ドライブレコーダ
【課題】 特別な構成を付加することなく設備導入費用を極力抑え、乗務員の運転指導を実施することができるドライブレコーダを提供する。
【解決手段】 車両の位置、時間および動態情報を、当該車両に搭載されたAVM−ECU2から受信して記録し、予め定める条件が成立した場合に、不揮発性記録手段であるCFカードに記録させるので、従来のものに比べて、特別な構成を付加することなく設備導入費用を抑え、配線接続などを簡単に実施する。CFカードに記録された情報等に基づいて、事故などの原因を詳細に分析できる。
【解決手段】 車両の位置、時間および動態情報を、当該車両に搭載されたAVM−ECU2から受信して記録し、予め定める条件が成立した場合に、不揮発性記録手段であるCFカードに記録させるので、従来のものに比べて、特別な構成を付加することなく設備導入費用を抑え、配線接続などを簡単に実施する。CFカードに記録された情報等に基づいて、事故などの原因を詳細に分析できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブレコーダに関し、たとえば乗務員の運転指導を実施しうる技術に関する。
本発明において、「車両の周辺画像」とは、車室内の画像をも含むものとする。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば400MHz帯域のデジタル無線機を採用し、データ通信量を拡大して、車両位置情報および動態情報の収集精度を高めたタクシー配車システムが実用に供されている。このタクシー配車システムによれば、車両位置情報などの収集精度を高めたので、タクシー利用者の利便性を図り、配車担当者および乗務員の業務効率の向上を図ることができる。
【0003】
ところで管理者は、乗務員の運転を指導する責任があり、事故が発生した場合には、その事故原因を分析して運転指導に活用する試みがなされている(たとえば特許文献1参照)。特許文献1には、車両が所定の走行条件のもとで衝突した場合に、以後の新しい走行状態データの記憶処理を停止する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開昭63−80386号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の装置では、ドライブレコーダにGPS(GPS:Global Positioning System)アンテナおよびGPSレシーバなど特別な構成を付加しなければ、車両の位置情報等必要な情報を取得することができず、設備導入費用が嵩む。また特許文献1の装置では、スイッチ等をトリガーとしてそれ以後の走行状態データを記録しているので、スイッチ等がオンとなる原因分析を行うことができない。したがって事故原因を詳細に分析することができず、乗務員の運転指導に不備が生じる。
【0006】
本発明の目的は、特別な構成を付加することなく設備導入費用を極力抑え、乗務員の運転指導を実施することができるドライブレコーダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明(1)は、車両の位置、時間および動態情報の少なくともいずれか一つを当該車両に搭載された配車装置から受信して記録する一時記録手段と、
予め定める条件が成立した場合に、一時記録手段に記録された位置、時間および動態情報の少なくとも一部を、不揮発記録手段に記録させる制御を行う制御手段とを備えることを特徴とするドライブレコーダである。
【0008】
また本発明(2)は、車両に設けられ、かつ当該車両の周辺画像を撮像する撮像手段をさらに備え、
前記制御手段は、撮像手段によって撮像されて一時記録手段に記録された画像情報の少なくとも一部を、前記予め定める条件が成立した場合に、位置、時間および動態情報の少なくとも一部と関連付けて不揮発記録手段に記録させる制御を行うことを特徴とする。
【0009】
また本発明(3)は、車室内の音声情報を取得する音声情報取得手段をさらに備え、
前記制御手段は、音声情報取得手段によって取得されて一時記録手段に記録された音声情報の少なくとも一部を、前記予め定める条件が成立した場合に、位置、時間および動態情報の少なくとも一部と関連付けて不揮発記録手段に記録させる制御を行うことを特徴とする。
【0010】
また本発明(4)は、前記制御手段は、
車両にかかる重力加速度が所期値に達したとき、一時記録手段に記録された情報を不揮発記録手段に記録させる制御を行うことを特徴とする。
【0011】
また本発明(5)は、前記制御手段は、
車両にかかる重力加速度が所期値に達したとき、位置、時間および動態情報の少なくとも一部と関連付けて該重力加速度を不揮発記録手段に記録させる制御を行うことを特徴とする。
【0012】
また本発明(6)は、前記制御手段は、
記録可能な不揮発記録手段の空き容量に応じて、すでに記録したデータに関連付けられた記録済み重力加速度と、新たに所期値に達した重力加速度とを比較し、記録済み重力加速度よりも新たに所期値に達した重力加速度が大なるとき、不揮発記録手段に記録したデータを消去して、新たに所期値に達した重力加速度をトリガとしたデータを不揮発記録手段に上書きする制御を行うことを特徴とする。
【0013】
また本発明(7)は、警告情報を出力可能な情報出力手段をさらに備え、
前記一時記録手段には、車両に作用する運行データが記録され、前記制御手段は、この運行データに基づいて、警告情報を出力するように情報出力手段を制御することを特徴とする。
【0014】
また本発明(8)は、前記制御手段は、当該車両の配車装置が配車指示されているとき、警告情報を出力することを禁止する制御を行うことを特徴とする。
【0015】
また本発明(9)は、前記配車装置からの電源オン情報に基づいて、立ち上げる主電源をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
また本発明(10)は、配車装置の電源がオフされた後、前記主電源の電源供給を遅延して停止する遅延回路が設けられることを特徴とする。
【0017】
また本発明(11)は、車両の実空車情報を有する配車装置から実空車情報を取得する取得手段と、
警告情報を出力可能な情報出力手段と、
前記取得手段によって取得される実空車情報に基づいて、情報出力手段から警告情報を出力するか否かを判断する制御手段とを有することを特徴とするドライブレコーダである。
【発明の効果】
【0018】
本発明(1)によれば、一時記録手段には、車両の位置、時間および動態情報(これらを情報等と称す)が記録され、制御手段は、予め定める条件が成立した場合に、この記録された情報等を記録させる制御を行う。特に、車両既存の配車装置と当該ドライブレコーダとを連携させることによって、動態情報、位置情報および配車指示情報などを、ドライブレコーダ側に特別な構成を持たせることなく利用することができる。このような動態情報、位置情報および配車指示情報などを一時記録手段に記録させたうえで、この情報等を不揮発性記録手段に記録することができる。
【0019】
したがって従来のものに比べて、特別な構成を付加することなく設備導入費用を抑え、配線接続などを簡単に実施することが可能となる。不揮発性記録手段に記録された情報等に基づいて、事故などの原因を詳細に分析することができる。
【0020】
また本発明(2)によれば、記録された画像情報の少なくとも一部を、前記情報等と関連付けて不揮発性記録手段に記録することができるので、次のような効果を奏する。情報等と、該情報等を記録したときの車両の周辺画像とを照らし合わせながら、事故などの原因を詳細に分析することができる。それ故、乗務員の運転指導をより効果的に行うことが可能となる。
【0021】
また本発明(3)によれば、一時記録された音声情報の少なくとも一部を、前記情報等と関連付けて不揮発性記録手段に記録することができるので、次のような効果を奏する。情報等と、該情報等を記録したときの車室内の音声とを照らし合わせながら、事故などの原因を詳細に分析することができる。
【0022】
また本発明(4)によれば、制御手段は、重力加速度いわゆるG出力が所期値に達したとき、一時記録手段に記録された情報を不揮発性記録手段に記録させるようにしたので、次のような効果を奏する。運転指導等には影響しないと考えられる情報等つまりG出力が所期値に達しない状態の情報等については、記録させないようにしてたとえば記録媒体などの記録容量の空きを確保することができる。
【0023】
また本発明(5)によれば、G出力が所期値に達したとき、該G出力を、前記情報等と関連付けて不揮発性記録手段に記録することができるので、事故が発生したエリア、時間帯などを乗務員毎に正確に分析することができる。したがって乗務員の運転指導を実現することができる。
【0024】
また本発明(6)によれば、記録可能な不揮発性記録手段の空き容量に応じて、すでに記録したデータに関連付けられた記録済み重力加速度と、新たに所期値に達した重力加速度とを比較する。比較した結果、記録済み重力加速度よりも新たに所期値に達した重力加速度が大なるとき、記録したデータを消去して、新たに所期値に達した重力加速度をトリガとしたデータを上書きする。たとえば不揮発性記録手段の空き容量に応じて、記録すべき情報を取捨選択することができ、事故などの原因を正確に分析することが可能となる。
【0025】
また本発明(7)によれば、一時記録手段には、車両の運行データが記録される。制御手段は、この運行データの閾値に基づいて警告情報を出力するように情報出力手段を制御するので、乗務員の注意を喚起することができる。したがって違反(いわゆる道交法違反)および事故を未然に防止することが可能となる。
【0026】
また本発明(8)によれば、当該車両への配車指示中、警告情報を出力することが禁止されるので、配車指示を乗務員により確実に伝達することができ、タクシー利用者の利便性を向上することができる。
【0027】
また本発明(9)によれば、配車装置からの電源オン情報に基づいて、当該ドライブレコーダの主電源を立ち上げるので、車両のエンジンが停止した状態(停車状態)であっても、情報等を記録することができるうえ、記録された情報等を不揮発性記録手段に記録させることができる。
【0028】
また本発明(10)によれば、配車装置の電源がオフされた後、主電源の電源供給を遅延して停止する遅延回路が設けられるので、前記停車状態であったとしても、情報等を一時記録手段に記録することができるうえ、記録された情報等を不揮発性記録手段に記録させることができる。このように停車状態における情報分析、事故分析をも実現できる。
【0029】
また本発明(11)によれば、取得手段によって取得される実空車情報に基づいて、制御手段は、警告情報を出力するか否かを判断するので、実車中のタクシー利用者が警告情報を不意に聞くようなことを未然に防止できる。このようにタクシー利用者本位のサービスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
【0031】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るドライブレコーダ1とAVM−ECU2との関係を表す斜視図である。図2は、ドライブレコーダ1を部分的に変更した変更形態の斜視図である。図3は、車両3へのカメラ取付け位置を説明するための図である。図4は、センタ4を表す図であり、図4(a)はセンタ機器構成を表す図であり、図4(b)は、ディスプレイ4aに車両3の走行軌跡、撮像画像およびGセンサ計測値を出力した一態様を表す図である。第1の実施形態では、車両3に予め搭載される配車装置であるタクシー配車用制御ボックス2(AVM−ECU2)に、ドライブレコーダ1が電気的に接続されて設けられる。たとえば400MHz帯域のデジタル式無線周波数を用いて、AVM−ECU2から車両3の位置、時間および動態情報をセンタ4へ送信可能であり、センタ4は、これらの情報に基づいて、複数の車両3のうち特定車両に配車指示を行うようになっている。またセンタ4は、前記無線周波数などを用いて、AVM−ECU2を介してドライブレコーダ1に画像撮影要求を実施する。ただし適用する無線周波数は400MHz帯域に必ずしも限定されるものではない。たとえば携帯電話機用に割り当てられた周波数帯域を適用する場合もある。デジタル式無線周波数ではなく、アナログ式無線周波数を適用する場合もあり得る。
【0032】
第1の実施形態に係るドライブレコーダ1(第1ドラレコ1と称す)は、AVM−ECU2からの車両3の位置、時間および動態情報(これらを情報等と称す)を記録するとともに、予め定める条件が成立した場合に、前記情報等と関連付けて画像および音声情報を記録するように構成されている。センタ機器は、第1ドラレコ1に記録されたこれらの情報を解析可能かつ出力可能に構成されている。
【0033】
