説明

トルクロッド及びその製造方法

【課題】従来に増して安価に製造することのできるトルクロッド及びその製造方法を提供する。
【解決手段】第1ブッシュ12及び第2ブッシュ14と、それらを連結する剛性の連結部16とを有するトルクロッド10において、第1金具50-1と第2金具50-2とを、重合部16-1,16-2が互いに重なり合う状態で長手方向の各端縁部で互いにかしめ付固定して一体結合し、重合部16-1,16-2にて連結部16を構成する。またそれぞれの半部18-1,18-2にて外筒18を、半部26-1,26-2にて外筒26を構成し、それぞれに内筒20,28及びゴム弾性体22,30から成るブッシュ本体24,32を圧入するとともに、外筒18,外筒26の段付部54,58にてブッシュ本体24,32を軸方向内向きに挟み込み固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は車両のエンジン側とボデー側とに跨って介装され、エンジンのロール方向の変位及び前後方向の変位を規制し、併せてエンジン側とボデー側とで振動絶縁を行うトルクロッド及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両において剛性の外筒,内筒とそれらの間に介設されたゴム弾性体とをそれぞれ備えた長手方向の一端側の第1ブッシュ及び他端側の第2ブッシュと、それら第1ブッシュ及び第2ブッシュを連結する剛性の連結部とを有するトルクロッドを車両のエンジン側とボデー側とに跨って介装し、そのトルクロッドによりエンジンからのトルクを受け、エンジンのロール方向の変位及び前後方向の変位を規制することが行われている。
このトルクロッドはまたエンジン側とボデー側との間で振動絶縁する働きも有している。
【0003】
図8は従来公知のトルクロッドの一例を示している(下記特許文献1)。
同図において200,202はそれぞれ剛性の内筒204,206、外筒208,210及びそれらの間に介設されたゴム弾性体212,214を有する第1ブッシュ,第2ブッシュで、連結ロッド(連結部)216にて連結されている。
【0004】
このトルクロッドは、第1ブッシュ200及び第2ブッシュ202の一方が車両におけるエンジン側に、他方がボデー側に弾性結合され、ゴム弾性体212,214を弾性変形させながらエンジンからのトルクを受け、エンジンのロール方向の変位及び前後方向の変位を規制する。
またゴム弾性体212,214の弾性に基づいてエンジン側とボデー側とで振動絶縁する。
【0005】
このトルクロッドは、通常第1ブッシュ200の外筒208,第2ブッシュ202の外筒210及び連結ロッド216を金属材で構成し、そして連結ロッド216の各端部を第1ブッシュ200の外筒208,第2ブッシュ202の外筒210に溶接して接合し一体化する。
【0006】
しかしながらこの場合、連結ロッド216を外筒208,210とは別に製造して接合することが必要であり、構成部品点数が多くなるとともに加工工数が多くなり、また接合のために溶接工程を必要とし、全体としてコスト高となってしまう。
【0007】
図9は、この問題の解決を図るべく本出願人が先の特許願(下記特許文献2)において提案したトルクロッドの一例を示している。
この例は、第1金具218-1と第2金具218-2との一対の板状金具にて、トルクロッドにおける第1ブッシュ200,第2ブッシュ202の各内筒204,206を除いた金属部分を構成した例である。
【0008】
詳しくはこの例は、第1金具218-1と218-2とのそれぞれの平板部220を、間に間隔を形成する状態で平行に配置して、それら平板部220と220との間の隙間に埋めゴム222を充填し、それらによってトルクロッドにおける連結部224を構成するとともに、第1金具218-1と第2金具218-2とによってそれぞれ第1ブッシュ200における外筒208の軸方向の各半部を構成し、また第2ブッシュ202の外筒210の軸方向の各半部を構成したものである。
【0009】
この例のトルクロッドの場合、第1金具218-1と第2金具218-2とを、第1ブッシュ200の内筒204,第2ブッシュ202の内筒206とともに成形金型にセットし、埋めゴム222及び第1ブッシュ200におけるゴム弾性体212,第2ブッシュ202におけるゴム弾性体214を一体に加硫成形し、同時に第1金具218-1,218-2に加硫接着することでトルクロッド全体を構成することができる。
【0010】
しかしながらこの図9のトルクロッドの場合、成形金型1個当りの加硫品、即ちトルクロッドの取り個数が少なく、従って加硫のための費用がその分高くなるとともに、第1金具218-1,第2金具218-2のそれぞれに対して加硫前工程で事前に全体的に接着処理をしておかなければならず、接着のための工数及びコストが多くかかり、結果的に図9のトルクロッドの場合コスト低減が十分でない問題があった。
