説明

バックライト、その制御方法、液晶表示装置および電子機器

【課題】液晶表示パネルに光を複数の光源で照射するバックライトにおいて各光源の発光タイミングを、経年変化等に合わせて最適化する。
【解決手段】光源駆動回路40は、第1領域から第n領域までに対応する光源31−1〜31−nを駆動する。各領域には、それぞれ光センサー51−1〜51−nが設けられる。光源駆動回路40は、また、ある光源に対応する領域に属する走査線が最初に選択されるタイミングと、当該光源の領域に設けられた光センサーによって検出された明るさが明方向から暗方向に変化する場合に予め設定された閾値に達するタイミングとが一致するように、当該光源の発光タイミングを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネルの背面側から光を照射する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの情報端末機器の表示手段として用いられる液晶表示装置は、液晶表示パネルによる光変調像に光を照射することによって可視化するものである。液晶表示パネルは、透過型と反射型とに大別されるが、パネルの背面側に設置されたバックライトを点灯させる透過型の方が、暗い場所でも高品位な画像が良好に視認できるなど利点が多い。
また、液晶表示パネルは、動画の表示させる際に残像感を発生させる。このため、バックライトの発光領域を複数に分割するとともに、各領域を液晶表示パネルの走査に同期して断続的に発光させる技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−182182号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、発光領域を複数に分割するとともに、各領域を断続的に最適なタイミングで発光させたとき、その発光タイミングが経年変化等によってズレてくる、という問題が生じた。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、発光領域を複数に分割するとともに、各領域を断続的に発光させる場合に、その発光タイミングが経年変化等の影響を受けにくくした技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明に係るバックライトは、複数本の走査線と複数本のデータ線との交点に対応して設けられた画素を有し、複数本の前記走査線を予め定められた順番で選択して、選択した走査線に対応する画素にデータ信号を書き込む液晶表示パネルの背面側に設けられたバックライトであって、液晶表示パネルの表示領域を前記走査線の延在方向に沿って複数に分割するとともに前記データ線の延在方向に並べて配列させた複数の領域のそれぞれに対応して設けられ、前記液晶表示パネルの背面側から各前記領域に光をそれぞれ照射する複数の光源と、複数の前記光源のうち、一の光源の発光タイミングを、当該一の光源に対応する領域に属する走査線が最初に選択されるタイミングと、当該一の光源の領域に設けられた光センサーによって検出された明るさが明方向から暗方向に変化する場合に予め設定された閾値に達するタイミングとの時間的なズレが予め設定された閾値内に収まるように制御する光源駆動回路と、を有することを特徴とする。本発明によれば、光センサーによって光漏れを考慮した明るさが各領域において検出されるとともに、検出した明るさによって光源の発光タイミングを制御するので、経年変化等の影響を受けにくくすることが可能となる。
なお、本発明は、バックライトのほか、バックライトの制御方法や、液晶表示装置、電子機器としても概念することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】実施形態に係る液晶表示装置の構成を示す図である。
【図2】画面領域と発光領域との関係を示す図である。
【図3】光源駆動回路の構成を示す図である。
【図4】光源制御回路の構成を示す図である。
【図5】各光源の制御を示す図である。
【図6】実施形態に係る液晶表示装置を適用した携帯電話の構成を示す図である。
【図7】画面の光漏れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、実施形態に係る液晶表示装置の構成を示す図である。
