説明

ネットワーク管理システムおよびその制御方法

【課題】管理対象装置の応答可能メッセージ長を自動で測定し、この測定の頻度を抑える。
【解決手段】本発明のネットワーク管理システムは、管理対象装置104、管理対象装置104を管理する管理装置101が通信ネットワーク103を介して互いに接続されるネットワーク管理システムSであって、管理装置101は、管理対象装置104の応答可能メッセージ長を、管理対象装置104を識別する管理対象装置情報と関連付けて記憶する記憶手段302と、管理対象装置情報に基づいて記憶手段302に記憶された管理対象装置104の応答可能メッセージ長を取得する応答可能メッセージ長取得手段209と、管理対象装置104に対して装置情報要求メッセージを、要求装置情報量を変化させながら繰り返し送信することで、管理対象装置104の応答可能メッセージ長を測定する応答可能メッセージ長測定手段213、212とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続された管理対象装置の応答可能メッセージ長を設定するネットワーク管理システムおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークの管理装置がSNMPを用いて管理対象装置を管理するネットワーク管理システムにおいて、管理装置が管理対象装置から一度に多くの装置情報を取得しようとするとtooBigエラーが起きることがある。ここで、tooBigエラーとは、SNMPで定められているエラーで、管理装置からの要求に対する応答メッセージ長が、該管理対象装置が応答する際の限界長である応答可能メッセージ長を超えて大きくなった場合に発生する。
【0003】
特許文献1には、このtooBigエラーを抑制する技術が開示されている。この技術は、管理装置が管理対象装置の応答可能メッセージ長を記憶しておき、送信する装置情報要求メッセージに対する応答メッセージ長を予測し、予測した応答メッセージ長が応答可能メッセージ長を超えないように装置情報要求メッセージを分割して送信するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08-292922号公報(段落0023、0040、図8等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の方法では、管理対象装置の応答可能メッセージ長はネットワーク管理者が手動で調べて管理装置に設定する必要がある。管理対象装置の種類が違えば応答可能メッセージ長を調べる方法は異なり、多種かつ多数の管理対象装置で構成されるネットワーク管理システムにおいて全ての管理対象装置の応答可能メッセージ長を調べるのは容易ではなく、過大な作業量が発生するおそれがある。
【0006】
また、ネットワーク管理システムにおける管理対象装置の交換や追加を行った場合には、交換や追加を行った管理対象装置の応答可能メッセージ長を管理装置に再設定する必要がある。これらの理由で、応答可能メッセージ長を手動で設定することがネットワーク管理者の大きな負担になるという問題がある。
【0007】
本発明は上記実状に鑑み、管理対象装置の応答可能メッセージ長を自動で測定でき、かつ、応答可能メッセージ長を測定する頻度を抑制できるネットワーク管理システムおよびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、第1の本発明に関わるネットワーク管理システムは、管理対象装置、前記管理対象装置を管理する管理装置が通信ネットワークを介して互いに接続され、前記管理装置が所定のプロトコルを用いて前記管理対象装置との間で該管理対象装置に係る装置情報の通信を行うネットワーク管理システムであって、前記管理装置は、前記管理対象装置の応答可能メッセージ長を、前記管理対象装置を識別する管理対象装置情報と関連付けて記憶する記憶手段と、前記管理対象装置情報に基づいて前記記憶手段に記憶された前記管理対象装置の応答可能メッセージ長を取得する応答可能メッセージ長取得手段と、
前記管理対象装置に対して装置情報要求メッセージを、要求装置情報量を変化させながら繰り返し送信することで、当該管理対象装置の応答可能メッセージ長を測定する応答可能メッセージ長測定手段とを備えている。
【0009】
第2の本発明に関わるネットワーク管理システムの制御方法は、管理対象装置と前記管理対象装置を管理する管理装置とが通信ネットワークを介して互いに接続され、前記管理装置が所定のプロトコルを用いて前記管理対象装置との間で該管理対象装置に係る装置情報の通信を行うネットワーク管理システムの制御方法であって、前記管理装置は、前記管理対象装置の応答可能メッセージ長を、前記管理対象装置を識別する管理対象装置情報と関連付けて記憶手段に記憶し、応答可能メッセージ長取得手段によって、前記管理対象装置情報に基づいて前記記憶手段に記憶された対応する前記管理対象装置の応答可能メッセージ長を取得し、応答可能メッセージ長測定手段によって、前記管理対象装置に対して装置情報要求メッセージを、要求装置情報量を変化させながら繰り返し送信することで当該管理対象装置の応答可能メッセージ長を測定している。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、管理対象装置の応答可能メッセージ長を自動で測定でき、かつ、応答可能メッセージ長を測定する頻度を抑制できるネットワーク管理システムおよびその制御方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る第1実施形態のネットワーク管理システムの概略構成を示す図である。
【図2】第1実施形態の管理装置が有する主な機能とハードウェア構成を示す概念図である。
【図3】第1実施形態の最大データ長テーブルの一例を示す図である。
【図4】第1実施形態の応答可能メッセージ長テーブルの一例を示す図である。
【図5】第1実施形態の情報共有装置が有する主な機能とハードウェア構成を示す図である。
