説明

ハイブリッド・カプラとのインピーダンス整合が改善されたフィルタ

本発明は、テレビジョン信号分配システムにおいて装置間通信に使用される周波数の信号が信号源と干渉するのを防止する帯域除去フィルタに関する。このフィルタは、信号スプリッタと協働し、従来の帯域除去フィルタによって生じるスプリッタを介した装置間通信への悪影響を低減するように設計されている。このフィルタは、主に並列共振回路の動作によってスプリッタに給電するポートに抵抗負荷および高い出力インピーダンスを与えるセクションを帯域除去フィルタに追加したものである。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2009年4月27日に米国特許商標庁に出願された仮出願第61/172932号に対する優先権およびそれにより生じる全ての利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、概ね、テレビジョン信号分配システムにおいて装置間通信に使用される周波数の信号が信号源と干渉するのを防止する帯域除去フィルタに関する。このフィルタは、信号スプリッタと協働し、従来の帯域除去フィルタによって生じるスプリッタを介した装置間通信への悪影響を低減するように設計されている。このフィルタは、主に並列共振回路の動作によってスプリッタに給電するポートに抵抗負荷および高い出力インピーダンスを与えるセクションを帯域除去フィルタに追加したものである。
【0003】
本項は、以下に述べる本発明の様々な特徴に関係し得る当技術分野の様々な特徴を読者に紹介することを意図している。本記述は、本発明の様々な特徴をより理解し易くする背景情報を読者に与えるのに有効であると考えられる。従って、以下の記述は、この点に照らして読むべきものであり、従来技術を承認するものではないことを理解されたい。
【0004】
一般に、テレビジョン番組は、衛星ソースまたはケーブル・ソースから受信される。受信信号は、一般に、屋内を通って同軸ケーブルを介してテレビジョン・ディスプレイ装置に結合されたセット・トップ・ボックス(STB)に送られる。環境によっては複数のSTBが存在することもあり、一般に、各STBは別々のディスプレイに接続される。これらのSTBのうちの1つまたは複数が、ディジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)機能を含むこともある。これらのSTBの1つのユーザが、別のSTBに記録されている番組を見たいと思ったり、または他の機能を実行したいと思うこともある。こうしたインタラクションを容易にするために、STB間のコンテンツの通信を可能にするMultimedia over Coax Alliance(MoCA(商標))標準などのネットワーキング方式が開発されている。
【0005】
STBは、一般に、ハイブリッド・スプリッタを用いて同軸ケーブル分配システムに接続される。衛星ソースまたはケーブル・ソースからのコンテンツは、この分配システムを介して第1の周波数帯域内でこれらのSTBに送られる。その後、それとは別の第2の周波数帯域を使用して、装置間の通信を行う。
【0006】
帯域除去フィルタを使用して、MoCA通信が衛星信号の受信および処理と干渉することを防止することができる。さらに、複数のフィルタを挿入して、過負荷状態を回避することもできる。しかし、これらのフィルタに由来するインピーダンスの不整合により、MoCAの周波数帯域応答に歪みが生じる可能性がある。スプリッタ装置への所望のインピーダンスを維持しながら過負荷を防止するために必要な減衰を提供するために、新たなフィルタ構成が必要とされている。本明細書に記載する発明は、上記の問題および/またはその他の問題に対処するものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の問題を解決するために、本発明は、テレビジョン信号分配システムにおいて装置間通信に使用される周波数の信号が信号源と干渉するのを防止する帯域除去フィルタに関する。このフィルタは、信号スプリッタと協働し、従来の帯域除去フィルタによって生じるスプリッタを介した装置間通信への悪影響を低減するように構成されている。このフィルタは、主に並列共振回路の動作によってスプリッタに給電するポートに抵抗負荷および高い出力インピーダンスを与えるセクションを帯域除去フィルタに追加したものである。本発明の上記およびその他の特徴について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0008】
以下の本発明の実施例の説明を添付の図面と関連付けて参照することにより、本発明の上述およびその他の特徴および利点ならびにそれらを実現する方法がより明らかになり、本発明がよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】衛星テレビジョン・システムの例示的な実施例を示す図である。