第1ドラレコ1は、ドラレコ本体5、撮像手段であるカメラ6、車室内の音声情報を取得する音声情報取得手段であるマイク7および警告情報を発する情報出力手段であるブザー8を有する。カメラ6およびマイク7は、ドラレコ本体5に電気的に接続されて別体に設けられ、ブザー8はドラレコ本体5に一体に設けられる。当該車両3には少なくとも一台のカメラ6が設けられる。カメラ6はCCDカメラ(CCD:Charge Coupled Device)によって実現される。このカメラ6は、図3の矢符D1で表記する車両前方方向を撮影すべくたとえばルームミラー裏のフロントガラス3aに、図示外のブラケットを介して貼り付けられる。つまりこのカメラ6は車両前方に向けて固定される。第1ドラレコ1では、オプションとして、当該車両3に二台目または三台目のカメラ6を設けることが可能であり、具体的には車室3内の撮影用カメラ6A、または車両後方の撮影用カメラ6Bを設けることも可能である。ドラレコ本体5には、これらのカメラ6を撮像するための撮影スイッチ9が電気的に接続されて別体に設けられる場合もある。また図2に示すように、ドラレコ本体5に、GPS(GPS:Global Positioning System)アンテナ10および図示外のGPSレシーバなどが付加されたドライブレコーダ1Aを車両に適用することも可能である。
【0034】
図5はドライブレコーダ1の斜視図であり、図6はドライブレコーダ1の正面図である。ドラレコ本体5には、記録媒体であるCFカード11(CF:Compact Flash)が挿抜可能に構成されている。このCFカード11は、通電しなくても記憶が消えないフラッシュメモリと、外部との入出力を受け持つコントローラ回路とを一枚のカードにまとめた構造になっている。ドラレコ本体5のうち後述する第1RAM12(RAM:Random Access Memory)に、車両周辺画像、車室内のマイクからの音声情報、位置、個人、時間および実空車情報を含む運転情報がエンドレスで順次記録される。予め定める条件が成立した場合に前記CFカード11に、これらの情報の少なくとも一部が記録される。
【0035】
図7は、ドライブレコーダ1、制御装置2およびセンタ4の電気的構成を表すブロック図である。図8は、ドライブレコーダ1の電気的構成を表すブロック図である。図9は、制御装置2の電気的構成を表すブロック図である。ドラレコ本体5は、制御手段としての第1CPU13(CPU:Central Processing Unit)と、第1ROM14(ROM:Read Only Memory)と、記憶手段としての前記第1RAM12と、CFカードインターフェース15と、JPEG IC16(JPEG:Joint Photographic coding Experts Group、IC:Integrated Circuit)と、ビデオスイッチ17と、発光ダイオード18(略称LED:Light Emitting Diode、図5参照)とを有する。ドラレコ本体5は、USBホスト機能を有する手段であるUSB HOST19(USB:Universal Serial Bus)と、USBインタフェース20と、制御装置2との間で情報のやりとりを行う第1通信用ドライバ21と、LCD操作器コネクタ22(LCD:Liquid Crystal Display)と、第1バッファ23と、制御装置2からの電源起動信号を検出する第1回路24と、ウォッチドッグ機能を有する第1ウォッチドッグIC25と、第1電源部26と、Gセンサ27と、車速パルスを集計する図示外のカウンタとをさらに有する。LCD操作器コネクタ22には、後述するメンテナンスモード用のLCD操作器28が接続可能に構成されている。Gセンサ27は、車両3の前後方向および左右方向に作用する重力加速度いわゆるGセンサ出力値を検出するセンサである。当該車両3の運転席に着座した乗務員の正面方向およびその後方を前後方向とし、当該車両3に着座した乗務員の左および右方向を左右方向とする。前後および左右方向に直交する方向を上下方向とする。前記前後方向をY軸方向と定義し、前記左右方向をX軸方向と定義する。X軸方向のGセンサ出力値とY軸方向のGセンサ出力値とは、独立して検出されて記録される。
【0036】
前記第1RAM12は第1のSD−RAM29(SD−RAM:Synchronous DRAM)および第2のSD−RAM30を備え、第1のSD−RAM29は、カメラで撮影した生の画像を一旦記録するもので、記録した画像がJPEG形式の画像データに変換される。第2のSD−RAM30は、JPEG形式に変換された画像データ、前記Gセンサ27からのGセンサ出力値および音声などをエンドレスで巡回的に記録するように構成されている。第1CPU13に、第1ROM14、第2のSD−RAM30、CFカードインターフェース15がそれぞれ電気的に接続され、第1CPU13に、JPEG IC16を介して第1のSD−RAM29およびビデオスイッチ17が電気的に接続されている。前記ビデオスイッチ17は、複数のカメラ6,6A(6B)が設けられる場合に所定時間間隔で撮像するカメラ6,6A(6B)を切り換えるための切換えスイッチである。第1CPU13には、USB HOST19を介してUSBインタフェース20が電気的に接続されるとともに、通信用ドライバ21、LCD操作器コネクタ22、第1バッファ23、第1ウォッチドッグIC25、Gセンサ27がそれぞれ電気的に接続されている。第1バッファ23は前記第1回路24に電気的に接続される。第1ウォッチドッグIC25には、第1電源部26が電気的に接続される。また第1CPU13は、制御装置2からの電源オン情報に基づいて、主電源である第1電源部26を立ち上げるように構成される。また制御装置2から電源起動信号が得られない場合、制御装置2とは接続されていないものとして、通信用ドライバ21からの入力をスイッチでGPSアンテナ側への入力に切替える。これによって、制御装置2からの位置情報の代わりに単独でGPSからの位置を検出できる。
【0037】
制御装置2は、AVM用の第2CPU31、第2ROM32および第2RAM33を備えるマイクロコンピュータと、第2バッファ34と、GPS(GPS:Global Positioning System)レシーバ35と、GPSアンテナ36と、ASIC37(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)と、第2通信用ドライバ38と、LCD操作器39と、第3バッファ40と、車両3からのHi/Lo信号を検出する第2回路41と、第2ウォッチドッグIC42と、第2電源部43とを有する。第2CPU31に、第2ROM32、第2RAM33がそれぞれ電気的に接続されるとともに、第2バッファ40を介してPCMCIA規格に準拠したカードMが電気的に接続される。第2CPU31に、ASIC37を介して第2通信用ドライバ38が電気的に接続され、この第2通信用ドライバ38に400MHz帯域のデジタル式無線周波数で送受信可能なデジタル無線機45が電気的に接続されている。ところで第1の実施形態では、制御装置2にGPSレシーバ35およびGPSアンテナ36が設けられる構成になっているが、図2に示すように、ドラレコ本体5にGPSレシーバおよびGPSアンテナ10が設けられる構成にすることも可能である。
【0038】
位置情報、時間情報はGPSアンテナ36およびGPSレシーバ35を用いて取得され、乗務員データはLCD操作器39から入力可能になっている。実空車情報は、運転者で操作がなされる実空車操作手段としての実車/空車メータ44から取得される。実車/空車メータ44には、運転者操作によって作動するスイッチが設けられている。乗客が車内に入り、行き先を確認した時点で運転者により実車側にスイッチのスイッチング状態が操作される。目的地に到着すると、運転者により空車側にスイッチのスイッチング状態が操作され、精算がなされる。
【0039】
これら位置情報や時間情報、乗務員データおよび実空車情報は、一旦第2RAM33に記憶される。センタ4からデジタル無線機45を介して情報送信の要求があると、第2RAM33に記憶されたこれらの情報を、デジタル無線機45を介してセンタ4へ送信する。また定期的に制御装置2が自発的にセンタ4へ送信してもよい。さらに制御装置2はセンタ4からデジタル無線機45を介して配車要求があると、その旨をスピーカSPを介して運転手に伝える。
【0040】
このような基本的な機能を元々制御装置2は有しているので、制御装置2は、得られた位置情報や時間情報、乗務員データおよび実空車情報をドライバ38を介してドライブレコーダ1へシリアル通信ラインSLで送信する。ドライブレコーダ1は、それらの情報を第1通信用ドライバ21を介して受信し、第2のSD−RAM30に記憶する。
【0041】
図10は、AVM−ECU2の要部の電気的構成を表すブロック図である。図11は、ドライブレコーダ1の要部の電気的構成を表すブロック図である。図12は、ウォッチドッグパルスが停止または規定の周期で動作しない場合、ハードウェアによりリセットをかける遅延回路を説明する図である。図10に示すように、AVM−ECU2において、論理和回路46つまりOR回路46の入力側一方46aに車両3のアクセサリー電源が接続され、前記OR回路46の入力側他方46bに第2CPU31からの制御信号が供給される。前記OR回路46、第2CPU31間に接続される第2電源部43から、ドライブレコーダ1側に電源オン信号S1が供給される。すなわち図11に示すように、ドライブレコーダ1において、OR回路47の入力側一方47aにアクセサリー電源が接続され、前記OR回路47の入力側他方47bに前記電源オン信号S1が供給される。
【0042】
ドライブレコーダ1は、アクセサリー電源から供給されるACC信号がオンまたはAVM−ECU2の電源オンで起動する。またドライブレコーダ1は、ACC信号がオフでかつ、AVM−ECU2の第2電源部43がオフ(図12の立ち下がり信号)になっても、データ記録を実施できるように、ソフトウェアにより終了制御するようになっている。図12に示すように、AVM−ECU2の動作中ソフトウェアでウォッチドッグパルス(図12でWDパルスと表記する)を発生させ、該ウォッチドッグパルスが停止または規定の周期で動作しない場合、ハードウェアによりリセットをかけるようになっている。本実施形態では、第2ウォッチドッグIC42および第2CPU31が遅延回路に相当する。
【0043】
図13は、ドライブレコーダ1を部分的に変更した変更形態に係る、要部の電気的構成を表すブロック図である。本実施形態では、ドライブレコーダ1においてOR回路47の入力側に、ACC信号、電源オン信号S1が供給されるようになっているが必ずしもこの形態に限定されるものではない。つまり図13に示すように、ドライブレコーダ1においてOR回路47の入力側に、ACC信号、電源オン信号および第1CPU13からの制御信号S2が供給される形態であってもよい。この変更形態であっても、ドライブレコーダ1の動作中ソフトウェアでウォッチドッグパルスを発生させ、該ウォッチドッグパルスが停止または規定の周期で動作しない場合、ハードウェアによりリセットをかけることが可能となる。変更形態では、第1ウォッチドッグIC25および第1CPU13が遅延回路に相当する。
【0044】
図14は、画像情報の一部と位置情報等との関係を表す図である。図15は、Gセンサ出力値に基づいて、静止画像情報が一定間隔δおきにCFカード11に記録される態様を表す図である。第1CPU13は、カメラ6で撮像されドラレコ本体5に入力された入力画像をJPEG IC16によってJPEG変換画像に変換し、その後第1CPU13は、JPEG変換画像を第2のSD−RAM30にエンドレスで順次記録する。このとき一枚の静止画像は、たとえば「画像*.jpg」という形式で記録される。ただし前記「*」は整数である。記録された静止画像の付加情報として、当該車両3のGセンサ出力値、位置、時間、実空車および車速センサ50からの車速情報と、マイク7からの音声情報とを、第2のSD−RAM30にエンドレスで順次記録する。
【0045】
予め定める記録条件を満たした場合、第1CPU13は、ブザー8に記録開始の合図を出力させる。これとともに第1CPU13は、第2のSD−RAM30に記録されたJPEG変換画像、Gセンサ出力値、位置、時間、実空車および車速センサ50からの車速情報をCFカード11に記録させる。本実施形態では、たとえば1秒間に10枚の静止画像が記録され、1イベント最大30秒間で300枚の静止画像がCFカード11に記録可能に構成されている。1イベントとは、予め定める記録条件を満たした一つの状態と同義である。
【0046】
記録条件などについて説明する。図16は、閾値を超過したGセンサ出力値48と、CFカード11に記録される画像情報の記録範囲Rhとの関係を表す図である。記録条件としてGセンサ出力値48が閾値Gmax.またはGmin.を超過すると、閾値超過時点を基準として最大30秒間の記録範囲にわたって、第2のSD−RAMにエンドレスで記録されたJPEG変換画像、そのGセンサ出力値、位置、時間、実空車および車速情報と、マイク7からの音声情報とをCFカード11に記録する。閾値超過時点をトリガ発生時という場合がある。トリガ発生前の記録時間Tbef秒に、トリガ発生後の記録時間Taft秒を加えた時間が、1イベントにおける記録範囲の合計時間に相当する。トリガ発生前5秒以上25秒以下、トリガ発生後5秒以上25秒以下の範囲で最大30秒間を設定可能になっている。
