説明

データ処理システム、データ処理方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】ユーザが規定数を超えて処理手段を同時に使用してしまうことにより、既に処理手段を使用しているユーザの処理が適切に行われなくなる事態を防止できるようにする。
【解決手段】データ処理システムは、データを処理する処理手段として画像処理装置2およびRCD5を有し、処理手段を複数のユーザが同時に使用可能である。このシステムは、さらに処理手段を同時に使用するユーザ数が規定数を超えるか否かを判定する使用可否判定手段と、この判定結果により処理手段を同時に使用するユーザ数が規定数を超えると判定された場合に、規定数を超えるユーザによる処理手段の使用を制限するための制限処理を行う使用制限手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力されたデータを処理するデータ処理システム、データ処理方法、プログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、コピー機、スキャナ、ファックスなどの画像処理装置は、特定の用途または用途の組み合わせに適合するために、多彩な機能および能力を備えている。画像処理装置は、従来は別々である画像処理装置の、2つ以上の機能を組み合わせた、多機能周辺機器(MFP)の形態を取ることが多い。MFPは、任意の数の画像処理装置を組み合わせていても構わないが、一般的には、プリンタ、画像読取器、コピー機、およびファックスの機能を備えている。
【0003】
画像処理装置の中には、データ記憶および処理のためのコンピューティングリソース(例えばプロセッサ、ハードディスクドライブ、メモリ、および、他のデバイス)を備えたものがある。画像処理装置にさらに特徴的構成や機能を付加すると、さらに高価に、そしてさらに複雑になる。
【0004】
さらに複雑な画像処理装置およびMFPとして、例えば、他の演算装置(例えばパーソナルコンピュータ、他の画像処理装置、ネットワークサーバ、および、他の機器)との通信を可能にするネットワーク接続性能を備えたものがある。この接続性能によって、画像処理装置が、接続されたネットワーク上で使用可能な外部リソース(他の演算装置)を使用することが可能になる。
【0005】
画像処理装置は、一般的に、複数のボタンやキー、その他のユーザ入力機構を有するユーザ入力パネルを備えている。また、通常、表示パネルを備えている。この表示パネルとしては、表示のためだけに用いられるものもあれば、ユーザがディスプレイ上で直接入力できるタッチパネルディスプレイもある。
【0006】
タッチパネルディスプレイを備えた装置、またはこのディスプレイと共に配置されたボタンを有する装置は、ユーザ入力によって選択されるメニューデータを表示することができる。このメニューデータは、通常、画像処理装置に搭載されたサーバモジュールによって駆動される。
【0007】
ここで、上記の画像処理装置を備えた従来のシステムでは、ユーザの端末装置から上記ネットワークを通じて画像処理装置に画像処理を依頼できるようになっている。このようなシステムを開示したものには、特許文献1および特許文献2がある。
【特許文献1】特開2003−260853(平成15年9月16日公開)
【特許文献2】特開2002−330253(平成14年11月15日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来のシステムにおいては、複数のユーザが同時に画像処理装置にジョブを依頼できるようになっている。複数のユーザは例えば何らかのグループに属するものである。あるいはシステムから特定の権限を与えられたものである。この場合、画像処理装置の処理能力に応じて複数のユーザからの依頼を調整する必要がある。このような構成が無ければ、既に処理を依頼したユーザの実行中のジョブに悪影響が及ぶことになる。しかしながら、上記従来のシステムでは、画像処理装置を複数のユーザにて同時に適切に使用できるようにした構成については検討されていない。
【0009】
したがって、本発明は複数のユーザにて同時にシステムを使用する場合において、既にシステムを使用しているユーザの処理が適切に行われなくなる事態を防止することができるデータ処理システム、データ処理方法、プログラムおよび記録媒体の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のデータ処理システムは、データを処理する処理手段を有し、前記処理手段を複数のユーザが同時に使用可能なデータ処理システムにおいて、前記処理手段を同時に使用するユーザ数が規定数を超えるか否かを判定する使用可否判定手段と、前記使用可否判定手段により、前記処理手段を同時に使用するユーザ数が規定数を超えると判定された場合に、前記規定数を超えるユーザによる前記処理手段の使用を制限するための制限処理を行う使用制限手段とを備えていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明のデータ処理方法は、データを処理する処理手段を有し、前記処理手段を複数のユーザが同時に使用可能なデータ処理方法において、処理手段を同時に使用するユーザ数が規定数を超えるか否かを判定する工程と、前記工程により、前記処理手段を同時に使用するユーザ数が規定数を超えると判定された場合に、前記規定数を超えるユーザによる前記処理手段の使用を制限するための制限処理を行う工程とを備えていることを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、処理手段を同時に使用するユーザ数(例えば同じ権限を有するユーザ数)が規定数を超える場合には、規定数を超えるユーザ(規定数に含まれないユーザ)による処理手段の使用が制限される。上記規定数は、例えば処理手段の負荷に対する処理能力に応じて設定されている。したがって、ユーザが規定数を超えて処理手段を同時に使用してしまうことにより、既に処理手段を使用しているユーザの処理が適切に行われなくなる事態を防止することができる。
【0013】
上記のデータ処理システムにおいて、前記使用制限手段は、前記制限処理として、前記規定数を超えるユーザによる前記処理手段の使用を禁止する構成としてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、処理手段を同時に使用するユーザ数(例えば同じ権限を有するユーザ数)が規定数を超える場合には、規定数を超えるユーザ(規定数に含まれないユーザ)による処理手段の使用が禁止される。例えば、規定数を超えるユーザによる処理手段へのアクセスが禁止される。これにより、既に処理手段を使用しているユーザの処理が適切に行われなくなる事態をさらに確実に防止することができる。
【0015】
上記のデータ処理システムにおいて、前記使用制限手段は、前記処理手段の使用を禁止する処理を、前記使用可否判定手段により前記ユーザ数が規定数以下と判定された場合に解除する構成としてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、処理手段を同時に使用するユーザ数(例えば同じ権限を有するユーザ数)が規定数以下となった場合には、処理手段の使用禁止が解除されるので、処理手段を有効に使用することができる。
【0017】
