説明

バッテリー管理システムにおけるバッテリーのSOC測定方法及び装置

本発明の一実施例によるバッテリーSOC測定方法は、バッテリーの電流、電圧及び温度を測定して電流データ、電圧データ及び温度データを獲得する段階と、電流データを積算してSOCiを算出する段階と、電流データ、電圧データ及びバッテリーを電気回路を通じて簡単に表現した等価回路モデルを用いて起電力OCVを算出する段階と、温度データ及び起電力を用いてSOCvを算出する段階と、一定時間区間でバッテリー電流状態を判断し、SOCi及びSOCvの少なくとも一つを用いてバッテリーのSOCを設定する段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー管理システムにおいてバッテリーのSOC(State Of Charge)を測定する方法及び装置に関するものであって、更に詳しくは、実際バッテリーに対する簡単な等価回路モデルを用いて一定した条件によりSOCi(State Of Charge based on current)又はSOCv(State Of Charge based on voltage)をバッテリー管理システムにおいてバッテリーSOCに設定する方法及び装置{THE METHOD FOR MEASURING SOC OF A BATTERY IN A BATTERY MANAGEMENT SYSTEM AND THE APPARATUS THEREOF}に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガソリンや重油を主燃料に使用する内燃エンジンを利用する自動車は、大気汚染など公害発生に深刻な影響を与えている。したがって、最近は公害発生を減らすために、電気自動車又はハイブリッド(Hybrid)自動車の開発に多くの努力をしている。
【0003】
最近、高エネルギー密度の非水電解液を用いた高出力二次電池が開発されている。電気自動車などのようにモーター駆動のための大電力を必要とする機器に使用されるように、前記高出力二次電池は、複数個を直列に連結して大容量の二次電池を構成する。
【0004】
このように、一つの大容量二次電池(以下、「バッテリー」という)は、通常、直列に連結される複数個の二次電池からなる。前記バッテリー、特にHEV用バッテリーの場合、数個から、多くは数十個の二次電池が充電と放電を繰り返して行うが、このような充放電などを制御することにより、バッテリーが適正な動作状態に維持されるように管理する必要がある。
【0005】
このために、バッテリーに対する全般的な状態を管理するバッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)が備えられる。前記BMSは、電池の電圧、電流、温度などを検出してSOCを演算によって推定し、車両の燃料消費効率が最も良くなるようにSOCを制御する。SOCを正確に制御するために、充放電を行っているバッテリーのSOCを正確に測定する必要がある。
【0006】
従来技術として、大韓民国特許出願番号2005−0061123(2005年07月07日出願)には、「二次電池モジュールの電池残存容量測定方法」が開示されている。
【0007】
前記従来技術は、発明は、電池のSOCを精密に算出することができるように、始動オン時に電池モジュールの電流値と電圧値、及び温度値を測定する段階、前記測定された値で初期SOCを算出する段階、電流積算段階、前記電流積算値による実際SOC算出段階、前記電池モジュールが無負荷状態であるのかを確認する段階、無負荷状態である場合、前記実際SOCが電流積算によって測定可能な設定範囲以内であるのかを確認する段階、前記実際SOCが設定範囲外である場合、電圧値を測定して電圧値によるSOCを算出する段階を含む二次電池モジュールの電池残存容量測定方法を提供する。しかし、前記従来技術は、実際バッテリーに対する簡単な等価回路モデルを用いる方法及び装置に関しては開示していない。
【0008】
一般的にSOCiは短期的には大きな誤差は生じない。しかし、図1に示したように、持続的に誤差が積算される傾向を有しており、バッテリーを長く運転する場合、相当量の誤差が発生するようになる。このような累積誤差は、特に完全に充放電が行われていないときに主に発生する。この理由は、SOCの計算のためのCPUのLBS桁(digit)の省略や自記放電による充電量減少によって発生した誤差により、正確度が大きく影響を受けるためである。また、SOCの正確度は電流測定センサーに大きく依存するため、センサーに問題が生じる場合、誤差の補正が不可能な問題がある。
【0009】
その反面、SOCvは、図2に示したように起電力によりSOCを測定する。前記測定方法は、電流が流れていないときに非常に正確な結果を有する。しかし、電流が流れているときのSOCv計算の正確度は電池の充電と放電パターンに依存する。そのため、SOCの正確度は充放電のパターンに依存して悪化される。しかも、SOCvの正確度を悪化させる充放電パターンは、主にバッテリーの一般的な使用範囲内にある。従って、SOCvのみ使用することも同様に、相当の誤差のことを考えなければならない問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のような問題を解決するために、本発明は実際バッテリーに対する簡単な等価回路モデル(Equivalent circuit model)、及び適応デジタルフィルタ(Adaptive digital filter)を用いて、さらに簡便、且つ正確にバッテリーSOCを測定する方法、及び装置を提供することにその目的がある。
【0011】
また、上記のような問題を解決するために、本発明は一定時間区間で低電流状態を維持するのかを判断してSOCi又はSOCvをバッテリーのSOCに設定することにより、さらに簡便、且つ正確にバッテリーSOCを測定する方法、及び装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の一実施例によるバッテリーSOC測定方法は、バッテリーの電流、電圧及び温度を測定して電流データ、電圧データ及び温度データを獲得する段階と、前記電流データを積算してSOCi(State Of Charge based on current)を算出する段階と、前記電流データ、前記電圧データ及び前記バッテリーを電気回路を通じて簡単に表現した等価回路モデルを用いて起電力(OCV:Open Circuit Voltage(開路電圧))を算出する段階と、前記温度データ及び前記起電力を用いてSOCv(State Of Charge based on voltage)を算出する段階と、一定時間区間で前記バッテリー電流状態(current state)を判断し、前記SOCi及びSOCvの少なくとも一つを用いて前記バッテリーのSOCを設定する段階とを含む。
【0013】
また、本発明の一実施例によるバッテリーSOC測定装置は、バッテリーの電流、電圧及び温度を測定して電流データ、電圧データ及び温度データを獲得するバッテリー情報獲得部と、前記電流データを積算してSOCiを算出する電流積算部と、前記電流データ、前記電圧データ及び前記バッテリーを電気回路を通じて簡単に表現した等価回路モデルを用いて起電力を算出する起電力算出部と、前記温度データ及び前記起電力を用いてSOCvを推定するSOCv推定部と、一定時間区間で前記バッテリーの電流状態を判断し、前記SOCi及びSOCvの少なくとも一つを用いて前記バッテリーのSOCを設定するSOC設定部とを含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、実際バッテリーに対する簡単な等価回路モデル及び適応デジタルフィルタを用いて、バッテリーSOCをさらに簡便、且つ正確に測定することができる。
【0015】
また、本発明は一定時間区間で低電流状態を維持するのかを判断し、SOCi及びSOCvの少なくとも一つを用いてバッテリーのSOCを設定することにより、バッテリーSOCをさらに簡便、且つ正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来のSOCiでバッテリーSOCを設定する場合を示すグラフである。
