説明

ナビゲーション装置

【課題】経由地でUターンする経路が提示されている場合に、該経由地でUターンが行われなくても、ユーザにとって快適なタイミングでリルートを行うことができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】目的地および経由地を入力する入力部53と、入力部から入力された経由地を経由して目的地に至る経路を探索する経路探索部54と、経路探索部によって探索された経路が経由地でUターンする経路である場合に、該経由地でUターンしないことにより経路を逸脱しても、同一道路上を走行している場合には、該経由地から所定距離以上走行するまでは、再探索の実行を抑止する経路誘導部55とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザを目的地まで案内するナビゲーション装置に関し、特に経由地を設定して経路探索することにより得られた経路が、経由地でUターンする経路である場合の経路案内の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置においては、経路探索によって得られた経路に沿って走行中に該経路を逸脱すると、一般に、再探索(以下、「リルート」という)が行われる。ところで、このようなナビゲーション装置において経由地を設定して経路探索を行うと、経由地でUターンする経路が探索される場合がある。一般に、経路に沿って走行中は、経路を逸脱しても直ちにリルートが行われるわけではなく、経路を逸脱してから例えば数十メートル走行した後にリルートが行われる。
【0003】
したがって、経由地でUターンする経路を走行中に該経由地でUターンがなされなくても、直ちにリルートが行われるわけではなく、経路を逸脱してから数十メートル走行した後にリルートが行われる。このことは、例えば数十メートル走行した後であれば、未だユーザがUターンするかどうかを検討している状態にあってもリルートが行われることを意味する。その結果、ユーザにとって不本意な経路、例えば遠回りになる経路が提示される場合がある。逆に、ユーザは、自己の意思で経路を逸脱してリルートを希望する場合もある。この場合、例えば数十メートル走行するまではリルートは行われないので、ユーザの意に添わないことになる。
【0004】
このようなUターンを含む経路の探索および案内を行う技術として、特許文献1は、Uターンを考慮に入れた経路探索や経路誘導を行うことができるナビゲーション装置を開示している。このナビゲーション装置においては、ナビゲーションコントローラは、地図表示および経路探索のための各種のデータを格納した地図バッファと、経路探索処理を行うための経路探索処理部、誘導経路メモリとを含んで構成されている。地図バッファには道路のUターン路を単独のリンクに対応させた地図データが格納されており、経路探索処理部は、このUターン路に対応したリンクも探索の対象に含めて経路探索を行う。探索された経路にUターン路に対応したリンクが含まれる場合には、道路上でUターンする経路が設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−227649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来のナビゲーション装置においては、Uターンを含む経路を逸脱した場合に、ユーザにとって不本意なリルートによる経路の提示が行われるという問題がある。また、ユーザが希望するにも拘わらず数十メートルを走行するまではリルートが行われないという問題がある。
【0007】
この発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その課題は、経由地でUターンする経路が提示されている場合に、該経由地でUターンが行われなくても、ユーザにとって好適なタイミングでリルートを行うことができるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明に係るナビゲーション装置は、目的地および経由地を入力する入力部と、入力部から入力された経由地を経由して目的地に至る経路を探索する経路探索部と、経路探索部によって探索された経路が経由地でUターンする経路である場合に、該経由地でUターンしないことにより経路を逸脱しても、同一道路上を走行している場合には、該経由地から所定距離以上走行するまでは、再探索の実行を抑止する経路誘導部とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
