説明

ナノチューブプローブ

【目的】試料の表面平面と凹凸部の側壁及び底面の走査を容易且つ正確に行うことができることを目的とする。更に、試料の平面の凹凸部の底角部を死角となることなく正確に操作できるナノチューブプローブを提供する。
【構成】カンチレバー部2に長軸状の突出部3が設けられ、この突出部3の先端部の側部に平坦面3aが形成され、この側部平坦面3aに突出部3の軸線方向に対して先端が斜め傾斜方向に突出するようにナノチューブ4a、4bが配置され、このナノチューブ4a、4bの基端部が側部平坦面3aにコーティングあるいは融着により固定され、ナノチューブ4a、4bの先端を探針として用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の表面に存在する凹凸部の側壁部分を走査することが可能なナノチューブプローブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図20はホームページhttp://www.team−nanotec.de/flared_cd.htm(非特許文献1)に記載された従来技術のフレアーチップで試料の表面及びこの表面に存在する凹部を走査している状態の概略斜視図である。図20によって説明すると、このフレアーチップ101は、下端部に左右両側に湾曲して突出する突起部102、103を有し、その下端面104は曲線状に形成されている。試料Cの表面を走査する場合、試料Cの左側の平面Hは曲線状の下端面104で走査される。また、試料Cの凹部Uの左側壁Sは湾曲した左側の突起部102で走査され、凹部Uの底面Tは曲線状の下端面104で走査される。更に、凹部Uの右側壁Vは湾曲した右側の突起部103で走査され、右側の平面Jは曲線状の下端面104で走査される。
【0003】
しかし、フレアーチップ101の左右の突起部102、103は湾曲形成されているから、試料Cの凹部Uの左側壁Sと右側壁Vを鮮明に走査することができないという問題があった。また、フレアーチップ101の下端面104は曲線状に形成されているから、試料Cの左右平面H、Jと凹部Uの底面Tを鮮明に走査することができないという問題があった。また、左右突起部102、103及び下端面104が緩やかに連続するため、凹部Uの両底角部K、Kが死角となり走査できないという問題があった。
【0004】
この問題を解決するために、図21に示すフレアーチップ101Aが開発され、試料Cの表面の平面と凹部の左右側壁及び底面とを走査することが考えられる。即ち、フレアーチップ101Aの左右の突起部102A、103Aを鋭角に先鋭形成し、下端面104Aを平坦面に形成する。これら鋭角の左右の突起部102A、103Aで試料表面の凹部の左右側壁を鮮明に走査することができる。しかし、下端面104Aは平坦であるから、試料の平面を走査すると誤差が大きくなるという問題があった。しかも、下端面104Aから外側に開くように傾斜して左右の突起部102A、103Aが形成されているために、試料の凹部の両底角部が死角となり走査できないという問題があった。また、左右の突起部102A、103Aを鋭角に先鋭形成することは、製作上難しいという問題があった。
【0005】
また、図22、図23、図24は、2005年第52回応用物理学関係連合講演会の講演予稿集(非特許文献2)に記載された従来技術の傾斜走査法を示している。図22はカンチレバーの突出部を試料の表面に対して垂直向きにして走査する状態を示す説明図である。図22に示すように、カンチレバー201の突出部202を試料Cに対して垂直にして先端の探針で試料Cの表面を走査すると、試料Cの左側の平面Hと凹部Uの底面Tと右側の平面Jを垂直走査することができる。図23はカンチレバーの突出部を試料に対して左斜め向きにして傾斜走査する状態を示す説明図である。図23に示すように、カンチレバー201の突出部202を試料Cの表面に対して左斜め向きにして先端の探針で傾斜走査すると、試料Cの左側の平面Hと凹部Uの左側壁Sと右側の平面Jを傾斜走査することができる。図24はカンチレバーの突出部を試料に対して右斜め向きにして傾斜走査する状態を示す説明図である。図24に示すように、カンチレバー201の突出部202を試料Cの表面に対して右斜め向きにして先端の探針で傾斜走査すると、試料Cの左側の平面Hと凹部Uの右側壁Vと右側の平面Jを傾斜走査することができる。
【0006】
しかしながら、この従来の傾斜走査法では、カンチレバー201をZ軸方向に対して斜め向きに向けることはその動作が難しく、困難な操作が必要であるという問題があった。また、試料Cの表面の平面H、Jと凹部Uの底面T、凹部Uの左側壁S及び凹部Uの右側壁Vを走査するためには、垂直走査と2方向の傾斜走査を行わなくてはならなかった。更に、これらの3方向の走査結果をコンピュータで合成しなければならないから、コンピュータによる合成作業が面倒であるという問題があった。しかも、図22に示すように、凹部Uの深さを示すアスペクト比AR=W/Dの値が大きくなると、傾斜走査ではカンチレバー201の突出部202を傾斜して走査する場合に、このカンチレバー201の突出部202が凹部Uの上端部に当接する。従って、このカンチレバー201の突出部202の先端の探針が凹部Uの左側壁S及び右側壁Vの最下部まで届かないことになり、傾斜走査することが不可能になるという問題があった。
