説明

ドーパミンD3受容体の調節剤として有用なベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル−ピペラジン誘導体

本発明は、ドーパミンD3受容体に対する親和性及び選択性を有する一般式(I)の化合物、それらの製造、それらを含有する医薬組成物、ならびに医薬としてのそれらの使用に関する。本発明の活性化合物は、認知障害の治療及び/又は予防処置に有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(I):
【0002】
【化1】


[式中、
Xは、互いに独立して、フッ素又は塩素であり;
nは、1又は2であり;
Zは、−NH−又は−O−であり;
Rは、C1−6−アルキル(ここで、C1−6−アルキルは、−CONH、3〜6員単環式シクロアルキル又は4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルにより場合により置換されている);
1−6−ヒドロキシアルキル;
1−6−アルコキシ;
3〜6員単環式シクロアルキル;又は
4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルであり、
ここで、3〜6員単環式シクロアルキル及び4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルは、ハロ、ヒドロキシ、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、C1−6−ヒドロキシアルキル及びC1−6−アルコキシからなる群より選択される1個以上の置換基により場合により置換されている]で示される化合物、ならびにその薬学的に許容しうる塩に関する。
【0003】
驚くべきことに、式(I)の化合物が、ドーパミンD3受容体に対する親和性を有し、そのためD3受容体の調節、特に拮抗/阻害が、例えば、薬物依存症を処置するため、あるいは抗精神病薬として有益である状態の処置に有用であることが見出された。
【0004】
背景情報
ドーパミン(主要なカテコールアミン神経伝達物質)は、感情、認知、運動機能、及び正の強化を含む多様な機能の制御に関与する(Purves, D. et al. (2004) Neuroscience. Sinauer, third edition, Sunderland, Massachusetts)。
【0005】
ドーパミンの生物学的活性は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)を通して媒介され、ヒトにおいては、5つの異なるドーパミン受容体D−Dが同定されており、D様受容体(D、D及びD)は、Gタンパク質GαIと共役する(Missale, C. et al.. (1998) Dopamine receptors: from structure to function. Physiol. Rev. 78, 189-225)。Dドーパミン受容体は、側座核において最も高度に発現し(Gurevich, E. V., Joyce, J. N. (1999) Distribution of dopamine D3 receptor expressing neurons in the human forebrain: comparison with D2 receptor expressing neurons. Neuropsychopharmacology 20, 60-80)、そして前頭前皮質及び帯状皮質ならびに種々の視床核へ投射する、側座核への腹側被蓋領域、海馬及び扁桃からのニューロン投射よりなる中脳辺縁系経路を調節することが提唱されている。辺縁系回路は、情動行動にとって重要であると考えられ、そしてそのためD受容体アンタゴニストは、幻覚、妄想及び思考障害などの精神病症状を調節することが提唱されているが(Joyce, J. N. and Millan, M. J., (2005) Dopamine D3 receptor antagonists as therapeutic agents. Drug Discovery Today, 1 Jul, Vol. 10, No. 13, 917-25)、一方で、これらのアンタゴニストは、D調節性線条体錐体外路系(EPS誘導に関連)を使わない。加えて、薬品未投与の統合失調症患者が、D受容体の発現レベルの変化(Gurevich, E. V. et al. (1997) Mesolimbic dopamine D3 receptors and use of antipsychotics in patients with schizophrenia. A postmortem study. Arch. Gen. Psychiatry 54, 225-232)及びドーパミン放出(Laruelle, M. (2000) Imaging dopamine dysregulation in schizophrenia: implication for treatment. Presented at Workshop Schizophr.: Pathol. Bases and Mech. Antipsychotic Action, Chicago)を示すことが報告されており、ドーパミンの恒常性の乱れが統合失調症症状の病因において重要な役割を果たすことを示している。
【0006】
発明の詳細な説明
式(I)の化合物及びその薬学的に許容しうる塩は、薬物摂取、アルコール、コカイン、オピエート、ニコチン、ベンゾジアゼピンなどの乱用薬物からの禁断及び退薬症状に続く薬物探索行動の再発、そしてオピオイドにより誘発される耐性の阻害を包含する薬物依存症の全ての態様の処置、ならびに薬物渇望の処置に有用であることが見出されている。それは、例えば、統合失調症、統合失調感情障害、統合失調様疾患、精神病性鬱病(この用語には、双極性鬱病、単極性鬱病、精神病性特徴、緊張病性特徴、メランコリー性特徴、非典型的特徴又は分娩後の発症を有するか又は有しない単発性又は再発性大鬱病エピソード、季節性感情障害及び気分変調、非限定的に、心筋梗塞、糖尿病、流産又は妊娠中絶を包含する一般的な病状から生じる鬱病性障害が含まれる)、不安障害(これには、一般的な不安及び社会不安障害が含まれる)、躁病、急性躁病、偏執症及び妄想性障害の処置の際の抗精神病薬としても有用である。化合物はまた、身体表現性障害と称される同種の関連障害の処置、ならびに早期射精の処置に有用である。