【0047】
図17は、Gセンサ出力値の閾値判定方法を説明するための図である。図7、図8も参照しつつ説明する。第1CPU13は、Gセンサの出力を取得し、閾値Gabeを超えたか否かを判定する。Gセンサ27は、前述のようにX、Y軸方向の二軸タイプであり、車両3の前後方向および左右方向の重力加速度を検出可能に構成されている。したがって前後方向の衝突事故だけでなく、左右方向の衝突事故をも確実に検出することができ、その原因を分析することが可能となる。閾値判定は、前後方向の重力加速度と、左右方向の重力加速度とのベクトル和で実施する。この閾値は、設定により任意の値に変更可能になっている。
【0048】
本実施形態では、Gセンサ27を内蔵するドラレコ本体5を完全に水平に設置できない状況が考えられるので、Gセンサ27の前後および左右方向のオフセットを補正する処理を行うようになっている。つまり図5に示すように、LCD操作器28をLCD操作器コネクタ22に接続すると、ドラレコ本体5は通常モードから、該ドラレコ本体5を設定、検査するためのメンテナンスモードに移行する。このメンテナンスモードにおいて、Gセンサ27の前後および左右方向のオフセットを補正する処理を実行するようになっている。当該車両3において悪路走行時には、上下方向の振動が不所望に大きくなり、Gセンサ27で前後および左右方向にも重力加速度が検出されることが予想される。したがって悪路走行での上下振動を観測し、誤反応を軽減させる処理をGセンサ出力値に施すようになっている。
【0049】
図18は、撮影スイッチ9のオン信号S3と、CFカード11に記録される画像情報の記録範囲Rhとの関係を表す図である。記録条件として、乗務員が撮影スイッチ9をオンにして、そのスイッチング態様を切換えると、撮影スイッチオン時点TR1(トリガ発生時と称す)を基準として最大30秒間の記録範囲にわたって、第2のSD−RAM30に一時的に記録されたJPEG変換画像、その撮影スイッチオン時点のGセンサ出力値、位置、時間、実空車および車速情報と、マイク7からの音声情報とをCFカード11に記録する。トリガ発生前の記録時間Tbef秒に、トリガ発生後の記録時間Taft秒を加えた時間(Tbef+Taft秒)が、1イベントにおける記録範囲の合計時間に相当する。ただし撮影スイッチ9をトリガとしてJPEG変換画像などをCFカード11に記録する場合には、そのスイッチ操作回数を制限し、所定の操作回数に達すると、以後撮影スイッチ9を操作してもCFカード11に記録しないようにドラレコ本体5を設定することも可能である。
【0050】
図19は、通信による撮影要求コマンド受信と、CFカード11に記録される画像情報の記録範囲Rhとの関係を表す図である。図7も参照しつつ説明する。記録条件として、センタ4からAVM−ECU2に無線周波数による画像撮影要求があると、ドラレコ本体5の第1CPU13はその信号をコマンド受信する。そうすると、コマンド受信時TR2(トリガ発生時と称す)を基準として最大30秒間の記録範囲にわたって、第2のSD−RAM30に一時的に記録されたJPEG変換画像、そのコマンド受信時のGセンサ出力値、位置、時間、実空車および車速情報と、マイク7からの音声情報とをCFカード11に記録する。トリガ発生前の記録時間Tbef秒に、トリガ発生後の記録時間Taft秒を加えた時間(Tbef+Taft秒)が、1イベントにおける記録範囲の合計時間に相当する。たとえば運行データの一つである車速パルスに基づいて求められる当該車両3の速度が、予め定める規定速度よりも大となることをセンタ4が判断すると、センタ4からの画像記録要求が実施される。なお前記トリガ発生に起因するパラメータは、車速パルスだけに限定されるものではない。たとえば定周期記録、急加速、急減速および急ハンドルの少なくともいずれか一方の運行データに基づいて、センタ4から画像記録要求が実施される場合もあり得る。これら複数の運行データを用いることで、センタ4において、乗務員個人の詳細な運転指導を実施することが可能となる。
【0051】
図20は、実車/空車メータ44からのHi/Lo信号S4に基づいて、CFカード11に記録される音声情報の記録範囲が規定される態様を表す図である。この音声情報の記録条件として、空車状態から実車状態に切換わるHi信号が出力されると、このHi信号が出力される時点TR3よりもTbef秒(Tbef秒は、たとえば数十秒)前から、取得手段である第2のSD−RAM30に一時的に記録された音声情報、Gセンサ出力値、位置、時間、実空車および車速情報をCFカード11に記録していく。この記録状態で実車状態から空車状態に切換わるLo信号が出力されると、このLo信号が出力された時点TR4よりもTaft秒(Taft秒は、たとえば数十秒)経過した時点まで音声情報などをCFカード11に記録する。
【0052】
本実施形態では、実車/空車メータ44からのHi/Lo信号に基づいて、JPEG変換画像ではなく音声情報などをCFカード11に記録しているが、必ずしもこの態様に限定されるものではない。たとえば、記録条件として、空車状態から実車状態に切換わるHi信号が出力されると、このHi信号が出力される時点TR3(第1トリガ発生時と称す)を基準として最大30秒間の記録範囲にわたって、第2のSD−RAM30に一時的に記録されたJPEG変換画像、第1トリガ発生時のGセンサ出力値、位置、時間、実空車および車速情報をCFカード11に記録する。第1トリガ発生前の記録時間Tbef秒に、第1トリガ発生後の記録時間Taft秒を加えた時間(Tbef+Taft秒)が、1イベントにおける記録範囲の合計時間に相当する。第1トリガ発生前5秒以上25秒以下、第1トリガ発生後5秒以上25秒以下の範囲で最大30秒間を設定可能になっている。
【0053】
さらに記録条件として、実車状態から空車状態に切換わるLo信号が出力されると、このLo信号が出力される時点TR4(第2トリガ発生時と称す)を基準として最大30秒間の記録範囲にわたって、第2のSD−RAM30に一時的に記録されたJPEG変換画像、第2トリガ発生時のGセンサ出力値、位置、時間、実空車および車速情報をCFカード11に記録する。第2トリガ発生前の記録時間Tbef秒に、第2トリガ発生後の記録時間Taft秒を加えた時間(Tbef+Taft秒)が、1イベントにおける記録範囲の合計時間に相当する。第2トリガ発生前5秒以上25秒以下、第2トリガ発生後5秒以上25秒以下の範囲で最大30秒間を設定可能になっている。
【0054】
図21は、運行データの閾値に基づいて警告情報を発する態様を表す図である。当該車両3の速度、定周期記録、急加速、急減速および急ハンドルの少なくともいずれか一方の運行データに基づいて、第1CPU13が当該車両3の異常運転を検出すると、ブザー8によって乗務員に警告情報を通知する。この警告情報通知後、異常運転が継続している間はたとえば30秒毎に警告する。ただし第1CPU13は、センタ4から当該車両3に配車指示中ブザー8による警告を禁止する。異常運転であるか否かの判定基準は、予めCFカード11で指定する。図21に示すように、異常検出閾値の上限E1および下限E2、異常判定時間Teがパラメータとして規定される。上限オーバは、予め定める「異常判定時間」以上継続したときに、異常運転であると判断する。本実施形態ではブザー8によって警告情報を通知しているが、これに限定されるものではない。AVM−ECU2には、合成音声機能を備えるスピーカSPが設けられている。該スピーカSPの音声合成(たとえば「規定の速度を超過しています。減速してください」などの音声合成)機能を用いて、警告音声を出力することも可能である。
【0055】
急加速、急減速に基づいて異常運転を検知する場合について説明する。第1CPU13は、たとえば0.1秒毎に車速パルスによって当該車両3の速度つまり車速を取得し、1秒間の加速度にて判定する。第1CPU13は、この加速度が判定値を超えた場合に、ブザー8によって乗務員に警告情報を通知し、該加速度をCFカード11に記録する。第1CPU13は、指定の加速度以上の場合には「急加速」と判定し、指定の減速度以上の場合には「急減速」と判定する。判定基準となる加速度、減速度は、実車/空車毎の二種類を設定可能になっている。
【0056】
速度超過によって異常運転を検知する場合について説明する。第1CPU13は、たとえば0.1秒毎に車速パルスによって車速を取得し、規定の速度オーバ判定速度を超えてかつ規定の警告開始時間を経過した場合に、ブザー8によって乗務員に警告情報を通知する。車速が規定の速度オーバ判定速度を超え、異常判定時間Teを経過を経過した場合には、ブザー8によって警告情報を通知するとともに、該車速3をCFカード11に記録する。車速が速度オーバ判定速度以下になったが、一般道路か高速道路かの道路区分がいずれか一方から他方に変わったとき、速度オーバを解除するようになっている。判定速度、警告開始時間は、前記道路区分毎の二種類を設定可能になっている。
【0057】
図22は、Gセンサ出力値と検知時間との関係を表す図である。図23は、Gセンサ出力値の大小とその検知時間との関係に基づく傾向を表す図表である。第1CPU13は、CFカード11の記録容量に必要十分な空き容量がなく、該CFカード11にすでに記録したGセンサ出力値が新たに検出されるGセンサ出力値よりも小さいとき、すでに記録したGセンサ出力値を消去し、該検出されるGセンサ出力値をCFカード11に記録させる制御を行う。CFカード11の記録容量の空き容量が必要十分であれば、CFカード11にすでに記録したGセンサ出力値が新たに検出されるGセンサ出力値よりも小さいときであっても、すでに記録したGセンサ出力値を消去することなく、該検出されるGセンサ出力値をCFカード11に記録させるようになっている。
【0058】
前記Gセンサ出力値が小さく(たとえば0.4G以上2G未満)、その検知時間が短い(たとえば数十ミリsec)場合には、当該車両3が段差または悪路などを通過したことを意味する。Gセンサ出力値が小さく、その検知時間が長い(たとえば100ミリsec以上)場合には、当該車両3が急ブレーキをかけたことを意味する。そしてGセンサ出力値が大きく(たとえば2G以上)、その検知時間が短い場合には、当該車両3が事故を起こしたことを意味する。本件出願人は、このようなGセンサ出力値の大小とその検知時間との関係に基づく傾向のデータを実験などによって、センタ機器のメモリなどにストアしている。
【0059】
図24は、本発明の実施形態に係り、一時記録された情報をCFカード11に記録する方法を段階的に示すフローチャートである。アクセサリー電源から供給されるACC信号がオンまたはAVM−ECU2の電源オンとなる条件で、本フローが開始する。開始後ステップa1に移行して、第1CPU13は情報を第1RAM12に記録させる。つまり第1CPU13は、第1のSD−RAM29に、カメラ撮像した画像データであってJPEG形式に変換した画像データを一時的に記録させる。さらに第2のSD−RAM30に、該画像データ、AVM−ECU2からの当該車両3の位置、時間、動態情報およびGセンサ出力値などを一時的に記録させる。
【0060】
次にステップa2に移行して、図16および図17に示すように、第1CPU13は、Gセンサ出力値が閾値を超過したか否かを判断する。「否」との判断でステップa3に移行して、撮影スイッチ9がオンしたか否かを判断する。前記ステップa2でGセンサ出力値が閾値を超過したと判断されると、ステップaRecに移行し、第1CPU13は、第2のSD−RAM30に一時的に記録されたJPEG変換画像、そのGセンサ出力値、位置、時間、実空車および車速情報をCFカード11に記録させる。その後本処理を終了する。ステップa3で撮影スイッチ9がオンしたと判断されると、ステップaRecに移行する。「否」との判断でステップa4に移行する。ステップa4において、第1CPU13はセンタ4から撮影要求があったか否かを判断する。「否」との判断でステップa1に戻る。撮影要求ありとの判断でステップaRecに移行する。
【0061】
図25は、CFカード11の空き記録容量に応じて、一時記録された情報をCFカード11に記録する方法を段階的に示すフローチャートである。本フローの開始条件は、ACC信号がオンまたはAVM−ECU2の電源オンとなる条件である。ただし図24に示すフローチャートと同一のステップには、同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。ステップa2でGセンサ出力値が閾値を超過したと判断されると(ステップa2:YES)、ステップa5に移行する。ステップa3で撮影スイッチオンとの判断でステップa5に移行し、ステップa4で撮影要求ありとの判断でステップa5に移行する。
【0062】
ステップa5では、第1CPU13は、CFカード11に必要十分な空き容量があるか否かを判断する。「否」との判断で、ステップa6に移行する。空き容量ありとの判断でステップaRecに移行して、第1CPU13は、第2のSD−RAM30に一時的に記録されたJPEG変換画像などをCFカード11に記録させる。その後本処理を終了する。ステップa6では、第1CPU13は、今回新たに検出されるGセンサ出力値と、すでにCFカード11に記録したGセンサ出力値のうち最も小さい値(図25で旧G値と表記する)の大小関係を判断する。
