パケット伝送方法
【課題】無線帯域の効率的な利用とデータ伝送の信頼性向上との両立が可能なパケット伝送方法を提供する。
【解決手段】送信端ノードから1回の送信での伝送データを受信した周囲の各中継ノードが、そのノードから宛先無線ノードまでの経路に沿ってデータを送信する。また各中継ノードから1回の送信での伝送データを受信した周囲の各中継ノードが、そのノードから宛先無線ノードまでの経路に沿ってデータを送信する。これを繰り返してデータを宛先無線ノードまで到達させることにより、擬似的な複数伝送経路を構成して冗長伝送を行う。さらに、データ欠落に対する補償のため、各ノードにてさらに伝送データを時系列で蓄積する機構を設ける。各ノードでは宛先無線ノードから与えられる受信完了データの発信時刻情報に基づき、その発信時刻以前の蓄積データを廃棄し、その発信時刻以降の伝送データを継続蓄積して送信することにより、効率的な補償を行う。
【解決手段】送信端ノードから1回の送信での伝送データを受信した周囲の各中継ノードが、そのノードから宛先無線ノードまでの経路に沿ってデータを送信する。また各中継ノードから1回の送信での伝送データを受信した周囲の各中継ノードが、そのノードから宛先無線ノードまでの経路に沿ってデータを送信する。これを繰り返してデータを宛先無線ノードまで到達させることにより、擬似的な複数伝送経路を構成して冗長伝送を行う。さらに、データ欠落に対する補償のため、各ノードにてさらに伝送データを時系列で蓄積する機構を設ける。各ノードでは宛先無線ノードから与えられる受信完了データの発信時刻情報に基づき、その発信時刻以前の蓄積データを廃棄し、その発信時刻以降の伝送データを継続蓄積して送信することにより、効率的な補償を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マルチホップ型の無線メッシュネットワークを形成する無線伝送システムにおけるパケット伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば事業所プラントなどにおいて各種の計測制御情報を収集するには、従来から有線媒体が用いられている。しかしながら近年の施設の肥大化、複雑化に伴って情報通信インフラの設置場所が制限されるようになってきており、このような設備を無線化することが要求されている。しかし従来の無線伝送技術は伝送の信頼性、すなわちデータ欠落に対する保証に重点を置いていないので、計測データの収集などにはそのまま適用することはできないのが現状である。
【0003】
また、大規模災害地域、建設・工事現場、イベント会場などといった環境・状況下において、作業者間の連絡などのために、公衆網を介さずにプライベートかつテンポラリな通話網を構築したいという要求がある。このような用途に、マルチホップ型の無線メッシュネットワークを形成する無線伝送システムが注目されている。この種の用途に用いられる無線データ伝送の信頼性を向上させるため、送信端(データ発信)ノード〜受信端(データ集約)ノード間のマルチホップ(複数ノード経由)無線伝送において、重なり合わない伝送経路を複数設けて並行に冗長な伝送を行う手法、例えばMDR(Multipath on-Demand Routing)などが考案されている。
【非特許文献1】Reliable Splitted Multipath Routing for Wireless Sensor Networks: J. Wu, S. Dulman, P. Havinga; Building Intelligent Sensor Networks (BISON'04), Wuhan, China, October 2004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら一般的な無線インタフェースは共有メディア型で半二重の通信を行うものが殆どであり、1回のパケット送信においてその周囲の受信可能ノード全てに対してデータ伝送する分の無線帯域が使用される。このような環境下で複数伝送経路による冗長伝送を行うと、さらに経路本数分の無線帯域が占有されることになる。このような状況のもとでは必要以上に冗長な帯域が使用されることになり通信の効率が著しく阻害されるので、何らかの改善策が求められている。
この発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、無線帯域の効率的な利用とデータ伝送にかかる信頼性の向上との両立が可能なパケット伝送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためにこの発明の一態様によれば、複数の無線ノードにより形成される無線ネットワーク内に設定される伝送経路を介してパケットをマルチホップ伝送する無線伝送システムにおける前記パケットの伝送方法であって、前記パケットの送信端である無線ノードから送信された前記パケットを受信した無線ノードのそれぞれが、当該受信したパケットを前記伝送経路に沿って中継配信する第1ステップと、前記無線ノードから中継配信された前記パケットを受信した無線ノードのそれぞれが、当該受信したパケットを前記伝送経路に沿って中継配信する第2ステップとを具備し、前記第1および第2ステップを、前記パケットがその宛先無線ノードに到達するまで繰り返すことを特徴とするパケット伝送方法が提供される。
【0006】
