バリヤー・フルオロポリマー・フィルムをベースとするライナーおよびそれを含むパッケージング
容器ライナーは、その部分に沿って接着され少なくとも1つの周辺シームを形成する少なくとも1つのシートを含み、少なくとも1つのシートは、少なくともその周辺部分に沿って接着された第1のフルオロポリマー層、バリヤー・フィルム層、および第3の層を包含する。このような層のいずれも、周辺が接着してその間にギャップもしくはポケットが形成されていてもよく、または実質的にその全体の大部分の表面に沿って接着されていてもよい。そうでなければ異なる表面エネルギーを有する材料の接着を容易にするために、表面改質を用いることができる。このように得られたライナーは、例えば、ライナーをオーバーパック内に入れ、ライナーを徐々にコンパクトにするためにライナーとオーバーパックとの間の空間に加圧ガスを加え、その内容物を分配することによって、高純度化学試薬を保管し分配するために適合される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の記載
本出願は、2006年6月2日に出願された米国仮出願第60/810,393号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、高純度化学試薬などの材料の収納のための、バリヤー・フルオロポリマー・フィルムをベースとするライナー、およびこのようなライナーを含むパッケージングに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの工業的用途において、化学試薬および組成物は高純度状態で供給される必要があり、パッケージ充填、保管、輸送、および分配の操作に亘って、供給材料を純粋で適切な形態で維持することを確実とするための特殊パッケージングが開発されてきた。
【0004】
マイクロ電子デバイス製造の分野において、多種多様の液体および液体含有組成物のための適切なパッケージングの必要性は特に切実である。なぜなら、パッケージングされた材料中のあらゆる汚染物質、および/またはパッケージ中に含有されている材料への環境汚染物質のあらゆる侵入は、このような液体または液体含有組成物によって製造されるマイクロ電子デバイス製品に悪影響を与え、マイクロ電子デバイス製品を、それらが意図される使用について欠陥品、またはそれどころか不用品とさせる可能性があるからである。
【0005】
これらを考慮した結果、フォトレジスト、エッチング液、化学蒸着試薬、溶媒、ウェーハおよびツール洗浄用配合物、化学的機械研磨用組成物などの、マイクロ電子デバイス製造において使用される液体および液体含有組成物のために、多くのタイプの高純度パッケージングが開発されてきた。
【0006】
このように使用される高純度パッケージングの1タイプには、蓋またはカバーなどの構造を保持することによって、硬質外側パック内の所定の位置に固着された可撓性のライナーまたはバッグ内の液体または液体をベースとする組成物(または他の材料)を含有する、硬質外側パックが包含される。このようなパッケージングは、硬質外側パックの特定の形態によって「バッグ・イン・ボックス」「バッグ・イン・コンテイナー」または「バッグ・イン・ドラム」(BID)パッケージングのように通常様々に称される。パッケージングの硬質外側パックは、例えば、高密度ポリエチレンもしくは他のポリマーまたは金属で形成されてもよく、ライナーは、ライナー中に含有される予定の含有液体または液体をベースとする材料に対して不活性であるように選択された、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、低密度ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエチレンをベースとする多層ラミネート、複数のPTFE層からなるシートなどのポリマー・フィルム材料の、予め洗浄され無菌で畳むことが可能なバッグとして提供してもよい。このようなタイプのパッケージングは、ATMI社(Danbury、CT、USA)からNOWPAKという商標で市販されている。
【0007】
液体および液体をベースとする組成物のこのようなライナーへのパッケージングを伴う分配操作において、(ディップ・チューブが包含されていてもよい)分配アセンブリをライナーのポートに接続することによって、液体はライナーから分配され、任意選択のディップ・チューブは、含有された液体中に浸っている。分配アセンブリがこのようにライナーに連結された後、流体圧力をライナーの外面上にかけ、その結果ライナーは徐々に畳まれ、分配アセンブリを通して液体を関連する流れの回路へと排出し、最終用途の場所まで押し出す。代わりに、液体をパッケージから出すために、ライナーの出口またはそれに接続した分配アセンブリに陰圧をかけることもできる。このようなライナーを使用することによって、相互汚染の危険性または利用の間の洗浄の必要性なしに、硬質オーバーパック容器を再利用することが可能となる、硬質容器の単回使用と比較して廃棄の必要性が減る、など多くの利点が提供される。
【0008】
ライナー自体を考えると、その中の液体へのライナーを通した周囲のガスの透過を制限するために、このようなライナーは低い透過性を特徴とすることが望ましい。高透過率のライナーは、ガス透過のための接触域の増加およびライナー中に含有される液体材料との接触をもたらす。したがって、ライナーの周囲環境中でガスに対して優れたバリヤー性を有するライナー・フィルム材料は、このような周囲のガスによって悪影響を受ける液体材料を収納するためのライナーをベースとするパッケージングの利用に対し、重大な意味を持つか、または重大な意味を持ち得る。
【0009】
多くの用途において最重要であるライナーの他の特徴は、ライナーの粒子生成特性、すなわちライナーが中に含有している液体材料への、ライナーの粒子の脱落させやすさである。脱落は、ライナーの拡張および収縮、屈曲ならびにライナーの並進運動などの条件下でもたらされる場合がある。ライナー中の液体材料の質および純度を維持する目的で、ライナーによるこのような粒子脱落を最小限とすること、好ましくはなくすことが望ましい。その結果、粒子脱落に強いライナー・フィルム材料を開発することに努力が集中されてきた。
【0010】
多種多様の材料のライナーをベースとするパッケージングについて、いくつかのライナーが市販されている。ATMI社(Danbury、Connecticut)からN400(元FX)という商標で市販されている1つのライナー製品は、多層ラミネートで製作されており、ラミネート中に特別に配合したポリエチレンをベースとするフィルム材料を使用した結果、非常に低いガス透過率ならびに望ましく高い不活性によって特徴付けられる。
【0011】
ATMI社(Danbury、Connecticut)からULTRAという商標で市販されている他のこのようなライナーは、ポリテトラフルオロエチレンをフィルム材料として利用する。このようなライナーは、非常に低い粒子数、したがって粒子脱落に対する優れた耐性によって特徴付けられ、ポリテトラフルオロエチレンのフィルム材料による優れた化学的不活性も有している。
【0012】
上記のポリテトラフルオロエチレンのフィルム・ライナーは、広範な商業上の成功を収めてきた。圧力をライナーの外面にかけ、ライナーを徐々に圧縮しコンパクトにし、それによりライナーからの液体材料の排出が行われることによって分配操作を行う用途においては、ポリテトラフルオロエチレンの固有の透過性によって、加圧ガスがポリテトラフルオロエチレンフィルムを透過し、したがってライナー中に含有される液体材料中に微小気泡が形成される可能性がかなり生じる。
【0013】
このような圧力駆動分配システムにおいては、比較的高い圧力(例えば、約15psig)をかけ、材料をライナーから押し出す。良好なガス遮断性能を有さないライナーのパッケージング材料では、駆動ガスは容易に材料を通って移動し、液状化学品を飽和させることができる。このような液体が容器から排出されると、減圧状態下ガスの泡立ちの結果、飽和ガスが流体中で泡を形成するであろう。これはひいては、分配された化学試薬を使用して製造したウェーハに全体的な欠陥の発生をもたらす場合がある。
【0014】
例えば、フォトレジスト、トップ反射防止コーティング(TARC)、およびボトム反射防止コーティング(BARC)などの材料の圧力分配において、0.1〜60μmの範囲の大きさの微小気泡の形成は、これらの材料がウェーハ上に置かれた場合、潜在的欠陥の元となる。これらの材料は典型的には、ガスで飽和した(例えば、空気で飽和した)状態で容器中に充填される。次いで容器が加圧されると、溶液により多くのガスが入るであろう。液体材料の上にヘッド・スペース・ガスを有する、ライナーをベースとするパッケージにおいて、ライナーと、関連した硬質容器との間の環状の空間が加圧された場合、ヘッド・スペースからのガスもまた液体材料中に溶解するであろう。溶解ガスは、その後、充填サイクルにおける分配ポンプ内で、または純粋な材料をウェーハの表面上など、大気条件に分配する時など、加圧力が減少する場合に、液体材料の溶液から非常に脱しやすい。
【0015】
一般に、ライナーの作製において利用されてきたフィルム材料は、透過性ならびに他の物理的および化学的性質が広範囲に亘り異なる。当技術分野では、ライナーの総合特性を最適化する試みにおいて、ライナーの作製における種々の多層フィルムが提供されてきた。上記のように、ポリテトラフルオロエチレンは、その化学的不活性のために、例えば上記のULTRAライナーにおいて利用されてきた。エチレンビニルアルコール(EVOH)およびポリアミド(例えば、ナイロン(登録商標))もまた、それらの非常に低い透過係数によって、例えばこのような材料ならびにポリエチレンを包含する上記のN400(元FX)多層ラミネートにおいて利用されてきた。N400ラミネートは、多くの液体収納用途において良好な性能特性を提供する一方、他の用途においては好ましくない場合がある。なぜなら、(i)このようなラミネートの内層はポリエチレンであり、これは、他の材料、例えばポリテトラフルオロエチレンのように化学的に不活性ではなく、(ii)ポリエチレンは、ポリテトラフルオロエチレンに溶着することができず、(iii)ライナー層の間に閉じ込められた空気が見掛けの漏れを表し、(iv)このようなラミネート中のEVOHフィルムは、窒素に対して良好なバリヤーを提供するが、優れた湿気バリヤーを提供しないためである。
【0016】
したがって、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびペルフルオロアルコキシ(PFA)などのフルオロポリマー材料は、それらの優れた耐化学性、耐熱性、優秀な可撓性、優れた機械的性質および高純度特性によって、半導体製造産業においてパッケージング材料として十分に受け入れられてきた。しかし、外部からフィルムタイプのライナーに圧力がかけられ、含有されている材料の分配のためにそれを徐々にコンパクトにするという圧力駆動分配システムの開発や、フルオロポリマーの薄いフィルムの固有の透過性によって、フルオロポリマー・フィルムからなるライナーは、その乏しいガス・バリヤー性能により半導体製造における使用に、もはや適さない。
【0017】
その結果、ライナーをベースとする圧力分配パッケージのためのライナーを包む、フルオロポリマー・バリヤー・フィルムをベースとするパッケージングの改良であって、フルオロポリマー・フィルムの多くの優れた性能特性が保たれているが、このようなフィルムの本質的に乏しいバリヤー性については改良されたものを、当該技術は求め続けている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、高純度化学試薬などの材料の収納のための、このようなライナーを含むバリヤー・フルオロポリマー・フィルムをベースとするライナーおよびパッケージに関する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
一態様によれば、本発明は、その部分に沿って接着されて、内部容積の境界を画する少なくとも1つの周辺シームを形成する少なくとも1つのシートを含む容器ライナーに関し、少なくとも1つのシートは、フルオロポリマー・フィルム層、バリヤー・フィルム層、および第3のフィルム層を含み、(i)フルオロポリマー・フィルム層は、少なくともその周辺部分に沿ってバリヤー・フィルム層に接着され、(ii)第3の層は、少なくともその周辺部分に沿ってバリヤー・フィルム層に接着されており、前記フルオロポリマー・フィルム層は、前記内部容積と接触し、前記バリヤー・フィルム層は、前記フルオロポリマー・フィルム層と前記第3の層との間に配置されている。
【0020】
「少なくとも1つのシート」には、この文脈において、それ自体に折り重なり、(例えば、溶着によって)周辺が接着されて密閉形状を形成する単一のシートが包含されてもよく、または互いに周辺が接着している複数のシートが包含されてもよい。
【0021】
バリヤー・フィルムには、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリモノクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、液晶ポリマー(LCP)、金属、酸化物、炭素材料、有機・無機複合材料、および上記のいずれかのブレンド、複合材料、コーティング、または組合せのいずれかが包含されてもよい。フルオロポリマー・フィルムには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、および上記の2つ以上のブレンド、複合材料、または組合せのいずれかが包含されてもよい。特定の実施形態では、第3のフィルム層は、(i)フッ化ポリマー層と実質的に同一の組成、(ii)フッ化ポリマー層と実質的に同一の熱膨張係数、(iii)バリヤー層より実質的に高い融解温度、および(iv)その融点の少なくとも90パーセントの絶対温度に加熱した場合、実質的に粘着しない表面特性のいずれかを特徴とする。
【0022】
他の態様では、本発明は、オーバーパック容器内に配置された上記の容器ライナーを含む材料保管および分配パッケージに関し、この容器は、前記少なくとも1つのシートより実質的に硬質である。このようなライナーは、フォトレジストなどのマイクロ電子デバイス製造のための試薬を、ゼロまたはゼロに近いヘッド・スペース構造で含有する場合がある。材料保管および分配パッケージは、試薬を供給する関係でマイクロ電子デバイス製造ツールと連結していてもよい。このような目的のために、ライナーは、圧力分配操作によるライナーからの化学試薬の排出に適合された分配アセンブリに連結していてもよい。
【0023】
他の態様では、本発明は、上記の容器ライナーを使用して、分配のために純粋状態の材料を供給する方法に関する。
【0024】
さらなる態様において、本発明は、例えば圧力分配操作によって、分配のために純粋状態の材料を供給する方法に関し、この方法には、本発明によるライナー中にこのような材料をパッケージングするステップが包含される。その後の分配操作において、材料はライナーから分配され、例えばマイクロ電子デバイス製造ツールに流れてもよい。
【0025】
本発明のさらなる態様は、マイクロ電子デバイスを製造する方法に関し、本発明の材料保管および分配パッケージからマイクロ電子デバイス製造用化学試薬を圧力分配するステップを含む。
【0026】
他の態様では、本発明は、その部分に沿って接着されて、内部容積の境界を画する少なくとも1つの周辺シームを形成する少なくとも1つのシートを含む容器ライナーに関し、少なくとも1つのシートは、フルオロポリマー・フィルム層、バリヤー・フィルム層、および第3のフィルム層を含み、(i)フルオロポリマー・フィルム層は、少なくともその周辺部分に沿ってバリヤー・フィルム層に接着され、(ii)第3の層は、少なくともその周辺部分に沿ってバリヤー・フィルム層に接着され、フルオロポリマー・フィルム層および第3のフィルム層の少なくとも1つは、バリヤー・フィルム層に周辺が接着されており、前記少なくとも1つのシート内でそれらの間にギャップまたはポケットを画定し、前記フルオロポリマー・フィルム層は、前記内部容積と接触している。
【0027】
他の態様では、本発明は、少なくとも1つのシートをその部分に沿って接着し、内部容積の境界を画する少なくとも1つの周辺シームを形成するステップを含む方法に関し、少なくとも1つのシートは、(i)少なくともその周辺部分に沿ってバリヤー・フィルム層に接着されるフルオロポリマー・フィルム層、および(ii)少なくともその周辺部分に沿ってバリヤー・フィルム層に接着される第3の層を含み、前記フルオロポリマー・フィルム層は、前記内部容積と接触し、前記バリヤー・フィルム層は、前記フルオロポリマー・フィルム層と前記第3の層との間に配置されている。
【0028】
他の態様では、上記の態様のいずれかは、さらなる利点のために組み合わせてもよい。
【0029】
本発明の他の態様、特徴および実施形態は、次の開示および添付の特許請求の範囲からより十分に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態による第1のライナーをベースとする流体保管および分配パッケージの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態による第2のライナーをベースとする流体保管および分配パッケージの一部切欠き斜視図である。
【図3A】図2の流体保管および分配パッケージと共に使用するための畳まれたライナーの上面図であり、ライナーは端に取り付けられたフィットメントを有する。
【図3B】図3Aのライナーの立面図である。
【図4A】一実施形態によるライナーの形成に有用な第1の多層シートの部分の断面略図であり、シートの構成要素層を示す。
【図4B】一実施形態によるライナーの形成に有用な第2の多層シートの部分の断面略図であり、シートの構成要素層を示す。
【図4C】一実施形態によるライナーの形成に有用な第3の多層シートの部分の断面略図であり、シートの構成要素層を示す。
【図5A】さらなる実施形態による、溶着によって周辺が接着しており、フィットメントを受け入れるため1つのフェースに画定された開口部を有するライナーの立面略図である。
【図5B】ライナーの少なくとも1つの表面に接着した、突き出ているフィットメントを付けた図5Aのライナーの上面略図である。
【図5C】ライナーへのガス浸潤の潜在的経路(このような経路には溶着部が包含される)を示す矢印を包含する図5Aのライナーの部分の断面略図である。
【図6A】さらなる実施形態による、溶着およびラミネーションによって周辺が接着しており、フィットメントを受け入れるため1つのフェースに画定された開口部を有するライナーの立面略図である。
【図6B】層と垂直な方向のガスの動きの経路を示す矢印を包含した、図6Aのライナーの部分の断面略図である。
【図7】本発明の実施形態による第3のライナーをベースとする流体保管および分配パッケージの横断立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明によるライナーは、フルオロポリマー・フィルムの優れた耐化学性、および改良されたガス/湿気バリヤー性能を有する、多層フィルムをベースとするシートを利用する。多層シートには、少なくともその周辺部分に沿って互いに接着され、効果的なガス/湿気バリヤーを提供するフルオロポリマー・フィルムおよびバリヤー・フィルムが包含され、フルオロポリマー・フィルムは、高純度材料を保管するために内部容積に接触する。第3のフィルム層が、少なくともその周辺部分に沿ってバリヤー層にさらに接着している。
【0032】
第3のフィルム層は、バリヤー層および/またはフルオロポリマー・フィルム層が損なわれた場合に、向上した漏出保護を実現する。第3のフィルム層およびフルオロポリマー・フィルム層が、内部のバリヤー層をサンドイッチ状にはさむので、熱的接着の目的のためには、第3のフィルム層がバリヤー層よりも高い融点を有し、第3の層をその完全性が損なわれるであろう易流動性状態となるまで加熱せずに、第3の層を通ってのバリヤー層への熱伝導を可能とすることが望ましい。フルオロポリマー・フィルム層、バリヤー層および第3の層を含むシート中の異なる材料の存在を考慮すると、熱変化にさらされた場合、多層シートの反りおよび歪みの可能性を避けるために、内側(例えば、フルオロポリマー・フィルム層)と外側(例えば、第3のフィルム層)との間の熱膨張特性に関して対称性または近似対称性を図ることが望ましい。単一の装置におけるフルオロポリマー・フィルム層と第3のフィルム層との間の組成を一致させる(および厚さを任意選択にさらに一致させる)ことによって、またはおよび/またはむしろ熱膨張係数特性に関して材料を一致させることによって、このような対称性を実現することができる。さらに、第3の層の材料は、熱的接着装置(例えば、フィラメント加熱装置)の作業面との接触にさらされるため、このような第3の層の材料は有利には、その融点の好ましくは少なくとも75パーセント、さらに好ましくはその融点の少なくとも90パーセントの絶対温度まで加熱された場合、ライナーとそれを接着するために使用される装置との間の粘着を避けるために、実質的に粘着しない表面特性を有するべきである。第3のフィルム層は、機械的強度、ピンホール耐性、耐熱性などのいずれかをベースとしてさらに選択することができる。一実施形態では、ライナーを形成するために有用な多層シートの第3のフィルム層は、コストを節約するためなどにより、対応するフルオロポリマー(内側)フィルム層より薄い。
【0033】
このような多層シートを含むライナーは有利には、化学試薬および組成物、例えば、マイクロ電子デバイスの製造において使用される化学機械研磨組成物などの高純度液体試薬および組成物などの材料の保管および分配のために用いられる。このようなライナーは、これらだけに限定されないが、固体、スラリー、懸濁液、ゲルおよび半固体の組成物を包含する流体以外の材料;ならびに固体および関連する蒸気層、液体および関連する蒸気層、固体/液体/蒸気材料、液体、ガス、および上記の混合物を包含した多相材料を含有するようにさらに適合されてもよい。
【0034】
Wayne Kellyらの名前で2003年11月6日に公開された米国特許出願公開第2003/0205285号「Apparatus and Method for Minimizing the Generation of Particles in Ultrapure Liquids」、およびRichard Wertenbergerの名前で2004年3月2日に発行された米国特許第6,698,619号「Returnable and Reusable,Bag−In−Drum Fluid Storage and Dispensing Container System」の開示は、全ての目的のために参照によりその各々の全体が本明細書中に組み込まれている。