【0011】
尚、下記特許文献3,特許文献4にはこのようなトルクロッドにおいて、ブッシュを単独で加硫成形しておいてこれを圧入により組み付け、トルクロッドを構成するようになした点が開示されてる。
また下記特許文献5には、トルクロッドにおける連結部を含む金属部分を一対の板状の金具にて構成し、そしてそれら一対の板状の金具を長手方向の端縁部でかしめ付固定して、トルクロッドを構成するようになした点が開示されている。
しかしながらこれらは本発明とは解決手段を異にするもので、別異の発明である。
【0012】
【特許文献1】特開昭57−191129号公報
【特許文献2】特開2005−163844号公報
【特許文献3】特開昭60−125438号公報
【特許文献4】特開2006−283870号公報
【特許文献5】特開2005−291447号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は以上のような事情を背景とし、従来に増して安価に製造することのできるトルクロッド及びその製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
而して請求項1はトルクロッドに関するもので、剛性の外筒及び内筒と、それらの間に介設されたゴム弾性体とをそれぞれ備えた長手方向の一端側の第1ブッシュ及び他端側の第2ブッシュと、それら第1ブッシュ及び第2ブッシュを連結する剛性の連結部とを有し、車両のエンジン側とボデー側とに連結されてエンジンからのトルクを受け、該エンジンのロール方向の変位を規制するトルクロッドにおいて、(a)前記第1ブッシュにおける前記外筒の軸方向の半部を長手方向の一端側に、前記第2ブッシュにおける前記外筒の軸方向の半部を他端側に有するとともに、中央側に板状の重合部を有する第1金具と、(b)前記第1ブッシュにおける前記外筒の軸方向の他の半部を長手方向の一端側に、前記第2ブッシュにおける前記外筒の軸方向の他の半部を他端側に有するとともに、中央側に板状の重合部を有する第2金具とを、前記各重合部が互いに重なり合う状態で長手方向の各端縁部で互いにかしめ付固定して一体結合し、該第1金具及び第2金具のそれぞれの前記各重合部にて前記連結部を、それぞれの一端側の前記各半部にて前記第1ブッシュの外筒を、それぞれの他端側の前記各半部にて前記第2ブッシュの外筒を構成し、該第1ブッシュの該外筒に、前記内筒に前記ゴム弾性体を加硫接着して成る該第1ブッシュのブッシュ本体を該ゴム弾性体の外周面で圧入固定して該外筒とともに該第1ブッシュを構成するとともに、前記第2ブッシュの前記外筒に、前記内筒に前記ゴム弾性体を加硫接着して成る該第2ブッシュのブッシュ本体を該ゴム弾性体の外周面で圧入固定して該外筒とともに該第2ブッシュを構成してあり、且つ、前記第1ブッシュの前記外筒及び第2ブッシュの前記外筒は、軸方向の両側に軸方向内向きの段面を有する段付部が設けてあって、該段付部にて前記第1ブッシュ及び第2ブッシュの各ブッシュ本体の前記ゴム弾性体を軸方向内向きに挟み込み、固定していることを特徴とする。
【0015】
請求項2のものは、請求項1において、前記第1ブッシュ及び第2ブッシュの各ブッシュ本体の前記ゴム弾性体には、軸方向の両側に軸方向外向きの段面を有する段付部が設けてあり、前記第1ブッシュの前記外筒及び第2ブッシュの前記外筒の前記段付部が、該ゴム弾性体の段付部を軸方向内向きに挟み込み、固定していることを特徴とする。
【0016】
請求項3のものは、請求項1において、前記第1金具と第2金具とが、該第1金具の重合部と該第2金具の重合部の部分で互いにかしめ付固定されていることを特徴とする。
【0017】
請求項4のものは、請求項1において、前記第1金具と第2金具との長手方向端縁部でのかしめ付固定が、一方の端縁部に形成したかしめ片を折り曲げて他方の端縁部を挟み込む構造のかしめ付固定となしてあることを特徴とする。
【0018】
請求項5のものは、請求項3において、前記重合部のかしめ付固定が、一方に形成した筒状の起立部を、他方に形成した板厚方向の貫通の固定孔内に挿入した状態で拡管させ、該起立部を該固定孔の内周面に密着状態に圧着するかしめ付固定となしてあることを特徴とする。
【0019】
請求項6のものは、請求項1において、前記第1金具と第2金具とのそれぞれの前記重合部には、互いに逆向きに部分的に膨出する膨出部が設けてあることを特徴とする。
【0020】
