説明

ナビゲーション装置、ショートカットキーの表示方法およびプログラム

【課題】不要なショートカットキーの表示を無くすこと。
【解決手段】所定の目的地を指定するための少なくとも1つのショートカットキーを表示部12の画面上に表示させる出力制御部11を備えるナビゲーション装置1において、ショートカットキー17−1,17−2,17−3の個々に対応して複数の所定の目的地がそれぞれ設定可能であり、出力制御部11は、自車位置18と所定の目的地との位置関係または時間帯に応じてショートカットキー17−1,17−2,17−3に設定された複数の所定の目的地の中からいずれかを選択するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ショートカットキーの表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などのナビゲーション装置では、目的地を瞬時に設定するための固定的なショートカットキーが画面上に表示されるようになっているものがある。たとえばナビゲーション装置の画面上に、自宅を目的地として設定するためのショートカットキーを表示させておけば、ある地点から自宅に帰りたいときに、このショートカットキーを押すだけで瞬時に自宅を目的地として設定できる。
【0003】
特許文献1の提案では、画面の一部にショートカットキーとしての固定アイコンを表示する領域が設けてある。そして、この固定アイコンに対して自由に機能を設定できる。たとえば1つの固定アイコンには、当該固定アイコンを操作することにより自宅が目的地として設定される機能を設定する。さらに、他の固定アイコンには、当該固定アイコンを操作することにより会社が目的地として設定される機能を設定する。これにより、ナビゲーション装置に、ある地点から自宅または会社といった任意の目的地を瞬時に設定可能となる。
【0004】
また、特許文献2の提案では、希望する到着時刻および施設の種別についての条件を指定することにより、ナビゲーション装置の画面上に、この条件を満たす施設を目的地として設定可能なショートカットキーとしてのアイコンを表示させることができる。そして、ナビゲーション装置の画面上に表示されている条件を満たす目的地を示すアイコンを、自車位置および道路事情の少なくとも一方に応じて置き換えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−127813号公報
【特許文献2】特開2006−184096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の提案では、たとえば1つの固定アイコンAを、自宅を目的地に設定する機能に対応するショートカットキーとし、他の固定アイコンBを、会社を目的地に設定する機能に対応するショートカットキーとする。このときに、自車位置が自宅近くであるときには画面上の固定アイコンAの存在は不要になる。また、自車位置が会社近くであるときには画面上の固定アイコンBの存在は不要になる。
【0007】
すなわち、特許文献1の提案では、自車位置に応じて不要となる固定アイコンが発生するにも関わらず常時同じ固定アイコンが表示されてしまう。これにより、表示画面の有効利用が妨げられる。また、ユーザが不要となる固定アイコンを誤操作してしまう可能性が生じ、ユーザの利便性も低下する。
【0008】
また、特許文献2の提案では、ナビゲーション装置の画面上に予め設定した条件を満たすアイコンが表示される。しかしながら、特許文献2の提案では、自宅や会社などのように、頻繁に設定する目的地に対応するための固定的なアイコンの表示方法については言及していない。すなわち、特許文献2の提案は、頻繁に設定する目的地に対応するための固定的なアイコンの表示方法に係る提案ではない。
【0009】
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、不要なショートカットキーの表示を無くすことができるナビゲーション装置、ショートカットキーの表示方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの観点は、ナビゲーション装置としての観点である。すなわち、本発明のナビゲーション装置は、所定の目的地を指定するための少なくとも1つのショートカットキーを表示手段の画面上に表示させる表示制御手段を備えるナビゲーション装置において、ショートカットキーに対応して複数の所定の目的地が設定され、表示制御手段は、自車位置と所定の目的地との位置関係または時間帯に応じてショートカットキーに設定された複数の所定の目的地の中からいずれかを選択するものである。
【0011】