【図2】従来のSOCvでバッテリーSOCを補正する場合を示すグラフである。
【図3】本発明の一実施例によるバッテリーSOC測定装置に対するブロック図である。
【図4】本発明の一実施例によるバッテリーSOC測定方法に対するフロー図である。
【図5】本発明の一実施例による1Aオフセットが生じた場合を想定してシミュレーションを行った結果を示すグラフである。
【図6】本発明の一実施例による等価回路モデルを示す図である。
【図7】本発明の一実施例による積分効果を与えたモデルを使用した場合に、実際SOCと計算されたBMS SOCとを示すグラフである。
【図8】本発明の一実施例による積分効果を与えたモデルを使用した場合に、補償点を示すグラフである。
【図9】本発明の他の実施例による等価回路モデルを示す図である。
【図10】本発明の一実施例による提案された時間基準を示すグラフである。
【図11】本発明の一実施例による20秒時間基準と、提案された時間基準とでシミュレーションを行った場合の誤差を示すグラフである。
【符号の説明】
【0017】
100 電流積算部
200 ローパスフィルタリング部
300 起電力算出部
400 SOCv推定部
500 SOC設定部
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明で使用される用語はなるべく現在広く使用されている一般的な用語を選択したが、特定の場合は出願人が任意で選定した用語もあり、この場合は、該当する発明の詳細な説明部分にその意味を記載したため、単純な用語の名称ではなく、用語の有する意味で本発明を把握しなければならない。
【0019】
以下、上記の目的を具体的に実現することができる本発明の好ましい実施例を、添付した図面を参照して説明するが、本発明は前記実施例によって制限されるか、限定されるものではない。
【0020】
図3は、本発明の一実施例によるバッテリー管理システムにおけるバッテリーSOC測定装置に対するブロック図である。図3を参照すると、前記バッテリーSOC測定装置は、バッテリー情報獲得部(図示せず)、電流積算部100、ローパスフィルタリング部200、起電力算出部300、SOCv推定部400、及びSOC設定部500を含む。
【0021】
バッテリー管理システムにおいてバッテリーSOC(以下、「BMS SOC」という)を計算する過程は下記のように6段階で構成される。
【0022】
1段階:電流及び電圧データの収集
2段階:電流積算を通じたSOCiの計算
3段階:ローパスフィルタリング
4段階:等価回路モデル及び適応デジタルフィルタリング
5段階:起電力と温度を通じたSOCvの計算
6段階:適切なSOC選択
【0023】
前記バッテリー情報獲得部は前記1段階過程を行う。即ち、BMS(Battery Management System)から電流データ、電圧データ、温度データなどを収集する。収集された電流データは電流積算部100に伝達される。前記電流積算部100は電流データを積算して、以前段階で計算したSOC(図3では「SOC(k−1)」と示される)に加える方式でSOCiを計算する。
【0024】
また、前記バッテリー情報獲得部で収集された電流データ及び電圧データはローパスフィルタリング部200に伝達される。前記ローパスフィルタリング部200は、電流データ及び電圧データをフィルタリングした後、起電力算出部300に伝達する。前記起電力算出部300は、等価回路モデル及び適応デジタルフィルタリングを通じて前記等価回路モデルに用いられるパラメータを算出し、前記パラメータを用いて起電力OCVを算出する。
【0025】
SOCv推定部400は、温度データ及び前記起電力を用いてSOCvを推定し、推定されたSOCvをSOC設定部500に伝達する。前記SOC設定部500は、予め決定された基準により電流積算部100で算出されたSOCi、又はSOCv推定部400で推定されたSOCvをBMS SOCに設定する。前記バッテリーSOC測定装置の各構成要素で行われる詳細な過程は図5乃至図10を参照して後述される。
【0026】
図4は、本発明の一実施例によるバッテリー管理システムにおけるバッテリーSOC測定方法に対するフロー図である。図3に示されたバッテリーSOC測定装置を用いて前記SOC測定方法を記述する。
【0027】
図4を参照すると、まず、バッテリー情報獲得部はBMSでバッテリーパックの電流データ、電圧データ、温度データなどをリアルタイムで測定する(S401)。その後、電流積算部100は前記電流データを積算してSOCiを算出する(S402)。その後、ローパスフィルタリング部200は前記電流データ及び電圧データをフィルタリングする(S403)。
【0028】
フィルタリングされた電流データ及び電圧データは起電力算出部300に伝達され、 起電力算出部300は適応デジタルフィルタリングを通じて等価回路モデルに用いられるパラメータを算出し(S404)、前記パラメータを用いて起電力Voを算出する(S405)。その後、SOCv推定部400は前記起電力を用いてSOCvを推定する(S406)。
【0029】
その後、SOC設定部500は低電流状態であるのかを判定し、もし、低電流状態である場合(S407)、SOCvをBMS SOCに設定し(S408)、もし、低電流状態ではない場合、SOCiをBMS SOCに設定する(S409)。このような過程を通じてバッテリー管理システムにおいてバッテリーSOCが計算される(S410)。以下、BMS SOCの測定方法を構成する各段階について詳細に記述する。
【0030】
A.1段階:電流データ、電圧データ、温度データなどの収集
この段階ではBMSから電流データ、電圧データなどを収集する。この段階では電流センサーの異常により正確な電流データが測定されない可能性がある。特に、電流センサーが電流の大きさを正確に測定できず、概略的な値ばかり測定する場合、電流積算過程で相当量の誤差が生じかねない。しかし、本発明によるバッテリーSOC測定方法は、SOCvでSOCiの誤差を補償するものである。実際シミュレーションを通じて本発明によるバッテリーSOC測定方法がBMS SOCを正確に計算するのかを確認してみた。その結果、SOCiはだんだんと誤差が累積されるが、SOCvによる適切な補償がなされ、全体BMS SOCの計算には大きな問題がなかった。この際、実際値との誤差は最大1.502%から最小−4.170%で、目標誤差範囲の5.000%以内にあることが確認された。即ち、本発明によるバッテリーSOCの測定方法は、電流センサーの異常により電流がある程度、不正確に測定されてもSOC計算時に大きな誤差は生じない。
【0031】
電流センサーの異常以外に他の問題が発生する可能性がある。電流センサーの異常、又はCAN(Controller Area Network)通信上の問題により電流値がオフセット(offset)されて伝送されることがある。
【0032】
図5は、1Aオフセットが生じた場合を想定してシミュレーションを行った結果である。図5に示したように、SOCiは誤差がだんだんと累積されている。累積の程度がかなり大きいことが分かるが、このような累積の原因は、1Aがオフセットされて入り、積算されて発生するためである。しかし、SOCvで適切に補償がなされ、実際誤差は大きく発生しないことが分かる。
【0033】
全般的に分析すると、パターンの始まりと終わりの充放電をする部分ではSOCv補償がなされないため、BMS SOCに問題が発生しかねない。しかし、充電又は放電が終了した後、SOCvにより補償がなされると、その以後からは信頼性を確保することができるようになる。同様に、反対の場合である−1Aオフセットが発生する場合にもBMS SOCに対する信頼性を確保することができる。
【0034】
B.2段階:電流積算を通じたSOCiの計算
この段階では、前記1段階を経て集まった電流データを積算して、直前段階で計算したSOCに加える方式で SOCiを計算する。計算方法は、電流を時間によって積分する方法で行われる。計算された結果を全体キャパシティ(capacity)で割って残りのキャパシティの量を%で表現する。これを式で表現すると、数学式1のようになる。
【0035】
[数学式1]