請求項7は請求項1のトルクロッドの製造方法に関するもので、この製造方法は、前記第1金具と前記第2金具とを前記重合部の板厚方向に互いに離隔した状態で、それら第1金具と第2金具との間に且つ長手方向の一端側に前記第1ブッシュのブッシュ本体を、他端側に前記第2ブッシュのブッシュ本体をそれぞれ位置させ、その状態で該第1金具と第2金具とに重ね合せ方向の押圧力を加えて、該第1金具の前記一端側の半部と前記第2金具の該一端側の半部との内部に前記第1ブッシュのブッシュ本体を圧入するとともに、該第1金具及び第2金具の該一端側の前記半部のそれぞれの前記段付部で該第1ブッシュにおける前記ブッシュ本体の前記ゴム弾性体を軸方向内向きに挟み込み、また前記第1金具の前記他端側の前記半部と前記第2金具の前記他端側の前記半部との内部に前記第2ブッシュのブッシュ本体を圧入するとともに、該第1金具及び第2金具の該他端側の各半部のそれぞれの段付部で該第2ブッシュにおける該ブッシュ本体の前記ゴム弾性体を軸方向内向きに挟み込み、且つ前記第1金具及び第2金具の各重合部を重ね合せて、その状態で該第1金具及び第2金具の長手方向の各端縁部をかしめ付固定することを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0021】
以上のように本発明は、第1金具及び第2金具を、それらの重合部を重ね合わせるようにして、長手方向の端縁部でかしめ付固定して一体結合し、そして各重合部にてトルクロッドにおける連結部を構成するとともに、第1金具と第2金具とに設けた長手方向一端側の各半部にて第1ブッシュの外筒を、また長手方向の他端側に設けた各半部にて第2ブッシュの外筒を構成し、そしてそこに、内筒とゴム弾性体との一体加硫品から成る第1ブッシュのブッシュ本体,第2ブッシュのブッシュ本体をそれぞれ圧入にて固定し、第1金具,第2金具にて構成される外筒とともに第1ブッシュ,第2ブッシュを構成するようになしたものである。
【0022】
またこの発明では第1ブッシュ,第2ブッシュの各外筒に段付部をそれぞれ設け、それら段付部にて第1ブッシュ及び第2ブッシュにおけるブッシュ本体の各ゴム弾性体を軸方向に挟み込んで固定する。
【0023】
かかる本発明は、図9に示したトルクロッドと同様に、第1ブッシュ,第2ブッシュの各内筒を除いた金属部分を第1金具と第2金具とで構成するものであるが、図9に示したトルクロッドと異なって第1金具,第2金具は一体加硫品の構成部品とはなっておらず、従ってトルクロッドを製造するに際し、それら第1金具,第2金具を成形金型にセットする必要はない。
【0024】
本発明では、内筒にゴム弾性体を加硫接着して成る第1ブッシュのブッシュ本体,及び第2ブッシュのブッシュ本体が一体加硫品を成していて、第1金具,第2金具は一体加硫品の構成部品となっておらず、そのため成形金型1個当りの加硫品の取り個数を多くし得て、加硫に要するコストを低減することができる。
【0025】
また本発明のトルクロッドは、一体加硫品としての第1ブッシュ,第2ブッシュのブッシュ本体を圧入する状態に、第1金具と第2金具を互いにかしめ付固定し一体結合することで、全体のトルクロッドを構成することができるため、組付けの工程も簡単で、しかもその際に一対の金具を溶接する必要もなく、溶接に要するコストも削減することができる。
【0026】
加えて本発明では第1金具及び第2金具にて構成される第1ブッシュの外筒,第2ブッシュの外筒が、それぞれの段付部によって各対応する第1ブッシュ,第2ブッシュの各ブッシュ本体のゴム弾性体を軸方向内向きに挟み込む状態にそれらを固定するため、組み付けた第1ブッシュ,第2ブッシュの各ブッシュ本体を良好に軸方向に抜け防止することができる。
【0027】
また第1ブッシュ,第2ブッシュの各外筒の段付部により対応するブッシュ本体のゴム弾性体を軸方向内向きに挟み込むことで、同時にこれを径方向に予圧縮状態とすることが可能となる。
【0028】
請求項2は、第1ブッシュ及び第2ブッシュの各ブッシュ本体のゴム弾性体の軸方向両側に、軸方向外向きの段面を有する段付部を設け、第1外筒及び第2外筒の上記段付部にて、ゴム弾性体の段付部を軸方向内向きに挟み込み、固定するようになしたもので、この請求項2によれば、第1外筒,第2外筒の段付部によるゴム弾性体の軸方向内向きの挟込みをより良好に行うことができる。
【0029】
本発明では、第1金具と第2金具とを重合部の部分で互いにかしめ付固定しておくことができる(請求項3)。
このようにすれば、第1ブッシュと第2ブッシュとの間の部分においても第1金具と第2金具とを固定でき、第1金具と第2金具との固定強度をより高強度となすことができる。
【0030】
本発明では、第1金具と第2金具との長手方向端縁部でのかしめ付固定を、一方の端縁部に形成したかしめ片を折り曲げて他方の端縁部を挟み込む構造のかしめ付固定となしておくことができる(請求項4)。
また上記重合部におけるかしめ付固定を、一方に形成した筒状の起立部を、他方に形成した板厚方向の貫通の固定孔内に挿入した状態で拡管させ、起立部を固定孔の内周面に密着状態に圧着するかしめ付固定となしておくことができる(請求項5)。
