説明

バッテリパック

【課題】本発明は、バッテリパックに関する。
【解決手段】前記バッテリパックは、直列または並列に連結された複数のベアセルと、前記ベアセルと電気的に連結され、前記ベアセルの温度をセンシングするサーミスタが接合されている保護回路モジュールとを含み、前記サーミスタは、一面が保護回路モジュールの縁に略直角に対面する対面部を含み、前記サーミスタの対面部と保護回路モジュールとの間には支持部が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のベアセルと、前記ベアセルの温度をセンシングするサーミスタを備えた保護回路モジュールとを含むバッテリパックに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、電子、通信などの産業の急速な発展により、モバイル電子機器の普及が増加している。前記モバイル電子機器の電源としては、経済性を考慮して、二次電池が幅広く用いられている。
【0003】
また、二次電池は、携帯電話やノート型パソコンのみならず、高出力および高電力を要する電動工具、電動自転車および自動車などの中大型装置にも使用可能である。このような装置は、高出力および高電力の電源が要求されるため、前記二次電池は、複数の二次電池を直列または並列に連結して1つの電源で作動するバッテリパックとして用いられる。
【0004】
このように、複数の二次電池を含むバッテリパックは、安全性のために多様な保護素子などをさらに含む。このような保護素子の一種であるサーミスタは、温度を測定する機能を果たすもので、バッテリパックが発熱または発火する前に、温度が急激に上昇するとベアセルの温度をセンシングして保護回路モジュールに伝達し、電流を切るようにする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した問題を解決するためになされた本発明の一態様は、保護回路モジュールと、前記保護回路モジュールに接合するサーミスタとの間に支持部を含むバッテリパックを提供するためのものである。
【0006】
また、本発明の他の態様は、サーミスタと保護回路モジュールとの間の接合力が向上したバッテリパックを提供するためのものである。
【0007】
さらに、本発明のさらに他の態様は、ベアセルへのサーミスタの付着時における作業性および安全性が向上したバッテリパックを提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明の特徴によれば、ベアセルと、前記ベアセルに電気的に連結された保護回路モジュールと、前記保護回路モジュールに電気的に連結され、前記ベアセルの温度をセンシングし、リードを備えるサーミスタとを含み、前記リードは、前記保護回路モジュールに隣接して位置し、前記保護回路モジュールと対面する一側面を有するリード端部を備え、前記リード端部の一側面と保護回路モジュールとの間には支持部を備えるバッテリパックを提供する。
【0009】
本発明において、前記保護回路モジュールは、前記ベアセルの長手方向と平行な方向に配置される。
【0010】
また、本発明において、前記リードは、前記ベアセルの長手方向と垂直な方向に配置される。
【0011】
本発明において、前記ベアセルは、複数のベアセルが直列または並列に連結されていることを含む。
【0012】
本発明において、前記保護回路モジュールは、前記ベアセルの長手方向と平行な方向に配置され、前記リードは、前記ベアセルの長手方向と垂直な方向に配置される。
【0013】
本発明において、前記サーミスタのリード端部の他側面には固定部をさらに含み、前記他側面は、前記保護回路モジュールに対面または対向する面の反対面(face away)を示す。
【0014】
本発明において、前記支持部と固定部は、少なくとも部分的に前記リード端部を取り囲む。
【0015】
本発明において、前記支持部または固定部は、接合部材であり、前記接合部材は、シリコンまたはエポキシを含む。
【0016】
本発明において、前記支持部と固定部は、異なる物質または同一の物質からなる。
【0017】
本発明において、前記保護回路モジュールは、サーミスタ接合部をさらに含み、前記リード端部は、前記サーミスタ接合部に付着される。
【0018】
本発明において、前記サーミスタ接合部は、前記保護回路モジュールの縁から離隔して位置する。
【0019】
本発明において、前記サーミスタは、0.2mm〜0.8mmの範囲で前記保護回路モジュールの縁から離隔する。
【0020】
また、本発明において、前記サーミスタは、前記保護回路モジュールの縁から0.5mm離隔することが好ましい。
【0021】
本発明において、前記リードは、複数のリードを含み、前記リード端部は、複数のリード端部を含む。また、この場合、本発明は、複数の固定部をさらに含むことができ、各固定部は、複数のリード端部の対応する各リード端部をそれぞれ固定するように取り囲むようにする。
