説明

ナノ繊維及びナノ繊維ウェブを形成するための装置、システム並びに方法

1マイクロメートルよりも小さい中央直径を有する繊維の集合及びこのようなサブミクロン繊維の集合を含む不織布繊維ウェブを形成するためのノズル、ダイ、装置、システム及び方法。ノズルは、第1末端部を有する第1導管と、第1導管の周囲に同心状に位置付けられ、第1末端部の近位の第2末端部を有する第2導管と、を含み、第1導管及び第2導管は第1導管と第2導管との間に環状チャネルを形成し、更に、第1末端部は第2末端部を超えて軸方向外側に延びる。ダイは少なくとも1つのこのようなノズルを含み、装置及びシステムは少なくとも1つのこのようなダイを含む。サブミクロン繊維の集合を含む不織布繊維ウェブを作製する方法、及びこのような不織布繊維ウェブを含む物品も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2009年9月1日に出願された米国特許仮出願番号第61/238,761号の利益を主張するものであり、その全開示が本明細書において参照として組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、1マイクロメートル(μm)よりも小さい中央直径を有する繊維、及びより具体的にはこのようなサブミクロン繊維の集合を含む不織布繊維ウェブ及び物品を形成するためのノズル、ダイ、装置、システム及び方法に関連する。
【背景技術】
【0003】
不織布繊維ウェブは、例えば、表面清浄化のための吸収性拭き取り用品として、気体吸収剤及び液体吸収剤として、流体濾材、並びに防音材又は断熱材として使用するための吸収性バリア材料として有用な吸収剤又は吸収性物品を製造するために使用されてきた。高い吸収性を要するいくつかの用途の中には、表面積の大きいサブミクロン繊維(すなわち、ナノ繊維)から形成される、気孔率の高い不織布物品を使用することが望ましい場合がある。
【0004】
紡糸可能な流体材料が、高電界条件下において繊維に紡糸される、電界紡糸技術を使用することによって、ナノ繊維を製造することは既知である。しかしながら、可燃性有機溶媒は一般的に紡糸可能な流体材料を形成する必要があり、いくらかの材料(とくにいくらかのポリマー)は紡糸可能であるために有機溶媒中に十分に可溶性でない場合があり、及び更に、いくらかの紡糸可能な流体は非常に粘稠であり、スパークが生じる(すなわち、空中に絶緑破壊が生じる)前に電界が供給し得るよりも高い力を必要とするため、これらの技術には問題があった。同様に、高温が構造部品の熱伝導率及び熱膨張率を増加させ、高電界の制御を複雑にするため、これらの技術は高温が必要とされる場合には問題がある。この理由のため、電界紡糸は一般的には、ポリマー溶融物を加工するために好適であるとはみなされてこなかった。
【0005】
メルトブロー技術を使用して溶融ポリマー流れからポリマー繊維を生成するために加圧気体を使用することが既知である。これらの技術により、溶融ポリマー流れは、ガスジェット内に押し出されて複数の繊維を形成し、これが回収されて不織布繊維ウェブを形成し得る。メルトブローン不織布繊維ウェブを形成するための代表的な装置及びプロセスは、米国特許第7,316,552(B2)号に開示され、図1Aに例示され、本開示を理解する上で有益である。
【0006】
図1Aを参照し、メルトブローシステム100は、ホッパー110を含み、これは、メルトブロープロセスにより形成される不織布繊維ウェブ118の幅116にわたって延びるダイ114に取り付けられた押出成形機112にポリマー材料を提供する。気体入口120(及び任意の気体入口122)は、加圧気体流127をダイ114に提供する。溶融ポリマー流れ128は、ダイ114にわたって延びる複数の小さい直径のノズル148を通じ、複数のポリマー繊維144としてスロット138の外に推進される。押出成形されるポリマー繊維144は、粘着性の、すなわち凝集性の繊維性不織布ウェブ118を、ベルトなどの形成表面146上に形成する。繊維性不織布ウェブ118はローラー147によって取り除かれてよく、ローラー147は、ウェブ118の一体性を改善するために、熱及び/又は圧力の適用により(例えば、カレンダ加工により)、ウェブ118のポリマー繊維144を結合するように設計され得る。その後、ウェブ118は従来的な構成により、巻取りロール、パターンエンボス加工など(図1Aには示されない)に移送され得る。米国特許第4,663,220号は、上記の要素を使用する装置及びプロセスをより詳細に開示し、本明細書において参照として組み込まれる。
【0007】
ポリマー繊維を含む不織布繊維ウェブを形成するためのメルトブロープロセスにおける使用のために、様々な装置及びプロセスがまた開示され、ここで繊維の少なくとも一部は1マイクロメートルよりも小さい平均直径を有する(例えば、米国特許第4,047,861号、同第4,536,361号、同第4,720,252号、同第4,818,664号、同第5,476,616号、同第5,533,675号、同第6,074,597号、同第6,183,670(B1)号、同第6,315,806(B1)号、同第7,291,300(B2)号、同第7,267,789号、同第7,316,552(B2)号、米国特許出願公開第2008/0093778号、及びPCT国際公開特許第WO 2007/001990号を参照)。しかしながら、各場合において、不織布繊維ウェブのポリマー繊維の得られる集合はかなり大きな中央直径を有し、すなわち中央繊維直径は、直径が一般的に少なくとも約1,000ナノメートル(1μm)、より典型的には直径が10μm超である。
【0008】
最近では、Renekerら(米国特許第6,382,256(B1)号、同第6,520,425(B1)号、同第6,695,992(B2)号及び米国特許出願公開第2009/0039565(A1)号)が、ナノ繊維を製造するための様々な装置、ノズル及びプロセスを開示した。図1Bは、米国特許第6,382,256(B1)号の図1から引用される、ダイ114の代表的なノズル148(図1A)の部分断面図を示す。例示されるノズル148は、2つの同心円筒管、すなわち内側管111及び外側管120によって形成され、これらは環状チャネル130を形成する。内側管111は、加圧気体流127を受容するチャネル126を画定する。環状カラム130は、押出成形機112(図1A)から溶融ポリマー流れ128を受容する。内側管111は、その端部115が外側管120の端部114よりも後ろにあるように位置付けられ、それによってガスジェット空間106を形成する。動作中、溶融ポリマー流れ128が、環状カラム130を通過してガスジェット空間106に入り、加圧気体流127が内側管111の端部115を出る。Renekerらは、加圧気体流127が、ノズル148を出る前に、ガスジェット空間106において、溶融ポリマー流れ128と合流し、それによって複数のナノ繊維129を形成することを、明示的に教示する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、溶融ポリマーフィルムを形成して、その後、溶融ポリマーフィルムの内側に高圧吹込み空気を供給することによって、溶融ポリマーなどの流体からサブミクロン繊維を製造することに関連する。このプロセスは、溶融ポリマーとの空気界面の後の、いずれかの制約を受けたガスジェット拡張空間に依存しない。この方法の先行技術に勝る利点は、繊維形成プロセスと干渉する可能性のある、繊維形成空間における固体界面が存在しないことである。この界面の不在は、溶融ポリマーの液滴又は不正な形状の繊維の集塊がダイ本体に付着し、その後粘着性の塊として繊維ウェブ製品上に落下するのを防ぐ。一般的に「サンド」又は「ショット」として既知のこのような液滴又は集塊は、これらが不均一であり、他の手段を通じて制御することが難しく、これらが落下する部分において不織布ウェブを損傷するため、一般的に望ましくない。
【0010】
したがって、一態様において、本開示は、サブミクロン繊維の集合を製造するためのノズルに関連する。ノズルは、第1末端部を有する第1導管と、第1導管の周囲に同心状に位置付けられ、第1末端部の近位の第2末端部を有する第2導管と、を含み、第1導管及び第2導管は第1導管と第2導管との間に環状チャネルを形成し、更に、第1末端部は第2末端部を超えて軸方向外側に延びる。
【0011】
いくつかの代表的な実施形態において、第1末端部の近位の環状チャネルの少なくとも一部が第1導管の方に向けられる。いくつかの代表的な実施形態において、第1末端部はほぼ円形の縁部によって画定される。いくつかの代表的な実施形態において、ほぼ円形の縁部は、縁部の周囲に鋸歯パターンを生じる複数の歯を含む、鋸歯状のエッジを含む。更なる代表的な実施形態において、第1末端部は、第2末端部を超えて軸方向外側に、少なくとも0.1mm延びる。更なる代表的な実施形態において、第1末端部は第2末端部を超えて軸方向外側に、最大5mm延びる。
【0012】
別の態様において、本開示は、上記の少なくとも1つのノズルを含むダイを提供する。いくつかの代表的な実施形態において、ダイは上記の複数のノズルを含む。いくつかの代表的な実施形態において、複数の前述のノズルは、いずれかの列のノズルから放出される繊維流が、飛んでいる間に他のいずれかの列から放出される繊維流と重ならないように、複数の列に配置される。
【0013】
更に別の態様において、本開示はサブミクロン繊維の集合を含む不織布繊維ウェブを形成するための装置を提供し、装置は、流動性材料源と、加圧気体源と、上記の少なくとも1つのノズルを組み込むダイであって、環状チャネルは流動性材料源に接続され、第1導管は加圧気体源に接続される、ダイと、ダイを出た後に、流動性材料を回収するコレクタであって、流動性材料はコレクタ上に不織布繊維ウェブとして実質的に固形で回収される、コレクタとを含む。
【0014】
また更なる態様において、本開示は複数のサブミクロン繊維を形成するためのシステムを提供し、本システムは、流動性材料流と、加圧気体流と、上記の少なくとも1つのノズルを組み込むダイであって、環状チャネルは流動性材料流に接続され、第1導管は加圧気体流に接続される、ダイと、ダイを出た後に複数の不織布繊維として上記流動性材料を回収するコレクタであって、上記複数の繊維はコレクタ上に不織布繊維ウェブとして実質的に固形で回収される、コレクタとを含む。特定の代表的な実施形態において、流動性材料流は溶融ポリマーを含む。いくつかの代表的な実施形態において、加圧気体流は圧縮空気を含む。
【0015】
追加的な態様において、本開示は不織布繊維ウェブを作製する方法であって、流動性材料源を提供する工程と、加圧気体流を提供する工程と、上記の少なくとも1つのノズルを組み込むダイを提供する工程と、流動性材料源と流体連通するように環状チャネルを配置する工程と、加圧気体流と流体連通するように第1導管を配置する工程と、ダイを出た後に、複数の不織布繊維として流体材料を回収する工程であって、複数の不織布繊維は不織布繊維ウェブとして実質的に固形で回収される、工程とを含む、不織布繊維ウェブを作製する方法を提供する。
【0016】
更なる態様として、本開示は、不織布繊維ウェブを作製する方法であって、
a.上記の少なくとも1つのノズルを有するダイを使用して、1マイクロメートル(μm)よりも小さい中央繊維直径を有する、サブミクロン繊維の集合を形成する工程と、
b.中央繊維直径が少なくとも1μmであるマイクロ繊維の集合を形成する工程と、
c.サブミクロン繊維の集合とマイクロ繊維の集合を不織布繊維ウェブに組み合わせる工程であって、繊維の集合の少なくとも1つが、実質的に分子配向された繊維を含み、更に不織布繊維ウェブが厚さを有し、10%未満のソリディティを呈する、工程とを含む、方法を提供する。
【0017】
更なる態様において、本開示は、上記の方法によって調製されたサブミクロン繊維の集合を含む不織布繊維ウェブから作製される物品に関連する。代表的な実施形態では、この物品は、気体濾過物品、液体濾過物品、音吸収物品、表面洗浄物品、細胞増殖支持体物品、医薬品供給物品、個人衛生物品、及び創傷包帯物品から選択される。
【0018】