【0031】
次に請求項6は、第1金具と第2金具とのそれぞれの重合部に、互いに逆向きに部分的に膨出する膨出部を設けたもので、この請求項6によれば、それら膨出部による補強効果によって重合部の強度、即ちトルクロッドにおける連結部の強度を高強度となすことができる。
【0032】
次に請求項7は、請求項1のトルクロッドの製造方法に関するもので、この製造方法によれば、単に第1金具と第2金具との間に第1ブッシュにおけるブッシュ本体,第2ブッシュにおけるブッシュ本体を位置させておいて、それら一対の第1金具,第2金具を重ね合わせ方向に押圧し、その際に第1ブッシュにおけるブッシュ本体,第2ブッシュにおけるブッシュ本体を、それら第1金具,第2金具にて構成される第1ブッシュの外筒,第2ブッシュの外筒に圧入状態且つ抜止め状態に組み付けることができ、その後において一対の第1金具,第2金具をかしめ付固定するだけで簡単にトルクロッド全体を組付け、構成することができる。
また同時に各ブッシュ本体を、外筒に設けた段付部にて抜止状態に固定し、組み付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1及び図2において、10は本実施形態のトルクロッドで、小ブッシュから成る第1ブッシュ12,大ブッシュから成る第2ブッシュ14、及びそれらを車両前後方向に連結する連結部16から成っている。
このトルクロッド10は、第1ブッシュ12がエンジンに弾性的に結合され、また第2ブッシュ14が車両のボデー側に弾性的に結合される。
ここで第1ブッシュ12は、後述の内筒20がエンジンに固定され、また第2ブッシュ14は内筒28がボデー側にそれぞれボルトとナットとで締結固定される。
【0034】
小ブッシュから成る第1ブッシュ12は、円筒形状を成す金属製の剛性の外筒18と内筒20、及びそれらの間の円筒状のゴム弾性体22を有している。
この第1ブッシュ12においては、内筒20がゴム弾性体22とともに一体に加硫接着されており、それらゴム弾性体22及び内筒20の一体加硫品が、第1ブッシュ12におけるブッシュ本体24を成している。
【0035】
一方、大ブッシュから成る第2ブッシュ14もまた、円筒形状をなす金属製の剛性の外筒26と内筒28、及びゴム弾性体30を有している。
この第2ブッシュ14においても、内筒28がゴム弾性体30と一体に加硫接着されており、ゴム弾性体30及び内筒28から成る一体加硫品が、第2ブッシュ14におけるブッシュ本体32を成している。
【0036】
図1に示しているように、第2ブッシュ14のゴム弾性体30は、内筒28の図中左側位置と右側位置、即ち車両前後方向における前側位置と後側位置とに、軸方向に貫通のすぐり部(凹所)34,36を有している。
詳しくはゴム弾性体30は、外筒26の内周に沿って形成された所定肉厚のゴム内層38と、すぐり部34,36に臨んで形成された、第1ブッシュ12から離れる方向にV字状に開いた形態の一対のゴム脚40と、内筒28の図中右側(後側)においてゴム内層38から内筒28の側に向けて断面略台形状に突出形成されたゴムストッパ46とを有している。
ここで一対のゴム脚40,40は、内筒28の図中左側位置と右側位置とで内筒28に沿って円弧形状を成す連絡部42,44にて互いに連絡されている。
【0037】
この実施形態では、突出形状のゴムストッパ46と連絡部44とが当接することによって、車両加速時におけるストッパ作用が行われ、また連絡部42とゴム内層38の、連絡部42に対向する部分38Aとが当接することによって、車両減速時におけるストッパ作用が行われる。
【0038】
この実施形態では、トルクロッド10における金属部分(内筒20,28を除く)が、図3及び図4に示す板状の第1金具(上金具)50-1と第2金具(下金具)50-2とで構成されている。
詳しくは、第1ブッシュ12における外筒18と、第2ブッシュ14における外筒26及び連結部16が、それら一対の第1金具50-1と第2金具50-2とによって構成されている。
【0039】
第1金具50-1は、平板材のプレス加工にて形成したもので、長手方向の一端側に、第1ブッシュ12における外筒18の軸方向の半部18-1を、他端側に第2ブッシュ14における外筒26の軸方向の半部26-1を、またそれらの間の中央側に平板状の重合部16-1を一体に有している。
【0040】
第2金具50-2もまた、平板材のプレス加工により形成したもので、この第2金具50-2は、第1金具50-1に対してその形状が図中上下方向に対称形状をなしている(後述の起立部64,固定孔66及びかしめ片62を除いて)。
詳しくはこの第2金具50-2は、軸方向一端側に第1ブッシュ12における外筒18の軸方向の他の半部18-2を、他端側に第2ブッシュ14における外筒26の軸方向の他の半部26-2を、またそれらの間の中央側に平板状の重合部16-2を一体に有している。
