説明

データ処理装置および画像形成装置

【課題】所定の用紙上に画像を形成するために使用される画像信号の垂直同期信号に含まれるノイズのみを除去することができるデータ処理装置を提供する。
【解決手段】データ処理装置であるMFPコントローラ100は、DMAコントローラ131によるデータ転送が可能となる所定の開始時点から、デコーダ143によりエンジン通信制御部150からエンジンコントローラ200へ送出されるPRINT_START1コマンドが検出され、その時点からタイマカウンタ142により計時される所定期間の経過後を終了時点とする垂直同期信号がアクティブとなる直前時点までのマスク期間中、マスク回路141により垂直同期信号にマスクをかけたマスク垂直同期信号を生成しDMAコントローラ131に与える。この構成により、マスク期間中のノイズのみを除去してDMAコントローラ131の誤動作を防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置およびそれを備える画像形成装置に関し、より詳細には画像信号に対する同期信号に含まれるノイズを除去するデータ処理装置およびそれを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子写真方式が採用された画像形成装置(例えば複写機やプリンタなど)では、受け取られた画像データに基づき画像を形成するときの同期を取るため、垂直同期信号および水平同期信号が生成される。
【0003】
具体的には、垂直同期信号は、所定位置に設けられたセンサによって、画像を形成するために搬送される用紙の先端部が検出されることにより生成される同期信号であり、水平同期信号は、画像に対応する潜像を電子写真感光体であるドラム上に形成するために照射されるレーザービームの水平開始位置を示す同期信号である。
【0004】
ここでこれらの同期信号にノイズが混入すると、形成されるべき画像に乱れが生じる。例えば水平同期信号にノイズが混入すると、水平同期が乱れるため対応する行の画像が乱れることになる。
【0005】
そこで、水平同期信号に含まれるノイズを除去するため、水平同期信号の立ち上がりを検知してその立ち下がりまでの期間のクロック数をカウントすることにより、上記クロック数未満の立ち下がりはノイズとして無視する従来の画像(データ)処理装置がある(例えば特許文献1を参照)。
【0006】
また、予め判明している水平同期の周期に基づき、或る水平同期信号の開始(立ち下がり)時点から次の水平同期信号の開始(立ち下がり)時点の直前までの期間における水平同期信号をマスクする信号を生成することにより、水平同期信号に含まれるノイズを除去する従来の画像(データ)処理装置がある(例えば特許文献2を参照)。
【特許文献1】特開2003−312044号公報
【特許文献2】特開2003−46766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記従来の構成によって垂直同期信号に含まれるノイズを除去することはできない。すなわち、前述のように垂直同期信号は、搬送される用紙の先端部が検出されることにより生成されるので、1枚の用紙にのみ印刷する場合はもちろん、複数枚の用紙に連続して印刷する場合であってもその検出間隔は必ずしも一定とはならない。例えば、ある用紙に印刷すべき(所定の記述言語で書かれた)印刷用データが複雑である場合、印刷のためのビットマップデータへ展開するのに時間がかかるため、用紙の搬送が通常の場合よりも遅くなることがある。
【0008】
したがって、クロック数をカウントしてノイズを無視する構成や、予め定められた期間をマスク処理する構成では、場合によって垂直同期信号自体が除去されたりノイズが除去されなかったりすることになる。
【0009】
そこで本発明は、所定の用紙上に画像を形成するために使用される画像信号の垂直同期信号に含まれるノイズのみを除去することができるデータ処理装置およびそれを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の発明は、所定の画像を形成するための画像データおよび当該画像データと同期を取るための垂直同期信号を受け取り、前記画像データに基づき所定の用紙上に前記画像を形成する画像形成機構を制御する画像形成制御部に対して前記垂直同期信号に応じて前記画像データを与えるデータ処理装置であって、
前記画像の形成を開始させるための開始コマンドを含むコマンド信号を前記画像形成制御部へ送出するコマンド通信制御部と、
前記コマンド通信制御部から前記画像形成制御部へ送出された前記コマンド信号を同時に受け取り、受け取られた前記コマンド信号に前記開始コマンドが含まれているか否かを解析するデコーダと、
前記デコーダにより前記開始コマンドが含まれていると解析された時点から所定の期間を計時することにより得られる終了時点を検出する計時部と、
前記画像データが受け取られた後の所定の開始時点から、前記計時部により検出された前記終了時点までの期間中、前記垂直同期信号をマスクするマスク制御部と、
前記画像データを一時的に格納する記憶部と、
前記マスク制御部によりマスクされた垂直同期信号に同期して、前記画像データを前記記憶部から取り出し前記画像形成制御部に与えるデータ転送部と
を備えることを特徴とする。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、
前記マスク制御部は、前記データ転送部により前記画像形成制御部に前記画像データを与えることが可能になる時点を前記開始時点として、前記垂直同期信号をマスクすることを特徴とする。
【0012】
第3の発明は、第2の発明において、
前記画像データは、前記用紙上に形成されるカラー画像に対応する複数の画像データであって、前記画像形成制御部に最初に与えられるべき第1の画像データと、前記第1の画像データの次に与えられる第2の画像データとを少なくとも含み、
前記垂直同期信号は、前記第1の画像データと同期を取るための第1のアクティブ期間を含む第1の垂直同期信号と、前記第2の画像データと同期を取るための第2のアクティブ期間を含む第2の垂直同期信号とを少なくとも含み、
前記マスク制御部は、
前記画像形成制御部に前記第1の画像データを与えることが可能になる開始時点から前記第1の画像データに関連する前記終了時点までの期間中、前記第1の垂直同期信号をマスクし、
前記画像形成制御部に前記第2の画像データを与えることが可能になる開始時点から、前記第1のアクティブ期間を起点に前記第1のアクティブ期間と前記第2のアクティブ期間との間隔に相当する所定の期間が経過する時点までの期間中、前記第2の垂直同期信号をマスクすることを特徴とする。
【0013】
第4の発明は、第3の発明において、
前記画像データは、最初の画像が形成される最初の用紙の次の用紙上に形成される次の画像に対応する複数の画像データのうち前記画像形成制御部に最初に与えられるべき第3の画像データと、前記最初の画像に対応する複数の画像データのうち前記画像形成制御部に最後に与えられるべき第4の画像データとを少なくとも含み、
前記垂直同期信号は、前記第3の画像データと同期を取るための第3のアクティブ期間を含む第1の垂直同期信号と、前記第4の画像データと同期を取るための第4のアクティブ期間を含む第4の垂直同期信号とを少なくとも含み、
前記マスク制御部は、前記画像形成制御部に前記第3の画像データを与えることが可能になる前記開始時点から、前記第3のアクティブ期間を起点に前記第3のアクティブ期間と前記第4のアクティブ期間との間隔に相当する所定の期間が経過する時点までのマスク期間中、前記第1の垂直同期信号をマスクすることを特徴とする。
【0014】
第5の発明は、第4の発明において、
前記コマンド信号は、前記画像形成制御部に用紙を給紙させるための給紙コマンドをさらに含み、
