説明

データ仲介システム

【課題】送受信のインターフェイスの開発が容易であると共に、異なるキャリア間、及び国内、海外を問わず、自由にメッセージ等の送受信サービスを行うことが可能な、データ仲介システムを提供する。
【解決手段】相手先携帯端末に対してリクエストデータを送信する送信元端末と、送信元端末と公衆回線又は広域ネットワークを介して接続され、リクエストデータを受信する管理装置と、管理装置と接続され、相手先携帯端末に接続しうるショートメッセージサービス(SMS)を提供する複数のゲートウェイ装置とを備え、管理装置は、複数のゲートウェイ装置から、一のゲートウェイ装置を選択すると共に、選択されたゲートウェイ装置に対して、送信元端末から受信したリクエストデータに対応する処理を請求するデータ仲介システムであって、ゲートウェイ装置のAPIに従ってデータを送信するプロトコル変換と、レスポンスデータ変換手段とを備えた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、国内の携帯端末から、海外若しくは、国内の他の携帯端末に対して、ショートメッセージを送信しうるデータ仲介システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、我が国において、他人の携帯端末に対してテキストメッセージを送信する手段として、Simple Mail Transfer Protocol(SMTP)を用いた所謂携帯メールサービスが最も広く普及している。
上記携帯メールサービスは、送信可能な文字数制限が無く、且つテキストデータの他、画像データ等を添付して送信することも可能である。
また、異なるキャリア間及び、パーソナルコンピュータのインターネットメールとの間においても、インターネットを経由してメールを相互に送受信することができる。
【0003】
しかしながら、携帯メールの場合、SMTPで送信するため、送受信には、専用のソフトウェアが必要であり、メール送受信機能を有するインターフェイス、アプリケーションを自由に開発することはコスト等の面から難しかった。
【0004】
また、受信側においても課金が発生するため、一方的に送信されたメールに対して、不本意な課金が発生する虞があった。
【0005】
また、近年、キャリア間において、同一の電話番号を継続して使用することができる、所謂ナンバーポータビリティ制度が導入されたが、携帯メールアドレスは、異なるキャリア間での継続使用ができず、キャリア変更に伴い携帯メールアドレスも変更となることから、所属するキャリアが変更となった場合に、相手先との連絡が不意に取れなくなる場合があった。
【0006】
一方、比較的短いテキストメッセージを送受信するサービスとして、我が国以外の多くの国において広く普及している、ショートメッセージサービス(所謂SMSメール)がある。
SMSメールの場合、送信可能な文字数が140オクテット以内という制限があるが、SMSメールを用いてメッセージを送受信する場合、送信相手先は、電話番号で指定することが可能であり、受信側おいては、受信料金がかからない。
【0007】
海外においては、第二世代の携帯電話規格として、GSM(Global System for Mobile Communications)方式と、CDMA(Code Division MultipleAccess)方式が存在しているが、既に、夫々のキャリア間において、相互に接続が可能なるようにゲートウェイ装置が対応しており、上記2つのキャリア間においても相互にSMSメールを利用することができる。
このため、海外においては、メッセージの送信手段として、SMSメールが、最も広く普及しており、世界の携帯ユーザーの7割以上が使用していると言われている。
しかしながら、我が国においては、国内の異なるキャリア間において、SMSメールの相互送受信を行うことができず、また、海外のSMSメールとの送受信も行うことができなかった。
このため、SMSメールが普及する前に、異なるキャリア間においても送受信が可能な携帯メールが先行して普及したことから、現状においては、SMSメールが利用されることは少ない。
【0008】
現在、国内の複数のサードパーティによって、携帯メールのアドレスを変換して、海外SMSとの送受信が可能となるサービスが提供されている。
上記サービスに加入した場合、国内の送信元端末の所有者は、通常の携帯メール送受信のアプリケーションを用いて、上記サードパーティに対して、相手先携帯端末の電話番号と送信するメッセージ等を、所定のフォーマットで、携帯メールで送信する。
上記サードパーティの装置によって、携帯メールで送信された相手先の携帯電話番号から、相手先の携帯電話のキャリアが保有するゲートウェイ装置を探索され、携帯メールで送信されたメッセージがSMSメールとして転送される。
しかしながら上記サービスを利用した場合であっても、海外SMSとの送受信については、携帯メールアドレスが変更となった場合には、別途上記サードパーティとの契約変更する必要がある。
また、送信元端末側においては、現状の携帯メール用アプリケーションを使用する必要があったため、独自のインターフェイスの開発が難しかった。
