説明

ナビゲーションシステム間の時間関係情報を推定するための方法および装置

少なくとも1つの推定時間関係パラメータを使用する位置/速度推定プロセスを採用することによって、ファーストタイムツーフィックスをできるだけ低減するために、および/または場合によっては、デバイスのパフォーマンスまたは効率を高めるために様々な電子デバイス中に実装され得る方法および装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する主題は、電子デバイスに関し、より詳細には、複数のナビゲーションシステムから衛星測位システム(SPS:satellite positioning system)信号を受信することが可能なデバイス中で使用するおよび/またはそれとともに使用するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、デジタル情報領域において最も普及した技術の1つに急速になりつつある。衛星サービスおよびセルラー電話サービスならびに他の同様の無線通信ネットワークは、すでに地球全体に広がっている。さらに、(固定用と携帯用の両方の)極めて多くのデバイス間の接続性を提供するために様々なタイプおよびサイズの新しい無線システム(たとえば、ネットワーク)が日々追加されている。これらの無線システムの多くは、他の通信システムおよびリソースを介して互いに結合されて、情報のさらにより多くの通信および共有を促進する。
【0003】
別の一般的な、重要性が増している無線技術として、ナビゲーションシステムがあり、特に、たとえば、全地球測位システム(GPS)および/または他の同様の全地球航法衛星システム(GNSS)を含む衛星測位システム(SPS)とともに使用することが可能であるナビゲーションシステムがある。SPS対応デバイスは、たとえば、GNSSの周回軌道衛星および/または他の地上ベース送信デバイスによって送信される無線SPS信号を受信し得る。受信したSPS信号は、たとえば、SPS対応デバイスの対応するGNSSシステム時間、距離または擬似距離、おおよそのまたは正確な地理的ロケーション、高度、および/または速度を判断するために処理され得る。したがって、少なくとも部分的にSPS対応デバイスを使用する様々な位置および/または速度推定プロセスが提供され得る。
【0004】
いくつかのデバイスは、2つ以上のGNSSまたは他の同様のナビゲーションシステムによって送信されるSPS信号を受信し、処理することを可能にされ得る。たとえば、いくつかのデバイスは、GPSと、たとえば、GalileoまたはGLONASSなどの1つまたは複数の他のGNSSとから、あるいはGalileoとGLONASSとから、あるいは他の同様の組合せからSPS信号を受信することが可能な1つまたは複数のSPS受信機を含み得る。各GNSSは、それの特定のクロックに基づく特定の対応する「システム時間」を有する。そのようなシステム時間の間には差があり得るので、ある時間における位置および/または速度推定プロセスのために異なるGNSS信号の混合を使用することは困難であり得る。したがって、この理由および/または他の理由のために、いくつかの状況において位置および/または速度推定プロセスのために異なるGNSS信号の混合を使用することを可能にする技法を採用することが有用であり得る。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの態様によれば、いくつかの状況においてナビゲーションサービスおよび/または他の同様のプロセスのパフォーマンスを改善するために、衛星測位システム(SPS)受信機を有するデバイス中の様々な方法および装置を通して実装され得る技法を提供する。ここで、たとえば、少なくとも1つの推定時間関係パラメータに少なくとも部分的に基づいて、ファーストタイムツーフィックスを低減するために、および/または場合によっては、デバイスが少なくともそれの現在の推定位置を判断するパフォーマンスまたは効率を高めるためにいくつかの技法が実装され得る。そのような技法は、たとえば、デバイスが、デバイスと1つまたは複数のナビゲーションシステムとの間の時間関係に関する情報を何らかの方法で推定あるいは判断することを可能にすることによって、(1つまたは複数の)システム時間を判断することに費やされる時間期間を低減し得る。
【0006】
いくつかの例示的な実装形態では、少なくとも第1および第2のナビゲーションシステムに関連するSPS信号を受信し、処理することが可能なデバイス中に、方法が実装され得る。本方法は、デバイスと第1のナビゲーションシステムと第2のナビゲーションシステムとに関連する推定時間バイアス(TB:time bias)パラメータを生成することと、推定TBパラメータに少なくとも部分的に基づいて、デバイスと、第1または第2のナビゲーションシステムのいずれかの少なくとも1つの宇宙ビークル(SV:space vehicle)とに対応する擬似距離(PR:pseudorange)測定値を選択的に生成することとを含み得る。本方法はまた、PRに少なくとも部分的に基づいてデバイスの推定位置を生成することを含み得る。
【0007】
いくつかの例示的な実装形態では、第1のナビゲーションシステムは、第1のシステム時間に動作可能に関連し得、第2のナビゲーションシステムは、動的に変化するオフセット値だけ第1のシステム時間からオフセットされた第2のシステム時間に動作可能に関連し得る。ここで、たとえば、方法はさらに、動的に変化するオフセット値に関連する時間オフセット(TO:time offset)パラメータに少なくとも部分的に基づいて、推定TBパラメータを生成することを含み得る。いくつかのさらなる例示的な実装形態では、方法は、デバイスに関連する差分グループ遅延(GD)パラメータにさらに少なくとも部分的に基づいて、推定TBパラメータを生成することを含み得る。ここで、たとえば、差分GDパラメータがあらかじめ決定され得る。他の例示的な実装形態では、方法は、温度パラメータおよび/または前に記憶されたTBパラメータのうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、差分GDパラメータを生成することを含み得る。さらに他の例示的な実装形態では、方法は、TOパラメータを受信すること、および/または前に記憶されたTBパラメータおよび/または差分GDパラメータに少なくとも部分的に基づいてTOパラメータを生成することを含み得る。
【0008】
いくつかの例示的な実装形態では、方法は、推定TBパラメータに関連する少なくとも1つの不確実性測定値に少なくとも部分的に基づいて、推定TBパラメータが使用のために容認でき得ることを検証することを含み得る。
【0009】
いくつかの例示的な実装形態では、方法は、第1のナビゲーションシステムに関連する第1の複数のSPS信号を取得することであって、第1のナビゲーションシステムに関連する利用可能なSPS信号の第1の総数は、デバイスの推定位置を計算するためのSPS信号の最小数を満たさない、取得することと、第2のナビゲーションシステムに関連する少なくとも1つのSPS信号を取得することであって、第2のナビゲーションシステムに関連する利用可能なSPS信号の第2の総数は、デバイスの推定位置を計算するためのSPS信号の最小数を満たさない、取得することとを含み得る。ただし、ここで、本方法を仮定すれば、互いに合計されたときに、利用可能なSPS信号の第1および第2の総数は、デバイスの推定位置を計算するためのSPS信号の最小数を満たし得る。例として、いくつかの実装形態では、デバイスの推定位置を計算するためのSPS信号の最小数は、高度パラメータが利用可能である場合は3または4であり、利用可能でない場合は4または5であり得る。
【0010】
以下の図を参照しながら非限定的で非網羅的な態様について説明し、別段の規定がない限り、様々な図の全体を通して、同様の参照番号は同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、一実装形態による、少なくとも1つの推定時間関係パラメータに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも部分的に1つまたは複数の位置および/または速度(たとえば、位置/速度)推定プロセスをサポートすることが可能な少なくとも1つのデバイスを含む例示的なシグナリング環境を示す概略ブロック図。
【図2】図2は、一実装形態による、少なくとも1つの推定時間関係パラメータを使用する位置/速度推定プロセスを採用することが可能な、たとえば、図1に記載の例示的なデバイスのいくつかの特徴を示す概略ブロック図。
【図3】図3は、一実装形態による、少なくとも1つの推定時間関係パラメータを使用する位置/速度推定プロセスを実行するために、たとえば、図2に記載のデバイス中に全体的にまたは部分的に実装され得る例示的なプロセスを示す流れ図。
【詳細な説明】
【0012】
