説明

ネコヤナギを用いた既設のコンクリート護岸における水辺の環境改善工法

【課題】水辺に緑陰を低コストで再生でき、護岸がより安定し、植え込み初期の洪水時にもネコヤナギ類の苗木や挿し木の流失を防ぐネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法を提供する。
【解決手段】河川に既設された護岸コンクリート壁11に、水面から20cmの高さ位置にネコヤナギを生育させるので、裏込め材12に根29が張り、護岸をより安定化させることができる。しかも、短期かつ低コストで緑陰を再生できる。また、ネコヤナギの挿し木25は穿孔部13内で固定されるので、仮に根29の張りが十分でない植設直後の洪水時でも、ネコヤナギが用土14から引き抜かれて流失するおそれが少ない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法、詳しくは河川、湖沼または水路の水辺をネコヤナギ類により緑化するため、既設の護岸では護岸コンクリート壁に孔を開け、新設の護岸では孔開きのコンクリートブロックまたはコンクリート法枠の内部空間を埋めるコンクリート張り部などを利用し、ネコヤナギ類の挿し木またはネコヤナギ類の苗木を護岸に植え込むネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、河川の水辺には、洪水時の河岸崩壊を防止するため、コンクリート構造物により川岸を覆う護岸工事がなされている。しかしながら、コンクリート護岸とすれば無機質で殺風景な水辺となる。そこで、これを解消する従来技術として、例えば特許文献1のようなコンクリート護岸の緑化工法が知られている。特許文献1は、護岸用のコンクリートブロックに形成された孔部に突出手段の脚部を挿入して固定し、突出手段に蔦性植物を絡ませてコンクリート護岸を緑化するものである。蔦性植物の根は、コンクリートブロックの水面部分の表面に固定された金網製の植生バスケット内の土に植え込まれている。植生バスケットはその下部が水面下に配置され、河川の水を利用して蔦性植物を生育させていた。
【特許文献1】特開平11−293648号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1のコンクリート護岸の緑化工法では、蔦性植物を利用した緑化であるため、コンクリートブロックの表面付近のみが蔦性植物によって被われる平面的な緑化に過ぎなかった。これにより、植え込まれた植物によって河川の水際に形成される緑陰を再生することはできなかった。この緑陰は、河川の水際に集う昆虫類、および、河川に生息する魚、水生昆虫などの住処、避難・隠れ場や産卵場である。
【0004】
そこで、発明者は、鋭意研究の結果、河川に緑陰を再生するために最適な植物としては、裏込め材、その下の土壌への活着力・緊縛力が強く、水中でも多くの根を張って護岸がより安定な状態となるネコヤナギ類が最適であり、例えば12月〜4月の間の挿し木による植え込みであっても、洪水が多発する5月〜7月の雨期を乗り越えさえすれば、ネコヤナギ類が深く根を張り、次年度からは仮に洪水にみまわれたとしても、ネコヤナギ類の根が引き抜かれる心配はないことを知見し、この発明を完成させた。
【0005】
この発明は、水辺に緑陰を低コストで再生することができ、裏込め材などへの緊縛力が強く、護岸がより安定な状態となるとともに、植え込み初期の洪水時にもネコヤナギ類の苗木またはネコヤナギ類の挿し木の流失を防止することができるネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法を提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、河川、湖沼または水路の既設の護岸コンクリート壁に対して、この河川、湖沼または水路の水面から10〜150cmの高さ位置に、この護岸コンクリート壁の表面から裏込め材にまで達する貫通孔を設け、この貫通孔に用土を詰め込み、この用土にネコヤナギ類の苗木または挿し木を植え込み、このネコヤナギ類の苗木または挿し木の頭部をこの貫通孔の先端開口より0〜30cmだけ表側に突出させた状態でこのネコヤナギ類の苗木または挿し木を貫通孔内に固定したネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法である。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、河川、湖沼または水路に新しく敷設されるか、既に敷設された護岸コンクリート壁に対して、水面から10〜150cmの高さ位置に、護岸コンクリート壁の表面から裏込め材まで達する貫通孔を形成する(孔形成工程)。その後、貫通孔に用土を詰め、この詰め作業と同時またはこの作業後、用土にネコヤナギ類の苗木またはネコヤナギ類の挿し木を植え込む(植え込み工程)。また、この植え込み作業と同時またはこの作業後、用土に植え込まれた苗木の頭部または挿し木の頭部を、貫通孔の先端開口より5〜30cmだけ突出させて固定し(固定工程)、ネコヤナギ類を護岸コンクリート壁に植設する。