【0022】
また、本発明において、前記支持部と固定部は、少なくとも部分的に前記リード端部を部分的に取り囲むようにする。
【0023】
本発明において、支持部は、複数の支持部を含み、複数の支持部のそれぞれ対応する支持部上で複数のリード端部それぞれを支持することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のような本発明によれば、保護回路モジュールと、前記保護回路モジュールに接合するサーミスタとの間に支持部を含むバッテリパックを提供することができる。
【0025】
また、本発明によれば、サーミスタが保護回路モジュールに強固に接合され、外部衝撃によって保護回路モジュールからサーミスタが容易に取り外されないバッテリパックを提供することができる。
【0026】
さらに、本発明によれば、新規な接合方法によって保護回路モジュールにサーミスタを接合させることにより、ベアセルへのサーミスタの付着時における作業性が向上し、ベアセルの温度センシングの正確度が向上したバッテリパックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態にかかるバッテリパックを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるサーミスタの平面斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる保護回路モジュールの斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる保護回路モジュールに付着されたサーミスタの側面図である。
【図5A】本発明の一実施形態にかかる保護回路モジュールに付着されたサーミスタの斜視図である。
【図5B】本発明の一実施形態にかかる保護回路モジュールに付着されたサーミスタの側面図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかる保護回路モジュールにサーミスタが付着されている断面を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる保護回路モジュールにサーミスタが付着されている断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
その他実施形態の具体的な事項は、詳細な説明および図面に含まれている。
【0029】
本発明の利点および特徴、そして、それらを達成する方法は、添付した図面とともに詳細に後述する実施形態を参照すれば明確になるはずである。ただし、本発明は、以下に開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現可能であり、以下の説明において、ある部分が他の部分と連結されているとするとき、これは、直接的に連結されている場合のみならず、その間に別の素子を挟んで電気的に連結されている場合をも含む。また、図面において、本発明と関係のない部分は本発明の説明を明確にするために省略し、明細書全体にわたって、類似の部分については同一の図面符号を付した。
【0030】
以下、添付した図面を参照して本発明について説明する。
【0031】
図1〜図5は、本発明の好ましい一実施形態を示す図である。
【0032】
図1は、本発明の好ましい実施形態にかかるバッテリパックを示す図である。
【0033】
図1を参照すれば、本発明の好ましい実施形態にかかるバッテリパック100は、直列または並列に連結された複数のベアセル10と、前記ベアセル10の温度をセンシングして保護回路モジュール20に伝達するサーミスタ30と、前記ベアセル10と電気的に連結され、前記サーミスタ30がベアセル10に接合されている箇所に位置する保護回路モジュール20とを含む。
【0034】
サーミスタ30は、サーミスタ30の一面が保護回路モジュール20の縁22に対して略直角に付着可能である。このとき、サーミスタ30の一側端は保護回路モジュール20と対面し、他側端は前記保護回路モジュールと対面しない方向に向かって位置する。サーミスタ30は、第1リード32aおよび第2リード32bを含むリード32からなる。前記リード32はさらに、保護回路モジュール20に隣接するリード端部である対面部34を含む。前記サーミスタ30の対面部34と保護回路モジュール20との間には支持部40をさらに含むことができる。前記支持部40は、サーミスタ30と保護回路モジュール20との間に備えられ、サーミスタ30の対面部34と保護回路モジュール20との間の空間を満たすことにより、サーミスタ30の対面部34と保護回路モジュール20とは、前記支持部40によって互いに連結される。
【0035】