いくつかの例示的な実装形態によれば、衛星測位システム(SPS)受信機を有するデバイスは、いくつかの状況においてナビゲーションサービスおよび/または他の同様のプロセスのパフォーマンスを改善するための方法を実装することによって、利益を得ることがある。ここで、たとえば、少なくとも1つの推定時間関係パラメータに少なくとも部分的に基づいて、ファーストタイムツーフィックスを低減するために、および/または場合によっては、デバイスがそれの現在の推定位置/速度を判断するパフォーマンスまたは効率を高めるために、いくつかの技法が実装され得る。そのような技法は、たとえば、デバイスが、デバイスと1つまたは複数のナビゲーションシステムとの間の時間関係に関する情報を何らかの方法で推定あるいは判断することを可能にすることによって、(1つまたは複数の)システム時間を判断することに費やされる時間期間を低減し得る。
【0013】
例として、いくつかの態様によれば、少なくとも第1および第2のナビゲーションシステムに関連するSPS信号を受信し、処理することが可能なデバイスは、推定時間バイアス(TB)パラメータがアクセスおよび/または場合によっては判断される方法を実装し得る。推定TBパラメータは、デバイスと第1のナビゲーションシステムと第2のナビゲーションシステムとに関連し得る。たとえば、推定TBパラメータは、第1のナビゲーションシステムの第1のシステム時間と第2のナビゲーションシステムの第2のシステム時間との間の、動的に変化するオフセット値に関連する時間オフセット(TO)パラメータを考慮し得る。そのような推定TBパラメータは、デバイスに関連する差分グループ遅延(GD)パラメータをも考慮し得る。
【0014】
本方法はまた、推定TBパラメータに少なくとも部分的に基づいて、デバイスと、第1または第2のナビゲーションシステムのいずれかの少なくとも1つの宇宙ビークル(SV)とに対応する擬似距離(PR)測定値を選択的に判断することを含み得る。本方法はまた、そのようなPR測定値に少なくとも部分的に基づいて、デバイスの推定位置および/または推定速度を判断することを含み得る。
【0015】
以下でより詳細に説明するように、いくつかの事例では、TOパラメータがSVまたは他のデバイスによって送信あるいは供給され得る。いくつかの他の事例では、たとえば、前に記憶されたTBパラメータおよび/または差分GDパラメータに少なくとも部分的に基づいて、TOパラメータが判断され得る。いくつか事例では、たとえば、差分GDパラメータが、あらかじめ決定されるか、あるいは、温度パラメータおよび/または前に記憶されたTBパラメータに少なくとも部分的に基づいて判断され得る。
【0016】
いくつかの例示的な実装形態では、方法は、推定TBパラメータが使用のために容認できることを検証することを含み得る。たとえば、そのような検証は、推定TBパラメータおよび/またはそのようなものを判断するために使用されていることがある他のパラメータに関連する少なくとも1つの不確実性測定値に少なくとも部分的に基づき得る。ここで、たとえば、不確実性測定値は、「エイジ(age)」および/または推定TBパラメータを判断するために使用される情報に関連する他の同様のファクタに関係し得る。
【0017】
いくつかの例示的な実装形態では、PR測定値を選択的に判断するため、および/または利用可能なSPS信号の数と対応するソースとに基づいて位置/速度を推定するために、方法が実装され得る。したがって、たとえば、デバイスは、第1のナビゲーションシステムに関連する第1の複数のSPS信号を取得し得るが、第1のナビゲーションシステムに関連する利用可能なSPS信号の第1の総数は、推定位置/速度を計算するために必要とされるSPS信号の最小しきい値数を満たすことができないことがある。しかしながら、そのようなデバイスは、第2のナビゲーションシステムに関連する少なくとも1つのSPS信号をも取得し得る。ただし、ここで、第2のナビゲーションシステムに関連する利用可能なSPS信号の第2の総数も、推定位置/速度を計算するためのSPS信号の最小しきい値数を満たすことができないことがある。いくつかの事例では、互いに合計されたときに、利用可能なSPS信号の第1および第2総数は、SPS信号の最小しきい値数を満たし得る。いくつかの事例では、異なるナビゲーションシステム関連PRR測定値の混合を用いて計算される速度ソリューションは、TBパラメータも、未知の任意のインターGNSSバイアスのモデリングも必要としないことがある。
【0018】
したがって、いくつかの例示的な事例では、本明細書で提供する技法は、第1のナビゲーションシステム中のSVのためのいくつかのPRと少なくとも第2のナビゲーションシステム中のSVのための少なくとも1つのPR測定値とがデバイスの位置を推定するために使用され得るように、推定TBパラメータまたは他の同様の時間関係パラメータを推定あるいは判断することを可能にすることによって、タイムツーファーストフィックスを早め得る。
【0019】
例として、デバイスの推定位置/速度を計算するためのSPS信号の最小しきい値数は、高度パラメータまたは他の同様の高度仮定が利用可能である場合は3であり得る。そうでない場合、たとえば、デバイスの推定位置/速度を計算するためのSPS信号の最小しきい値数は4であり得る。したがって、たとえば、そのようなしきい値が、少なくとも3つのSPS信号が必要とされることを指定する場合、3つのSPS信号のうちの2つが第1のナビゲーションシステムに関連し得、残りのSPS信号が第2のナビゲーションシステムに関連し得る。たとえば、そのようなしきい値が、少なくとも4つのSPS信号が必要とされることを指定する場合、SPS信号のうちの2つまたは3つが第1のナビゲーションシステムに関連し得、1つまたは2つのSPS信号が第2のナビゲーションシステムに関連し得る。この例では、そのような混合GNSSソリューションを計算するためのSPS信号の最小しきい値数は、(たとえば、実装に関する高度と同様に)TBパラメータがソリューション中の制約として使用するのに利用可能であると仮定する。そのような制約が利用可能でない場合、そのような混合GNSSソリューションのためのSPS信号の最小数は、1だけ増加され得る(たとえば、高度パラメータがある場合は4、ない場合は5)。
【0020】
限定ではなく例として、本明細書で説明するいくつかの例示的な方法および装置は、複数のGNSSおよび/または他の同様のナビゲーションシステム、および/またはそれらの組合せに関連する様々な測位プロセス(たとえば、ナビゲーションサービス)の一部としておよび/またはそれを動作可能にサポートするために実装され得る。そのような測位プロセスは、たとえば、「スタンドアロン」モードで動作するデバイスによって実行され得る。他の例では、そのような測位プロセスは、1つまたは複数の他のデバイスからの援助を受けて「アシスト」モードで動作するデバイスによって実行され得る。たとえば、いくつかの例示的な実装形態では、デバイスは、1つまたは複数の他のデバイスから支援を受けることも受けないこともある移動局(MS:mobile station)の形態をとり得る。
【0021】
また、後続のセクションでより詳細に説明するように、本明細書で使用するSPSは、位置/速度推定プロセスを何らかの方法で提供する、および/または場合によってはサポートすることが可能である、様々な同様のまたは異なるタイプのシステム、デバイス、プロセスなどを含み得る。限定ではなく例として、いくつかの例示的な実装形態では、SPSは、SPS対応デバイスによって取得され得るSPS信号を送信する、複数の対応するSV、および/またはスードライトなどの1つまたは複数の地上ベースネットワーク/デバイスを各々が有する、全地球測位システム(GPS)、GLONASS、Galileoなどの1つまたは複数のGNSSを含み得る。
【0022】
本明細書で使用する位置/速度推定プロセスは、デバイスが関与し得る、デバイス中のSPS受信機および/またはデバイスに結合されるが外部にあるSPS受信機よって取得される少なくとも1つのSPS信号に関連するSPS関連情報に何らかの方法で少なくとも部分的に基づく、プロセスを含み得る。いくつかの例示的な実装形態では、位置/速度推定プロセスは、ローカルに維持される測定情報に基づいてデバイスによって与えられる位置/ナビゲーション機能を含み得る。いくつかの他の例示的な実装形態では、位置/速度推定プロセスは、ホストデバイスと1つまたは複数の他のデバイスとの間で通信されるSPS関連情報に少なくとも部分的に基づいてホストデバイスからの支援を受けて1つまたは複数の他のデバイスによって部分的に与えられる位置/ナビゲーション機能を含み得る。
【0023】
次に図1を参照すると、図1は、例示的な実装形態による、ここで示すように、時間オフセット(TO)パラメータ122を備えるメッセージ120を含み得る1つまたは複数の送信され受信されたSPS信号112に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも部分的に1つまたは複数の位置/速度推定プロセスをサポートすることが可能な少なくとも1つのデバイス102を含む例示的なシグナリング環境100を示す概略ブロック図である。