この発明に係るナビゲーション装置によれば、経由地でUターンする経路が提示されている場合に、該経由地でUターンが行われなくても、所定条件が満たされている間は再探索の実行が抑止されるので、ユーザにとって好適なタイミングでリルートを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すCPUによって実現される機能の詳細を示す機能ブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の動作と比較して説明するための従来のナビゲーション装置の動作を説明する説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の動作を説明するための説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態2に係るナビゲーション装置の動作を説明するための説明図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係るナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置の動作を説明するための説明図である。
【図9】この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。このナビゲーション装置は、入出力装置1、現在位置検出装置2、情報記憶装置3、情報処理装置4およびこれらを接続するバス5から構成されている。
【0012】
入出力装置1は、各種情報を入出力するために使用される。この入出力装置1は、タッチスイッチ11、ディスプレイ12およびスピーカ13を備えている。タッチスイッチ11は、例えばディスプレイ12の画面上に載置されたタッチパネルから構成されており、出発地、目的地、経由地または通過地点などを設定するためのデータを入力したり、ドライバーが案内情報の出力を情報処理装置4に指示したりするために使用される。このタッチスイッチ11から入力されたデータまたは指示を表す信号は、バス5を介して情報処理装置4に送られる。
【0013】
ディスプレイ12は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)から構成されており、情報処理装置4から送られてくる映像信号にしたがって、案内情報を画面に表示する。スピーカ13は、情報処理装置4から送られてくる音声信号にしたがって、案内情報を音声で出力する。
【0014】
現在位置検出装置2は、自車の現在位置に関する情報を入出力する。この現在位置検出装置2は、GPS(Global Positioning System)受信機21、方位センサ22および距離センサ23を備えている。
【0015】
GPS受信機21は、GPS衛星から受信されたGPS信号に基づき車両の現在位置を検出する。このGPS受信機21で検出された車両の現在位置は、現在位置信号としてバス5を経由して情報処理装置4に送られる。方位センサ22は、車両の旋回時の角速度を検出する。この方位センサ22で検出された角速度は、角速度信号として情報処理装置4に送られる。距離センサ23は、車両の走行距離を検出する。この距離センサ23で検出された走行距離は、距離信号として情報処理装置4に送られる。
【0016】
情報記憶装置3は、経路探索および経路案内に使用される情報を記憶している。具体的には、情報記憶装置3には、地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイルおよび案内地点データファイルが格納されている。さらに、情報記憶装置3には、音声案内を行うための音声データも記憶されている。
【0017】
地図データファイルは、経路案内に使用される地図データを格納している。交差点データファイルは、交差点に関するデータを格納している。ノードデータファイルは、道路上の所定地点における経度および緯度の座標を格納している。道路データファイルは、道路種別、各道路の始点および終点などの情報を格納している。案内地点データファイルは、例えばガソリンスタンドまたはコンビニエンスストアといった案内の目印となる位置の座標を格納している。
【0018】
情報処理装置4は、経路探索処理および経路案内処理を実行するとともに、このナビゲーション装置の全体を制御する。この情報処理装置4は、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、メモリ43、画像メモリ44および音声プロセッサ45を備えている。
【0019】
CPU41は、ROM42に格納されているプログラムにしたがって動作することにより、経路探索機能を実現するための経路探索処理および経路案内機能を実現するための経路案内処理を実行するとともに、このナビゲーション装置を制御するための種々の処理を実行する。このCPU41によって実現される機能の詳細は後述する。
【0020】
ROM42は、上述した経路探索処理および経路案内処理などを実現するためのプログラム、案内交差点でのランドマーク表示および経路案内に必要な表示制御を行うためのプログラムおよびデータ、音声案内に必要な音声出力制御を行うためのプログラムおよびデータ、ならびに、経路案内および地図表示に必要な表示データなどを格納している。このROM42に格納されている各種のプログラムおよびデータは、CPU41によって読み出される。