この図に示されるように、液晶表示装置1は、液晶表示パネル100と、表示制御回路20、バックライト30および光センサー51−1〜51−nを有する。
液晶表示装置1には、映像データVdが上位回路から同期信号Syncに同期して供給される。この映像データVdは、液晶表示パネル100の各画素に対し階調レベルをそれぞれ指定するものであり、同期信号Syncに含まれる垂直走査信号、水平走査信号およびドットクロック信号(いずれも図示省略)にしたがって走査される画素の順で供給される。
【0008】
液晶表示パネル100は、例えばアクティブマトリクス型の透過型であり、その表示領域では、(n・p)行の走査線112が図においてX(横)方向に延在する。ここで、nは、後述するようにバックライト30における発光領域数であり、3以上の整数である。また、pは、1つの発光領域に対応する走査線の行数であり、整数である。
また、3の倍数である3m(mは整数)列のデータ線114が図においてY(縦)方向に延在し、かつ、各走査線112と互いに電気的に絶縁を保つように設けられるとともに、これらの走査線112とデータ線114との交差のそれぞれに対応して、それぞれ画素110が配設されている。このように画素110が配設された領域が、表示領域101となる。
なお、1行の走査線112と互い隣接する3列のデータ線114との交差に対応する3つの画素110は、それぞれR(赤)、G(緑)、B(青)に対応し、これらRGBの3画素で、1つのドットのカラーを表現する構成となっている。
また、画素110は、詳細については特に図示はしないが、画素電極とコモン電極とで液晶層を挟持した周知の液晶素子を有する構成である。すなわち、画素110(液晶素子)は、走査線112が選択されたときに、データ線114に供給されたデータ信号が画素電極に印加されるとともに、画素電極とコモン電極とで保持される電圧に応じた透過率となるものである。
【0009】
表示制御回路20は、上記上位回路から供給される同期信号Syncにしたがって各部の動作を制御する。
Yドライバー130は、表示制御回路20による制御にしたがって、フレームにわたって走査線112をそれぞれ1、2、3、…、(n・p−1)、(n・p)行目という順番で選択し、選択した走査線に選択電圧を、それ以外の走査線には非選択電圧を、それぞれ印加する走査線駆動回路である。
なお、フレームとは、液晶表示パネル100を駆動することによって、画像の1コマ分を表示させるのに要する期間をいい、同期信号Syncに含まれる垂直走査信号の周波数が60Hzであれば、その逆数である16.7ミリ秒である。
Xドライバー140は、表示制御回路20による制御にしたがって、映像データVdをアナログのデータ信号に変換するとともに、Yドライバー130によって選択される1行分の画素110の各々に対し、変換したデータ信号を、それぞれデータ線114を介して供給するデータ線駆動回路である。
【0010】
映像データVdは、各フレームにおいて1行1列〜1行(3m)列、2行1列〜2行(3m)列、3行1列〜3行(3m)列、…、(n・p)行1列〜(n・p)行(3m)列という画素の順番で供給されるが、このうち、1行1列〜1行(3m)列の映像データVdが供給される水平走査期間において、表示制御回路20は、Yドライバー130およびXドライバー140をそれぞれ次のように制御する。すなわち、表示制御回路20は、Yドライバー130に対して1行目の走査線112を選択させる一方、Xドライバー140に対して、当該映像データVdをデータ信号に変換させるとともに、1列目から(3m)列目までのデータ線114に出力させる。
これにより、1行目の画素110における画素電極にはデータ信号が印加されるので、1行目の画素110には、映像データVdで指定された階調に応じた電圧が書き込まれることになる。
以下、同様な動作が、2、3、4、…、(n・p)行目の順番で実行されるので、各画素110には、映像データVdで指定された階調に応じた電圧が書き込まれて、光変調像が作成されることになる。
【0011】
次に、このように作成された光変調像を可視化させるためのバックライト30について説明する。バックライト30は、光源31−1〜31−nと光源駆動回路40とを有する。ここで、図2(a)は、バックライト30の発光領域を、表示領域101との関係で示す平面図であり、図2(b)は、バックライト30の構成を示す端面図である。
