説明

データ配信ネットワークを介して通信信号をルーティングするためのシステム及び方法

乗物情報システムのための配信システム及びその製造方法と使用方法。配信システムは、1つ以上の動的ルーティングシステムを介してシステムリソースにおけるハイバンド幅をサポートする。高速度切替えシステムを介して接続された複数の通信ポートを具備しており、各ルーティングシステムは、入力通信ポートを介して受信した入力通信信号を明白に分割している。それにより、信号バンド幅に影響を与えることなく、複数の出力通信ポートに入力通信を提供することができる。バイパスシステムを各ルーティングシステムに設けることにより、配信システムは、配信システムが故障したときでも、システムリソースにおける通信が維持されるように、1つ以上の高速度切替えシステムを同様にバイパスすることができる。その結果、乗物に搭乗した乗客は、サービスが邪魔されること無く、そして無用な移動遅滞を起こすことなく、移動中に視聴コンテンツに高速度でアクセスして楽しむことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的にデータ配信ネットワークに関し、特に、限定するものではないが、乗車して移動するプラットフォームに設けられた乗客娯楽システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車及び航空機といった乗物には、移動中の娯楽及び他の情報コンテンツに対する乗客の要望を満たすために、乗物情報システム、例えば乗客娯楽システムを提供しているものが多い。
【0003】
従来の乗物情報システムは、典型的には、視聴コンテンツを提供するための、オーバーヘッド客室表示システムやシートバック表示システムといったビデオ表示システム、オーバーヘッドスピーカシステムやヘッドホーンといったオーディオ提供システムを含むものである。また、それぞれの制御は、提供される視聴コンテンツを選別するために乗客シートに設けることができる。視聴コンテンツは、オーディオ及びビデオマテリアルを含んでおり、種々のコンテンツソースから取り出すことができる。例えば、映画及び音楽といった、予め記録された視聴コンテンツを、乗物内に設置した内部ソース、例えばオーディオ及びビデオプレーヤにより供給できる。従来の乗物情報システムについても同様に、1つ以上の外部コンテンツ提供者(またはソース)から伝送された、視聴コンテンツ、例えば生テレビ番組を受信するためのアンテナ及び受信機を含むことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、そのような従来の乗物情報システムには多数の不利な点がある。図1に転じると、例えば、例示的な乗物情報システム100は、少なくとも1つのコンテンツソース110、及び複数の乗客インターフェース120を有するように示されており、乗客インターフェース120は配信システム(またはネットワーク)130を介して通信するよう構成されている。配信システム130は、コンテンツソース110と乗客インターフェース120とを接続するための少なくとも1つの通信接続(またはバス)、並びに1つ以上の受動的な分配(または切替え)システム150を含む。各分配システム150は、通信接続140を複数の分割通信サブ接続、例えば第1と第2の通信接続140A,140Bに分割するよう構成されている。言い換えれば、各分配システム150は、通信接続140を具備する個々の通信ラインを2つの通信ライングループに分けている。第1の通信接続140Aは1つのグループの中にそれらの通信ラインを含んでいるのに対して、他のグループの通信ラインは第2の通信接続140Bを形成している。
【0005】
図1に示されているように、分配システム150は、入力(または共通)通信ポート152、及び複数の出力ポート154を含む。入力通信ポート152は選択されたコンテンツソース110と接続するよう構成されているのに対して、各出力ポート154は1つ以上の協働する乗客インターフェースシステム120と接続するよう構成されている。図1の分配システム150は、第1の通信接続140Aのそれぞれを第1の出力ポート154Aにルーティングするように、そして第2の通信接続140Bのそれぞれを第2の出力ポート154Bにルーティングするように、示されている。乗客インターフェースシステム120は分配システム150により選択されたコンテンツソース110と通信しているため、図1の乗客インターフェースシステム120A,120Bは、第1及び第2の通信接続140A,140Bのそれぞれを介して選択されたコンテンツソース110と通信する。したがって、各乗客シートでの周波数帯域の能力が低減されるように、各乗客インターフェースシステム120はほんの少しの通信接続140だけを介して選択されたコンテンツソース110と通信するよう制限される。
【0006】
上記の観点において、現在利用できる乗物情報システムにおける前述した問題及び欠陥を解決した改良された乗物情報システムが必要とされている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
現在利用可能な乗物情報システムにおいてはコンテンツソースと乗客インターフェースシステムとの間を低減されたバンド幅通信で提供されているので、ハイバンド通信をサポートする乗物情報システムの配信システムは、望ましいことを証明することができ、システムアプリケーションの広い範囲、例えば、航空機及びその他の乗物で使用する乗客娯楽システムにおいて、基礎を提供することができるものである。この結果は、ここに開示した一実施例に従って、図2に示すように配信システム230を用いることにより、達成することができる。
【0008】
図2に転じると、情報システム200が示されており、複数の従来のシステムリソース210、例えば、限定するものではないが、1つ以上のサーバシステム、ワークステーション、大容量記憶システム、及び/又は印刷システム、における通信信号を配信するための配信システム230を含んでいる。配信システム230は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、キャンパスエリアネットワーク(CAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、及び/又は無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、などあらゆる種類のものが含まれる従来の有線及び/又は無線の通信ネットワークとして提供される。例示的な配信システム230としては、2005年5月6日に出願されたシリアル番号が11/123,327、発明の名称が「移動プラットフォーム上でコンテンツを管理するためのシステム及び方法(SYSTEM AND METHOD FOR MANAGING CONTENT ON MOBILE PLATFORMS)」である、同時係属の米国特許出願において述べられており、この出願は本願の出願人に譲渡されており、その明細書の内容はその全ては参照としてここに完全に組み込まれる。好ましくは、高いデータ転送速度をサポートするように構成されており、配信システム230は、高速度イーサネットネットワーク、例えば、高速イーサネット(例えば、100Base-X、及び/または100Base-T)通信ネットワーク、及び/又はギガビット(例えば、1000Base-X、及び/又は1000Base-T)イーサネット通信ネットワークを具備することができ、そして少なくとも約100メガビット/秒(100Mbps)の代表的なデータ転送速度を有する1つ以上の通信接続(又はバス)240を含むことができる。
【0009】
配信システム230は、適切などのような形態、プロトコル、及び/又はアーキテクチャでも同様に提供されることができる。システムリソース290の幾何学的な配置を具備しており、共通のネットワーク形態はメッシュ型、スター型、バス型、リング型、及びデージーチェイン型のネットワーク形態を含んでいる。配信システム230の形態は、複数の共通ネットワーク形態の混成、例えばネットワークツリー形態を同様に具備することができる。ネットワークプロトコルは、規則と信号の共通の設定を定めており、それらの規則と信号によりシステムリソース290が配信システム230を介して通信できる。ネットワークプロトコルの例示的な形式としては、イーサネット(登録商標)及びトークンリング型ネットワークプロトコルを含んでおり、ピアツーピア及びクライアント/サーバネットワークアーキテクチャは典型的なネットワークアーキテクチャの例示である。上記のネットワークシステム形式、形態、プロトコル、及びアーキテクチャは、単なる典型例であり、全てを網羅するものではないことは理解されるであろう。
【0010】
図2に示されているように、配信システム230には、好都合に、システムリソース210におけるハイバンド幅通信をサポートするための少なくとも1つのルーティングシステム400を含んでいる。各ルーティングシステム400としては、ルーティング(又は切替え)システムの従来の如何なる形式でも提供することができ、そして好ましくは高速度ルーティングシステムを具備するものである。もし、ギガビット(例えば、1000Base-X、及び/又は1000Base-T)イーサネット規格に従った通信をサポートするように構成されているならば、例えば、ルーティングシステム400は、各システムリソース210と、10、100、1000のメガビット/秒(10/100/1000 Mbps)を含む適切な通信データ速度、及び/又は例えば半2重モード及び/又は全2重モードといった2重モードに取り決めることができる。有線通信を各システムリソース210でその物理的な範囲内で好ましくサポートされており、ルーティングシステム400は、配信システム230に関する前述の方法のシステムリソース210で有線及び/又は無線の通信をサポートするように構成することができる。例えば、ルーティングシステム400は、1つ以上の銅体接続、及び/又は光ファイバー接続を介してシステムリソース210との有線通信をサポートすることができる。光ファイバー接続は、必要に応じて、トランクに入れることができる。
【0011】