さらに、表示制御手段は、複数のショートカットキーの中から自車位置と所定の目的地との位置関係または時間帯またはショートカットキーの使用頻度または自車位置近傍の施設のジャンルに応じて非表示とするショートカットキーを選択するようにしてもよい。
【0012】
なお、時間帯は、ショートカットキー毎に設定されることが好ましい。
【0013】
本発明の他の観点は、ショートカットキーの表示方法としての観点である。すなわち、本発明のショートカットキーの表示方法は、所定の目的地を指定するための少なくとも1つのショートカットキーを画面上に表示するナビゲーション装置が行うショートカットキーの表示方法において、ショートカットキーに対応して複数の所定の目的地が設定され、自車位置と所定の目的地との位置関係または時間帯に応じてショートカットキーに設定された複数の所定の目的地の中からいずれかを選択するステップを有するものである。
【0014】
さらに、複数のショートカットキーの中から自車位置と所定の目的地との位置関係または時間帯またはショートカットキーの使用頻度または自車位置近傍の施設のジャンルに応じて非表示とするショートカットキーを選択するステップをさらに有するようにしてもよい。
【0015】
なお、時間帯は、ショートカットキー毎に設定されることが好ましい。
【0016】
本発明のさらに他の観点は、プログラムとしての観点である。すなわち、本発明のプログラムは、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、本発明のナビゲーション装置の表示制御手段の機能を実現するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、不要なショートカットキーの表示を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るナビゲーション装置の要部ブロック構成図である。
【図2】図1の表示制御部の動作手順を示すフローチャートである。
【図3】図1の表示制御部の動作手順を説明するための表示部の表示例を示す図である。
【図4】図1のナビゲーション装置における目的地設定の際の表示部の表示例を示す図である。
【図5】図1のナビゲーション装置におけるショートカットキー切替設定の際の表示部の表示例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態のナビゲーション装置における目的地設定画面の表示例を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るナビゲーション装置の表示部の表示例を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るナビゲーション装置における目的地設定画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(本発明の第1の実施の形態に係るナビゲーション装置1の構成について)
本発明の第1の実施の形態に係るナビゲーション装置1の構成について図1を参照して説明する。図1は、ナビゲーション装置1の要部ブロック構成図である。ナビゲーション装置1は、ナビゲーション機能部10(請求項でいう表示制御手段の一部)、出力制御部11(請求項でいう表示制御手段の主部)、表示部12(請求項でいう表示手段)、目的地記憶部13、入力操作制御部14(請求項でいう表示制御手段の一部)、操作部15、スピーカ16を備えている。なお、表示部12は、その表示画面上にタッチパネルなどの入力手段(不図示)も併せて備えているものとする。
【0020】
ナビゲーション機能部10は、自動車などのナビゲーションを行うための基本的な各種の機能を有する。たとえばナビゲーション機能部10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などから構成され、予めROMに書き込まれた制御プログラムにしたがって、車速センサ(不図示)、GPS(Global Positioning System)(不図示)などからの情報に基づいて自車をユーザが設定した目的地まで誘導する機能を有する。
【0021】
出力制御部11は、ナビゲーション機能部10からの指示に基づいて表示部12の画面上に図形や画像などの情報およびテキスト情報を表示させる。また、出力制御部11は、スピーカ16に音声情報を送出する。
【0022】
表示部12は、出力制御部11の制御に基づいて画面上に図形や画像などの情報およびテキスト情報を表示する。なお、図1の例では、表示部12の画面左下に、3つのショートカットキー17−1,17−2,17−3が表示されている。また、自車位置18および自宅位置19が表示されている。
【0023】
目的地記憶部13は、ナビゲーション機能部10から出力される目的地情報を記憶している。
【0024】