【0035】
「マイクロ電子デバイス」という用語は、本明細書で使用する場合、レジスト塗布した半導体基板、フラットパネル・ディスプレイ、薄膜記憶ヘッド、微小電気機械システム(MEMS)、および他の進歩したマイクロ電子コンポーネントを意味する。マイクロ電子デバイスには、パターニングされたおよび/またはブランケットされたシリコンウェーハ、フラットパネル・ディスプレイ基板あるいはフルオロポリマー基板を包含することができる。さらに、マイクロ電子デバイスには、メソ多孔質または微孔性の無機固体が包含されてもよい。
【0036】
液体および液体含有組成物(以下、液体媒体と称する)のライナーへのパッケージングにおいて、ライナー中の液体媒体のヘッド・スペースを最小限にすることが望ましい。ヘッド・スペースは、ライナー中の液体媒体の上にあるガス量である。
【0037】
本発明のライナーをベースとする収納システムは、マイクロ電子デバイス製品の製造において使用される液体媒体への用途において特に有用である。さらに、このようなシステムは、液体媒体または液体材料がパッケージングを必要とする、医療品および医薬品、建築および建設材料、食料製品などを包含した多くの他の用途において有用である。
【0038】
本明細書で使用する場合、ライナー中の流体に関連して「ゼロ・ヘッド・スペース」という用語は、ライナーが液体媒体で完全に満たされており、ライナー中の液体媒体の上にあるガス量がないことを意味する。
【0039】
これに対して、「ゼロに近いヘッド・スペース」という用語は、ライナー中の流体に関連して本明細書で使用する場合、ライナーが、ライナー中の液体媒体の上にある非常に少量のガス量を除いて液体媒体で実質的に完全に満たされており、例えば、ガス量はライナー中の流体の総容量の5%未満、好ましくは流体の総容量の3%未満、さらに好ましくは流体の総容量の2%未満、またさらに好ましくは流体の総容量の1%未満、最も好ましくは、流体の総容量の0.01%未満である(または別の言い方をすれば、ライナー中の液体の容量は、ライナーの総容量の95%超、好ましくはこのような総容量の97%超、さらに好ましくはこのような総容量の98%超、よりさらに好ましくはこのような総容量の99%超、最も好ましくはこのような総容量の99.99%超である)ことを意味する。
【0040】
液体媒体は、ライナー中の液面動揺、はねかけおよび移動、ならびにパッケージの輸送の間における硬質の周囲の容器に対するライナーの衝撃にさらされるため、ヘッド・スペースの容量が大きいほど、上にあるガスが液体媒体中に取り込まれおよび/または可溶化される可能性が大きくなる。この状況は、ひいては液体媒体中の泡、微小気泡、および粒子の形成をもたらし、それが液体媒体を劣化させ、その意図される目的に対して潜在的に不適切なものとする。この理由のために、ライナーの内部容積が液体媒体で完全に充填されており、ヘッド・スペースを最小限とし、好ましくは排除すること(すなわち、ゼロまたはゼロに近いヘッド・スペース構造であること)が望ましい。
【0041】
分配ポートが容器構造の中心、例えば、ドラム・ヘッドまたは容器の上部壁の中心に位置している様々な実施形態に関連して以下に記載するが、このような中心の位置とする必要はなく、代わりに分配ポートは、材料保管および分配容器の任意の領域に位置することが可能である。さらに容器は、本発明の様々な実施形態では以下において密閉式ドラムとして例示されているが、代わりに開いていてもよく、例えば上部が開いたドラムおよび上部が閉じたドラムを、本発明の各々の実装形態において用いることができる。
【0042】
ここで図面を参照すると、図1は、本発明の一実施形態による多層フィルムをベースとするライナー12を包含した例示的な材料保管および分配容器10の斜視図である。ライナー12は、全体的に硬質のハウジング14中に材料、例えば高純度液体(>99.99重量%の純度を有する)を保持することができる可撓性で弾性的なライナーである。
【0043】
ライナー12は、管状のストック材料から、または(例えば、ヒートシールによって)重ね合わされた平らなシート・ストック片をその周辺端部に沿って接着しライナー構造を形成することによって、形成することができる。管状のストック(例えば、管状のポリマー・フィルム材料)を用いる場合、ライナーの側面に沿ったヒートシールおよび溶着シームが回避される。側面の溶着シームがないことは、ライナーが、ライナーにストレスを与える傾向がある力および圧力に耐えることをより一層可能にするのに有利である場合がある。
【0044】
ライナーは好ましくは、使用毎(例えば、その中に含有される液体が使い尽されたとき)に取り除かれ、全部の容器10の再使用を可能とするために、事前に洗浄した新しいライナーと置き換えられる、単回使用用多層薄膜ライナー12として製作される。
【0045】
ライナーは、可塑剤、抗酸化剤、紫外線安定剤、充填剤などの成分を含んでいないことが好ましい。これらは、例えばライナー中に含有されている材料への浸出によって、またはライナー材料中でより大きな拡散率を有して表面に移動し可溶化し、またはそうでなければライナー中の材料の汚染物質となる、分解生成物を生じる分解によって、汚染物質の元である場合があり、または元となる場合がある。
【0046】
実質的に純粋なフィルムが、種々の材料収納用途においてライナーのために用いられることが有利である。このようなフィルムは、例えばバージン(添加物のない)フィルムであってもよい。複数のフィルムを組み合わせ、少なくとも周辺を接着し、多層シートを形成する。このように得られたシートの厚さは、任意の適切な厚さでよく、例えば、約2ミル(50ミクロン)〜約20ミル(500ミクロン)の範囲であり、さらに好ましくは約3ミル(75ミクロン)〜7ミル(175ミクロン)の範囲であり、よりさらに好ましくは約4ミル(100ミクロン)〜約6ミル(150ミクロン)の範囲である。
【0047】
ライナーは、任意の適切な方法で形成することができる。一実施形態では、ライナーは、管状フィルム・ストックから製造され、容器開口部に対応するその上端に一体型の充填開口部を包含し、これは、図1に示されているように、ポートまたはキャップ構造28に接合していてもよい。他の実施形態では、複数の層を含む単一のシートは、それ自体に折り重なり周辺が溶着されて、内部の空洞の境界が画される。さらなる実施形態では、各々が複数の層を含む複数のシートは、周辺が互いに溶着されて、内部の空洞の境界が画される。上記のライナーの各々は好ましくは、流体の各々の導入または排出を伴う充填または分配操作のために、ライナーの適切なコネクタへの連結のための開口部を有する。ライナー・ポートとしての役割を果たす開口部画定フィットメントは好ましくは、このような開口部に沿って設けられる(例えば、接着される)。このようなフィットメントは好ましくは、ライナーが形成されているシート材料より実質的に硬質であり、このように硬質であることは、ライナーをオーバーパック容器のポートまたはキャップなどの対合構造と対合するのに有用である。ライナー・ポートに接合しているキャップは、手動で取り外すことができ、ライナー・ポートおよびキャップの特定の構造に関して、様々に構成することができる。キャップはまた、流体の導入または分配のためのディップ・チューブと連結するように配置することもできる。
【0048】
ライナー12には、図1に示される2つのポートなどの、その頂部に画定された少なくとも1つのポートが包含されることが好ましい。ライナーは、実質的に硬質のハウジングまたはオーバーパック14中に設けられ、これは例示されているような全体として直方体形状で、その中にライナー12を含有するための下部貯蔵部分16、ならびに上部スタッキングおよび輸送操作セクション18を包含することができる。スタッキングおよび輸送操作セクション18には、各々向かい合った正面壁および背面壁20Aおよび20C、ならびに向かい合った側壁20Bおよび20Dが包含される。向かい合った側壁20Bおよび20Dは、各々の手動操作開口部22および24を各々有しており、容器の使用において容器を手でつかみ、物理的に持ち上げることまたはそうでなければ輸送することを可能にする。代わりにオーバーパックは、全体的に円筒形態、または任意の他の適切な形状もしくは構造でよい。バッグ・イン・ドラム・パッケージにおいて、オーバーパックは典型的には、円筒状のドラム形態である。
【0049】
ハウジング14の下部貯蔵部分16は、示されているように僅かに先細りになっている。下部貯蔵部分16の4つの壁の全ては、下に向かって内側に先細りになっており、数多くのこのような容器が保管され輸送される場合、保管および輸送のための容器のスタッキングを可能にする。一実施形態では、ハウジング14の下部16は、テーパー角度が15°未満、例えば、角度が約2°〜12°である、先細りの壁を有していてもよい。
【0050】
全体として硬質のハウジング14にはまた、示されているように、ハウジング14の壁に漏出しないように接合されて、ライナー12を含有するハウジング14内の内部の空間の境界を画するオーバーパックの蓋26も包含される。
【0051】
例示されているように、ライナーは、キャップ28に連結し、液体の分配のためにそれを通してディップ・チューブ36の通路を収容するように配置された主要な上部のポートを包含した、2つの硬質ポートを有する。ディップ・チューブ36は、ディップ・チューブ、分配ヘッド34、カップリング38および液体分配チューブ40を包含する分配アセンブリの一部である。分配アセンブリにはまた、カップリング42および分配ヘッド中の通路43と連絡することによって、分配ヘッド34に接合されたガス充填チューブ44が包含される。そして次に、通路43は、オーバーパックの蓋26内の内部容積ポート30に漏出しないように連結するよう適合され、分配操作においてライナー12に対して圧力をかけるためのガスの導入に適応し、その結果、ライナー12中に含有される液体は、ライナーから中空のディップ・チューブ36の内部の通路および分配アセンブリを通って、液体分配チューブ40に押し出される。
【0052】
ライナー12は、性質が可撓性で畳むことが可能なような、適切な厚さの多層フィルム材料の少なくとも1つのシートで形成される。一実施形態では、ライナーは、定格充填量、すなわちライナーがハウジング14内に完全に充満している場合、ライナー中に含有することができる液体の容量の約10%以下まで圧縮可能である。ライナー材料は、交換ユニットとして、輸送の間ライナーが畳まれまたは圧縮されるのが可能であるように十分に曲げやすい。ライナーは、液体がライナー中に含有されたときに粒子および微小気泡の形成に耐性を示し、含有されている材料が、例えば半導体製造または他の高純度臨界液体供給用途において用いられる特定の最終使用用途のために純度を保つのに効果的な、組成および性質を有する。
【0053】
半導体製造用途のために、液体または液体含有材料が容器10のライナー12中に含有されている場合、液体は、フッ化水素、過酸化水素および水酸化アンモニウムをライナーへ収納するために、半導体工業会のInternational Technology Roadmap for Semiconductors(SIA、ITRS)1999年版において説明されている基準と一致する、ライナーの充填時点で75粒子/ミリリットル未満の0.25ミクロンの直径を有する粒子を有するべきであり、ライナーは液体中、総有機成分(TOC)が300億分の1未満、カルシウム、コバルト、銅、クロム、鉄、モリブデン、マンガン、ナトリウム、ニッケル、およびタングステンなどの重要な元素毎の金属の抽出可能なレベルが10兆分の1未満、ならびに元素毎の鉄および銅の抽出可能なレベルが150兆分の1未満であるべきである。
【0054】
例示されているように、図1の容器のライナー12は、その内部の空間中に、任意選択の特徴として液体内容物の非侵襲的な磁気撹拌に役立つ磁気ペレット45を含有してもよい。磁気撹拌ペレット45は、実験室の操作において使用される従来のタイプでよく、容器を撹拌される液体で充填されたライナーと共にテーブル上に載せた場合、液体を均質で沈殿しにくいようにすることができるように、適切な磁場作用テーブルと共に利用することができる。このような磁気撹拌機能を使用して、液体内容物の沈殿または相分離を促進する条件下、液体運搬に続いて液体の成分を再可溶化することができる。このような方法で遠隔で作動させることが可能な撹拌要素は、密封されたライナーの内側への撹拌機の侵襲的な導入が必要ないという利点を有する。
【0055】
ライナー12は、液体で満たされた場合、ライナーの内部容積内にゼロまたはゼロに近いヘッド・スペースがあるように適切に構成される。ライナー内のガス/液体(例えば、空気/液体)境界面をなくすことによって、粒子生成がそれに応じて抑制され、さらにこのようなゼロまたはゼロに近いヘッド・スペースのライナー構造によって、液体によるライナー内部容積の完全な充填、したがってライナーおよび関連する容器の受容能力の最大化が可能となる。
【0056】
ハウジング14のデッキ26中のポート30は、ライナー上の硬質のポートと連結することができ、その結果ライナーが2つのポートを伴って製作され、または代わりにライナーは単一のポート構成を使用して通気可能なように製作することができる。
【0057】
ハウジング14のデッキ26は、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、およびポリブチレンなどの、ハウジングの残りの構造部材と同一の全体的に硬質の材料で形成されてもよい。
【0058】
容器10のさらなる任意選択の変形形態として、含有された液体および/またはその意図する使用法に関する情報を提供する目的で、高周波識別タグ32をライナー上に設けてもよい。高周波識別タグは、高周波中継器および受信機を介して使用者または技術者に情報を提供するように配置することができ、したがって容器中の液体の状況、その同一性、ソース、古さ、意図する使用場所およびプロセスなどを確認することができる。高周波識別装置の代わりに、手持ち式スキャナーなどのリモート・センサー、受信機を備えたコンピュータなどによって、読取り可能および/または伝送可能な他の情報記憶装置を用いることができる。
【0059】
図1の容器において、ライナー12は、温度変化によって液体が膨張および収縮することを可能にする。
【0060】
図1に示される容器10を伴う分配操作において、空気または他のガス(窒素、アルゴンなど)は、チューブ44に導入され、蓋26のポート30を通り、ライナーの外面上に圧力をかけ、ライナーを収縮させ、したがって液体をディップ・チューブ36および分配アセンブリを通して液体分配チューブ40へ押し出すことができる。
【0061】
これに対して、空気は、充填操作の間にハウジング14の内部容積からポート30を通って移動し、分配ヘッド34内の通路43を通ってチューブ44へと流れる場合があり、その結果ライナーが膨張するにつれその液体充填の間に空気が移動する。
【0062】
代わりの分配様式として、分配操作においてライナー中の液体媒体を吸引して、容器から液体媒体を抜き取ることができる。
【0063】
図2は、オーバーパック容器114内に配置されたライナー112を包含する、第2のライナーをベースとする流体保管および分配パッケージ110の一部切欠き斜視図である。オーバーパック容器114は、オーバーパック容器114とライナー112との間の内部空間を加圧することによってライナーの内容物の加圧分配を可能にするように、ライナー112より実質的に硬質であることが好ましい。例示したオーバーパック容器114は、実質的に円筒状の形状であり、全ての流体の連絡は、オーバーパック容器114の上部を通ってオーバーパック容器114および/またはライナー112に対して行われる。
【0064】
好ましくは、容器114には、容器114のマウスと対合可能であり、検出要素146およびポート・アダプター138を有するコネクタ134を受け入れるよう適合されたキャップ(図示せず)が包含される。(容器112、キャップ、またはライナー112のいずれかと関連するRFIDタグまたは他の電子情報記憶装置と通信するよう適合されてもよい)検出要素146は、検出器ライン129を介して外部制御ユニット(図示せず)と電気的に通信を行う。ポート・アダプター140は、複数の流体ライン(図示せず)を包含してもよい導管(conduit)140を経由して、外部の膨張ガス源(図示せず)およびプロセス・ツール(図示せず)と接続することが好ましい。したがって、ポート・アダプター140は、容器114の内部への第1および第2の流体通路を提供し、1つの通路がライナー112と流体連通し、他の通路が容器114とライナー112との間の加圧可能な空間と流体連通していることが好ましい。
【0065】
コネクタ134の外側に配置されているのは、容器114またはそこに添付されているキャップのいずれかにコネクタ134を固定するのに有用なスプリング・クリップ127である。さらなるクリップを、コネクタ134を固定するためにさらに設けてもよい。分配システム110が適切に組み立てられている場合、ライナー112の内容物は、容器114とライナー112との間の空間の(例えば、加圧した空気または他のガスを用いた)加圧によって分配され、このような内容物は、アダプター138および導管140を介して集積回路の製造において有用なツールなどのプロセス・ツールへ供給されることができる。このような分配を許可、否定または制御するために、検出要素146が受信した情報を使用することができる。
【0066】
図3A〜3Bは、図2の流体保管および分配パッケージと共に使用することができる畳まれたライナー112を例示する。ライナーは、2つのシート110A、110Bで構成され、その周辺部分に沿って接着されて、内部容積を取り囲むシーム111を形成する。このようなライナー112には、シート110Aと110Bとの境界面に沿った非接着領域またはホール109に隣接した、ライナー112の一端に沿ってシート110A、110Bに接着されたフィットメント150が包含される。フィットメント150には、ネック156、マウス152、およびリップ154が包含されてもよく、ライナー112が形成されるシート110A、110Bの材料よりも実質的に硬質であることが好ましい。
【0067】
図4Aは、シート200Aの構成要素層202A、204A、206Aを示す、本発明の一態様による多層シート200Aの断面の略図である。シート200Aは、液体媒体パッケージと一緒に使用するために、ライナー内の液体媒体の収納に有利な構成である。したがって、シート200は有利には、本明細書において開示されているものを包含した液体媒体保管および分配パッケージと一緒に使用されてもよく、その低い透過性および高強度特性によってゼロ・ヘッド・スペースのライナーへの用途に有利である。
【0068】
シート200Aの3層には、順に、第1のフルオロポリマー・フィルムの内層202A、第2のバリヤー・フィルムの中間層204A、および第3の外側フィルムの外層206Aが包含される。「内側」とは、この文脈において、少なくとも1つのシートをその周辺部分に沿って接着し、このような内部容積を画定することによって形成されるライナーの内部容積に接触することを意図した層を意味する。シート200Aの様々な層である202A、204A、206Aは、図4Aに示されているように実質的にその全体の大部分の表面に沿って接着もしくはラミネートされていてもよく、または代わりに少なくとも2つのシートが、その周辺部分に沿ってのみ周辺が接着(例えば、溶着)されて、シートのこのような層の間に形成されるギャップまたはポケットの境界を画してもよい。下記でより詳細に記載するように、多層ラミネートの少なくとも2層を別個なものとして維持することは、亀裂開始および脆化に対する脆弱性を減少させる機械的強度の点で利点を提供することができる。図4Bに示されているように、このようなギャップ205Bは、バリヤー・フィルム204Bと第3の層206Bとの間に形成され、シート200Bのフルオロポリマー・フィルム202Bおよびバリヤー・フィルム204Bは、実質的にその全体の大部分の表面に沿って接着されていてもよい。代わりに、シート200Cを表現している図4Cに示されているように、このようなギャップ203Cは、フルオロポリマー・フィルム202Cとバリヤー・フィルム204Cとの間に形成されて、バリヤー・フィルム204Cおよび第3の層206Cは、実質的にその全体の大部分の表面に沿って接着されていてもよい。またさらなる実施形態では、第1のギャップまたはポケットは、フルオロポリマー・フィルム層とバリヤー・フィルム層との間に形成されてもよく、第2のギャップまたはポケットが、バリヤー・フィルム層と第3のフィルム層との間に形成されてもよい。
【0069】
フルオロポリマー・フィルムは、任意の適切なフルオロポリマー材料で形成することができ、ブロー成形、溶液流延、または他の適切なフィルム形成技術によって形成することができる。有用なフルオロポリマー材料には、これらだけに限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、または上記の2つ以上の組合せが包含される。耐熱性およびバリヤー材料への粘着を考慮すると、PFAは、少なくとも1つのシートの作製において使用するために好ましいフルオロポリマー・フィルム材料である。フルオロポリマー・フィルムの厚さは、所望の特性を実現する任意の適切な厚さでよい。一実施形態では、フルオロポリマー・フィルムの厚さは、0.5ミル(13ミクロン)〜10ミル(250ミクロン)の範囲であり、1ミル(25ミクロン)〜3ミル(75ミクロン)の厚さが好ましい。
【0070】
フィルム層は、溶剤溶着、熱ラミネーション、押出ラミネーションまたは押出コーティング、同時押出、熱および圧力下の圧密化(consolidation)、即時接着剤またはタイ層(tie layer)の使用、各々のフィルムのスポット接着、様々なフィルム層が互いに対面関係で接着するための縁または所定のパターンでのフィルムの超音波溶着によるなどの任意の適切な方法で互いに接着することができる。
【0071】
層間接着を強化するために、シートのフィルム層の任意の1つまたは複数は、粗さおよび表面エネルギーなどの表面特性を改質するために処理することができる。望ましい処理方法には、バリヤー・フィルムとの接着を改良するための、プラズマ・エッチング、(例えば、NaNH4およびNaナフタレンによる)化学エッチング、コロナ放電、フレーム溶射、電子ビーム照射、イオン・エッチング、ドーピング、粘着性付与、および機械的研磨が包含される。
【0072】