【0024】
環境100は、SPS106からの1つまたは複数のSPS信号112に少なくとも部分的に基づいて、デバイス102に関する位置/速度推定プロセスの少なくとも何らかの形態を与えることが可能な様々な計算リソースおよび通信リソースを含み得る。したがって、デバイス102は、SPS信号に少なくとも部分的に基づいて、位置/速度推定プロセスの支援を受けてまたは受けずに実行することが可能である電子デバイスを表す。したがって、デバイス102は、少なくとも1つのSPS受信機104を含むか、または場合によっては動作可能に結合され得る。したがって、たとえば、デバイス102は、いくつかの実装形態では、スタンドアロンナビゲーション回路またはデバイスの形態をとり得る。
【0025】
他の実装形態では、図1に示す例に示すように、デバイス102は、他の回路105などを含み得、これにより、デバイス102は他のプロセスを実行および/またはサポートすることが可能になる。限定ではなく例として、デバイス102は、基地局114または他の同様のアクセスポイント、ならびに/あるいはTOパラメータ122および/または他の同様のナビゲーションシステムおよび/またはSPS時間関係情報を送信し得る他のシステムに結合された1つまたは複数の無線通信リンク150を介して無線/ワイヤード通信ネットワーク116内の1つまたは複数のリソースと通信することも可能であり得るモバイルまたはポータブルコンピューティングデバイスまたは機械の形態をとり得る。
【0026】
デバイス102は、たとえば、セルラー電話、スマートフォン、携帯情報端末、ポータブルコンピューティングデバイス、ナビゲーションユニットなど、またはそれらの任意の組合せなどの移動局(MS)を含み得る。他の例示的な実装形態では、デバイス102は、別のデバイス中で使用することが実効的に可能であり得る1つまたは複数の集積回路、回路板などの形態をとり得る。
【0027】
デバイス102は、たとえば、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)などの様々な無線通信ネットワークとともに使用することが可能であり得る。「ネットワーク」および「システム」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)ネットワークなどであり得る。CDMAネットワークは、ほんのいくつかの無線技術を挙げれば、cdma2000、Wideband−CDMA(W−CDMA)などの1つまたは複数の無線アクセス技術(RAT)を実装し得る。この場合、cdma2000は、IS−95規格、IS−2000規格、およびIS−856規格に従って実装される技術を含み得る。TDMAネットワークは、Global System for Mobile Communications(GSM)(登録商標)、Digital Advanced Mobile Phone System(D−AMPS)、または何らかの他のRATを実装し得る。GSM(登録商標)およびW−CDMAは、「3rd Generation Partnership Project」(3GPP)という名称の組織からの文書に記載されている。cdma2000は、「3rd Generation Partnership Project 2」(3GPP2)という名称の組織からの文書に記載されている。3GPPおよび3GPP2の文書は公に入手可能である。たとえば、WLANは、IEEE802.11xネットワークを含み、WPANは、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、IEEE802.15xを含み得る。
【0028】
図1の例に示すように、SPS106は、たとえば、1つまたは複数のGNSS108または他の同様のナビゲーションシステムを含み得、ここでは(第1の)GNSS108−1と(第2の)GNSS108−2とが示されており、それらの各々は、異なるSPS信号112を送信し得る異なる複数のSV110を含み得る。図示のように、いくつかのSPS信号は、TOパラメータ122を備えるメッセージ120(たとえば、ナビゲーションメッセージ)を含み得る。図示のように、SPS106は、たとえば、いくつかのSPS信号112を送信し得る1つまたは複数のスードライト111および/または他の同様の送信デバイスを含み得る。また、図示のように、いくつかの実装形態では、TOパラメータ122を与えるメッセージ120などは、ネットワーク116を介して、それに結合された1つまたは複数の他のデバイス/リソースからデバイス102に送信あるいは供給され得る。
【0029】
上述のように、本明細書で説明する技法は、たとえば、GNSSおよび/またはGNSSの組合せ、あるいは他の地域/ローカルナビゲーションシステムなどの様々なナビゲーションシステムを含むSPSとともに使用され得る。さらに、そのような技法は、スードライトまたは宇宙ビークル(SV)とスードライトとの組合せを利用するナビゲーションシステムとともに使用され得る。スードライト111は、たとえば、PNコードまたは(たとえば、GPSまたはCDMAセルラー信号と同様の)他のレンジングコードをブロードキャストする地上送信機を含み得る。そのような送信機には、遠隔受信機による識別を可能にするように一意のPNコードが割り当てられ得る。スードライトは、たとえば、トンネルの中、鉱山内、建築物の中、都市ビルの谷間または他の閉じられた区域内などの、軌道を回るSVからのSPS信号が利用できないことがある状況においてSPSを補強するのに有用であり得る。スードライトの別の実装形態は無線ビーコンとして知られている。本明細書で使用する「SV」という用語は、スードライト、スードライトの等価物、および場合によっては他のものを含むものとする。本明細書で使用する「SPS信号」という用語は、スードライトまたはスードライトの等価物からのSPS様の信号を含むものとする。
【0030】
次に、SPS信号を処理する、デバイス102などの1つまたは複数のデバイス中に全体的にまたは部分的に実装され得るいくつかの例示的な方法および装置について説明する。例として、1つまたは複数のデバイス102は、TOパラメータに少なくとも部分的に基づく推定TBパラメータを少なくとも識別することが可能な専用のおよび/または特殊目的のプログラム回路を含み得る。
【0031】
図2の例示的な概略ブロック図に示すように、いくつかの例示的な実装形態では、デバイス102は、少なくとも1つのSPS信号112を含むRF信号を受信することが可能なSPS受信機104を含み得る。SPS受信機104は、たとえば、バックエンドプロセッサ(処理ユニット)210に結合されたRFフロントエンド回路208を含み得る。RFフロントエンド回路208は、たとえば、1つまたは複数のGNSSまたは他の同様のナビゲーションシステム信号を表す1つまたは複数の電子信号を生成し得る。いくつかの実装形態では、バックエンドプロセッサ210は、たとえば、メモリ204に記憶された情報の全部または一部などの情報を確立するために、RFフロントエンド回路208からの1つまたは複数の電子信号を使用し得る。
【0032】
様々な形態/タイプの情報がメモリ204に記憶され得る。限定ではなく例として、図2に示すように、メモリ204は、1つまたは複数の推定TBパラメータ240および場合によっては1つまたは複数の対応する不確実性測定値244、1つまたは複数の前に記憶されたTBパラメータ242、1つまたは複数のTOパラメータ122、1つまたは複数のGDパラメータ246、1つまたは複数のPR測定値248、1つまたは複数のPRR測定値250、高度パラメータ252、1つまたは複数の温度パラメータ254、1つまたは複数の推定位置256、1つまたは複数の推定速度258、1つまたは複数のしきい値(たとえば、SPS信号の最小数)260、および/またはそれらの任意の組合せなどを記憶することができる、メモリ204は、その中に様々な他のデータとコンピュータ実装可能命令270とを記憶していることがある。そのような命令は、たとえば、1つまたは複数の処理ユニットまたはプロセッサ202/210によって実行され得る。
【0033】
いくつかの例示的な実装形態では、SPS受信機104および/または(1つまたは複数の)処理ユニット202/210は、たとえば、1つまたは複数の接続206を介して、メモリ204に記憶された情報の少なくとも一部分などを表す1つまたは複数の電子信号を交換することを可能にされ得る。
【0034】