本発明によるバッテリーSOC測定方法は電流を秒単位で認識するため、上記数学式1は数学式2のように表現することができる。
【0036】
[数学式2]

即ち、k段階におけるSOCiの計算は、k−1段階におけるSOCにk段階で流れる電流を総キャパシティで割っただけ、基準時間である1秒に対して積算して計算する。
【0037】
C.3段階:ローパスフィルタリング(Low pass filtering)
前記1段階を経て集まった電流データと電圧データは、ローパスフィルタ(low pass filter)を通過する。本発明は3次ローパスフィルタを使用し、フィルタ常数fは0.6にしたが、本発明はこれに制限されなく、他種類のフィルタ及びフィルタ常数を使用することも含む。本発明で用いられるフィルタは数学式3のような形態を有する。
【0038】
[数学式3]

【0039】
本発明によるバッテリーSOC測定方法において、等価回路モデルで必要とされる電流データと電圧データは総6つである。電流データはそのまま使用され、電圧データは初期値との差異値が使用される。電流値、電流の微分値、電流の2次微分値が電流データの一セットであり、初期電圧と現在電圧との差異値、その値の1次微分値と2次微分値が電圧データの一セットである。微分データが必要とされる理由や電圧の差異値が必要とされる理由については、等価回路モデル部分で詳細に記述される。
【0040】
D.4段階;等価回路モデル及び適応デジタルフィルタリング
前記等価回路モデルは本発明の実施例により2つのモデルに具現されることができる。即ち、前記等価回路モデルはそれぞれの実施例により第1等価回路モデル及び第2等価回路モデルに具現されることができる。以下では図6乃至図8によって前記第1等価回路モデルについて説明した後、図9を参照して前記第2等価回路モデルについて説明する。
【0041】
1)第1等価回路モデル
(1)第1等価回路モデル
この段階では、前記3段階で収集された電流データと電圧データをバッテリーモデルに適用して起電力を求めるようにする。前記起電力を通じてSOCvを求めることができるためである。一般的にバッテリーモデルには、バッテリー内の電気化学的現象や熱的挙動を考慮した第一原理モデル(first-principle model)がある。しかし、前記モデルを開発するのにかなりの時間や費用が必要とされるという短所があるため、本発明は電気回路を通じて簡単に表現する等価回路モデルを通じてバッテリーモデルを具現する。
【0042】
モデリング対象はリチウムポリマー電池(LiPB)であり、回路モデルは1次モデルで構成された。図6は本発明による等価回路モデルを示す。本発明によるバッテリーSOC測定方法は、簡単な電気回路で表現されるバッテリーモデルを用いる。前記等価回路モデル内に含まれている抵抗、キャパシタなどの素子はそれぞれ表1のような意味を有する。
【0043】
[表1]

【0044】
図6において、Rは電極内の抵抗を意味し、RとCは電極と電極、又は分離膜の界面で起こる電気二重層現象(electric double layer)を抵抗と蓄電の概念で表現する。各パラメータ数値は一般的に第一原理モデルを通して求めるか、実験を通して求めることができる。図6に示した等価回路モデルを数学的に表現すると、数学式4のようになる。
【0045】
[数学式4]

【0046】
前記数学式4で、前記等価回路モデルを構成する各素子に対応されるパラメータを求めると、起電力(OCV)が求められることが分かる。即ち、各パラメータを求め、求められたパラメータを前記数学式4に代入して起電力を求めることが本発明によるバッテリーモデリングの目標である。
【0047】
前記数学式4は次のような過程を通じて誘導されることができる。図6の等価回路モデルにおいて、キルヒホッフの法則により電流は数学式5のような形態で表現される。
【0048】
[数学式5]

【0049】
また、全体回路で抵抗と蓄電器の値を考慮してモデルを立てると、数学式6のようになる。
【0050】
[数学式6]

【0051】
ここで、電圧と起電力を初期値(t=0)との差異で表現すると、数学式7のように表現することができる。
【0052】
[数学式7]

【0053】
【数1】

であるため、前記数学式7を整理すると、数学式8を求めることができる。
【0054】
[数学式8]

【0055】
前記数学式8を時間に対して微分した後、整理すると、数学式9を求めることができる。
【0056】
[数学式9]

【0057】
ラプラス変換(Laplace transform)で変換して整理すると、数学式10のようになる。
【0058】
[数学式10]

【0059】
ここで、電流と起電力の変化量が比例すると仮定し、比例常数hと仮定すると、
【数2】

という式を立てることができ、この式を上記数学式10に代入すると、数学式11のように表現される。
【0060】
[数学式11]

【0061】
ここで、それぞれの因子を数学式12のように定義することができる。
【0062】
[数学式12]

【0063】
このように定義された値を上記数学式11に代入して整理すると、数学式13のようになる。
【0064】
[数学式13]

【0065】
前記数学式13を行列形態で表現すると、数学式14のようになる。
【0066】
[数学式14]

【0067】
ここで、電流と電圧に関連した因子はBMSで収集され、前記3段階でフィルタリングを経た電流データと電圧データを通じて求めることができる。これらの値を代入し、適応デジタルフィルタを使用すると、各パラメータR,R,C,hを求めることができる。適応デジタルフィルタの方法については後述する。
【0068】
フィルタを通じてそれぞれの状況に対するパラメータが求められたら、起電力が求められる基本式を整理した数学式15に代入する。
【0069】
[数学式15]

【0070】
前記数学式15を用いて求められた起電力は、次の段階に進んでSOCvを計算するのに用いられる。
【0071】
本発明によるバッテリーSOC測定方法は上記のような等価回路モデルを用いる。ところで、前記モデルから誘導された式で全般的に一段階ずつ積分をさらにすると、数学式16を求めることができる。
【0072】
[数学式16]

【0073】
元の式の分母分子をsで割ることにより、全般的に積分した効果を得ることができる。図7は積分効果を与えたモデルを使用した場合に、実際SOCと計算されたBMS SOCとを示す。図8は積分効果を与えたモデルを使用した場合の補償点を示す。
【0074】
本発明による等価回路モデルを使用する場合、全般的に補償が適切になされる。積分効果を与えたモデルを使用する場合、補償がさらに頻繁になされる。積分効果を与えたモデルを使用する場合、ノイズがさらに生じる。これは、特に補償をした部分で起こるが、積分をする場合、全般的にデータが不安定で、飛んでしまうということを意味する。しかし、そのような程度が大きくないため、積分効果を与えたモデルを使用することができる。即ち、基本的に本発明による等価回路モデルを使用することが最も良いが、必要に応じて積分効果を与えたモデルも使用することができる。
【0075】
2)適応デジタルフィルタ
等価回路モデルは前記数学式14のように行列式で表現される。前記数学式14のうち、
【数3】

をwとし、
【数4】

をθとすると、前記数学式14を数学式17のように表現することができる。
【0076】
[数学式17]

