説明

ネットワークファクシミリ装置

【課題】画像データの送信先に対して画像データの印刷条件を設定でき、受信した画像データの印刷条件を変更することができるネットワークファクシミリ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ファクシミリ装置1は、画像データ41の送信先での印刷条件を記載した出力条件データ42を作成する。画像データ41と出力条件データ42が添付された電子メール40が、ダイレクトSMTP通信によりファクシミリ装置2に送信される。電子メール40を受信したファクシミリ装置2は、出力条件データ42に基づく画像処理を画像データ41に対して行い、印刷用ビットマップデータ52を生成する。受信原稿として印刷用ビットマップデータ52が印刷される。受信原稿を再印刷する場合、ファクシミリ装置2は、ユーザが新たに設定した印刷条件に基づく画像処理を画像データ41に対して行った上で、再印刷に用いられる印刷用ビットマップデータ52を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを電子メールの添付ファイルとして送信するネットワークファクシミリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿などをスキャンした画像データを、電子メールに添付して送信するインターネットファクシミリが、主にオフィスなどで利用されている。インターネットファクシミリでは、画像データを添付した電子メールがメールサーバを介して送信される。受信側のファクシミリ装置は、POP(Post Office Protocol)通信を利用してメールサーバに定期的にアクセスし、電子メールを受信する必要がある。このため、通常のインターネットファクシミリには、リアルタイムで原稿を送信することが難しいという問題がある。
【0003】
この問題の解決策として、ダイレクトSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)通信を利用する方法がある。これにより、画像データが添付された電子メールが、メールサーバを介することなく送信先のファクシミリ装置に直接送信されるため、画像データをリアルタイムに送信することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2005−151263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のファクシミリ装置を用いて原稿を送信する場合、原稿の準備がユーザにとって負担になることがある。たとえば、受信側のユーザから集約印刷された原稿の送信を指示された場合などである。この場合、送信側のユーザは、受信側のユーザから指定された印刷条件で原稿を再印刷し、再印刷された原稿を用いてファクシミリ送信を行わなければならなかった。
【0006】
また、画像データとともに、HTML(HyperText Markup Language)などのマークアップ言語で記述された文書を送信するファクシミリ装置が存在する。
【0007】
たとえば、上記特許文献1に係るファクシミリ装置は、画像データを添付した電子メールの他に、HTMLで記述された画像データのインデックスを添付した電子メールを送信する。受信側のユーザは、画像データの再送を希望する場合、インデックスの所定の欄に再送を希望する画像データに関する情報を記入して、インデックスを返信する。特許文献1に係るファクシミリ装置は、返信されたインデックスを用いて、再送が指示された画像データを送信する。
【0008】
上述したファクシミリ装置では、受信した画像データは等倍で印刷される。しかし、受信した画像データのサイズなどによっては、印刷された受信原稿が見づらい場合がある。このような場合、受信側のファクシミリ装置のユーザは、拡大された画像データの再送を要求しなければならなかった。
【0009】
そこで、本発明は前期問題点に鑑み、画像データの送信先に対して画像データの印刷条件を設定することができるファクシミリ装置、および受信した画像データの印刷条件を変更することができるネットワークファクシミリ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、送信対象の画像データの出力条件が指定された出力条件データを作成する出力条件指定部と、前記画像データと前記出力条件データとを添付した電子メールを作成する電子メール作成部と、指定された送信先に前記電子メールを送信する送信部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のネットワークファクシミリ装置において、前記出力条件データは、前記送信先において前記画像データが印刷されるときに利用される前記画像データのレイアウトを指定したデータであることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、画像データを含む原稿データが添付された電子メールを受信する受信部と、前記画像データの出力条件が指定された出力条件データが前記原稿データに含まれているかどうかを確認する原稿データ解析部と、前記出力条件データが検出された場合、前記出力条件データに基づいて前記画像データから出力用画像データを生成する画像処理部と、前記出力用画像データを印刷する印刷部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載のネットワークファクシミリ装置において、さらに、前記出力条件データを含む前記原稿データを記憶する記憶部と、前記出力条件の変更指示に基づいて前記記憶部に記憶された前記出力条件データを変更する出力条件変更部と、を備え、前記画像処理部は、変更された前記出力条件データに基づいて、前記画像データから新たな出力用画像データを生成することを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項3または請求項4に記載のネットワークファクシミリ装置において、前記出力条件データは、前記出力用画像データ上に配置される前記画像データのレイアウトを指定したデータであることを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項4に記載のネットワークファクシミリ装置において、さらに、前記出力条件の変更対象となる前記出力条件データを前記記憶部から取得し、取得した前記出力条件データで指定された出力条件を表示する表示部、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るネットワークファクシミリ装置は、画像データと画像データの出力条件が指定された出力条件データとを添付した電子メールを送信する。また、本発明に係るネットワークファクシミリ装置は、受信した電子メールに画像データおよび出力条件データが添付されている場合、出力条件データに基づいて画像データの印刷処理を実行する。これにより、電子メールの送信者は、電子メールの送信先で画像データの出力条件を自由に指定することができる。
【0017】
また、本発明に係るネットワークファクシミリ装置は、出力条件の変更指示に応じて出力条件データを変更し、変更された出力条件データに基づいて画像データの印刷処理を実行する。これにより、ユーザは、画像データの再送を要求することなく、ユーザにとって見やすい状態で画像データを印刷することができる。
【0018】
また、本発明に係るネットワークファクシミリ装置は、出力条件の変更対象となる出力条件データを取得し、取得した出力条件データを用いて変更前の出力条件を表示する。これにより、ユーザは、送信元が指定した出力条件を参照しながら出力条件を変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係るファクシミリ装置1、2の構成を含むネットワークシステムの構成図である。図1に示すネットワークシステムは、ファクシミリ装置1、2がそれぞれLAN(Local Area Network)3に接続された構成である。図1に示すネットワークシステムが、たとえば、企業内のイントラネットとして構築される。
【0020】
ファクシミリ装置1、2は、原稿を読み取って作成した画像データ41を、電子メール40を利用して送受信するインターネットファクシミリ装置である。ファクシミリ装置2は、メールサーバ機能を有している。したがって、ファクシミリ装置1は、ダイレクトSMTP通信を利用して、電子メール40を直接ファクシミリ装置2に送信することができる。
【0021】
まず、ファクシミリ装置1の構成について説明する。ファクシミリ装置1は、制御部11と、操作部12と、タッチパネル式ディスプレイ13と、スキャナ部14と、通信部15とを備える。
【0022】
制御部11は、ファクシミリ装置1の全体制御を行う。制御部11は、出力条件指定部111と、電子メール作成部112と、SMTP通信部113とを備えている。
【0023】
出力条件指定部111は、送信対象の画像データ41、41・・・の印刷条件が記述された出力条件データ42を作成する。出力条件データ42は、XHTML(eXtensible HyperText Markup Language)形式で記述される。なお、出力条件データ42の記述形式は、XHTML形式に限られず、XML(eXtensible Markup Language)形式を用いてもよい。
【0024】
電子メール作成部112は、画像データ41および出力条件データ42で構成される原稿データが添付された電子メール40を作成する。SMTP通信部113は、ダイレクトSMTP通信を利用して電子メール40をファクシミリ装置2に送信する。
【0025】