【0007】
画像精度を向上させ、しかも一回の走査で表面測定できる多方向感知プローブが開発された。図25は米国特許公開公報2004/0134265号(特許文献1)によって開示された従来技術の多方向感知プローブによる走査法を示す概略斜視図である。図25によって説明すると、四角柱からなる突出部344の左右前後側面と底面に、化学的気相成長法によりX軸方向とY軸方向とZ軸方向に突出成長された5本のナノチューブ324が設けられている。左右側面に突設されたX軸方向のナノチューブ324で試料354の凹凸部の左右側壁を走査し、前後側面に突設されたY軸方向のナノチューブ324で試料354の凹凸部の前後側壁を走査することができる。更に、底面に突設されたZ軸方向のナノチューブ324で試料354の表面及び凹凸部の平面を走査することができる。
【非特許文献1】ホームページhttp://www.team−nanotec.de/flared_cd.htm
【非特許文献2】2005年第52回応用物理学関係連合講演会の講演予稿集
【特許文献1】米国特許公開公報2004/0134265号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図25に示す従来の多方向感知プローブによる走査法においては、5本のナノチューブ324を化学的気相成長法によって製作している。このため、触媒を埋設するための微小な孔を突出部344の前後左右の側面と底面に掘削しなければならないから難しい技術を必要とするという問題があった。また、この触媒をこの微小な孔に埋設することが困難であるという問題があった。
【0009】
更に、ナノチューブが孔から複数本成長することがあり、この場合、不要なナノチューブを切断して一本化しなければならない面倒な作業を必要とするという問題があった。また、突出部344の前後左右の側面と底面に合計5本のナノチューブ324が成長されているから、試料354の凹凸部の底角部が死角となり、この底角部を走査できないという問題があった。
【0010】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、第1の発明は、試料の表面の平面と凹凸部の側壁及び底面の走査を容易且つ正確に行うことができることを目的とする。更に、試料の平面の凹凸部の底角部を死角となることなく正確に走査できることを目的とする。また、第2の発明は、試料の表面の凹凸部の側壁を容易且つ正確に走査でき、更に、試料の表面の凹凸部の底角部も正確に走査できるナノチューブプローブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、本発明の第1の形態は、カンチレバー部に長軸状の突出部が設けられ、この突出部の先端部の側部に前記突出部の軸線方向に対して先端が斜め傾斜方向に突出するようにナノチューブが配置され、このナノチューブの基端部が前記側部にコーティングあるいは融着により固定され、前記ナノチューブ先端を探針として用いるナノチューブプローブである。
【0012】
本発明の第2の形態は、第1の形態において、前記ナノチューブが直線状に形成されており、前記突出部の軸線方向に対して前記ナノチューブの軸線方向が鋭角になるように固定されているナノチューブプローブである。
【0013】
本発明の第3の形態は、第1の形態において、前記ナノチューブが曲線状に形成されており、前記突出部の軸線方向に対して前記ナノチューブの先端の軸線方向が鋭角になるように固定されているナノチューブプローブである。
【0014】
本発明の第4の形態は、第2又は第3の形態において、前記ナノチューブが前記突出部の側部に一本固定されているナノチューブプローブである。
【0015】
本発明の第5の形態は、第2又は第3の形態において、前記ナノチューブが前記突出部の側部に二本固定され、これら二本のナノチューブの先端部が逆方向に傾斜配置されて末広がり状になるように固定されているナノチューブプローブである。
【0016】
本発明の第6の形態は、第3〜第5のいずれかの形態において、前記ナノチューブは、電子ビームを照射することにより曲成されているナノチューブプローブである。
【0017】
本発明の第7の形態は、カンチレバー部に長軸状の突出部が設けられ、この突出部の先端にナノチューブの基端部がコーティングあるいは融着により固定され、前記ナノチューブの先端部が前記突出部の側方に突出されているナノチューブプローブである。
【0018】
本発明の第8の形態は、第7の形態において、前記ナノチューブが前記突出部の先端に一本固定されているナノチューブプローブである。
【0019】
本発明の第9の形態は、第7の形態において、前記ナノチューブが前記突出部の先端に二本固定され、前記ナノチューブの先端部が互いに反対方向に突出するように固定されているナノチューブプローブである。
【0020】
本発明の第10の形態は、第7の形態において、前記ナノチューブが前記突出部の先端に四本固定され、前記ナノチューブの先端部が四方に向けて突出するように固定されているナノチューブプローブである。
【0021】
