説明

ハードディスクドライブ装置の読取装置及びハードディスクドライブ装置の読取装置を備えたコピー装置。

【課題】読み取りエラーが発生する前に、十分な量のデータを読み取ることのできる読取装置と、読取装置で読み取ったデータを保存するコピー装置を提供する。
【解決手段】コピー元ハードディスクドライブ装置6M(以下「コピー元HD」)からコピー先ハードディスクドライブ装置6T1(以下「コピー先HD」)へデジタルデータをコピーする際に、読み取りエラーが発生する可能性の低い領域を読取開始位置として設定し、読み取り時にエラーが発生する前に、より多くのデータを読み取る。エラーが発生した場合には、エラー箇所をスキップして次の読取開始位置から読み取りを再開するか、又はエラー発生時点で、読み取りを終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスクドライブ装置に記録されたデータを読み取るための読取装置に係り、詳しくは、データ読み取り時にエラーが発生し場合に、読み取り動作を停止し、ハードディスクドライブ装置に記録されているデータをより多く読み取る読取装置及び、読み取ったデータを保存するためのコピー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年普及しているパーソナルコンピュータは、記録装置としてハードディスクドライブ装置が内臓されている。このハードディスクドライブ装置には、オペレーションシステムと呼ばれる基本ソフトが記録されており、コンピュータを立ち上げる際には、常にこのオペレーションシステムが読み出される構成となっている。
一方、ハードディスクドライブ装置には、オペレーションシステム以外にも多くの種類のデータが記録されており、データのバックアップを取るために、ハードディスクドライブ装置(マスター側)から直接データを読み出して、他のバックアップ用のハードディスクドライブ装置(ターゲット側)にデータをコピーするコピー装置が存在する。
【特許文献1】特開2001-014258
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のハードディスクドライブ装置のバックアップを取る作業は、マスター側からデータを読み取り、マスター側で読み取った領域に相当するターゲット側の領域にデータを書き込むことにより行われる。しかし、マスター側から読み取りを行う場合、読み取りエラーが生じると、エラーが発生したアドレス以降の領域の読み取りが出来ない場合がある。
これは、読み取り装置自体の構成が、予め決められた1つの読み取り開始位置から読み取りを開始する構成となっているため、一度エラーが発生すると、エラー箇所で読み取り動作が止まってしまい。それ以降の領域に読み取り動作を進められない構成となっていること。また、ハードディスクドライブ装置自体の構成が、エラーが発生した場合には、エラー箇所に読み取り作業を繰り返す構成となっているために、読み取り作業を繰り返すことによってヘッド自体が破損し、以後読み取り作業自体が不可能になってしまうこと、といった理由によるものであった。
【0004】
また、エラー発生箇所は、読み取り頻度の多い箇所に生じている可能性が高く、このような領域は、オペレーションシステムの記録されている領域であることが多い。特に、オペレーションシステムは、読み取り効率を高めるために、ハードディスクドライブ装置を読み取る装置が読み取り開始位置として設定している位置に近い領域に記録されている。
このような事情から、エラー箇所は、読み取り開始位置に近い位置に発生する場合が多く、バックアップのための読み取りを開始した場合、マスター側に記録されている重要なデータを読み出す前に、オペレーションシステムの記録されている領域のコピーのみでコピー不能となるケースが多発していた。
【0005】
この発明は、読み取りエラーが発生する前に、十分な量のデータを読み取ることのできる読取装置と、読取装置で読み取ったデータを保存するコピー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような目的は、以下の本発明により達成される。
(1) ハードディスクドライブ装置の記録領域に記録されているデータを読み取る読取装置であって、
記録領域からデータの読み取りを開始する読取開始位置を設定する開始位置設定手段と、
前記開始位置設定手段で設定された読取開始位置からデータを読み取る読取手段と、
記録領域からデータを読み取る際に読み取りエラーを検出するエラー検出手段と、
前記エラー検出手段により読み取りエラーが検出された場合には読取手段の読み取り動作を終了する読取終了手段とを有することを特徴とするハードディスクドライブ装置の読取装置。
【0007】
(2) 前記読取開始位置は、記録領域の中でヘッドのアクセス頻度が他の領域よりも少ない領域に設定される上記(1)に記載のハードディスクドライブ装置の読取装置。
