説明

ネットワーク対応型の集合住宅用インターホンシステム

【課題】ロビーインターホンが撮影した帰宅者画像を、広域ネットワーク上のサーバ装置に転送し、そのセンター装置から住戸人の携帯電話などに来客通知して、その画像を閲覧させる機能を低コストで実現した集合住宅用のインターホンシステムを提供する。
【解決手段】帰宅者の認証が成功したときには、カメラ12eを作動させて撮影した映像から帰宅者の画像ファイルを生成する画像生成部12fと、生成された帰宅者の画像ファイルに住戸識別情報を付加してインターホン回線17に出力して、広域ネットワーク20上のメール送信サーバ装置21に送信させる画像送信部11iとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住棟の各部屋に設置される住戸インターホンをインターネットなどの広域ネットワーク上のサーバ装置に接続させる機能を有したネットワーク対応型のインターホンシステムの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
インターホンシステムに関する従来技術として、特許文献1には、ドアホンのカメラで撮像された画像と、マイクロホンで集音した通話音声とを、住戸インターホンに接続した録画転送コントローラによって広域ネットワーク上のセンター装置に転送し、そのセンター装置から携帯電話などに来客通知して、それらの画像、通話音声を閲覧させる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-235604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、戸建て住宅用のインターホンシステムに関するもので、マンションなどの集合住宅用のインターホンシステムについての記載はない。したがってこの技術を集合住宅用のインターホンシステムにそのまま適用しようとすれば、各部屋に録画転送コントローラを設ける必要があるなどコストが高くなるという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、ロビーインターホンが撮影した帰宅者の画像ファイルを、広域ネットワーク上のサーバ装置に転送し、そのセンター装置から住戸人の携帯電話などに来客通知して、その画像を閲覧させる機能を低コストで実現した集合住宅用のインターホンシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、住戸インターホンと、カメラ付きロビーインターホンとを、インターホン回線によって接続し、かつそのインターホン回線を通じて、住戸インターホンを広域ネットワーク上のサーバ装置に接続させる機能を有したネットワーク対応型の集合住宅用インターホンシステムにおいて、帰宅者の認証が成功したときには、ロビーインターホンのカメラを作動させて撮影した映像から帰宅者の画像ファイルを生成する帰宅者画像生成部と、生成された帰宅者の画像ファイルに住戸識別情報を付加してインターホン回線に出力して、広域ネットワーク上のメール送信サーバ装置に送信させる帰宅者画像送信部とを備えている。
【0007】
前記帰宅者画像生成部は、ロビーインターホンに設けられ、前記帰宅者画像送信部は、住戸インターホンに設けられてもよい。また前記帰宅者画像生成部、前記帰宅者画像送信部は、いずれも住戸インターホンに設けられてもよい。あるいは、前記帰宅者画像生成部、前記帰宅者画像送信部は、いずれもロビーインターホンに設けられてもよい。
【0008】
住戸インターホンは、在宅または留守モードを設定するモード操作部を更に備えており、
ロビーインターホンから帰宅者の画像ファイルを受信すると、在宅または留守モードを判別して、留守モードであれば、該帰宅者の画像ファイルをインターホン回線に出力して、広域ネットワーク上のメール送信サーバに送信させる。
【0009】
メールサーバ装置は、住戸識別情報に対応させて通信端末のメールアドレスが予め登録されており、集合住宅用インターホンシステムから帰宅者の画像ファイルを受信すると、付加されている住戸識別情報を判別して、該帰宅者の画像を参照させるための通知メールを、対応した通信端末のメールアドレス宛に自動的に送信してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、集合住宅用インターホンシステムは、住戸の来客画像を外部に転送させる際に、インターホン回線を通じて広域ネットワークに接続する構成としている。したがって特許文献1に記載されているような録画転送コントローラを部屋毎に設置して、それぞれを広域ネットワークに接続させる必要がなくコストが抑えられる。またプロバイダ契約も住棟一括で済むので、通信費も少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明によるインターホンシステムのブロック図である。
【図2】住戸インターホンの正面概略図である。
【図3】ロビーインターホンの正面概略図である。