本発明の第11の形態は、カンチレバー部に長軸状の突出部が設けられ、この突出部の先端にナノチューブの軸方向中間部がコーティングあるいは融着により固定され、前記ナノチューブの両側の先端部が前記突出部の側方に突出しているナノチューブプローブである。
【0022】
本発明の第12の形態は、第11の形態において、前記ナノチューブが前記突出部の先端に一本固定され、前記ナノチューブの両先端部が互いに反対側に向けて前記突出部より突出しているナノチューブプローブである。
【0023】
本発明の第13の形態は、第11の形態において、前記ナノチューブが二本十字状に交差して固定され、前記二本のナノチューブの両先端部がそれぞれ前記突出部より四方に向けて突出しているナノチューブプローブである。
【発明の効果】
【0024】
本発明の第1の形態によれば、カンチレバー部に長軸状の突出部が設けられている。従って、アスペクト比の大きい試料表面の凹部の最下部まで、突出部の先端部に固定されるナノチューブ探針によって走査することができる。突出部の先端部の側部に突出部の軸線方向に対してナノチューブの先端が斜め方向に傾斜して突出するように固定されている。従って、試料表面の平面と凹凸部の側壁及び底面を先端の探針で正確に走査することができる。また、試料の表面の凹凸部の底角部までナノチューブの先端が接触追従することによって正確に走査できる。更に、ナノチューブの基端部が突出部の側部にコーティングあるいは融着により固定されていることにより、ナノチューブの基端部を突出部の側部に簡単且つ強固に固定することができる。更に、突出部の先端部の側部に平坦面を形成して、この平坦面にナノチューブの基端部を固定すると、この固定を容易に行うことができ、且つ安定して固定することができる。
【0025】
本発明の第2の形態によれば、ナノチューブが直線状に形成されているから、この直線状のナノチューブを斜め方向に配置して、その基端部を突出部の側部に簡単に固定するだけてナノチューブ先端が外開き状に傾斜配置できる。また、ナノチューブの軸線方向が突出部の軸線方向に対して鋭角になるように固定されていることにより、試料表面の平面と凹凸部の側壁及び底面を正確に且つ連続して走査することができる。更に、この直線状のナノチューブとしては、通常のナノチューブを適用することができる。
【0026】
本発明の第3の形態によれば、ナノチューブが曲線状に形成されているから、このナノチューブの基端部を突出部の側部に垂直固定するするだけて、先端を傾斜配置できる。また、曲線状のナノチューブの基端部を垂直固定するだけで先端が外開き状になる。更に、取付角度を自在にすることによって、取付角度を任意に選択することができる。曲率の大きなナノチューブを用いれば傾斜角度を大きくでき、曲率の小さなナノチューブを用いれば傾斜角度を小さくすることができる。曲率の大小に応じて先端の傾斜角度を自在に変更できる。曲線状ナノチューブは自然に得られるナノチューブだけではなく、直線のナノチューブを電気的手段や磁気的手段、その他の加工手段により曲線状にすることができる。また、ナノチューブの先端の軸線方向が突出部の軸線方向に対して鋭角になるように固定されているので、試料表面の平面と凹凸部の側壁及び底面を正確且つ連続して走査することができる。
【0027】
本発明の第4の形態によれば、ナノチューブが突出部の側部に一本固定されているから、このナノチューブ先端の探針で試料表面と凹凸部の側壁及び底面を連続して正確に走査できる。また、一本のナノチューブを突出部の側部に固定するだけであるから、この固定作業が行い易い。更に、ナノチューブとしては単層のナノチューブや多層のナノチューブを利用できる。また、ナノチューブの太さを大小選択することによって、ナノチューブの弾性を自由に調整することができる。
【0028】
本発明の第5の形態によれば、ナノチューブが突出部の側部に二本固定されているから、この二本のナノチューブの先端の探針で試料表面の平面と凹凸部の両側の側壁及び底面を連続走査できる。また、二本のナノチューブの先端部が逆方向に傾斜配置されて末広がり状になるように固定されているから、特に試料表面の凹凸部の両側の側壁をナノチューブ先端の探針で正確に走査することができる。また、一回の走査だけで二本の探針により、二つの信号を同時的に取り出すことができる。この二つの信号を重ね合わすだけで、試料表面の全ての情報を得ることができる。二本のナノチューブの傾斜角度を変更することにより、大小の傾斜角度に固定されたナノチューブを得ることができる。
【0029】
本発明の第6の形態によれば、ナノチューブが電子ビームを照射するだけで曲成できることにより、ナノチューブを簡単に曲線状に形成することができる。特に、ナノチューブの欠陥部分に電子ビームを照射すると、このナノチューブが容易に曲成されるから、ナノチューブを簡単に曲線状に形成することができる。また、電子ビームの照射時間を変えるだけで、大小の曲率のナノチューブを得ることができる。
【0030】
本発明の第7の形態によれば、長軸状の突出部の先端にナノチューブの基端部を簡単に固定することができる。また、この固定をコーティングあるいは融着によって行うので、ナノチューブの基端部を突出部の先端に強固に固定することができる。更に、ナノチューブの先端部が突出部の側方に突出されているから、この先端の探針で試料表面の凹凸部の側壁を正確に走査することができる。また、ナノチューブが突出部の先端に固定されていることにより、先端の探針で試料表面の凹凸部の底角部も正確に走査することができる。更に、ナノチューブの先端に平坦な底面を形成することによって、この平坦な底面へのナノチューブの基端部の固定が行い易く、水平向きのナノチューブを得ることができる。