【0008】
(3) 前記開始位置設定手段は、読取開始位置を複数設定し、
前記読取手段は、読み取りを開始した読取開始位置から隣接する読取開始位置までのデータを読み取り、
更に、前記開始位置設定手段で設定された複数の読取開始位置から前記読取手段が読み取りを開始する順番を決定する順序設定手段を有する上記(1)又は(2)に記載のハードディスクドライブ装置の読取装置。
【0009】
(4) 前記読取終了手段により読取終了処理が行われ場合には、順序設定手段により設定された順序に基づき設定された次の読取開始位置から読み取りを開始させる読取再開手段を有する上記(3)に記載のハードディスクドライブ装置の読取装置。
【0010】
(5) 前記順序設定手段が設定する読み取り開始順序は、読取開始位置の設定されている記録領域のヘッドのアクセス頻度に基づいて設定されている上記(3)又は(4)に記載のハードディスクドライブ装置の読取装置。
【0011】
(6) 上記(1)〜(5)のいずれか1に記載のハードディスクドライブ装置の読取装置によって読み取られたデータを、他の記録媒体に記録する書込手段を備えたコピー装置。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、読取開始位置を任意に設定することができるので、エラー発生箇所を避けて、読取開始位置を設定することができ、読取エラーが発生する前に、より多くのデータを読み取ることが可能となる。また、エラー箇所に対して繰り返し読み取り作業を実行する頻度が少なくなるので、読取時間を短縮することができる。
請求項2に記載の発明によれば、読取開始位置をアクセス頻度の低い領域に設定することで、エラー発生頻度の少ないと予想される領域から優先的にデータを読み取ることができ、読取エラーが発生する前に、さらにより多くのデータを読み取ることが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、読取開始位置を複数設定することによって、エラー発生箇所を避けて、より一層多くのデータを読み取ることが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、エラーが発生した場合には、次の読取開始位置から読取を開始することにより、エラー領域以降の領域についても、データを読み取ることが可能となり、より多くのデータを読み取ることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、読み取り開始順序をヘッドのアクセス頻度に基づいて設定することで、エラー発生確率の低い領域から順に読み取ることができ、より多くのデータを読み取ることができる。
請求項6に記載の発明によれば、読み取りエラーの発生したハードディスクドライブ装置から、より多くのデータをコピーすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明のコピー装置1の好適実施形態について添付図面に基づいて詳細に説明する。
本発明のコピー装置1は、マスター側ハードディスクドライブ装置6Mとの間で、コマンドやデータの送受信を行うマスター制御手段3Mと、ターゲット側ハードディスクドライブ装置6T1との間で、コマンドやデータの送受信を行う第1のターゲット制御手段3T1と、各制御手段3M、3T1へ制御内容を指示する中央制御手段2と、これらの制御手段2、3M、3T1を相互に通信可能に接続するバスライン20とを備えている。
【0016】
マスター側制御手段3Mには、外部メモリ4Mと、マスター側(コピー元)ハードディスクドライブ装置6Mを接続するための接続部(コネクタ)5Mとが接続されている。外部メモリ4Mには、マスター側ハードディスクドライブ装置6Mから読み取ったデータが、一時格納される。
ターゲット側制御手段3T1には、外部メモリ4T1と、ターゲット側(コピー先)ハードディスクドライブ装置6T1を接続するための接続部(コネクタ)5T1とが接続されている。外部メモリ4T1には、ターゲット側ハードディスクドライブ装置6T1に書き込まれるデータが、一時格納される。
これらの制御手段2、3M、3T1、は、マイクロコンピュータやPLD(Programmable Logic Device)などの集積回路で構成される。この装置1は、マスター側ハードディスクドライブ装置6Mに記録されているデータを、読み出す際に、エラーを検出した場合、次の読取開始位置から読み取りを開始するスキップモードと、そのまま読み取りを終了するストップモードの2つの読取モードと、読取開始位置を設定する際に、読取開始位置の数を選択する開始位置設定モードと、読取開始位置の読取順序を設定する順序設定モードを備えている。
【0017】