【0007】
化合物は更に、注意欠陥多動性障害(ADHD)、中毒(禁煙、コカインなど)及び強迫性障害(OCD)の処置に有用である。
【0008】
式(I)の化合物は、従来の薬学的に許容しうる酸などの酸と、酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、サリチル酸塩、硫酸塩、ピルビン酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、マンデル酸塩、酒石酸塩、及びメタンスルホン酸塩を形成しうる。好ましくは、塩酸塩である。式(I)の化合物の溶媒和物及び水和物ならびにそれらの塩もまた、本発明の一部を形成する。
【0009】
式(I)の化合物は、1個以上の不斉炭素原子を有することができ、光学的に純粋な鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、例えば、ラセミ体、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体のラセミ体又はジアステレオ異性体のラセミ体の混合物の形態で存在することができる。光学的に活性な形態は、例えば、ラセミ体の分割、不斉合成又は不斉クロマトグラフィー(キラル吸着剤又は溶離剤を用いるクロマトグラフィー)により得ることができる。本発明はこれら全ての形態を包含する。
【0010】
本発明における一般式(I)の化合物を官能基において誘導体化して、インビボで親化合物に逆変換することができる誘導体を得てもよいことが理解されるだろう。インビボで一般式(I)の親化合物を生成することができる、生理学的に許容しえ、かつ代謝的に不安定な誘導体もまた、本発明の範囲内にある。
【0011】
本明細書で使用されるように、用語「C1−6−アルキル」は、炭素及び水素原子のみからなり、1〜6個の炭素原子を有する一価直鎖又は分岐鎖状飽和炭化水素部分、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどを示す。好ましいアルキル基は、1、2、3又は4個の炭素原子を有する基である。最も好ましいアルキル基は、メチル及びエチルである。
【0012】
本明細書で使用されるように、−CONH、3〜6員単環式シクロアルキル又は4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルにより場合により置換されている「C1−6−アルキル」は、好ましくは、CONH−メチル、シクロプロピル−メチル及びメトキシ−シクロヘキシル−メチルを示した。
【0013】
用語「ハロゲン」は、塩素(クロロ、Cl)、ヨウ素(ヨード、I)、フッ素(フルオロ、F)及び臭素(ブロモ、Br)を示す。好ましいハロゲンは、フルオロ、クロロ及びブロモであり、より好ましくは、フルオロ及びクロロであり、最も好ましくはフルオロである。
【0014】
用語「C1−6−アルコキシ」は、基−O−R’(ここで、R’は、上記で定義したC1−6−アルキルである)を示す。好ましくは、メトキシ−エチルである。
【0015】
用語「C1−6−ハロアルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個が、ハロゲン原子、好ましくは、フルオロ又はクロロ、最も好ましくは、フルオロにより置き換えられている、上記で定義したアルキル基を示す。ハロアルキルの例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル又はn−ヘキシル(ここで、1個以上の水素原子は、Cl、F、Br又はI原子により置き換えられている)、ならびに本明細書下記の例により具体的に例示されるそれらのハロアルキル基が含まれるが、これらに限定されない。好ましいハロアルキル基には、モノフルオロ−、ジフルオロ−もしくはトリフルオロ−メチル、−エチル又は−プロピル、例えば3,3,3−トリフルオロプロピル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、フルオロメチル、トリフルオロメチルがある。好ましくは、フルオロメチルである。
【0016】
用語「C1−6−ヒドロキシアルキル」は、基HO−R”(ここで、R”は、上記で定義したC1−6−アルキルである)を示す。好ましくは、ヒドロキシ−メチルである。
【0017】
句「3〜6員単環式シクロアルキル」は、3〜6個の環炭素原子の一価飽和単環式炭化水素基を表す。例は、シクロプロピル、シクロブタニル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。好ましい例は、シクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。最も好ましくは、シクロプロピルである。
【0018】
句「4〜6員単環式ヘテロシクロアルキル」は、N、O又はSより選択される1、2又は3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素原子である、一価飽和4〜6員単環式環系を表す。5又は6員単環式ヘテロシクロアルキルが好ましい。「ヘテロシクロアルキル」は、非置換であっても、本明細書に記載のとおり置換されていてもよい。好ましくは、テトラヒドロピラニルである。
【0019】
用語「薬学的に許容しうる塩」及び「薬学的に許容しうる酸付加塩」は、無機及び有機酸、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタン−スルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩を包含する。
【0020】
置換基の数を示す場合、用語「1個以上の」とは、1個の置換基から最大可能置換数、即ち、置換基による1個の水素の置き換えから全ての水素の置き換えまでを意味する。そのため、1、2又は3個の置換基が好ましい。
【0021】
詳細には、本発明は、一般式(I):
【0022】
【化2】