このような処理の後に、隣接層の間の表面エネルギー差は、接着を容易にするために約5ダイン/cm以内であるべきである。よりさらに好ましくは、第1の層と第2の層との間の表面エネルギー差は、接着を強化するために約2ダイン/cm以内であるべきである。最も好ましくは、第1の層と第2の層との間の表面エネルギー差は、約1ダイン/cm以内であるべきであり、またはさらに接着を強化するためにさらによいのは約0ダイン/cmである。
【0073】
当然ながら、望ましい表面エネルギー差を有する材料は、望ましくない融点温度を有する場合がある。このような場合、表面改質技術を、第1の層および/または第2の層の表面の化学的性質を変化させるために使用して、材料の間の接着強度を向上させてもよい。適用できる機構には、表面エネルギーの一致および/または粗面処理が包含されると考えられる。
【0074】
バリヤー・フィルムは、空気、湿気および他の種の周囲環境に対して許容できる透過耐性を実現する任意の適切なタイプの材料でよい。本発明の様々な実施形態において有用に用いることができる例示的バリヤー・フィルム材料には、これらだけに限らないが、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリモノクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、液晶ポリマー(LCP)、および上記の2つ以上の組合せが包含される。ポリアミド、PEEK、およびPCTFEは、好ましいバリヤー・フィルム材料である。ライナーを製作するために使用されるシートの中で、バリヤー・フィルムは、金属被膜、酸化コーティング、炭素コーティング、および/またはアルミニウム、酸化アルミニウム、サファイア、ダイヤモンドライクカーボン、タンタル、シリカ(SiO2)を包含する有機・無機複合材料、および粘土ナノ粒子の分散質材料と組み合わせたポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリエチレンテレフタレートなどのエンジニアリング・プラスチックで構成されてもよく、またはそれらを包含してもよい。
【0075】
バリヤー・フィルム層は、多層シートが用いられる特定の用途のために必要な透過耐性を提供する任意の適切な厚さでよい。本発明の様々な実施形態では、バリヤー・フィルムの厚さは、0.5ミル(13ミクロン)〜10ミル(250ミクロン)の範囲であり、0.5ミル(13ミクロン)〜2ミル(50ミクロン)が好ましい。
【0076】
本発明によるライナーを製作するために使用されるシートの第3のフィルム層には、(例えば、機械的強度、ピンホール耐性および耐熱性を実現するために特に選択される)任意の適切な特性の可能性がある第3の外層が包含されてもよい。このような第3の層は、例えばフルオロポリマー、中密度ポリエチレン(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、MDPEとブレンドしたLLDPE、ポリアミド、エチレンビニルアルコール(EVOH)、高密度ポリエチレン(HDPE)、または多層シートの周囲環境と接触する保護層として所望の性能特性を提供する任意の他の材料で形成されてもよい。
【0077】
シートの構成要素層は、シートの特定の最終用途に合わせた任意の適切な厚さを有してもよい。シートの全体の厚さは、シートの所与の用途において必要に応じて、または望ましい任意の適切な値でよい。液体媒体のためのライナーへの用途において、ラミネートの全体の厚さは、3ミル(75ミクロン)〜7ミル(175ミクロン)、または4ミル(100ミクロン)〜6ミル(150ミクロン)の範囲でよい。
【0078】
多層シートの様々な層においてブロック防止剤(anti-block agent)を使用することができる。多層シートのラミネートのためのフィルムの作製において有利に使用することができる例示的なブロック防止剤は珪藻土である。
【0079】
例えば、単一のシートを折り重ねることによって、または複数の対応するシートを重ね合わせ、それらを端で溶着して、(例えば、超音波溶着によってまたは他の適切なフィルム加工技術によって)漏出しないような特性の端のシームを形成することによって、ライナーを形成することができる。代わりに、ライナーは、管状のストックから形成され、その端部に沿ってそれ自体の上に閉じられ、材料の入口および出口のためのポートを提供するために製作することができる。これはライナー本体に適切なカップリング、コネクタ、カラーまたは他の構造部材を接合することを伴い、これによってライナーを、保管およびその後の分配のための材料で充填することができ、保管された材料は、その後使用時に分配することができる。
【0080】
一実施形態では、ライナーはその部分に沿って接着されて、内部容積の境界を画する少なくとも1つの周辺シームを形成する材料の2つのシートから形成され、フィットメントがシートの1つに接着している。このようなライナー312は、図5A〜5Bに例示されている。図5Aは、(図5Bに例示されているように)フィットメント354を受け入れるためにホール309をその中に画定する第1のシート310Aを示す。多層シート310A、310Bは、溶着部311に沿って接着され、ライナー312の内部容積の境界を画する周辺シームを形成する。
【0081】
図5Cを参照すると、各シート310A、310Bには、周辺が接着されて、ギャップまたはポケット303A、305A、303B、305Bをその間に形成する、3層302A、304A、306A、302B、304B、306Bが包含される。シート310A、310Bおよびその全ての層は、共通の溶着部311で(例えば、フィラメント・ヒーター、または好ましくは加圧を包含した他の局所的加熱技術を使用した)単一の溶着ステップにおいて溶着され、シーム311を形成することができる。これに関して、周辺シームの形成は、少なくとも1つのシートの(i)フルオロポリマー・フィルム層とバリヤー・フィルム層の間、ならびに(ii)バリヤー・フィルム層と第3のフィルム層の間の接着を同時に生じさせる。
【0082】
(図5A〜5Bに例示されているライナー312などの)そのフェースに接着されているフィットメントを有する二次元ライナーは、図7に示されているように、オーバーパック容器に挿入されてもよい。保管および分配システム510には、その1つのフェースに画定されているフィットメント554を有する二次元ライナー512を受け入れるよう適合されたオーバーパック容器571が包含される。ライナーの上部515は、残りのライナー本体の上に折り重なり、ライナー512のフィットメント554と、オーバーパック容器571のポート528との位置合せを容易にすることができる。
【0083】
内側材料の不活性、ガス透過性、および機械的強度に関して所望のライナー性能を達成するために、様々な要因の釣合を考慮するべきである。上記で示したように、フルオロポリマー・フィルムは望ましくは不活性であるが、本質的にガス透過性の問題に陥る。バリヤー・フィルムは、一般に特性がより硬質であり、それらは良好なガス・バリヤーの有用性を提供するが、その大部分の表面に沿って他の材料に接着されている場合、(例えば、疲労による)機械的障害の影響を受けやすい場合がある。すなわち、バリヤー・フィルムおよび(例えば、表面処理した)フルオロポリマー・フィルムが、ラミネートされ、またはそうでなければ実質的かつより多くの大部分の表面に沿って共に接着されている場合、このように得られた製品は、フッ素化フィルムまで伝わるより脆いバリヤーにおいて亀裂開始に対して脆弱である。一般に、このように得られたフィルムは、非常に硬質となり、1つには表面をラミネーションする間に生じる脆化によって、1つには増加した厚さおよび個々のフィルム層間の独立した動きの抑制によって管理が困難である。したがって機械的強度のために、バリヤー・フィルム層をその大部分の表面に沿ってフルオロポリマー・フィルム層から分離させておくことが有利である場合がある。
【0084】
バリヤー・フィルム層をその大部分の表面に沿ってフルオロポリマー・フィルム層から分離させておく1つの方法は、このようなフィルム層をその周辺部分に沿って(例えば、フィラメント溶着によって)局所的に溶着し、このように得られたシート内に構成要素層間でギャップまたはポケットを画定することである。しかし、このアプローチの1つの問題は、周辺の溶着が、「短絡する」ガス流に対して脆弱であるように思えることである。層間のギャップまたはポケットに入った任意のガスは、最小抵抗の場所までの全体的な側方移動の影響を受けやすい。大部分のバリヤー材料に対して高いフルオロポリマーの融解温度によって、フルオロポリマーを融解するのに十分な温度で、フルオロポリマーおよびバリヤー・フィルム層を周辺で溶着するプロセスは、バリヤー・フィルムの厚さおよび/または溶着部での完全性の減少をもたらす傾向がある。図5Cに(すなわち、点線および矢印によって)例示されているように、ガスは、周辺が接着しているフィルム層302A、304A、306A、302B、304B、306Bの間のギャップまたはポケット303A、305A、303B、305B内で伝わることができ、次いで周辺の溶着部311を通って伝わり、このようにしてそうでなければそこを通るガスの通過を妨げるであろう中間のバリヤー層304A、304Bを迂回する。その中に少なくとも1つのシート間のポケットまたはギャップを有するシートで構成されるライナーにおいて、このようなガスの短絡を避けることは望ましいであろう。
【0085】
上記のガスの短絡は、シートの様々な層を周辺溶着部または(シートの端に対して)僅かに内側で局所的にラミネートすることによって実質的になくすことができることを出願人等は見出した。このような局所的なラミネーションは、例えばフィラメント・ヒーターを利用することによって達成することができ、周辺の溶着ステップの前に行ってもよく、または所望によりその逆でもよい。一実施形態では、ラミネーション部および溶着部は、実質的に一致する。他の実施形態では、ラミネーション部は、前記溶着部から0.25インチ(6.4mm)以下だけ内側に配置されている。このようなラミネーションは、溶着に対してより低い温度であるがより高い圧力で行われることが望ましい。このようなラミネーションのための条件によって、バリヤー材料の完全な融解を避けることができるが、それでも外側の溶着部へのガスの側方移動を防止するのに十分な、層間のポリマー鎖の粘着性または相互浸透が提供される。図6Cは内層402A、402Bの間に伸びるラミネーション部を例示するが、このような局所的ラミネーションによってもたらされる比較的弱い接着は、(例えば、化学試薬の添加を許容するための)ライナーの拡張によって内層402A、402Bの間で切断される場合がある。しかし、ラミネーション部416に沿った層間のラミネーションが元の状態のままである限りは、このようなシート間のラミネーションの切断は、ライナー412に重大な悪影響を及ぼさず、またはバリヤー性能を劣化させない。
【0086】
一例では、各々が2層のPFAフィルム(すなわち、同じフルオロポリマー材料からなるフルオロポリマーの「内側」フィルム層および第3の「外側」フィルム層)の間に配置されたPENバリヤー・フィルム層を有する2つの三層シートの間の局所的なラミネーションは、PEN(この場合は接合される層の最も低い融点を有する材料)の融解温度より約10C下の温度で約80psiの接触圧力を約30秒かけることによって行うことができる。ポリマーとの関連で「融解」の定義に様々な可能性があるため、示差走査熱量測定による融点値を使用することができる。その後、ラミネーションの僅か外側の局所的な溶着は、より高い温度(例えば、300C〜320C)で20秒間フィラメント・ヒーターを利用することによって、また約19〜26psiの局所的圧力(場所により、フィットメントに沿って26psi、長い周辺端部に沿って22psi、ライナーの短い端部に沿って約19psi)をかけることによって行うことができる。
【0087】
ライナーの作製におけるこのようなラミネーションおよび溶着工程の結果を示す略図を図6A〜6Bに示す。2つのシート410A、410Bからなるライナー412には、その周辺部に沿って外側溶着部411、および僅かに内側のラミネーション部416が包含される。同様に、そこに画定されているホールド409に近接する1つのシート410Aのフェースに沿って、局所的シート間ラミネーションおよび溶着によって、ラミネーション部418で囲まれている溶着部419の形成がもたらされる。好ましくは2つのシート410A、410Bを互いに周辺を接着する前に、フィットメント(図示せず)を、ホールド409と位置合わせし、シート410Aに接着する。好ましくは、単一のラミネーション・ステップが、共通の周辺ラミネーション部416に沿って、両方のシート410A、410Bの全ての層402A、404A、406A、402B、404B、406Bに使用され、同様に単一の溶着ステップが、共通の周辺の溶着部411に沿って、両方のシート410A、410Bの全ての層402A、404A、406A、402B、404B、406Bに使用される。
【0088】
図6Bに示されているように、層402A、404A、406Aおよび402B、404B、406Bの間に(部分416で)局所的なラミネーションがあることによって、内側のギャップまたはポケット405A、405Bへのガス透過が、各シート410A、401Bの中間のバリヤー層404A、404Bによって遮断されるように、ガスが外側のギャップまたはポケット403A、403Bを通って移動して、周辺溶着部411に到達できるのを排除する。このようにして、各シート410A、410Bのバリヤー層404A、404Bの周りの(例えば、溶着部411を通した)ガスの短絡は、実質的に排除される。様々な層402A、404A、406A、402B、404B、406Bは、その大部分の表面に沿って互いに分かれたままであるため、実質的にその全体の大部分の表面に沿った複数層のラミネーションへの亀裂開始および脆化が起こることへの脆弱性もまた減少する。
【0089】
任意選択の第4および/または第5層を、本発明によるライナーに使用してもよい。一実施形態では、このような任意選択の層には、フルオロポリマー・フィルム層、バリヤー・フィルム層、および第3の層のいずれかの間の1つまたは複数のタイ層が包含される。他の実施形態では、第2のバリヤー・フィルム層が設けられる。さらに他の実施形態では、弾性材料が、好ましくは第3の層の外側に設けられ、バリヤー層が損なわれた場合でもさらなる収納を実現する。
【0090】
本明細書に記載するような多層シートは、ライナーをベースとする圧力分配パッケージ中で使用するためのライナーを製作するために使用される場合、予想外に優れた性能を提供する。層間の1つまたは複数のシート内のギャップまたはポケットを包含する実施形態は、優れた「スリップ」特性を提供する。その結果、このようなフィルムで形成されたライナーは、そうでなければライナーおよびその中の液体が粒子および微小気泡の形成させやすさを増加させるであろう過度のしわ、結合、または表面滞留を生じさせずに、このような表面と接触している隣接した構造に対して動くことができる。このようなシートはさらに、たとえ非常に大きなサイズのライナーにおいてもこれらを使用するのに適切なものとさせるような優れた曲げ特性、強度特性および変形特性を有する。さらに、シートは、(そうでなければライナー・フィルムを通り、ライナー内部容積へと入り、ライナーがゼロ・ヘッド・スペース構造で使われる場合にゼロ・ヘッド・スペースの特性を低下させる可能性がある)ガス透過性に対する優れた耐性を有する。
【0091】
特定の実施形態では、本発明によるライナーを形成するのに有用なシートには、下記の材料層の組合せを包含することができる。
1)エッチングされたPFAの内側、PENバリヤー、エッチングされたPFAの外側
2)エッチングされたPFAの内側、ポリアミド・バリヤー、エッチングされたPFAの外側(外側はエッチングされなくても、ポリアミドに付着していなくてもよい)
3)エッチングされたPFAの内側、タイ層、ガラスコーティング・ポリアミド(内側PFAの方にガラス)、エッチングされたPFAの外側(これは、湿気およびガス・バリヤー性の両方を実現する。タイ層は、比較的高温特性ならびにガラスおよびエッチングされたPFAの両方に接着する能力を有する高純度材料、例えば、改質PVDF、ETFE、またはECTFEであることが好ましい(これらのフルオロポリマーの「タイ層」タイプの材料は市販である))
4)エッチングされたPFAの内側、PEEK、エッチングされたPFAの外側
5)PFAの内側、タイ層、PEEK、エッチングされたPFAの外側
6)エッチングされたPFAの内側、金属または金属酸化物(PFA上にPVDまたはCVDコーティング)、PFAまたはPEEKの外層
7)エッチングされたPFAの内側、タイ層、金属ラミネート
8)エッチングされたPFAの内側、LCP、エッチングされたPFAの外側
9)エッチングされたPFAの内側、タイ層、LCP、タイ層、エッチングされたPFAの外側
10)エッチングされたPFAの内側、PCTFE、エッチングされたPFAの外側
いずれの場合にも、FEPよりも優れている亀裂抵抗を有し、半導体グレードで利用可能であるため、好ましい一実施形態としてPFAを選択した。しかし、それは最も高価であるため、PTFEまたはFEPの代替物を用いることができる。ECTFEもまた代用することができる。PFAは、フィルム・スタックに面している側にエッチングまたは他の表面処理をすることが望ましい(ポリアミドに対して)。PTFEを使用することができたが、他の材料への接着を可能にするために一般に化学エッチング(例えば、ナトリウムナフタラートでエッチング)しなければならない。これは金属汚染の可能性を生じ、環境に優しくない。FEPフィルムもまた、優れた耐化学性を有するため濡れ面として使用することができた。それはまた、プラズマによって効果的にエッチングすることができる。FEPは、いくつかの用途における輸送の間のピンホールに耐えるような十分な亀裂抵抗を有さない場合がある。外側フィルムは、融解およびヒーター・バーへの張り付きまたは劣化することなしに、PFAを共に溶着する熱に対処できる必要がある。バリヤー層はまた、溶着プロセスに対処する十分な温度特性も有さなくてはならない。それらは融解する場合があるが、劣化するべきではない。ポリアミド、LCP、およびPEEKはこの特性を示しており、十分に高いバリヤー性を有する。PCTFEは、また他の材料に接着するためにエッチングを必要とし、限定された温度特性を有するため、いくつかの実施形態ではバリヤー・フィルムとして適切ではない場合がある。
【0092】
本発明を、本発明の特定の態様、特徴および例示的な実施形態に関して本明細書に記載してきたが、本明細書における開示に基づいて、本発明の分野の当業者に対してそれ自体が示唆するように、本発明の有用性は限定されず、むしろ多くの他の変形形態、修正形態および他の実施形態にまで及び、それらを包含することを理解されたい。それに対応して、以下特許請求されている本発明は、その精神および範囲内に全てのこのような変形形態、修正形態および他の実施形態を包含するように、広く解釈され見なされることを意図している。
【技術分野】
【0001】
関連出願の記載
本出願は、2006年6月2日に出願された米国仮出願第60/810,393号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、高純度化学試薬などの材料の収納のための、バリヤー・フルオロポリマー・フィルムをベースとするライナー、およびこのようなライナーを含むパッケージングに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの工業的用途において、化学試薬および組成物は高純度状態で供給される必要があり、パッケージ充填、保管、輸送、および分配の操作に亘って、供給材料を純粋で適切な形態で維持することを確実とするための特殊パッケージングが開発されてきた。
【0004】
マイクロ電子デバイス製造の分野において、多種多様の液体および液体含有組成物のための適切なパッケージングの必要性は特に切実である。なぜなら、パッケージングされた材料中のあらゆる汚染物質、および/またはパッケージ中に含有されている材料への環境汚染物質のあらゆる侵入は、このような液体または液体含有組成物によって製造されるマイクロ電子デバイス製品に悪影響を与え、マイクロ電子デバイス製品を、それらが意図される使用について欠陥品、またはそれどころか不用品とさせる可能性があるからである。
【0005】
これらを考慮した結果、フォトレジスト、エッチング液、化学蒸着試薬、溶媒、ウェーハおよびツール洗浄用配合物、化学的機械研磨用組成物などの、マイクロ電子デバイス製造において使用される液体および液体含有組成物のために、多くのタイプの高純度パッケージングが開発されてきた。
【0006】
このように使用される高純度パッケージングの1タイプには、蓋またはカバーなどの構造を保持することによって、硬質外側パック内の所定の位置に固着された可撓性のライナーまたはバッグ内の液体または液体をベースとする組成物(または他の材料)を含有する、硬質外側パックが包含される。このようなパッケージングは、硬質外側パックの特定の形態によって「バッグ・イン・ボックス」「バッグ・イン・コンテイナー」または「バッグ・イン・ドラム」(BID)パッケージングのように通常様々に称される。パッケージングの硬質外側パックは、例えば、高密度ポリエチレンもしくは他のポリマーまたは金属で形成されてもよく、ライナーは、ライナー中に含有される予定の含有液体または液体をベースとする材料に対して不活性であるように選択された、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、低密度ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエチレンをベースとする多層ラミネート、複数のPTFE層からなるシートなどのポリマー・フィルム材料の、予め洗浄され無菌で畳むことが可能なバッグとして提供してもよい。このようなタイプのパッケージングは、ATMI社(Danbury、CT、USA)からNOWPAKという商標で市販されている。
【0007】
液体および液体をベースとする組成物のこのようなライナーへのパッケージングを伴う分配操作において、(ディップ・チューブが包含されていてもよい)分配アセンブリをライナーのポートに接続することによって、液体はライナーから分配され、任意選択のディップ・チューブは、含有された液体中に浸っている。分配アセンブリがこのようにライナーに連結された後、流体圧力をライナーの外面上にかけ、その結果ライナーは徐々に畳まれ、分配アセンブリを通して液体を関連する流れの回路へと排出し、最終用途の場所まで押し出す。代わりに、液体をパッケージから出すために、ライナーの出口またはそれに接続した分配アセンブリに陰圧をかけることもできる。このようなライナーを使用することによって、相互汚染の危険性または利用の間の洗浄の必要性なしに、硬質オーバーパック容器を再利用することが可能となる、硬質容器の単回使用と比較して廃棄の必要性が減る、など多くの利点が提供される。