また、国内のキャリア間においてのSMSメールの送受信についても、国内の一部のキャリア間で協議が開始されているが、現時点において以前不可能である。
【0009】
上記背景にも関わらず、現在においても、送受信のインターフェイス開発の自由度が高く、且つ容易に海外、及び国内キャリア間とのSMSメールの送受信を行うことを可能とする、データ仲介システムは提供されていなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の解決する課題は、送受信のインターフェイスの開発が容易であると共に、異なるキャリア間、及び国内、海外を問わず、自由にメッセージ等の送受信サービスを行うことが可能な、データ仲介システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明に係るデータ仲介システムは、相手先携帯端末に対してリクエストデータを送信する送信元端末と、上記送信元端末と公衆回線、若しくは広域ネットワークを介して接続され、上記リクエストデータを受信しうる管理装置と、上記管理装置と公衆回線、若しくは広域ネットワークを介して接続され、上記相手先携帯端末に接続しうるショートメッセージサービス(SMS)を提供する複数のゲートウェイ装置とを備え、上記管理装置は、上記複数のゲートウェイ装置から、一のゲートウェイ装置を選択すると共に、選択されたゲートウェイ装置に対して、上記送信元端末から受信したリクエストデータに対応する処理を請求するデータ仲介システムであって、上記送信元端末から、上記管理装置に対して送信されるリクエストデータは、HTTP(HyperTextTransfer Prtocol)のPOSTメソッドを用いて、上記管理装置に送信されると共に、上記管理装置は、上記リクエストデータを解析し、選択された上記ゲートウェイ装置に対して送信するデータを抽出する、リクエストデータ解析手段と、選択された上記ゲートウェイ装置のアプリケーションインタフェイス(API)に従って、通信プロトコルを変換して、上記データを送信するプロトコル変換手段と、上記ゲートウェイ装置を経由して受信した処理結果を、JSON(Java(登録商標)Script Object Notation)形式のフォーマットに変換するレスポンスデータ変換手段とを備えていることを特徴とする。
【0012】
HTTPプロトコルのPOSTメソッドによるデータ送信は、クライアントからサーバ装置に対して、データを送信する手段として広く用いられており、例えば、自己のホームページ上のWebフォームからの入力データの送信、電子掲示板への投稿インターフェイス等に広く用いられている技術である。
従って、携帯用のアプリケーションの他、一般的なパーソナルコンピュータ上においても、自由にインターフェイスの設計が可能である。
【0013】
また、JSONとは、Java(登録商標)Scriptをベースとしたデータ表現のフォーマットであり、構造が単純であり、異なるプログラミング言語間でのデータの受け渡しが簡単に行えるという特徴を有している。
【0014】
請求項1に係る発明にあっては、送信元端末からのリクエストデータの送信に、HTTPのPOSTメソッドを用いていることから、SMTPを用いた場合と異なり、インターフェイス構築の制約が少なく、また、レスポンスデータがJSON形式フォーマットで記載されているため、送信対象のデータの取り出し処理が容易であることから、専用のメールソフトを用いる必要が無い。
また、プロトコル変換手段によって、ゲートウェイ装置のAPIに従って、通信プロトコルを変換すると共に、ゲートウェイ装置を経由して受信したレスポンスデータは、JSON形式フォーマットに変換されるため、国内、海外のゲートウェイ装置間のAPIの差異を意識することなく、相互にSMSメールの送受信を行うことができる。
【0015】
また、請求項2の発明にあっては、上記送信元端末のリクエストデータには、相手先携帯端末の電話番号、送信元端末を識別しうる識別番号、及び相手先携帯端末に送信するメッセージテキストデータが含まれると共に、上記レスポンスデータには、上記リクエストデータに対する要求の処理結果を示す、ステータスデータ、詳細ステータス確認用のURL、メッセージID、送信失敗時のエラーメッセージ、及び相手先携帯端末の電話番号が含まれることを特徴とする。
【0016】
従って、リクエストデータに含まれる、相手先の携帯番号とメッセージテキストデータは、SMSを提供する一のゲートウェイ装置に対応したプロトコルに変換された上で、受け渡される。
また、上記ゲートウェイ装置から受信した送信結果は、リクエストデータに対する要求の処理結果を示す、ステータスデータ、詳細ステータス確認用のURL、メッセージID、送信失敗時のエラーメッセージ、相手先携帯端末の電話番号の各情報を含む、JSON形式のフォーマットに変換されて、上記送信元端末に返信される。
【0017】