操作部12は、ファクシミリ装置1に対する各種指示を入力するためのハードウェアキーなどである。タッチパネル式ディスプレイ13は、ファクシミリ装置1に関する情報、および各種の操作メニューを表示する。ユーザは、操作部12およびタッチパネル式ディスプレイ13を利用して、ファクシミリ装置1の各種操作をすることが可能である。
【0026】
スキャナ部14は、原稿を読み取って、原稿の各ページに対応する画像データ41、41・・・を作成する。通信部15は、LAN3に接続された各コンピュータとの間で、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などを利用してデータの送受信を行う。
【0027】
次に、ファクシミリ装置2の構成について説明する。ファクシミリ装置2は、制御部21と、操作部22と、タッチパネル式ディスプレイ23と、印刷部24と、通信部25と、記憶部26とを備える。
【0028】
制御部21は、ファクシミリ装置2の全体制御を行う。制御部21は、SMTP通信部211と、原稿データ解析部212と、出力条件変更部213と、画像処理部214とを備えている。
【0029】
SMTP通信部211は、メールサーバとして機能し、ダイレクトSMTP通信により送信された電子メール40の受信処理を行う。原稿データ解析部212は、受信した電子メール40に出力条件データ42が添付されているかどうかを判定する。出力条件変更部213は、画像データ41の再印刷時に、新たに指定された印刷条件に基づいて出力条件データ42を変更する。画像処理部214は、出力条件データ42に基づいて、画像データ41、41・・・から印刷用ビットマップデータ52を作成する。
【0030】
記憶部26は、ランダムアクセスメモリなどで構成されており、ファクシミリ装置1から送信された電子メール40などを格納する。
【0031】
なお、ファクシミリ装置2における操作部22、タッチパネル式ディスプレイ23、通信部25は、ファクシミリ装置1の各構成要素と同じである。このため、これらの構成要素の説明を省略する。
【0032】
以下、上述の構成を有するファクシミリ装置1、2の動作について、それぞれ説明する。最初に、ファクシミリ装置1における電子メール40の送信処理について説明する。図2は、電子メール40を送信するファクシミリ装置1の動作の流れを示すフローチャートである。
【0033】
まず、ファクシミリ装置1のユーザは、原稿をオートドキュメントフィーダ(図示省略)などにセットする。ダイレクトSMTP通信を用いたインターネットファクシミリ送信に関する設定情報(送信先情報、印刷条件など)が、操作部12およびタッチパネル式ディスプレイ13を介してファクシミリ装置1に入力される。ユーザが送信指示を入力することにより、ファクシミリ装置1は、図2に示す処理を開始する。
【0034】
出力条件指定部111は、印刷条件として集約印刷が指定されている場合(ステップS101においてYes)、集約印刷に対応する出力条件データ42を作成する(ステップS102)。出力条件データ42には、受信側の装置(ファクシミリ装置2)が画像データ41、41・・・の集約印刷を実行するために必要な各画像データ41のサイズ情報、位置情報、回転情報などが、XHTML形式で記述されている。
【0035】
次に、スキャナ部14が原稿を1枚読み取り、等倍の画像データ41を作成する(ステップS103)。なお、スキャナ部14は、ユーザが入力した設定情報などに応じて、原稿とサイズの異なる画像データ41を作成してもよい。また、画像データ41は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式であることが望ましいが、これに限られない。スキャナ部14は、全ての原稿のスキャンが完了するまで(ステップS104においてYes)、ステップS103に示す処理を繰り返す。これにより、各ページに対応する画像データ41、41・・・が作成される。
【0036】
出力条件データ42が作成されている場合(ステップS105においてYes)、出力条件指定部111は、各画像データ41を識別する識別情報を出力条件データ42に追加する(ステップS106)。電子メール作成部112が、画像データ41、41・・・および出力条件データ42をMIME(Multipurpose Internet Mail Extension)エンコードする。MIMEエンコードされた画像データ41、41・・・および出力条件データ42が、送信先が指定された電子メール40に添付される(ステップS107)。SMTP通信部113は、ダイレクトSMTP通信を利用して、電子メール40をファクシミリ装置2に送信する(ステップS108)。これにより、ファクシミリ装置1は、図2に示す処理を終了する。
【0037】
一方、出力条件データ42が作成されていない場合(ステップS105においてNo)、電子メール40には、画像データ41、41・・・のみが添付される(ステップS109)。SMTP通信部113が電子メール40をファクシミリ装置2に送信することにより、図2に示す処理が終了する。
