説明

トライアシル−3−ヒドロキシフェニルアデノシン及びその血中脂肪の調節用途

本発明は公式(I)のようなトライアシル-3 - ヒドロキシフェニルアデノシン、その調製方法及びその薬物組合せ物と用途を公開した。具体的に言えば、2',3',5' -三- O -アセチル-
N6 -(3 - ヒドロキシフェニル)アデノシンという新しい化合物を公開した。その調製方法はイノシンを原料とし、無水酢酸のアセチル化、塩化チオニルと3 - ヒドロキシアニリンの代替を通じて生成する。またトライアシル-3 - ヒドロキシフェニルアデノシンの薬物組合せ物を公開した。上記の薬物組合せ物の剤形は錠剤、カプセル剤、丸剤、注射剤、徐放性製剤、放出制御製剤或いは微粒子投薬システムが含まれている。本発明の化合物で作られた高血脂症を予防また/あるいは治療する薬物は血中脂肪を調節する活性が明らかであり、毒副作用が小さく、体内代謝が遅くなるというメリットを有する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトライアシル-3 - ヒドロキシフェニルアデノシン化合物、その調製方法、それを含む医薬組成物、及び高脂血症薬を調製するという用途に関連し、医薬技術領域に属している。
【背景技術】
【0002】
基礎研究データと臨床実践の多くは高脂血症の外、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症と複合高脂血症が脳卒中、冠状動脈性心臓病、心筋梗塞、心臓突然死になる重要な危険因子であることを証明した。さらに、高脂血症も高血圧、耐糖性異常、糖尿病を誘発する危険因子の一つである。そのほか、高脂血症は脂肪肝、肝硬変、膵炎、網膜出血、失明、末梢血管疾患、高尿酸血症を招く原因である。
【0003】
現在臨床に応用されている血中脂肪を調節する薬は例えばスタチンを代表とするコレステロール生合成阻害剤がHMG-CoA還元酵素を抑制することにより体内のコレステロール合成を減少し、低密度リポ蛋白コレステロール(LDL - C)のソースを減らす(特許文献1を参照)。同時に、このような種類の薬剤は肝細胞表面のLDL受容体表現ラベルを増加あるいはアクティブにすることにより血液中のLDL含量を減少させる。もう一つの種類はペルオキシソーム増殖活性化受容体(PPARs)転写因子をアクティブにしてトリグリセリド値を下げるフィブラートである。上記の二種類の薬物は現在よく使用された血中脂肪を調節する薬であり、臨床効果があり、投与量が小さく、生物学的利用性がよいが、起きた肝臓損傷や横紋筋融解症などの重篤な副作用がスタチンとフィブラートにおいて最も気になるセキュリティ上の問題になった。
【0004】
西洋製薬会社の新薬を開発するモデルと比べ、わが国の効果がある伝統的な漢方薬から新型の血中脂肪を調節するリード化合物を探すのはわが国の国情にふさわしい新薬研究モデルだと言える。多くの漢方薬の成分は血中脂肪調節において良好な効果があり、それに副作用がわりに少なく、将来性がある。例えば、サンザシに含まれるトリテルペノイドは体内でのコレステロール合成を抑制でき、コレステロールの除去を加速できる。ダイオウ、決明子(ケツメイシ)と何首烏(カシュウ)に含まれるアントラキノンは、腸蠕動を促進し、コレステロールの排泄を高めることができる。沢瀉(タクシャ)の血中脂肪低下作用は含まれているトリテルペノイドが内因性コレステロールの代謝を妨害することから起きる。丹参(タンジン)の丹参甲素体外モデルからコレステロールの合成を抑制することがわかる。赤芍(セキシャク)は胆汁酸の排出を増加することができる。アマチャヅルのアマチャヅル配糖体は血液中のLDL-C、総コレステロールとトリグリセリドの含量を低下し、HDL-Cの含量を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−83588
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の解決する技術問題のひとつは新たな2',3',5' -三- O -アセチル- N6 -(3 - ヒドロキシフェニル)アデノシン化合物を提供することである。
【0007】
本発明の解決する技術問題のもうひとつは新たな2',3',5' -三- O -アセチル- N6 -(3 - ヒドロキシフェニル)アデノシン化合物の調製方法を提供することである。
【0008】
本発明の解決する技術問題のもうひとつは新たな2',3',5' -三- O -アセチル- N6 -(3 - ヒドロキシフェニル)アデノシンを含む医薬組成物を提供することである。
【0009】
本発明の解決する技術問題のもうひとつは高血脂症を予防または治療する薬物の調製の時、新たな2',3',5' -三- O -アセチル-
N6 -(3 - ヒドロキシフェニル)アデノシンを使用するのを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の技術問題を解決するために、本発明は下記のような技術方案を使用している。
【0011】
本発明の2',3',5' -三- O
-アセチル- N6 -(3 - ヒドロキシフェニル)アデノシンは下記の公式(1)のようである。
【0012】
【化1】