【0008】
このようにして、水面(平水位)から10〜150cmの高さ位置に、しだれ状の多数本の柳枝を垂らすネコヤナギ類を生育させるので、成長に伴って根が延び、護岸コンクリート壁が設置されている裏込め材、その下の土壌(地盤)に根が張り、周囲の地盤との結合が強固なものとなる。これにより、ネコヤナギ類を利用して護岸をより安定な状態とすることができる。しかも、川辺に短期間のうちに低コストで緑陰を再生することができる。さらに、ネコヤナギ類の苗木またはネコヤナギ類の挿し木は貫通孔内で固定されるので、仮に根の張りが十分でない植設直後の洪水時でも、ネコヤナギ類が用土から引き抜かれて流失するおそれが少ない。
【0009】
「水面から10〜150cmの高さ位置」とは、水面より上方へ10cmから、水面より上方へ150cmの高さ位置までの範囲をいう。
ネコヤナギ類は、カワヤナギ、エノコロヤネギ、ネコシダレ、クロヤナギ、タチヤギ、などの川辺に生息可能なヤナギ科およびユキノシタ科ウツギ属、バラ科シモツケ属の植物を含む。
ネコヤナギ類の植設場所は、河川、湖沼および水路のうち、いずれの法面でも垂直面(岸壁)でもよい。植設場所を法面とすれば、ネコヤナギ類に対する太陽光の照射が斜め方向となり、ネコヤナギ類への日光の照射面積が拡大され、ネコヤナギ類の生育を早められる。
ネコヤナギ類が植設されるのは、既設の護岸コンクリート壁である。
護岸コンクリート壁は、多数のコンクリートブロックを組み上げたブロック式の壁、または、型枠にコンクリートを流し込み、これを養生して固化したコンクリート打設式の壁でもよい。コンクリートの種類は任意である。例えば、多数の微細な貫通孔を含むポーラスコンクリートでもよい。
【0010】
ネコヤナギ類が植設されるのは、護岸コンクリート壁の水面から10〜150cmの高さ位置の全域でも、その一部(高さ方向の一部または横方向の一部)でもよい。ネコヤナギ類が植設される高さが、水面から上方へ10cm未満であれば、護岸コンクリート壁への貫通孔の穿孔が困難であるとともに、貫通孔内の用土が河川などの水に接し易く、用土が流出するおそれがある。また、水面から上方へ150cmを超えれば、ネコヤナギ類の枝が水面に達しない。護岸コンクリート壁におけるネコヤナギ類が植設される好ましい高さの範囲は、水面から上方へ20〜150cmである。この範囲であれば、ネコヤナギ類の枝が水中に入り、その枝より多数の細い根が出るというさらに好適な効果が得られる。
貫通孔は、コンクリート護岸の表面から裏込め材まで達する孔で、その直径は例えば5〜7.5cmである。貫通孔は、この貫通孔を介して貫通孔の底部に対応する部分の裏込め材を抜き取って形成された空間と連通状態でもよい。貫通孔の直径が5cm未満では 用土の量が少なくなり、施工が難しくなる。また、7.5cmを超えれば、孔形成工程に時間を要し、費用が増大する。貫通孔の好ましい直径は、5〜7.5cmである。この範囲であれば、当初の目的を達し、かつ費用が低減するというさらに好適な効果が得られる。
【0011】
護岸コンクリート壁への貫通孔の形成ピッチは、横100〜300cm間隔である。100cm間隔未満では、ネコヤナギ類が成長した場合、過密になる。また、300cm間隔を超えれば、ネコヤナギ類の林(グリーンベルト)という感じがなくなる。護岸コンクリート壁への貫通孔の好ましい形成ピッチは、横150〜200cm間隔である。この範囲であれば、2〜3年でネコヤナギ類の林を形成することができる。
【0012】
用土としては、例えば現地の砂利、土、砂などを採用することができる。
ネコヤナギ類の苗木または挿し木の長さは、10〜40cmである。10cm未満では、ネコヤナギ類の挿し木と筒の固定が難しい。また、40cmを超えれば、洪水時、貫通孔から突出した挿し木または苗木の頭部に異物が引っ掛かり、挿し木や苗木が引き抜かれるおそれがある。ネコヤナギ類の苗木または挿し木の好ましい長さは、20〜30cmである。この範囲であれば、当初の目的を達し、洪水時でも苗木または挿し木の頭部に異物が引っ掛かって引き抜かれることはない。