【0077】
この行列において、wは電流データと電圧データをローパスフィルタに通過させた前記3段階を通じて分かることができ、Vも同様に同じ結果から分かる。この二つの値によりθ行列を求め、θ行列の各要素(element)を通じてパラメータ値をリアルタイムで推定することが、適応デジタルフィルタの目的である。ローパスフィルタを通過したVをgVとすると、前記数学式17は数学式18のように表現される。
【0078】
[数学式18]

【0079】
まず、パラメータの電流が流れなく、電圧が起電力値を有する初期状態のパラメータを求め、その値を前記数学式18に代入してθ行列の初期値を求める。このときの行列をθと表現する。この行列の自乗を求めると、数学式19のように表現される。
【0080】
[数学式19]

【0081】
ここで、θ行列の持続的な更新のために必要なK行列を数学式20のように定義することができる。
【0082】
[数学式20]

【0083】
ここで、Rは初期のgV値により分母が0に発散することを防ぐために定める値であって、その値は非常に小さい。この行列を整理すると、数学式21のように表現される。
【0084】
[数学式21]

【0085】
ここで、gV(n−1)はgVの1段階前の値である。θ行列の持続的な更新が数学式22のような比例関係によってなされる。
【0086】
[数学式22]

【0087】
前記数学式22を整理すると、数学式23を得ることができる。
【0088】
[数学式23]

【0089】
ここで、Rが非常に小さいため、K行列を置換して代入することができる。これを整理すると、数学式24のようになる。
【0090】
[数学式24]

【0091】
ここで、基本的な関係式を代入すると、数学式25を得ることができる。
【0092】
[数学式25]

【0093】
前記数学式25において、θ値は電流データと電圧データ、そして以前のθ行列を通じて求めることができる。従って、これを通じて持続的にそれぞれのパラメータを推定することができる。そして、初期段階以後には、それぞれのθ行列とP行列を新たに求めた値に更新することができる。これにより、持続的に等価回路モデルに適したパラメータの値を連続的に(continuously)更新して求めることができる。そして、ここで求めたパラメータにより起電力を求めることができる。
【0094】
2)第2等価回路モデル
(1)第2等価回路モデル
以下では、図9を参照して本発明の第2実施例による第2等価回路モデル及び適応デジタルフィルタリング方法について説明する。
【0095】
本発明の第2実施例による第2等価回路モデル及び適応デジタルフィルタリング方法は、BMSがバッテリーの電圧、電流、及び温度値を離散的に(discrete)受信する特徴を活用して離散的な等価回路モデリング方法を提示する。本発明の第2実施例による第2等価回路モデルは縮小モデル(reduced model)の一種であって、バッテリー内部の電気化学的特性を電気回路を通じて簡単に表現している。これにより、モデルを簡単にデザインすることができ、モデリングに所要される時間を最小化することができるため、バッテリー管理システム(BMS)に適合するように適用されることができる。
【0096】
図9は本発明の第2実施例による第2等価回路モデルを示した図である。
【0097】
本発明の第2実施例による第2等価回路モデルは1次モデルで構成される。前記モデルの抵抗及び蓄電器などの素子はそれぞれの意味を有する。前記各素子の意味は下記表2のようになる。
【0098】
[表2]

【0099】
表2のように、図9においてRは電極内の抵抗を意味し、RとCは電極と電極、又は分離膜の界面で起こる電気二重層(electric double layer)現象を抵抗と蓄電の概念で表現する。Vはバッテリーの起電力を意味する。
【0100】
前記第2等価回路モデルに適用される核心アイディアは、電流データ及び電圧データがBMSに一定した間隔で離散的に入力されるという点である。このような点を用いて、前記第2等価回路モデルを通じてバッテリーの挙動を表現するモデルを具現することができる。前記各モデルで使用されるパラメータは 適応デジタルフィルタ(Adaptive digital filter)を通じて算出することができる。
【0101】
図9及び表2のパラメータを通じて数学式26乃至数学式29を算出することができる。
【0102】
[数学式26]

【0103】
[数学式27]

【0104】
[数学式28]

【0105】
[数学式29]

【0106】
数学式28を時間に対して微分した後、整理すると、数学式30を算出することができる。
【0107】
[数学式30]

【0108】
数学式30を積分因子(integrating factor)を用いて時間に対して積分すると、数学式31を算出することができる。
【0109】
[数学式31]

【0110】
バッテリーがBMS作動初期時刻において分極(polarization)現象がないと仮定する場合、Q(0)=0とされる。従って、数学式31は数学式32のように表現することができる。
【0111】
[数学式32]

【0112】
数学式32において、電圧データ及び電流データなどがBMSに一定時間周期で入力されるため、離散的に表現することができる。データの入力時間間隔をΔtとする。
【0113】
まず、t≦0の場合、I(t)=0と仮定すると、T=0において、
【数5】

であるため、数学式32は数学式33のようになる。
【0114】
[数学式33]

【0115】
また、時間がt=Δt=t1、即ち、Δtだけ時間が経過した場合に対し、部分積分を通じて数学式32を表現すると、数学式34のようになる。
【0116】
[数学式34]

【0117】
また、時間がt=2Δt=t2、即ち、t1からΔtだけ時間が経過した場合に対し、部分積分を通じて数学式32を表現すると、数学式35のようになる。
【0118】
[数学式35]