【0041】
第1金具50-1と第2金具50-2とは、それらを上下に重ね合せることで、一対の重合部16-1と16-2とによりトルクロッド10における連結部16を構成し、また半部18-1と18-2とにより第1ブッシュ12における外筒18を構成する。更に半部26-1と26-2とにより、第2ブッシュ14における外筒26を構成する。
【0042】
第1金具50-1と第2金具50-2との各半部18-1と18-2とは、軸端の開口側の部分が小径、他の部分が大径とされていて、それぞれの軸方向の各片側に、軸方向内向きの段面52を有する段付部54が設けられている。
また同様に第1金具50-1と第2金具50-2との各半部26-1と26-2とは、軸端の開口側の部分が小径、他の部分が大径とされていて、それぞれの軸方向の各片側に、軸方向内向きの段面56を有する段付部58が設けられている。
【0043】
即ち第1ブッシュ12における外筒18は、軸方向内向きの段面52を有する段付部54が軸方向の両側に設けられており、それら段付部54によって、第1ブッシュ12におけるゴム弾性体22を軸方向に弾性圧縮状態に挟み込んでいる。
また同様に第2ブッシュ14における外筒26は、軸方向内向きの段面56を有する段付部58が軸方向の両側に設けられており、それら段付部58によって、第2ブッシュ14におけるゴム弾性体30を軸方向に弾性圧縮状態に挟み込んでいる。
【0044】
図3及び図4に示しているように、一方の第2金具50-2には組付け前の形状において、長手方向端縁部に沿って図中上向きに起立する、平面形状が円弧形状のかしめ片60,62が一体に形成されており、これらかしめ片60,62が第1金具50-1の長手方向の端縁部を挟み込む状態に折り曲げられることによって、一対の第1金具50-1と第2金具50-2とが長手方向の各端縁部でかしめ付固定され、一体に結合されている。
【0045】
第2金具50-2にはまた、組付け前の形状において、重合部16-2に短筒状を成す起立部64が、長手方向の2個所に備えられている。
一方第1金具50-1には、同じく組付け前の形状において重合部16-1の起立部64に対応する位置に、板厚方向に貫通の固定孔66が備えられている。
そして第2金具50-2の起立部64が、第1金具50-1の固定孔66内に挿入された状態で径方向に拡管せしめられ、固定孔66の内周面に向けて押し潰されることで、第1金具50-1の重合部16-1と第2金具50-2の重合部16-2とが、起立部64と固定孔66の部分でかしめ付固定されている。
ここで起立部64は、固定孔66の内周面に密着状態に圧着されている。
【0046】
尚、図6に示しているように起立部64は、組付け前の形状において先端側が若干小径となるテーパ形状をなしており、一方固定孔66は、内周面が起立部64とは逆向きのテーパ形状、即ち図において上側が大径となるような傾斜角度θで傾斜した逆テーパ形状をなしている。
従って図2の部分拡大図に示しているように、起立部64を拡管して固定孔66の内周面に密着状態に圧着し、かしめ付た状態の下で、第1金具50-1の重合部16-1と第2金具50-2の重合部16-2とが図中上下方向に強く結合されている。
【0047】
第1金具50-1と第2金具50-2との各重合部16-1,16-2にはまた、互いに逆向きに膨出する膨出部68が、長手方向に沿ってそれぞれ図3の幅方向両側位置に1対づつ設けられている。これら膨出部68は、図3に明らかに示しているようにそれぞれが長手形状をなしている。
これら膨出部68はプレス加工により形成されたもので、その内側部分は空洞となっている。
尚、第1金具50-1の膨出部68と第2金具50-2の膨出部68とは、それぞれ上下に互いに重なる位置に設けられている。
【0048】
図3及び図4に示しているように、第1ブッシュ12の内筒20とゴム弾性体22との一体加硫品から成るブッシュ本体24は、組付け前の自由形状の状態において、ゴム弾性体22の図中上下の軸端部が小径、それらの間の部分が大径とされていて、軸方向両側に、軸方向外向きの段面70を有する段付部72が設けられている。
尚、軸端部の小径部と内筒20との間の部分には、軸方向内向きに凹陥した形態の環状の凹所74が軸方向の両端部にそれぞれ形成されている。
【0049】
ここでブッシュ本体24におけるゴム弾性体22は、組付け前の自由形状の状態においてその外径が第1ブッシュ12の外筒18の内径、詳しくはその大径部分の内径よりも大径をなしている。
従って組付状態の下でゴム弾性体22は径方向に圧縮された状態、即ち予圧縮された状態にある。
【0050】
一方第2ブッシュ14側においても、内筒28とゴム弾性体30との一体加硫品から成るブッシュ本体32は、ゴム弾性体30の図中上下の軸端部が小径、それらの間の部分が大径とされていて、軸方向両側に、軸方向外向きの段面76を有する段付部78が設けられている。