[式中、
Xは、互いに独立して、フッ素又は塩素であり;
nは、1又は2であり;
Zは、−NH−又は−O−であり;
Rは、C1−6−アルキル(ここで、C1−6−アルキルは、−CONH、3〜6員単環式シクロアルキル又は4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルにより場合により置換されている);
1−6−ヒドロキシアルキル;
1−6−アルコキシ;
3〜6員単環式シクロアルキル;又は
4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルであり、
ここで、3〜6員単環式シクロアルキル及び4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルは、ハロ、ヒドロキシ、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、C1−6−ヒドロキシアルキル及びC1−6−アルコキシからなる群より選択される1個以上の置換基により場合により置換されている]で示される化合物、ならびにその薬学的に許容しうる塩に関する。
【0023】
好ましい実施態様において、本発明は、式(I’):
【0024】
【化3】


[式中、R、X、Z及びnは、上記で定義したとおりである]で示される化合物に関する。
【0025】
特に好ましくは、式(Ia)又は(Ia’):
【0026】
【化4】

【0027】
【化5】


[式中、Z及びRは、上記で定義したとおりである]で示される化合物である。
【0028】
特に好ましくは、以下:
N−(トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−アセトアミド;
N−(トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−アセトアミド;
N−(トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−2−メトキシ−アセトアミド;
N−(トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−メトキシ−プロピオンアミド;
N−(トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−2−(トランス−4−メトキシ−シクロヘキシル)−アセトアミド;
N−(トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−プロピオンアミド;
2−シクロプロピル−N−(トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−アセトアミド;
テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸(トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−アミド;及び
N−(トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−マロンアミド、
からなる群より選択される式(Ia’)の化合物である。
【0029】
特に好ましくは、式(Ib)又は(Ib’):
【0030】
【化6】


[式中、Z及びRは、上記で定義したとおりである]で示される化合物である。
【0031】
特に好ましくは、以下:
N−(トランス−4−{2−[4−(4,5−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−アセトアミド及び
N−(トランス−4−{2−[4−(4,5−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−メトキシ−プロピオンアミド、
からなる群より選択される式(Ib’)の化合物である。
【0032】
一つの実施態様において、本発明は、Xが、互いに独立して、フッ素又は塩素である、式(I)の化合物に関する。
【0033】
一つの実施態様において、本発明は、Xがフッ素である、式(I)の化合物に関する。
【0034】
一つの実施態様において、本発明は、Xが塩素である、式(I)の化合物に関する。
【0035】
一つの実施態様において、本発明は、nが、1又は2である、式(I)の化合物に関する。
【0036】
一つの実施態様において、本発明は、Zが、−NH−又は−O−である、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0037】
一つの実施態様において、本発明は、Zが−NH−である、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0038】
一つの実施態様において、本発明は、Zが−O−である、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0039】
一つの実施態様において、本発明は、nが1である、式(I)の化合物に関する。
【0040】
一つの実施態様において、本発明は、nが2である、式(I)の化合物に関する。
【0041】
一つの実施態様において、本発明は、
Rが、C1−6−アルキル(ここで、C1−6−アルキルは、−CONH、3〜6員単環式シクロアルキル又は4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルにより場合により置換されている);
1−6−ヒドロキシアルキル;
1−6−アルコキシ;
3〜6員単環式シクロアルキル;又は
4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルであり、
ここで、3〜6員単環式シクロアルキル及び4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルは、ハロ、ヒドロキシ、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、C1−6−ヒドロキシアルキル及びC1−6−アルコキシからなる群より選択される1個以上の置換基により場合により置換されている、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0042】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、メチル、ヒドロキシ−メチル、メトキシ−メチル、メトキシ−エチル、メトキシ−シクロヘキシル−メチル、エチル、シクロプロピル−メチル、テトラヒドロピラニル又はCONH−メチルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0043】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、C1−6−アルキルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0044】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、メチルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0045】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、エチルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0046】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、−CONHにより置換されているC1−6−アルキルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0047】
一つの実施態において、本発明は、Rが、CONH−メチルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0048】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、3〜6員単環式シクロアルキルにより置換されているC1−6−アルキルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0049】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、シクロプロピル−メチルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0050】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、3〜6員単環式シクロアルキル(この3〜6員単環式シクロアルキルは、ハロにより置換されている)により置換されているC1−6−アルキルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0051】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、3〜6員単環式シクロアルキル(この3〜6員単環式シクロアルキルは、ヒドロキシにより置換されている)により置換されているC1−6−アルキルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0052】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、メトキシ−シクロヘキシル−メチルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0053】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、3〜6員単環式シクロアルキル(この3〜6員単環式シクロアルキルは、C1−6−アルキルにより置換されている)により置換されているC1−6−アルキルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0054】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、3〜6員単環式シクロアルキル(この3〜6員単環式シクロアルキルは、C1−6−ハロアルキルにより置換されている)により置換されているC1−6−アルキルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0055】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、3〜6員単環式シクロアルキル(この3〜6員単環式シクロアルキルは、C1−6−ヒドロキシアルキルにより置換されている)により置換されているC1−6−アルキルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0056】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、3〜6員単環式シクロアルキル(この3〜6員単環式シクロアルキルは、C1−6−アルコキシにより置換されている)により置換されているC1−6−アルキルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0057】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、4〜6員単環式ヘテロシクロアルキル(この4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルは、ハロにより置換されている)により置換されているC1−6−アルキルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0058】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、4〜6員単環式ヘテロシクロアルキル(この4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルは、ヒドロキシにより置換されている)により置換されているC1−6−アルキルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0059】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、4〜6員単環式ヘテロシクロアルキル(この4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルは、C1−6−アルキルにより置換されている)により置換されているC1−6−アルキルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0060】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、4〜6員単環式ヘテロシクロアルキル(この4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルは、C1−6−ハロアルキルにより置換されている)により置換されているC1−6−アルキルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0061】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、4〜6員単環式ヘテロシクロアルキル(この4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルは、C1−6−ヒドロキシアルキルにより置換されている)により置換されているC1−6−アルキルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0062】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、4〜6員単環式ヘテロシクロアルキル(この4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルは、C1−6−アルコキシにより置換されている)により置換されているC1−6−アルキルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0063】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルにより置換されているC1−6−アルキルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0064】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、C1−6−ヒドロキシアルキルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0065】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、C1−6−アルコキシである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0066】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、3〜6員単環式シクロアルキルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0067】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、3〜6員単環式シクロアルキル(この3〜6員単環式シクロアルキルは、ハロにより置換されている)である、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0068】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、3〜6員単環式シクロアルキル(この3〜6員単環式シクロアルキルは、ヒドロキシにより置換されている)である、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0069】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、3〜6員単環式シクロアルキル(この3〜6員単環式シクロアルキルは、C1−6−アルキルにより置換されている)である、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0070】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、3〜6員単環式シクロアルキル(この3〜6員単環式シクロアルキルは、C1−6−ハロアルキルにより置換されている)である、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0071】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、3〜6員単環式シクロアルキル(この3〜6員単環式シクロアルキルは、C1−6−ヒドロキシアルキルにより置換されている)である、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0072】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、3〜6員単環式シクロアルキル(この3〜6員単環式シクロアルキルは、C1−6−アルコキシにより置換されている)である、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0073】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、4〜6員単環式ヘテロシクロアルキル(この4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルは、ハロにより置換されている)である、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0074】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、4〜6員単環式ヘテロシクロアルキル(この4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルは、ヒドロキシにより置換されている)である、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0075】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、4〜6員単環式ヘテロシクロアルキル(この4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルは、C1−6−アルキルにより置換されている)である、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0076】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、4〜6員単環式ヘテロシクロアルキル(この4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルは、C1−6−ハロアルキルにより置換されている)である、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0077】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、4〜6員単環式ヘテロシクロアルキル(この4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルは、C1−6−ヒドロキシアルキルにより置換されている)である、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0078】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、4〜6員単環式ヘテロシクロアルキル(この4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルは、C1−6−アルコキシにより置換されている)である、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0079】
一つの実施態様において、本発明は、Rが、4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルである、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物に関する。
【0080】
本発明の更なる態様は、認知障害、薬物中毒、鬱病、不安症、薬物依存症、認知症、記憶障害、統合失調症、統合失調感情障害、双極性疾患、躁病、精神病性鬱病を含む精神病性障害、偏執症及び妄想を含む精神病、注意欠陥多動性障害、中毒ならびに強迫性障害の治療及び/又は予防のための、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物及び薬学的に許容しうる賦形剤を含有する医薬に関する。
【0081】
本発明の更なる態様は、認知障害、薬物中毒、鬱病、不安症、薬物依存症、認知症、記憶障害、統合失調症、統合失調感情障害、双極性疾患、躁病、精神病性鬱病を含む精神病性障害、偏執症及び妄想を含む精神病、注意欠陥多動性障害、中毒ならびに強迫性障害の治療又は予防に使用するための、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物ならびにその薬学的に許容しうる塩を含有する医薬に関する。
【0082】
本発明の更なる態様は、認知障害、薬物中毒、鬱病、不安症、薬物依存症、認知症、記憶障害、統合失調症、統合失調感情障害、双極性疾患、躁病、精神病性鬱病を含む精神病性障害、偏執症及び妄想を含む精神病、注意欠陥多動性障害、中毒ならびに強迫性障害の治療及び/又は予防用の医薬の製造のための、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物ならびにその薬学的に許容しうる塩を含有する医薬に関する。
【0083】
本発明の更なる態様は、統合失調症、認知障害及び薬物中毒の処置のための、式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物を含有する医薬組成物に関する。
【0084】
本発明の更なる態様は、上記で定義した式I、Ia、Ia’、Ib、Ib’の化合物の製造方法に関する。
【0085】
本発明の更なる態様は、治療活性物質として使用するための、式(I)の化合物に関する。
【0086】
本発明の更なる態様は、D3受容体に関連する疾患の治療又は予防のための、式(I)の化合物に関する。
【0087】
本発明の更なる態様は、D3受容体結合部位により媒介されるか、あるいはD3受容体結合部位の調節を介して処置することができる障害又は状態の治療及び/又は予防処置のための、特に、認知障害、薬物中毒、鬱病、不安症、薬物依存症、認知症、記憶障害、統合失調症、統合失調感情障害、双極性疾患、躁病、精神病性鬱病を含む精神病性障害、偏執症及び妄想を含む精神病、注意欠陥多動性障害、中毒ならびに強迫性障害の治療及び/又は予防処置のための方法であって、式(I)の化合物を、ヒト又は動物に投与することを含む方法に関する。
【0088】
本発明の式(I)の化合物の調製は、連続型又は収束型合成経路で実施しうる。本発明の合成を、以下のスキームに示す。反応及び得られた生成物の精製を実施するために必要とされる技術は、当業者に公知である。以下の製法の説明に使用される置換基及び指数は、他に示さない限り、本明細書で与えられる意味を有する。
【0089】
詳細には、式(I)の化合物は、下記に示す方法によるか、実施例に示す方法によるか、又は同様の方法により製造することができる。個々の反応工程についての適切な反応条件は、当業者に公知である。
【0090】
出発物質は、市販されているか、あるいは下記に示す方法と同様の方法によるか、説明もしくは実施例で引用した参考文献に記載の方法によるか、又は当技術分野で公知の方法により調製することができる
【0091】
式(I):
【0092】
【化7】