このような手段を講じることにより、複数の伝送経路が擬似的に形成される。すなわち送信端ノードから放射された無線パケットは1ホップ下流側の複数のノードに受信されたのち、各ノードから個々の伝送系路上に向けて再放射される。これが繰り返されることによって、送信端から宛先まで単一のルートではなく、複数のルートを確保することが可能になる。従って通信の信頼性を高められるとともに、各ノードごとに予め予備ルートを形成しておく必要がない。従って無線帯域の利用効率を飛躍的に高めることが可能になる。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、無線帯域の効率的な利用とデータ伝送にかかる信頼性の向上との両立が可能なパケット伝送方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、この発明に係わる無線伝送システムの実施の形態を示すシステム図である。このシステムは複数の無線端末11〜17を備えてマルチホップ型の無線メッシュネットワークを形成する。特に、無線端末11〜17間での通信経路の設定や同期処理などは各無線端末11〜17の互いの自立分散処理により実施され、そのためのサーバを要しないアドホックネットワークが形成される。
【0009】
無線端末11〜17間の通信経路は両矢印により示される。この通信経路は固定的ではなく時間の経過、および個々の無線端末11〜17の移動に応じて、ルーティングプロトコルのもとで更新設定される。この種のネットワークでは、無線パケットがその送出元から宛先まで1または複数の無線端末を経由するマルチホップ伝送が行われる。
【0010】
[第1の実施形態]
図2は、図1のシステムのもとで形成される無線ネットワークの一例を示す図である。図2において各ノードに符号A〜Gを付して示す。パケットの送信端ノードをノードAとし、ノードAからのパケットの宛先無線ノードをノードDとする。各ノードごとに、無線パスによる伝送リンクの設定可能なノードを周辺ノードと称する。例えばノードAの周辺ノードはノードB,G,Eである。伝送リンクを設定可能であるか否かは、主としてノード間の電波状態による。
【0011】
図2において、各ノードを中心とする点線の円が各ノードからの電波の到達圏である。例えばノードAの電波圏内にはノードB,G,Fが在り、ノードAから送出されたパケットはノードB,G,Fにより受信されたのち、それぞれ中継配信される。点線矢印は各ノードに対しルーティングプロトコルにより設定される伝送経路であり、例えばテーブル化されて各ノードに記憶される。なお各ノードを結ぶ白抜きの線はノード間の最短距離を模式的に示すもので、物理的実体はない。図2以降において、パケットの送信タイミングをTで示す。T=0の時点からパケットの送出が開始されたとし、いずれかのノードにおいてパケットが中継配信されるたびにTの値が増えるとする。
【0012】
図2において、各ノードはそれぞれT=0における各自の伝送データを記憶している。例えばPacket:として示す四角いマス目にA0とあるのは、T=0におけるノードAの伝送データパケットを示す。この状態から図3に示すようにT=1においてノードAからパケットが送出されると、ノードB,G,FにおいてA1が記憶される。A1は、ノードAがT=1で送出したパケットを示す。次にT=2では、図4に示すようにノードGから中継配信されたパケットA1がノードC,D,Eに達し、これらのノードでパケットA1が記憶される。この段階で1つの伝送経路が確保されている。
【0013】
一方、T=3では図5に示すように、ノードBから中継配信されたパケットA1がノードC,Gに達し、これらのノードでパケットA1が記憶される。次のT=4では図6に示すように、ノードCから中継配信されたパケットA1がノードD(B,G)に達する。ここで、2つ目の伝送経路が確保される。さらに、T=5(図7)ではノードC、T=6(図8)ではノードE、T=7(図9)ではノードE、T=8(図10)ではノードEを経由して、T=9(図11)ではノードGを経由して、いずれもパケットA1が中継配信される。以上のように、ノードAからが送信されたパケットA1は、図4,図11でノードGが中継し、ノードDに届く。同様に図5,図6,図7でノードBからノードCを中継して、図9,図10,図11で及びノードFからノードEを中継して、いずれもノードDに届くこととなる。このようにして、ノードAから送信したパケットA1は、A→G→D、A→B→C→D、およびA→F→E→Dの3つの経路を経由してノードDに届く。従って複数の経路による冗長伝送が実現される。なお図2〜図11においては、伝送されるパケットの内容、および各ノードで蓄積されるデータは単一時刻のものであり、パケットを受信したノードは受信後直ちに、あるいはタイマなどで設定された周期的な送信タイミングのたびごとに中継配信を行う。次に、異なる実施形態を説明する。
【0014】
[第2の実施形態]
図12に示すように、図2と同様の伝送経路が設定されているとする。この状態から図13に示すようにT=1においてノードAからパケットA1が送出されると、T=2で図14に示すようにノードGにより中継配信され、ノードDに届く。このときノードB,FにおいてもパケットA1が受信されている。
【0015】
次に、T=3において、ノードBが自ノードを送信端とするパケットB3を送出するとする。その際ノードBは図15に示すように、ノードAから受信したパケットA1を併せて送出する。この状態では図16に示すように、T=4でパケットA1,B3がノードCに記憶される。さらに、T=5で、ノードCが自ノードを送信端とするパケットC5を送出するとき、それに併せて図17に示すようにノードCは、パケットA1,B3,C5をノードDに中継配信する。
【0016】
同様にして、T=7では図18に示すように、ノードEが自ノードを送信端とするパケットE7を送出するとき、それに併せて図18に示すようにパケットA1,E7が送出される。T=8(図19)では、ノードFからパケットA1,E7,F8がまとめて送出され、T=9(図20)でノードEを経由してこれらのパケットがノードDに届く。さらにT=10では、ノードGからのパケットG10が、パケットA1,B3,C5,E7,F8とともにノードDに届けられる。このように各ノードにおいて受信したパケットを、そのノード自信を発信元とするパケットの送信タイミングと併せて中継配信するようにしても良い。次に、異なる実施形態を説明する。
【0017】
[第3の実施形態]