上記のデータ処理システムにおいて、前記処理手段は複数の処理機能を有し、これら処理機能は選択して使用可能であり、前記使用可否判定手段は、前記処理機能ごとに前記判定処理を行い、前記使用制限手段は、前記制限処理として、前記規定数を超えるユーザが使用できる前記処理手段の処理機能を一部の処理機能のみに制限する構成としてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、処理手段を同時に使用するユーザ数(例えば同じ権限を有するユーザ数)が規定数を超える場合には、規定数を超えるユーザが使用できる処理手段の処理機能が一部の処理機能のみに制限される。これにより、処理手段の使用を禁止する構成と比較して、処理手段の負荷は増えるものの処理手段を有効に使用することができる。
【0019】
上記のデータ処理システムにおいて、前記処理手段が備える複数の処理機能のうちの少なくとも一つは、基本機能とこの基本機能についての拡張機能とを有し、前記使用制限手段は、前記制限処理として、前記規定数を超えるユーザが使用できる前記処理手段の処理機能を前記基本機能のみに制限する構成としてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、処理手段を同時に使用するユーザ数(例えば同じ権限を有するユーザ数)が規定数を超える場合には、規定数を超えるユーザが使用できる処理手段の処理機能が基本機能のみに制限される。これにより、処理機能の拡張機能は使用できないものの基本機能は使用できるので、処理手段の使用を禁止する構成と比較して、処理手段の負荷は増えるものの処理手段を有効に使用することができる。
【0021】
上記のデータ処理システムにおいて、相互に通信可能に接続された画像処理装置と外部機能提供装置とを備え、前記画像処理装置は前記処理手段を備え、前記外部機能提供装置は、前記画像処理装置に外部機能を提供する手段として前記処理手段を備えている構成としてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、ユーザは、処理手段として、画像処理装置のみならず外部機能提供装置も使用できるので、画像処理装置が備える処理機能が少ない場合であっても画像処理装置と外部機能提供装置との少なくとも一方が備える多用な処理機能を使用することができる。
【0023】
上記のデータ処理システムにおいて、前記処理手段は複数の処理機能を有し、これら処理機能は選択して使用可能であり、前記規定数は複数の前記処理機能ごとに設定されており、前記使用可否判定手段は、前記処理機能ごとに前記判定処理を行う構成としてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、複数の処理機能に設定されている規定数は、処理機能ごとに、例えば処理機能を実行した場合の処理手段における負担度合いに応じて設定されているので、各処理機能に対して一律に規定数が設定されている場合と比較して、処理手段の各処理機能を有効に使用することができる。
【0025】
上記のデータ処理システムにおいて、前記処理手段は複数の処理機能を有し、これら処理機能は選択して使用可能であり、前記規定数は、複数の前記処理機能を組み合わせた複合機能ごとに設定されており、前記使用可否判定手段は、前記処理機能ごとに前記判定処理を行う構成としてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、複合機能に設定されている規定数は、複合機能ごとに、例えば複合機能を実行した場合の処理手段における負担度合いに応じて設定されているので、各複合機能に対して一律に規定数が設定されている場合と比較して、処理手段の各処理機能を有効に使用することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の構成によれば、ユーザが規定数を超えて処理手段を同時に使用してしまうことにより、既に処理手段を使用しているユーザの処理が適切に行われなくなる事態を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は本発明の実施の形態における画像処理システムの構成を示す模式図である。図2は図1に示した画像処理システムの詳細を示すブロック図である。図1に示すように、画像処理システムは、画像処理装置(処理手段)2、1台もしくは2台以上のPC(パーソナルコンピュータ)3およびサーバー(処理手段、外部機能提供装置)4がローカルエリアネットワーク1に接続され、これら機器相互間で通信可能となっている。ここで、PC(処理手段、外部機能提供装置)3およびサーバー4の各々はRCD(リモートコンピュータデバイス)5として機能することができる。
【0029】
また、画像処理システムは、図2に示すように、画像処理装置2、RCD5および口座管理装置6を備える構成としてもよい。
【0030】
画像処理装置2は、通信部11、制御部(使用可否判定手段、使用制限手段)12、画像処理部(処理手段)13、表示部14、データ受取部(ユーザインターフェース)15およびジョブ料金計算部16を備えている。
【0031】
通信部11は他の装置とのデータの送受信を行う。データ受取部15はユーザから入力されたユーザ口座を特定するための口座ID、ジョブの対象となる画像データおよびジョブの内容を示すジョブ構成データ等のデータを受け取り、制御部12に渡す。データ受取部15は、フレキシブルディスク、ディスク型メモリあるいは半導体メモリ等の携帯型のメモリから上記画像データを読み取り可能な装置、あるいは原稿画像から画像データを読み取るスキャナ機能を備えた装置であってもよい。また、データ受取部15は、口座IDやジョブ設定データを入力するための例えば図11に示す操作パネル71を備えていてもよい。また、画像データを何らかのネットワークを介してユーザ端末装置から受信する構成であってもよい。なお、上記操作パネル71は、表示部71および各種の入力キー72を備えている。
【0032】
画像処理部13は、画像データに対してジョブ構成データによって示される処理(ジョブ)を行う。表示部14は表示パネルを備え、制御部12に制御されて種々の表示を行う。
【0033】
ジョブ料金計算部16は画像データに対してユーザから要求されている、ジョブ設定データにより示されているジョブの料金を計算する。また、ジョブ構成が修正された場合に、修正されたジョブ構成に基づいてジョブ料金を再計算する。また、画像処理装置2でのジョブが成功裏に完了しなかった場合に、ユーザ口座に課金されたジョブ料金を調整するための計算を行う。また、画像処理装置2でのジョブの実行の終了後に得られたデータに基づいてジョブの処理に実際に要した料金を計算する。
【0034】
制御部12は、画像処理装置2の動作を制御するものであり、データ受取部15から入力された口座IDやジョブ構成データ等のデータを通信部11を介してRCD5に送る。なお、この制御部12は、ジョブが成功裏に完了したかどうかを判定するジョブ結果判定部としての機能を備えていてもよい。
【0035】
また、制御部12は、複数の同じ権限を持つユーザによる画像処理装置2の同時使用を制限する。すなわち、画像処理装置2に対して同じ権限を有する複数のユーザが同時に画像処理装置2を使用する場合に、画像処理装置2を同時使用するユーザ数が規定数を超えるかどうか判定し、ユーザ数が規定数を超える場合にはそのユーザによる画像処理装置2の使用に対して制限処理を行う。