[式中、Zは、NHであり、R、X及びnは、上記の意味を有する]で示される化合物の調製方法の好ましい実施態様は、以下の工程:
a) 式(I−1):
【0093】
【化8】


で示されるアルデヒドを、還元剤の存在下、式(I−2):
【化9】


で示される3−ピペラジン−1−イル−1,2−ベンゾイソオキサゾールで、還元的アミノ化し、
保護基Bocを、酸性条件下で除去して、式(I−3):
【0094】
【化10】


で示されるアミン中間体を得る工程;及び
b) 式(I−3)のアミン中間体を、カルボン酸R−COOH又は酸塩化物R−COClとカップリングさせて、式(I)の化合物を得る工程の1つを含む。
【0095】
受容体に結合する本化合物の能力を、HEK−293EBNA細胞において選択的に発現したクローン化受容体への放射性リガンド結合を用いて決定した。
【0096】
生物学的データ
ヒトD受容体のための膜調製
HEK−293 EBNA細胞に、ヒトDドーパミン受容体をコードする発現プラスミドを一過的にトランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後、細胞を採取し、冷PBSで3回洗浄し、使用前に−80℃で保管した。ペレットを、10mM EDTAを含有する冷50mMトリス−HCl緩衝液(pH7.4)に懸濁し、12.000rpmで、20〜30秒間、ポリトロン(Kinematica AG, Basel, Switzerland)でホモジナイズした。4℃にて、30分間、48.000Xgで遠心分離した後、ペレットを、0.1mM EDTAを含有する冷10mMトリス−HCl緩衝液(pH7.4)に再懸濁し、ホモジナイズし、上記のように遠心分離した。このペレットを更に、0.1mM EDTAを含有する少量の氷冷10mMトリス−HCl緩衝液(pH7.4)に再懸濁し、12.000rpmで、20〜30秒間、ポリトロンでホモジナイズした。このホモジネートのタンパク質含量を、γグロブリンを標準として使用する製造者の指示に従い、Bio-Rad (Bradford) タンパク質アッセイ(Biorad Laboratories GmbH, Munchen, Germany)を用いて決定した。このホモジネートをアリコートで−80℃にて保管し、使用直前に解凍した。
【0097】
放射性リガンド結合アッセイ条件
膜調製のアリコートを室温で解凍し、アッセイ緩衝液(50mMトリス−HCl、120mM NaCl、5mM MgCl、1mM EDTA、5mM KCl、1.5mM CaCl、pH=7.4)に再懸濁し、12.000rpmで、20〜30秒間、ポリトロンでホモジナイズし、タンパク質約7.5μg/ウェルの最終濃度に調整した。
【0098】
本化合物の結合親和性(Ki)を、放射性リガンド結合を用いて決定した。膜を、固定濃度の放射性リガンド(最終濃度約0.5nM[H]−スピペロン)及び10μM〜0.1nMの範囲の10種の濃度の試験化合物を有する総容量200μl中、室温で、1時間インキュベートした。インキュベーションの最後に、反応混合物を、Filtermate 196ハーベスター(Packard BioScience)を用い、結合GF/Cフィルターを有するunifilter 96−ウェル白色マイクロプレート(Packard BioScience, Zurich, Switzerland;アッセイ緩衝液中の0.1%ポリエチレンイミン(PEI)中で1時間プレインキュベート)上に濾過し、冷アッセイ緩衝液で3回洗浄した。非特異的結合を、10μM未標識スピペロンの存在下、等しく構成された反応混合物を用いて決定した。1ウェル当たり、Microscint 40 (Perkin Elmer, Schwerzenbach, Switzerland)45μlを加え、プレートを封して、20分間振とうし、クエンチング補正を伴うTopcount Microplateシンチレーションカウンター(Canberra Packard SA, Zurich, Switzerland)で3分間計数した。
【0099】
データ計算
競合化合物の二重の濃度のそれぞれについてのCPM値を平均化し(y1)、次に特異的結合(%)を、式(((y1−非特異的)/(全結合−非特異的))×100)に従って計算した。XLfit(Levenburg Marquardtアルゴリズムを用いてデータを繰り返しプロットする曲線当てはめプログラム)を用いて、特異的結合(%)によりグラフをプロットした。使用した単一部位競合分析式は、y=A+((B−A)/(1+((x/C))))(ここで、yは特異的結合(%)であり、Aは最小のyであり、Bは最大のyであり、CはIC50であり、xは競合化合物の濃度のlog10であり、Dは曲線の勾配(ヒル係数)である)であった。これらの曲線から、IC50(放射性リガンドの50%の特異的結合が置き換えられる阻害濃度)及びヒル係数を決定した。親和性定数(Ki)は、Cheng-Prusoff式 Ki=(IC50/1+([L]/Kd)(ここで、[L]は放射性リガンドの濃度であり、Kdは飽和等温線により決定された受容体における放射性リガンドの解離定数である)を用いて計算した。
【0100】
本発明の化合物は、以下の活性表に示すように、ドーパミンD受容体の強力な調節剤であり、この表は、本発明の化合物の幾つかの例について、ドーパミンD受容体のKi値(μM)を示す:
【0101】
【表1】