本開示による代表的な実施形態は、当該技術に勝る、いくつかの驚くべきかつ、意外な利点を有し得る。例えば、いくつかの代表的な実施形態において、本明細書において開示されるノズルは、サブミクロン繊維を、ノズル本体の外側管内ではなく、ノズル本体のすぐ外側の周囲空気空間内で形成させることにより、Renekerらにより明示的に教示される画定されたガスジェット空間の必要性を排除する。この構成の1つの利点は、新しく形成された繊維がいずれかのダイ表面に接触する可能性を制限又は排除することであり得る。新しく形成された繊維がダイに接触する場合、これらは再溶融してダイ面に粘着する場合がある。これらの再溶融した繊維はその後、液滴又は集塊(すなわち、「サンド」又は「ショット」)を形成する場合があり、これは不織布ウェブ上に落下して、これらが落ちる場所においてウェブを損傷し得る。
【0019】
他の代表的な実施形態において、本開示のノズル、ダイ、装置、システム及び方法は、マイクロ繊維の量に対して比較的高いサブミクロン繊維の割合を含む、不織布繊維ウェブの製造を可能にし得る。本開示の他の代表的な実施形態は、多様な用途におけるそれらの使用を可能にする構造的特徴を有することができ、非常に高い吸収力及び/又は吸着性を有することができ、それらの低いソリディティにより流体濾材として使用したときに高い多孔性、高い流体透過性、及び/又は低い圧力降下を呈することができ、費用効果に優れた効率的な方法で製造することができる。
【0020】
以上が本発明の代表的実施形態の様々な様態及び効果の要約である。上記の概要は、本発明の図解された各実施形態、又は本発明のあらゆる実施を記載するものではない。以下の図面及び発明を実施するための形態により、本明細書に開示される原理を利用した特定の好ましい実施形態をより具体的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本開示の代表的な実施形態について、添付の図を参照して詳述する。
【図1A】代表的な先行技術メルトブロー装置の略図。
【図1B】メルトブローダイで使用するための、代表的な先行技術のノズルの部分断面側面図。
【図2】本開示による、メルトブローダイ、プロセス及び方法で使用するための、代表的なノズルの部分断面図。
【図3】本開示による、メルトブローダイ、プロセス及び方法で使用するための、代表的なノズルの部分断面図。
【図4】本開示によるサブミクロン繊維を含む、不織布繊維ウェブを形成するための代表的な装置、システム及びプロセスの略図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
用語解説
本明細書で使用する場合、
「マイクロ繊維」とは、集合中央直径が少なくとも1マイクロメートルである繊維の集合である。
【0023】
「極細マイクロ繊維」とは、集合中央直径が2マイクロメートル以下である繊維の集合である。
【0024】
「サブミクロン繊維」(「ナノ繊維」とも称される)とは、集合中央直径が1マイクロメートルよりも小さい繊維の集合である。
【0025】
本明細書中で特定の種類のマイクロ繊維のバッチ、群、アレイといった表現を用いる場合(例、サブミクロン繊維のアレイ)、そのアレイにおけるマイクロ繊維の完全な集合か、又は単一のバッチのマイクロ繊維の完全な集合を意味し、そのアレイ又はバッチのサブミクロン径の部分のみを意味するものではない。
【0026】
本明細書中の「配向された連続マイクロ繊維」とは、ダイから出て、処理ステーションを通り、そこで繊維が引き延ばされ、繊維内の分子の少なくとも一部が繊維の長手方向軸に対して整列するように配向される本質的に連続な繊維のことを指す(繊維に関して使用される「配向された」とは、繊維の分子の少なくとも一部が繊維の長手方向軸に沿って整列していることを意味する)。
【0027】
本明細書中の「メルトブローン繊維」とは、溶融した繊維形成材料をダイの開口部又はノズルから高速気流の中に押し出すことによって調製された繊維を指し、押し出された材料はまず細径化されてから繊維塊として固結する。
【0028】
「別々に調製されるサブミクロン繊維」とは、サブミクロン繊維形成装置(例えばダイ)から生成されたサブミクロン繊維流を意味し、この繊維形成装置は、サブミクロン繊維流が、より寸法の大きいマイクロ繊維の流れから最初は空間的に(例えば約1インチ(25mm)以上の距離で)離間しているが、飛翔中に合流しその中に分散するように、配置される。
【0029】
「自己結合」とは、点結合又はカレンダ加工におけるように直接接触で加圧することなしにオーブン中又は通気結合機を用いて得られるような高温での繊維間結合、と定義される。
【0030】
「分子的に同じ」ポリマーとは、本質的に同じ繰り返し分子単位を有するが、分子量、製造方法、市販形態などは異なっていてもよいポリマーを指す。
【0031】
ウェブを記述する際の「自己支持型」又は「自立型」とは、ウェブがそれ自体で保持され、取り扱われ、処理されることができることを意味する。
【0032】
「ソリディティ」とは、密度に反比例する不織布ウェブの特性であり、ウェブの透過性及び気孔率を示し(低ソリディティは高透過率及び高気孔率に相当し)、次の式で定義される。
【0033】
【数1】

【0034】
「ウェブ坪量」は、10cm×10cmのウェブ試料を元に計算される。
【0035】
「ウェブ厚さ」は、150Paの圧力を付加した5cm×12.5cmの寸法の試験器フット部を有する厚さ試験ゲージを用いて、10cm×10cmのウェブ試料で測定される。
【0036】
「かさ比重」は、文献から採用される、ウェブが作られるポリマー又はポリマーブレンドのかさ比重である。
【0037】
本開示の種々の例示的な実施形態が特に図を参照して、ここに説明されるであろう。本発明の代表的実施形態は、開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正や変更が可能である。したがって、本発明の実施形態は以下に説明する代表的実施形態に限定されるべきではなく、請求項及びそのいずれかの均等物に規定される限定によって制限されるべきであると理解されるべきである。
【0038】
A.繊維形成ノズル及びダイ
一態様において、本開示は、サブミクロン繊維の集合を製造するためのノズルに関連する。図2に示されるように、代表的な実施形態において、ノズル200は、内部チャネル203及び第1末端部207を有する第1導管202と、第1導管202の周囲に同心状に位置付けられ、第1末端部207の近位に第2末端部201を有する第2導管204と、を含み、第1導管202及び第2導管204は第1導管と第2導管との間に環状チャネル205を形成し、加えて、第1末端部207は第2末端部201を超えて軸方向外側に延びる。動作中、環状チャネル205は、流動性材料源(図2に図示されない)から得られる流動性材料流128に接続され、第1導管202は加圧気体源(図2に図示されない)から得られる加圧気体流127に接続される。
【0039】
図2に図示されるように、第2末端部201は、第1末端部207よりも、距離206だけ後ろにある。この方法において、Renekerらによって画定されるガスジェット空間は、第2導管204又はノズル200内に形成される。いくつかの代表的な実施形態において、任意のニットライナー208は第1導管202の少なくとも一部と第2導管204との間に位置付けられ得る。ニットライナー208は、ブッシング又は分離リングとして機能し、所望により第1導管202を第2導管204内で同心状で中央に合わせる。ニットライナー208は、第1導管202の第2導管204に対する位置の軸方向の調節を可能にする、軸方向厚さを有するように選択され得る。この方法において、第1末端部207と第2末端部201との間の距離206は、自由に調節され得る。しかしながら、図2に示されるように、いくつかの実施形態において、ニットライナー208の軸方向厚さは、第1末端部207が第2末端部201を超えて軸方向外側に延びるように選択される。この方法において、ノズル200の本体内のガスジェット空間の形成が回避される。
【0040】
したがって、代表的な実施形態において、ノズル200は、ノズル本体の外側管内ではなく、ノズル本体のすぐ外側の周囲空気空間内でサブミクロン繊維を形成させることにより、Renekerらによって明示的に教示される画定されたガスジェット空間の必要性を排除する。この構成の1つの利点は、新しく形成された繊維がいずれかのダイ表面に接触する可能性を制限又は排除することであり得る。新しく形成された繊維がダイに接触する場合、これらは再溶融してダイ面に粘着する場合がある。これらの再溶融した繊維はその後、液滴又は集塊(すなわち、「サンド」又は「ショット」)を形成する場合があり、これは不織布ウェブ上に落下して、これらが落ちる場所においてウェブを損傷し得る。
【0041】
図2に例示される代表的な本発明の好ましい実施形態において、第1末端部207の近位の環状チャネル205の少なくとも一部が、第1導管202の中央軸に向かって角度を有する。いくつかの代表的な実施形態において(図面に図示されない)、第1導管及び第2導管は、ほぼ円筒形又は管状の断面を有し、換言すると、いくつかの代表的な実施形態において、第1導管及び第2導管は、ノズルの軸方向と垂直な方向でとった際にほぼ円形の断面を有する。いくつかの本発明の好ましい実施形態において(図面に図示されない)、第1導管及び第2導管は、ノズルの軸方向と垂直な方向でとった際にほぼ円形の断面を有し、第2導管は第1導管の周囲で同心状に位置付けられる。
【0042】
図3に例示される追加的な代表的な実施形態において、ノズル300は、第1末端部307を有する第1導管302と、第1導管302の周囲に同心状に位置付けられ、第1末端部307の近位に第2末端部201を有する第2導管304と、を含み、第1導管302及び第2導管304は第1導管と第2導管との間に環状チャネル305を形成し、第1末端部307は第2末端部301を超えて軸方向外側に延び、加えて、第1末端部は、規則的な(例えば図2に図示されるようにほぼ円形の)、又は不規則な(例えば図3に図示されるような鋸歯パターン309)外形の先端部を含む、ほぼ円形の縁部によって画定される。したがって、いくつかの代表的な実施形態において、ほぼ円形の縁部は、縁部の周囲に鋸歯パターンを生じる複数の歯を含む、鋸歯状のエッジを含む。
【0043】
図3に図示されるように、第2末端部201は、第1末端部307よりも、距離306だけ後ろにある。この方法において、Renekerらによって画定されるガスジェット空間は、第2導管304又はノズル300内に形成される。いくつかの代表的な実施形態において、任意のニットライナー308は第1導管302の少なくとも一部と第2導管304との間に位置付けられうる。ニットライナー308は、第1導管302の第2導管304に対する位置の軸方向の調節を可能にする、軸方向厚さを有するように選択され得る。この方法において、第1末端部307と第2末端部201との間の距離306が自由に調節され得る。しかしながら、図2に示されるように、いくつかの実施形態において、ニットライナー308の軸方向厚さは、第1末端部307が第2末端部201を超えて軸方向外側に延びるように選択される。この方法において、ノズル300の本体内のガスジェット空間の形成が回避される。
【0044】
図3に例示される代表的な本発明の好ましい実施形態において、第1末端部307の近位の環状チャネル305の少なくとも一部が、第1導管302の中央軸の方に向けられる。いくつかの代表的な実施形態において(図面に図示されない)、第1導管及び第2導管は、ほぼ円筒形又は管状の断面を有し、換言すると、いくつかの代表的な実施形態において、第1導管及び第2導管は、ノズルの軸方向と垂直な方向でとった際にほぼ円形の断面を有する。いくつかの本発明の好ましい適実施形態において(図面に図示されない)、第1導管及び第2導管は、ノズルの軸方向と垂直な方向でとった際にほぼ円形の断面を有し、第2導管は第1導管の周囲で同心状に位置付けられる。
【0045】
