説明

トナー収容容器及び画像形成装置

【課題】 画像形成装置にトナー収容容器を装着させて、トナー収容容器に収容されたトナーを適切に補給させると共に、トナー像を転写させた後の像保持部材に残留するトナーを回収してトナー収容容器に十分に収容されるようにする。
【解決手段】 画像形成装置に着脱可能に装着されるトナー収容容器30にトナーの出し入れを行うトナー出入口33を設けると共に、トナー収容容器の内部に、回転軸341の外周に搬送羽根342が設けられた搬送部材34と、回転部材351に撹拌羽根352が取り付けられた攪拌部材35とを正・逆回転可能に設け、搬送部材の正転時にトナーがトナー出入口に向けて搬送される一方、搬送部材の逆転時にトナーがトナー出入口から離れる方向に搬送され、攪拌部材の正転時に撹拌羽根が回転される一方、攪拌部材の逆転時に撹拌羽根が揺動されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機,プリンタ,ファクシミリ及びこれらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置及びこの画像形成装置に着脱可能に装着されるトナー収容容器に関するものである。特に、画像形成装置にトナー収容容器を装着させて、このトナー収容容器に収容されたトナーを適切に補給させることができると共に、トナー像を転写させた後の像保持部材に残留するトナーを回収して、回収トナーをトナー収容容器に収容させる場合に、回収トナーがこのトナー収容容器に十分に収容されるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機,プリンタ,ファクシミリ及びこれらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置においては、一般に、静電潜像が形成された像担持体に現像装置からトナーを供給して、像担持体の表面に静電潜像に対応したトナー像を形成するようにしている。そして、このように像担持体に形成されたトナー像を転写装置により記録媒体に転写させ、或いは中間転写ベルト等の転写体に転写させた後、記録媒体に転写させるようにし、トナー像を転写させた後の像担持体や転写体の表面に残留するトナーを、トナー回収装置によって回収するようにしている。
【0003】
そして、上記のように静電潜像が形成された像担持体に現像装置からトナーを供給した結果、現像装置内におけるトナーの量が減少した場合には、トナーを収容させた補給トナー収容容器を画像形成装置に着脱可能に装着させ、この補給トナー収容容器からトナーを補給させるようにしている。
【0004】
また、上記のようにトナー像を転写させた後の像担持体や転写体の表面に残留するトナーをトナー回収装置によって回収した後は、この回収トナーを回収トナー収容容器に収容させるようにしている。
【0005】
そして、従来においては、一般に上記の補給トナー収容容器と回収トナー収容容器とを別の容器で構成していた。
【0006】
しかし、このように補給トナー収容容器と回収トナー収容容器とを別の容器で構成すると、補給トナー収容容器と回収トナー収容容器とを別々に製造して管理することが必要になり、コストが高くつくと共に、これらの容器の管理も面倒になるという問題があった。
【0007】
このため、近年においては、トナーを補給して空になった補給トナー収容容器を回収トナー収容容器として利用することが提案されている。
【0008】
そして、特許文献1においては、上記のようにトナーを補給して空になった補給トナー収容容器を回収トナー収容容器として利用するにあたり、上記のように転写後の像担持体や転写体の表面から回収した回収トナーが、このトナー収容容器に設けられている搬送スクリュウ等の回転体の回転によってトナー収容容器から漏れ出すのを抑制するため、回収トナー収容容器として利用する場合に、上記の搬送スクリュウ等の回転体の回転を停止させるようにしたものが提案されている。
【0009】