【0008】
ライナー自体を考えると、その中の液体へのライナーを通した周囲のガスの透過を制限するために、このようなライナーは低い透過性を特徴とすることが望ましい。高透過率のライナーは、ガス透過のための接触域の増加およびライナー中に含有される液体材料との接触をもたらす。したがって、ライナーの周囲環境中でガスに対して優れたバリヤー性を有するライナー・フィルム材料は、このような周囲のガスによって悪影響を受ける液体材料を収納するためのライナーをベースとするパッケージングの利用に対し、重大な意味を持つか、または重大な意味を持ち得る。
【0009】
多くの用途において最重要であるライナーの他の特徴は、ライナーの粒子生成特性、すなわちライナーが中に含有している液体材料への、ライナーの粒子の脱落させやすさである。脱落は、ライナーの拡張および収縮、屈曲ならびにライナーの並進運動などの条件下でもたらされる場合がある。ライナー中の液体材料の質および純度を維持する目的で、ライナーによるこのような粒子脱落を最小限とすること、好ましくはなくすことが望ましい。その結果、粒子脱落に強いライナー・フィルム材料を開発することに努力が集中されてきた。
【0010】
多種多様の材料のライナーをベースとするパッケージングについて、いくつかのライナーが市販されている。ATMI社(Danbury、Connecticut)からN400(元FX)という商標で市販されている1つのライナー製品は、多層ラミネートで製作されており、ラミネート中に特別に配合したポリエチレンをベースとするフィルム材料を使用した結果、非常に低いガス透過率ならびに望ましく高い不活性によって特徴付けられる。
【0011】
ATMI社(Danbury、Connecticut)からULTRAという商標で市販されている他のこのようなライナーは、ポリテトラフルオロエチレンをフィルム材料として利用する。このようなライナーは、非常に低い粒子数、したがって粒子脱落に対する優れた耐性によって特徴付けられ、ポリテトラフルオロエチレンのフィルム材料による優れた化学的不活性も有している。
【0012】
上記のポリテトラフルオロエチレンのフィルム・ライナーは、広範な商業上の成功を収めてきた。圧力をライナーの外面にかけ、ライナーを徐々に圧縮しコンパクトにし、それによりライナーからの液体材料の排出が行われることによって分配操作を行う用途においては、ポリテトラフルオロエチレンの固有の透過性によって、加圧ガスがポリテトラフルオロエチレンフィルムを透過し、したがってライナー中に含有される液体材料中に微小気泡が形成される可能性がかなり生じる。
【0013】
このような圧力駆動分配システムにおいては、比較的高い圧力(例えば、約15psig)をかけ、材料をライナーから押し出す。良好なガス遮断性能を有さないライナーのパッケージング材料では、駆動ガスは容易に材料を通って移動し、液状化学品を飽和させることができる。このような液体が容器から排出されると、減圧状態下ガスの泡立ちの結果、飽和ガスが流体中で泡を形成するであろう。これはひいては、分配された化学試薬を使用して製造したウェーハに全体的な欠陥の発生をもたらす場合がある。
【0014】
例えば、フォトレジスト、トップ反射防止コーティング(TARC)、およびボトム反射防止コーティング(BARC)などの材料の圧力分配において、0.1〜60μmの範囲の大きさの微小気泡の形成は、これらの材料がウェーハ上に置かれた場合、潜在的欠陥の元となる。これらの材料は典型的には、ガスで飽和した(例えば、空気で飽和した)状態で容器中に充填される。次いで容器が加圧されると、溶液により多くのガスが入るであろう。液体材料の上にヘッド・スペース・ガスを有する、ライナーをベースとするパッケージにおいて、ライナーと、関連した硬質容器との間の環状の空間が加圧された場合、ヘッド・スペースからのガスもまた液体材料中に溶解するであろう。溶解ガスは、その後、充填サイクルにおける分配ポンプ内で、または純粋な材料をウェーハの表面上など、大気条件に分配する時など、加圧力が減少する場合に、液体材料の溶液から非常に脱しやすい。
【0015】
一般に、ライナーの作製において利用されてきたフィルム材料は、透過性ならびに他の物理的および化学的性質が広範囲に亘り異なる。当技術分野では、ライナーの総合特性を最適化する試みにおいて、ライナーの作製における種々の多層フィルムが提供されてきた。上記のように、ポリテトラフルオロエチレンは、その化学的不活性のために、例えば上記のULTRAライナーにおいて利用されてきた。エチレンビニルアルコール(EVOH)およびポリアミド(例えば、ナイロン(登録商標))もまた、それらの非常に低い透過係数によって、例えばこのような材料ならびにポリエチレンを包含する上記のN400(元FX)多層ラミネートにおいて利用されてきた。N400ラミネートは、多くの液体収納用途において良好な性能特性を提供する一方、他の用途においては好ましくない場合がある。なぜなら、(i)このようなラミネートの内層はポリエチレンであり、これは、他の材料、例えばポリテトラフルオロエチレンのように化学的に不活性ではなく、(ii)ポリエチレンは、ポリテトラフルオロエチレンに溶着することができず、(iii)ライナー層の間に閉じ込められた空気が見掛けの漏れを表し、(iv)このようなラミネート中のEVOHフィルムは、窒素に対して良好なバリヤーを提供するが、優れた湿気バリヤーを提供しないためである。
【0016】
したがって、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびペルフルオロアルコキシ(PFA)などのフルオロポリマー材料は、それらの優れた耐化学性、耐熱性、優秀な可撓性、優れた機械的性質および高純度特性によって、半導体製造産業においてパッケージング材料として十分に受け入れられてきた。しかし、外部からフィルムタイプのライナーに圧力がかけられ、含有されている材料の分配のためにそれを徐々にコンパクトにするという圧力駆動分配システムの開発や、フルオロポリマーの薄いフィルムの固有の透過性によって、フルオロポリマー・フィルムからなるライナーは、その乏しいガス・バリヤー性能により半導体製造における使用に、もはや適さない。
【0017】
その結果、ライナーをベースとする圧力分配パッケージのためのライナーを包む、フルオロポリマー・バリヤー・フィルムをベースとするパッケージングの改良であって、フルオロポリマー・フィルムの多くの優れた性能特性が保たれているが、このようなフィルムの本質的に乏しいバリヤー性については改良されたものを、当該技術は求め続けている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、高純度化学試薬などの材料の収納のための、このようなライナーを含むバリヤー・フルオロポリマー・フィルムをベースとするライナーおよびパッケージに関する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
一態様によれば、本発明は、その部分に沿って接着されて、内部容積の境界を画する少なくとも1つの周辺シームを形成する少なくとも1つのシートを含む容器ライナーに関し、少なくとも1つのシートは、フルオロポリマー・フィルム層、バリヤー・フィルム層、および第3のフィルム層を含み、(i)フルオロポリマー・フィルム層は、少なくともその周辺部分に沿ってバリヤー・フィルム層に接着され、(ii)第3の層は、少なくともその周辺部分に沿ってバリヤー・フィルム層に接着されており、前記フルオロポリマー・フィルム層は、前記内部容積と接触し、前記バリヤー・フィルム層は、前記フルオロポリマー・フィルム層と前記第3の層との間に配置されている。
【0020】
「少なくとも1つのシート」には、この文脈において、それ自体に折り重なり、(例えば、溶着によって)周辺が接着されて密閉形状を形成する単一のシートが包含されてもよく、または互いに周辺が接着している複数のシートが包含されてもよい。
【0021】
バリヤー・フィルムには、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリモノクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、液晶ポリマー(LCP)、金属、酸化物、炭素材料、有機・無機複合材料、および上記のいずれかのブレンド、複合材料、コーティング、または組合せのいずれかが包含されてもよい。フルオロポリマー・フィルムには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、および上記の2つ以上のブレンド、複合材料、または組合せのいずれかが包含されてもよい。特定の実施形態では、第3のフィルム層は、(i)フッ化ポリマー層と実質的に同一の組成、(ii)フッ化ポリマー層と実質的に同一の熱膨張係数、(iii)バリヤー層より実質的に高い融解温度、および(iv)その融点の少なくとも90パーセントの絶対温度に加熱した場合、実質的に粘着しない表面特性のいずれかを特徴とする。
【0022】
他の態様では、本発明は、オーバーパック容器内に配置された上記の容器ライナーを含む材料保管および分配パッケージに関し、この容器は、前記少なくとも1つのシートより実質的に硬質である。このようなライナーは、フォトレジストなどのマイクロ電子デバイス製造のための試薬を、ゼロまたはゼロに近いヘッド・スペース構造で含有する場合がある。材料保管および分配パッケージは、試薬を供給する関係でマイクロ電子デバイス製造ツールと連結していてもよい。このような目的のために、ライナーは、圧力分配操作によるライナーからの化学試薬の排出に適合された分配アセンブリに連結していてもよい。
【0023】
他の態様では、本発明は、上記の容器ライナーを使用して、分配のために純粋状態の材料を供給する方法に関する。
【0024】
さらなる態様において、本発明は、例えば圧力分配操作によって、分配のために純粋状態の材料を供給する方法に関し、この方法には、本発明によるライナー中にこのような材料をパッケージングするステップが包含される。その後の分配操作において、材料はライナーから分配され、例えばマイクロ電子デバイス製造ツールに流れてもよい。
【0025】
本発明のさらなる態様は、マイクロ電子デバイスを製造する方法に関し、本発明の材料保管および分配パッケージからマイクロ電子デバイス製造用化学試薬を圧力分配するステップを含む。
【0026】
他の態様では、本発明は、その部分に沿って接着されて、内部容積の境界を画する少なくとも1つの周辺シームを形成する少なくとも1つのシートを含む容器ライナーに関し、少なくとも1つのシートは、フルオロポリマー・フィルム層、バリヤー・フィルム層、および第3のフィルム層を含み、(i)フルオロポリマー・フィルム層は、少なくともその周辺部分に沿ってバリヤー・フィルム層に接着され、(ii)第3の層は、少なくともその周辺部分に沿ってバリヤー・フィルム層に接着され、フルオロポリマー・フィルム層および第3のフィルム層の少なくとも1つは、バリヤー・フィルム層に周辺が接着されており、前記少なくとも1つのシート内でそれらの間にギャップまたはポケットを画定し、前記フルオロポリマー・フィルム層は、前記内部容積と接触している。
【0027】
他の態様では、本発明は、少なくとも1つのシートをその部分に沿って接着し、内部容積の境界を画する少なくとも1つの周辺シームを形成するステップを含む方法に関し、少なくとも1つのシートは、(i)少なくともその周辺部分に沿ってバリヤー・フィルム層に接着されるフルオロポリマー・フィルム層、および(ii)少なくともその周辺部分に沿ってバリヤー・フィルム層に接着される第3の層を含み、前記フルオロポリマー・フィルム層は、前記内部容積と接触し、前記バリヤー・フィルム層は、前記フルオロポリマー・フィルム層と前記第3の層との間に配置されている。
【0028】
他の態様では、上記の態様のいずれかは、さらなる利点のために組み合わせてもよい。
【0029】
本発明の他の態様、特徴および実施形態は、次の開示および添付の特許請求の範囲からより十分に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態による第1のライナーをベースとする流体保管および分配パッケージの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態による第2のライナーをベースとする流体保管および分配パッケージの一部切欠き斜視図である。
【図3A】図2の流体保管および分配パッケージと共に使用するための畳まれたライナーの上面図であり、ライナーは端に取り付けられたフィットメントを有する。
【図3B】図3Aのライナーの立面図である。
【図4A】一実施形態によるライナーの形成に有用な第1の多層シートの部分の断面略図であり、シートの構成要素層を示す。
【図4B】一実施形態によるライナーの形成に有用な第2の多層シートの部分の断面略図であり、シートの構成要素層を示す。
【図4C】一実施形態によるライナーの形成に有用な第3の多層シートの部分の断面略図であり、シートの構成要素層を示す。
【図5A】さらなる実施形態による、溶着によって周辺が接着しており、フィットメントを受け入れるため1つのフェースに画定された開口部を有するライナーの立面略図である。
【図5B】ライナーの少なくとも1つの表面に接着した、突き出ているフィットメントを付けた図5Aのライナーの上面略図である。
【図5C】ライナーへのガス浸潤の潜在的経路(このような経路には溶着部が包含される)を示す矢印を包含する図5Aのライナーの部分の断面略図である。
【図6A】さらなる実施形態による、溶着およびラミネーションによって周辺が接着しており、フィットメントを受け入れるため1つのフェースに画定された開口部を有するライナーの立面略図である。
【図6B】層と垂直な方向のガスの動きの経路を示す矢印を包含した、図6Aのライナーの部分の断面略図である。
【図7】本発明の実施形態による第3のライナーをベースとする流体保管および分配パッケージの横断立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明によるライナーは、フルオロポリマー・フィルムの優れた耐化学性、および改良されたガス/湿気バリヤー性能を有する、多層フィルムをベースとするシートを利用する。多層シートには、少なくともその周辺部分に沿って互いに接着され、効果的なガス/湿気バリヤーを提供するフルオロポリマー・フィルムおよびバリヤー・フィルムが包含され、フルオロポリマー・フィルムは、高純度材料を保管するために内部容積に接触する。第3のフィルム層が、少なくともその周辺部分に沿ってバリヤー層にさらに接着している。
【0032】
第3のフィルム層は、バリヤー層および/またはフルオロポリマー・フィルム層が損なわれた場合に、向上した漏出保護を実現する。第3のフィルム層およびフルオロポリマー・フィルム層が、内部のバリヤー層をサンドイッチ状にはさむので、熱的接着の目的のためには、第3のフィルム層がバリヤー層よりも高い融点を有し、第3の層をその完全性が損なわれるであろう易流動性状態となるまで加熱せずに、第3の層を通ってのバリヤー層への熱伝導を可能とすることが望ましい。フルオロポリマー・フィルム層、バリヤー層および第3の層を含むシート中の異なる材料の存在を考慮すると、熱変化にさらされた場合、多層シートの反りおよび歪みの可能性を避けるために、内側(例えば、フルオロポリマー・フィルム層)と外側(例えば、第3のフィルム層)との間の熱膨張特性に関して対称性または近似対称性を図ることが望ましい。単一の装置におけるフルオロポリマー・フィルム層と第3のフィルム層との間の組成を一致させる(および厚さを任意選択にさらに一致させる)ことによって、またはおよび/またはむしろ熱膨張係数特性に関して材料を一致させることによって、このような対称性を実現することができる。さらに、第3の層の材料は、熱的接着装置(例えば、フィラメント加熱装置)の作業面との接触にさらされるため、このような第3の層の材料は有利には、その融点の好ましくは少なくとも75パーセント、さらに好ましくはその融点の少なくとも90パーセントの絶対温度まで加熱された場合、ライナーとそれを接着するために使用される装置との間の粘着を避けるために、実質的に粘着しない表面特性を有するべきである。第3のフィルム層は、機械的強度、ピンホール耐性、耐熱性などのいずれかをベースとしてさらに選択することができる。一実施形態では、ライナーを形成するために有用な多層シートの第3のフィルム層は、コストを節約するためなどにより、対応するフルオロポリマー(内側)フィルム層より薄い。
【0033】
このような多層シートを含むライナーは有利には、化学試薬および組成物、例えば、マイクロ電子デバイスの製造において使用される化学機械研磨組成物などの高純度液体試薬および組成物などの材料の保管および分配のために用いられる。このようなライナーは、これらだけに限定されないが、固体、スラリー、懸濁液、ゲルおよび半固体の組成物を包含する流体以外の材料;ならびに固体および関連する蒸気層、液体および関連する蒸気層、固体/液体/蒸気材料、液体、ガス、および上記の混合物を包含した多相材料を含有するようにさらに適合されてもよい。
【0034】
Wayne Kellyらの名前で2003年11月6日に公開された米国特許出願公開第2003/0205285号「Apparatus and Method for Minimizing the Generation of Particles in Ultrapure Liquids」、およびRichard Wertenbergerの名前で2004年3月2日に発行された米国特許第6,698,619号「Returnable and Reusable,Bag−In−Drum Fluid Storage and Dispensing Container System」の開示は、全ての目的のために参照によりその各々の全体が本明細書中に組み込まれている。
【0035】
「マイクロ電子デバイス」という用語は、本明細書で使用する場合、レジスト塗布した半導体基板、フラットパネル・ディスプレイ、薄膜記憶ヘッド、微小電気機械システム(MEMS)、および他の進歩したマイクロ電子コンポーネントを意味する。マイクロ電子デバイスには、パターニングされたおよび/またはブランケットされたシリコンウェーハ、フラットパネル・ディスプレイ基板あるいはフルオロポリマー基板を包含することができる。さらに、マイクロ電子デバイスには、メソ多孔質または微孔性の無機固体が包含されてもよい。
【0036】
液体および液体含有組成物(以下、液体媒体と称する)のライナーへのパッケージングにおいて、ライナー中の液体媒体のヘッド・スペースを最小限にすることが望ましい。ヘッド・スペースは、ライナー中の液体媒体の上にあるガス量である。
【0037】
本発明のライナーをベースとする収納システムは、マイクロ電子デバイス製品の製造において使用される液体媒体への用途において特に有用である。さらに、このようなシステムは、液体媒体または液体材料がパッケージングを必要とする、医療品および医薬品、建築および建設材料、食料製品などを包含した多くの他の用途において有用である。
【0038】
本明細書で使用する場合、ライナー中の流体に関連して「ゼロ・ヘッド・スペース」という用語は、ライナーが液体媒体で完全に満たされており、ライナー中の液体媒体の上にあるガス量がないことを意味する。
【0039】
これに対して、「ゼロに近いヘッド・スペース」という用語は、ライナー中の流体に関連して本明細書で使用する場合、ライナーが、ライナー中の液体媒体の上にある非常に少量のガス量を除いて液体媒体で実質的に完全に満たされており、例えば、ガス量はライナー中の流体の総容量の5%未満、好ましくは流体の総容量の3%未満、さらに好ましくは流体の総容量の2%未満、またさらに好ましくは流体の総容量の1%未満、最も好ましくは、流体の総容量の0.01%未満である(または別の言い方をすれば、ライナー中の液体の容量は、ライナーの総容量の95%超、好ましくはこのような総容量の97%超、さらに好ましくはこのような総容量の98%超、よりさらに好ましくはこのような総容量の99%超、最も好ましくはこのような総容量の99.99%超である)ことを意味する。
【0040】
液体媒体は、ライナー中の液面動揺、はねかけおよび移動、ならびにパッケージの輸送の間における硬質の周囲の容器に対するライナーの衝撃にさらされるため、ヘッド・スペースの容量が大きいほど、上にあるガスが液体媒体中に取り込まれおよび/または可溶化される可能性が大きくなる。この状況は、ひいては液体媒体中の泡、微小気泡、および粒子の形成をもたらし、それが液体媒体を劣化させ、その意図される目的に対して潜在的に不適切なものとする。この理由のために、ライナーの内部容積が液体媒体で完全に充填されており、ヘッド・スペースを最小限とし、好ましくは排除すること(すなわち、ゼロまたはゼロに近いヘッド・スペース構造であること)が望ましい。
【0041】
分配ポートが容器構造の中心、例えば、ドラム・ヘッドまたは容器の上部壁の中心に位置している様々な実施形態に関連して以下に記載するが、このような中心の位置とする必要はなく、代わりに分配ポートは、材料保管および分配容器の任意の領域に位置することが可能である。さらに容器は、本発明の様々な実施形態では以下において密閉式ドラムとして例示されているが、代わりに開いていてもよく、例えば上部が開いたドラムおよび上部が閉じたドラムを、本発明の各々の実装形態において用いることができる。
【0042】
ここで図面を参照すると、図1は、本発明の一実施形態による多層フィルムをベースとするライナー12を包含した例示的な材料保管および分配容器10の斜視図である。ライナー12は、全体的に硬質のハウジング14中に材料、例えば高純度液体(>99.99重量%の純度を有する)を保持することができる可撓性で弾性的なライナーである。
【0043】
ライナー12は、管状のストック材料から、または(例えば、ヒートシールによって)重ね合わされた平らなシート・ストック片をその周辺端部に沿って接着しライナー構造を形成することによって、形成することができる。管状のストック(例えば、管状のポリマー・フィルム材料)を用いる場合、ライナーの側面に沿ったヒートシールおよび溶着シームが回避される。側面の溶着シームがないことは、ライナーが、ライナーにストレスを与える傾向がある力および圧力に耐えることをより一層可能にするのに有利である場合がある。
【0044】