また、請求項3の発明にあっては、上記送信元端末のリクエストデータには、検索対象の相手先携帯端末の電話番号が含まれると共に、上記レスポンスデータには、上記リクエストデータで検索要求された相手先携帯端末の電話番号の有無情報、相手先携帯端末の電話番号、相手先端末の所属国コード、相手先のネットワークコード、相手先携帯端末が所属しているキャリアのコード、及び処理におけるエラーコードナンバーが含まれることを特徴とする。
【0018】
従って、相手先の携帯番号が、ゲートウェイ装置に対応したプロトコルに変換された上で受け渡されると共に、上記ゲートウェイ装置から受信した検索結果から、上記リクエストデータで検索要求された相手先携帯端末の電話番号の存在有無の情報、相手先携帯端末の電話番号、相手先端末の所属国コード、相手先のネットワークコード、相手先携帯端末が所属しているキャリアのコード、及び処理におけるエラーコードナンバーが夫々JSON形式のフォーマットに変換されて、送信元端末に返信され、送信元端末において、相手先携帯端末が実在しているか否かが把握できる。
【0019】
また、請求項4の発明にあっては、上記管理装置は、上記ゲートウェイ装置毎の通信料金を保存するゲートウェイ装置通信料金保存手段を備え、上記送信元端末からリクエストデータを受信した場合、上記ゲートウェイ装置通信料金保存手段を参照すると共に、通信費用が最低となるゲートウェイ装置を選択する、ゲートウェイ装置選択手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
従って、上記管理装置によって、送信元端末の所有者が支払う通信費用が最低となるように、ゲートウェイ装置が自動的に選択される。
【0021】
また、請求項5の発明にあっては、上記送信元端末から上記管理装置にPOSTメッソドを用いてアクセスする場合におけるアクセス先のURLには、リクエストの種類に応じた所定のキーコードが含まれていることを特徴とする。
【0022】
従って、予め、契約等によって、上記キーコードを付与された者のみが、上記管理サーバにアクセスすることができる。
【0023】
また、請求項6の発明にあっては、上記管理装置は、上記送信元端末が保有するポイント情報を保存するポイント情報保存手段と、送信元端末の所有者がポイントを購入した場合に、購入したポイント数に応じて保有ポイント数を増加させると共に、上記送信元端末との送受信が行われた場合に、保有ポイント数を減じる、ポイント管理手段を備えることを特徴とする。
【0024】
従って、上記送信元端末の所有者は、保有するポイント数に応じて、サービスを受けることができる。
【0025】
また、請求項7の発明にあっては、上記管理装置には、上記送信元端末からのポイント残高確認リクエスト応じて、上記送信元端末が保有するポイントの残高を抽出し、ポイント残高を上記送信元端末に返信するポイント残高確認手段を備え、ポイント残高確認のリクエストデータは、HTTP(HyperTextTransfer Prtocol)のGETメソッドを用いて、上記管理装置に送信されると共に、上記管理装置から上記送信元端末に返信されるレスポンスデータは、JSON形式のフォーマットに基づいて記載されると共に、当該送信元端末の所有者が所有するポイント残高数を含むことを特徴とする。
【0026】
HTTPのGETメソッドは、アクセス先の装置に対して、上記リクエストデータで要求した所定のリソースを取り出すことができる。
請求項7の発明にあっては、リクエストデータの要求に応じ、上記管理装置は、自己が保有する送信元端末の所有者が保有するポイント残高を、JSON形式フォーマットで記載して送信元端末に返信する。
【0027】
また、請求項8の発明にあっては、上記送信元端末は、パーソナルコンピュータであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
請求項1の発明にあっては、相手先携帯端末に対してリクエストデータを送信する送信元端末と、上記送信元端末と公衆回線、若しくは広域ネットワークを介して接続され、上記リクエストデータを受信しうる管理装置と、上記管理装置と公衆回線、若しくは広域ネットワークを介して接続され、上記相手先携帯端末に接続しうるショートメッセージサービス(SMS)を提供する複数のゲートウェイ装置とを備え、上記管理装置は、上記複数のゲートウェイ装置から、一のゲートウェイ装置を選択すると共に、選択されたゲートウェイ装置に対して、上記送信元端末から受信したリクエストデータに対応する処理を請求するデータ仲介システムであって、上記送信元端末から、上記管理装置に対して送信されるリクエストデータは、HTTP(HyperTextTransfer Prtocol)のPOSTメソッドを用いて、上記管理装置に送信されると共に、上記管理装置は、上記リクエストデータを解析し、選択された上記ゲートウェイ装置に対して送信するデータを抽出する、リクエストデータ解析手段と、選択された上記ゲートウェイ装置のアプリケーションインタフェイス(API)に従って、通信プロトコルを変換して、上記データを送信するプロトコル変換手段と、上記ゲートウェイ装置を経由して受信した処理結果を、JSON(Java(登録商標)Script Object Notation)形式のフォーマットに変換するレスポンスデータ変換手段とを備えていることから、SMTPプロトコルを用いた場合と異なり、インターフェイス構築の自由度が高く、また、レスポンスデータがJSON形式フォーマットで記載されているため、送信対象のデータの取り出し処理が容易である。