【0119】
数学式34及び数学式35を連立させると、数学式36のようになる。
【0120】
[数学式36]

【0121】
上記のような計算を繰り返すと、時間tに対して数学式32を数学式37のように表現することができる。
【0122】
[数学式37]

【0123】
従って、前記等価回路モデルは数学式38を通じて演算されることができる。
【0124】
[数学式38]

【0125】
数学式38において、Δtはデータの入力時間間隔であり、t−Δtは以前段階における各変数値を意味する。数学式38を簡単に整理するために、α=1/C、及びβ=1/RCと表現すると、数学式38は数学式39のように整理されることができる。
【0126】
[数学式39]

【0127】
数学式39において、βは時間常数(time constant)τの逆数である。τはバッテリーが正常状態に到達する時間を表すことができる。一般的に電池の作動時間が3τ以上経過する場合、電池内の反応は正常状態に到達したと評価される。
【0128】
電流及び電圧に対する因子はBMSで収集され、フィルタリングを経た電流データ及び電圧データを通じて算出されることができる。各変数を代入して起電力を算出することができる。
【0129】
パタメータのうち、電池自体のオーム抵抗(ohmic resistance)を意味するRは電池内物質の特性によるものであって、固定された値に定めることができる。一般的に前記値はインピーダンスにより容易に求めることができる。分極(Polarization)と関連された二つのパラメータR及びCが結合された新しい変数α及びβは、適応デジタルフィルタを通じて最適化される。
【0130】
(2)適応デジタルフィルタ
図9の等価回路モデルを数学的に表現した数学式39を数学式40のような行列式で表現することができる。
【0131】
[数学式40]

【0132】
数学式40において、
【数6】

である場合、数学式40は数学式41のように表現することができる。
【0133】
[数学式41]

【0134】
数学式41において、wは電流データ及び電圧データを通じて求めることができ、Vもまた前記電流データ及び前記電圧データを通じて求めることができる。前記 適応デジタルフィルタは前記二つの値(w,V)を通じてθを求め、θの各成分を通じてパラメータの値をリアルタイムで推定することができる。
【0135】
ローパスフィルタ(Low Pass Filter)を通過したVをgVとする場合、数学式41は数学式42のように表現される。
【0136】
[数学式42]

【0137】
t=0、即ち、電流が流れなく、電圧が起電力値を有する状態のパラメータを求めてθの初期値を求めることができる。このときの行列をθとする。θ及びθの積は数学式43のようになる。
【0138】
[数学式43]

【0139】
数学式43において、θの持続的な更新のために必要な行列Kを数学式44のように定義する。
【0140】
[数学式44]

【0141】
数学式44において、rは初期のVにより分母が発散することを防止するために定める常数(constant)であって、非常に小さい値に定められる。これに、数学式44の行列を整理すると、数学式45のようになる
【0142】
[数学式45]

【0143】
数学式45において、gV(n−1)はgVの1段階前の値である。θの持続的な更新が数学式46の比例関係によって発生するとしてθを整理すると、数学式47のようになる。
【0144】
[数学式46]

【0145】
[数学式47]

【0146】
数学式47においてrは非常に小さい値であるため、Kを置換して代入することができる。即ち、数学式45及び数学式47を連立させて整理すると、数学式48のようになる。
【0147】
[数学式48]

【0148】
数学式48に数学式42を代入すると、数学式49を得ることができる。
【0149】
[数学式49]

【0150】
数学式49において、主要変数は電流データ、電圧データ、及びθを通じて求めることができる。従って、これにより持続的にそれぞれのパラメータを推定することができる。
【0151】
また、初期段階以後には、それぞれのθとPを新たに求めた値に更新することができる。これにより、持続的に等価回路モデルに適合したパラメータの値を続けて更新することができる。また、このような方法で求めたパラメータによりバッテリーの起電力を算出することができる。前記起電力を通じてSOCvを計算することができる。
【0152】
E.5段階:温度と起電力を用いたSOCvの計算
本発明による等価回路モデルにより起電力値を求めることができる。一般的に、SOCvは起電力と温度の影響を受け、これらの間の関数で表すことができる。常温で起電力とSOCvとの関係式は数学式50のようになる。
【0153】
[数学式50]

【0154】
上記のような起電力とSOCvとの関係により、常温状態における起電力値を通じてSOCvを求めることができる。しかし、前記数学式50には問題がある。常温状態のモデルであるため、温度が変わる場合、誤差を有することになる。実際、常温状態(25℃)以外の45℃と−10℃でシミュレーションを行う場合、発生する誤差の最大値及び最小値は表3のようになる。
【0155】
[表3]

【0156】
従って、常温における起電力とSOCvの関係を使用すると、45℃では正確な値を求めることができるが、−10℃では不正確な値を有するということが分かる。即ち、−10℃では他の関係式を使うか、温度を考慮するファクター(Factor)を導入しなければならない。まず、−10℃における起電力とSOCvとの関係式は数学式51のようになる。
【0157】
[数学式51]