【図2】従来のスプリッタの一例を示す回路図である。
【図3】従来の帯域除去フィルタがスプリッタ入力部に取り付けられた、2つのスプリッタ出力部間の伝送の周波数応答を示すグラフである。
【図4】本発明によるフィルタの回路図である。
【図5】図4のフィルタの周波数応答を示すグラフである。
【図6】図4のフィルタがスプリッタ入力部に接続された、2つのスプリッタ出力部間の伝送の周波数応答を示すグラフである。
【図7】フィルタ入力部が終端なしで3’RG−59同軸ケーブルに接続された、2つのスプリッタ出力部間の伝送の周波数応答を示すグラフである。
【図8】フィルタ出力部の抵抗器の値が変更された、2つのスプリッタ出力部間の伝送の周波数応答を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に記載する例示は、本発明の好ましい実施例を示すものであり、このような例示は、いかなる意味においても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0011】
本明細書に記載するように、本発明は、テレビジョン信号分配システムにおいて装置間通信に使用される周波数の信号が信号源と干渉するのを防止する帯域除去フィルタを提供する。このフィルタは、信号スプリッタと協働し、従来の帯域除去フィルタで生じるスプリッタを介した装置間通信への悪影響を低減するように構成されている。このフィルタは、主に並列共振回路の動作によってスプリッタに給電するポートに抵抗負荷および高い出力インピーダンスを与えるセクション部分を帯域除去フィルタに追加したものである。
【0012】
本発明は好ましい構成を有しているものとしてと述べているが、本発明は、本開示の趣旨および範囲内でさらに変更することができる。従って、本願は、本発明の一般的原理を用いた本発明の任意の変形、用途、または改変をカバーするものとする。さらに、本願は、本発明に関係し、且つ添付の特許請求の範囲に含まれる、当技術分野における既知または慣習的な実施に含まれる本開示からの逸脱も、カバーするものとする。
【0013】
本発明は、個別のフィルタ要素として実施することもできるし、あるいは、衛星信号、ケーブル・テレビジョン信号、またはその他の伝送テレビジョン信号を受信することができるセット・トップ・ボックス(STB)またはビデオ・デコーダに信号を分配し、且つそれらの間で信号を分配するシステムの一部として使用されるスプリッタまたはカプラにおいて実施することもできる。
【0014】
図1は、衛星テレビジョン・システムの例示的な実施例を示す図である。衛星テレビジョン・システムは、地球同期衛星110からマイクロ波信号を伝送することによって広い放送領域に対してマイクロ波信号を放送するように動作する。地球同期衛星110は、地表から約35786キロメートル上空で1日で地球を一周する。このような放送衛星110は、一般に、赤道上を周回し、地上の位置に対して同じ位置にとどまるので、衛星受信アンテナ120は一定のルック角を維持することができる。
【0015】
衛星110は、アップリンク伝送器から信号を受信し、その後、様々な伝送周波数を用いる1組のトランスポンダを使用して、これらの信号を地球に向けて中継放送する。伝送を行う衛星110は上記のような高度にあるので、広い地理的領域内の加入者はその信号を受信することができる。
【0016】
上記のような地球からの距離、および衛星の厳しい電力節約要件により、アンテナ120で受信される信号は比較的弱くなる。従って、アンテナで受信された後なるべく早い時期に信号を増幅することが重要である。この要件は、パラボラ・アンテナ120の給電ホーンに低雑音ブロック・ダウンコンバータ(LNB)130を配置することにより達成される。セット・トップ・ボックスが1つしかない単純な構成では、LNB130からの選択された信号は、同軸ケーブルに沿ってディジタル衛星セット・トップ・ボックス140に伝わることができ、ディジタル衛星セット・トップ・ボックス140が、テレビジョン・ディスプレイ装置150に表示するための所望のチャネルに同調する。設備によっては、単線マルチ・スイッチ(SWM)135を使用して、複数のLNBからの信号およびそれらの複数の極性を単一の同軸ケーブルに多重化して、屋内に配信することもできる。
【0017】
スプリッタ145および165を使用して、テレビジョン・ディスプレイ装置170および190にそれぞれ接続された他のセット・トップ・ボックス160および180に繋がるケーブルに信号を分割することもできる。ケーブル型の設備でも、同様の構成とすることができる。ローカル・ケーブル分配システムから送られる信号が、屋内に入り、複数のケーブル・セット・トップ・ボックスに繋がる同軸ケーブルに分割されることもある。
【0018】