貫通孔の先端開口より突出される苗木の頭部または挿し木の頭部の高さが、貫通孔の先端開口より0cm未満では、苗木の頭部または挿し木の頭部において、発芽する葉痕の数が2つ未満となるおそれがある。また、30cmを超えれば、護岸の表面から突出する苗木の頭部または挿し木の頭部の突出長さが長くなり、異物が引っ掛かりやすくなる。貫通孔の先端開口より突出される苗木の頭部または挿し木の頭部の好ましい高さは、貫通孔の先端開口より5.0〜7.0cmである。この範囲であれば、苗木の頭部または挿し木の頭部に異物が引っ掛かり難く、洪水時でも引き抜かれるおそれが少ないとともに、発芽する葉痕の数を2つ以上確保することができるというさらに好適な効果が得られる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、護岸形成用のコンクリートブロック、または、護岸形成用のコンクリート法枠の内側空間を埋めるコンクリート張り部に、その表面から裏面に貫通する貫通孔を穿設しておいて、このコンクリートブロックまたはこのコンクリート法枠を用いて河川、湖沼または水路の護岸を構築する際、この貫通孔が、これら河川、湖沼または水路の水面から10〜150cmの高さに位置するように、このコンクリートブロックまたはこのコンクリート張り部を配設し、この貫通孔に用土を入れ、この貫通孔内にネコヤナギ類の挿し木または苗木を植え付け、このネコヤナギ類の挿し木または苗木の頭部を貫通孔の開口から0〜30cmの長さだけ突出させて固定したネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法である。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、多数のコンクリートブロックを組み上げて護岸コンクリート壁を作製する際、水面から10〜150cmの高さ位置のコンクリートブロックには、その表面から裏面まで達する貫通孔が形成されたものを使用する。これにより、護岸コンクリート壁の新設時、工場内で貫通孔を開けたコンクリートブロックを現場に運び込むことも可能となり、現場での工期の短縮を図ることができる。
ネコヤナギ類が植設されるのは、これらの新設の護岸コンクリート壁である。
護岸コンクリート壁は、多数のコンクリートブロックを組み上げたブロック式の壁である。
コンクリートブロックおよび護岸形成用のコンクリート法枠形状は任意である。
【0015】
請求項3に記載の発明は、上記ネコヤナギ類の挿し木または苗木は竹製、ボール紙製または塩化ビニール製の有底円筒体からなるポットに用土とともに植え付け、このポットを上記貫通孔に差し込み、固定した請求項1または請求項2に記載のネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法である。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、植え込み時には、ポットに用土を天端(先端開口)から5cm下方の位置まで詰めるとともに、用土にネコヤナギ類の苗木またはネコヤナギ類の挿し木をポット天端から下方5cm以内に紐により固定して植え込む。その後、ポットを貫通孔に挿入して固定する。有底円筒体であるポットを使用するので、ネコヤナギ類の植え込み作業の一部(有底円筒体への植え込み)を、現場でなく工場内で行うことも可能となる。これにより、現場での工期の短縮を図ることができる。
【0017】
ポットの素材は竹製でも、ボール紙製でも、塩化ビニール製でもよい。
ポットの直径は、ポットが挿入される貫通孔の直径より5〜10mm小径なものを採用することができる。例えば4.5〜6cmである。ポットの長さは任意で、護岸コンクリート壁と同じ長さでも、それより長くてもよい。例えば、200〜400cmである。
なお、ポットの底板に根通し穴を形成すれば、この根通し穴を介してネコヤナギ類の根を裏込め材、その下の土壌へと成長させ、ネコヤナギ類の成長をさらに促進させることができるとともに、護岸をより安定な状態とすることができる。
また、ポットの周壁に、このポットの周方向へ一定ピッチで、かつポットの長さ方向を基準にして傾斜したスリット(螺旋状の根通し穴)を複数本形成すれば、植え込まれたネコヤナギ類の苗木または挿し木から伸びた根を、ポットの周方向および長さ方向へ均一に配置させることができる。
さらに、ポットの頭部は、護岸コンクリート壁の貫通孔より2〜5cm突出させた方が好ましい。これは、仮にポットの開口の高さと、護岸コンクリート壁の貫通孔の開口の高さとを揃えた場合には、洪水時、氾濫する水は護岸コンクリート壁の表面に沿って流れてポットの開口からその筒内に流れ込み、ネコヤナギ類の挿し木または苗木が流出するおそれが高い。しかしながら、ポットの頭部を護岸コンクリート壁の貫通孔より2〜5cm突出させれば、護岸コンクリート壁の表面に沿って勢いよく流れる水が、直接、有底筒内に流れ込まない。その結果、洪水時にネコヤナギ類の挿し木または苗木が流出するおそれを低減することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、上記ネコヤナギ類の挿し木または苗木は竹製、ボール紙製または塩化ビニール製の円筒の鞘に挿入されて上記貫通孔内に固定され、ネコヤナギ類の挿し木または苗木の頭部はこの貫通孔の開口から0〜30cmだけ突出させた請求項1または請求項2に記載のネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法である。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、植え込み時には、鞘を貫通孔に挿入して固定し、鞘天端(先端開口)から下方へ5cmの位置まで用土を詰めるとともに、用土にネコヤナギ類の苗木または挿し木を、鞘天端から下方向へ5cm以内に紐により固定して植え込む。円筒形状の鞘を使用するので、工場内でのネコヤナギ類の植え込みが可能となる。これにより、現場での工期の短縮を図ることができる。
