説明

トリペプチドの使用

本発明は、皮膚の引き締め、張りの付与および/または保湿を行うためのトリペプチド誘導体の使用に関する。さらに本発明は、線維芽細胞および/またはケラチノサイトによる、D−グルコサミンおよび/またはN−アセチル−D−グルコサミン残基を含んでいるグリコサミノグリカン類および/またはプロテオグリカン類の合成(特に、ヒアルロン酸の合成および/またはプロテオグリカン類であるデコリンおよび/またはルミカンの合成など)を促進するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、皮膚の引き締め、張りの付与および/または保湿を行うためのある特定のトリペプチド誘導体の使用に関する。さらに本発明は、線維芽細胞および/またはケラチノサイトによる、D−グルコサミンおよび/またはN−アセチル−D−グルコサミン残基を含んでいるグリコサミノグリカン類および/またはプロテオグリカン類の合成(特に、ヒアルロナン(ヒアルロン酸)の合成および/またはプロテオグリカン類であるデコリンおよび/またはルミカンの合成など)を促進するための方法に関する。
【0002】
皮膚は、身体全体を覆っている柔軟で抵抗性のある組織の形でまとまっている細胞の集合から構成される。皮膚が果たす主な役割は、内部環境と外部環境との間でのある特定の交換ができるようにすることであると同時に、外部因子に対する防護壁のようなものである。これは、生物の生理学的条件および環境条件によって調節される数多くの代謝過程が行われる部位である。皮膚は、皮下組織が結合している2つの隣接層(表皮および真皮)から構成される。
【0003】
主要な役割が身体を保護することである表皮は、皮膚の最上層であり、これにより皮膚には不透過性および抵抗性が与えられる。それはおよそ4週間ごとに更新される。種々の細胞型が表皮中に共存するが、ケラチノサイトが主な細胞型となっている(90%)。ケラチノサイトの特徴的働きは、表皮の全タンパク質の95%を構成するケラチンの合成という働きである。ケラチン(繊維状の水不溶性タンパク質)は、有害な外部因子(熱、冷たさ、脱水)から皮膚を保護する表皮の角質層の構成成分である。
【0004】
表皮は、真皮表皮接合部または表皮基底膜と呼ばれる帯を介して真皮に結合している。この構造により真皮が表皮と接着し、この構造には皮膚の緊張性に部分的に関与する機械的支持の役割がある。これは、基底ケラチノサイトと真皮の線維芽細胞の両方から構成される。
【0005】
真皮(皮膚の内部層)は、細胞外マトリックスと呼ばれる複合媒体中に分散された細胞(線維芽細胞)から構成される、線維弾性結合組織である。このマトリックスは、コラーゲン、エラスチン繊維、糖タンパク質およびプロテオグリカン類(PG)から構成される。遊離型の(すなわち、タンパク質に結合していない)グリコサミノグリカン類(GAG)も、細胞外マトリックス中に見出される。
【0006】
グリコサミノグリカン類(GAG)は、二糖単位からなるポリマーである。ヒアルロン酸は、人間の皮膚に最も頻繁に見出されるGAGの中でも最初に挙げることのできるもので、最も多く存在する。コンドロイチン−4−硫酸とコンドロイチン−6−硫酸、デルマタン硫酸ならびに、少量であるが、ヘパリンおよびヘパラン硫酸も存在する。GAGの二糖単位は、ヘキソサミン(D−グルコサミンまたはD−ガラクトサミン)(硫酸化されていることがかなりある)とウロン酸(D−グルクロン酸またはL−イズロン酸)とが交互になって形成されている。
【0007】
GAGは一般に、タンパク質に共有結合して、プロテオグリカン類(例えば、ルミカンまたはデコリンなどで、どちらもロイシンを多量に含む小さなプロテオグリカン(SLRP)のファミリーに属する)を形成する。知られているGAGの中でも、上に挙げたヒアルロン酸だけは、中央タンパク質に結合した状態で合成されない。
【0008】
プロテオグリカン類は、枝分かれした中央タンパク質の幹(または、タンパク質網)(これに、グリコサミノグリカン類として知られる多数の炭水化物側鎖が結合している)から構成される複雑な巨大分子である。プロテオグリカン類の構造は、例えば、「The Journal of investigative dermatology(1982),79,Suppl.1,31s−37s」に記載されている。
【0009】
水分子と強く会合してゲルを形成するという特性のため、GAGならびにプロテオグリカン類により真皮および表皮が確実に湿潤化されることはよく知られている。十分に湿潤化された皮膚により、外見がよくなり、また生理学的状態および機能状態が満足のゆくものとなり、特に機械的性質がよくなることが保証される。
【0010】
詳しく述べれば、老化するにつれ、線維芽細胞およびケラチノサイトが産生するPGおよびGAGは次第に減少し、それらの合成は不十分となる。そのため、秩序がひどく崩壊する。すなわち、PGを形成するタンパク質骨格へGAGの付着が異常になり、その結果、水に対するそうしたPGの親和力が減少し、そのようにして組織の湿潤化および緊張性が低下するが、そのことはとりわけ皮膚のしなやかさの消失に反映される。
【0011】
それゆえに、その効果が、皮膚におけるPG(ルミカンまたはデコリンなど)およびGAG(ヒアルロナンなど)のレベルを維持することに向けられ活性薬剤、それゆえに、皮膚の引き締め、張りの付与および/または保湿に用いるのに適した活性薬剤が継続的に必要とされている。結果的に、皮膚のしわが取れたように見え、皮膚の緊張性が改善され、皮膚のたるみが防止されるかまたは低減し、かつ皮膚のしなやかさおよび弾性が維持または復元される(リモデリング効果)。さらに、瘢痕形成が促進され、表皮の微細損傷を修復することができ、さらに皮膚線条が低減する。