上述のように、いくつかの例示的な実装形態では、デバイス102内に示す回路のうちの1つまたは複数は、メモリ204に記憶され得るコンピュータ実装可能命令270に動作可能に応答するか、または場合によってはそれによって何らかの方法で影響を及ぼされ得る。したがって、たとえば、コンピュータ実装可能命令270の少なくとも一部分は、本明細書で説明する技法を実現するか、または何らかの方法で動作可能にサポートするために、(1つまたは複数の)処理ユニット202/210、バックエンドプロセッサ210、通信ネットワークインターフェース230などによって実装され得る。いくつかの実装形態では、(1つまたは複数の)処理ユニット202/210のうちの1つまたは複数とバックエンドプロセッサ210とが同じ回路またはいくつかの共通回路を備え得ることを認識されたい。
【0035】
図2に示すように、ここでコンピュータ可読媒体220によって表される製造品を設け、たとえば、(1つまたは複数の)処理ユニット202/210によってアクセスされ得る。したがって、いくつかの例示的な実装形態では、本方法および/または装置は、全体的にまたは部分的にコンピュータ可読媒体220の形態をとり得、コンピュータ可読媒体220は、その上に記憶されたコンピュータ実装可能命令270を含み、コンピュータ実装可能命令270は、少なくとも1つの処理ユニットまたは他の同様の回路によって実行されると、(1つまたは複数の)処理ユニット202/210および/または他の同様の回路が本明細書の例で提示した技法/プロセスの全部または一部を実行することを可能にすることが可能である。コンピュータ可読媒体220は、任意のデータ記憶機構を表し得る。
【0036】
(1つまたは複数の)処理ユニット202/210は、ハードウェアまたはハードウェアとソフトウェアの組合せで実装され得る。(1つまたは複数の)処理ユニット202/210は、データコンピューティング手順またはプロセスの少なくとも一部分を実行するように構成可能な1つまたは複数の回路を表し得る。限定ではなく例として、(1つまたは複数の)処理ユニット202/210は、1つまたは複数のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路、デジタル信号プロセッサ、プログラマブル論理デバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイなど、またはそれらの任意の組合せを含み得る。
【0037】
メモリ204は、任意のデータ記憶機構を表し得る。たとえば、メモリ204は、1次メモリおよび/または2次メモリを含み得る。たとえば、1次メモリは、ランダムアクセスメモリ、読取り専用メモリなどを含み得る。この例では、(1つまたは複数の)処理ユニット202/210とは別個のものとして示しているが、1次メモリの少なくとも一部分は(1つまたは複数の)処理ユニット202/210内に設けられるか、または場合によっては(1つまたは複数の)処理ユニット202/210、SPS受信機104、バックエンドプロセッサ210などと共設/結合され得ることを理解されたい。たとえば、2次メモリは、1次メモリ、および/または1つまたは複数のデータ記憶デバイスまたはシステム、たとえば、ディスクドライブ、光ディスクドライブ、テープドライブ、固体メモリドライブなどと同じまたは同様のタイプのメモリを含み得る。いくつかの実装形態では、2次メモリは、コンピュータ可読媒体220を動作可能に受容するか、または場合によってはそれに結合するように構成され得る。
【0038】
図2にさらに示すように、デバイス102は、様々な回路を一緒に動作可能に結合し、それらの間で1つまたは複数の電子信号を搬送するための1つまたは複数の接続206(たとえば、バス、ライン、導体、ファイバーなど)と、ユーザ入力を受信するため、および/またはユーザに情報を与えるためのユーザインターフェース214(たとえば、ディスプレイ、タッチスクリーン、キーパッド、ボタン、ノブ、マイクロフォン、スピーカーなど)とを含み得る。デバイス102は、通信リンク(たとえば、図1のリンク150)を介して1つまたは複数の他のデバイスとの通信を可能にするために、通信ネットワークインターフェース230(たとえば、無線トランシーバ、モデム、アンテナなど)を含み得る。
【0039】
図2にさらに示すように、デバイス102は、1つまたは複数のセンサ280を含み得る。たとえば、センサ280は、高度パラメータ252を確立するか、または確立するのを助けるための高度センサまたは他の同様のセンサ/機能を備え得る。ここで、たとえば、高度パラメータ252が利用可能であるいくつかの事例では、利用可能なSPS信号のしきい値数を小さくして位置/速度が推定され得る。たとえば、センサ280は、温度パラメータ254を確立するか、または確立するのを助けるための温度センサまたは他の同様のセンサ/機能を備え得る。温度パラメータ254は、たとえば、デバイス102の1つまたは複数の回路の測定および/または推定温度および/またはそれに関連する環境/構造を表し得る。ここで、たとえば、温度パラメータ254が利用可能であるいくつかの例では、GDパラメータ246は、より正確に判断され得る。図2にさらに示すように、いくつかの例示的な実装形態では、SPS受信機104は、1つまたは複数のセンサ280を含み得る。センサ280は、たとえば、別個の回路として実装されるか、または他の回路と統合され得る。
【0040】
次に図3を参照すると、図3は、一実装形態による、たとえば図2に記載のデバイス中に全体的にまたは部分的に実装され得、タイムツーファーストフィックスを低減し、歩留まりを改善し、および/または場合によってはそのようなデバイスのパフォーマンスを改善し得る、例示的なプロセス300を示す流れ図である。
【0041】
ブロック302において、SPS信号の全部または一部を表す1つまたは複数の電子信号を受信し、および/または場合によっては取得する。そのようなSPS信号は、少なくとも第1および第2のナビゲーションシステムを含む、複数のナビゲーションシステムに関連し得る。たとえば、複数のナビゲーションシステムのうちの1つまたは複数がGNSSを含み得る。
【0042】
ブロック304において、推定TBパラメータを判断し、および/または場合によっては取得する。ここで、たとえば、推定TBパラメータは、デバイス、第1のナビゲーションシステム、第2のナビゲーションシステム、および/またはそれらの一部分の間のタイミング関係に動作可能に関連し得る。いくつかの例示的な実装形態では、ブロック306において、TOパラメータに少なくとも部分的に基づいて推定TBパラメータを判断する。たとえば、ブロック308において、SVからTOパラメータを受信し、および/または場合によっては、デバイスに結合された1つまたは複数の他のデバイスおよび/またはネットワークからまたはそれを通して取得する。例として、TOパラメータは、ナビゲーションまたは他の同様のメッセージの一部としてGNSSによって送信され得る。例として、TOパラメータは、ナビゲーション支援または他の同様のメッセージおよび/またはプロセスの一部としてネットワークインターフェースを通してネットワークを介して受信され得る。
【0043】
いくつかの実装形態では、TBパラメータが、未知数としてモデル化され、複数のGNSSからのPR測定値を使用する位置ソリューションにおいて直接計算され得る。TBのそのような新たに計算された値は、TOのための新しい値を判断するためにGDの既存の値とともに使用され得、および/またはGDのための新しい値を判断するためにTOの既存の値とともに使用され得る。さらに、TBの新しい値は、このソリューションにおける制約として後で使用するために(たとえば、不確実性がある状態で)直接保存され得る。
【0044】
いくつかの例示的な実装形態では、ブロック310において、前に記憶されたTBパラメータおよび/または差分GDパラメータに少なくとも部分的に基づいてTOパラメータを判断する。たとえば、いくつかの実装形態では、TOパラメータは、前に記憶されたTBパラメータから差分GDパラメータを減算することによって判断され得る。前に記憶されたTBパラメータは、たとえば、方法300の以前の成功した動作によって前に判断された推定TBパラメータを備え得る。いくつかの例示的な実装形態では、前に記憶されたTBパラメータは、1つまたは複数の他の技法を使用して前に判断されたTBパラメータを備え得る。たとえば、前に記憶されたTBパラメータは、第1および第2のナビゲーションシステムを独立して使用して行われた前の位置フィックスに基づいて判断され得る。位置フィックスがTBパラメータを計算するために、たとえば、両方のGNSSからのPR測定値がこのソリューションにおいて使用され得る。そのような例示的な実装形態では、TBパラメータは、(たとえば、単一のGNSSソリューションの未知のものに加えて)このソリューションにおける未知のものとしてモデル化され得る。
【0045】
ブロック312において、たとえば、いくつかの実装形態では、差分GDパラメータを判断する。ここで、たとえば、差分GDパラメータは、温度パラメータに少なくとも部分的に基づいて判断され得る。したがって、たとえば、そのような差分GDパラメータは、測定された、推定された、および/または場合によっては取得された温度またはデバイスに関連する温度(たとえば、いくつかの回路、構造、環境などの温度)に基づいて変化し得る信号処理時間を考慮に入れ得る。いくつかの例示的な実装形態では、そのような判断をサポートするために、ルックアップテーブル、コンピュータ実装可能モデル、および/または他の同様の機能が与えられ得る。いくつかの事例では、1つまたは複数の回路構成要素および/またはデバイスのエイジが考慮に入れられることがある。