尚この第2ブッシュ14側においては、ブッシュ本体32におけるゴム弾性体30の大径部の外径が、組付け前の自由形状の状態において外筒26の内径とほぼ同等ないしこれに僅かに大径とされている。
即ちゴム弾性体30の外周面自体は、組付けによって特に径方向内方に大きく縮径変形はしない。
【0051】
但しこの第2ブッシュ14側のブッシュ本体32のゴム弾性体30には、図3及び図7に示しているように、ゴム脚40の径方向外側位置に、ゴム内層38の外周面から径方向外向きに突出する一対の突出部80が設けられている。
これら突出部80は、周方向に長辺を有する扁平な四角柱状を成すように、ゴム内層38の外周面に沿って軸方向に延びる形態で設けられており、図中上下の端位置が、ゴム内層38の大径部の軸方向の端位置とほぼ同じ位置とされている。
この突出部80は、両軸端部が軸方向外向きの段面82を有する段付部84を成している。
【0052】
この第2ブッシュ14におけるブッシュ本体32は、外筒26への圧入時に突出部80が径方向内向きに押されることによってゴム脚40が径方向内向きに圧縮変形せしめられ、一対のゴム脚40のそれぞれが径方向に予圧縮状態で外筒26内に組み付けられる。
また突出部80の段付部84が外筒26の段付部58にて軸方向に挟み込まれることで、ブッシュ本体32が外筒26に対し軸方向に抜け止め状態に強固に固定される。
【0053】
図5〜図7は本実施形態のトルクロッドの製造方法を表している。
本実施形態では、第1ブッシュ12側の内筒20とゴム弾性体22、及び第2ブッシュ14側の内筒28とゴム弾性体30とをそれぞれ一体加硫しておく。即ち一体加硫品から成るブッシュ本体24,32を予め製造し、用意しておく。
【0054】
そして図5に示しているように下金具となる第2金具50-2の上面側に、ブッシュ本体24と32とを、それぞれの対応する位置に載置状態にセットする。
詳しくは、ブッシュ本体24を第2金具50-2における半部18-2の上に載せ、またブッシュ本体32を半部26-2に載せておく。
【0055】
このとき、ブッシュ本体24はゴム弾性体22の外径が半部18-2の内径よりも大径をなしているため、半部18-2上に浮き上がった状態で支持される。
またブッシュ本体32においても、図7に示しているように一対の突出部80の存在によって、半部26-2から浮き上がった状態で支持される。
【0056】
この状態で、図5に示しているように上金具となる第1金具50-1を、第2金具50-2に対向するようにセットし、その状態で第1金具50-1を図中下向きに押し込み、図6に示しているように第2金具50-2の重合部16-2と第1金具50-1の重合部16-1とを重ね合わせ状態とする。
【0057】
このとき、第1ブッシュ12側のブッシュ本体24は、ゴム弾性体22が径方向の圧縮変形(縮径変形)を伴って第1金具50-1と第2金具50-2との各半部18-1,18-2に互いに逆向きに圧入され、そして圧入完了状態で、半部18-1,18-2にて構成される外筒18の軸方向両側の段付部54にて軸方向内向きに挟み込まれ、固定される。
尚ブッシュ本体24のゴム弾性体22は、圧入時に縮径方向に変形せしめられることにより、その一部が軸方向に逃げ変形する。但し最終組付状態で、ゴム弾性体22は外筒18の段付部54によって軸方向に挟み込まれ、圧縮せしめられる。
【0058】
一方、第2ブッシュ14側のブッシュ本体32は、突出部80の部分で、第1金具50-1と第2金具50-2との各半部26-1,26-2にて構成される外筒26内に圧入され、そして圧入状態で突出部80によりゴム脚40が径方向内方に押されることで、ゴム脚40に径方向の予圧縮が付与される。
また主として突出部80の段付部84に対する外筒26の段付部58による軸方向の挟込みによって、ブッシュ本体32が外筒26に対し軸方向に抜止状態に固定される。
尚このときにも段付部58は突出部80を軸方向に圧縮状態に挟み込む。
【0059】
この実施形態では、このようにして第1金具50-1,第2金具50-2を重ね合わせ、またブッシュ本体24,32を圧入状態に組み付けた後において、図6に示しているように第2金具50-2の長手方向端縁部に起立状態に設けたかしめ片60,62を、第1金具50-1の長手方向端縁部を挟み込むように折り曲げ、第1金具50-1と第2金具50-2との長手方向の端縁部をかしめ付固定し、それらを一体結合する。
【0060】
またこのとき併せて或いはその後別途に、第1金具50-1の固定孔66内に入り込んだ第1金具50-2の短筒状の起立部64を径方向に拡管して固定孔66内周面に密着状態に圧着し、第1金具50-1と第2金具50-2との各重合部16-1と16-2とを、それら起立部64,固定孔66の部分でかしめ付固定する。