【0012】
驚くべきことに、ある特定のトリペプチド誘導体は、人間の線維芽細胞によるヒアルロナン(ヒアルロン酸)および/またはプロテオグリカン類であるデコリンおよび/またはルミカンの合成を増大させることができ、それゆえに、上に略述した皮膚状態(説明したとおり、そうしたGAGおよびPGの産生が不足していることに起因するもの)を治療するのに特に有用であることが見出された。このことはさらに、皮膚の緊張性と皮膚の張り(firmness)の改善ならびにリモデリング効果(すなわち、そのようなトリペプチド誘導体を含む化粧組成物を局所的に塗布した後のたるみおよび二重顎に対する効果)を示す生体内調査で例証されている。
【0013】
したがって、本発明は、皮膚の引き締め、張りの付与および/または保湿を行うための、一般式(I)
R1−A−B−C−R2 (I)
[式中、
R1は、パルミトイルまたはテトラデシルアミノカルボニルを意味し、
R2は、OHまたはNH−ヘキサデシルを意味し、
Aは、アルギニル、リシル、オルニチルまたは2,4−ジアミノブチロイルを意味し、
Bは、バリル、ロイシル、イソロイシルまたはノルバリルを意味し、さらに
Cは、アルギニル、リシルまたは2,4−ジアミノブチロイルを意味する]
のトリペプチド誘導体およびその皮膚科学的に許容される塩の使用に関する。
【0014】
特に、本発明によるトリペプチド誘導体は、皮膚のしわとり、皮膚のたるみの防止または低減、皮膚のしなやかさおよび弾性の維持または回復(リモデリング効果)、瘢痕形成の促進および表皮の微細損傷の修復および/または皮膚線条の低減を行うのに適している。
【0015】
別の実施形態では、本発明は、線維芽細胞および/またはケラチノサイトによるD−グルコサミンおよび/またはN−アセチル−D−グルコサミン残基を含んでいるグリコサミノグリカン類および/またはプロテオグリカン類の合成を促進するための方法であって、そのような処置を必要とする個人に、上に略述した式(I)に相当する少なくとも1種のトリペプチド誘導体を有効量投与することを含む、グリコサミノグリカン類および/またはプロテオグリカン類の合成を促進するための方法に関する。特に本発明は、ヒアルロナン(ヒアルロン酸)および/またはプロテオグリカン類であるデコリンおよび/またはルミカンの合成を促進するための方法に関する。前記方法は、上述のように、グリコサミノグリカンの合成および/またはプロテオグリカンの合成(特に、ヒアルロン酸、デコリンおよび/またはルミカンの合成)が不足していることに苦しむ患者の治療に特に適しており、その治療は、皮膚の締まりおよび張りを改善し、かつ/または皮膚の湿潤化を向上させることにより、前記不足の悪影響をなくすため行われる。したがって、前記方法は、皮膚のしわとり、皮膚のたるみに対する治療または併用治療(co−treatment)、皮膚のしなやかさおよび弾性の維持または回復、瘢痕形成の促進、表皮の微細損傷の修復または皮膚線条の低減に特に適している。
【0016】
さらに、本発明は、ヒアルロナン(ヒアルロン酸)の合成を促進するための、式(I)[式中、R1はパルミトイルまたはテトラデシルアミノカルボニルであり;R2は、OHまたはNH−ヘキサデシルであり;Aは、アルギニル、リシル、オルニチルまたは2,4−ジアミノブチロイルであり;Bは、バリル、ロイシル、イソロイシルまたはノルバリルであり、Cは、アルギニル、リシルまたは2,4−ジアミノブチロイルである]に相当する少なくとも1種のトリペプチド誘導体またはその皮膚科学的に許容される塩の、上に略述したような使用に関する。
【0017】
本発明はさらに、グリコサミノグリカンの合成(特にヒアルロン酸の合成)を促進することが望ましい任意の治療処置方法に関する。
【0018】
本発明はまた、式(I)に相当するトリペプチド誘導体の光学異性体、ならびにそうした誘導体の生理学的に許容される塩を包含する。
【0019】
式(I)の化合物は、酸と一緒になって一価または多価の均質な塩または混合塩を形成することができ、例えば、無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸またはリン酸など)と一緒になって;または適切なカルボン酸で、例えば、脂肪族モノ−またはジカルボン酸(ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、シュウ酸、フタル酸、クエン酸、乳酸または酒石酸など)と一緒になって;または芳香族カルボン酸(安息香酸またはサリチル酸など)と一緒になって;または芳香族脂肪族カルボン酸(マンデル酸またはケイ皮酸など)と一緒になって;または複素環式芳香族カルボン酸(ニコチン酸など)と一緒になって;または脂肪族または芳香族スルホン酸(メタンスルホン酸またはトルエンスルホン酸など)と一緒になって形成できる。好ましいのは「皮膚科学的に許容される塩」である。
【0020】
本発明によれば、式(I)に相当するトリペプチド誘導体は、単独で、または任意の割合の混合物として使用できる。
【0021】
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、使用される式(I)に相当するトリペプチド誘導体は、AおよびC(同一でも異なっていてもよい)がリシルまたは2,4−ジアミノブチロイルと定義されるトリペプチド誘導体である。
【0022】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、使用される式(I)に相当するトリペプチド誘導体は、R2がOHを表すトリペプチド誘導体である。