【0031】
本発明の第8の形態によれば、ナノチューブが突出部の先端に一本固定されているから、このナノチューブ先端の探針で試料の凹凸部の側壁を正確に走査できる。また、一本のナノチューブを突出部の先端に固定するだけであるから、この固定作業が行い易い。
【0032】
本発明の第9の形態によれば、ナノチューブが突出部の先端に二本固定され、ナノチューブの先端部が互いに反対方向に突出するように固定されているから、試料表面の凹凸部の両側の側壁を先端の探針で正確に走査できる。また、試料表面の凹凸部の底角部を正確に走査することができる。
【0033】
本発明の第10の形態によれば、ナノチューブが突出部の先端にナノチューブの先端部が四方に向けて突出するように四本固定されている。従って、これら四本のナノチューブの先端の探針で試料表面の凹凸部の前後左右の側壁を正確に走査できる。また、凹凸部の四方の底角部も容易且つ正確に走査できる。
【0034】
本発明の第11の形態によれば、ナノチューブの軸方向中間部が突出部の先端に固定されているから、一本のナノチューブで二本分のナノチューブとして使用でき、ナノチューブの本数を少なくすることができる。更に、ナノチューブの軸方向中間部が突出部の先端にコーティングあるいは融着により固定されていることにより、ナノチューブを突出部の先端に強固に固定することができる。また、ナノチューブの両側の先端部が突出部の側方に突出しているから、試料表面の凹凸部の側壁を正確に走査することができる。しかも、ナノチューブが突出部の先端に固定されていることにより、先端の探針で試料表面の凹凸部の底角部も正確に走査することができる。
【0035】
本発明の第12の形態によれば、ナノチューブが突出部の先端に一本固定されているから、このナノチューブの固定を容易に行うことができる。また、ナノチューブの両先端部が互いに反対側に向けて突出部より突出しているから、この両先端部の探針で試料表面の凹凸部の両側の側壁を正確に走査することができる。しかも、一本のナノチューブで試料表面の凹凸部の両側の側壁を走査できるから、ナノチューブの本数を少なくすることができる。
【0036】
本発明の第13の形態によれば、ナノチューブが二本十字状に交差して配置され、その交差部分が突出部の先端にコーティングあるいは融着により固定されているから、この交差部分を強固に固定できる。また、二本のナノチューブの両先端部がそれぞれ突出部より四方に突出していることにより、この四方に突出した先端部の探針で試料表面の凹凸部の前後左右の側壁を正確に走査することができる。しかも、二本のナノチューブで試料表面の凹凸部の前後左右の側壁を走査できるので、ナノチューブの本数を少なくすることができる。また、二本のナノチューブの四方に突出した探針で凹凸部の前後左右の底角部を正確に走査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明に係るナノチューブプローブの実施の形態を、添付する図1〜図19に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態のナノチューブプローブにより試料の表面の凹部を走査する時の状態を示す正面図である。図1に示すように、この第1実施形態のナノチューブプローブ1はカンチレバー部2の先端に長軸状の突出部3が設けられ、この突出部3の先端部の側部に平坦面3aが形成されている。この側部平坦面3aに二本の直線状のナノチューブ4a、4bが逆方向に傾斜配置されて末広がり状になるように固定されている。このナノチューブプローブ1のカンチレバー部2の先端部が、試料5の凹部5a内に接触するようにしている。尚、突出部3の先端の側部に平坦面3aを設けることなく、先端にナノチューブ4a、4bを直接固定することも可能である。
【0038】
図2は第1実施形態のナノチューブプローブにおけるカンチレバー部の突出部の先端部にナノチューブを固定する状態を示し、(2A)はナノチューブを突出部にコーティングにより固定した状態の部分拡大正面図、(2B)はナノチューブを突出部に融着により固定した状態の部分拡大正面図である。(2A)に示すように、二本のナノチューブ4a、4bはその基端部をコーティングにより突出部3の先端部の側部平坦面3aに固定されている。あるいは、(2B)に示すように、二本のナノチューブ4a、4bの基端部は融着により突出部3の先端部の側部平坦面3aに固定されている。
【0039】
図3は第1実施形態のナノチューブプローブで試料の表面の平面と凹部の側壁及び底面を走査する状態を示す説明図である。図3に示すように、長軸状の突出部3を左側から右側に向けて移動して側部平坦面3aに基端部が固定された左右のナノチューブ4a、4bで試料5の凹部5aを含む表面を走査する。即ち、左右のナノチューブ4a、4bで試料5の表面の左側の平面5bと凹部5aの左側壁5c、底面5d、右側壁5eと右側の平面5fを走査する。
【0040】