【0021】
メモリ43は、CPU41のワークメモリとして使用され、経路探索処理または再探索処理によって得られた道路情報(道路列データおよび案内交差点データ)、経路案内情報または演算処理中のデータを一時的に格納する。このメモリ43に記憶されているデータは、CPU41によって読み出される。
【0022】
画像メモリ44は、CPU41によって生成された画像データを記憶する。この画像メモリ44に記憶されている画像データは、映像信号としてディスプレイ12に送られる。これにより、案内画像または地図などがディスプレイ12の画面に表示される。音声プロセッサ45は、CPU41からの音声出力制御指令に応答して情報記憶装置3から音声データを読み出し、この読み出した音声データを合成してアナログ信号に変換し、音声信号としてスピーカ13に送る。これにより、スピーカ13から案内音声が発生される。
【0023】
次に、CPU41によって実現される機能の詳細を、図2に示す機能ブロック図を参照しながら説明する。CPU41は、プログラムによって実現された、地図情報取得部51、位置方位検出部52、入力部53、経路探索部54、経路誘導部55および出力部56から構成されている。
【0024】
地図情報取得部51は、情報記憶装置3から地図データを取得する。この地図情報取得部51で取得された地図データは、位置方位検出部52および経路探索部54に送られる。位置方位検出部52は、GPS受信機21から送られてくる現在位置信号、および/または、方位センサ22から送られてくる角速度信号と距離センサ23から送られてくる距離信号とに基づき自律航法によって生成された現在位置信号に基づき、車両の現在位置を検出する。この位置方位検出部52で検出された車両の現在位置は、現在位置データとして経路探索部54および経路誘導部55に送られる。
【0025】
入力部53は、タッチスイッチ11から送られてくる信号によって示された出発地、目的地および/または経由地を経路探索部54に送るとともに、経路探索開始の指示を経路探索部54に送る。
【0026】
経路探索部54は、入力部53から送られてきた経路探索開始の指示に応じて、位置方位検出部52から送られてきた現在位置または入力部53から送られてきた出発地から、入力部53から入力された経由地(経由地が入力されている場合)を経由し、入力部53から入力された目的地に至る経路を、地図情報取得部51で取得された地図データに基づいて探索する。また、経路探索部54は、経路誘導部55から送られてくるリルートの指示に応じて、位置方位検出部52から送られてくる現在位置から、経由地(前方に経由地が設定されている場合)を経由して目的地までの経路を、地図情報取得部51で取得された地図データに基づいてリルートする。この経路探索部54で探索された経路は、経路誘導部55に送られる。
【0027】
経路誘導部55は、位置方位検出部52から送られてきた現在位置データに基づいて、経路探索部54から送られてきた経路上から案内地点を抽出して、案内情報を生成し出力部56に送る。また、経路誘導部55は、位置方位検出部52から送られてきた現在位置データに基づいて、経路探索部54から送られてきた経路を逸脱したことを判断した場合は、所定条件(詳細は後述する)が満たされている間はリルートの実行を抑止し、この所定条件が満たされなくなったときに経路探索部54に対してリルートを指示する。
【0028】
出力部56は、経路誘導部55から送られてきた案内情報に基づき案内を行う。具体的には、出力部56は、画面に表示すべき案内情報として画像メモリ44に格納されている画像データを、映像信号としてディスプレイ12に送る。これにより、ディスプレイ12の画面に案内情報が表示される。また、出力部56は、音声出力制御指令を音声プロセッサ45に送る。音声プロセッサ45は、情報記憶装置3から音声データを読み出し、この読み出した音声データを合成してアナログ信号に変換し、音声信号としてスピーカ13に送る。これにより、スピーカ13から案内情報が音声で出力される。
【0029】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の動作を説明する。この実施の形態1に係るナビゲーション装置は、経路探索部54によって探索された経路が経由地でUターンする経路である場合に、その経由地でUターンせずに道路を直進することにより経路を逸脱しても、その経由地から道路上で一定距離だけ離れるまで再探索の実行を抑止するようにしたものである。
【0030】