受信した衛星信号をSWM135からセット・トップ・ボックス140,160および180に送り、制御情報をSWM135に返すために使用される配線およびスプリッタは、セット・トップ・ボックス間の通信に使用することもできる。例えば、DVRを含むセット・トップ・ボックス140は、記録したコンテンツへのアクセス権を、屋内にあるその他のセット・トップ・ボックス160および180に与えることができる。Multimedia over Coax Alliance(MoCA(商標))標準には、このような機能を提供する1つの方法が記載されている。衛星テレビジョン・システムの場合には、このようなボックス間のディジタル・ホーム・ネットワーキング(DHN)通信は、LNB/STB間またはSWM/STB間の通信の周波数より低い周波数で行われる。以下では、衛星同軸伝送周波数より低い周波数で行われるMoCA伝送について述べるが、本発明は、DHN周波数より高い周波数で伝送されるその他の信号、またはDHN周波数より低い周波数で伝送されるその他の信号、あるいはその両方のその他の信号を用いた、その他のDHN方式にも適用することができる。例えば、ケーブル・テレビジョンの場合には、DHN通信は、ケーブル・テレビジョン伝送の周波数より高い周波数で行うことができる。
【0019】
図2は、衛星テレビジョン・システムで使用されるスプリッタ200を示す図である。LNB信号は、入力ポート210で受信され、出力ポート220および230に分配される。変圧器215は、変圧器225に給電するインピーダンス逓降変圧器である。通常は、ハイブリッド・スプリッタ200またはカプラは、2つの出力部220及び230の間で高い分離状態を維持して、一方のポートから他方のポートへ信号が伝わるのを防止している。これは、出力部220及び230の間にブリッジ抵抗器240を追加することによって達成される。この例では、コンデンサ250を追加して、高周波数性能を向上させている。
【0020】
しかし、DHNの用途では、STB間の通信を可能にするためにDHN信号をポート220から230へ、またその逆の方向に通過できるようにしながら、LNB信号に関してはポート間の分離を維持する必要がある。いくつかのMoCAの用途では、950から2050MHzの衛星帯域では分離を維持し、473から603MHzの間のMoCA信号はスプリッタ200を通過することができるようにすることが望ましい。出力部/入力部間損失または入力部/出力部間損失は、通常は約3dBであり、通信を妨げることはない。しかし、抵抗器240によって生じる出力部間の大きな分離により、このような通信に問題が生じる。従って、MoCAシステムでは、スプリッタは、MoCA信号の減衰と衛星帯域における分離との間の折り合いをつけるように構成することができる。
【0021】
スプリッタ200は、ブリッジ抵抗器の影響がMoCA周波数帯域では除去されるが分配周波数帯域用の回路には及ぶように、ブリッジ抵抗器240と直列にフィルタ要素を挿入することによって変更することができる。例えば、550MHz用の並列共振LC回路を使用して、MoCA信号を通過させることができるようにすることができる。MoCA帯域の帯域端において所望の伝送性能を実現するようにL/C比を選択することにより、性能を向上させることができる。L/C比を高くすれば、帯域端(473および603MHz)におけるインピーダンスが低くなるが、衛星帯域の低い方の帯域端における分離と折り合いをつけなければならない。
【0022】
さらに、ブロックしなければ衛星受信における高調波による歪みおよび干渉を引き起こすおそれのある高レベルMoCA信号をブロックするため、または、過負荷状態を回避するために、スプリッタ入力部と衛星信号源との間に図1に示すフィルタ195を使用することが望ましい。このような帯域除去フィルタ195は、個別のシステム要素であってもよいし、SWM135またはスプリッタ145内に収容されていてもよい。しかし、このようなフィルタに由来するインピーダンスの不整合は、MoCA周波数帯域応答に歪みを生じさせ、出力部/出力部間スプリッタ経路において、不規則な、かつ望ましくないほど大きな減衰を引き起こす可能性がある。
【0023】
図3は、この問題を示し、Microphase Corporation製の帯域除去フィルタがスプリッタ入力部に接続され、未使用のスプリッタ出力部が75オームで終端する8方向スプリッタの出力部5から出力部7に伝送される様々な周波数の信号の減衰を示している。x軸は信号の周波数を示す。y軸は減衰(単位dB)を示す。テスト・システムで使用する整合パッドでは11.6dBの損失があることに留意されたい。スプリッタ入力部が75オーム終端である場合、この経路は、約25dBの公称損失を実現するように制御される。上記のMicrophase製フィルタを用いた場合、この損失はいくつかの点で40dBに増大し、MoCA帯域では10dB以上変動した。このレベルの損失は、スプリッタ出力部に取り付けられた装置間のMoCA通信を妨げる、またはこの信号の信頼性を低下させる可能性がある。スプリッタ装置への所望のインピーダンスを維持しながら所要の減衰を提供するために、新しいフィルタ構成が必要とされている。