【0013】
本発明はまた2',3',5' -三-
O -アセチル- N6 -(3 - ヒドロキシフェニル)アデノシンの調製方法に関する。下記の手順が含まれている。
手順一:イノシンの有機溶剤に無水酢酸を滴下して反応させて三- O -アセチルイノシンを得ること。
手順二:三- O -アセチルイノシンとSOCl2が反応し、三-O-アセチル- 6 - クロロアデノシンを得ること。
手順三:三-O-アセチル- 6 - クロロアデノシンと3 - アミノフェノールを有機溶剤で反応、純化させ、2',3',5' -三- O -アセチル- N6 -(3 - ヒドロキシフェニル)アデノシンを得ること。
【0014】
【化2】

式中、Rは3 - ヒドロキシアミノである。
【0015】
手順一に書かれた有機溶剤はピリジンから選ばれる。無水酢酸の滴下温度は-5〜5℃である。無水酢酸の滴下完了後の温度は20〜30℃まで上昇する。
手順二はトリエチルアミン存在の下に反応させる。
手順三の純化はカラムクロマトグラフィーで、溶離液は酢酸エチル:石油エーテル=2:1である。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、新たな2',3',5' -三- O -アセチル- N6 -(3 - ヒドロキシフェニル)アデノシン化合物を提供することなどができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明はまた治療有効量を含有する2',3',5' -三- O -アセチル- N6 -(3 - ヒドロキシフェニル)アデノシン及び薬学上に受けられるキャリアーを公開した。この薬物組合せ物(医薬組成物)は本分野で既知の方法により調製されてもいい。本発明の化合物を一種類或いはいくつかの種類の薬学上に受けられる固体または液体の賦形剤または/或いはアジュバントと組合せ、人間または動物に使用できる任意の製剤を調製することができる。本発明の化合物が薬物組合せ物における含量は普通0.1-95重量%である。
【0018】
本発明の化合物またはそれを含む薬物組合せ物は単位用量の形で飲んでもいい。薬を飲むルートは腸でも非腸でもかまわなく、例えば経口、静脈注射、筋肉注射、皮下注射、鼻腔、口腔の粘膜、目、肺と呼吸道、皮膚、腟、直腸など。
【0019】
剤形は液体でも、固体でも、半固体でもいい。液体の薬剤は溶液剤(分子溶液とコロイド溶液を含む)、乳剤(o/w型、w/o型、ダブルエマルションを含む)、懸濁剤、注射剤(水性の注射剤、粉末の注射剤、点滴を含む)、点眼剤、点鼻剤、洗剤、塗薬などである。固体の薬剤は錠剤(普通の錠剤、腸溶性錠剤、トローチ剤、分散性錠剤、チュアブル錠、発泡錠、口腔内崩壊錠を含む)、カプセル剤(硬カプセル剤、軟カプセル剤、腸溶性カプセルを含む)、顆粒剤、粉末剤、直径の2.5mmより小さいピル、滴丸( Dripping Pills)、坐薬、膜剤、パッチ、エアゾール又は粉末吸入剤(Powder Inhalation)、スプレーなどである。半固体の薬剤は軟膏、ゲル剤、ペースト剤などである。
【0020】
本発明の化合物は、通常の薬剤だけではなく、徐放性製剤、放出制御製剤、標的薬物及び様々な微粒子薬を作ることができる。
【0021】
本発明の化合物を錠剤に作るため、本分野で既知の各種類の賦形剤、例えば希釈剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤を自由に使用できる。希釈剤は、澱粉、デキストリン、ショ糖、ブドウ糖、乳糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、微結晶セルロース、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム等である。湿潤剤は、水、エタノール、イソプロパノールなどである。接着剤は、澱粉、デキストリン、シロップ、蜂蜜、グルコース溶液、微結晶性セルロース、アラビアゴムペースト、ゼラチンペースト、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、アクリル樹脂、カルボマー、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールなどである。崩壊剤は乾燥デンプン、微結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、炭酸水素ナトリウムとクエン酸、ポリオキシエチレンソルビトールアルコール脂肪酸エステル、ドデシルスルホン酸ナトリウムなどである。潤滑剤と流動促進剤はタルク、シリカ、ステアリン酸塩、酒石酸、流動パラフィン、ポリエチレングリコールなどである。
【0022】
また錠剤をコーティング錠に作られる。例えば砂糖コーティング錠、フィルムコーティング錠、腸溶コーティング錠剤、二層膜および多層膜。