上記のノズルのいくつかの代表的な実施形態において、第1末端部は第2末端部を超えて軸方向外側に、少なくとも0.1mm、少なくとも0.2mm、少なくとも0.3mm、少なくとも0.4mm、少なくとも0.5mm又は少なくとも1mmだけ延びる。更なる代表的な実施形態において、第1末端部は第2末端部を超えて軸方向外側に、最大5mm、最大4mm、最大3mm、最大2mm又は最大1mmだけ延びる。
【0046】
別の態様において、本開示は、上記の少なくとも1つのノズルを含むダイを提供する。いくつかの代表的な実施形態において、ダイは、上記の複数のノズルを含む。いくつかの代表的な実施形態において、複数のノズルが少なくとも一列に配置される。
【0047】
B.不織布繊維製ウェブを形成するための装置及びシステム
別の態様において、本開示は、更なる代表的な実施形態において、不織布繊維ウェブを形成するための装置を提供し、装置は、流動性材料源と、加圧気体源と、上記のダイに設置された少なくとも1つのノズルを組み込むダイであって、環状チャネルは流動性材料源に接続され、第1導管は加圧気体源に接続される、ダイと、ダイを出た後に流動性材料を回収するためのコレクタであって、流動性材料はコレクタ上に不織布繊維ウェブとして実質的に固形で回収されるコレクタとを含む。
【0048】
図4に一般的に例示されるように、装置は少なくとも1つのノズル400を含むダイ435と、流動性材料源410と、加圧気体源412と、を含む。ダイ435の環状チャネルは、流動性材料源に接続され、第1導管は加圧気体源412に接続される。図4の仮想線によって示されるように、連続的なサブミクロン繊維の流れ402は、ダイ435のノズル400から放出されて、回収装置456の方に向けられ、ここで繊維が回収されて不織布繊維ウェブ454を形成する。
【0049】
回収装置456はローラー431と434との間で走るエンドレスベルト430として例示されるが、以下において記載されるように、当該技術分野において既知の他の回収装置が使用され得る。サブミクロン繊維流402の回収により形成される、回収された不織布繊維ウェブ454の回収及び固結を補助するため、図4に示されるように、任意の真空ボックス419がエンドレスベルト430の一部の下に位置付けられてもよい。図4のローラー432及び433によって例示されるように、熱及び/又は圧力の適用(例えば、カレンダ加工)による、回収される不織布繊維ウェブ454の固化など、回収されたウェブ454の任意の後処理がまた行われ得る。以下で更に記載されるように、他の後処理技術が、複数のサブミクロン繊維を含む、回収された不織布繊維ウェブに適用され得る。
【0050】
本開示の代表的な実施形態は、スクリーンで覆われたドラム(図示せず)上の図4に図示されるベルトタイプのコレクタ456のような連続スクリーンタイプのコレクタ上に複数のサブミクロン繊維を含む不織布繊維ウェブを収集することによって、又は当該技術分野で既知の代替方法を用いて、実施され得る。1つの代表的な別の回収方法においては、PCT国際公開特許第WO 2004/046443号(Olsonら)に示され、記載されるように、マイクロ繊維及びサブミクロン繊維が合流した流れを2つのコレクタ間の間隙に向けることによってウェブを捕集することができ、そこでC型形状の繊維を有するウェブが得られる。
【0051】
いくつかの代表的な実施形態において、上記の1つ以上の追加的なノズル400’及び400”が装置内で使用されてもよく、それによって各ダイの環状チャネルが流動性材料源410に接続され、各ダイの第1導管が加圧気体源412に接続される。図4の仮想線に示されるように、任意の第2サブミクロン繊維流402’、第3サブミクロン繊維流402”又は任意の数の追加的なサブミクロン繊維流が形成され得る。好ましくは、ノズルは、繊維が飛んでいる間(すなわち、複数のサブミクロン繊維が、コレクタ456上に繊維性不織布ウェブ454として回収される前)にサブミクロン繊維流(例えば、402、402’及び402”)の間の重複がないように位置付けられる。
【0052】
図4に示される繊維形成装置は、本開示の特定の実施形態を実施するのに使用される1つの代表的な装置である。サブミクロン繊維形成ダイ435は、単独で又はサブミクロン繊維及び/又はマイクロ繊維を形成するための追加的ダイと組み合わせて、サブミクロン繊維を形成するために使用され得る。このようなダイは当該技術分野において既知である。不織布繊維ウェブ中で、サブミクロン繊維とマイクロ繊維を組み合わせる好適な装置、ダイ及び方法は、PCT国際公開特許第WO2009/085679号に開示される。
【0053】
また更なる態様において、本開示は複数のサブミクロン繊維を形成するためのシステムを提供し、本システムは、流動性材料流と、加圧気体流と、上記の少なくとも1つのノズルを組み込むダイであって、環状チャネルは流動性材料流に接続され、第1管は加圧気体流に接続される、ダイと、ダイを出た後に複数の不織布繊維として上記流動性材料を回収するためのコレクタであって、上記複数の繊維が不織布繊維ウェブとしてコレクタ上に実質的に個体の形態で回収される、コレクタとを含む。特定の代表的な実施形態において、流動性材料流は溶融ポリマーを含む。いくつかの代表的な実施形態において、加圧気体流は圧縮空気を含む。
【0054】
仕上げ剤又は他の材料のフィラメントへの噴霧、フィラメントへの静電荷の付与、ウォーターミストの付与など、繊維形成工程の付属として従来から使用される様々な工程を、任意の細径化器への進入又は射出時にフィラメントに関連して使用してもよい。更に、結合剤、接着剤、仕上げ剤、及び他のウェブ又はフィルムを含む種々の材料を、回収ウェブに添加してもよい。
【0055】
サブミクロン繊維は通常、非常に長いが、一般には不連続とみなされている。ステープルファイバーの長さが有限なのとは対照的に長さ対直径の比が無限に近づく、これらサブミクロン繊維の大きな長さによって、サブミクロン繊維はマイクロ繊維のマトリックス内で良好に保持される。これらは普通は有機のポリマーであり、マイクロ繊維と分子的に同一のポリマーであることが多い。サブミクロン繊維及びマイクロ繊維の流れが合流するにつれ、サブミクロン繊維はマイクロ繊維間に分散される。特にx−y寸法において、かなり均一な混合物が得られ、軸方向の分配は、当該技術分野において既知であるように(例えば、米国特許第6,916,752号及び同第7,695,660号参照)、合流する流れの間の距離、合流する流れの間の角度、及び合流する流れの質量及び速度の制御などの、特定の処理工程によって制御される。合流した流れはコレクタへと続き、ここでウェブ用不織布繊維ウェブとして回収される。
【0056】
本開示の複合不織布繊維ウェブに含まれる、マイクロ繊維に対するサブミクロン繊維の相対量は、意図されているウェブの用途次第で変化させることができる。有効量、すなわち所望の性能を達成するために有効な量は重量に関して大きい必要はない。通常、マイクロ繊維は、ウェブ繊維の少なくとも1重量%及び100重量%以下を占める。マイクロ繊維の表面積が大きいので、少量で所望の性能を達成できる。非常に小さなマイクロ繊維を含むウェブの場合、マイクロ繊維は一般にウェブの繊維表面積の少なくとも5%を占め、より典型的には繊維表面積の10又は20%以上を占める。本発明の代表的実施形態で特に利点となるのは、濾過又は断熱又は防音といった必要な用途に直径の小さい繊維を供することができることである。
【0057】
マイクロ繊維及びサブミクロン繊維の状態に応じて、捕集中に両繊維間にある程度結合が生じる場合がある。但し、所望の凝集性を有するマトリックスを提供し、ウェブをより取り扱い易くして、サブミクロン繊維がマトリックス内により良好に保持されるようにするため(繊維の「結合」とは、ウェブが通常の取り扱いに供されても概ね分離しないように繊維同士を互いに固着させることを意味する)捕集されたウェブにおけるマイクロ繊維間では更なる結合が必要であるのが普通である。
【0058】
点接着プロセス又は円滑なカレンダロールにより印加される熱及び圧力を用いる従来の接着技術が用いられ得るが、かかるプロセスは、繊維の望ましくない変形又はウェブの圧縮を引き起こす場合がある。マイクロ繊維を結合するための、より好ましい技術が米国特許出願公開第2008/0038976(A1)号に教示され、この本発明の好ましい結合技術を実行するための装置及び方法が米国特許出願公開第2008/0038976(A1)号の図面の図1、5及び6に例示される。
【0059】
簡潔に要約すると、本発明に適用される場合、この好ましい技法は、マイクロ繊維及びサブミクロン繊維の捕集したウェブを、制御下の加熱及び急冷操作に供することを伴い、本操作は、a)マイクロ繊維を軟化するのに十分な温度に加熱された気流をウェブ中に強制的に通し、この加熱流を、繊維が完全に溶融するには短い別個の時間だけ付与して、マイクロ繊維を繊維の交点(例えば凝集性を有する、又は結合したマトリックスを形成するために十分な交点)にて十分に互いに結合させることと、b)直ちに、加熱流より少なくとも50℃低い温度にて気流をウェブに強制的に通し、繊維を急冷することと、を含む(上述の米国特許出願公開第2008/0038976(A1)号で規定されているように、「強制的に」とは、気流を推進しウェブを通過させるために通常の室内圧力に加えて気流に力を加えることを意味し、「直ちに」とは、同操作の一部として行なう、すなわち、次の処理工程の前にウェブがロールに巻回される場合に生じるような保管期間が介在することがないことを意味する)。略記された用語として、この技法は急冷フロー加熱技法及び装置は急冷フローヒーターとして記述される。
【0060】
サブミクロン繊維は、結合操作中に、実質的に溶融する、又は繊維構造を失うことはなく、繊維の原寸法を有する個別のマイクロ繊維のままでいることが分かっている。特定の理論に束縛されるものではないが、出願人は、サブミクロン繊維はマイクロ繊維とは異なる結晶性の低い形態を有すると信じ、結合操作中に限られた熱をウェブに加えると、この熱は、サブミクロン繊維の溶融が起きる前に、サブミクロン繊維中で結晶成長が現れる際に消耗されてしまう、と理論づけている。この理論が正しいかどうかにかかわらず、サブミクロン繊維が実質的に溶融又は歪曲せずにマイクロ繊維の結合が起きることは事実であり、ウェブ完成品の特性に有益であり得る。
【0061】
記載の方法の一変形例は、上述の米国特許出願公開第2008/0038976(A1)号により詳細に教示されるように、マイクロ繊維中の2つの異なる種類の分子相の存在を利用しており、第1の種類は、鎖延長又は歪誘起による結晶性ドメインが比較的多く存在することから微結晶特性分子相と呼ばれ、第2の種類は、結晶秩序が低い(すなわち、鎖延長がない)ドメイン及び非晶質ドメインが比較的多く存在することから非晶質特性相と呼ばれるが、後者は、結晶化には足りない程度の何らかの秩序又は配向を有する場合がある。明確な境界を必要とせず、互いに混合した状態で存在できるこれら異なる2種類の相は、異なる溶融及び/又は軟化特性を含む異なる種類の特性を有する。鎖伸長された結晶性ドメインがより多量に存在することを特徴とする第1の相は、第2相が溶融又は軟化する温度(例えば、秩序がより低い結晶性ドメインの融点によって変更されるような非晶性ドメインのガラス転移温度)より高い温度(例えば、鎖伸長された結晶性ドメインの融点)にて溶融する。
【0062】
記載された方法の記述される変更では、加熱は、結晶性を特徴とする相が溶融していないままで繊維の非晶質を特徴とする相が溶融又は軟化するのに十分な温度及び時間である。一般に、加熱された気体状のストリームは、繊維のポリマー材料の溶融開始温度より高い温度である。加熱後、ウェブは上述したように急速に急冷される。
【0063】
捕集したウェブをこのような温度で処理すると、マイクロ繊維の形態が精製されることが分かり、これは次のように理解される(「理解」とは一般に理論に基づく考察を含むものであり、本明細書中で「理解」と述べることによって束縛されることは本発明者らの望むところではない)。非晶質を特徴とする相については、望ましくない(軟化を妨げる)結晶成長の影響を受け易い相の分子材料の量は、処理前ほど多くない。非晶質を特徴とする相は、従来の未処理繊維では熱結合操作の間に結晶性が不必要に増大することになる分子構造のある種の洗浄又は低減を受けると理解される。本発明の特定の代表的実施形態において処理された繊維は、ある種の「反復的軟化」が可能である可能性がある。すなわち、繊維全体が溶融してしまう温度より低い温度領域内での温度上昇及び下降のサイクルに繊維が曝されるにつれ、繊維、特に繊維の非晶質特性相が、軟化及び再固結のサイクルをある程度繰り返すことを意味する。