【0158】
F.6段階:適切なSOCの選択
前記6段階は以前段階で求めたSOCiとSOCvのうち、何を選択するのかに対して判断する段階である。一般的に低電流状態である場合、SOCvが正確な値を有すると知られているため、低電流状態である場合、SOCvで計算する。そして、その他の場合は、直前のSOC値に電流積算をすることにより計算する。
【0159】
低電流状態の判断基準は、一定した絶対値以下を電流が一定時間以上、持続的に流れる場合で判断する。この際に重要な基準は、電流の絶対値と電流が流れる時間である。適切な基準を探した結果、前記絶対値及び時間は2A、20s〜60sであるのが好ましい。
【0160】
電流の絶対的な大きさが2A以上である場合、低電流に対する判断基準が大きく緩和され、低電流が流れていない区間も低電流が流れていると判断されるようになる。その結果、正確なSOCvの推算が難しくなり、SOCvによる補償があなりにも頻繁になされてしまう。その反面、2A以下の場合は、オフセットが生じた場合、低電流に対する認識が不可能である。従って、2Aという基準が好ましい。
【0161】
低電流が流れる時間に対する基準はさらに複雑である。充電、あるいは放電に該当する電流が2A以下で持続的に流れる時間をtとすると、前記基準は表4のような形式で表現される。
【0162】
[表4]