ライナーは好ましくは、使用毎(例えば、その中に含有される液体が使い尽されたとき)に取り除かれ、全部の容器10の再使用を可能とするために、事前に洗浄した新しいライナーと置き換えられる、単回使用用多層薄膜ライナー12として製作される。
【0045】
ライナーは、可塑剤、抗酸化剤、紫外線安定剤、充填剤などの成分を含んでいないことが好ましい。これらは、例えばライナー中に含有されている材料への浸出によって、またはライナー材料中でより大きな拡散率を有して表面に移動し可溶化し、またはそうでなければライナー中の材料の汚染物質となる、分解生成物を生じる分解によって、汚染物質の元である場合があり、または元となる場合がある。
【0046】
実質的に純粋なフィルムが、種々の材料収納用途においてライナーのために用いられることが有利である。このようなフィルムは、例えばバージン(添加物のない)フィルムであってもよい。複数のフィルムを組み合わせ、少なくとも周辺を接着し、多層シートを形成する。このように得られたシートの厚さは、任意の適切な厚さでよく、例えば、約2ミル(50ミクロン)〜約20ミル(500ミクロン)の範囲であり、さらに好ましくは約3ミル(75ミクロン)〜7ミル(175ミクロン)の範囲であり、よりさらに好ましくは約4ミル(100ミクロン)〜約6ミル(150ミクロン)の範囲である。
【0047】
ライナーは、任意の適切な方法で形成することができる。一実施形態では、ライナーは、管状フィルム・ストックから製造され、容器開口部に対応するその上端に一体型の充填開口部を包含し、これは、図1に示されているように、ポートまたはキャップ構造28に接合していてもよい。他の実施形態では、複数の層を含む単一のシートは、それ自体に折り重なり周辺が溶着されて、内部の空洞の境界が画される。さらなる実施形態では、各々が複数の層を含む複数のシートは、周辺が互いに溶着されて、内部の空洞の境界が画される。上記のライナーの各々は好ましくは、流体の各々の導入または排出を伴う充填または分配操作のために、ライナーの適切なコネクタへの連結のための開口部を有する。ライナー・ポートとしての役割を果たす開口部画定フィットメントは好ましくは、このような開口部に沿って設けられる(例えば、接着される)。このようなフィットメントは好ましくは、ライナーが形成されているシート材料より実質的に硬質であり、このように硬質であることは、ライナーをオーバーパック容器のポートまたはキャップなどの対合構造と対合するのに有用である。ライナー・ポートに接合しているキャップは、手動で取り外すことができ、ライナー・ポートおよびキャップの特定の構造に関して、様々に構成することができる。キャップはまた、流体の導入または分配のためのディップ・チューブと連結するように配置することもできる。
【0048】
ライナー12には、図1に示される2つのポートなどの、その頂部に画定された少なくとも1つのポートが包含されることが好ましい。ライナーは、実質的に硬質のハウジングまたはオーバーパック14中に設けられ、これは例示されているような全体として直方体形状で、その中にライナー12を含有するための下部貯蔵部分16、ならびに上部スタッキングおよび輸送操作セクション18を包含することができる。スタッキングおよび輸送操作セクション18には、各々向かい合った正面壁および背面壁20Aおよび20C、ならびに向かい合った側壁20Bおよび20Dが包含される。向かい合った側壁20Bおよび20Dは、各々の手動操作開口部22および24を各々有しており、容器の使用において容器を手でつかみ、物理的に持ち上げることまたはそうでなければ輸送することを可能にする。代わりにオーバーパックは、全体的に円筒形態、または任意の他の適切な形状もしくは構造でよい。バッグ・イン・ドラム・パッケージにおいて、オーバーパックは典型的には、円筒状のドラム形態である。
【0049】
ハウジング14の下部貯蔵部分16は、示されているように僅かに先細りになっている。下部貯蔵部分16の4つの壁の全ては、下に向かって内側に先細りになっており、数多くのこのような容器が保管され輸送される場合、保管および輸送のための容器のスタッキングを可能にする。一実施形態では、ハウジング14の下部16は、テーパー角度が15°未満、例えば、角度が約2°〜12°である、先細りの壁を有していてもよい。
【0050】
全体として硬質のハウジング14にはまた、示されているように、ハウジング14の壁に漏出しないように接合されて、ライナー12を含有するハウジング14内の内部の空間の境界を画するオーバーパックの蓋26も包含される。
【0051】
例示されているように、ライナーは、キャップ28に連結し、液体の分配のためにそれを通してディップ・チューブ36の通路を収容するように配置された主要な上部のポートを包含した、2つの硬質ポートを有する。ディップ・チューブ36は、ディップ・チューブ、分配ヘッド34、カップリング38および液体分配チューブ40を包含する分配アセンブリの一部である。分配アセンブリにはまた、カップリング42および分配ヘッド中の通路43と連絡することによって、分配ヘッド34に接合されたガス充填チューブ44が包含される。そして次に、通路43は、オーバーパックの蓋26内の内部容積ポート30に漏出しないように連結するよう適合され、分配操作においてライナー12に対して圧力をかけるためのガスの導入に適応し、その結果、ライナー12中に含有される液体は、ライナーから中空のディップ・チューブ36の内部の通路および分配アセンブリを通って、液体分配チューブ40に押し出される。
【0052】
ライナー12は、性質が可撓性で畳むことが可能なような、適切な厚さの多層フィルム材料の少なくとも1つのシートで形成される。一実施形態では、ライナーは、定格充填量、すなわちライナーがハウジング14内に完全に充満している場合、ライナー中に含有することができる液体の容量の約10%以下まで圧縮可能である。ライナー材料は、交換ユニットとして、輸送の間ライナーが畳まれまたは圧縮されるのが可能であるように十分に曲げやすい。ライナーは、液体がライナー中に含有されたときに粒子および微小気泡の形成に耐性を示し、含有されている材料が、例えば半導体製造または他の高純度臨界液体供給用途において用いられる特定の最終使用用途のために純度を保つのに効果的な、組成および性質を有する。
【0053】
半導体製造用途のために、液体または液体含有材料が容器10のライナー12中に含有されている場合、液体は、フッ化水素、過酸化水素および水酸化アンモニウムをライナーへ収納するために、半導体工業会のInternational Technology Roadmap for Semiconductors(SIA、ITRS)1999年版において説明されている基準と一致する、ライナーの充填時点で75粒子/ミリリットル未満の0.25ミクロンの直径を有する粒子を有するべきであり、ライナーは液体中、総有機成分(TOC)が300億分の1未満、カルシウム、コバルト、銅、クロム、鉄、モリブデン、マンガン、ナトリウム、ニッケル、およびタングステンなどの重要な元素毎の金属の抽出可能なレベルが10兆分の1未満、ならびに元素毎の鉄および銅の抽出可能なレベルが150兆分の1未満であるべきである。
【0054】
例示されているように、図1の容器のライナー12は、その内部の空間中に、任意選択の特徴として液体内容物の非侵襲的な磁気撹拌に役立つ磁気ペレット45を含有してもよい。磁気撹拌ペレット45は、実験室の操作において使用される従来のタイプでよく、容器を撹拌される液体で充填されたライナーと共にテーブル上に載せた場合、液体を均質で沈殿しにくいようにすることができるように、適切な磁場作用テーブルと共に利用することができる。このような磁気撹拌機能を使用して、液体内容物の沈殿または相分離を促進する条件下、液体運搬に続いて液体の成分を再可溶化することができる。このような方法で遠隔で作動させることが可能な撹拌要素は、密封されたライナーの内側への撹拌機の侵襲的な導入が必要ないという利点を有する。
【0055】
ライナー12は、液体で満たされた場合、ライナーの内部容積内にゼロまたはゼロに近いヘッド・スペースがあるように適切に構成される。ライナー内のガス/液体(例えば、空気/液体)境界面をなくすことによって、粒子生成がそれに応じて抑制され、さらにこのようなゼロまたはゼロに近いヘッド・スペースのライナー構造によって、液体によるライナー内部容積の完全な充填、したがってライナーおよび関連する容器の受容能力の最大化が可能となる。
【0056】
ハウジング14のデッキ26中のポート30は、ライナー上の硬質のポートと連結することができ、その結果ライナーが2つのポートを伴って製作され、または代わりにライナーは単一のポート構成を使用して通気可能なように製作することができる。
【0057】
ハウジング14のデッキ26は、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、およびポリブチレンなどの、ハウジングの残りの構造部材と同一の全体的に硬質の材料で形成されてもよい。
【0058】
容器10のさらなる任意選択の変形形態として、含有された液体および/またはその意図する使用法に関する情報を提供する目的で、高周波識別タグ32をライナー上に設けてもよい。高周波識別タグは、高周波中継器および受信機を介して使用者または技術者に情報を提供するように配置することができ、したがって容器中の液体の状況、その同一性、ソース、古さ、意図する使用場所およびプロセスなどを確認することができる。高周波識別装置の代わりに、手持ち式スキャナーなどのリモート・センサー、受信機を備えたコンピュータなどによって、読取り可能および/または伝送可能な他の情報記憶装置を用いることができる。
【0059】
図1の容器において、ライナー12は、温度変化によって液体が膨張および収縮することを可能にする。
【0060】
図1に示される容器10を伴う分配操作において、空気または他のガス(窒素、アルゴンなど)は、チューブ44に導入され、蓋26のポート30を通り、ライナーの外面上に圧力をかけ、ライナーを収縮させ、したがって液体をディップ・チューブ36および分配アセンブリを通して液体分配チューブ40へ押し出すことができる。
【0061】
これに対して、空気は、充填操作の間にハウジング14の内部容積からポート30を通って移動し、分配ヘッド34内の通路43を通ってチューブ44へと流れる場合があり、その結果ライナーが膨張するにつれその液体充填の間に空気が移動する。
【0062】
代わりの分配様式として、分配操作においてライナー中の液体媒体を吸引して、容器から液体媒体を抜き取ることができる。
【0063】
図2は、オーバーパック容器114内に配置されたライナー112を包含する、第2のライナーをベースとする流体保管および分配パッケージ110の一部切欠き斜視図である。オーバーパック容器114は、オーバーパック容器114とライナー112との間の内部空間を加圧することによってライナーの内容物の加圧分配を可能にするように、ライナー112より実質的に硬質であることが好ましい。例示したオーバーパック容器114は、実質的に円筒状の形状であり、全ての流体の連絡は、オーバーパック容器114の上部を通ってオーバーパック容器114および/またはライナー112に対して行われる。
【0064】
好ましくは、容器114には、容器114のマウスと対合可能であり、検出要素146およびポート・アダプター138を有するコネクタ134を受け入れるよう適合されたキャップ(図示せず)が包含される。(容器112、キャップ、またはライナー112のいずれかと関連するRFIDタグまたは他の電子情報記憶装置と通信するよう適合されてもよい)検出要素146は、検出器ライン129を介して外部制御ユニット(図示せず)と電気的に通信を行う。ポート・アダプター140は、複数の流体ライン(図示せず)を包含してもよい導管(conduit)140を経由して、外部の膨張ガス源(図示せず)およびプロセス・ツール(図示せず)と接続することが好ましい。したがって、ポート・アダプター140は、容器114の内部への第1および第2の流体通路を提供し、1つの通路がライナー112と流体連通し、他の通路が容器114とライナー112との間の加圧可能な空間と流体連通していることが好ましい。
【0065】
コネクタ134の外側に配置されているのは、容器114またはそこに添付されているキャップのいずれかにコネクタ134を固定するのに有用なスプリング・クリップ127である。さらなるクリップを、コネクタ134を固定するためにさらに設けてもよい。分配システム110が適切に組み立てられている場合、ライナー112の内容物は、容器114とライナー112との間の空間の(例えば、加圧した空気または他のガスを用いた)加圧によって分配され、このような内容物は、アダプター138および導管140を介して集積回路の製造において有用なツールなどのプロセス・ツールへ供給されることができる。このような分配を許可、否定または制御するために、検出要素146が受信した情報を使用することができる。
【0066】
図3A〜3Bは、図2の流体保管および分配パッケージと共に使用することができる畳まれたライナー112を例示する。ライナーは、2つのシート110A、110Bで構成され、その周辺部分に沿って接着されて、内部容積を取り囲むシーム111を形成する。このようなライナー112には、シート110Aと110Bとの境界面に沿った非接着領域またはホール109に隣接した、ライナー112の一端に沿ってシート110A、110Bに接着されたフィットメント150が包含される。フィットメント150には、ネック156、マウス152、およびリップ154が包含されてもよく、ライナー112が形成されるシート110A、110Bの材料よりも実質的に硬質であることが好ましい。
【0067】
図4Aは、シート200Aの構成要素層202A、204A、206Aを示す、本発明の一態様による多層シート200Aの断面の略図である。シート200Aは、液体媒体パッケージと一緒に使用するために、ライナー内の液体媒体の収納に有利な構成である。したがって、シート200は有利には、本明細書において開示されているものを包含した液体媒体保管および分配パッケージと一緒に使用されてもよく、その低い透過性および高強度特性によってゼロ・ヘッド・スペースのライナーへの用途に有利である。
【0068】
シート200Aの3層には、順に、第1のフルオロポリマー・フィルムの内層202A、第2のバリヤー・フィルムの中間層204A、および第3の外側フィルムの外層206Aが包含される。「内側」とは、この文脈において、少なくとも1つのシートをその周辺部分に沿って接着し、このような内部容積を画定することによって形成されるライナーの内部容積に接触することを意図した層を意味する。シート200Aの様々な層である202A、204A、206Aは、図4Aに示されているように実質的にその全体の大部分の表面に沿って接着もしくはラミネートされていてもよく、または代わりに少なくとも2つのシートが、その周辺部分に沿ってのみ周辺が接着(例えば、溶着)されて、シートのこのような層の間に形成されるギャップまたはポケットの境界を画してもよい。下記でより詳細に記載するように、多層ラミネートの少なくとも2層を別個なものとして維持することは、亀裂開始および脆化に対する脆弱性を減少させる機械的強度の点で利点を提供することができる。図4Bに示されているように、このようなギャップ205Bは、バリヤー・フィルム204Bと第3の層206Bとの間に形成され、シート200Bのフルオロポリマー・フィルム202Bおよびバリヤー・フィルム204Bは、実質的にその全体の大部分の表面に沿って接着されていてもよい。代わりに、シート200Cを表現している図4Cに示されているように、このようなギャップ203Cは、フルオロポリマー・フィルム202Cとバリヤー・フィルム204Cとの間に形成されて、バリヤー・フィルム204Cおよび第3の層206Cは、実質的にその全体の大部分の表面に沿って接着されていてもよい。またさらなる実施形態では、第1のギャップまたはポケットは、フルオロポリマー・フィルム層とバリヤー・フィルム層との間に形成されてもよく、第2のギャップまたはポケットが、バリヤー・フィルム層と第3のフィルム層との間に形成されてもよい。
【0069】
フルオロポリマー・フィルムは、任意の適切なフルオロポリマー材料で形成することができ、ブロー成形、溶液流延、または他の適切なフィルム形成技術によって形成することができる。有用なフルオロポリマー材料には、これらだけに限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、または上記の2つ以上の組合せが包含される。耐熱性およびバリヤー材料への粘着を考慮すると、PFAは、少なくとも1つのシートの作製において使用するために好ましいフルオロポリマー・フィルム材料である。フルオロポリマー・フィルムの厚さは、所望の特性を実現する任意の適切な厚さでよい。一実施形態では、フルオロポリマー・フィルムの厚さは、0.5ミル(13ミクロン)〜10ミル(250ミクロン)の範囲であり、1ミル(25ミクロン)〜3ミル(75ミクロン)の厚さが好ましい。
【0070】
フィルム層は、溶剤溶着、熱ラミネーション、押出ラミネーションまたは押出コーティング、同時押出、熱および圧力下の圧密化(consolidation)、即時接着剤またはタイ層(tie layer)の使用、各々のフィルムのスポット接着、様々なフィルム層が互いに対面関係で接着するための縁または所定のパターンでのフィルムの超音波溶着によるなどの任意の適切な方法で互いに接着することができる。
【0071】
層間接着を強化するために、シートのフィルム層の任意の1つまたは複数は、粗さおよび表面エネルギーなどの表面特性を改質するために処理することができる。望ましい処理方法には、バリヤー・フィルムとの接着を改良するための、プラズマ・エッチング、(例えば、NaNH4およびNaナフタレンによる)化学エッチング、コロナ放電、フレーム溶射、電子ビーム照射、イオン・エッチング、ドーピング、粘着性付与、および機械的研磨が包含される。
【0072】
このような処理の後に、隣接層の間の表面エネルギー差は、接着を容易にするために約5ダイン/cm以内であるべきである。よりさらに好ましくは、第1の層と第2の層との間の表面エネルギー差は、接着を強化するために約2ダイン/cm以内であるべきである。最も好ましくは、第1の層と第2の層との間の表面エネルギー差は、約1ダイン/cm以内であるべきであり、またはさらに接着を強化するためにさらによいのは約0ダイン/cmである。
【0073】
当然ながら、望ましい表面エネルギー差を有する材料は、望ましくない融点温度を有する場合がある。このような場合、表面改質技術を、第1の層および/または第2の層の表面の化学的性質を変化させるために使用して、材料の間の接着強度を向上させてもよい。適用できる機構には、表面エネルギーの一致および/または粗面処理が包含されると考えられる。
【0074】
バリヤー・フィルムは、空気、湿気および他の種の周囲環境に対して許容できる透過耐性を実現する任意の適切なタイプの材料でよい。本発明の様々な実施形態において有用に用いることができる例示的バリヤー・フィルム材料には、これらだけに限らないが、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリモノクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、液晶ポリマー(LCP)、および上記の2つ以上の組合せが包含される。ポリアミド、PEEK、およびPCTFEは、好ましいバリヤー・フィルム材料である。ライナーを製作するために使用されるシートの中で、バリヤー・フィルムは、金属被膜、酸化コーティング、炭素コーティング、および/またはアルミニウム、酸化アルミニウム、サファイア、ダイヤモンドライクカーボン、タンタル、シリカ(SiO2)を包含する有機・無機複合材料、および粘土ナノ粒子の分散質材料と組み合わせたポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリエチレンテレフタレートなどのエンジニアリング・プラスチックで構成されてもよく、またはそれらを包含してもよい。
【0075】
バリヤー・フィルム層は、多層シートが用いられる特定の用途のために必要な透過耐性を提供する任意の適切な厚さでよい。本発明の様々な実施形態では、バリヤー・フィルムの厚さは、0.5ミル(13ミクロン)〜10ミル(250ミクロン)の範囲であり、0.5ミル(13ミクロン)〜2ミル(50ミクロン)が好ましい。
【0076】
本発明によるライナーを製作するために使用されるシートの第3のフィルム層には、(例えば、機械的強度、ピンホール耐性および耐熱性を実現するために特に選択される)任意の適切な特性の可能性がある第3の外層が包含されてもよい。このような第3の層は、例えばフルオロポリマー、中密度ポリエチレン(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、MDPEとブレンドしたLLDPE、ポリアミド、エチレンビニルアルコール(EVOH)、高密度ポリエチレン(HDPE)、または多層シートの周囲環境と接触する保護層として所望の性能特性を提供する任意の他の材料で形成されてもよい。
【0077】
シートの構成要素層は、シートの特定の最終用途に合わせた任意の適切な厚さを有してもよい。シートの全体の厚さは、シートの所与の用途において必要に応じて、または望ましい任意の適切な値でよい。液体媒体のためのライナーへの用途において、ラミネートの全体の厚さは、3ミル(75ミクロン)〜7ミル(175ミクロン)、または4ミル(100ミクロン)〜6ミル(150ミクロン)の範囲でよい。
【0078】
多層シートの様々な層においてブロック防止剤(anti-block agent)を使用することができる。多層シートのラミネートのためのフィルムの作製において有利に使用することができる例示的なブロック防止剤は珪藻土である。
【0079】
例えば、単一のシートを折り重ねることによって、または複数の対応するシートを重ね合わせ、それらを端で溶着して、(例えば、超音波溶着によってまたは他の適切なフィルム加工技術によって)漏出しないような特性の端のシームを形成することによって、ライナーを形成することができる。代わりに、ライナーは、管状のストックから形成され、その端部に沿ってそれ自体の上に閉じられ、材料の入口および出口のためのポートを提供するために製作することができる。これはライナー本体に適切なカップリング、コネクタ、カラーまたは他の構造部材を接合することを伴い、これによってライナーを、保管およびその後の分配のための材料で充填することができ、保管された材料は、その後使用時に分配することができる。
【0080】