【0046】
いくつかの実装形態では、差分GDパラメータを判断するために前に記憶されたTBパラメータが使用され得る。たとえば、差分GDパラメータは、前に記憶されたTBパラメータからTOパラメータを減算することによって判断され得る。
【0047】
ブロック314において、差分GDパラメータに少なくとも部分的に基づいて推定TBパラメータを判断する。たとえば、いくつかの実装形態では、推定TBパラメータは、TOパラメータと差分GDパラメータとを一緒に合計することによって判断され得る。
【0048】
ブロック316において、PR測定値を判断する。たとえば、PR測定値は、ブロック304において判断された推定TBパラメータに少なくとも部分的に基づいて判断され得る。たとえば、推定TBパラメータは、SPS信号の送信から受信までの伝搬時間を判断あるいは推定するときに使用され得る。
【0049】
いくつかの例示的な実装形態では、推定TBパラメータを使用して、その推定TBパラメータが「検証」テストに合格するかどうかに基づいて、PR測定値が選択的に判断され得る。たとえば、ブロック318において、少なくとも1つの不確実性測定値に少なくとも部分的に基づいて、推定TBパラメータを、使用のために容認できるものとして検証する。例として、「検証」テストにおいて使用される不確実性測定値は、対応する推定TBパラメータの「エイジ」を識別するのに役立ち得るタイムスタンプおよび/または他の同様の情報を備え得る。ブロック318において、推定TBパラメータの妥当性が確認されなかった(検証テストに不合格になった)場合、方法300は、たとえば、終了するか、またはリスタートし得る。ブロック318において、推定TBパラメータの妥当性が確認された(検証テストに合格した)場合、方法300は、たとえば、ブロック318および320に進み得る。
【0050】
ブロック320において、推定位置および/または推定速度を判断する。たとえば、推定位置および/または推定速度は、ブロック316において判断された少なくとも1つのPR測定値に少なくとも部分的に基づいて判断され得る。
【0051】
そのような動作可能な置換および/または適用可能な変換は、特定のシステムおよび関与する情報に応じて様々な形態をとり得ることを当業者は認識されよう。
【0052】
このことを念頭に置いて、次に、本明細書で説明する技法の潜在的な使用法および/または利益の一部をさらに示すために非限定的な例示的な状況を提示する。以下の例は、2つの例示的なGNSS、すなわち、GPSとGLONASSとに関連するSPS信号を受信し処理することが可能なデバイスについての位置ソリューションを判断することを対象とする。
【0053】
GPSまたはGLONASS受信機は、送信機受信機間信号送信時間の測定値があるとすれば、位置を推定し得る。ローカルSPS受信機クロックをGNSSのシステムクロックと同期することができないので、この送信時間を直接測定することは不可能であり得る。たとえば、得られた測定値は、ローカルクロック誤差に等しい量だけ実際の送信時間とは異なり得る。したがって、SPS受信機は、送信機受信機間距離の擬似測定値または「擬似距離」(PR)測定値を構築し得る。したがって、GPS PR測定値は、GPSクロック(たとえば、GPSシステム時間)に関するローカルクロック誤差だけ測定距離からオフセットされる。同様に、GLONASS擬似距離測定値は、GLONASSクロック(たとえば、GLONASSシステム時間)に関するローカルクロック誤差だけ測定距離からオフセットされる。
【0054】
したがって、位置/速度を推定するためにGPS測定値とGLONASS PR測定値の両方を使用するSPS受信機は、2つのGNSSシステムクロック間のローカルオフセットを判断することから利益を得ることがある。GPSシステムクロックとGLONASSシステムクロックとの間のサブ第2のオフセット、たとえば、GPS−GLONASS間時間オフセット(GGTO:GPS to GLONASS Time Offset)は、約+/−2.0ミリ秒のダイナミックレンジを有する傾向がある。GGTOは、2つの原子クロックまたは他の同様のクロックの間のオフセットを表すので、時間とともに変化する傾向がある。GGTOは、おそらく2つの原子クロック間のオフセットに関係するので、GGTOは、一般に、GDよりも経時的に安定する。SPS受信機は、GPSシステムクロックとGLONASSシステムクロックとの間の追加のオフセットをもたらす傾向がある。ここで、たとえば、差分GDは、GPSとGLONASSとから受信される異なるSPS信号のために与えられるRF経路間の差によって生じることがある。そのような差分GDパラメータは、温度に応じて変化する傾向がある。たとえば、差分GDパラメータの大きさは、約1.0マイクロ秒未満であり得る。
【0055】
したがって、GPS測定値とGLONASS PR(またはPRR)測定値との両方を使用するSPS受信機は、たとえば、GGTOと差分GDとの複合効果を考慮することによって利益を得ることがある。したがって、いくつかの例示的な実装形態では、GPSシステムクロックとGLONASSシステムクロックと間のこのローカルに観測されるオフセットは、GGTOと差分GDとの和であり、時間バイアス(TB:time bias)と呼ばれることがあり、以下の例ではGPSツーGLONASS時間バイアス(GGTB:GPS to GLONASS Time Bias)である。
【0056】
したがって、GPS測定値とGLONASS PR測定値の両方を含む位置/速度ソリューションは、追加の未知パラメータGGTBのために、単一のGNSSからの測定値を用いるソリューションと比較して1つの追加の測定値を使用し得る。
【0057】
本明細書で提示する技法は、たとえば、SPS受信機および/または同様のデバイスにおけるタイムツーフィックスと歩留まりとを改善し得る推定TBパラメータを与えるために実装され得る。たとえば、本明細書で提示する技法は、GGTBパラメータ、GDパラメータ、およびGGTOパラメータの維持および使用を可能にする。これらの3つのパラメータは、いくつかの例では、独立ソースから判断され得、および/または場合によってはそれから学習され得る。いくつかの実装形態では、位置を計算しようと試みるSPS受信機は、推定TBパラメータ(ここでは、推定GGTBパラメータ)を判断する際にパラメータの不確実性について考慮し得る。
【0058】
推定GGTBパラメータを制約パラメータとして使用することで、たとえば、位置ソリューションが不可能ではなくとも場合によっては困難である場合に、位置ソリューションを可能にし得る。例として、位置ソリューションは、ソリューションにおける制約または高度パラメータとして地球表面が利用可能であり、少なくとも1つがGPSベースであり、少なくとも1つがGLONASSベースである3つのPR測定値があるとすれば、判断され得る。位置ソリューションは、制約および/または高度パラメータとして地球表面が利用可能でない場合、4つのPR測定値のうちの少なくとも1つがGPSベースであり、少なくとも1つがGLONASSベースである4つのPR測定値があるとすれば、判断され得る。さらに、いくつかの例示的な実装形態では、GPS−GLONASS複合ソリューションが場合によっては可能であるとき、精度を改善するために、GGTBパラメータが使用され得る。
【0059】
GGTBとGDとGGTOとの3つのパラメータを判断するためのいくつかの例示的な技法について以下で説明する。ここで、たとえば、そのようなパラメータのうちの1つまたは複数は、パラメータの不確実性がモデル化されるか、または場合によってはそのエイジに応じて何らかの方法で判断され得るように、タイムスタンプが付けられ、記憶され得る。いくつかの実装形態では、GNSS受信機に固有のGDの平均値または他の同様の値が、アプリオリに判断され得る。そのようなアプリオリGD推定値は、たとえば、GGTBを直接判断するために使用され得るが、その誤差は、温度に応じて変化し得る。アプリオリGDの不確実性は、固定値であり得る。GDパラメータは、温度ルックアップテーブルを通して、および/または同じくアプリオリに判断され得る同様の関数の使用を通して推定され得る。たとえば、GGTOパラメータは、GLONASS M衛星のナビゲーションメッセージ中で直接与えられ得る。推定GGTBパラメータは、たとえば、位置ソリューションによって、またはGGTOパラメータとGDパラメータとを使用することに少なくとも部分的に基づいて直接判断され得る。前に記憶されたGGTBパラメータまたは推定GGTBパラメータは、GGTOパラメータを判断するために、GDパラメータと組み合わされ得る。同様に、前に記憶されたGGTBパラメータまたは推定GGTBパラメータは、GDパラメータを判断するために、GGTOパラメータと組み合わされ得る。