【図6】第1実施形態の応答可能メッセージ長データベースの一例を示す図である。
【図7】管理対象装置が有する主な機能とハードウェア構成を示す図である。
【図8】管理装置が追加された管理対象装置の情報を応答可能メッセージ長テーブルに登録する処理を示すフローチャートである。
【図9】装置情報取得部が管理対象装置の装置情報を取得する処理のフローチャートである。
【図10】管理対象装置の応答可能メッセージ長測定処理のフローチャートである。
【図11A】本発明に係る第2実施形態のネットワーク管理システムを示す図である。
【図11B】第2実施形態の図11Aのネットワーク管理システムの構成から管理対象装置a(104a)を移動した構成を示す図である。
【図11C】第2実施形態の図11Bのネットワーク管理システムの構成に管理対象装置d(104d)を追加した構成を示す図である。
【図11D】第2実施形態の図11Cのネットワーク管理システムの構成に管理対象装置e(104e)を追加した構成を示す図である。
【図12】第2実施形態の応答可能メッセージ長データベースの遷移を示す図である。
【図13】第2実施形態の応答可能メッセージ長テーブルの遷移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
==第1実施形態==
<ネットワーク管理システムSの全体構成>
図1は、本発明に係る第1実施形態のネットワーク管理システムSの概略構成を示す図である。
図1に示すように、ネットワーク管理システムSは、通信ネットワーク103に接続された管理対象の管理対象装置104、管理対象装置104の装置情報を取得してネットワーク管理を行う管理装置101、管理対象装置104の共有情報が格納される情報共有装置102が、通信ネットワーク103を介して、接続されている。
通信ネットワーク103は、例えばLAN(Local Area network)、WAN(Wide Area Network)、若しくはインターネット等である。
【0013】
<管理装置101>
図2は、管理装置101が有する主な機能とハードウェア構成を示す概念図である。
図2に示すように、管理装置101は演算装置であるCPU(Central Processing Unit)202、CPU202が使用する一時記憶領域である主記憶装置201、通信ネットワーク103との接続を行う通信インターフェース205、ハードディスクドライブ等の補助記憶装置の外部記憶装置207、外部記憶装置207を接続するためのディスクインターフェース206、キーボードやマウスなどの入力装置203、ディスプレイなどの表示装置204を有して構成されている。
【0014】
なお、図2においては、外部記憶装置207は、管理装置101とは別体の構成を例示しているが、管理装置101内に格納されてもよいし、図2に示すように、管理装置101と別体に、データベースサーバ等として構成してもよい。
図2に示す装置情報取得部209、応答メッセージ長予測部210、装置情報要求メッセージ分割部211、tooBigエラー検知部212、応答可能メッセージ長測定部213の各機能は、CPU202がプログラム208を主記憶装置201にロードし実行することによって実現される。なお、装置情報取得部209、応答メッセージ長予測部210、装置情報要求メッセージ分割部211、tooBigエラー検知部212、応答可能メッセージ長測定部213等のプログラム208は、外部記憶装置207に機械語の形で格納されている。
【0015】
図2に示す管理装置101の装置情報取得部209は、ネットワーク(通信ネットワーク103)に接続された通信機器を監視・制御するためのプロトコルであるSNMP(Simple Network Management Protocol)(所定のプロトコル)を用いて、管理装置101から管理対象装置104に、当該管理対象装置104に係る装置情報を要求する装置情報要求メッセージを送信する。そして、装置情報取得部209は、該装置情報要求メッセージを受信した管理対象装置104からの応答メッセージを受信することで、当該管理対象装置104に係る装置情報を取得する。
【0016】
図2に示す外部記憶装置207に記憶される最大データ長テーブル214には、装置情報を識別するための識別情報であるOID(Object Identifier)(管理対象装置情報)とそのOIDで指定される装置情報の最大データ長との対応が登録されている。
ここで、OIDはSNMPで定義された装置情報の識別子であり、管理装置101が要求する装置情報を指定するために使用する。
【0017】
図3は、最大データ長テーブル214の一例を示す図であり、例えば、1行目のOIDが.1.3.6.1.2.1.1.1である装置情報の最大データ長は255オクテットであることを示している。
図2に示す管理装置101の応答メッセージ長予測部210は、装置情報取得部209からの装置情報要求メッセージに対して管理対象装置104が送信する応答メッセージ長を予測する。応答メッセージ長の予測値には、要求する装置情報のOIDに対応する最大データ長を、最大データ長テーブル214(図2参照)を用いて求め、これにヘッダ等の大きさを加えたものを適用する。一度に要求する装置情報が複数の場合は、それぞれの装置情報の最大データ長を足し合わせたものにヘッダ等の大きさを加えたものを応答メッセージ長の予測値に適用する。
【0018】
図2に示す管理装置101の装置情報要求メッセージ分割部211は、装置情報取得部209が管理対象装置104に送信する装置情報要求メッセージを分割し、一度に要求する装置情報の量を減らす機能を有する。
図2に示す管理装置101のtooBigエラー検知部212は、装置情報取得部209が取得した装置情報を解析し、メッセージ長過大エラーであるtooBigエラーが起こっていた場合はこれを検知する。
【0019】
図2に示す管理装置101の応答可能メッセージ長測定部213は、装置情報要求メッセージを、要求する装置情報量を変化させながら送ることで、管理対象装置104の応答可能メッセージ長を測定する。