前記マスク制御部は、前記第1のアクティブ期間と前記第3のアクティブ期間との間隔から、前記給紙コマンドおよび前記開始コマンドの送信間隔と、前記計時部により計時される前記期間とを差し引いた期間が前記第1のアクティブ期間の開始時点から経過するまでに、前記画像形成制御部に前記第3の画像データを与えることが可能になる前記開始時点が到来する場合には、前記マスク期間中、前記第1の垂直同期信号をマスクすることを特徴とする。
【0015】
第6の発明は、第1の発明において、
前記計時部は、所定の余裕時間が差し引かれた期間を計時することにより得られる終了時点を検出することを特徴とする。
【0016】
第7の発明は、第1の発明において、
前記計時部は、前記画像形成制御部により前記画像形成機構に対して所定の複数の画像形成速度のうちの1つが設定される場合、前記複数の画像形成速度に応じた長さが定められる複数の期間のうち、設定される画像形成速度に応じた長さの期間を前記所定の期間として計時することを特徴とする。
【0017】
第8の発明は、第7の発明において、
前記計時部は、前記画像データが受け取られる毎に、前記画像形成制御部から前記画像形成速度を示す情報を受け取り、受け取られた情報に示される画像形成速度に応じた長さの期間を前記所定の期間として計時することを特徴とする。
【0018】
第9の発明は、第1の発明において、
前記計時部は、時刻を検出可能なタイマにより計時することを特徴とする。
【0019】
第10の発明は、第1の発明において、
前記計時部は、外部から与えられる所定のクロック信号のパルス数をカウントすることにより計時することを特徴とする。
【0020】
第11の発明は、第1の発明において、
前記デコーダは、解析されるべき前記開始コマンドに相当するデータを変更可能であることを特徴とする。
【0021】
第12の発明は、第1から第11までのいずれか1つの発明に記載のデータ処理装置と、
前記画像形成機構と、
前記画像形成機構を制御する画像形成制御部と
を備える、画像形成装置である。
【0022】
第13の発明は、所定の画像を形成するための画像データおよび当該画像データと同期を取るための垂直同期信号を受け取り、前記画像データに基づき所定の用紙上に前記画像を形成する画像形成機構を制御する画像形成制御部に対して前記垂直同期信号に応じて前記画像データを与えるデータ処理方法であって、
前記画像の形成を開始させるための開始コマンドを含むコマンド信号を前記画像形成制御部へ送出するコマンド通信制御ステップと、
前記コマンド通信制御ステップにおいて前記画像形成制御部へ送出された前記コマンド信号を同時に受け取り、受け取られた前記コマンド信号に前記開始コマンドが含まれているか否かを解析するデコードステップと、
前記デコードステップにおいて前記開始コマンドが含まれていると解析された時点から所定の期間を計時することにより得られる終了時点を検出する計時ステップと、
前記画像データが受け取られた後の所定の開始時点から、前記計時ステップにおいて検出された前記終了時点までの期間中、前記垂直同期信号をマスクするマスク制御ステップと、
前記画像データを一時的に格納する記憶ステップと、
前記マスク制御ステップにおいてマスクされた垂直同期信号に同期して、前記記憶ステップにおいて格納された前記画像データを前記画像形成制御部に与えるデータ転送部と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
第1の発明によれば、デコーダにより開始コマンドが含まれていると解析された時点から所定の期間を計時することにより得られる終了時点が計時部により検出され、画像データが受け取られた後の所定の開始時点から、上記終了時点までの期間中、垂直同期信号がマスク制御部によりマスクされ、このマスクされた垂直同期信号に同期して、画像データが記憶部から取り出されデータ転送部により画像形成制御部に与えられるので、垂直同期信号のノイズのみを除去することができ、このことによりデータ転送部において垂直同期信号にノイズが含まれるためアクティブ期間であると誤って判断されてデータ転送が開始されることを未然に防止することができる。
【0024】
第2の発明によれば、データ転送部により画像形成制御部に画像データを与えることが可能になる時点を開始時点として垂直同期信号がマスクされるので、この開始時点以降のノイズのみを除去することができ、データ転送部において誤ってデータ転送が開始されることを未然に防止することができる。
【0025】
第3の発明によれば、画像形成制御部に第2の画像データを与えることが可能になる開始時点から、第1のアクティブ期間を起点に第1のアクティブ期間と第2のアクティブ期間との間隔に相当する所定の期間が経過する時点までの期間中、第2の垂直同期信号がマスクされるので、簡易な方法で正確に第2の垂直同期信号におけるマスクの終了時点を定めることができる。
【0026】
第4の発明によれば、画像形成制御部に第3の画像データを与えることが可能になる開始時点から、第3のアクティブ期間を起点に第3のアクティブ期間と第4のアクティブ期間との間隔に相当する所定の期間が経過する時点までのマスク期間中、第1の垂直同期信号がマスクされるので、簡易な方法で正確に第1の垂直同期信号における上記マスク期間の終了時点を定めることができる。
【0027】
第5の発明によれば、第1のアクティブ期間と第3のアクティブ期間との間隔から、給紙コマンドおよび開始コマンドの送信間隔と、計時部により計時される期間とを差し引いた期間が第1のアクティブ期間の開始時点から経過するまでに、画像形成制御部に第3の画像データを与えることが可能になる開始時点が到来する場合にのみ、上記マスク期間中、第1の垂直同期信号がマスクされるので、例えば画像データの準備が遅れている場合などの理由により上記終了時点が決定できない場合を除外することができ、簡易な方法でより正確に上記マスク期間の終了時点を定めることができる。
【0028】
第6の発明によれば、計時部により、所定の余裕時間が差し引かれた期間を計時することにより得られる終了時点が検出されるので、垂直同期信号に含まれるアクティブ期間がより確実にマスクされないようにする設定することができる。
【0029】
第7の発明によれば、計時部により、設定される画像形成速度に応じた長さの期間が所定の期間として計時されるので、適切な長さの期間が設定されることによりどのような画像形成速度であっても正確にマスクを行うことができる。
【0030】
第8の発明によれば、画像データが受け取られる毎に、画像形成制御部から画像形成速度を示す情報が受け取られるので、常に適切な長さの期間が設定されることによりどのような画像形成速度であっても常に正確にマスクを行うことができる。
【0031】
第9の発明によれば、時刻を検出可能なタイマにより計時されるので、例えば外部から供給されるクロック信号に影響されることなく正確に計時を行うことができる。
【0032】
第10の発明によれば、外部から与えられる所定のクロック信号のパルス数をカウントすることにより計時されるので、クロック信号を生成する回路を内蔵する必要がなく、回路規模を小さくすることができる。
【0033】
第11の発明によれば、解析されるべき開始コマンドに相当するデータが変更可能であるので、コマンドの追加や変更、さらには異なる画像形成装置に搭載される場合にも容易に対応することができる。
【0034】
第12の発明によれば、第1から第11までのいずれか1つの発明と同様の効果を有する画像形成装置を実現することができる。
【0035】
第13の発明によれば、第1の発明と同様の効果を有するデータ処理方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0037】