また、プロトコル変換手段によって、ゲートウェイ装置のAPIに従って、通信プロトコルを変換すると共に、ゲートウェイ装置を経由して受信したレスポンスデータがJSON形式フォーマットに変換されるため、国内、海外のゲートウェイ装置間のAPIの違いを意識することなく、相互にSMSメールの送受信ができる。
従って、送受信のインターフェイスの開発が容易であると共に、異なるキャリア間、及び国内、海外を問わず、自由にメッセージ等の送受信サービスを行うことが可能な、データ仲介システムを提供することができる。
【0029】
また、請求項2の発明にあっては、上記送信元端末のリクエストデータには、相手先携帯端末の電話番号、送信元端末を識別しうる識別番号、及び相手先携帯端末に送信するメッセージテキストデータが含まれると共に、上記レスポンスデータには、上記リクエストデータに対する要求の処理結果を示す、ステータスデータ、詳細ステータス確認用のURL、メッセージID、送信失敗時のエラーメッセージ、及び相手先携帯端末の電話番号が含まれることから、送信元端末から、国内及び海外を問わず、相手先携帯端末の電話番号を指定することによって、メッセージテキストデータを、SMSメールによって送信することができる。
【0030】
また、請求項3の発明にあっては、上記送信元端末のリクエストデータには、検索対象の相手先携帯端末の電話番号が含まれると共に、上記レスポンスデータには、上記リクエストデータで検索要求された相手先携帯端末の電話番号の有無情報、相手先携帯端末の電話番号、相手先端末の所属国コード、相手先のネットワークコード、相手先携帯端末が所属しているキャリアのコード、及び処理におけるエラーコードナンバーが含まれることから、相手先携帯端末に対してSMSメールを送信する前に、相手先携帯端末の電話番号の使用有無を、事前に確認することができるため、無駄な通信費用を削減することができる。
【0031】
また、請求項4の発明にあっては、上記管理装置は、上記ゲートウェイ装置毎の通信料金を保存するゲートウェイ装置通信料金保存手段を備え、上記送信元端末からリクエストデータを受信した場合、上記ゲートウェイ装置通信料金保存手段を参照すると共に、通信費用が最低となるゲートウェイ装置を選択する、ゲートウェイ装置選択手段とを備えることから、常に送信元端末の所有者が支払う課金が最低となるゲートウェイ装置が自動的に選択される。
従って、通信費用を更に削減することができる。
【0032】
また、請求項5の発明にあっては、上記送信元端末から上記管理装置にPOSTメッソドを用いてアクセスする場合におけるアクセス先のURLには、リクエストの種類に応じた所定のキーコードが含まれていることから、キーコードの保有者以外の者の不正アクセを防止することができる。
【0033】
また、請求項6の発明にあっては、上記管理装置は、上記送信元端末が保有するポイント情報を保存するポイント情報保存手段と、送信元端末の所有者がポイントを購入した場合に、購入したポイント数に応じて保有ポイント数を増加させると共に、上記送信元端末との送受信が行われた場合に、保有ポイント数を減じる、ポイント管理手段を備えることから、保有ポイントの範囲でサービスを受けることができるため、予期しない通信費を請求される虞が無い。
【0034】
また、請求項7の発明にあっては、上記管理装置には、上記送信元端末からのポイント残高確認リクエスト応じて、上記送信元端末が保有するポイントの残高を抽出し、ポイント残高を上記送信元端末に返信するポイント残高確認手段を備え、ポイント残高確認のリクエストデータは、HTTP(HyperTextTransfer Prtocol)のGETメソッドを用いて、上記管理装置に送信されると共に、上記管理装置から上記送信元端末に返信されるレスポンスデータは、JSON形式のフォーマットに基づいて記載されると共に、当該送信元端末の所有者が所有するポイント残高数を含む。
【0035】
従って、リクエストデータの要求に従って、管理装置は、自己が保有する、送信元端末の所有者が保有するポイント残高を、JSON形式フォーマットで記載して、送信元端末に返信するため、送信前にポイント残高を確認しておくことにより、不意のポイント残高切れによって、相手先携帯端末との送受信ができなくなることが無い。
【0036】
また、請求項8の発明にあっては、上記送信元端末は、パーソナルコンピュータであることを特徴とする。
従来SMSメールは携帯電話間において行われているが、本データ仲介システムを用いた場合は、相手先がSMSに対応した携帯電話であれば、パーソナルコンピュータ等からもSMSメールの送信が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施の形態を示し、実施例の形態におけるデータ仲介システムの構成を示す概念図である。