これらの図に示されるように、バックライト30による発光領域は、表示領域101を走査線の延在方向であるX方向に沿って分割したn個の領域を、データ線の延在方向であるY方向に配列させて、上から順に第1〜第n領域としている。なお、ここでいう表示領域の分割とは、物理的な分割ではなく、便宜的な区分を意味する。
【0012】
一方、図2(b)に示されるように、バックライト30は、液晶表示パネル100の背面側に光源31−1〜31−nが配置する背面直下型である。光源31−1〜31−nの各々は、それぞれ第1〜第n領域における光の照射源であり、本実施形態では、例えば白色LEDが用いられる。光源31−1〜31−nは、反射板を兼ねた隔壁により、液晶表示パネル100において対応する領域に光を照射する構成となっている。
なお、バックライト30については、背面直下型としているが、光源31−1〜31−nを液晶表示パネル100の側面側に設け、その照射光を導光体等により各領域の背面側に導くとともに、液晶表示パネル100の背面側から光を照射するサイドエッジ型など様々な構成が適用可能である。
【0013】
本実施形態では、発光領域が第1〜第n領域に分かれているものの、実際には、液晶表示パネル100にバックライト30を組み付ける際の隙間や、回折などにより、ある領域の光源から発せられた光が隣接する領域にも漏れて入射してしまう状態を前提としている。
例えば、第3領域に対応する光源31−3から発せられた光は、当該第3領域に隣接する第2および第4領域にも漏れて侵入し、さらには、第1、第5領域にも漏れる。もちろん、光漏れの程度は、点灯する光源の領域から離れるにしたがって低下する。
この光漏れの時間的推移を検出するために、本実施形態では、光センサー51−1〜51−nが、液晶表示パネル100とバックライト30との間に設けられ、それぞれ第1〜第n領域における明るさを検出する。
なお、図2(b)において、光センサー51−1〜51−nは、液晶表示パネル100における一方の縦側に揃えて配置しているが、他方の縦辺と交互に配置させても良い。
【0014】
光源駆動回路40は、同期信号Syncにしたがって光源31−1〜31−nを駆動するとともに、これらの発光タイミングを、光センサー51−1〜51−nによる検出結果にしたがって制御するものであり、詳細な構成について図3および図4を参照して説明する。
図3は、光源駆動回路40の構成を示す図である。この図に示されるように、光源駆動回路40は、ラインカウンター42および光源制御回路44−1〜44−nを有する。
このうち、ラインカウンター42は、同期信号Syncに含まれる水平走査信号Hsyncによって水平走査開始が指示される毎にカウント値Caを「1」ずつアップカウントするとともに、当該カウント値Caを同期信号Syncに含まれる垂直走査信号Vsyncによって垂直走査開始が指示されたときにゼロにリセットするものである。
【0015】
光源制御回路44−1は、第1領域の光源31−1を制御するものであり、同様に、光源制御回路44−2〜44−nは、光源31−2〜31−nを制御するものである。
ここで、光源制御回路44−2〜44−nは、構成的にはほぼ同様である。そこで、i(1≦i≦nを満たす整数)を用いて、i番目の領域に対応する光源制御回路44−iについて図4を参照して説明する。
【0016】
図4に示されるように、光源制御回路44−iは、A/D変換回路61、クロス検出回路62、ラッチ回路63、光源駆動指定回路64、シフト量算出回路65および増幅回路66を有する。
A/D変換回路61は、第i領域の光センサー51−iの検出信号をデジタル変換するものである。
クロス検出回路62は、検出信号で示される明るさが明方向から暗方向に変化しているときに、閾値Lthに相当する明るさとなったことを検出して通知するものである。
ラッチ回路63は、クロス検出回路62によって通知がなされたときのカウント値Caをラッチしてカウント値Cbとして出力するものである。
【0017】
一方、光源駆動指定回路64は、カウント値Caがシフト量算出回路65によって設定された値に達してから一定期間経過するまで、光源31−iを点灯させる電圧信号を出力する。なお、この一定期間は、各領域に属する走査線を選択するのに要する期間であり、カウント値Caが、例えばシフト量算出回路65による設定値から、当該設定値にpを加算した値に達するまでの期間を用いることができる。