<1. 画像形成装置全体の構成および動作>
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置であるマルチファンクションプリンタ(MFP)の構造を簡単に示す側面図である。この画像形成装置は、装置外部から与えられる画像データに基づき用紙Paに対してフルカラー(またはモノクロ)の画像を形成した用紙Pbを出力する。このため、本画像形成装置は、露光ユニット1a〜1dと、感光体ドラム3a〜3dと、現像装置2a〜2dと、帯電器5a〜5dと、クリーニングユニット4a〜4dと、画像を形成するため用紙を搬送する転写搬送ベルト7および転写ローラ6a〜6dと、加熱ローラ31(定着ローラとも言う)および加圧ローラ32からなる定着ユニット12と、用紙さばきローラ16と、垂直同期信号を生成するための検知信号を出力する用紙端検知センサ17a〜17dと、給紙トレイ10と、排紙トレイ18とを備えている。なお、図1において、用紙の搬送路Sは一点鎖線で示されており、排紙ローラ25を含む所定の搬送ローラ等により用紙が搬送経路を導かれる構成であるが、その詳しい説明は省略する。
【0038】
この画像形成装置は、ブラック(K)、並びに減法混色の3原色であるシアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロー(Y)からなる4色の各色相に対応した画像データに基づき画像形成を行う。例えば、画像形成装置には、ブラック(K)の画像形成を行うため、感光体ドラム3a、現像装置2a、帯電器5a、およびクリーニングユニット4aが備えられており、他の3色の画像形成を行うため、同様の構成(感光体ドラム3b〜3dおよび現像装置2b〜2d等)が備えられている。これらの構成要素は、転写搬送ベルト7の移動方向Bに沿って図1に示されるように一列に配置されている。このような画像形成装置はタンデム式とも呼ばれる。なお、帯電器5a〜5dは、像の担持体である感光体ドラム3a〜3dの表面を所定の電位になるよう均一に帯電させる帯電器であって、周知のチャージャー方式が採用されているが、接触方式を採用した帯電ローラや帯電ブラシなどであってもよい。
【0039】
露光ユニット1a〜1dは、LED(Light Emitting Diode)をアレイ状に配列したLED書き込みヘッドであり、ブラック、シアン、マゼンタ、またはイエローの各色相に対応した画像データに基づく光のいずれかを、対応する感光体ドラム3a〜3dの表面に照射する。このことにより、感光体ドラム3a〜3d表面には、ブラック、シアン、マゼンタ、およびイエロー各色相に対応した画像データに基づく静電潜像が形成される。なお、露光ユニット1a〜1dは、EL(ElectroLuminescence)素子などの発光素子が使用されてもよいし、上記4つのレーザービームを照射する半導体レーザと反射ミラーと含むレーザスキャニングユニット(LSU)であってもよい。
【0040】
現像装置2a〜2dは、ブラック、シアン、マゼンタ、またはイエローの色相に対応した現像剤であるトナーのいずれかを内部に貯留している。そして、静電潜像が形成された感光体ドラム3a〜3dの表面に上記トナーを供給することにより感光体ドラム3a〜3dに形成された色相に対応した静電潜像をブラック、シアン、マゼンタ、またはイエローの色相に対応したトナー像に顕像化する。また、クリーニングユニット4a〜4dは、現像および画像転写後における感光体ドラム3a〜3dの表面に残留したトナーを除去し回収する。
【0041】
転写搬送ベルト7は、駆動ローラと従動ローラとの間に張架されて図1に示されるようなループ状の移動経路を形成している。この転写搬送ベルト7の外周面は、感光体ドラム3a、感光体ドラム3b、感光体ドラム3c、および感光体ドラム3dに対向しており、転写搬送ベルト7はこれらの順番で各感光体ドラム3a〜3dに対向するよう回転する。この転写搬送ベルト7は、給紙トレイ10から引き出された用紙Paをその外周面に吸着して搬送する。また、この転写搬送ベルト7を挟んで各感光体ドラム3a〜3dに対向する位置には、転写ローラ6a〜6dが配置されており、転写搬送ベルト7に吸着されて搬送される用紙Paに対してトナー像を転写する。なお、これらの転写ローラ6a〜6dは周知の転写ブラシであってもよい。
【0042】
用紙Paを収納する給紙トレイ10から用紙Paを一枚ずつ引き出す用紙さばきローラ16により給紙される用紙は、感光体ドラム3a〜3dと転写ローラ6a〜6dとの対向位置をそれぞれ通過する前にそれぞれに対応して設けられた用紙端検知センサ17a〜17dの検知領域を通過する。
【0043】
すなわち、用紙端検知センサ17a〜17dは、感光体ドラム3a〜3dと転写ローラ6a〜6dとの対向位置から、用紙Paの移動方向Bとは逆方向に所定の同一距離だけ離れた位置にそれぞれ設けられている。また、これら用紙端検知センサ17a〜17dの対向位置には、所定の照明装置が設けられており、搬送されてくる用紙Paに遮られない限りこの照明装置からの光を用紙端検知センサ17a〜17dが受け取る構成となっている。このことにより上記検知領域が形成されている。
【0044】
この検知領域に用紙Paの用紙端がさしかかると、対応する照明装置からの光が遮られる。このときに用紙端検知センサ17a〜17dから所定の検知信号が出力される。これらの検知信号に基づき対応する垂直同期信号VSYNC_K,VSYNC_C,VSYNC_M,VSYNC_Yが生成されるが、詳しくは後述する。
【0045】
ここで、フルカラー画像を形成する場合、転写ローラ6a〜6dには、感光体ドラム3a〜3dの表面に担持されたトナー像を転写搬送ベルト7上の用紙Paに転写するために、トナーの帯電極性(−)と逆極性(+)の定電圧である転写バイアスが印加される。またこの転写ローラ6a〜6dは、転写搬送ベルト7の内周面に所定のニップ圧で圧接されている。このことによって、感光体ドラム3a〜3dに形成された各色相に対応するトナー像は転写搬送ベルト7の外周面に吸着される用紙Paに順次重ねられるように転写され、用紙Pa上にフルカラーのトナー像が形成される。
【0046】
なお、感光体ドラム3a〜3dに接触することにより転写搬送ベルト7に付着したトナーは、次に搬送されるべき用紙Paの裏面を汚すことがないように、従動ローラに摺接するよう設けられるクリーニングブレードを含む転写搬送ベルトクリーニングユニット9によって回収される。
【0047】
このトナー像が転写された用紙は、定着ユニット12に導かれ、定着ユニット12を構成する加熱ローラ31と加圧ローラ32との間を通過して加熱および加圧を受ける。この定着ユニット12の動作によって、トナー像は、用紙の表面に堅牢に定着する。トナー像が定着した用紙Pbは、排紙ローラ25によって排紙トレイ18上に(印刷面を下側に向けて)排出される。
【0048】
以上のような画像の形成動作は、図示されない電動モータやギヤなどを含む複数の駆動部と、これらの駆動部を制御する制御部とにより行われ、上記制御部の機能は、図示されないセンサや操作入力部などの情報を受け付けるマイクロコンピュータにより実現される。以下、この制御部の機能を含む本画像形成装置の機能的な構成について説明する。
【0049】
<2. 画像形成装置の機能的な構成>
<2.1 全体的な機能構成>
図2は、本発明における一実施形態に係る画像形成装置であるマルチファンクションプリンタ(MFP)の機能的な構成を示すブロック図である。この画像形成装置は、装置内の各部を制御し特徴的なマスク処理を行うデータ処理装置として機能するするMFPコントローラ100と、画像の形成を行う画像形成機構を含む画像エンジン300と、この画像エンジン300を制御する画像形成制御部として機能するエンジンコントローラ200と、装置外部の図示されないコンピュータなどと通信を行う通信部400と、用紙上の画像を光学的に読み取るためのスキャナ部500とを備える。