図22に示すように、図2と同様の伝送経路が設定されているとする。各ノードA〜Gは伝送パケットを時系列で格納する機構を持つ。図23(T=1)でノードAが送信したデータ時系列は、図24(T=2)でノードGを中継して、ノードDに達する。併せて、その時点でのノードGの送信データ時系列もノードDに送信される。
【0018】
次に、図25(T=2)でノードAからのデータ時系列を受信したノードDは、ノードAに対してAcknowledgementメッセージを返送する。このメッセージは、ノードDが受信完了したデータの発信時刻を示す。図25には、ノードAの時刻T=1までのデータ、ノードDのT=0、ノードGのT=0までのデータが、ノードDに蓄積されていることが示される。
【0019】
Acknowledgementメッセージを受信したノードAはこれ以降、ノードAの時刻T=1、ノードDのT=0、ノードGのT=0までの蓄積データを廃棄し、ノードAの時刻T=2、ノードDのT=1、ノードGのT=1以降のデータ時系列を受信した際、これを蓄積する。
【0020】
同様に、図23(T=1)でノードAが送信したデータ時系列は、図26(T=3)でノードB、図27(T=4)でノードCを中継して、ノードDに達する。そうするとT=4の時点で、AcknowledgementメッセージがノードDからノードC,Bを経由してノードAに返送される。図29はノードGのデータ時系列送信に対するAcknowledgementメッセージの返送が完了した状態を示す。
【0021】
ここで、図30(T=8)でノードFが送信したデータ時系列がノードEを経由する際(図31(T=9))、無線伝送の障害などにより周辺ノード(ここではノードG)へ届かなかったとする。この場合、引き続くT=10(図32)でノードGがデータ時系列を送信する際、合わせてノードFから送信されたデータ時系列がノードDに届けられる。従って図30でのノードFにおける送信データ時系列の受信欠落を補償することができる。
【0022】
この実施形態では、上流からのパケットを受信した各ノードにおいて、受信したパケットの時系列を蓄積し、自ノードの送信タイミングと併せて、蓄積したパケットを中継配信する。パケットが最終的に宛先ノードに達すると、宛先ノードはAcknowledgmentを送出してパケットの受信完了を各ノードに通知する。Acknowledgmentには受信したパケットの発信時刻を記すことで、各ノードはその発信時刻以前の蓄積パケットの時系列を廃棄するとともに、その発信時刻以降のパケットの時系列を継続蓄積し、次の送信タイミングで送信するようにしている。このようにしたので、パケット喪失に対する耐性を高めることができる。
【0023】
[第4の実施形態]
図33に示すように、図2と同様の伝送経路が設定されているとする。この状態から図34(T=1)において、で宛先無線ノードDから送信端ノードAに対してトークンメッセージが返送される。このメッセージには、既にノードDにおいて受信が完了したパケットの発信時刻が示される。図34のトークンメッセージでは、ノードAからのT=0(データ収集開始以前)以降のデータ時系列の送信を要求している。
【0024】
図35,図36ではこのトークンメッセージに対応し、ノードAがノードGを中継してノードDにT=1でのデータ時系列を送信している。図36のネットワーク状態は、図24と同様である。ノードB以降のデータ時系列送信後のネットワーク状態も、図25以降と同様となる。
【0025】
この実施形態では、宛先ノードからトークンメッセージにより、複数の中継ノードのいずれかを指定して送信権を与えるとともに、既に受信完了したパケットの発信時刻を通知する。送信権を得たノードは、トークンメッセージ内の発信時刻以前の蓄積パケットの時系列を廃棄し、その発信時刻以降の伝送パケットの時系列を継続蓄積する。そして、その継続蓄積したパケットの時系列を送信した後、宛先無線ノードに向けて送信済みメッセージを返送する。以上の手順を繰り返すことにより、パケットの送信権を順次1ノードずつに割り当てるようにしている。
【0026】
以上述べたように上記各実施形態では、送信端ノードから1回の送信での伝送データを受信した周囲の各中継ノードが、そのノードから宛先無線ノードまでの経路に沿ってデータを送信する。また各中継ノードから1回の送信での伝送データを受信した周囲の各中継ノードが、そのノードから宛先無線ノードまでの経路に沿ってデータを送信する。これを繰り返してデータを宛先無線ノードまで到達させることにより、擬似的な複数伝送経路を構成して冗長伝送を行うようにした。さらに、データ欠落に対する補償のため、各ノードにてさらに伝送データを時系列で蓄積する機構を設けるようにする。各ノードでは宛先無線ノードから与えられる受信完了データの発信時刻情報に基づき、その発信時刻以前の蓄積データを廃棄し、その発信時刻以降の伝送データを継続蓄積して送信することにより、効率的な補償を行うようにしている。これらのことから、無線帯域の効率的な利用とデータ伝送にかかる信頼性の向上との両立が可能なパケット伝送方法を提供することが可能となる。
【0027】
なお、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明に係わる無線伝送システムの実施の形態を示すシステム図。
【図2】第1の例示ネットワークを示す図。
【図3】ノードAがパケットを送信した状態を示す図。
【図4】ノードAに引き続きノードGがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図5】ノードBがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図6】ノードBに引き続きノードCがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図7】ノードCがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図8】ノードEがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図9】ノードFがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図10】ノードFに引き続きノードEがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図11】ノードGがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図12】第2の例示ネットワークを示す図。