【0038】
次に、ファクシミリ装置2における電子メール40の受信処理について説明する。図3は、電子メール40を受信するファクシミリ装置2の動作の流れを示すフローチャートである。
【0039】
SMTP通信部211は、電子メール40を受信した場合(ステップS201においてYes)、受信した電子メール40を記憶部26に格納する。原稿データ解析部212は、電子メール40に対してMIMEデコードを実行し、添付ファイルを取得する(ステップS202)。取得した添付ファイルが出力条件データ42である場合(ステップS203においてYes)、原稿データ解析部212は、出力条件データ42から印刷条件を抽出し、画像処理部214に対して抽出した印刷条件を設定する(ステップS204)。
【0040】
一方、取得した添付ファイルが画像データ41である場合(ステップS203においてNo)、画像処理部214が、JPEG形式の画像データ41をデコードしてビットマップデータ51を生成する(ステップS205)。ビットマップデータ51は、画像データ41と同一のサイズである。全ての添付ファイルを取得していない場合(ステップS206においてNo)、原稿データ解析部212は、次の添付ファイルを取得するためにステップS202に示す処理に戻る。
【0041】
全ての添付ファイルの取得が完了した場合(ステップS206においてYes)、画像処理部214が、ステップS204で設定された印刷条件に基づいて、ビットマップデータ51、51・・・から印刷用ビットマップデータ52を作成する(ステップS207)。印刷用ビットマップデータ52は、出力条件データ42に記述された印刷条件に基づいて、画像データ41、41・・・から作成されるラスタ形式のデータである。印刷部24は、印刷用ビットマップデータ52を記録用紙に印刷して(ステップS208)、受信原稿を出力する。
【0042】
ここで、ファクシミリ装置2における画像データ41の変化について説明する。図4は、印刷条件として4ページ分の画像データ41を1ページにまとめる集約印刷(4in1)が指定された場合における画像データ41の変化を示している。画像データ41、ビットマップデータ51中の番号は、原稿のページ番号を示している。
【0043】
図4に示すように、ステップS205の処理によって、JPEG形式の画像データ41、41・・・から、ビットマップデータ51、51・・・が生成される。画像処理部214が、ステップS207の処理によって印刷用ビットマップデータ52を生成する。具体的には、出力条件データ42に記述された印刷条件に基づいて、各ビットマップデータ51が縮小され、縮小された各ビットマップデータ51が、印刷用ビットマップデータ52上に配置される。
【0044】
以下、図3に示すフローチャートの説明に戻る。ファクシミリ装置2は、電子メール40の削除が指示されている場合(ステップS209においてYes)、記憶部26に格納された電子メール40を削除し(ステップS210)、図3に示す処理を終了する。一方、電子メール40の保存が指示されている場合(ステップS209においてNo)、ファクシミリ装置2は、記憶部26に電子メール40を格納した状態のまま図3に示す処理を終了する。電子メール40の削除については、制御部21が印刷処理(ステップS208)の終了後にユーザに問い合わせてもよい。あるいは、ファクシミリ装置2に、電子メール40の削除を指示する設定情報が予め登録されていてもよい。
【0045】
なお、電子メール40の保存が指示されている場合(S209においてNo)において、ファクシミリ装置2は、電子メール40ではなく、電子メール40の添付ファイルを記憶部26に保存してもよい。この場合、電子メール40に添付された画像データ41、41・・・と出力条件データ42とが対応づけられた状態で記憶部25に格納される。
【0046】
このように、ファクシミリ装置2は、画像データ41をそのまま印刷するのではなく、出力条件データ42に記述された印刷条件に基づいた印刷処理を行う。したがって、ファクシミリ装置1のユーザは、電子メール40の受信側に対して画像データ41の出力条件を自由に設定することができる。
【0047】
しかし、図3に示す処理によって出力される受信原稿は、集約印刷により画像データ41が縮小されているため見づらいことがある。このような場合、ファクシミリ装置2のユーザは、印刷条件を変更した上で、受信原稿の再印刷を行うことができる。
【0048】
以下、図5を用いて受信原稿の再印刷処理について説明する。図5は、画像データ41を再印刷するファクシミリ装置2の動作の流れを示すフローチャートである。なお、図5に示すフローチャートは、出力条件データ42が添付された電子メール40に対して適用される。
【0049】