【0023】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、式(I)に相当するトリペプチド誘導体は、塩化物塩、酢酸塩またはトリフルオロ酢酸塩、特にトリフルオロ酢酸塩である。
【0024】
本発明にしたがって使用される式(I)のトリペプチド誘導体の中で、好ましいのは以下のものである:
Palm−Lys−Val−Lys−OH
Palm−Orn−Val−Lys−OH
Palm−Lys−Leu−Lys−OH
Palm−Lys−Ile−Dab−OH
Palm−Lys−Nva−Dab−OH
Palm−Lys−Leu−Dab−OH
Palm−Lys−Val−Dab−NH−ヘキサデシル
テトラデシル−NH−C(O)−Dab−Val−Dab−OH
テトラデシル−NH−C(O)−Lys−Ile−Dab−OH
テトラデシル−NH−C(O)−Arg−Val−Arg−OH
[式中、Palmはパルミトイルを意味し、Dabは2,4−ジアミノブチロイルを意味する]。
【0025】
本発明にしたがって使用される式(I)のトリペプチド誘導体の中で、もっとも好ましいものは、テトラデシル−NH−C(O)−Dab−Val−Dab−OH、特にトリフルオロ酢酸塩の形のものである。
好ましくは、本発明によるトリペプチド誘導体中のアミノ酸はすべてL−配置である。
【0026】
式(I)に相当するトリペプチド誘導体およびその組成物は、特許文献で知られており、国際公開第2004/099237号パンフレットに記載されている。
【0027】
本発明によるトリペプチド誘導体は、皮膚の引き締め、張りの付与および/または保湿に適した所望のどんな塗布形態(例えば、局所用組成物)で使用してもよい。しかし、本発明によるトリペプチド誘導体は、リポソーム、ナノゾーム(nanosomes)、シクロデキストリンなどのナノ粒子中にカプセル化するのにも適しており、ナノ粒子はその後、所望の塗布形態に含めることができる。
【0028】
好ましくは、有効量の少なくとも1種のトリペプチド誘導体(定義および好ましい条件は上に示したとおりである)を、化粧的に許容されるキャリヤーをさらに含む局所用組成物中に含める。
【0029】
そのような局所用組成物は、特に皮膚の引き締め、張りの付与および/または保湿に適しており、とりわけ皮膚のしわとり、皮膚のたるみの防止または低減、皮膚のしなやかさおよび弾性の維持または回復(リモデリング効果)、瘢痕形成の促進および表皮の微細損傷の修復および/または皮膚線条の低減などに適している。
【0030】
「有効量」という用語は、一般には局所用組成物の少なくとも0.00001重量%を意味する。好ましくは、組成物は、組成物の全重量を基準にして0.0001%〜10%の量、好ましくは0.0001%〜1%の量のトリペプチド誘導体を含む。
【0031】
本明細書で使用される「局所用組成物」という用語は、特に、哺乳類のケラチン組織で、例えば、人間の皮膚または毛髪(まつげ、眉毛を含む)または爪など、特に人間の皮膚に局所的に塗布できる化粧組成物を指す。
【0032】
本出願で使用される「化粧組成物」という用語は、Rompp Lexikon Chemie,10th edition 1997,Georg Thieme Verlag Stuttgart,New Yorkの中で”Kosmetika”という見出しに定義されている化粧組成物、ならびにA.Domsch,”Cosmetic Compositions”,Verlag fur chemische Industrie (ed.H.Ziolkowsky),4th edition,1992に開示されている化粧組成物を指す。
【0033】
化粧的に許容されるキャリヤーという用語は、局所用組成物または組成物に従来使用されているすべてのキャリヤーおよび/または賦形剤および/または希釈剤を指す。
【0034】
好ましくは、局所用組成物は、溶剤または脂肪質中の懸濁液または分散体の形、あるいはエマルジョンまたはマイクロエマルジョン(特に、O/WまたはW/O型)、PIT−エマルジョン、複合エマルジョン(例えば、O/W/0またはW/O/W型)、ピッカリング(pickering)エマルジョン、ヒドロゲル、アルコールジェル、リポジェル(lipogel)、単層または多層溶液あるいは小胞分散体(vesicular dispersion)の形あるいは他の普通の形態であり、それらはペンでも、マスクとして、またはスプレーとしても塗布できる。局所用組成物がエマルジョンであるかまたはエマルジョンを含む場合、それは1種または複数種の陰イオン、非イオン、陽イオンまたは両性の界面活性剤を含むこともできる。
【0035】
好ましい局所用組成物は、スキンケア組成物、および機能組成物である。
【0036】
スキンケア組成物の例には、特に、ボディーオイル、ボディーローション、ボディージェル、トリートメントクリーム、皮膚保護用軟膏剤(skin protection ointments)、シェービング組成物(シェービングフォームまたはシェービングジェルなど)、スキンパウダー(ベビーパウダーなど、保湿ジェル、保湿スプレー、リバイタライズング(revitalizing)ボディースプレー、セルライトジェル、顔および/または身体の保湿剤、顔および/または身体のクレンザー、美顔用パック、にきび止め組成物および/または皮膚剥脱(peeling)組成物がある。
【0037】
機能組成物の例には、ホルモン組成物、ビタミン組成物、植物抽出物組成物、老化防止組成物、および/または抗菌(抗菌性または抗真菌性)組成物などの、有効成分を含む化粧組成物または医薬組成物があるが、これらに限定されない。
【0038】