【0036】
ここで、同じ権限とは、画像処理装置を使用できる権限(範囲)が同一のことであり、同じ権限を有するとは、例えば、複数のユーザが同一のIDやパスワードで画像処理装置2が備える機能(例えばスキャン機能)を使用可能となっていること、あるいはユーザ夫々が異なるIDやパスワードを持っている場合であっても、それらユーザが画像処理装置2を使用できる権限が同一であることなどである。
【0037】
画像処理装置2を同時使用するユーザ数が規定数を超えるかどうかの制御部12での判定は、既に同じ権限を持つユーザが画像処理装置2を使用している場合に、既に使用しているユーザ数と新たに使用を求めてきたユーザ数(新たに認識したユーザの数)との合計数が、画像処理装置2で処理可能な量、例えば負荷と処理ライセンス数との少なくとも一方により設定される規定数(限界値)を超えているか否かにより行う。
【0038】
また、同時使用するユーザ数が規定数を超える場合の上記制限処理とは、そのユーザによる画像処理装置2へのアクセスに対する制限、もしくはそのユーザが画像処理装置2を使用する上での機能制限を設定するものである。具体的には、画像処理装置2へのアクセスに対する制限とは、同時使用のユーザ数が規定数以下となるまでの、ユーザからの画像処理装置2への一時的なアクセスの拒否である。また、画像処理装置2を使用する上での機能制限とは、画像処理装置2の基本機能は許可する一方、この基本機能に対する拡張機能(オプション的機能)は許可しないといったものである。図8には画像処理装置2が有する基本機能および外部機能の例を示す。
【0039】
上記制限処理として後者の機能制限を行う場合には、画像処理装置2へのアクセス自体を拒否する構成と比較して、ユーザの利便性が高くなる。
【0040】
上記機能制限の他の例としては、特定の機能の使用に対して同時使用のユーザ数が規定数を超える場合に、その旨をユーザに通知し、ある一定時間(例えば同時使用のユーザ数が規定数以下となるまでの時間)、ジョブを記憶領域に保存して実行しない構成である。
【0041】
RCD5は、通信部21、課金判定部22、課金処理部23、ジョブ修正部24および制御部25を備えている。通信部21は他の装置とのデータの送受信を行う。上記課金判定部22および課金処理部23はRCD5において動作する課金アプリケーションによって構成されている。制御部25は、画像処理装置2からの要求に応じて各種認証を行うとともに、RCD5が備える上記各手段を制御する。
【0042】
また、本実施に形態において、ユーザ口座は複数のユーザによって共有される口座である。複数のユーザは何らかのグループを構成するユーザであり、例えば会社における同一部門(チーム)に属するユーザである。
【0043】
課金処理部23は、画像処理装置2でのジョブ構成データに基づくジョブの実行前に、上記ジョブ料金計算部16にて計算されたジョブ料金をユーザ口座に課金する。また、ジョブ料金がユーザ口座の課金制限に適合しない場合に、画像処理装置2でのジョブに許可を出さず、ユーザ口座に課金された、そのジョブについてのジョブ料金を取り消す。また、ジョブ料金が修正された場合には、それに応じて課金するあるいは課金したジョブ料金を修正する。また、ジョブが成功裏に完了しなかった場合に、ユーザ口座に課金されたジョブ料金を調整する。なお、このためのためのジョブ料金の計算は、ジョブ料金計算部16が行う。また、ユーザ口座に予め課金したジョブ料金とジョブの実行の終了後に得られたデータに基づいて計算した実際の料金とに差異があった場合、ユーザ口座に課金されたジョブ料金の調整を行う。
【0044】
課金判定部22は、ユーザから要求されているジョブに対するジョブ料金がユーザ口座に対する課金制限(課金限度額)の範囲内であるかどうかを、すなわち課金制限に適合するかどうかを判定する。また、ジョブ料金が課金制限に適合する場合に、ジョブ料金がユーザ口座に課金された後に、画像処理装置2によるジョブの実施を許可する。なお、前記課金制限は、ユーザ口座に対して設定された人数によりユーザ口座の同時使用を想定した場合に、一人のユーザのジョブによりユーザ口座に課金される金額を適正な範囲内に収めるためのものである。
【0045】
ジョブ修正部24は、上記ジョブ料金計算部16にて計算されたジョブ料金が前記課金制限に適合しない場合に、ジョブ構成を自動的に修正して課金制限に適合させる。あるいは、ジョブ料金が前記課金制限に適合しない場合に、ジョブ構成を修正するようにユーザに対して要求する。後者の場合、ジョブ修正部24からのその旨の指令が通信部21を介して画像処理装置2に送られ、前記指令の内容を制御部12が表部部14に表示させる。あるいはRCD5の表示部(図示せず)において表示する。
【0046】
口座管理装置6は、通信部31および口座管理部32を備えている。通信部31は他の装置とのデータの送受信を行う。口座管理部32は、画像処理装置2に設定されているユーザ口座を管理する。このユーザ口座は、一つのユーザ口座が1台の画像処理装置2に対して設定されている構成、あるいは一つのユーザ口座が複数台の画像処理装置2に対して設定されている構成のいずれであってもよい。
【0047】
なお、口座管理装置6は、図2において独立したものとして示しているが、画像処理装置6あるいはRCD5が備えているものであってもよい。
【0048】
図3は、ジョブ設定データの構成を示す説明図である。このジョブ設定データは、画像データについてのユーザが希望する印刷処理の内容を示すものであり、ユーザの入力操作により作成される。
【0049】
上記の構成において、本実施の形態における画像処理システムの動作を図4および図5フローチャートに基づいて以下に説明する。図4は画像処理装置2の動作を示すフローチャートであり、図5はRCD5の動作を示すフローチャートである。
【0050】
画像処理装置2は、ユーザからアクセスがあると(S11)、そのユーザのユーザIDをRCD5に送信し、RCD5からユーザ口座の身分証明を受信する(S12)。なお、RCD5からユーザの身分証明が得られなければそのユーザに対するアクセスを拒否する。
【0051】
次に、画像処理装置2は、上記身分証明が得られた場合に、その身分証明からユーザの権限を読み取り、そのユーザのアクセスを許容した場合に同じ権限を持つユーザのアクセス許容数が規定数(限界)を超えるかどうかを判定する(S13)。この判定の結果、ユーザのアクセス許容数が規定数を超える場合には、そのユーザからのジョブの依頼に対して図6(a)に示す制限処理を行う(S14)。
【0052】
次に、画像処理装置2では、上記制限処理が画像処理装置2での処理の続行を許容するもの、すなわち画像処理装置2の使用における機能制限処理であれば(S15)、S16に進んでそれ以降の処理を行う。一方、上記制限処理が画像処理装置2での処理の続行を許容しないもの、すなわちユーザのアクセスを拒否するものであれば(S15)、処理を終了する。
【0053】
次に、画像処理装置2は、処理を続行する場合に、ジョブ設定データを確認し(S16)、ジョブ設定データが示すジョブの実行に要するジョブ料金を計算する(S17)。さらに、計算したジョブ料金をRCD5に送信する(S18)。RCD5では、画像処理装置2から送信されたジョブ料金に基づき、ユーザ口座に対する課金判定を行う。
【0054】