しかも、施工後は、鞘の下側の開口を通してネコヤナギ類の根を裏込め材、その下の土壌へと成長させ、ネコヤナギ類の成長をさらに促進させることができるとともに、護岸をより安定な状態とすることができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、上記ネコヤナギ類の挿し木または苗木を網袋に用土とともに植え付け、この網袋を上記貫通孔に差し込んで固定し、上記ネコヤナギ類の挿し木または苗木の頭部を上記貫通孔の開口から0〜30cmの長さだけ突出させた請求項1または請求項2に記載のネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法である。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、ネコヤナギ類の貫通孔内での固定時には、網袋の開口部の余長分を挿し木または苗木に巻き付け、これを麻紐などで結び固定する。これにより、植設されたネコヤナギ類の苗木またはネコヤナギ類の挿し木を、貫通孔内にしっかりと位置決めすることができる。
【0022】
網袋の素材は任意である。例えば、各種の木、各種の合成樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、各種の布などを採用することができる。
網袋の形状は任意である。例えば、多角形、円形、楕円形を採用することができる。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載の発明によれば、河川、湖沼または水路に既設の護岸コンクリート壁に対して、水面から10〜150cmの高さ位置に、しだれ状の多数本の柳枝を垂らすネコヤナギ類を生育させるので、成長に伴って根が延び、護岸コンクリート壁が設置されている裏込め材、その下の土壌に根が張り、周囲の地盤との結合が強固なものとなる。これにより、ネコヤナギ類を利用して護岸をより安定な状態とすることができる。しかも、川辺に短期間のうちに低コストで緑陰を再生することができる。さらに、ネコヤナギ類の苗木またはネコヤナギ類の挿し木は貫通孔内で固定されるので、仮に根の張りが十分でない植設直後の洪水時でも、ネコヤナギ類が用土から引き抜かれて流失するおそれが少ない。
【0024】
請求項2に記載の発明によれば、多数のコンクリートブロックを組み上げて護岸コンクリート壁を作製する際、水面から10〜150cmの高さ位置のコンクリートブロックには、その表面から裏面まで達する貫通孔が形成されたものを使用する。これにより、護岸コンクリート壁の新設時、工場内で貫通孔を開けたコンクリートブロックを現場に運び込むことも可能となり、現場での工期の短縮を図ることができる。
【0025】
請求項3に記載の発明によれば、植え込み時、貫通孔に挿入されるポットを使用するので、ネコヤナギ類の植え込み作業の一部(ポットへの植え込み)を、現場でなく工場内で行うことも可能となる。これにより、現場での工期の短縮を図ることができる。また、施工後には、根通し穴を介してネコヤナギ類の根を裏込め材、その下の土壌へと成長させ、ネコヤナギ類の成長をさらに促進させることができるとともに、護岸をより安定な状態とすることができる。
【0026】
請求項4に記載の発明によれば、植え込み時、貫通孔に挿入される鞘を使用するので、ネコヤナギ類の植え込み作業の一部(鞘への植え込み)を、工場内で行うことも可能となる。これにより、現場での工期の短縮を図ることができる。しかも、施工後は、鞘の下側の開口を通してネコヤナギ類の根を裏込め材、その下の土壌へと成長させ、ネコヤナギ類の成長をさらに促進させることができるとともに、護岸をより安定な状態とすることができる。
【0027】
請求項5に記載の発明によれば、ネコヤナギ類の貫通孔内での固定時に、網袋の開口部の余長分を挿し木または苗木に巻き付け、これを麻紐などで結んで固定するので、植設されたネコヤナギ類の苗木またはネコヤナギ類の挿し木を、貫通孔内にしっかりと位置決めすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、この発明の実施例を説明する。ここでは、多数のコンクリートブロックを組み上げて河川の水辺に既設された護岸コンクリート壁への施工例を示す。
【実施例1】
【0029】
図1〜図7を参照して、この発明の実施例1に係るネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法を説明する。