本発明にしたがった局所用組成物は、液体、ローション、濃化ローション(thickened lotion)、ジェル、クリーム、乳液、軟膏、ペースト、粉末、メーキャップ(make−up)、または固体チューブスティック(solid tube stick)の形であってよく、また任意選択でエアロゾルとしてパッケージ化されていれていてもよく、ムース(エアロゾルムースなど)、フォームまたはスプレーフォーム、スプレー、スティック、プラスター、クレンザー、石けん、ワイプ(wipe)または凍結乾燥物(Pentapharm Dual Vial systemなど)の形で提供されうる。
【0039】
本発明にしたがって使用される組成物は、好ましくは、水中油型または油中水型のエマルジョン、シリコーン中水型または水中シリコーン型のエマルジョンあるいは水性セラム(aqueous serum)または水性ジェルとして配合される。
【0040】
本発明にしたがって使用される化粧組成物は、3〜10の範囲のpHを有し、好ましくは4〜8のpHの範囲、最も好ましくはpH4〜6の範囲である。
【0041】
本発明によれば、局所用組成物は、上に定義した少なくとも1種のトリペプチド誘導体を含み、任意選択で、更なる成分と組み合わせられ、更なる成分には、肌を明るくするための成分;日焼け防止成分;色素沈着過剰の治療用成分;にきび、しわ、すじ(lines)、萎縮症および/または炎症の防止または低減用成分;ならびに局所麻酔剤;抗菌剤および/または抗真菌剤;キレート化剤および/または補足剤;抗脂肪沈着剤およびダイエット剤(slimming)(例えば、フィタン酸)、張りの付与、保湿および活力増強(energizing)、セルフ・タンニング、沈静化、ならびに弾性改善剤および皮膚保護剤および/または紫外線遮断物質などがある。局所用化粧組成物は、通常の化粧補助剤および添加剤も含むことができ、そうした補助剤および添加剤には、防腐剤/酸化防止剤、脂肪性(fatty)物質/油類、水、有機溶剤、シリコーン、増粘剤、柔軟剤、乳化剤、消泡剤、保湿剤、美的成分(芳香剤など)、界面活性剤、充填剤、金属イオン遮閉剤、陰イオン、陽イオン、非イオンまたは両性のポリマーまたはそれらの混合物、噴射剤、酸性化剤または塩基性化剤、染料、着色料(colorings)/着色剤、研磨剤、吸収剤、精油、皮膚感覚剤(skin sensates)、収斂剤、消泡剤、顔料またはナノ顔料(nanopigments)(例えば、紫外線放射を物理的に遮断することによって光防護効果をもたらすのに適したもの)、あるいは化粧組成物に普通に配合される他の任意の成分がある。スキンケア業界で通常用いられるそのような化粧成分は、本発明の組成物に用いるのに好適であり、例えば、CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition(1992)に記載されているが、それらに限定されない。
【0042】
通常の化粧補助剤および添加剤(例えば、乳化剤、増粘剤、界面活性成分および皮膜形成剤など)は、通常の試験を行うか、または化粧組成物の配合について普通に考えれば、当該分野の専門家が判定できる相乗効果を示しうる。
【0043】
必要量は、所望の製品に基づいて、当業者が容易に決定できる。本明細書における有用な化粧有効成分により、場合によっては複数の利点がもたらされるか、または複数の作用様式によって効果がもたらされる。
【0044】
特に何も述べられていなければ、以下に挙げるキャリヤー、賦形剤、添加剤、希釈剤、補助剤および添加剤などは、本発明による局所用組成物に特に適している。
【0045】
本発明による局所用組成物は、更なる化粧有効成分を含んでもよい。化粧有効成分の例には、ペプチドおよび/またはオリゴペプチド(例えば、Matrixyl(商標)[ペンタペプチド誘導体]、SYN(登録商標)−TACKSに含まれるペプチドの一方または両方、SYN(登録商標)−COLL(INCI:パルミトイルトリペプチド−5、グリセリン)、SYN(登録商標)−AKE(INCI:水、グリセリン、ジペプチドジアミノ酪酸ベニルアミド二酢酸(Dipeptide Diaminobutyric acid benylamide diacetate)(DSM Nutritional Products Ltd.,Branch Pentapharmのもの)、Ac−Gln−Asp−Val−His−OHおよび/またはH−Lys−Asp−Val−Cit−NH2 2TFAなど)、ワックスをベースにした合成ペプチドおよびパルミトイル−オリゴペプチド、ヨードプロピルブチルカルバメート、グリセロール、尿素、グアニジン(例えば、アミノグアニジン);ビタミン類およびその誘導体(ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンA(例えば、パルミチン酸レチニルまたはプロピオン酸レチニルなどのレチノイド誘導体)、ビタミンE(例えば、酢酸トコフェロール)、ビタミンB(例えば、ナイアシンアミド)およびビタミンB(例えば、パンテノール)、ビタミンBおよびビタミンB12、ビオチン、葉酸など);にきび止めの活性成分(actives)または薬剤(例えば、レソルシノール、サリチル酸など);酸化防止剤(例えば、植物ステロール類、リポ酸);フラボノイド類(例えば、イソフラボン類、フィトエストロゲン類);皮膚の鎮静剤および治癒剤(アロエベラ抽出物、アラントインなど);美的目的に適した試剤で、精油、芳香剤、皮膚感覚剤、乳白剤、芳香族化合物(例えば、ちょうじ油、メントール、樟脳、ユーカリ油、およびオイゲノールおよびそれらの誘導体)、剥離活性剤(desquamatory actives)、ヒドロキシ酸(アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸など)、多価不飽和脂肪酸、遊離基補足剤、ファルネソール、抗真菌活性剤(antifungal