保護回路モジュール20は、ベアセル10の長手方向に対して並んで備えられる。したがって、サーミスタ30が保護回路モジュール20に略垂直に備えられる場合(サーミスタ30のリード32が保護回路モジュール20に略垂直な方向に延長された場合)には、前記サーミスタ30は、ベアセル10の長手方向に対しても略垂直に備えられる。本発明のさらに他の実施形態において、サーミスタ30のリード32は、保護回路モジュール20に実質的に平行でない方向に配置される。
【0036】
ベアセル10は、電池ケースと、その内部に配置された電極アセンブリと、電解液とを含むことができる。
【0037】
電極アセンブリは、正極板および負極板と、これら極板の間に介在するセパレータとを巻き取るかまたは積層して形成できる。このように形成された電極アセンブリは、電解液とともに電池ケースに収納されてベアセル10を形成し、前記電極アセンブリの正極板および負極板は、電解液と電気化学的反応をする。これにより発生する電気化学エネルギーは外部電子機器などに伝達され、ベアセル10は電気的に連結される。
【0038】
電池ケースは、例えば、パウチ型、角型または円筒型であり得る。
【0039】
また、ベアセル10は、充放電が可能な二次電池であり、例えば、リチウムイオン電池またはリチウムポリマー電池であり得る。
【0040】
保護回路モジュール(Protection Circuit Module:PCM)20は、ベアセル10の充放電寿命を延長させ、充電器または外部端子によってベアセル10が短絡することを防止するために、バッテリパックに装着される。
【0041】
一般的に、二次電池であるベアセル10は、最適な性能を維持するために、過充電(overcharge)または過放電(overdischarge)されることが防止されなければならない。例えば、ベアセル10が過充電される場合には、前記ベアセル10の内部に収納された電解液が分解されてガスが発生し得る。このとき、発生するガスは、ベアセル10の内圧を上昇させる原因となり、これにより、ベアセル10から電解液が漏れることがあり、ひどい場合には、ベアセル10が発火するかまたは爆発する原因となり得る。
【0042】
また、ベアセル10が過放電される場合には、前記ベアセル10の内部に収納される電極アセンブリを構成する負極が損傷することがある。このような負極の損傷は、ベアセル10の充放電性能を低下させかねない。
【0043】
前述したように、保護回路モジュール20は、バッテリパック100に備えられ、ベアセル10が過充電または過放電されることを防止し、安定的に使用することを可能にする。
【0044】
保護回路モジュール20は、印刷回路基板(printed circuit board)および保護回路素子などを含むことができる。印刷回路基板には、ベアセル10と外部電子機器とを連結させることができる1つ以上の素子が実装されている。
【0045】
また、保護回路モジュール20には、電極タブ23と、別のコネクタ60とがさらに備えられる。
【0046】
電極タブ23は、例えば、ニッケルまたは銅などの電気的導体物質で形成できる。電極タブ23は、ベアセル10の負極および正極端子にそれぞれ連結され、このように連結された電極タブ23は、保護回路モジュール20に連結され、保護回路モジュール20とベアセル10とを電気的に連結させる。
【0047】
保護回路モジュール20に備えられるコネクタ60は、外部電子機器と連結される部分である。前記コネクタ60により、保護回路モジュール20は、外部電子機器と電気的に連結される。
【0048】
図2は、本発明の一態様にかかるサーミスタの平面斜視図である。
【0049】
図2を参照すれば、本発明におけるサーミスタ30は、ベアセル10の温度をセンシングして保護回路モジュール20に伝達する素子を指し示すものであり、温度センシング部31と、第1および第2リード32a、32bと、絶縁フィルム33とから構成できる。前記絶縁フィルム33は、透明な材料で形成することも可能である。
【0050】
温度センシング部31は、ベアセル10の温度をセンシングする部分である。前記温度センシング部31は、熱に敏感な低抗体であって、センシングしようとする物質の温度変化により顕著に抵抗値が変化する特徴を有する。例えば、温度センシング部31は、温度が上昇すると抵抗値が増加する正の温度係数(Positive Temperature Coefficient)、または温度が上昇すると抵抗値が減少する負の温度係数(Negative Temperature Coefficient)などの特徴を有するものが使用可能である。
【0051】
また、前記温度センシング部31には、一対のリード32が連結可能である。本発明にかかるサーミスタ30において、温度センシング部31と一対のリード32(または第1リード32a、第2リード32b)は、絶縁フィルム33によって覆われている。このとき、一対のリード32は、略等しい長さであり得る。
【0052】
例えば、リード32は、ニッケルなどで形成できる。すなわち、前記リード32は、電気的に連結可能な物質であり、前記温度センシング部31でセンシングされたベアセル10の温度を保護回路モジュール20に伝達する。