入力操作制御部14は、ユーザが各種設定を入力するための操作部15からの入力および/または表示部12に表示されているショートカットキー17−1,17−2,17−3に対応するタッチパネルからの入力を受け付ける。
【0025】
操作部15は、入力キーや押しボタンあるいは表示部12のタッチパネルとは別に設けられたタッチパネルなどを有する。ユーザが目的地情報をナビゲーション装置1に入力する際には、操作部15の入力キーまたは押しボタンによって目的地情報を入力する。操作部15から入力された目的地情報は、入力操作制御部14を介してナビゲーション機能部10に渡される。ナビゲーション機能部10は、入力操作制御部14から渡された目的地情報を目的地記憶部13に記憶させる。
【0026】
スピーカ16は、表示制御部11から出力される音声情報を音として空気中に送出する。
【0027】
(ナビゲーション装置1の動作について)
次に、ナビゲーション装置1の表示制御部11の動作について図2および図3を参照して説明する。図2は、表示制御部11の動作手順を示すフローチャートである。図3は、表示制御部11の動作を説明するための図であり、表示部12の表示例である。
【0028】
START:ナビゲーション装置1の表示制御部11は、ナビゲーション装置1に電源が投入されるとステップS1の処理へ移行する。
【0029】
ステップS1:表示制御部11は、自車位置18の情報を取得し、ステップS2の処理へ移行する。
【0030】
ステップS2:表示制御部11は、自車位置18が自宅19または会社20から半径50メートル(50m)以内か否かを判定する。すなわち、表示制御部11は、自車位置18が自宅19または会社20から半径50メートル以内の場合(ステップS2でYes)、ステップS3の処理へ移行する。一方、表示制御部11は、自車位置18が自宅19または会社20から半径50メートルを超えている場合(ステップS2でNo)、ステップS4の処理へ移行する。なお、図2の例では、一例として半径50メートルとしたがこの半径は適宜変更可能である。
【0031】
ステップS3:表示制御部11は、自車位置18が自宅19から半径50メートル以内か否かを判定する。すなわち、表示制御部11は、自車位置18が自宅19から半径50メートル以内である場合(ステップS3でYes)、ステップS5の処理へ移行する。一方、表示制御部11は、自車位置18が自宅19から半径50メートル以内でない場合(ステップS3でNo)、ステップS6の処理へ移行する。
【0032】
ステップS4:表示制御部11は、自車位置18が直線距離で会社20より自宅19に近い位置か否かを判定する。すなわち、表示制御部11は、自車位置18が直線距離で会社20より自宅19に近い位置である場合(ステップS4でYes)、ステップS5の処理へ移行する。一方、表示制御部11は、自車位置18が直線距離で会社20より自宅19に近い位置にない場合(ステップS4でNo)、ステップS6の処理へ移行する。
【0033】
ステップS5:表示制御部11は、目的地として会社20を選択し、会社20をショートカットキー(たとえば17−1とする)に割付けて処理を終了する(END)。
【0034】
ステップS6:表示制御部11は、目的地として自宅19を選択し、自宅19をショートカットキー(たとえば17−1とする)に割付けて処理を終了する(END)。
【0035】
なお、ショートカットキー17−1の対応する目的地として、予め自宅19および会社20がペアーとして設定されているものとする。このとき、他のショートカットキー17−2,17−3の対応する目的地として、自宅19、会社20以外の目的地が設定されていたとすれば、図2のフローチャートの処理によって割付けが変更になるのはショートカットキー17−1だけになる。
【0036】
また、ショートカットキー17−1,17−2,17−3への目的地の設定方法については、1つのショートカットキーに対して複数の機能を設定することができる従来から知られているあらゆる設定方法を採ることができるものとし、詳細な説明は省略する。
【0037】
次に、表示制御部11の動作を図3を参照してさらに詳細に説明する。なお、図3は、ナビゲーション装置1の表示部12の表示例であり、一点鎖線40は、表示画面を左右に分ける中心線になる。自車位置18が自宅19の半径30以内にあるとき、または、自車位置18が一点鎖線40よりも自宅寄りにあるとき、表示制御部11は、目的地として会社20を選択してショートカットキー17−1に会社20を割付ける。一方、自車位置18が会社20の半径31以内にあるとき、または、自車位置18が一点鎖線40よりも会社寄りにあるとき、表示制御部11は、目的地として自宅19を選択してショートカットキー17−1に自宅19を割付ける。
【0038】
(目的地の設定方法について)