【0050】
なお、このMFPは、LCD等からなる表示装置とタッチパネルやボタンスイッチ等からなる入力装置とを含む操作表示部、およびハードディスクなどの磁気記憶媒体を含む記憶部などを備えるが、これらの構成は周知であるのでその説明は省略する。また、スキャナ部500も周知の構成であるため、詳しい説明は省略する。さらに、画像エンジン300は、電子写真方式に応じた周知の構成であり、前述したとおりである。
【0051】
このMFPに備えられる通信部400は、外部に備えられる図示されないホストコンピュータなどから与えられる印刷ジョブ、ここではページ記述言語(PDL:Page Description Language)により記述される印刷用データを、LAN(Local Area Network)などの所定の通信回線を介して受け取り、MFPコントローラ100に与える。
【0052】
MFPコントローラ100は、上記通信部400(またはスキャナ部500)から前述した、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロー(Y)からなる4色の各色相に対応した画像データを受け取り、内蔵するメモリに一時的に格納する。その後、MFPコントローラ100は、エンジンコントローラ200から受け取った各色に対応する垂直同期信号VSYNC_K,VSYNC_C,VSYNC_M,VSYNC_Yおよび各色共通の水平同期信号HSYNC_Iに同期させて、メモリに格納された各色画像データを各色毎に4ビットの画像信号VIDEO_K,VIDEO_C,VIDEO_M,VIDEO_Yとしてエンジンコントローラ200に与える。また、MFPコントローラ100は、エンジンコントローラ200を制御するための各種コマンドを含むコマンド信号CMDをエンジンコントローラ200に与える。
【0053】
エンジンコントローラ200は、MFPコントローラ100から受け取ったコマンド信号CMDに含まれる各種コマンドに応じて画像エンジン300を制御し、MFPコントローラ100に共通のクロック信号ECLK_Iと、画像エンジン300の状態等を示すステータス信号STSとを与える。また、エンジンコントローラ200は、画像エンジン300に備えられる図1において前述した用紙端検知センサ17a〜17dからの検知信号を受け取る。エンジンコントローラ200は、これらの検知信号のうち用紙端検知センサ17aからの検知信号を受け取ると同時にアクティブとなるブラックの画像データに対応する垂直同期信号VSYNC_Kを生成し、その後用紙端検知センサ17bからの検知信号を受け取ると同時にアクティブとなるシアンの画像データに対応する垂直同期信号VSYNC_Cを生成し、その後用紙端検知センサ17cからの検知信号を受け取ると同時にアクティブとなるマゼンタの画像データに対応する垂直同期信号VSYNC_Mを生成し、その後用紙端検知センサ17dからの検知信号を受け取ると同時にアクティブとなるイエローの画像データに対応する垂直同期信号VSYNC_Yを生成する。これらの垂直同期信号をマスクする構成については詳しく後述する。
【0054】
なお、上記隣り合う用紙端検知センサに対応する各垂直同期信号がアクティブになる間隔(例えば用紙端検知センサ17aに対応する垂直同期信号VSYNC_Kがアクティブになる時点と、用紙端検知センサ17bに対応する垂直同期信号VSYNC_Cがアクティブになる時点との間隔)は、前述したようなブラック、シアン、マゼンタ、およびイエローの各色相に対応した画像データに基づく4つの光のそれぞれが、露光ユニット1a〜1dにより対応する感光体ドラム3a〜3dの表面に照射され始める時点それぞれの間隔となり、感光体ドラム3a〜3d、転写搬送ベルト7、および各種搬送ローラの回転速度等に関連して装置全体のシステム速度に応じて機構的に定まるものである。
【0055】
<2.1 全体的な機能構成>
図3は、MFPコントローラ100の詳細な機能的構成を示すブロック図である。このMFPコントローラ100は、中央処理装置であるCPU110と、通信部400またはスキャナ部500から受け取った画像データを一時的に格納するともに各種制御プログラムを格納するメモリ120と、エンジンコントローラ200から受け取った垂直同期信号VSYNC_K,VSYNC_C,VSYNC_M,VSYNC_Yに対して所定期間をマスクしたマスク垂直同期信号VSYNC_K_MSK,VSYNC_C_MSK,VSYNC_M_MSK,VSYNC_Y_MSKを出力するマスク制御部140と、これらのマスク垂直同期信号に同期させてメモリ120に格納される画像データをエンジンコントローラへ転送するデータ転送機能を備える画像処理部130と、エンジンコントローラ200と通信を行うエンジン通信制御部150とを備える。
【0056】
画像処理部130は、周知の各種画像処理を行うほか、CPU101の動作とは独立してメモリ120にアクセス可能なDMA(Direct Memory Access)方式のデータ転送を行うデータ転送部として機能するDMAコントローラ131を含む。このDMAコントローラ131は、各色毎の垂直同期信号(ここではマスク垂直同期信号)に同期してメモリ120に格納される画像データを各色毎にエンジンコントローラ200へ転送するので、この垂直同期信号にノイズが含まれるためアクティブ期間であると誤って判断されると、完全にメモリ120に格納されていない画像データを転送したり、誤ったタイミングで転送するといった誤動作を起こしてしまう。本実施形態では、このような誤動作を防止するために上記垂直同期信号にマスクをかけたマスク垂直同期信号を生成し、これに基づきDMAコントローラ131が動作する。このマスク垂直同期信号については後述する。また、DMAコントローラ131からマスク回路141へ与えられる所定のビット列を表すDMAイネーブル信号K_DMA_ENABLE,C_DMA_ENABLE,M_DMA_ENABLE,Y_DMA_ENABLEについても後述する。
【0057】
エンジン通信制御部150は、エンジンコントローラ200へ送信されるべきコマンド信号CMDを一時的に蓄積する送信バッファ151と、エンジンコントローラ200から受信されるステータス信号STSを一時的に蓄積する受信バッファ152とを備える。このようにバッファ、ここでは送信バッファ151によりCPU101により生成された各種コマンドは、通信路の状態やバッファ量などに応じて不定の待機時間を経た後、エンジンコントローラ200に送られることになる。
【0058】
マスク制御部140は、上記垂直同期信号にマスクをかけたマスク垂直同期信号を生成するマスク回路141と、エンジンコントローラ200から受け取ったECLK_Iに含まれるパルス数をカウントすることにより所定の期間を計時するタイマカウンタ142と、エンジン通信制御部150から(送信バッファ151に格納されている信号ではなく)送出されるコマンド信号CMDを受け取りその内容を解析するデコーダ143とを備える。
【0059】
なお、タイマカウンタ142は、独立して時刻を検出する計時を行う構成であってもよい。この構成ではクロック信号ECLK_Iに依存しないので、例えばクロック信号ECLK_Iがノイズによる影響を受けた場合であっても正確に計時することができる。もっとも、この構成ではクロックを生成するための回路が必要となるので、ECLK_Iに基づき計時する上記構成の方が回路構成をより簡単にすることができる。
【0060】