ルーティングシステム400は、少なくとも1つの入力(又は共通)通信ポート412及び2つ以上の出力通信ポート414を含む複数の通信ポート410を有するよう例示されている。通信ポート410は、明確にするため、入力通信ポート412及び出力通信ポート414を具備するように、ここでは例示するが、ルーティングシステム400の、入力通信ポート412及び出力通信ポート414を含む、各通信ポート410は通信信号300の単方向性通信及び/又は双方向性通信をサポートするように構成されることが理解されるであろう。言い換えると、ルーティングシステム400は、限定することなく、各入力通信ポート412を介して通信信号300を伝送し、及び/又は受信することが可能であり、そして各出力通信ポート414を介して通信信号300を伝送し、及び/又は受信することが可能である。さらに、例示だけのために、1つの入力通信ポート412及び2つの出力通信ポート414を有するように図2に示して説明しているが、ルーティングシステム400は、必要に応じて、如何なる適切な数の入力通信ポート412でも、及び如何なる好適な数の出力通信ポート414でも含めることができる。
【0012】
ルーティングシステム400の各通信ポート410は、選択されたシステムリソース210と直接的に接続するよう、及び/又は1つ以上の中間のシステムリソース210、例えばファイアウォール及び/又は変換システムを介して、選択されたシステムリソース210と間接的に接続するよう構成することができる。図2に示されているように、通信ポート410は、中間通信接続(又はバス)240を介して選択されたシステムリソース210と接続され、交信する。通信接続240は、予め決められた数の個々の通信接続(又はライン)を具備している。代表的には8個の個々の通信接続を具備しており、通信接続240は、上記で詳細に述べた方法において高速度通信接続として好ましく備えられた如何なる好適な数の個々の通信接続を含むことができる。
【0013】
ルーティングシステム400の入力通信ポート412に転じると、例えば、入力通信ポート412は、共通の通信接続242を介して共通のシステムリソース210Cと接続し、交信するよう構成されているように示されている。通信接続242は、共通の通信信号310を共通のシステムリソース210Cとルーティングシステム400との間で交換されることを可能としている。同様に、ルーティングシステム400の各出力通信ポート414は、出力通信接続244を介して出力通信信号320を交換するために、選択されたシステムリソース210に接続され、交信することができる。図2のルーティングシステム400は、第1の出力通信ポート414A及び第2の出力通信ポート414Bを含む。ルーティングシステム400の第1の出力通信ポート414Aは、第1の出力通信接続244Aを介して第1のシステムリソース210Aと通信できるのに対して、第2の出力通信ポート414Bは、第2の出力通信接続244Bを介して第2のシステムリソース210Bと通信できる。それにより、ルーティングシステム400は、第1の出力通信信号320Aを第1のシステムリソース210Aで交換することができ、第2の出力通信信号320Bを第2のシステムリソース210Bで交換することができる。
【0014】
それにより、ルーティングシステム400はシステムリソース210において通信信号300を交換するよう構成することができる。例えば、ルーティングシステム400は、共通のシステムリソース210Cからの選択された共通の通信信号310を受信することができ、そして選択された共通の通信信号310を、第1の出力通信信号320Aとして第1のシステムリソース210Aに供給することができ、及び/又は第2の出力通信信号320Bとして第2のシステムリソース210Bに供給することができる。第1のシステムリソース210Aからの選択された第1の出力通信信号320Aは、ルーティングシステム400により受信することができ、そして共通の通信信号310として共通のシステムリソース210Cに供給することができる。同様に、ルーティングシステム400は第2のシステムリソース210Bからの選択された第2の出力通信信号320Bを受信することができ、そして共通の通信信号310として共通のシステムリソース210Cに選択された第2の出力通信信号320Bを供給することができる。必要に応じて、選択された第1及び第2の出力通信信号320A,320Bを、ルーティングシステム400を介して第1のシステムリソース210Aと第2のシステムリソース210Bとの間で交換することが可能である。
【0015】
上記のように、各通信接続240は、予め決められた数の個々の通信接続(又はライン)を具備している。ルーティングシステム400は、好都合に共通の通信接続242と出力通信接続244が同一の数の個々の通信接続(又はライン)を持つようにできる。別の言い方をすると、共通の通信接続242のための予め決められた通信(又はデータ)幅は、出力通信接続244のための予め決められた通信(又はデータ)幅と略等しい。そのため、システムリソース210A,210Bのそれぞれは、共通の通信接続242を具備する個々の通信接続(又はライン)の数と同じ数の個々の通信接続(又はライン)を含む出力通信接続244A,244Bを介して共通のシステムリソース210Cと通信することができる。その結果、共通の通信接続242と各通信接続244のバンド幅は、実質的に同一である。そのため、バンド幅に影響を与えることなく、複数のシステムリソース210が高速度通信信号300を交換することができるように、ルーティングシステム400は、複数の出力通信接続244を提供するために共通の通信接続242を明白に分割することができる。
【0016】
ルーティングシステム400の好ましい実施例を図3に示す。図2に関連する前述の方法のルーティングシステム400は、通信接続242を介して共通の通信信号310を共通のシステムリソース210C(図2に示す)で交換するための少なくとも1つの入力(又は共通の)通信ポート412及び、複数の出力通信接続244A−Nを介して出力通信信号320A−Nを複数のシステムリソース210A−N(図2に示す)でそれぞれを交換するための複数の出力通信ポート414A−Nを含む。図3に示すように、ルーティングシステム400は、制御システム440の制御により作動する動的切替えシステム430を含む動的ルーティングシステムを具備することが可能である。切替えシステム430は、従来のルーティング(又は切替え)システムの如何なる形式でも提供することが可能であり、好ましくは、図2のルーティングシステム400に関して前述した方法の高速度切替えシステムを具備する。もし、ギガビット(例えば、1000Base-X、及び/又は1000Base-T)イーサネット規格に従った通信をサポートするように構成されているならば、例えば、切替えシステム430を高速度イーサネット切替えシステムとして提供することができる。
【0017】
切替えシステム430は、ルーティングシステム400の入力通信ポート412と出力通信ポート414A−Nとの実質的な間、及びこれらと通信するよう配置されている。必要に応じて、切替えシステム430は、入力通信ポート412と、及び/又は出力通信ポート414A−Nの少なくとも1つと直接的に接続できる。図3に示されているように、切替えシステム430は、同様に入力通信ポート412と、及び/又は出力通信ポート414A−Nの少なくとも1つと間接的に接続できる。例えば、図3の切替えシステム430は、第1のトランシーバシステム450を介して入力通信ポート412と接続するように示されているのに対して、第2のトランシーバシステム460は、切替えシステム430と出力通信ポート414A−Nとに接続できる。例えば従来の高速度イーサネットトランシーバシステムのような従来のトランシーバシステムが提供されていれば、トランシーバシステム450,460は、切替えシステム430と一体化でき、及び/又は図3に示す切替えシステム430から分離することができる。
【0018】
切替えシステム430は、制御システム440の制御下で動作する。従来の制御システムが提供されていれば、制御システム440としては、適切な数量で形式の従来の処理システム(図示なし)、例えば1つ以上のマイクロプロセッサ(μPs)、中央処理装置(CPUs)、及び/又はディジタル信号処理装置(DSPs)を具備することができる。制御システム440は、同様に、命令コードを含む情報の他の従来の形式を記憶し、そして提供するためのメモリシステムを含むことができ、命令コードとしては、例えばソフトウェアやファームウェア、中間計算結果、及び処理システムと協動する他の情報である。メモリシステムとしては、従来の如何なる形式のメモリを具備することも可能であり、例えば、限定するものではないが、適切な電子、磁気、及び/又は光の記録媒体である。典型的な記録媒体としては、如何なる種類の、1つ以上のスタティック読み書き可能なメモリ(SRAMs)、ダイナミック読み書き可能なメモリ(DRAMs)、シンクロナス読み書き可能なメモリ(SDRAMs)、電気的消去プログラム可能読取り専用メモリ(EEPROMs)、フラッシュメモリ、ハードディスク(HDDs)、コンパクトディスク(CDs)、及び/又はディジタルビデオディスク(DVDs)も含むことができる。
【0019】
ギガビット(例えば、1000Base-X、及び/又は1000Base-T)イーサネット規格に従った通信をサポートするよう構成されているならば、制御システム440は、切替えシステム430を構成するためのイーサネットMAC(図示なし)を含むことができる。切替えコントローラ(図示なし)は、同様に制御システム440の中に含めることが可能であり、そして少なくとも1つのトランシーバシステム450,460を構成するために使用することができる。それにより、制御システム440は、予め決められた方法において選択された通信ポート412,414A−Nを接続するように、切替えシステム430及び/又はトランシーバシステム450,460を構成することができる。そのため、制御システム440は、通信信号310,320A−Nが選択された通信ポート412,414A−Nにおいて交換を確実なものとすることができる。
【0020】
図4A−Bに転じると、ルーティングシステム400は、好ましくは動的切替えシステム430を少なくとも部分的にバイパスするための少なくとも1つのバイパスシステム470,480を含む。バイパスシステム470,480は、切替えシステム430が故障した場合でさえ、ルーティングシステム400が選択された通信ポート412,414A−Nにおいて通信信号310,320A−Nの交換をサポートするように好都合に行うものである。言い換えると、バイパスシステム470,480は、信頼性のある通信を確保するために、余分なソースをルーティングシステム400に提供している。バイパスシステム470,480は、図3に関して上記でさらに詳細に説明した方法の制御システム440の制御下において動作することができる。切替えシステム430が通常の動作モードにある時にはシステム動作は明白であり、もし切替えシステム430が故障モード、例えば(図5に示されているように)ルーティングシステムパワー498が消失した場合、バイパスシステム470,480のそれぞれは、選択された通信ポート412,414A−Nを自動的に作動して接続するように好ましくバイアスされる。