しかし、このように空になった補給トナー収容容器を回収トナー収容容器として利用するにあたり、トナー収容容器に設けられた搬送スクリュウ等の回転体の回転を停止させると、回収トナーをこのトナー収容容器におけるトナー出入口からトナー収容容器内に導いた場合に、回収トナーがトナー出入口の近傍におけるトナー収容容器内に偏った状態で収容されるようになり、トナー収容容器内に回収トナーが十分に収容されていない状態で、回収トナーがトナー出入口から漏れ出すという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−261968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、画像形成装置に着脱可能に装着されるトナー収容容器における上記のような問題を解決することを課題とするものであり、画像形成装置にトナー収容容器を装着させて、トナー収容容器に収容されたトナーを適切に補給させることができると共に、トナー像を転写させた後の像保持部材に残留するトナーを回収して、回収トナーをトナー収容容器に収容させる場合に、回収トナーがこのトナー収容容器に十分に収容されるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のトナー収容容器においては、上記のような課題を解決するため、画像形成装置に着脱可能に装着されるトナー収容容器において、トナー収容容器へのトナーの出し入れを行うトナー出入口を設けると共に、このトナー収容容器の内部に、回転軸の外周に搬送羽根が設けられた搬送部材と、回転部材に撹拌羽根が取り付けられた攪拌部材とを正・逆回転可能に設け、上記の搬送部材の正転時にトナーがトナー出入口に向けて搬送される一方、搬送部材の逆転時にトナーがトナー出入口から離れる方向に搬送され、上記の攪拌部材の正転時に撹拌羽根が回転される一方、攪拌部材の逆転時に撹拌羽根が揺動されるようにした。
【0013】
ここで、上記の攪拌部材としては、攪拌部材における回転部材に撹拌部が設けられると共に、この回転部材に上記の撹拌羽根に係合される係合部材が設けられ、攪拌部材の正転時に、上記の係合部材に撹拌羽根が係止されて撹拌羽根が回転される一方、攪拌部材の逆転時に、上記の係合部材から撹拌羽根が係脱されて撹拌羽根が揺動されるようにしたものを用いることができる。
【0014】
また、本発明の画像形成装置において、上記のトナー収容容器を着脱可能に装着させて、このトナー収容容器に収容されたトナーを補給させるにあたっては、上記の攪拌部材を正転させて、回転する撹拌羽根によりトナー収容容器に収容されたトナーを攪拌すると共に、上記の搬送部材を正転させて、トナーをトナー出入口に向けて搬送させるようにする。なお、このようにトナー収容容器に収容されたトナーを補給させるにあたり、トナー収容容器に収容されたトナーの補給を開始する当初には、上記の攪拌部材を逆転させて、撹拌羽根を揺動させるようにすることが好ましい。
【0015】
また、本発明の画像形成装置において、上記のトナー収容容器を着脱可能に装着させて、トナー像を転写させた後の像保持部材に残留するトナーを回収し、この回収トナーを上記のトナー収容容器に収容させるにあたっては、上記の搬送部材を逆転させて、回収トナーをトナー出入口から離れる方向に搬送させると共に、上記の攪拌部材を逆転させて、撹拌羽根を揺動させるようにする。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、上記のトナー収容容器を画像形成装置に着脱可能に装着させて、このトナー収容容器に収容されたトナーを補給させるにあたり、トナー収容容器に設けられた攪拌部材を正転させて、回転する撹拌羽根によってトナー収容容器に収容されたトナーを攪拌すると共に、上記の搬送部材を正転させて、トナーをトナー出入口に向けて搬送させるようにしたため、トナー収容容器に収容されたトナーが適切にトナー出入口に搬送され、このトナー出入口を通してトナーが適切に補給されるようになる。
【0017】
また、このようにトナー収容容器に収容されたトナーを補給させるにあたり、トナーの補給を開始する当初に、上記の攪拌部材を逆転させて撹拌羽根を揺動させるようにすると、このトナー収容容器に収容されたトナーが詰まった状態で固まっていても、詰まって固まった状態にあるトナーが撹拌羽根の揺動によりほぐされるようになり、その後、上記のように攪拌部材を正転させて、撹拌羽根を回転させると、トナー収容容器に収容されたトナーが適切に攪拌され、上記のように搬送部材によりトナー出入口に向けて搬送されて、このトナーがトナー出入口を通して適切に補給されるようになる。