【0064】
実際の期間において、繰り返し可能な軟化は、処理されたウェブ(一般に加熱及び急冷処理の結果として有用な結合を既に示している)が加熱されて更なる繊維の自己結合を生じ得る場合に示される。軟化及び再固結のサイクルは無限には継続しなくてもよいが、一般に、例えば本発明の特定の代表的実施形態に係る熱処理の間に繊維が初めて熱に曝されることによって結合し、後に再び加熱されて再軟化及び更なる結合をもたらすか、又は所望により、カレンダ加工又は再成形のような他の操作を行なえば、十分である。例えば、繊維の結合力向上を利用して、ウェブを平滑面にカレンダ加工したり、又は、例えばフェイスマスクに成型するなど非平面形状を与えてもよい(但しこのような場合の結合は自己結合には限られない)。
【0065】
非晶質特性相又は結合相がウェブ結合、カレンダ加工、成形又はその他の同様の操作中に上述の軟化機能を有する一方、繊維の微結晶特性相もまた重要な役割、すなわち繊維の基本的な繊維構造を強化する役割を有する。結晶子を特徴とする相は、一般に、結合などの動作の間溶融しないままであることができるが、それは、その融点が、非晶質を特徴とする相の融点/軟化点よりも高いためであり、したがって、繊維全体に延びる、損なわれていないマトリックスのままであり、繊維構造及び繊維寸法を支持する。
【0066】
したがって、自己結合操作においてウェブを加熱することにより、繊維交点にてある程度流動及び合体することによって繊維が共に結合するとしても、基本的に個別の繊維構造は、交点間及び結合間の繊維長さにわたって実質的に保持される。好ましくは繊維の断面は、交点間又は操作中に形成される結合間の繊維長さにわたって変化しないままである。同様に、ウェブをカレンダ加工することにより、カレンダ加工操作の圧力及び熱により繊維が再構成される(それによって繊維は、カレンダ加工中に押圧された形状を永久的に保持し、ウェブの厚さをより均一にする)としても、繊維は一般に、個別の繊維のままであり、結果として所望のウェブ多孔性、濾過、及び絶縁特性が保持される。
【0067】
本発明の特定の代表的実施形態の利点として、マイクロ繊維ウェブ中に保持されているサブミクロン繊維が、全てサブミクロン繊維からなる層に比べ、圧縮からより良く保護される可能性が挙げられる。マイクロ繊維は一般に、サブミクロン繊維より大きく、硬く、そして強く、またマイクロ繊維の材料とは異なる材料から製造することができる。サブミクロン繊維間にマイクロ繊維が存在し、圧力を与える物体があることで、サブミクロン繊維にかかる圧壊力の付与に制限がかかる可能性がある。特に、非常に壊れやすいことがあるサブミクロン繊維の場合、本発明の特定の代表的実施形態により圧縮又は圧壊に対する抵抗力が増すことは、重要な利点をもたらす。本開示のウェブに、例えば巨大な貯蔵ロール又は二次的処理において巻回されることで圧力がかけられても、本開示のウェブは、ウェブ圧縮に対する良好な抵抗力を示すことができるが、もしそうでない場合は圧力低下が増大してフィルタの捕集性能が悪化する。マイクロ繊維が存在することで、ウェブ強度、剛性及び取り扱い特性といった他の特性も加えることができる。
【0068】
繊維の直径は、必要とされる濾過、音吸収、及びその他の特性を提供するために調整することができる。例えば、望ましくは、マイクロ繊維が5〜50マイクロメートル(μm)の中央直径を有し、サブミクロン繊維が0.1μm〜1μmよりも小さい、例えば0.9μmの中央直径を有することができる。好ましくは、マイクロ繊維が5μm〜50μmの中央直径を有するのに対し、サブミクロン繊維は好ましくは0.5μm〜1μmよりも小さい、例えば0.9μmの中央直径を有する。
【0069】
上述のように、本発明の特定の代表的実施形態は特に、非常に小さなマイクロ繊維、例えば中央径が1μm〜約2μmの極細マイクロ繊維を、サブミクロン繊維と組み合わせるのに有用であり得る。また、上述のように、ウェブ中で例えばマイクロ繊維に対するサブミクロン繊維の比率に関しウェブの厚さにわたって勾配を設けるのが望ましい場合があり、これは、サブミクロン繊維流の空気速度又は質量流量などの処理条件、又は、マイクロ繊維流からダイまでの距離及びサブミクロン繊維流の角度を含む、マイクロ繊維流及びサブミクロン繊維流の交点配置を変えることにより達成できる。本開示の不織布繊維ウェブの一端縁又は表面近位にサブミクロン繊維がより集中していると、気体及び/又は液体濾過用途において特に有用であり得る。
【0070】
本開示の様々な実施形態にしたがってマイクロ繊維又はサブミクロン繊維を調製する際、異なる繊維形成材料を溶融紡糸押出成形ヘッド又はメルトブローダイの異なる開口部から押し出して、繊維混合物を含むウェブを調製してもよい。不織布繊維ウェブの濾過性能を高めるためこれに帯電させるために様々な手順が利用可能である。例えば、米国特許第5,496,507号(Angadjivand)を参照。
【0071】
いくつかの代表的な実施形態において、サブミクロン繊維それ自体から調製されるウェブは、望ましくないことに薄く脆弱であり得る。しかし、いくつかの代表的な実施形態において、凝集性で結合され配向された複合繊維構造にて、サブミクロン繊維の集合をマイクロ繊維の集合に組み入れることで、強靭で自立型のウェブ又はシート材料を、任意の支持層と共に又は無しに、得ることができる。
【0072】
上述の不織布繊維ウェブ製造方法に加え、以下の工程の1つ以上を形成後のウェブに対し実施してもよい。
【0073】
(1)不織布繊維ウェブをプロセス経路に沿って、更なる処理操作に向けて前進させる工程、
(2)1つ以上の追加層をサブミクロン繊維成分の、マイクロ繊維成分の、及び/又は任意の支持層の、外面と接触させる工程、
(3)不織布繊維ウェブをカレンダ加工する工程、
(4)不織布繊維ウェブを表面処理剤又は他の組成物(例えば、難燃剤組成物、接着剤組成物、又は印刷層)でコーティングする工程、
(5)不織布繊維ウェブを、厚紙又はプラスチックの管に取り付ける工程、
(6)不織布繊維ウェブをロール形状に巻く工程、
(7)不織布繊維ウェブをスリットして2つ以上のスリットロール及び/又は複数のスリットシートを形成する工程、
(8)不織布繊維ウェブを成形型に配置し、不織布繊維ウェブを新しい形状に成型する工程、
(9)存在する場合には、露出した任意の感圧性接着剤の層の上に剥離ライナーを塗布する工程、及び
(10)不織布繊維ウェブを、接着剤、又はクリップ、ブラケット、ボルト/ネジ、釘、及びストラップを含むがこれらに限定されないその他のいずれかの取り付け装置を介し、別の基材に取り付ける工程。
【0074】
C.不織布繊維ウェブを作製する方法
本開示はまた、不織布繊維ウェブの製造方法も対象としている。したがって、別の態様では、本開示は不織布繊維ウェブの作製方法であって、
a.上記の少なくとも1つのノズルを有するダイを使用して、1マイクロメートル(μm)よりも小さい中央繊維直径を有する、サブミクロン繊維の集合を形成する工程と、
b.中央繊維直径が少なくとも1μmであるマイクロ繊維の集合を形成する工程と、
c.サブミクロン繊維の集合とマイクロ繊維の集合を不織布繊維ウェブに組み合わせる工程であって、繊維の集合の少なくとも1つが、実質的に配向された繊維を含み、更に不織布繊維ウェブが厚さを有し、10%未満のソリディティを呈する、工程とを含む、方法を提供する。
【0075】
いくつかの代表的な実施形態において、サブミクロン繊維の集合とマイクロ繊維の集合を不織布繊維ウェブに組み合わせる工程は、サブミクロン繊維及びマイクロ繊維がコレクタ上に回収される際に生じる。
【0076】
1.サブミクロン繊維(ナノ繊維)の形成
本開示の実施形態によりサブミクロン繊維の集合を形成し、サブミクロン繊維の集合を不織布繊維ウェブとして堆積するために使用されるプロセスは、一般的に例えば図1Aに例示されるものなどのメルトブロープロセスとして記載され、米国特許第7,316,552(B2)号に開示される。本プロセス、装置及び方法はしかしながら、繊維を形成するために使用されるダイ及びノズル構成の性質により、従来的なメルトブロープロセスから区別される。本方法は、流動性材料源を提供する工程と、加圧気体流を提供する工程と、本明細書において開示される少なくとも1つの延長ノズルを組み込むダイを提供する工程と(図2〜3参照)、流動性材料源と流体連通するように環状チャネルを配置する工程と、加圧気体流と流体連通するように第1管を配置する工程と、ダイを出た後に、複数の不織布繊維として流動性材料を回収する工程であって、複数の不織布繊維は不織布繊維ウェブとして実質的に固形で回収される、工程とを含む。
【0077】
2.オプションのマイクロ繊維の形成
マイクロ繊維の集合の製造及び堆積には数々の方法を用いることができ、これはメルトブロー法、溶融紡糸、フィラメント押出、プレキシフィラメント形成、スパンボンド、湿式紡糸、乾式紡糸、又はこれらの組み合わせを含むが、これらに限られない。マイクロ繊維を形成する好適な工程が、米国特許第6,315,806号(Torobin)、同第6,114,017号(Fabbricanteら)、同第6,382,526(B1)号(Renekerら)、及び同第6,861,025(B2)号(Ericksonら)に記載されている。あるいは、米国特許第4,118,531号(Hauser)に記載の工程を使用して、マイクロ繊維の集合をステープルファイバーに形成又は変化させ、サブミクロン繊維の集合と組み合わせてもよい。特定の代表的実施形態においては、マイクロ繊維の集合は、後述するように、熱結合、接着剤結合、粉末バインダ結合、水流交絡、ニードルパンチ、カレンダ加工、又はこれらの組み合わせを用いて結合が達成できる、結合させたマイクロ繊維のウェブを含んでいてもよい。
【0078】
配向繊維を製造することができる工程は、配向フィルムフィラメント形成、溶融紡糸、プレキシフィラメント形成、スパンボンド、湿式紡糸、及び乾式紡糸を含む。好適な配向繊維製造方法は、当該技術分野においても知られている。(例えば、Ziabicki、Andrzej、「Fundamentals of Fibre Formation:The Science of Fibre Spinning and Drawing」(Wiley,London,1976)を参照)。初期の繊維形成中に繊維内に配向を与える必要はなく、繊維形成後に与えることができ、最も一般的には延伸又は延展工程を用いて行なわれる。
【0079】
いくつかの代表的実施形態において、不織布繊維ウェブは、サブミクロン不織布繊維に支持構造を与える、より粗いマイクロ繊維に混じり合ったサブミクロン繊維により形成されていてもよい。支持構造は、微細サブミクロン繊維を好ましい低ソリディティ形態で支持するための弾性及び強度を与えることができる。支持構造は、様々な異なる成分から、単一で又は組み合わせて、作製することができる。支持成分の例としては、例えばマイクロ繊維、不連続配向繊維、天然繊維、多孔質発泡材料、及び連続又は不連続の非配向繊維が挙げられる。
【0080】
代表的な一実施形態においては、マイクロ繊維流を形成し、サブミクロン繊維流を別個に形成してマイクロ繊維流に加えて、不織布繊維ウェブを形成する。別の代表的実施形態においては、サブミクロン繊維流を形成し、マイクロ繊維流を別個に形成してサブミクロン繊維流に加えて、不織布繊維ウェブを形成する。これらの代表的実施形態においては、サブミクロン繊維流及びマイクロ繊維流の一方又は双方が配向されている。更に別の実施形態においては、配向サブミクロン繊維流を形成し、例えば米国特許第4,118,531号(Hauser)に記載の方法を用いて、不連続マイクロ繊維をサブミクロン繊維流に加える。
【0081】