【0021】
バイパスシステム470,480は、入力通信ポート412の共通通信信号310と少なくとも1つの出力通信ポート414A−Nの出力通信信号320A−Nとの交換、及び2つ以上の出力通信ポート414A−Nの中の出力通信信号320A−Nの交換をサポートすることができる。例えば、図4Aに示されているように、バイパスシステム470は入力通信ポート412と出力通信ポート414Aとを選択的に接続するように構成されているのに対して、出力通信ポート414I,414Jはバイパスシステム480を介して選択的に接続され得る。それにより、もし、切替えシステム430が故障した場合、バイパスシステム470は、入力通信ポート412と出力通信ポート414Aとの間の通信信号310,320Aの交換をサポートするように作動することができる。バイパスシステム480は、同様に、切替えシステム430が故障した場合、出力通信ポート414I,414Jの間の出力通信信号320I,320Jの交換をサポートするように作動することができる。例示だけの目的で、通信ポート412,414A−Nのペアをそれぞれが選択的に接続する2つのバイパスシステム470,480を具備しているように図4A−Bを示して説明したが、如何なる適切な数量の通信ポート412,414A−Nにおける通信信号310,320A−Nの交換をサポートするようにそれぞれが構成された如何なる適切な数量のバイパスシステム470,480でも、ルーティングシステム400には、含めることができる。
【0022】
図4Bは、バイパスシステム470,480の好ましい1実施例である。図4Bに示されているように、バイパスシステム470,480のそれぞれは、切替えシステムとして提供され得る。バイパスシステム470,480のそれぞれは、あらゆる従来形式の切替えシステム、例えば電気機械式切替えシステム及び/又は電子式切替えシステムを具備することができ、そして電気的接触の如何なる適切な配置(又は構成)でも提供され得る。切替えシステム430が故障した場合でも、ルーティングシステム400のための動作の連続性を確保するために、バイパスシステム470,480のそれぞれは、好ましくは電気的リレーシステムを具備する。それにより、バイパスシステム470,480は、図4Aに関して上記で説明した方法の選択された通信ポート412,414A−Nにおける通信信号310,320A−Nの交換のためのサポートを提供するように瞬時に作動することができる。
【0023】
図4Bに表されているように、典型的なバイパスシステム470としては、2極/双投式(DPDT)接点構成により電子的リレーシステムとして提供されることができる。従来のリレーシステムを具備すれば、図4Bのバイパスシステム470の一方の極470は、第1の接点端子472A又は第2の接点端子472Bのいずれかと係合するように制御される共通ワイパー端子472Cを含む。共通ワイパー端子472Cは、ルーティングシステム400の入力通信ポート412と接続されるように示されているのに対して、第1の接点端子472Aはトランシーバシステム450と接続される。言い換えれば、バイパスシステム470の極472は、入力通信ポート412とトランシーバシステム450との間に実質的に配置されている。バイパスシステム470の他の極474は、同じように、第1の接点端子474A又は第2の接点端子474Bのいずれかと係合するように制御される共通ワイパー端子474Cを含む。バイパスシステム470の極474が出力通信ポート414Aとトランシーバシステム460との間に実質的に配置されるように、共通ワイパー端子474Cと第1の接点端子472Aは、出力共通ポート414Aとトランシーバシステム460をそれぞれ接続するように示されている。第2の接点端子472B,474Bは、同様に接続される。
【0024】
切替えシステム430が通常動作モードにあるとき、バイパスシステム470の極472は出力通信ポート414Aをトランシーバシステム460と接続する。入力通信ポート412と出力通信ポート414Aは、上記で説明した方法の切替えシステム430を介して通信信号310,320Aを交換する。しかしながら、切替えシステム430が故障モードに入ったとき、バイパスシステム470は、極472の第2の接点端子472Bと係合するように共通ワイパー端子472Cを瞬時に切替えるように、そして極474の第2の接点端子474Bと係合するように共通ワイパー端子474Cを切替えるように素早く作動する。第2の接点端子472B,474Bは接続されているので、入力通信ポート412と出力通信ポート414Aは、故障した切替えシステム430をバイパスし、通信において如何なる重大な中断を起こすことなく、接続された第2の接点端子472B,474Bを介して通信信号310,320Aの変換を継続する。
【0025】
典型的なバイパスシステム480としては、典型的なバイパスシステム470に関して上記で説明した方法の2極/双投式(DPDT)接点構成により同様に電子的リレーシステムとして提供することができる。バイパスシステム480は、第1の接点端子482A又は第2の接点端子482Bのいずれかと係合するように制御され得る共通ワイパー端子482Cを伴う一方の極482を有する従来のリレーシステムを具備することができる。共通ワイパー端子482Cは、ルーティングシステム400の第1の出力通信ポート414Iと接続するように示されているのに対して、第1の接点端子482Aはトランシーバシステム460と接続している。同様に、バイパスシステム480の他方の極484は、第1の接点端子484A又は第2の接点端子484Bのいずれかと係合するように制御され得る共通ワイパー端子484Cを含む。共通ワイパー端子484C及び第1の接点端子482Aは、第2の出力通信ポート414J及びトランシーバシステム460とそれぞれに接続されるように示されている。第2の接点端子482B,484Bは同様に接続されている。
【0026】
上記で説明した方法において、バイパスシステム480の極482は、第1の出力通信ポート414Iとトランシーバシステム460との間に実質的に配置されており、極484は第2の出力通信ポート414Jとトランシーバシステム460との間に実質的に配置されている。別の言い方をすると、バイパスシステム480は、出力通信ポート414I,414Jとトランシーバシステム460との間に実質的に配置されている。そのため、切替えシステム430が通常動作モードにあるとき、第1の出力通信ポート414Iとトランシーバシステム460は、バイパスシステム480の極482を介して接続されており、第2の出力通信ポート414Jとトランシーバシステム460は極484を介して接続されている。そのため、出力通信ポート414I,414Jは、上記で説明した方法の切替えシステム430を介して出力通信信号320I,320Jを交換することができる。
【0027】
もし切替えシステム430が故障モードの場合には、バイパスシステム480が直ぐに作動する。そのため、バイパスシステム480は、共通ワイパー端子482Cを極482の第2の接点端子482Bと係合するように、そして共通ワイパー端子484Cを極484の第2の接点端子484Bと係合するように瞬時に切替える。第2の接点端子482B,484Bが接続されているので、出力通信ポート414I,414Jは同様に接続される。そのため、出力通信ポート414I,414Jが、通信において如何なる重大な中断を起こすことなく、接続された第2の接点端子482B,484Bを介して出力通信信号320I,320Jの交換を継続できるように、バイパスシステム480は、故障の切替えシステム430をバイパスすることが可能となる。
【0028】
一方、及び/又は追加して、ルーティングシステム400は、(図2に示されている)複数のシステムリソース210に電力を分配するための電力システム490を含むことができる。図5に転じると、例えば、電力システム490は、2つ以上の入力電力ポート416及び少なくとも1つの電力出力ポート418を含む複数の電力ポートを有するように示されている。電力システム490は、如何なる適切な数の入力電力ポート416も含むことができ、それぞれは関連する入力電力接続246を介して選択されたシステムリソース210から入力電力信号330を受信するよう構成されている。図5に示されているように、電力システム490は、入力電力通信接続246A−Mを介してM選択されたシステムリソース210から入力電力信号330A−Mを受信するための入力電力ポート416A−Mを含むことができる。好ましくは、実質的に同一の入力電力信号を具備していれば、入力電力信号330A−Mは、必要に応じて、直流(DC)電圧及び/又は交流(AC)電圧を含む、適切な電圧レベル、及び/又は電流レベルを提供できる。
【0029】
電力システム490は、電力出力ポート418を介して少なくとも1つの出力電圧信号340を提供するように適切な方法において入力電力信号330A−Mを処理することができる。各出力電圧信号340は、電力システム490から出力電圧信号340を受信する如何なるシステムリソース210にとっても適切な、直流(DC)電圧及び/又は交流(AC)電圧を含む如何なる電圧レベル及び/又は電流レベルでも提供され得る。電力システム490の電力出力ポート418は、出力電力通信接続248を介して1つ以上のシステムリソース210に出力電圧信号340を供給することができる。必要に応じて、電力システム490は、同様に、図5に表されているように、ルーティングシステム400の、切替えシステム430、制御システム440、トランシーバシステム450,460及び/又は(図4A−Bに示されている)バイパスシステム470,480を含む、各種ルーティングシステムコンポネントのための1つ以上の内部電圧、例えばルーティングシステム電力498を提供するよう構成されている。
【0030】