【0023】
薬を飲むユニットをカプセル剤に作るため、本発明の化合物を希釈剤、流動促進剤と混合させ、硬カプセルまたはソフトカプセルに混合物を直接的にいれてもいい。それともまず本発明の化合物を希釈剤、結合剤、崩壊剤と混合して顆粒又はペレットに作り、それからそれを硬カプセルまたはソフトカプセルに入れてもいい。本発明の化合物錠剤を作るためのシンナー、接着剤、湿潤剤、崩壊剤、流動助剤は本発明の化合物のカプセル剤に使用できる。
【0024】
本発明の化合物を注射剤に作るため、水、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールまたはそれらの混合物を溶剤とし、本分野でよく使用された可溶化剤、溶剤、pH調整剤、浸透圧調節剤を適量で加入する。可溶化剤又は共溶媒はポロキサマー、レシチン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンなどである。pH調整剤はリン酸塩、酢酸塩、塩酸、水酸化ナトリウムなどである。浸透圧調節剤は塩化ナトリウム、マンニトール、ブドウ糖、リン酸塩、酢酸塩などである。凍結乾燥粉末剤を調製すれば、マンニトール、グルコースをサポートエージェント(support agent)として加入できる。
【0025】
そのほか、もし必要があれば、薬物に着色剤、防腐剤、香辛料、香味剤または他の添加剤を添加できる。発明された薬物組合せ物にはまたほかの血中脂肪を調節する薬物を含んでいる。
【0026】
本発明は高血脂症を予防また/あるいは治療する薬物の調製において2',3',5' -三- O -アセチル-
N6 -(3 - ヒドロキシフェニル)アデノシンを使用するのを公開した。その血中脂肪を調節する活性が明らかであり、毒副作用が小さく、体内代謝が遅くなる。
【0027】
薬の効き目があるようにするため、治療効果を強化するため、本発明の薬物或いは薬物の組合せ物はどんな既知の投薬方法でも投薬されることができる。
本発明の薬物組合せ物の投薬分量は予防・治療する疾病の性質と深刻な程度、患者あるいは動物の個体の情況、投薬ルートと剤形などにより大きく変わる。普通、本発明の化合物は適切な日用量の範囲が0.001-150mg/Kg体重で、0.1-100mg/Kg体重の方が最適で、1-60mg/Kg体重の方がもっと最適で、2-30mg/Kg体重の方が一番最適である。上記の用量は、一つの投薬ユニットまたはいくつかの投薬ユニットでもいい。それが医師の臨床経験およびその他の治療手段の投薬処方に依存しておる。
【0028】
本発明の化合物はあるいは組み合わせ物は単独で服用できるし、その他の薬物あるいは病状に対応している薬物と一緒に使用できる。本発明の化合物はほかの治療薬物と相乗効果がある場合、実際の情況によりその薬の分量を調整すべきである。
【実施例】
【0029】
実施の例を用いて本発明を更に説明するけど、本発明に対する制限を決して意味しない。
1H-NMRはすべての状況の下、提供された構造と一致である。特徴性化学の変位(δ)は四メチルシリル磁場以下の百万分で表示される。その中に常に使われた略語で主要な峰を命名する。例えばs,単峰、d,2重峰、t,3重峰、q,4重峰;m,多重峰、br,寛峰、dd,ダブル2重峰。質量スペクトル(m/z)はエレクトロスプレーイオン化の形で記録される。常用の溶剤に対し下記の略語を使う。即ちDMSO、重水素化ジメチルスルホキシド。
【実施例1】
【0030】
[2'、3'、5' -三- O -アセチル- N6
-(3 - ヒドロキシフェニル)アデノシン(WS070117)の合成]
手順1:5.36gのイノシンを25mLのピリジンに懸濁し、0℃まで氷浴し、無水酢酸を16mL滴下し、滴下の後、室温で6h混ぜ、TLC検査し、反応終了。減圧で大部分のピリジンを蒸発させ、冷却、水追加、抽出、洗浄し、白色固体(tri-O-アセチルイノシン)7.55gを得る。
手順2:上述の産物を5.5g取り、50mLのジクロロメタンと1mL のDMFを入れ、40℃まで加熱し、3.3g のSOCl2を含むCH2Cl2液を滴下し、還流し、6hの後、TLC検査し、反応終了。反応液をジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で二回洗浄し、飽和塩化ナトリウムで二回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧で溶剤を全部蒸発し、三-O-アセチル-6- クロロアデノシン5.4gを得る。
手順3:5.4gの三-O-アセチル-6- クロロアデノシンと4.28gの3-アミノフェノールに無水エタノールを30mL、トリエチルアミンを3.96g入れ、60℃で8h反応させる。溶剤を全部蒸発し、カラムクロマトグラフィーを使用し、酢酸エチル:石油エーテル= 2:1で溶出し、白い固体を1.51g得る。