【0053】
また、前記リード32において、リード端部を除いた残りの部分は絶縁フィルム33によって覆うようにする。本発明において、前記リード端部は、対面部34と同時に言及して説明する。このとき、リード32の全体が絶縁フィルムの外部に露出するように備えられる場合には、前記リード32は、ベアセル10または電極タブ23などの電気的導体と接触して短絡などが発生することがある。また、前記第1および第2リード32a、32bは、薄い線の形状で、物理的強度が弱い。
【0054】
したがって、前記リード32を、リード端部である対面部34を除いて絶縁フィルム33で覆うことにより、リード32を電気的に絶縁させると同時に、リード32自体の機械的な強度を補強することができる。したがって、保護回路モジュール20またはベアセル10にサーミスタ30を付着する作業を容易にし、作業性を向上させる。
【0055】
前述したように、リード32は、その両端を除いて絶縁フィルムなどで覆うことが良い。前記リード32を介して、サーミスタ30は、保護回路モジュール20と電気的に連結されなければならないため、リード32の両端を絶縁フィルム33の外部に露出させる。また、リード32の両端を保護回路モジュール20に接合させるとき、その接合程度を強固にするために、保護回路モジュール20に接合されたリード32の両端には半田付けなどがさらに含まれてもよい。
【0056】
図3は、本発明の一態様にかかる保護回路モジュールの斜視図である。
【0057】
図3を参照すれば、保護回路モジュール20には、サーミスタ30の付着される領域であるサーミスタ接合部21が備えられる。
【0058】
本実施形態にかかる保護回路モジュール20は、長側および短側縁から構成された略矩形の薄い板状の形態である。保護回路モジュール20は、長側縁22がベアセル10の長手方向に対して並ぶように配置される。また、前記保護回路モジュール20には、サーミスタ30の一対のリード32が接合される部分であるサーミスタ接合部21を含むことができる。このとき、前記サーミスタ接合部21は、保護回路モジュール20の一側縁22から所定距離離隔して備えられることが好ましい。
【0059】
サーミスタ接合部21は、第1および第2サーミスタ接合部21a、21bから構成できる。第1サーミスタ接合部21aにはサーミスタ30の第1リード32aが付着され、第2サーミスタ接合部21bには第2リード32bが付着される。これにより、サーミスタ30は、前記サーミスタ30の温度センシング部31でセンシングしたベアセル10の温度データを保護回路モジュール20に伝達することができる。
【0060】
また、第1および第2リード32a、32bが接合された第1および第2サーミスタ接合部21a、21b側には半田付けをさらに含むことができる。前記半田付けにより、第1および第2リード32a、32bは、第1および第2サーミスタ接合部21a、21bに強固に接合できる。したがって、前記サーミスタ30は、外部衝撃によって保護回路モジュール20から容易に取り外されない。
【0061】
図4は、本発明の一実施形態にかかる保護回路モジュールに付着されたサーミスタの側面図である。
【0062】
図5Aおよび図5Bは、本実施形態にかかる保護回路モジュールにサーミスタが付着された様子を示す図である。
【0063】
図4、図5Aおよび図5Bを参照すれば、保護回路モジュール20において、サーミスタ接合部21は、保護回路モジュール20の長側縁22から所定距離離隔して備えられ、このとき、前記離隔した距離を接合部の離隔距離Aという。
【0064】
図4を参照すれば、サーミスタ30の一端であるリード端部を示す対面部34は、サーミスタ30が保護回路モジュール20と互いに対面する部分を指し示す。サーミスタ30の対面部34の大きさなどは、保護回路モジュール20の縁22から所定距離離隔して備えられるサーミスタ接合部21までの距離である、接合部の離隔距離Aによって左右される。また、前記対面部34と保護回路モジュール20との間には、サーミスタ30と保護回路モジュール20とを連結する支持部40が備えられている。
【0065】
接合部の離隔距離Aは、0.2mm〜0.8mmであり得る。例えば、接合部の離隔距離Aが0.2mm未満の場合、サーミスタ30の対面部34と接する支持部40が十分に形成されない。したがって、サーミスタ30は、保護回路モジュール20に強固に接触せず、落下などの外部衝撃によって容易に取り外されてしまう。また、接合部の離隔距離Aが0.8mm超の場合には、保護回路モジュール20に保護素子などを実装させることができる空間が十分ではなくなり、問題となる。したがって、接合部の離隔距離Aは、0.2mm〜0.8mmが好ましく、前記接合部の離隔距離Aが0.5mmの場合が特に好ましい。
【0066】