また、増幅回路66は、光源駆動指定回路64による電圧信号を適宜増幅して、光源31−iに供給する。
【0018】
シフト量算出回路65は、ラッチ回路63によって出力されたカウント値Cbが値{(i−1)・p}に一致している場合、光源駆動指定回路64に対して設定した値を変更しない。ここで、第i領域に属する走査線112は、{(i−1)・p+1}行目から(i・p)行目までの範囲である。一方、選択される走査線の行数は、カウント値Caに対して「1」を加算した値で示される。このため、カウント値Cbと値{(i−1)・p}とが一致している場合とは、第i領域の明るさが閾値Lthに相当する明るさを下回るタイミングと第i領域に属する走査線の選択開始タイミングとが一致していることを意味する。
【0019】
一方、シフト量算出回路65は、カウント値Cbが値{(i−1)・p}より小さい場合、光源駆動指定回路64に対して設定した値を、カウント値Cbと値{(i−1)・p}との差分だけ第i領域の光源31−iだけ大きな値に変更して、発光タイミングを遅らせる。これにより、カウント値Cbで示されるタイミングが、すなわち第i領域の明るさが閾値Lthに相当する明るさを下回るタイミングが、第i領域に属する走査線の選択開始タイミングよりも早い場合であっても、一致するように制御される。
なお、上部の領域、例えば第1領域において、発光タイミングが前フレームとなる。カウント値Caはフレームの開始時にゼロにリセットされるので、また、第1領域に属する走査線の選択開始タイミングは値「0」であるので、カウント値Cbと値{(i−1)・p}(i=1)との大小関係が逆転する場合がある。このため、第1領域のシフト量算出回路65については、この逆転を考慮して、カウント値Cbで示されるタイミングが1行目の走査線の選択開始タイミングよりも時間的に先行しているか否かを判断することになる。
【0020】
他方、シフト量算出回路65は、カウント値Cbが値{(i−1)・p}より大きい場合、光源駆動指定回路64に対して設定した値を、カウント値Cbと値{(i−1)・p}との差分だけ第i領域の光源31−iだけ小さい値に変更して、発光タイミングを早まらせる。これにより、カウント値Cbで示されるタイミングが、第i領域に属する走査線の選択開始タイミングよりも遅れている場合であっても、一致するように制御される。
【0021】
ここでは、i番目の領域に対応する光源制御回路44−iで代表して説明したが、光源制御回路44−1〜44−nについても同様な構成である。このため、例えば第1領域の明るさが閾値Lthに相当する明るさを下回ったタイミングと第1領域に属する走査線のうち、最初の1行目の選択タイミングとが一致するように、光源31−1の発光タイミングが制御される。第2領域〜第n領域についても同様であり、その領域の明るさが閾値Lthに相当する明るさを下回ったタイミングと、その領域に属する走査線のうち、最初の走査線の選択タイミングとが一致するように、光源31−2〜31−nの発光タイミングがそれぞれ制御される。
なお、本実施形態では、シフト量算出回路65は、カウント値Cbが値{(i−1)・p}に一致している場合に限られず、その差が予め定められた閾値の範囲にある場合、すなわち、光センサーによって検出された明るさが閾値Lthに達するタイミングと、当該一の光源に対応する領域に属する走査線が最初に選択されるタイミングとの時間的なズレが予め設定された閾値の範囲内に収まる場合であれば、光源駆動指定回路64に対して設定した値を変更しないとしても良い。
【0022】
ところで、第1〜第n領域の光源を順番に点灯させる構成では、当該点灯領域が図7の左方で示されるように推移する。なお、図7では、nが「6」である場合を示している。ただし、ある領域の光源が点灯すると、その領域の上下側の領域にそれぞれ光が漏れる。このため、光漏れを考慮した面内の実際の輝度分布は、図7の右方で示されるように推移する。
一方、画素(液晶素子)の電気−光学応答速度は比較的低いので、階調レベルに応じた電圧が書き込まれてから当該電圧に応じた透過率となるまで、ある程度の時間を要する。このため、画素にデータ信号に応じた電圧が書き込まれてから、十分に時間が経過し、書き込まれた電圧に応じた透過率となった状態で、光源を点灯させて視認させる構成が望ましい、と考えられる。
【0023】