まず、図1〜図4に示すように、実施例1のネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法では、多数のプレキャストブロック(コンクリートブロック)10を組み上げて設けられたコンクリート護岸部11に対して、水面から上方へ20〜40cmの高さ位置に、コンクリート護岸部11の表面から裏込め部(裏込め材)12まで達する穿孔部(貫通孔)13(直径7.5cm、深さ35cm)を、電動式のコアボーリングマシン(コンクリート穿孔機)15を利用して穿孔する(孔形成工程)。
具体的には、水面から上方へ20cmの高さに配置されたプレキャストブロック10の表面に、ホールインアンカ16によりコアカッタ装置15の支柱17を、プレキャストブロック10の表面に長さ方向が直交するように固定する。支柱17には、駆動部18がスライダ19を介して昇降自在に連結されている。駆動部18の下部には出力軸20が下方に突出し、出力軸20の先端部に長尺なコアカッタ(工具)21の元部が固定されている。駆動部18によりコアカッタ21を回転させながら、支柱17をガイドにして駆動部18を除々に降下させる。これにより、プレキャストブロック10の表面から裏込め部12まで達する穿孔部13を形成する。上述した作業を、水面から上方へ20cmの高さ位置において、護岸に沿って水平方向に150cmピッチで順次行う。
【0030】
一方、各穿孔部13に挿入される多数本の竹ポット(ポット)22を工場内で大量に作製する。竹ポット22は直径6cm、長さ30cmの有底円筒体で、底板22b(節)の中央部に水はけ孔22aが形成されている。
竹ポット22の周壁には、幅2mm、長さ100mmのスリット(根通し穴)23が2〜4本、竹ポット22の長さ方向を基準にして斜めに形成されている(図2および図3)。このように、竹ポット22の周壁にその周方向へ一定ピッチで、かつその長さ方向を基準にして傾斜したスリット23を複数本形成すれば、植え込まれたネコヤナギ(ネコヤナギ類)の挿し木25から伸びた根を、竹ポット22の周方向および長さ方向へ均一に張らせることができる。
次に、各竹ポット22に用土24を詰め込むとともに、詰め込まれた用土24にネコヤナギの挿し木25を植え込む(植え込み工程)。用土24には、現場付近の砂利が使用されている。挿し木25も、現場付近に生息するネコヤナギの枝から作製されたものを使用している。このように、現場付近で調達した用土24および挿し木25を使用することで、別の場所から調達した用土24,挿し木25を採用した場合に比べて、ネコヤナギの生育環境をより好適なものにすることができる。
【0031】
用土24の一部は裏込め部12まで達している。挿し木25は、長さ25cm、2年以上の成長幹のものである。植え込み時、挿し木25の頭部には、穿孔部13の先端開口より10cmだけ突出させて固定する(固定工程)。挿し木25の固定には、固定用麻紐26と、用土押え材27とを使用する。固定用麻紐26による挿し木25の頭部の固定方法としては、竹ポット22の開口部の周りに180°毎に形成された2つの紐通し孔に固定用麻紐26を順次通しながら、竹ポット22の開口部の中心に配置された挿し木25の頭部を、二方向へ引っ張ることで固定する。
用土押え材27は、布(端切れ)、岩ゴケ類である。用土押え材27による挿し木25の固定方法は、竹ポット22内に用土押え材27を挿入し、この用土押さえ材27により挿し木25の頭部付近を押さ付ける。
【0032】
次に、各穿孔部13に用土24を充填するとともに、竹ポット22を挿入する。このとき、竹ポット22の開口部が、穿孔部13の開口から5cmだけ突出するように、竹ポット22の挿入深さを調整する。
ここでは、竹ポット22の頭部を、コンクリート護岸部11の穿孔部13より5cmだけ突出させている。これは、仮に竹ポット22の開口(先端)の高さと、穿孔部13の開口の高さとを揃えた際に生じる不都合を解消するためである。すなわち、洪水時、氾濫した水はコンクリート護岸部11の表面に沿って流れ、竹ポット22の開口からその筒内に流れ込み、挿し木25が流出するおそれがある。しかしながら、竹ポット22の頭部をコンクリート護岸部11の穿孔部13より5cmだけ突出させたことで、コンクリート護岸部11の表面に沿って勢いよく流れる水、砂が、直接、竹ポット22内へ流れ込み難くなる。その結果、洪水時に用土24や挿し木25が流出するおそれが低減される。
【0033】
また、穿孔部13からの竹ポット22の抜けを防止するため、穿孔部13の開口部と竹ポット22の開口部との隙間には、竹ポット22の周りに120°ごと、3本の竹クサビ28が打ち込まれている(図4)。これにより、穿孔部13に竹ポット22がしっかりと固定される。穿孔部13と竹ポット22との両開口の隙間には、モルタルを充填してもよい。
その後、竹ポット22の内部空間において、挿し木25の埋設部から新しい根29が発根(不定根)するとともに、挿し木25の用土から露出した部分から萌芽し、ネコヤナギが成長する。なお、ネコヤナギの根29は、竹ポット22の底板22bの水はけ孔22aおよびスリット23を通って下方へ伸び、裏込め部12へと根を張る(図6矢印)。これにより、約12ヶ月後には、枝先が川面付近に到達するまでに柳枝30が生長する(図7)。