【0018】
一方、本発明において、上記のトナー収容容器を画像形成装置に着脱可能に装着させて、トナー像を転写させた後の像保持部材に残留するトナーを回収し、この回収トナーを上記のトナー収容容器に収容させるにあたり、上記のように搬送部材を逆転させて、回収トナーをトナー出入口から離れる方向に搬送させるようにすると、このトナー収容容器に導かれた回収トナーが、トナー出入口の近傍におけるトナー収容容器の部分に蓄積されても、この回収トナーが搬送部材によってトナー出入口から離れる方向に搬送されて、回収トナーがトナー出入口から漏れ出すのが防止されるようになる。
【0019】
また、回収トナーをトナー収容容器に収容させるにあたり、上記のように攪拌部材を逆転させて、撹拌羽根を揺動させるようにすると、トナー収容容器に収容された回収トナーが揺動する撹拌羽根により押さえ付けられて、トナー収容容器内に回収トナーが詰まった状態で収容され、トナー収容容器内に多くの量の回収トナーが収容されるようになり、回収トナーが収容されたトナー収容容器を頻繁に取り換えるという面倒もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】補給トナーを収容させた補給トナー用のトナー収容容器と、回収トナーを収容させる回収トナー用のトナー収容容器とが着脱自在に装着された本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略説明図である。
【図2】上記の画像形成装置において使用する本発明の一実施形態に係るトナー収容容器の概略縦断面図である。
【図3】上記の実施形態に係るトナー収容容器の概略横断面図である。
【図4】上記の実施形態に係るトナー収容容器において使用する攪拌部材の概略斜視図である。
【図5】上記の実施形態に係るトナー収容容器を補給トナー用のトナー収容容器として使用するにあたり、補給トナーの補給を開始する当初において、攪拌部材における回転部材を逆転させて、撹拌羽根を係合部材の外周に接触した状態で揺動させる工程を示した概略縦断面図である。
【図6】上記の実施形態に係るトナー収容容器を補給トナー用のトナー収容容器として使用するにあたり、攪拌部材の回転部材を正転させて、撹拌羽根により補給トナーを攪拌させると共に、搬送部材を正転させて、トナー搬送部内に導かれた補給トナーをトナー出入口に搬送させて、補給トナーを補給させる状態を示した概略縦断面図である。
【図7】上記の実施形態に係るトナー収容容器を回収トナー用のトナー収容容器として使用するにあたり、搬送部材を逆転させると共に、攪拌部材における回転部材を逆転させて、回収トナーをトナー収容容器内に詰め込む工程を示した概略縦断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、この発明の実施形態に係る画像形成装置及びトナー収容容器を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る画像形成装置及びトナー収容容器は、下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0022】
この実施形態の画像形成装置においては、図1に示すように、その装置本体1内に4つのイメージングカートリッジ10A〜10Dを装着させるようにしている。
【0023】
ここで、上記の各イメージングカートリッジ10A〜10Dには、像保持部材となる感光体11と、この感光体11の表面を帯電させる帯電装置12と、帯電された感光体11の表面に画像情報に応じた露光を行って感光体11の表面に静電潜像を形成する露光装置13と、感光体11の表面に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置14と、感光体11の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト2に転写させた後に残留するトナーを感光体11の表面から除去する第1クリーニング装置15とが設けられている。
【0024】