図5に示されているように、電力システム490は、入力電力信号330A−Mを受信し、ルーティングシステム電力498及び/又は出力電圧信号340を供給するための電力変換システム492を含むことができる。電力変換システム492は、あらゆる種類の従来の電力変換システム、例えば電圧調整システム492及び/又はDC−DC変換システムを含むことができる。好ましくは、電力変換システム492は、電力変換サブシステムの1つが故障したときでさえ、電力変換システム492がルーティングシステム電力498及び/又は出力電圧信号340を確実に供給できるように、余分な複数の電力変換サブシステム(図示なし)として設けられる。同様に、電力システム490が複数の選択されたシステムリソース210からの入力電力信号330を受信するため、電力システム490の信頼性は更に確保される、なぜなら電力システム490は、選択されたシステムリソース210の1つが故障したときでさえ、ルーティングシステム電力498及び/又は出力信号340の提供を継続することができるためである。
【0031】
電力変換システム492は、必要に応じて、入力電力ポート416及び/又は電力出力ポート418に直接的に、及び/又は間接的に接続できる。図5に表されているように、例えば、電力変換システム492は、入力電力接続/保護システム494を介して入力電力ポート416に接続できるのに対して、出力電力接続/保護システム494は電力変換システム492と電力出力ポート418とを接続することができる。複数の選択されたシステムリソース210からの入力電力信号330を受信しており、入力電力接続/保護システム494は、電力変換システム492のために適切な入力電力信号330を単一の入力電力信号に組み込むことができる。入力電力接続/保護システム494は、同様に、従来の入力電圧保護、例えば過電圧保護を提供することができる。例えば、入力電力接続/保護システム494には、1つの選択されたシステムリソース210の入力電力信号330を、他の選択されたシステムリソース210にフィードバックされるのを禁止するためのフィードバック保護回路、例えばダイオードアレイを含むことができる。
【0032】
同様に、入力電力接続/保護システム494は、電力変換システム492の余分な電力変換サブシステムのそれぞれにより供給された個々の出力電圧を受け取ることができ、そして他のシステムリソース210に供給するために適切な出力電圧信号340を形成するように個々の出力電圧を組み合わせることができる。入力電力接続/保護システム494に関して上記で説明した方法の入力電力接続/保護システム494は、従来の出力電圧保護、例えば過電圧保護を提供することができる。入力電力接続/保護システム494は、余分な電力変換サブシステムの1つからの個々の出力電圧を、電力変換システム492の他の余分な電力変換サブシステムにフィードバックされるのを禁止するためのフィードバック保護回路を含むことができる。入力電力接続/保護システム494は、同様に、出力電圧信号340が供給されるシステムリソース210により経験される故障により受ける悪影響から、電力変換サブシステム492を保護することができる。
【0033】
ルーティングシステム400は、固定された場所、例えばビルディング内に配置された(図2に示された)情報システム200と共に使用してもよいが、ルーティングシステム400は、ポータブルシステム分野において好都合に適用することができる。図6A−Bに転じると、例えば、ルーティングシステム400は、多種多様な乗物600に設置するために構成された乗物情報システム500に適用することができる。乗物の典型的な形式としては、限定するものではないが、(図6Aに示された)自動車610、(図6Bに示された)航空機620、バス、レクレーション用自動車、ボート、及び/又は機関車に含めることができる。図6Bに表したように航空機に設置した場合、例えば、乗物情報システム500としては、従来の航空機乗客飛行中娯楽システム、例えば、カリフォルニア州、レイク・フォレストの(以前、マツシタ・アビオニクス・システム・コーポレイションとして知られた)パナソニック・アビオニクス・コーポレイションにより製造された飛行中娯楽システムにおける2000,3000,eFX、及びeX2シリーズを具備することができる。
【0034】
図6A−Bに示されているように、乗物情報システム500は、内部コンテンツソースを含む1つ以上の従来のコンテンツソース510からの視聴コンテンツを提供することができ、内部コンテンツソースとしては、例えば乗物600に設置されたサーバシステム510A、及び/又は乗物600から外部に配置されることができる遠隔コンテンツソース510Bである。例えば、コンテンツソース510としては、2004年2月4日に出願された、シリアル番号10/772,565の発明の名称が「ファイルをダウンロードするためのシステム及び方法"SYSTEM AND METHOD FOR DOWNLOADING FILES"」、2005年5月6日に出願された、シリアル番号11/123,327の発明の名称が「移動プラットフォームのコンテンツを管理するためのシステム及び方法"SYSTEM AND METHOD FOR MANAGING CONTENT ON MOBILE PLATFORMS"」、2005年6月15日に出願された、シリアル番号11/154,749の発明の名称が「移動中の視聴コンテンツを提供するためのポータブルメディアデバイス及び方法"PORTABLE MEDIA DEVICE AND METHOD FOR PRESENTING VIEWING CONTENT DURING TRAVEL"、及び2005年11月7日に出願された、シリアル番号11/269,378の発明の名称が「海外旅行中の移動プラットフォームで放送番組を受信するためのシステム及び方法"SYSTEM AND METHOD FOR RECEIVING BROADCAST CONTENT ON A MOBILE PLATFORM DURING INTERNATIONAL TRAVEL"」の同時係属米国出願において述べた方法で提供することができ、これらの出願は、本願の譲受人に譲渡されており、これらのそれぞれの開示内容は、そっくりそのままここに引用され組み込まれる。
【0035】
視聴コンテンツは、どのような好適な形式の視聴コンテンツ、例えば記憶された(又は遅延された)視聴コンテンツ、及び/又は生の(又は実時間の)視聴コンテンツでも具備することが可能であり、それらは、上記で参照した同時係属米国出願、2004年2月4日に出願された、シリアル番号10/772,565の発明の名称が「ファイルをダウンロードするためのシステム及び方法"SYSTEM AND METHOD FOR DOWNLOADING FILES"」、2005年6月15日に出願された、シリアル番号11/154,749の発明の名称が「移動中の視聴コンテンツを提供するためのポータブルメディアデバイス及び方法"PORTABLE MEDIA DEVICE AND METHOD FOR PRESENTING VIEWING CONTENT DURING TRAVEL"」、及び2005年11月7日に出願された、シリアル番号11/269,378の発明の名称が「海外旅行中の移動プラットフォームで放送番組を受信するためのシステム及び方法"SYSTEM AND METHOD FOR RECEIVING BROADCAST CONTENT ON A MOBILE PLATFORM DURING INTERNATIONAL TRAVEL"」において説明されている方法である。必要に応じて、視聴コンテンツは、米国特許、第6,661,353号の発明の名称が「対話型飛行地図情報を表示するための方法"METHOD FOR DISPLAYING INTERACTIVE FLIGHT MAP INFORMATION"」において説明されている方法の地形情報を含むことができ、この特許は、本願の譲受人に譲渡されており、この開示内容は、そっくりそのままここに引用され組み込まれる。娯楽コンテンツ、例えば、生の衛星放送番組及び/又は生の衛星ラジオ番組に追加して、視聴コンテンツは双方向通信、例えば実時間インターネットアクセス及び/又はテレコミュニケーションを含むことが好ましくは可能であり、これは、米国特許、第5,568,484号の発明の名称「事業用航空機及び他の乗物を使用するためのテレコミュニケーションシステム及び方法"TELECOMMUNICATIONS SYSTEM AND METHOD FOR USE ON COMMERCIAL AIRCRAFT AND OTHER VEHICLES"」に述べられている方法であり、この特許は、本願の譲受人に譲渡されており、この開示内容は、そっくりそのままここに引用され組み込まれる。
【0036】
コンテンツソース510からの視聴コンテンツを受信するよう構成されており、乗物情報システム500は、好ましくは、無線通信を介して従来の如何なる方法でもコンテンツソース510と通信することができる。図6A−Bに示されているように、例えば、乗物情報システム500は、アンテナシステム520及び遠隔のコンテンツソース510Bからの視聴コンテンツを受信するためのトランシーバシステム530を含むことができる。アンテナシステム520は、好ましくは、乗物の外側、例えば航空機620の機体の外側表面に配置する。乗物情報システム500は、同様に少なくとも1つの従来のサーバシステム510A、例えば、必要であれば、乗物情報システム500のための全システム制御機能を提供するための情報システムコントローラ312、及び/又は予めプログラムされたコンテンツ及び/又は受信した視聴コンテンツを記憶するための少なくとも1つのメディア(又はファイル)サーバシステム、を含むことができる。サーバシステム510Aは、1つ以上の従来の周辺媒体記録システム(図示なし)を含み、及び/又は通信することができ、その従来の周辺媒体記録システムとしては、プログラムされたコンテンツ及び/又は受信した視聴コンテンツを記憶するための、あらゆる適切な種類の、光媒体デバイス、例えばディジタルビデオディスク(DVD)システム及び/又はコンパクトディスク(CD)システム、及び/又は磁気媒体システム、例えばビデオカセットレコーダ(VCR)システム及び/又はハードディスクドライブ(HDD)システムが含まれる。
【0037】