【0063】
今回新たに検出されるGセンサ出力値が前記旧G値よりも大なる関係が成立すると(ステップa6:YES)、ステップa7に移行する。今回のGセンサ出力値が前記旧G値より大ではないと判断されると、本処理を終了する。ステップa7で前記旧G値に関連付けられたJPEG変換画像など全ての情報(旧データと称す)を消去し、ステップaRecに移行する。
【0064】
図26は、運行データに基づいて、警告情報を発する方法を示すフローチャートである。アクセサリー電源から供給されるACC信号がオンまたはAVM−ECU2の電源オンとなる条件で、本フローが開始する。開始後ステップb1に移行して、第1CPU13は、車速などの前記運行データを第1RAM12のうちの第2のSD−RAM30に記録させる。図21に示すように、異常検出閾値および異常判定時間に基づいて第1CPU13が異常運転であると判断すると、ステップb3に移行する。異常運転ではないと判断されるとステップb1に戻る。
【0065】
ステップb3では、第1CPU13は、センタ4から配車指示中であるか否かを判断する。配車指示中であればステップb1に戻る。配車指示中ではないとの判断でステップb4に移行し、ブザー8によって乗務員に警告情報を通知する。この場合、音声合成出力であってもよい。次にステップb5に移行して、第1CPU13は、異常運転を継続しているか否かを判断する。「否」との判断で本処理を終了する。異常運転継続中との判断でステップb6に移行し、第1CPU13によって、先の警告からの経過時間がt1(t1はたとえば30秒)に達したと判断すると、ステップb4に戻る。経過時間がt1に達していないと判断されると、ステップb5に戻る。
【0066】
以上説明したドライブレコーダ1によれば、第2のSD−RAM30には、画像データ、AVM−ECU2からの当該車両3の位置および時間情報と、動態情報およびGセンサ出力値などが巡回的に記録され、第1CPU13は、図24、図25に示すステップaRecに移行する条件が成立した場合に、この一時記録された画像データなどをCFカード11に記録させる制御を行う。特に車両3既存の配車装置であるAVM−ECU2と当該ドライブレコーダ1とを連携させることによって、動態情報、位置情報および配車指示情報などを、ドライブレコーダ1側に特別な構成を持たせることなく利用することができる。このような動態情報、位置情報および配車指示情報などを第2のSD−RAM30に記録させたうえで、この情報等をCFカード11に記録することができる。
【0067】
したがって従来のものに比べて、特別な構成を付加することなく設備導入費用を抑え、配線接続などを簡単に実施することが可能となる。前記条件が成立した場合に巡回的に記録された画像データなどをCFカード11に記録するので、事象前後にわたる情報を確実に記録することができ、事故などの原因を詳細に分析することができる。それ故、乗務員の運転指導を効果的に行うことが可能となる。第1CPU13は、第2のSD−RAM30に一時記録された画像データの少なくとも一部を、Gセンサ出力値、車両の位置、時間および動態情報などと関連付けてCFカード11に記録することができるので、次のような効果を奏する。Gセンサ出力値、車両の位置、時間および動態情報などと、これらの情報などをCFカード11に記録したときの車両3の周辺画像と照らし合わせながら、事故などの原因を詳細に分析することができる。それ故、乗務員の運転指導をより効果的に行うことができる。
【0068】
本実施形態に係るドライブレコーダ1によれば、車室内の音声情報を取得するマイク7を備え、第2のSD−RAM30に一時記録された音声情報の少なくとも一部を、Gセンサ出力値、車両の位置、時間および動態情報などと関連付けてCFカード11に記録することができるので、次のような効果を奏する。Gセンサ出力値、車両の位置、時間および動態情報などと、これらの情報などをCFカード11に記録したときの車室内の音声とを照らし合わせながら、事故などの原因を詳細に分析することができる。
【0069】
第1CPU13は、Gセンサ出力(G出力という場合がある)が所期値に達したとき、CFカード11に記録させるようにしたので、次のような効果を奏する。運転指導などには影響しないと考えられる情報などつまりG出力が所期値に達しない状態の情報などについては、CFカード11に記録させないようにして該CFカード11の記録容量の空きを確保することができる。G出力が所期値に達したとき、該G出力を、車両の位置、時間および動態情報などと関連付けてCFカード11に記録することができるので、事故が発生したエリア、時間帯などを乗務員毎に正確に分析することができる。したがって乗務員の運転指導を実現することができる。
【0070】
図25に示すように、CFカード11の空き容量に応じて、該CFカード11にすでに記録したG出力が新たに検出されるG出力よりも小さいとき、該新たに検出されるG出力をCFカード11に書き換える。CFカード11の記録容量に応じて、CFカード11に記録する情報を取捨選択することができ、事故などの原因を正確に分析することが可能となる。図26に示すように、第2のSD−RAM30には運行データが一時記録され、第1CPU13は、この運行データの閾値に基づいて警告情報を発するように制御するので、乗務員の注意を喚起することができる。したがって違反および事故を未然に防止することが可能となる。また図26に示すように、センタ4から当該車両3への配車指示中、警告情報を発することが禁止されるので、配車指示を乗務員により確実に伝達することができ、タクシー利用者の利便性を向上することができる。
【0071】
ドライブレコーダ1は、ACC信号がオフでかつAVM−ECU2の第2電源部43がオフになっても、データ記録を実施できるように、ソフトウェアにより終了制御するようになっているので、次のような効果を奏する。車両3のエンジンが停止した状態であっても、情報などを一時記録することができるうえ、一時記録された情報などをCFカード11に記録させることができる。このように停車状態における事故分析をも実現できる。第1CPU13は、AVM−ECU2からの実空車情報に基づいて、警告情報を発するか否かを判断するので、実車中のタクシー利用者が警告情報を不意に聞くようなことを未然に防止できる。このようにタクシー利用者本位のサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るドライブレコーダ1とAVM−ECU2との関係を表す斜視図である。
【図2】ドライブレコーダ1を部分的に変更した変更形態の斜視図である。
【図3】車両3へのカメラ取付け位置を説明するための図である。
【図4】センタ4を表す図であり、図4(a)はセンタ機器構成を表す図であり、図4(b)は、ディスプレイ4aに車両3の走行軌跡、撮像画像およびGセンサ計測値を出力した一態様を表す図である。
【図5】ドライブレコーダ1の斜視図である。
【図6】ドライブレコーダ1の正面図である。
【図7】ドライブレコーダ1、AVM−ECU2およびセンタ4の電気的構成を表すブロック図である。
【図8】ドライブレコーダ1の電気的構成を表すブロック図である。
【図9】AVM−ECU2の電気的構成を表すブロック図である。
【図10】AVM−ECU2の要部の電気的構成を表すブロック図である。
【図11】ドライブレコーダ1の要部の電気的構成を表すブロック図である。
【図12】ウォッチドッグパルスが停止または規定の周期で動作しない場合、ハードウェアによりリセットをかける遅延回路を説明する図である。
【図13】ドライブレコーダ1を部分的に変更した変更形態に係る、要部の電気的構成を表すブロック図である。
【図14】画像情報の一部と位置情報等との関係を表す図である。
【図15】Gセンサ出力値に基づいて、静止画像情報が一定間隔δおきにCFカード11に記録される態様を表す図である。
【図16】閾値を超過したGセンサ出力値48と、CFカード11に記録される画像情報の記録範囲Rhとの関係を表す図である。
【図17】Gセンサ出力値の閾値判定方法を説明するための図である。
【図18】撮影スイッチ9のオン信号S3と、CFカード11に記録される画像情報の記録範囲Rhとの関係を表す図である。
【図19】通信による撮影要求コマンド受信と、CFカード11に記録される画像情報の記録範囲Rhとの関係を表す図である。
【図20】実車/空車メータ44からのHi/Lo信号S4に基づいて、CFカード11に記録される音声情報の記録範囲が規定される態様を表す図である。
【0073】
【図21】運行データの閾値に基づいて警告情報を発する態様を表す図である。
【図22】Gセンサ出力値と検知時間との関係を表す図である。
【図23】Gセンサ出力値の大小とその検知時間との関係に基づく傾向を表す図表である。
【図24】本発明の実施形態に係り、一時記録された情報をCFカード11に記録する方法を段階的に示すフローチャートである。
【図25】CFカード11の空き記録容量に応じて、一時記録された情報をCFカード11に記録する方法を段階的に示すフローチャートである。
【図26】運行データに基づいて、警告情報を発する方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
1 ドライブレコーダ
2 AVM−ECU
3 車両
5 カメラ
6 マイク
7 マイク
8 ブザー
9 撮影スイッチ
10 GPSアンテナ
11 CFカード
12 第1RAM
13 第1CPU
27 Gセンサ
29 第1のSD−RAM
30 第2のSD−RAM
42 ウォッチドッグIC
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブレコーダに関し、たとえば乗務員の運転指導を実施しうる技術に関する。
本発明において、「車両の周辺画像」とは、車室内の画像をも含むものとする。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば400MHz帯域のデジタル無線機を採用し、データ通信量を拡大して、車両位置情報および動態情報の収集精度を高めたタクシー配車システムが実用に供されている。このタクシー配車システムによれば、車両位置情報などの収集精度を高めたので、タクシー利用者の利便性を図り、配車担当者および乗務員の業務効率の向上を図ることができる。
【0003】
ところで管理者は、乗務員の運転を指導する責任があり、事故が発生した場合には、その事故原因を分析して運転指導に活用する試みがなされている(たとえば特許文献1参照)。特許文献1には、車両が所定の走行条件のもとで衝突した場合に、以後の新しい走行状態データの記憶処理を停止する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開昭63−80386号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の装置では、ドライブレコーダにGPS(GPS:Global Positioning System)アンテナおよびGPSレシーバなど特別な構成を付加しなければ、車両の位置情報等必要な情報を取得することができず、設備導入費用が嵩む。また特許文献1の装置では、スイッチ等をトリガーとしてそれ以後の走行状態データを記録しているので、スイッチ等がオンとなる原因分析を行うことができない。したがって事故原因を詳細に分析することができず、乗務員の運転指導に不備が生じる。
【0006】
本発明の目的は、特別な構成を付加することなく設備導入費用を極力抑え、乗務員の運転指導を実施することができるドライブレコーダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明(1)は、車両の位置、時間および動態情報の少なくともいずれか一つを当該車両に搭載された配車装置から受信して記録する一時記録手段と、
予め定める条件が成立した場合に、一時記録手段に記録された位置、時間および動態情報の少なくとも一部を、不揮発記録手段に記録させる制御を行う制御手段とを備えることを特徴とするドライブレコーダである。
【0008】
また本発明(2)は、車両に設けられ、かつ当該車両の周辺画像を撮像する撮像手段をさらに備え、
前記制御手段は、撮像手段によって撮像されて一時記録手段に記録された画像情報の少なくとも一部を、前記予め定める条件が成立した場合に、位置、時間および動態情報の少なくとも一部と関連付けて不揮発記録手段に記録させる制御を行うことを特徴とする。
【0009】
また本発明(3)は、車室内の音声情報を取得する音声情報取得手段をさらに備え、
前記制御手段は、音声情報取得手段によって取得されて一時記録手段に記録された音声情報の少なくとも一部を、前記予め定める条件が成立した場合に、位置、時間および動態情報の少なくとも一部と関連付けて不揮発記録手段に記録させる制御を行うことを特徴とする。
【0010】
また本発明(4)は、前記制御手段は、