【0060】
本明細書全体にわたる「一例」、「例」、「いくつかの例」、または「例示的な実装形態」という言及は、特徴および/または例に関して説明する特定の特徴、構造、または特性が、請求する主題の少なくとも1つの特徴および/または例の中に含まれ得ることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる様々な場所における「一例では」、「例」、「いくつかの例では」もしくは「いくつかの実装形態では」という句、または他の同様の句の出現は、必ずしもすべてが同じ特徴、例、および/または限定を指すわけではない。さらに、それらの特定の特徴、構造、または特性を組み合わせて1つまたは複数の例および/または特徴にすることができる。
【0061】
本明細書で説明した方法は、特定の特徴および/または例に従って適用例に応じて様々な手段によって実装され得る。たとえば、そのような方法は、ソフトウェアとともにハードウェア、ファームウェア、および/またはそれらの組合せで実装され得る。ハードウェア実装の場合、たとえば、処理ユニットは、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSP)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明する機能を実行するように設計された他のデバイスユニット、および/またはそれらの組合せの中で実装され得る。
【0062】
上記の詳細な説明では、請求する主題の完全な理解を与えるために多数の具体的な詳細を記載した。ただし、請求する主題は、これらの具体的な詳細なしに実施され得ることが当業者には理解されよう。他の例では、請求する主題を不明瞭にしないように、当業者には既知であろう方法および装置については詳細に説明していない。
【0063】
上記の詳細な説明のいくつかの部分は、特定の装置または特殊目的コンピューティングデバイスまたはプラットフォームのメモリ内に記憶された2値デジタル電子信号の演算のアルゴリズムまたは記号表現に関して提示した。この特定の明細書のコンテキストでは、特定の装置などの用語は、プログラムソフトウェアからの命令に従って特定の関数を実行するようにプログラムされた後の汎用コンピュータを含む。アルゴリズムの説明または記号表現は、信号処理または関連技術において当業者が、それらの仕事の本質を他の当業者に伝達するために使用する技法の例である。アルゴリズムは、本明細書では、また一般に、所望の結果をもたらす自己無撞着な一連の演算または同様の信号処理であると考えられる。このコンテキストでは、演算または処理は物理量の物理操作に関係する。必ずしもそうとは限らないが、一般に、電子信号は情報を表すので、そのような量は、格納、転送、組合せ、比較、または他の操作が可能な、電気信号または磁気信号の形態をとり得る。主に一般的な用法という理由で、そのような信号をビット、データ、値、要素、記号、文字、項、数、数字、情報などと呼ぶことは時々便利であることがわかっている。ただし、これらおよび同様の用語はすべて、適切な物理量に関連すべきものであり、便利なラベルにすぎないことを理解されたい。別段に明記されていない限り、本明細書での説明から明らかなように、本明細書全体にわたって、「処理する」、「算出する」、「計算する」、「識別する」、「判断する」、「確立する」などの用語を利用する説明は、専用コンピュータまたは同様の専用電子コンピューティングデバイスなど、特定の装置の動作またはプロセスを指すことを諒解されたい。したがって、本明細書のコンテキストで、専用コンピュータまたは同様の専用電子コンピューティングデバイスは、専用コンピュータまたは同様の専用電子コンピューティングデバイスのメモリ、レジスタ、または他の情報記憶デバイス、送信デバイス、あるいは専用コンピュータまたは同様の専用電子コンピューティングデバイスのディスプレイデバイス内の電子的または磁気的な物理量として一般に表される信号を操作または変換することが可能である。この特定の特許出願のコンテキストでは、「特定の装置」という用語は、プログラムソフトウェアからの命令に従って特定の関数を実行するようにプログラムされた汎用コンピュータを含み得る。
【0064】
現在例示的な特徴と考えられていることを例示し説明したが、請求する主題を逸脱することなく、他の様々な変形を行うことができ、均等物を代用することができることが、当業者には理解されよう。さらに、本明細書に記載の中心概念から逸脱することなく、請求する主題の教示に特定の状況を適合させるために多くの変更を行い得る。
【0065】
したがって、請求する主題は、開示された特定の例に限定されず、そのような請求する主題は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るすべての態様、およびその均等物をも含むものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1および第2のナビゲーションシステムに関連する衛星測位システム(SPS)信号を受信し、処理することが可能なデバイスを用いて、
前記デバイスと前記第1のナビゲーションシステムと前記第2のナビゲーションシステムとに関連する推定時間バイアス(TB)パラメータを表す1つまたは複数の電子信号を生成することと、
前記推定TBパラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記デバイスと、前記第1または第2のナビゲーションシステムのいずれかの少なくとも1つの宇宙ビークル(SV)とに対応する擬似距離(PR)測定値を表す1つまたは複数の電子信号を選択的に生成することと、
前記PRに少なくとも部分的に基づいて前記デバイスの推定位置を表す1つまたは複数の電子信号を生成することと
を備える、方法。
【請求項2】
前記第1のナビゲーションシステムが第1のシステム時間に動作可能に関連し、前記第2のナビゲーションシステムが、動的に変化するオフセット値だけ前記第1のシステム時間からオフセットされた第2のシステム時間に動作可能に関連し、前記デバイスを用いて、
前記動的に変化するオフセット値に関連する時間オフセット(TO)パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記推定TBパラメータを表す前記1つまたは複数の電子信号を生成すること
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記推定TBパラメータを表す前記1つまたは複数の電子信号を生成することが、
前記デバイスに関連する差分グループ遅延(GD)パラメータにさらに少なくとも部分的に基づいて、前記推定TBパラメータを表す前記1つまたは複数の電子信号を生成すること
をさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記デバイスを用いて、
前記TOパラメータを表す1つまたは複数の電子信号を受信すること、および/または
前に記憶されたTBパラメータおよび/または差分グループ遅延(GD)パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記TOパラメータを表す1つまたは複数の電子信号を生成すること
のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記差分GDパラメータがあらかじめ決定される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記デバイスを用いて、
温度パラメータおよび/または前に記憶されたTBパラメータのうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、前記差分GDパラメータを表す1つまたは複数の電子信号を生成すること
をさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記PR測定値を表す前記1つまたは複数の電子信号を選択的に生成することが、
前記推定TBパラメータに関連する少なくとも1つの不確実性測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記推定TBパラメータが使用のために容認できることを検証すること
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記デバイスを用いて、
前記第1のナビゲーションシステムに関連する第1の複数のSPS信号を表す1つまたは複数の電子信号を取得することであって、前記第1のナビゲーションシステムに関連する利用可能なSPS信号の第1の総数が、前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の最小数を満たさない、取得することと、