1つ以上の乗客インターフェースシステム540は、予めプログラムされたコンテンツ及び/又は受信した視聴コンテンツを選択するために、そして選択された予めプログラムされたコンテンツ及び/又は視聴コンテンツを提供するために提供される。必要であれば、乗客インターフェースシステム540は、従来の乗客インターフェースを具備することが可能であり、そして上記で参照した同時係属米国出願、2005年6月15日に出願された、シリアル番号11/154,749の発明の名称が「移動中の視聴コンテンツを提供するためのポータブルメディアデバイス及び方法"PORTABLE MEDIA DEVICE AND METHOD FOR PRESENTING VIEWING CONTENT DURING TRAVEL"、並びに同時係属米国出願、2005年4月19日に出願された、シリアル番号60/673,171の発明の名称が「移動プラットフォームの乗客に高品質のビデオを提供するためのシステム及び方法"SYSTEM AND METHOD FOR PRESENTING HIGH-QUALITY VIDEO TO PASSENGERS ON A MOBILE PLATFORM"」において説明された方法で提供することができ、これらの開示内容は、そっくりそのままここに引用され組み込まれる。各乗客インターフェースシステム540には、ビデオインターフェースシステム及び/又はオーディオインターフェースシステムを含むことができる。中央制御を持つオーバーヘッド客室表示システム、個々の制御を持つシートバック表示システム、乗務員表示パネル、及び/又は手持ち式のプレゼンテーションシステムは、典型的なビデオインターフェースシステムであるのに対して、従来のオーディオインターフェースシステムの例示としては、手持ち式のプレゼンテーションシステム及び/又はヘッドホーンを介して提供され得る。それにより、乗物600に搭乗した移動中の乗客は、移動中に予めプログラムされたコンテンツ及び/又は受信した視聴コンテンツを楽しむことができる。
【0038】
乗物情報システム500のアンテナシステム520及びトランシーバシステム530は、配信システム700を介してサーバシステム510A及び乗客インターフェースシステム540と通信するように図6A−Bに表されている。配信システム700は、従来の如何なる方法においても提供することができ、そして上記で参照した同時係属の米国特許出願、2005年6月15日に出願された、シリアル番号11/154,749の発明の名称が「移動中の視聴コンテンツを提供するためのポータブルメディアデバイス及び方法"PORTABLE MEDIA DEVICE AND METHOD FOR PRESENTING VIEWING CONTENT DURING TRAVEL"」、で説明したように、有線通信及び/又は無線通信を含む、従来の如何なる形式の通信をサポートするように構成される。好ましくは、高速データ通信を介して分配されるので、予めプログラムされたコンテンツ及び/又は受信した視聴コンテンツは、如何なる適切な方法でも乗物情報システム500の至るところに配信することができ、その方法の中には、米国特許番号5,596,647、5,617,331及び5,953,429、それぞれの発明の名称が「事業用航空機及びその他の乗物で使用するための一体化されたビデオとオーディオ信号配信システム及び方法"INTEGRATED VIDEO AND AUDIO SIGNAL DISTRIBUTION SYSTEM AND METHOD FOR USE ON COMMERCIAL AIRCRAFT AND OTHER VEHICLES"」、において説明されている方法が含まれ、この開示内容は、そっくりそのままここに引用され組み込まれる。
【0039】
典型的な乗物情報システム500は、図7に表されている。乗物情報システム500は、ヘッドエンドシステム550及び配信システム700を介して通信するように構成された(図6A−Bに示されている)複数の乗客インターフェースシステム540を含む。ヘッドエンドシステム550は、少なくとも1つのコンテンツソース510、例えば、それぞれが上記で詳細に説明した方法で提供されるサーバシステム510A及び/又はアンテナシステム520及びトランシーバシステム530を持つことができる。配信システム700としては上記のようにあらゆる従来の方法でも提供することができるが、図7に示されたように、配信システム700は、上記の米国特許番号5,596,647、5,617,331及び5,953,429、それぞれの発明の名称が「事業用航空機及びその他の乗物で使用するための一体化されたビデオとオーディオ信号配信システム及び方法"INTEGRATED VIDEO AND AUDIO SIGNAL DISTRIBUTION SYSTEM AND METHOD FOR USE ON COMMERCIAL AIRCRAFT AND OTHER VEHICLES"」、において説明されている方法で提供される。それにより、配信システム700は、複数の通信接続750を介して通信するよう構成された、複数のエリア配信ボックス(ADBs)720、複数のフロア遮断ボックス(FDBs)730、及び複数のシート電子ボックス(SEBs)740により提供され得る。
【0040】
図7に表されているように、配信システム700は、配信システム700とヘッドエンドシステム550との間のインターフェースを提供する切替えシステム710を含むことができる。切替えシステム710は、従来の切替えシステム、例えばイーサネット切替えシステムを具備しており、ヘッドエンドシステム550をエリア配信ボックス(ADBs)720と接続するよう構成されている。好ましくは、切替えシステム710は、通信接続750を介してエリア配信ボックス(ADBs)720のそれぞれと接続される。
【0041】
必要であれば、切替えシステム710は、複数の相互接続された切替えサブシステム(図示なし)として設けることができる。もし切替えシステム710が複数の相互接続された切替えサブシステムとして設けられているならば、切替えサブシステムのそれぞれは、同様に通信接続750を介してエリア配信ボックス(ADBs)720のそれぞれと接続されるよう構成することができる。エリア配信ボックス(ADBs)720のそれぞれは、順に、複数の通信接続750を介して複数のフロア遮断ボックス(FDBs)730と接続される。エリア配信ボックス(ADBs)720と関連するフロア遮断ボックス(FDBs)730は、どのような従来の構成においても接続することができるが、好ましくは、関連するフロア遮断ボックス(FDBs)730が、図7に表されているように、中心エリア配信ボックス(ADB)720のまわりにスター型ネットワークの形態で配置される。
【0042】
各フロア遮断ボックス(FDB)730は、シート電子ボックス(SEBs)740の複数のデージーチェインと接続され、提供される。シート電子ボックス(SEBs)740の数及び詳細な構成はシステムによって変化することに留意すべきであるけれども、説明するため、フロア遮断ボックス(FDB)730は、シート電子ボックス(SEBs)740の2つのデージーチェインと接続されて、サービスが提供されるように図7に示され説明されている。シート電子ボックス(SEBs)740のデージーチェインのそれぞれは、同様に、如何なる適切な数のシート電子ボックス(SEBs)も含めることができ、そして2つのデージーチェインで結合されたシート電子ボックス(SEBs)740を含むとして図7において表されている。シート電子ボックス(SEBs)740は、順に、(図6A−Bに示されている)複数の乗客インターフェースシステム540と通信するよう構成されている。
【0043】
フロア遮断ボックス(FDBs)730は、好都合に、図2,3,4A−B,5に関連して上記で詳細に説明した方法のルーティングシステム400を提供することができる。例えば、フロア遮断ボックス(FDBs)730は、図7に示されているように、図4A−Bに示したルーティングシステム400として提供され得る。そのため、各フロア遮断ボックス(FDB)730は、入力(又は共通)通信ポート412及び出力通信ポート414A,414I,414Jを含み、それらは(図4A−Bに示されている)動的切替えシステム430、(図4A−Bに示されている)バイパスシステム470、及び/又は(図4A−Bに示されている)バイパスシステム480を介して通信するよう構成されている。図4A−Bのルーティングシステム400に関連して上記でさらに詳細に説明した方法のルーティングシステム400が通常動作モードにあるとき、切替えシステム430は入力通信ポート412を出力通信ポート414A,414I,414Jのそれぞれと接続する。しかしながら、故障モードにおいては、バイパスシステム470が入力通信ポート412を出力通信ポート414Aと接続しているのに対して、出力通信ポート414I,414Jがバイパスシステム480を介して接続される。それにより、切替えシステム430は、故障モードにおいてバイパスされている。
【0044】
必要であれば、配信システム700は、少なくとも1つのFDB内部ポートバイパス接続760、及び/又は少なくとも1つのSEBループバック接続770を含むことができる。各FDB内部ポートバイパス接続760は、異なるエリア配信ボックス(ADBs)720と直接通信するために、関連するフロア遮断ボックス(FDBs)730の作動を許可する通信接続である。図7に示されているように、例えば、フロア遮断ボックス(FDB)730Aの出力通信ポート414Iとフロア遮断ボックス(FDB)730Bの出力通信ポート414Iは、FDB内部ポートバイパス接続760ABを介して接続される。同様に、FDB内部ポートバイパス接続760CDは、フロア遮断ボックス(FDBs)730C,730Dの出力通信ポート414Iを直接接続することができる。
【0045】
各SEBループバック接続770は、図7に示されているように、選択されたフロア遮断ボックス(FDB)730の出力通信ポート414Iと関連する最後のデージーチェインで結合されたシート電子ボックス(SEB)740と、選択された同じフロア遮断ボックス(FDB)730の出力通信ポート414Jと関連する最後のデージーチェインで結合されたシート電子ボックス(SEB)740とを直接的に接続する通信接続である。そのため、各SEBループバック接続770は、該当するフロア遮断ボックス(FDB)730に接続されたデージーチェイン結合のシート電子ボックス(SEBs)740においてループバック径路を形成する。図7に示されているように、SEBループバック接続770ADは、フロア遮断ボックス(FDB)730Cと関連する、シート電子ボックス(SEB)740Aとシート電子ボックス(SEB)740Eを接続する。同様に、フロア遮断ボックス(FDB)730Dと関連する、シート電子ボックス(SEB)740Eとシート電子ボックス(SEB)740Hは、図7に表されているように、SEBループバック接続770EHを介して接続される。
【0046】