図2は、ハードディスクドライブ装置のハードディスクSoの構成を示す模式図である。複数の記録媒体としてのディスクDe1、De2、De3には、例えばオペレーティングシステムのプログラムデータ等、使用頻度の高いプログラムは、最も外側の領域に記録される。開始位置設定モードは、例えば、ハードディスクドライブ装置が備えるハードディスクの数に応じて、読取開始位置を設定するモードを備えている。例えば、ハードディスクを3枚有するハードディスクドライブ装置の場合には、各ハードディスクの外縁Pb1、Pb2、Pb3と内縁Pc1、Pc2、Pc3の間の中間地点Pa1、Pa2、Pa3が読取開始位置となるように、読取開始位置とその数が設定されるパターンと、特定のデータ量ごとに等間隔で読取開始位置が設定されるパターンとが設けられている。
【0018】
順序設定モードは、複数設定された読取開始位置のなかから、どの読取開始位置から順に読取を開始するか、開始する順番を設定するもので、例えば、アクセス頻度の少ないハードディスクの内縁に近い位置から先に読み取り、最後に外縁に近い位置を開始位置から読取開始するとするパターンと、ランダムに開始位置を選択するバターンとが設けられている。また、読み取り方向も、内縁から外縁方向へ向けて読み取る場合と、外縁から内縁方向へ向けて読み取る場合の2通が設定可能とされる。中間地点と内縁の間は、エラーが存在かる確率が低いので、読み取り速度が速い方法、即ち外縁から内縁方向へ向けて読み取りが行なわれ、外縁と中間地点の間の領域では、中間地点から外縁へ向けて読み取りが行なわれるように設定することもできる。このモードでは、ハードディスクの内縁位置が近い部分がヘッドのアクセス頻度か低く、外縁位置に近い部分が頻度が高いと想定して、順序が設定される。
【0019】
このように構成されたコピー装置1の動作について、図3に示されているフローチャートに基づいて説明する。図3は、中央制御手段2の制御フローチャートを示すものである。
最初に接続されたマスター側ハードディスクドライブ装置6Mのデータを取得し、全容量、ハードディスクの数、読み取り不良カウント数kの初期化など、制御開始に当たって必要なデータを取得する(ステップS101)。また、選択されたモードを確認する。すなわち、スキップモードか否か、読取開始位置設定モード、順序設定モードの内容を確認する(ステップS103)。
そして、全容量とハードディスク数から、読取開始位置が設定される(ステップS105)。読取開始位置は、例えば全容量を所定の容量毎の単位読取領域に区分けし、その各単位読取領域の先頭に位置するセクタのアドレスを読取開始位置として決定する。
【0020】
順序設定モードの内容に基づき、読取開始位置から読み取りを開始する順序が設定される(ステップS107)。順序設定モードで設定される読取順序とは、ステップS105で設定された複数の読取開始位置にアクセスし、各単位読取領域を読み取っていく順序である。この順序は、例えば、ハードディスクに対してヘッドが読み取り動作を行なう頻度が低い領域の読取開始位置から優先して読み取るように設定される。具体的には、使用頻度の高いプログラムが記録されている領域よりは、使用頻度の低いプログラムが記録されている領域を優先的に読み取るような順番となっている。或いは、プログラムデータではなく、記録データ(例えば、文書データ、画像データ、音データ)が記録されている領域から優先して読み取る。特にオペーレーションシステムプログラムが記録されている領域は、ヘッドが読み取る頻度が極めて高いため、そのような領域は、読取順序が、最後となるように設定される。なお、単位読取領域は、ヘッドのアクセス頻度の低い領域を大きく、アクセス頻度の高い領域を小さく設定してもよい。このように設定することで、読取エラーが発生する頻度が低い領域の読み取りを、より早く終了させることができ、また、読取エラーが発生する頻度が高い領域の読み取りを、より精密に読み取ることかでき、エラー箇所が検出された場合、読み取れない領域をより小さくすることが可能となる。
【0021】
設定された順序に従って、読み取りを開始する(ステップS109)。具体的には、例えば所定量のデータ単位(256セクタ毎、又は1023セクタ毎)でデータが読み取られる。
この読み取りの際に、読み取りエラーが検出されたか判断する(ステップS111)。
【0022】
エラー検出されなかった場合には、隣接する読取開始位置まで読み取り作業が到達したか判断する(ステップS113)。つまり、隣接する読取開始位置の間が、単位読取領域となり、読取開始位置から読み取りを開始、隣接する読取開始位置まで読取作業が到達した場合に、単位読取領域の読み取りが終了したものと判定する。単位読取領域の読み取りが完了していない場合には、ステップS111を実行する。
【0023】
単位読取領域の読み取りが完了している場合には、全領域の読取が終了したか判断し(ステップS115)、終了した場合には、エラー領域読取ルーチンS117を実行する。終了していない場合には、ステップS107で決定した順序に従って、次の読取開始位置から読み取りを開始し(S119)、ステップS111から処理を再開する。