次に、画像処理装置2では、RCD5から課金判定の結果を受信し(S19)、その判定結果からジョブ料金の課金が可能(ジョブの承認)であれば(S20)、ジョブ設定データに示されているジョブを実行する(S21)。一方、上記課金判定の結果からジョブ料金の課金が不可(ジョブの否認)であれば、図7(a)に示す課金不可時処理を行う(S22)。
【0055】
課金不可時処理を行った場合、画像処理装置2では、その課金不可時処理の内容に応じて、ジョブ料金の再計算が必要な場合には(S23)、S16に戻ってそれ以降の処理を行い、ジョブ料金の再計算を行う。一方、ジョブ料金の再計算が不要な場合には(S23)、S21に進んでジョブを実行する。
【0056】
画像処理装置2では、S21において画像データに対してジョブを行った後、最終的なジョブ設定データに示される指示通りにジョブが首尾よく終了したか否か判定し(S24)、ジョブが首尾よく終了していれば処理を終了する。一方、ジョブが首尾よく終了していなければ、ジョブ料金計算部16が画像データに対するジョブの完了状態に応じてジョブ料金を修正し(S25)、この修正したジョブ料金をRCD5に送信する(S26)。RCD5では修正されたジョブ料金に基づいてユーザ口座に対する課金の金額を修正する。なお、S25の処理は、最終的に決定されたジョブ設定データが示す処理の内容と実施際に行われた処理の内容とを比較することによる行われる。
【0057】
次に、画像処理装置2における上記の処理に対応したRCD5の処理について説明する。RCD5では、画像処理装置2でのS12の処理に応じて、画像処理装置2からユーザIDを受信すると(S31)、そのユーザIDから当該ユーザがユーザ口座に登録されているユーザであるかどうかを判定し(S32)、判定結果を画像処理装置2に送信する。この場合、RCD5では、ユーザ口座に登録されているユーザであれば、登録済みのユーザであることを示す身分証明を送信し(S33)、未登録のユーザであればその旨を示す情報を送信する(S34)。
【0058】
次に、RCD5では、画像処理装置2において制限処理(S14)が設定されていれば(S35)、その制限処理に対応した図6(b)に示す制限対応処理を行う(S36)。
【0059】
また、RCD5では、画像処理装置2でのS18の処理に応じて、画像処理装置2からジョブ料金を受信すると(S37)、課金判定部22により課金判定を行う(S38)。具体的には、ユーザ口座にジョブ料金を課金した場合にユーザ口座に設定されている課金限度額を超えるかどうか、すなわちジョブ料金の課金が可能であるかどうかを判定する(S39)。
【0060】
次に、RCD5では、その判定結果からユーザ口座に対するジョブ料金の課金が可能であれば(課金制限に適合すれば)、その課金処理を行い(S40)、上記課金判定の結果を画像処理装置2に送信する(S41)。一方、S38における課金判定の結果からユーザ口座に対するジョブ料金の課金が不可であれば(課金制限に適合しなければ)、課金処理を行うことなく課金判定の結果を画像処理装置2に送信する(S41)。
【0061】
なお、課金可という判定結果は画像処理装置2におけるジョブの承認となり、課金不可の判定結果は画像処理装置2におけるジョブの否認もしくは制限付きの承認となる。また、S40での課金処理とS41での判定結果の送信との順序は逆であってもよい。
【0062】
次に、RCD5では、課金不可の判定結果となった場合に(S42)、画像処理装置2でのS22の処理に対応して図7(b)に示す課金不可時処理を行う(S43)。
【0063】
次に、RCD5では、画像処理装置2から課金不可時処理(S22)によって修正されたジョブ料金を受信すると(S44)、課金処理部23が先にユーザ口座に課金したジョブ料金を、画像処理装置2において修正されたジョブ料金に修正する(S45)。
【0064】
ここで、画像処理装置2におけるS14での制限処理、およびRCD5におけるS36での制限対応処理について図6(a)(b)に基づいて説明する。図6(a)は画像処理装置2におけるS14での制限処理を示すフローチャートであり、図6(b)はRCD5におけるS36での制限対応処理を示すフローチャートである。
【0065】
図6(a)に示すように、画像処理装置2では、制限処理として機能制限を設定せず(S51)、ユーザからのアクセスを拒否する場合には、その処理を行い(S52)、処理を終了する。
【0066】
一方、制限処理として機能制限を設定する場合には、画像処理装置2が有する機能のうち、所定の機能を使用不可とする機能制限を設定し(S53)、その機能制限の内容を示す機能制限情報とジョブ設定データとをRCD5に送信する(S54)。
【0067】
次に、画像処理装置2は、RCD5からジョブ設定データを受信すると(S55)、そのジョブ設定データを既存のジョブ設定データと置き換える(S56)。
【0068】
これに対し、図6(b)に示すように、RCD5では、画像処理装置2から機能制限情報とジョブ設定データとを受信すると(S61)、受信した機能制限情報とジョブ設定データとを比較し、ジョブ設定データの変更が必要か否かを判定する(S62)。
【0069】
次に、画像処理装置2におけるS22での課金不可時処理、およびRCD5におけるS43での課金不可時処理について図7(a)(b)に基づいて説明する。図7(a)は画像処理装置2におけるS22での課金不可時処理を示すフローチャートであり、図7(b)はRCD5におけるS43での課金不可時処理を示すフローチャートである。
【0070】
前述のように、課金不可時処理はジョブ料金がユーザ口座の課金制限に適合しない場合に行われる。このため、課金不可時処理では、ジョブ料金がユーザ口座の課金制限に適合するように、ジョブ設定データを修正する。この処理はRCD5のジョブ修正部24において行われる。
【0071】
RCD5で行われるジョブ設定データの上記変更は、ジョブ料金を下げるためのものである。このために、例えば、ジョブ設定データが画像のフルカラー印刷を指示するものであれば、それをモノクロ印刷に変更する。あるいは、用紙への画像の片面印刷を指示するものであれば、両面印刷や2頁分の画像を1頁内に縮小して印刷するといった変更を行う。
【0072】
図7(a)に示すように、画像処理装置2では、RCD5からジョブ料金の課金が不可との通知を受けると、ジョブ設定データをRCD5に送信する(S71)。その後、RCD5から、変更済みのジョブ設定データを受け取ると(S72)、そのジョブ設定データを既存のジョブ設定データと置き換える(S73)。これにより、画像処理装置2では、新たなジョブ設定データに基づいて再度ジョブ料金を計算する。
【0073】
これに対し、図7(b)に示すように、RCD5では、画像処理装置2からジョブ設定データを受信すると(S81)、ジョブ料金が課金制限に適合するようにジョブ設定データを変更し(S82)、変更したジョブ設定データを画像処理装置2に送信する(S83)。
【0074】
上記の課金不可時処理によれば、ユーザが設定したジョブ設定データが自動的に課金制限に適合するように修正される。したがって、ジョブ料金が課金制限に適合しない場合であっても、画像処理装置2でのジョブを完了することができる。また、ユーザはさらなる入力操作等が不要である。
【0075】
また、本実施の形態の構成では、S14の制限処理において機能制限が設定された場合には、ジョブ設定データが変更され、変更されたジョブ設定データに基づいてジョブ料金が計算されるので、画像処理装置2においてユーザが当初希望した処理が行われなかった場合にもその処理に見合った適正なジョブ料金をユーザ口座に課金することができる。