次に、ナビゲーション装置1における目的地の設定方法について図4を参照して説明する。図4は、ナビゲーション装置1における目的地の設定画面の表示例を示す図である。
【0039】
まず、ユーザは、図1に示す表示部12の表示例のように、ナビゲーション実行中における表示画面であってもショートカットキー17−1〜17−3を操作することによって、ショートカットキー17−1〜17−3の対応する目的地については瞬時に設定することができる。
【0040】
したがって、以下の目的地の設定方法の説明は、ショートカットキー17−1〜17−3で設定可能な目的地以外の目的地を設定するときの目的地の設定方法の説明になる。
【0041】
ユーザが操作部15を操作するなどして目的地設定モードを選択すると、入力操作制御部14は、図4に示すように、表示部12に目的地設定画面を表示する。なお、本実施の形態では、入力操作制御部14が表示部12に目的地設定画面を表示するとして説明するが、入力操作制御部14が出力制御部11に目的地設定画面を表示部12に表示させるように指示してもよい。
【0042】
目的地設定画面には、名称設定用のアイコン50、施設設定用のアイコン51、住所設定用のアイコン52、電話番号設定用のアイコン53、郵便番号設定用のアイコン54、ジャンル設定用のアイコン55、およびショートカットキー17−1a,17−1b,17−2a,17−2b,17−3a,17−3bが表示される。
【0043】
名称設定用のアイコン50、施設設定用のアイコン51、住所設定用のアイコン52、電話番号設定用のアイコン53、郵便番号設定用のアイコン54、およびジャンル設定用のアイコン55は、それぞれ目的地の名称、目的地の施設の種類、目的地の住所、目的地の電話番号、目的地の郵便番号、および目的地のジャンルの種類によって、目的地を設定するためのものである。このような設定方法については従来から知られているので詳細な説明は省略する。
【0044】
このときに、自車位置18に応じてショートカットキー17−1aまたは17−1bのいずれか一方のみ、ショートカットキー17−2aまたは17−2bのいずれか一方のみ、ショートカットキー17−3aまたは17−3bのいずれか一方のみがそれぞれ表示されるようにしてもよい。
【0045】
すなわち、図4の例では、ショートカットキー17−1aには自宅、ショートカットキー17−1bには会社、ショートカットキー17−2aにはコンビニA、ショートカットキー17−2bにはコンビニB、ショートカットキー17−3aには施設C、ショートカットキー17−3bには施設Dがそれぞれ設定されている。これらのショートカットキー17−1a,17−1bのペアー、ショートカットキー17−2a,17−2bのペアー、ショートカットキー17−3a,17−3bのペアーについて、自車位置18と自宅、会社、コンビニA、コンビニB、施設C、施設Dとの関係に基づき、ショートカットキー17−1aまたは17−1bのいずれか一方のみ、ショートカットキー17−2aまたは17−2bのいずれか一方のみ、ショートカットキー17−3aまたは17−3bのいずれか一方のみがそれぞれ表示されるようにしてもよい。
【0046】
(ショートカットキー17−1a〜17−3bの切替設定について)
次に、ナビゲーション装置1におけるショートカットキー17−1a⇔17−1b、ショートカットキー17−2a⇔17−2b、ショートカットキー17−3a⇔17−3bの切替設定方法について図5を参照して説明する。図5は、ナビゲーション装置1におけるショートカットキーの切替設定画面の表示例を示す図である。
【0047】
ユーザが操作部15を操作するなどしてショートカットキーの切替設定モード(不図示)を選択すると、入力操作制御部14は、図5に示すように、表示部12にショートカットキー切替設定画面が表示される。なお、本実施の形態では、入力操作制御部14が表示部12にショートカットキー切替設定画面を表示するとして説明するが、入力操作制御部14が出力制御部11にショートカットキー切替設定画面を表示部12に表示させるように指示してもよい。
【0048】
ショートカットキー切替設定画面には、切替えを手動で行うか自動で行うかを選択するためのアイコン60,61、切替範囲(すなわち、図3の半径30,31)設定のためのアイコン62,63,64、優先表示時間指定を行うか否かを選択するためのアイコン65,66および優先表示時間指定を行う際の時間を設定するためのアイコン67,68,69が表示される。また、アイコン67,68,69に対応して時間設定を行うためのウィンドウ70,71,72が表示される。
【0049】
なお、選択されたアイコンはグレーアウトすることにより選択されていることがわかる。
【0050】