まず、ファクシミリ装置2のユーザが、操作部22およびタッチパネル式ディスプレイ23を操作して、記憶部26に格納されている電子メール40の中から再印刷の対象となる電子メール40を指定する(ステップS301)。
【0050】
次に、原稿データ解析部212が、電子メール40に対してMIMEデコードを行い、添付ファイルを取得する(ステップS302)。取得した添付ファイルが出力条件データ42の場合(ステップS303においてYes)、原稿データ解析部212は、出力条件データ42から印刷条件を取得する。取得した印刷条件は、タッチパネル式ディスプレイ23に表示される(ステップS304)。一方、取得した添付ファイルが画像データ41の場合(ステップS303においてNo)、画像データ41からビットマップデータ51が生成される(ステップS305)。制御部21は、全ての添付ファイルを取得するまで(ステップS306においてYes)、ステップS302〜S305の処理を繰り返す。
【0051】
なお、記憶部26に画像データ41、41・・・および出力条件データ42が格納されている場合、ユーザは、再印刷の対象として画像データ41、41・・・を指定する。このとき、ステップS301〜S306に示す処理は行われず、指定された画像データ41からビットマップデータ51が生成される。また、原稿データ解析部212は、指定された画像データ41に対応する出力条件データ42から印刷条件を取得し、取得した印刷条件をタッチパネル式ディスプレイ23に表示する。
【0052】
ユーザは、タッチパネル式ディスプレイ23に表示された印刷条件を確認し、印刷条件を変更するかどうか判断する。印刷条件を変更する場合、ユーザは、操作部22およびタッチパネル式ディスプレイ23を操作して新たな印刷条件を入力する。たとえば、最初に出力された受信原稿において画像データ41がつぶれて印刷されていた場合、画像データ41の等倍印刷または拡大印刷を指定することができる。
【0053】
印刷条件が変更された場合(ステップS307においてYes)、出力条件変更部213は、ユーザが入力した新たな印刷条件を出力条件データ42に反映させる(ステップS308)。画像処理部214は、出力条件データ42に基づいて、ビットマップデータ51、51・・・から印刷用ビットマップデータ52を生成する(ステップS309)、印刷部24が、印刷用ビットマップデータ52の印刷処理を実行する(ステップS310)。このように、ファクシミリ装置2は、印刷条件を変更し、変更された印刷条件に基づいて画像データ41、41・・・を再印刷することができる。
【0054】
次に、制御部21は、再印刷対象の電子メール40の削除が指示されている場合(ステップS311においてYes)、再印刷対象の電子メール40を記憶部26から削除し(ステップS312)、図5に示す処理を終了する。一方、電子メール40の保存が指示されている場合(ステップS311においてNo)、制御部21は、出力条件データ42が変更されたかどうかを確認する(ステップS313)。
【0055】
出力条件データ42が変更されていない場合(ステップS313においてNo)、制御部21は、記憶部26に電子メール40を格納した状態のまま、図5に示す処理を終了する。一方、出力条件データ42が変更された場合(ステップS313においてYes)、制御部21は、新たな印刷条件が反映された出力条件データ42に置き換えられた電子メール40を記憶部26に格納する(ステップS314)。このとき、印刷条件の変更前の出力条件データ42は削除される。
【0056】
なお、ステップS314において、制御部21は、変更前の出力条件データ42と、変更後の出力条件データ42とが添付された電子メール40を記憶部26に格納してもよい。また、電子メール40の保存が指示された場合(ステップS311においてNo)、制御部21は、ステップS313の処理を省略してもよい。つまり、制御部21は、印刷条件が変更された出力条件データ42の保存処理を行わなくてもよい。
【0057】
以上説明したように、ファクシミリ装置1は、原稿送信時に、画像データ41と、画像データ41の印刷条件を記録した出力条件データ42とを添付した電子メール40を送信する。これにより、ファクシミリ装置1のユーザは、送信先で印刷される画像データ41の印刷条件を自由に設定することができる。
【0058】
また、ファクシミリ装置2は、記憶部26に電子メール40を保存し、変更された印刷条件に基づいて画像データ41を再印刷することができる。これにより、ファクシミリ装置2のユーザは、画像データ41の再送信を送信元に要求することなく、所望の受信原稿を得ることができる。
【0059】
なお、上記実施の形態において、ファクシミリ装置1が集約印刷(Nin1)に対応する出力条件データ42を作成する場合を例として説明した。しかし、ファクシミリ装置1のユーザは、集約印刷だけでなく、画像データ41の回転、または拡大/縮小などを印刷条件として指定することができる。この場合、ファクシミリ装置1は、各種の印刷条件に応じた出力条件データ42を作成する。ファクシミリ装置2は、出力条件データ42に記述された各種の印刷条件に応じて、印刷用ビットマップデータ52を生成する。