【図13】ノードAがパケットを送信した状態を示す図。
【図14】ノードGがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図15】ノードBがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図16】ノードCがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図17】ノードCがパケットを送信した状態を示す図。
【図18】ノードEがパケットを送信した状態を示す図。
【図19】ノードFがパケットを送信した状態を示す図。
【図20】ノードEがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図21】ノードGがパケットを送信した状態を示す図。
【図22】第3の例示ネットワークを示す図。
【図23】ノードAがパケットを送信した状態を示す図。
【図24】ノードGがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図25】ノードDがノードAにAcknowledgementメッセージを送信した状態を示す図。
【図26】ノードBがパケットを送信した状態を示す図。
【図27】ノードCがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図28】ノードDがノードBにAcknowledgementメッセージを送信した状態を示す図。
【図29】ノードDがノードGにAcknowledgementメッセージを送信した状態を示す図。
【図30】ノードFがパケットを送信した状態を示す図。
【図31】ノードEがパケットを中継配信失敗した状態を示す図。
【図32】ノードGからのパケット送信によりノードFからの送信データも補償した状態を示す図。
【図33】第4の例示ネットワークを示す図。
【図34】ノードDがノードAにTokenメッセージを送信した状態を示す図。
【図35】ノードAがパケットを送信した状態を示す図。
【図36】ノードGがパケットを中継配信した状態を示す図。
【符号の説明】
【0029】
11〜17…無線端末、A〜G…ノード
【技術分野】
【0001】
この発明は、マルチホップ型の無線メッシュネットワークを形成する無線伝送システムにおけるパケット伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば事業所プラントなどにおいて各種の計測制御情報を収集するには、従来から有線媒体が用いられている。しかしながら近年の施設の肥大化、複雑化に伴って情報通信インフラの設置場所が制限されるようになってきており、このような設備を無線化することが要求されている。しかし従来の無線伝送技術は伝送の信頼性、すなわちデータ欠落に対する保証に重点を置いていないので、計測データの収集などにはそのまま適用することはできないのが現状である。
【0003】
また、大規模災害地域、建設・工事現場、イベント会場などといった環境・状況下において、作業者間の連絡などのために、公衆網を介さずにプライベートかつテンポラリな通話網を構築したいという要求がある。このような用途に、マルチホップ型の無線メッシュネットワークを形成する無線伝送システムが注目されている。この種の用途に用いられる無線データ伝送の信頼性を向上させるため、送信端(データ発信)ノード〜受信端(データ集約)ノード間のマルチホップ(複数ノード経由)無線伝送において、重なり合わない伝送経路を複数設けて並行に冗長な伝送を行う手法、例えばMDR(Multipath on-Demand Routing)などが考案されている。
【非特許文献1】Reliable Splitted Multipath Routing for Wireless Sensor Networks: J. Wu, S. Dulman, P. Havinga; Building Intelligent Sensor Networks (BISON'04), Wuhan, China, October 2004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら一般的な無線インタフェースは共有メディア型で半二重の通信を行うものが殆どであり、1回のパケット送信においてその周囲の受信可能ノード全てに対してデータ伝送する分の無線帯域が使用される。このような環境下で複数伝送経路による冗長伝送を行うと、さらに経路本数分の無線帯域が占有されることになる。このような状況のもとでは必要以上に冗長な帯域が使用されることになり通信の効率が著しく阻害されるので、何らかの改善策が求められている。
この発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、無線帯域の効率的な利用とデータ伝送にかかる信頼性の向上との両立が可能なパケット伝送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためにこの発明の一態様によれば、複数の無線ノードにより形成される無線ネットワーク内に設定される伝送経路を介してパケットをマルチホップ伝送する無線伝送システムにおける前記パケットの伝送方法であって、前記パケットの送信端である無線ノードから送信された前記パケットを受信した無線ノードのそれぞれが、当該受信したパケットを前記伝送経路に沿って中継配信する第1ステップと、前記無線ノードから中継配信された前記パケットを受信した無線ノードのそれぞれが、当該受信したパケットを前記伝送経路に沿って中継配信する第2ステップとを具備し、前記第1および第2ステップを、前記パケットがその宛先無線ノードに到達するまで繰り返すことを特徴とするパケット伝送方法が提供される。