一実施形態では、ライナーはその部分に沿って接着されて、内部容積の境界を画する少なくとも1つの周辺シームを形成する材料の2つのシートから形成され、フィットメントがシートの1つに接着している。このようなライナー312は、図5A〜5Bに例示されている。図5Aは、(図5Bに例示されているように)フィットメント354を受け入れるためにホール309をその中に画定する第1のシート310Aを示す。多層シート310A、310Bは、溶着部311に沿って接着され、ライナー312の内部容積の境界を画する周辺シームを形成する。
【0081】
図5Cを参照すると、各シート310A、310Bには、周辺が接着されて、ギャップまたはポケット303A、305A、303B、305Bをその間に形成する、3層302A、304A、306A、302B、304B、306Bが包含される。シート310A、310Bおよびその全ての層は、共通の溶着部311で(例えば、フィラメント・ヒーター、または好ましくは加圧を包含した他の局所的加熱技術を使用した)単一の溶着ステップにおいて溶着され、シーム311を形成することができる。これに関して、周辺シームの形成は、少なくとも1つのシートの(i)フルオロポリマー・フィルム層とバリヤー・フィルム層の間、ならびに(ii)バリヤー・フィルム層と第3のフィルム層の間の接着を同時に生じさせる。
【0082】
(図5A〜5Bに例示されているライナー312などの)そのフェースに接着されているフィットメントを有する二次元ライナーは、図7に示されているように、オーバーパック容器に挿入されてもよい。保管および分配システム510には、その1つのフェースに画定されているフィットメント554を有する二次元ライナー512を受け入れるよう適合されたオーバーパック容器571が包含される。ライナーの上部515は、残りのライナー本体の上に折り重なり、ライナー512のフィットメント554と、オーバーパック容器571のポート528との位置合せを容易にすることができる。
【0083】
内側材料の不活性、ガス透過性、および機械的強度に関して所望のライナー性能を達成するために、様々な要因の釣合を考慮するべきである。上記で示したように、フルオロポリマー・フィルムは望ましくは不活性であるが、本質的にガス透過性の問題に陥る。バリヤー・フィルムは、一般に特性がより硬質であり、それらは良好なガス・バリヤーの有用性を提供するが、その大部分の表面に沿って他の材料に接着されている場合、(例えば、疲労による)機械的障害の影響を受けやすい場合がある。すなわち、バリヤー・フィルムおよび(例えば、表面処理した)フルオロポリマー・フィルムが、ラミネートされ、またはそうでなければ実質的かつより多くの大部分の表面に沿って共に接着されている場合、このように得られた製品は、フッ素化フィルムまで伝わるより脆いバリヤーにおいて亀裂開始に対して脆弱である。一般に、このように得られたフィルムは、非常に硬質となり、1つには表面をラミネーションする間に生じる脆化によって、1つには増加した厚さおよび個々のフィルム層間の独立した動きの抑制によって管理が困難である。したがって機械的強度のために、バリヤー・フィルム層をその大部分の表面に沿ってフルオロポリマー・フィルム層から分離させておくことが有利である場合がある。
【0084】
バリヤー・フィルム層をその大部分の表面に沿ってフルオロポリマー・フィルム層から分離させておく1つの方法は、このようなフィルム層をその周辺部分に沿って(例えば、フィラメント溶着によって)局所的に溶着し、このように得られたシート内に構成要素層間でギャップまたはポケットを画定することである。しかし、このアプローチの1つの問題は、周辺の溶着が、「短絡する」ガス流に対して脆弱であるように思えることである。層間のギャップまたはポケットに入った任意のガスは、最小抵抗の場所までの全体的な側方移動の影響を受けやすい。大部分のバリヤー材料に対して高いフルオロポリマーの融解温度によって、フルオロポリマーを融解するのに十分な温度で、フルオロポリマーおよびバリヤー・フィルム層を周辺で溶着するプロセスは、バリヤー・フィルムの厚さおよび/または溶着部での完全性の減少をもたらす傾向がある。図5Cに(すなわち、点線および矢印によって)例示されているように、ガスは、周辺が接着しているフィルム層302A、304A、306A、302B、304B、306Bの間のギャップまたはポケット303A、305A、303B、305B内で伝わることができ、次いで周辺の溶着部311を通って伝わり、このようにしてそうでなければそこを通るガスの通過を妨げるであろう中間のバリヤー層304A、304Bを迂回する。その中に少なくとも1つのシート間のポケットまたはギャップを有するシートで構成されるライナーにおいて、このようなガスの短絡を避けることは望ましいであろう。
【0085】
上記のガスの短絡は、シートの様々な層を周辺溶着部または(シートの端に対して)僅かに内側で局所的にラミネートすることによって実質的になくすことができることを出願人等は見出した。このような局所的なラミネーションは、例えばフィラメント・ヒーターを利用することによって達成することができ、周辺の溶着ステップの前に行ってもよく、または所望によりその逆でもよい。一実施形態では、ラミネーション部および溶着部は、実質的に一致する。他の実施形態では、ラミネーション部は、前記溶着部から0.25インチ(6.4mm)以下だけ内側に配置されている。このようなラミネーションは、溶着に対してより低い温度であるがより高い圧力で行われることが望ましい。このようなラミネーションのための条件によって、バリヤー材料の完全な融解を避けることができるが、それでも外側の溶着部へのガスの側方移動を防止するのに十分な、層間のポリマー鎖の粘着性または相互浸透が提供される。図6Cは内層402A、402Bの間に伸びるラミネーション部を例示するが、このような局所的ラミネーションによってもたらされる比較的弱い接着は、(例えば、化学試薬の添加を許容するための)ライナーの拡張によって内層402A、402Bの間で切断される場合がある。しかし、ラミネーション部416に沿った層間のラミネーションが元の状態のままである限りは、このようなシート間のラミネーションの切断は、ライナー412に重大な悪影響を及ぼさず、またはバリヤー性能を劣化させない。
【0086】
一例では、各々が2層のPFAフィルム(すなわち、同じフルオロポリマー材料からなるフルオロポリマーの「内側」フィルム層および第3の「外側」フィルム層)の間に配置されたPENバリヤー・フィルム層を有する2つの三層シートの間の局所的なラミネーションは、PEN(この場合は接合される層の最も低い融点を有する材料)の融解温度より約10C下の温度で約80psiの接触圧力を約30秒かけることによって行うことができる。ポリマーとの関連で「融解」の定義に様々な可能性があるため、示差走査熱量測定による融点値を使用することができる。その後、ラミネーションの僅か外側の局所的な溶着は、より高い温度(例えば、300C〜320C)で20秒間フィラメント・ヒーターを利用することによって、また約19〜26psiの局所的圧力(場所により、フィットメントに沿って26psi、長い周辺端部に沿って22psi、ライナーの短い端部に沿って約19psi)をかけることによって行うことができる。
【0087】
ライナーの作製におけるこのようなラミネーションおよび溶着工程の結果を示す略図を図6A〜6Bに示す。2つのシート410A、410Bからなるライナー412には、その周辺部に沿って外側溶着部411、および僅かに内側のラミネーション部416が包含される。同様に、そこに画定されているホールド409に近接する1つのシート410Aのフェースに沿って、局所的シート間ラミネーションおよび溶着によって、ラミネーション部418で囲まれている溶着部419の形成がもたらされる。好ましくは2つのシート410A、410Bを互いに周辺を接着する前に、フィットメント(図示せず)を、ホールド409と位置合わせし、シート410Aに接着する。好ましくは、単一のラミネーション・ステップが、共通の周辺ラミネーション部416に沿って、両方のシート410A、410Bの全ての層402A、404A、406A、402B、404B、406Bに使用され、同様に単一の溶着ステップが、共通の周辺の溶着部411に沿って、両方のシート410A、410Bの全ての層402A、404A、406A、402B、404B、406Bに使用される。
【0088】
図6Bに示されているように、層402A、404A、406Aおよび402B、404B、406Bの間に(部分416で)局所的なラミネーションがあることによって、内側のギャップまたはポケット405A、405Bへのガス透過が、各シート410A、401Bの中間のバリヤー層404A、404Bによって遮断されるように、ガスが外側のギャップまたはポケット403A、403Bを通って移動して、周辺溶着部411に到達できるのを排除する。このようにして、各シート410A、410Bのバリヤー層404A、404Bの周りの(例えば、溶着部411を通した)ガスの短絡は、実質的に排除される。様々な層402A、404A、406A、402B、404B、406Bは、その大部分の表面に沿って互いに分かれたままであるため、実質的にその全体の大部分の表面に沿った複数層のラミネーションへの亀裂開始および脆化が起こることへの脆弱性もまた減少する。
【0089】
任意選択の第4および/または第5層を、本発明によるライナーに使用してもよい。一実施形態では、このような任意選択の層には、フルオロポリマー・フィルム層、バリヤー・フィルム層、および第3の層のいずれかの間の1つまたは複数のタイ層が包含される。他の実施形態では、第2のバリヤー・フィルム層が設けられる。さらに他の実施形態では、弾性材料が、好ましくは第3の層の外側に設けられ、バリヤー層が損なわれた場合でもさらなる収納を実現する。
【0090】
本明細書に記載するような多層シートは、ライナーをベースとする圧力分配パッケージ中で使用するためのライナーを製作するために使用される場合、予想外に優れた性能を提供する。層間の1つまたは複数のシート内のギャップまたはポケットを包含する実施形態は、優れた「スリップ」特性を提供する。その結果、このようなフィルムで形成されたライナーは、そうでなければライナーおよびその中の液体が粒子および微小気泡の形成させやすさを増加させるであろう過度のしわ、結合、または表面滞留を生じさせずに、このような表面と接触している隣接した構造に対して動くことができる。このようなシートはさらに、たとえ非常に大きなサイズのライナーにおいてもこれらを使用するのに適切なものとさせるような優れた曲げ特性、強度特性および変形特性を有する。さらに、シートは、(そうでなければライナー・フィルムを通り、ライナー内部容積へと入り、ライナーがゼロ・ヘッド・スペース構造で使われる場合にゼロ・ヘッド・スペースの特性を低下させる可能性がある)ガス透過性に対する優れた耐性を有する。
【0091】
特定の実施形態では、本発明によるライナーを形成するのに有用なシートには、下記の材料層の組合せを包含することができる。
1)エッチングされたPFAの内側、PENバリヤー、エッチングされたPFAの外側
2)エッチングされたPFAの内側、ポリアミド・バリヤー、エッチングされたPFAの外側(外側はエッチングされなくても、ポリアミドに付着していなくてもよい)
3)エッチングされたPFAの内側、タイ層、ガラスコーティング・ポリアミド(内側PFAの方にガラス)、エッチングされたPFAの外側(これは、湿気およびガス・バリヤー性の両方を実現する。タイ層は、比較的高温特性ならびにガラスおよびエッチングされたPFAの両方に接着する能力を有する高純度材料、例えば、改質PVDF、ETFE、またはECTFEであることが好ましい(これらのフルオロポリマーの「タイ層」タイプの材料は市販である))
4)エッチングされたPFAの内側、PEEK、エッチングされたPFAの外側
5)PFAの内側、タイ層、PEEK、エッチングされたPFAの外側
6)エッチングされたPFAの内側、金属または金属酸化物(PFA上にPVDまたはCVDコーティング)、PFAまたはPEEKの外層
7)エッチングされたPFAの内側、タイ層、金属ラミネート
8)エッチングされたPFAの内側、LCP、エッチングされたPFAの外側
9)エッチングされたPFAの内側、タイ層、LCP、タイ層、エッチングされたPFAの外側
10)エッチングされたPFAの内側、PCTFE、エッチングされたPFAの外側
いずれの場合にも、FEPよりも優れている亀裂抵抗を有し、半導体グレードで利用可能であるため、好ましい一実施形態としてPFAを選択した。しかし、それは最も高価であるため、PTFEまたはFEPの代替物を用いることができる。ECTFEもまた代用することができる。PFAは、フィルム・スタックに面している側にエッチングまたは他の表面処理をすることが望ましい(ポリアミドに対して)。PTFEを使用することができたが、他の材料への接着を可能にするために一般に化学エッチング(例えば、ナトリウムナフタラートでエッチング)しなければならない。これは金属汚染の可能性を生じ、環境に優しくない。FEPフィルムもまた、優れた耐化学性を有するため濡れ面として使用することができた。それはまた、プラズマによって効果的にエッチングすることができる。FEPは、いくつかの用途における輸送の間のピンホールに耐えるような十分な亀裂抵抗を有さない場合がある。外側フィルムは、融解およびヒーター・バーへの張り付きまたは劣化することなしに、PFAを共に溶着する熱に対処できる必要がある。バリヤー層はまた、溶着プロセスに対処する十分な温度特性も有さなくてはならない。それらは融解する場合があるが、劣化するべきではない。ポリアミド、LCP、およびPEEKはこの特性を示しており、十分に高いバリヤー性を有する。PCTFEは、また他の材料に接着するためにエッチングを必要とし、限定された温度特性を有するため、いくつかの実施形態ではバリヤー・フィルムとして適切ではない場合がある。
【0092】
本発明を、本発明の特定の態様、特徴および例示的な実施形態に関して本明細書に記載してきたが、本明細書における開示に基づいて、本発明の分野の当業者に対してそれ自体が示唆するように、本発明の有用性は限定されず、むしろ多くの他の変形形態、修正形態および他の実施形態にまで及び、それらを包含することを理解されたい。それに対応して、以下特許請求されている本発明は、その精神および範囲内に全てのこのような変形形態、修正形態および他の実施形態を包含するように、広く解釈され見なされることを意図している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その部分に沿って接着されて、内部容積の境界を画する少なくとも1つの周辺シームを形成する少なくとも1つのシートを含み、前記少なくとも1つのシートが、フルオロポリマー・フィルム層、バリヤー・フィルム層、および第3のフィルム層を含み、(i)前記フルオロポリマー・フィルム層が、少なくともその周辺部分に沿って前記バリヤー・フィルム層に接着され、(ii)前記第3の層が、少なくともその周辺部分に沿って前記バリヤー・フィルム層に接着されている容器ライナーであって、前記フルオロポリマー・フィルム層が、前記内部容積と接触し、前記バリヤー・フィルム層が、前記フルオロポリマー・フィルム層と前記第3の層との間に配置されている、容器ライナー。
【請求項2】
前記少なくとも1つのシートが、第1のシートおよび第2のシートを含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項3】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、ならびに(ii)前記バリヤー・フィルム層および前記第3の層、の各々が、実質的にその全体の大部分の表面に沿って接着され、前記少なくとも1つのシートを形成する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項4】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、または(ii)前記バリヤー・フィルム層および前記第3の層、が、実質的にその全体の大部分の表面に沿って接着され、前記少なくとも1つのシートを形成する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項5】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、または(ii)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記第3の層、が、その周辺部分に沿って接着され、前記少なくとも1つのシート内にギャップまたはポケットを画定する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項6】
前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層が、その周辺部分に沿って接着され、前記少なくとも1つのシート内に第1のギャップまたはポケットを画定し、
前記第3のフィルム層および前記バリヤー・フィルム層が、その周辺部分に沿って接着され、前記少なくとも1つのシート内に第2のギャップまたはポケットを画定する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項7】
前記フルオロポリマー・フィルム層と前記バリヤー・フィルム層との間の前記接着、および前記バリヤー・フィルム層と前記第3の層との間の前記接着、の各々が、共通ラミネーション部および共通溶着部を含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項8】
前記共通ラミネーション部および前記共通溶着部が実質的に一致する、請求項7に記載の容器ライナー。
【請求項9】
前記共通ラミネーション部が、前記少なくとも1つのシートの端に対して、前記共通溶着部から0.25インチ(6.4mm)以下だけ内側に配置されている、請求項7に記載の容器ライナー。
【請求項10】
前記少なくとも1つのシートのいずれかに接着している開口部画定フィットメントをさらに含み、前記フィットメントが、前記少なくとも1つのシートより実質的に硬質である、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項11】
前記バリヤー・フィルム層が、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリモノクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、金属、酸化物、炭素材料、有機・無機複合材料、および上記のいずれかのブレンド、複合材料、コーティング、または組合せのいずれかを含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項12】
前記バリヤー・フィルム層が、ポリアミド、PEEK、およびPCTFEのいずれかを含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項13】
前記バリヤー・フィルム層が、ポリエステルを含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項14】
前記バリヤー・フィルム層が、金属、酸化物、炭素材料、および有機・無機複合材料のいずれかを含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項15】
前記フルオロポリマー・フィルム層が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、および上記の2つ以上のブレンド、複合材料、または組合せのいずれかを含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項16】
前記フルオロポリマー・フィルム層が、PFAを含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項17】
前記フルオロポリマー・フィルム層が、約0.5ミル(13ミクロン)〜約10ミル(250ミクロン)の範囲の厚さを有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項18】
前記フルオロポリマー・フィルム層が、約1ミル(25ミクロン)〜約3ミル(75ミクロン)の範囲の厚さを有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項19】
前記バリヤー・フィルム層が、溶剤溶着、熱および圧力下の圧密化、スポット接着、フィラメント溶着、ならびに超音波溶着のいずれかによって、(i)フルオロポリマー・フィルム層および(ii)第3のフィルム層に接着されている、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項20】
前記バリヤー・フィルム層が、熱ラミネーション、同時押出、押出ラミネーション、および押出コーティングのいずれかによって、(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および(ii)前記第3のフィルム層に接着されている、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項21】
前記バリヤー・フィルム層が、中間の接着剤層またはタイ層の使用によって、(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および(ii)前記第3のフィルム層に接着されている、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項22】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層が、前記バリヤー・フィルム層への接着性を向上するように処理されている、
(ii)前記第3のフィルム層が、前記バリヤー・フィルム層への接着性を向上するように処理されている、および
(iii)前記バリヤー・フィルム層が、前記フルオロポリマー・フィルム層および前記第3のフィルム層のいずれかへの接着性を向上するように処理されている
のいずれかである、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項23】
前記フルオロポリマー・フィルム層、前記第3のフィルム層、および前記バリヤー・フィルム層のいずれかが、プラズマ・エッチング、化学エッチング、コロナ放電、フレーム溶射、電子ビーム照射、イオン・エッチング、ドーピング、粘着性付与、および機械的研磨のいずれかによって処理された、請求項22に記載の容器ライナー。