1H-NMR(400MHz,DMSO)
δ:9. 83 (s,1H);9.32(s,1H);8.52(s,1H);
8.41(s,1H); 7.48(t,1H); 7.30(d,1H);
7.08(t,1H); 6.45(dd,1H);6.26(d,1H) ;
6.05 (t,1H); 5.64(t,1H);
4.42(q,1H);4.37(q,1H);4.25(q,1H); 2.11(s,3H);
2.04(s,1H);2.00(s,3H)。
ESI:m/z[MH+]
486.3753
【実施例2】
【0031】
[薬理作用]
[WS070117治療投薬は高脂血に罹るラットにおける血中脂肪のレベルに対する影響]
方法:
2.1モデルの作製と組分け
動物に対し、1週間適応性飼育した後、別々モデルを作製する。正常対照組以外のラットに対し高脂肪飼料を4週間連続に食べさせた後、6組に分け、4週間続く。4週間の後、尾の先から採血し、血清コレステロール(TC)とトリグリセリド(TG)の含量を検査する。TC、TGのレベルに配慮を加え、体重によりランダムでモデル対照組、陽性対照薬シンバスタチン組(2mg/kg)とフェノフィブラート組(50mg/kg)、WS070117高用量組(12mg/kg)、WS070117高用量組(6mg/kg)、WS070117低用量組(3mg/kg)という6組に分け、組ごとに20匹がいる。
【0032】
2.2投薬
投薬された組のラットに対し、モデル作製後の4週間から、毎日胃に一回投薬し,正常対照組とモデル組に対し、同量の蒸留水(10ml/kg)を与える。
【0033】
2.3各指標の検査
4週間ラットに投薬した後12h断食させ、45 mg/kgペントバルビタールナトリウムにより腹腔内注射で麻酔させ、また100
U/kg体重によりヘパリンを尾静脈注射する。15min以内、腹部大動脈から採血し、血清を分離し、試薬ボックスを通じて血清TC、TG、高密度リポ蛋白コレステロール(HDL - C)、低密度リポ蛋白コレステロール(LDL - C)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、遊離脂肪酸(FFA)の含量を測定し、肝臓と腹の後壁の脂肪を取って重量を測り、肝臓の指数と脂肪の指数を計算する。一部の肝臓を取ってホモジネートとし、ホモジネートの中のスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)とマロンジアルデヒド(MDA)の含量を試薬ボックスを通じて測定する。残った動物に対し、投薬を停止し、続いて高脂肪飼料を食べさせ、2週間の後、目の縁から静脈採血し、血清TC、TGの含量を測定する。
【0034】
結果1:高脂血症に罹ったラットの血中脂肪に対する影響
結果から見ると、ラットに高脂肪の飼料を続いて食べさせた後、血清TC、TG、LDL-Cの含量が明らかに上昇し、HDL/LDLの比率が明らかに低下し、血清遊離脂肪酸が上昇し、高脂血症に罹ったラットのモデルのコピーが成功だことを表明した。WS070117治療をあげれば、血清の中の上昇したTC、TG、LDL-Cの含量を明らかに低下させ、HDL/LDLの比率を明らかに上昇させることができ、WS070117が血中脂肪の調節に役に立つことを表明した。WS070117の6mg/kgはラットの遊離脂肪酸を明らかに低下する作用をもつ。(結果は表1をご参考)
【0035】
【表1】

【0036】
結果2:高脂血症に罹ったラットの腹後壁の脂肪の重量に対する影響
結果はラットに続いて高脂肪の飼料を食べさせた後、腹の後壁の脂肪の重量が明らかに昇り、WS070117治療を行えば、重量が明らかに低下し、WS070117が腹部の脂肪の蓄積を減少する作用をもつことを表明した。(結果は表2をご参考)
【0037】
【表2】