【図4】インターホン回線での信号伝送を説明するための図である。
【図5】メール送信サーバ装置における住戸識別情報とメールアドレスとの関連付けを説明するための表である。
【図6】帰宅通知メールの例である。
【図7】基本動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のインターホンシステム1は、図1に示すように、カメラ11kを有したドアホン11aを有した住戸インターホン11と、ロビーインターホン12とをインターホン回線17によって接続している。そして、そのインターホン回線17には、住戸インターホン11を広域ネットワーク20上の各種サーバ装置に接続させるためのゲートウェイ装置15を備えた基本構成を有する。なお広域ネットワーク20は、例としてインターネットを想定している。
【0013】
またインターホンシステム1は、住戸インターホン11とロビーインターホン12との呼出、通話を制御する制御装置14、管理人室機(警報監視盤)13、帰宅した居住者を認証する認証装置16などを備えている。
【0014】
ドアホン11aに設けられるカメラ11kに特に制限はなく、例えば320×240画素程度の解像度のカラーまたはモノクロ動画の映像信号を、アナログあるいはデジタル信号として出力すればよい。
【0015】
ここに住戸インターホン11は、住宅情報盤として構成されており、ドアホン11a以外にもセキュリティセンサ(図示なし)などが接続されている。そして基本的な構成要素として、図2に示すように、タッチパネルで構成されたモニタ画面11b、メッセージランプ11c、通話キー11d、通話部を形成するスピーカ11e、マイク11fなどを備えている。
【0016】
そして更に本発明に係る構成要素として、留守または在宅モードを設定するモード操作部11g、帰宅者画像ファイルをメール送信サーバ装置21に送信する画像送信部11iとを備えている。
【0017】
モード操作部11gによって設定される留守モードは、外出中に不法侵入などを警報監視するためのモードで、ドアや窓などのセキュリティセンサが作動状態になる。一方在室モードは、その警報監視が解除されたモードである。本発明では、後述するように、ロビーインターホン12のカメラ12eで撮影した帰宅者画像を携帯電話機などで閲覧できるように動作するが、この動作は、基本的には留守モードのときだけで充分である。
【0018】
画像送信部11iは、ロビーインターホン12から受信した帰宅者画像ファイルに住戸識別情報を付加してインターホン回線17に出力して、ゲートウェイ装置15によって広域ネットワーク20上のメール送信サーバ装置21に送信させる。
【0019】
ロビーインターホン12は図3に示すように、部屋番号などを表示する表示窓12a、部屋番号を指定したり呼出操作したりするための操作部12b、通話部を構成するスピーカ12c、マイク12d、来客を撮影するカメラ12eなどを備えている。ロビーインターホン12には、認証装置16に接続される認証操作部16aを一体あるいは別体として付設しておくとよい。この場合、認証装置16による認証が成功すれば、ロビー扉の電気錠(図示なし)が自動的に解錠する。なお図ではロビーインターホン12は1台であるが、住戸数に応じて複数台のロビーインターホン12を設けることが望ましい。
【0020】
またロビーインターホン12は、本発明に係る構成要素として、カメラ12eを作動させて撮影した映像から帰宅者画像ファイルを生成する画像生成部12fを備える。このカメラ12eは、ドアホン11aに設けられたカメラ11kと同様のものでよい。画像生成部12fは、認証装置16による帰宅者の認証が成功すると、カメラ12eを作動させて撮影した映像から帰宅者画像ファイルを生成する。帰宅者画像ファイルの生成は、具体的には、カメラ12eが出力した映像信号から所定数のフレームを取り出して、例えばJPEGなどの静止画像ファイルに圧縮する。生成するファイル数に特に制限はない。
【0021】
なお画像生成部12fは、ロビーインターホン12ではなく住戸インターホン11に設けてもよい。この場合、ロビーインターホン12は、カメラ12eを作動させて撮影した映像信号を、来客対応時と同様に住戸インターホン11に送信し、住戸インターホン11の画像生成部11iが、ロビーインターホン12から送信されてきた映像信号から、帰宅者画像を生成する。なお、別構成として画像生成部12f、画像送信部11iは、いずれもロビーインターホン12に設けてもよい。この場合は、ロビーインターホン12に設けられた画像送信部11iは、住戸インターホン11に、住戸識別情報を問い合わせる。要するに、画像生成部12f、画像送信部11iは、インターホンシステム1内に備えられていれば、その場所は特に限定されず、上記以外の構成として、制御装置14に設けられていても構わない。
【0022】