【0034】
このように、コンクリート護岸部11の水面から上方へ20〜40cmの高さ位置に、ネコヤナギの挿し木25を植え込むようにしたので、挿し木25の成長に伴い、コンクリート護岸部11が設置されている裏込め部12、その下の土壌(地盤)に根が張り、周囲の地盤との結合が強固なものとなる。その結果、ネコヤナギを利用して護岸をより安定な状態とすることができる。しかも、川辺に短期間のうちに低コストで緑陰を再生することができる。さらに、ネコヤナギの挿し木25は穿孔部13内で固定される。そのため、仮に根29の張りが十分でない植設直後の洪水時でも、ネコヤナギが用土24から引き抜かれて流失するおそれが少ない。
また、植え込み時、穿孔部13に挿入される竹ポット22を使用するので、ネコヤナギの植え込み作業の一部(竹ポット22への挿し木25の植え込み)を、現場でなく工場内で行うことも可能となる。これにより、現場での工期の短縮を図ることができる。また、施工後には、水はけ孔22aおよびスリット23を介してネコヤナギの根29を裏込め部12、その下の土壌へと成長させ、ネコヤナギの成長をさらに促進させることができるとともに、護岸をより安定な状態とすることができる。
【0035】
次に、図8〜図11を参照して、この発明の実施例2に係るネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法を説明する。
実施例2のネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法によれば、あらかじめ、コンクリート護岸部11の穿孔部13の奥側半分に先端充填部となる用土24を充填しておく(図8)。その後、穿孔部13の残り部分の半分(穿孔部13の約1/4)に、挿し木25の植付部の一部となる用土24Aを補充しながら挿し木25の元部を植え込む。次に、挿し木25に円筒形状の竹さや(鞘)31を挿入するとともに、植付部の残った用土24Aを補充する(図9)。その後、穿孔部13からの竹さや31の抜けを防止するため、穿孔部13の開口部と竹さや31の開口部との隙間に、3本の竹クサビ28を竹さや31の周りに120°ごと打ち込む(図10)。これにより、穿孔部13に竹さや31がしっかりと固定される。
【0036】
このように、穿孔部13に挿入される竹さや31を用いて、挿し木25の植え込みを行うので、工場内でネコヤナギの植え込み作業の一部(竹さや31への植え込み)を行うことが可能となる。これにより、現場での工期の短縮を図ることができる。ただし、この場合、竹さや31の頭部の開口部を布などによる用土押え材27により塞ぎ、これらの開口部から用土24および挿し木25の流出を防ぐ必要がある。しかも、施工後は、竹さや31の下側の開口を通してネコヤナギの根29を裏込め部12、その下の土壌へと成長させ(図11)、ネコヤナギの成長をさらに促進させることができるとともに、護岸をより安定な状態とすることができる。
その他の構成、作用および効果は、実施例1と略同じであるので説明を省略する。
【0037】
次に、図12〜図14を参照して、この発明の実施例3に係るネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法を説明する。
実施例3のネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法の特徴は、竹ポット22を使用せずに、ネコヤナギの挿し木25を網袋50に用土24とともに植え付け、この網袋50を穿孔部13に差し込んで固定し、挿し木24の頭部を穿孔部13の開口から5cmの長さだけ突出させた点である。
まず、工場または現場の作業場において、網袋のうち、開口部を除く略全長にわたって用土を充填するとともに、挿し木25を網袋内の用土に植え込む(図12)。次に、穿孔部13の奥部のみに用土24を充填する。その後、挿し木25が植え込まれた網袋を、挿し木25の頭部が穿孔部13の開口から5cmの長さだけ突出するように、穿孔部13に挿入する。このとき、袋内に充填された用土の上面と穿孔部13の天端との間の長さが3cmとなっている。
【0038】
その後、網袋の開口部に用土押え材27を挿入し、次いで挿し木25を中心として網袋の開口部を絞り込み、それからこの開口部を麻紐26によって縛り、挿し木25を固定する(図13)。その後、挿し木25の埋設部から成長した新しい根29は、網袋の網目を通って下方へ伸び、裏込め部12へと根を張る(図14)。
このように、ネコヤナギの挿し木の穿孔部内での固定時に、網袋の開口部の余長分を挿し木に巻き付け、これを麻紐で結んで固定したり、網袋が流出するおそれがある時には、付着材を用いて麻紐をコンクリート護岸に固定することで、植設されたネコヤナギの挿し木を、貫通孔内にしっかりと位置決めすることができる。