図2に示す外部記憶装置207に記憶される応答可能メッセージ長テーブル215には、管理対象装置104のIP(Internet Protocol Address)アドレスと応答可能メッセージ長の対応が登録されている。
図4は、応答可能メッセージ長テーブル215の一例を示す図である。図4の1行目のIPアドレスがXXX.XXX.XXX.1である管理対象装置104の応答可能メッセージ長は2000オクテットであることを示している。
【0020】
<情報共有装置102>
図5は、情報共有装置102が有する主な機能とハードウェア構成を示す図である。
図5に示す情報共有装置102は、各管理対象装置104(図1参照)に関する情報を保持し、管理装置101が情報共有装置102にアクセスして該情報を取得することにより、各管理対象装置104に関する情報が共有される。
図5に示すように、情報共有装置102は、管理装置101と同様に、CPU212、主記憶装置211、通信ネットワーク103(図1参照)を介して通信を行うための通信インターフェース215、外部記憶装置217、外部記憶装置217を接続するためのディスクインターフェース216、入力装置213、出力装置である表示装置214等を有して構成されている。
なお、外部記憶装置217は、図5に示すように、情報共有装置102と別体に構成してもよいし、情報共有装置102内に格納する構成としてもよい。
また、ネットワーク管理システムとしては、管理装置101と管理対象装置104から構成し、情報共有装置102で有する機能を全て管理装置101に持たせることも可能である。このとき、外部記憶装置217は、管理装置101と接続する別体の構成や、管理装置101内に格納する構成としてもよい。
【0021】
図5に示すデータベース操作部301の機能は、CPU212がプログラム218を主記憶装置211にロードし、実行することによって実現される。なお、データベース操作部301のプログラム218は、外部記憶装置217に機械語の形で格納されている。
図5に示す外部記憶装置217に記憶される応答可能メッセージ長データベース302には、管理対象装置104(図1参照)のMACアドレス、sysObjectID及び応答可能メッセージ長の対応が登録されている。ここで、MACアドレスは、各管理対象装置104が通信ネットワーク103を介して通信を行うための通信インターフェース225(図7参照)を識別するための通信インターフェース識別子である。また、sysObjectIDはOIDの一つで、管理対象装置104の装置の種類を示す機器識別子である。
【0022】
図6は、応答可能メッセージ長データベース302(図5参照)の一例を示す図である。例えば、図6の1行目のレコードのMACアドレスが11.11.11.AA.AA.AAの通信インターフェース225を持つ管理対象装置104は、sysObjectIDが.1.3.6.1.4.1.100.1であり、応答可能メッセージ長が2000オクテットであることを示している。
図5に示す情報共有装置102のデータベース操作部301は、応答可能メッセージ長データベース302に対して情報の登録、削除、検索などを実行する。
【0023】
<管理対象装置104>
図1に示す管理対象装置104は、管理装置101からの装置情報要求メッセージを受信し、該装置情報要求メッセージで要求された装置情報を含む応答メッセージを当該管理装置101に返信する。
図7は、管理対象装置104が有する主な機能とハードウェア構成を示す図である。
図7に示すように、管理対象装置104は、管理装置101と同様に、CPU222、主記憶装置221、通信ネットワーク103を介して通信を行うための通信インターフェース225、補助記憶装置の外部記憶装置227、外部記憶装置227と接続するためのディスクインターフェース226、入力装置223、出力装置の表示装置224を有して構成されている。なお、外部記憶装置227は、図7に示すように、管理対象装置104と別体に構成してもよいし、管理対象装置104内に格納する構成としてもよい。
【0024】
図7に示す装置情報応答部401の機能は、CPU222がプログラム228を主記憶装置221にロードし実行することによって実現される。なお、この装置情報応答部401のプログラム228は、外部記憶装置227に機械語の形で格納されている。
図7に示すMIB(Management Information Base)402は、SNMPで規定されたデータベースであり、管理対象装置104の装置情報が登録されており、外部記憶装置207が記憶している。
装置情報応答部401は、管理装置101(図1参照)からの装置情報要求メッセージで指定された装置情報をMIB402から取得して、この情報を含んだ応答メッセージを、装置情報要求メッセージを送った管理装置101に送信する。
【0025】
===処理説明===
次に、上述のネットワーク管理システムSにおいて行われる処理について説明する。なお、以下のフローチャートの説明において符号の前に付している文字「S」はステップを意味する。
<管理装置101が、通信ネットワーク103に追加された管理対象装置104の情報を、応答可能メッセージ長テーブル215に登録する処理>
まず、ネットワーク管理者等が通信ネットワーク103に管理対象装置104を追加した際に、追加された管理対象装置104の情報を、管理装置101が応答可能メッセージ長テーブル215(図2参照)に登録する処理について、その処理のフローチャートを示す図8に従って説明する。
【0026】
管理装置101の起動後(図8のS801)、新たにまたは再度、管理対象装置104を通信ネットワーク103に追加すると(図8のS802)、管理装置101の装置情報取得部209(図2参照)が、当該管理対象装置104のMIB402(図7参照)から、追加された管理対象装置104のMACアドレスとsysObjectIDを取得する(図8のS803)。
S803で取得したMACアドレスをキーにして、装置情報取得部209(図2参照)が、