図3は、経路探索によって、経由地Vを経て目的地Gに至る経路P1が提示されている場合に、自車Mが経由地VにおいてUターンできずに、経路P1とは逆方向に走行する、換言すれば、経路P1に沿って経由地Vまで走行してきた道路上をそのまま直進する状態を示す図である。この場合、従来のナビゲーション装置であれば、経由地Vに到着するとUターンの案内が行われ、Uターンされることなく経由地Vから数十メートルだけ離れると経路P1から逸脱したと判断されてリルートが実行される。その結果、例えば経路P2のように、非常に遠回りとなる経路が提示される場合がある。
【0031】
これに対し、実施の形態1に係るナビゲーション装置では、図4に示すように、自車Mが、経路P1に沿って経由地Vまで走行してきた道路の延長上であって、経由地Vから一定距離以内に居る場合は、ユーザがUターン可能な場所を探しながら走行していると判断し、Uターンの案内を継続してリルートの実行を抑止する。ここで、一定距離としては、上述した数十メートルより大きい値、例えば数百メートルといった値を用いることができる。
【0032】
図5は、実施の形態1に係るナビゲーション装置において行われる、図4に示した機能を実現するための動作を、経路探索処理および経路案内処理を中心に示すフローチャートである。なお、以下では、経由地Vおよび目的地Gは、入力部53を用いて既に設定されているものとする。
【0033】
入力部53から経路探索開始の指示がなされると、まず、経路探索が行われる(ステップST11)。すなわち、経路探索部54は、入力部53から送られてきた経路探索開始の指示に応じて、位置方位検出部52から送られてきた現在位置または入力部53から送られてきた出発地から、経由地Vを経由して目的地Gに至る経路を、地図情報取得部51で取得された地図データに基づいて探索する。この探索により得られた経路は、経路誘導部55に送られる。ここで、探索により得られた経路は、経由地VにおいてUターンする経路であるものとする。これにより、経路案内が開始される。
【0034】
経路案内が開始されると、経路誘導部55は、位置方位検出部52から送られてきた現在位置データに基づいて、経路探索部54から送られてきた経路上から案内地点を抽出して、案内情報を生成し出力部56に送る。これにより、案内情報がディスプレイ12の画面に表示されるとともに、スピーカ13から音声で出力される。
【0035】
次いで、経由地Vまでの案内を行う(ステップST12)。このステップST12において、経由地Vまで案内されると、Uターンの案内が行われる(ステップST13)。すなわち、経路誘導部55は、経由地VでUターンすべき旨の案内情報を生成し、出力部56に送る。これにより、案内情報がディスプレイ12の画面に表示されるとともに、スピーカ13から音声で出力される。
【0036】
次いで、経由地VでUターンしたかどうかが調べられる(ステップST14)。経路誘導部55は、位置方位検出部52から送られてきた現在位置データによって示される現在位置が、経路探索部54から送られてきた経路にあるか否かを調べる。このステップST14において、経由地VでUターンしたことが判断されると、次いで、目的地(経由地)までの案内が行われる(ステップST17)。すなわち、経路誘導部55は、位置方位検出部52から送られてきた現在位置データに基づいて、経路探索部54から送られてきた経路上の案内地点に至ったか否かを調べ、案内地点に至ったことを判断した場合は、案内情報を生成し、出力部56に送る。これにより、案内情報がディスプレイ12の画面に表示されるとともに、スピーカ13から音声で出力される。その後、処理は終了する。
【0037】
一方、上記ステップST14において、経由地VでUターンしていないことが判断されると、次いで、同一道路上を一定距離以上走行していないかどうかが調べられる(ステップST15)。すなわち、経路誘導部55は、位置方位検出部52から送られてきた現在位置データによって示される現在位置が、経路P1に沿って経由地Vまで走行してきた道路の延長上にあるか否かを調べる。この「同一道路上を一定距離以上走行していない」という条件が、この発明の所定条件に対応する。
【0038】
このステップST15において、同一道路上を一定距離以上走行していない、つまり所定条件が満たされていることが判断されると、シーケンスはステップST15の入力側に戻り、Uターンの案内が行われ、以下、上述した処理が繰り返される。したがって、同一道路上を一定距離以上走行するまでは、Uターンの案内が継続されることになる。
【0039】
一方、ステップST15において、同一道路上を一定距離以上走行した、つまり所定条件が満たされなくなったことが判断されると、リルート(再探索)が行われる(ステップST16)。すなわち、経路誘導部55は、経路探索部54に対してリルートを指示する。これにより、経路探索部54は、位置方位検出部52から送られてくる現在位置から、経由地(前方に経由地が設定されている場合)を経由して目的地までの経路を、地図情報取得部51で取得された地図データに基づいてリルートする。この経路探索部54で探索された経路は、再度、経路誘導部55に送られる。その後、シーケンスはステップST17に進み、上述した目的地(経由地)までの案内が行われる。