【0102】
式(I)の化合物及びその薬学的に許容しうる塩は、医薬として、例えば、医薬製剤の形態で使用することができる。医薬製剤は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経口投与することができる。しかし、投与はまた、例えば坐剤の剤形で直腸内に、又は例えば注射液の剤形で非経口的に行うこともできる。
【0103】
式(I)の化合物及びその薬学的に使用しうる塩は、医薬製剤を製造するため、薬学的に不活性な無機又は有機担体と共に加工することができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などが、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤などの担体として使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤に好適な担体は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオールなどであるが;活性物質の性質によっては、軟ゼラチンカプセル剤の場合、通常担体を必要としない。液剤及びシロップ剤の製造に好適な担体は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖、ブドウ糖などである。アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油などの補助剤は、式(I)の化合物の水溶性塩の水性注射液に使用することができるが、概して不必要である。坐剤に好適な担体は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体ポリオールなどである。
【0104】
加えて、医薬製剤は、防腐剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、香味料、浸透圧を変えるための塩類、緩衝液、マスキング剤又は抗酸化剤を含有することができる。それらは、その他の治療上価値のある物質も更に含有することができる。
【0105】
前述のとおり、式(I)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩及び薬学的に不活性な賦形剤を含有する医薬も本発明の目的であり、1種以上の式Iの化合物又はその薬学的に許容しうる塩と、所望により、1種以上のその他の治療上価値のある物質とを、1種以上の治療上不活性な担体と共にガレヌス製剤の投与形態にすることを含む、そのような医薬の製造方法も本発明の目的である。
【0106】
用量は、広い限度内で変更することができ、当然、それぞれの特定の症例ごとに個々の要件に適合されるであろう。一般に、経口投与又は非経口投与のための有効用量は、0.01〜20mg/kg/日であり、0.1〜10mg/kg/日の用量が、記載された適応症全てにとって好ましい。したがって、体重70kgの成人のための一日用量は、1日当たり0.7〜1400mg、好ましくは1日当たり7〜700mgである。
【0107】
合成
【0108】
【化11】


スキーム1: 一般合成経路
【0109】
2−フルオロアルデヒド(A−0)を、ヒドロキシルアミン塩酸塩を用いて、対応する2−フルオロ−ベンズアルデヒドオキシム(A)に変換し、続いてtert−ブチル1−ピペラジンカルボキシラートと反応させて、4−(E,Z)−ヒドロキシイミノ]−(2−フルオロ−フェニル)−メチル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルへ導く。KBuOを用いて閉環を行って、中間体(C)を得る。保護基Bocの除去後、(D)を、トランス−[4−(2−オキソ−エチル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルと反応させ、(E)を経て中間体(F)へ導く。遊離アミノ官能基を所望のカルボン酸と反応させて、最終生成物を得る。
【0110】
実験部分
以下の実施例は、本発明を更に解明するために示される。
【0111】
実施例1
N−トランス−(4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−アセトアミド
【0112】
【化12】

【0113】
工程1: 2,3,5−トリフルオロ−べンズアルデヒドオキシム(中間体A1)
【0114】
【化13】

【0115】
2,3,5−トリフルオロアルデヒド(5.00g、31mmol)を、EtOH(5ml)に溶解した。HO(20ml)、氷(20g)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(2.39g、34mmol)を加えた。得られた混合物に、40分間かけて、HO(40ml)中のNaOH(3.12g、78mmol)の溶液を加えた。得られた黄色を帯びた溶液を室温で2.5時間撹拌し、その後AcOH(pH=6)で中和した。沈殿した白色の結晶を濾過により回収し、HO(50ml)で洗浄した。生成物を50℃かつ<20mbarで1時間乾燥させて、白色の固体5.20g(95%)を得た。m/z=174.0([M−H])。
【0116】
工程2: 4−[[(E,Z)−ヒドロキシイミノ]−(2,3,5−トリフルオロ−フェニル)−メチル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(中間体B1)
【0117】
【化14】

【0118】
2,3,5−トリフルオロ−べンズアルデヒドオキシム(5.20g、30mmol)をMeCN(50ml)に溶解し、N−クロロスクシンイミド(4.16g、31mmol)を少量ずつ加えた。発熱反応が内部温度を42℃に上昇させた。
【0119】
黄色の溶液を撹拌し、30分間以上後に、HOを加え、EtOAcで2回に分けて抽出した。有機層をより多くのHO及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を蒸発乾固し、残留物をCHCl(80ml)に溶解した。EtN(4.15ml、31mmol)を加えて、黄色の溶液を得た。tert−ブチル1−ピペラジンカルボキシラート(6.64g、37mmol)を少量ずつ加え、得られた反応混合物を室温で1時間撹拌した。飽和NaCO水溶液を加え、生成物をCHClで抽出した。乾燥させ(NaSO)、溶媒を蒸発させた後、生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO 100g、Hept/EtOAc 100:0→60:40)により精製して、標記化合物7.34g(69%)を白色の固体として得た。m/z=360.1([M+H]);304.1([M+H−C)。
【0120】
工程3: 4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(中間体C1)
【0121】
【化15】

【0122】
4−[[(E,Z)−ヒドロキシイミノ]−(2,3,5−トリフルオロ−フェニル)−メチル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(7.30g、20mmol)をTHF(75ml)に溶解し、KBuO(2.51g、22mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、その後HOで希釈し、EtOAcで2回に分けて抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(SiO 300g、Hept/EtOAc 100:0→75:25)により、標記化合物1.69(24%)を、白色の固体として得た。m/z=340.1([M+H]);284.1([M+H−C)。
【0123】
工程4: 5,7−ジフルオロ−3−ピペラジン−1−イル−ベンゾ[d]イソオキサゾール塩酸塩(中間体D1)
【0124】
【化16】

【0125】
4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.69g、5.0mmol)をCHCl(30ml)に溶解し、ジオキサン(24.9ml、100mmol)中の4N HClをゆっくりと加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。PrOで希釈した後、生成物を濾過により回収し、PrOで1回洗浄し、その後、それを、高真空下、50℃で乾燥させて、1.35g(98%)を白色の固体として得た。m/z=240.1([M+H])。
【0126】
工程5: トランス−(4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロ−ヘキシル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(中間体E1)
【0127】
【化17】