ステップS111で、読み取りエラーが検出された場合には、エラーカウントをインクリメントし(ステップS121)、カウント数Kが所定値N以上となったか判断する(ステップS123)。読み取りエラーは、ハードディスクの所定のアドレスの領域からデータが読み取れない場合を意味し、通常のハードディスクドライブ装置では、読み取り動作を数回リトライする。この回数Kをカウントし、所定の回数N以上に達した場合に、エラーと判定する(ステップS123)。Nは、通常のリトライ回数よりも少なく設定されている。このように読み取り回数を制限することによって、エラー領域へのヘッドのアクセス数を制限し、ヘッドの損傷を抑制するものである。なお、このようなステップS111〜S123で構成されるエラー判断制御の他、ハードディスクドライブ装置からエラーコマンドが供給された場合に、読み取りエラーと判断する構成としてもよい。又は、ハードディスクドライブ装置からコマンドが所定時間以上経過しても供給されなかった場合、エラーとして判断してもよい。コマンドが所定時間以上供給されない場合にエラーと判断することによって、エラー領域へヘッドを無駄にアクセスすることによるヘッドの損傷を抑制でき、また、ハードディスク全体の読み取り時間を短縮することができる。
【0024】
次に、エラーと判断された箇所のアドレスを記憶する(ステップS125)。さらに、ステップS103で入力されたモードが、スキップモードであるか判断する(ステップS127)。スキップモードでない場合には、そのまま読み取り処理を終了し(ステップS129)、フローチャートを終了させる。このような処理とするとこで、エラー検出までに読み取ったデータを確保することができ、またヘッドの損傷を抑制し、他の領域を読み取ることができる余地を確保することができる。
スキップモードである場合には、エラーが検出された読取領域の次の読取順序に設定されている読取領域の開始位置から読み取りを開始し(ステップS119)、ステップS111へ戻る。このような処理をすることにより、ヘッドの損傷を抑制し、エラーが検出された読取領域以外の読取領域のデータを読み取ることができ、記憶領域全体のデータをより多く読み取ることができる。
【0025】
次に、図4に示されているフローチャートに基づいて、エラー領域読取ルーチンについて説明する。ステップS125で記録されたエラーアドレスがあるか判断する(ステップS201)。エラーアドレスの記録がない場合には、そのままこのサブルーチンは終了し、リターンされる。エラーアドレスの記録がある場合には、エラーカウントKを初期化する(ステップS203)。
エラーが発生したアドレスを含む単位読取領域の最後のアドレスを算出する(ステップS205)。算出された最後のアドレスから、最初のアドレスへ向けて読み取りを開始する(ステップS207)。
【0026】
この読み取りの際に、読み取りエラーが検出されたか判断する(ステップS209)。そして、読み取りエラーが検出されない場合には、順に読み取りを行なったヘッドが、ステップS125で記録されたエラーの箇所に到達したか判断する(ステップS211)。到達した場合には、エラー箇所以外の領域の読み取りを完了したこととなるので、このサブルーチンは終了し、リターンされる。
到達していない場合には、ステップS209の処理が繰り返される。ステップS209で、読み取りエラーが検出された場合には、ステップS121、S123、S129と同様の処理として、ステップS213〜S217が実行される。
【0027】
以上のようなサブルーチンは、エラーを含む単位読取領域について、それぞれ行なわれる。
【0028】
図5は、エラー領域読取ルーチンの他の構成例を示すフローチャートである。ステップS125で記録されたエラーアドレスがあるか判断する(ステップS301)。エラーアドレスの記録がない場合には、そのままこのサブルーチンは終了し、リターンされる。エラーアドレスの記録がある場合には、エラーカウントKを初期化する(ステップS303)。
エラー領域をさらに複数に分割し、さらに細かい読取単位領域を設定する(ステップS305)。各読取単位領域の読取開始位置を設定する(ステップS307)。この読取開始位置は、各単位領域の先端でも後端でもよい。先端は、回転しているハードディクスに対して最初にヘッドがアクセスできる部位であり、後端とは、最後にアクセスする部位である。この読取開始位置は、アドレス(例えば、ロジカルブロックアドレス(LBA))で記録されている。次に読取順序を設定する(ステップS309)。例えば、エラー箇所のアドレスは解っているので、エラー領域の先端にエラー箇所が近い場合には、エラー領域の後端から順に読み取り、後端に近い場合には、先端から順に読み取る順序に設定される。
【0029】
ステップS309で設定された順序に従って、読み取りが開始される(ステップS311)。