管理人室機13は、選択した住戸インターホン11あるいはロビーインターホン12との通話ができ、また住戸インターホン11から発信された異常発生信号を受け付けて所定の対応処理をなす装置である。そして基本的な構成要素として、モニタ画面、通話部を構成するハンドセット、異常報知手段を構成する警報ランプ、スピーカ(いずれも図示なし)などを備えている。
【0023】
制御装置14は、住戸インターホン11と、ロビーインターホン12あるいは管理人室機13との信号伝送を制御する装置であって、住戸インターホン11、ロビーインターホン12、管理人室機13は、この装置に接続されている。制御装置14には、ゲートウェイ装置15も接続されている。
【0024】
ゲートウェイ装置15は、全ての住戸インターホン11によって共用される装置であって、住戸インターホン11のそれぞれと、例えばメール送信サーバ装置21などの広域ネットワーク20上の通信装置との通信を中継する。この中継のための機能として、インターホン回線17と、広域ネットワーク20との間のプロトコル変換、アドレス変換などを行うことができる。
【0025】
認証装置16は、非接触式カードキーなどの認証媒体から読み取った認証情報と、登録されている認証情報とを対照して居住者を認証する装置であり、認証が成功したときには、認証操作部16aに対応した扉の電気錠を解錠する。例えばロビーインターホン12に付設されている認証操作部16aの場合はロビー扉の電気錠を解錠するが、駐車場に設置されている認証操作部16aの場合は、駐車場通用扉(図示なし)の電気錠を解錠するようになっている。
【0026】
住戸インターホン11と制御装置14はデジタル式のインターホン回線17によって接続されており、そこでは送信先、送信元のアドレスを指定した信号伝送が行われる。プロトコルの物理レイヤは任意であるが、本発明のためには論理レイヤでTCP/IPを利用できるとよい。この場合、住戸インターホン11のそれぞれには、固有のグローバルIPアドレスあるいはローカルIPアドレスが割り当てられる。また、制御装置14とロビーインターホン12あるいは管理人室機13との信号伝送も同様である。なおインターホン回線17は、一般的なツイストペアケーブルを用いればよいが、専用ケーブルを用いてもよい。インターホン回線17は少なくとも、設置されているロビーインターホン12の全てが、その通信相手の住戸インターホン11との間で映像および音声を支障なく伝送できるだけの通信帯域を有する。
【0027】
メール送信サーバ装置21は、住戸識別情報に対応させて通信端末22のメールアドレスが予め登録されている。そしてゲートウェイ装置15から帰宅者画像ファイルを受信すると、付加されている住戸識別情報を判別して、帰宅者画像ファイルを参照させるための通知メールを自動的に生成して、対応した通信端末22のメールアドレス宛に送信する。
【0028】
通信端末22は、携帯電話機やパソコンなどであって、広域ネットワーク20に無線または有線で接続しており、メール送信サーバ装置21が送信した通知メールを、図示しないメールサーバを介して受信する。
【0029】
次いで、インターホンシステム1の基本動作を説明する。
【0030】
インターホンシステム1における呼出、通信制御の基本機能、動作は従来システムと同様である。すなわちロビーインターホン12で住戸番号を指定した呼出操作がなされると、制御装置14によって、指定された住戸の住戸インターホン11が呼び出される。呼び出された住戸インターホン11は、チャイム音によって呼出報知する。そして住戸インターホン11で通話キー11dが操作されると、制御装置14は、住戸インターホン11とロビーインターホン12との間に排他的な通話チャンネルを構成して、訪問者と住戸人との通話を許可する。その後、通話キー11dが再操作されたとき、あるいは所定時間が経過したときに、その通話チャンネルは開放される。なお、ロビーインターホン12が複数ある場合は、それぞれの通話チャンネルは排他的に制御される。
【0031】
更にロビーインターホン12で呼出操作がなされてから通話チャンネルが解放されるまでの間、ロビーインターホン12のカメラ12eが撮影した映像を住戸インターホンで表示するため、排他的な映像チャンネルが構成される。このようにすれば、訪問者の映像を住戸インターホン11でモニタしながら対応できる。
【0032】
また、インターホンシステム1は、集合住宅の警報監視システムとしても機能しており、その動作も従来と同様である。すなわち、住戸インターホン11は、セキュリティセンサが異常発生を検知すると、モニタ画面11bに警報画面を表示すると共に、スピーカ11eから警報メッセージを出力する。また、住戸インターホン11は、異常発生を管理人室機13に通知する。管理人室機13は、その通知を受信すると、警報を出力する。その後、管理人の操作に応じて、異常発生を通知してきた住戸インターホン11や、その近隣の住戸インターホン11から、避難メッセージなどを出力させることもできる。また、防災センターなどに異常発生を移報することもできる。
【0033】