いくつかの代表的実施形態においては、不織布繊維ウェブの製造方法は、サブミクロン繊維の集合及びマイクロ繊維の集合を、繊維流の混合、水流交絡、湿式形成、プレキシフィラメント形成、ニードルパンチング又はこれらの組み合わせにより混合して不織布繊維ウェブとすることを含む。サブミクロン繊維の集合とマイクロ繊維の集合との組み合わせには、一方又は双方の種類の繊維の複数流を用いることができ、これらの繊維流をいかなる順序で組み合わせてもよい。このようにして、望まれる多様な濃度勾配及び/又は層の構造を呈する不織複合繊維ウェブを形成することができる。
【0082】
例えば、特定の代表的実施形態において、サブミクロン繊維の集合を、マイクロ繊維の集合と組み合わせて不均質の繊維混合物を形成することができる。別の代表的実施形態においては、サブミクロン繊維の集合を、マイクロ繊維の集合を含む下層の上に上層として形成してもよい。別の特定の代表的実施形態においては、マイクロ繊維の集合を、サブミクロン繊維の集合を含む下層の上に上層として形成してもよい。
【0083】
別の代表的実施形態において、複合不織布製品は、任意でマイクロ繊維を含む支持層の上にサブミクロン繊維の集合を堆積することにより形成して、支持層又は基材上にサブミクロン繊維の集合を形成してもよい。本方法は、任意でポリマーマイクロ繊維を含む支持層を、中央繊維直径が1マイクロメートル(μm)よりも小さいサブミクロン繊維の繊維流中に通す工程を含んでもよい。繊維流中を通過している間に、サブミクロン繊維を支持層に堆積させ、一時的又は恒久的に支持層に結合することができる。これら繊維が支持層上に堆積すると、場合によっては、繊維は互いに結合し、支持層上にある間に更に硬化する。
【0084】
本発明の好ましい特定の実施形態においては、サブミクロン繊維の集合を、マイクロ繊維の集合の少なくとも一部を含む任意の支持層と組み合わせる。本発明の好ましい別の実施形態においては、サブミクロン繊維の集合は任意の支持層と組み合わされ、次いで、マイクロ繊維の集合の少なくとも一部と組み合わされる。
【0085】
D.不織布繊維ウェブ成分
一様態において、本開示は、中央直径が1マイクロメートル(μm)よりも小さいサブミクロン繊維の集合と、任意により中央直径が少なくとも1μmであるマイクロ繊維の集合とを含む、複合不織布繊維ウェブに関する。いくつかの実施形態において、繊維の集合の少なくとも1つが配向され、複合繊維ウェブは厚さを有し、10%未満のソリディティを呈する。
【0086】
配向された繊維とは、繊維内に分子の配向がある繊維である。完全に配向された高分子繊維及び部分的に配向された高分子繊維は既知であり、市販のものが入手可能である。繊維の配向は、複屈折、熱収縮、X線散乱、及び弾性率を含む多くの方法で測定可能である(例えば、「Principles of Polymer Processing」(Zehev Tadmor and Costas Gogos,John Wiley and Sons,New York,1979,pp.77〜84)を参照されたい)。注意すべき重要なことは、結晶質及び非晶質の材料の両方が結晶化度から独立して分子配向を呈することができるので、分子配向が結晶化度とは異なることである。したがって、メルトブローン又は電界紡糸によって作製された商業的に既知のサブミクロン繊維がたとえ配向されていなくとも、これらのプロセスを用いて作製された繊維に分子の配向を与える既知の方法がある。しかしながら、Torobin(例えば、米国特許第4,536,361号)によって記載されるプロセスは、分子配向された繊維を製造するために示されていない。
【0087】
更に、単層不織布繊維ウェブ内でマイクロ繊維の数に対するサブミクロン繊維の数の比を制御することによりソリディティを10%未満に制御する、又は、支持層を用いてソリディティの低い多層不織布繊維ウェブを提供することは、これまでに知られていない。
【0088】
いくつかの代表的な実施形態において、1マイクロメートル(μm)よりも小さい中央直径を有するサブミクロン繊維の集合のみを含む、不織布繊維ウェブが形成され得る。他の代表的な実施形態において、不織布繊維ウェブは更に、少なくとも1μmの中央直径を有するマイクロ繊維の集合を含む。繊維の集合の少なくとも1つが配向されてよく、不織布繊維ウェブは10%未満のソリディティを呈し得る。
【0089】
不織布繊維ウェブが、サブミクロン繊維の集合及びマイクロ繊維の集合を含む、2つ以上の別個の繊維の集合を含む実施形態において、サブミクロン繊維の集合は、単層不織布繊維ウェブの中心線(ウェブ厚さの半分の周囲の部分で画定される)の近位により集中し得る。換言すれば、マイクロ繊維の数に対するサブミクロン繊維の数の比は不織布ウェブの厚さにわたって変化し得る。サブミクロン繊維のより高い値の濃度からサブミクロン繊維のより低い値の濃度への濃度勾配が、不織布繊維ウェブにわたって、又はその内部に存在し得る。いくつかの代表的な実施形態において、不織布繊維ウェブは多層構成を含み得る。層の1つは支持層であり得る。
【0090】
他の代表的実施形態において、サブミクロン繊維の集合を、マイクロ繊維の集合と混合して不均質の繊維混合物を形成することができる。サブミクロン繊維の集合は、不織布繊維ウェブの主表面の一方又は両方の近位により集中することがある。より高い値のマイクロ繊維の濃度からより低い値のマイクロ繊維の濃度の濃度勾配が、不織布繊維ウェブを通じて又はその内部に存在し得る。
【0091】
本開示による不織布繊維ウェブの先に説明した代表的実施形態のいずれの場合も、単層不織布ウェブはある坪量を示すが、これはウェブの特定の最終用途に応じて変化させることができる。一般的に、単層の不織布繊維ウェブは、1平方メートル当たり約1000グラム(gsm)未満の坪量を有する。いくつかの実施形態においては、単層不織布繊維ウェブは、約1.0gsm〜約500gsmの坪量を有する。他の実施形態においては、単層不織布繊維ウェブは、約10gsm〜約300gsmの坪量を有する。
【0092】
坪量と同様に、単層不織布繊維ウェブはある厚さを示すが、これはウェブの特定の最終用途に応じて変化し得る。典型的には、単層不織布繊維ウェブは、約300ミリメートル(mm)よりも小さい厚さを有する。いくつかの実施形態においては、単層不織布繊維ウェブは、約0.5mm〜約150mmの厚さを有する。他の実施形態においては、単層不織布繊維ウェブは、約1.0mm〜約50mmの厚さを有する。
【0093】
本開示による代表的不織布繊維ウェブの様々な成分についてこれより説明する。
【0094】
1.サブミクロン繊維成分
本開示の不織布繊維ウェブは、1つ以上の微細なサブミクロン繊維成分を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、好ましい微細なサブミクロン繊維成分は、1マイクロメータ(μm)よりも小さい中央繊維直径を有するサブミクロン繊維成分である。いくつかの代表的な実施形態では、サブミクロン繊維成分は約0.2μm〜約0.9μmの範囲の中央繊維直径を有する繊維を含む。他の代表的な実施形態では、サブミクロン繊維成分は約0.5μm〜約0.7μmの範囲の中央繊維直径を有する繊維を含む。
【0095】
本開示において、所定のサブミクロン繊維成分の中の繊維の「中央繊維直径」は、例えば、走査型電子顕微鏡の使用により、繊維構造の画像を1つ以上作製すること、1つ以上の画像において明確に視認できる繊維の、繊維直径の合計数がxとなる繊維直径を測定すること、及びxの繊維直径の中央繊維直径を計算すること、によって求められる。典型的に、xは約50超であり、そして望ましくは約50〜約200までの範囲である。
【0096】
いくつかの代表的な実施形態では、サブミクロン繊維成分は、1つ以上の高分子材料を含む場合がある。好適な高分子材料としては、ポリプロピレン及びポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド(ナイロン−6及びナイロン−6,6)、ポリウレタン、ポリブテン、ポリ乳酸、ポリビニールアルコール、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、液晶ポリマー、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリアクリロニトリル、環状ポリオレフィン、ポリオキシメチレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0097】
サブミクロン繊維成分は、上記のポリマー又はコポリマーの任意の1つを含む一成分繊維を含む場合がある。この代表的な実施形態では、一成分繊維は、後述する添加物類を含有してよいが、上述の高分子材料から選択される単繊維形成用材料を含む。更に、この代表的な実施形態では、一成分繊維類は、典型的に、1つ以上の添加物を25重量%まで有する前述の高分子材料のうちいずれか1つを少なくとも75重量%含む。望ましくは一成分繊維類は、上述の高分子材料のうちいずれか1つを少なくとも80重量%、より望ましくは少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、更に100重量%までも含み、ここで、重量はいずれも繊維の総重量を基準とする。
【0098】
サブミクロン繊維成分はまた、(1)前述の高分子材料のうち2つ以上と、(2)後述するような添加物1つ以上とから形成される多成分繊維を含んでもよい。本明細書で使用される用語「多成分繊維」は、2つ以上の高分子材料類から形成される繊維を指すために用いられる。好適な多成分繊維構造は、芯鞘型構造、並列構造、海島型構造(例えば株式会社クラレ(日本、岡山県)が製造する繊維)を含むが、これらに限定されない。
【0099】
多成分繊維から形成されるサブミクロン繊維成分において、望ましくは、多成分繊維は、繊維の総重量に対して、(1)前述のポリマーのうち2つ以上を約75〜約99重量%、及び(2)1つ以上の追加の繊維形成用材料を約25〜約1重量%、含む。
【0100】
2.任意のマイクロ繊維成分
本開示の複合不織布繊維ウェブは、任意によりマイクロ繊維成分のような、1つ以上の粗い繊維成分を含む。いくつかの実施形態では、好ましい粗い繊維成分は、少なくとも1μmの中央繊維直径を有する繊維を含むマイクロ繊維成分である。いくつかの代表的な実施形態では、マイクロ繊維成分は約2μm〜約100μmの範囲の中央繊維直径を有する繊維を含む。他の代表的な実施形態では、マイクロ繊維成分は約5μm〜約50μmの範囲の中央繊維直径を有する繊維を含む。
【0101】
本開示において、所定のマイクロ繊維成分における繊維の「中央繊維直径」は、例えば、走査型電子顕微鏡の使用により、繊維構造の画像を1つ以上作製すること、1つ以上の画像において明確に視認できる繊維の、繊維直径の合計数がxとなる繊維直径を測定すること、及びxの繊維直径の中央繊維直径を計算すること、によって求められる。典型的に、xは約50超であり、そして望ましくは約50〜約200までの範囲である。
【0102】
いくつかの代表的な実施形態では、マイクロ繊維成分は、1つ以上の高分子材料を含む場合がある。一般にいずれかの繊維形成ポリマー材料をマイクロ繊維を調製する際に使用してもよいが、普通、繊維形成材料は半結晶性であるのが好ましい。繊維形成に一般に使用されるポリマー、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン及びウレタンが特に有用である。ウェブはまた非晶質ポリマー、例えばポリスチレンから調製されている。本明細書中に記載される特定のポリマーは単なる例であって、広範な種類の他の高分子又は繊維形成材料が有用である。
【0103】
好適な高分子材料としては、ポリプロピレン及びポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド(ナイロン−6及びナイロン−6,6)、ポリウレタン、ポリブテン、ポリ乳酸、ポリビニールアルコール、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、液晶ポリマー、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリアクリロニトリル、環状ポリオレフィン、ポリオキシメチレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0104】