【図2】本発明の実施例の形態において、相手先の携帯端末に対して、テキストメッセージデータの送信をリクエストした場合に、管理サーバから返信されるレスポンスデータの構造例である。
【図3】本発明の実施例の形態において、相手先の携帯端末の電話番号の使用有無の確認をリクエストした場合、管理サーバから返信されるレスポンスデータの構造例である。
【図4】本発明の実施例の形態において、送信元端末の所有者が保有するポイント残高の確認をリクエストした場合に、管理サーバから返信されるレスポンスデータの構造例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明を実施するための形態について、送信元端末から、相手先携帯端末に対して、テキストメッセージデータを送信する場合を例として、添付図面を用いて説明する。
本発明に係るデータ仲介システム10は、相手先携帯端末11に対してリクエストデータ12を送信する携帯電話若しくはパーソナルコンピュータである送信元端末13、13、13、13と、上記送信元端末13と公衆回線、若しくは広域ネットワーク14を介して接続され、上記リクエストデータ12を受信しうる管理装置15と、上記管理装置15と公衆回線、若しくは広域ネットワーク14を介して接続され、上記相手先携帯端末11、11、11..に接続しうるショートメッセージサービス(SMS)を提供する複数のゲートウェイ装置17、17、17とを備えている。
【0039】
上記管理装置15は、上記複数のゲートウェイ装置17、17、17から、一のゲートウェイ装置17を選択すると共に、選択されたゲートウェイ装置17に対して、上記送信元端末13から受信したリクエストデータ12に対応する処理を請求する上記送信元端末13から、上記管理装置15に対して送信されるリクエストデータ12は、HTTP(HyperTextTransfer Prtocol)のPOSTメソッドを用いて、上記管理装置15に送信されると共に、上記管理装置15は、上記リクエストデータ12を解析し、選択された上記ゲートウェイ装置17に対して送信するデータを抽出する、リクエストデータ解析手段18と、選択された上記ゲートウェイ装置17のアプリケーションインタフェイス(API)に従って、通信プロトコルを変換して、上記データを送信するプロトコル変換手段19と、上記ゲートウェイ装置17を経由して受信した処理結果を、JSON(Java(登録商標)Script Object Notation)形式のフォーマットに変換するレスポンスデータ変換手段19とを備えている。
【0040】
また、上記送信元端末13のリクエストデータ12には、相手先携帯端末11の電話番号、送信元端末を識別しうる識別番号、及び相手先携帯端末に送信するメッセージテキストデータが含まれると共に、上記レスポンスデータ20には、上記リクエストデータ12に対する要求の処理結果を示す、ステータスデータ、詳細ステータス確認用のURL、メッセージID、送信失敗時のエラーメッセージ、及び相手先携帯端末の電話番号が含まれている。
【0041】
また、上記送信元端末13のリクエストデータ12には、検索対象の相手先携帯端末11の電話番号が含まれると共に、上記レスポンスデータ20には、上記リクエストデータ12で検索要求された相手先携帯端末11の電話番号の有無情報、相手先携帯端末の電話番号、相手先端末の所属国コード、相手先のネットワークコード、相手先携帯端末が所属しているキャリアのコード、及び処理におけるエラーコードナンバーが含まれている。
【0042】
また、上記管理装置15は、上記ゲートウェイ装置17毎の通信料金を保存するゲートウェイ装置通信料金保存手段22を備え、上記送信元端末13からリクエストデータ12を受信した場合、上記ゲートウェイ装置通信料金保存手段22を参照すると共に、通信費用が最低となるゲートウェイ装置17を選択する、ゲートウェイ装置選択手段24とを備えている。
【0043】
また、上記送信元端末13から上記管理装置15にPOSTメッソドを用いてアクセスする場合におけるアクセス先のURLには、リクエストの種類に応じた所定のキーコードが含まれている。
【0044】
また、上記管理装置15は、上記送信元端末13が保有するポイント情報を保存するポイント情報保存手段25と、送信元端末13の所有者がポイントを購入した場合に、購入したポイント数に応じて保有ポイント数を増加させると共に、上記送信元端末との送受信が行われた場合に、保有ポイント数を減じる、ポイント管理手段26を備えている。
【0045】
また、上記管理装置15には、上記送信元端末13からのポイント残高確認リクエスト応じて、上記送信元端末13が保有するポイントの残高を抽出し、ポイント残高を上記送信元端末13に返信するポイント残高確認手段27を備え、ポイント残高確認のリクエストデータ12は、HTTPのGETメソッドを用いて、上記管理装置15に送信されると共に、上記管理装置15から上記送信元端末13に返信されるレスポンスデータ20は、JSON形式のフォーマットに基づいて記載されると共に、当該送信元端末13の所有者が所有するポイント残高数を含んでいる。
【実施例1】
【0046】
本実施例の構成について添付図面を用いて以下説明する。