また本発明の特徴的な構成として、ロビーインターホン12が撮影した帰宅者画像を、住戸インターホン11、インターホン回線17およびゲートウェイ装置15を通じて、メール送信サーバ装置21に転送し、携帯電話機などに通知メールによって通知して、その来客画像を閲覧できるようにしている。このようにすれば、住棟の全部屋の住戸インターホン11によってゲートウェイ装置15が利用されるので、広域ネットワーク20に接続するアダプタなどを部屋毎に設ける必要がなく、コストが抑えられる。
【0034】
具体的には、住戸人がロビーインターホン12に付設されている認証操作部16aで認証操作を行うと、認証装置16はその住戸人を認証してロビー扉の電気錠を解錠すると共に、認証情報を制御装置に伝送する。この認証情報を受けた制御装置はロビーインターホン12に所定の制御信号を送信する。その制御信号によって、ロビーインターホン12はカメラ12eを作動させ、その映像信号から帰宅者画像ファイルを生成して、インターホン回線17を通じて住戸インターホン11に送信する。
【0035】
住戸インターホン11は、その帰宅者画像ファイルを受信すると、そのファイルに住戸識別情報を付加してインターホン回線17に出力して、ゲートウェイ装置15に一時記憶させる。なお住戸インターホン11は、ロビーインターホン12から帰宅者画像ファイルを受信すると、在宅または留守モードを判別して、留守モードであれば、帰宅者画像ファイルを、ゲートウェイ装置15によってメール送信サーバ装置21に送信させる。このようにすれば、通信端末22に無駄な通知メールが送信されずに済む。
【0036】
なお在宅または留守モードで帰宅者画像ファイルを送信するか否かを決定するという構成は、帰宅者画像ファイルをロビーインターホン12から住戸インターホン11を経由してゲートウェイ装置15に伝送することで可能になる。
【0037】
また帰宅者画像ファイルに付加される住戸識別情報は、固有の住戸番号でもよいが、グローバルIPアドレス、ローカルIPアドレスでも構わない。また、帰宅者画像ファイルには、住戸人が所持する認証媒体の番号などが更に付加されていてもよい。
【0038】
ゲートウェイ装置15は、インターホン回線17から帰宅者画像ファイルの細分化された各片を全て受信して1ファイルに組み立てて一時記憶した後、そのファイルを広域ネットワーク20上のメール送信サーバ装置21に送信する。このとき必要であれば、IPアドレス変換なども行う。広域ネットワーク20がインターネットであれば、ゲートウェイ装置15は、TCP/IPに従ってメール送信サーバ装置21との接続を確立した後、帰宅者画像ファイルを複数のパケットに分割した各パケットにメール送信サーバ装置21のグローバルIPアドレスを付加して、広域ネットワーク20に出力する。
【0039】
広域ネットワーク20での通信の概要は次のようなものである。すなわちネットワークは、複数のプロバイダ(LAN)の集合体であって、プロバイダでは、各ホストにゲートウェイ情報が設定され、ゲートウェイであるルータ(ゲートウェイ)にはルート情報が設定されている。したがっていずれかのプロバイダの送信元ホストから発信されたパケットは、ゲートウェイ情報で指定されたルータを通じて、隣接した別のプロバイダに転送され、そして、その転送を受けたプロバイダのルータは、そこに設定されているルート情報に従って、更に別のプロバイダにパケットを転送するというように、プロバイダ間のパケット転送が繰り返される。このようにして、送信元ホストが発信したパケットは、複数のプロバイダを経由して、最終的には特定のプロバイダに属する送信先ホストに到達する。ゲートウェイ装置15とメール送信サーバ装置21との接続を確立するためのパケット、帰宅者画像ファイルを分割したパケットもこの仕組みによって伝送される。
【0040】
メール送信サーバ装置21は、図5に示しているようなテーブル形式で、住戸番号と、通信端末22のメールアドレスとを関連付けて記憶している。そして、帰宅者画像ファイルを受信するとそのファイルを保存すると共に、付加されている住戸識別情報に対応したメールアドレスを特定し、特定したメールアドレスを付加した所定形式の通知メールを自動的に生成して広域ネットワーク20に出力する。この通知メールも、上記の仕組みによって、そのメールアドレス宛のメールを蓄積するメール送信サーバ装置21に到着して保存され、その後、そのメールアドレスを有した通信端末22によってダウンロードされる。
【0041】
通知メールは、帰宅者画像ファイルを添付ファイルとして含んでいてもよいし、帰宅者画像ファイルを参照するためのリンクを含んでいてもよい。
【0042】
なお上記においてロビーインターホン12、住戸インターホン11は、帰宅者画像ファイルを伝送する際には、そのファイルを細分化し時間的に分散させてインターホン回線17に出力するとよい。つまりインターホン回線17には、図4に示すように、住戸インターホン11とロビーインターホン12との通話処理のために映像、通話信号のストリームが伝送される。そのため、その伝送を阻害しないように、帰宅者画像ファイルの伝送では、ファイルを細分化した各片を所定の時間間隔で伝送させて、通信帯域を抑えるとよい。このようにすれば、通話処理中に音声や映像が途切れるなどの現象が防止できる。