左側のナノチューブ4aの先端探針では、図に実線で示すように、試料5の表面の左側平面5bと凹部5aの左側壁5cと底面5dの左隅部から右隅部の近傍位置と右側平面5fを走査することができる。更に、凹部5aの左側壁5cの底角部も正確に走査できる。また、右側のナノチューブ4bの先端探針では、図に点線で示すように、試料5の表面の左側平面5bと凹部5aの底面5dの左隅部の近傍位置から右隅部と右側壁5eと右側平面5fを走査することができる。また、右側壁5eの底角部も正確に走査できる。従って、これら二本のナノチューブ4a、4bで試料5の凹部5aを含む全ての面を走査することができる。
【0041】
図4は第1実施形態のナノチューブプローブで試料の表面の平面と凸部の側壁及び上面を走査する状態を示す説明図である。図4に示すように、長軸状の突出部3を左側から右側に移動して側部平坦面3aに基端部が固定された左右のナノチューブ4a、4bで試料5の凸部5gを含む表面を走査する。左側のナノチューブ4aの先端探針では、図に実線で示すように、試料5の表面の左側平面5hにおける凸部5gの隅部近傍位置までと凸部5gの上面5iと右側壁5jと右側平面5kとを走査することができる。更に、右側壁5jの底角部も正確に走査できる。また、右側のナノチューブ4bの先端探針では、試料5の表面の左側平面5hと凸部5gの左側壁5mと上面5iと右側平面5kにおける凸部5gの隅部近傍位置から右側部分とを走査することができる。更に、左側壁5mの底角部も正確に走査することができる。
【0042】
図5は第2実施形態のナノチューブプローブの正面図である。図5に示すように、第2実施形態のナノチューブプローブ1は、長軸状の突出部3の先端部の側部平坦面3aに曲線状の二本のナノチューブ4c、4dが固定されている。これらナノチューブ4c、4dは、先端の軸線方向が突出部3の軸線方向に対して鋭角になるように固定されている。更に、これら二本のナノチューブ4c、4dは、突出部3の側部平坦面3aに逆方向に傾斜配置されて末広がり状になるように固定されている。尚、突出部3の先端部に側部平坦面3aを形成せずに、突出部3の側部に二本のナノチューブ4c、4dを直接固定することも可能である。
【0043】
図6は第2実施形態のナノチューブプローブにおけるカンチレバー部の突出部の先端部にナノチューブを固定する状態を示し、(6A)はナノチューブを突出部にコーティングにより固定した状態の部分拡大正面図、(6B)はナノチューブを突出部に融着により固定した状態の部分拡大正面図である。(6A)に示すように、二本の曲線状のナノチューブ4c、4dはその基端部が突出部3の先端部の側部平坦面3aにコーティングにより固定されている。あるいは、(6B)に示すように、二本の曲線状のナノチューブ4c、4dの基端部が突出部3の先端部の側部平坦面3aに融着により固定されている。
【0044】
図7はナノチューブを電子ビームにより曲成する状態を示し、(7A)はナノチューブに電子ビームを照射している状態の説明図、(7B)はナノチューブを曲成した状態の拡大正面図である。(7A)に示すように、直線状のナノチューブ4c、4dの特に欠陥4eの有る箇所に電子ビームを照射する。(7B)に示すように、この時ナノチューブ4c、4dは曲成されて曲線状のナノチューブ4c、4dに形成される。尚、この曲線状のナノチューブ4c、4dによる試料5(図3、図4参照)の表面の平面と凹凸部の左右側壁及び底面を走査する手順は、図3と図4によって説明した上記第1実施形態と同様なので、その説明を省略する。
【0045】
図8は第3実施形態のナノチューブプローブの正面図である。図8に示すように、この第3実施形態のナノチューブプローブ1は、長軸状の突出部3の先端部の側部平坦面3aに一本の直線状のナノチューブ4aの基端部が固定されている。ナノチューブ4aの先端は、その軸線方向が突出部3の軸線方向に対して鋭角になるように固定されている。この第3実施形態のナノチューブプローブ1は、試料5(図3、図4参照)の表面の平面と凹凸部の側壁及び底面を走査することができる。尚、突出部3の先端部の側部に平坦面3aを設けることなく、突出部3の側部にナノチューブ4aを直接固定することも可能である。
【0046】
図9は第3実施形態のナノチューブプローブにおけるカンチレバー部の突出部の先端部にナノチューブを固定する状態を示し、(9A)はナノチューブを突出部にコーティングにより固定した状態の部分拡大正面図、(9B)はナノチューブを突出部に融着により固定した状態の部分拡大正面図である。(9A)に示すように、一本の直線状のナノチューブ4aは、その基端部を突出部3の先端部の側部平坦面3aにコーティングにより固定される。あるいは、(9B)に示すように、一本の直線状のナノチューブ4aは、その基端部を突出部3の先端部の側部平坦面3aに融着により固定される。
【0047】
図10は第4実施形態のナノチューブプローブの正面図である。図10に示すように、この第4実施形態のナノチューブプローブ1は、長軸状の突出部3の先端部の側部平坦面3aに一本の曲線状のナノチューブ4cが固定されている。このナノチューブ4cの軸線方向は突出部3の軸線方向に対して鋭角になるように固定されている。尚、突出部3の先端部の側部に平坦面3aを設けることなく、突出部3の先端部の側部にナノチューブ4cを直接固定することも可能である。
【0048】