また、多様な天然繊維形成材料を、本開示の代表的な実施形態による不織マイクロ繊維に取り入れることができる。好ましい天然材料としては、(例えば、炭素繊維を作製するための)ビツメン又はピッチが含まれる。繊維形成材料は、融解された形状でもよく、好適な溶媒で運んでもよい。また、反応性モノマーを採用し、それらがダイへ運ばれる又はダイを通過するにつれて相互に反応させることができる。不織布ウェブは、繊維の混合物を、単層(例えば、共通のダイ先端を共有する、密な間隔で置かれた2つのダイ空洞を用いて作製されたもの)、複数の層(例えば、積み上げて配置された複数のダイ空洞を用いて作製されたもの)、又は多成分繊維の1つ以上の層(米国特許第6,057,256号(Kruegerら)に記述されているようなもの)の中に含有することができる。
【0105】
また繊維は、顔料や染料などの特定の添加剤がブレンドされた材料を含む、材料のブレンドから形成されてもよい。2成分サブミクロン繊維であってもよいが、2成分マイクロ繊維、例えばコア−シース又は並列2成分繊維が調製されてもよい(本明細書にて「2成分」とは、2つ以上の構成成分を有する繊維を含み、各構成成分が繊維の断面積の一部を占め、繊維の実質的な長さにわたって延びているものである)。しかし、本開示の代表的な実施形態では、1成分繊維(こうした繊維において繊維は断面にわたって本質的に同じ組成を有するが、「1成分」は、実質的に均一な組成の連続相が断面にわたって及び繊維の長さにかけて延びているブレンド又は添加剤含有材料を含む)に関して特に有用であり、有利である。他の利益のうち、単一構成成分繊維を使用可能であることが、製造複雑性を低減し、ウェブの使用における制限をほぼなくす。
【0106】
前述の繊維形成用材料に加えて、様々な添加物を繊維溶融物に添加し、押し出して、添加物を繊維に組み込んでもよい。典型的に、添加物の量は、繊維の総重量に対して、約25重量%未満、望ましくは約5.0重量%までである。適する添加物には、微粒子、充填剤、可塑剤、粘着付与剤、流動性調整剤、硬化速度遅延剤、接着促進剤(シラン、チタン酸塩など)、補助剤、衝撃改質剤、発泡性微小球、熱伝導性粒子、電気伝導性粒子、シリカ、ガラス、粘土、タルク、顔料、着色剤、ガラスビーズ又はバブル、酸化防止剤、蛍光増白剤、抗菌剤、界面活性剤、難燃剤、及びフッ素化学品が含まれるが、これらに限るものではない。
【0107】
上述の添加物のうち1つ以上を用いて、得られる繊維及び層の重量及び/又はコストを低減してもよく、粘度を調整してもよく、又は繊維の熱的特性を変性してもよく、あるいは電気特性、光学特性、密度に関する特性、防液特性若しくは接着剤の粘着性に関する特性を含む、添加物の物理特性活性に由来する様々な物理特性を付与してもよい。
【0108】
3.オプションの支持層
本開示の不織布繊維ウェブは、同時係属PCT国際公開特許WO 09/085769号の図1dに示される、代表的な多層複合不織布繊維物品の支持層などの支持層を更に含み得る。支持層は、存在するとき、複合不織布繊維物品のほとんどの強度を提供することができる。いくつかの実施形態では、前述のサブミクロン繊維成分は、非常に低い強度を有する傾向があり、通常の処理中に損傷する可能性がある。サブミクロン繊維成分を支持層に取り付けることは、サブミクロン繊維成分に強度を与える一方、ソリディティを低く保持するので、サブミクロン繊維成分に所望の特性を保持する。多層不織布繊維ウェブ構造はまた、ロール形状へのウェブの巻取り、ロールからのウェブの取り出し、成型、ひだ付け、折りたたみ、ステープル処理、織り込みなどが挙げられるがこれらに限定されない、更なる処理に対する十分な強度をもたらし得る。
【0109】
本開示では様々な支持層類を利用してよい。適した支持層としては、これらに限定されないが、不織布、織布、ニット織物、発泡体層、フィルム、紙の層、裏面粘着層、箔、メッシュ、弾性のある布地(すなわち、弾性特性を有する前述の織布、ニット織物、若しくは不織布のうちいずれか)、有孔ウェブ、裏面粘着層、又はこれらの組み合わせが挙げられる。一つの代表的な実施形態では、支持層は高分子不織布を含む。適した不織の高分子布としては、これらに限定されないが、スパンボンド布地、メルトブローン布地、ステープルファイバー長さ(すなわち、約100mmよりも小さい繊維長を有する繊維)のカードウェブ、ニードルパンチ布地、スピリットフィルムウェブ、水流絡合ウェブ、エアレイドステープルファイバーウェブ、又はこれらの組み合わせが挙げられる。特定の代表的な実施形態では、支持層は、結合されたステープルファイバーのウェブを含む。以下に詳述するように、結合は、例えば、熱接着、接着剤結合、粉末結合剤による結合、水流交絡、ニードルパンチ加工、カレンダ加工、又はこれらの組み合わせを使用して実行することができる。
【0110】
支持層は、複合不織布繊維物品の特定の最終用途に応じた、坪量と厚さを有してよい。本開示のいくつかの実施形態では、複合不織布繊維物品の全体の坪量及び/又は厚さは最小レベルで保持されるのが望ましい。別の実施形態では、全体の最小坪量及び/又は厚さが所定の用途において要求される場合がある。典型的には、支持層は、平方メートル当たり約150グラム(gsm)未満の坪量を有する。いくつかの実施形態では、支持層の坪量は約5.0gsm〜約100gsmである。別の実施形態では、支持層の坪量は約10gsm〜約75gsmである。
【0111】
坪量と同様に、支持層はある厚さを有してよく、この厚さは、複合不織布繊維物品の特定の最終用途に応じて変化する。典型的に、支持層の厚さは約150ミリメートル(mm)よりも小さい。いくつかの実施形態において、支持層は、約0.05mm〜約35mm、より好ましくは1.0mm〜約35mmの厚さを有する。他の実施形態において、支持層は、約1.0mm〜約25mm、より好ましくは2.0mm〜約25mmの厚さを有する。
【0112】
特定の代表的な実施形態では、支持層は、例えば、複数のマイクロ繊維であるマイクロ繊維成分を含む場合がある。このような実施形態においては、上述のサブミクロン繊維の集合を直接マイクロ繊維支持層に堆積して、多層不織布繊維ウェブを形成するのが望ましい場合がある。任意に、上述のマイクロ繊維の集合を、マイクロ繊維支持層上のサブミクロン繊維の集合と共に又はその上を覆って、配置することができる。特定の代表的な実施形態では、支持層を含む複数のマイクロ繊維は、この上層を形成するマイクロ繊維の集合と組成的に同じである。
【0113】
サブミクロン繊維成分は、所与の支持層に恒久的に又は一時的に結合される場合がある。本開示のいくつかの実施形態では、サブミクロン繊維成分は、支持層へ恒久的に結合される(すなわち、サブミクロン繊維成分は支持層へ、それと恒久的に結合されることを意図して取り付けられる)。
【0114】
本開示のいくつかの実施形態では、上述のサブミクロン繊維成分は、剥離ライナーのように支持層に暫定的に(すなわち支持層から取り外し可能に)結合される場合がある。そのような実施形態では、サブミクロン繊維成分は、暫定支持層上に所望の長さの間、支持されてよく、また所望により暫定支持層上で更に加工された後、第2の支持層へ恒久的に結合されてもよい。
【0115】
本開示の代表的な実施形態では、支持層は、ポリプロピレン繊維を含むスパンボンド布地を含む。本開示の更なる代表的な実施形態では、支持層は、ステープルファイバー長さの繊維のカードウェブを含み、この場合、ステープルファイバー長さの繊維は、(i)低融点繊維若しくはバインダ繊維と(ii)高融点繊維若しくは構造繊維とを含む。典型的に、バインダ繊維の融点と構造繊維の融点との差は少なくとも10℃超であるが、バインダ繊維の融点は、構造繊維の融点よりも少なくとも10℃低い。適したバインダ繊維類としては、これらに限定されないが、前述の高分子繊維類のうちのいずれかが挙げられる。適した構造繊維類としては、これらに限定されないが、前述の高分子繊維類のうちのいずれか、並びにセラミック繊維類、ガラス繊維類、及び金属繊維類などの無機繊維類、及びセルロース繊維類などの有機繊維類が挙げられる。
【0116】
本発明の好ましい特定の実施形態では、支持層は、ステープルファイバー長さの繊維のカードウェブを含み、ステープルファイバー長さの繊維は、PETの一成分と、PET/共PETの二成分ステープルファイバー長さの繊維を含む。1つの代表的な本発明の好ましい適実施形態においては、支持層は、ステープルファイバー長さの繊維のカードウェブを含み、この場合、ステープルファイバー長さの繊維は、(i)約20重量%の二成分バインダ繊維(Invista,Inc.(Wichita,KS)から市販されているInvista T254繊維)(12d×1.5インチ)と、(ii)約80重量%構造繊維(Invista T293 PET繊維(32d×3インチ))とを含む。
【0117】
上述のように、支持層は、1層以上を互いに組み合わせて含んでよい。代表的な一実施形態では、支持層は、不織布又はフィルムなどの第1層と、サブミクロン繊維成分とは反対側の第1層上に接着剤層とを含む。この実施形態では、接着剤層は、第1層の外表面の一部又は全体を覆っていてよい。接着剤は、感圧接着剤類、熱活性化接着剤類などを包含するいかなる既知の接着剤を含んでもよい。接着剤層が感圧接着剤を含むとき、複合不織布繊維物品は、剥離ライナーを更に含んで、感圧接着剤の一時的な保護を付与することが可能である。
【0118】
4.任意の追加層
本開示の不織布繊維ウェブは、サブミクロン繊維構成要素、支持層、又はこの双方と組み合わせて、追加層を含んでいてもよい。1層以上の追加層が、サブミクロン繊維成分の外側表面の上又は下、支持層の外側表面の下、又はこれらの上下に存在してもよい。
【0119】
適した追加の層としては、これらに限定されないが、色保有層(例えば、印刷層)、任意の前述の支持層、別個の中央繊維直径及び/又は物理的組成物を有する1層以上の追加のサブミクロン繊維成分、更なる絶縁性能のための1層以上の二次微細サブミクロン繊維層(例えば、メルトブローンウェブ又はガラス繊維布地)、発泡体、粒子の層、箔層、フィルム、装飾的な布地層、膜(すなわち、制御された透過性を有するフィルム、例えば、透析膜、逆浸透性膜など)、網状織物、メッシュ、配線網状組織若しくは管状の網状組織(すなわち、電気搬送用のワイヤー層、又は加熱ブランケット用の配線網状組織及び冷却ブランケットの中を流れる冷却剤用の管状の網状組織のような、様々な流体を搬送するための管/パイプ群の層)、あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0120】
5.任意の取り付け手段
特定の代表的な実施形態では、本開示の不織布繊維ウェブは、複合不織布繊維物品を基材に取り付けることを可能にするために1つ以上の取り付け装置を更に含む場合がある。上述のように、接着剤を使用して複合不織布繊維物品を取り付けることができる。接着剤に加えて、その他の取り付け手段を使用してもよい。好適な取り付け手段には、ネジ、釘、クリップ、ステープル、ステッチ、ねじ切り、フック及びループ材料などの機械的なファスナが含まれるが、これに限らない。
【0121】
複合不織布繊維物品を各種の基材に取り付けるために、1つ以上の取り付け手段を使用することができる。代表的基材にはこれらに限定されないが、車両構成要素;車両内装(すなわち、乗客室、モーター室、トランク等);建物の壁(すなわち、内壁表面又は外壁表面);建物の天井(すなわち、内装天井表面又は外装天井表面);建物の壁又は天井を形成するための建築材料(例えば、天井タイル、木材、石膏ボード等);部屋仕切り;金属シート;ガラス基板;ドア、窓;機械構成要素;電気器具構成要素(すなわち、室内電気器具表面又は屋外電気器具表面);パイプ又はホースの表面;コンピューター又は電子構成要素;録音又は再生装置;電気器具、コンピューターなどのハウジング又はケース、が挙げられる。
【0122】
E.不織布繊維ウェブの使用方法
本開示は、例えば表面洗浄用の吸収性拭取り布として、気体及び液体の吸収又は濾材として、及び音の吸収用のバリア材として有用な吸収性製品に有益であり得る、不織布繊維ウェブを対象とする。不織布繊維ウェブの代表的実施形態は、様々な用途での使用を可能にする構造的特徴を有し、非常に優れた吸収特性を有し、低ソリディティにより高い気孔率及び透過性を示し、及び/又は費用効果の高い方法で製造することができる。弾力性、又は、耐崩壊(例えば破壊)耐性は、本開示の代表的な好ましい実施形態の、望ましい特徴である。