【0024】
図4は、この問題に対処するフィルタを示す図である。このフィルタは、スプリッタに給電するポートにおいてMoCA帯域の抵抗負荷を与えるセクションを追加したものである。LNBからの信号は、入力ポート460で受信され、出力ポート470へ通過する。ポート470は、次いで、スプリッタ200の入力部210に接続することができる。この帯域除去フィルタは、主にインダクタ440およびコンデンサ445から構成される並列共振回路の動作によって、ポート470に高い出力インピーダンスを与えるように構成されている。構成要素410から445は、衛星信号源に接続されたポート460に対する所要の阻止(rejection)を備えた通常の帯域除去フィルタを構成する。
【0025】
インダクタ450およびコンデンサ455は、MoCA帯域(550MHz)で直列共振し、抵抗器457からポート470までを結合してMoCA帯域の整合を実現する。抵抗器457は、スプリッタに対する制御された状態での不整合を生じさせるように、75オームから変更することができる。これにより、衛星帯域でより高い望ましい分離を維持しながら、MoCA帯域の減衰を改善(低減)することができる。
【0026】
図5は、図4のフィルタの周波数応答を示す。x軸は信号の周波数を示す。y軸は減衰(単位dB)を示す。インピーダンス整合パッドにおける損失11.6dBを考慮すると、通過帯域損失は1.5から2dBである。MoCA帯域の平均除去帯域減衰は60dBであり、これは十分な値である。
【0027】
図6は、図4のフィルタの出力部470がスプリッタ入力に接続され、入力部460が75オーム終端抵抗で終端した8方向スプリッタの出力部5から出力部7に伝送される様々な周波数の信号の減衰のシミュレーションを示す。図3と同様に、テスト・システムで使用される整合パッドで11.6dBの損失がある。Microphase製フィルタを使用した図3に示す結果と比較すると、473MHzにおける鋭いノッチがなくなり、MoCA帯域の通信への影響が大幅に低下している。
【0028】
図7は、フィルタ入力部460を終端する代わりに3’RG−59同軸ケーブルに接続して変更した図6の構成に関する結果を示す。MoCA帯域の性能は、本質的に影響を受けないことに留意されたい。図8は、抵抗器457の値が33オームになるように変更した図6の構成に関する結果を示す。このように制御された状態での不整合が生じることにより、衛星帯域における分離に悪影響を及ぼすことなく、MoCA帯域におけるキャンセレイションを低下させ、信号スループットを増加させる。
【0029】
それぞれの場合で、本発明のフィルタに取り付けられたMoCA通信を伝えるスプリッタの性能は、従来の帯域除去フィルタで達成される性能より大幅に改善される。さらに、フィルタ入力部のMoCA通信からの所要の分離も維持される。
【0030】
具体的な実施例に関連して本発明について説明したが、本発明の範囲に含まれる様々な変更を加えることができることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のポート(1)に結合された、第1の信号帯域内の信号をフィルタリングする帯域除去フィルタ(L1,L2,L3,C1,C2,C3)と、
前記帯域除去フィルタ(L1,L2,L3,C1,C2,C3)と第2のポート(2)との間に結合された、前記第1の信号帯域内の信号をフィルタリングする並列共振回路(C4,L4)と、
前記第2のポート(2)と参照電位源との間に直列に結合された直列共振回路(L5,C5)および抵抗器(R1)と、を有し、前記第2のポートのインピーダンスが、前記抵抗器(R1)の値の調節に応答して前記第1の信号帯域内で調節される、フィルタ装置。
【請求項2】
前記帯域除去フィルタ(L1,L2,L3,C1,C2,C3)は、
第1のインダクタ(L2)および第1のコンデンサ(C2)を含む第1の回路(C2,L2)と、
前記第1の回路の入力部を前記参照電位源に直列に結合する、第2のインダクタ(L3)および第2のコンデンサ(C3)と、
前記第1の回路の出力部を前記参照電位源に直列に結合する、第3のインダクタ(L1)および第3のコンデンサ(C1)と、を含む、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
前記第1のポートは衛星信号源に結合される、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
前記第2のポートは信号スプリッタに結合される、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