図5に示す情報共有装置102の応答可能メッセージ長データベース302を検索し、取得したMACアドレスのレコードが登録されていれば(図8のS804:YES)そのMACアドレスに対応した応答可能メッセージ長を当該管理対象装置104のIPアドレスと関連付けて応答可能メッセージ長テーブル215(図2、図4参照)に登録する(図8のS805)。
【0027】
ここで、前記したように、MACアドレスは管理対象装置104の通信インターフェース225(図7参照)と一意に対応するものであり、情報共有装置102の応答可能メッセージ長データベース302(図5、図6参照)からMACアドレスをキーにして取得した応答可能メッセージ長は、以前測定された同管理対象装置104の応答可能メッセージ長である。この取得した応答可能メッセージ長を管理装置101に設定することで、同じ管理対象装置104に対して何度も応答可能メッセージ長測定処理を行うことを防ぐことができる。
【0028】
一方、図8のS803で取得したMACアドレスが、情報共有装置102の応答可能メッセージ長データベース302(図5、図6参照)に登録されていなければ(図8のS804:NO)、S803で取得したsysObjectIDをキーにして再度、応答可能メッセージ長データベース302を検索し、取得したsysObjectIDのレコードが登録されていれば(S806:YES)そのsysObjectIDに対応した応答可能メッセージ長の中で最も大きい値を、管理対象装置104のIPアドレスと関連付けて応答可能メッセージ長テーブル215(図2、図4参照)に登録する(図8のS807)。
【0029】
ここで、sysObjectIDが等しいことは管理対象装置104の装置の種類が等しいことを示す。つまりsysObjectIDの等しい別の管理対象装置で設定されている応答可能メッセージ長を流用することで、実際の管理対象装置104の応答可能メッセージ長に近いことを期待できる。元来、MACアドレスは装置に装着する通信ポート毎に割り振られている値であり、tooBigエラーはポート毎に発生する。したがってMACアドレスと応答可能メッセージ長との対応関係を有することはtooBigエラー発生を防ぐ点で重要である。しかしながら昨今のネットワークシステムでは、1台の通信装置に複数の通信ポートを実装するものや、また同種類の通信装置を多数接続したものもある。こうなるとMACアドレスで応答可能メッセージ長と対応付けるだけでなく、装置の種類を示す識別子と対応付けることも重要である。例えば、ある装置に既に割当てられた応答可能メッセージ長を装置の種類を示す識別子から特定し、同じ識別子を有した別装置のポートに流用して割当てる。これによりあるポートに割当てるべき応答可能メッセージ長を特定するのに必要な情報量を減らすことが可能となる。新たな通信装置をネットワークに増設する場合であっても、既に接続されている同種の通信装置で割当てられている応答可能メッセージ長を流用することも可能となる。これにより応答可能メッセージ長を特定するための余分な計測を減らすことも可能となり、ネットワーク全体の負荷を下げる効果も期待できる。
また、sysObjectIDが等しいものの中で最も大きい応答可能メッセージ長を選択することで、過小な応答可能メッセージ長を管理装置101に設定することを防ぐことができる。
【0030】
一方、図8のS803で取得したsysObjectIDも応答可能メッセージ長データベース302に登録されていなければ(S806:NO)、無限大(=∞)の応答可能メッセージ長を管理対象装置104のIPアドレスと関連付けて応答可能メッセージ長テーブル215(図2、図4参照)に登録する(図8のS808)。
以上が、図8に示す通信ネットワーク103に追加された管理対象装置104の情報を、管理装置101が応答可能メッセージ長テーブル215に登録する処理である。
【0031】
<管理対象装置104の装置情報を取得する処理>
次に、管理装置101(図2参照)が管理対象装置104の装置情報を取得する処理を、その処理のフローチャートを示す図9に従って説明する。
まず、図2に示す応答メッセージ長予測部210が、応答可能メッセージ長テーブル215から、該当する管理対象装置104のIPアドレスに対応した応答可能メッセージ長を取得する(図9のS901)。
また、応答メッセージ長予測部210が、該当する管理対象装置104へ送信する装置情報要求メッセージを解析し、該当する管理対象装置104から返信される応答メッセージ長を予測する(図9のS902)。
【0032】
S902で予測した該当する管理対象装置104から返信される応答メッセージ長が、S901で取得した応答可能メッセージ長以下になるように、装置情報要求メッセージ分割部211(図2参照)が分割した装置情報要求メッセージを管理対象装置104に送信する(図9のS903)。
これに対して、当該装置情報要求メッセージを受信した管理対象装置104が送信した応答メッセージを、tooBigエラー検知部212(図2参照)が解析し、tooBigエラーが発生していなかったら(S904:NO)、装置情報取得処理を終了する。
【0033】
一方、tooBigエラーが発生していた場合(S904:YES)、応答可能メッセージ長測定部213(図2参照)が当該管理対象装置104の応答可能メッセージ長を測定する(図9のS905)。なお、このS905の管理対象装置104の応答可能メッセージ長を測定する処理(詳細は後記)については、後記する。
そして、S905で測定した応答可能メッセージ長を、図2に示す管理装置101の応答可能メッセージ長テーブル215と、図5に示す情報共有装置102の応答可能メッセージ長データベース302に登録し(図9のS906)、S901に戻る。
以上が、図9に示す管理装置101が管理対象装置104の装置情報を取得する処理である。
【0034】
<図9のS905の応答可能メッセージ長測定処理>
次に、前記の図9のS905における応答可能メッセージ長測定処理について、そのフローチャートを示す図10に従って説明する。