図1は、本実施例のデータ仲介システム10のシステム構成を示す概念図である。
図1に示すように、送信元端末13、13、13、13は、携帯電話若しくはパーソナルコンピュータである。
上記送信元端末13、13、13、13と管理装置15とは、インターネット等の広域ネットワーク、若しくは電話回線網を通じて接続されている。
また、ゲートウェイ装置17、17、17は、国内、若しくは海外のSMSサービスのキャリアが保有しており、夫々異なるAPIで構築された、コンピュータである。
上記ゲートウェイ装置17、17、17は、夫々相手先携帯端末11、11、11..に接続可能であり、SMSメールを送受信する。
【0047】
上記実施例の構成において、送信元端末13から、相手先携帯端末11に対して、SMSメールを送信する場合の動作について説明する。
送信元端末13から、管理装置15へのアクセスは、HTTPのPOSTメソッドによって行われる。
POSTメソッドを用いると共に、リクエストデータ12に必要なデータ項目が含まれていることにより、送信元端末13におけるインターフェイスの形態には、何ら制約は無い。
例えば、送信元端末13がパーソナルコンピュータの場合、自己のホームページ、電子掲示板、ブログ等のWebページ上に、メッセージの入力部、送信ボタン等を自由に設計することが可能であり、送信元端末13が携帯電話である場合には、SMSメール送受信用のアプリケーションを独自に開発することもできる。
従って、SMTPを利用した場合と比較して、多様なインターフェイスの開発が容易に可能である。
【0048】
なお、上記送信元端末13から上記管理装置15にアクセスする場合において、必要となるキーコードは、予め本実施例に係るデータ仲介システム10の提供者と契約を結び、付与を受けておく。
上記管理装置15におけるアクセス先URLは、リクエストの種類毎に定められ、夫々、送信元端末13の保有者毎のユニークなキーコードを含んでいる。
【0049】
図1に示すように、送信元端末13のリクエストデータ12が上記管理装置15に送信されると、上記管理装置15のリクエストデータ解析手段18は、リクエストデータ12から、SMSメール送信に必要となる、相手先携帯端末の電話番号、送信元端末を識別しうる識別番号、相手先携帯端末に送信するメッセージテキストデータを抽出する。
【0050】
更に、ゲートウェイ装置選択手段24は、上記ゲートウェイ装置通信料金保存手段22に保存されている、ゲートウェイ装置17、17、17、17の通信費用を参照し、当該SMSメールを送信する場合に、最も通信費用を低くすることが可能なゲートウェイ装置17を選択する。
【0051】
次に、上記プロトコル変換手段19によって、選択されたゲートウェイ装置17のAPIに合わせたプロトコルに従って、上記クエストデータ解析手段18によって抽出されたデータ項目を変換し、上記ゲートウェイ装置17に対して送信する。
上記ゲートウェイ装置17は、受け渡された相手先携帯端末11の電話番号を基に、相手先携帯端末11に対してSMSメールを送信し、送信結果データをゲートウェイ装置17のプロトコルに従って、上記管理装置15に返信する。
上記管理装置15のレスポンスデータ変換手段21は、上記ゲートウェイ装置17の送信結果データを、JSON形式のフォーマットのレスポンスデータ20に変換し、上記レスポンスデータ20を送信元端末13に返信する。
【0052】
図2は、本実施例における上記レスポンスデータ20の構造を示している。
図2において、Content−Type28は、レスポンスデータ20のデータ形式を示しており、本実施例においては、JSON形式となっている。
States29は、SMSメールの送信結果であり、図2においては正常終了である旨の"OK"が設定されている。
また、url30は、管理サーバ15のアクセス先のURL、msgid31は、送信メッセージの固有のID番号、Cost32は、今回の送受信で消費されたポイント数を示している。
本実施例においては、消費されたポイント数がポイント管理手段26によってポイント情報保存手段25から減じられる。
また、errormsg33は、送信にエラーが有った場合に、エラーの内容がテキストとして設定される。本実施例においては、正常終了のためnullが設定されている。
また、recipient34は、相手先携帯端末の電話番号を示している。
送信元端末の所有者は、上記レスポンスデータ20の内容によって、送信結果を認識することが可能である。
【0053】
レスポンスデータ20がJSON形式で記載されているため、例えば、レスポンスデータ20のデータを基に、SMSメールの送受信履歴を作成する機能を構築するような場合にも、必要なデータに簡単にアクセスすることができる。
【実施例2】
【0054】
上記実施例の形態において、所定の電話番号の相手先携帯端末11が存在しているか否かを検索する場合の動作について説明する。
図1に示すように、本実施例にあっては、送信元端末13から管理装置15に対するリクエストデータ12には、検索対象の相手先携帯端末の電話番号が含まれている。
【0055】