【0076】
また、S26において、ジョブが首尾よく終了していなければジョブ料金が修正されるので、最終的なジョブの実行結果に見合った適正なジョブ料金をユーザ口座に課金することができる。
【0077】
なお、上記の例では、ジョブ料金が課金制限に適合するようにRCD5において自動的にジョブ設定データを変更するようにしている。しかしながら、これに代えて、RCD5もしくは画像処理装置2において、ジョブ料金が課金制限に適合しないのでジョブ設定データを変更することをユーザに要求し、ユーザにより変更されたジョブ設定データを使用し、そのジョブ設定データに基づいてジョブ料金を再計算するようにしてもよい。
【0078】
このような構成では、ユーザは、先に設定したジョブ設定データが課金制限に適合しないことを認識した上で、ジョブ設定データに所望の変更を加えて再度ジョブ設定データを作成することができる。
【0079】
また、上記の例では、画像処理装置2の機能を複数の同じ権限を有するユーザが同時に使用する場合を前提として説明したが、本願発明の構成は、これに限定されることなく、画像処理装置2の機能に対する外部機能、例えばサーバー4の機能を複数の同じ権限を有するユーザが同時に使用する場合にも適用可能である。この場合の例について以下に説明する。
【0080】
図9は、複数の同じ権限を有するユーザが同時に画像処理装置2の外部機能、すなわちサーバー4の機能を使用する場合における画像処理システムの構成を示す模式図である。同図に示すように、サーバー4は、ローカルエリアネットワーク1により他の装置と通信を行うための通信部51、サーバー4全体の動作を制御する制御部52、複数の外部機能部54、機能制御部53、演算処理部55およびデータベース56を備えている。サーバー4は複数の外部機能部54が有する、例えば画像処理についての各機能をユーザが使用できるように提供している。各外部機能部54の動作は機能制御部53によって制御される。
【0081】
このような構成においても、先に説明した、複数の同じ権限を有するユーザが同時に画像処理装置2の機能を使用する場合と同様の動作を行うことができる。すなわち、先の説明において、画像処理装置2を単にサーバー4と置き換え、RCD5の機能をサーバー4自身もしくはPC3が備える構成と考えればよい。そして、サーバー4に対する複数の同じ権限を有するユーザの同時使用が規定数を超える場合の制限処理を初めとする他の処理についても同様である。また、制限処理での機能制限において、サーバー4の基本機能のみを許可し、基本機能に対する拡張機能は許可しない構成とすることも同様である。図10にはサーバー4が有する、画像処理装置2の外部機能としての基本機能および拡張機能の例を示す。
【0082】
このような構成によれば、同じ権限を有するユーザの同時使用に際し、機能制限を適用しつつ使用を許可でき、かつサーバー4の負荷を所定内に収めることができる。
【0083】
また、このサーバー4の機能を使用する例においては、サーバー4が有する外部機能(外部機能部54)ごとに、複数の同じ権限を有するユーザの同時使用を制限する構成としてもよい。この場合、各外部機能(外部機能部54)に対する同じ権限を有するユーザの同時アクセス数を機能制御部53が計算し、この数があらかじめ機能ごとに設定された規定数を超える場合には、上記制限処理を行うようにしてもよい。すなわち、機能の使用に対する上記制限を適用した上で、規定数を超えるユーザのアクセス(使用)を許可する構成としてもよい。あるいは、規定数を超えるユーザのアクセス(使用)を拒否する構成としてもよい。
【0084】
このように、機能単位でユーザの同時使用を管理する構成では、サーバー4の機能全体に対するユーザの同時使用を管理する構成と比較して、サーバー4が有する複数の機能を同時に使用し易くできるなど、各機能を有効に使用することができる。
【0085】
また、制限処理における上記機能制限の適用は、ユーザにより使用中の機能だけに限定しても良い。このように、現在使用中の機能に限定してユーザによる機能使用の可否の判定並びに機能制限を行う構成では、ユーザによる機能使用の可否の判定動作が必要な機能の範囲を限定し、不要な処理を防止することができる。
【0086】
また、複数の同じ権限を有するユーザによるサーバー4の同時使用可能な規定数を通信部51へのユーザのアクセス数として管理してもよい。この場合、制御部52は、通信部51へのアクセス数を監視し、アクセス数が規定数を超えた場合に、サーバー4へのアクセスを拒否するか、もしくは一時的に、例えば通信部51へのアクセス数が規定数以下となるまで使用不可とする。
【0087】
さらに、複数の同じ権限を有するユーザによるサーバー4の機能に対しての同時使用の管理は、複数の機能の組み合わせからなる複合機能を単位として行ってもよい。この場合、複合機能を同時使用可能なユーザの規定数は、複合機能が使用された場合、あるいは複合機能に含まれるいずれかの機能が使用された場合におけるサーバー4、特に演算処理部55の負荷の量に応じて設定される。
【0088】
このような構成では、上記規定数を、サーバー4の演算処理部55の能力と外部機能部54で発生する処理コストとにより設定してもよい。これによれば、複数の異なる演算能力並びに処理能力を持つサーバー4において、それぞれ独立した上限値を定めることができる。これにより、サーバー4が有する各機能を有効に使用することができる。
【0089】
ここで、上記複合機能を使用する場合に関し、第1および第2の例について説明する。なお、下記の例において、各機能を提供するサーバー4は、同一のサーバー4に限定されない。また、ここでは、複合機能はサーバー4の機能と画像処理装置2の機能とを使用するものとしている。
【0090】
第1の例は、日本語文書の書面をスキャンし、OCR(Optical Character Reader)にて処理して電子データ化し、次に、翻訳機能(日→英)を使用して英語へ翻訳し、その後、フォーマットを整えて印刷するものである。この複合機能が使用されるのは、例えば、日本語で記載された参考資料を、異なる言語を母国語とする複数人に対してその言語に翻訳して提供する場合である。この複合機能は、下記複数の機能の組み合わせにより構成されている。
【0091】
第1の機能:画像処理装置2が搭載する「スキャン」機能
第2の機能:サーバー4が備える外部機能部54の「OCR」機能
第3の機能:サーバー4が備える外部機能部54の「翻訳」機能
第4の機能:サーバー4が備える「フォーマット」機能(言語に応じてそれぞれ準備さ れているフォーマットごとに、処理された翻訳データを埋め込むもの)
第5の機能:画像処理装置2が搭載する「プリンタ」機能。
【0092】
第2の例は、日本語文書の書面をスキャンし、OCRにて処理して電子データ化し、次に、多言語へ翻訳し、特定の言語のみ指定されたサーバーへ保存し、残りの言語は言語ごとに異なる電子メールアドレス宛へ送信するものである。この複合機能が使用されるのは、例えば、日本語で記載された特許原稿を各言語へ翻訳し、それら翻訳データを翻訳内容の確認のためにそれぞれの言語に精通した部門の担当者へ送付し、さらに英語データについては全て所定のサーバーに保管し一元管理するような場合である。この複合機能は、下記複数の機能の組み合わせにより構成されている。
【0093】