デコーダ143は、予め解析対象となるコマンド(後述するPRINT_STARTコマンドなど)に相当するビット列が格納されており、受け取ったコマンド信号CMDに上記ビット列が含まれているか否かを比較することにより検出する。なお、上記ビット列は、装置外部の図示されない入力装置等から受け取った入力情報に基づき任意のビット列に変更可能な構成であるものとする。そうすれば、コマンドの追加や変更、さらには異なる画像形成装置に搭載される場合にも容易に対応することができる。このような比較回路の構成は周知であるので、詳しい説明は省略する。次に、印刷すべき用紙が1枚である場合について、上記垂直同期信号や各種コマンドの発行時点などの時間的な関係について図4を参照して説明する。
【0061】
<3. 各種信号の時間的な関係>
<3.1 印刷すべき用紙が1枚である場合>
図4は、印刷すべき用紙が1枚である場合における上記垂直同期信号や各種コマンドの発行時点などの時間的な関係を説明するためのタイミングチャートである。図4には、ブラック(K)の画像を形成するための垂直同期信号VSYNC_Kおよび画像信号VIDEO_Kと、シアン(C)の画像を形成するための垂直同期信号VSYNC_Cおよび画像信号VIDEO_Cと、マゼンタ(M)の画像を形成するための垂直同期信号VSYNC_Mおよび画像信号VIDEO_Mと、イエロー(Y)の画像を形成するための垂直同期信号VSYNC_Yおよび画像信号VIDEO_Yとの波形がそれぞれ簡易に示されており、これらとともにCPU110が発行しエンジン通信制御部150(の送信バッファ151)からエンジンコントローラ200へ送信されるコマンド信号CMDに含まれる各種コマンドと、DMAコントローラ131からマスク回路141へ与えられる所定のビット列を表すDMAイネーブル信号K_DMA_ENABLE,C_DMA_ENABLE,M_DMA_ENABLE,Y_DMA_ENABLEとが示されている。以下、これらについて時系列に沿って説明する。
【0062】
まず、上記画像信号は、通信部400またはスキャナ部500からメモリ120に格納されていなければエンジンコントローラ200へ転送できないことから、用紙1枚の各色データであるVIDEOデータ1の準備が完了していることが前提となる。図4では、この時点が「VIDEOデータ1準備完了」と示されている。
【0063】
次に、CPU110は、DMAコントローラ131に対し、まずブラック(K)の画像データを転送可能とするための所定のビット列を与える。具体的には、CPU110は、DMAコントローラ131に内蔵される所定の制御レジスタに対して、予め定められた上記ビット列を格納する。DMAコントローラ131は、制御レジスタに格納されたビット列に応じて、対応するデータ(ここではブラックの画像データ)を転送可能に設定する。同時にこのビット列は、DMAコントローラ131からマスク回路141に所定の信号線を介してブラックに対応するDMAイネーブル信号K_DMA_ENABLE1として与えられる。
【0064】
続いて、CPU110は、DMAコントローラ131に対し、シアン(C)の画像データを転送可能とするための所定のビット列を与え、このビット列に対応するデータ(ここではシアンの画像データ)がDMA転送可能に設定される。同時にこのビット列は、DMAコントローラ131からマスク回路141に上記信号線を介してDMAイネーブル信号C_DMA_ENABLE1として与えられる。
【0065】
引き続き同様に、CPU110によりDMAコントローラ131に対して与えられるマゼンタ(M)の画像データを転送可能とするための所定のビット列がDMAイネーブル信号M_DMA_ENABLE1として上記信号線を介してマスク回路141に与えられ、さらにまたイエロー(Y)の画像データを転送可能とするための所定のビット列がDMAイネーブル信号Y_DMA_ENABLE1として上記信号線を介してマスク回路141に与えられる。
【0066】
次に、CPU110は、エンジンコントローラ200に対して1枚目の用紙を供給するよう指示するコマンドであるPAPER_FEED1を発行し、所定の期間tDが経過後に印刷を開始するよう指示するコマンドであるPRINT_START1を発行する。なお、上記期間tDは装置の構造上定まる最小期間であるものとし、実際には期間tDよりも長い期間が経過する場合がある。
【0067】
続いて、エンジンコントローラ200は、上記PRINT_START1コマンドを受け取ると、画像エンジン300に対して印刷を開始する制御を行い、画像エンジン300の用紙端検知センサ17aから検知信号を受け取ると、ブラック(K)に対応する垂直同期信号VSYNC_Kを一定期間アクティブ(ここではLowレベル)にする。このエンジンコントローラ200により上記PRINT_START1コマンドが受け取られてから垂直同期信号VSYNC_Kがアクティブとなるまでの期間は、装置の構造上定まる最小期間である期間tAであるものとする。なお、実際には期間tAよりも長い期間が経過する場合があることは上記期間tDの場合と同様である。
【0068】
ここで、説明の便宜のためブラック(K)に着目するとき、マスク制御部140のマスク回路141は、前述したようにDMAコントローラ131において垂直同期信号VSYNC_Kにノイズが含まれるためアクティブ期間であると誤って判断されてデータ転送が開始されることを防ぐためには、DMAコントローラ131においてデータ転送が可能となる時点、すなわちDMAイネーブル信号K_DMA_ENABLE1の受け取り時点から、垂直同期信号VSYNC_Kがアクティブとなる時点(立ち下がり時点)までの期間をマスクすればよい。もっとも、垂直同期信号VSYNC_Kがアクティブとなる時点(立ち下がり時点)がマスクされるとデータ転送が開始されなくなるので、このことを確実に防止するため、図4に示されるようにここでは上記立ち下がり時点から所定の余裕時間tαだけ早い時点までがマスクされる。図4にでは、この垂直同期信号VSYNC_Kがマスクされる期間はK_VSYNC_MSK1として示されている。
【0069】
上記マスク動作を実現するため、マスク制御部140のマスク回路141は、上記DMAイネーブル信号K_DMA_ENABLE1を受け取ると直ちにマスク回路141は垂直同期信号VSYNC_Kのマスクを開始するよう構成されている。すなわち、このマスク回路141は、上記DMAイネーブル信号のそれぞれのビット列に対応する垂直同期信号のマスクを、当該ビット列が受け取られることをトリガとして開始されるよう構成されている。
【0070】
その後、デコーダ143は、コマンド信号CMDにPRINT_START1コマンドが含まれているか否かを解析する。そしてデコーダ143により上記コマンドが含まれていると判断された時点で、直ちにタイマカウンタ142は計時を開始する。なお、この計時は前述したようにクロック信号ECLK_Iに同期して行われる。
【0071】
続いてタイマカウンタ142は、マスク期間の終了時点を決定するため、PRINT_START1コマンドが受け取られてから垂直同期信号VSYNC_Kがアクティブとなるまでの最小期間tAから上記余裕時間tαを差し引いた期間を計時する。この計時により上記期間が満了した時点がマスク期間の終了時点となる。このように、マスク回路141は、垂直同期信号VSYNC_Kに対してK_VSYNC_MSK1の期間がマスクされたマスク垂直同期信号VSYNC_K_MSKをDMAコントローラ131に与える。なお、図4において、このマスク垂直同期信号VSYNC_K_MSKは、図示されていないが、垂直同期信号VSYNC_KがK_VSYNC_MSK1の期間中にノイズによりアクティブとなる場合であっても、上記期間中マスクされることによりアクティブとはならない。よって、垂直同期信号VSYNC_Kにノイズが含まれていない場合にはこの垂直同期信号VSYNC_Kと同一の波形となる。
【0072】