図10においては、管理対象装置104のコミュニティ名はpublicとする。SNMPではコミュニティ名長に制限が定められていないので、一般的にデフォルトのコミュニティ名であるpublicを前提とする。
なお、コミュニティ名は、装置情報にアクセスするための、管理対象装置104ごとに設定されるパスワードのようなものであり、SNMPでは装置情報をやりとりするために、SNMPメッセージにコミュニティ名をエンコードする。
よって、下記のudpInDatagramsを要求するSNMPメッセージ長は、要求装置情報数とコミュニティ名長に依存する。
図10を参照して、管理対象装置104の応答可能メッセージ長の測定に使用する装置情報要求メッセージをGetRequest、要求装置情報をudpInDatagrams、要求装置情報数を25とし、要求装置情報数の増加幅を1と設定する(図10のS1001)。
【0035】
ここでudpInDatagramsは、SMTPの仕様で定められるCounter型の値を持つ装置情報で、OIDは.1.3.6.1.2.1.7.1である。Counter型は値の大きさがSNMPで使用されるデータ型の中で最も小さい4オクテット以下と定められている。そのため、データ型の中で最も小さいCounter型であるudpInDatagramsを測定に使用することで、実際の応答可能メッセージ長に最も近い精度の高い結果が得られる。
また、SNMPの仕様を定めるRFC(Request For Comment)1157で、SNMPを実装する装置には484オクテット(SNMPが最低限サポートするメッセージ長)以下のSNMPメッセージは正常に処理することが求められている。そのため、この値をもとに要求装置情報数を25とした。要求装置情報数を25とすると、udpInDatagramsの値の大きさが最大の4オクテットである場合に応答メッセージのサイズは、483オクテットとなる。
【0036】
ここで、udpInDatagramsの値の大きさを4オクテットとする場合、udpInDatagramsを要求した場合の応答メッセージ長は、以下の式で求められる。
応答メッセージ長 = 27+コミュニティ名長+18×要求装置情報数 (1)
(1)式における18はudpInDatagramsの値一つの大きさであり、27はSNMPメッセージのヘッダ(等)の大きさである。
よって、コミュニティ名(public)長を6オクテット、要求装置情報数を25とすると応答メッセージ長は483オクテットとなる。
この483オクテットは、484オクテットを超えずかつ484オクテットに最も近い値となるため、測定開始時の要求装置情報数として最も適切である。
【0037】
図10のS1001で設定した装置情報要求メッセージを、応答可能メッセージ長測定部213(図2参照)が管理対象装置104に送信する(図10のS1002)。
送信された装置情報要求メッセージに対して、管理対象装置104から管理装置101に応答メッセージを送信する。そして、管理装置101が受信した応答メッセージをtooBigエラー検知部212(図2参照)が解析し、tooBigエラーが発生していなければ(図10のS1003:NO)、応答メッセージ長をワークエリアに記憶する(図10のS1004)。
続いて、図10のS1005において、要求装置情報数が最大値の4673であるか否か判定される。
【0038】
ここで、要求装置情報数の最大値が4673であることは、次のようにして求められる。
まず、装置情報要求メッセージ長を以下の式で求める。
装置情報要求メッセージ長 = 27+コミュニティ名長+14×要求装置情報数 (2)
なお、(2)式における14は、udpInDatagramsのデータ値が入らない分だけ、(1)式における18より、データ量が小さくなる。
また、このメッセージを含むIPパケット長は以下の式で求められる。
IPパケット長 = 装置情報要求メッセージ長+60+8 (3)
60はIPヘッダの最大長で、8はUDP(User Datagram Protocol)ヘッダ長である。IPパケット長の最大値が65535オクテットなので、(2)式と(3)式より、要求装置情報数は、 (65535−60−8−27−6)/14 ≒ 4673.9 の演算により、要求装置情報数の最大値が4673と求められる。
【0039】
図10のS1005において、要求装置情報数が4673でなければ(図10のS1005:NO)要求装置情報数を増加幅だけ増やし(図10のS1006)、要求装置情報数が4674以上で無ければ(図10のS1007:NO)増加幅を倍にし(図10のS1008)、再度、装置情報要求メッセージを管理対象装置104に送信する(図10のS1002)。
【0040】
一方、図10のS1005で要求装置情報数が4673となる場合は(S1005:YES)、その時点で記憶している応答メッセージ長(図10のS1004で記憶)を当該管理対象装置104の応答可能メッセージ長とする(図10のS1014)。これは、要求装置情報数が4673を超えると、その装置情報要求メッセージを含んだIPパケットがIPパケットの既定の最大長である65535Bytesを超える可能性がある為である。
【0041】
また、図10のS1007で要求装置情報数が4674以上の場合は(S1007:YES)、要求装置情報数を増加幅だけ減らして増加幅を1にし(図10のS1009)、要求装置情報数を増加幅だけ増やし(図10のS1010)、再度、装置情報要求メッセージを管理対象装置104に送信する(S1002)。これも前述したIPパケットの既定の最大長を考慮したものである。
図10のS1003でtooBigエラーが発生した場合は(S1003:YES)、増加幅が1でなければ(S1011:NO)、要求装置情報数を(増加幅÷2)だけ減らして増加幅を1にし(S1012)、要求装置情報数を増加幅(=1)だけ増やし(S1013)、再度装置情報要求メッセージを管理対象装置104に送信する(図10のS1002)。
【0042】
図10のS1011で増加幅が1の場合は(S1011:YES)、その時点で記憶している応答メッセージ長(図10のS1004で記憶)を管理対象装置104の応答可能メッセージ長とする(図10のS1014)。