【0038】
結果3:高脂血症に罹ったラットの肝臓SOD、MDAに対する影響
結果からラットがモデル作製された4週間の後、肝臓中のMDAの含量が明らかに増え、SODの活性が明らかに減り、シンバスタチン、フェノフィブラート又はWS070117をあげた後、ラットの肝臓のSOD活性が明らかに高まり、WS070117が12mg/kgの下、肝臓のMDA含量が明らかに減ったことはわかる。それが抗酸化作用をもっていることを表明した。(結果は表3をご参考)
【0039】
【表3】

【0040】
結果4:高血脂症に罹ったラットの肝臓重量、血清ALTの活性に対する影響
結果はラットに続いて高脂肪の飼料を食べさせた後、血清のALT活性についてある程度で上昇傾向が現れたが、統計学的な意味がないことを表明した。モデル組のラットの肝臓指数が明らかに増大した。(結果は表4をご参考)
【0041】
【表4】

【0042】
結果5:投薬停止2週間後のラットの血中脂肪の変化
結果はラットは投薬停止2週間後の血清TCの含量がモデル組のラットより著しく低く、TGがはっきり再度上昇したことを表示した。WS070117の血中脂肪調節作用が投薬停止の後、2週間以上維持ができることを表明した。(結果は表5をご参考)
【0043】
【表5】

【実施例3】
【0044】
[WS070117治療が高血脂症に罹ったモデルハムスターの血中脂肪のラベルに対する影響]
方法:
3.1モデルの作りと組分け
動物に対し、1週間適応性飼育した後、別々モデルを作る。ハムスターは正常対照組以外、高脂肪飼料を4週間連続に食べさせた後、6組にランダムで分け、4週間続く。4週間の後、尾の先から採血し、血清コレステロール(TC)とトリグリセリド(TG)の含量を検査する。TC、TGのレベルに配慮を加え、体重によりランダムでモデル対照組、陽性対照薬シンバスタチン組(2mg/kg)とフェノフィブラート組(50mg/kg)、WS070117高用量組(12mg/kg)、WS070117高用量組(6mg/kg)、WS070117低用量組(3mg/kg)という6組に分け、組ごとに12匹がいる。
【0045】
3.2 投薬
投薬された組のハムスターに対し、モデル作り後の4週間から、毎日胃に一回投薬し、正常対照組とモデル組に対し、同量の蒸留水(10ml/kg)を与える。
【0046】
2.3各指標の検査
ハムスターに投薬した4週間の後、組ごとにランダムで10匹を選び、12h断食させ、目の縁から静脈採血し、血清を通常通り調製し、試薬ボックスによりTC、TG、HDL-C、LDL-Cの含量を測定し、腹の後壁の脂肪を取って重量を測って脂肪指数を計算しする。一部の肝臓を取ってホモジネートとし、ホモジネートの中のSOD、MDAの含量を試薬ボックスにより測定する。残った動物に対し、投薬を停止し、続いて高脂肪飼料を食べさせ、2週間の後、目の縁から静脈採血し、血清TC、TGの含量を測定する。
【0047】
結果1:高脂血症に罹ったハムスターの血中脂肪に対する影響
結果から見ると、ハムスターに高脂肪の飼料を続いて食べさせた後、血清TC、TG、LDL-Cの含量が明らかに上昇し、HDL/LDLの比率が明らかに低下し、血清遊離脂肪酸がやや上昇したことがわかる。高脂血症に罹ったハムスターのモデルコピーが成功だことを表明した。WS070117治療をあげれば、血清中の上昇したTC、TG、LDL-Cの含量を明らかに低下させ、HDL/LDLの比率を明らかに上昇させることができる。それはWS070117が血中脂肪の調節に役に立つことを表明した。(結果は表6をご参考)
【0048】
【表6】

【0049】
結果2:高脂血症に罹ったハムスターの腹後壁の脂肪重量に対する影響
結果からハムスターに続いて脂肪乳或いは高脂肪の飼料を食べさせた後、腹の後壁の脂肪の重量が明らかに昇ったことがわかる。WS070117治療を行えば、重量が明らかに低下したことから見ると、WS070117が腹部の脂肪蓄積を減少する作用をもつことを表明した。(結果は表7をご参考)
【0050】
【表7】