DMAコントローラ131は、このマスク垂直同期信号VSYNC_K_MSKに基づき、所定の処理時間の経過後にメモリ120から1枚目のブラックの画像データを呼び出し、この画像データを含むVIDEO_Kをエンジンコントローラ200に与える。なお、この画像データは、図4に示されるK_DMA1の有効区間にデータ転送される。
【0073】
次に、シアン(C)に着目するときも上記と同様に、マスク制御部140のマスク回路141は、DMAコントローラ131においてデータ転送が可能となる時点、すなわちDMAイネーブル信号C_DMA_ENABLE1の受け取り時点から、垂直同期信号VSYNC_Cがアクティブとなる時点(立ち下がり時点)から所定の余裕時間tαだけ早い時点までをマスクすればよい。
【0074】
ここで、前述のようにタンデム方式を使用した本画像形成装置の構成から、同一のページにおける垂直同期信号VSYNC_Kのアクティブ期間(の立ち下がり時点)から垂直同期信号VSYNC_Cのアクティブ期間(の立ち下がり時点)までの間隔は一定であり、この期間を期間tVとする。そうすると、マスク期間の終了時点は、垂直同期信号VSYNC_Kのアクティブ期間(の立ち下がり時点)を基準時点とすると、この基準時点から上記余裕時間αが差し引かれた期間tVに相当する所定の期間tB(=tV−tα)が経過した時点となる。また、上記K_VSYNC_MSK1の期間の終了時点を基準時点とすると、この基準時点は垂直同期信号VSYNC_Kのアクティブ期間(の立ち下がり時点)から余裕時間tαだけ早いので、この基準時点から期間tVが経過した時点がマスク期間の終了時点となる。
【0075】
上記マスク動作を実現するため、マスク制御部140のマスク回路141は、上記垂直同期信号VSYNC_Kに対するマスクの場合と同様、上記DMAイネーブル信号C_DMA_ENABLE1を受け取ると直ちにマスク回路141は垂直同期信号VSYNC_Cのマスクを開始するよう構成されている。
【0076】
その後、タイマカウンタ142は、垂直同期信号VSYNC_K、正確にはノイズが含まれていないマスク垂直同期信号VSYNC_K_MSKのアクティブ期間の立ち下がり時点から期間tB(=tV−tα)が経過した時点までの期間を計時するか、または前述したように計時されたK_VSYNC_MSK1の期間の終了時点からさらに期間tVが経過した時点までの期間を計時する。この計時により上記期間が満了した時点がマスク期間の終了時点となる。このように、マスク回路141は、垂直同期信号VSYNC_Cに対してC_VSYNC_MSK1の期間がマスクされたマスク垂直同期信号VSYNC_C_MSKをDMAコントローラ131に与える。以降、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)に着目した場合も同様に構成され動作することになる。次に、印刷すべき用紙が2枚以上であって装置の最大速度で印刷される場合について説明する。
【0077】
<3.2 印刷すべき用紙が2枚であって最大速度で印刷される場合>
図5は、印刷すべき用紙が2枚であって最大速度で印刷される場合における上記垂直同期信号や各種コマンドの発行時点などの時間的な関係を説明するためのタイミングチャートである。なお、図中の各信号やコマンドは、図4と同様のものには同様の名称を付してその説明を省略する。また、K_DMA2は、2枚目のブラックの画像データを指し、K_VSYNC_MSK2,C_VSYNC_MSK2,M_VSYNC_MSK2は、2枚目の画像データにおけるそれぞれの色に対応する垂直同期信号のマスク期間を指している。
【0078】
ここで、本画像形成装置は、最大速度で1分間(60秒)に30枚を印刷することが可能であるとすると、各用紙の印刷間隔は2秒となる。よって、同一の垂直同期信号のアクティブ期間(の立ち下がり時点)の最小間隔tPは2秒となる。したがって、1枚目の印刷が開始された後、2枚目の画像データであるVIDEOデータ2の準備がほぼ2秒以内に完了すれば本画像形成装置は最大速度で印刷可能となる。もっとも正確には、少なくとも2枚目の用紙を供給するよう指示するPAPER_FEED2コマンドとその印刷開始を指示するPRINT_START2コマンドが発行されるそれぞれの最小期間および所定の余裕時間を考慮する必要があるので、垂直同期信号VSYNC_Kにおける1枚目に対応するアクティブ期間の立ち下がり時点から、上記最小期間等を考慮した期間(tP−tD−tA−tα)が経過するまでにVIDEOデータ2の準備が完了すれば最大速度で印刷可能であるといえる。図5に示されるVIDEOデータ2の準備完了時点は明らかに上記期間(tP−tD−tA−tα)が経過する前にあるので、この場合に最大速度で印刷可能であることがわかる。
【0079】
このように最大速度で印刷可能である場合、2枚目のブラックに対応する垂直同期信号VSYNC_Kに対するマスク期間K_VSYNC_MSK2も、1枚目のマスク期間K_VSYNC_MSK2と同様に決定してもよいが、この場合にはマスク期間K_VSYNC_MSK2の終了時点を簡易な方法でさらに正確に決定することができる。
【0080】
すなわち、最大速度で印刷する場合には、2枚目の用紙を供給するPAPER_FEED2コマンドおよび印刷開始を指示するPRINT_START2コマンドは1枚目の印刷終了後にできるかぎり速やかに発行されるので、結果的に垂直同期信号VSYNC_Yの1枚目に対応するアクティブ期間(の立ち下がり時点)と垂直同期信号VSYNC_Kの2枚目に対応するアクティブ期間(の立ち下がり時点)との間隔tXは、前述のようにタンデム方式を使用した本画像形成装置の構成から一定となる。
【0081】
そうすると、マスク期間の終了時点は、垂直同期信号VSYNC_Yのアクティブ期間(の立ち下がり時点)を基準時点とすると、上記期間tXから上記余裕時間tαを差し引いた所定の期間tC(=tX−tα)が上記基準時点から経過した時点となる。また、上記Y_VSYNC_MSK1の期間の終了時点を基準時点とすると、この基準時点は垂直同期信号VSYNC_Yのアクティブ期間(の立ち下がり時点)から余裕時間tαだけ早いので、この基準時点から期間tXが経過した時点がマスク期間の終了時点となる。このような構成により、期間tAを参照する場合よりも正確にマスク期間の終了時点を決定することができる。
【0082】
上記マスク動作を実現するため、マスク制御部140のマスク回路141は、上述した垂直同期信号VSYNC_Kに対するマスクの場合と同様、上記DMAイネーブル信号K_DMA_ENABLE2を受け取ると直ちにマスク回路141は垂直同期信号VSYNC_Kのマスクを開始するよう構成されている。
【0083】
その後、タイマカウンタ142は、垂直同期信号VSYNC_Y、正確にはノイズが含まれていないマスク垂直同期信号VSYNC_Y_MSKのアクティブ期間の立ち下がり時点から期間tC(=tX−tα)が経過した時点までの期間を計時するか、または前述したように計時されたY_VSYNC_MSK1の期間の終了時点からさらに期間tXが経過した時点までの期間を計時する。この計時により上記期間が満了した時点がマスク期間の終了時点となる。このように、マスク回路141は、垂直同期信号VSYNC_Kに対してK_VSYNC_MSK2の期間がマスクされたマスク垂直同期信号VSYNC_K_MSKをDMAコントローラ131に与える。以降、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)に着目した場合は1枚だけをする場合と同様に動作することになる。最後に、印刷すべき用紙が2枚以上であって装置の最大速度で印刷されない場合について説明する。
【0084】
<3.3 印刷すべき用紙が2枚であって最大速度で印刷されない場合>