【0040】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置によれば、経由地VでUターンを行わなくても同一経路を走行している場合は、ユーザはUターンできる場所を探しているものと考えられ、ユーザにとって不本意なリルートの実行が抑止されるので、ユーザにとって不本意な経路の提示が行われることはない。
【0041】
なお、上述したステップST15においては、同一道路上を一定距離以上走行していないかどうかを調べるように構成したが、同一道路でない、つまり経路P1に沿って経由地Vまで走行してきた道路の延長でない他の道路を一定距離以上走行していないかどうかを調べるように構成することもできる。この構成によれば、経由地VでUターンせずに、この経由地Vから分岐される他の道路を一定距離以上走行していない場合もリルートの実行が抑止されるので、ユーザにとって不本意な経路の提示が行われることはない。
【0042】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るナビゲーション装置は、経路探索部54によって探索された経路が経由地でUターンする経路である場合に、その経由地でUターンしないことにより経路を逸脱しても、その経由地から一定範囲内では再探索の実行を抑止するようにしたものである。
【0043】
この実施の形態2に係るナビゲーション装置の構成は、図1および図2に示した実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成と同じである。実施の形態2に係るナビゲーション装置では、図6に示すように、自車Mが、経由地Vから一定範囲内に居る場合は、経路P1に復帰することが予測されるので、Uターンの案内を継続してリルートの実行を抑止する。ここで、一定範囲内は、経由地Vを中心とする半径が例えば数百メートルの円の範囲内とすることができる。
【0044】
次に、この発明の実施の形態2に係るナビゲーション装置の動作を説明する。図7は、実施の形態2に係るナビゲーション装置において行われる、図6に示した機能を実現するための動作を、経路探索処理および経路案内処理を中心に示すフローチャートである。なお、以下では、経由地Vおよび目的地Gは、入力部53を用いて既に設定されているものとする。また、図5に示すフローチャートと同一の処理を行うステップには、図5のフローチャートで使用した符号と同一の符号を付して説明を簡略化する。
【0045】
入力部53から経路探索開始の指示がなされると、まず、経路探索が行われる(ステップST11)。次いで、経由地Vまでの案内を行う(ステップST12)。このステップST12において、経由地Vまで案内されると、Uターンの案内が行われる(ステップST13)。
【0046】
次いで、経由地VでUターンしたかどうかが調べられる(ステップST14)。このステップST14において、経由地VでUターンしたことが判断されると、次いで、目的地(経由地)までの案内が行われる(ステップST17)。一方、ステップST14において、経由地VでUターンしていないことが判断されると、次いで、経由地Vからの一定範囲を超えたかどうかが調べられる(ステップST21)。すなわち、経路誘導部55は、位置方位検出部52から送られてきた現在位置データによって示される現在位置が、経由地Vを中心とする一定範囲内にあるか否かを調べる。この「経由地からの一定範囲を超えたかどうか」という条件が、この発明の所定条件に対応する。
【0047】
このステップST21において、経由地Vからの一定範囲を超えていない、つまり所定条件が満たされていないことが判断されると、シーケンスはステップST21の入力側に戻り、Uターンの案内が行われ、以下、上述した処理が繰り返される。したがって、経由地Vからの一定範囲を超えるまでは、Uターンの案内が継続されることになる。
【0048】
一方、ステップST21において、経由地Vからの一定範囲を超えた、つまり所定条件が満たされなくなったことが判断されると、リルート(再探索)が行われる(ステップST16)。その後、シーケンスはステップST17に進み、上述した目的地(経由地)までの案内が行われる。
【0049】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るナビゲーション装置によれば、経由地VでUターンを行わなくても、自車Mが経由地Vから一定範囲内に居る場合は、経路P1に復帰することが予測されるので、ユーザにとって不本意なリルートの実行が抑止される。その結果、ユーザにとって不本意な経路の提示が行われることはない。