actives)特にビサボロール、アルキルジオール類(1,2−ペンタンジオール、ヘキサンジオールまたは1,2−オクタンジオールなど)、フィトール、ポリオール類(フィタントリオールなど)、セラミド類および疑似セラミド類、アミノ酸類、タンパク水解物、多価不飽和脂肪酸、植物抽出物(カイネチンのようなもの)、DNAまたはRNAおよびそれらの断片化生成物、炭水化物、共役脂肪酸、カルニチン、カルノシン、ビオチノネン(biochinonen)、フィトフルエン、フィトエン、およびそれらの対応誘導体、補酵素Q10/ユビキノン)、酸化防止剤(好ましくは(−)−没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、ヒドロキシチロソール(hydroxytyrosol)および/またはオリーブ抽出物など)、シアバター、藻類抽出物、カカオ脂、アロエ抽出物、ヒアルロン酸およびエラスチンなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0046】
化粧有効成分の好ましい例には、ビタミンC(アスコルビン酸)および/またはその誘導体(例えば、DSM Nutritional Products Ltd.のStay C(モノリン酸アスコルビルナトリウム(sodium ascorbyl monophosphate))などのリン酸アスコルビル)、ビタミンAおよび/またはその誘導体(例えば、パルミチン酸レチニルまたはプロピオン酸レチニルなどのレチノイド誘導体)、ビタミンEおよび/またはその誘導体(例えば、酢酸トコフェロール)、ビタミンB、ビタミンB12、ビオチン、補酵素Q10、EGCG、ヒドロキシチロソールおよび/またはオリーブ抽出物、シアバター、藻類抽出物、カカオ脂、アロエ抽出物、ホホバ油、ムラサキバレンギク抽出物、エラスチンおよびヒアルロン酸がある。
【0047】
更なる化粧有効成分は、典型的には、局所用組成物の全重量を基準にして少なくとも0.001重量%の量だけ含める。一般には、約0.001重量%〜約30重量%、好ましくは約0.001重量%〜約10重量%の量の更なる化粧活性薬剤(cosmetically active agent)を使用する。
【0048】
好ましくは、ビタミンC(アスコルビン酸)および/またはその誘導体、特にリン酸アスコルビル(Stay C(モノリン酸アスコルビルナトリウム)など)を、0.1〜5重量%、特に0.1〜2重量%の量だけ本発明による局所用組成物中に使用する。
【0049】
シアバターは、好ましくは、本発明による局所用組成物中に0.5〜10重量%、特に0.5〜5重量%の量だけ使用する。
【0050】
藻類抽出物は、好ましくは、本発明による局所用組成物中に0.1〜10重量%、特に0.5〜1重量%の量だけ使用する。
【0051】
アロエ抽出物は、好ましくは、本発明による局所用組成物中に0.1〜10重量%、特に0.5〜1重量%の量だけ使用する。
【0052】
エラスチンは、本発明による局所用組成物中に、0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%の量だけ使用するのが好ましい。
【0053】
本発明に用いるビタミンE誘導体はトコフェリル酢酸である。トコフェリル酢酸は、局所用組成物中に約0.05重量%〜約25重量%、特に.05重量%〜5重量%の量だけ存在してよい。関心を引く別のビタミンE誘導体はトコフェリルリノール酸(tocopheryl linoleate)である。トコフェリルリノール酸は、スキンケア組成物中に約0.05重量%〜約25重量%特に.05重量%〜5重量%の量だけ存在してよい。ビタミンAおよび/またはその誘導体、特にレチノイド誘導体(パルミチン酸レチニルまたはプロピオン酸レチニルなど)は、好ましくは、0.01−5重量%、特に0.01−0.3重量%の量だけ本発明による局所用組成物中に使用されることを確認されたい。
【0054】
カカオ脂は、好ましくは、本発明による局所用組成物中に0.5〜5重量%の量だけ使用する。
【0055】
ヒアルロン酸は、好ましくは、トリペプチドと組み合わせて本発明による局所用組成物に使用される。というのは、そうした組合わせにより、内層および外層において皮膚を効果的に保護できるからである。ヒアルロン酸は、好ましくは0.1〜0.5重量%の量だけ使用する。もっとも好ましくは、ヒアルロン酸は、例えば、Hyasol(登録商標)−BTという商品名でDSM Nutritional Products Ltd.,Branch Pentapharmから市販されているヒアルロン酸−BTの1%溶液として含める。
【0056】
特に明記しない限り、重量%の表示は常に組成物の全重量を基準にしたものである。
【0057】
もちろん、当業者は、上述の任意選択の更なる化合物(1種または複数種)および/またはそれらの量を、本発明に従った組合わせと本来結びつく有利な特性が、思い付いた添加物(1種または複数種)によって悪影響を受けない(または実質的に受けない)ように、注意深く選択するであろう。
【0058】
どのくらいの量の局所用組成物を塗布すべきかは、製品中の有効成分(1種または複数種)の濃度および所望の化粧効果(1種または複数種)によって異なる。典型的な「リーブオン(leave−on)」組成物(スキンケアエマルジョンのようなもの)または機能組成物は、例えば、皮膚1cm当たり約0.5〜約2mgの量を普通は塗布する。塗布量は通常、重要ではなく、所望の効果(1種または複数種)は、組成物をさらに用いること、組成物の塗布を繰り返すこと、および/または有効成分(1種または複数種)をさらに含んでいる組成物を塗布することによって達成されうる。