以上が、図9のS905において行われる図10に示す応答可能メッセージ長測定処理である。
上述の如く、図10に示すように、応答可能メッセージ長測定部213(図2参照)が、管理対象装置104の応答可能メッセージ長を測定するに際して、要求装置情報数の増加幅を1サイクルごと倍にしていくことで、測定の為に送信する装置情報要求メッセージの数を抑えることができる。
【0043】
==第2実施形態==
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、通信ネットワーク103に、管理対象装置104が追加されたときの管理装置101(図2参照)の応答可能メッセージ長テーブル215および情報共有装置102(図5参照)の応答可能メッセージ長データベース302の変化の例を示す。
図11A〜図11Dは、第2実施形態のネットワーク管理システム2S(2Sb、2Sc)の概略的な構成を示す図である。
【0044】
第2実施形態のネットワーク管理システム2Sは、図11Aを初期状態とし、時間経過に従い、図11B、図11C、図11Dの順に遷移するものとする。
なお、図11A〜図11Dにおいて、管理装置a(101a)および管理装置b(101b)および管理装置c(101c)は、図1の管理装置101と同等であり、情報共有装置102aは、図1の情報共有装置102と同等である。同様に、図11A〜図11Dにおいて、通信ネットワーク103aは図1の通信ネットワーク103と同等であり、管理対象装置a(104a)および管理対象装置b(104b)および管理対象装置c(104c)および管理対象装置d(104d)および管理対象装置e(104e)は図1の管理対象装置104と同等である。
【0045】
図11A〜図11Dにおいて、管理装置a(101a)は管理範囲a(1101a)に含まれる管理対象装置のみを管理し、管理装置b(101b)は管理範囲b(1101b)に含まれる管理対象装置のみを管理し、管理装置c(101c)は管理範囲c(1101c)に含まれる管理対象装置のみを管理している。
図11Aにおいて、管理装置a(101a)は管理対象装置を管理したことがなく、管理装置b(101b)は管理対象装置a(104a)および管理対象装置b(104b)以外は管理したことがなく、また、管理装置c(101c)は管理対象装置c(104c)以外は管理したことがないものとする。
【0046】
図11A〜図11Dに示す通信ネットワーク103aには、それぞれ図11A〜図11Dに示した装置以外は接続されていないものとする。
図11Aにおいて、情報共有装置102aは図12に示す応答可能メッセージ長データベース302aを保持している。図12に示すレコード1301は管理対象装置a(104a)の情報であり、レコード1302は管理対象装置b(104b)の情報であり、レコード1303は管理対象装置c(104c)の情報である。
【0047】
図11Aにおいて、管理装置a(101a)は図13に示す応答可能メッセージ長テーブル215aを保持している。
図11Aに示す管理範囲a(1101a)には含まれる管理対象装置が無いため、この時点での管理装置a(101a)の応答可能メッセージ長テーブル215a(図13参照)にはレコードがない。
図11Aのネットワーク管理システム2Sに対し、管理範囲b(1101b)にある管理対象装置a(104a)を、管理範囲b(11101b)から管理範囲a(1101a)に移動したものを図11Bに示す。管理範囲a(1101a)での管理対象装置a(104a)のIPアドレスはXXX.XXX.XXX.1とする。
【0048】
管理装置a(101a)は新たに管理対象となった管理対象装置a(104a)の情報を、図8のフローチャートに従って応答可能メッセージ長テーブル215a(図13参照)に登録する。管理対象装置a(104a)の情報は、図11Aの時点で既に管理装置b(101b)によって情報共有装置102aの応答可能メッセージ長データベース302a(図12のレコード1301参照)に登録されている。そのため、応答可能メッセージ長テーブル215a(図13参照)はレコード1301の応答可能メッセージ長が登録され、レコード1201が追加された応答可能メッセージ長テーブル215b(図13参照)に遷移する。
【0049】
図11Bのネットワーク管理システム2Sbに対し、新たに管理対象装置d(104d)を管理範囲a(1101a)に接続したものを図11Cに示す。管理範囲a(1101a)での管理対象装置d104dのIPアドレスはXXX.XXX.XXX.2、通信インターフェースを識別するMACアドレスは11.11.11.DD.DD.DD、装置の種類を識別するsysObjectIDは.1.3.6.1.4.1.100.1とする。
管理装置a(101a)は、新たに管理対象となった管理対象装置d(104d)の情報を、図8のフローチャートに従って応答可能メッセージ長テーブル215b(図13参照)に登録する。
【0050】
管理対象装置d(104d)の情報は、図11Bの時点での情報共有装置102aの応答可能メッセージ長データベース302a(図12参照)に登録されていない。そこで、管理装置a(101a)の装置情報取得部(図1参照)によって、管理対象装置a(104a)の情報であるレコード1301(図12参照)および管理対象装置b(104b)の情報であるレコード1302(図12参照)と新たに加わる管理対象装置d(104d)のsysObjectIDが等しいので、これらのレコードの応答可能メッセージ長のうち大きい方が、応答可能メッセージ長テーブル215b(図13参照)に登録され、レコード1202が追加された応答可能メッセージ長テーブル215c(図13参照)に遷移する。
【0051】
図11Cのネットワーク管理システム2Scに対し、新たに管理対象装置e(104e)を管理範囲a(1101a)に接続したものを図11Dに示す。