【0060】
また、上記実施の形態において、ダイレクトSMTP通信を用いる場合について説明したが、これに限られない。ファクシミリ装置1、2が、メールサーバを介して電子メール40を送受信する場合でも、上記の処理を適用することができる。
【0061】
また、上記実施の形態で説明した電子メール40の再印刷処理において、電子メール40から取得した出力条件データ42を表示する(ステップS304)例について説明したが、これに限られない。たとえば、ユーザは、再印刷対象の電子メール40と、印刷条件とを同時に指定してもよい。この場合、ステップS304の処理は省略される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置の構成を含むネットワークシステムの構成図である。
【図2】原稿データを送信するファクシミリ装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図3】原稿データを受信したファクシミリ装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】集約印刷が設定された場合における画像データの変化を示す図である。
【図5】原稿データを再印刷するファクシミリ装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
1、2 ファクシミリ装置
11、21 制御部
12、22 操作部
13、23 タッチパネル式ディスプレイ
14 スキャナ部
24 印刷部
26 記憶部
111 出力条件指定部
112 電子メール作成部
113、211 SMTP通信部
212 原稿データ解析部
213 出力条件変更部
214 画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信対象の画像データの出力条件が指定された出力条件データを作成する出力条件指定部と、
前記画像データと前記出力条件データとを添付した電子メールを作成する電子メール作成部と、
指定された送信先に前記電子メールを送信する送信部と、
を備えることを特徴とするネットワークファクシミリ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワークファクシミリ装置において、
前記出力条件データは、前記送信先において前記画像データが印刷されるときに利用される前記画像データのレイアウトを指定したデータであることを特徴とするネットワークファクシミリ装置。
【請求項3】
画像データを含む原稿データが添付された電子メールを受信する受信部と、
前記画像データの出力条件が指定された出力条件データが前記原稿データに含まれているかどうかを確認する原稿データ解析部と、
前記出力条件データが検出された場合、前記出力条件データに基づいて前記画像データから出力用画像データを生成する画像処理部と、
前記出力用画像データを印刷する印刷部と、
を備えることを特徴とするネットワークファクシミリ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のネットワークファクシミリ装置において、さらに、
前記出力条件データを含む前記原稿データを記憶する記憶部と、
前記出力条件の変更指示に基づいて前記記憶部に記憶された前記出力条件データを変更する出力条件変更部と、
を備え、
前記画像処理部は、変更された前記出力条件データに基づいて、前記画像データから新たな出力用画像データを生成することを特徴とするネットワークファクシミリ装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のネットワークファクシミリ装置において、
前記出力条件データは、前記出力用画像データ上に配置される前記画像データのレイアウトを指定したデータであることを特徴とするネットワークファクシミリ装置。
【請求項6】
請求項4に記載のネットワークファクシミリ装置において、さらに、
前記出力条件の変更対象となる前記出力条件データを前記記憶部から取得し、取得した前記出力条件データで指定された出力条件を表示する表示部、
を備えることを特徴とするネットワークファクシミリ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−4345(P2010−4345A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−161727(P2008−161727)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】