第1の周波数帯域の前記共振回路(C4,L4)の出力部におけるインピーダンスが、前記第2のポートを接地に直列に結合する前記インダクタ、コンデンサおよび抵抗器が取り除かれたフィルタのインピーダンスより高い、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
前記第1のポートは信号源に結合され、前記第2のポートはビデオ・ネットワーク内で信号を分配する信号スプリッタに結合される、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項7】
前記フィルタ装置は少なくとも1つの周波数帯域において双方向通信を容易にする、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項8】
ビデオ信号を受信する第1のノード、第1のプロセッサに結合された第2のノード、および第2のプロセッサに結合された第3のノードを有する信号スプリッタと、
前記第2のノードと前記第3のノードとの間で通信信号を結合する信号経路であって、前記第2のノードと前記第3のノードとの間の前記ビデオ信号の結合を妨げるようにさらに作用する前記信号経路と、
前記第1のノードと前記ビデオ信号の源との間に結合された、前記第2のノードおよび前記第3のノードのうちの少なくとも1つから前記ビデオ信号の前記源への前記通信信号の結合を妨げるフィルタであって、当該フィルタは、第1のポートに結合された、第1の信号帯域内の信号をフィルタリングする帯域除去フィルタと、前記帯域除去フィルタと第2のポートとの間に結合された、前記第1の信号帯域内の信号をフィルタリングする並列共振回路と、前記第2のポートと参照電位源との間に直列に結合された直列共振回路および抵抗器と、を含んでおり、前記第2のポートのインピーダンスが、前記抵抗器の値の調節に応答して前記第1の信号帯域内で調節される、前記フィルタと、
を有する、信号処理装置。
【請求項9】
前記帯域除去フィルタによって減衰させられる周波数の範囲は約550MHzを中心としている、請求項8に記載の信号処理装置。
【請求項10】
前記帯域除去フィルタは、475MHzから650MHzを含む周波数範囲において実質的な減衰を生じさせる、請求項8に記載の信号処理装置。
【請求項11】
前記ビデオ信号の前記源は衛星信号源に結合される、請求項8に記載の信号処理装置。
【請求項12】
第1のノードで信号を受信するステップと、
前記第1のノードと第2のノードとの間の前記信号に狭帯域高インピーダンス経路を提供するステップと、
前記第2のノードと第3のノードとの間の前記信号に広帯域高インピーダンス経路を提供するステップであって、前記狭帯域高インピーダンス経路は前記広帯域高インピーダンス経路の周波数応答内の周波数応答を有する、当該ステップと、
前記第1のノードとインピーダンス源との間の前記信号に狭帯域低インピーダンス経路を提供するステップと、を有し、前記狭帯域低インピーダンス経路および前記狭帯域高インピーダンス経路はほぼ同じ帯域幅および中心周波数を有しており、前記インピーダンスを調節することにより前記第1のノードにおける入力インピーダンスを変更する、信号処理方法。
【請求項13】
前記中心周波数は約550MHzである、請求項12に記載の信号処理方法。
【請求項14】
前記広帯域高インピーダンス経路は、475MHzから650MHzを含む周波数範囲において実質的な減衰を生じさせる、請求項12に記載の信号処理方法。
【請求項15】
前記第3のノードは衛星信号源に結合される、請求項12に記載の信号処理方法。
【請求項16】
前記第1のノードは、衛星信号を複数の衛星信号プロセッサに分配する信号スプリッタに結合される、請求項12に記載の信号処理方法。
【請求項17】
前記広帯域高インピーダンス経路は、multimedia over coax alliance(MoCA)周波数範囲をカバーする帯域幅にわたって高いインピーダンスを提供する、請求項12に記載の信号処理方法。
【請求項18】
前記中心周波数は、multimedia over coax alliance(MoCA)周波数範囲のほぼ中心周波数である、請求項12に記載の信号処理方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2012−525764(P2012−525764A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508442(P2012−508442)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/006686
【国際公開番号】WO2010/126474
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】