ただし、各画素には、フレームに相当する16.7ms毎にデータ信号が印加されるので、ある走査線に位置する画素には、データ信号に応じた電圧を書き込んでから、16.7ms経過する前に、当該走査線に対応する領域の光源を点灯させる必要がある。
ここで、バックライト30では、光漏れが生じているので、その光漏れを考慮した分だけ光源を早めに点灯させる必要があるが、光漏れの程度は、領域毎に異なると考えられる。
例えば、第2〜第(n−1)領域の各々は、その上下両側にそれぞれ別の光源が存在するので、その上の領域の光源が点灯したとき、および、下の領域の光源が点灯したときに、それぞれ光漏れの影響を受けて明るくなるが、最上端に位置する第1領域では、その上側に光源が存在しないので、常に下側の領域の光源が点灯したときだけしか光漏れが発生しない。同様に、最下端に位置する第n領域は、その下側に光源が存在しないので、常に上側の領域の光源が点灯したときだけしか光漏れが発生しない。
したがって、片側で隣接する領域が点灯したときだけしか光漏れの影響を受けない第1および第n領域は、両方側の領域が点灯したときに光漏れの影響を受ける第2〜第(n−1)領域と比較して、暗く見える。
さらに、光漏れの程度は、光源の劣化などによって経年変化する、と考えられる。
【0024】
これに対して、本実施形態では、図5に示されるように、第1領域〜第n領域の各々について、それぞれ各領域の明るさが閾値Lthに相当する明るさを下回ったタイミングと、その領域に属する走査線のうち、最初の走査線の選択タイミングとが一致するように、光源31−1〜31−nの発光タイミングがそれぞれ制御される。このため、本実施形態によれば、光漏れの程度が領域毎に異なっていたり、経年的に変化したりしても、それぞれ領域毎に最適なタイミングで光源を発光させることが可能となる。
【0025】
なお、図5では、各領域のうち、最上端、中央部、最下端に位置する領域の光源の発光タイミングについて示している。
このうち、最上端に位置する第1領域の光源31−1は、光センサー51−1によって検出された第1領域の明るさが明方向から暗方向への変化において閾値Lthとなるタイミングと、第1領域に属する走査線のうち、最初に選択される1行目の選択タイミングとが一致するように、当該選択タイミングよりも時間Δt1だけ先んじたタイミングで発光するように制御される。なお、第1領域では、その上側に別の光源が存在しないので、光源31−1の発光タイミングの後でのみ光漏れの影響を受ける。
一方、中央部に位置する領域の光源は、対応する光センサーによって検出された当該領域の明るさが明方向から暗方向への変化において閾値Lthとなるタイミングと、当該領域に属する走査線のうち、最初に選択される走査線の選択タイミングとが一致するように、当該選択タイミングよりも時間Δt2だけ先んじたタイミングで発光するように制御される。なお、中央部に位置する領域では、その上側および下側にそれぞれ別の光源が存在するので、発光タイミングの前後において光漏れの影響を受ける。
また、最下端に位置する第n領域では、その下側に別の光源が存在しないので、光源31−nの発光タイミングの前でのみ光漏れの影響を受ける。このため、光センサー51−nによって検出された第n領域の明るさが明方向から暗方向への変化において閾値Lthとなるタイミングは、光源31−nの点灯が終了するタイミングである。したがって、最下端に位置する第n領域では、例外的に、当該第n領域に属する走査線のうち、最初に選択される走査線の選択タイミングで消灯するように、1つ前の第(n−1)領域に属する走査線が選択される期間にわたって点灯させれば良い。
【0026】
なお、実施形態では、垂直帰線期間をゼロとして説明したが、垂直帰線期間を考慮しても良いのはもちろんである。
また、実施形態では、光源として白色LEDを用いたが、輝度を変化させるものであれば良い。液晶表示パネルを透過型として説明したが、いわゆる半透過型を透過モードで使用する場合にも適用可能である。
【0027】
次に、上述した実施形態に係る液晶表示装置1を有する電子機器について説明する。図6は、実施形態に係る液晶表示装置1を用いた携帯電話1200の構成を示す図である。
この図に示されるように、携帯電話1200は、複数の操作ボタン1202のほか、受話口1204、送話口1206とともに、上述した液晶表示装置を備えるものである。なお、液晶表示装置のうち、液晶表示パネル100のみ外観として表れ、他については、携帯電話の筐体内となる。