【0163】
図10は前記時間基準を示す。図10を参照すると、20秒未満で低電流が流れると、電流積算によってSOCを計算する。しかし、20秒以上流れる場合、SOCvによる補償が発生する。補償が発生する時点は2A以下の低電流区間が終わる時点である。しかし、60秒以上低電流が流れる場合には60秒で補償がなされる。そして、補償がなされる瞬間、低電流が流れる持続時間をまた計算し始める。
【0164】
前記基準は、多様なシミュレーションによって最適の時間基準を定めるなかで、決定された。まず、最小20秒時間基準は、電流センサーの異常が生じた場合でも、補償が適切になされることを基準として定めたものである。実際に、10秒に補償基準を移した場合、誤差が8.3%に至る。また、持続時間が60秒となるように基準を定めた場合には、アップダウンパターン(up down pattern)で補償が適切になされず、誤差が累積される現象を発見することができる。
【0165】
時間基準を移動可能とした最も大きな原因は、長時間の充填が終わったときに補償が時宜適切になされず、誤差が大きくなる現象を防止するためである。本発明は前記時間基準に制限されなく、多様な時間基準を用いることを含む。
【0166】
図11(a)は20秒時間基準でシミュレーションを行った場合の誤差を示し、図11(b)は提案された時間基準でシミュレーションを行った場合の誤差を示す。
【0167】
図11を参照すると、提案された時間基準の効用性を確認することができる。20秒時間基準でシミュレーションをした場合、始まりと終わりの充填直後部分で誤差が相当発生したことが分かる。しかし、提案された時間基準を使用してシミュレーションをした場合、始まりと終わりの部分で誤差が殆ど発生しない。全般的な誤差の大きさはあまり変わらないが、充填が終わった時点での誤差発生が1.5%以上減ったことが分かる。
【0168】
提案された時間基準は低温でさらに大きな効果を発揮する。低温状態の場合には充填が終わった時点だけでなく、全般的に効果が大きく表れる。提案された時間基準を用いる場合、誤差の最大値が7.287%から3.542%に小さくなり、最小値は−4.191%から−3.870%に減った。これは、低温で提案された時間基準がさらに大きな効果を表すことを意味する。
【0169】
上記のような時間及び電流の基準によって低電流であると判断されると、SOCvがSOCに決定される。そうでない場合には、電流積算によって求められるSOCiがSOCに決定される。上記のような本発明によるバッテリーSOC測定方法はBMS SOCを正確に計算することができる。
【0170】
本発明によるバッテリーSOC測定方法は、多様なコンピュータ手段を介して実行されるプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ読み出し可能な媒体に記録されることができる。前記コンピュータ読み出し可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独、又は組み合わせて含むことができる。前記媒体に記録されるプログラム命令は、本発明のために特別に設計されて構成されたものであるか、コンピュータソフトウェアの当業者に公知されて使用可能なものであり得る。コンピュータ読み出し可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピーディスク、及び磁気テープのような磁気媒体(magnetic media)、CD−ROM、DVDのような光記録媒体(optical media)、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気−光媒体(magneto-optical media)、及びロム(ROM)、ラム(RAM)、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を貯蔵して実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。前記媒体は、プログラム命令、データ構造などを指定する信号を伝送する搬送波を含む光又は金属線、導波管などの伝送媒体であり得る。プログラム命令の例には、コンパイラによって作られるような機械語コードだけでなく、インタープリターなどを使用してコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。前記ハードウェア装置は、本発明の動作を実行するために一つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成されることができ、その逆も同様である。
【0171】
以上のように本発明は、たとえ限定された実施例と図面によって説明されたが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、これは本発明の属する分野で通常の知識を有する者なら、このような記載から多様な修正及び変形が可能である。従って、本発明の思想は下記に記載された特許請求範囲によってのみ把握されるべきであり、これの均等又は等価的な変形は全て本発明思想の範疇に属するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーの電流、電圧及び温度を測定して電流データ、電圧データ及び温度データを獲得する段階と、
前記電流データを積算してSOCi(State Of Charge based on current)を算出する段階と、
前記電流データ、前記電圧データ及び前記バッテリーを電気回路を通じて簡単に表現した等価回路モデルを用いて起電力(OCV:Open Circuit Voltage)を算出する段階と、
前記温度データ及び前記起電力を用いてSOCv(State Of Charge based on voltage)を算出する段階と、
一定時間区間で前記バッテリー電流状態を判断し、前記SOCi及びSOCvの少なくとも一つを用いて前記バッテリーのSOCを設定する段階とを含むことを特徴とするバッテリーSOC測定方法。