【請求項24】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、ならびに(ii)前記バリヤー・フィルム層および前記第3のフィルム層の各々が、このような処理の後に、その隣接する表面の少なくとも周辺部分に沿って約5ダイン/cm以下の表面エネルギー差を有する、請求項22に記載の容器ライナー。
【請求項25】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、ならびに(ii)前記バリヤー・フィルム層および前記第3のフィルム層の各々が、このような処理の後に、その隣接する表面の少なくとも周辺部分に沿って約2ダイン/cm以下の表面エネルギー差を有する、請求項22に記載の容器ライナー。
【請求項26】
前記バリヤー・フィルムが、約0.5ミル(13ミクロン)〜約10ミル(250ミクロン)の範囲の厚さを有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項27】
前記バリヤー・フィルムが、約0.5ミル(13ミクロン)〜約2ミル(50ミクロン)の範囲の厚さを有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項28】
前記少なくとも1つのシートが、約3ミル(75ミクロン)〜約7ミル(175ミクロン)の範囲の厚さを有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項29】
前記第3のフィルム層が、
(i)前記フッ化ポリマー層と実質的に同一の組成、
(ii)前記フッ化ポリマー層と実質的に同一の熱膨張係数、
(iii)前記バリヤー層より実質的に高い融解温度、
(iv)その融点の少なくとも90パーセントの絶対温度に加熱した場合、実質的に粘着しない表面特性
のいずれかによって特徴付けられる、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項30】
前記第3のフィルム層が、前記フッ化ポリマー層と実質的に同一の組成を有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項31】
前記第3のフィルム層が、前記フッ化ポリマー層と実質的に同一の熱膨張係数を有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項32】
前記第3のフィルム層が、前記バリヤー層より実質的に高い融解温度を有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項33】
前記第3のフィルム層が、その融点の少なくとも90パーセントの絶対温度に加熱したときに実質的に粘着しない表面特性を有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項34】
前記第3のフィルム層が、フルオロポリマー材料を含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項35】
前記第3のフィルム層が、前記フルオロポリマー・フィルム層と実質的に同一の厚さを有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項36】
前記第3のフィルム層が、中密度ポリエチレン(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、MDPEとブレンドしたLLDPE、ポリアミド、エチレンビニルアルコール(EVOH)、および高密度ポリエチレン(HDPE)のいずれかを含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項37】
前記フルオロポリマー・フィルム層、前記バリヤー層、および前記第3の層の少なくとも1つが、ブロック防止剤を含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項38】
前記ブロック防止剤が珪藻土を含む、請求項37に記載の容器ライナー。
【請求項39】
前記ライナーからの材料の、外部加圧による分配に適合された、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項40】
オーバーパック容器内に配置された請求項1に記載の容器ライナーを含み、前記容器が、前記少なくとも1つのシートより実質的に硬質である、材料保管および分配パッケージ。
【請求項41】
前記容器の内側表面および前記ライナーの外側表面が、加圧可能な空間の境界を画し、前記容器が、前記加圧可能な空間を加圧するよう適合された膨張ガス源と接続しており、それによって前記ライナーの内容物を分配する、請求項40に記載の材料保管および分配パッケージ。
【請求項42】
前記ライナーが化学試薬を保持する、請求項40に記載の材料保管および分配パッケージ。
【請求項43】
前記化学試薬が、マイクロ電子デバイス製造のための試薬を含む、請求項42に記載の材料保管および分配パッケージ。
【請求項44】
マイクロ電子デバイス製造のための前記試薬が、フォトレジストを含む、請求項43に記載の材料保管および分配パッケージ。
【請求項45】
試薬を供給する関係で、マイクロ電子デバイス製造ツールと連結している、請求項43に記載の材料保管および分配パッケージ。
【請求項46】
前記化学試薬が、前記ライナー中にゼロまたはゼロに近いヘッド・スペース構造で保持される、請求項42に記載の材料保管および分配パッケージ。
【請求項47】
前記ライナーが、圧力分配操作による前記ライナーからの化学試薬の排出に適合された分配アセンブリに連結している、請求項41に記載の材料保管および分配パッケージ。
【請求項48】
材料を、請求項1に記載のライナー中にパッケージングするステップを含む、分配のために純粋状態の材料を供給する方法。
【請求項49】
前記分配が、圧力分配操作を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記材料が、マイクロ電子デバイス製造のための化学試薬を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記ライナーから前記材料を分配するステップをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記分配された材料が、マイクロ電子デバイス製造ツールに流れる、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
その部分に沿って接着されて、内部容積の境界を画する少なくとも1つの周辺シームを形成する少なくとも1つのシートを含み、前記少なくとも1つのシートが、フルオロポリマー・フィルム層、バリヤー・フィルム層、および第3のフィルム層を含み、(i)前記フルオロポリマー・フィルム層が、少なくともその周辺部分に沿って前記バリヤー・フィルム層に接着され、(ii)前記第3の層が、少なくともその周辺部分に沿って前記バリヤー・フィルム層に接着されている容器ライナーであって、前記フルオロポリマー・フィルム層および前記第3のフィルム層の少なくとも1つが、前記バリヤー・フィルム層に周辺が接着されており、前記少なくとも1つのシート内でそれらの間にギャップまたはポケットを画定し、前記フルオロポリマー・フィルム層が前記内部容積と接触する、容器ライナー。
【請求項54】
前記少なくとも1つのシートが、第1のシートおよび第2のシートを含む、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項55】
前記フルオロポリマー・フィルム層と前記バリヤー・フィルム層との間の接着、および前記第3の層と前記バリヤー・フィルム層との間の接着が、共通ラミネーション部および共通溶着部を含む、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項56】
前記共通ラミネーション部および前記共通溶着部が実質的に一致する、請求項55に記載の容器ライナー。
【請求項57】
前記共通ラミネーション部が、前記少なくとも1つのシートの端に対して、前記共通溶着部から0.25インチ(6.4mm)以下だけ内側に配置されている、請求項55に記載の容器ライナー。
【請求項58】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層が実質的にその全体の大部分の表面に沿って接着され、または(ii)前記バリヤー・フィルム層および前記第3のフィルム層が実質的にその全体の大部分の表面に沿って接着されている、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項59】
前記少なくとも1つのシートのいずれかに接着している開口部画定フィットメントをさらに含み、前記フィットメントが、前記少なくとも1つのシートより実質的に硬質である、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項60】
前記バリヤー・フィルムが、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリモノクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、液晶ポリマー(LCP)、金属、酸化物、炭素、有機・無機複合材料、および上記のいずれかのブレンド、複合材料、コーティング、または組合せのいずれかを含む、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項61】
前記フルオロポリマー・フィルムが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、および上記の2つ以上のブレンド、複合材料、または組合せのいずれかを含む、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項62】
前記第3のフィルム層が、
(i)前記フッ化ポリマー層と実質的に同一の組成、
(ii)前記フッ化ポリマー層と実質的に同一の熱膨張係数、
(iii)前記バリヤー層より実質的に高い融解温度、
(iv)その融点の少なくとも90パーセントの絶対温度に加熱した場合、実質的に粘着しない表面特性
のいずれかを特徴とする、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項63】
前記第3のフィルム層が、フルオロポリマー材料を含む、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項64】
前記少なくとも1つのシートが、約3ミル(75ミクロン)〜約7ミル(175ミクロン)の範囲の厚さを有する、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項65】
前記フルオロポリマー・フィルム層、前記バリヤー・フィルム層、および前記第3のフィルム層のいずれかが、接着性を向上するように処理された、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項66】
少なくとも1つのシートをその部分に沿って接着し、内部容積の境界を画する少なくとも1つの周辺シームを形成するステップを含み、前記少なくとも1つのシートが、(i)少なくともその周辺部分に沿ってバリヤー・フィルム層に接着されるフルオロポリマー・フィルム層、および(ii)少なくともその周辺部分に沿って前記バリヤー・フィルム層に接着される第3の層を含み、前記フルオロポリマー・フィルム層が、前記内部容積と接触し、前記バリヤー・フィルム層が、前記フルオロポリマー・フィルム層と前記第3の層との間に配置されている、方法。
【請求項67】
前記少なくとも1つのポリマー・シートが、第1のシートおよび第2のシートを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記少なくとも1つの周辺シームの形成が、同時に前記少なくとも1つのシートの(i)前記フルオロポリマー・フィルム層と前記バリヤー・フィルム層の間、および(ii)前記バリヤー・フィルム層と前記第3のフィルム層の間の接着を行う、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
開口部画定フィットメントを、前記少なくとも1つのシートのいずれかに接着するステップをさらに含み、前記フィットメントが、前記少なくとも1つのシートより実質的に硬質である、請求項66に記載の方法。
【請求項70】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、ならびに(ii)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記第3の層、
前記フルオロポリマー・フィルム層、前記バリヤー・フィルム層、および前記第3の層を、その周辺部分に沿ってラミネートして、ラミネーション部を形成するステップと、
前記フルオロポリマー・フィルム層、前記バリヤー・フィルム層、および前記第3の層を、その周辺部分に沿って溶着して、溶着部を形成するステップと
をさらに含み、
ギャップまたはポケットが、前記少なくとも1つのシート内の(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、ならびに(ii)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記第3の層のいずれかの間に形成される、請求項66に記載の方法。
【請求項71】
前記ラミネーション部および前記溶着部が実質的に一致する、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記ラミネーション部が、前記少なくとも1つのシートの端に対して、前記溶着部から0.25インチ(6.4mm)以下だけ内側に配置されている、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記フルオロポリマー・フィルム層、前記バリヤー・フィルム層、および前記第3のフィルム層のいずれかを処理し、(i)前記フルオロポリマー・フィルム層と前記バリヤー・フィルム層、および(ii)前記バリヤー・フィルム層と前記第3のフィルム層、のいずれかの間の接着を向上させるステップをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項74】
前記処理が、プラズマ・エッチング、化学エッチング、コロナ放電、フレーム溶射、電子ビーム照射、イオン・エッチング、ドーピング、粘着性付与、および機械的研磨のいずれかを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、ならびに(ii)前記バリヤー・フィルム層および前記第3のフィルム層の各々が、このような処理の後に、その隣接する表面の少なくとも周辺部分に沿って約5ダイン/cm以下の表面エネルギー差を有する、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、ならびに(ii)前記バリヤー・フィルム層および前記第3のフィルム層の各々が、このような処理の後に、その隣接する表面の少なくとも周辺部分に沿って約2ダイン/cm以下の表面エネルギー差を有する、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、ならびに(ii)前記バリヤー・フィルム層および前記第3のフィルム層のいずれかを、実質的にその全体の大部分の表面に沿って接着して、前記少なくとも1つのシートを形成するステップをさらに含む、請求項C1に記載の方法。
【請求項78】
前記バリヤー・フィルムが、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリモノクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、金属、酸化物、炭素、有機・無機複合材料、および上記の2つ以上のブレンド、複合材料、コーティング、または組合せのいずれかを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項79】
前記フルオロポリマー・フィルムが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、および上記の2つ以上のブレンド、複合材料、または組合せのいずれかを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項80】
前記第3のフィルム層が、
(i)前記フッ化ポリマー層と実質的に同一の組成、
(ii)前記フッ化ポリマー層と実質的に同一の熱膨張係数、
(iii)前記バリヤー層より実質的に高い融解温度、
(iv)その融点の少なくとも90パーセントの絶対温度に加熱した場合、実質的に粘着しない表面特性
のいずれかを特徴とする、請求項66に記載の方法。
【請求項81】
前記第3のフィルム層が、フルオロポリマー材料を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項82】
前記ライナーを、オーバーパック容器に挿入するステップをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項83】
前記ライナーと前記オーバーパック容器との間の加圧可能な空間に圧力をかけ、前記ライナーの任意の内容物を分配するステップをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項84】
前記ライナー中に実質的に純粋状態の材料をパッケージングするステップをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項85】
前記ライナーから半導体またはマイクロ電子デバイス製造のための化学試薬を分配するステップをさらに含む、請求項84に記載の方法。
【請求項1】
その部分に沿って接着されて、内部容積の境界を画する少なくとも1つの周辺シームを形成する少なくとも1つのシートを含み、前記少なくとも1つのシートが、フルオロポリマー・フィルム層、バリヤー・フィルム層、および第3のフィルム層を含み、(i)前記フルオロポリマー・フィルム層が、少なくともその周辺部分に沿って前記バリヤー・フィルム層に接着され、(ii)前記第3の層が、少なくともその周辺部分に沿って前記バリヤー・フィルム層に接着されている容器ライナーであって、前記フルオロポリマー・フィルム層が、前記内部容積と接触し、前記バリヤー・フィルム層が、前記フルオロポリマー・フィルム層と前記第3の層との間に配置されている、容器ライナー。
【請求項2】
前記少なくとも1つのシートが、第1のシートおよび第2のシートを含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項3】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、ならびに(ii)前記バリヤー・フィルム層および前記第3の層、の各々が、実質的にその全体の大部分の表面に沿って接着され、前記少なくとも1つのシートを形成する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項4】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、または(ii)前記バリヤー・フィルム層および前記第3の層、が、実質的にその全体の大部分の表面に沿って接着され、前記少なくとも1つのシートを形成する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項5】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、または(ii)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記第3の層、が、その周辺部分に沿って接着され、前記少なくとも1つのシート内にギャップまたはポケットを画定する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項6】
前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層が、その周辺部分に沿って接着され、前記少なくとも1つのシート内に第1のギャップまたはポケットを画定し、
前記第3のフィルム層および前記バリヤー・フィルム層が、その周辺部分に沿って接着され、前記少なくとも1つのシート内に第2のギャップまたはポケットを画定する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項7】
前記フルオロポリマー・フィルム層と前記バリヤー・フィルム層との間の前記接着、および前記バリヤー・フィルム層と前記第3の層との間の前記接着、の各々が、共通ラミネーション部および共通溶着部を含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項8】
前記共通ラミネーション部および前記共通溶着部が実質的に一致する、請求項7に記載の容器ライナー。
【請求項9】
前記共通ラミネーション部が、前記少なくとも1つのシートの端に対して、前記共通溶着部から0.25インチ(6.4mm)以下だけ内側に配置されている、請求項7に記載の容器ライナー。
【請求項10】
前記少なくとも1つのシートのいずれかに接着している開口部画定フィットメントをさらに含み、前記フィットメントが、前記少なくとも1つのシートより実質的に硬質である、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項11】
前記バリヤー・フィルム層が、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリモノクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、金属、酸化物、炭素材料、有機・無機複合材料、および上記のいずれかのブレンド、複合材料、コーティング、または組合せのいずれかを含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項12】
前記バリヤー・フィルム層が、ポリアミド、PEEK、およびPCTFEのいずれかを含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項13】