本実施形態において、前記支持部40は、サーミスタ30のリード端部である対面部34と保護回路モジュール20との間に備えられる。前記支持部40は、接着部材を使用することができる。前記接着部材としては、例えば、シリコンまたはエポキシなどを挙げることができる。このように、支持部40は、サーミスタ30と保護回路モジュール20との間の接合性能を向上させる。
【0067】
サーミスタの付着方法は、まず、サーミスタ30を保護回路モジュール20に接合させた後に、ベアセル10の温度をセンシングするために、サーミスタ30をベアセル10に付着させる。このとき、ベアセル10の温度の正確なセンシングのために、特に、サーミスタ30の温度センシング部31がベアセル10に密接に接するように付着する。このとき、サーミスタ30の温度センシング部31を引っ張ることにより、前記サーミスタ30に強力な引っ張り力が加えられることがあり、前記引っ張り力は、保護回路モジュール20とサーミスタ30との接合部に影響を及ぼす。ひどい場合、このような引っ張り力により、保護回路モジュール20に付着されたサーミスタ30が脱落する場合が発生し得る。このように、サーミスタ30が脱落した場合には、ベアセル10の温度を保護回路モジュール20に伝達することができないため、バッテリパック100の安全性に問題となり得る。
【0068】
本発明にかかるバッテリパック100では、サーミスタ30と保護回路モジュール20との間に支持部40をさらに含む。支持部40は、サーミスタ30と保護回路モジュール20との間の結合を強固にする。したがって、サーミスタ30に強力な引っ張り力が加えられても容易に脱落しないため、前記バッテリパック100の製造時に発生し得るサーミスタ30の脱落による不良を防止することができる。
【0069】
また、前記支持部40により、サーミスタ30の対面部34側が支持できる。すなわち、前記支持部40は、サーミスタ30の対面部34と保護回路モジュール20との間に備えられ、前記サーミスタ30と保護回路モジュール20とが直接対面することができないように一定間隔離隔させることができる。このとき、サーミスタ30と保護回路モジュール20との離隔程度は、支持部40によって決定可能である。
【0070】
すなわち、サーミスタ30のベアセル10への付着時、サーミスタ30は、前記サーミスタ30が保護回路モジュール20側に隣接する部分に力の影響を最も多く受けることになる。このとき、前記サーミスタ30の保護回路モジュール20側には支持部40が備えられており、前記支持部40により、サーミスタ30に加えられる力の影響を最小化することができる。
【0071】
以下、図6および図7を参照して、本発明の好ましい他の実施形態について説明する。
【0072】
図6および図7は、本発明のそれぞれ異なる実施形態にかかる保護回路モジュールにサーミスタが付着されている断面を示す図である。
【0073】
図6および図7では、後述する内容を除けば図1〜図5と同様であるため、これに関する詳細な内容は省略する。
【0074】
図6を参照すれば、サーミスタ30は、保護回路モジュール20と接する部位である第1および第2リード32a、32bの両端に固定部50をさらに含むことができる。前記固定部50は、サーミスタ30の一側面である対面部34の反対面に備えられる。サーミスタ30において、支持部40は、サーミスタ30の対面部34と保護回路モジュール20との間に備えられるのに対し、固定部50は、サーミスタ30の第1および第2リード32a、32bの両端と、保護回路モジュール20に備えられているサーミスタ接合部21とを延長して具備できる。前記固定部50は、保護回路モジュール20とサーミスタ30との接合をより強固にする。例えば、前記固定部50は、シリコンまたはエポキシなどで具備できる。
【0075】
図7を参照すれば、サーミスタ30の保護回路モジュール(図6参照)に対向する一側面において、支持部は、前記一側面とは反対の他側面で固定部に延長可能である。すなわち、支持部に連結された固定部51により、サーミスタ30は、その両端(すなわち、リード端部として対面部34)が取り囲まれるように備えられるため、サーミスタ30と保護回路モジュール20との接合程度をより向上させることができる。したがって、前記固定部51により、サーミスタ30の上下方向への移動のみならず、前記サーミスタ30の左右方向への移動を防止することができる。
【0076】
図6および図7による実施形態において、前記支持部40と固定部50は、互いに異なる物質を用いて形成させることができる。反面、前記支持部40と固定部50が同一の物質を使用する場合には、前記支持部40と固定部50を単一工程によって形成させることができる。したがって、固定効率が増加し、材料費が低減可能なため、バッテリパックの生産性を向上させることができる。
【0077】