【請求項2】
前記電流データ、前記電圧データ及び前記バッテリーを電気回路を通じて簡単に表現した等価回路モデルを用いて起電力を算出する段階は、
低域通過フィルタ(Lowpass filter)を用いて前記電流データ及び前記電圧データをフィルタリングする段階と、
フィルタリングされた前記電流データ及び前記電圧データを前記等価回路モデル及び適応デジタルフィルタ(Adaptive digital filter)に適用して、前記等価回路モデルに用いられるパラメータを算出する段階と、
前記パラメータを用いて前記起電力を算出する段階とを含むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーSOC測定方法。
【請求項3】
前記低域通過フィルタは3次低域通過フィルタであることを特徴とする請求項2に記載のバッテリーSOC測定方法。
【請求項4】
前記等価回路モデルは、前記バッテリーの抵抗(R)、電流(I)、キャパシタ(C)、端子電圧(V:Terminal voltage)、及び前記起電力(Vo)のパラメータを用いた電気回路で表現されることを特徴とする請求項2に記載のバッテリーSOC測定方法。
【請求項5】
前記等価回路モデルで用いられる前記パラメータの値は、前記適応デジタルフィルタを通じて更新されることを特徴とする請求項2に記載のバッテリーSOC測定方法。
【請求項6】
前記一定時間区間で前記バッテリー電流状態を判断し、前記SOCi及びSOCvの少なくとも一つを用いて前記バッテリーのSOCを設定する段階は、
前記一定時間区間で前記バッテリー電流状態が低電流状態である場合、前記SOCvを前記バッテリーのSOCに設定する段階と、
前記一定時間区間で前記バッテリー電流状態が低電流状態でない場合、前記SOCiを前記バッテリーのSOCに設定する段階とを含むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーSOC測定方法。
【請求項7】
前記一定時間区間は20秒乃至60秒であり、前記低電流の判断基準は2Aであることを特徴とする請求項6に記載のバッテリーSOC測定方法。
【請求項8】
前記電流データ、前記電圧データ及び前記バッテリーを電気回路を通じて簡単に表現した等価回路モデルを用いて起電力を算出する段階は、
前記電流データ、前記電圧データ及び前記バッテリーを電気回路を通じて簡単に表現した前記等価回路モデルの積分モデルを用いて前記起電力を算出する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーSOC測定方法。
【請求項9】
バッテリーの電流、電圧及び温度を測定して電流データ、電圧データ及び温度データを獲得するバッテリー情報獲得部と、
前記電流データを積算してSOCiを算出する電流積算部と、
前記電流データ、前記電圧データ及び前記バッテリーを電気回路を通じて簡単に表現した等価回路モデルを用いて起電力を算出する起電力算出部と、
前記温度データ及び前記起電力を用いてSOCvを推定するSOCv推定部と、
一定時間区間で前記バッテリーの電流状態を判断し、前記SOCi及びSOCvの少なくとも一つを用いて前記バッテリーのSOCを設定するSOC設定部とを含むことを特徴とするバッテリーSOC測定装置。
【請求項10】
低域通過フィルタを用いて前記電流データ及び前記電圧データをフィルタリングする低域通過フィルタリング部をさらに含み、
前記起電力算出部は、前記低域通過フィルタリング部でフィルタリングされた前記電流データ及び前記電圧データを前記等価回路モデル及び適応デジタルフィルタに適用して前記等価回路モデルに用いられるパラメータを算出し、前記パラメータを用いて前記起電力を算出することを特徴とする請求項9に記載のバッテリーSOC測定装置。
【請求項11】
前記低域通過フィルタは3次低域通過フィルタであることを特徴とする請求項10に記載のバッテリーSOC測定装置。
【請求項12】
前記等価回路モデルは、前記バッテリーを抵抗(R)、電流(I)、キャパシタ(C)、端子電圧(V)、及び前記起電力(Vo)パラメータを用いた電気回路で表現されることを特徴とする請求項10に記載のバッテリーSOC測定装置。
【請求項13】
前記適応デジタルフィルタは、前記等価回路モデルで用いられる前記パラメータの値を連続的に更新することを特徴とする請求項10に記載のバッテリーSOC測定装置。
【請求項14】
前記SOC設定部は、前記一定時間区間でバッテリー電流状態が低電流状態であると、前記SOCvを前記バッテリーのSOCに設定し、その他は前記SOCiを前記バッテリーのSOCに設定することを特徴とする請求項9に記載のバッテリーSOC測定装置。
【請求項15】
前記一定時間区間は20秒乃至60秒であり、前記低電流の判断基準は2Aであることを特徴とする請求項14に記載のバッテリーSOC測定装置。
【請求項16】
前記起電力算出部は、前記等価回路モデルの積分モデルを通じて前記起電力を算出することを特徴とする請求項9に記載のバッテリーSOC測定装置。
【請求項17】
請求項1〜8の何れか1項の方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み出し可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2011−515652(P2011−515652A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542180(P2010−542180)
【出願日】平成21年1月12日(2009.1.12)
【国際出願番号】PCT/KR2009/000162
【国際公開番号】WO2009/088272
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(308007044)エスケー エナジー カンパニー リミテッド (53)
【Fターム(参考)】