前記バリヤー・フィルム層が、ポリエステルを含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項14】
前記バリヤー・フィルム層が、金属、酸化物、炭素材料、および有機・無機複合材料のいずれかを含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項15】
前記フルオロポリマー・フィルム層が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、および上記の2つ以上のブレンド、複合材料、または組合せのいずれかを含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項16】
前記フルオロポリマー・フィルム層が、PFAを含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項17】
前記フルオロポリマー・フィルム層が、約0.5ミル(13ミクロン)〜約10ミル(250ミクロン)の範囲の厚さを有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項18】
前記フルオロポリマー・フィルム層が、約1ミル(25ミクロン)〜約3ミル(75ミクロン)の範囲の厚さを有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項19】
前記バリヤー・フィルム層が、溶剤溶着、熱および圧力下の圧密化、スポット接着、フィラメント溶着、ならびに超音波溶着のいずれかによって、(i)フルオロポリマー・フィルム層および(ii)第3のフィルム層に接着されている、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項20】
前記バリヤー・フィルム層が、熱ラミネーション、同時押出、押出ラミネーション、および押出コーティングのいずれかによって、(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および(ii)前記第3のフィルム層に接着されている、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項21】
前記バリヤー・フィルム層が、中間の接着剤層またはタイ層の使用によって、(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および(ii)前記第3のフィルム層に接着されている、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項22】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層が、前記バリヤー・フィルム層への接着性を向上するように処理されている、
(ii)前記第3のフィルム層が、前記バリヤー・フィルム層への接着性を向上するように処理されている、および
(iii)前記バリヤー・フィルム層が、前記フルオロポリマー・フィルム層および前記第3のフィルム層のいずれかへの接着性を向上するように処理されている
のいずれかである、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項23】
前記フルオロポリマー・フィルム層、前記第3のフィルム層、および前記バリヤー・フィルム層のいずれかが、プラズマ・エッチング、化学エッチング、コロナ放電、フレーム溶射、電子ビーム照射、イオン・エッチング、ドーピング、粘着性付与、および機械的研磨のいずれかによって処理された、請求項22に記載の容器ライナー。
【請求項24】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、ならびに(ii)前記バリヤー・フィルム層および前記第3のフィルム層の各々が、このような処理の後に、その隣接する表面の少なくとも周辺部分に沿って約5ダイン/cm以下の表面エネルギー差を有する、請求項22に記載の容器ライナー。
【請求項25】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、ならびに(ii)前記バリヤー・フィルム層および前記第3のフィルム層の各々が、このような処理の後に、その隣接する表面の少なくとも周辺部分に沿って約2ダイン/cm以下の表面エネルギー差を有する、請求項22に記載の容器ライナー。
【請求項26】
前記バリヤー・フィルムが、約0.5ミル(13ミクロン)〜約10ミル(250ミクロン)の範囲の厚さを有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項27】
前記バリヤー・フィルムが、約0.5ミル(13ミクロン)〜約2ミル(50ミクロン)の範囲の厚さを有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項28】
前記少なくとも1つのシートが、約3ミル(75ミクロン)〜約7ミル(175ミクロン)の範囲の厚さを有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項29】
前記第3のフィルム層が、
(i)前記フッ化ポリマー層と実質的に同一の組成、
(ii)前記フッ化ポリマー層と実質的に同一の熱膨張係数、
(iii)前記バリヤー層より実質的に高い融解温度、
(iv)その融点の少なくとも90パーセントの絶対温度に加熱した場合、実質的に粘着しない表面特性
のいずれかによって特徴付けられる、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項30】
前記第3のフィルム層が、前記フッ化ポリマー層と実質的に同一の組成を有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項31】
前記第3のフィルム層が、前記フッ化ポリマー層と実質的に同一の熱膨張係数を有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項32】
前記第3のフィルム層が、前記バリヤー層より実質的に高い融解温度を有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項33】
前記第3のフィルム層が、その融点の少なくとも90パーセントの絶対温度に加熱したときに実質的に粘着しない表面特性を有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項34】
前記第3のフィルム層が、フルオロポリマー材料を含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項35】
前記第3のフィルム層が、前記フルオロポリマー・フィルム層と実質的に同一の厚さを有する、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項36】
前記第3のフィルム層が、中密度ポリエチレン(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、MDPEとブレンドしたLLDPE、ポリアミド、エチレンビニルアルコール(EVOH)、および高密度ポリエチレン(HDPE)のいずれかを含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項37】
前記フルオロポリマー・フィルム層、前記バリヤー層、および前記第3の層の少なくとも1つが、ブロック防止剤を含む、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項38】
前記ブロック防止剤が珪藻土を含む、請求項37に記載の容器ライナー。
【請求項39】
前記ライナーからの材料の、外部加圧による分配に適合された、請求項1に記載の容器ライナー。
【請求項40】
オーバーパック容器内に配置された請求項1に記載の容器ライナーを含み、前記容器が、前記少なくとも1つのシートより実質的に硬質である、材料保管および分配パッケージ。
【請求項41】
前記容器の内側表面および前記ライナーの外側表面が、加圧可能な空間の境界を画し、前記容器が、前記加圧可能な空間を加圧するよう適合された膨張ガス源と接続しており、それによって前記ライナーの内容物を分配する、請求項40に記載の材料保管および分配パッケージ。
【請求項42】
前記ライナーが化学試薬を保持する、請求項40に記載の材料保管および分配パッケージ。
【請求項43】
前記化学試薬が、マイクロ電子デバイス製造のための試薬を含む、請求項42に記載の材料保管および分配パッケージ。
【請求項44】
マイクロ電子デバイス製造のための前記試薬が、フォトレジストを含む、請求項43に記載の材料保管および分配パッケージ。
【請求項45】
試薬を供給する関係で、マイクロ電子デバイス製造ツールと連結している、請求項43に記載の材料保管および分配パッケージ。
【請求項46】
前記化学試薬が、前記ライナー中にゼロまたはゼロに近いヘッド・スペース構造で保持される、請求項42に記載の材料保管および分配パッケージ。
【請求項47】
前記ライナーが、圧力分配操作による前記ライナーからの化学試薬の排出に適合された分配アセンブリに連結している、請求項41に記載の材料保管および分配パッケージ。
【請求項48】
材料を、請求項1に記載のライナー中にパッケージングするステップを含む、分配のために純粋状態の材料を供給する方法。
【請求項49】
前記分配が、圧力分配操作を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記材料が、マイクロ電子デバイス製造のための化学試薬を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記ライナーから前記材料を分配するステップをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記分配された材料が、マイクロ電子デバイス製造ツールに流れる、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
その部分に沿って接着されて、内部容積の境界を画する少なくとも1つの周辺シームを形成する少なくとも1つのシートを含み、前記少なくとも1つのシートが、フルオロポリマー・フィルム層、バリヤー・フィルム層、および第3のフィルム層を含み、(i)前記フルオロポリマー・フィルム層が、少なくともその周辺部分に沿って前記バリヤー・フィルム層に接着され、(ii)前記第3の層が、少なくともその周辺部分に沿って前記バリヤー・フィルム層に接着されている容器ライナーであって、前記フルオロポリマー・フィルム層および前記第3のフィルム層の少なくとも1つが、前記バリヤー・フィルム層に周辺が接着されており、前記少なくとも1つのシート内でそれらの間にギャップまたはポケットを画定し、前記フルオロポリマー・フィルム層が前記内部容積と接触する、容器ライナー。
【請求項54】
前記少なくとも1つのシートが、第1のシートおよび第2のシートを含む、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項55】
前記フルオロポリマー・フィルム層と前記バリヤー・フィルム層との間の接着、および前記第3の層と前記バリヤー・フィルム層との間の接着が、共通ラミネーション部および共通溶着部を含む、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項56】
前記共通ラミネーション部および前記共通溶着部が実質的に一致する、請求項55に記載の容器ライナー。
【請求項57】
前記共通ラミネーション部が、前記少なくとも1つのシートの端に対して、前記共通溶着部から0.25インチ(6.4mm)以下だけ内側に配置されている、請求項55に記載の容器ライナー。
【請求項58】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層が実質的にその全体の大部分の表面に沿って接着され、または(ii)前記バリヤー・フィルム層および前記第3のフィルム層が実質的にその全体の大部分の表面に沿って接着されている、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項59】
前記少なくとも1つのシートのいずれかに接着している開口部画定フィットメントをさらに含み、前記フィットメントが、前記少なくとも1つのシートより実質的に硬質である、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項60】
前記バリヤー・フィルムが、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリモノクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、液晶ポリマー(LCP)、金属、酸化物、炭素、有機・無機複合材料、および上記のいずれかのブレンド、複合材料、コーティング、または組合せのいずれかを含む、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項61】
前記フルオロポリマー・フィルムが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、および上記の2つ以上のブレンド、複合材料、または組合せのいずれかを含む、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項62】
前記第3のフィルム層が、
(i)前記フッ化ポリマー層と実質的に同一の組成、
(ii)前記フッ化ポリマー層と実質的に同一の熱膨張係数、
(iii)前記バリヤー層より実質的に高い融解温度、
(iv)その融点の少なくとも90パーセントの絶対温度に加熱した場合、実質的に粘着しない表面特性
のいずれかを特徴とする、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項63】
前記第3のフィルム層が、フルオロポリマー材料を含む、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項64】
前記少なくとも1つのシートが、約3ミル(75ミクロン)〜約7ミル(175ミクロン)の範囲の厚さを有する、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項65】
前記フルオロポリマー・フィルム層、前記バリヤー・フィルム層、および前記第3のフィルム層のいずれかが、接着性を向上するように処理された、請求項53に記載の容器ライナー。
【請求項66】
少なくとも1つのシートをその部分に沿って接着し、内部容積の境界を画する少なくとも1つの周辺シームを形成するステップを含み、前記少なくとも1つのシートが、(i)少なくともその周辺部分に沿ってバリヤー・フィルム層に接着されるフルオロポリマー・フィルム層、および(ii)少なくともその周辺部分に沿って前記バリヤー・フィルム層に接着される第3の層を含み、前記フルオロポリマー・フィルム層が、前記内部容積と接触し、前記バリヤー・フィルム層が、前記フルオロポリマー・フィルム層と前記第3の層との間に配置されている、方法。
【請求項67】
前記少なくとも1つのポリマー・シートが、第1のシートおよび第2のシートを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記少なくとも1つの周辺シームの形成が、同時に前記少なくとも1つのシートの(i)前記フルオロポリマー・フィルム層と前記バリヤー・フィルム層の間、および(ii)前記バリヤー・フィルム層と前記第3のフィルム層の間の接着を行う、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
開口部画定フィットメントを、前記少なくとも1つのシートのいずれかに接着するステップをさらに含み、前記フィットメントが、前記少なくとも1つのシートより実質的に硬質である、請求項66に記載の方法。
【請求項70】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、ならびに(ii)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記第3の層、
前記フルオロポリマー・フィルム層、前記バリヤー・フィルム層、および前記第3の層を、その周辺部分に沿ってラミネートして、ラミネーション部を形成するステップと、
前記フルオロポリマー・フィルム層、前記バリヤー・フィルム層、および前記第3の層を、その周辺部分に沿って溶着して、溶着部を形成するステップと
をさらに含み、
ギャップまたはポケットが、前記少なくとも1つのシート内の(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、ならびに(ii)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記第3の層のいずれかの間に形成される、請求項66に記載の方法。
【請求項71】
前記ラミネーション部および前記溶着部が実質的に一致する、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記ラミネーション部が、前記少なくとも1つのシートの端に対して、前記溶着部から0.25インチ(6.4mm)以下だけ内側に配置されている、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記フルオロポリマー・フィルム層、前記バリヤー・フィルム層、および前記第3のフィルム層のいずれかを処理し、(i)前記フルオロポリマー・フィルム層と前記バリヤー・フィルム層、および(ii)前記バリヤー・フィルム層と前記第3のフィルム層、のいずれかの間の接着を向上させるステップをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項74】
前記処理が、プラズマ・エッチング、化学エッチング、コロナ放電、フレーム溶射、電子ビーム照射、イオン・エッチング、ドーピング、粘着性付与、および機械的研磨のいずれかを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、ならびに(ii)前記バリヤー・フィルム層および前記第3のフィルム層の各々が、このような処理の後に、その隣接する表面の少なくとも周辺部分に沿って約5ダイン/cm以下の表面エネルギー差を有する、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、ならびに(ii)前記バリヤー・フィルム層および前記第3のフィルム層の各々が、このような処理の後に、その隣接する表面の少なくとも周辺部分に沿って約2ダイン/cm以下の表面エネルギー差を有する、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
(i)前記フルオロポリマー・フィルム層および前記バリヤー・フィルム層、ならびに(ii)前記バリヤー・フィルム層および前記第3のフィルム層のいずれかを、実質的にその全体の大部分の表面に沿って接着して、前記少なくとも1つのシートを形成するステップをさらに含む、請求項C1に記載の方法。
【請求項78】
前記バリヤー・フィルムが、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリモノクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、金属、酸化物、炭素、有機・無機複合材料、および上記の2つ以上のブレンド、複合材料、コーティング、または組合せのいずれかを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項79】
前記フルオロポリマー・フィルムが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、および上記の2つ以上のブレンド、複合材料、または組合せのいずれかを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項80】
前記第3のフィルム層が、
(i)前記フッ化ポリマー層と実質的に同一の組成、
(ii)前記フッ化ポリマー層と実質的に同一の熱膨張係数、
(iii)前記バリヤー層より実質的に高い融解温度、
(iv)その融点の少なくとも90パーセントの絶対温度に加熱した場合、実質的に粘着しない表面特性
のいずれかを特徴とする、請求項66に記載の方法。
【請求項81】
前記第3のフィルム層が、フルオロポリマー材料を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項82】
前記ライナーを、オーバーパック容器に挿入するステップをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項83】
前記ライナーと前記オーバーパック容器との間の加圧可能な空間に圧力をかけ、前記ライナーの任意の内容物を分配するステップをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項84】
前記ライナー中に実質的に純粋状態の材料をパッケージングするステップをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項85】
前記ライナーから半導体またはマイクロ電子デバイス製造のための化学試薬を分配するステップをさらに含む、請求項84に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【公表番号】特表2009−539706(P2009−539706A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513480(P2009−513480)
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/070260
【国際公開番号】WO2007/143579
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/070260
【国際公開番号】WO2007/143579
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】
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