そして、この実施形態に係る画像形成装置において、フルカラーの画像形成を行うにあたっては、上記の各イメージングカートリッジ10A〜10Dにおける各現像装置14に、黒色,黄色,マゼンダ色,シアン色の異なった色彩のトナーを収容させ、各イメージングカートリッジ10A〜10Dにおいて、各感光体11の表面にそれぞれの色彩のトナー像を形成する。
【0025】
次いで、このように各イメージングカートリッジ10A〜10Dにおける各感光体11の表面に形成された各色彩のトナー像を、像保持部材となる中間転写ベルト2に順々に転写させて、この中間転写ベルト2の上にフルカラーのトナー像を形成する。一方、中間転写ベルト2に転写されずに各感光体11の表面に残留しているトナーを、上記の各第1クリーニング装置15によって各感光体11の表面から除去する。
【0026】
そして、上記のように中間転写ベルト2上に形成されたフルカラーのトナー像を転写ローラ5の位置に導く一方、給紙ローラ3により記録媒体Sを給紙し、タイミングローラ4によってこの記録媒体Sを適当なタイミングで上記の中間転写ベルト2と転写ローラ5との間に導き、中間転写ベルト2上に形成されたフルカラーのトナー像をこの記録媒体Sに転写させる。
【0027】
次いで、このようにフルカラーのトナー像が転写された記録媒体Sを定着装置6に導き、上記のフルカラーのトナー像を記録媒体Sに定着させた後、この記録媒体Sを排紙ローラ7により排紙させる。一方、この記録媒体Sに転写されずに中間転写ベルト2上に残ったトナーを、第2クリーニング装置8によって中間転写ベルト2の表面から除去させる。
【0028】
ここで、この実施形態の画像形成装置においては、上記の各イメージングカートリッジ10A〜10Dに設けられた各現像装置14に対応させて、それぞれ黒色,黄色,マゼンダ色,シアン色の異なった色彩の補給トナーを収容させた4つの補給トナー用のトナー収容容器30Aを装着させ、各補給トナー用のトナー収容容器30Aからそれぞれ対応する現像装置14に各色彩の補給トナーをそれぞれ対応する現像装置14に補給させるようにしている。
【0029】
また、この実施形態の画像形成装置においては、上記の各イメージングカートリッジ10A〜10Dに設けられた4つの第1クリーニング装置15によって各感光体11の表面から除去された回収トナー及び上記の第2クリーニング装置8によって中間転写ベルト2の表面から除去された回収トナーを回収トナー搬送手段20によって搬送して、この回収トナーを回収トナーホッパ21に導くようにする。
【0030】
そして、この回収トナーホッパ21の下に回収トナー用のトナー収容容器30Bを装着させ、回収トナーホッパ21に導かれた回収トナーを上記の回収トナー用のトナー収容容器30Bに収容させるようにしている。
【0031】
そして、この実施形態においては、上記の補給トナー用のトナー収容容器30Aと回収トナー用のトナー収容容器30Bとに同じトナー収容容器30を用いるようにしている。
【0032】
ここで、上記のトナー収容容器30においては、図2及び図3に示すように、トナーを収容させるトナー収容部31と、このトナー収容部31内におけるトナーを搬送させるトナー搬送部32とを設け、このトナー搬送部32の長手方向一端部にトナーの出し入れを行うトナー出入口33を設けている。
【0033】
また、上記のトナー搬送部32の内部に、回転軸341の外周に搬送羽根342が設けられた搬送部材34をトナー搬送部32に沿って正・逆回転可能に設けている。そして、この搬送部材34を正転させた場合には、トナー搬送部32内のトナーが、この搬送部材34によりトナー出入口33に向けて搬送される一方、この搬送部材34を逆転させた場合には、トナー搬送部32内のトナーが、この搬送部材34によりトナー出入口33から離れる方向に搬送されるようにしている。
【0034】
また、上記のトナー収容部31の内部に、回転部材351に撹拌羽根352が取り付けられた攪拌部材35を正・逆回転可能に設け、上記の撹拌羽根352から外方に突出するようにして弾性シート部材352aを設けると共に、この攪拌部材35を逆回転させた場合に、弾性シート部材352aが接触されて撹拌羽根352の回転が規制される規制部材36を設けている。
【0035】
ここで、上記の攪拌部材35においては、回転部材351の両側部に設けられた支持アーム353に上記の撹拌羽根352を回動可能に取り付けると共に、この撹拌羽根352の両側における係止部352bを、回転部材351の両側部に設けられたカム部材からなる係合部材354に設けられた係合凹部354aに係合させている。