図11は第4実施形態のナノチューブプローブにおけるカンチレバー部の突出部の先端部にナノチューブを固定する状態を示し、(11A)はナノチューブを突出部にコーティングにより固定した状態の部分拡大正面図、(11B)はナノチューブを突出部に融着により固定した状態の部分拡大正面図である。(11A)に示すように、曲線状のナノチューブ4cは、突出部3の先端部の側部平坦面3aにコーティングにより固定されている。あるいは、(11B)に示すように、曲線状のナノチューブ4cは、突出部3の先端部の側部平坦面3aに融着により固定されている。このナノチューブプローブ1では、ナノチューブ4cの先端探針で試料5の表面の平面と凹凸部の側壁を走査できる。
【0049】
図12は第5実施形態のナノチューブプローブの正面図である。図12に示すように、この第5実施形態のナノチューブプローブ1は長軸状の突出部3の先端部に測定時に試料平面に対向する底面3bが設けられている。この底面3bに二本のナノチューブ4g、4gが十字状に交差して配置され、その交差部分が突出部3の底面3bに固定され、両先端がそれぞれ突出部3より四方に向けて突出されている。尚、突出部3の先端に底面3bを設けずに、突出部の先端に二本のナノチューブ4g、4gを直接固定することも可能である。
【0050】
図13は第5実施形態のナノチューブプローブにおけるカンチレバー部の突出部の先端部にナノチューブを固定する状態を示し、(13A)はナノチューブを突出部にコーティングにより固定した状態の部分拡大正面図、(13B)はナノチューブを突出部に融着により固定した状態の部分拡大正面図である。(13A)に示すように、十字状に交差した二本のナノチューブ4g、4gの交差部分が突出部3の底面3bにコーティングにより固定されている。あるいは、(13B)に示すように、十字状に交差した二本のナノチューブ4g、4gの交差部分が突出部3の底面3bに融着により固定されている。
【0051】
図14は第5実施形態のナノチューブプローブで試料表面の凸部の左右前後の側壁を走査する状態を示す部分斜視図である。図14に示すように、第5実施形態のナノチューブプローブ1を用いて走査すると、試料5の凸部5gの四方の側壁5n、5p、5q、5rを走査することができる。即ち、四方に突出したナノチューブ4g、4gの先端探針でそれぞれ試料5の凸部5gの前後左右の側壁5n、5p、5q、5rを走査することができる。また、突出部3の底面3bにナノチューブ4g、4gが固定されているから、試料5の凸部5gの前後左右の側壁5n、5p、5q、5rの下端の隅部を正確に走査することができる。
【0052】
図15は第6実施形態のナノチューブプローブにおけるカンチレバー部の突出部の先端部にナノチューブを固定する状態を示し、(15A)はナノチューブを突出部にコーティングにより固定した状態の部分拡大正面図、(15B)はナノチューブを突出部に融着により固定した状態の部分拡大正面図である。(15A)に示すように、この第6実施形態のナノチューブプローブ1は、突出部3の底面3bに一本のナノチューブ4gをコーティングにより固定している。また、(15B)に示すように、一本のナノチューブ4gを融着により固定している。このナノチューブプローブ1はナノチューブ4gの両先端が反対側に向けて突出部3より突出している。従って、このナノチューブ4gの両先端で試料5の表面の凹凸部の両側の側壁を走査することができる。尚、突出部3の先端部に底面3bを設けることなく、突出部3の先端にナノチューブ4gを直接固定することも可能である。
【0053】
図16は第7実施形態のナノチューブプローブにおけるカンチレバー部の突出部の先端部にナノチューブを固定する状態を示し、(16A)はナノチューブを突出部にコーティングにより固定した状態の部分拡大正面図、(16B)はナノチューブを突出部に融着により固定した状態の部分拡大正面図である。(16A)に示すように、この第7実施形態のナノチューブプローブ1は、長軸状の突出部3の底面3bに四本のナノチューブ4hの基端部がコーティングにより固定されている。これら四本のナノチューブ4hのそれぞれの先端が突出部3より四方に向けて突出している。また、(16B)に示すように、長軸状の突出部3の底面3bに四本のナノチューブ4hの基端部が融着により固定されている。この第7実施形態のナノチューブプローブ1では、四本のナノチューブ4hにより試料5の表面の凹凸部の前後左右の側壁を走査することができる。尚、突出部3の先端部に底面3bを設けることなく、突出部の先端にナノチューブ4hを直接固定することも可能である。
【0054】
図17は第8実施形態のナノチューブプローブにおけるカンチレバー部の突出部の先端部にナノチューブを固定する状態を示し、(17A)はナノチューブを突出部にコーティングにより固定した状態の部分拡大正面図、(17B)はナノチューブを突出部に融着により固定した状態の部分拡大正面図である。(17A)に示すように、この第8実施形態のナノチューブプローブ1は、長軸状の突出部3の底面3bに二本のナノチューブ4hの基端部がコーティングにより固定されている。これら二本のナノチューブ4hの先端は互いに反対方向に突出している。また、(17B)に示すように、長軸状の突出部3の底面3bに二本のナノチューブ4hの基端部が融着により固定されている。この第8実施形態のナノチューブプローブ1では、二本のナノチューブ4hにより試料5の表面の凹凸部の両側の側壁を走査することができる。尚、突出部3の先端部に底面3bを設けることなく、突出部3の先端に二本のナノチューブ4hを直接固定することも可能である。