【0059】
本明細書で使用される「リーブオン組成物」とは、皮膚に塗布した後、意図的に取り除かれない局所用組成物を意味する。少なくとも約15分、より好ましくは少なくとも約30分、さらにより好ましくは少なくとも約1時間、もっとも好ましくは少なくとも数時間(例えば、約12時間まで)の間、皮膚に残すのが好ましい。
【0060】
別の実施形態では、本発明はまた、皮膚の引き締め、張りの付与および/または保湿の方法であって、前記方法が、有効量の局所用組成物(定義および好ましい条件はすべて上に示したとおりである)を、そのような治療を必要とする患者の皮膚に塗布するステップを含む、皮膚の引き締め、張りの付与および/または保湿の方法に関する。特に、本発明は、皮膚のたるみに対する治療または併用治療、皮膚のしなやかさおよび弾性の維持または回復、瘢痕形成の促進および表皮の微細損傷の修復あるいは皮膚線条の低減の方法であって、前記方法が、有効量の局所用組成物(定義および好ましい条件は上に示したとおりである)を、そのような治療を必要とする患者の皮膚に塗布するステップを含む方法に関する。本発明で使用されている治療または併用治療という用語は、皮膚のたるみ、瘢痕形成または皮膚線条を防止するために局所用組成物を予防的に使用することも含む。
【0061】
こうした方法の局所用組成物(定義および好ましい条件は上に示したとおりである)の有効量とは、生理学的効果を得るのに必要な量を指す。生理学的効果は、1回の用量で、または数回の用量で達成されうる。投与する適用量は、当然ながら、周知の因子(特定の組成物の生理学的特性およびその方法ならびに投与経路;投与対象者の年齢、健康状態および体重;症状の性質および程度;併用治療の種類;治療の頻度;および所望の効果など)によって異なりうるものであり、当業者が調節できる。好ましくは、局所用組成物は、少なくとも1日2回(例えば、朝1回と夕方1回など)塗布する。
【0062】
以下の実施例は、本発明の組成物および効果をさらに例示するために示されている。これらの実施例は説明のためだけのものであり、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0063】
[実施例1]
ヒアルロン酸の合成に対するトリペプチド誘導体の効果の調査:
通常の人間の線維芽細胞(NHF)でのヒアルロナン合成の測定:
通常の人間の線維芽細胞(NHF)を96ウェル細胞培養プレート(Nunclon)に蒔いた。3日間増殖させた後、本発明のトリペプチド誘導体をFCSの含まれていない培地に加え、細胞をさらに3日間温置した。増殖培地内の分泌ヒアルロナン合成を、Echelon(Salt Lake City,Utah)のヒアルロナン試験キットを用いて測定した。
【0064】
[実施例2]
プロテオグリカンである「デコリン」の合成に対するトリペプチド誘導体の効果の調査:
通常の人間の線維芽細胞でのデコリン合成の測定:
通常の人間の線維芽細胞(NHF)を96ウェル細胞培養プレート(Nunclon)内で増殖させた。3日後に、本発明のトリペプチド誘導体をFCSの含まれていない培地に加え、細胞をさらに3日間温置した。デコリン合成を測定するために、酵素結合免疫測定法(EIA)を実施した。要約すると、以下のとおりである:細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定してから、0.5 Triton−X100で透過処理し、その後、非特異結合部位のブロッキングを5%スキムミルクで行った。デコリンの染色のために、細胞をヤギ−抗デコリン抗体(goat−anti−Decorin antibody)(R&Dsystems)と一緒に温置した。それはウサギ−抗ヤギHRP複合化(rabbit−anti−goat HRP conjugated)(Pierce)二次抗体によって検出した。基質を加えた後、デコリン合成を、492nmにおいて吸光度プレートリーダー(absorbance plate reader)(Multiskan Ascent,Thermolabsystems)で測定した。
【0065】
[実施例3]
プロテオグリカンである「ルミカン」の合成に対するトリペプチド誘導体の効果の調査:
通常の人間の線維芽細胞でのルミカン合成の測定:
通常の人間の線維芽細胞(NHF)を96ウェル細胞培養プレート(Nunclon)内で増殖させた。3日後に、本発明のトリペプチド誘導体をFCSの含まれていない培地に加え、細胞をさらに3日間温置した。ルミカン合成を測定するために、酵素結合免疫測定法(EIA)を実施した。要約すると、以下のとおりである:細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定してから、0.5 Triton−X100で透過処理し、その後、非特異結合部位のブロッキングを5%スキムミルクで行った。ルミカンの染色のために、細胞をヤギ−抗ルミカン(L−20)抗体(Santa Cruz Biotechnology,sc−27718)と一緒に温置し、その抗体をヤギ−抗マウスHRP複合化(Pierce)二次抗体によって検出した。基質を加えた後、ルミカン合成を、492nmにおいて吸光度プレートリーダー(Multiskan Ascent,Thermolabsystems)で測定した。
【0066】
結果は、式(I)のトリペプチド誘導体で処理されていない細胞からなる対照(100%に設定)を基準にして評価した。TFAは、トリフルオロ酢酸塩の形で存在するトリペプチド誘導体を意味する。
n.t.=試験されていない
結果を以下の表に報告する。
【0067】
【表1】