図5の例では、優先表示時間指定を行う際の時間を設定するための3つのアイコン67,68,69を図示したが、図4のショートカットキー17−1a,17−1b,17−2a,17−2b,17−3a,17−3bの6つにそれぞれ対応する6つのアイコンが表示されてもよい。
【0051】
また、図5の3つのアイコン67,68,69を用いる場合、たとえばアイコン67がショートカットキー71−1a,71−1bに対応し、アイコン68がショートカットキー71−2a,71−2bに対応し、アイコン69がショートカットキー71−3a,71−3bに対応するようにする。そしてアイコン67を操作する毎に、ショートカットキー71−1aに対する時間設定とショートカットキー71−1bに対する時間設定とが交互に入れ代わるなどとすればよい。他のアイコン68,69についても同様である。また、優先表示時間指定のアイコン65,66をアイコン67,68,69毎に設けてもよい。
【0052】
図5に示すショートカットキーの切替設定画面の表示例において、自動的にショートカットキーの切替えを行いたい場合、ユーザは、アイコン61を操作する。これにより出力制御部11は、ショートカットキー17−1a〜17−3bに対して図2のフローチャートで説明した手順により、自動的にショートカットキーの切替えを実行する。
【0053】
また、手動によりショートカットキーの切替えを行いたい場合、ユーザは、アイコン60を操作する。なお、手動による切替えについては、ここでは詳細に説明しないが、たとえば表示部12に手動切替えのためのアイコンを別途表示させ、ユーザがこのアイコンを操作する毎に、ショートカットキー17−1a,17−2a,17−3aからなるショートカットキー群とショートカットキー17−1b,17−2b,17−3bからなるショートカットキー群とが交互に切り替わるといったものである。
【0054】
また、ショートカットキー17−1a〜17−3bに対して自動的にショートカットキーの切替えを実行する際に、切替範囲の設定を行う必要がある。たとえば図3で説明した半径30,31を50mとしたい場合、ユーザは、アイコン62を操作する。また、図3で説明した半径30,31を200mとしたい場合、ユーザは、アイコン63を操作する。同様に、図3で説明した半径30,31を500mとしたい場合、ユーザは、アイコン64を操作する。これにより出力制御部11は、ショートカットキー17−1a〜17−3bにそれぞれ設定されている目的地からの半径(50m,200m,500m)以内を図2に示すフローチャートにおけるステップS2,S3の判断基準値とする。
【0055】
また、ショートカットキー17−1a〜17−3bに対して優先表示時間指定を行いたい場合、ユーザは、アイコン65を操作する。これにより出力制御部11は、ショートカットキー17−1a〜17−3bに対して優先表示時間指定を実行する。
【0056】
ここで、優先表示時間指定とは、自車位置18と目的地との関係などに関わらず、ショートカットキーを表示させておきたい時間を指定することをいう。たとえば、会社20の営業時間内は、自車位置18が会社20の近傍であっても会社20を目的地として設定するためのショートカットキーを表示しておきたいといった場合に優先表示時間指定を用いることができる。また、ショートカットキー17−1a〜17−3bに対して優先表示時間指定を実行する際には、前述したように、ショートカットキー17−1a〜17−3bに対して優先表示時間を、たとえばアイコン67(キー1),アイコン68(キー2),アイコン69(キー3)を用いて設定する。なお、設定された時間の情報は、たとえば出力制御部11内などのメモリ(不図示)に記憶される。
【0057】
さらに、出力制御部11は、ショートカットキー17−1a〜17−3bの使用頻度に応じてショートカットキー17−1a〜17−3bの表示または不表示を決定してもよい。
【0058】
この場合、たとえば入力操作制御部14は、ショートカットキー17−1a〜17−3bそれぞれの使用頻度を所定の期間にわたり計数する。
【0059】
入力操作制御部14が計数した使用頻度の情報は、たとえばナビゲーション機能部10を介して出力制御部11に渡される。出力制御部11は、入力操作制御部14が計数した使用頻度の情報に基づき使用頻度が所定の閾値未満または閾値以下のショートカットキー17−1a〜17−3bについては不表示とするようにしてもよい。
【0060】
さらに、出力制御部11は、図4の目的地設定画面により設定されたジャンルの情報に基づき、たとえば自車位置18がコンビニエンスストアの近傍である場合、ジャンル設定において「コンビニ」が設定されているショートカットキー17−1a〜17−3bについては不表示としてもよい。
【0061】
なお、これまで表示されていたショートカットキーが不表示になった場合、出力制御部11は、画面上に残っているショートカットキー同士が等間隔になるように再配置することが好ましい。また、ショートカットキーの表示領域をユーザが自由に設定可能としてもよい。