【0055】
図18は第9実施形態のナノチューブプローブの正面図である。この第9実施形態のナノチューブプローブ1では、突出部3の底面3bに一本のナノチューブ4hがその基端部を固定され、先端が突出部の側方に突出している。尚、突出部3の先端部に底面3bを設けることなく、突出部3の先端にナノチューブ4hを直接固定することも可能である。
【0056】
図19は第9実施形態のナノチューブプローブにおけるカンチレバー部の突出部の先端部にナノチューブを固定する状態を示し、(19A)はナノチューブを突出部にコーティングにより固定した状態の部分拡大正面図、(19B)はナノチューブを突出部に融着により固定した状態の部分拡大正面図である。(19A)に示すように、突出部3の底面3bに一本のナノチューブ4hの基端部がコーティングにより固定されている。また、(19B)に示すように、突出部3の底面3bに一本のナノチューブ4hの基端部が融着により固定されている。この第9実施形態のナノチューブプローブ1では、試料5の表面の凹凸部の側壁を走査することができる。尚、突出部3の先端部に底面3bを設けることなく、突出部3の先端にナノチューブ4hを直接固定することも可能である。
【0057】
本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明に係るナノチューブプローブは、AFM(原子間力顕微鏡)等に用いられ、主として光てこ式AFMシステムによって、試料表面の平面や凹凸部の側壁及び底面を走査する際に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1実施形態のナノチューブプローブにより試料の表面の凹部を走査する時の状態を示す正面図である。
【図2】第1実施形態のナノチューブプローブにおけるカンチレバー部の突出部の先端部にナノチューブを固定する状態を示し、(2A)はナノチューブを突出部にコーティングにより固定した状態の部分拡大正面図、(2B)はナノチューブを突出部に融着により固定した状態の部分拡大正面図である。
【図3】第1実施形態のナノチューブプローブで試料の表面の平面と凹部の側壁及び底面を走査する状態を示す説明図である。
【図4】第1実施形態のナノチューブプローブで試料の表面の平面と凸部の側壁及び上面を走査する状態を示す説明図である。
【図5】第2実施形態のナノチューブプローブの正面図である。
【図6】第2実施形態のナノチューブプローブにおけるカンチレバー部の突出部の先端部にナノチューブを固定する状態を示し、(6A)はナノチューブを突出部にコーティングにより固定した状態の部分拡大正面図、(6B)はナノチューブを突出部に融着により固定した状態の部分拡大正面図である。
【図7】ナノチューブを電子ビームにより曲成する状態を示し、(7A)はナノチューブに電子ビームを照射している状態の説明図、(7B)はナノチューブを曲成した状態の拡大正面図である。
【図8】第3実施形態のナノチューブプローブの正面図である。
【図9】第3実施形態のナノチューブプローブにおけるカンチレバー部の突出部の先端部にナノチューブを固定する状態を示し、(9A)はナノチューブを突出部にコーティングにより固定した状態の部分拡大正面図、(9B)はナノチューブを突出部に融着により固定した状態の部分拡大正面図である。
【図10】第4実施形態のナノチューブプローブの正面図である。
【図11】図11は第4実施形態のナノチューブプローブにおけるカンチレバー部の突出部の先端部にナノチューブを固定する状態を示し、(11A)はナノチューブを突出部にコーティングにより固定した状態の部分拡大正面図、(11B)はナノチューブを突出部に融着により固定した状態の部分拡大正面図である。
【図12】第5実施形態のナノチューブプローブの正面図である。
【図13】第5実施形態のナノチューブプローブにおけるカンチレバー部の突出部の先端部にナノチューブを固定する状態を示し、(13A)はナノチューブを突出部にコーティングにより固定した状態の部分拡大正面図、(13B)はナノチューブを突出部に融着により固定した状態の部分拡大正面図である。
【図14】第5実施形態のナノチューブプローブで試料表面の凸部の左右前後の側壁を走査する状態を示す部分斜視図である。
【図15】第6実施形態のナノチューブプローブにおけるカンチレバー部の突出部の先端部にナノチューブを固定する状態を示し、(15A)はナノチューブを突出部にコーティングにより固定した状態の部分拡大正面図、(15B)はナノチューブを突出部に融着により固定した状態の部分拡大正面図である。
【図16】第7実施形態のナノチューブプローブにおけるカンチレバー部の突出部の先端部にナノチューブを固定する状態を示し、(16A)はナノチューブを突出部にコーティングにより固定した状態の部分拡大正面図、(16B)はナノチューブを突出部に融着により固定した状態の部分拡大正面図である。