配信システム770が通常動作モードにあるとき、上記で更に詳細に説明した方法のバンド幅に影響を与えることなく、ヘッドエンド550及び乗客インターフェースシステム540において(図2に示された)高速度交換通信信号300を容易に通信できる。フロア遮断ボックス(FDBs)730は、同様に、もし配信システム700が故障モードになったとしても、通信において如何なる重大な中断を起こすことなく、通信信号300の交換継続をサポートする。各種故障事故に応答する配信システム700の動作は、図8A−Cに関連して示され、説明される。
【0047】
図8Aに転じると、例えば、図7の配信システム700の動作が、フロア遮断ボックス(FDB)730Cが故障モードのときを例示する。フロア遮断ボックス(FDB)730Cは、例えば(図5に示されている)ルーティングシステム電力498の消失、及び/又は切替えシステム430内の故障などのデバイスの故障により故障することがある。フロア遮断ボックス(FDB)730Cが故障モードになったとき、(図4A−Bに示されている)バイパスシステム470が通信ポート412,414Aに接続し、そして通信ポート414I,414Jは、上記で更に詳細に説明した方法の(図4A−Bに示された)バイパスシステム480を介して接続される。そのため、配信システム700は、故障したフロア遮断ボックス(FDB)730Cをバイパスするために、バイパス径路780、例えばバイパス径路782により関連する通信信号300を迂回させる。
【0048】
図8Aに示されているように、バイパス径路782は、第1のエリア配信ボックス(ADB)720Aで始めることができる。バイパス径路782は、故障したフロア遮断ボックス(FDB)730Cの入力通信ポート412に向かう。上記で説明した方法において、バイパス径路782が故障したフロア遮断ボックス(FDB)730Cの出力通信ポート414Aに続くように、バイパスシステム470を介して接続される。デージーチェインで結合されたシート電子ボックス(SEBs)740B,740Aを通して、バイパス径路782は、SEBループバック接続770ADに到達し、そしてデージーチェインで結合されたシート電子ボックス(SEBs)740D,740Cにフィードバックされる。そのため、フロア遮断ボックス(FDB)730Cが故障したとしても、故障したフロア遮断ボックス(FDB)730Cと関連するシート電子ボックス(SEBs)740A−Dのそれぞれは、(図6A−Bに示されている)該当する乗客インターフェースシステム540がヘッドエンドシステム550と通信継続できるように、サービスの受け取りを継続する。
【0049】
図7の配信システム700の動作は、同様に、選択された通信接続752が切断又は他の故障となったときを図8Bに例示する。図8Aに関連して上記で説明した方法において、(図4A−Bに示されているように)バイパスシステム470は通信ポート412,414Aを接続し、そして通信ポート414I,414Jは、フロア遮断ボックス(FDB)730が故障モードになったとき、(図4A−Bに示されている)バイパスシステム480を介して接続される。そのため、配信システム700は、故障した通信接続752をバイパスするように、1組のバイパス径路780、即ちバイパス径路784及びバイパス径路786により関連する通信信号300を再び迂回させる。
【0050】
(図8Aに示されている)バイパス径路782に関連して上記で更に詳細に説明したように、バイパス径路784は、第1のエリア配信ボックス(ADB)720Aで始まり、フロア遮断ボックス(FDB)730Cの入力通信ポート412に向かう。バイパス径路784が故障のフロア遮断ボックス(FDB)730Cの出力通信ポート414Aに続くように、フロア遮断ボックス(FDB)730Cの通信ポート412,414Aは、バイパスシステム470を介して接続される。デージーチェインで結合されたシート電子ボックス(SEBs)740B,740Aを通して、バイパス径路784は、SEBループバック接続770ADに到達し、そしてデージーチェインで接続されたシート電子ボックス(SEBs)740Dにフィードバックされる。故障の通信接続752は、シート電子ボックス(SEBs)740C,740Dの間にあるので、バイパス径路784はシート電子ボックス(SEB)740Cに向かうことができない。
【0051】
そのため、バイパス径路786は、シート電子ボックス(SEB)740Cにサービスを提供するように使用される。図8Bに例示されているように、バイパス径路786は、第2のエリア配信ボックス(ADB)720Bで始めることができ、バイパス径路782に関連して上記で説明した方法で向かうことができる。バイパス径路786は、フロア遮断ボックス(FDB)730Dの入力通信ポート412に進むことができる。上記の方法において、バイパス径路786がフロア遮断ボックス(FDB)730Dの出力通信ポート414Aに続くように、フロア遮断ボックス(FDB)730Dの通信ポート412,414Aは、バイパスシステム470を介して接続される。デージーチェインで結合されたシート電子ボックス(SEBs)740G,740Hを通して、バイパス径路786は、SEBループバック接続770EHに到達し、そしてデージーチェインで結合されたシート電子ボックス(SEBs)740E,740Fにフィードバックされる。
【0052】
フロア遮断ボックス(FDB)730Dの出力通信ポート414I,414Jは、同様に、接続され、バイパス径路786は、フロア遮断ボックス(FDB)730Cに延びるように、FDB内部ポートバイパス接続760CDを介して続くことができる。バイパス径路786は、フロア遮断ボックス(FDB)730Cの接続された出力通信ポート414I,414Jを横切って続き、そのためシート電子ボックス(SEB)740Cに到達する。もう一度言えば、通信接続752が故障したにもかかわらず、断線した通信接続752により分断されたシート電子ボックス(SEB)740Cを含んでいる、シート電子ボックス(SEBs)740A−Hのそれぞれは、(図6A−Bに示されている)関連する乗客インターフェースシステム540がヘッドエンドシステム550と通信継続できるように、サービスの受信が継続される。
【0053】
図7の配信システム700は、故障モードの原因がフロア遮断ボックス(FDB)730から遠隔であるときでさえ、乗客インターフェースシステム540及びヘッドエンドシステム550における通信を維持するために好都合に適用され得る。図8Cに転じると、例えば、配信システム700の動作は、遠隔システムリソース210が、ここでは第1のエリア配信ボックス(ADB)720Aが適切に機能していないときを示している。第1のエリア配信ボックス(ADB)720Aが機能していないので、配信システム700は、機能していない第1のエリア配信ボックス(ADB)720Aをバイパスするために、バイパス径路788により関連する通信信号300を迂回させる。そのため、機能していない第1のエリア配信ボックス(ADB)720Aと関連するシート電子ボックス(SEBs)740A−Dは、第2のエリア配信ボックス(ADB)720Bによりサービスを受けることができる。
【0054】
(図8Bに示されているように)バイパス径路786に関して上記で説明した方法において、バイパス径路788は第2のエリア配信ボックス(ADB)720Bで始めることができ、そしてフロア配信ボックス(FDB)730Dの入力通信ポート412に向かうことができる。フロア遮断ボックス(FDB)730Dの通信ポート412,414Aがバイパスシステム470を介して接続されているので、バイパス径路788は、フロア遮断ボックス(FDB)730Dの出力通信ポート414Aに続く。デージーチェインで結合されたシート電子ボックス(SEBs)740G,740Hを通して、バイパス径路788は、SEBループバック接続770EHに到達し、そしてデージーチェインで接続されたシート電子ボックス(SEBs)740E,740Fにフィードバックされる。バイパス径路788がFDB内部ポートバイパス接続760CDを介して続くように、そしてフロア配信ボックス(FDB)730Cに延びるように、フロア遮断ボックス(FDB)730Dの出力通信ポート414I,414Jは、同様に、接続される。バイパス径路788は、フロア遮断ボックス(FDB)730Cの接続された出力通信ポート414I,414Jを横切って続き、そのためデージーチェインで接続されたシート電子ボックス(SEBs)740C,740Dに到達する。デージーチェインで接続されたシート電子ボックス(SEBs)740C,740Dを通して、バイパス径路782は、SEBループバック接続770ADに到達し、そしてデージーチェインで接続されたシート電子ボックス(SEBs)740A,740Bにフィードバックされる。
【0055】
したがって、フロア遮断ボックス(FDB)730Cが機能しないことがあったとしても、(図6A−Bに示されている)関連する乗客インターフェースシステム540がヘッドエンドシステム550と通信継続できるように、機能していないフロア遮断ボックス(FDB)730Cと関連するシート電子ボックス(SEBs)740A−Dのそれぞれは、サービスの提供を継続することができる。第1のエリア配信ボックス(ADB)が機能していないにもかかわらず、(図6A−Bに示されている)関連する乗客インターフェースシステム540がヘッドエンドシステム550と通信継続できるように、機能していない第1のエリア配信ボックス(ADB)720Aと関連するシート電子ボックス(SEBs)740A−Dを含むシート電子ボックス(SEBs)740A−Hのそれぞれは、サービスの提供を継続することができる。
【0056】
本発明は、種々の変更及び他の形態の対象とすることができ、ここで示した特定の例は図面における例として示されたものであり、ここで詳細に説明されている。しかしながら、本発明は、開示された特定の形態または方法に限定されるものではなく、全ての変更例、均等例、及び代替例を含むものとして理解されるべきである。
【0057】
図は寸法を示すために描かれたものではなく、同様の構成または機能の要素は、図を通じた例示目的のために同じような参照番号によって概略が示されている点に注意するべきである。また、図は本発明の好ましい実施形態の説明を容易にすることだけを意図したものでない点に注意するべきである。図は本発明のあらゆる態様を説明するものではなく、本発明の適用範囲を制限するものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は、各乗客インターフェースシステムが受動的な分配システムを介して選択されたコンテンツソースと通信する従来の乗物情報システムである。