図11Dに示す管理範囲a(1101a)での管理対象装置e(104e)のIPアドレスはXXX.XXX.XXX.3、通信インターフェースを識別するMACアドレスは22.22.22.EE.EE.EE、装置の種類を識別するsysObjectIDは.1.3.6.1.4.1.200.2、応答可能メッセージ長は5000とする。
【0052】
管理装置a(101a)は新たに管理対象となった管理対象装置e(104e)の情報を、図8のフローチャートに従って、応答可能メッセージ長テーブル215c(図13参照)に登録する。管理対象装置e(104e)の情報は、図11Cに示すネットワーク管理システム2Scの時点での情報共有装置102aの応答可能メッセージ長データベース302a(図12参照)に登録されておらず、装置の種類を識別するsysObjectIDが等しいレコードも無いため、応答可能メッセージ長テーブル215cには、無限大(=∞)の応答可能メッセージ長が登録され、レコード1203が追加された応答可能メッセージ長テーブル215d(図13参照)に遷移する。
【0053】
この状態で管理装置a(101a)が、管理対象装置e(104)eに対して図9に示す装置情報取得処理を実行し、tooBigエラーが発生したものとする。
管理装置a(101a)は、図10の応答可能メッセージ長測定処理を実行し、その結果を、応答可能メッセージ長テーブル215d(図13参照)および応答可能メッセージ長データベース302a(図12参照)に登録する。すなわち、図13に示す応答可能メッセージ長テーブル215dは、レコード1203がレコード1204に更新された応答可能メッセージ長テーブル215eに遷移し、図12に示す応答可能メッセージ長データベース302aは、レコード1304が追加された応答可能メッセージ長データベース302bに遷移する。
以上のようにして、管理装置a(101a)の応答可能メッセージ長テーブル215e(図13参照)および情報共有装置102aの応答可能メッセージ長データベース302b(図12参照)が作成される。
【0054】
<<作用効果>>
本発明によれば、管理対象装置104ごとの応答可能メッセージ長を管理装置101で、自動で測定し設定することにより、ネットワーク管理負担を軽減することができる。
また、一度測定した応答可能メッセージ長を、管理対象装置104を識別する管理対象装置情報に関連付けて複数の管理装置101で共有することで、応答可能メッセージ長を測定する頻度を抑制し通信ネットワーク103へのトラフィックの負荷の増大を防ぐことができる。
【0055】
なお、前記実施形態においては、管理装置101と情報共有装置102とを別体に構成した場合を例示して説明したが、管理装置101と情報共有装置102とを一体に構成してもよい。
また、所定のプロトコルとして、SNMPを例示して説明したが、SNMP以外のプロトコルにおいても、本発明は有効に適用可能である。
【符号の説明】
【0056】
101 管理装置
101a 管理装置a
101b 管理装置b
101c 管理装置c
102 情報共有装置
102a 情報共有装置
103 通信ネットワーク
103a 通信ネットワーク
104 管理対象装置
104a 管理対象装置a
104b 管理対象装置b
104c 管理対象装置c
104d 管理対象装置d
104e 管理対象装置e
209 装置情報取得部(応答可能メッセージ長取得手段)
210 応答メッセージ長予測部
212 tooBigエラー検知部(応答可能メッセージ長測定手段)
213 応答可能メッセージ長測定部(応答可能メッセージ長測定手段)
215 応答可能メッセージ長テーブル
215a、215b、215c、215d、215e 応答可能メッセージ長テーブル
225 通信インターフェース
302 応答可能メッセージ長データベース(記憶手段)
302a、302b 応答可能メッセージ長データベース(記憶手段)
401 装置情報応答部
S ネットワーク管理システム
2Sb ネットワーク管理システム
2Sc ネットワーク管理システム
MACアドレス 通信インターフェース識別子
OID 管理対象装置情報
SNMP 所定のプロトコル
sysObjectID 機器識別子
tooBigエラー メッセージ長過大エラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象装置、前記管理対象装置を管理する管理装置が通信ネットワークを介して互いに接続され、前記管理装置が所定のプロトコルを用いて前記管理対象装置との間で該管理対象装置に係る装置情報の通信を行うネットワーク管理システムであって、
前記管理装置は、
前記管理対象装置の応答可能メッセージ長を、前記管理対象装置を識別する管理対象装置情報と関連付けて記憶する記憶手段と、
前記管理対象装置情報に基づいて前記記憶手段に記憶された前記管理対象装置の応答可能メッセージ長を取得する応答可能メッセージ長取得手段と、
前記管理対象装置に対して装置情報要求メッセージを、要求装置情報量を変化させながら繰り返し送信することで、当該管理対象装置の応答可能メッセージ長を測定する応答可能メッセージ長測定手段とを備える
ことを特徴とするネットワーク管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワーク管理システムであって、
前記応答可能メッセージ長測定手段は、更に、
前記装置情報要求メッセージの種類と要求装置情報と前記要求装置情報数と前記要求装置情報数の増加幅との初期値を設定し、前記装置情報要求メッセージを、対応する前記管理対象装置に送信し、
当該管理対象装置から受信した応答メッセージに基づき、前記応答メッセージのメッセージ長が許容値を超えることを示すメッセージ長過大エラーが発生したかどうかを判定し、発生しなかったと判定した場合に前記要求装置情報数を前記増加幅だけ増やし、
前記増加幅を倍に設定する
ことを特徴とするネットワーク管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載のネットワーク管理システムであって、
前記応答可能メッセージ長測定手段は、前記装置情報要求メッセージを含むIPパケット長が、IPパケット長の既定の最大値を超えたかどうかを判定し、超えたと判定した場合に前記要求装置情報数を減らす