【0128】
CHCl(20ml)中の5,7−ジフルオロ−3−ピペラジン−1−イル−ベンゾ[d]イソオキサゾール塩酸塩(1.35g、4.9mmol)及びトランス−[4−(2−オキソ−エチル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.77g、7.3mmol;WO2007/093540に従って調製)の溶液を、室温で15分間撹拌し、その後Na(AcO)BH(1.87g、8.8mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次に飽和NaHCO水溶液を加え、生成物をCHClで3回に分けて抽出した。乾燥させ(NaSO)、溶媒を蒸発させた後、生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO 50g、EtOAc/MeOH100:0→90:10)により精製して、標記化合物2.59g(定量)を白色の固体として得た。m/z=465.3([M+H]);409.3([M+H−C)。
【0129】
工程6: トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロ−ヘキシルアミン塩酸塩(中間体F1)
【0130】
【化18】

【0131】
トランス−(4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2.59g、5.6mmol)をCHCl(40ml)に溶解し、ジオキサン(27.9ml、112mmol)中の4N HClをゆっくりと加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。PrOで希釈した後、生成物を濾過により回収し、PrOで1回洗浄し、その後、それを、高真空下、50℃で乾燥させて、1.98g(88%)を白色の固体として得た。m/z=365.2([M+H])。
【0132】
工程7: N−トランス−(4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−アセトアミド
トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシルアミン塩酸塩(150mg、0.37mmol)をTHFに溶解し、AcOH(31mg、0.52mmol)、PrNet(193mg、1.5mmol)及びTBTU(144m、0.45mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次に飽和NaHCO水溶液を加え、生成物をEtOAcで2回に分けて抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(SiO 20g、CHCl/MeOH 100:0→80:20)により、標記化合物100mg(66%)を白色の固体として得た。m/z=407.3([M+H])。
【0133】
実施例2〜9
実施例2〜9を、トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシルアミン塩酸塩(中間体F1)及び適切なカルボン酸から出発して、実施例1と同様に調製した。
【0134】
【表2】

【0135】
実施例10及び11
実施例10及び11を、トランス−4−{2−[4−(4,5−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシルアミン塩酸塩(中間体F2)及び適切なカルボン酸から出発して、実施例1と同様に調製した。
【0136】
【表3】

【0137】
中間体の合成
トランス−(4−メトキシ−シクロヘキシル)−酢酸塩化リチウム付加物
【0138】
【化19】

【0139】
工程1: トランス−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−酢酸
【0140】
【化20】

【0141】
標記化合物を、文献Journal of the American Chemical Society (1948), 70 1898-9に従って、調製することができる。
【0142】
工程2: トランス−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−酢酸メチルエステル
【0143】
【化21】

【0144】
対応する酸をメタノール及び触媒の硫酸中で4時間還流することにより、エステルを調製することができる。
【0145】
工程3: トランス−(4−メトキシ−シクロヘキシル)−酢酸メチルエステル
【0146】
【化22】

【0147】
トランス−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−酢酸メチルエステル(500mg、2.90mmol)をDMF 1.5mlに溶解し、0〜5℃に冷却した。水素化ナトリウム(190mg、4.35mmol、55%)及びヨードメタン(3.62ml、23.2mmol)を加え、反応混合物を0〜5℃で4時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO溶液でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物(561mg、定量)を無色の油状物として得て、更に精製しないで、次の工程に使用した。
【0148】
工程4: トランス−(4−メトキシ−シクロヘキシル)−酢酸塩化リチウム付加物
トランス−(4−メトキシ−シクロヘキシル)−酢酸メチルエステル(600mg、3.22mmol)を、THF(8ml)、MeOH(4ml)及びHO(4ml)の混合物に溶解した。LiOH.HO(270mg、6.44mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を2N HClで酸性化した後、生成物を、完全な蒸発により、LiCl付加物として得た。収率:600mg(72%)。白色の固体。
【0149】
中間体F2
トランス−4−{2−[4−(4,5−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシルアミン塩酸塩
【0150】
【化23】

【0151】
標記化合物を、2,3,6−トリフルオロベンズアルデヒドから出発して、トランス−(4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−カルバミン酸(中間体F1)と同様に調製した。
【0152】
医薬製剤
実施例A
下記の成分を含有するフィルムコーティング錠を、常法により製造することができる:
【0153】
【表4】

【0154】
活性成分を篩にかけ、微晶質セルロースと混合し、そして混合物をポリビニルピロリドンの水溶液と共に造粒する。顆粒をデンプングリコール酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムと混合し、圧縮して、それぞれ120又は350mgの核を得る。上記のフィルムコートの水溶液/懸濁液を核に塗布する。
【0155】
実施例B
下記の成分を含有するカプセル剤を、常法により製造することができる:
【0156】
【表5】

【0157】
成分を篩にかけ、混合し、そしてサイズ2のカプセルに充填する。
【0158】
実施例C
注射液は下記の組成を有することができる:
【0159】
【表6】

【0160】
実施例D
下記の成分を含有する軟ゼラチンカプセル剤を、常法により製造することができる:
【0161】
【表7】

【0162】
活性成分を、他の成分の加温溶融物に溶解し、そして混合物を適切な大きさの軟ゼラチンカプセルに充填する。充填された軟ゼラチンカプセル剤を、通常の手順に従って処理する。
【0163】
実施例E
下記の成分を含有するサッシェを、常法により製造することができる:
【0164】
【表8】

【0165】
活性成分を、乳糖、微晶質セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムと混合し、そして水中のポリビニルピロリドンの混合物と共に造粒する。顆粒をステアリン酸マグネシウム及び風味添加剤と混合し、そしてサッシェに充填する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化24】