【図2】図2は、情報システムのための配信システムの一実施例を示す代表的なトップレベルのブロックダイアグラムであり、その配信システムは、周波数帯域に影響を与えることなく、複数のシステムリソースにおけるハイバンド幅通信をサポートするためのルーティングシステムを含む。
【図3】図3は、図2の配信システムの好ましい実施例を示す代表的なブロックダイアグラムであり、そのルーティングシステムは動的切替えシステムを含む。
【図4A】図4Aは、図3のルーティングシステムの代替実施例を示す代表的なブロックダイアグラムであり、そのルーティングシステムは動的切替えシステムを少なくとも部分的にバイパスするための少なくとも1つのバイパスシステムを含む。
【図4B】図4Bは、図4Aのバイパスシステムの好ましい実施例の1つを示す詳細な図であり、そのバイパスシステムは電子リレーシステムを具備している。
【図5】図5は、図3のルーティングシステムの別の代替実施例を示す代表的なブロックダイアグラムであり、そのルーティングシステムは複数のシステムリソースにおいて電力を分配するための電力システムを含む。
【図6A】図6Aは、図2の情報システムの実施例を示す代表的なブロックダイアグラムであり、その情報システムは乗物情報システムを具備し、乗車する自動車に装着されている。
【図6B】図6Bは、図6Aの乗物情報システムの代替実施例を示す代表的なブロックダイアグラムであり、その乗物情報システムは搭乗する航空機に装着されている。
【図7】図7は、図6A−Bの乗物情報システムのための配信システムの好ましい実施例の1つを示す詳細な図であり、その配信システムは、フロア遮断ボックス内にそれぞれが配置された複数のルーティングシステムを含む。
【図8A】図8Aは、選択されたルーティングシステムが故障モードに入ったときの図7の乗物情報システムを示す詳細な図である。
【図8B】図8Bは、選択された通信が故障したときの図7の乗物情報システムを示す詳細な図である。
【図8C】図8Cは、選択されたシステムリソースが故障モードに入ったときの図7の乗物情報システムを示す詳細な図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のデータ幅を有する第1の通信接続を介して第1のシステムリソースと通信するための第1の通信ポート、
それぞれが前記第1のデータ幅とほぼ等しい第2のデータ幅を有する複数の第2の通信接続を介して複数の第2のシステムリソースとそれぞれ通信するための複数の第2の通信ポート、
前記第1及び第2の通信ポートにおいて高速度通信信号を交換するための動的切替えシステム、及び
前記動的切替えシステムが少なくとも2つの前記通信ポートを直接的に接続することにより故障モードになる場合に前記動的切替えシステムをバイパスするためのバイパスシステム、を有する複数の通信ポートを具備する、高速度通信信号をルーティングするためのルーティングシステムであって、
高速度通信信号は、前記動的切替えシステムが通常動作モードのとき、信号バンド幅において低減されることなく、そしてもし前記動的切替えシステムが前記故障モードに入った場合には、低減された信号バンド幅で、第1及び第2のシステムリソースにおいて交換されるルーティングシステム。
【請求項2】
前記動的切替えシステムは、トランシーバシステムを介して前記第1の通信ポートで高速度通信信号を交換する請求項1に記載のルーティングシステム。
【請求項3】
前記動的切替えシステムは、トランシーバシステムを介して少なくとも1つの第2の通信ポートで高速度通信信号を交換する請求項1に記載のルーティングシステム。
【請求項4】
前記動的切替えシステムは、高速度イーサネット切替えシステムを具備する請求項1に記載のルーティングシステム。
【請求項5】
前記動的切替えシステムは、イーサネット(登録商標)、ファーストイーサネット、及びギガビットイーサネットで構成されたプロトコル規格のグループから選ばれた通信プロトコル形式をサポートする請求項4に記載のルーティングシステム。
【請求項6】
前記動的切替えシステムは、制御システムを介して制御される請求項4に記載のルーティングシステム。
【請求項7】
前記バイパスシステムは、少なくとも2つの前記第2の通信ポートを直接的に接続する請求項1に記載のルーティングシステム。
【請求項8】
前記バイパスシステムは、前記第1の通信ポートを少なくとも1つの前記第2の通信ポートと直接的に接続する請求項1に記載のルーティングシステム。
【請求項9】
前記バイパスシステムは、電子リレーシステムを具備する請求項1に記載のルーティングシステム。
【請求項10】
前記動的切替えシステム及び前記バイパスシステムを含む少なくとも1つのルーティングシステムのコンポーネントに電力を供給するための電力システムを更に具備する請求項1に記載のルーティングシステム。
【請求項11】
前記電力システムは、少なくとも1つの第1及び第2のシステムリソースに電力を供給する請求項10に記載のルーティングシステム。
【請求項12】
前記電力システムは、少なくとも1つの第1及び第2のシステムリソースから電力を受け取る請求項10に記載のルーティングシステム。
【請求項13】
前記電力システムは、少なくとも1つの第1及び第2のシステムリソースから電力を受け取り、少なくとも1つの第1及び第2のシステムリソースに電力を供給するための電力変換システムを含む請求項10に記載のルーティングシステム。
【請求項14】
前記電力変換システムは、複数の余分な電力変換サブシステムを含む請求項13に記載のルーティングシステム。
【請求項15】
前記電力変換システムは、少なくとも1つのDC−DC変換システムを含む請求項13に記載のルーティングシステム。
【請求項16】
前記ルーティングシステムは、配信システム内に配置された請求項1に記載のルーティングシステム。
【請求項17】
前記ルーティングシステムは、前記配信システムのフロア遮断ボックス内に配置された請求項16に記載のルーティングシステム。
【請求項18】
第1のシステムリソース及び複数の第2のシステムリソースを含む複数のシステムリソース、
第1のデータ幅を有する第1の通信接続及びそれぞれが前記第1のデータ幅とほぼ等しい第2のデータ幅を有する複数の第2の通信接続を含む複数の通信接続、及び
複数の通信ポートを有するルーティングシステム、を具備する、高速度通信信号のための配信システムであって、
前記ルーティングシステムの通信ポートは、
前記第1の通信接続を介して前記第1のシステムリソースと通信するための第1の通信ポートと、
前記第2の通信接続を介して前記複数の第2のシステムリソースのぞれぞれと通信するための複数の第2の通信ポートと、
前記第1及び第2の通信ポートにおける高速度通信信号を交換するための動的切替えシステムと、
前記動的切替えシステムが故障モードに入った場合、少なくとも前記通信ポートを直接的に接続することにより、前記動的切替えシステムをバイパスするためのバイパスシステムと、を含み、
高速度通信信号は、前記動的切替えシステムが通常動作モードのとき、信号バンド幅において低減されることなく、そしてもし前記動的切替えシステムが前記故障モードに入った場合には、低減された信号バンド幅で、第1及び第2のシステムリソースにおいて交換される配信システム。
【請求項19】
前記配信システムは、有線配信システムを具備する請求項18に記載の配信システム。
【請求項20】
前記有線配信システムは、少なくとも1つの光ファイバー通信接続を含む請求項19に記載の配信システム。
【請求項21】
前記有線配信システムは、少なくとも1つの銅体通信接続を含む請求項19に記載の配信システム。
【請求項22】
前記動的切替えシステムは、高速度イーサネット切替えシステムを具備する請求項18に記載の配信システム。
【請求項23】
前記有線配信システムは、イーサネット(登録商標)、ファーストイーサネット、及びギガビットイーサネットで構成されたプロトコル規格のグループから選ばれた通信プロトコル形式を有する有線通信をサポートする請求項22に記載の配信システム。
【請求項24】
前記バイパスシステムは、少なくとも2つの前記第2の通信ポートを直接的に接続する請求項18に記載の配信システム。
【請求項25】
前記バイパスシステムは、前記第1の通信ポートを少なくとも1つの前記第2の通信ポートと直接的に接続する請求項18に記載の配信システム。
【請求項26】
前記故障モードは、ルーティングシステムへの電力消失、選択されたシステムリソースへの電力消失、破壊された通信接続、及び切替えシステムの故障、で構成する故障モードのグループから選ばれる請求項18に記載の配信システム。
【請求項27】
前記配信システムは、乗物情報システム内に配置された請求項18に記載の配信システム。
【請求項28】
前記配信システムは、航空機に配置された請求項27に記載の配信システム。
【請求項29】
視聴コンテンツを提供するためのヘッドエンドシステム、及び
配信システム、を具備する乗物情報システムであって、
配信システムは、
それぞれが予め決められたデータ幅を有する第1の通信接続、第2の通信接続、及び第3の通信接続を含む複数の通信接続と、
前記ヘッドエンドシステムからの視聴コンテンツを受信するための第1のエリア配信ボックスと、及び
第1のフロア遮断ボックスと、を有し、
前記第1のフロア遮断ボックスは、
前記第1の通信接続を介して前記第1のエリア配信ボックスからの前記視聴コンテンツを受信するための第1の通信ポート、前記第2の通信接続を介して第1の複数のシート電子ボックスと通信するための第2の通信ポート、及び前記第3の通信接続を介して第2の複数の前記シート電子ボックスと通信するための第3の通信ポート、を含む複数の通信ポートと、
前記第1、第2、及び第3の通信ポートにおいて高速度通信信号を交換するための動的切替えシステムと、及び
前記動的切替えシステムが故障モードに入った場合、少なくとも2つの前記通信ポートを直接的に接続することにより、前記動的切替えシステムをバイパスするためのバイパスシステムと、具備し、
通信信号は、前記動的切替えシステムが通常動作モードのとき、信号バンド幅において低減されることなく、そしてもし前記動的切替えシステムが前記故障モードに入った場合には、低減された信号バンド幅で、前記ヘッドエンドシステム及び前記シート電子ボックスにおいて交換される乗物情報システム。
【請求項30】