【0006】
このような手段を講じることにより、複数の伝送経路が擬似的に形成される。すなわち送信端ノードから放射された無線パケットは1ホップ下流側の複数のノードに受信されたのち、各ノードから個々の伝送系路上に向けて再放射される。これが繰り返されることによって、送信端から宛先まで単一のルートではなく、複数のルートを確保することが可能になる。従って通信の信頼性を高められるとともに、各ノードごとに予め予備ルートを形成しておく必要がない。従って無線帯域の利用効率を飛躍的に高めることが可能になる。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、無線帯域の効率的な利用とデータ伝送にかかる信頼性の向上との両立が可能なパケット伝送方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、この発明に係わる無線伝送システムの実施の形態を示すシステム図である。このシステムは複数の無線端末11〜17を備えてマルチホップ型の無線メッシュネットワークを形成する。特に、無線端末11〜17間での通信経路の設定や同期処理などは各無線端末11〜17の互いの自立分散処理により実施され、そのためのサーバを要しないアドホックネットワークが形成される。
【0009】
無線端末11〜17間の通信経路は両矢印により示される。この通信経路は固定的ではなく時間の経過、および個々の無線端末11〜17の移動に応じて、ルーティングプロトコルのもとで更新設定される。この種のネットワークでは、無線パケットがその送出元から宛先まで1または複数の無線端末を経由するマルチホップ伝送が行われる。
【0010】
[第1の実施形態]
図2は、図1のシステムのもとで形成される無線ネットワークの一例を示す図である。図2において各ノードに符号A〜Gを付して示す。パケットの送信端ノードをノードAとし、ノードAからのパケットの宛先無線ノードをノードDとする。各ノードごとに、無線パスによる伝送リンクの設定可能なノードを周辺ノードと称する。例えばノードAの周辺ノードはノードB,G,Eである。伝送リンクを設定可能であるか否かは、主としてノード間の電波状態による。
【0011】
図2において、各ノードを中心とする点線の円が各ノードからの電波の到達圏である。例えばノードAの電波圏内にはノードB,G,Fが在り、ノードAから送出されたパケットはノードB,G,Fにより受信されたのち、それぞれ中継配信される。点線矢印は各ノードに対しルーティングプロトコルにより設定される伝送経路であり、例えばテーブル化されて各ノードに記憶される。なお各ノードを結ぶ白抜きの線はノード間の最短距離を模式的に示すもので、物理的実体はない。図2以降において、パケットの送信タイミングをTで示す。T=0の時点からパケットの送出が開始されたとし、いずれかのノードにおいてパケットが中継配信されるたびにTの値が増えるとする。
【0012】
図2において、各ノードはそれぞれT=0における各自の伝送データを記憶している。例えばPacket:として示す四角いマス目にA0とあるのは、T=0におけるノードAの伝送データパケットを示す。この状態から図3に示すようにT=1においてノードAからパケットが送出されると、ノードB,G,FにおいてA1が記憶される。A1は、ノードAがT=1で送出したパケットを示す。次にT=2では、図4に示すようにノードGから中継配信されたパケットA1がノードC,D,Eに達し、これらのノードでパケットA1が記憶される。この段階で1つの伝送経路が確保されている。
【0013】
一方、T=3では図5に示すように、ノードBから中継配信されたパケットA1がノードC,Gに達し、これらのノードでパケットA1が記憶される。次のT=4では図6に示すように、ノードCから中継配信されたパケットA1がノードD(B,G)に達する。ここで、2つ目の伝送経路が確保される。さらに、T=5(図7)ではノードC、T=6(図8)ではノードE、T=7(図9)ではノードE、T=8(図10)ではノードEを経由して、T=9(図11)ではノードGを経由して、いずれもパケットA1が中継配信される。以上のように、ノードAからが送信されたパケットA1は、図4,図11でノードGが中継し、ノードDに届く。同様に図5,図6,図7でノードBからノードCを中継して、図9,図10,図11で及びノードFからノードEを中継して、いずれもノードDに届くこととなる。このようにして、ノードAから送信したパケットA1は、A→G→D、A→B→C→D、およびA→F→E→Dの3つの経路を経由してノードDに届く。従って複数の経路による冗長伝送が実現される。なお図2〜図11においては、伝送されるパケットの内容、および各ノードで蓄積されるデータは単一時刻のものであり、パケットを受信したノードは受信後直ちに、あるいはタイマなどで設定された周期的な送信タイミングのたびごとに中継配信を行う。次に、異なる実施形態を説明する。
【0014】
[第2の実施形態]
図12に示すように、図2と同様の伝送経路が設定されているとする。この状態から図13に示すようにT=1においてノードAからパケットA1が送出されると、T=2で図14に示すようにノードGにより中継配信され、ノードDに届く。このときノードB,FにおいてもパケットA1が受信されている。
【0015】
次に、T=3において、ノードBが自ノードを送信端とするパケットB3を送出するとする。その際ノードBは図15に示すように、ノードAから受信したパケットA1を併せて送出する。この状態では図16に示すように、T=4でパケットA1,B3がノードCに記憶される。さらに、T=5で、ノードCが自ノードを送信端とするパケットC5を送出するとき、それに併せて図17に示すようにノードCは、パケットA1,B3,C5をノードDに中継配信する。