【0051】
結果3:高脂血症に罹ったハムスターの肝臓SOD、MDAに対する影響
結果からハムスターがモデル作製された4週間の後、肝臓中のMDA含量が明らかに増え、SODの活性が明らかに減り、シンバスタチン、フェノフィブラート又はWS070117をあげた後、ハムスターの肝臓のMDA含量が明らかに減ったことはわかる。それが抗酸化作用をもっていることを表明した。(結果は表8をご参考)
【0052】
【表8】

【0053】
結果4:高血脂症に罹ったハムスターの肝臓重量、血清ALTの活性に対する影響
結果はハムスターに続いて脂肪乳或いは高脂肪の飼料を食べさせた後、血清のALT活性についてある程度で上昇傾向が現れたが、統計学的な意味がないことを表明した。モデル組のラットの肝臓指数が明らかに増大し、WS070117がハムスターの血清のALT活性をある程度で減らす傾向を有する。(結果は表9をご参考)
【0054】
【表9】

【0055】
結果5:投薬停止2週間後のハムスターの血中脂肪の変化
結果からハムスターは投薬停止2週間後、TC、TGがモデル組より依然として著しく低いことはわかる。WS070117の血中脂肪調節作用が投薬停止の後、2週間以上維持ができることを表明した。(結果は表10をご参考)
【0056】
【表10】

【0057】
上記をまとめると、2'、3'、5' -三- O -アセチル- N6 -(3
- ヒドロキシフェニル)アデノシン(略称WS070117)は文献に書かれていない合成の新しい化合物で、薬力学実験はWS070117がラット、ハムスターのような高脂血症モデル動物の血中脂肪のラベルを調節する作用をもつことを実証し、2'、3'、5'-三- O -アセチル- N6 -(3 - ヒドロキシフェニル)アデノシンが実験性高脂血症の治療効果を有することを啓発した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
公式(I)のような2',3',5' -三- O -アセチル- N6 -(3 - ヒドロキシフェニル)アデノシン。
【化1】

【請求項2】
公式(I)のような2',3',5' -三- O -アセチル- N6 -(3 - ヒドロキシフェニル)アデノシンの調製方法であって、
【化1】

下記の手順が含まれていることを特徴とする。
手順一:イノシンの有機溶剤に無水酢酸を滴下して反応させて三- O -アセチルイノシンを得ること。
手順二:三- O -アセチルイノシンとSOCl2が反応し、三-O-アセチル- 6 - クロロアデノシンを得ること。
手順三:三-O-アセチル- 6 - クロロアデノシンと3 - アミノフェノールを有機溶剤に反応、純化させ、2',3',5' -三- O -アセチル- N6 -(3 - ヒドロキシフェニル)アデノシンを得ること。
【化2】

式中、Rは3 - ヒドロキシアミノである。
【請求項3】
手順一の反応に述べられた有機溶剤がピリジンから選ばれることを特徴とする請求項2に記載の調製方法。
【請求項4】
手順一の反応で無水酢酸の滴下温度が-5〜5℃で、無水酢酸の滴下完了後の温度が20〜30℃まで上昇することを特徴とする請求項2に記載の調製方法。
【請求項5】
上記の手順二の反応がトリエチルアミン存在の下に行うことを特徴とする請求項2に記載の調製方法。
【請求項6】
上記の手順三の純化がカラムクロマトグラフィーで、溶離液が酢酸エチル:石油エーテル=2:1であることを特徴とする請求項2に記載の調製方法。
【請求項7】
公式(I)のような2',3',5' -三- O -アセチル- N6 -(3 - ヒドロキシフェニル)アデノシンの治療有効量及び薬学上に受容可能なキャリアーを含有することを特徴とする医薬組成物。
【化1】

【請求項8】
ほかの血中脂肪調節の薬が含まれていることを特徴とする請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
上記の医薬組成物の剤形が錠剤、カプセル剤、丸剤、注射剤、徐放性製剤、放出制御製剤或いは微粒子投薬システムから選ぶことを特徴とする請求項7に記載または8の医薬組成物。
【請求項10】
高血脂症を予防または治療する薬物を製造するための、公式(I)のような2',3',5'
-三- O -アセチル- N6 -(3 - ヒドロキシフェニル)アデノシンの使用。
【化1】


【公表番号】特表2012−519714(P2012−519714A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553251(P2011−553251)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【国際出願番号】PCT/CN2009/070725
【国際公開番号】WO2010/040286
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(591120284)中国医学科学院葯物研究所 (6)
【Fターム(参考)】