車両にかかる重力加速度が所期値に達したとき、一時記録手段に記録された情報を不揮発記録手段に記録させる制御を行うことを特徴とする。
【0011】
また本発明(5)は、前記制御手段は、
車両にかかる重力加速度が所期値に達したとき、位置、時間および動態情報の少なくとも一部と関連付けて該重力加速度を不揮発記録手段に記録させる制御を行うことを特徴とする。
【0012】
また本発明(6)は、前記制御手段は、
記録可能な不揮発記録手段の空き容量に応じて、すでに記録したデータに関連付けられた記録済み重力加速度と、新たに所期値に達した重力加速度とを比較し、記録済み重力加速度よりも新たに所期値に達した重力加速度が大なるとき、不揮発記録手段に記録したデータを消去して、新たに所期値に達した重力加速度をトリガとしたデータを不揮発記録手段に上書きする制御を行うことを特徴とする。
【0013】
また本発明(7)は、警告情報を出力可能な情報出力手段をさらに備え、
前記一時記録手段には、車両に作用する運行データが記録され、前記制御手段は、この運行データに基づいて、警告情報を出力するように情報出力手段を制御することを特徴とする。
【0014】
また本発明(8)は、前記制御手段は、当該車両の配車装置が配車指示されているとき、警告情報を出力することを禁止する制御を行うことを特徴とする。
【0015】
また本発明(9)は、前記配車装置からの電源オン情報に基づいて、立ち上げる主電源をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
また本発明(10)は、配車装置の電源がオフされた後、前記主電源の電源供給を遅延して停止する遅延回路が設けられることを特徴とする。
【0017】
また本発明(11)は、車両の実空車情報を有する配車装置から実空車情報を取得する取得手段と、
警告情報を出力可能な情報出力手段と、
前記取得手段によって取得される実空車情報に基づいて、情報出力手段から警告情報を出力するか否かを判断する制御手段とを有することを特徴とするドライブレコーダである。
【発明の効果】
【0018】
本発明(1)によれば、一時記録手段には、車両の位置、時間および動態情報(これらを情報等と称す)が記録され、制御手段は、予め定める条件が成立した場合に、この記録された情報等を記録させる制御を行う。特に、車両既存の配車装置と当該ドライブレコーダとを連携させることによって、動態情報、位置情報および配車指示情報などを、ドライブレコーダ側に特別な構成を持たせることなく利用することができる。このような動態情報、位置情報および配車指示情報などを一時記録手段に記録させたうえで、この情報等を不揮発性記録手段に記録することができる。
【0019】
したがって従来のものに比べて、特別な構成を付加することなく設備導入費用を抑え、配線接続などを簡単に実施することが可能となる。不揮発性記録手段に記録された情報等に基づいて、事故などの原因を詳細に分析することができる。
【0020】
また本発明(2)によれば、記録された画像情報の少なくとも一部を、前記情報等と関連付けて不揮発性記録手段に記録することができるので、次のような効果を奏する。情報等と、該情報等を記録したときの車両の周辺画像とを照らし合わせながら、事故などの原因を詳細に分析することができる。それ故、乗務員の運転指導をより効果的に行うことが可能となる。
【0021】
また本発明(3)によれば、一時記録された音声情報の少なくとも一部を、前記情報等と関連付けて不揮発性記録手段に記録することができるので、次のような効果を奏する。情報等と、該情報等を記録したときの車室内の音声とを照らし合わせながら、事故などの原因を詳細に分析することができる。
【0022】
また本発明(4)によれば、制御手段は、重力加速度いわゆるG出力が所期値に達したとき、一時記録手段に記録された情報を不揮発性記録手段に記録させるようにしたので、次のような効果を奏する。運転指導等には影響しないと考えられる情報等つまりG出力が所期値に達しない状態の情報等については、記録させないようにしてたとえば記録媒体などの記録容量の空きを確保することができる。
【0023】
また本発明(5)によれば、G出力が所期値に達したとき、該G出力を、前記情報等と関連付けて不揮発性記録手段に記録することができるので、事故が発生したエリア、時間帯などを乗務員毎に正確に分析することができる。したがって乗務員の運転指導を実現することができる。
【0024】
また本発明(6)によれば、記録可能な不揮発性記録手段の空き容量に応じて、すでに記録したデータに関連付けられた記録済み重力加速度と、新たに所期値に達した重力加速度とを比較する。比較した結果、記録済み重力加速度よりも新たに所期値に達した重力加速度が大なるとき、記録したデータを消去して、新たに所期値に達した重力加速度をトリガとしたデータを上書きする。たとえば不揮発性記録手段の空き容量に応じて、記録すべき情報を取捨選択することができ、事故などの原因を正確に分析することが可能となる。
【0025】
また本発明(7)によれば、一時記録手段には、車両の運行データが記録される。制御手段は、この運行データの閾値に基づいて警告情報を出力するように情報出力手段を制御するので、乗務員の注意を喚起することができる。したがって違反(いわゆる道交法違反)および事故を未然に防止することが可能となる。
【0026】
また本発明(8)によれば、当該車両への配車指示中、警告情報を出力することが禁止されるので、配車指示を乗務員により確実に伝達することができ、タクシー利用者の利便性を向上することができる。
【0027】
また本発明(9)によれば、配車装置からの電源オン情報に基づいて、当該ドライブレコーダの主電源を立ち上げるので、車両のエンジンが停止した状態(停車状態)であっても、情報等を記録することができるうえ、記録された情報等を不揮発性記録手段に記録させることができる。
【0028】
また本発明(10)によれば、配車装置の電源がオフされた後、主電源の電源供給を遅延して停止する遅延回路が設けられるので、前記停車状態であったとしても、情報等を一時記録手段に記録することができるうえ、記録された情報等を不揮発性記録手段に記録させることができる。このように停車状態における情報分析、事故分析をも実現できる。
【0029】
また本発明(11)によれば、取得手段によって取得される実空車情報に基づいて、制御手段は、警告情報を出力するか否かを判断するので、実車中のタクシー利用者が警告情報を不意に聞くようなことを未然に防止できる。このようにタクシー利用者本位のサービスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
【0031】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るドライブレコーダ1とAVM−ECU2との関係を表す斜視図である。図2は、ドライブレコーダ1を部分的に変更した変更形態の斜視図である。図3は、車両3へのカメラ取付け位置を説明するための図である。図4は、センタ4を表す図であり、図4(a)はセンタ機器構成を表す図であり、図4(b)は、ディスプレイ4aに車両3の走行軌跡、撮像画像およびGセンサ計測値を出力した一態様を表す図である。第1の実施形態では、車両3に予め搭載される配車装置であるタクシー配車用制御ボックス2(AVM−ECU2)に、ドライブレコーダ1が電気的に接続されて設けられる。たとえば400MHz帯域のデジタル式無線周波数を用いて、AVM−ECU2から車両3の位置、時間および動態情報をセンタ4へ送信可能であり、センタ4は、これらの情報に基づいて、複数の車両3のうち特定車両に配車指示を行うようになっている。またセンタ4は、前記無線周波数などを用いて、AVM−ECU2を介してドライブレコーダ1に画像撮影要求を実施する。ただし適用する無線周波数は400MHz帯域に必ずしも限定されるものではない。たとえば携帯電話機用に割り当てられた周波数帯域を適用する場合もある。デジタル式無線周波数ではなく、アナログ式無線周波数を適用する場合もあり得る。
【0032】
第1の実施形態に係るドライブレコーダ1(第1ドラレコ1と称す)は、AVM−ECU2からの車両3の位置、時間および動態情報(これらを情報等と称す)を記録するとともに、予め定める条件が成立した場合に、前記情報等と関連付けて画像および音声情報を記録するように構成されている。センタ機器は、第1ドラレコ1に記録されたこれらの情報を解析可能かつ出力可能に構成されている。
【0033】
第1ドラレコ1は、ドラレコ本体5、撮像手段であるカメラ6、車室内の音声情報を取得する音声情報取得手段であるマイク7および警告情報を発する情報出力手段であるブザー8を有する。カメラ6およびマイク7は、ドラレコ本体5に電気的に接続されて別体に設けられ、ブザー8はドラレコ本体5に一体に設けられる。当該車両3には少なくとも一台のカメラ6が設けられる。カメラ6はCCDカメラ(CCD:Charge Coupled Device)によって実現される。このカメラ6は、図3の矢符D1で表記する車両前方方向を撮影すべくたとえばルームミラー裏のフロントガラス3aに、図示外のブラケットを介して貼り付けられる。つまりこのカメラ6は車両前方に向けて固定される。第1ドラレコ1では、オプションとして、当該車両3に二台目または三台目のカメラ6を設けることが可能であり、具体的には車室3内の撮影用カメラ6A、または車両後方の撮影用カメラ6Bを設けることも可能である。ドラレコ本体5には、これらのカメラ6を撮像するための撮影スイッチ9が電気的に接続されて別体に設けられる場合もある。また図2に示すように、ドラレコ本体5に、GPS(GPS:Global Positioning System)アンテナ10および図示外のGPSレシーバなどが付加されたドライブレコーダ1Aを車両に適用することも可能である。
【0034】
図5はドライブレコーダ1の斜視図であり、図6はドライブレコーダ1の正面図である。ドラレコ本体5には、記録媒体であるCFカード11(CF:Compact Flash)が挿抜可能に構成されている。このCFカード11は、通電しなくても記憶が消えないフラッシュメモリと、外部との入出力を受け持つコントローラ回路とを一枚のカードにまとめた構造になっている。ドラレコ本体5のうち後述する第1RAM12(RAM:Random Access Memory)に、車両周辺画像、車室内のマイクからの音声情報、位置、個人、時間および実空車情報を含む運転情報がエンドレスで順次記録される。予め定める条件が成立した場合に前記CFカード11に、これらの情報の少なくとも一部が記録される。
【0035】
図7は、ドライブレコーダ1、制御装置2およびセンタ4の電気的構成を表すブロック図である。図8は、ドライブレコーダ1の電気的構成を表すブロック図である。図9は、制御装置2の電気的構成を表すブロック図である。ドラレコ本体5は、制御手段としての第1CPU13(CPU:Central Processing Unit)と、第1ROM14(ROM:Read Only Memory)と、記憶手段としての前記第1RAM12と、CFカードインターフェース15と、JPEG IC16(JPEG:Joint Photographic coding Experts Group、IC:Integrated Circuit)と、ビデオスイッチ17と、発光ダイオード18(略称LED:Light Emitting Diode、図5参照)とを有する。ドラレコ本体5は、USBホスト機能を有する手段であるUSB HOST19(USB:Universal Serial Bus)と、USBインタフェース20と、制御装置2との間で情報のやりとりを行う第1通信用ドライバ21と、LCD操作器コネクタ22(LCD:Liquid Crystal Display)と、第1バッファ23と、制御装置2からの電源起動信号を検出する第1回路24と、ウォッチドッグ機能を有する第1ウォッチドッグIC25と、第1電源部26と、Gセンサ27と、車速パルスを集計する図示外のカウンタとをさらに有する。LCD操作器コネクタ22には、後述するメンテナンスモード用のLCD操作器28が接続可能に構成されている。Gセンサ27は、車両3の前後方向および左右方向に作用する重力加速度いわゆるGセンサ出力値を検出するセンサである。当該車両3の運転席に着座した乗務員の正面方向およびその後方を前後方向とし、当該車両3に着座した乗務員の左および右方向を左右方向とする。前後および左右方向に直交する方向を上下方向とする。前記前後方向をY軸方向と定義し、前記左右方向をX軸方向と定義する。X軸方向のGセンサ出力値とY軸方向のGセンサ出力値とは、独立して検出されて記録される。
【0036】