【0016】
同様にして、T=7では図18に示すように、ノードEが自ノードを送信端とするパケットE7を送出するとき、それに併せて図18に示すようにパケットA1,E7が送出される。T=8(図19)では、ノードFからパケットA1,E7,F8がまとめて送出され、T=9(図20)でノードEを経由してこれらのパケットがノードDに届く。さらにT=10では、ノードGからのパケットG10が、パケットA1,B3,C5,E7,F8とともにノードDに届けられる。このように各ノードにおいて受信したパケットを、そのノード自信を発信元とするパケットの送信タイミングと併せて中継配信するようにしても良い。次に、異なる実施形態を説明する。
【0017】
[第3の実施形態]
図22に示すように、図2と同様の伝送経路が設定されているとする。各ノードA〜Gは伝送パケットを時系列で格納する機構を持つ。図23(T=1)でノードAが送信したデータ時系列は、図24(T=2)でノードGを中継して、ノードDに達する。併せて、その時点でのノードGの送信データ時系列もノードDに送信される。
【0018】
次に、図25(T=2)でノードAからのデータ時系列を受信したノードDは、ノードAに対してAcknowledgementメッセージを返送する。このメッセージは、ノードDが受信完了したデータの発信時刻を示す。図25には、ノードAの時刻T=1までのデータ、ノードDのT=0、ノードGのT=0までのデータが、ノードDに蓄積されていることが示される。
【0019】
Acknowledgementメッセージを受信したノードAはこれ以降、ノードAの時刻T=1、ノードDのT=0、ノードGのT=0までの蓄積データを廃棄し、ノードAの時刻T=2、ノードDのT=1、ノードGのT=1以降のデータ時系列を受信した際、これを蓄積する。
【0020】
同様に、図23(T=1)でノードAが送信したデータ時系列は、図26(T=3)でノードB、図27(T=4)でノードCを中継して、ノードDに達する。そうするとT=4の時点で、AcknowledgementメッセージがノードDからノードC,Bを経由してノードAに返送される。図29はノードGのデータ時系列送信に対するAcknowledgementメッセージの返送が完了した状態を示す。
【0021】
ここで、図30(T=8)でノードFが送信したデータ時系列がノードEを経由する際(図31(T=9))、無線伝送の障害などにより周辺ノード(ここではノードG)へ届かなかったとする。この場合、引き続くT=10(図32)でノードGがデータ時系列を送信する際、合わせてノードFから送信されたデータ時系列がノードDに届けられる。従って図30でのノードFにおける送信データ時系列の受信欠落を補償することができる。
【0022】
この実施形態では、上流からのパケットを受信した各ノードにおいて、受信したパケットの時系列を蓄積し、自ノードの送信タイミングと併せて、蓄積したパケットを中継配信する。パケットが最終的に宛先ノードに達すると、宛先ノードはAcknowledgmentを送出してパケットの受信完了を各ノードに通知する。Acknowledgmentには受信したパケットの発信時刻を記すことで、各ノードはその発信時刻以前の蓄積パケットの時系列を廃棄するとともに、その発信時刻以降のパケットの時系列を継続蓄積し、次の送信タイミングで送信するようにしている。このようにしたので、パケット喪失に対する耐性を高めることができる。
【0023】
[第4の実施形態]
図33に示すように、図2と同様の伝送経路が設定されているとする。この状態から図34(T=1)において、で宛先無線ノードDから送信端ノードAに対してトークンメッセージが返送される。このメッセージには、既にノードDにおいて受信が完了したパケットの発信時刻が示される。図34のトークンメッセージでは、ノードAからのT=0(データ収集開始以前)以降のデータ時系列の送信を要求している。
【0024】
図35,図36ではこのトークンメッセージに対応し、ノードAがノードGを中継してノードDにT=1でのデータ時系列を送信している。図36のネットワーク状態は、図24と同様である。ノードB以降のデータ時系列送信後のネットワーク状態も、図25以降と同様となる。
【0025】
この実施形態では、宛先ノードからトークンメッセージにより、複数の中継ノードのいずれかを指定して送信権を与えるとともに、既に受信完了したパケットの発信時刻を通知する。送信権を得たノードは、トークンメッセージ内の発信時刻以前の蓄積パケットの時系列を廃棄し、その発信時刻以降の伝送パケットの時系列を継続蓄積する。そして、その継続蓄積したパケットの時系列を送信した後、宛先無線ノードに向けて送信済みメッセージを返送する。以上の手順を繰り返すことにより、パケットの送信権を順次1ノードずつに割り当てるようにしている。
【0026】
以上述べたように上記各実施形態では、送信端ノードから1回の送信での伝送データを受信した周囲の各中継ノードが、そのノードから宛先無線ノードまでの経路に沿ってデータを送信する。また各中継ノードから1回の送信での伝送データを受信した周囲の各中継ノードが、そのノードから宛先無線ノードまでの経路に沿ってデータを送信する。これを繰り返してデータを宛先無線ノードまで到達させることにより、擬似的な複数伝送経路を構成して冗長伝送を行うようにした。さらに、データ欠落に対する補償のため、各ノードにてさらに伝送データを時系列で蓄積する機構を設けるようにする。各ノードでは宛先無線ノードから与えられる受信完了データの発信時刻情報に基づき、その発信時刻以前の蓄積データを廃棄し、その発信時刻以降の伝送データを継続蓄積して送信することにより、効率的な補償を行うようにしている。これらのことから、無線帯域の効率的な利用とデータ伝送にかかる信頼性の向上との両立が可能なパケット伝送方法を提供することが可能となる。
【0027】
なお、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明に係わる無線伝送システムの実施の形態を示すシステム図。