管理装置15へのアクセスは、実施例1と同様に、HTTPのPOSTメソッドによって行われ、アクセスは、実施例1とは別途に定められたURLに対して行う。
【0056】
実施例1と同様に、リクエストデータ解析手段18によって、リクエストデータ12から、相手先携帯端末の電話番号が抽出される。
なお、ゲートウェイ装置選択手段24による、ゲートウェイ装置17の選択処理、及び、プロトコル変換手段19によって、選択されたゲートウェイ装置17のAPIに合わせたプロトコルに従って、上記クエストデータ解析手段18によって抽出されたデータ項目を、上記ゲートウェイ装置17に対して送信する処理、レスポンスデータ変換手段21については、夫々実施例1と同様である。
【0057】
図3は、本実施例におけるレスポンスデータ20の構造を示している。
図3において、errormsg35は、検索時のエラー発生の有無が設定され、本実施例にあっては、エラーなしのためnullが設定されている。
また、mn36は、検索対象の電話番号、mmc37は相手先携帯端末11の所属国名、mnc38は、当該電話番号が所属しているネットワークコード番号、operator−name39は、当該電話番号の相手先携帯端末11が所属しているキャリア名、country−name40は、相手先携帯端末の所属国名を示している。
また、error−code41は検索時のエラーのコード番号を示し、本実施例にあっては正常に検索が行えた場合には0となり、何らかのエラーが発生した場合は、エラー種別によって所定の番号が設定される。
【0058】
上記レスポンスデータ20を参照することによって、相手先携帯端末11が実在すると共に、所属国、所属キャリア名等を把握することができる。
従って、実際にSMSメールを送信する前に、相手先が実在しているかを確認できることから、無駄な通信費用を削減することができる。
【実施例3】
【0059】
上記実施例の形態において、送信元端末13の所有者が保有しているポイント残高を確認する場合の動作について説明する。
図1に示すように、本実施例にあっては、HTTPプロトコルのGETメソッドを用いて、送信元端末13から管理装置15へアクセスし、リクエストデータ20を送信する。
上記管理装置15においては、上記リクエストデータ12を受信することによって、ポイント残高確認手段27は、要求元の送信元端末の所有者が保有しているポイント残高を、ポイント情報保存手段25から読み出し、図4に示すようにレスポンスデータ20のremaining_points44として、送信元端末13に返信する。
従って、送信元端末13の所有者はポイント残高を速やかに確認することができる。
【0060】
なお、上記各実施例で示した、リクエストデータ及びレスポンスデータの各項目は、一例であり、その他の項目が含まれていても、上記各実施例の作用、及び効果は同様である。
例えばセキュリティを高めるため、アクセス先URLに含まれるキーコードの他に、別途パスワードを付与し、リクエストデータ中に上記パスワードを設定させるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、国内の携帯端末から、海外若しくは、国内の他の携帯端末に対して、ショートメッセージを送信しうるデータ仲介システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0062】
10 データ仲介システム
11 相手先携帯端末
12 リクエストデータ
13 送信元端末
14 広域ネットワーク若しくは公衆回線
15 管理装置
17 ゲートウェイ装置
18 リクエストデータ解析手段
19 プロトコル変換手段
20 レスポンスデータ
21 レスポンスデータ変換手段
22 ゲートウェイ装置通信料金保存手段
24 ゲートウェイ装置選択手段
25 ポイント情報保存手段
26 ポイント管理手段
27 ポイント残高確認手段
28 レスポンスデータにおけるContent−Type変数
29 レスポンスデータにおけるstates変数
30 レスポンスデータにおけるurl変数
31 レスポンスデータにおけるmsgid変数
32 レスポンスデータにおけるcost変数
33 レスポンスデータにおけるerrormsg変数
34 レスポンスデータにおけるrecipient変数
35 レスポンスデータにおけるerrormsg変数
36 レスポンスデータにおけるmn変数
37 レスポンスデータにおけるmmc変数
38 レスポンスデータにおけるmnc変数
39 レスポンスデータにおけるoperator−name変数
40 レスポンスデータにおけるcountry−name変数
41 レスポンスデータにおけるerror−code変数
42 レスポンスデータにおけるremaining_points変数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手先携帯端末に対してリクエストデータを送信する送信元端末と、上記送信元端末と公衆回線、若しくは広域ネットワークを介して接続され、上記リクエストデータを受信しうる管理装置と、上記管理装置と公衆回線、若しくは広域ネットワークを介して接続され、上記相手先携帯端末に接続しうるショートメッセージサービス(SMS)を提供する複数のゲートウェイ装置とを備え、
