、
請求項6記載の弁。
【請求項8】
前記通路は、第1の開口及び第2の開口を有し、該第1及び第2の開口は、前記キャップにおいて位置決めされる、
請求項1記載の弁。
【請求項9】
前記通路は、第1の開口及び第2の開口を有し、該第1の開口は前記弁棒において位置決めされ、前記第2の開口は前記キャップにおいて位置決めされる、
請求項1記載の弁。
【請求項10】
流体を格納するための装置であって、
一部分が穴を画定する容器と、
該穴において位置される弁と、
を有し、
該弁は、
長手方向軸を備える、第1の密封部を有する弁棒と、
通路を有する、前記弁棒に対して接続されるキャップと、
第2の密封部を有する、前記キャップの周縁から延在する変形可能リップと、
を有し、前記弁棒は、前記第1の密封を開放し且つ前記第2の密封部を閉鎖得するよう前記弁棒の前記長手方向軸に沿って前記変形可能リップに対して移動可能であり、流体が前記キャップにおける前記通路を通って動き得るようにする、
装置。
【請求項11】
前記容器は壁を有し、
前記第2の密封部は、前記弁棒が前記長手方向軸に沿って移動されるときに前記容器の該壁と接触する、
請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記容器は、壁と、該容器の該壁から延在する管状部と、を有し、
前記第2の密封部は、前記弁棒が前記長手方向軸に沿って移動されるときに前記リブと接触する、
請求項10記載の装置。
【請求項13】
前記容器はインクジェットカートリッジであり、前記流体はインクである、
請求項10記載の装置。
【請求項14】
前記弁棒の前記第1の密封部は、前記弁棒から半径方向に延在し、また前記変形可能リップより剛性である、
請求項10記載の装置。
【請求項15】
前記第1の密封部は直径を備え、前記変形可能リップは直径を備え、
前記第1の密封部の前記直径は、前記変形可能リップの前記直径より小さい、
請求項10記載の装置。
【請求項16】
前記通路は、第1の開口及び第2の開口を有し、該第1の及び第2の開口は、前記キャップにおいて位置決めされる、
請求項10記載の装置。
【請求項17】
前記通路は、第1の開口及び第2の開口を有し、該第1の開口は前記弁棒において位置決めされ、該第2の開口は前記キャップにおいて位置決めされる、
請求項10記載の装置。
【請求項18】
流量を制御する方法であって、
一部分が穴を画定する容器を与える段階と、
該穴において位置される、弁棒とキャップと変形可能リップとを有する弁を与える段階と、
前記弁棒を該弁棒の長手方向軸に沿って前記変形可能リップに対して移動させる段階と、
を有し、
前記弁において、前記弁棒は、第1の密封部を有し且つ長手方向軸を備え、前記キャップは、前記弁棒に対して接続され且つ通路を有し、前記変形可能リップは、前記キャップの周縁から延在し且つ第2の密封部を有し、前記弁棒は、前記第1の密封部を開放し且つ前記第2の密封部を閉鎖するよう前記弁棒の前記長手方向軸に沿って前記変形可能リップに対して移動可能であり、流体が前記キャップにおける前記通路を通って動き得るようにし、
前記弁棒を移動させる段階において、前記第1の密封部は開放し且つ前記第2の密封部は閉鎖するようにされ、前記キャップにおける前記通路を通って流体が動くようにされる、
方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−519402(P2011−519402A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−548679(P2010−548679)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/001079
【国際公開番号】WO2009/110964
【国際公開日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】