【0123】
したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、多様な吸収用途における本開示の不織布繊維ウェブの使用方法もまた、目的とする。更なる態様において、本開示は、中央直径が1マイクロメートル(μm)よりも小さいサブミクロン繊維の集合と、中央直径が少なくとも1μmであるマイクロ繊維の集合とを含む不織布ウェブを含む物品に関連し、繊維の集合のうち少なくとも1つは配向されており、不織布繊維ウェブは厚さを有し、10%未満のソリディティを示す。代表的な実施形態では、この物品は、気体濾過物品、液体濾過物品、音吸収物品、表面洗浄物品、細胞増殖支持体物品、医薬品供給物品、個人衛生物品、又は創傷包帯物品として使用できる。
【0124】
例えば、本開示の低ソリディティのサブミクロン不織布繊維ウェブは、ソリディティが低いことで圧力低下が抑えられることから、気体濾過用途において有益であり得る。サブミクロン繊維ウェブは一般に、ソリディティを下げることでその圧力低下が抑えられる。本開示のソリディティの低いサブミクロン不織布ウェブの集塵の際に、より低い圧力低下をまた生じ得る。集塵用サブミクロン繊維形成の現在の技術では、より粗いマイクロ繊維ウェブに比べて、特に微細なサブミクロン繊維ウェブはソリディティがより高いことが1つの原因となり、圧力低下がかなり高い。
【0125】
加えて、サブミクロン繊維は集塵効率を改良させる可能性があるため、サブミクロン繊維を気体濾過に用いることは特に有益であり得る。特に、サブミクロン繊維は、小径の空気輸送微粒子の捕獲において、より粗い繊維よりも優れている場合がある。例えば、サブミクロン繊維は、寸法が約1000ナノメートル(nm)未満、より好ましくは約500nm未満、更により好ましくは約100nm未満、最も好ましくは約50nm未満の空気中の粒状物質を、より効率よく捕捉し得る。このような気体フィルタは、個人用呼吸保護具、暖房、換気、及び空調(HVAC)用フィルタ、自動車用エアフィルタ(例えば、自動車エンジン用エアクリーナ、自動車用排気ガス濾過、自動車の乗員室空気濾過)、及びその他の気体中粒子濾過用途において特に有用であり得る。
【0126】
また、ソリディティの低いサブミクロン繊維を本開示の不織布ウェブの形態で含有する液体フィルタは、またサブミクロンの液体中の粒状物質捕捉のために小さな孔径を維持しながら、深部捕集性能を改善させるという利点を有し得る。これらの性状は、詰まりを伴わずにチャレンジ微粒子(challenge particulates)をフィルタがより多く捕獲することを可能にすることによって、フィルタの充填性能を改善する。
【0127】
ソリディティの低いサブミクロン繊維を含有する本開示の不織布ウェブはまた、膜を支持するための好ましい基材であり得る。このソリディティの低い微細ウェブは、メンブレンの物理的支持体としてだけでなく、深さプレフィルター(depth pre-filter)としても、メンブレンの寿命を改善することができる。そのようなシステムの使用は、非常に有効な対称又は非対称メンブレンとして作用できる。そのようなメンブレンの用途としては、電解質排除、限外濾過、逆浸透、選択的結合、及び/又は吸着、及び燃料電池輸送及び反応システムが挙げられる。
【0128】
本開示のソリディティの低いサブミクロン繊維不織布ウェブは、細胞増殖を促す合成マトリックスとしてもまた有用であり得る。微細なサブミクロン繊維を伴う開かれた構造は、自然発生的システムを模倣することができ、より生体内的な挙動を促進する。これは、現在の製品(例えばDonaldson Corp.(Minneapolis,Minnesota)が市販するDonaldson ULTRA−WEB(商標)Synthetic ECMでは)、繊維マトリックス内に細胞がほとんど又は全く浸透せずに、ソリディティの高い繊維のウェブが合成支持膜として機能するのとは対照的である。
【0129】
本開示の不織布ウェブにより提供される構造はまた、表面洗浄用の拭取り布としても効果的であり、微細なサブミクロン繊維が柔らかい拭取り布を形成し、一方では、低いソリディティが洗剤貯留部及びくず捕捉用の高い気孔体積が得られるという利点をもたらす。
【0130】
特定の一代表的実施形態においては、複合不織布製品の使用方法は、一領域における音を吸収する方法を含み、この方法は領域の少なくとも一部をサブミクロン繊維成分にて囲う工程を含み、サブミクロン繊維成分は1μmよりも小さい中央繊維直径を有する繊維を含む。
【0131】
防音用途及び断熱用途では、ソリディティの低い形態の微細なサブミクロン繊維を提供することで、サブミクロン繊維の表面積をより露出させることで音吸収性が高まり、かつ、所定の坪量に対してより厚いウェブとすることで特に低周波数の音吸収性が高まる。特に断熱用途においては、サブミクロン繊維を含有するソリディティの低い微細サブミクロン繊維断熱材は、断熱空気を捕捉するためソリディティが非常に低いウェブでありながら、柔らかな感触と高いドレープ性を有するであろう。防音及び/又は断熱物品のいくつかの実施形態においては、サブミクロン繊維成分を含む不織布繊維ウェブを、単独で又は支持層上に設けて、全領域を囲んでもよい。支持層及び微細サブミクロン繊維の集合(単数又は複数)は、互いに均質に分散している必要はない。様々な孔径、高密度領域、外皮、又は流路を設ける上で、緩衝性、弾性、及び非対称充填におけるフィルタの濾材充填において利点となる場合がある。
【0132】
本開示の化学的に活性な分子を含む不織布繊維ウェブの代表的な実施形態が上記に記載され、以下に実施例により更に例示されるが、これは如何様にも本発明の領域に対して制限を課すものとして解釈されるべきではない。それとは逆に、本明細書中の説明を読むことによって、本開示の趣旨及び/又は添付の請求項の範囲を逸脱することなく当業者に示唆され得る様々な他の実施形態、修正、及びそれらの等価物に頼ることができることが明確に分かる。
【実施例】
【0133】
本開示の広範囲で示す数値的範囲及びパラメータは、近似値であるが、具体例に記載の数値は可能な限り正確に報告する。しかし、いずれの数値もそれらの各試験測定値において見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本来含有する。最低でも、特許請求の範囲への同等物の原則の適用を限定する試みとしてではなく、少なくとも各数値的パラメータは、報告された有効数字の数を考慮して、通常の四捨五入の適用によって解釈されなければならない。
【0134】
(実施例1):
ナノ繊維を作製するために、単一のノズルダイが構成された。ダイは、図2に示されるように、調節可能な中央エアジェットを有する、単一の円形繊維形成開口部からなる。ジェット及びフィルムの外形は、フィルム形成開口部の中央と同心状に位置する中央空気ノズルの寸法を使用して設定される。フィルム開口部の外径は、0.203インチ(0.516cm)であった。フィルム開口部の内径でもあるエアジェットノズルの外径は、0.200インチ(0.508cm)であった。エアジェットノズルの外側表面は、ノズルの出口端部において45°で内側にテーパ状になっており、最終的な外径は0.120インチ(0.305cm)であった。エアジェットノズルの内側表面は収束する開口部であった。エアジェットの末端部は、30°のテーパ状であり、最終的な内径は0.100インチ(0.254cm)であった。ノズルは、エアジェットノズルの末端部がダイ面から0.030インチ(0.076cm)延びるように調節された。
【0135】
ダイは電気的に加熱されて、ステンレス鋼管を使用して空気及びポリマーを供給された。ダイは、3/4インチ単軸押出機から溶融ポリマーを供給された。使用されるポリマーは、Total Petrochemicals(Houston,Texas)からの、等級3960ポリプロピレンであった。空気はハウスエアコンプレッサから、空気流を制御するように圧力調節器を使用してダイに供給された。
【0136】
ダイ温度は330°に設定された。空気圧は20psi(138kPa)に、周囲温度で設定された。ポリマー流量は、1ポンド(0.45kg)/時間であった。製造される繊維のサンプルは、手持ち式スクリーンを使用してノズルの下に回収され、走査電子顕微鏡を使用して測定された。電子顕微鏡写真を使用して、サンプルからの合計187繊維が測定された。平均直径は0.755μmであることが判明し、中央直径は0.578μmであることが判明した。
【0137】
(実施例2):
実施例1と同じダイに、図3に図示されるものと同じ代替エアノズル設計が適合された。この場合におけるエアノズルは、エアノズルのエッジに沿って複数の又は一連の尖った歯を含む、不規則な先端部を有した。エアジェットノズルは、0.198インチ(0.503cm)の外径を有した。ノズルの端部には、「鋸歯」を形成する一連の対称な三角形の切断部、すなわち複数の歯を含む鋸歯状エッジが存在し、それによってノズル端部の縁部周囲に鋸歯状パターンを生じた。合計20の三角形の歯がノズルの周辺部の周囲に均等に離間した。切断部に含まれる角度は30°であり、切断部は未画定の縁部を残さずに連続的なパターンを生成した。ジェットノズルの内部は、ノズル先端部の端部をできる限り鋭くするような様式で、12°の角度で外側にテーパ状であった。ジェットノズルがテーパ状になる前の、直径は0.120インチ(0.305cm)であった。ダイは、三角形の切断部の基部がダイ面と同じ高さであり、先端部がダイ面を超えて延びるように調節された。
【0138】
同じ押出成形システムが実施例1で使用された。ダイ温度は340°であった。使用されるポリマーは、LyondellBasell(Rotterdam,Netherlands)からの等級MF650Yであった。空気は、70psi(483kPa)圧力及び周囲温度で提供された。製造される繊維のサンプルは、手持ち式スクリーンを使用して回収され、走査電子顕微鏡を使用して測定された。合計153の繊維が、電子顕微鏡写真を使用して測定された。平均直径は0.842μmであり、中央直径は0.803μmであった。
【0139】
本明細書全体において、「一実施形態」「特定の実施形態」「1つ以上の実施形態」又は「ある実施形態」というときは、「実施形態」という用語の前に「代表的」という用語を含むか否かにかかわらず、実施形態に関して説明される具体的な特徴、構造、材料、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の随所における「1つ以上の実施形態では」「特定の実施形態では」「一実施形態では」又は「ある実施形態では」といった表現があっても、必ずしも本発明の同一の実施形態を指すわけではない。更に、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の好適な方法で1つ以上の実施形態に組み合わされてよい。
【0140】
本明細書で特定の代表的実施形態を詳細に説明したが、当然のことながら、当業者は上述の説明を理解した上で、これらの実施形態の代替物、変更物、及び均等物を容易に想起することができるであろう。したがって、本開示は本明細書で以上に述べた例示の実施形態に不当に限定されるべきではないと理解すべきである。特に、本明細書で用いるとき、端点による数値範囲が記載される場合、その範囲内に包含される全ての数を含むことを意図する(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。加えて、本文書中、使用されている全ての数字は用語「約」によって修飾されているとみなされる。更に、本明細書にて参照される全ての出版物、公開された特許出願、及び付与された特許は、それぞれの個々の出版物又は特許が参照により援用されることを明確にかつ個別に指示したかのごとく、それらの全体が同じ範囲で、参照により本明細書に援用される。様々な代表的実施形態を上で説明した。上記及び他の実施形態は、「特許請求の範囲」の開示内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1末端部を有する第1導管と、