前記第2のナビゲーションシステムに関連する少なくとも1つのSPS信号を表す1つまたは複数の電子信号を取得することであって、前記第2のナビゲーションシステムに関連する利用可能なSPS信号の第2の総数が、前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の前記最小数を満たさないが、互いに合計される利用可能なSPS信号の前記第1および第2の総数が、前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の前記最小数を満たす、取得することと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の前記最小数は、高度パラメータが利用可能である場合は3であり、利用可能でない場合は4である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の前記最小数は、高度パラメータが利用可能である場合は4であり、利用可能でない場合は5である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1および/または第2のナビゲーションシステムのうちの少なくとも1つがGlobal Navigation Satellite System(GNSS)を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも第1および第2のナビゲーションシステムに関連する衛星測位システム(SPS)信号を受信するための手段と、
少なくとも前記第1および第2のナビゲーションシステムに関連する推定時間バイアス(TB)パラメータを判断するための手段と、
前記推定TBパラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1または第2のナビゲーションシステムのいずれかの少なくとも1つの宇宙ビークル(SV)に対応する擬似距離(PR)測定値を選択的に判断するための手段と、
前記PR測定値に少なくとも部分的に基づいて前記デバイスの推定位置を判断するための手段と
を備える、装置。
【請求項13】
前記第1のナビゲーションシステムが第1のシステム時間に動作可能に関連し、前記第2のナビゲーションシステムが、動的に変化するオフセット値だけ前記第1のシステム時間からオフセットされた第2のシステム時間に動作可能に関連し、
前記動的に変化するオフセット値に関連する時間オフセット(TO)パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記推定TBパラメータを判断するための手段
をさらに備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記デバイスに関連する差分グループ遅延(GD)パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記推定TBパラメータを判断するための手段
をさらに備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記TOパラメータを表す1つまたは複数の電子信号を受信すること、および/または
前に記憶されたTBパラメータおよび/または差分グループ遅延(GD)パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記TOパラメータを判断するための手段
のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記差分GDパラメータがあらかじめ決定される、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
温度パラメータおよび/または前に記憶されたTBパラメータのうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、前記差分GDパラメータを判断するための手段
をさらに備える、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記推定TBパラメータに関連する少なくとも1つの不確実性測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記推定TBパラメータが使用のために容認できることを検証するための手段
をさらに備える、請求項12に記載の装置。
【請求項19】
前記第1のナビゲーションシステムに関連する第1の複数のSPS信号を表す1つまたは複数の電子信号を取得するための手段であって、前記第1のナビゲーションシステムに関連する利用可能なSPS信号の第1の総数が、前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の最小数を満たさない、取得するための手段と、
前記第2のナビゲーションシステムに関連する少なくとも1つのSPS信号を表す1つまたは複数の電子信号を取得するための手段であって、前記第2のナビゲーションシステムに関連する利用可能なSPS信号の第2の総数が、前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の前記最小数を満たさないが、互いに合計される利用可能なSPS信号の前記第1および第2の総数が、前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の前記最小数を満たす、取得するための手段と
をさらに備える、請求項12に記載の装置。
【請求項20】
前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の前記最小数は、高度パラメータが利用可能である場合は3であり、利用可能でない場合は4である、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の前記最小数は、高度パラメータが利用可能である場合は4であり、利用可能でない場合は5である、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記第1および/または第2のナビゲーションシステムのうちの少なくとも1つがGlobal Navigation Satellite System(GNSS)を備える、請求項12に記載の装置。
【請求項23】
少なくとも第1および第2のナビゲーションシステムを備える複数のナビゲーションシステムからの複数の異なる衛星測位システム(SPS)信号に関連する情報を記憶したメモリと、
少なくとも前記第1および第2のナビゲーションシステムに関連する推定時間バイアス(TB)パラメータを判断することと、前記推定TBパラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1または第2のナビゲーションシステムのいずれかの少なくとも1つの宇宙ビークル(SV)に対応する擬似距離(PR)測定値を選択的に判断することと、前記PR測定値のうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいてに少なくとも部分的に基づいて前記デバイスの推定位置を判断することとを行うために前記メモリに動作可能に結合された少なくとも1つの処理ユニットと
を備える、装置。
【請求項24】
前記第1のナビゲーションシステムが第1のシステム時間に動作可能に関連し、前記第2のナビゲーションシステムが、動的に変化するオフセット値だけ前記第1のシステム時間からオフセットされた第2のシステム時間に動作可能に関連し、前記少なくとも1つの処理ユニットが、前記動的に変化するオフセット値に関連する時間オフセット(TO)パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記推定TBパラメータを判断する、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つの処理ユニットが、前記デバイスに関連する差分グループ遅延(GD)パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記推定TBパラメータを判断する、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記メモリおよび/または前記少なくとも1つの処理ユニットのうちの少なくとも1つに動作可能に結合された受信機をさらに備え、前記受信機が、前記TOパラメータを受信し、前記メモリおよび/または前記少なくとも1つの処理ユニットのうちの少なくとも1つに前記TOパラメータを供給する、請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記少なくとも1つの処理ユニットが、前に記憶されたTBパラメータおよび/または差分グループ遅延(GD)パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記TOパラメータを判断する、請求項24に記載の装置。