上記管理装置は、上記複数のゲートウェイ装置から、一のゲートウェイ装置を選択すると共に、選択されたゲートウェイ装置に対して、上記送信元端末から受信したリクエストデータに対応する処理を請求するデータ仲介システムであって、
上記送信元端末から、上記管理装置に対して送信されるリクエストデータは、HTTP(HyperText Transfer Prtocol)のPOSTメソッドを用いて、上記管理装置に送信されると共に、
上記管理装置は、上記リクエストデータを解析し、選択された上記ゲートウェイ装置に対して送信するデータを抽出する、リクエストデータ解析手段と、
選択された上記ゲートウェイ装置のアプリケーションインタフェイス(API)に従って、通信プロトコルを変換して、上記データを送信するプロトコル変換手段と、上記ゲートウェイ装置を経由して受信した処理結果を、JSON(Java(登録商標)Script Object Notation)形式のフォーマットに変換するレスポンスデータ変換手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載のデータ仲介システム。
【請求項2】
上記送信元端末のリクエストデータには、相手先携帯端末の電話番号、送信元端末を識別しうる識別番号、及び相手先携帯端末に送信するメッセージテキストデータが含まれると共に、
上記レスポンスデータには、上記リクエストデータに対する要求の処理結果を示す、ステータスデータ、詳細ステータス確認用のURL、メッセージID、送信失敗時のエラーメッセージ、及び相手先携帯端末の電話番号が含まれることを特徴とする請求項1に記載のデータ仲介システム。
【請求項3】
上記送信元端末のリクエストデータには、検索対象の相手先携帯端末の電話番号が含まれると共に、
上記レスポンスデータには、上記リクエストデータで検索要求された相手先携帯端末の電話番号の有無情報、相手先携帯端末の電話番号、相手先端末の所属国コード、相手先のネットワークコード、相手先携帯端末が所属しているキャリアのコード、及び処理におけるエラーコードナンバーが含まれることを特徴とする請求項1に記載のデータ仲介システム。
【請求項4】
上記管理装置は、上記ゲートウェイ装置毎の通信料金を保存するゲートウェイ装置通信料金保存手段を備え、
上記送信元端末からリクエストデータを受信した場合、上記ゲートウェイ装置通信料金保存手段を参照すると共に、通信費用が最低となるゲートウェイ装置を選択する、ゲートウェイ装置選択手段とを備えることを特徴とする請求項1から請求項3いずれか1項に記載のデータ仲介システム。
【請求項5】
上記送信元端末から上記管理装置にPOSTメッソドを用いてアクセスする場合におけるアクセス先のURLには、リクエストの種類に応じた所定のキーコードが含まれていることを特徴とする請求項1から請求項4いずれか1項に記載のデータ仲介システム。
【請求項6】
上記管理装置は、上記送信元端末が保有するポイント情報を保存するポイント情報保存手段と、
送信元端末の所有者がポイントを購入した場合に、購入したポイント数に応じて保有ポイント数を増加させると共に、上記送信元端末との送受信が行われた場合に、保有ポイント数を減じる、ポイント管理手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項5いずれか1項に記載のデータ仲介システム。
【請求項7】
上記管理装置には、上記送信元端末からのポイント残高確認リクエスト応じて、上記送信元端末が保有するポイントの残高を抽出し、ポイント残高を上記送信元端末に返信するポイント残高確認手段を備え、
ポイント残高確認のリクエストデータは、HTTP(HyperText Transfer Prtocol)のGETメソッドを用いて、上記管理装置に送信されると共に、
上記管理装置から上記送信元端末に返信されるレスポンスデータは、JSON形式のフォーマットに基づいて記載されると共に、当該送信元端末の所有者が所有するポイント残高数を含むことを特徴とする請求項1から請求項6いずれか1項に記載のデータ仲介システム。
【請求項8】
上記送信元端末は、パーソナルコンピュータであることを特徴とする請求項1から請求項7いずれか1項に記載のデータ仲介システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−178799(P2012−178799A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41884(P2011−41884)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【特許番号】特許第4889813号(P4889813)
【特許公報発行日】平成24年3月7日(2012.3.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(511053252)株式会社MARIMORE (1)
【Fターム(参考)】