第1の機能:画像処理装置2が搭載する「スキャン」機能
第2の機能:サーバー4が備える外部機能部54の「OCR」機能
第3の機能:サーバー4が備える外部機能部54の「翻訳」機能
第4の機能:サーバー4が備える「フォーマット」機能(言語に応じてそれぞれ準備さ れているフォーマットごとに、処理された翻訳データを埋め込むもの)
第5の機能:サーバー4が備える、指定されたサーバーへフォーマット済みの英語の翻 訳データを保管する機能
第6の機能:サーバー4が備える、指定された電子メールアドレスへフォーマット済み の各翻訳データを送信する機能。
【0094】
次に、各複合機能によって同時使用するユーザ数の前記規定数が異なることについて説明する。サーバー4が備える外部機能を実行した場合のサーバー4の負荷は、例えばその処理に要する時間を指標として表すことができる。その他の指標としては、CPUの稼働率(使用率)を主とするハードウェアリソースの占用率、その機能を実現するアルゴリズムの複雑性などが考えられる。表1には、サーバー4が備える複数の機能と、それら機能を実行した場合の機能ごとの処理負荷とを示す。この処理負荷は、上記指標に基づいて規格化(共通単位化)している。
【0095】
【表1】

【0096】
サーバー4が一定時間内に処理可能なタスクの量は限られているため、サーバー4には処理負荷単位の上限値が設定されている。そこで、ユーザが使用可能な複合機能は、その複合機能を実行した場合の複合機能に含まれる各機能(各処理)の処理負荷単位数の合計が、サーバー4で処理可能となるように、すなわちサーバー4の処理負荷単位の上限値を超えないように設定されている。
【0097】
例えば、サーバー4の処理負荷単位が100である場合、上記第1の例の複合機能([0CR]+[翻訳(日→英)]+[フォーマット1])により1ページの原稿を処理すると仮定すると、第1の例の処理負荷単位は35単位(=5+25+5)である。したがって、サーバー4の他の機能が利用されていない場合、サーバー4においては、上記第1の例の複合機能を同時に2ユーザが使用可能となる。
【0098】
同様に、サーバー4の処理負荷単位が100である場合、上記第2の例の複合機能(英語の場合:[0CR]+[翻訳(日→英)]+[フォーマット1]+[サーバーへ保存] +[電子メール送信])により1ページの原稿を処理すると仮定すると、第2の例の処理負荷単位(英語)は35.07単位(=5+25+5+0.02+0.05)である。また、第2の例では、多言語への翻訳を同時に行うため、翻訳(日→各言語(英語以外))分が加算される。英以外の各言語が仏および独の場合には、さらに62単位(=15+20+13.5+13.5)が加算され、97.07となる。したがって、サーバー4の他の機能が利用されていない場合、サーバー4においては、上記第1の例の複合機能を同時に1ユーザのみが使用可能となる。
【0099】
上記の図1および図9に示した画像処理システムでは、画像処理システムに対して画像処理装置2、PC3もしくはサーバー4を経由して画像データの送信を含むジョブの実行の指示を行うことができる。画像処理装置2を経由してジョブの実行が指示される場合、ユーザにより画像処理装置2の入力装置(操作パネル71)が操作され、画像データは画像処理装置2が備えるスキャナにより原稿画像を読み取ることにより得られる。あるいは、ローカルエリアネットワーク1に接続された、ユーザが操作する端末装置から入力される。また、PC3もしくはサーバー4を経由してジョブの実行が指示される場合には、ローカルエリアネットワーク1を経由して画像データやジョブの指示が入力される。いずれの場合も、ユーザ口座の身分証明書(ID)はPC3もしくはサーバー4からなるRCD5によって認証され、ジョブ設定データは画像処理装置2が保持する。
【0100】
画像処理システムについての上記の使用形態によれば、例えば、同時にアクセスする複数のユーザのうち、第1のユーザは画像処理装置2の操作パネル71からジョブ実行の指示のための入力操作を行い、第2のユーザ(第1のユーザと同じ権限もしくは異なる権限を有するユーザ)はPC3からジョブ実行の指示のための入力操作を行うといった場合がある。なお、各ユーザについては、ジョブの実行に先立ち必要なユーザ口座の身分証明書が設定されている。また、画像処理装置2、PC3およびサーバー4の間のローカルエリアネットワーク1を使用した種々の通信の少なくとも一部にはXML/SOAPメッセージを使用してもよい。
【0101】
また、上記の例において、ジョブ料金計算部16は、画像処理装置2が備える構成としているが、これに限定されず、PC3もしくはサーバー4が備えていてもよい。この場合には、ジョブ設定データ等のジョブ料金の計算に必要なデータが画像処理装置2とPC3もしくはサーバー4との間で適宜送受信される。
【0102】
また、本実施の形態の画像処理システムにおいて、複数のユーザはRCD5が有する機能を画像処理装置2から使用することも可能である。この場合の操作は、画像処理装置2の例えば操作パネル71において、あるいはユーザが使用する端末装置がローカルエリアネットワーク1を介して画像処理装置2と通信することにより行われる。したがって、RCD5は画像処理装置2を経由して必要な情報を取得する。この場合の動作も、前述のように、各フローチャート等に示した通りである。なお、この場合の画像処理装置2とRCD5との間の通信の少なくとも一部はXML/SOAPメッセージを使用するものであってもよい。
【0103】
上記の構成によれば、画像処理装置2が有する機能だけでなく、RCD5が有する、画像処理装置2において使用可能な一つあるいは複数の機能を、以上の説明において示した種々の手法により使用可能である。
【0104】
次に、画像処理装置2の代表的な機能構成の詳細を図12に示す。また、Webサービス、XML、SOAPおよびAPIについての説明を表2に示す。
【0105】
【表2】

【0106】
図12に示すように、画像処理装置2は、ユーザインターフェイス層111、アプリケーション層112、サービス層113、ドライバ層114、OS層115、UIサービス層116、Webサービス層117、OSAアプリ層118およびOpenI/F層119を備えている。
【0107】
ユーザインターフェイス層111は、ユーザが画像処理装置2を操作するためのインターフェイスである。ユーザインターフェイス層111は、画像処理装置2に固有の操作画面を記憶しており、当該固有操作画面を操作パネル71に表示させる。ユーザは、固有操作画面に対して、所望の機能の実行を入力することで、画像処理装置2を操作することができる。
【0108】
なお、ユーザインターフェイス層111の操作パネル部111aは、画像処理装置2の操作画面にて入力された情報をアプリケーション層112に伝達する処理を行う。
【0109】
また、Webページ部111bは、Webページにて入力された情報をアプリケーション層112に伝達する処理を行う。
【0110】
アプリケーション層112は、画像処理装置2が有する各種の装置機能を制御するアプリケーションに従って動作するものである。
【0111】
ここで、装置機能とは、スキャン機能、印刷(プリント)機能、画像処理機能、ネットワーク機能などの要素機能を適宜組み合わせて実行することにより実現される機能である。要素機能を適宜組み合わせて実行することにより実現される装置機能とは、例えば、スキャン機能と画像処理機能と印刷機能とを組み合わせて実行される複写(コピー)機能や、スキャン機能とネットワーク機能とを組み合わせて実行されるイメージ送信機能などがある。