【請求項28】
前記差分GDパラメータがあらかじめ決定される、請求項25に記載の装置。
【請求項29】
前記少なくとも1つの処理ユニットが、温度パラメータおよび/または前に記憶されたTBパラメータのうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、前記差分GDパラメータを判断する、請求項25に記載の装置。
【請求項30】
前記少なくとも1つの処理ユニットが、前記推定TBパラメータに関連する少なくとも1つの不確実性測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記推定TBパラメータが使用のために容認できることを検証する、請求項23に記載の装置。
【請求項31】
前記メモリに記憶された前記情報の少なくとも一部分が、前記第1のナビゲーションシステムに関連する第1の複数のSPS信号に関連し、前記第1のナビゲーションシステムに関連する利用可能なSPS信号の第1の総数が、前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の最小数を満たさず、
前記メモリに記憶された前記情報の少なくとも別の一部分が、前記第2のナビゲーションシステムに関連する少なくとも1つのSPS信号に関連し、前記第2のナビゲーションシステムに関連する利用可能なSPS信号の第2の総数も、前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の前記最小数を満たさないが、互いに合計される利用可能なSPS信号の前記第1および第2の総数が、前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の前記最小数を満たす、請求項23に記載の装置。
【請求項32】
前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の前記最小数は、高度パラメータが利用可能である場合は3であり、利用可能でない場合は4である、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の前記最小数は、高度パラメータが利用可能である場合は4であり、利用可能でない場合は5である、請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記第1および/または第2のナビゲーションシステムのうちの少なくとも1つが全地球航法衛星システム(GNSS)を備える、請求項23に記載の装置。
【請求項35】
電子デバイス中の1つまたは複数の処理ユニットによって実行されることに応答して、前記電子デバイスが、
少なくとも第1および第2のナビゲーションシステムに関連する衛星測位システム(SPS)信号を取得することと、
前記第1および第2のナビゲーションシステムに関連する推定時間バイアス(TB)パラメータを判断することと、
前記推定TBパラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1または第2のナビゲーションシステムのいずれかの少なくとも1つの宇宙ビークル(SV)に対応する擬似距離(PR)測定値を選択的に判断することと、
前記PR測定値に少なくとも部分的に基づいて前記デバイスの推定位置を判断することと
を行うことを可能にする、コンピュータ実装可能命令を記憶したコンピュータ可読媒体
を備える、物品。
【請求項36】
前記第1のナビゲーションシステムが第1のシステム時間に動作可能に関連し、前記第2のナビゲーションシステムが、動的に変化するオフセット値だけ前記第1のシステム時間からオフセットされた第2のシステム時間に動作可能に関連し、
前記動的に変化するオフセット値に関連する時間オフセット(TO)パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記推定TBパラメータを判断するための手段
をさらに備える、請求項35に記載の物品。
【請求項37】
前記コンピュータ実装可能命令は、前記電子デバイス中の前記1つまたは複数の処理ユニットによって実行されることに応答して、前記電子デバイスが、
前記デバイスに関連する差分グループ遅延(GD)パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記推定TBパラメータを判断すること
を行うことをさらに可能にする、請求項36に記載の物品。
【請求項38】
前記コンピュータ実装可能命令は、前記電子デバイス中の前記1つまたは複数の処理ユニットによって実行されることに応答して、前記電子デバイスが、
前記TOパラメータを表す1つまたは複数の電子信号を取得すること、および/または
前に記憶されたTBパラメータおよび/または差分グループ遅延(GD)パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記TOパラメータを判断すること
を行うことをさらに可能にする、請求項36に記載の物品。
【請求項39】
前記差分GDパラメータがあらかじめ決定される、請求項37に記載の物品。
【請求項40】
前記コンピュータ実装可能命令は、前記電子デバイス中の前記1つまたは複数の処理ユニットによって実行されることに応答して、前記電子デバイスが、
温度パラメータおよび/または前に記憶されたTBパラメータのうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、前記差分GDパラメータを判断すること
を行うことをさらに可能にする、請求項37に記載の物品。
【請求項41】
前記コンピュータ実装可能命令は、前記電子デバイス中の前記1つまたは複数の処理ユニットによって実行されることに応答して、前記電子デバイスが、
前記推定TBパラメータに関連する少なくとも1つの不確実性測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記推定TBパラメータが使用のために容認できることを検証すること
を行うことをさらに可能にする、請求項35に記載の物品。
【請求項42】
前記コンピュータ実装可能命令は、前記電子デバイス中の前記1つまたは複数の処理ユニットによって実行されることに応答して、前記電子デバイスが、
前記第1のナビゲーションシステムに関連する第1の複数のSPS信号を表す1つまたは複数の電子信号を取得することであって、前記第1のナビゲーションシステムに関連する利用可能なSPS信号の第1の総数が、前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の最小数を満たさない、取得することと、
前記第2のナビゲーションシステムに関連する少なくとも1つのSPS信号を表す1つまたは複数の電子信号を取得することであって、前記第2のナビゲーションシステムに関連する利用可能なSPS信号の第2の総数が、前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の前記最小数を満たさないが、互いに合計される利用可能なSPS信号の前記第1および第2の総数が、前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の前記最小数を満たす、取得することと
を行うことをさらに可能にする、請求項35に記載の物品。
【請求項43】
前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の前記最小数は、高度パラメータが利用可能である場合は3であり、利用可能でない場合は4である、請求項42に記載の物品。
【請求項44】
前記デバイスの前記推定位置を計算するためのSPS信号の前記最小数は、高度パラメータが利用可能である場合は4であり、利用可能でない場合は5である、請求項42に記載の物品。
【請求項45】
前記第1および/または第2のナビゲーションシステムのうちの少なくとも1つがGlobal Navigation Satellite System(GNSS)を備える、請求項35に記載の物品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2013−510319(P2013−510319A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537969(P2012−537969)
【出願日】平成22年11月3日(2010.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/055304
【国際公開番号】WO2011/056876
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】