前記第1RAM12は第1のSD−RAM29(SD−RAM:Synchronous DRAM)および第2のSD−RAM30を備え、第1のSD−RAM29は、カメラで撮影した生の画像を一旦記録するもので、記録した画像がJPEG形式の画像データに変換される。第2のSD−RAM30は、JPEG形式に変換された画像データ、前記Gセンサ27からのGセンサ出力値および音声などをエンドレスで巡回的に記録するように構成されている。第1CPU13に、第1ROM14、第2のSD−RAM30、CFカードインターフェース15がそれぞれ電気的に接続され、第1CPU13に、JPEG IC16を介して第1のSD−RAM29およびビデオスイッチ17が電気的に接続されている。前記ビデオスイッチ17は、複数のカメラ6,6A(6B)が設けられる場合に所定時間間隔で撮像するカメラ6,6A(6B)を切り換えるための切換えスイッチである。第1CPU13には、USB HOST19を介してUSBインタフェース20が電気的に接続されるとともに、通信用ドライバ21、LCD操作器コネクタ22、第1バッファ23、第1ウォッチドッグIC25、Gセンサ27がそれぞれ電気的に接続されている。第1バッファ23は前記第1回路24に電気的に接続される。第1ウォッチドッグIC25には、第1電源部26が電気的に接続される。また第1CPU13は、制御装置2からの電源オン情報に基づいて、主電源である第1電源部26を立ち上げるように構成される。また制御装置2から電源起動信号が得られない場合、制御装置2とは接続されていないものとして、通信用ドライバ21からの入力をスイッチでGPSアンテナ側への入力に切替える。これによって、制御装置2からの位置情報の代わりに単独でGPSからの位置を検出できる。
【0037】
制御装置2は、AVM用の第2CPU31、第2ROM32および第2RAM33を備えるマイクロコンピュータと、第2バッファ34と、GPS(GPS:Global Positioning System)レシーバ35と、GPSアンテナ36と、ASIC37(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)と、第2通信用ドライバ38と、LCD操作器39と、第3バッファ40と、車両3からのHi/Lo信号を検出する第2回路41と、第2ウォッチドッグIC42と、第2電源部43とを有する。第2CPU31に、第2ROM32、第2RAM33がそれぞれ電気的に接続されるとともに、第2バッファ40を介してPCMCIA規格に準拠したカードMが電気的に接続される。第2CPU31に、ASIC37を介して第2通信用ドライバ38が電気的に接続され、この第2通信用ドライバ38に400MHz帯域のデジタル式無線周波数で送受信可能なデジタル無線機45が電気的に接続されている。ところで第1の実施形態では、制御装置2にGPSレシーバ35およびGPSアンテナ36が設けられる構成になっているが、図2に示すように、ドラレコ本体5にGPSレシーバおよびGPSアンテナ10が設けられる構成にすることも可能である。
【0038】
位置情報、時間情報はGPSアンテナ36およびGPSレシーバ35を用いて取得され、乗務員データはLCD操作器39から入力可能になっている。実空車情報は、運転者で操作がなされる実空車操作手段としての実車/空車メータ44から取得される。実車/空車メータ44には、運転者操作によって作動するスイッチが設けられている。乗客が車内に入り、行き先を確認した時点で運転者により実車側にスイッチのスイッチング状態が操作される。目的地に到着すると、運転者により空車側にスイッチのスイッチング状態が操作され、精算がなされる。
【0039】
これら位置情報や時間情報、乗務員データおよび実空車情報は、一旦第2RAM33に記憶される。センタ4からデジタル無線機45を介して情報送信の要求があると、第2RAM33に記憶されたこれらの情報を、デジタル無線機45を介してセンタ4へ送信する。また定期的に制御装置2が自発的にセンタ4へ送信してもよい。さらに制御装置2はセンタ4からデジタル無線機45を介して配車要求があると、その旨をスピーカSPを介して運転手に伝える。
【0040】
このような基本的な機能を元々制御装置2は有しているので、制御装置2は、得られた位置情報や時間情報、乗務員データおよび実空車情報をドライバ38を介してドライブレコーダ1へシリアル通信ラインSLで送信する。ドライブレコーダ1は、それらの情報を第1通信用ドライバ21を介して受信し、第2のSD−RAM30に記憶する。
【0041】
図10は、AVM−ECU2の要部の電気的構成を表すブロック図である。図11は、ドライブレコーダ1の要部の電気的構成を表すブロック図である。図12は、ウォッチドッグパルスが停止または規定の周期で動作しない場合、ハードウェアによりリセットをかける遅延回路を説明する図である。図10に示すように、AVM−ECU2において、論理和回路46つまりOR回路46の入力側一方46aに車両3のアクセサリー電源が接続され、前記OR回路46の入力側他方46bに第2CPU31からの制御信号が供給される。前記OR回路46、第2CPU31間に接続される第2電源部43から、ドライブレコーダ1側に電源オン信号S1が供給される。すなわち図11に示すように、ドライブレコーダ1において、OR回路47の入力側一方47aにアクセサリー電源が接続され、前記OR回路47の入力側他方47bに前記電源オン信号S1が供給される。
【0042】
ドライブレコーダ1は、アクセサリー電源から供給されるACC信号がオンまたはAVM−ECU2の電源オンで起動する。またドライブレコーダ1は、ACC信号がオフでかつ、AVM−ECU2の第2電源部43がオフ(図12の立ち下がり信号)になっても、データ記録を実施できるように、ソフトウェアにより終了制御するようになっている。図12に示すように、AVM−ECU2の動作中ソフトウェアでウォッチドッグパルス(図12でWDパルスと表記する)を発生させ、該ウォッチドッグパルスが停止または規定の周期で動作しない場合、ハードウェアによりリセットをかけるようになっている。本実施形態では、第2ウォッチドッグIC42および第2CPU31が遅延回路に相当する。
【0043】
図13は、ドライブレコーダ1を部分的に変更した変更形態に係る、要部の電気的構成を表すブロック図である。本実施形態では、ドライブレコーダ1においてOR回路47の入力側に、ACC信号、電源オン信号S1が供給されるようになっているが必ずしもこの形態に限定されるものではない。つまり図13に示すように、ドライブレコーダ1においてOR回路47の入力側に、ACC信号、電源オン信号および第1CPU13からの制御信号S2が供給される形態であってもよい。この変更形態であっても、ドライブレコーダ1の動作中ソフトウェアでウォッチドッグパルスを発生させ、該ウォッチドッグパルスが停止または規定の周期で動作しない場合、ハードウェアによりリセットをかけることが可能となる。変更形態では、第1ウォッチドッグIC25および第1CPU13が遅延回路に相当する。
【0044】
図14は、画像情報の一部と位置情報等との関係を表す図である。図15は、Gセンサ出力値に基づいて、静止画像情報が一定間隔δおきにCFカード11に記録される態様を表す図である。第1CPU13は、カメラ6で撮像されドラレコ本体5に入力された入力画像をJPEG IC16によってJPEG変換画像に変換し、その後第1CPU13は、JPEG変換画像を第2のSD−RAM30にエンドレスで順次記録する。このとき一枚の静止画像は、たとえば「画像*.jpg」という形式で記録される。ただし前記「*」は整数である。記録された静止画像の付加情報として、当該車両3のGセンサ出力値、位置、時間、実空車および車速センサ50からの車速情報と、マイク7からの音声情報とを、第2のSD−RAM30にエンドレスで順次記録する。
【0045】
予め定める記録条件を満たした場合、第1CPU13は、ブザー8に記録開始の合図を出力させる。これとともに第1CPU13は、第2のSD−RAM30に記録されたJPEG変換画像、Gセンサ出力値、位置、時間、実空車および車速センサ50からの車速情報をCFカード11に記録させる。本実施形態では、たとえば1秒間に10枚の静止画像が記録され、1イベント最大30秒間で300枚の静止画像がCFカード11に記録可能に構成されている。1イベントとは、予め定める記録条件を満たした一つの状態と同義である。
【0046】
記録条件などについて説明する。図16は、閾値を超過したGセンサ出力値48と、CFカード11に記録される画像情報の記録範囲Rhとの関係を表す図である。記録条件としてGセンサ出力値48が閾値Gmax.またはGmin.を超過すると、閾値超過時点を基準として最大30秒間の記録範囲にわたって、第2のSD−RAMにエンドレスで記録されたJPEG変換画像、そのGセンサ出力値、位置、時間、実空車および車速情報と、マイク7からの音声情報とをCFカード11に記録する。閾値超過時点をトリガ発生時という場合がある。トリガ発生前の記録時間Tbef秒に、トリガ発生後の記録時間Taft秒を加えた時間が、1イベントにおける記録範囲の合計時間に相当する。トリガ発生前5秒以上25秒以下、トリガ発生後5秒以上25秒以下の範囲で最大30秒間を設定可能になっている。
【0047】
図17は、Gセンサ出力値の閾値判定方法を説明するための図である。図7、図8も参照しつつ説明する。第1CPU13は、Gセンサの出力を取得し、閾値Gabeを超えたか否かを判定する。Gセンサ27は、前述のようにX、Y軸方向の二軸タイプであり、車両3の前後方向および左右方向の重力加速度を検出可能に構成されている。したがって前後方向の衝突事故だけでなく、左右方向の衝突事故をも確実に検出することができ、その原因を分析することが可能となる。閾値判定は、前後方向の重力加速度と、左右方向の重力加速度とのベクトル和で実施する。この閾値は、設定により任意の値に変更可能になっている。
【0048】
本実施形態では、Gセンサ27を内蔵するドラレコ本体5を完全に水平に設置できない状況が考えられるので、Gセンサ27の前後および左右方向のオフセットを補正する処理を行うようになっている。つまり図5に示すように、LCD操作器28をLCD操作器コネクタ22に接続すると、ドラレコ本体5は通常モードから、該ドラレコ本体5を設定、検査するためのメンテナンスモードに移行する。このメンテナンスモードにおいて、Gセンサ27の前後および左右方向のオフセットを補正する処理を実行するようになっている。当該車両3において悪路走行時には、上下方向の振動が不所望に大きくなり、Gセンサ27で前後および左右方向にも重力加速度が検出されることが予想される。したがって悪路走行での上下振動を観測し、誤反応を軽減させる処理をGセンサ出力値に施すようになっている。
【0049】
図18は、撮影スイッチ9のオン信号S3と、CFカード11に記録される画像情報の記録範囲Rhとの関係を表す図である。記録条件として、乗務員が撮影スイッチ9をオンにして、そのスイッチング態様を切換えると、撮影スイッチオン時点TR1(トリガ発生時と称す)を基準として最大30秒間の記録範囲にわたって、第2のSD−RAM30に一時的に記録されたJPEG変換画像、その撮影スイッチオン時点のGセンサ出力値、位置、時間、実空車および車速情報と、マイク7からの音声情報とをCFカード11に記録する。トリガ発生前の記録時間Tbef秒に、トリガ発生後の記録時間Taft秒を加えた時間(Tbef+Taft秒)が、1イベントにおける記録範囲の合計時間に相当する。ただし撮影スイッチ9をトリガとしてJPEG変換画像などをCFカード11に記録する場合には、そのスイッチ操作回数を制限し、所定の操作回数に達すると、以後撮影スイッチ9を操作してもCFカード11に記録しないようにドラレコ本体5を設定することも可能である。
【0050】
図19は、通信による撮影要求コマンド受信と、CFカード11に記録される画像情報の記録範囲Rhとの関係を表す図である。図7も参照しつつ説明する。記録条件として、センタ4からAVM−ECU2に無線周波数による画像撮影要求があると、ドラレコ本体5の第1CPU13はその信号をコマンド受信する。そうすると、コマンド受信時TR2(トリガ発生時と称す)を基準として最大30秒間の記録範囲にわたって、第2のSD−RAM30に一時的に記録されたJPEG変換画像、そのコマンド受信時のGセンサ出力値、位置、時間、実空車および車速情報と、マイク7からの音声情報とをCFカード11に記録する。トリガ発生前の記録時間Tbef秒に、トリガ発生後の記録時間Taft秒を加えた時間(Tbef+Taft秒)が、1イベントにおける記録範囲の合計時間に相当する。たとえば運行データの一つである車速パルスに基づいて求められる当該車両3の速度が、予め定める規定速度よりも大となることをセンタ4が判断すると、センタ4からの画像記録要求が実施される。なお前記トリガ発生に起因するパラメータは、車速パルスだけに限定されるものではない。たとえば定周期記録、急加速、急減速および急ハンドルの少なくともいずれか一方の運行データに基づいて、センタ4から画像記録要求が実施される場合もあり得る。これら複数の運行データを用いることで、センタ4において、乗務員個人の詳細な運転指導を実施することが可能となる。
【0051】