【0062】
(本発明の第1の実施の形態の効果について)
以上説明したように、ショートカットキー17−1a〜17−3bに対応して所定の目的地がそれぞれ設定され、自車位置18と所定の目的地との位置関係または設定された時間帯に応じてショートカットキー17−1a〜17−3bの対応する目的地を複数の所定の目的地の中から選択する。
【0063】
これにより、表示部12の表示画面上で不要なショートカットキー17−1a〜17−3bの表示を無くすことができる。
【0064】
さらに、ショートカットキー17−1a〜17−3bの中から自車位置18と所定の目的地との位置関係または設定された時間帯またはショートカットキー17−1a〜17−3bの使用頻度または自車位置近傍の施設のジャンルに応じて非表示とするショートカットキーを選択する。
【0065】
これにより、表示部12の表示画面上で不要なショートカットキーの表示を、様々な条件に応じて無くすことができる。
【0066】
このようにして不要なショートカットキーの表示を無くすことにより、表示画面の有効利用が図れると共に、ユーザの誤操作の可能性を排除できる。
【0067】
(本発明の第2の実施の形態に係るナビゲーション装置1Aについて)
本発明の第2の実施の形態に係るナビゲーション装置1Aついて図6を参照して説明する。図6は、ナビゲーション装置1Aにおける目的地設定画面の表示例を示す図である。なお、ナビゲーション装置1Aの構成については、ナビゲーション装置1と同じであり、単に、表示制御部11Aの処理内容が異なる。よって、ナビゲーション装置1Aの構成についての説明および図示を省略し、ナビゲーション装置1と同一の部材については同一の符号を用いる。
【0068】
第1の実施の形態では、図4に示すように、ショートカットキー17−1a⇔17−1b、ショートカットキー17−2a⇔17−2b、ショートカットキー17−3a⇔17−3bが互いにペアーになっている。そして、出力制御部11は、ショートカットキー17−1a⇔17−1b、ショートカットキー17−2a⇔17−2b、ショートカットキー17−3a⇔17−3bの各ペアー同士でその目的地のショートカットキー17−1,17−2,17−3への割付けを切り替えている。
【0069】
これに対し、第2の実施の形態では、図6に示すように、ショートカットキー17−1a,17−2a,および17−3aが1組のショートカットキー群80を形成し、ショートカットキー17−1b,17−2b,および17−3bが1組のショートカットキー群81を形成している。
【0070】
このとき出力制御部11Aは、ショートカットキー群80またはショートカットキー群81単位で目的地のショートカットキー17−1,17−2,17−3への割付けを切り替える。たとえば、ショートカットキー群80の複数のショートカットキー17−1a,17−2a,17−3aには自宅19近傍の各種施設(コンビニ、病院、学校など)を目的地として設定し、ショートカットキー群81の複数のショートカットキー17−1b,17−2b,17−3bには会社20近傍の各種施設を設定しておく。これによれば、自宅19が設定されているショートカットキー17−1aが、会社20が設定されているショートカットキー17−1bに切り替わったときに、併せてその近傍にある施設が目的地として設定されているショートカットキー17−2a,17−3aについてもショートカットキー17−2b,17−3bに切り替わる。よって、たとえば自宅19から会社20に向かう途中に会社20近傍のコンビニBに立ち寄りたいといった要求に応えることができる。
【0071】
また、このときに、前述したように、自車位置18と所定の目的地との位置関係または設定された時間帯または使用頻度または自車位置近傍の施設のジャンルに応じて非表示とするショートカットキーを選択することにより、様々な条件に対応して不要となるショートカットキーの表示を不表示とすることができる。なお、1つのショートカットキー群80,81の中で不表示となるショートカットキーと表示されるショートカットキーとが混在してもよい。
【0072】
(本発明の第2の実施の形態の効果について)
以上説明したように、ナビゲーション装置1Aによれば、複数のショートカットキーに割付けられる目的地を同時に切り替えることができる。このように、同じ地域に存在する複数の目的地に対応するショートカットキーを同時に切り替えることができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。また、様々な条件に対応して不要となるショートカットキーの表示を不表示とすることができる。これにより、表示画面の有効利用が図れると共に、ユーザが不要なショートカットキーを誤って操作することがなく、これによってもユーザの利便性を向上させることができる。