その他の構成、作用および効果は、実施例1と略同じであるので説明を省略する。
【0039】
実施例1〜実施例3では、この発明のネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法を、既設のプレキャストブロック組み上げ式のコンクリート護岸部11に適用したが、この発明はこれに限定されない。例えば、川辺の法面に護岸形成用のコンクリート法枠35を打設し、これを養生、固化した後、コンクリート法枠35の内側空間にコンクリート張り部36を打設し、これを養生、固化した打設式のコンクリート護岸部11(既設)にも適用することができる(図15)。具体的には、まずコンクリート法枠35の打設時、コンクリート張り部36の表裏面を貫通するように塩化ビニル製の塩ビ管(管体)34をセットする。その後、コンクリート35内にコンクリートを流し込み、これを養生、固化する。これにより、コンクリート張り部36に、その表裏面を貫通する植栽孔(貫通孔)13Aが形成される。
【0040】
その他、植栽孔13A付きのプレキャストブロック10を工場内でプレキャスト生産し、これを既設または新設のコンクリート護岸部11に使用してもよい。すなわち、プレキャストブロック10を工場内で打設する際、コンクリート枠工内に、プレキャストブロック10の表裏面の中央部に植栽孔13Aを形成する別の塩ビ管34をセットし、コンクリート枠工内にコンクリートを流し込み、これを養生、固化する(図16)。これにより、植栽孔13A付きのプレキャストブロック10を、工場内で大量生産することができる。しかも、コンクリート護岸部11の新設時、工場生産された植栽孔13A付きプレキャストブロック10を現場に運び込むことで、現場での工期の短縮を図ることができる。
また、水抜き孔付きのプレキャストブロック10を使用する場合、既設または新設のコンクリート護岸部11の水抜き孔に、前記塩ビ管34を挿入することで植栽孔13Aを形成してもよい(図17)。これにより、植栽孔13Aを形成する手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の実施例1に係るネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法の孔形成工程を示す一部断面図を含む側面図である。
【図2】この発明の実施例1に係るネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法の植え込み工程の途中状態を示す一部断面図を含む正面図である。
【図3】この発明の実施例1に係るネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法の植え込み工程の途中状態および固定工程の完了状態を示す一部断面図を含む正面図である。
【図4】この発明の実施例1に係るネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法の植え込み工程および固定工程の完了状態を示す一部断面図を含む正面図である。
【図5】図4のS5−S5拡大断面図である。
【図6】この発明の実施例1に係るネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法でのネコヤナギの成長状態を示す断面図である。
【図7】この発明の実施例1に係るネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法での護岸コンクリート壁の緑化状態を示す断面図である。
【図8】この発明の実施例2に係るネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法の植え込み工程の途中状態を示す一部断面図を含む正面図である。
【図9】この発明の実施例2に係るネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法の植え込み工程の鞘使用状態を示す断面図である。
【図10】この発明の実施例2に係るネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法の固定工程を示す断面図である。
【図11】この発明の実施例2に係るネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法でのネコヤナギの成長状態を示す断面図である。
【図12】この発明の実施例3に係るネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法の植え込み工程の途中状態を示す一部断面図を含む正面図である。
【図13】この発明の実施例3に係るネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法の植え込み工程および固定工程の完了状態を示す断面図である。