【図2】第1の例示ネットワークを示す図。
【図3】ノードAがパケットを送信した状態を示す図。
【図4】ノードAに引き続きノードGがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図5】ノードBがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図6】ノードBに引き続きノードCがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図7】ノードCがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図8】ノードEがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図9】ノードFがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図10】ノードFに引き続きノードEがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図11】ノードGがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図12】第2の例示ネットワークを示す図。
【図13】ノードAがパケットを送信した状態を示す図。
【図14】ノードGがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図15】ノードBがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図16】ノードCがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図17】ノードCがパケットを送信した状態を示す図。
【図18】ノードEがパケットを送信した状態を示す図。
【図19】ノードFがパケットを送信した状態を示す図。
【図20】ノードEがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図21】ノードGがパケットを送信した状態を示す図。
【図22】第3の例示ネットワークを示す図。
【図23】ノードAがパケットを送信した状態を示す図。
【図24】ノードGがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図25】ノードDがノードAにAcknowledgementメッセージを送信した状態を示す図。
【図26】ノードBがパケットを送信した状態を示す図。
【図27】ノードCがパケットを中継配信した状態を示す図。
【図28】ノードDがノードBにAcknowledgementメッセージを送信した状態を示す図。
【図29】ノードDがノードGにAcknowledgementメッセージを送信した状態を示す図。
【図30】ノードFがパケットを送信した状態を示す図。
【図31】ノードEがパケットを中継配信失敗した状態を示す図。
【図32】ノードGからのパケット送信によりノードFからの送信データも補償した状態を示す図。
【図33】第4の例示ネットワークを示す図。
【図34】ノードDがノードAにTokenメッセージを送信した状態を示す図。
【図35】ノードAがパケットを送信した状態を示す図。
【図36】ノードGがパケットを中継配信した状態を示す図。
【符号の説明】
【0029】
11〜17…無線端末、A〜G…ノード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線ノードにより形成される無線ネットワーク内に設定される伝送経路を介してパケットをマルチホップ伝送する無線伝送システムにおける前記パケットの伝送方法であって、
前記パケットの送信端である無線ノードから送信された前記パケットを受信した無線ノードのそれぞれが、当該受信したパケットを前記伝送経路に沿って中継配信する第1ステップと、
前記無線ノードから中継配信された前記パケットを受信した無線ノードのそれぞれが、当該受信したパケットを前記伝送経路に沿って中継配信する第2ステップとを具備し、
前記第1および第2ステップを、前記パケットがその宛先無線ノードに到達するまで繰り返すことを特徴とするパケット伝送方法。
【請求項2】
前記パケットを受信した無線ノードは、この受信したパケットを受信後直ちに中継配信することを特徴とする請求項1に記載のパケット伝送方法。
【請求項3】
前記パケットを受信した無線ノードは、この受信したパケットを規定の送信周期ごとに中継配信することを特徴とする請求項1に記載のパケット伝送方法。
【請求項4】
前記パケットを受信した無線ノードは、自ノードが前記送信端となるパケットの送出とともに前記受信したパケットを中継配信することを特徴とする請求項1に記載のパケット伝送方法。
【請求項5】
前記宛先無線ノードが、いずれかの無線ノードに対し当該無線ノードにパケットの送出を許可する送信許可情報を含むトークンメッセージを送出する第3ステップと、
このトークンメッセージを受信した無線ノードが、前記パケットを中継配信するとともに前記宛先無線ノードに向け送信済みメッセージを返送する第4ステップとをさらに具備し、
前記第3および第4ステップを繰り返して前記複数の無線ノードのそれぞれにパケット送信の機会を与えることを特徴とする請求項1に記載のパケット伝送方法。
【請求項6】
複数の無線ノードにより形成される無線ネットワーク内に設定される伝送経路を介してパケットをマルチホップ伝送する無線伝送システムにおける前記パケットの伝送方法であって、
前記パケットの送信端である無線ノードから送信された前記パケットの時系列を受信した無線ノードのそれぞれが、当該受信したパケットの時系列を記憶する第1ステップと、
前記パケットの時系列を受信した無線ノードのそれぞれが、前記記憶したパケットの時系列を前記伝送経路に沿って中継配信する第2ステップと、