【0112】
本実施形態のアプリケーション層112は、複写(コピー)機能の実行/制御を行うためのコピーアプリ112a、プリント機能の実行/制御を行うためのプリントアプリ112b、スキャンした画像データを外部の装置に送信する機能(イメージ送信機能)の実行/制御を行うためのイメージ送信アプリ112c、ドキュメントファイリング機能の実行/制御を行うためのドキュメントファイリングアプリ112d、ユーザ認証機能の実行/制御を行うためのユーザ認証アプリ112e、FAX受信機能の実行/制御を行うためのFAX受信アプリ112f、TWAIN機能の実行/制御を行うためのTWAINアプリ112gなどを含む。
【0113】
サービス層113は、アプリケーション層112の下位に位置する層であり、アプリケーション層112からの指示に従って、画像処理装置2が有する各種の要素機能を制御するものである。
【0114】
本実施形態のサービス層113には、要素機能として、スキャン動作を制御するスキャンサービス113a、プリント(印刷)の制御を行い、プリント機能やコピー機能から利用されるプリントサービス113b、ジョブ毎の情報管理を制御するジョブログサービス113c、イメージ作成等の画像形成を制御する画処理サービス113d、ドキュメントファイリング等、イメージを管理するための制御を行うファイルサービス113e、リモートからWebページ経由でアクセスするための制御を行うWWWサーバサービス113f、LANや電話回線等を用いて、通信する動作の制御を行うネットワークサービス113gなどがある。
【0115】
ドライバ層114は、サービス層113の下位に位置する層であり、画像処理装置2のハードウェアを制御するためのソフトウェアに従った動作を行うものである。
【0116】
なお、本実施形態のドライバ層114には、画像形成に関するASICドライバ114a、USB通信を行うためのUSBドライバ114b、シリアル通信を行うためのシリアル通信ドライバ114c、LAN通信を行うためのNICドライバ114d、操作パネル71の表示制御を行うためのLCDドライバ114e、電源管理を行うためのパワードライバ114fなどがある。
【0117】
OS層115は、ドライバ層114の下位に位置する層であり、オペレーティングシステムを管理するものである。
【0118】
なお、上記ユーザインターフェイス層111、アプリケーション層112、サービス層113、ドライバ層114およびOS層115は、画像処理装置2に固有のソフトウェアに従った動作を行うものであり、画像処理装置2ごとに異なる。これらの層を備えることで、画像処理装置2は、通信ネットワークを介することなくユーザからの指示を直接受け付け、その指示に従った動作を行うことができる。
【0119】
UIサービス層116は、HTTP(またはHTTPS)を用いて、制御装置2から操作画面データを取得し、取得した操作画面データに基づいた操作画面を操作パネル71上に表示させるものである。なお、UIサービス層116は、汎用されているWebブラウザの機能を有するものでよい。
【0120】
UIサービス層116とユーザインターフェイス層111とを備えることで、ユーザは、操作パネル71の操作画面を、画像処理装置2に固有の操作画面(ユーザインターフェイス層111によって表示される)を操作して、その操作に応じた機能が画像処理装置2で実行される標準操作モードと、ネットワークリソース(例えば、RCDのアプリケーション)を使用するオープンシステムモード(open system modes)とのいずれかを使用することができる。なお、UIサービス層116には、UI(操作画面)の表示を制御するUIマネージャ116aがある。
【0121】
Webサービス層117は、SOAPを用いて外部から送信される制御指示を受信し、当該制御指示に対応するOSAアプリ層118の適切なモジュールを呼び出すものである。また、Webサービス層117は、OSAアプリ層118から受けた情報を示すSOAPコマンドを生成し、外部に送信する。Webサービス層117は、制御指示と、当該制御指示が示す制御に適切なOSAアプリ層118のモジュールとを対応付けて記憶しており、当該記憶内容に応じて、適切なモジュールを呼び出す。
【0122】
本実施形態のWebサービス層117は、UI制御に関するWebサービスを処理するUIサービス、ジョブ制御に関するWebサービスを処理するジョブマネージャ117b、イベント送信要求に関するWebサービスを処理するイベントマネージャ117c、ジョブやデバイスのステータス制御に関するWebサービスを処理するステータスマネージャ117d、OSAアプリ層118に関する情報を登録するためのサービスマネージャ117e、ジョブの送受信を行うためのWebサービスを処理するデータ送信マネージャ117fなどを含む。
【0123】
OSAアプリ層118は、上記装置機能を制御するためのアプリケーションであり、制御する装置機能に用いる要素機能を制御するための第1APIを生成し、OpenI/F層119に送る。OpenI/F層119で使用可能な第1APIは、画像処理装置2の機種に依存していない。その結果、OSAアプリ層118は、画像処理装置2ごとに、プログラムコードを変更する必要がない。OSAアプリ層118は、OpenI/F層119で公開されている第1APIをOpenI/F層119に出力する。
【0124】
本実施形態のOSAアプリ層118は、複写(コピー)機能の実行/制御を行うためのコピーアプリ118a、プリント機能の実行/制御を行うためのプリントアプリ118b、スキャンした画像データを外部の装置に送信する機能(イメージ送信機能)の実行/制御を行うためのイメージ送信アプリ118c、ドキュメントファイリング機能の実行/制御を行うためのドキュメントファイリングアプリ118d、ユーザ認証機能の実行/制御を行うためのユーザ認証アプリ118e、FAX受信機能の実行/制御を行うためのFAX受信アプリ118f、TWAIN機能の実行/制御を行うためのTWAINアプリ118gなどを含む。
【0125】
OpenI/F層119は、サービス層113を制御するためのインターフェイスをOSAアプリ層118に公開する機能を有しており、OSAアプリ層118から受けた第1APIを、サービス層113が受付可能な第2APIに変換するものである。
【0126】
上記の画像処理装置2の代表的な動作例としては、スキャンを行い、得られたデータをRCD5のOCR機能にて処理し、処理の結果を画像処理装置2でプリントするものである。
【0127】
ここで、上記スキャンは画像処理装置2上のアプリケーション層112にて実行され、画像処理装置2はスキャンにて得られたデータをRCD5に送信する。RCD5では受信したデータをOCR機能にて処理し、処理済みのデータを画像処理装置2のアプリケーション層112にて処理するか、またはOSAアプリ層118にて提供されるプリントアプリサービスを使用してプリントする。
【0128】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0129】
最後に、画像処理システムの各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0130】