前記第1導管の周囲に同心状に位置付けられ、前記第1末端部の近位に第2末端部を有する第2導管と、を含み、
前記第1導管及び第2導管は前記第1導管と前記第2導管との間に環状チャネルを形成し、更に、
前記第1末端部は前記第2末端部を超えて軸方向外側に延びる、ノズル。
【請求項2】
前記第1末端部の近位の前記環状チャネルの少なくとも一部が前記第1導管の方に向けられる、請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記第1末端部がほぼ円形の縁部によって画定される、請求項1に記載のノズル。
【請求項4】
前記ほぼ円形の縁部が、前記縁部の周囲に鋸歯パターンを生じる複数の歯を含む鋸歯状のエッジを含む、請求項3に記載のノズル。
【請求項5】
前記第1末端部が、前記第2末端部を超えて軸方向外側に、少なくとも0.1mm延びる、請求項1に記載のノズル。
【請求項6】
第1末端部が、前記第2末端部を超えて軸方向外側に、最大5mm延びる、請求項5に記載のノズル。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項による少なくとも1つのノズルを含む、ダイ。
【請求項8】
複数の前記ノズルを含む、請求項7に記載のダイ。
【請求項9】
前記複数のノズルは、いずれかの列のノズルから放出される繊維流が、飛んでいる間に他のいずれかの列から放出される繊維流と実質的に重ならないように、複数の列に配置される、請求項8に記載のダイ。
【請求項10】
不織布繊維ウェブを形成するための装置であって、
流動性材料源と、
加圧気体源と、
請求項7に記載のダイであって、前記環状チャネルが前記流動性材料源に接続され、前記第1導管が前記加圧気体源に接続される、ダイと、
前記ダイを出た後に、前記流動性材料を回収するためのコレクタであって、前記流動性材料は前記コレクタ上に不織布材料ウェブとして実質的に固形で回収される、コレクタとを含む、装置。
【請求項11】
複数のサブミクロン繊維を形成するシステムであって、
流動性材料流と、
加圧気体流と、
請求項7に記載のダイであって、前記環状チャネルが前記流動性材料流と流体連通し、前記第1導管が前記加圧気体流と流体連通する、ダイと、オプションとして、
前記ダイを出た後に、複数の不織布繊維として前記流動性材料を回収するコレクタであって、前記複数の繊維は前記コレクタ上に不織布繊維ウェブとして実質的に固形で回収される、コレクタとを含む、システム。
【請求項12】
前記流動性材料流が溶融ポリマーを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記加圧気体流が圧縮空気を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
不織布繊維ウェブの作製方法であって、
流動性材料源を提供する工程と、
加圧気体流を提供する工程と、
請求項7に記載のダイを提供する工程と、
前記流動性材料源と流体連通するように前記環状チャネルを配置する工程と、
前記加圧気体流と流体連通するように前記第1導管を配置する工程と、
前記ダイを出た後に、複数の不織布繊維として前記流動性材料を回収する工程であって、前記複数の繊維は不織布繊維ウェブとして実質的に固形で回収される、工程とを含む、不織布繊維ウェブを作製する方法。
【請求項15】
前記流動性材料流が溶融ポリマーを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記加圧気体流が圧縮空気を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の繊維が、約0.2μmから約0.9μmの範囲の中央繊維直径を有するサブミクロン繊維の集合を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の繊維が高分子繊維を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記高分子繊維が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリブテン、ポリ乳酸、ポリビニールアルコール、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、液晶ポリマー、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリアクリロニトリル、環状ポリオレフィン、ポリオキシメチレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、又はこれらの組み合わせを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記高分子繊維がポリオレフィン繊維を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記回収された不織布繊維ウェブを、点結合、スルーエア結合、接着結合、カレンダ加工、水流交絡、ニードルパンチング又はこれらの組み合わせから選択される、少なくとも1つの続く処理工程に供することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
不織布繊維ウェブの作製方法であって、
a.請求項7に記載のダイを使用して、1マイクロメートル(μm)よりも小さい中央繊維直径を有する、サブミクロン繊維の集合を形成する工程と、
b.中央繊維直径が少なくとも1μmであるマイクロ繊維の集合を形成する工程と、
c.前記サブミクロン繊の維集合と前記マイクロ繊維の集合を不織布繊維ウェブに組み合わせる工程であって、前記繊維の集合の少なくとも1つが、実質的に配向された繊維を含み、更に前記不織布繊維ウェブが厚さを有し、10%未満のソリディティを呈する、工程とを含む、方法。
【請求項23】
前記サブミクロン繊維の集合が、約0.1μm〜約0.9μmの範囲の中央繊維直径を有する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記マイクロ繊維の集合が、約1μm〜約50μmの範囲の中央繊維直径を有する、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記サブミクロン繊維の集合及び前記マイクロ繊維の集合のうち少なくとも1つが、ポリマー繊維を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記高分子繊維が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリブテン、ポリ乳酸、ポリビニールアルコール、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、液晶ポリマー、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリアクリロニトリル、環状ポリオレフィン、ポリオキシメチレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、又はこれらの組み合わせを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記高分子繊維がポリオレフィン繊維を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記サブミクロン繊維の集合が、前記マイクロ繊維の集合を含む下層の上に上層として形成される、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
前記サブミクロン繊維の集合及び前記マイクロ繊維の集合が堆積される、支持層を形成する工程を更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記支持層が、不織布、織布、編布、発泡体層、フィルム、紙の層、裏面粘着層、又はこれらの組み合わせを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記支持層が高分子不織布を含む、請求項29に記載のウェブ。
【請求項32】
前記支持層が、ステープルファイバーが結合されたウェブを含み、更に、前記支持層が、熱結合、接着剤結合、粉末バインダ、水流交絡、ニードルパンチ、カレンダ加工、又はこれらの組み合わせを用いて結合される、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記上層とは反対側の前記支持層に隣接する接着剤層を塗布する工程を更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記マイクロ繊維の集合の一部が、前記サブミクロン繊維の集合を含む下層の上に上層を形成する、請求項22に記載の方法。
【請求項35】
前記上層とは反対側の前記下層に隣接する支持層を更に備える、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記支持層が、複数のマイクロ繊維を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記支持層を含む前記複数のマイクロ繊維が、前記上層を形成する前記マイクロ繊維の集合と組成的に同一である、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記サブミクロン繊維の集合が、前記マイクロ繊維の集合と混合されて、不均質な繊維混合物を形成する、請求項22に記載の方法。
【請求項39】
前記マイクロ繊維の数に対する前記サブミクロン繊維の数の比が、前記不織布繊維ウェブの厚さにわたって変化する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記マイクロ繊維の数に対する前記サブミクロン繊維の数の前記比が前記不織布繊維ウェブの厚さにわたって減少する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記マイクロ繊維の数に対する前記サブミクロン繊維の数の前記比が、前記不織布繊維ウェブの厚さの半分で画定される中心線の近位のピーク値から、前記不織布繊維ウェブの主表面における、より低い値まで変化する、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
少なくとも1μmの中央繊維直径を有するマイクロ繊維の集合を形成する工程が、メルトブロー法、溶融紡糸、フィラメント押出成形、又はこれらの組み合わせを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項43】
前記サブミクロン繊維及び前記マイクロ繊維を不織布繊維ウェブに組み合わせる工程が、繊維流の混合、水流交絡、湿式形成、プレキシフィラメント形成、又はこれらの組み合わせを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項44】
気体濾過物品、液体濾過物品、音吸収物品、表面洗浄物品、細胞増殖支持体物品、医薬品供給物品、個人衛生物品、及び創傷包帯物品からなる群から選択される、請求項22に記載の方法で調製される前記不織布繊維ウェブを含む物品。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−503979(P2013−503979A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527067(P2012−527067)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/047141
【国際公開番号】WO2011/028661
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】