本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施可能であることを理解することができる。そのため、以上で記述した実施形態は、すべての面で例示的なものであって、限定的ではないことを理解しなければならない。本発明の範囲は、上記の詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味および範囲、そして、その均等の概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0078】
10 ベアセル
20 保護回路モジュール
30 サーミスタ
40 支持部
50 固定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのベアセルと、
前記ベアセルに電気的に連結された保護回路モジュールと、
前記保護回路モジュールに電気的に連結され、前記ベアセルの温度をセンシングし、リードを備えるサーミスタとを含み、
前記リードは、前記保護回路モジュールに隣接して位置し、前記保護回路モジュールと対面する一側面を有するリード端部を備え、
前記リード端部の一側面と保護回路モジュールとの間には支持部を備えることを特徴とするバッテリパック。
【請求項2】
前記保護回路モジュールは、前記ベアセルの長手方向と平行な方向に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項3】
前記リードは、前記ベアセルの長手方向と垂直な方向に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のバッテリパック。
【請求項4】
前記ベアセルは、複数のベアセルが直列または並列に連結されていることを含むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項5】
前記保護回路モジュールは、前記ベアセルの長手方向と平行な方向に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のバッテリパック。
【請求項6】
前記リードは、前記ベアセルの長手方向と垂直な方向に配置されていることを特徴とする請求項5に記載のバッテリパック。
【請求項7】
前記サーミスタのリード端部の他側面には固定部をさらに含み、前記他側面は、前記保護回路モジュールに対面または対向する面の反対面を示すことを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項8】
前記支持部と固定部は、少なくとも部分的に前記リード端部を取り囲むことを特徴とする請求項7に記載のバッテリパック。
【請求項9】
前記支持部または固定部は、接合部材であることを特徴とする請求項7に記載のバッテリパック。
【請求項10】
前記接合部材は、シリコンまたはエポキシを含むことを特徴とする請求項9に記載のバッテリパック。
【請求項11】
前記支持部と固定部は、異なる物質からなることを特徴とする請求項7に記載のバッテリパック。
【請求項12】
前記支持部と固定部は、同一の物質からなることを特徴とする請求項7に記載のバッテリパック。
【請求項13】
前記保護回路モジュールは、サーミスタ接合部をさらに含み、前記リード端部は、前記サーミスタ接合部に付着されていることを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項14】
前記サーミスタ接合部は、前記保護回路モジュールの縁から離隔して位置することを特徴とする請求項13に記載のバッテリパック。
【請求項15】
前記サーミスタは、0.2mm〜0.8mmの範囲で前記保護回路モジュールの縁から離隔していることを特徴とする請求項14に記載のバッテリパック。
【請求項16】
前記サーミスタは、前記保護回路モジュールの縁から0.5mm離隔していることを特徴とする請求項15に記載のバッテリパック。
【請求項17】
前記リードは、複数のリードを含み、前記リード端部は、複数のリード端部を含むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項18】
複数の固定部をさらに含み、各固定部は、複数のリード端部の対応する各リード端部をそれぞれ固定するように取り囲むことを特徴とする請求項17に記載のバッテリパック。
【請求項19】
前記支持部と固定部は、少なくとも部分的に前記リード端部を取り囲むことを特徴とする請求項18に記載のバッテリパック。
【請求項20】
前記支持部は、複数の支持部を含み、複数の支持部のそれぞれ対応する支持部上で複数のリード端部それぞれを支持することを特徴とする請求項19に記載のバッテリパック。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−182133(P2012−182133A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−44936(P2012−44936)
【出願日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】