図20は、実車/空車メータ44からのHi/Lo信号S4に基づいて、CFカード11に記録される音声情報の記録範囲が規定される態様を表す図である。この音声情報の記録条件として、空車状態から実車状態に切換わるHi信号が出力されると、このHi信号が出力される時点TR3よりもTbef秒(Tbef秒は、たとえば数十秒)前から、取得手段である第2のSD−RAM30に一時的に記録された音声情報、Gセンサ出力値、位置、時間、実空車および車速情報をCFカード11に記録していく。この記録状態で実車状態から空車状態に切換わるLo信号が出力されると、このLo信号が出力された時点TR4よりもTaft秒(Taft秒は、たとえば数十秒)経過した時点まで音声情報などをCFカード11に記録する。
【0052】
本実施形態では、実車/空車メータ44からのHi/Lo信号に基づいて、JPEG変換画像ではなく音声情報などをCFカード11に記録しているが、必ずしもこの態様に限定されるものではない。たとえば、記録条件として、空車状態から実車状態に切換わるHi信号が出力されると、このHi信号が出力される時点TR3(第1トリガ発生時と称す)を基準として最大30秒間の記録範囲にわたって、第2のSD−RAM30に一時的に記録されたJPEG変換画像、第1トリガ発生時のGセンサ出力値、位置、時間、実空車および車速情報をCFカード11に記録する。第1トリガ発生前の記録時間Tbef秒に、第1トリガ発生後の記録時間Taft秒を加えた時間(Tbef+Taft秒)が、1イベントにおける記録範囲の合計時間に相当する。第1トリガ発生前5秒以上25秒以下、第1トリガ発生後5秒以上25秒以下の範囲で最大30秒間を設定可能になっている。
【0053】
さらに記録条件として、実車状態から空車状態に切換わるLo信号が出力されると、このLo信号が出力される時点TR4(第2トリガ発生時と称す)を基準として最大30秒間の記録範囲にわたって、第2のSD−RAM30に一時的に記録されたJPEG変換画像、第2トリガ発生時のGセンサ出力値、位置、時間、実空車および車速情報をCFカード11に記録する。第2トリガ発生前の記録時間Tbef秒に、第2トリガ発生後の記録時間Taft秒を加えた時間(Tbef+Taft秒)が、1イベントにおける記録範囲の合計時間に相当する。第2トリガ発生前5秒以上25秒以下、第2トリガ発生後5秒以上25秒以下の範囲で最大30秒間を設定可能になっている。
【0054】
図21は、運行データの閾値に基づいて警告情報を発する態様を表す図である。当該車両3の速度、定周期記録、急加速、急減速および急ハンドルの少なくともいずれか一方の運行データに基づいて、第1CPU13が当該車両3の異常運転を検出すると、ブザー8によって乗務員に警告情報を通知する。この警告情報通知後、異常運転が継続している間はたとえば30秒毎に警告する。ただし第1CPU13は、センタ4から当該車両3に配車指示中ブザー8による警告を禁止する。異常運転であるか否かの判定基準は、予めCFカード11で指定する。図21に示すように、異常検出閾値の上限E1および下限E2、異常判定時間Teがパラメータとして規定される。上限オーバは、予め定める「異常判定時間」以上継続したときに、異常運転であると判断する。本実施形態ではブザー8によって警告情報を通知しているが、これに限定されるものではない。AVM−ECU2には、合成音声機能を備えるスピーカSPが設けられている。該スピーカSPの音声合成(たとえば「規定の速度を超過しています。減速してください」などの音声合成)機能を用いて、警告音声を出力することも可能である。
【0055】
急加速、急減速に基づいて異常運転を検知する場合について説明する。第1CPU13は、たとえば0.1秒毎に車速パルスによって当該車両3の速度つまり車速を取得し、1秒間の加速度にて判定する。第1CPU13は、この加速度が判定値を超えた場合に、ブザー8によって乗務員に警告情報を通知し、該加速度をCFカード11に記録する。第1CPU13は、指定の加速度以上の場合には「急加速」と判定し、指定の減速度以上の場合には「急減速」と判定する。判定基準となる加速度、減速度は、実車/空車毎の二種類を設定可能になっている。
【0056】
速度超過によって異常運転を検知する場合について説明する。第1CPU13は、たとえば0.1秒毎に車速パルスによって車速を取得し、規定の速度オーバ判定速度を超えてかつ規定の警告開始時間を経過した場合に、ブザー8によって乗務員に警告情報を通知する。車速が規定の速度オーバ判定速度を超え、異常判定時間Teを経過を経過した場合には、ブザー8によって警告情報を通知するとともに、該車速3をCFカード11に記録する。車速が速度オーバ判定速度以下になったが、一般道路か高速道路かの道路区分がいずれか一方から他方に変わったとき、速度オーバを解除するようになっている。判定速度、警告開始時間は、前記道路区分毎の二種類を設定可能になっている。
【0057】
図22は、Gセンサ出力値と検知時間との関係を表す図である。図23は、Gセンサ出力値の大小とその検知時間との関係に基づく傾向を表す図表である。第1CPU13は、CFカード11の記録容量に必要十分な空き容量がなく、該CFカード11にすでに記録したGセンサ出力値が新たに検出されるGセンサ出力値よりも小さいとき、すでに記録したGセンサ出力値を消去し、該検出されるGセンサ出力値をCFカード11に記録させる制御を行う。CFカード11の記録容量の空き容量が必要十分であれば、CFカード11にすでに記録したGセンサ出力値が新たに検出されるGセンサ出力値よりも小さいときであっても、すでに記録したGセンサ出力値を消去することなく、該検出されるGセンサ出力値をCFカード11に記録させるようになっている。
【0058】
前記Gセンサ出力値が小さく(たとえば0.4G以上2G未満)、その検知時間が短い(たとえば数十ミリsec)場合には、当該車両3が段差または悪路などを通過したことを意味する。Gセンサ出力値が小さく、その検知時間が長い(たとえば100ミリsec以上)場合には、当該車両3が急ブレーキをかけたことを意味する。そしてGセンサ出力値が大きく(たとえば2G以上)、その検知時間が短い場合には、当該車両3が事故を起こしたことを意味する。本件出願人は、このようなGセンサ出力値の大小とその検知時間との関係に基づく傾向のデータを実験などによって、センタ機器のメモリなどにストアしている。
【0059】
図24は、本発明の実施形態に係り、一時記録された情報をCFカード11に記録する方法を段階的に示すフローチャートである。アクセサリー電源から供給されるACC信号がオンまたはAVM−ECU2の電源オンとなる条件で、本フローが開始する。開始後ステップa1に移行して、第1CPU13は情報を第1RAM12に記録させる。つまり第1CPU13は、第1のSD−RAM29に、カメラ撮像した画像データであってJPEG形式に変換した画像データを一時的に記録させる。さらに第2のSD−RAM30に、該画像データ、AVM−ECU2からの当該車両3の位置、時間、動態情報およびGセンサ出力値などを一時的に記録させる。
【0060】
次にステップa2に移行して、図16および図17に示すように、第1CPU13は、Gセンサ出力値が閾値を超過したか否かを判断する。「否」との判断でステップa3に移行して、撮影スイッチ9がオンしたか否かを判断する。前記ステップa2でGセンサ出力値が閾値を超過したと判断されると、ステップaRecに移行し、第1CPU13は、第2のSD−RAM30に一時的に記録されたJPEG変換画像、そのGセンサ出力値、位置、時間、実空車および車速情報をCFカード11に記録させる。その後本処理を終了する。ステップa3で撮影スイッチ9がオンしたと判断されると、ステップaRecに移行する。「否」との判断でステップa4に移行する。ステップa4において、第1CPU13はセンタ4から撮影要求があったか否かを判断する。「否」との判断でステップa1に戻る。撮影要求ありとの判断でステップaRecに移行する。
【0061】
図25は、CFカード11の空き記録容量に応じて、一時記録された情報をCFカード11に記録する方法を段階的に示すフローチャートである。本フローの開始条件は、ACC信号がオンまたはAVM−ECU2の電源オンとなる条件である。ただし図24に示すフローチャートと同一のステップには、同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。ステップa2でGセンサ出力値が閾値を超過したと判断されると(ステップa2:YES)、ステップa5に移行する。ステップa3で撮影スイッチオンとの判断でステップa5に移行し、ステップa4で撮影要求ありとの判断でステップa5に移行する。
【0062】
ステップa5では、第1CPU13は、CFカード11に必要十分な空き容量があるか否かを判断する。「否」との判断で、ステップa6に移行する。空き容量ありとの判断でステップaRecに移行して、第1CPU13は、第2のSD−RAM30に一時的に記録されたJPEG変換画像などをCFカード11に記録させる。その後本処理を終了する。ステップa6では、第1CPU13は、今回新たに検出されるGセンサ出力値と、すでにCFカード11に記録したGセンサ出力値のうち最も小さい値(図25で旧G値と表記する)の大小関係を判断する。
【0063】
今回新たに検出されるGセンサ出力値が前記旧G値よりも大なる関係が成立すると(ステップa6:YES)、ステップa7に移行する。今回のGセンサ出力値が前記旧G値より大ではないと判断されると、本処理を終了する。ステップa7で前記旧G値に関連付けられたJPEG変換画像など全ての情報(旧データと称す)を消去し、ステップaRecに移行する。
【0064】
図26は、運行データに基づいて、警告情報を発する方法を示すフローチャートである。アクセサリー電源から供給されるACC信号がオンまたはAVM−ECU2の電源オンとなる条件で、本フローが開始する。開始後ステップb1に移行して、第1CPU13は、車速などの前記運行データを第1RAM12のうちの第2のSD−RAM30に記録させる。図21に示すように、異常検出閾値および異常判定時間に基づいて第1CPU13が異常運転であると判断すると、ステップb3に移行する。異常運転ではないと判断されるとステップb1に戻る。
【0065】
ステップb3では、第1CPU13は、センタ4から配車指示中であるか否かを判断する。配車指示中であればステップb1に戻る。配車指示中ではないとの判断でステップb4に移行し、ブザー8によって乗務員に警告情報を通知する。この場合、音声合成出力であってもよい。次にステップb5に移行して、第1CPU13は、異常運転を継続しているか否かを判断する。「否」との判断で本処理を終了する。異常運転継続中との判断でステップb6に移行し、第1CPU13によって、先の警告からの経過時間がt1(t1はたとえば30秒)に達したと判断すると、ステップb4に戻る。経過時間がt1に達していないと判断されると、ステップb5に戻る。
【0066】
以上説明したドライブレコーダ1によれば、第2のSD−RAM30には、画像データ、AVM−ECU2からの当該車両3の位置および時間情報と、動態情報およびGセンサ出力値などが巡回的に記録され、第1CPU13は、図24、図25に示すステップaRecに移行する条件が成立した場合に、この一時記録された画像データなどをCFカード11に記録させる制御を行う。特に車両3既存の配車装置であるAVM−ECU2と当該ドライブレコーダ1とを連携させることによって、動態情報、位置情報および配車指示情報などを、ドライブレコーダ1側に特別な構成を持たせることなく利用することができる。このような動態情報、位置情報および配車指示情報などを第2のSD−RAM30に記録させたうえで、この情報等をCFカード11に記録することができる。
【0067】
したがって従来のものに比べて、特別な構成を付加することなく設備導入費用を抑え、配線接続などを簡単に実施することが可能となる。前記条件が成立した場合に巡回的に記録された画像データなどをCFカード11に記録するので、事象前後にわたる情報を確実に記録することができ、事故などの原因を詳細に分析することができる。それ故、乗務員の運転指導を効果的に行うことが可能となる。第1CPU13は、第2のSD−RAM30に一時記録された画像データの少なくとも一部を、Gセンサ出力値、車両の位置、時間および動態情報などと関連付けてCFカード11に記録することができるので、次のような効果を奏する。Gセンサ出力値、車両の位置、時間および動態情報などと、これらの情報などをCFカード11に記録したときの車両3の周辺画像と照らし合わせながら、事故などの原因を詳細に分析することができる。それ故、乗務員の運転指導をより効果的に行うことができる。
【0068】
本実施形態に係るドライブレコーダ1によれば、車室内の音声情報を取得するマイク7を備え、第2のSD−RAM30に一時記録された音声情報の少なくとも一部を、Gセンサ出力値、車両の位置、時間および動態情報などと関連付けてCFカード11に記録することができるので、次のような効果を奏する。Gセンサ出力値、車両の位置、時間および動態情報などと、これらの情報などをCFカード11に記録したときの車室内の音声とを照らし合わせながら、事故などの原因を詳細に分析することができる。
【0069】