図6は、印刷すべき用紙が2枚であって最大速度で印刷されない場合における上記垂直同期信号や各種コマンドの発行時点などの時間的な関係を説明するためのタイミングチャートである。なお、図中の各信号やコマンドは、図4および図5と同様であるのでその説明を省略する。
【0085】
ここで、前述したように垂直同期信号VSYNC_Kにおける1枚目に対応するアクティブ期間の立ち下がり時点から、上記最小期間等を考慮した期間(tP−tD−tA−tα)が経過するまでにVIDEOデータ2の準備が完了すれば最大速度で印刷可能であるといえるが、図6に示されるVIDEOデータ2の準備完了時点は図5と比較すると明らかに上記期間(tP−tD−tA−tα)が経過した後にあるので、この場合には最大速度で印刷が可能でないことがわかる。
【0086】
このように最大速度で印刷が可能でない場合、図6に示されるように、2枚目のブラックに対応する垂直同期信号VSYNC_Kに対するマスク期間K_VSYNC_MSK2も、1枚目のマスク期間K_VSYNC_MSK1と同様に決定されることになる。
【0087】
<4. 効果>
以上のように本実施形態では、マスク回路141は、DMAコントローラ131においてデータ転送が可能となる時点(例えばDMAイネーブル信号K_DMA_ENABLE1の受け取り時点)から、垂直同期信号がアクティブとなる時点(立ち下がり時点)までの期間を余裕時間tαを考慮してマスクするので、このマスク動作によりノイズのみを除去したマスク垂直同期信号をDMAコントローラ131に与えることができ、このことによりDMAコントローラ131において垂直同期信号にノイズが含まれるためアクティブ期間であると誤って判断されてデータ転送が開始されることを未然に防止することができる。
【0088】
<5. 変形例>
上記実施形態では、DMAコントローラ131においてデータ転送が可能となる時点(例えば上記DMAイネーブル信号K_DMA_ENABLE1の受け取り時点)から垂直同期信号をマスクするが、垂直同期信号に含まれるアクティブ期間をマスクすることがない時点、例えばVIDEOデータ1の準備完了時点からマスクを開始してもよい。ただし、DMAコントローラ131においてデータ転送が可能となる時点(例えばK_DMA_ENABLE1の受け取り時点)より後にマスクを開始することは、その開始時点までに垂直同期信号にノイズが混入することによるDMAコントローラ131の誤動作を生じる可能性があるので好ましくない。
【0089】
上記実施形態では、エンジンコントローラ200により上記PRINT_START1コマンドが受け取られてから垂直同期信号VSYNC_Kがアクティブとなるまでの最小期間tAは、固定的であるように記載したが、実際には装置のシステム速度に応じた適宜の長さの期間が設定される。例えば、一般的なカラー画像を印刷するモードではモノクロ画像を印刷するモードよりも低速なシステム速度が設定され、また厚紙に印刷するモードでは普通紙に印刷するモードよりも低速なシステム速度が設定される。そこで、このようなシステム速度の種類(ここでは2種類または4種類)に応じてそれぞれに適した長さの期間が予め設定される。そして、装置がどのモードで印刷を行っているかをタイマカウンタ142やCPU110などが検出して予め設定された複数の期間から印刷モードに対応するシステム速度に適した長さの期間が上記期間tAとして設定される。なお、期間tDなどシステム速度に応じて変化する所定の期間も同様に設定することができる。また、上記印刷モードの検出は、画像データが受け取られる毎にエンジンコントローラ200から印刷モードの情報を受け取ることにより行われてもよい。そうすれば、常にシステム速度に適した長さの期間を上記期間tAとして設定することができる。
【0090】
上記実施形態では、デコーダ143は、エンジンコントローラ200へ送信されるコマンド信号CMDにPRINT_START1コマンドが含まれているか否かを解析し、含まれていると判断された時点で直ちにタイマカウンタ142が計時を開始しマスク期間の終了時点を検出する構成であるが、計時が開始されるためのコマンドはPRINT_START1コマンドに限定されず、エンジンコントローラ200に画像形成を開始させるための開始コマンドであればどのようなものであってもよい。例えばPAPER_FEED1コマンドは、直接的には給紙を指示するコマンドであるが、給紙は画像形成を開始するために不可欠のコマンドであって画像形成を開始させるための開始コマンドとして取り扱うことができる。
【0091】
上記実施形態では、MFPコントローラ100は、垂直同期信号に対して上記のような適宜のマスクを行うデータ処理装置として機能するが、MFPコントローラ100の各機能、例えばメモリ120はMFPコントローラ100の外部に備えられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置であるマルチファンクションプリンタ(MFP)の構造を簡単に示す側面図である。
【図2】上記実施形態における画像形成装置であるマルチファンクションプリンタ(MFP)の機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】上記実施形態におけるMFPコントローラの詳細な機能的構成を示すブロック図である。
【図4】上記実施形態において、印刷すべき用紙が1枚である場合における上記垂直同期信号や各種コマンドの発行時点などの時間的な関係を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】上記実施形態において、印刷すべき用紙が2枚であって最大速度で印刷される場合における上記垂直同期信号や各種コマンドの発行時点などの時間的な関係を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】上記実施形態において、印刷すべき用紙が2枚であって最大速度で印刷されない場合における上記垂直同期信号や各種コマンドの発行時点などの時間的な関係を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0093】
1a〜1d …露光ユニット
2a〜2d …現像装置
3a〜3d …感光体ドラム
7 …転写搬送ベルト
17a〜17d …用紙端検知センサ
100 …MFPコントローラ
110 …CPU
120 …メモリ
130 …画像処理部
131 …コントローラ
140 …マスク制御部
141 …マスク回路
142 …タイマカウンタ
143 …デコーダ
150 …エンジン通信制御部
151 …送信バッファ
152 …受信バッファ
200 …エンジンコントローラ
300 …画像エンジン
400 …通信部
500 …スキャナ部
S …用紙搬送路
tα …余裕時間
CMD …コマンド信号
STS …ステータス信号
ECLK_I…クロック信号
HSYNC_I…水平同期信号
VSYNC_K,VSYNC_C,VSYNC_M,VSYNC_Y…垂直同期信号
VIDEO_K,VIDEO_C,VIDEO_M,VIDEO_Y…画像信号
VSYNC_K_MSK,VSYNC_C_MSK,VSYNC_M_MSK,VSYNC_Y_MSK…マスク垂直同期信号
K_VSYNC_MSK1,C_VSYNC_MSK1,M_VSYNC_MSK1,Y_VSYNC_MSK1…マスク期間
K_DATA_ENABLE1,C_DATA_ENABLE1,M_DATA_ENABLE1,Y_DATA_ENABLE1…DMAイネーブル信号
PAPER_FEED1,PRINT_START1…コマンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の画像を形成するための画像データおよび当該画像データと同期を取るための垂直同期信号を受け取り、前記画像データに基づき所定の用紙上に前記画像を形成する画像形成機構を制御する画像形成制御部に対して前記垂直同期信号に応じて前記画像データを与えるデータ処理装置であって、