ことを特徴とするネットワーク管理システム。
【請求項4】
請求項2に記載のネットワーク管理システムであって、
前記要求装置情報は、前記所定のプロトコルに規定されているデータ型の中からデータ長の上限値が最も小さく制限されているデータ型の装置情報である
ことを特徴するネットワーク管理システム。
【請求項5】
請求項2に記載のネットワーク管理システムであって、
前記要求装置情報数の初期値は、前記装置情報要求メッセージ長が前記所定のプロトコルが最低限サポートするメッセージ長を超えず且つ該メッセージ長に最も近くなるように設定される
ことを特徴するネットワーク管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載のネットワーク管理システムであって、
前記記憶手段は、前記管理対象装置の応答可能メッセージ長を、当該管理対象装置の通信インターフェースを識別する通信インターフェース識別子および装置の種類を表す機器識別子と関連付けて記憶する
ことを特徴とするネットワーク管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載のネットワーク管理システムであって、
前記応答可能メッセージ長取得手段は、管理対象装置の種類を表す機器識別子と関連付けられた応答可能メッセージ長の中から最大のものを前記記憶手段から取得する
ことを特徴とするネットワーク管理システム。
【請求項8】
前記ネットワーク管理システムは、更に前記通信ネットワークに接続された情報共有装置を有し、
前記情報共有装置は前記記憶手段を備え、
前記応答可能メッセージ長取得手段は、前記情報共有装置の前記記憶手段から前記管理対象装置の応答可能メッセージ長を取得することを特徴とした請求項1乃至7のネットワーク管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載のネットワーク管理システムであって、
前記記憶手段は、複数の前記管理装置に共有される
ことを特徴とするネットワーク管理システム。
【請求項10】
管理対象装置と前記管理対象装置を管理する管理装置とが通信ネットワークを介して互いに接続され、前記管理装置が所定のプロトコルを用いて前記管理対象装置との間で該管理対象装置に係る装置情報の通信を行うネットワーク管理システムの制御方法であって、
前記管理装置は、
前記管理対象装置の応答可能メッセージ長を、前記管理対象装置を識別する管理対象装置情報と関連付けて記憶手段に記憶し、
応答可能メッセージ長取得手段によって、前記管理対象装置情報に基づいて前記記憶手段に記憶された対応する前記管理対象装置の応答可能メッセージ長を取得し、
応答可能メッセージ長測定手段によって、前記管理対象装置に対して装置情報要求メッセージを、要求装置情報量を変化させながら繰り返し送信することで当該管理対象装置の応答可能メッセージ長を測定する
ことを特徴とするネットワーク管理システムの制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載のネットワーク管理システムの制御方法であって、
前記応答可能メッセージ長測定手段は、更に
前記装置情報要求メッセージの種類と要求装置情報と要求装置情報数と前記要求装置情報数の増加幅との初期値を設定し、前記装置情報要求メッセージを、対応する前記管理対象装置に送信し、
当該管理対象装置から受信した応答メッセージに基づき、該応答メッセージのメッセージ長が許容値を超えることを示すメッセージ長過大エラーが発生したかどうかを判定し、発生しなかったと判定した場合に前記要求装置情報数を前記増加幅だけ増やし、
前記増加幅を倍に設定する
ことを特徴とするネットワーク管理システムの制御方法。
【請求項12】
請求項11に記載のネットワーク管理システムの制御方法であって、
前記応答可能メッセージ長測定手段は、更に
前記測定に使用する装置情報要求メッセージを含むIPパケット長が、IPパケット長の既定の最大値を超えたかどうかを判定し、超えたと判定した場合に前記要求装置情報数を減らす
ことを特徴とするネットワーク管理システムの制御方法。
【請求項13】
請求項11に記載のネットワーク管理システムの制御方法であって、
前記要求装置情報は、前記所定のプロトコルに規定されているデータ型の中からデータ長の上限値が最も小さく制限されているデータ型の装置情報である
ことを特徴するネットワーク管理システムの制御方法。
【請求項14】
請求項11に記載のネットワーク管理システムの制御方法であって、
前記応答可能メッセージ長測定手段は、前記要求装置情報数の初期値を、前記測定に使用する装置情報要求メッセージ長が前記所定のプロトコルが最低限サポートするメッセージ長を超えず且つ該メッセージ長に最も近くなるように設定する
ことを特徴するネットワーク管理システムの制御方法。
【請求項15】
請求項10に記載のネットワーク管理システムの制御方法であって、
前記記憶手段は、前記管理対象装置の応答可能メッセージ長を、当該管理対象装置の通信インターフェースを識別する通信インターフェース識別子および装置の種類を表す機器識別子と関連付けて記憶する
ことを特徴とするネットワーク管理システムの制御方法。
【請求項16】
請求項15に記載のネットワーク管理システムの制御方法であって、
前記応答可能メッセージ長取得手段は、前記管理対象装置の種類を表す機器識別子と関連付けられ前記記憶手段に記憶された応答可能メッセージ長の中から最大のものを、前記記憶手段から取得する
ことを特徴とするネットワーク管理システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−41022(P2011−41022A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186824(P2009−186824)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】