[式中、
Xは、互いに独立して、フッ素又は塩素であり;
nは、1又は2であり;
Zは、−NH−又は−O−であり;
Rは、C1−6−アルキル(ここで、C1−6−アルキルは、−CONH、3〜6員単環式シクロアルキル又は4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルにより場合により置換されている);
1−6−ヒドロキシアルキル;
1−6−アルコキシ;
3〜6員単環式シクロアルキル;又は
4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルであり、
ここで、3〜6員単環式シクロアルキル及び4〜6員単環式ヘテロシクロアルキルは、ハロ、ヒドロキシ、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、C1−6−ヒドロキシアルキル及びC1−6−アルコキシからなる群より選択される1個以上の置換基により場合により置換されている]で示される化合物、ならびにその薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
Zが、−NH−である、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
Zが、−O−である、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
Rが、メチル、ヒドロキシ−メチル、メトキシ−メチル、メトキシ−エチル、メトキシ−シクロヘキシル−メチル、エチル、シクロプロピル−メチル、テトラヒドロピラニル又はCONH−メチルである、請求項1〜3のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
式(I’):
【化25】


[式中、R、X、Z及びnは、請求項1で定義したとおりである]で示される、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
式(Ia)又は(Ia’):
【化26】


[式中、Z及びRは、請求項1で定義したとおりである]で示される、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
以下:
N−(トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−アセトアミド;
N−(トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−アセトアミド;
N−(トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−2−メトキシ−アセトアミド;
N−(トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−メトキシ−プロピオンアミド;
N−(トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−2−(トランス−4−メトキシ−シクロヘキシル)−アセトアミド;
N−(トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−プロピオンアミド;
2−シクロプロピル−N−(トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−アセトアミド;
テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸(トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−アミド;及び
N−(トランス−4−{2−[4−(5,7−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−マロンアミド、
からなる群より選択される、請求項6に記載の式(Ia’)の化合物。
【請求項8】
式(Ib)又は(Ib’):
【化27】


[式中、Z及びRは、請求項1で定義したとおりである]で示される、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
以下:
N−(トランス−4−{2−[4−(4,5−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−アセトアミド及び
N−(トランス−4−{2−[4−(4,5−ジフルオロ−ベンゾ[d]イソオキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−シクロヘキシル)−3−メトキシ−プロピオンアミド、
からなる群より選択される、請求項8に記載の式(Ib’)の化合物。
【請求項10】
式(I):
【化28】


[式中、Zは、NHであり、R、X及びnは、請求項1に示す意味を有する]で示される化合物の調製方法であって、以下の工程:
a) 式(I−1):
【化29】


で示されるアルデヒドを、還元剤の存在下、式(I−2):
【化30】


で示される3−ピペラジン−1−イル−1,2−ベンゾイソオキサゾールで、還元的アミノ化し、そして
保護基Bocを、酸性条件下で除去して、式(I−3):
【化31】


で示されるアミン中間体を得る工程;及び
b) 式(I−3)のアミン中間体を、カルボン酸R−COOH又は酸塩化物R−COClとカップリングさせて、式(I)の化合物を得る工程の1つを含む方法。
【請求項11】
治療活性物質として使用するための、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
D3受容体に関連する疾患の治療又は予防のための、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
認知障害、薬物中毒、鬱病、不安症、薬物依存症、認知症、記憶障害、統合失調症、統合失調感情障害、双極性疾患、躁病、精神病性鬱病を含む精神病性障害、偏執症及び妄想を含む精神病、注意欠陥多動性障害、中毒ならびに強迫性障害の治療及び/又は予防のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の1個以上の化合物及び薬学的に許容しうる賦形剤を含有する医薬。
【請求項14】
認知障害、薬物中毒、鬱病、不安症、薬物依存症、認知症、記憶障害、統合失調症、統合失調感情障害、双極性疾患、躁病、精神病性鬱病を含む精神病性障害、偏執症及び妄想を含む精神病、注意欠陥多動性障害、中毒ならびに強迫性障害の治療又は予防に使用するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物ならびにその薬学的に許容しうる塩。
【請求項15】
認知障害、薬物中毒、鬱病、不安症、薬物依存症、認知症、記憶障害、統合失調症、統合失調感情障害、双極性疾患、躁病、精神病性鬱病を含む精神病性障害、偏執症及び妄想を含む精神病、注意欠陥多動性障害、中毒ならびに強迫性障害の治療及び/又は予防用の医薬の製造のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物ならびにその薬学的に許容しうる塩の使用。
【請求項16】
D3受容体結合部位により媒介されるか、あるいはD3受容体結合部位の調節を介して処置することができる障害又は状態の治療及び/又は予防処置のための、特に、認知障害、薬物中毒、鬱病、不安症、薬物依存症、認知症、記憶障害、統合失調症、統合失調感情障害、双極性疾患、躁病、精神病性鬱病を含む精神病性障害、偏執症及び妄想を含む精神病、注意欠陥多動性障害、中毒ならびに強迫性障害の治療及び/又は予防処置のための方法であって、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物を、ヒト又は動物に投与することを含む方法。
【請求項17】
本明細書に前述の発明。

【公表番号】特表2012−502947(P2012−502947A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527301(P2011−527301)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【国際出願番号】PCT/EP2009/061906
【国際公開番号】WO2010/034646
【国際公開日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】