ここにおいて図1に示すトルクロッド10が得られる。
【0061】
以上のような本実施形態は、図9に示したトルクロッドと同様に、第1ブッシュ12,第2ブッシュ14の各内筒20,28を除いてトルクロッド10の金属部分を第1金具50-1と第2金具50-2とで構成するものであるが、この実施形態では、それら第1金具50-1,第2金具50-2が一体加硫品の構成部品となっておらず、従ってトルクロッド10を製造するに際し、それら第1金具50-1,第2金部50-2を成形金型にセットする必要はない。
【0062】
この実施形態では、内筒20にゴム弾性体22を加硫接着して成る第1ブッシュ12のブッシュ本体24,及び内筒28にゴム弾性体30を加硫接着してなる第2ブッシュ14のブッシュ本体32が、それぞれ一体加硫品を成していて、第1金具50-1,第2金具50-2は一体加硫品の構成部品となっておらず、そのため成形金型1個当りの加硫品の取り個数を多くし得て、加硫に要するコストを低減することができる。
【0063】
また本実施形態のトルクロッド10は、一体加硫品としてのブッシュ本体24,32を圧入する状態に第1金具50-1と第2金具50-2とをかしめ付固定し一体結合することで、全体のトルクロッド10を構成することができるため、組付けの工程も簡単で、しかもその際に一対の金具を溶接する必要もなく、溶接に要するコストも削減することができる。
【0064】
加えてこの実施形態では、第1金具50-1及び第2金具50-2にて構成される第1ブッシュ12の外筒18,第2ブッシュ14の外筒26が、それぞれの段付部54,58にて各対応する第1ブッシュ12,第2ブッシュ14の各ブッシュ本体24,32のゴム弾性体22,30を軸方向内向きに挟み込む状態にそれらを固定するため、組み付けたブッシュ本体24,32を良好に軸方向に抜止状態に固定することができる。
【0065】
また第1ブッシュ12,第2ブッシュ14の各外筒18,26の段付部54,58により、対応するブッシュ本体24,32のゴム弾性体22,30を軸方向内向きに挟み込むことで、同時にこれを径方向に予圧縮状態とすることが可能となる。
その際外筒18,26の段付部54,58は、ゴム弾性体22,30の段付部72,78及び84を軸方向内向きに挟み込むため、ゴム弾性体22,30に対する軸方向内向きの挟み込みをより良好に行うことができる。
【0066】
この実施形態ではまた、第1金具50-1と第2金具50-2とが、重合部16-1,16-2においても互いにかしめ付固定されるため、第1金具50-1と第2金具50-2との固定強度をより高強度となすことができる。
また本実施形態の製造方法によれば、トルクロッド10を安価に且つ簡単に製造することができる。
【0067】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば本発明では、第1金具50-1と第2金具50-2との重合部16-1と16-2とのかしめ付固定を上例以外の他の構造で行うこと、例えば起立部64の端部を折り曲げ、第1金具50-1の固定孔66周りの部分を挟み込むようなかしめ付固定の構造となすことも可能であるし、また上例ではかしめ片60,62,起立部64を下金具である第2金具50-2の側に設けているが、上金具である第1金具50-1の側にそれらを設けて、一対の金具50-1,50-2をかしめ付固定し、一体に結合するようになすことも可能である。
また長手方向両端縁部のかしめ構造を上例以外の他のかしめ構造となすことも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施形態であるトルクロッドを一部切り欠いた状態で示す正面図である。
【図2】同実施形態のトルクロッドの側面断面図である。
【図3】同実施形態のトルクロッドを組付け前の状態で分解して示す斜視図である。
【図4】図3に示す状態の側面断面図である。
【図5】同実施形態のトルクロッドの製造方法の工程説明図である。
【図6】図5に続く工程説明図である。
【図7】図5の要部を別の角度から示した図である
【図8】従来のトルクロッドの一例を示す図である。
【図9】従来のトルクロッドの図8とは異なる例を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
10 トルクロッド
12 第1ブッシュ
14 第2ブッシュ
16 連結部
16-1,16-2 重合部
18,26 外筒
18-1,18-2,26-1,26-2 半部
20,28 内筒
22,30 ゴム弾性体
24,32 ゴムブッシュ
52,56,70,76,82 段面
54,58,72,78,84 段付部
60,62 かしめ片
64 起立部
66 固定孔
68 膨出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