すなわち、画像処理システムを構成する各部は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである画像処理システムの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記画像処理システムに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0131】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0132】
また、画像処理システムを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が使用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも使用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、登録された複数のユーザにより画像形成装置等の画像処理装置を使用するような構成に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の実施の形態における画像処理システムの構成を示す模式図である。
【図2】図1に示した画像処理システムの詳細を示すブロック図である。
【図3】図1に示した画像処理システムにおいて使用されるジョブ設定データの構成を示す説明図である。
【図4】図2に示した画像処理システムにおける画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】図2に示した画像処理システムにおけるRCDの動作を示すフローチャートである。
【図6】図6(a)は、図2に示した画像処理装置における図4に示した制限処理を示すフローチャート、図6(b)は、図2に示したRCDにおける図5に示した制限対応処理を示すフローチャートである。
【図7】図7(a)は、図2に示した画像処理装置における図4に示した課金不可時処理を示すフローチャート、図7(b)は、図2に示したRCDにおける図5に示した課金不可時処理を示すフローチャートである。
【図8】図1に示した画像処理装置が有する基本機能および外部機能の例を示す説明図である。
【図9】本実施の形態の図1に示した画像処理システムの他の例における画像処理システムの構成を示す模式図である。
【図10】図9に示したサーバーが有する、画像処理装置の外部機能としての基本機能および拡張機能の例を示す説明図である。
【図11】図1に示した画像処理装置が備える操作パネルの正面図である。
【図12】図1に示した画像処理装置の代表的な機能構成の詳細を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0135】
1 ローカルエリアネットワーク
2 画像処理装置(処理手段)
3 パーソナルコンピュータ(処理手段、外部機能提供装置)
4 サーバー(処理手段、外部機能提供装置)
5 リモートコンピュータデバイス
12 制御部(使用可否判定手段、使用制限手段)
13 画像処理部(処理手段)
14 表示部
15 データ受取部
16 ジョブ料金計算部
22 課金判定部
23 課金処理部
24 ジョブ修正部
25 制御部
52 制御部
53 機能制御部
54 外部機能部
55 演算処理部
71 操作パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを処理する処理手段を有し、前記処理手段を複数のユーザが同時に使用可能なデータ処理システムにおいて、
前記処理手段を同時に使用するユーザ数が規定数を超えるか否かを判定する使用可否判定手段と、
前記使用可否判定手段により、前記処理手段を同時に使用するユーザ数が規定数を超えると判定された場合に、前記規定数を超えるユーザによる前記処理手段の使用を制限するための制限処理を行う使用制限手段とを備えていることを特徴とするデータ処理システム。
【請求項2】
前記使用制限手段は、前記制限処理として、前記規定数を超えるユーザによる前記処理手段の使用を禁止することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項3】
前記使用制限手段は、前記処理手段の使用を禁止する処理を、前記使用可否判定手段により前記ユーザ数が規定数以下と判定された場合に解除することを特徴とする請求項2に記載のデータ処理システム。
【請求項4】
前記処理手段は複数の処理機能を有し、これら処理機能は選択して使用可能であり、
前記使用可否判定手段は、前記処理機能ごとに前記判定処理を行い、
前記使用制限手段は、前記制限処理として、前記規定数を超えるユーザが使用できる前記処理手段の処理機能を一部の処理機能のみに制限することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項5】
前記処理手段が備える複数の処理機能のうちの少なくとも一つは、基本機能とこの基本機能についての拡張機能とを有し、
前記使用制限手段は、前記制限処理として、前記規定数を超えるユーザが使用できる前記処理手段の処理機能を前記基本機能のみに制限することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項6】
相互に通信可能に接続された画像処理装置と外部機能提供装置とを備え、
前記画像処理装置は前記処理手段を備え、
前記外部機能提供装置は、前記画像処理装置に外部機能を提供する手段として前記処理手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項7】
前記処理手段は複数の処理機能を有し、これら処理機能は選択して使用可能であり、前記規定数は複数の前記処理機能ごとに設定されており、
前記使用可否判定手段は、前記処理機能ごとに前記判定処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項8】
前記処理手段は複数の処理機能を有し、これら処理機能は選択して使用可能であり、前記規定数は、複数の前記処理機能を組み合わせた複合機能ごとに設定されており、
前記使用可否判定手段は、前記処理機能ごとに前記判定処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項9】
データを処理する処理手段を有し、前記処理手段を複数のユーザが同時に使用可能なデータ処理方法において、
処理手段を同時に使用するユーザ数が規定数を超えるか否かを判定する工程と、
前記工程により、前記処理手段を同時に使用するユーザ数が規定数を超えると判定された場合に、前記規定数を超えるユーザによる前記処理手段の使用を制限するための制限処理を行う工程とを備えていることを特徴とするデータ処理方法。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか1項に記載のデータ処理システムの前記の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−141346(P2008−141346A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−323840(P2006−323840)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】