【0068】
以下では、トリペプチドNo 8という用語は、テトラデシル−NH−C(O)−Dab−Val−Dab−OH2TFA(表1の項目8、INCI:トリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレア(Tetradecyl Aminobutyroylvalylaminobutyric Urea Trifluoroacetate))を指す。
【0069】
[実施例4:生体内調査]
トリペプチドNo 8を含む組成物のリモデリング効果(たるみおよび二重顎に対する効果)および張りの付与効果(すなわち、皮膚の緊張性および皮膚の張りに対する効果)を、志願者41人で1日に2回塗布する二重盲検並行群間調査(double blind parallel group study)で評価した。56日間後(D56)および84日間後(D84)に測定した。
【0070】
【表2】



【0071】
顔の輪郭のリモデリング効果を、3D Primos Body(登録商標)を用いて評価した。皮膚の生体力学特性(すなわち、張りの付与効果)は、Cutometer(登録商標)を用いて評価した。
【0072】
結果
A)リモデリング効果:
84日間使用した後における二重顎の有意の減少(実際のもの(Verum) −0.500mm、p=0.047;プラセボ:−0.214mm)および56日間使用した後におけるフェイスボリューム(face volume)の下垂(たるみ)の有意の減少(実際のもの −1.200ml、p=0.04;プラセボ:+1.342ml)によって特徴付けられる顕著なリモデリング効果。
【0073】
B)張りの付与効果:
皮膚緊張性の有意の増大(D56で17%;患者の84%で改善)および皮膚の張りの有意の増大(D56で+7%;患者の84%で改善)によって特徴付けられる張りの付与効果。
【0074】
【表3】