【0043】
図6は、来客を通知する通知メールの例であり、来客通知という表題で、日時情報と、3枚の来客画像を含んでいる。また認証装置15が認証した認証媒体の番号として、キーナンバーも含んでいる。
【0044】
図7は、インターホンシステム1の基本動作を示すフロー図である。時刻T1では、住戸インターホン11で留守モード操作がされている。
【0045】
時刻T2では、ロビーインターホン12に付設された認証操作部16aで認証操作によって認証装置16が住戸人を認証してロビー扉の電気錠が解錠されると共に、認証情報が制御装置に伝送されている。
【0046】
時刻T3では、ロビーインターホン12は、制御装置14の制御に従ってカメラ12eを作動させて、その映像信号から帰宅者画像ファイルを生成し、そのファイルを認証情報と共に住戸インターホン11に送信している。
【0047】
時刻T4では、住戸インターホン11は、ロビーインターホン12から帰宅者画像ファイルを受信すると、留守モードを判別し、帰宅者画像ファイルに住戸識別情報を付加して、インターホン回線17を通じて制御装置14に送信している。なお、住戸インターホン11が留守モードではなく、在室モードを判別した場合は、それ以降の動作は行われない。
【0048】
時刻T5では、制御装置14は、インターホン回線17によって送信されてきた帰宅者画像ファイルを一時記憶し、広域ネットワーク20を通じてメール送信サーバ装置21に送信している。時刻T6では、メール送信サーバ装置21は、送信されてきた来客画像を保存して、付加されている住戸識別情報を判別して、対応した通信端末22に通知メールを送信している。
【0049】
時刻T7では、通信端末22は、その通知メールを受信しており、メールに含まれたリンクを操作することで、帰宅者画像ファイルをメール送信サーバ装置21に要求し、時刻T8では、返信されてきた帰宅者画像ファイルを表示している。
【符号の説明】
【0050】
1 インターホンシステム
11 住戸インターホン
11g モード操作部
11i 画像送信部
12 ロビーインターホン
12e カメラ
12f 画像生成部
15 ゲートウェイ装置
16 認証装置
16a 認証操作部
17 インターホン回線
20 広域ネットワーク
21 メール送信サーバ装置
22 通信端末


【特許請求の範囲】
【請求項1】
住戸インターホンと、カメラ付きロビーインターホンとを、インターホン回線によって接続し、かつそのインターホン回線を通じて、住戸インターホンを広域ネットワーク上のサーバ装置に接続させる機能を有したネットワーク対応型の集合住宅用インターホンシステムにおいて、
帰宅者の認証が成功したときには、ロビーインターホンのカメラを作動させて撮影した映像から帰宅者の画像ファイルを生成する帰宅者画像生成部と、
生成された帰宅者の画像ファイルに住戸識別情報を付加してインターホン回線に出力して、広域ネットワーク上のメール送信サーバ装置に送信させる帰宅者画像送信部とを備えている集合住宅用インターホンシステム。
【請求項2】
請求項1において、
前記帰宅者画像生成部は、ロビーインターホンに設けられ、
前記帰宅者画像送信部は、住戸インターホンに設けられている集合住宅用インターホンシステム。
【請求項3】
請求項1において、
前記帰宅者画像生成部、前記帰宅者画像送信部は、住戸インターホンに設けられている集合住宅用インターホンシステム。
【請求項4】
請求項1において、
前記帰宅者画像生成部、前記帰宅者画像送信部は、ロビーインターホンに設けられている集合住宅用インターホンシステム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、
住戸インターホンは、
在宅または留守モードを設定するモード操作部を更に備えており、
前記帰宅者画像送信部は、在宅または留守モードを判別して、留守モードであれば、該帰宅者の画像ファイルをインターホン回線に出力して、広域ネットワーク上のメール送信サーバに送信させる集合住宅用インターホンシステム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
メールサーバ装置は、住戸識別情報に対応させて通信端末のメールアドレスが予め登録されており、集合住宅用インターホンシステムから帰宅者の画像ファイルを受信すると、付加されている住戸識別情報を判別して、該帰宅者の画像を参照させるための通知メールを、対応した通信端末のメールアドレス宛に自動的に送信する集合住宅用インターホンシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−182541(P2012−182541A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42563(P2011−42563)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】