この読み取りの際に、読み取りエラーが検出されたか判断する(ステップS313)。そして、読み取りエラーが検出されない場合には、エラーを含んだ読取単位領域の読み取りを完了したか判断する(ステップS315)。完了してない場合には、ステップS313を再度実行する。完了している場合順に読み取り行なったヘッドが、単位読取領域の全領域の読取を終了したか判断する(ステップS317)。終了した場合には、エラー箇所を含む単位領域以外の領域の読み取りを完了したこととなるので、このサブルーチンは終了し、リターンされる。
【0030】
完了していない場合には、次の読取開始位置から読み取りが開始される(ステップS319)。
ステップS313で、読取エラーが検出された場合には、エラーカウントKをインクリメントし(ステップS321)、エラーカウントKが所定値N以上となったか判断する(ステップS323)。エラーカウントNに達していない場合には、ステップS313が再度実行され、達している場合には、次の読取開始位置から読取が開始される(ステップS319)。このようにして、エラーを含む単位領域以外の領域を読み取ることができる。また、エラーを含む単位領域についても、さらに、これを細かく分割する、図5に示すエラー領域読取ルーチンを実行することにより、エリー箇所を除く、より精密なデータを読み取ることができる。
以上のように、読み取られたデータは、外部メモリ4Mに一時格納され、ターゲット制御手段3T1へ送られ、外部メモリ4T1に一時格納された後、ターゲット側ハードディスクドライブ装置6T1に順にミラーコピーされる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のコピー装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ハードディスクドライブ装置のハードディスクの構成を示す模式図である。
【図3】処理内容を示すフローチャートである。
【図4】処理内容を示すフローチャートである。
【図5】処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0032】
1 コピー装置
2 中央制御手段
20 バスライン
3T1 ターゲット制御手段
3M マスター制御手段
4M 外部メモリ
4T1 外部メモリ
5M 接続部(コネクタ)
5T1 接続部(コネクタ)
6M マスター側ハードディスクドライブ装置
6T1 ターゲット側ハードディスクドライブ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードディスクドライブ装置の記録領域に記録されているデータを読み取る読取装置であって、
記録領域からデータの読み取りを開始する読取開始位置を設定する開始位置設定手段と、
前記開始位置設定手段で設定された読取開始位置からデータを読み取る読取手段と、
記録領域からデータを読み取る際に読み取りエラーを検出するエラー検出手段と、
前記エラー検出手段により読み取りエラーが検出された場合には読取手段の読み取り動作を終了する読取終了手段とを有することを特徴とするハードディスクドライブ装置の読取装置。
【請求項2】
前記読取開始位置は、記録領域の中でヘッドのアクセス頻度が他の領域よりも少ない領域に設定される請求項1に記載のハードディスクドライブ装置の読取装置。
【請求項3】
前記開始位置設定手段は、読取開始位置を複数設定し、
前記読取手段は、読み取りを開始した読取開始位置から隣接する読取開始位置までのデータを読み取り、
更に、前記開始位置設定手段で設定された複数の読取開始位置から前記読取手段が読み取りを開始する順番を決定する順序設定手段を有する請求項1又は2に記載のハードディスクドライブ装置の読取装置。
【請求項4】
前記読取終了手段により読取終了処理が行われ場合には、順序設定手段により設定された順序に基づき設定された次の読取開始位置から読み取りを開始させる読取再開手段を有する請求項3に記載のハードディスクドライブ装置の読取装置。
【請求項5】
前記順序設定手段が設定する読み取り開始順序は、読取開始位置の設定されている記録領域のヘッドのアクセス頻度に基づいて設定されている請求項3又は4に記載のハードディスクドライブ装置の読取装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1に記載のハードディスクドライブ装置の読取装置によって読み取られたデータを、他の記録媒体に記録する書込手段を備えたコピー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−27140(P2010−27140A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−187073(P2008−187073)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(396014636)株式会社ワイ・イー・シー (13)
【Fターム(参考)】