【図17】第8実施形態のナノチューブプローブにおけるカンチレバー部の突出部の先端部にナノチューブを固定する状態を示し、(17A)はナノチューブを突出部にコーティングにより固定した状態の部分拡大正面図、(17B)はナノチューブを突出部に融着により固定した状態の部分拡大正面図である。
【図18】第9実施形態のナノチューブプローブの正面図である。
【図19】第9実施形態のナノチューブプローブにおけるカンチレバー部の突出部の先端部にナノチューブを固定する状態を示し、(19A)はナノチューブを突出部にコーティングにより固定した状態の部分拡大正面図、(19B)はナノチューブを突出部に融着により固定した状態の部分拡大正面図である。
【図20】従来のフレアーチップで試料の表面及びこの表面に存在する凹部を走査している状態の概略斜視図である。
【図21】図20を改良したフレアーチップの正面図である。
【図22】従来のカンチレバーを試料の表面に対して垂直向きにして走査する状態を示す説明図である。
【図23】従来のカンチレバーを試料に対して左斜め向きにして傾斜走査する状態を示す説明図である。
【図24】従来のカンチレバーを試料に対して右斜め向きにして傾斜走査する状態を示す説明図である。
【図25】従来の多方向感知プローブによる走査法を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0060】
1 ナノチューブプローブ
2 カンチレバー部
3 長軸状の突出部
3a 側部平坦面
3b 底面
4a 直線状のナノチューブ
4b 直線状のナノチューブ
4c 曲線状のナノチューブ
4d 曲線状のナノチューブ
4e 欠陥
4g ナノチューブ
4h ナノチューブ
5 試料
5a 凹部
5b 左側平面
5c 左側壁
5d 底面
5e 右側壁
5f 右側平面
5h 左側平面
5g 凸部
5i 上面
5j 右側壁
5k 右側平面
5m 左側壁
5n 側壁
5p 側壁
5q 側壁
5r 側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カンチレバー部に長軸状の突出部が設けられ、この突出部の先端部の側部に前記突出部の軸線方向に対して先端が斜め傾斜方向に突出するようにナノチューブが配置され、このナノチューブの基端部が前記側部にコーティングあるいは融着により固定され、前記ナノチューブ先端を探針として用いることを特徴とするナノチューブプローブ。
【請求項2】
前記ナノチューブが直線状に形成されており、前記突出部の軸線方向に対して前記ナノチューブの軸線方向が鋭角になるように固定されている請求項1に記載のナノチューブプローブ。
【請求項3】
前記ナノチューブが曲線状に形成されており、前記突出部の軸線方向に対して前記ナノチューブの先端の軸線方向が鋭角になるように固定されている請求項1に記載のナノチューブプローブ。
【請求項4】
前記ナノチューブが前記突出部の側部に一本固定されている請求項2又は3に記載のナノチューブプローブ。
【請求項5】
前記ナノチューブが前記突出部の側部に二本固定され、これら二本のナノチューブの先端部が逆方向に傾斜配置されて末広がり状になるように固定されている請求項2又は3に記載のナノチューブプローブ。
【請求項6】
前記ナノチューブは、電子ビームを照射することにより曲成されている請求項3〜5のいずれかに記載のナノチューブプローブ。
【請求項7】
カンチレバー部に長軸状の突出部が設けられ、この突出部の先端にナノチューブの基端部がコーティングあるいは融着により固定され、前記ナノチューブの先端部が前記突出部の側方に突出されていることを特徴とするナノチューブプローブ。
【請求項8】
前記ナノチューブが前記突出部の先端に一本固定されている請求項7に記載のナノチューブプローブ。
【請求項9】
前記ナノチューブが前記突出部の先端に二本固定され、前記ナノチューブの先端部が互いに反対方向に突出するように固定されている請求項7に記載のナノチューブプローブ。
【請求項10】
前記ナノチューブが前記突出部の先端に四本固定され、前記ナノチューブの先端部が四方に向けて突出するように固定されている請求項7に記載のナノチューブプローブ。
【請求項11】
カンチレバー部に長軸状の突出部が設けられ、この突出部の先端にナノチューブの軸方向中間部がコーティングあるいは融着により固定され、前記ナノチューブの両側の先端部が前記突出部の側方に突出していることを特徴とするナノチューブプローブ。
【請求項12】
前記ナノチューブが前記突出部の先端に一本固定され、前記ナノチューブの両先端部が互いに反対側に向けて前記突出部より突出している請求項11に記載のナノチューブプローブ。
【請求項13】
前記ナノチューブが二本十字状に交差して固定され、前記二本のナノチューブの両先端部がそれぞれ前記突出部より四方に向けて突出している請求項11に記載のナノチューブプローブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2007−24706(P2007−24706A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−208197(P2005−208197)
【出願日】平成17年7月19日(2005.7.19)
【出願人】(591040292)大研化学工業株式会社 (59)
【Fターム(参考)】