【0036】
そして、攪拌部材35の正転時には、撹拌羽根352の係止部352bが係合部材353の係合凹部353aに係止されて、撹拌羽根352が攪拌部材35と一緒に回転される一方、攪拌部材35の逆転時には、撹拌羽根352の係止部352bが係合部材353の係合凹部353aから係脱されて、撹拌羽根352が回転する係合部材353の外周に接触した状態で揺動されるようにしている。
【0037】
また、この実施形態においては、上記の攪拌部材35における回転部材351において、その両側部に設けられた支持アーム353間の部分に十字状になった撹拌部351aを設けている。
【0038】
次に、上記のトナー収容容器30を補給トナー用のトナー収容容器30Aとして用い、このトナー収容容器30A内に収容された補給トナーtoを、トナー出入口33を通して補給させる場合について説明する。
【0039】
このようにトナー収容容器30を補給トナー用のトナー収容容器30Aとして使用するにあたっては、図1に示すように、このトナー収容容器30Aのトナー出入口33を下にして、画像形成装置内にセットする。
【0040】
ここで、この補給トナー用のトナー収容容器30Aにおいては、その内部に収容された補給トナーtoが詰まった状態で固まっていることがあるため、補給トナーtoの補給を開始する当初において、図5(A),(B)に示すように、上記の攪拌部材35における回転部材351を逆転させて、撹拌羽根352を係合部材353の外周に接触した状態で揺動させるようにする。このようにすると、撹拌羽根352の揺動及びこの攪拌部材35の回転部材351に設けられた撹拌部351aの回転により、詰まった状態で固まっている補給トナーtoがほぐされて攪拌されやすくなる。
【0041】
その後、図6に示すように、この攪拌部材35の回転部材351を正転させて、撹拌羽根352を回転部材351の回転に伴って回転させ、トナー収容部31内に収容された補給トナーtoを攪拌させて、この補給トナーtoをトナー搬送部32に導くと共に、このトナー搬送部32内に設けられた搬送部材34を正転させて、トナー搬送部32内に導かれた補給トナーtoをこの搬送部材34によりトナー出入口33に向けて搬送し、トナー出入口33を通して補給トナーtoを上記の現像装置14に補給させるようにする。
【0042】
このようにすると、補給トナー用のトナー収容容器30Aに収容された補給トナーtoが詰まって固まった状態であっても、この補給トナーtoが適切にほぐされてトナー出入口33に搬送され、このトナー出入口33を通して補給トナーtoが現像装置14に適切に補給させるようにする。
【0043】
次に、上記のトナー収容容器30を回収トナー用のトナー収容容器30Bとして用い、上記のように回収トナーホッパ21に導かれた回収トナーtaをこの回収トナー用のトナー収容容器30Bに収容させる場合について説明する。
【0044】
このようにトナー収容容器30を回収トナー用のトナー収容容器30Bとして使用するにあたっては、図1に示すように、このトナー収容容器30Bのトナー出入口33を上にして、画像形成装置内にセットする。
【0045】
そして、上記のように回収トナーtaをこのトナー収容容器30Bに収容させるにあたっては、図7(A)〜(D)に示すように、トナー搬送部32内に設けられた搬送部材34を逆転させると共に、上記の攪拌部材35における回転部材351を逆転させるようにする。
【0046】
ここで、上記のようにトナー搬送部32内に設けられた搬送部材34を逆転させると、トナー出入口33からトナー収容容器30B内に収容された回収トナーtaが、トナー出入口33の近傍におけるトナー収容容器30Bの部分において蓄積されても、蓄積された回収トナーtaが上記の搬送部材34によりトナー出入口33から離れる方向に搬送されるようになり、蓄積された回収トナーtaがトナー出入口33から漏れ出すということが防止される。
【0047】
また、上記のように攪拌部材35における回転部材351を逆転させると、係合部材353の係合凹部353aに係止された撹拌羽根352の係止部352bが、この係合凹部353aから係脱されて、撹拌羽根352が回転する係合部材353の外周に沿って揺動されるようになる。そして、撹拌羽根352における弾性シート部材352aがトナー収容部31の内部に設けられた規制部材36に接触して保持されて下動位置が規制された状態で、撹拌羽根352が上下動するようになる。