【0050】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置は、経路探索部54によって探索された経路が経由地でUターンする経路である場合に、その経由地でUターンしないことにより経路を逸脱しても、Uターンが可能な地点を通過するまでは再探索の実行を抑止するようにしたものである。
【0051】
この実施の形態3に係るナビゲーション装置の構成は、図1および図2に示した実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成と同じである。実施の形態3に係るナビゲーション装置では、図8に示すように、自車Mが、「Uターン可能な地点」を通過するまでは、経路P1に復帰することが予測されるので、Uターンの案内を継続してリルートの実行を抑止する。逆に言えば、自車Mが、「Uターン可能な地点」を通過した場合は経路P1に復帰する意志はないものと判断され、一定距離(実施の形態1における「一定距離」と同じ)以内であってもリルートが実行される。ここで、「Uターン可能な地点」は、特許文献1に開示されている「確実にUターンできる地点」とすることができる。
【0052】
次に、この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置の動作を説明する。図9は、実施の形態3に係るナビゲーション装置において行われる、図8に示した機能を実現するための動作を、経路探索処理および経路案内処理を中心に示すフローチャートである。なお、以下では、経由地Vおよび目的地Gは、入力部53を用いて既に設定されているものとする。また、図5に示すフローチャートと同一の処理を行うステップには、図5のフローチャートで使用した符号と同一の符号を付して説明を簡略化する。
【0053】
入力部53から経路探索開始の指示がなされると、まず、経路探索が行われる(ステップST11)。次いで、経由地Vまでの案内を行う(ステップST12)。このステップST12において、経由地Vまで案内されると、Uターンの案内が行われる(ステップST13)。
【0054】
次いで、経由地VでUターンしたかどうかが調べられる(ステップST14)。このステップST14において、経由地VでUターンしたことが判断されると、次いで、目的地(経由地)までの案内が行われる(ステップST17)。一方、ステップST14において、経由地VでUターンしていないことが判断されると、Uターン可能な地点到着処理(ステップST31)が行なわれ、次いで、Uターン可能な地点でUターンがなされたかどうかが調べられる(ステップST32)。すなわち、経路誘導部55は、位置方位検出部52から送られてきた現在位置データによって示される現在位置が、Uターン可能な地点を通過したか否かを調べる。この「Uターン可能な地点でUターンがなされたかどうか」という条件が、この発明の所定条件に対応する。
【0055】
このステップST32において、Uターン可能な地点でUターンがなされたことが判断されると、シーケンスはステップST17に進み、上述した目的地(経由地)までの案内が行われる。一方、ステップST32において、Uターン可能な地点でUターンがなされていないことが判断されると、ユーザは経路P1に復帰する意志がないものと認識され、リルート(再探索)が行われる(ステップST16)。その後、シーケンスはステップST17に進み、上述した目的地(経由地)までの案内が行われる。
【0056】
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置によれば、経由地VでUターンを行わなくても、自車Mが、Uターン可能な地点を通過した場合は、ユーザはUターンをする意思がないと判断できるので、この場合は、リルートを行い新しい経路を案内する。したがって、ユーザの意志にしたがった経路の提示が可能になる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地および経由地を入力する入力部と、
前記入力部から入力された経由地を経由して目的地に至る経路を探索する経路探索部と、
前記経路探索部によって探索された経路が経由地でUターンする経路である場合に、該経由地でUターンしないことにより経路を逸脱しても、同一道路上を走行している場合には、該経由地から所定距離以上走行するまでは、再探索の実行を抑止する経路誘導部
とを備えたナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−185952(P2011−185952A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135478(P2011−135478)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【分割の表示】特願2009−506193(P2009−506193)の分割
【原出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】