第1CPU13は、Gセンサ出力(G出力という場合がある)が所期値に達したとき、CFカード11に記録させるようにしたので、次のような効果を奏する。運転指導などには影響しないと考えられる情報などつまりG出力が所期値に達しない状態の情報などについては、CFカード11に記録させないようにして該CFカード11の記録容量の空きを確保することができる。G出力が所期値に達したとき、該G出力を、車両の位置、時間および動態情報などと関連付けてCFカード11に記録することができるので、事故が発生したエリア、時間帯などを乗務員毎に正確に分析することができる。したがって乗務員の運転指導を実現することができる。
【0070】
図25に示すように、CFカード11の空き容量に応じて、該CFカード11にすでに記録したG出力が新たに検出されるG出力よりも小さいとき、該新たに検出されるG出力をCFカード11に書き換える。CFカード11の記録容量に応じて、CFカード11に記録する情報を取捨選択することができ、事故などの原因を正確に分析することが可能となる。図26に示すように、第2のSD−RAM30には運行データが一時記録され、第1CPU13は、この運行データの閾値に基づいて警告情報を発するように制御するので、乗務員の注意を喚起することができる。したがって違反および事故を未然に防止することが可能となる。また図26に示すように、センタ4から当該車両3への配車指示中、警告情報を発することが禁止されるので、配車指示を乗務員により確実に伝達することができ、タクシー利用者の利便性を向上することができる。
【0071】
ドライブレコーダ1は、ACC信号がオフでかつAVM−ECU2の第2電源部43がオフになっても、データ記録を実施できるように、ソフトウェアにより終了制御するようになっているので、次のような効果を奏する。車両3のエンジンが停止した状態であっても、情報などを一時記録することができるうえ、一時記録された情報などをCFカード11に記録させることができる。このように停車状態における事故分析をも実現できる。第1CPU13は、AVM−ECU2からの実空車情報に基づいて、警告情報を発するか否かを判断するので、実車中のタクシー利用者が警告情報を不意に聞くようなことを未然に防止できる。このようにタクシー利用者本位のサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るドライブレコーダ1とAVM−ECU2との関係を表す斜視図である。
【図2】ドライブレコーダ1を部分的に変更した変更形態の斜視図である。
【図3】車両3へのカメラ取付け位置を説明するための図である。
【図4】センタ4を表す図であり、図4(a)はセンタ機器構成を表す図であり、図4(b)は、ディスプレイ4aに車両3の走行軌跡、撮像画像およびGセンサ計測値を出力した一態様を表す図である。
【図5】ドライブレコーダ1の斜視図である。
【図6】ドライブレコーダ1の正面図である。
【図7】ドライブレコーダ1、AVM−ECU2およびセンタ4の電気的構成を表すブロック図である。
【図8】ドライブレコーダ1の電気的構成を表すブロック図である。
【図9】AVM−ECU2の電気的構成を表すブロック図である。
【図10】AVM−ECU2の要部の電気的構成を表すブロック図である。
【図11】ドライブレコーダ1の要部の電気的構成を表すブロック図である。
【図12】ウォッチドッグパルスが停止または規定の周期で動作しない場合、ハードウェアによりリセットをかける遅延回路を説明する図である。
【図13】ドライブレコーダ1を部分的に変更した変更形態に係る、要部の電気的構成を表すブロック図である。
【図14】画像情報の一部と位置情報等との関係を表す図である。
【図15】Gセンサ出力値に基づいて、静止画像情報が一定間隔δおきにCFカード11に記録される態様を表す図である。
【図16】閾値を超過したGセンサ出力値48と、CFカード11に記録される画像情報の記録範囲Rhとの関係を表す図である。
【図17】Gセンサ出力値の閾値判定方法を説明するための図である。
【図18】撮影スイッチ9のオン信号S3と、CFカード11に記録される画像情報の記録範囲Rhとの関係を表す図である。
【図19】通信による撮影要求コマンド受信と、CFカード11に記録される画像情報の記録範囲Rhとの関係を表す図である。
【図20】実車/空車メータ44からのHi/Lo信号S4に基づいて、CFカード11に記録される音声情報の記録範囲が規定される態様を表す図である。
【0073】
【図21】運行データの閾値に基づいて警告情報を発する態様を表す図である。
【図22】Gセンサ出力値と検知時間との関係を表す図である。
【図23】Gセンサ出力値の大小とその検知時間との関係に基づく傾向を表す図表である。
【図24】本発明の実施形態に係り、一時記録された情報をCFカード11に記録する方法を段階的に示すフローチャートである。
【図25】CFカード11の空き記録容量に応じて、一時記録された情報をCFカード11に記録する方法を段階的に示すフローチャートである。
【図26】運行データに基づいて、警告情報を発する方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
1 ドライブレコーダ
2 AVM−ECU
3 車両
5 カメラ
6 マイク
7 マイク
8 ブザー
9 撮影スイッチ
10 GPSアンテナ
11 CFカード
12 第1RAM
13 第1CPU
27 Gセンサ
29 第1のSD−RAM
30 第2のSD−RAM
42 ウォッチドッグIC
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の位置、時間および動態情報の少なくともいずれか一つを当該車両に搭載された配車装置から受信して記録する一時記録手段と、
予め定める条件が成立した場合に、一時記録手段に記録された位置、時間および動態情報の少なくとも一部を、不揮発記録手段に記録させる制御を行う制御手段とを備えることを特徴とするドライブレコーダ。
【請求項2】
車両に設けられ、かつ当該車両の周辺画像を撮像する撮像手段をさらに備え、
前記制御手段は、撮像手段によって撮像されて一時記録手段に記録された画像情報の少なくとも一部を、前記予め定める条件が成立した場合に、位置、時間および動態情報の少なくとも一部と関連付けて不揮発記録手段に記録させる制御を行うことを特徴とする請求項1記載のドライブレコーダ。
【請求項3】
車室内の音声情報を取得する音声情報取得手段をさらに備え、
前記制御手段は、音声情報取得手段によって取得されて一時記録手段に記録された音声情報の少なくとも一部を、前記予め定める条件が成立した場合に、位置、時間および動態情報の少なくとも一部と関連付けて不揮発記録手段に記録させる制御を行うことを特徴とする請求項1または2記載のドライブレコーダ。
【請求項4】
前記制御手段は、
車両にかかる重力加速度が所期値に達したとき、一時記録手段に記録された情報を不揮発記録手段に記録させる制御を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のドライブレコーダ。
【請求項5】
前記制御手段は、
車両にかかる重力加速度が所期値に達したとき、位置、時間および動態情報の少なくとも一部と関連付けて該重力加速度を不揮発記録手段に記録させる制御を行うことを特徴とする請求項4記載のドライブレコーダ。
【請求項6】
前記制御手段は、
記録可能な不揮発記録手段の空き容量に応じて、すでに記録したデータに関連付けられた記録済み重力加速度と、新たに所期値に達した重力加速度とを比較し、記録済み重力加速度よりも新たに所期値に達した重力加速度が大なるとき、不揮発記録手段に記録したデータを消去して、新たに所期値に達した重力加速度をトリガとしたデータを不揮発記録手段に上書きする制御を行うことを特徴とする請求項5記載のドライブレコーダ。
【請求項7】
警告情報を出力可能な情報出力手段をさらに備え、
前記一時記録手段には、車両に作用する運行データが記録され、前記制御手段は、この運行データに基づいて、警告情報を出力するように情報出力手段を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のドライブレコーダ。
【請求項8】
前記制御手段は、当該車両の配車装置が配車指示されているとき、警告情報を出力することを禁止する制御を行うことを特徴とする請求項7記載のドライブレコーダ。
【請求項9】
前記配車装置からの電源オン情報に基づいて、立ち上げる主電源をさらに含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のドライブレコーダ。
【請求項10】
配車装置の電源がオフされた後、前記主電源の電源供給を遅延して停止する遅延回路が設けられることを特徴とする請求項9記載のドライブレコーダ。
【請求項11】
車両の実空車情報を有する配車装置から実空車情報を取得する取得手段と、
警告情報を出力可能な情報出力手段と、
前記取得手段によって取得される実空車情報に基づいて、情報出力手段から警告情報を出力するか否かを判断する制御手段とを有することを特徴とするドライブレコーダ。
【請求項1】
車両の位置、時間および動態情報の少なくともいずれか一つを当該車両に搭載された配車装置から受信して記録する一時記録手段と、
予め定める条件が成立した場合に、一時記録手段に記録された位置、時間および動態情報の少なくとも一部を、不揮発記録手段に記録させる制御を行う制御手段とを備えることを特徴とするドライブレコーダ。
【請求項2】
車両に設けられ、かつ当該車両の周辺画像を撮像する撮像手段をさらに備え、
前記制御手段は、撮像手段によって撮像されて一時記録手段に記録された画像情報の少なくとも一部を、前記予め定める条件が成立した場合に、位置、時間および動態情報の少なくとも一部と関連付けて不揮発記録手段に記録させる制御を行うことを特徴とする請求項1記載のドライブレコーダ。
【請求項3】
車室内の音声情報を取得する音声情報取得手段をさらに備え、
前記制御手段は、音声情報取得手段によって取得されて一時記録手段に記録された音声情報の少なくとも一部を、前記予め定める条件が成立した場合に、位置、時間および動態情報の少なくとも一部と関連付けて不揮発記録手段に記録させる制御を行うことを特徴とする請求項1または2記載のドライブレコーダ。
【請求項4】
前記制御手段は、
車両にかかる重力加速度が所期値に達したとき、一時記録手段に記録された情報を不揮発記録手段に記録させる制御を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のドライブレコーダ。
【請求項5】
前記制御手段は、
車両にかかる重力加速度が所期値に達したとき、位置、時間および動態情報の少なくとも一部と関連付けて該重力加速度を不揮発記録手段に記録させる制御を行うことを特徴とする請求項4記載のドライブレコーダ。
【請求項6】
前記制御手段は、
記録可能な不揮発記録手段の空き容量に応じて、すでに記録したデータに関連付けられた記録済み重力加速度と、新たに所期値に達した重力加速度とを比較し、記録済み重力加速度よりも新たに所期値に達した重力加速度が大なるとき、不揮発記録手段に記録したデータを消去して、新たに所期値に達した重力加速度をトリガとしたデータを不揮発記録手段に上書きする制御を行うことを特徴とする請求項5記載のドライブレコーダ。
【請求項7】
警告情報を出力可能な情報出力手段をさらに備え、
前記一時記録手段には、車両に作用する運行データが記録され、前記制御手段は、この運行データに基づいて、警告情報を出力するように情報出力手段を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のドライブレコーダ。
【請求項8】
前記制御手段は、当該車両の配車装置が配車指示されているとき、警告情報を出力することを禁止する制御を行うことを特徴とする請求項7記載のドライブレコーダ。
【請求項9】
前記配車装置からの電源オン情報に基づいて、立ち上げる主電源をさらに含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のドライブレコーダ。
【請求項10】
配車装置の電源がオフされた後、前記主電源の電源供給を遅延して停止する遅延回路が設けられることを特徴とする請求項9記載のドライブレコーダ。
【請求項11】
車両の実空車情報を有する配車装置から実空車情報を取得する取得手段と、
警告情報を出力可能な情報出力手段と、
前記取得手段によって取得される実空車情報に基づいて、情報出力手段から警告情報を出力するか否かを判断する制御手段とを有することを特徴とするドライブレコーダ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2007−140615(P2007−140615A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−329524(P2005−329524)
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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