【0075】
【表4】



【0076】
【表5】



【0077】
【表6】



【0078】
【表7】



【0079】
【表8】



【0080】
【表9】



【0081】
【表10】



【0082】
【表11】



【0083】
【表12】



【0084】
【表13】



【0085】
【表14】



【0086】
【表15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
R1−A−B−C−R2 (I)
[式中、
R1は、パルミトイルまたはテトラデシルアミノカルボニルを意味し、
R2は、OHまたはNH−ヘキサデシルを意味し、
Aは、アルギニル、リシル、オルニチルまたは2,4−ジアミノブチロイルを意味し、
Bは、バリル、ロイシル、イソロイシルまたはノルバリルを意味し、さらに
Cは、アルギニル、リシルまたは2,4−ジアミノブチロイルを意味する]
のトリペプチド誘導体の使用であって、
前記トリペプチド誘導体が、皮膚の引き締め、張りの付与および/または保湿を行うため、Palm−Lys−Val−Lys−OH、Palm−Orn−Val−Lys−OH、Palm−Lys−Leu−Lys−OH、Palm−Lys−Ile−Dab−OH、Palm−Lys−Nva−Dab−OH、Palm−Lys−Leu−Dab−OH、Palm−Lys−Val−Dab−NH−ヘキサデシル、テトラデシル−NH−C(O)−Dab−Val−Dab−OH、テトラデシル−NH−C(O)−Lys−Ile−Dab−OH、テトラデシル−NH−C(O)−Arg−Val−Arg−OHまたはその皮膚科学的に許容される塩の群から選択される、トリペプチド誘導体の使用。
【請求項2】
皮膚のしわとり、皮膚のたるみの防止または低減、皮膚のしなやかさおよび弾性の維持または回復、瘢痕形成の促進、表皮の微細損傷の修復および/または皮膚線条の低減のための、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
AおよびC(同一であっても異なっていてもよい)がリシルまたは2,4−ジアミノブチロイルと定義される、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
R2がOHを表す、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記トリペプチド誘導体が、トリフルオロ酢酸塩の形のテトラデシル−NH−C(O)−Dab−Val−Dab−OHである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記トリペプチド誘導体のすべてのアミノ酸がL−配置である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
有効量の少なくとも1種のトリペプチド誘導体が、化粧的に許容されるキャリヤーをさらに含む局所用組成物中に含まれている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記局所用組成物が0.1〜0.5重量%のヒアルロン酸をさらに含む、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
皮膚の引き締め、張りの付与および/または保湿の方法であって、前記方法が、請求項1、3〜6のいずれか一項に記載の有効量のトリペプチド誘導体と化粧的に許容されるキャリヤーとを含む有効量の局所用組成物を、そのような治療を必要とする患者の皮膚に塗布するステップを含む、皮膚の引き締め、張りの付与および/または保湿の方法。
【請求項10】
皮膚のたるみに対する治療または併用治療、皮膚のしなやかさおよび弾性の維持または回復、瘢痕形成の促進、表皮の微細損傷の修復および/または皮膚線条の低減のための、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
線維芽細胞および/またはケラチノサイトによるD−グルコサミンおよび/またはN−アセチル−D−グルコサミン残基を含んでいるグリコサミノグリカン類および/またはプロテオグリカン類の合成を促進するための方法であって、そのような治療を必要とする個人に、有効量の以下の式(I):
R1−A−B−C−R2 (I)
[式中、R1は、パルミトイルまたはテトラデシルアミノカルボニルであり、R2はOHまたはNH−ヘキサデシルであり、Aは、アルギニル、リシル、オルニチルまたは2,4−ジアミノブチロイルであり、Bは、バリル、ロイシル、イソロイシルまたはノルバリルであり、さらにCはアルギニル、リシルまたは2,4−ジアミノブチロイルである]
に相当する少なくとも1種のトリペプチド誘導体またはその皮膚科学的に許容される塩を投与するステップを含む、グリコサミノグリカン類および/またはプロテオグリカン類の合成を促進するための方法。
【請求項12】
ヒアルロン酸の合成および/またはプロテオグリカン類であるデコリンおよび/またはルミカンの合成を促進することを含む、請求項11に記載の方法。

【公表番号】特表2012−520340(P2012−520340A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500217(P2012−500217)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/053336
【国際公開番号】WO2010/106044
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】