【図14】この発明の実施例3に係るネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法でのネコヤナギの成長状態を示す断面図である。
【図15】この発明の他の実施態様に係るネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法でのコンクリート打設式の貫通孔付き護岸コンクリート壁の施工状態を示す断面図である。
【図16】この発明の他の実施態様に係るネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法による護岸コンクリート壁に対する貫通孔付きコンクリートブロックの施工状態を示す断面図である。
【図17】この発明の他の実施態様に係るネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法での護岸コンクリート壁に対する別の貫通孔付きコンクリートブロックの施工状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0042】
10 コンクリートブロック、
11 コンクリート護岸部(護岸コンクリート壁)、
12 裏込め部(裏込め材)、
13 穿孔部(貫通孔)、
13A 植栽孔(貫通孔)、
22 竹ポット(ポット)、
22a 根通し穴、
24 用土、
25 挿し木、
28 竹クサビ、
31 竹さや(鞘)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
河川、湖沼または水路の既設の護岸コンクリート壁に対して、この河川、湖沼または水路の水面から10〜150cmの高さ位置に、この護岸コンクリート壁の表面から裏込め材にまで達する貫通孔を設け、
この貫通孔に用土を詰め込み、この用土にネコヤナギ類の苗木または挿し木を植え込み、このネコヤナギ類の苗木または挿し木の頭部をこの貫通孔の先端開口より0〜30cmだけ表側に突出させた状態でこのネコヤナギ類の苗木または挿し木を貫通孔内に固定したネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法。
【請求項2】
護岸形成用のコンクリートブロック、または、護岸形成用のコンクリート法枠の内側空間を埋めるコンクリート張り部に、その表面から裏面に貫通する貫通孔を穿設しておいて、このコンクリートブロックまたはこのコンクリート法枠を用いて河川、湖沼または水路の護岸を構築する際、この貫通孔が、これら河川、湖沼または水路の水面から10〜150cmの高さに位置するように、このコンクリートブロックまたはこのコンクリート張り部を配設し、
この貫通孔に用土を入れ、
この貫通孔内にネコヤナギ類の挿し木または苗木を植え付け、このネコヤナギ類の挿し木または苗木の頭部を貫通孔の開口から0〜30cmの長さだけ突出させて固定したネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法。
【請求項3】
上記ネコヤナギ類の挿し木または苗木は竹製、ボール紙製または塩化ビニール製の有底円筒体からなるポットに用土とともに植え付け、このポットを上記貫通孔に差し込み、固定した請求項1または請求項2に記載のネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法。
【請求項4】
上記ネコヤナギ類の挿し木または苗木は竹製、ボール紙製または塩化ビニール製の円筒の鞘に挿入されて上記貫通孔内に固定され、ネコヤナギ類の挿し木または苗木の頭部はこの貫通孔の開口から0〜30cmだけ突出させた請求項1または請求項2に記載のネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法。
【請求項5】
上記ネコヤナギ類の挿し木または苗木を網袋に用土とともに植え付け、この網袋を上記貫通孔に差し込んで固定し、上記ネコヤナギ類の挿し木または苗木の頭部を上記貫通孔の開口から0〜30cmの長さだけ突出させた請求項1または請求項2に記載のネコヤナギ類の挿し木、苗木によるコンクリート護岸の緑化工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−270387(P2009−270387A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−123829(P2008−123829)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【特許番号】特許第4313837号(P4313837)
【特許公報発行日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【出願人】(508140006)松本技術コンサルタント株式会社 (1)
【Fターム(参考)】