前記画像の形成を開始させるための開始コマンドを含むコマンド信号を前記画像形成制御部へ送出するコマンド通信制御部と、
前記コマンド通信制御部から前記画像形成制御部へ送出された前記コマンド信号を同時に受け取り、受け取られた前記コマンド信号に前記開始コマンドが含まれているか否かを解析するデコーダと、
前記デコーダにより前記開始コマンドが含まれていると解析された時点から所定の期間を計時することにより得られる終了時点を検出する計時部と、
前記画像データが受け取られた後の所定の開始時点から、前記計時部により検出された前記終了時点までの期間中、前記垂直同期信号をマスクするマスク制御部と、
前記画像データを一時的に格納する記憶部と、
前記マスク制御部によりマスクされた垂直同期信号に同期して、前記画像データを前記記憶部から取り出し前記画像形成制御部に与えるデータ転送部と
を備えることを特徴とする、データ処理装置。
【請求項2】
前記マスク制御部は、前記データ転送部により前記画像形成制御部に前記画像データを与えることが可能になる時点を前記開始時点として、前記垂直同期信号をマスクすることを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記画像データは、前記用紙上に形成されるカラー画像に対応する複数の画像データであって、前記画像形成制御部に最初に与えられるべき第1の画像データと、前記第1の画像データの次に与えられる第2の画像データとを少なくとも含み、
前記垂直同期信号は、前記第1の画像データと同期を取るための第1のアクティブ期間を含む第1の垂直同期信号と、前記第2の画像データと同期を取るための第2のアクティブ期間を含む第2の垂直同期信号とを少なくとも含み、
前記マスク制御部は、
前記画像形成制御部に前記第1の画像データを与えることが可能になる開始時点から前記第1の画像データに関連する前記終了時点までの期間中、前記第1の垂直同期信号をマスクし、
前記画像形成制御部に前記第2の画像データを与えることが可能になる開始時点から、前記第1のアクティブ期間を起点に前記第1のアクティブ期間と前記第2のアクティブ期間との間隔に相当する所定の期間が経過する時点までの期間中、前記第2の垂直同期信号をマスクすることを特徴とする、請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記画像データは、最初の画像が形成される最初の用紙の次の用紙上に形成される次の画像に対応する複数の画像データのうち前記画像形成制御部に最初に与えられるべき第3の画像データと、前記最初の画像に対応する複数の画像データのうち前記画像形成制御部に最後に与えられるべき第4の画像データとを少なくとも含み、
前記垂直同期信号は、前記第3の画像データと同期を取るための第3のアクティブ期間を含む第1の垂直同期信号と、前記第4の画像データと同期を取るための第4のアクティブ期間を含む第4の垂直同期信号とを少なくとも含み、
前記マスク制御部は、前記画像形成制御部に前記第3の画像データを与えることが可能になる前記開始時点から、前記第3のアクティブ期間を起点に前記第3のアクティブ期間と前記第4のアクティブ期間との間隔に相当する所定の期間が経過する時点までのマスク期間中、前記第1の垂直同期信号をマスクすることを特徴とする、請求項3に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記コマンド信号は、前記画像形成制御部に用紙を給紙させるための給紙コマンドをさらに含み、
前記マスク制御部は、前記第1のアクティブ期間と前記第3のアクティブ期間との間隔から、前記給紙コマンドおよび前記開始コマンドの送信間隔と、前記計時部により計時される前記期間とを差し引いた期間が前記第1のアクティブ期間の開始時点から経過するまでに、前記画像形成制御部に前記第3の画像データを与えることが可能になる前記開始時点が到来する場合には、前記マスク期間中、前記第1の垂直同期信号をマスクすることを特徴とする、請求項4に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記計時部は、所定の余裕時間が差し引かれた期間を計時することにより得られる終了時点を検出することを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記計時部は、前記画像形成制御部により前記画像形成機構に対して所定の複数の画像形成速度のうちの1つが設定される場合、前記複数の画像形成速度に応じた長さが定められる複数の期間のうち、設定される画像形成速度に応じた長さの期間を前記所定の期間として計時することを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記計時部は、前記画像データが受け取られる毎に、前記画像形成制御部から前記画像形成速度を示す情報を受け取り、受け取られた情報に示される画像形成速度に応じた長さの期間を前記所定の期間として計時することを特徴とする、請求項7に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記計時部は、時刻を検出可能なタイマにより計時することを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記計時部は、外部から与えられる所定のクロック信号のパルス数をカウントすることにより計時することを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項11】
前記デコーダは、解析されるべき前記開始コマンドに相当するデータを変更可能であることを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載のデータ処理装置と、
前記画像形成機構と、
前記画像形成機構を制御する画像形成制御部と
を備える、画像形成装置。
【請求項13】
所定の画像を形成するための画像データおよび当該画像データと同期を取るための垂直同期信号を受け取り、前記画像データに基づき所定の用紙上に前記画像を形成する画像形成機構を制御する画像形成制御部に対して前記垂直同期信号に応じて前記画像データを与えるデータ処理方法であって、
前記画像の形成を開始させるための開始コマンドを含むコマンド信号を前記画像形成制御部へ送出するコマンド通信制御ステップと、
前記コマンド通信制御ステップにおいて前記画像形成制御部へ送出された前記コマンド信号を同時に受け取り、受け取られた前記コマンド信号に前記開始コマンドが含まれているか否かを解析するデコードステップと、
前記デコードステップにおいて前記開始コマンドが含まれていると解析された時点から所定の期間を計時することにより得られる終了時点を検出する計時ステップと、
前記画像データが受け取られた後の所定の開始時点から、前記計時ステップにおいて検出された前記終了時点までの期間中、前記垂直同期信号をマスクするマスク制御ステップと、
前記画像データを一時的に格納する記憶ステップと、
前記マスク制御ステップにおいてマスクされた垂直同期信号に同期して、前記記憶ステップにおいて格納された前記画像データを前記画像形成制御部に与えるデータ転送部と
を備えることを特徴とする、データ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−316391(P2007−316391A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−146474(P2006−146474)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】