【0073】
(本発明の第3の実施の形態に係るナビゲーション装置1Bについて)
本発明の第3の実施の形態に係るナビゲーション装置1Bについて図7および図8を参照して説明する。図7は、ナビゲーション装置1Bの表示部12の表示例を示す図である。図8は、ナビゲーション装置1Bにおける目的地設定画面の表示例を示す図である。なお、ナビゲーション装置1Bの構成については、ナビゲーション装置1と同じであり、単に、出力制御部11Bの処理内容が異なる。よって、ナビゲーション装置1Bの構成についての説明および図示を省略し、ナビゲーション装置1と同一の部材については同一の符号を用いる。
【0074】
ナビゲーション装置1,1Aでは、1つのショートカットキー17−1,17−2,17−3への目的地の割付けの切替えを1対2で行う例を示したが、ナビゲーション装置1Bでは、これを1対n(nは自然数)とする。たとえば図7は、自宅19に対して2つの会社A21および会社B22を目的地として設定する例である。一点鎖線41は、表示画面の右半分を上下に2分割する中心線である。
【0075】
これによれば、表示制御部11Bは、一点鎖線40と一点鎖線41とで囲まれた領域のうちで、会社A21が含まれる領域に自車位置18がある場合、目的地として自宅19および会社B22を選択する。一方、表示制御部11Bは、一点鎖線40と一点鎖線41とで囲まれた領域のうちで、会社B22が含まれる領域に自車位置18がある場合、目的地として自宅19および会社A21を選択する。また、表示制御部11Bは、一点鎖線40から左側の領域に自車位置18がある場合、目的地として会社A21および会社B22を選択する。
【0076】
このように3箇所の目的地を設定する場合には、図8に示すように、ショートカットキー17−1a⇔17−1b⇔17−1c、ショートカットキー17−2a⇔17−2b⇔17−2c、ショートカットキー17−3a⇔17−3b⇔17−3cが表示部12に表示される。これにより、たとえばショートカットキー17−1aに自宅19を設定し、ショートカットキー17−1bに会社A21を設定し、ショートカットキー17−1cに会社B22を設定することができる。
【0077】
(第3の実施の形態の効果)
以上説明したように、ナビゲーション装置1Bでは、ショートカットキーの目的地の割付けの切り替えを1対nで行うことができる。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0078】
(プログラムの実施の形態)
ナビゲーション装置1,1A,1Bのナビゲーション機能部10、表示制御部11,11A,11B、入力操作制御部14は、所定のプログラムにより動作する汎用の情報処理装置(CPU、DSP(Digital Signal Processor)、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)など)によって構成されてもよい。例えば、汎用の情報処理装置は、メモリ、CPU、入出力ポートなどを有する。汎用の情報処理装置のCPUは、メモリなどから所定のプログラムとして制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、汎用の情報処理装置には、ナビゲーション装置1,1A,1Bのナビゲーション機能部10、出力制御部11,11A,11B、入力操作制御部14の機能が実現される。また、その他の機能(目的地機能部13の制御機能など)についてもソフトウェアにより実現可能な機能については汎用の情報処理装置とプログラムとによって実現することができる。
【0079】
なお、汎用の情報処理装置が実行する制御プログラムは、ナビゲーション装置1,1A,1Bの出荷前に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであっても、ナビゲーション装置1,1A,1Bの出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。また、制御プログラムの一部が、ナビゲーション装置1,1A,1Bの出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。ナビゲーション装置1,1A,1Bの出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶される制御プログラムは、例えば、CD−ROMなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしたものをインストールしたものであってもよい。
【0080】