前記無線ノードから中継配信された前記パケットの時系列を受信した無線ノードのそれぞれが、当該受信したパケットの時系列を前記伝送経路に沿って中継配信する第3ステップとを具備し、
前記第1乃至第3ステップを、前記パケットがその宛先無線ノードに到達するまで繰り返すことを特徴とするパケット伝送方法。
【請求項7】
前記パケットの時系列を受信した無線ノードは、この受信したパケットの時系列を受信後直ちに中継配信することを特徴とする請求項6に記載のパケット伝送方法。
【請求項8】
前記パケットの時系列を受信した無線ノードは、この受信したパケットの時系列を規定の送信周期ごとに中継配信することを特徴とする請求項6に記載のパケット伝送方法。
【請求項9】
前記パケットの時系列を受信した無線ノードは、自ノードが前記送信端となるパケットの送出とともに前記受信したパケットの時系列を中継配信することを特徴とする請求項6に記載のパケット伝送方法。
【請求項10】
前記宛先無線ノードが、いずれかの無線ノードに対し当該無線ノードにパケットの送出を許可する送信許可情報を含むトークンメッセージを送出する第4ステップと、
このトークンメッセージを受信した無線ノードが、前記パケットの時系列を中継配信するとともに前記宛先無線ノードに向け送信済みメッセージを返送する第5ステップとをさらに具備し、
前記第4および第5ステップを繰り返して前記複数の無線ノードのそれぞれにパケット送信の機会を与えることを特徴とする請求項6に記載のパケット伝送方法。
【請求項1】
複数の無線ノードにより形成される無線ネットワーク内に設定される伝送経路を介してパケットをマルチホップ伝送する無線伝送システムにおける前記パケットの伝送方法であって、
前記パケットの送信端である無線ノードから送信された前記パケットを受信した無線ノードのそれぞれが、当該受信したパケットを前記伝送経路に沿って中継配信する第1ステップと、
前記無線ノードから中継配信された前記パケットを受信した無線ノードのそれぞれが、当該受信したパケットを前記伝送経路に沿って中継配信する第2ステップとを具備し、
前記第1および第2ステップを、前記パケットがその宛先無線ノードに到達するまで繰り返すことを特徴とするパケット伝送方法。
【請求項2】
前記パケットを受信した無線ノードは、この受信したパケットを受信後直ちに中継配信することを特徴とする請求項1に記載のパケット伝送方法。
【請求項3】
前記パケットを受信した無線ノードは、この受信したパケットを規定の送信周期ごとに中継配信することを特徴とする請求項1に記載のパケット伝送方法。
【請求項4】
前記パケットを受信した無線ノードは、自ノードが前記送信端となるパケットの送出とともに前記受信したパケットを中継配信することを特徴とする請求項1に記載のパケット伝送方法。
【請求項5】
前記宛先無線ノードが、いずれかの無線ノードに対し当該無線ノードにパケットの送出を許可する送信許可情報を含むトークンメッセージを送出する第3ステップと、
このトークンメッセージを受信した無線ノードが、前記パケットを中継配信するとともに前記宛先無線ノードに向け送信済みメッセージを返送する第4ステップとをさらに具備し、
前記第3および第4ステップを繰り返して前記複数の無線ノードのそれぞれにパケット送信の機会を与えることを特徴とする請求項1に記載のパケット伝送方法。
【請求項6】
複数の無線ノードにより形成される無線ネットワーク内に設定される伝送経路を介してパケットをマルチホップ伝送する無線伝送システムにおける前記パケットの伝送方法であって、
前記パケットの送信端である無線ノードから送信された前記パケットの時系列を受信した無線ノードのそれぞれが、当該受信したパケットの時系列を記憶する第1ステップと、
前記パケットの時系列を受信した無線ノードのそれぞれが、前記記憶したパケットの時系列を前記伝送経路に沿って中継配信する第2ステップと、
前記無線ノードから中継配信された前記パケットの時系列を受信した無線ノードのそれぞれが、当該受信したパケットの時系列を前記伝送経路に沿って中継配信する第3ステップとを具備し、
前記第1乃至第3ステップを、前記パケットがその宛先無線ノードに到達するまで繰り返すことを特徴とするパケット伝送方法。
【請求項7】
前記パケットの時系列を受信した無線ノードは、この受信したパケットの時系列を受信後直ちに中継配信することを特徴とする請求項6に記載のパケット伝送方法。
【請求項8】
前記パケットの時系列を受信した無線ノードは、この受信したパケットの時系列を規定の送信周期ごとに中継配信することを特徴とする請求項6に記載のパケット伝送方法。
【請求項9】
前記パケットの時系列を受信した無線ノードは、自ノードが前記送信端となるパケットの送出とともに前記受信したパケットの時系列を中継配信することを特徴とする請求項6に記載のパケット伝送方法。
【請求項10】
前記宛先無線ノードが、いずれかの無線ノードに対し当該無線ノードにパケットの送出を許可する送信許可情報を含むトークンメッセージを送出する第4ステップと、
このトークンメッセージを受信した無線ノードが、前記パケットの時系列を中継配信するとともに前記宛先無線ノードに向け送信済みメッセージを返送する第5ステップとをさらに具備し、
前記第4および第5ステップを繰り返して前記複数の無線ノードのそれぞれにパケット送信の機会を与えることを特徴とする請求項6に記載のパケット伝送方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【公開番号】特開2009−77074(P2009−77074A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−242978(P2007−242978)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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