【0048】
このように撹拌羽根352が上下動すると、この撹拌羽根352によってトナー収容容器30B内に収容された回収トナーtaが押さえ付けられ、トナー収容容器30B内に回収トナーtaが詰まった状態で多く収容されるようになり、回収トナーtaが収容されたトナー収容容器30Bを頻繁に取り換えるという面倒もなくなる。
【符号の説明】
【0049】
1 装置本体
2 中間転写ベルト(像保持部材)
3 給紙ローラ
4 タイミングローラ
5 転写ローラ
6 定着装置
7 排紙ローラ
8 第2クリーニング装置
10A〜10D イメージングカートリッジ
11 感光体(像保持部材)
12 帯電装置
13 露光装置
14 現像装置
15 第1クリーニング装置
20 トナー搬送手段
21 回収トナーホッパ
30 トナー収容容器
30A 補給トナー用のトナー収容容器
30B 回収トナー用のトナー収容容器
31 トナー収容部
32 トナー搬送部
33 トナー出入口
34 搬送部材
341 回転軸
342 搬送羽根
35 攪拌部材
351 回転部材
352 撹拌羽根
352a 弾性シート部材
352b 係止部
353 支持アーム
354 係合部材
354a 係合凹部
36 規制部材
S 記録媒体
to 補給トナー
ta 回収トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に着脱可能に装着されるトナー収容容器において、トナー収容容器へのトナーの出し入れを行うトナー出入口が設けられると共に、このトナー収容容器の内部に、回転軸の外周に搬送羽根が設けられた搬送部材と、回転部材に撹拌羽根が取り付けられた攪拌部材とが正・逆回転可能に設けられ、上記の搬送部材の正転時にトナーがトナー出入口に向けて搬送される一方、搬送部材の逆転時にトナーがトナー出入口から離れる方向に搬送され、上記の攪拌部材の正転時に撹拌羽根が回転される一方、攪拌部材の逆転時に撹拌羽根が揺動されることを特徴とするトナー収容容器。
【請求項2】
請求項1に記載のトナー収容容器において、上記の攪拌部材における回転部材に撹拌羽根部が設けられると共に、この回転部材に上記の撹拌羽根に係合される係合部材が設けられ、攪拌部材の正転時に、上記の係合部材に撹拌羽根が係止されて撹拌羽根が回転される一方、攪拌部材の逆転時に、上記の係合部材から撹拌羽根が係脱されて撹拌羽根が揺動されることを特徴とするトナー収容容器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載したトナー収容容器が着脱可能に装着される画像形成装置において、上記のトナー収容容器に収容されたトナーを補給させるにあたり、上記の攪拌部材を正転させて、回転する撹拌羽根によりトナー収容容器に収容されたトナーを攪拌させると共に、上記の搬送部材を正転させて、トナーをトナー出入口に向けて搬送させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、上記のトナー収容容器に収容されたトナーの補給を開始する当初に、上記の攪拌部材を逆転させて、撹拌羽根を揺動させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載したトナー収容容器が着脱可能に装着される画像形成装置において、トナー像を転写させた後の像保持部材に残留するトナーを回収し、この回収トナーを上記のトナー収容容器に収容させるにあたり、上記の搬送部材を逆転させて、回収トナーをトナー出入口から離れる方向に搬送させると共に、上記の攪拌部材を逆転させて、撹拌羽根を揺動させることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−232685(P2011−232685A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105336(P2010−105336)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】