また、制御プログラムは、汎用の情報処理装置によって直接実行可能なものだけでなく、ハードディスクなどにインストールすることによって実行可能となるものも含む。また、圧縮されたり、暗号化されたりしたものも含む。
【0081】
このように、汎用の情報処理装置とプログラムによってナビゲーション装置1,1A,1Bのナビゲーション機能部10、出力制御部11,11A,11B、入力操作制御部14などの機能を実現することにより、大量生産や仕様変更に対して柔軟に対応可能となる。
【0082】
(その他の実施の形態)
上述した実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り、様々に変更が可能である。たとえば、半径30,31の設定は、50m、200m、500mとしたがそれ以外でもよい。また、半径30,31の設定は、50m、200m、500mの中から選択するように説明したが、任意の数値を直接入力してもよい。
【0083】
また、図2、図13のフローチャートにおいて「半径50m以内か?」を「半径50m未満か?」としてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1,1A,1B…ナビゲーション装置、10…ナビゲーション機能部(表示制御手段の一部)、11,11A,11B…出力制御部(表示制御手段の主部)、12…表示部(表示手段)、13…目的地記憶部、14…入力操作制御部(表示制御手段の一部)、15…操作部、16…スピーカ、17−1、17−2、17−3、17−1a〜17−3c…ショートカットキー、18…自車位置、19…自宅、20〜22…会社、30〜33…半径、40、41…一点鎖線、50〜55、60〜68…アイコン、80,81…ショートカットキー群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の目的地を指定するための少なくとも1つのショートカットキーを表示手段の画面上に表示させる表示制御手段を備えるナビゲーション装置において、
上記ショートカットキーに対応して複数の上記所定の目的地が設定され、
上記表示制御手段は、自車位置と上記所定の目的地との位置関係または時間帯に応じて上記ショートカットキーに設定された複数の上記所定の目的地の中からいずれかを選択する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、複数の前記ショートカットキーの中から自車位置と前記所定の目的地との位置関係または時間帯または前記ショートカットキーの使用頻度または自車位置近傍の施設のジャンルに応じて非表示とするショートカットキーを選択する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のナビゲーション装置において、
前記時間帯は、前記ショートカットキー毎に設定される、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
所定の目的地を指定するための少なくとも1つのショートカットキーを画面上に表示するナビゲーション装置が行う上記ショートカットキーの表示方法において、
上記ショートカットキーに対応して複数の上記所定の目的地が設定され、
自車位置と上記所定の目的地との位置関係または時間帯に応じて上記ショートカットキーに設定された複数の上記所定の目的地の中からいずれかを選択するステップを有する、
ことを特徴とするショートカットキーの表示方法。
【請求項5】
請求項4記載のショートカットキーの表示方法において、
複数の前記ショートカットキーの中から自車位置と前記所定の目的地との位置関係または時間帯または前記ショートカットキーの使用頻度または自車位置近傍の施設のジャンルに応じて非表示とするショートカットキーを選択するステップをさらに有する、
ことを特徴とするショートカットキーの表示方法。
【請求項6】
請求項4または5記載のショートカットキーの表示方法において、
前記時間帯は、前記ショートカットキー毎に設定される、
ことを特徴とするショートカットキーの表示方法。
【請求項7】
情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、
請求項1から3のいずれか1項記載のナビゲーション装置の前記表示制御手段の機能を実現する、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−276501(P2010−276501A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−130041(P2009−130041)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(508209990)J&Kカーエレクトロニクス株式会社 (98)
【Fターム(参考)】