なお、実施形態に係る液晶表示装置は、携帯電話以外の電子機器にも適用可能である。このような電子機器としては、例えばデジタルスチルカメラや、ノートパソコン、液晶テレビ、ビューファインダー型(またはモニタ直視型)のビデオレコーダー、カーナビゲーション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、タッチパネルを備えた機器等などの表示部を有するものが挙げられる。
【符号の説明】
【0028】
1…液晶表示装置、20…表示制御回路、30…バックライト、31−1〜31−n…光源、40…光源駆動回路、100…液晶表示パネル、130…Yドライバー、140…Xドライバー、1200…携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の走査線と複数本のデータ線との交点に対応して設けられた画素を有し、複数本の前記走査線を予め定められた順番で選択して、選択した走査線に対応する画素にデータ信号を書き込む液晶表示パネルの背面側に設けられたバックライトであって、
液晶表示パネルの表示領域を前記走査線の延在方向に沿って複数に分割するとともに前記データ線の延在方向に並べて配列させた複数の領域のそれぞれに対応して設けられ、前記液晶表示パネルの背面側から各前記領域に光をそれぞれ照射する複数の光源と、
複数の前記光源のうち、一の光源の発光タイミングを、
当該一の光源に対応する領域に属する走査線が最初に選択されるタイミングと、当該一の光源の領域に設けられた光センサーによって検出された明るさが明方向から暗方向に変化する場合に予め設定された閾値に達するタイミングとの時間的なズレが予め設定された閾値内に収まるように制御する光源駆動回路と、
を有することを特徴とする液晶表示パネル用のバックライト。
【請求項2】
複数本の走査線と複数本のデータ線との交点に対応して設けられた画素を有し、複数本の前記走査線を予め定められた順番で選択して、選択した走査線に対応する画素にデータ信号を書き込む液晶表示パネルの背面側に設けられ、
前記液晶表示パネルの表示領域を前記走査線の延在方向に沿って複数に分割するとともに前記データ線の延在方向に並べて配列させた複数の領域のそれぞれに対応して設けられ、前記液晶表示パネルの背面側から各前記領域に光をそれぞれ照射する複数の光源を、
を有するバックライトの制御方法であって、
複数の前記領域のうち、一の領域の明るさを検出し、
当該一の領域に属する走査線が最初に選択されるタイミングと、当該一の領域で検出した明るさが明方向から暗方向に変化する場合に予め設定された閾値に達するタイミングとの時間的なズレが予め設定された閾値内に収まるように制御する
ことを特徴とするバックライトの制御方法。
【請求項3】
複数本の走査線と複数本のデータ線との交点に対応して設けられた画素を有し、複数本の前記走査線を予め定められた順番で選択して、選択した走査線に対応する画素にデータ信号を書き込む液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの表示領域を前記走査線の延在方向に沿って複数に分割するとともに前記データ線の延在方向に並べて配列させた複数の領域のそれぞれに対応して設けられ、前記液晶表示パネルの背面側から各前記領域に光をそれぞれ照射する複数の光源と、
複数の前記領域の明るさをそれぞれ検出する複数の光センサーと、
複数の前記光源のうち、一の光源の発光タイミングを、
当該一の光源に対応する領域に属する走査線が最初に選択されるタイミングと、当該一の光源の領域に設けられた光センサーによって検出された明るさが明方向から暗方向に変化する場合に予め設定された閾値に達するタイミングとの時間的なズレが予め設定された閾値内に収まるように制御する光源駆動回路と、
を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の液晶表示装置を有することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−191190(P2010−191190A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35332(P2009−35332)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】