前記ヘッドエンドシステムは、サーバシステム、メディアサーバシステム、アンテナシステム、トランシーバシステムで構成されたコンテンツソースのグループから選ばれた少なくとも1つのコンテンツソースを含む請求項29に記載の乗物情報システム。
【請求項31】
前記シート電子ボックスのそれぞれは、乗客インターフェースシステムと接続される請求項29に記載の乗物情報システム。
【請求項32】
前記配信システムは、前記ヘッドエンドシステムを前記第1のエリア配信ボックスとインターフェースするためのインターフェース切替えシステムを更に含む請求項29に記載の乗物情報システム。
【請求項33】
前記インターフェース切替えシステムは、イーサネット切替えシステムを具備する請求項32に記載の乗物情報システム。
【請求項34】
前記インターフェース切替えシステムは、複数の相互接続切替えサブシステムとして提供される請求項32に記載の乗物情報システム。
【請求項35】
前記シート電子ボックスのそれぞれは、乗客インターフェースシステムと接続される請求項29に記載の乗物情報システム。
【請求項36】
前記バイパスシステムは、前記第1及び第2の通信ポートに直接的に接続する請求項29に記載の乗物情報システム。
【請求項37】
前記バイパスシステムは、前記第2及び第3の通信ポートに直接的に接続する請求項29に記載の乗物情報システム。
【請求項38】
前記第1の複数の前記シート電子ボックスは、前記第2の通信ポートと第1のデージーチェイン形態で接続され、そして前記第2の複数の前記シート電子ボックスは、前記第3の通信ポートと第2のデージーチェイン形態で接続された請求項29に記載の乗物情報システム。
【請求項39】
前記第1のデージーチェイン形態の少なくともシート電子ボックス、及び前記第2のデージーチェイン形態の少なくともシート電子ボックスは、ループバック接続を介して接続された請求項38に記載の乗物情報システム。
【請求項40】
前記予め決められたデータ幅を有する第4の通信接続を介して前記第1のエリア配信ボックスからの前記視聴コンテンツを受信するための第2のフロア遮断ボックスを更に具備する請求項29に記載の乗物情報システム。
【請求項41】
前記第1及び第2のフロア遮断ボックスは、スター形態で前記第1のエリア配信ボックスに接続された請求項40に記載の乗物情報システム。
【請求項42】
前記ヘッドエンドシステムからの前記視聴コンテンツを受信するための第2のエリア配信ボックス、及び前記予め決められたデータ幅を有する第4の通信接続を介して前記第2のエリア配信ボックスからの前記視聴コンテンツを受信するための第2のフロア遮断ボックスを更に具備する請求項29に記載の乗物情報システム。
【請求項43】
前記予め決められたデータ幅を有する第5の通信接続を介して前記第2のエリア配信ボックスからの前記視聴コンテンツを受信するための第3のフロア遮断ボックスを更に具備する請求項42に記載の乗物情報システム。
【請求項44】
前記第2及び第3のフロア遮断ボックスは、スター形態で前記第2のエリア配信ボックスに接続された請求項43に記載の乗物情報システム。
【請求項45】
前記複数の通信接続は、それぞれが前記予め決められたデータ幅を有する第5及び第6の通信接続を更に含み、及び
前記第2のフロア遮断ボックスは、
前記第4の通信接続を介して前記第2のエリア配信ボックスからの前記視聴コンテンツを受信するための第4の通信ポートと、前記第5の通信接続を介して第3の複数の前記シート電子ボックスと通信するための第5の通信ポートと、前記第6の通信接続を介して第4の複数の前記シート電子ボックスと通信するための第6の通信ポートと、を含む第2の複数の通信ポート、
前記第4、第5及び第6の通信ポートにおいて高速度通信信号を交換するための第2の動的切替えシステム、及び
前記第2の動的切替えシステムが第2の故障モードに入った場合には、前記複数における少なくとも2つの前記通信ポートを直接的に接続することにより、前記第2の動的切替えシステムをバイパスするための第2のバイパスシステム、を具備する請求項42に記載の乗物情報システム。
【請求項46】
前記第3の複数の前記シート電子ボックスは、前記第5の通信ポートと第3のデージーチェイン形態で接続され、そして前記第4の複数の前記シート電子ボックスは、前記第6の通信ポートと第4のデージーチェイン形態で接続された請求項45に記載の乗物情報システム。
【請求項47】
前記第3のデージーチェイン形態の最後のシート電子ボックス及び前記第4のデージーチェイン形態の最後のシート電子ボックスは、第2のループバック接続を介して接続された請求項46に記載の乗物情報システム。
【請求項48】
前記第1のフロア遮断ボックスの前記複数の前記通信接続は、第7の接続ポートを更に含み、そして前記第2のフロア遮断ボックスの前記第2の複数の前記通信接続は、ポートバイパス接続を介して前記第7の通信ポートと接続された第8の通信ポートを更に含む請求項45に記載の乗物情報システム。
【請求項49】
選択されたシート電子ボックスと接続された乗客インターフェースシステムをさらに具備する請求項29に記載の乗物情報システム。
【請求項50】
前記シート電子ボックスのそれぞれは乗客インターフェースシステムと接続された請求項29に記載の乗物情報システム。
【請求項51】
前記乗物情報システムは乗客娯楽システムを具備する請求項29に記載の乗物情報システム。
【請求項52】
前記乗物情報システムは航空機に配置された請求項51に記載の乗物情報システム。
【請求項53】
機体及び機体内に配備された乗客シート、及び
機体内に配備され、視聴コンテンツを提供するためのヘッドエンドシステムと配信システム、を具備する航空機であって、
前記配信システムは、
それぞれが予め決められたデータ幅を有する第1の通信接続、第2の通信接続、及び第3の通信接続を含む複数の通信接続と、
前記ヘッドエンドシステムからの視聴コンテンツを受信するための第1のエリア配信ボックスと、及び
第1のフロア遮断ボックスと、を有し、
前記第1のフロア遮断ボックスは、
前記第1の通信接続を介して前記第1のエリア配信ボックスからの前記視聴コンテンツを受信するための第1の通信ポート、前記第2の通信接続を介して第1の複数のシート電子ボックスと通信するための第2の通信ポート、及び前記第3の通信接続を介して第2の複数の前記シート電子ボックスと通信するための第3の通信ポート、を含む複数の通信ポートと、
前記第1、第2、及び第3の通信ポートにおいて高速度通信信号を交換するための動的切替えシステムと、及び
前記動的切替えシステムが故障モードに入った場合、少なくとも2つの前記通信ポートを直接的に接続することにより、前記動的切替えシステムをバイパスするためのバイパスシステムと、を具備し、
通信信号は、前記動的切替えシステムが通常動作モードのとき、信号バンド幅において低減されることなく、そしてもし前記動的切替えシステムが前記故障モードに入った場合には、低減された信号バンド幅で、前記ヘッドエンドシステム及び前記シート電子ボックスにおいて交換される乗物情報システム。
【請求項54】
第1のデータ幅を有する第1の通信接続を介して第1のシステムリソースと通信するための第1の通信ポート、及び前記第1のデータ幅とほぼ等しい第2のデータ幅をそれぞれが有する複数の第2の通信接続を介して複数の第2のシステムリソースとそれぞれ通信するための複数の第2の通信ポート、を含む複数の通信ポートを提供すること、
動的切替えシステムを介して前記第1及び第2の通信ポートにおいて高速度通信信号を交換すること、
前記動的切替えシステムが故障モードに入った場合には、少なくとも2つの前記通信ポートを接続すること、を具備する高速度通信信号をルーティングするための方法であって、
高速度通信信号は、前記動的切替えシステムが通常動作モードのとき、信号バンド幅において低減されることなく、そしてもし前記動的切替えシステムが前記故障モードに入った場合には、低減された信号バンド幅で、第1及び第2のシステムリソースにおいて交換される方法。
【請求項55】
第1及び第2のシステムリソースを提供することを更に具備する請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記交換高速度通信信号は、イーサネット(登録商標)、ファーストイーサネット、及びギガビットイーサネットで構成されたプロトコル規格のグループから選ばれた通信プロトコル形式に従った高速度通信信号を交換することを具備する請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記少なくとも2つの前記通信ポートを接続することは、少なくとも2つの前記第2の通信ポートを直接的に接続することを含む請求項54に記載の方法。
【請求項58】
前記少なくとも2つの前記通信ポートを接続することは、前記第1の通信ポートを少なくとも1つの前記第2の通信ポートと直接的に接続することを含む請求項54に記載の方法。
【請求項59】
前記故障モードを検出することを更に具備する請求項54に記載の方法。
【請求項60】
制御システムを介して前記動的切替えシステムを制御することを更に具備する請求項54に記載の方法。
【請求項61】
前記動的切替えシステムに電力を供給することを更に具備する請求項54に記載の方法。
【請求項62】
前記電力を供給することは、少なくとも1つの第1及び第2のシステムリソースに電力を供給することを含む請求項54に記載の方法。
【請求項63】
前記電力を供給することは、少なくとも1つの第1及び第2のシステムリソースから電力を受け取ることを含む請求項54に記載の方法。
【請求項64】
配信システム内に前記ルーティングシステムを配置することを更に具備する請求項54に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【公表番号】特表2008−537666(P2008−537666A)
【公表日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504446(P2008−504446)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/012067
【国際公開番号】WO2006/130215
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(504259960)パナソニック・アビオニクス・コーポレイション (6)
【氏名又は名称原語表記】PANASONIC AVIONICS CORPORATION
【Fターム(参考)】