剛性の外筒及び内筒と、それらの間に介設されたゴム弾性体とをそれぞれ備えた長手方向の一端側の第1ブッシュ及び他端側の第2ブッシュと、それら第1ブッシュ及び第2ブッシュを連結する剛性の連結部とを有し、車両のエンジン側とボデー側とに連結されてエンジンからのトルクを受け、該エンジンのロール方向の変位を規制するトルクロッドにおいて
(a)前記第1ブッシュにおける前記外筒の軸方向の半部を長手方向の一端側に、前記第2ブッシュにおける前記外筒の軸方向の半部を他端側に有するとともに、中央側に板状の重合部を有する第1金具と、(b)前記第1ブッシュにおける前記外筒の軸方向の他の半部を長手方向の一端側に、前記第2ブッシュにおける前記外筒の軸方向の他の半部を他端側に有するとともに、中央側に板状の重合部を有する第2金具とを、前記各重合部が互いに重なり合う状態で長手方向の各端縁部で互いにかしめ付固定して一体結合し、該第1金具及び第2金具のそれぞれの前記各重合部にて前記連結部を、それぞれの一端側の前記各半部にて前記第1ブッシュの外筒を、それぞれの他端側の前記各半部にて前記第2ブッシュの外筒を構成し、
該第1ブッシュの該外筒に、前記内筒に前記ゴム弾性体を加硫接着して成る該第1ブッシュのブッシュ本体を該ゴム弾性体の外周面で圧入固定して該外筒とともに該第1ブッシュを構成するとともに、前記第2ブッシュの前記外筒に、前記内筒に前記ゴム弾性体を加硫接着して成る該第2ブッシュのブッシュ本体を該ゴム弾性体の外周面で圧入固定して該外筒とともに該第2ブッシュを構成してあり、
且つ、前記第1ブッシュの前記外筒及び第2ブッシュの前記外筒は、軸方向の両側に軸方向内向きの段面を有する段付部が設けてあって、該段付部にて前記第1ブッシュ及び第2ブッシュの各ブッシュ本体の前記ゴム弾性体を軸方向内向きに挟み込み、固定していることを特徴とするトルクロッド。
【請求項2】
請求項1において、前記第1ブッシュ及び第2ブッシュの各ブッシュ本体の前記ゴム弾性体には、軸方向の両側に軸方向外向きの段面を有する段付部が設けてあり、前記第1ブッシュの前記外筒及び第2ブッシュの前記外筒の前記段付部が、該ゴム弾性体の段付部を軸方向内向きに挟み込み、固定していることを特徴とするトルクロッド。
【請求項3】
請求項1において、前記第1金具と第2金具とが、該第1金具の重合部と該第2金具の重合部の部分で互いにかしめ付固定されていることを特徴とするトルクロッド。
【請求項4】
請求項1において、前記第1金具と第2金具との長手方向端縁部でのかしめ付固定が、一方の端縁部に形成したかしめ片を折り曲げて他方の端縁部を挟み込む構造のかしめ付固定となしてあることを特徴とするトルクロッド。
【請求項5】
請求項3において、前記重合部のかしめ付固定が、一方に形成した筒状の起立部を、他方に形成した板厚方向の貫通の固定孔内に挿入した状態で拡管させ、該起立部を該固定孔の内周面に密着状態に圧着するかしめ付固定となしてあることを特徴とするトルクロッド。
【請求項6】
請求項1において、前記第1金具と第2金具とのそれぞれの前記重合部には、互いに逆向きに部分的に膨出する膨出部が設けてあることを特徴とするトルクロッド。
【請求項7】
請求項1のトルクロッドの製造方法であって
前記第1金具と前記第2金具とを前記重合部の板厚方向に互いに離隔した状態で、それら第1金具と第2金具との間に且つ長手方向の一端側に前記第1ブッシュのブッシュ本体を、他端側に前記第2ブッシュのブッシュ本体をそれぞれ位置させ、その状態で該第1金具と第2金具とに重ね合せ方向の押圧力を加えて、該第1金具の前記一端側の半部と前記第2金具の該一端側の半部との内部に前記第1ブッシュのブッシュ本体を圧入するとともに、該第1金具及び第2金具の該一端側の前記半部のそれぞれの前記段付部で該第1ブッシュにおける前記ブッシュ本体の前記ゴム弾性体を軸方向内向きに挟み込み、
また前記第1金具の前記他端側の前記半部と前記第2金具の前記他端側の前記半部との内部に前記第2ブッシュのブッシュ本体を圧入するとともに、該第1金具及び第2金具の該他端側の各半部のそれぞれの段付部で該第2ブッシュにおける該ブッシュ本体の前記ゴム弾性体を軸方向内向きに挟み込み、
且つ前記第1金具及び第2金具の各重合部を重ね合せて、その状態で該第1金具及び第2金具の長手方向の各端縁部をかしめ付固定することを特徴とするトルクロッドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−249113(P2008−249113A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−95024(P2007−95024)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】